JP2019035124A - ステンレス鋼板およびその精錬方法 - Google Patents

ステンレス鋼板およびその精錬方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019035124A
JP2019035124A JP2017157576A JP2017157576A JP2019035124A JP 2019035124 A JP2019035124 A JP 2019035124A JP 2017157576 A JP2017157576 A JP 2017157576A JP 2017157576 A JP2017157576 A JP 2017157576A JP 2019035124 A JP2019035124 A JP 2019035124A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
mgo
cao
stainless steel
inclusions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017157576A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6869142B2 (ja
Inventor
史明 桐原
Fumiaki Kirihara
史明 桐原
轟 秀和
Hidekazu Todoroki
秀和 轟
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Yakin Kogyo Co Ltd filed Critical Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
Priority to JP2017157576A priority Critical patent/JP6869142B2/ja
Publication of JP2019035124A publication Critical patent/JP2019035124A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6869142B2 publication Critical patent/JP6869142B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Abstract

【課題】非金属介在物の組成を制御して、疵の発生が抑制されたステンレス鋼板を提供する。【解決手段】 C:0.2%以下、Si:0.1〜2%、Mn:0.1〜2%、S:0.005%以下、Ni:7〜20%、Cr:15〜20%、Al:0.02〜0.15%、N:0.1%以下、O:0.0001〜0.005%、Mg:0.0001〜0.005%、Ca:0.0001〜0.005%、Mo:5%以下、Cu:2%以下、残部がFe及び不可避的不純物からなり、非金属介在物はMgO、CaO−Al2O3系酸化物、MgO・Al2O3の1種以上を含み、圧延方向に平行に分散して並ぶ非金属介在物が、長さ500μm以上に連続して並び、その中で、幅5μm以上、深さ1μm以上かつ長さ10μm以上の窪みが少なくとも1つ含まれる形態を持つ非金属介在物が、鋼板表面1m2の表面積あたり20個以下であることを特徴とするステンレス鋼板およびその精錬方法。【選択図】図1

Description

本発明は、表面性状に優れたステンレス鋼およびその精錬方法に関し、特に、Alを主体とする脱酸を施し、さらにスラグ組成を制御することにより、溶鋼中の非金属介在物のうち有害成分であるCaO、AlおよびMgO・Alの生成を抑制しつつ、さらに介在物個数自体を低減させることにより、表面性状に優れたステンレス鋼を製造する精錬方法に関する。
ステンレス鋼は優れた耐食性および機械特性を有しており、様々な分野にて利用されている。その範囲は広く、外装材、化学プラント材料、構造材料、精密電子機器部品にまで到る。したがって、表面性状としては、小さい疵も特性を低下させるので、少なくしなければならない。
このような課題に対して、表面にマイクロピット(微小な凹部)が少ない清浄性に優れるステンレス鋼が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。この素材はハードディスク用材料などの電子部品に使用される。
これらの技術によると、非金属介在物は圧延工程において長く延伸されて分散することで、ピットは細かくなる。しかしながら、介在物の量が多いと、多数のピットの中には問題となるサイズの疵となるものが発生する危険性を持っていた。
さらに、ステンレス溶鋼をAlで脱酸することにより、清浄性を高める精錬方法が示されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、特許文献4に記載の技術では、酸素濃度が制御されていないために、鏡面仕上の場合には表面疵が発生する危険があった。
特開2011−202253号公報 特開2011−214079号公報 特開2012−201945号公報 特開2001−220619号公報
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、非金属介在物の組成を制御することにより、マイクロピットに起因する疵の発生が抑制されたステンレス鋼板を提供することを目的とする。
発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。板厚1mmのSUS304ステンレス鋼の冷延板を採取して、10cm×10cmの正方形に切断し鏡面研磨した。その後、疵の有無を検査した。本発明は、このように鏡面研磨を行い、検査することで疵の有無を評価して完成したものである。
すなわち、本発明のステンレス鋼板は、C:0.2%以下、Si:0.1〜2%、Mn:0.1〜2%、S:0.005%以下、Ni:7〜20%、Cr:15〜20%、Al:0.02〜0.15%、N:0.1%以下、O:0.0001〜0.005%、Mg:0.0001〜0.005%、Ca:0.0001〜0.005%、Mo:5%以下、Cu:2%以下、残部がFe及び不可避的不純物からなり、非金属介在物はMgO、CaO−Al系酸化物、MgO・Alの1種または2種以上を含み、圧延方向に平行に分散して並ぶ非金属介在物が、長さが500μm以上に亘って連続して並び、その一連の中で、幅5μm以上、深さ1μm以上、かつ長さ10μm以上の窪みが少なくとも1つ含まれる形態を持つ非金属介在物が、鋼板表面1mの表面積あたり20個以下であることを特徴とする。
本発明においては、前記非金属介在物中のMgO・Alの個数比率が50%以下であることが好ましい。また、前記非金属介在物のうち、MgO・AlはMgO:10〜40%、Al:60〜90%であり、CaO−Al系酸化物は、CaO:30〜70%、Al:30〜70%であることが好ましい。
また、本発明のステンレス鋼板の精錬方法は、電気炉にて、原料を溶解し、次いで、AOD(Argon oxygen decarburization)および/またはVOD(Vacuum oxygen decarburization)において脱炭した後に、石灰、蛍石、フェロシリコン合金および/またはAlを投入し、CaO:50〜70、SiO:3〜20%、MgO:3〜15%、Al:15%未満からなるCaO−SiO−MgO−Al−F系スラグを用い、Cr還元、脱酸、脱硫を行い、連続鋳造機で鋳造してスラブを製造し、続けて熱間圧延、冷間圧延を実施することを特徴とする。
本発明の実施例において検討を行った圧延後のステンレス鋼表面に形成される疵の模式図であり、(a)は平面図、(b)は側断面図である。
まず、本発明のステンレス鋼板の化学成分限定理由を示す。なお、以下の説明においては、「%」は「mass%」(「質量%」)を意味する。
(C:0.2%以下)
Cはオーステナイト相安定化元素であるが、多量に存在すると、CrおよびMo等と結合して炭化物を形成し、母材に含まれる固溶CrおよびMo量を低下させ、耐食性を劣化させる。そのため、C含有量は0.2%以下とした。なお、好ましくは0.18%以下であり、より好ましくは0.15%以下である。
(Si:0.1%〜2%)
Siは本願発明で、とても重要な元素である。Siは脱酸に有効な元素であり、酸素濃度を0.005%以下に制御するためには、0.1%は必要である。さらに、CaO−SiO−MgO−Al−F系スラグ中のCaOやMgOを還元し、溶鋼中にCaやMgをそれぞれ0.0001%以上供給する役割もある。これにより、介在物を無害なMgO、CaO−Al系に維持する効果がある。その観点からも0.1%は必要である。一方、2%を超えて含有すると、スラグ中のCaOやMgOを還元しすぎてしまい、Ca、Mgを0.005%超供給してしまう。その結果Caは、CaO単体の介在物を形成させてしまい、製品に表面欠陥を発生させてしまう。また、Mgはスラブ中にMg気泡を形成して表面欠陥をもたらす危険がある。そのため、Si含有量は、0.1%〜2%と規定した。好ましくは0.15〜1.5%である。
(Mn:0.1 %〜2%)
Mnは脱酸に有効な元素である。Mn含有量が、0.1%未満では、その効果が十分に得られず、逆に、2%を超えて存在すると、σ相の生成を促進し、脆化を招く。そのため、Mn含有量は0.1%〜2%と規定した。
(S:0.005%以下)
Sは熱間加工性を阻害する元素であるため、極力低下させるべきであり、S含有量は0.005%以下とした。好ましくは0.003%以下である。さらに好ましくは0.002%以下である。
(Ni:7%〜20%)
Niは塩化物を含む溶液環境における耐孔食性、耐隙間腐食性ならびに耐応力腐食割れ性を改善する効果を有しているが、過剰に添加することは、コスト上昇につながるため好ましくない。そこで、Ni含有量は7%〜20%と規定した。
(Cr:15%〜20%)
Crは、耐食性を確保するために必要不可欠な不動態皮膜を、鋼板表面に形成させる元素であり、耐酸性、耐孔食性、耐隙間腐食性ならびに耐応力腐食割れ性を改善するための母材の構成成分として、最も重量な元素である、しかしながら、Cr含有量が15%未満では、十分な耐食性が得られない。逆に、含有量が20%を超えると、σ相を生成し脆化を招く。以上の理由から、Cr含有量は15%〜20%と規定した。
(Al:0.02%〜0.15%)
Alは脱酸に非常な有効な元素であり、Alを主体とする脱酸を施すことにより、酸素濃度を低下し、清浄度を向上させることができるため、0.02%以上必要である。さらにCaO−SiO−MgO−Al−F系スラグ中のCaOやMgOを還元し、溶鋼中にCaやMgをそれぞれ0.0001%以上供給し、介在物を無害なMgO、CaO−Al系に制御する効果がある。そして、疵をもたらすMgO・Al介在物を回避するためにも、0.02%以上必要である。一方、0.15%を超えて添加すると、溶鋼中にCaやMgを過剰に供給してしまう。過剰なCaは表面品質に悪影響を及ぼすCaO介在物の生成を助長する。過剰なMgはスラブ表面にMg気泡を形成させ、スラブの内質を低下させたりする傾向がある。さらに、0.15%超えて添加すると、溶接用途にて溶接ビード部の品質を低下させる。そのため、Al含有量は、0.02%〜0.15%とした。好ましくは0.04%〜0.13%である。より好ましくは、0.05%〜0.12%である。
(N:0.1%以下)
Nは、侵入型元素であり、鋼の硬さ及び耐食性を向上させる元素である。しかし、N含有量が過剰になると、Crと共に窒化物を形成し、加工性に悪影響を及ぼす。したがって、N含有量を0.1%以下と規定した。
(Mg:0.0001%〜0.005%)
Mgは鋼中の非金属介在物の組成を、表面品質に悪影響の無い酸化物系MgOに制御するために有効な元素である。その効果は、含有量が0.0001%未満では得られず、逆に、0.005%を超えて含有させると、スラブ中にMg気泡を形成するため、最終製品に表面欠陥をもたらす。そのため、Mg含有量は、0.0001%〜0.005%と規定した。好ましくは、0.0002〜0.004%である。より好ましくは、0.0003〜0.003%である。溶鋼中に効果的にMgを添加させるには、下記(1)式で示す反応を利用することが好ましい。
3(MgO)+2Al=(Al)+3Mg …(1)
括弧内はスラグ中成分を示し、下線は溶鋼中成分を示す。上記の範囲にMgを制御するには、スラグ組成をCaO:50〜70%、SiO:3〜20%、MgO:3〜15%、Al:15%未満に制御すればよい。
(Ca:0.0001%〜0.005%)
Caは鋼中の非金属介在物の組成を、クラスターを形成せず、表面品質に悪影響の無いCaO−Al系酸化物に制御するために有効な元素である。その効果は、含有量が0.0001%未満では得られず、逆に、0.005%を超えて含有させると、CaO単体の介在物が形成し、最終製品に表面欠陥をもたらす。そのためCa含有量は、0.0001%〜0.005%と規定した。好ましくは、0.0002〜0.004%である。より好ましくは、0.0003〜0.003%である。溶鋼中に効果的にCaを添加させるには、下記(2)式で示す反応を利用することが好ましい。
3(CaO)+2Al=(Al)+3Ca …(2)
上記の範囲にCaを制御するには、スラグ組成をCaO:50〜70%、SiO:3〜20%、MgO:3〜15%、Al:15%未満に制御すればよい。
(O:0.0001%〜0.005%)
Oは、鋼中に0.005%を超えて存在すると、介在物の量が多くなり、長さが500μm以上連続しており、その一連の中で、幅5μm以上、深さ1μm以上かつ長さ10μm以上の窪みが少なくとも1つ含まれる形態を持つ非金属介在物の個数が鋼板表面1mの表面積あたり20個を超えて多くなってしまう。さらに、脱硫を阻害し、溶鋼中S濃度が0.005%を超えてしまう。逆に0.0001%未満と低くなると、Alがスラグ中のMgOやCaOを還元する能力を高めすぎてしまう。つまり、上記の(1)および(2)式の反応が進行しすぎてしまうことにより、溶鋼中のMgやCaがそれぞれ、0.005%を超えて高くなってしまう。そのため、O含有量は、0.0001%〜0.005%と規定した。
(Mo:5%以下、Cu:2%以下)
特に限定はしないが、Mo、Cuの一方または両方を含有しても構わない。Moは耐食性を高める元素であり、5%以下の範囲で含有しても良い。Cuは耐酸性に有効な他、軟質化にも有効であり、2%以下の範囲で含有しても良い。
(非金属介在物)
まず、本発明では、圧延方向に平行に分散して並ぶ非金属介在物が、長さが500μm以上に亘って連続して並び、その一連の中で、幅5μm以上、深さ1μm以上かつ長さ10μm以上の窪みが少なくとも1つ含まれる形態を持つ非金属介在物の個数が鋼板表面1mの表面積あたり20個以下であると規定する。
本発明では、圧延後のステンレス鋼板の表面性状を観察するので、鋼板に含まれる非金属介在物は、圧延によって微細に破壊され、介在物粒子は圧延方向に沿って分散することとなる。この状態を模式的に図1に示す。図1(a)はステンレス鋼板平面図であり、(b)は対応する側断面図である。図に示すように、介在物粒子は、圧延方向に平行に直線状に並ぶ。ここで、「圧延方向に平行に分散して並ぶ非金属介在物」とは、隣接する介在物粒子の間隔が200μm以下である形態を定義するものであり、「長さが500μm以上に亘る」とは、図のように一連の介在物粒子の連続して並ぶ領域全体の長さが500μm以上ということであり、「幅5μm以上、深さ1μm以上かつ長さ10μm以上の窪み」とは、個々の介在物粒子の中のこれらの幅・深さ・長さを全て満たす介在物による窪みを言う。例えば、図に示すような長さ20μm、幅5μm、深さ2μmの窪みである(図1(b)は深さ方向の縮尺は変えてある)。また、鋼板表面1mの表面積あたり20個以下と定めた理由は、上記したサイズは、いずれも肉眼で識別できる最小の数値であるからである。また、鋼板1mからは10cm×10cmの鋼板製品100枚得られ、そのうちの20枚以下に平均して1個ずつの疵が含まれることとなり、すなわち歩留まりが80%以上となることを意味する。
本発明では、非金属介在物組成は、MgO、MgO・Al、CaO−Al系酸化物の1種または2種以上を含み、MgO・Alを個数比率で50%以下であることを好ましい態様としている。以下、非金属介在物の個数比率限定の根拠を示す。
(非金属介在物組成は、MgO、MgO・Al、CaO−Al系酸化物の1種または2種以上を含み、MgO・Alを個数比率で50%以下)
本発明に係るステンレス鋼は、鋼のSi、Al、Mg、Caの含有量に従い、MgO、MgO・Al、CaO−Al系酸化物のうち1種または2種以上含む。これらの介在物が問題ない理由は、まず、MgOは圧延工程で延びないため表面疵を形成しない。CaO−Al系酸化物は圧延工程で延びるが、深さ1μmを超えて深くならない。そのため、いずれも表面疵を形成しない。つまり、長さが500μm以上に亘って連続して並び、その一連の中で、幅5μm以上、深さ1μm以上かつ長さ10μm以上の窪みが少なくとも1つ含まれる形態を持つ非金属介在物の個数が鋼板表面1mの表面積あたり20個以下となるためである。MgO・Alは表面欠陥を引き起こす介在物であるので、極力少ない方が好ましい。ただし、その含有量が個数割合で50%以下であれば、表面疵が少なくて済む。つまり、長さが500μm以上に亘って連続して並び、その一連の中で、幅5μm以上、深さ1μm以上かつ長さ10μm以上の窪みが少なくとも1つ含まれる形態を持つ非金属介在物の個数が鋼板表面1mの表面積あたり20個以下となる。
(MgO・Alの構成成分比がMgO:10〜40%、Al:60〜90%)
MgO・Alは比較的広い固溶体を持つ化合物である。上記の範囲で固溶体となり、クラスターを形成し難くし、個数比率が50個数%以下であれば疵の原因になり難くなるので、このように定めた。
(CaO−Al系酸化物の成分比がCaO:30〜70%、Al:30%〜70%)
基本的には、CaO−Al系酸化物の融点を1300℃程度以下に保つために、上記範囲に設定した。なお、CaOが70%を超えるとCaO介在物が共存し、Alが70%超では純粋な有害であり疵となるAl介在物が共存する。以上から、CaO:30〜70%、Al:30%〜70%とした。また、CaO−Al系酸化物はSiOを5%以下、MgOを10%以下含んでも構わない。これは、CaO−Al系酸化物は、SiOを5%以下、MgOを10%以下含んでも、圧延工程で延びるが、深さ1μmを超えて深くならないためである。
CaOおよびAl介在物は、最も避けるべき介在物である。この理由を説明する。
(CaO)
CaO介在物は、水溶性のため、湿式研磨の際に溶解し、深さ1μmを超えるピットを発生させるため、避けるべき介在物である。
(Al
Al介在物は、クラスター状の介在物を形成し、長さ500μmを越える介在物となるため、避けるべき介在物である。
(製造方法)
本願発明では、ステンレス鋼の製造方法も提案する。まず、原料を溶解し、Ni:7〜20%、Cr:15〜20%を含有するステンレス溶鋼を溶製し、次いで、AODおよび/またはVODにおいて脱炭した後に、石灰、蛍石、フェロシリコン合金および/またはAlを投入しCaO:50〜70%、SiO:3〜20%、MgO:3〜15%、Al:15%未満からなるCaO−SiO−MgO−Al−F系スラグを用いて溶鋼を精錬する。その後、取鍋に出鋼して、温度調整ならびに成分調整を行い、連続鋳造機によりスラブを製造する。製造したスラブは、表面を研削し、1200℃で加熱して熱間圧延を実施し、厚み6mmの熱帯を製造し、焼鈍、酸洗を行い、表面のスケールを除去する。最終的に冷間圧延を施し、板厚1mmの薄板を製造する方法である。これにより、非金属介在物は、MgO、MgO・Al、CaO−Al系酸化物の1種または2種以上に制御できる。その結果、長さが500μm以上連続しており、その一連の中で、幅5μm以上、深さ1μm以上かつ長さ10μm以上の窪みが少なくとも1つ含まれる形態を持つ非金属介在物の個数が鋼板表面1mの表面積あたり20個以下であるステンレス鋼板を得ることができる。
本発明に係るステンレス鋼板の製造方法では、上述のようにスラグの組成に特徴を有している。以下、本発明で規定するスラグ組成の根拠を説明する。
(CaO:50〜70%、SiO:3〜20%)
スラグ中のCaO濃度およびSiO濃度は、脱酸および脱硫を効率よく行い、かつ介在物制御を行うための元素である。CaO濃度が70%を越えると、スラグ中CaOの活量が高くなり、(2)式の反応が進行しすぎる。そのため、溶鋼中に還元されるCa濃度が0.005%を超えて高くなり、CaO単体の非金属介在物が生成し、ノズル内に付着して、最終製品に表面欠陥をもたらす。そのため、上限を70%とした。一方、CaO濃度が50%未満だと、脱酸、脱硫が進まずに、本発明におけるS濃度、O濃度の範囲に制御することができなくなる。そのため、下限を50%とした。また、SiO濃度は最適な流動性を確保するため、3〜20%と規定した。
(MgO:3〜15%)
スラグ中のMgOは、溶鋼中に含まれるMg濃度を請求項に記載される濃度範囲に制御するために、重要な元素であるとともに、非金属介在物を本発明に好ましい組成に制御するためにも重要な元素である。そこで、下限を3%とした。一方、MgO濃度が15%を超えると、(1)式の反応が進行しすぎてしまい、溶鋼中のMg濃度が高くなり、スラブ中にMg気泡を形成するため、最終製品に表面欠陥をもたらす。そこで、MgO濃度の上限を15%とした。スラグ中のMgOは、AOD精錬、あるいはVOD精錬する際に使用されるドロマイトレンガ、またはマグクロレンガがスラグ中に溶け出すことで、所定の範囲となる。あるいは、所定の範囲に制御するため、ドロマイトレンガ、またはマグクロレンガの廃レンガを添加してもよい。
(Al:15%未満)
スラグ中のAlは、高いとMgO・Alが50個数%を超えて生成させる。また、Al介在物も形成してしまうため、スラグ中のAl濃度は極力下げる必要がある。そのため、上限を15%(未満)とした。
次に実施例を提示して、本発明の構成および作用効果をより、明らかにするが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。容量60トンの電気炉により、フェロニッケル、純ニッケル、フェロクロム、鉄屑、ステンレス屑、Fe−Ni合金屑などを原料として、溶解した。一部の鋼種ではFeMoあるいはCuも原料として添加した。その後、AODおよび/またはVODにおいてCを除去するための酸素吹精(酸化精錬)を行い、石灰石および蛍石を投入し、CaO−SiO−Al−MgO−F系スラグを生成させ、さらに、FeSi合金および/またはAlを投入し、Cr還元を行い、次いで脱酸した。その後、さらにAr撹拌して脱硫を進めた。AOD、VODではマグクロレンガをライニングした。その後、取鍋に出鋼して、温度調整ならびに成分調整を行い、連続鋳造機によりスラブを製造した。
製造したスラブは、表面を研削し、1200℃で加熱して熱間圧延を実施し、厚み6mmの熱帯を製造した。その後、焼鈍、酸洗を行い、表面のスケールを除去した。最終的に冷間圧延を施し、板厚1mmの薄板を製造した。
得られたステンレス鋼の化学成分、AODもしくはVOD精錬終了時のスラグ組成を表1に、非金属介在物組成、介在物の形態および品質評価を表2に示す。ここで、実施例の4はVOD精錬、実施例の5および比較例の10はAODに引続きVODで精錬した。なお、表中の―は、無添加のため、分析限界以下であったことを示す。[ ]で示す数値は、本発明の範囲外であることを示す。
Figure 2019035124
Figure 2019035124
なお、分析および評価は下記の(1)〜(4)の通りに行った。
(1)合金の化学成分およびスラグ組成:蛍光X線分析装置を用いて定量分析を行い、合金の酸素濃度は不活性ガスインパルス融解赤外線吸収法で定量分析を行った。
(2)非金属介在物組成:鋳込み開始直後、タンディッシュにて採取したサンプルを鏡面研磨し、SEM−EDSを用いて、サイズ5μm以上の介在物を20点ランダムに測定した。
(3)スピネル介在物の個数比率:上記(2)の測定の結果から個数比率を評価した。
(4)品質評価:板厚1mmの冷延板を採取して、10cm×10cmの正方形に切断し鏡面研磨した。次に、疵の有無を検査した。すなわち長さが500μm以上に亘って連続して並び、その一連の中で、幅5μm以上、深さ1μm以上かつ長さ10μm以上の窪みが少なくとも1つ含まれる形態を持つ非金属介在物の個数を、総面積1mの評価面積において測定した。
実施例の1〜7は、本発明の範囲を満足していたために、研磨後の表面にて、疵は表面積1mあたり20個以下であり、良好な表面性状を得ることが出来た。なお、実施例6は、MgO・Alの個数割合が55%とわずかに50%を超えていたため、表面積1mあたり疵が19個と範囲内ではあるが、多い傾向が見られた。また、実施例7は、CaO−Al系介在物中のSiO濃度が23.2%と5%を超えていたため、延びやすい性質となり、長さ500μmを超える介在物が増え、表面積1mあたり疵が18個と範囲内ではあるが多い傾向がみられた。
一方、比較例は本願発明の範囲を逸脱したため、表面欠陥が発生した。以下に、各例について説明する。
比較例8はAl濃度が0.001%と低く、MgおよびCa濃度が1ppm以下となってしまい、介在物中SiO濃度も23.3%と高くなった。さらに、脱酸や脱硫が進まず、S濃度が0.0068%と高くなってしまった。その結果、熱間加工性が低下による表面欠陥や介在物起因の疵が多数発生した。
比較例9は、Al濃度が0.014%と0.02%未満のため、溶鋼中Mgと相まってMgO・Al介在物が多く形成してしまった。その結果スピネル比率が100%と50%を超えてしまい、疵が多数発生した。
比較例10は、Al濃度が0.185%と0.15%を超えて高かったため、酸素濃度が低くなりすぎ、Ca濃度が0.0062%と高くなった。その結果、CaO単体の非金属介在物を生成し、疵が多数発生した。
比較例11は、添加したAlが歩留らず、酸化物となり、スラグ中Al濃度が25.5%と高くなった。また、溶鋼中Mg濃度およびCa濃度が低くかったため、Al単体の非金属介在物が生成し、疵が多数発生した。
比較例12は、溶鋼中のMg濃度が0.0097%と高くなったため、スラブ中にMg気泡を形成し、スラブの段階で屑化となってしまった。
比較例13は、Si濃度が2.21%と2%を超えて高かったため、Ca濃度が0.0084%と高くなった。その結果、CaO単体の非金属介在物を生成し、疵が多数発生した。

Claims (4)

  1. C:0.2%以下、Si:0.1〜2%、Mn:0.1〜2%、S:0.005%以下、Ni:7〜20%、Cr:15〜20%、Al:0.02〜0.15%、N:0.1%以下、O:0.0001〜0.005%、Mg:0.0001〜0.005%、Ca:0.0001〜0.005%、Mo:5%以下、Cu:2%以下、残部がFe及び不可避的不純物からなり、非金属介在物はMgO、CaO−Al系酸化物、MgO・Alの1種または2種以上を含み、圧延方向に平行に分散して並ぶ非金属介在物が、長さが500μm以上に亘って連続して並び、その一連の中で、幅5μm以上、深さ1μm以上、かつ長さ10μm以上の窪みが少なくとも1つ含まれる形態を持つ非金属介在物が、鋼板表面1mの表面積あたり20個以下であることを特徴とするステンレス鋼板。
  2. 前記非金属介在物中のMgO・Alの個数比率が50%以下であることを特徴とする請求項1に記載のステンレス鋼板。
  3. 前記非金属介在物のうち、MgO・AlはMgO:10〜40%、Al:60〜90%であり、CaO −Al系酸化物は、CaO:30〜70%、Al:30〜70%であることを特徴とする請求項1または2に記載のステンレス鋼板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のステンレス鋼板の精錬方法であって、電気炉にて、原料を溶解し、次いで、AODおよび/またはVODにおいて脱炭した後に、石灰、蛍石、フェロシリコン合金および/またはAlを投入し、CaO:50〜70%、SiO:3〜20%、MgO:3〜15%、Al:15%未満からなるCaO−SiO−MgO−Al−F系スラグを用い、Cr還元、脱酸、脱硫を行い、連続鋳造機で鋳造してスラブを製造し、続けて熱間圧延、冷間圧延を実施することを特徴とするステンレス鋼板の精錬方法。
JP2017157576A 2017-08-17 2017-08-17 ステンレス鋼板およびその製造方法 Active JP6869142B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017157576A JP6869142B2 (ja) 2017-08-17 2017-08-17 ステンレス鋼板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017157576A JP6869142B2 (ja) 2017-08-17 2017-08-17 ステンレス鋼板およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019035124A true JP2019035124A (ja) 2019-03-07
JP6869142B2 JP6869142B2 (ja) 2021-05-12

Family

ID=65637082

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017157576A Active JP6869142B2 (ja) 2017-08-17 2017-08-17 ステンレス鋼板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6869142B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6762414B1 (ja) * 2019-12-27 2020-09-30 日本冶金工業株式会社 表面性状に優れたステンレス鋼およびその製造方法
CN111763802A (zh) * 2020-07-06 2020-10-13 甘肃酒钢集团宏兴钢铁股份有限公司 一种AOD转炉冶炼20Mn23AlV无磁钢的方法
CN111910045A (zh) * 2020-07-08 2020-11-10 甘肃酒钢集团宏兴钢铁股份有限公司 一种高纯奥氏体不锈钢的冶炼方法
WO2021172378A1 (ja) * 2020-02-27 2021-09-02 日鉄ステンレス株式会社 ステンレス鋼、ステンレス鋼材、およびステンレス鋼の製造方法
WO2021172376A1 (ja) * 2020-02-27 2021-09-02 日鉄ステンレス株式会社 鏡面研磨性に優れたステンレス鋼およびその製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0361322A (ja) * 1989-07-28 1991-03-18 Nippon Steel Corp 伸線性ならびに冷間圧延性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法
JP2004149833A (ja) * 2002-10-29 2004-05-27 Nippon Yakin Kogyo Co Ltd 耐食性、溶接性および表面性状に優れるステンレス鋼およびその製造方法
JP2015074807A (ja) * 2013-10-09 2015-04-20 日本冶金工業株式会社 表面性状に優れたステンレス鋼とその製造方法
CN105567907A (zh) * 2016-01-06 2016-05-11 山西太钢不锈钢股份有限公司 一种奥氏体不锈钢塑性夹杂物控制的方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0361322A (ja) * 1989-07-28 1991-03-18 Nippon Steel Corp 伸線性ならびに冷間圧延性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法
JP2004149833A (ja) * 2002-10-29 2004-05-27 Nippon Yakin Kogyo Co Ltd 耐食性、溶接性および表面性状に優れるステンレス鋼およびその製造方法
JP2015074807A (ja) * 2013-10-09 2015-04-20 日本冶金工業株式会社 表面性状に優れたステンレス鋼とその製造方法
CN105567907A (zh) * 2016-01-06 2016-05-11 山西太钢不锈钢股份有限公司 一种奥氏体不锈钢塑性夹杂物控制的方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6762414B1 (ja) * 2019-12-27 2020-09-30 日本冶金工業株式会社 表面性状に優れたステンレス鋼およびその製造方法
CN113046616A (zh) * 2019-12-27 2021-06-29 日本冶金工业株式会社 表面性状优异的不锈钢和其制造方法
JP2021107571A (ja) * 2019-12-27 2021-07-29 日本冶金工業株式会社 表面性状に優れたステンレス鋼およびその製造方法
CN113046616B (zh) * 2019-12-27 2023-11-03 日本冶金工业株式会社 表面性状优异的不锈钢和其制造方法
WO2021172378A1 (ja) * 2020-02-27 2021-09-02 日鉄ステンレス株式会社 ステンレス鋼、ステンレス鋼材、およびステンレス鋼の製造方法
WO2021172376A1 (ja) * 2020-02-27 2021-09-02 日鉄ステンレス株式会社 鏡面研磨性に優れたステンレス鋼およびその製造方法
TWI748883B (zh) * 2020-02-27 2021-12-01 日商日鐵不銹鋼股份有限公司 鏡面研磨性優異的不鏽鋼及其製造方法
CN111763802A (zh) * 2020-07-06 2020-10-13 甘肃酒钢集团宏兴钢铁股份有限公司 一种AOD转炉冶炼20Mn23AlV无磁钢的方法
CN111763802B (zh) * 2020-07-06 2021-09-24 甘肃酒钢集团宏兴钢铁股份有限公司 一种AOD转炉冶炼20Mn23AlV无磁钢的方法
CN111910045A (zh) * 2020-07-08 2020-11-10 甘肃酒钢集团宏兴钢铁股份有限公司 一种高纯奥氏体不锈钢的冶炼方法
CN111910045B (zh) * 2020-07-08 2021-09-24 甘肃酒钢集团宏兴钢铁股份有限公司 一种高纯奥氏体不锈钢的冶炼方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6869142B2 (ja) 2021-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6146908B2 (ja) 表面性状に優れたステンレス鋼とその製造方法
JP4824640B2 (ja) 二相ステンレス鋼およびその製造方法
JP2019035124A (ja) ステンレス鋼板およびその精錬方法
JP4673343B2 (ja) 耐食性、溶接性および表面性状に優れるステンレス鋼板およびその製造方法
JP5950306B2 (ja) 耐硫酸腐食性、耐粒界腐食性および表面性状に優れるFe−Ni−Cr系合金およびその製造方法
JP6990337B1 (ja) 表面性状に優れたNi基合金およびその製造方法
JP5616283B2 (ja) Fe−Ni−Cr−Mo合金およびその製造方法
JP6603033B2 (ja) 高Mn含有Fe−Cr−Ni合金およびその製造方法
US20230077573A1 (en) Stainless steel for metal foils, stainless steel foil, and methods for producing them
JP4025171B2 (ja) 耐食性、溶接性および表面性状に優れるステンレス鋼およびその製造方法
JP6116286B2 (ja) 発銹の少ないフェライト系ステンレス鋼
JP6222806B2 (ja) 耐脆化性に優れる高耐食二相ステンレス鋼
JP6903182B1 (ja) 表面性状に優れたNi−Cr−Al−Fe合金およびその製造方法
JP6762414B1 (ja) 表面性状に優れたステンレス鋼およびその製造方法
US20230077707A1 (en) Stainless steel, stainless steel material, and method for producing stainless steel
JP7187213B2 (ja) 表面性状に優れたステンレス鋼板およびその製造方法
JP2015155116A (ja) 溶接用ステンレス鋼の肉盛方法
JP5744576B2 (ja) 耐発銹性に優れたフェライト系ステンレス鋼
JP4025170B2 (ja) 耐食性、溶接性および表面性状に優れたステンレス鋼およびその製造方法
JP6526307B1 (ja) 内部品質および熱間加工性に優れるNi−Cr−Nb−Fe系合金とその製造方法
JP2023028465A (ja) 溶接性に優れる析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼とその製造方法
JP7369266B1 (ja) 表面性状に優れたFe-Cr-Ni系合金およびその製造方法
JP7158618B1 (ja) 耐酸化性に優れたオーステナイト系Fe-Ni-Cr合金およびその製造方法
JP7009666B1 (ja) 加工性、耐食性に優れる溶接管用Ni-Cr-Mo系合金
JPWO2016052639A1 (ja) ステンレス鋼材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200514

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210305

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210409

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6869142

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250