JP6266660B2 - Zr基非晶質合金組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、高耐蝕特性を有する非晶質合金組成物に係り、より詳細には、0.5mm以上の非晶質形成能を有するZr基非晶質合金組成物に関する。
非晶質合金は、2GPa以上の高強度特性を有し、優れた耐摩耗特性、耐腐蝕性、破壊靭性のような既存の結晶質金属素材と比較して、格段に優れた特性を有している。
一方、半導体製造工程分野、MEMSのような微細素子の製造はもとより、各種工具、金型、自動車用部品の耐摩耗向上などのためのコーティング形成分野で反応性ガスである窒素と反応して、高軽度のチッ化物を形成することができるジルコニウムをベースとする非晶質合金を利用した多成分系スパッタリングターゲットの開発が要求されている。また、電気自動車の需要が増加するにつれて、高分子電解質型燃料電池に使われる金属バイポーラプレートの耐蝕性向上のために、非晶質材料が注目されている。バイポーラプレートは、初期にはグラファイトを適用していたが、経済性、強度、電気伝導性の改善のために、最近では、金属系バイポーラプレートの開発が進められている。しかしながら、金属系バイポーラプレートの場合、燃料電池の作動環境に対して耐腐蝕特性が低いことが問題点として指摘されている。したがって、最近では、非晶質合金リボンを用いてバイポーラプレートを製造したり、金属系プレート上に非晶質膜をコーティングすることによって、バイポーラプレートの耐腐蝕性を向上させようとする試みがなされている。Zr基非晶質合金の場合、高い形成能を有する合金系として知られており、代表的に、Zr−Al−Ni−Cu基合金の場合、10mm以上の非晶質形成能を有すると報告されている。しかし、報告されたZr基非晶質合金の場合、ほとんどがZrの含量65原子%以下であって、添加されたNi及びCu元素の含量が相対的に高い組成範囲で非晶質形成能を有することが知られている。これにより、耐摩耗特性の向上及び耐腐蝕性の向上のために、非晶質合金を構成しているZrの含量が高く、NiまたはCuの含量が少ない合金系の開発が要求されている。
本発明は、前記問題点を含んだ多様な問題点を解決するためのものであって、従来の合金よりもZr含量が高く、常用金属元素のみからなり、工業的、経済的活用性に優れ、実用化が容易な高耐蝕特性のZr基非晶質合金組成物の提供を目的とする。しかし、このような課題は、例示的なものであって、これにより、本発明の範囲が限定されるものではない。
本発明の一観点によれば、Zrが67原子%〜78原子%、Al及びCoのうちから選択された何れか1つ以上が4原子%〜13原子%、Cu及びNiのうちから選択された何れか1つ以上が15原子%〜24原子%からなり、非晶質形成能が0.5mm以上であるZr基非晶質合金組成物が提供される。
前記Zr基非晶質合金組成物は、Zrが67原子%〜78原子%、Coが4原子%〜12原子%、Cu及びNiのうちから選択された何れか1つ以上が15原子%〜24原子%からなりうる。
前記Zr基非晶質合金組成物は、Zrが67原子%〜78原子%、Alが3原子%〜10原子%、Coが2原子%〜9原子%、Cuが17原子%〜23原子%からなりうる。
前記Zr基非晶質合金組成物は、前記合金組成物の溶湯を10K/sec〜10K/secの範囲の冷却速度で鋳造するとき、20μm〜100μmの範囲の鋳造厚さに非晶質リボンが得られる合金組成物であり得る。
前記Zr基非晶質合金組成物は、非晶質合金粉末またはナノ結晶質合金粉末であり得る。前記Zr基非晶質合金組成物は、フォイル状の非晶質合金リボンまたはナノ結晶質合金リボンであり得る。前記Zr基非晶質合金組成物は、非晶質合金鋳造材またはナノ結晶質合金鋳造材であり得る。
本発明の他の観点によれば、前述した前記合金組成物と同じ組成の非晶質リボンを用いて製造された燃料電池用バイポーラプレートを提供する。
本発明の実施例によれば、非晶質形成能を有し、広い過冷却液相領域を有するZr基非晶質合金組成物を具現することができる。さらに、前記Zr基非晶質合金組成物を所定の温度範囲で加熱して具現した結晶質合金からなるスパッタリングターゲットは、熱的/機械的安定性が大きく向上して、スパッタリング過程中にターゲットが急に破壊される現象が起こらず、安定してスパッタリング工程を行うことができる。また、非常に均一な微細組織を有するので、ターゲットを構成する多成分のスパッタリング率(sputtering yield)の差に起因したターゲット組成と薄膜組成との偏差を小さくする効果があり、薄膜の厚さによる組成均一性を確保することができる。
また、前記非晶質合金組成物からなる非晶質リボンの場合、高分子電解質型燃料電池スタックのバイポーラプレートに適用する場合、金属系プレートに比べて、格段に優れた耐蝕特性を有するバイポーラプレートの製造が可能である。もちろん、このような効果によって、本発明の範囲が限定されるものではない。
本発明による合金組成物で0.5mm以上のバルク非晶質形成が確認された領域を示すZr−Co−(Ni,Cu)系の三元状態図である。 本発明によるZr−(Al,Co)−Cu系の三元状態図である。 本発明の一部参考例に対する非晶質形成能をX線回折を用いて照射した結果である。 本発明の参考例の結晶化特性を示すDSC分析結果が示されている。 本発明の参考例2による組成を有する合金組成物を用いて製作されたスパッタリングターゲットの外観である。 図5(a)ないし図5(d)は、本発明の参考例によるZr基非晶質合金組成物をアニーリングした後でクラック発生テストを進行した時に表われる圧子跡周辺を電子顕微鏡で観察した結果である。 図6(a)ないし図6(d)は、本発明の参考例によるZr基非晶質合金組成物から製造した結晶質合金ターゲットの微細組織を電子顕微鏡で観察した結果である。 本発明の参考例15の組成を用いて製造された70μm厚さの非晶質合金リボン写真である。 本発明の参考例によるZr基非晶質合金組成物を用いて製造された非晶質リボンの燃料電池スタック雰囲気下で行われた動電位分極試験の結果である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例を詳しく説明すれば、次の通りである。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態として具現可能なものであって、以下の実施例は、本発明の開示を完全にし、当業者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。また、説明の便宜上、図面では、構成要素がそのサイズが誇張または縮小されうる。
本発明で、非晶質とは、全体的に非晶質構造が主をなして、X線回折パターンがハロー(halo)状を成すなどの当業者に通常知られた非晶質相の特性を有する場合を意味する。例えば、非晶質とは、組成物の構造が100%の非晶質で場合だけではなく、結晶質が非晶質構造よりも多く存在して、非晶質の特性を失う程度に含まれるものではない限り、非晶質構造内に一部が結晶質(または、ナノ結晶質)で存在する場合も含みうる。前記ナノ結晶質合金は、結晶粒の平均サイズが100nm未満である金属合金体を意味する。
本発明で、非晶質形成能(glass forming ability)とは、特定組成の合金がある程度の冷却速度まで容易に非晶質化するか否かを示す相対的な尺度を意味する。一般的に、鋳造を通じて非晶質合金を形成するためには、一定レベル以上の高い冷却速度を必要とし、凝固速度が相対的に遅い鋳造方法(例えば、銅金型鋳造法)で使う場合、非晶質形成組成範囲が減る。一方、回転する銅ロールに溶融合金を落として、リボンや線材に凝固させるメルトスピニング(melt spinning)のような急速凝固法は、10K/sec〜10K/sec以上の極大化された冷却速度が得られて、非晶質を形成することができる組成範囲が拡大される。したがって、特定組成がどれくらいの非晶質形成能を有しているかについての評価は、一般的に与えられた冷却工程の冷却速度によって相対的な値を示す特徴を有する。
このような非晶質形成能は、合金組成と冷却速度とに依存的であり、一般的に、冷却速度は、鋳造厚さに逆比例([冷却速度]∝[鋳造厚さ]−2)するために、鋳造時に非晶質が得られる鋳造材の臨界厚さを評価することによって、非晶質形成能を相対的に定量化できる。例えば、銅金型鋳造法によれば、非晶質構造が得られる鋳造材の臨界鋳造厚さ(棒状である場合には、直径)で表示することができる。他の例として、メルトスピニングによってリボンを形成する場合、非晶質が形成されるリボンの臨界厚さで表示することができる。
本発明において、非晶質形成能を有する合金の意味は、前記合金の溶湯を10K/sec〜10K/secの範囲の冷却速度で鋳造するとき、20μm〜100μmの範囲の鋳造厚さに非晶質リボンが得られる合金を意味する。
本発明による非晶質形成能を有する合金組成物は、3元素以上の多成分で構成され、主元素間の原子半径の差が12%以上大きく、主元素間の混合熱(heat of mixing)が負の値を有する特徴を有する。
本発明の一実施例によるZr基非晶質合金組成物は、Zrが67原子%〜78原子%、Al及びCoのうちから選択された何れか1つ以上が4原子%〜13原子%、Cu及びNiのうちから選択された何れか1つ以上が15原子%〜24原子%からなり、非晶質形成能が0.5mm以上である。例えば、本発明の一実施例によるZr基非晶質合金組成物は、Zrが67原子%〜78原子%、Coが4原子%〜12原子%、Cu及びNiのうちから選択された何れか1つ以上が15原子%〜24原子%からなり、非晶質形成能が0.5mm以上であり得る。他の例を挙げれば、本発明の一実施例によるZr基非晶質合金組成物は、Zrが67原子%〜78原子%、Alが3原子%〜10原子%、Coが2原子%〜9原子%、Cuが17原子%〜23原子%からなり、非晶質形成能が0.5mm以上であり得る。
一方、本発明の実施例によるZr基非晶質合金組成物は、Zrが67原子%〜78原子%の範囲、厳格には、67原子%〜76原子%の範囲、より厳格には、67.4原子%〜75.7原子%の範囲、さらに厳格には、69.86原子%〜75.7原子%の範囲、さらに厳格には、70.2原子%〜75.7原子%の範囲を有するように制御される。
本明細書で言及する原子%の単位は、全体合金組成物のうちから占める当該原子の比率を意味する。
以下、本発明の理解を助けるために、実施例を提供する。但し、下記の実施例は、本発明の理解を助けるためのものであり、本発明が、下記の実施例によって限定されるものではない。
表1には、本発明の例によるZr基非晶質合金組成物の合金組成、非晶質形成能(GFA)、非晶質合金のガラス遷移温度(Tg)、結晶化開始温度(Tx)、過冷却液相領域(△T=Tx−Tg)、固相線温度(T)、液相線温度(T)などが示されている。例えば、参考例1の非晶質合金組成は、Zrが67.4原子%、Alが7原子%、Coが3原子%、Cuが22.6原子%であり、それをZr67.4AlCoCu22.6で表示する(以後、合金の組成をこのような方式で表示する)。
本発明者は、表1に開示されたZr基非晶質合金組成物を非晶質合金鋳造材(非晶質合金棒)、非晶質合金粉末、フォイル状の非晶質合金リボンなどとして具現した。それを具現するための例示的な方法としては、急速凝固法、金型キャスティング法、高圧キャスティング法、アトマイジング法、及び/またはメルトスピニング法などを活用することができる。
前記非晶質合金鋳造材は、例えば、表1に開示された組成を有する合金ボタン(alloy button)をアークメルティングによって溶解した後、銅金型吸引鋳造法で製造した。一般的に、銅金型吸引鋳造法のような金型鋳造法の冷却速度は、メルトスピニング法に比べて、低い冷却速度を有し、前記組成の合金は、本発明で定義する非晶質形成能を有する。
前記非晶質合金粉末は、アトマイジング法で製造可能であるが、例えば、表1に開示された組成を有する合金をアークメルティング法で溶解した後、合金ボタンを製造し、粉末製造装置を用いて合金ボタンを高周波によって再溶解後、溶融合金をアルゴンガスで噴霧して製造した。
前記フォイル状の非晶質合金リボンは、メルトスピニング法によって製造され、具体的には、表1に開示された組成比に合わせてアークメルティング法で合金溶湯を製造した後、700rpmの高速で回転する直径600mmの銅ロール表面に前記合金溶湯をノズルを通じて投入して急速凝固させることで製造した。
表1に開示された組成を有するZr基非晶質合金組成物は、0.5mm以上の非晶質形成能と11.85℃〜48.55℃の範囲の過冷却液相領域(△T)を具現した。すなわち、本発明者は、高いZrの含量を有しながらも、すなわち、Zrが67原子%〜78原子%の範囲、厳格には、67原子%〜76原子%の範囲、より厳格には、67.4原子%〜75.7原子%の範囲、さらに厳格には、69.86原子%〜75.7原子%の範囲、さらに厳格には、70.2原子%〜75.7原子%の範囲を有しながらも、優れた非晶質形成能と広い範囲の過冷却液相領域を確保することができるZr基非晶質合金組成物を具現した。
そのために、表1に開示された参考例1ないし参考例3、参考例5ないし参考例8、参考例10ないし参考例15を参照すれば、本発明の一実施例によるZr基非晶質合金組成物は、Zrが67原子%〜78原子%、Al及びCoのうちから選択された何れか1つ以上が4原子%〜13原子%、Cu及びNiのうちから選択された何れか1つ以上が15原子%〜24原子%からなる。厳格には、Zr基非晶質合金組成物は、Zrが67.4原子%〜75.7原子%、Al及びCoのうちから選択された何れか1つ以上が4.8原子%〜13原子%、Cu及びNiのうちから選択された何れか1つ以上が15.7原子%〜23.6原子%からなりうる。この場合、非晶質形成能は、0.5mm〜4mmの範囲を有する。
図1Aは、本発明のAlが添加されていないZr基非晶質合金領域を図示した状態図である。Alを添加しない場合、十分な非晶質形成能と広い範囲の過冷却液相領域を確保しにくいことが知られている。表1に開示された参考例12ないし参考例15を参照すれば、本発明の一実施例によるZr基非晶質合金組成物は、Alを含まず、Zrが67原子%〜78原子%、Coが4原子%〜12原子%、Cu及びNiのうちから選択された何れか1つ以上が15原子%〜24原子%からなり、さらに厳格には、Alを含まず、Zrが69.86原子%〜75.7原子%、Coが4.8原子%〜12原子%、Cu及びNiのうちから選択された何れか1つ以上が15.7原子%〜23.6原子%からなるが、0.5mm〜1mmの範囲の非晶質形成能と13.33℃〜33.86℃の範囲の広い過冷却液相領域を確保することができるということを確認した。
図1Bは、本発明のZr−(Al,Co)−Cu基非晶質合金範囲を図示した合金状態図である。Niを添加しない場合、十分な非晶質形成能と広い範囲の過冷却液相領域を確保しにくいと知られているが、表1に開示された参考例1、参考例3、参考例5ないし参考例8、参考例10を参照すれば、本発明の一実施例によるZr基非晶質合金組成物は、Niを含まず、Zrが67原子%〜78原子%、Alが3原子%〜10原子%、Coが2原子%〜9原子%、Cuが17原子%〜23原子%からなり、さらに厳格には、Niを含まず、Zrが67.4原子%〜70.9原子%、Alが3原子%〜10原子%、Coが2原子%〜9原子%、Cuが17.1原子%〜22.6原子%からなるが、1mm〜4mmの範囲の非晶質形成能と15.37℃〜48.55℃の範囲の広い過冷却液相領域を確保することができるということを確認した。
図2は、表1に開示された本発明の一部参考例に対する非晶質形成能をX線回折を用いて照射した結果である。
図2を参照すれば、表1に開示された参考例2、参考例7、参考例12、及び参考例15によるZr基非晶質合金組成物は、非晶質相で典型的に表われるブロードピーク(broad peak)が観察され、シャープピーク(sharp peak)は表われないことを確認することができる。発明者は、表1に開示されたあらゆる例で、このような典型的なブロードピークが観察されることを確認した。
図3の(a)ないし図3の(d)は、それぞれ表1に開示された参考例2、参考例7、参考例13、及び参考例15による結晶化特性を示すDSC(示差走査熱量計)分析結果が順次に示されている。
図3の(a)ないし図3の(d)を参照すれば、表1に開示された参考例2、参考例7、参考例13、及び参考例15の合金では、昇温時に結晶化挙動による発熱ピークが観察されることを確認した。これにより、本発明の実施例の合金は、合金内の少なくとも一部に非晶質相が存在していることを確認することができる。
本発明の実施例によるZr基非晶質合金組成物は、半導体製造工程分野、MEMSのような微細素子の製造はもとより、各種工具、金型、自動車用部品の耐摩耗向上などのためのコーティング形成分野で活用されうる。以下、具体的な一例として、スパッタリングターゲットに適用される場合を説明する。
スパッタリング工程は、負の電圧が印加されたターゲットにアルゴンイオンなどを高速で衝突させて、ターゲット原子を離脱させて母材に供給することによって、母材の表面に薄膜を形成する技術を言う。スパッタリングを用いて非晶質相薄膜あるいは非晶質相を含むナノ複合薄膜を製造する場合、非晶質からなるターゲットを利用できる。このような非晶質ターゲットは、非晶質形成能が高い多元系金属合金からなり、このような非晶質ターゲットから離脱された異種の金属元素は、母材表面上に非晶質相を有する合金薄膜を形成しうる。
しかし、このような非晶質ターゲットは、スパッタリング過程でイオンの衝突によって温度が増加し、このような温度増加によってターゲットの表面付近の組織が変化されうる。すなわち、熱的に不安定な非晶質相の特性上、ターゲットの温度が増加する場合、ターゲット表面で局部的な結晶化が進行しうる。このような局部的な結晶化は、ターゲットの体積変化及び構造緩和を起こし、これにより、ターゲットの脆性が増加して、スパッタリング工程中にターゲットが容易に破壊される結果をもたらしうる。工程中にターゲットが破壊される場合、製品生産に致命的な問題となり、したがって、スパッタリング工程中に、このような破壊が生じない安定したターゲットを確保することが非常に重要である。
本発明者は、前述したZr基非晶質合金(または、ナノ結晶質合金)を複数個準備する段階と、前記複数個の非晶質合金(または、ナノ結晶質合金)を前記非晶質合金(または、ナノ結晶質合金)の結晶化開始温度以上、溶融温度未満の温度範囲で熱加圧して、結晶粒の平均サイズが0.1μm〜5μmの範囲(厳格には、0.1μm〜1μmの範囲、より厳格には、0.1μm〜0.5μmの範囲、さらに厳格には、0.3μm〜0.5μmの範囲)を有する結晶質合金を製造する段階と、を行うことで具現される結晶質合金からなるスパッタリング用合金ターゲットが熱的/機械的安定性が大きく向上して、スパッタリング過程中にターゲットが急に破壊される現象が起こらず、安定してスパッタリング工程を行うことができることを確認した。また、非常に均一な微細組織を有するので、ターゲットを構成する多成分のスパッタリング率の差に起因したターゲット組成と薄膜組成との偏差を小さくする効果があり、薄膜の厚さによる組成均一性を確保することができる効果があることを確認した。これについてのより詳細な内容は、本願の発明者が既に出願した特許出願番号第10−2011−0129888号及び第10−2013−0065244号を参照することができる。
図4は、本発明の表1に開示された参考例2の非晶質合金組成を用いて製造されたターゲットのスパッタリング後の外観写真である。図4を参照すれば、製造されたスパッタリングターゲットは、スパッタリング工程中に破壊が観察されず、スパッタリング後の表面は、構成成分間のスパッタリングイールド(yield)の差による不均一性が観察されていない。
図5は、本発明の表1に開示された参考例2、参考例7、参考例12、及び参考例15の組成によるZr基非晶質合金組成物をアニーリングした後でクラック発生テストを進行した時に表われる圧子跡周辺を電子顕微鏡で観察した結果であり、図6は、本発明の表1に開示された参考例2、参考例7、参考例12、及び参考例15の組成によるZr基非晶質合金組成物から製造した結晶質合金ターゲットの微細組織を電子顕微鏡で観察した結果である。
図5及び図6を参照すれば、本発明の表1に開示された例によるZr基非晶質合金組成物を非晶質合金の結晶化開始温度以上、溶融温度未満の温度範囲でアニーリングして形成したスパッタリング合金ターゲットは、0.1μm〜約5μmの範囲のサイズを有する結晶粒が均一に分布する結晶質組織を有し、クラックが発生しないことを確認することができる。
また、本発明の実施例によるZr基非晶質合金組成物は、非晶質合金リボン状に製造されて、高分子電解質型燃料電池に使われる金属バイポーラプレートとして使われる。以下、具体的な一例として、非晶質合金リボンを用いてバイポーラプレートに適用される場合を説明する。金属系バイポーラプレートの場合、燃料電池の作動環境に対する低い耐腐蝕特性によって、燃料電池の特性低下現象が発生している。したがって、最近、非晶質合金リボンを用いてバイポーラプレートを製造したり、金属系プレート上に非晶質膜をコーティングすることによって、バイポーラプレートの耐腐蝕性を向上させようとする試みがなされている。前述したように、本発明の非晶質合金ターゲットを用いて金属系バイポーラプレート表面に非晶質膜をコーティングする方法を使い、さらに他の例として、現在使われているステンレス鋼を代替するための材料であって、本発明の非晶質合金を用いて製造された非晶質リボンを使うことができる。
図7は、本発明の参考例15による非晶質合金組成を用いて製造された非晶質合金リボンの写真である。また、図8は、本発明の参考例2、参考例7、参考例12、及び参考例15の組成の非晶質合金リボンを用いて高分子電解質型燃料電池スタック環境と同じ条件で実験した動電位分極試験の結果である。動電位分極試験は、1M HSO+2ppm HF溶液を利用し、−0.6V〜1.2Vのポテンシャル(Potential)範囲で測定した。表2に、各合金組成による非晶質リボンの動電位分極実験の結果を整理した。
表2によれば、現在金属系バイポーラプレート材質として使われているステンレス鋼板の場合、腐蝕電流密度が5.60×10−5A/cmで測定されるが、一方、本発明のZr基非晶質合金リボンの場合、1.78×10−8A/cmの腐蝕電流密度が得られることを確認した。これは、本発明の非晶質合金リボンの腐蝕特性がステンレス鋼板に比べて、非常に優れていることを証明するものである。
図8は、本発明の参考例2、参考例7、参考例12、及び参考例15の組成の非晶質合金リボンを用いて測定された動電位分極試験の結果を図解するグラフである。ステンレス鋼板の場合、燃料電池スタックの作動環境である1.0Vの腐蝕電位で過不動態反応による腐蝕現象が発生することが確認されたが、本発明の実施例による非晶質合金リボンの場合、燃料電池スタックの作動環境である0.6〜1.2Vの範囲の腐蝕電位で不動態反応後、これ以上の腐蝕が発生しないことを確認することができる。したがって、本発明の非晶質合金組成を利用した非晶質リボンの場合、燃料電池スタック使用環境で優れた耐腐蝕性を有するということが分かる。
本発明は、図面に示された実施例を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これにより多様な変形及び均等な他実施例が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されるべきである。
本発明は、Zr基非晶質合金組成物関連の技術分野に適用可能である。

Claims (3)

  1. Alが10原子%、Siが2原子%、Cuが17.5原子%、Zrが70.5原子%であるZr基非晶質合金組成物。
  2. Alが10原子%、Coが1.5原子%、Moが0.5原子%、Cuが17.3原子%、Zrが70.7原子%であるZr基非晶質合金組成物。
  3. 請求項1または2に記載の合金組成物と同じ組成の非晶質リボンを用いて製造された燃料電池用バイポーラプレート。
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