JP6263928B2 - 凝縮水分離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン(内燃機関)の吸気または排気(吸排気)を冷却することで生成された凝縮水を吸気または排気から分離する装置に関するものである。
エンジンの出力を向上させる装置の一つとして、インタークーラが実用化されている。このインタークーラは、過給された吸気と外気との間の熱交換により、吸気を冷却する。吸気が冷却されると、燃焼室内の体積効率が向上し、エンジン出力が向上する。
また、排気中における窒素酸化物(以下、「NOx」という)の生成量を低減させる技術の一つとして、EGR(Exhaust Gas Recirculation)システムが実用化されている。このEGRシステムでは、EGRクーラで冷却された排気が、吸気系に還流して新気(吸気)とともに再び燃焼室に流入する。このため、燃料の燃焼温度あるいは燃焼室内の酸素濃度が低下し、NOxの生成量が減少する。
インタークーラやEGRクーラといった冷却装置によって吸気または排気が冷却されると、その温度や圧力に応じて、吸気または排気に含有されている水蒸気が凝縮して水(以下、「凝縮水」という)が生成される。このような凝縮水を吸気または排気から凝縮水を分離すべく、例えば特許文献1に示される装置が提案されている。かかる装置では、インタークーラの下流側に設けられた吸気連絡管とその下流側に水平に設けられた吸気マニホールドとが直交して接続されており、吸気マニホールドの底部であって吸気連絡管の下流端部の真下には開口部が設けられている。この開口部には、下方に水滴分離箱が取り付けられたスポンジが張設されている。かかる装置によれば、吸気連絡管から流出する吸気に含まれる凝縮水は、その慣性力で開口部に設けられたスポンジに当接し吸収され、水滴分離箱に滴下する。このようにして、吸気から凝縮水が分離される。
実公昭54−13446号公報
しかしながら、特許文献1に示されるような装置では、吸気連通管の下流端部から流出する吸気が拡散することで、吸気に含まれる凝縮水が吸気マニホールドの内壁面に付着してしまうおそれがある。また、スポンジが凝縮水を吸収しつづけると、スポンジの目が詰まってしまうおそれがある。或いは、多量の凝縮水が生成されたときに、スポンジで凝縮水を吸収しきれないおそれがある。かかる場合、燃焼室に凝縮水が流入し、例えばエンジンの低温燃焼時やアイドリング時であれば燃焼が不安定になるおそれがあり、また、エンジンの高負荷運転時であれば要求トルクを出力することができないおそれがある。このように、吸気または排気から凝縮水が分離されないと不具合を招いてしまうおそれがある。
本発明の目的の一つは、上記のような課題に鑑み創案されたもので、吸気または排気から凝縮水を確実に分離することができるようにした、凝縮水分離装置を提供することである。
なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的として位置づけることができる。
(1)上記の目的を達成するために、本発明の凝縮水分離装置は、エンジンの吸気または排気を冷却する冷却装置の下流側に設けられ、前記吸気または前記排気から凝縮水を分離する凝縮水分離装置であって、前記吸気または前記排気から分離した前記凝縮水を貯留する凝縮水貯留部と、前記吸気または前記排気が流通する通路を形成し、上流端部が前記冷却装置に接続される上流側パイプと、前記上流側パイプの下流端部と前記凝縮水貯留部との間を接続する接続パイプと、前記吸気または前記排気が流通する通路を形成し、上流端部が前記上流側パイプの前記下流端部の最下点よりも上方で接続された下流側パイプと、を備え、前記上流側パイプの前記下流端部において、前記上流側パイプの軸心と前記接続パイプの軸心との間の角度よりも前記上流側パイプの軸心と前記下流側パイプの軸心との間の角度の方が小さくなるように、前記下流側パイプが前記上流側パイプに接続され、前記接続パイプの外側には、伝熱面積を拡げる冷却フィンが設けられたことを特徴としている。
例えば、前記上流側パイプの前記下流端部では、前記接続パイプと前記下流側パイプとに分岐している。前記上流側パイプおよび前記接続パイプを一つのパイプとして見れば、このパイプにおいては、前記凝縮水貯留部が接続された端部よりも前記冷却装置が接続される端部側に、前記下流側パイプが接続されている。
なお、前記上流側パイプの軸心と前記接続パイプの軸心との間の前記角度は、0度よりも大きく180度以下であることが好ましい。また、前記上流側パイプの軸心と前記下流側パイプの軸心との間の前記角度は、0度よりも大きく180度未満であることが好ましい。
(2)前記下流側パイプの前記上流端部には、上流側から下流側に向かうにつれて上方に位置する上昇部が設けられることが好ましい。すなわち、前記下流側パイプの前記上流端部が前記上流側パイプの前記下流端部に対して上向きに接続されることが好ましい。
(3)前記上流側パイプまたは前記接続パイプが、前記凝縮水貯留部へ向けて下方に傾斜して設けられることが好ましい。
(4)前記接続パイプの内側には、前記接続パイプの軸方向に沿って前記凝縮水を案内するガイド部が設けられることが好ましい。すなわち、前記ガイド部は、前記接続パイプにおいて一端部から他端部へ向かう方向に沿って設けられていることが好ましい。
)前記下流側パイプの前記上流端部が前記上流側パイプの上部に接続されることが好ましい。なお、前記上流側パイプの前記上部とは、前記上流側パイプの軸心よりも上方の部位のことをいう。
)前記凝縮水貯留部には、前記凝縮水の流動を抑制する流動抑制部材が設けられることが好ましい。
)前記流動抑制部材がバッフルプレートであることが好ましい。
)さらに、前記バッフルプレートが、前記凝縮水貯留部における立面部から前記凝縮水貯留部の内側に向けて突設され、前記立面部から離隔するにつれて下方に位置するように傾斜して設けられることが好ましい。
)前記バッフルプレートが、車両が通常走行中に取り得る姿勢に対応する上限の角度よりも大きく傾斜する角度で設けられることが好ましい。
10)前記流動抑制部材が、前記凝縮水貯留部に貯留された前記凝縮水の水面の上下動を抑制するパンチングプレートであることが好ましい。
本発明の凝縮水分離装置によれば、上流側パイプの下流端部において、上流側パイプと接続パイプとの間の角度よりも上流側パイプと下流側パイプとの間の角度の方が小さくなるように、下流側パイプが上流側パイプに接続されているため、吸気または排気よりも質量の大きい凝縮水は、その慣性によって上流側パイプから接続パイプに流入し、接続パイプに接続された凝縮水貯留部に流入する。一方、凝縮水よりも質量が小さい吸気または排気は、吸気または排気が流通する通路を形成する下流側パイプを通ってエンジンに供給される。
また、下流側パイプの上流端部が、上流側パイプの下流端部における最下点よりも上方に接続されているため、上流側パイプにおいて流下した凝縮水が下流側パイプに流入することを抑制することができる。
これらより、吸気または排気から凝縮水を確実に分離することができる。
本発明の一実施形態に係る凝縮水分離装置とこれが適用されるエンジンの吸排気系の構成とを模式的に示す全体図である。なお、白抜きの矢印で吸気の流通方向を示し、黒塗りの矢印で排気の流通方向を示し、斜線を付した矢印で吸気系に還流する排気(EGRガス)の流通方向を示す。 本発明の一実施形態に係る凝縮水分離装置の要部を拡大して示す模式図である。図2(a)は、凝縮水分離装置の要部断面を示し、図2(b)は図2(a)の矢視A−A断面図である。 本発明の一実施形態に係る凝縮水分離装置の第一変形例を示す模式図である。この図3は、図2(a)に対応する箇所を示している。 本発明の一実施形態に係る凝縮水分離装置の第二変形例を示す模式図である。図4(a)は、図2(a)に対応する箇所を示し、図4(b)は図4(a)の矢視B−B断面図である。なお、図4(b)では、凝縮水の移動方向を破線の矢印で示す。 本発明の一実施形態に係る凝縮水分離装置のもう一つの第二変形例を示す模式図である。図5(a)は、図2(a)に対応する箇所を示し、図5(b)は図5(a)の矢視C−C断面図である。なお、図5(b)では、凝縮水の移動方向を破線の矢印で示す。 本発明の一実施形態に係る凝縮水分離装置の第三変形例を示す模式図である。この図6は、図2(a)に対応する箇所を示している。 本発明の一実施形態に係る凝縮水分離装置の第四変形例を示す模式図である。この図7は、図2(a)に対応する箇所を示している。 本発明の一実施形態に係るその他の凝縮水分離装置を模式的に示す断面図である。この図8は、図2(b)に対応する箇所を示している。 本発明の一実施形態に係るその他のもう一つの凝縮水分離装置を模式的に示す断面図である。この図9は、図2(a)に対応する箇所を示している。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。本発明の凝縮水分離装置は、エンジンの吸気または排気が冷却されることで生成された凝縮水を吸気または排気から分離する装置である。すなわち、凝縮水分離装置はエンジンの吸排気系に適用される。なお、本発明の凝縮水分離装置が適用されるエンジンは、自動車や鉄道車両といった多種多様な車両に搭載されうる。
本実施形態では、吸気または排気の流通方向を基準に上流および下流を定める。また、重力の作用方向を下方とし、その逆方向を上方とする。
〔一実施形態〕
[1.構成]
[1−1.エンジンおよびその吸排気系]
はじめに、図1を参照して、エンジン1の吸気系および排気系の各構成を説明する。以下、エンジン1,吸気系および排気系に跨って設けられるターボチャージャ(過給機)30およびEGRシステム40,吸気系ならびに排気系の順に各構成を説明する。
エンジン1は、車両を走行駆動させる内燃機関である。ここでは、エンジン1が、軽油を燃料とするディーゼルエンジンとして構成されている。なお、図示省略するが、エンジン1は複数の気筒を有する多気筒エンジンである。
エンジン1には、吸気ポート1aおよび排気ポート1bが燃焼室1cに連通して設けられている。吸気ポート1aには燃焼室1cに流入する吸気が流通し、排気ポート1bには燃焼室1cから流出した排気が流通する。
また、エンジン1には、各気筒に対応して燃料を噴射するインジェクタ1d(図1では一つのみ示す)が設けられている。詳細は図示しないが、各気筒のインジェクタ1dは一本のコモンレールに接続されている。サプライポンプ(高圧ポンプ)から供給された高圧燃料は、コモンレール内に貯留され、コモンレールから各インジェクタ1dへと圧送される。各インジェクタ1dに対応する気筒内に噴射された燃料は、吸気と混合されて気筒内で燃焼する。
エンジン1には、その吸気ポート1aよりも上流側に吸気系の各構成が設けられ、その排気ポート1bよりも下流側に排気系の各構成が設けられている。すなわち、吸気ポート1aよりも上流側にはエンジン1に流入する吸気が流通する通路(以下、「吸気通路」という)10が形成され、排気ポート1bよりも下流側にはエンジン1から流出した排気が流通する通路(以下、「排気通路」という)20が形成されている。
ターボチャージャ30は、吸気を圧縮するものである。このターボチャージャ30は、同軸に設けられたタービン31およびコンプレッサ32を有する。これらのタービン31とコンプレッサ32とは一体に回転するように接続されている。タービン31は排気通路20に介装され、コンプレッサ32は吸気通路10に介装されている。ターボチャージャ30では、排気によってタービン31が回転されてコンプレッサ32が回転し、吸気が圧縮される。このようにして、吸気が過給される。
なお、排気通路20においてタービン31の上流側と下流側とを連通するバイパス路を設けて、排気の一部がタービン31を迂回するような排気構造を設けてもよい。同様に、吸気通路10においてコンプレッサ32の上流側と下流側とを連通するバイパス路を設けて、コンプレッサ32の回転速度を制御するような吸気構造を設けてもよい。
EGR(Exhaust Gas Recirculation)システム40は、排気を吸気通路10に還流させることで窒素酸化物(以下、「NOx」という)の生成量を低減させるためのものである。具体的には、タービン31よりも下流側の排気通路20を流通する排気をコンプレッサ32よりも上流側の吸気通路10に還流させる。
このEGRシステム40は、排気側の端部(上流端部)である一端部40aと吸気側の端部(下流端部)である他端部40bとを接続するEGR管41と、このEGR管41に介装されたEGRクーラ(冷却装置)42およびEGR弁43とを備えている。なお、EGRクーラ42は、EGR弁43よりも一端部40a側に設けられている。
EGR管41の内部には、還流する排気(EGRガス)が流通する通路が形成されている。
EGRクーラ42は、還流する排気を冷却するものである。このEGRクーラ42では、還流する排気と外気との熱交換により、還流する排気が冷却される。
EGR弁43は、排気の還流量を調整するものである。ここでは、EGR弁43が開度調整可能な弁として構成されている。
吸気系には、新気の吸気が流通する順に、エアクリーナ11,スロットル弁12,上述したコンプレッサ32,インタークーラ(冷却装置)13,凝縮水分離装置50,インテークマニホールド(以下、「インマニ」と略称する)14が設けられている。
エアクリーナ11は、吸入される新気中の異物を取り除く濾過装置である。
スロットル弁12は、そのスロットル開度によって、新気の吸入量を調整するものである。なお、スロットル弁12よりも下流側であってコンプレッサ32よりも上流側にはEGRシステム40の他端部40bが接続されており、スロットル弁12は、EGRシステム40により還流される排気量も間接的に調整する。
インタークーラ13は、吸気を冷却するものである。このインタークーラ13では、吸気と外気との間の熱交換により、ターボチャージャ30で過給されて上昇した吸気温度が低下され、吸気の空気密度の低下が回復する。
インタークーラ13よりも下流側であってインマニ14よりも上流側の吸気通路10には、吸気通路10のなかで鉛直高さが最も低い部分(以下、「最低部」という)10aが形成されている。この最低部10aには、詳細を後述する凝縮水分離装置50が設けられている。
インマニ14は、エンジン1の各気筒に向かって分岐するように形成された多岐管である。なお、詳細は図示省略するが、インマニ14の直上流には、各気筒で発生しうる吸気脈動や吸気干渉を緩和するサージタンクが設けられている。
排気系には、排気が流通する順に、エキゾーストマニホールド(以下、「エキマニ」と略称する)21,上述したタービン31,一次排気処理装置22および二次排気処理装置23が設けられている。
エキマニ21は、エンジン1の各気筒から合流するように形成された多岐管である。
一次排気処理装置22は、排気中の粒子状物質(Particulate Matter,以下、「PM」と略称する)を処理するためのものである。この一次排気処理装置22は、上流側のDOC(Diesel Oxidation Catalyst)22aと、下流側のDPF(Diesel Particulate Filter)22bとを有する。
DOC22aは、排気中の成分に対する酸化能をもった触媒である。具体的なDOC22aの構造としては、例えば、ケーシングの内部にコーディエライト,セラミックスなどのハニカム状の担体を固定し、担体上にアルミナ粉末を塗布(コーティング)するとともにプラチナ,ロジウム,パラジウムなどの触媒貴金属の微粒子を担持させたものが挙げられる。
このDOC22aによって酸化される排気中の成分としては、一酸化窒素(NO),二酸化窒素(NO2),未燃燃料中の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)などが挙げられる。
DPF22bは、排気中に含まれるPMを捕集する多孔質フィルタである。このDPF22bでは、上流側と下流側とを連通する通路が壁体を介して多数並設されているとともに、通路の上流側開口と下流側開口とが交互に閉鎖(封止)されている。これらの壁体には、PMの大きさに見合った大きさの多数の細孔が形成されている。このため、PMを含んだ排気がDPF22bを流通すると、壁体内や壁体表面にPMが捕集される。
一次排気処理装置22では、DOC22aによって排気中の還元成分を酸化(燃焼)させて酸化熱(燃焼熱)を発生させることで、DOC22aの下流側に設けられたDPF22bを昇温させ、DPF22bに捕集されたPMが焼却(DPF再生)されるようになっている。
なお、一次排気処理装置22よりも下流側であって二次排気処理装置23よりも上流側には、上流側から順にEGRシステム40の一端部40aと後述する凝縮水分離装置50とが接続されている。
二次排気処理装置23は、排気中に含まれるNOxを浄化するためのものである。具体的にいえば、二次排気処理装置23は尿素添加型のNOx選択還元触媒である。二次排気処理装置23に担持される触媒の具体例としては、バナジウム系酸化物触媒や遷移金属を含むゼオライト系触媒などが挙げられる。なお、図示省略するが、二次排気処理装置23に対して上流側の排気通路20内に尿素水を供給する尿素供給システムが設けられている。
二次排気処理装置23の上流側に供給された尿素〔(NH2)2CO〕が加水分解されるとアンモニア(NH3)となり、このアンモニアが二次排気処理装置23において還元剤として排気中のNOxに作用する。アンモニアは、排気温度が所定温度(例えば180〜200℃)以上であるときに生成され、一酸化窒素や二酸化窒素などのNOxを窒素(N2)へと還元する。
[1−2.凝縮水分離装置]
次に、上述したエンジン1の吸排気系に適用される凝縮水分離装置50の構成について説明する。
凝縮水分離装置50は、吸気から凝縮水を分離するためのものである。ここでは、インタークーラ13よりも下流側であってインマニ14よりも上流側を流通する吸気から凝縮水を分離するものを説明する。なお、凝縮水分離装置50は、上述したように、吸気通路10のなかで鉛直高さが最も低い最低部10aに設けられている。
この凝縮水分離装置50は、上流側パイプ60,接続パイプ65および下流側パイプ70と、吸気から分離した凝縮水を貯留するタンク(凝縮水貯留部)80と、タンク80に貯留された凝縮水が流通する凝縮水通路90とを備えている。
以下、三つのパイプ60,65,70を説明し、その次にタンク80および凝縮水通路90を説明する。
上流側パイプ60およびこの下流側に設けられた下流側パイプ70は、インタークーラ13からエンジン1までの吸気通路10を形成している。具体的には、上流側パイプ60の上流端部60aがインタークーラ13に接続され、下流側パイプ70の下流端部70bがインマニ14を介してエンジン1に接続されている。また、上流側パイプ60の下流端部60bと下流側パイプ70の上流端部70aとが接続されている。
上流側パイプ60が形成する吸気通路10の流路断面積と下流側パイプ70が形成する吸気通路10の流路断面積とは同じ大きさであり、また、これらのパイプ60,70は同じ太さに形成されている。
これらのパイプ60,70の接続箇所、即ち、上流側パイプ60の下流端部60bには、接続パイプ65が接続されている。この接続パイプ65は、その一端部65aが上流側パイプ60の下流端部60bに接続され、その他端部65bがタンク80に接続されている。この他端部65bが形成する開口が、接続パイプ65の内部とタンク80の内部とを連通している。
上流側パイプ60が形成する吸気通路10の流路断面積と接続パイプ65が形成する吸気通路10の流路断面積とは同じ大きさであり、これらのパイプ60,65は同じ太さに形成されている。すなわち、上流側パイプ60の下流端部60bでは、吸気通路10が接続パイプ65と下流側パイプ70とに分岐している。
図2(a)に示すように、上流側パイプ60は、その下流端部60bおよびその周辺が直線状に形成されている。言い換えれば、上流側パイプ60における下流端部60bおよびその周辺の軸心C1が直線状に延びている。ここでは、上流側パイプ60の軸心C1が水平方向に沿って延びている。同様に、接続パイプ65は、その一端部65aから他端部65bにわたって直線状に形成されている。言い換えれば、接続パイプ65の軸心C2が直線状に延びている。ここでは、接続パイプ65の軸心C2が水平方向に沿って延びている。
上流側パイプ60および接続パイプ65は、上流側パイプ60の軸心C1と接続パイプ65の軸心C2とが一致するように設けられている。つまり、上流側パイプ60と接続パイプ65とは同軸に設けられ、軸心C1の延長線上に軸心C2が位置している。このため、上流側パイプ60の下流端部60bおよびその周辺ならびに接続パイプ65は、一直線状に形成されたものといえる。また、上流側パイプ60の軸心C1と接続パイプ65の軸心C2との間の角度(以下、「第一角度」という)θ1が、180度をなすものともいえる。なお、第一角度θ1は、0度よりも大きく180度以下の角度範囲で計測されるものとする。
言い換えれば、接続パイプ65は、上流側パイプ60の下流端部60bが延在する方向(ここでは水平方向)に沿って設けられている。さらに、上流側パイプ60および接続パイプ65を一つのパイプ60,65として見れば、このパイプ60,65においては、タンク80が接続された端部よりもインタークーラ13が接続される端部側に、下流側パイプ70が接続されたものともいえる。
一方、図2(a)および(b)に示すように、下流側パイプ70は、その上流端部70aおよびその周辺が直線状に形成されている。ここでは、下流側パイプ70における上流端部70aおよびその周辺の軸心C3が鉛直方向に沿って直線状に延びている。すなわち、下流側パイプ70の上流端部70aには、上流側から下流側へ向かうにつれて上方に位置する上昇部70cが設けられている。このため、上流側パイプ60の軸心C1と下流側パイプ70の軸心C3との間の角度(以下、「第二角度」という)θ2が、90度(直角)をなすものといえる。
敷衍して言えば、上流側パイプ60の下流端部60bでは、上流側パイプ60と接続パイプ65との間の第一角度θ1よりも上流側パイプ60と下流側パイプ70との間の第二角度θ2の方が小さくなるように、下流側パイプ70が上流側パイプ60に接続されている。逆に言えば、上流側パイプ60と下流側パイプ70との間の第二角度θ2よりも上流側パイプ60と接続パイプ65との間の第一角度θ1の方が大きい。このため、第二角度θ2は、0度よりも大きく180度未満の角度範囲となる。
図2(a)および(b)に示すように、上流側パイプ60の下流端部60bでは、その最下点Pよりも上方に下流側パイプ70の上流端部70aが接続されている。なお、最下点Pとは、上流側パイプ60の下流端部60bにおいて、その内壁面60cの鉛直高さが最も低い箇所である。
ここでは、図2(a)に示すように、上流側パイプ60と接続パイプ65との接続箇所、即ち、上流側パイプ60の下流端部60bにおいて、上流側パイプ60から接続パイプ65へ向かう水平方向(軸心C1,C2の方向)のことを、接線方向D1と呼ぶ。また、上流側パイプ60から下流側パイプ70へ向かう鉛直方向(軸心C3の方向)のことを、接線方向D2と呼ぶ。
上流側パイプ60と下流側パイプ70との接続箇所、即ち、上流側パイプ60の下流端部60bでは、上流側パイプ60から下流側パイプ70へ向かう接線方向D2が鉛直上向きの方向に沿っている。すなわち、上流側パイプ60と下流側パイプ70とは直交している。言い換えれば、上流側パイプ60の上部に下流側パイプ70が上向きに接続されている。なお、上流側パイプ60の上部とは、上流側パイプ60の軸心C1を含んでこれよりも上方に位置する部位のことをいう。
このように、上流側パイプ60の下流端部60bには、接続パイプ65が水平方向に沿って接続されるとともに下流側パイプ70が上向きに接続されているため、下流側パイプ70は、接続パイプ65よりも上方に設けられている。逆に言えば、下流側パイプ70の下方には、接続パイプ65が設けられている。
敷衍して言えば、下流側パイプ70の上流端部70aは、上流側パイプ60の下流端部60bにおいて上流側パイプ60から接続パイプ65へ向かう接線方向(ここでは水平方向)D1を除く接線方向(ここでは鉛直上向きの方向)D2に沿って接続されている。
タンク80は、互いに向かい合うように立設された第一立面部80aおよび第二立面部80bと、立面部80a,80bの上端を接続する上面部80cと、立面部80a,80bの下端を接続する底面部80dとを有する。このタンク80は閉空間を形成しており、タンク80内は凝縮水と停滞した吸気とで満たされている。このため、タンク80に接続された接続パイプ65は、タンク80で行き止まりになる袋小路といえる。
第一立面部80aは、タンク80において接続パイプ65の他端部65bが接続された立面部である。例えば、第一立面部80aには接続パイプ65の他端部65bが形成している開口に合わせた大きさの開口が形成され、両開口の位置が合わせられて接続パイプ65の内部とタンク80の内部とが連通するように、接続パイプ65の他端部65bが第一立面部80aに接続されている。
第二立面部80bは、第一立面部80aに対して向かい合うように配置され、第一立面部80aに形成された開口から離隔した面部である。このため、第二立面部80bは、タンク80において第一立面部80aに形成された開口に対して奥側に設けられたものといえる。
上面部80cは、タンク80の天井部にあたるものである。図2(a)には、上面部80cの形状として、水平面に沿った形状のものを例示するが、これに限らず、上に凸の湾曲形状のものや一方向に傾斜する形状のものなどの種々の形状のものを採用することができる。
底面部80dには、排水口81が設けられている。図2(a)には、水平面に沿って設けられた底面部80dを例示するが、これに替えて、排水口81の鉛直高さが最も低くなるように傾斜して設けられていてもよい。
図1および図2(a)に示すように、タンク80には、貯留された凝縮水の水位に応じてON/OFF信号を出力するフロートスイッチ89が設けられている。このフロートスイッチ89は、凝縮水の水位が所定水位よりも高ければON信号を出力し、凝縮水の水位が所定水位以下であればOFF信号を出力する。なお、フロートスイッチ89により検出されたON/OFF信号の情報は、後述する制御装置100(図1参照)に伝達される。
所定水位とは、凝縮水を排出すべき水位として、予め実験的または経験的に設定されたものである。この所定水位は、接続パイプ65における他端部65bの鉛直高さが最も低い箇所の高さよりも低く設定されることが好ましい。
凝縮水通路90は、タンク80の底面部80dに設けられた排水口81に接続されている。この凝縮水通路90は、凝縮水管91の内部に形成されている。
図1に示すように、凝縮水管91には開閉弁92が介装されている。この開閉弁92は、凝縮水の排気系への排出とその停止とを切り替えるものである。開閉弁92は、開状態にされれば凝縮水が排気系に排出され、閉状態にされれば凝縮水がタンク80に貯留される。この凝縮水通路90は、EGRシステム40の一端部40aと二次排気処理装置23との間に接続されている。
[1−3.制御装置]
次に、凝縮水分離装置50を制御する制御装置100の構成を説明する。
制御装置100は、例えばCPU(Central Processing Unit)に代表されるマイクロプロセッサ(MPU,Micro Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory),不揮発メモリなどを集積した電子デバイスである。マイクロプロセッサは、制御ユニット(制御回路)や演算ユニット(演算回路),キャッシュメモリ(レジスタ群)等を内蔵する処理装置(プロセッサ)である。また、ROM,RAMおよび不揮発メモリは、プログラムや作業中のデータが格納されるメモリ装置である。不揮発メモリの具体例としては、フラッシュメモリ,相変化メモリ(Phase Change Memory),抵抗変化メモリ(Resistive RAM),強誘電体メモリ(Ferroelectric RAM),磁気抵抗メモリ(Magneto-resistive RAM)などが挙げられる。制御装置100での制御内容は、例えばアプリケーションプログラムとしてROMや不揮発メモリ内に記録される。また、プログラムの実行時には、プログラムの内容がRAMや不揮発メモリ内のメモリ空間内に展開され、マイクロプロセッサによって実行される。
この制御装置100は、エンジン1の吸排気系に係る広汎なシステムを制御する。かかる制御を実施するために、制御装置100には、その入力側にフロートスイッチ89をはじめとした各種センサ(図示略)が接続され、その出力側に制御対象となる弁12,43,93をはじめとした各種装置(図示略)が接続されている。
本実施形態では、制御装置100が実施する制御のうち、EGRシステム40および凝縮水分離装置50の制御に着目して説明する。
EGRシステム40は、主にEGR弁43の開度が調整されることで制御され、副次的にスロットル弁12の開度が調整されることで制御される。これらの弁12,43の開度が調整されることで排気の還流量が制御される。制御装置100は、図示省略する各種センサから伝達されるエンジン1の運転状態や排気の状態を示す検出情報に基づいて、弁12,43の開度を制御し、排気の還流量を制御する。
凝縮水分離装置50は、開閉弁92が開状態または閉状態に切り替えられることで制御される。
制御装置100は、フロートスイッチ89からON信号が入力されると、開閉弁92を開状態に切り替える排水制御を実施する。排水制御が実施されて開閉弁92が開状態にされると、タンク80に貯留された凝縮水が凝縮水通路90を通って排気通路20に排出される。
また、制御装置100は、排水制御を開始してから所定時間が経過すると、開閉弁92を閉状態に切り替える貯留制御を実施する。貯留制御が実施されて開閉弁92が閉状態にされると、タンク80に凝縮水が貯留される。ここでいう所定時間とは、タンク80内の凝縮水を排出するために予め実験的または経験的に設定された時間である。
なお、貯留制御が実施されているときには排出制御は実施されず、逆に、排出制御が実施されているときには貯留制御は実施されない。
[2.作用および効果]
本実施形態の凝縮水分離装置50は、上述のように構成されるため、以下に示す作用および効果を得ることができる。
エンジン1の運転中には、新気として吸入された吸気がターボチャージャ30で過給され、この吸気がインタークーラ13で冷却される。このため、吸気の圧力や温度に応じて、吸気に含まれた水蒸気が凝縮して凝縮水が生成される。
また、排気は、燃焼で生成された水蒸気を含むので、新気よりも多量の水蒸気が含まれる。このため、EGRシステム40のEGR弁43が開弁されていれば、即ち、排気が吸気通路10に還流されていれば、排気が還流されていないときよりも多量の凝縮水が生成される。
よって、インタークーラ13およびこの下流側を流通する吸気には、凝縮水が混入した状態となる。例えば、凝縮水の微粒子が吸気中に霧状に浮遊した状態となる。また、インタークーラ13の下流側に接続された上流側パイプ60の内壁面60cには、インタークーラ13から流下した凝縮水が付着し、或いは吸気中の水蒸気が結露して凝縮水が付着する。かかる凝縮水は、上流側パイプ60の内部を流通する吸気の流れによって、上流側パイプ60を上流端部60a側から下流端部60b側へ向かって流通する。
上流側パイプ60の下流端部60bでは、上流側パイプ60と吸気通路10を形成する下流側パイプ70との間の第二角度θ2よりも上流側パイプ60とタンク80に接続された接続パイプ65との間の第一角度θ1の方が大きくなるように、下流側パイプ70は上流側パイプ60に接続されている。これにより、上流側パイプ60の内部を流通する吸気の慣性作用方向は、下流側パイプ70の接線方向D2よりも接続パイプ65の接線方向D1に近い方向となる。したがって、吸気は、その多くが下流側パイプ70の上流端部70aからエンジン1へ向けて流入し、その一部が慣性で接続パイプ65に流入する。
すなわち、接続パイプ65に流入した吸気は、行き止まりのタンク80よりも下流側へ流通することができない。このため、図2(a)において破線の白抜き矢印で示すように、接続パイプ65に流入した吸気は流れを緩め、その流通方向を反転して下流側パイプ70に流入する。
一方、上流側パイプ60の下流端部60bおよびその周辺ならびに接続パイプ65が一直線状に形成され、即ち、上流側パイプ60とタンク80に接続された接続パイプ65との間の第一角度θ1が180度であるため、吸気よりも質量の大きい凝縮水は、その慣性と一部の吸気流とによって接続パイプ65に流入し、行き止まりのタンク80内へと流入する。
ここで、従来の装置と本実施形態の凝縮水分離装置50とを比較する。例えば、特許文献1に記載されたように、下流側パイプにおいて上流側パイプの下流端部に対向する開口にスポンジを張設し、このスポンジの下部に凝縮水を貯留するタンクを設けた既存の装置では、上流側パイプの下流端部から流出した吸気が拡散することで、吸気に含まれた凝縮水が下流側パイプに流入してしまうおそれがある。また、スポンジの目詰まりが発生したときやスポンジが凝縮水を吸収しきれないときなどには、凝縮水が下流側パイプの下流側へ流通してしまう。これに対し、本実施形態の凝縮水分離装置50によれば、一部の吸気が流入する接続パイプ65が設けられているため、吸気流が凝縮水を接続パイプ65に流入させるように流通して、接続パイプ65およびタンク80に凝縮水を確実に流入させることができる。
上流側パイプ60の下流端部60bには、下流側パイプ70の上流端部70aが、上流側パイプ60から接続パイプ65へ向かう接線方向D1を除く接線方向D2に沿って接続されているため、上流側パイプ60の下流端部60bから流出する凝縮水が下流側パイプ70に流入することを確実に抑制することができる。
接続パイプ65が上流側パイプ60の下流端部60bが延在する方向に沿って設けられおり、ここでは、上流側パイプ60の下流端部60bおよびその周辺ならびに接続パイプ65が一直線状に形成されているため、上流側パイプ60の下流端部60bから流出する凝縮水を円滑に接続パイプ65に流入させることができる。詳細に言えば、吸気よりも質量が大きく、吸気よりも大きな慣性が作用する凝縮水は、上流側パイプ60の下流端部60bから流出すると、その慣性で下流端部60が延在する方向に沿って流通(移動)するため、接続パイプ65に凝縮水を円滑に流入させることができる。つまり、凝縮水に作用する慣性と吸気に作用するそれの大きさの違いを利用して、吸気から凝縮水を確実に分離することができる。
つまり、上流側パイプ60と接続パイプ65との間の第一角度θ1よりも上流側パイプ60と下流側パイプ70との間の第二角度θ2の方が小さくなるように、下流側パイプ70が上流側パイプ60に接続されているため、吸気よりも質量の大きい凝縮水を、その慣性によって上流側パイプ60から接続パイプ65に流入させ、接続パイプ65に接続された凝縮水貯留部80に流入させることができる。一方、凝縮水よりも質量が小さい吸気を、吸気通路10を形成する下流側パイプ70を流通させてエンジン1に供給することができる。
また、下流側パイプ70の上流端部70aが、上流側パイプ60の下流端部60bにおける最下点Pよりも上方に接続されているため、上流側パイプ60において流下した凝縮水が下流側パイプ70に流入することを抑制することができる。
このようにして、吸気から凝縮水を確実に分離することができる。よって、凝縮水のエンジン1への流入を抑制することができる。延いては、エンジン1の耐久性や出力の向上に寄与する。
下流側パイプ70の上流端部70aには、上流側から下流側へ向かうにつれて上方に位置する上昇部70cが設けられているため、仮に、下流側パイプ70に凝縮水が流入したとしても、重力の作用で凝縮水を流下させ、エンジン1への凝縮水の流入を確実に抑制することができる。ここでは、上昇部70cが鉛直方向に沿って設けられているため、凝縮水を効率よく流下させることができ、エンジン1への凝縮水の流入を更に確実に抑制することができる。
上流側パイプ60の内壁面60cをつたう凝縮水は、重力の作用で内壁面の下部に移動する。このため、上流側パイプ60の内壁面60cでは、その上部に付着した凝縮水よりも下部のそれの方が多量といえる。これに対し、本実施形態の凝縮水分離装置50では、上流側パイプ60の上部に下流側パイプ70が接続されているため、上流側パイプ60の内壁面60cをつたう凝縮水が下流側パイプ70に流入する凝縮水を抑制することができる。
また、凝縮水分離装置50は、吸気通路10のなかで鉛直高さが最も低い最低部10aに設けられているため、凝縮水を効率よく捕集することができる。
〔変形例〕
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の凝縮水分離装置は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
以下の説明では、凝縮水分離装置について四つの変形例を例示して説明する。なお、ここでいう異なる点を除いては上述の一実施形態にかかる構成と同様の構成になっており、同様の構成については、同様の符号を付す。
[第一変形例]
図3に示すように、第一変形例の凝縮水分離装置50Aは、上述した一実施形態の凝縮水分離装置50に対して上流側パイプ61および接続パイプ66の配向と、これらのパイプ61,66に対する下流側パイプ71の接続角度とが異なる。
上流側パイプ61は、上流側から下流側へ向けて下方に傾斜して設けられている。このため、上流側パイプ61の軸心C11も上流側から下流側へ向けて下方に傾斜している。図3では、上流側パイプ61の下流端部61bおよびその周辺が下方傾斜したものを示す。
同様に、接続パイプ66は、一端部66aから他端部66bへ向けて下方に傾斜して設けられている。このため、接続パイプ66の軸心C21も一端部66aから他端部66bへ向けて下方に傾斜している。
すなわち、これらのパイプ61,66は、タンク80へ向けて下方に傾斜して設けられている。図3では、上流側パイプ61の下流端部61bおよびその周辺ならびに接続パイプ66が一直線状に形成されて下方傾斜するものを示す。
上流側パイプ61および接続パイプ66は、上流側パイプ61の軸心C11と接続パイプ66の軸心C21とが一致するように設けられ、同軸に設けられている。このため、上流側パイプ61の軸心C11と接続パイプ66の軸心C21との間の第一角度θ1aは、180度をなすものといえる。なお、第一角度θ1aは、0度よりも大きく180度以下の角度範囲で計測されるものとする。
ここでは、上流側パイプ61と接続パイプ66との接続箇所、即ち、上流側パイプ61の下流端部61bにおいて、上流側パイプ61から接続パイプ66へ向かう接線方向D11は、タンク80に向けて下方傾斜する方向(軸心C11,C21の方向)となっている。
下流側パイプ71は、一実施形態の下流側パイプ70と同様に、その上流端部71aおよびその周辺が鉛直方向に沿って直線状に形成されている。すなわち、下流側パイプ71の上流端部71aの軸心C31が鉛直方向に沿って直線状に延びている。
この下流側パイプ71の上流側パイプ61への接続箇所、即ち、上流側パイプ61の下流端部61bでは、上流側パイプ61から下流側パイプ71へ向かう接線方向D21が鉛直上向きの方向に沿っている。言い換えれば、下流側パイプ71が上流側パイプ61に対して上向きに接続されている。
これらより、上流側パイプ61の下流端部61bでは、上流側パイプ61から接続パイプ66へ向かう接線方向D11のベクトルと上流側パイプ61から下流側パイプ71へ向く接線方向D21のベクトルとの内積が負となるように、上流側パイプ61と下流側パイプ71とが接続されている。すなわち、上流側パイプ61から下流側パイプ71に流入する吸気が上流側パイプ61の下流端部61bにおいて90度以上の流通方向を変化させるように、下流側パイプ71が上流側パイプ61に対して接続されている。このため、下流側パイプ71は、上流側パイプ61に対して鋭角に接続されたものといえる。
言い換えれば、上流側パイプ61の下流端部61bおよびその周辺が下方傾斜して設けられているため、上流側パイプ61の軸心C11と下流側パイプ71の軸心C31との間の第二角度θ2aが、90度よりも小さい鋭角をなすものといえる。
敷衍して言えば、上流側パイプ61の下流端部61bでは、上流側パイプ61と接続パイプ66との間の第一角度θ1aよりも上流側パイプ61と下流側パイプ71との間の第二角度θ2aの方が小さくなるように、下流側パイプ71が上流側パイプ61に接続されている。
第一変形例に係る凝縮水分離装置50Aは上述したように構成されるため、一実施形態の作用および効果に加えて、以下に示す作用および効果を得ることができる。
上流側パイプ61および接続パイプ66がタンク80へ向けて下方に傾斜して設けられているため、これらのパイプ61,66内部において、重力の作用で凝縮水をタンク80へ向けて流下或いは滴下させることができる。したがって、凝縮水の捕集効率を向上させることができる。
上流側パイプ61の下流端部61bでは、上流側パイプ61と接続パイプ66との間の第一角度θ1aよりも上流側パイプ61と下流側パイプ71との間の第二角度θ2aが90度よりも小さい鋭角となるように設けられているため、上述した一実施形態の凝縮水処理装置50のように上流側パイプ60と下流側パイプ70との間の第二角度θ2が90度のものと比較して、下流側パイプ71への凝縮水の流入を更に確実に抑制することができ、吸気から凝縮水を更に確実に分離することができる。
なお、ここでは、上流側パイプ61および接続パイプ66の両パイプがタンク80へ向けて下方に傾斜して設けられたものを示したが、上流側パイプ61および接続パイプ66の少なくとも一方がタンク80へ向けて下方に傾斜して設けられていてもよい。この場合、上流側パイプ61および接続パイプ66の少なくとも一方の内部において、重力の作用で凝縮水をタンク80へ向けて流下或いは滴下させることができ、凝縮水の捕集効率の向上に寄与する。
[第二変形例]
第二変形例の凝縮水分離装置50Bは、図4および図5に示すように、上述した一実施形態の凝縮水分離装置50にガイド部95A,95Bを設けたものである。各ガイド部95A,95Bは、凝縮水を案内するものである。ガイド部95A,95Bは、接続パイプ65の軸方向に沿って設けられている。
はじめに、図4を参照して、ガイド部95Aについて説明する。
ガイド部95Aは、軸方向に沿って連続的に形成された溝状のものである。図4(a)では、軸方向が水平方向のものを例示している。ここでは、ガイド部95Aがタンク80の上面部80cの一部にも設けられている。また、ガイド部95Aは、接続パイプ65の一端部65aと他端部65bとの間にわたって設けられている。
図4(b)に示すように、ガイド部95Aは、接続パイプ65の周方向において所定の間隔をおいて複数設けられている。例えば、ガイド部95Aは、接続パイプ65の内周面を研削加工して形成することができ、また、内周面に凹部および凸部を有する軸方向断面形状のものを押出し加工することで形成することができる。
次に、図5を参照して、他の形態のガイド部95Bについて説明する。
ガイド部95Bは、軸方向(ここでは水平方向)に沿って連続的に形成された壁状のものである。図5(a)では、ガイド部95Bがタンク80の上面部80cの一部にも設けられている。また、ガイド部95Bは、接続パイプ65の一端部65aと他端部65bとの間にわたって設けられている。
図5(b)に示すように、ガイド部95Bは、接続パイプ65の周方向において所定の間隔をおいて複数設けられている。例えば、ガイド部95Bは、帯板状の部材を接続パイプ65の内壁面に固定することで形成することができる。
第二変形例に係る凝縮水分離装置50Bは上述したように構成されるため、一実施形態の作用および効果に加えて、以下に示す作用および効果を得ることができる。
接続パイプ65の内側には、接続パイプ65の軸方向に沿って凝縮水を案内するガイド部95A,95Bが設けられているため、上流側パイプ60から接続パイプ65に流入した凝縮水を軸方向(ここでは水平方向)に沿って案内することで、タンク80に凝縮水を円滑に流入させることができる。
ガイド部95Aが溝状のものであれば、接続パイプ65の内側における表面積が増加する。このため、冷却効率が向上し、凝縮水の捕集効率を向上させることができる。同様に、ガイド部95Bが壁状のものであれば、接続パイプ65の内側における表面積が増加することにより、凝縮水の捕集効率を向上させることができる。
また、ガイド部95A,95Bと接続パイプ65に流入した吸気(破線の白抜き矢印で示す)との接触面積が増加することで、吸気流を緩めることに寄与する。このため、接続パイプ65における凝縮水の巻き上げを確実に抑制し、凝縮水の下流側パイプ70への流入を確実に抑制することができる。
[第三変形例]
図6に示すように、第三変形例の凝縮水分離装置50Cは、上述した一実施形態の凝縮水分離装置50にバッフルプレート(流動抑制部材)82を追加したものである。
バッフルプレート82は、邪魔板やそらせ板などとも称され、タンク80に貯留された凝縮水の流動を抑制する部材である。このバッフルプレート82は、タンク80において第二立面部80bから内側に向けて突設されている。さらに、バッフルプレート82は、第二立面部80bから離隔するに連れて下方に位置するように傾斜して設けられている。言い換えれば、バッフルプレート82は、第一立面部80aに接近するにつれて下方に位置するように傾斜している。
バッフルプレート82の先端82aは、一実施形態で上述した所定水位よりも上方に位置するように配設されている。すなわち、バッフルプレート82は、タンク80に貯留された凝縮水の水面よりも上方に設けられている。また、バッフルプレート82の先端82aは、第一立面部80aから離隔して設けられている。
バッフルプレート82は、車両が停車した状態における水平面に対して傾斜角度θを有するように設けられている。傾斜角度θとは、車両が通常走行中に取り得る姿勢に対応する上限の角度よりも大きい角度(大きく傾斜する角度)として予め実験的または経験的に設定された角度である。言い換えれば、傾斜角度θは、車両がどのような姿勢であっても、バッフルプレート82が水平にならない角度に設定されている。例えば、バッフルプレート82が車両の前側から後側へ向かう方向に沿って下方傾斜するように設けられる場合には、車両が通常走行中に前傾斜(ダイブ)するときに取り得る姿勢に対応する角度(ダイブ角)よりも大きな傾斜角度θが設定され、また、バッフルプレート82が車幅方向に沿って下方傾斜するように場合には、車両が通常走行中に横傾斜(ロール)するときに取り得る姿勢に対応する角度(ロール角)よりも大きな傾斜角度θが設定される。つまり、バッフルプレート82は、通常走行中に車両が取り得る姿勢であれば、第二立面部80bから離隔するにつれて下方に位置するように傾斜して設けられる。
第三変形例に係る凝縮水分離装置50Cは上述したように構成されるため、一実施形態の作用および効果に加えて、以下に示す作用および効果を得ることができる。
バッフルプレート82は、タンク80に貯留された凝縮水の水面よりも上方に設けられているため、気化した凝縮水を再び凝縮(結露)させて滴下させることができる。また、タンク80に貯留された凝縮水がはね上がったとしても、そのはね上がりを抑制することができる。
さらに、バッフルプレート82が第二立面部80bから離隔するにつれて下方に位置するように傾斜して設けられているため、バッフルプレート82に付着した凝縮水を、重力の作用で流下させ滴下させることができる。よって、タンク80に凝縮水を確実に貯留することができる。
なお、この凝縮水分離装置50Cでは、図6に示すように、バッフルプレート82が第二立面部80bから内側に向けて突設され、第一立面部80aから離隔して設けられている。これにより、バッフルプレート82の表面に付着した凝縮水を確実にタンク80へと滴下させることができ、接続パイプ65側への流出を防止することができる。
バッフルプレート82は、車両が通常走行中に取り得る姿勢に対応する上限の角度よりも大きく傾斜する傾斜角度θで設けられているため、通常走行中に車両が取り得る姿勢であれば、凝縮水を重力の作用で常に案内することができる。したがって、車両の走行状態によらず、タンク80に凝縮水を確実に貯留することができる。
なお、バッフルプレート82は、第二立面部80bから突設されるものに限らず、第一立面部80aなどの他の立面部から突設されていてもよい。この場合も、第三変形例に係る凝縮水分離装置50Cにかかる効果と同様の効果を得ることができる。
[第四変形例]
図7に示すように、第四変形例の凝縮水分離装置50Dは、上述した一実施形態の凝縮水分離装置50に、パンチングプレート(流動抑制部材)83と冷却フィン84とを追加したものである。
パンチングプレート83は、タンク80に貯留された凝縮水の流動を抑制する部材である。具体的には、タンク80に貯留された凝縮水の水面の上下動を抑制する板材である。このパンチングプレート83には、多数の孔83a(一箇所にのみ符号を付す)が穿設されている。例えば、パンチングプレートとしてパンチングメタルを用いることができる。
ここでは、格子状に配置された複数枚のパンチングプレート83(一箇所にのみ符号を付す)が、タンク80に貯留された凝縮水に浸漬されるように設けられている。具体的にいえば、各パンチングプレート83は、その高さ方向の長さが一実施形態で上述した所定水位に対応する長さよりも長く設定され、また、タンク80の底面部80dに対して立設されている。すなわち、パンチングプレート83は、その上部83bが凝縮水の水面よりも上方に位置するように配設されている。これらのパンチングプレート83は、正方格子状,三角格子状,六角格子状などの任意の格子状に配置されている。
冷却フィン84は、熱交換効率を向上させるために、伝熱面積を拡げる突起状の構造である。この冷却フィン84は、接続パイプ65およびタンク80のそれぞれの外側に設けられている。すなわち、冷却フィン84は、接続パイプ65およびタンク80において外側の伝熱面積(表面積)を拡げ、接続パイプ65内部の凝縮水やタンク80に貯留された凝縮水と外気との熱交換効率を向上させている。このため、冷却フィン84は、接続パイプ65およびタンク80の各内部において冷却を促進するものといえる。
図7では、タンク80において立面部80a,80bおよび上面部80cに冷却フィン84が設けられたものを例示する。ただし、冷却フィン84は、タンク80の底面部80dに設けられてもよい。
第四変形例に係る凝縮水分離装置50Dは上述したように構成されるため、一実施形態の作用および効果に加えて、以下に示す作用および効果を得ることができる。
タンク80には貯留された凝縮水の水面の上下動を抑制するパンチングプレート83が設けられているため、凝縮水の水面の上下動に起因する凝縮水のはね上がりを抑制することができる。これにより、凝縮水の下流側パイプ70への流入の抑制に寄与する。また、凝縮水の流動音を小さくすることもできる。さらに、フロートスイッチ89(図1および図2参照)の検出精度を向上させることもできる。
パンチングプレート83は、その上部83bが凝縮水の水面よりも上方に位置するように配設されているため、仮にタンク80内を吸気が流れたとしても、この吸気の流れが抑制される。このため、凝縮水の巻き上げを抑制することができる。
接続パイプ65およびタンク80のそれぞれの外側には冷却フィン84が設けられているため、接続パイプ65およびタンク80の各内部における凝縮水と外気との熱交換効率が向上し、凝縮水の再気化(再蒸発)を抑制することができる。このため、下流側パイプ70への凝縮水に流入を抑制することができる。また、接続パイプ65およびタンク80のそれぞれの内部で吸気が冷却されることにより、凝縮水の捕集効率を向上させることができる。このようにして、吸気から凝縮水を更に確実に分離することができる。
なお、冷却フィン84は、接続パイプ65の外側にのみ設けられてもよい。この場合、タンク80内部の冷却効率が向上されないものの、冷却フィン84の設置領域が小さくなることで、材料コストの上昇や重量の増加を抑制することができる。
〔その他〕
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、上述した一実施形態およびその変形例の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせてもよい。
上述の一実施形態では、上流側パイプ60と下流側パイプ70とが同じ太さに形成されたものを説明したが、これらの太さは異なっていてもよい。例えば、図8に示すように、上流側パイプ60よりも細い下流側パイプ72を用いる場合、上流側パイプ60の下流端部60bでは、上流側パイプ60の軸心C1よりも下流側パイプ72の軸心C32の方が上方に設けられる。さらに言えば、図8に二点鎖線で示すように、下流側パイプ73(二点鎖線で一部を示す)が上流側から下流側へ向けて上方に位置するように傾斜していてもよい。この場合、上流側パイプ60の下流端部60bでは、上流側パイプ60の軸心C1よりも下流側パイプ73の軸心C33の方が上方に設けられる。このように、下流側パイプ72,73が上流側パイプ60の上部に接続されていれば、上流側パイプ60の内壁面60cをつたう凝縮水が下流側パイプ70に流入することを抑制することができる。
また、上流側パイプ60および接続パイプ65が一直線状に形成されたものを示したが、上流側パイプと接続パイプとの接続箇所が湾曲していてもよい。以下、かかる構成の例を、図9を参照して説明する。この例では、上流側パイプ62,接続パイプ65および下流側パイプ74が、それぞれ異なる方向に沿って延在している。
上流側パイプ62および下流側パイプ74は、下に凸の円弧状の吸気通路10を形成している。すなわち、上流側パイプ62の軸心C12および下流側パイプ74の軸心C32は、下に凸の円弧状となっている。翻って言えば、上流側パイプ62の軸心C12と下流側パイプ74の軸心C32とが滑らかに連続している。ここでは、上流側パイプ62の下流端部62bと下流側パイプ74の上流端部74aとの接続箇所が、吸気通路10のなかで鉛直高さが最も低い最低部10aに設けられている。この接続箇所には、接続パイプ65の一端部65aが接続されている。
接続パイプ65およびその軸心C22は、上述の一実施形態と同様に、水平方向に沿って設けられている。また、接続パイプ65の他端部65bがタンク80に接続されている。上流側パイプ62の下流端部62bが下に凸の円弧状の吸気通路10のうち最も鉛直高さが低い最低部10aに設けられているため、この下流端部62bにおける接線方向D11は、水平方向に沿ったものとなる。このため、接続パイプ65は、上流側パイプ62の下流端部62bにおける接線方向D11に沿って設けられたものといえる。
このように構成された凝縮水分離装置によれば、上述した一実施形態の凝縮水分離装置50による効果に加えて、上流側パイプ62と下流側パイプ74との接続箇所を屈曲させることができるため、吸気系における種々のレイアウトに対応することができる。
また、下流側パイプ70の上流端部70aには、上流側から下流側へ向かうにつれて上方に位置する上昇部70cが設けられたものを示したが、この上昇部70cは、上流端部70aに限らず下流側パイプ70の何れかに設けられていてもよい。この場合であっても、重力の作用で凝縮水を流下させ、エンジン1への凝縮水の流入を抑制することができる。さらに言えば、上昇部70cが設けられていなくてもよい。このため、例えば水平方向に延びる下流側パイプ70を用いてもよい。
また、吸気系にターボチャージャ30が設けられたものを示したが、ターボチャージャ30に替えてまたは加えて、エンジン1の出力回転で過給するスーパーチャージャ(過給機)を用いてもよい。
また、凝縮水分離装置50は、最低部10aに設けられるものに限らず、インタークーラ13よりも下流側であってインマニ14よりも上流側の任意の箇所(部分)に設けられていてもよい。
さらに言えば、凝縮水分離装置50は、EGRクーラ42の下流側に設けられてもよい。例えば、EGRクーラ42とEGR弁43との間やEGR弁43とEGRシステムの下流端部40bとの間に設けられてもよい。かかる場合、還流する排気から凝縮水を確実に分離することができる。
上述の一実施形態にかかる変形例では、タンク80に貯留された凝縮水の流動を抑制する流動抑制部材として、バッフルプレート82やパンチングプレート83を例示したが、これらに替えてまたは加えて、多孔質部材を用いてもよい。多孔質部材としては、スポンジや活性炭などが挙げられる。すなわち、スポンジや活性炭をタンク80内に設けてもよい。かかる場合、タンク80内に流入した凝縮水は、多孔質部材に吸収される。このため、凝縮水の流動が抑制され、凝縮水のはね上がりを抑制することができる。よって、吸気から凝縮水を更に確実に分離することができる。さらに、多孔質部材に活性炭を用いれば、凝縮水を浄化することもできる。
1 エンジン(内燃機関)
10 吸気通路
10a 最低部
13 インタークーラ(冷却装置)
14 インテークマニホールド
20 排気通路
30 ターボチャージャ(過給機)
40 EGRシステム
42 EGRクーラ(冷却装置)
50,50A,50B,50C,50D 凝縮水分離装置
60,61,62 上流側パイプ
60a 上流端部
60b,61b,62b 下流端部
65,66,67 接続パイプ
65a,66a,67a 一端部
65b,66b,67b 他端部
70,71,72,73,74 下流側パイプ
70a,71a,72a,74a 上流端部
70b 下流端部
70c 上昇部
80 タンク(凝縮水貯留部)
80a 第一立面部
80b 第二立面部
81 排水口
82 バッフルプレート(流動抑制部材)
83 パンチングプレート(流動抑制部材)
84 冷却フィン
89 フロートスイッチ
90 凝縮水通路
91 凝縮水管
92 開閉弁
95 ガイド部
100 制御装置
1,C11,C12 上流側パイプの軸心
2,C21,C22 接続パイプの軸心
3,C31,C32,C33,C34 下流側パイプの軸心
1,D11 上流側パイプから接続パイプへ向かう接線方向
2 上流側パイプから下流側パイプへ向かう接線方向
P 最下点
θ1,θ1a 第一角度
θ2,θ2a 第二角度
θ 傾斜角度

Claims (10)

  1. エンジンの吸気または排気を冷却する冷却装置の下流側に設けられ、前記吸気または前記排気から凝縮水を分離する凝縮水分離装置であって、
    前記吸気または前記排気から分離した前記凝縮水を貯留する凝縮水貯留部と、
    前記吸気または前記排気が流通する通路を形成し、上流端部が前記冷却装置に接続される上流側パイプと、
    前記上流側パイプの下流端部と前記凝縮水貯留部との間を接続する接続パイプと、
    前記吸気または前記排気が流通する通路を形成し、上流端部が前記上流側パイプの前記下流端部の最下点よりも上方で接続された下流側パイプと、を備え、
    前記上流側パイプの前記下流端部において、前記上流側パイプの軸心と前記接続パイプの軸心との間の角度よりも前記上流側パイプの軸心と前記下流側パイプの軸心との間の角度の方が小さくなるように、前記下流側パイプが前記上流側パイプに接続され
    前記接続パイプの外側には、伝熱面積を拡げる冷却フィンが設けられた
    ことを特徴とする、凝縮水分離装置。
  2. 前記下流側パイプの前記上流端部には、上流側から下流側に向かうにつれて上方に位置する上昇部が設けられた
    ことを特徴とする、請求項1記載の凝縮水分離装置。
  3. 前記上流側パイプまたは前記接続パイプが、前記凝縮水貯留部へ向けて下方に傾斜して設けられた
    ことを特徴とする、請求項1または2記載の凝縮水分離装置
  4. 前記接続パイプの内側には、前記接続パイプの軸方向に沿って前記凝縮水を案内するガイド部が設けられた
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の凝縮水分離装置。
  5. 前記下流側パイプの前記上流端部が前記上流側パイプの上部に接続された
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の凝縮水分離構造。
  6. 前記凝縮水貯留部には、前記凝縮水の流動を抑制する流動抑制部材が設けられた
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の凝縮水分離装置。
  7. 前記流動抑制部材がバッフルプレートである
    ことを特徴とする、請求項記載の凝縮水分離装置。
  8. 前記バッフルプレートが、前記凝縮水貯留部における立面部から前記凝縮水貯留部の内側に向けて突設され、前記立面部から離隔するにつれて下方に位置するように傾斜して設けられた
    ことを特徴とする、請求項記載の凝縮水分離装置。
  9. 前記バッフルプレートが、車両が通常走行中に取り得る姿勢に対応する上限の角度よりも大きく傾斜する角度で設けられた
    ことを特徴とする、請求項記載の凝縮水分離装置。
  10. 前記流動抑制部材が、前記凝縮水貯留部に貯留された前記凝縮水の水面の上下動を抑制するパンチングプレートである
    ことを特徴とする、請求項6〜9の何れか1項に記載の凝縮水分離装置。
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