JP2015503028A - Feベースのバルクアモルファス合金の合金化 - Google Patents

Feベースのバルクアモルファス合金の合金化 Download PDF

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Abstract

一実施形態は、合金原料を製造する方法を提供し、この方法は、Feを第1非金属元素と配合することにより第1組成物を形成する工程と、Feを複数の遷移金属元素と配合することにより第2組成物を形成する工程と、この第2組成物を第2非金属元素と配合することにより第3組成物を形成する工程と、合金原料を形成するために第1組成物を第3組成物と配合する工程と、を含む。

Description

本明細書に引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
今日使用されている金属合金の大部分は、少なくとも初期段階で、凝固鋳造によって加工処理されている。この金属合金は、融解され、金属又はセラミックの金型内に流し込まれて、金属合金はこの型内で凝固する。金型が剥ぎ取られて、その鋳造金属片は、使用又は更なる加工処理のための準備が整う。凝固及び冷却の間に作り出される、殆どの材料の鋳放し構造は、冷却速度に応じて決定される。その変異の性質に関しては、一般規則は存在しないが、大部分は、その構造は、冷却速度の変化と共に、徐々に変化するのみである。その一方で、バルク凝固アモルファス合金に関しては、比較的急速な冷却によって作り出されるアモルファス状態と、比較的緩徐な冷却によって作り出される結晶状態との間の変化は、程度ではなく種類の変化であり、それらの2つの状態は、はっきり異なる特性を有する。
バルク凝固アモルファス合金、すなわちバルク金属ガラス(「BMG」)は、最近開発された部類の金属材料である。これらの合金は、比較的穏やかな速度で、凝固及び冷却させることができ、それらはアモルファスの、非晶質(すなわち、ガラス質)状態を室温で保持する。このアモルファス状態は、特定用途に関して極めて有利なものとなり得る。アモルファス合金の製造には、合金原料を溶融して溶融状態にする工程と、その後に、その溶融した合金原料を急冷して最終的な合金形態を形成する工程とが含まれ得る。この原料を製造する現在の方法には、多くの場合、合金粉末を成形してインゴットにする工程が含まれる。ただし、粉末成形では大きな寸法の製品が得られないため、原料インゴットのサイズは一般に小さい。更に、異なる化学成分は均質に分布する可能性がないため、多くの場合、この原料は化学組成に関して不均質である。局所的な不均質性の結果の一つとして、アモルファス相の欠如が挙げられ、これは、アモルファス合金は、しばしばその化学組成に敏感だからである。また、構造部品は通常、粉末成形物に比べて比較的大きなサイズのインゴットを必要とするため、そのような制限は、アモルファス合金を構造構成要素として製造する際の問題となり得る。
よって、バルクアモルファス合金を製造するのに使用可能な、均質でかなり大きな寸法の原料を製造できる方法を開発する必要性がある。
一実施形態は、合金原料を製造する方法を提供し、この方法は、Feを第1非金属元素と配合することにより第1組成物を形成する工程と、Feを複数の遷移金属元素と配合することにより第2組成物を形成する工程と、この第2組成物を第2非金属元素と配合することにより第3組成物を形成する工程と、合金原料を形成するために第1組成物を第3組成物と配合する工程と、を含む。
別の実施形態は、合金原料を製造する方法を提供し、この方法は、Feを第1非金属元素と配合することにより第1組成物を形成する工程と、Feを複数の遷移金属元素及びCと配合することにより炭素含有組成物を形成する工程と、合金原料を形成するために、第1組成物を炭素含有組成物と配合する工程と、を含む。
別の実施形態は、合金原料を製造する方法を提供し、この方法は、Fe含有第1組成物を提供する工程と、CをMo、Cr、及びYを含む第2組成物と配合して第3組成物を形成する工程と、第1組成物を第3組成物と配合して合金原料を形成する工程と、を含む。
一実施形態における方法の中間工程中に形成され、組成が驚くべき望ましい結果を提供することが見出されている特定の積層順序を有する、前合金組成物の模式図である。
図1に記述されている前合金組成物の積層順序の別の図である。
別の前合金組成物が、炭素粒子の上に配置されており、これにより、前合金及び炭素から、別個の炭素を含有する前合金組成物の形成が可能になる、一実施形態における別の前合金の形成のための模式図である。
非粉末の断片はすべて、少なくとも1辺が、5mm程度又はそれ以上である、一実施形態における合金化プロセスに使用される様々な元素と、その比較寸法(定規に対する比較)を示す図である。
一実施形態におけるFe−Mo−Crマスター合金(すなわち前合金組成物)インゴットである。
割れた断片がすべて分離され、すす状の粉は回収されている、一実施形態における比較試験で得られた合金インゴットである。 割れた断片がすべて分離され、すす状の粉は回収されている、一実施形態における比較試験で得られた合金インゴットである。
インゴットは脆く、冷却により割れて数多くの小片になっている、一実施形態における比較試験で得られた合金インゴットである。
本明細書の一実施形態により製造された合金原料と、その原料を追加で再溶融及び鋳造成形することにより製造されたアモルファス合金である。 本明細書の一実施形態により製造された合金原料と、その原料を追加で再溶融及び鋳造成形することにより製造されたアモルファス合金である。 本明細書の一実施形態により製造された合金原料と、その原料を追加で再溶融及び鋳造成形することにより製造されたアモルファス合金である。
本明細書に記述されている一実施形態で得られた原料から製造された、それぞれ6mm及び8mmの鋳造ロッドで測定したDSCサーモグラムである。 本明細書に記述されている一実施形態で得られた原料から製造された、それぞれ6mm及び8mmの鋳造ロッドで測定したDSCサーモグラムである。

本明細書での用語「相」は、熱力学状態図内で見出すことができるものを指すことができる。相は、その全体にわたって、材料の全ての物理的特性が本質的に均一である、空間の領域(例えば、熱力学系)である。物理的特性の例としては、密度、屈折率、化学組成、及び格子周期性が挙げられる。単純な説明は、相は、化学的に均一で、物理的に異なっており、及び/又は機械的に分離可能な材料の領域であるということである。例えば、ガラスジャー内の、氷及び水からなる系では、その角氷が1つの相であり、水が第2の相であり、その水の上の湿り空気が第3の相である。ジャーのガラスは、別の分離相である。相は、金属間化合物などの、2成分、3成分、4成分以上の溶体又は化合物とすることができる、固溶体を指すことができる。別の例としては、アモルファス相は、結晶相とは区別ができる。
金属、遷移金属、及び非金属
用語「金属」は、電気陽性の化学元素を指す。本明細書での用語「元素」は、全般的には、周期表に見出すことができる元素を指す。物理的には、基底状態の金属原子は、占有状態に近い、空状態を有する部分的充満帯を含む。用語「遷移金属」とは、不完全な内部電子殻を有し、一連の元素内の、最も電気陽性のものと最も電気陽性ではないものとの間の遷移リンクとして役立つ、周期表の第3族〜第12族の範囲内の金属元素のうちのいずれかである。遷移金属は、複数の原子価、着色化合物、及び安定な錯イオンを形成する能力によって特徴付けられる。
用語「非金属」は、電子を失って陽イオンを形成する能力を有さない化学元素を指す。用途に応じて、任意の好適な非金属元素、又はそれらの組み合わせを使用することができる。「合金組成物」は、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ以上の非金属元素などの複数の非金属元素を含み得る。非金属元素は、周期表内の第13族〜第17族内に見出される、いずれかの元素とすることができる。例えば、非金属元素は、F、Cl、Br、I、At、O、S、Se、Te、Po、N、P、As、Sb、Bi、C、Si、Ge、Sn、Pb、及びBのうちの、いずれか1つとすることができる。場合により、非金属元素はまた、第13族〜第17族内の特定の半金属を指すこともできる。
いくつかの実施形態において半金属は、周期表の非金属と金属を区別する階段状の線に沿って見出される元素である。この線は、ホウ素とアルミニウムの間から、ポロニウムとアスタチンとの間の境界へと引かれている。半金属は、金属と非金属の両方の特性を有する。ケイ素及びゲルマニウムなど、いくつかの半金属は半導体であり、例えば、これらは特定の条件下で電荷を運ぶことができる。一般的に知られている半金属には、例えばB、Si、Ge、As、Sb、Te、及びPoなど、少なくとも1つの半金属が挙げられる。一実施形態では、非金属元素としては、B、Si、C、P、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。したがって、例えば、その合金組成物は、ホウ化物若しくは炭化物、又は双方を含み得る。
遷移金属元素は、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、ラザホージウム、ドブニウム、シーボーギウム、ボーリウム、ハッシウム、マイトネリウム、ウンウンニリウム、ウンウンウニウム、及びウンウンビウムのうちのいずれかとすることができる。一実施形態では、遷移金属元素含有BMGは、Sc、Y、La、Ac、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、及びHgのうちの少なくとも1つを有し得る。用途に応じて、任意の好適な遷移金属元素、又はそれらの組み合わせを使用することができる。合金組成物は、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ以上の遷移金属元素など、複数の遷移金属元素を含み得る。
本明細書で説明される、合金又は合金「サンプル」又は「試料」合金は、任意の形状又はサイズを有し得る。例えば、合金は、球形、楕円、ワイヤ状、ロッド状、シート状、フレーク状、又は不規則形状などの形状を有し得る、微粒子の形状を有し得る。この微粒子は、任意の寸法を有し得る。例えば、その微粒子は、約5マイクロメートル〜約80マイクロメートルなど、約10マイクロメートル〜約60マイクロメートルなど、約15マイクロメートル〜約50マイクロメートルなど、約15マイクロメートル〜約45マイクロメートルなど、約20マイクロメートル〜約40マイクロメートルなど、約25マイクロメートル〜約35マイクロメートルなど、約1マイクロメートル〜約100マイクロメートルの平均直径を有し得る。例えば、一実施形態では、微粒子の平均直径は、約25マイクロメートル〜約44マイクロメートルである。一部の実施形態では、ナノメートルの範囲のものなどの、より小さい微粒子、又は100マイクロメートルよりも大きいものなどの、より大型の微粒子を使用することができる。
合金のサンプル又は試料はまた、遙かに大きい寸法のものにすることもできる。例えば、インゴットなどのバルク構造構成要素、電子デバイスの筺体/ケーシング、又は更にミリメートル、センチメートル、又はメートルの範囲の寸法を有する構造的構成要素の一部分とすることができる。
固溶体
用語「固溶体」は、溶体の固体形態を指す。用語「溶体」は、固体、液体、気体、又はこれらの組み合わせとすることができる、2種以上の物質の混合物を指す。この混合物は、均質又は不均質とすることができる。用語「混合物」とは、互いに組み合わされ、一般的には分離することが可能である、2種以上の物質の組成物である。一般的には、それらの2種以上の物質は、互いに化合されない。
合金
一部の実施形態では、本明細書で説明される合金組成物は、完全に合金化することができる。一実施形態では、「合金」とは、一方の原子が他方の原子に置き換わるか、又は原子間の格子間位置を占有する、2種以上の金属の均質な混合物又は固溶体を指すものであり、例えば、黄銅は、亜鉛及び銅の合金である合金とは、複合材料又は金属間化合物とは対照的に、金属マトリックス中の1種以上の元素の部分的又は完全な固溶体を指すことができる。本明細書での「合金」という用語は、単一の固相の微細構造を呈し得る全率固溶合金、及び2つ以上の相を呈し得る部分的溶体の双方を指すことができる。
それゆえ、完全に合金化した合金は、固溶体相であれ、化合物相であれ、又は双方であれ、その構成成分の均質な分布を有し得る。本明細書で使用される用語「完全に合金化された」は、許容誤差範囲内の僅かな変異を説明することができる。例えば、その用語は、少なくとも95%の合金化など、少なくとも99%の合金化など、少なくとも99.5%の合金化など、少なくとも99.9%の合金化など、少なくとも90%の合金化を指すことができる。本明細書での百分率は、文脈に応じて、体積百分率又は重量百分率のいずれかを指すことができる。これらの百分率は、合金の部分ではない組成又は相の観点によるものとすることができる不純物によって均衡させることができる。
アモルファスすなわち非晶質固体
「アモルファス」すなわち「非晶質固体」は、結晶に特徴的な格子周期性を欠く固体である。本明細書で使用するとき、「アモルファス固体」は、ガラス転移相を通じて、加熱されると液体状の状態へと軟化及び変態するアモルファス固体である、「ガラス」を含む。一般的には、アモルファス材料は、結晶に特徴的な長距離秩序を欠くが、それらのアモルファス材料は、化学結合の性質による、原子の長さスケールでの何らかの短距離秩序を保有し得る。アモルファス固体と結晶性固体との区別は、X線回折及び透過型電子顕微鏡検査などの構造特性評価技術によって判定される、格子周期性に基づいて行なうことができる。
用語「秩序」及び「無秩序」とは、多粒子系内での何らかの対称性又は相関性の有無を指示する。用語「長距離秩序」及び「短距離秩序」は、長さスケールに基づいて、材料内の秩序を区別する。
固体における秩序の最も厳密な形態は格子周期性であり、特定のパターン(単位格子内の原子配列)が何度も繰り返され、空間の並進に普遍の、空間充填を形成する。この格子周期性は、結晶の定義特性である。可能な対称性は、14種のブラベー格子及び230種の空間群に分類されている。
格子周期性は、長距離秩序を示唆するものである。1つの単位格子のみが知られる場合には、その並進対称性によって、任意の距離での、全ての原子配置を正確に予測することが可能である。一般に逆も真であるが、ただし、例えば、完全に確定的な充填を有するが、格子周期性を保有しない準結晶の場合は例外である。
長距離秩序は、同じサンプルの遠隔の部分が、相関する挙動を呈する、物理系を特徴付ける。この長距離秩序は、相関関数、すなわち次のスピン−スピン相関関数として表現することができる。
Figure 2015503028
上記の関数では、sはスピン量子数であり、xは特定の系内の距離関数である。この関数は、x=x’である場合、単位元に等しく、距離|x−x’|が増大するにつれて減少する。典型的には、この関数は、長距離で、指数関数的にゼロまで減衰し、その系は無秩序であると見なされる。しかしながら、この相関関数が大きい|x−x’|で一定値へと減衰する場合には、その系は長距離秩序を保有すると述べることができる。この関数が、距離の累乗でゼロまで減衰する場合には、準長距離秩序と呼ぶことができる。大きい値の|x−x’|を構成するものは、相対的であることに留意されたい。
系は、その挙動を定義する一部のパラメータが、経時的に進展しないランダム変数である(すなわち、それらが急冷又は凍結される)場合、急冷無秩序、例えば、スピングラスを呈すると延べることができる。この急冷無秩序は、ランダム変数自体が進展することが可能な、焼鈍無秩序とは反対である。本明細書の実施形態は、急冷無秩序を含む系を包含する。
本明細書で説明される合金は、結晶性、部分結晶性、アモルファス、又は実質的アモルファスとすることができる。例えば、合金サンプル/試料は、少なくともある程度の結晶化度を含み得るものであり、結晶粒/結晶は、ナノメートル及び/又はマイクロメートルの範囲のサイズを有する。あるいは、合金は、完全にアモルファスであるなどの、実質的アモルファスとすることができる。
一実施形態では、他のアモルファス合金中の1種の結晶又は複数種の結晶の存在は、その合金中の「結晶相」として解釈することができる。合金の結晶化度の程度(又は一部の実施形態では、略して「結晶化度」)とは、その合金中に存在する結晶相の量を指すことができる。その程度とは、例えば、合金中に存在する結晶の分率を指すことができる。この分率は、文脈に応じて、体積分率又は重量分率を指すことができる。アモルファス合金がどの程度「アモルファス」であるかの尺度を、アモルファス化度とすることができる。アモルファス化度は、結晶化度の程度の観点により測定することができる。例えば、一実施形態では、低い程度の結晶化度を有する合金は、高い程度のアモルファス化度を有すると述べることができる。一実施形態では、例えば、60体積%の結晶相を有する合金は、40体積%のアモルファス相を有し得る。
アモルファス合金又はアモルファス金属
「アモルファス合金」とは、50体積%超のアモルファス含有量、好ましくは90体積%超のアモルファス含有量、より好ましくは95体積%超のアモルファス含有量、最も好ましくは99体積%超〜ほぼ100体積%のアモルファス含有量を有する合金である。上述のように、アモルファス化度が高い合金は、結晶化度の程度が同等に低いことに留意されたい。「アモルファス金属」とは、無秩序な原子スケール構造を有するアモルファス金属材料である。結晶性であり、したがって高度に秩序化された原子配置を有する、殆どの金属とは対照的に、アモルファス合金は非晶質である。そのような無秩序構造が、冷却の間に液体状態から直接作り出される材料は、「ガラス」と称される場合がある。したがって、アモルファス金属は、一般に「金属ガラス」又は「ガラス金属」と称される。一実施形態では、「バルク金属ガラス」(「BMG」)とは、その微細構造が少なくとも部分的にアモルファスである合金を指すことができる。しかしながら、アモルファス金属を作り出すためには、極度な急速冷却の他にも、物理蒸着、固相反応、イオン照射、メルトスピニング、及び機械的合金化を含めた、幾つかの方法が存在する。アモルファス合金は、それらが調製される方法とは関係なく、単一の部類の材料とすることができる。
アモルファス金属は、様々な急冷法を通じて作り出すことができる。例えば、アモルファス金属は、回転する金属ディスク上に溶融金属をスパッタリングすることによって、作り出すことができる。1秒当り約数百万度の急冷は、結晶が形成するには過度に高速である得るため、その金属は、ガラス状態で「固定」される。また、アモルファス金属/合金は、厚い層のアモルファス構造、例えば、バルク金属ガラスの形成を可能にするための、十分に低速な臨界冷却速度で作り出すこともできる。
用語「バルク金属ガラス」(「BMG」)、バルクアモルファス合金、及びバルク凝固アモルファス合金は、本明細書で互換的に使用される。それらの用語は、少なくともミリメートルの範囲の最小寸法を有する、アモルファス合金を指す。例えば、その寸法は、少なくとも約1mmなど、少なくとも約2mmなど、少なくとも約4mmなど、少なくとも約5mmなど、少なくとも約6mmなど、少なくとも約8mmなど、少なくとも約10mmなど、少なくとも約12mmなどの、少なくとも約0.5mmとすることができる。幾何学形状に応じて、その寸法は、直径、半径、厚さ、幅、長さなどを指すことができる。BMGはまた、少なくとも約1.0cmなど、少なくとも約2.0cmなど、少なくとも約5.0cmなど、少なくとも約10.0cmなどの、センチメートルの範囲の少なくとも1つの寸法を有する、金属ガラスとすることもできる。一部の実施形態では、BMGは、少なくともメートルの範囲の、少なくとも1つの寸法を有し得る。BMGは、金属ガラスに関連する、上述の形状又は形態のうちの、いずれかを呈することができる。したがって、本明細書で説明されるBMGは、一部の実施形態では、重要な一態様での従来の堆積技術によって作製される薄膜とは異なるものとすることができ、前者のBMGは、後者の薄膜よりも遙かに大きい寸法のものとすることができる。
アモルファス金属は、純金属ではなく、合金とすることができる。この合金は、著しく異なるサイズの原子を含有し得ることにより、溶融状態で、低い自由体積がもたらされる(またそれゆえ、他の金属及び合金よりも、桁違いとなるまでの高い粘度を有する)。この粘度は、原子が、規則格子を形成するために十分に移動することを防ぐ。この材料構造は、冷却の間の低収縮性、及び塑性変形に対する抵抗性をもたらし得る。一部の場合には結晶性材料の弱点である、この結晶粒界の不在は、例えば、磨耗及び腐食に対する、より良好な抵抗性をもたらし得る。一実施形態では、技術的にはガラスであるが、アモルファス金属はまた、酸化物ガラス及びセラミックよりも遙かに強靭であり、脆性ではないものにすることもできる。
アモルファス材料の熱伝導率は、それらの結晶性対応物の熱伝導率よりも低いものにすることができる。より緩徐な冷却の間でも、アモルファス構造の形成を達成するために、3種以上の構成成分で合金を作製して、より高いポテンシャルエネルギー、及びより低い形成の確率を有する、複合結晶単位をもたらすことができる。アモルファス合金の形成は、以下の幾つかの因子:合金の構成成分の組成、構成成分の原子半径(好ましくは、高い充填密度及び低い自由体積を達成するために、12%超の有意差を有する)、並びに結晶核生成を阻止し、溶融金属が過冷却状態に留まる時間を延長する、構成成分の組み合わせの負の混合熱によって決まり得る。しかしながら、アモルファス合金の形成は、多種多様な変数に基づくものであるため、合金組成物がアモルファス合金を形成するか否かを事前に判定することは、困難な場合がある。
例えば、ホウ素、ケイ素、リン、及び他のガラス形成剤と、磁性金属(鉄、コバルト、ニッケル)とのアモルファス合金は、低い保磁力及び高い電気抵抗を有する、磁性のものとすることができる。この高い抵抗は、例えば、トランス用磁心として有用な特性である、交番磁界に晒された場合の渦電流による低損失をもたらす。
アモルファス合金は、潜在的に有用な様々な特性を有し得る。具体的には、アモルファス合金は、同様の化学組成の結晶性合金よりも強固である傾向にあり、それらは結晶性合金よりも大きい可逆性(「弾性」)変形に耐え得る。アモルファス金属は、それらの強度を、それらの非晶質構造から直接導き出すものであり、この非晶質構造は、結晶性合金の強度を制限する欠陥(転位などの)を全く有し得ない。例えば、Vitreloy(商標)として知られる、1つの最新のアモルファス金属は、高級チタンのほぼ2倍の引張り強さを有する。一部の実施形態では、室温での金属ガラスは延性ではなく、張力が負荷されると突然破損するが、このことは、差し迫った破壊が明白ではないため、信頼性が重要な用途での、その材料の適用性を制限する。それゆえ、この課題を克服するために、延性の結晶性金属の樹枝状の粒子又は繊維を含有する金属ガラスマトリックスを有する、金属マトリックス複合材料を使用することができる。あるいは、障害を生じる傾向がある元素(例えば、Ni)が少ないBMGを、使用することができる。例えば、Niを含まないBMGを使用することにより、そのBMGの延性を改善することができる。
バルクアモルファス合金の別の有用な特性は、これらが真のガラスであり、換言すれば、加熱により軟化かつ流動し得ることである。これは、ポリマーと同様に射出成形などの容易な加工処理を可能にする。結果として、アモルファス合金は、スポーツ用品、医療用機器、電子部品及び電子装備、並びに薄膜を作製するために使用することができる。アモルファス金属の薄膜は、高速酸素燃料技術を介して、保護コーティングとして堆積させることができる。
材料は、アモルファス相、結晶相、又は双方を有し得る。これらのアモルファス相及び結晶相は、同じ化学組成を有し、微細構造のみが異なる(すなわち、一方はアモルファスであり、他方は結晶質である)ものとすることができる。一実施形態での微細構造は、25×以上の倍率の顕微鏡によって明らかとなるような材料の構造を指す。あるいは、これらの2つの相は、異なる化学組成及び微細構造を有し得る。例えば、組成物は、部分的アモルファス、実質的アモルファス、又は完全アモルファスとすることができる。
上述のように、アモルファス化度の程度(また反対に結晶化度の程度)は、合金中に存在する結晶の分率によって測定することができる。その程度とは、合金中に存在する結晶相の体積分率又は重量分率を指すことができる。部分的アモルファス組成物とは、少なくとも約10体積%など、少なくとも約20体積%など、少なくとも約40体積%など、少なくとも約60体積%など、少なくとも約80体積%など、少なくとも約90体積%などの、少なくともその約5体積%がアモルファス相である組成物を指すことができる。用語「実質的に」及び「約」は、本明細書中の他の場所で定義されている。したがって、少なくとも実質的にアモルファスである組成物とは、少なくとも約95体積%など、少なくとも約98体積%など、少なくとも約99体積%など、少なくとも約99.5体積%など、少なくとも約99.8体積%など、少なくとも約99.9体積%などの、少なくともその約90体積%がアモルファスであるものを指すことができる。一実施形態では、実質的アモルファス組成物は、内部に存在する、何らかの付随的な少量の結晶相を有し得る。
一実施形態では、アモルファス合金組成物は、アモルファス相に関して均質とすることができる。組成が均一である物質は、均質である。このことは、不均質である物質とは対照的である。用語「組成」とは、物質中の化学組成及び/又は微細構造を指す。物質は、その物質の体積を半分に分割して、両半分が実質的に同じ組成を有する場合に均質である。例えば、微粒子懸濁液は、その微粒子懸濁液の体積を半分に分割して、両半分が実質的に同じ体積の粒子を有する場合に均質である。しかしながら、顕微鏡下で個々の粒子を視認することが可能な場合もある。均質な物質の別の例は、空気であり、その空気中の種々の成分は等しく浮遊するが、空気中の粒子、気体、及び液体は、個別に分析することができ、又は空気から分離することもできる。
アモルファス合金に関して均質である組成とは、その微細構造の全体にわたって実質的に均一に分布するアモルファス相を有するものを指すことができる。換言すれば、その組成物は、組成物の全体にわたって実質的に均一に分布するアモルファス合金を巨視的に含む。代替の実施形態では、この組成は、非アモルファス相を内部に有する、アモルファス相を有する(又はその反対の)複合材料のものとすることができる。この非アモルファス相は、1つの結晶又は複数の結晶とすることができる。それらの結晶は、球形、楕円、ワイヤ状、ロッド状、シート状、フレーク状、又は不規則形状などの、任意の形状の微粒子の形態とすることができる。一実施形態では、結晶は、樹枝状形態を有し得る。例えば、少なくとも部分的にアモルファスの複合組成物は、アモルファス相マトリックス中に分散する樹枝状結晶の形状の結晶相を有し得るものであり、この分散は、均一又は不均一なものとすることができ、アモルファス相と結晶相とは、同じ化学組成又は異なる化学組成を有し得る一実施形態では、それらの相は実質的に同じ化学組成を有し得る。別の実施形態では、結晶相は、BMG相よりも延性とすることができる。
本明細書で説明される方法は、任意のタイプのアモルファス合金に適用可能とすることができる。同様に、組成物又は物品の成分として、本明細書で説明されるアモルファス合金は、任意のタイプのものとすることができる。このアモルファス合金は、Zr、Hf、Ti、Cu、Ni、Pt、Pd、Fe、Mg、Au、La、Ag、Al、Mo、Nb、Beの元素、又はこれらの組み合わせを含み得る。すなわち、この合金は、その化学式又は化学組成中に、これらの元素のいずれかの組み合わせを含み得る。それらの元素は、種々の重量百分率又は体積百分率で存在し得る。例えば、鉄「ベース」合金とは、内部に存在する有意な重量百分率の鉄を有する、合金を指すことができ、その重量百分率は、例えば、少なくとも約40重量%など、少なくとも約50重量%など、少なくとも約60重量%など、少なくとも約80重量%とすることができる。あるいは、一実施形態では、上述の百分率は、重量百分率の代わりに、体積百分率とすることができる。したがって、アモルファス合金は、ジルコニウムベース、チタンベース、白金ベース、パラジウムベース、金ベース、銀ベース、銅ベース、鉄ベース、ニッケルベース、アルミニウムベース、モリブデンベースなどとすることができる。一部の実施形態では、この合金、又はこの合金を含む組成物は、ニッケル、アルミニウム、ベリリウム、又はこれらの組み合わせを実質的に含まないものであり得る。一実施形態では、この合金又は複合材料は、ニッケル、アルミニウム若しくはベリリウム、又はこれらの組み合わせを全く含まない。
例えば、このアモルファス合金は、式(Zr,Ti)a(Ni,Cu,Fe)b(Be,A1,Si,B)cを有し得るものであり、式中、a、b、及びcはそれぞれ、重量百分率又は原子百分率を表す。一実施形態では、原子百分率で、aは30〜75の範囲であり、bは5〜60の範囲であり、cは0〜50の範囲である。あるいは、このアモルファス合金は、式(Zr,Ti)a(Ni,Cu)b(Be)cを有し得るものであり、式中、a、b、及びcはそれぞれ、重量百分率又は原子百分率を表す。一実施形態では、原子百分率で、aは40〜75の範囲であり、bは5〜50の範囲であり、cは5〜50の範囲である。この合金はまた、式(Zr,Ti)a(Ni,Cu)b(Be)cを有し得るものでもあり、式中、a、b、及びcはそれぞれ、重量百分率又は原子百分率を表す。一実施形態では、原子百分率で、aは45〜65の範囲であり、bは7.5〜35の範囲であり、cは10〜37.5の範囲である。あるいは、この合金は、式(Zr)a(Nb,Ti)b(Ni,Cu)c(A1)dを有し得るものでもあり、式中、a、b、c、及びdはそれぞれ、重量百分率又は原子百分率を表す。一実施形態では、原子百分率で、aは45〜65の範囲であり、bは0〜10の範囲であり、cは20〜40の範囲であり、dは7.5〜15の範囲である。上述の合金系の例示的一実施形態は、Liquidmetal Technologies(CA,USA)によって製作されるような、Vitreloy−1及びVitreloy−101などの、商品名Vitreloy(商標)の、Zr−Ti−Ni−Cu−Beベースのアモルファス合金である。種々の系のアモルファス合金の一部の実施例が、表1に記載される。
これらのアモルファス合金はまた、(Fe,Ni,Co)ベース合金などの、鉄合金とすることもできる。そのような組成物の例は、米国特許第6,325,868号、同第5,288,344号、同第5,368,659号、同第5,618,359号、及び同第5,735,975号、InoueらのAppl.Phys.Lett.,Volume 71,p 464(1997)、ShenらのMater.Trans.,JIM,Volume 42,p 2136(2001)、並びに日本特許出願第200126277号(公開番号第2001303218A号)に開示されている。1つの例示的な組成物は、Fe72Al5Ga21164である。別の実施例は、Fe72Al7Zr10Mo5215である。本明細書でのコーティングに使用することができる、別の鉄ベース合金系が、米国特許出願公開第2010/0084052号で開示されており、そのアモルファス金属は、例えば、括弧内に記される組成の範囲で、マンガン(1〜3原子%)、イットリウム(0.1〜10原子%)、及びケイ素(0.3〜3.1原子%)を含有し、また括弧内に記される組成の指定範囲で以下の元素:クロム(15〜20原子%)、モリブデン(2〜15原子%)タングステン(1〜3原子%)、ホウ素(5〜16原子%)、炭素(3〜16原子%)、及び残部の鉄を含有する。
上述のアモルファス合金系は、Nb、Cr、V、及びCoを含めた添加遷移金属元素などの、添加元素を更に含み得る。これらの添加元素は、約20重量%以下など、約10重量%以下など、約5重量%など、約30重量%以下で存在し得る。一実施形態では、この任意選択の添加元素は、コバルト、マンガン、ジルコニウム、タンタル、ニオブ、タングステン、イットリウム、チタン、バナジウム、及びハフニウムのうちの少なくとも1つであり、炭化物を形成して、耐摩耗性及び耐食性を更に改善する。更なる任意選択の元素としては、融点を低下させるための、合計で最大約2%の、好ましくは1%未満の、リン、ゲルマニウム、及びヒ素を挙げることができる。他の少量の不純物は、約2%未満、好ましくは0.5%未満とするべきである。
一部の実施形態では、アモルファス合金を有する組成物は少量の不純物を含み得る。不純物元素を意図的に添加することにより、機械的特性(例えば、硬度、強度、破壊機構など)の改善、及び/又は耐食性の改善などの、その組成物の特性を修正することができる。あるいは、それらの不純物は、加工処理及び製造の副生成物として得られるもののような、不可避の付随的な不純物として存在し得る。これらの不純物は、約5重量%など、約2重量%など、約1重量%など、約0.5重量%など、約0.1重量%などの、約10重量%以下とすることができる。一部の実施形態では、これらの百分率は、重量百分率の代わりに、体積百分率とすることができる。一実施形態では、この合金サンプル/組成物は、アモルファス合金から本質的になる(少量の付随的な不純物のみを有する)。別の実施形態では、この組成物はアモルファス合金からなる(観察可能な微量の不純物を全く有さない)。


Figure 2015503028
合金原料の製造
本明細書で記述される方法は、結果としてBMGの製造に使用できる合金原料の製造工程を含み得る。BMGは、上述の合金組成のうち任意のものであり得る。一実施形態において、BMGは鉄合金であり、例えばFeベース合金である。一実施形態において、この合金は、化学式Fe48Cr15Mo141562を有し得る。他の数多くのFeベース合金も可能であることに注意されたい。合金原料は最終BMGと同じ化学組成を有し得るが、これは必ずしも同じである必要はない。一実施形態において、この合金原料は、後で製造されるBMGと同じ化学組成であるが、異なる結晶化度を有する。例えば、一実施形態において、この合金原料は完全にアモルファスでなくともよく、例えば実質的に結晶質、例えば完全に結晶質であり得る。
一実施形態において、合金原料を製造する方法は少なくとも2つの工程を含み得、このそれぞれが前合金組成物(pre-alloy composition)を製造する工程を伴う。様々な工程による前合金組成物は、同じである場合も、また異なっている場合もある。本明細書のいくつかの実施形態で記述されている方法により製造された最終生成物(すなわち合金原料)は、均質な合金であり得るけれども、本明細書で参照される「前合金組成物」は必ずしも合金又は均質である必要はない。例えば、一実施形態において、この前合金組成物のいずれかが、化合物、例えば金属間化合物であり得る。あるいは、この組成物は混合物であり得る。更に、いくつかの実施形態において、前合金組成物及び/又は合金原料は、化学組成に関して均質である。しかしながら、この前合金組成物は、又は合金原料であっても、特に化学組成に関して完全に均質である必要はない。例えば、これらはその特定の部分で均質であるが、その別の部分では均質でなくともよい。あるいは、これらは均質ではなくともよい。
一実施形態において、合金原料の製造方法が提示され、この方法にはいくつかの中間工程が含まれ得る。例えば、この方法は、一連の前合金を形成する工程が含まれ、これを後で配合することができる。この方法は、Fe元素を第1非金属元素と配合することにより第1組成物を形成する工程と、Feを複数の遷移金属元素と配合することにより第2組成物を形成する工程と、この第2組成物を第2非金属元素と配合することにより第3組成物を形成する工程と、合金原料を形成するために第1組成物を第3組成物と合金化する工程と、を含み得る。一実施形態において、この合金原料は、Fe含有合金、例えばFeベース合金などの鉄合金を含む。元素は任意の寸法又は形状であり得る。粉末成形に依存する既存の方法とは対照的に、本明細書に記述されている実施形態に使用される元素のうちの少なくともいくつかは、一般の「粉末」寸法よりもはるかに大きな少なくとも1辺を有し、例えばミリメートル尺度で、例えば少なくとも約1mm、例えば少なくとも約2mm、例えば少なくとも約2mm、例えば少なくとも約5mmである。一実施形態において、この元素はすべて、ミリメートル尺度又はそれ以上の少なくとも1辺を有する。別の実施形態において、この1辺は、最も小さな辺を指す。
一実施形態において、第1前合金組成物はFe含有組成物であり得、例えば化合物、一実施形態において例えば金属間化合物であり得る。第1前合金組成物は、別の方法として、例えばFe含有合金などの合金であり得る。非金属元素は、上述の半金属の任意のものであり得る。例えば、B、P、Si、Ge、C、又はこれらの組み合わせであり得る。したがって、第1組成物はホウ化鉄、リン化鉄等を含み得る。例えば、第1組成物はFe2B、FeB、FeSi、FeSi2、Fe3P、又はこれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、これらの化合物は一般に、粗い粉末、例えば市販の粉末として入手可能である。あるいは、これらはより大きな寸法(例えば上述のようにミリメートル尺度)の「塊」であってもよい。一実施形態において、元素C(及びその他のもの)を、合金(例えば白色又は灰色の鋳鉄)の使用を介して添加又は組み込むことができ、この合金は一般に、Fe、C、Si、並びに少量の他の元素を含む組成物を有し得る。いくつかの別の実施形態において、既存の化合物及び合金を使用する代わりに、本明細書で記述される手動による前合金工程を使用して、様々な元素、化合物、及び/又は合金を配合させ、現場でマスター合金/前合金を形成することができる。一例は、本明細書及び非限定的実施例に記述されるFe−Cr−Moインゴット、又は本明細書に記述されるFe−Bマスター合金インゴットであり得る。図5を参照されたい。
第2前合金組成物は、複数の遷移金属元素を含み得る。この遷移金属元素は、上述の遷移金属元素の任意の組み合わせであり得る。一実施形態において、この元素には、Fe、Mo、Cr、Ni、Y、Co、Mn、Ga、及びErのうちの少なくとも1つが含まれ得る。一実施形態において、第2組成物には、Fe、Mo、Cr、Y、Co、Mn、Ga、及びErが含まれ得る。別の実施形態において、この組成物は、主にFe、Mo、Cr、Y、Co、Mn、Ga、及びErからなり得る。一実施形態において、第2組成物は、Fe、Mo、Cr、Y、Co、Mn、Ga、及びErから構成され得る。
第2非金属元素は、上述の半金属を含め、任意の非金属であってもよい。例えば、これはCであってよく、あるいは第1半金属としてB又はPであり得る。炭素元素は、グラファイト、又はその他の好適な炭素源の形態で供給することができる。遷移金属元素は、この溶融/合金化の間、特定の順序で積層することができる。いくつかの実施形態において、この積層順序は驚くべきほど重要であり得る。具体的に、いくつかの実施形態において、本明細書に記述されているのとは異なる積層順序にすると、原料が製造できたとしても、劣った特性を有する合金原料をもたらし得る。例えば一実施形態において、この形成は、その積層順序でない組成物に比べて、第2前合金組成物のFe及びCrのうちの少なくとも1つの蒸発が小さくなり得る。元素の蒸発が起こると、その元素の損失が、還元時間及び/又は費用の増加をもたらすことになるため、いくつかの実施形態において望ましくない可能性がある。
一実施形態において、積層順序は、図1に示すように、MoをFeの上に配置し、これをCrの上に配置し、これをYの上に配置するものであり得る。ここにおける順序は単に例示のためのものであり、例えば組成物を上下逆さまにする場合には、これは逆転させることができる。積層順序はまた、図1に示すものに対して垂直にすることもできる。例えば、これを左から右にすることができ、あるいは別の方法として、右から左にすることができる。一実施形態において、Moは、4つの元素すべてのうちで最も高い融解温度を有し得る。図5は、一実施形態におけるFe−Mo−Crマスター合金(又は前合金)インゴットの写真を示す。このインゴットは、構成成分に関して均質であり得るが、すべての実施形態について必ずしも均質である必要はない。特定の理論に拘束されるものではないが、Moは、他の元素の熱衝撃の可能性を低減するための一時的シールドとして機能することができる。この合金化/配合する工程の間、個々の元素が溶融し、任意の特定の順序で他のものと融合することができる。例えば、この実施形態において、Feは最初にMoと融合し、次に、この中間Fe−Mo組成物にCrが融合し、最後にこのFe−Mo−Cr組成物にYが融合することができる。したがって、Yが他の元素と融合してこの第2前合金組成物を形成するときまでに、前合金組成物がすでに、これらの元素に関して均質になっている可能性がある。あるいは、別の実施形態において、第2前合金は均質である必要はない。
一実施形態において、元素の組み合わせが温度を上昇させ混合するため、ある程度の表面張力を伴った均質な液体になって混合し得る。この表面張力は、溶融した塊をほぼ球形(又は「ボタン」状)のインゴットにする傾向を有し得、同時に重力によって、平らに広がる傾向を有し得る。アーク融解プロセス中に、インゴットの大きさに応じて、これは均質になり、エッジが丸みを帯びたディスク形状を形成して、異種要素を含む加熱された塊から、均質な合金の丸い塊へ遷移するのが、はっきりと観察できる。いくつかの例において、この遷移は「ラウンドアウト」と呼ばれる。
一実施形態において、第3組成物形成の最初に、第2非金属元素を第2組成物の下に配置することができる。一実施形態において、この第3前合金組成物は、第2非金属元素を第2組成物と配合することにより形成され得る。例えば、第2非金属元素が炭素である場合、第3組成物は炭素含有組成物であり得る。この組み合わせは、任意の構成で行うことができる。例えば、炭素は、例えばグラファイト粒子などの、複数の微粒子の形状であり得る。溶融/合金化工程の前に、この粒子を第2前合金組成物の下に配置することができる。あるいは、炭素を、第2前合金組成物の上又は側面に配置することができる。一実施形態において、第3前合金組成物は、Fe−Mo−Cr−Y−C合金を含み得、又はこれらの元素を含む組成物を含み得る。本明細書に記述される合金中の元素記号の順序は、合金の意味を変えることなく変更可能であることに注意されたい。
本明細書に記述される溶融及び合金化は、任意の好適な加熱技法により実施することができる。例えば、この加熱は、アーク溶融、真空誘導溶融(VIM)、フラッシュランプ、抵抗炉、レーザー、電子ビーム、又はこれらの組み合わせであり得る。各溶融/配合工程の後(又は工程と工程の間)、前合金組成物をより低い温度(例えば室温)に冷ますことができる。組成物及び使用する溶融技法に応じて、本明細書に記述される方法における配合工程のそれぞれは、(時間の)長さが異なり得る。一実施形態において、配合工程の少なくともいくつかは、少なくとも約10分間、例えば少なくとも約20分間、例えば少なくとも約30分間、かかり得る。したがって、一実施形態において、合金原料の製造プロセス全体では、少なくとも約1時間、例えば少なくとも約1.5時間、例えば少なくとも約2時間かかり得る。任意の前合金形成工程について、用語「配合」とは、任意のタイプの配合を指し、これには物理的配合及び/又は化学的配合が含まれ得る。例えば、配合は、例えば溶融中などにおける、複数の元素の合金化及び/又は混合を指し得る。あるいは、文脈によっては、配合は化学的に新たな化合物を形成することを指すことがある。
アーク溶融によって加熱を実施する一実施形態において、溶融中に、合金充填物又は前合金組成物の混合物を溶融し、及び/又は、裏返すことができる。一実施形態において、アーク溶融における「溶融」とは、電気アークを使用して、(金属)元素を溶融し、それらを一緒に融合/混合するプロセスを指し得る。アークは、溶融した金属混合物に浸透して、それらを合わせて混合する能力を有し得る。いくつかの実施形態において、アークを特定のパターン(又は複数のパターン)で動かした場合、高い均質性を達成することができる。しかしながら、しばしば、溶融していない金属の塊が溶融物の底に堆積し(冷たい中心部)、溶融しないまま(例えばその純粋な/元の形態で)残ることがある。いくつかの場合において、アークを停止して、混合物を冷まして固体を形成させ、次にこの混合物(又はボタン又はインゴット)を、パンケーキ又は目玉焼きのように裏返すことができる。裏返した後、アークを再びオンにし、ボタンをエッジ側から融かし始め、ゆっくりとボタンを横切って動かすことができる。時間が経過した後、溶融していない塊を見つけることができ、この塊にアークを集中させて、混合物を溶融させることができる。
いくつかの実施形態において、「裏返し」はまた、上述の各「溶融」の前に、均質化を促進するためにこの混合物をひっくり返すことも指す。例えば一実施形態において、「4回溶融及び3回裏返し」とは、溶融、固化させる、裏返し、溶融、固化させる、裏返し、溶融、固化させる、裏返し、及び溶融、という順序を指し得る。この実施形態において、より高い密度の溶融していない金属/合金の塊が底に沈み、より低い密度の溶融していない塊が浮いたままになり得る。一実施形態において、金属は、水冷された銅片の上で溶融されるため、裏返しを実施することができる。インゴットの底は銅の温度に近く、インゴットの上部はアークによって直接加熱される。よって、この手段では非常にしばしば、最も密度の高い元素が、底に沈む前に完全に溶けることはなく、底に沈むと、インゴットのより冷たい領域にあるため、その結果、溶融が停止する。ゆえに、いくつかの実施形態において、インゴット全体が冷却され、手動で裏返された。アークを再びオンにすると、インゴットの底にあったものが加熱され、これにより、不均質な部分が沈む前によりよく溶融される。したがって、インゴット内に埋め込まれた未溶融の断片を減少させることができ、その後の裏返しと再溶融により、インゴットはより均質になり得る。
いくつかの実施形態における方法により製造される原料は、ボタン又はインゴットの形状であり得る。これらの2つの用語は、本明細書に記述されるいくつかの実施形態において互換可能に使用され得る。この原料ボタン、すなわちインゴットは、任意の形状又は寸法を有し得る。例えば、インゴットは円筒形、球形、立方体、又はそれらの間の任意の形状、又は不規則形状であり得る。原料は、前述されているように、任意の寸法又は形状の合金サンプルであり得る。上述のように、原料は、特に化学組成に関して、均質であり得る。いくつかの実施形態において、原料は、その原料全体にわたって均質であり得る。いくつかの別の実施形態において、原料は、その中の特定の領域においてのみ均質であり得る。すなわち、原料は、局所的な均質性のみを有し、バルク均質性は有さない。高い均質性を有することは、特に重要である。BMG、特に本明細書に記述される合金は、化学組成に対して非常に敏感であり得、不均質性があると、原料内の場所によって化学組成が変化し得る。これによって、後述のように、不均質性は非アモルファス相の存在をもたらし得る。
原料は、数ミリメートルの範囲、又はこれより大きな範囲(例えばセンチメートル範囲又はそれより大)の寸法を有し得る。この大きな寸法は、粉末形状で異なる元素を粉末成形する既存の方法により製造される原料とは、明確に異なり得る。一実施形態において、この原料は、少なくとも1辺が、少なくとも約1cm、例えば少なくとも約2cm、例えば少なくとも約4cm、例えば少なくとも約6cm、例えば少なくとも約8cm、例えば少なくとも約10cm、例えば少なくとも約12cmの寸法を有し得る。一実施形態において、この合金原料は、少なくとも1辺が、少なくとも2.5cm(1インチ)、例えば少なくとも5.14cm(2インチ)、例えば少なくとも7.6cm(3インチ)、例えば少なくとも約10.2cm(4インチ)の寸法を有し得る。本明細書においてこの辺の寸法は、長さ、幅、厚さ、直径など、任意の寸法を指し得る。
本明細書に記述される方法により製造される合金原料は、アモルファス合金、例えばバルクアモルファス合金を製造するのに使用することができる。アモルファス合金の製造方法は既知である。例えば一例において、原料を再溶融させて溶融形態にし、次に急冷してアモルファス合金を形成することができる。結晶質合金からアモルファス合金を製造する技法は既知であり、任意の既知の方法を本明細書で採用して、組成物を製造することができる。形成方法の様々な例が本明細書に記述されているが、他の同様の形成プロセス、又はそれらの組み合わせも使用することができる。一実施形態において、原料を、原料中の合金の融解温度Tmを超える第1温度に加熱することにより、合金中のあらゆる結晶を溶融させることができる。加熱及び溶融した原料を、次に、合金のTgを下回る第2温度まで急速に冷却して(すなわち「急冷」して)、上述の組成物を形成し、これを加熱して処理及び/又は成形することができる。急冷の速度、及び加熱温度は、例えば時間−温度−結晶変換(TTT)図を使用するなど、従来の方法によって決定することができる。提供されるシート、ショット、又は任意の形状の原料が、小さな限界鋳造厚さを有し得るが、最終部品は、この限界鋳造厚さよりも薄い又は厚い、厚さを有し得る。
電子デバイス
上述の方法は、次にBMGを製造するのに使用可能な原料を製造するのに使用することができる。BMGの優れた特性から、BMGは、様々な装置及び部品における構造的構成要素を製造することができる。そのような装置の一タイプが、電子デバイスである。
本明細書での電子デバイスとは、当該技術分野において既知の任意の電子デバイスを指すことができる。例えば、この電子デバイスは、セル電話及び固定電話などの電話、あるいは、例えばiPhone(商標)を含めたスマートフォン、及び電子eメール送信/受信デバイスなどの、いずれかの通信デバイスとすることができる。この電子デバイスは、デジタルディスプレイ、TVモニタ、電子ブックリーダ、ポータブルウェブブラウザ(例えば、iPad(商標))、及びコンピュータモニタなどの、ディスプレイの一部とすることができる。この電子デバイスはまた、ポータブルDVDプレーヤ、従来型DVDプレーヤ、ブルーレイディスクプレーヤ、ビデオゲームコンソール、ポータブル音楽プレーヤ(例えば、iPod(商標))などの音楽プレーヤなどを含めた、娯楽機器とすることもできる。この電子デバイスはまた、画像、ビデオ、音声のストリーミングを制御することなどの、制御を提供する機器(例えば、Apple TV(商標))の一部とすることもでき、又は電子デバイス用の遠隔制御装置とすることができる。この電子デバイスは、コンピュータ、あるいはハードドライブタワーの筺体若しくはケーシング、ラップトップ筺体、ラップトップキーボード、ラップトップトラックパッド、デスクトップキーボード、マウス、及びスピーカなどの、コンピュータ付属品の一部とすることができる。この物品はまた、腕時計又は時計などの機器にも適用することができる。
冠詞「a」及び「an」は、本明細書では、1つ又は2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)の、その冠詞の文法的対象語を指すために使用される。例として、「ポリマー樹脂(a polymer resin)」は、1つのポリマー樹脂又は2つ以上のポリマー樹脂を意味する。本明細書に記載されるいずれの範囲も、包括的である。本明細書の全体を通して使用される用語「実質的」及び「約」は、小規模な変動を記述及び説明するために使用される。例えば、それらの用語は、±2%以下など、±1%以下など、±0.5%以下など、±0.2%以下など、±0.1%以下など、±0.05%以下などの、±5%以下を指すことができる。
非限定的実施例
Feベース合金
比較のため、3つの実験を実施した。最初の2つの実験は、後で鉄バルクアモルファス合金(Fe48Cr15Mo141562)を製造するための合金原料を製造する既存のプロトコルに従って実施し、第3の実験は、本明細書の実施形態の1つに記述されている方法を使用して実施した。下記に記述されている加熱及び溶融は、アーク溶融によって実施した。図4は、合金化プロセスに使用される元素と、その定規に対する比較寸法を示す。断片はすべて、少なくとも1辺が、5mm程度又はそれ以上の寸法である。
実験1
この実験は、下記のプロトコルに従って、合金原料を製造する試みで実施された。
(1)約3.1gのB(約0.29モル)及び16.0gのFe(約0.29モル)を溶融し、50atm%−Fe−50atm%−B(Fe−B)化合物組成物を作製する。この工程は、4回溶融及び3回裏返しで実施された。すなわち、各「裏返し」は混合物をひっくり返して、均質化を促進してから、上述の各「溶融」を行うことを指す。
(2)約112.3gのFe、37.4gのCr、64.2gのMoを溶融して、Fe−Cr−Mo合金インゴット(「ボタン」)を形成する。この工程は4回溶融及び3回裏返しで実施された。図5は、Fe−Cr−Mo合金の写真を示す。
(3)グラファイト粒子の上にFeCrMoインゴットを置くことによって、グラファイトをFe−Mo−Cr内に溶融させ、Fe−Mo−Cr−C組成物を形成する。この工程は、1溶融及び裏返しなしで実施された。
(4)化学式Fe48Cr15Mo1462の合金原料を形成しようと、Fe−B化合物をFe−Mo−Cr−C組成物と一緒に溶融させる。
結果
元素の原子(又は堆積)比は、Mo:C=48:52、Cr:C=50:50、Mo:B=70:30、及びCr:B=71:29に設定された。工程(1)で、FeとBは極めて迅速に融合して、粘稠な中間化合物組成物を形成することが見出された。次に、アークの出力を上げて、この中間組成物を完全に溶融させた。出力を上げている際に、比較的不均質な前合金中間組成物が完全に混合されて均質になり、丸い溶融インゴットを急速に形成した。第1及び第2溶融の後、中間組成物の周囲にごく少量のすす状の粉が見られた。
工程(2)で、Feは容易に溶融し、Moとすぐに融合した。Crがアークに接触していたところではCrが急速に蒸発していることが見出された。純Crの蒸気圧は、純Feに比べて非常に高かった。アーク溶融装置の内部のアルゴン圧力は−10〜−20in−Hgであった。この「減圧」レベルでは、Crがより蒸発しやすくなっていた。アーク溶融装置の壁、炉床、電極の一部は、冷水により低温に保たれた。蒸発したCrが低温表面に当たって、自動的に堆積し、壁、炉床、及び電極をコーティングした。これは、Crをアークから遠ざけて、蒸発及び低温の装置表面への堆積を減少させるための試みであった。
この現象の別の副作用は、Crが装置に奪われることであり、これにより合金のCr濃度は減少した。電極に十分な厚さのCr層及び密封がコーティングされるか、又はアーク溶融装置の雰囲気内を漂うと、電気的な「短絡」が起こり、危険になり得る。アーク(これはタングステンの先端からまっすぐ出る放散する炎のようなものである)がまっすぐCr片に向かうと、蒸発が過大になったことが観察された。一方、Moのような蒸気圧が低い元素に向けられたときは、MoがCrを間接的に加熱するため、蒸発は最小限となる。予測されたより少ない量のすす状物質が観察され、これは、Crがアークから遠ざけられたためであると結論づけられた。
工程(3)で、工程(2)から得られたFe−Cr−Moインゴットを炭素(グラファイト)粒子の上に置いた。Fe−Cr−Moインゴットのひび割れが見られ、崩壊を防ぐためにインゴットは最初にエッジ側から溶融した。新たに形成されたインゴットFe−Cr−Moは結晶質であった。これはアーク溶融装置の低温の炉床に置かれていたため、インゴット全体がかなり低温であった。高温のアーク流がインゴットに触れると、熱衝撃によりインゴットにひび割れを生じさせた。ひび割れたときに、屑がアーク溶融装置内に散らばって落ち、これは「不良組成物」又は「電気的短絡」の原因になり得た。熱衝撃によるひび割れを防ぐため、最初にエッジから溶融するのが最良であり、これは「未溶融の」塊を見つけてこれを溶融させるのにも役立つことが結論づけられた。いくつかの場合において、急激な熱は、アーク溶融装置内で大きな破片の崩壊を引き起こした。Fe−Cr−Moの場合、インゴットは冷却されると自発的に壊れる傾向にあった。理論に束縛されるものではないが、これはおそらく、銅の炉床上で急速に冷却されると、熱衝撃によりインゴット内の脆い金属間化合物の破壊ももたらされるためである。
インゴットが溶融するとすぐにCの断片が表面に浮遊し、そのCの断片が光り、表面上を動き回ってから、徐々に消失した。所定の時間後に、インゴット全体が溶融し、表面の25〜33%を覆う薄い表皮が急速に表面を動き回った。アークを弱めると、明らかに不混和性の、光っている粘稠物質の塊が、インゴットの上部に浮かび上がった。アークをこの近くに押し付けて、流動させ変形させるようにしたが、この塊は溶液内に溶け込まなかった。この溶液が固溶体であったかどうかを確認する化学分析は実施しなかった。大量のすす状物質が観察され、何かが焦げたにおいが検知された。
工程(4)で、工程(1)のY及びFe−B組成物を、Fe−Cr−Mo−Cインゴットの上に置き、このアセンブリを溶融させた。イットリウムが急速にインゴットに溶けたことが観察されたが、Fe−B組成物はなかなか溶けようとせず、ゆっくりとインゴットに溶け込んだ。Fe−Bが溶融した後、結果として得られたインゴットは、徐々に、粗い小面を有した表皮で覆われ、これは溶け込まなかった。
最終インゴットを冷却した後、表面が鈍い濃灰色から白色に変化したことが見出され、金属鋸屑に似たにおいがした。また、最終インゴットは溶融中に完全な溶融状態を得られなかったことが見出された。局所的な溶融領域のみが、粗い表皮の下に見られた。換言すれば、元素をアーク溶融で混合したとき、1つ以上の化合物が表面上に形成され、これはアーク溶融装置が耐えられる最高温度である約3400℃よりも高い溶融温度を有していた。これらの高融点化合物は、その後も、ボタンのバルク内に溶かして戻すことはできず、インゴットの不均質性を残す可能性がある。また、アークでは局所的な領域のみが溶融されるため、インゴットは組成が不均質であった。
図6(a)は、実験1で得られた合金インゴットを示しており、断裂破片がすべてばらばらになっている。破断面にはいくつかの空隙と不均質性が見られる。インゴットはかなり脆く、冷却すると壊れて複数の破片になった。また、一部の合金成分の蒸発により、かなりの量のすす状物質が生じ、これは冷却後に回収された(右側に示す)。このすす状物質中にある元素の測定は実施されなかった。実験1後に回収されたすす状物質を図6(b)に示す。インゴットの表面は粗く不規則であり、溶融プロセス中の不完全な混合により生じた不均質性の徴候を示す。
まとめると、このインゴットは原料として望ましくない。
実験2
この実験は、下記のプロトコルに従って、合金原料を製造する試みで実施された。
(1)約128.1gのFe及び約4.9gのCを溶融し、85atm%−Fe−15atm%−C(Fe−C)化合物組成物を作製する。この工程は、Cの上にFeを置いて実施した。この工程は、4回溶融及び3回裏返しで実施された。すなわち、各「裏返し」は混合物をひっくり返して、均質化を促進してから、各「溶融」(すなわち溶融工程)を行うことを指す。
(2)約3.7gのCをCr、Mo、及びBと共に溶融し、この際、MoをBの上に、これをCrの上に、これをCの上に置く。逆算により、これはCrが約37.3g、Moが約64.2g、Bが約3.1gであると決定された。
(3)Fe−CをFe、Cr、Mo、及びBの上に置き、これらを一緒に溶融して、Crの喪失を最小限に抑える。この生成物が、インゴットであった。
(4)0.2gのYを、(3)で得られたインゴットに加え、このアセンブリを一緒に溶融した。
結果
工程(1)で、Feがゆっくりと溶融した。溶融したFeに接触すると、炭素アークが緑色に輝き、溶融した合金が発泡した。Cが上に浮かび上がると、表面で跳ね回りながら、ゆっくりと溶液に溶け込んだ。中程度のすす状物質が観察された(これはおそらく発泡によるものである)。このすす状物質は、主に灰色粉末を含んでいた。この粉末を回収し、この後の溶融工程に加えた。
工程(2)で、Moが溶融してある程度Crと共に融合したが、混合物が固まる前にかなりの量のCrが揮発したことが見出された。工程(3)で、混合及び溶融後の混合物すべてが最終的に均質になったことが見出された。Cの破片が上に浮かび上がり、溶液内にゆっくりと溶けるのが見られた。また、工程(2)で、一部のCrが蒸発/揮発した。工程(3)で、更にCrが蒸発した。最後に、工程(4)で、Yがインゴットに融合するのが見出されたが、すぐに厚い「表皮」を形成し、これは溶融が非常に困難であった。インゴット全体を一度に溶かすのは非常に困難であった。揮発するものがあった場合、それは失われることになるため、最終組成物はもはや、正しい組成ではなかった。2つ以上の元素が凝集して結晶を形成すると、均質な混合物は得られなかった。浮遊又は沈殿するものが合った場合、均質な混合物は得られなかった。この特定のFe合金組成物を溶融するには、CrとCが数多くの問題をもたらした。Cは上に浮かぶけれども、溶液にはゆっくり溶ける。一方、Crが合金に導入されるのが早すぎると、Cが溶けるのにかかる時間の間に、Crが蒸発する量が多くなりすぎる。
図7は、実験2で得られた合金インゴットの写真を示す。このインゴットは非常に脆く、冷却すると壊れて数多くの細かい破片になった。実験1ほど多くのすす状物質は観察されなかったが、依然として、実験1よりも、薄い色のダストで破片が覆われていた。この実験では、実験1よりも高い不均質性が観察され、表面には不混和性の表皮のエビデンスが見られた。まとめると、このインゴットは原料として使用するには望ましくない。
実験3
この実験は、下記のプロトコルに従って、合金原料を製造する試みで実施された。
(1)約12.8gのFe及び約2.5gのCを溶融し、50atm%−Fe−50atm%−B(Fe−B)化合物組成物を作製する。この工程は、Cの上にFeを置いて実施した。この工程は、実験1の工程(1)と同様に実施した。
(2)図2に示すように、約98gのFeを、約29.8gのCr、51.4gのMo、及び6.9gのYを溶融して、FeMoCrYを形成する。
(3)各Fe−Mo−Cr−Y片の下にCを置いて、それらの合金を形成する。この生成物が、インゴットである。
(4)工程(1)のFeBを、工程(3)で得られたFe−Mo−Cr−Y片に溶け込ませて、Fe48Cr15Mo1462の合金原料を得る。
結果
工程(1)で、得られた結果は、実験1の工程(1)で観察されたものと同様であった。具体的には、元素は融合し、粘稠であるが、アーク溶融の出力を上げた後に、ボタン/インゴットを形成した。
工程(2)で、FeはMoと急速に融合することが見出された。図2を参照されたい。Yが溶融すると、材料は表面上に表皮を形成し、この表皮は高出力でも溶融しない。小さな橙色のいくらかの不混和性材料の小滴が表面上に転がるのが見られたが、これは、高出力でもインゴット内に溶融しなかった。インゴットは非常に脆かったため、炉床に戻したときに折れた。小片をトラフ内で再溶融した。この再溶融中、表皮はかなり希薄になり、ほぼ溶融しているように見えた。Fe−Mo−Cr−Yをより小さな塊で溶融することが、溶融プロセスに役立つと結論づけられた。良好なアモルファス合金は、良好な表面外観を有する傾向がある。より大きな塊の材料は、様々な要因(高融点の表皮、明らかに不混和性の相など)のため、アークでは完全に溶融することができないが、小さな破片に分けて別々に溶融することで、その表皮を少なくとも部分的に溶液に溶かし込めることが示された。理論に束縛されるものではないが、これはおそらく、小質量の破片により、同じアークでより高い融解温度を達成することが可能になったためである。固化後、このFe−Mo−Cr−Y表面は小面を備え、青色及び茶色であった。
工程(3)で、Cは問題なく、各材料片にゆっくりと溶けるように見えた。炭素粒子は、図3に示すように、Fe−Mo−Cr−Yインゴットの下に置かれた。Cは表面に浮遊せず、各Fe−Mo−Cr−Y片の質量によりCロッドが低温領域に「押さえ付け」られていた。炭素は軽い元素(低密度)であり、上に浮かぶ傾向を有する。炭素がFe−Mo−Cr−Yの下に押さえ付けられていると(すなわち、トラップされていると)、混合物が溶融したときに、炭素が徐々に上に浮かび上がる際に、混合物にゆっくりと溶け込んだ。上に達するまでに、Cの多くが混合物に溶け込んでいた。また、インゴットの局所的領域のみが溶融できるため、インゴットの他の領域は固体のような挙動をしていた。よって、アークが移動して炭素ロッドの一方の端の上に溶融領域を形成したときであっても、炭素はその固体領域を通過して浮かび上がることができず、底に留まって(又は「押さえ付けられて」)いた。溶融した領域の下にあった部分は、全く上に浮かぶことなく、溶液にゆっくりと溶け込んだ。これにより、Cを合金に溶かすプロセスに伴う不均一さと労力の一部が最小限に抑えられた。
工程(4)で、Fe−B組成物は上に置かれた。これが溶融した後、この組成物は最初、大きな破片を濡らしたわけではなかった。表面から滴り落ちて、Fe−Mo−Cr−Yの側面と融合し、ゆっくりと溶け始めてバルクになった。より均質になるにつれて、結果として得られたインゴットは粘性が低くなっていた。この実験の結果得られた生成物には、重量が少なくとも100g、直径が5.1〜7.6cm(2〜3インチ)のインゴットが含まれる。実験後の確認では、インゴットが、少なくとも直径5mmの完全アモルファスBMGロッドを製造するための原料として使用されたことを示している。
図8(a)は、実験3で製造されたインゴットから確保された、小さな均質の、結晶質片を示している(上)。いくつかの破片を再溶融し、低温の銅製金型内に吸引鋳造して、図8(a)の下に示すアモルファス合金鋳造成形品を製造した。図8(b)は、実験3のFeベース合金化からの破片を再溶融及び吸引鋳造することによって製造した、直径6mmのロッド鋳造成形品の切片を示す。このロッドは完全にアモルファスである。図8(c)は、実験3のFeベース合金化からの破片を再溶融及び吸引鋳造することによって製造した、直径8mmのロッド鋳造成形品の切片を示す。このロッドは完全にアモルファスである。
実験3の原料から製造された合金ロッドの観察が、一連のDSC試験で確認された。図9(a)〜(b)は、実験3で得られた原料から製造された、それぞれ6mm及び8mmの鋳造ロッドで測定したDSCサーモグラムを示す。図9(a)は、6mmのロッド鋳造品から得られたものであり、図9(b)は、同じチャートに6mmと8mmのロッド両方の結果を示す。曲線の類似性、特に600〜800℃の間の結晶化事象は、両方のロッドのアモルファス含有量が有効に同じであり、すなわち、これらが両方とも完全にアモルファスであることを示している。換言すれば、実験3で製造された合金インゴットは、望ましい公称組成に非常に近く、よって、この合金化手順は成功であると見なされた。

Claims (41)

  1. 合金原料の製造方法であって、
    Fe元素を第1非金属元素と配合することにより第1組成物を形成する工程と、
    Fe元素を複数の遷移金属元素と配合することにより第2組成物を形成する工程と、
    該第2組成物を第2非金属元素と配合することにより第3組成物を形成する工程と、
    合金原料を形成するために、前記第1組成物を第3組成物と合金化する工程と、
    を含む、方法。
  2. 前記第1非金属元素が、B、P、Si、Ge、C、又はこれらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記複数の遷移金属元素が、Mo、Cr、Ni、Y、Co、Mn、Ga、Er、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1非金属元素及び前記第2非金属元素のうちの少なくとも一方が半金属である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第2非金属元素がSi、C、又は両方である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第3組成物を形成する工程の最初に、前記第2非金属元素が前記第2組成物の下に配置される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記元素の少なくとも一部は、少なくとも1辺が、少なくとも約1mmである、請求項1に記載の方法。
  8. 前記合金原料が、(i)均質である、(ii)完全なアモルファスではない、のうちの少なくとも一方である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記合金原料が、化学式Fe48Cr15Mo141562を有する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記製造の少なくとも一部が、アーク溶融を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 合金原料の製造方法であって、
    Feを第1非金属元素と配合することにより第1組成物を形成する工程と、
    Feを複数の遷移金属元素及びCと配合することにより炭素含有組成物を形成する工程と、
    合金原料を形成するために、前記第1組成物を前記炭素含有組成物と合金化する工程と、
    を含む、方法。
  12. 前記炭素含有組成物を形成する工程が、前記炭素含有組成物を形成する工程の前に、Mo、Cr、Y、Ni、又はこれらの組み合わせを含む第2組成物を形成する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記炭素含有組成物を形成する工程が、MoをFeの上に配置し、これをCrの上に配置し、これをYの上に配置する積層順序を有する合金積層物を溶融することにより、第2組成物を形成する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記形成する工程は、前記積層順序を有さない組成物に比べて、前記第2組成物に関して、FeとCrのうちの少なくとも一方の蒸発が少ない、請求項13に記載の方法。
  15. 前記第1組成物が、金属間化合物を含む、請求項11に記載の方法。
  16. 前記合金原料が、実質的に結晶質である、請求項11に記載の方法。
  17. 前記合金原料は、少なくとも1辺が、少なくとも5.1cm(2インチ)である、請求項11に記載の方法。
  18. 前記合金原料をバルクアモルファス合金に製造する工程を更に含む、請求項11に記載の方法。
  19. 前記製造する工程に使用される元素の少なくとも一部が、粉末形状ではない、請求項11に記載の方法。
  20. 前記第1非金属元素がBである、請求項11に記載の方法。
  21. 合金原料の製造方法であって、
    Fe含有第1組成物を提供する工程と、
    CをMo、Cr、及びYを含む第2組成物と配合して第3組成物を形成する工程と、
    前記第1組成物を前記第3組成物と配合して合金原料を形成する工程と、
    を含む、方法。
  22. 前記第1組成物がホウ化鉄である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記第2組成物が、MoをFeの上に配置し、これをCrの上に配置し、これをYの上に配置する積層順序を有する、請求項21に記載の方法。
  24. 前記合金原料の重量が少なくとも100gであり、少なくとも1辺が、少なくとも5.1cm(2インチ)である、請求項21に記載の方法。
  25. Fe及び第1非金属元素を含む第1組成物と、
    Fe、複数の遷移金属元素、及び第2非金属元素を含む、第2組成物と、
    を含む合金であって、
    前記第1組成物が、前記合金中の前記第2組成物と合金化されている、合金。
  26. 前記第1非金属元素がB、P、Si、Ge、C、又はこれらの組み合わせである、請求項25に記載の合金。
  27. 前記複数の遷移金属元素が、Mo、Cr、Ni、Y、Co、Mn、Ga、Er、又はこれらの組み合わせである、請求項25に記載の合金。
  28. 前記第1非金属元素及び前記第2非金属元素のうちの少なくとも一方が半金属である、請求項25に記載の合金。
  29. 前記第2非金属元素が、Si、C、又は両方である、請求項25に記載の合金。
  30. 前記第3組成物を形成する工程の最初に、前記第2非金属元素が前記第2組成物の下に配置される、請求項25に記載の合金。
  31. 前記元素の少なくとも一部は、少なくとも1辺が、少なくとも約1mmである、請求項25に記載の合金。
  32. 前記合金が、(i)均質である、(ii)完全なアモルファスではない、のうちの少なくとも一方である、請求項25に記載の合金。
  33. 前記合金が、化学式Fe48Cr15Mo141562を有する、請求項25に記載の合金。
  34. 前記製造の少なくとも一部が、アーク溶融を含む、請求項25に記載の合金。
  35. 前記第2組成物が、Cを含む炭素含有組成物を含む、請求項25に記載の合金。
  36. 前記第2組成物が、Mo、Cr、Y、Niを更に含む、請求項25に記載の合金。
  37. 前記第2組成物が、MoをFeの上に配置し、これをCrの上に配置し、これをYの上に配置する積層順序を含む、請求項36に記載の合金。
  38. 前記第1組成物が、金属間化合物を含む、請求項25に記載の合金。
  39. 前記合金が実質的に結晶質である、請求項25に記載の合金。
  40. 前記合金は、少なくとも1辺が、少なくとも5.1cm(2インチ)である、請求項25に記載の合金。
  41. 前記合金が、バルクアモルファス合金を含む、請求項25に記載の合金。
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