JP2008215210A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

内燃機関の排気浄化システム Download PDF

Info

Publication number
JP2008215210A
JP2008215210A JP2007054129A JP2007054129A JP2008215210A JP 2008215210 A JP2008215210 A JP 2008215210A JP 2007054129 A JP2007054129 A JP 2007054129A JP 2007054129 A JP2007054129 A JP 2007054129A JP 2008215210 A JP2008215210 A JP 2008215210A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
exhaust
state
exhaust purification
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007054129A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4779999B2 (ja
Inventor
Shigeki Nakayama
茂樹 中山
Akio Matsunaga
彰生 松永
Akiyuki Iemura
曉幸 家村
Tomomi Onishi
知美 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007054129A priority Critical patent/JP4779999B2/ja
Publication of JP2008215210A publication Critical patent/JP2008215210A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4779999B2 publication Critical patent/JP4779999B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Abstract

【課題】燃費及び排気性能の悪化を抑制しつつ排気浄化触媒を活性化させる技術を提供する。
【解決手段】ターボチャージャのタービンより上流の排気をコンプレッサより下流の吸気通路に戻す高圧EGR装置と、タービンより下流の排気をコンプレッサより上流の吸気通路に戻す低圧EGR装置と、タービンより下流の排気通路に設けられ排気浄化触媒を有し排気中の浄化対象成分を蓄積し浄化する排気浄化装置と、を備え、排気浄化触媒が十分に活性化していない未活性化状態の場合に、吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量を制御して排気浄化触媒を昇温する。この時、排気浄化装置における蓄積量が所定の基準を超える浄化対象成分については増加することを抑制し、基準を超えない浄化対象成分については増加することを許容する制御パターンに従って、吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量を制御する。
【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関する。
内燃機関から排出される有害物質の量を低減する技術として、排気の一部を吸気通路に流入させて内燃機関に戻すEGRが知られている。EGRの技術に関しては、ターボチャージャのタービンより上流の排気通路とターボチャージャのコンプレッサより下流の吸気通路とを接続する高圧EGR通路を介して排気の一部を内燃機関に戻す高圧EGR装置と、タービンより下流の排気通路とコンプレッサより上流の吸気通路とを接続する低圧EGR通路を介して排気の一部を内燃機関に戻す低圧EGR装置と、を併設し、内燃機関の運転状態に応じて高圧EGR装置と低圧EGR装置とを使い分けることによって、より広い運転領域においてEGRを実行可能にする技術が開発されている(例えば特許文献1を参照)。
一方、内燃機関から排出された有害物質を無害化することで排気を浄化する技術として、排気中の有害物質を一時的に蓄積して無害化する排気浄化装置を排気通路に配置する技術が知られている。このような排気浄化装置としては、排気中の窒素酸化物(NOx)を吸蔵し還元し窒素に無害化する吸蔵還元型NOx触媒、排気中の炭化水素(HC)を吸着し酸化し水等に無害化する酸化触媒等の排気浄化触媒や、排気中の粒子状物質(PM)を捕集し酸化し除去するフィルタ等が知られている。
特開2005−076508号公報
排気浄化触媒を触媒として機能させて所望の排気浄化作用を発揮させるためには、排気浄化触媒を十分に活性化させる必要がある。十分に活性化していない未活性状態の排気浄化触媒を活性化させる技術として、例えば、排気中に燃料を添加したりポスト噴射を行ったりすることによって排気浄化触媒の温度を上昇させる触媒昇温制御を行うことが知られているが、このような排気系燃料添加による触媒昇温制御には、頻繁に実行すると燃費が悪化するという問題点があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、高圧EGR装置及び低圧EGR装置を併用してEGRを行う内燃機関において、燃費や排気性能の悪化を抑制しつつ、排気浄化触媒を活性化させる技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の内燃機関の排気浄化システムは、内燃機関の排気通路に設けられたタービンと前記内燃機関の吸気通路に設けられたコンプレッサとを有するターボチャージャと、前記タービンより下流の排気通路に設けられ、排気浄化触媒を有し、排気中の浄化対象成分を蓄積し浄化することで排気を浄化する排気浄化装置と、前記タービンより上流の排気通路と前記コンプレッサより下流の吸気通路とを接続する高圧EGR通路と、前記排気浄化装置より下流の排気通路と前記コンプレッサより上流の吸気通路とを接続する低圧EGR通路と、前記排気浄化触媒の活性状態を取得する触媒活性状態取得手段と、前記排気浄化装置における前記浄化対象成分の蓄積状態を取得する蓄積状態取得手段と、前記触媒活性状態取得手段によって取得される前記排気浄化触媒の活性状態と、前記蓄積状態取得手段によって取得される前記排気浄化装置における前記浄化対象成分の蓄積状態と、に基づいて、前記内燃機関の吸入空気量、前記高圧EGR通路を介して前
記吸気通路に戻る排気の量である高圧EGRガス量、及び前記低圧EGR通路を介して前記吸気通路に戻る排気の量である低圧EGRガス量を制御することによって前記排気浄化触媒の温度を上昇させる触媒昇温制御を実行する触媒昇温手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、排気中の浄化対象成分とは、内燃機関から排出される有害物質であり、例えばNOx、HC、PM等である。上記構成の排気浄化装置は、排気中の浄化対象成分を一時的に内部に蓄積するとともに無害化或いは除去することで排気を浄化する装置である。浄化対象成分を蓄積し排気を浄化する作用は、浄化対象成分によっては、排気浄化装置が有する排気浄化触媒の機能によって実現される。
また、排気浄化触媒の活性状態とは、排気浄化触媒が発揮し得る排気浄化触媒としての機能の度合に関する。例えば、排気浄化触媒としての機能を全く発揮していない状態、そのような状態よりは多少活性化してはいるが触媒としての機能を十分に発揮し得るほどには活性化していない状態、或いは、触媒として十分に機能し所望の排気浄化作用を発揮している状態、等の諸状態が考えられる。
また、排気浄化装置における浄化対象成分の蓄積状態とは、排気浄化装置における浄化対象成分の蓄積量に関する。排気浄化装置に蓄積された浄化対象成分の量が多くなると、排気浄化装置の排気浄化能力は低下する。そして、排気浄化装置に蓄積された浄化対象成分の量が排気浄化装置に蓄積可能な上限量に達すると、流入する浄化対象成分のほとんどを素通りさせてしまう状態になったり、或いは、排気浄化装置における圧力損失が過剰に増大して内燃機関の正常な運転に支障を来す状態になったり、といった不具合が生じる可能性がある。このような排気浄化装置の状態を以下「飽和状態」という。排気浄化装置における浄化対象成分の蓄積状態としては、例えば、排気浄化装置に蓄積された浄化対象成分の量が比較的多く、それ以上の浄化対象成分が蓄積すると排気浄化装置が飽和状態か飽和状態に近い状態になる虞がある状態や、排気浄化装置における浄化対象成分の蓄積量が比較的少なく、流入する浄化対象成分を十分に蓄積することが可能な状態、等の諸状態が考えられる。
上記のように構成された本発明の排気浄化システムによれば、触媒活性状態取得手段によって取得される排気浄化触媒の活性状態と、蓄積状態取得手段によって取得される排気浄化装置における浄化対象成分の蓄積状態と、に基づいて、吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量が制御され、排気浄化触媒が昇温される。この触媒昇温制御によれば、排気燃料添加やポスト噴射等によって排気浄化触媒を昇温する場合と比較して燃費の悪化を抑制しつつ、排気浄化触媒の温度を上昇させ、排気浄化触媒を活性化させることができる。
また、排気浄化触媒の活性状態に基づいて触媒昇温制御が実行されることにより、触媒昇温制御を実行して排気浄化触媒の活性化を行うべき条件を適切に判断して触媒昇温制御を実行することができる。例えば、吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量を制御することによって排気浄化触媒を効率的に活性化させることが可能な条件においては上記触媒昇温制御を実行し、吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量の制御によっては排気浄化触媒の温度を十分に上昇させることが難しい場合や、それが可能であったとしても、排気燃料添加やポスト噴射等による触媒昇温を行った場合より排気性能や燃費の点でむしろ不利になる可能性がある場合等においては、上記触媒昇温制御を実行しない、といった判断に基づいて上記触媒昇温制御を実行することができる。従って、燃費の悪化を抑制しつつ排気浄化触媒を活性化させることができる。
さらに、排気浄化装置における浄化対象成分の蓄積状態に基づいて触媒昇温制御が実行
されることにより、触媒昇温制御の実行に起因する浄化対象成分の発生量の変動が排気性能へ及ぼす影響を適切に制御することができる。例えば、排気浄化触媒の温度を上昇させることが可能な吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量の制御として、複数の異なる制御パターンが考えられる場合に、排気浄化装置における浄化対象成分の蓄積状態が飽和状態に近い時には、触媒昇温制御の実行に起因して浄化対象成分の発生量が増大する制御パターンを選択することを回避して触媒昇温制御を実行する。一方、排気浄化装置における浄化対象成分の蓄積状態が飽和状態に対してまだ余裕がある状態の時には、触媒昇温制御の実行に起因して浄化対象成分の発生量が増大する制御パターンを選択することを許容して触媒昇温制御を実行する。このように、排気浄化装置における浄化対象成分の蓄積状態に応じて適切な吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量の制御を行うことができる。従って、排気性能の悪化を抑制しつつ排気浄化触媒を活性化させることができる。
以上のように、本発明によれば、燃費及び排気性能の悪化を抑制しつつ、排気浄化触媒を活性化させることが可能になる。
本発明において、前記触媒活性状態取得手段によって取得される前記排気浄化触媒の活性状態が、前記排気浄化触媒が十分に活性化していない所定の未活性状態であると判定され、前記蓄積状態取得手段によって取得される前記排気浄化装置における前記浄化対象成分の蓄積状態が、前記排気浄化装置に前記浄化対象成分が所定の基準を超えて蓄積した上限蓄積状態であると判定される場合には、前記触媒昇温手段は、前記排気浄化触媒の温度を上昇させることが可能な吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量の制御パターンのうち、その制御パターンに従って前記触媒昇温制御を実行した場合に前記内燃機関からの前記浄化対象成分の排出量が増加するところの制御パターンを選択することを抑制して前記触媒昇温制御を実行しても良い。
ここで、排気浄化装置に浄化対象成分が所定の基準を超えて蓄積した上限蓄積状態とは、排気浄化装置に蓄積された浄化対象成分の量が比較的多く、それ以上の浄化対象成分が蓄積すると排気浄化装置が飽和状態か飽和状態に近い状態になる状態であり、予め定められる。
上記構成によれば、排気浄化装置における浄化対象成分の蓄積状態が上限蓄積状態である場合には、内燃機関からの浄化対象成分の排出量が増加し得る制御パターン以外の制御パターンから選択された制御パターンに従って吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量が制御され、触媒昇温制御が実行される。よって、排気浄化装置が浄化対象成分について上限蓄積状態の場合においても、排気性能を悪化させることなく、未活性状態の排気浄化触媒を活性化させることができる。
本発明においては、前記触媒活性状態取得手段によって取得される前記排気浄化触媒の活性状態が、前記所定の未活性状態であると判定され、前記蓄積状態取得手段によって取得される前記排気浄化装置の状態が、前記上限蓄積状態でないと判定される場合には、前記触媒昇温手段は、前記排気浄化触媒の温度を上昇させることが可能な吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量の制御パターンのうち、その制御パターンに従って前記触媒昇温制御を実行した場合に前記内燃機関からの前記浄化対象成分の排出量が増加するところの制御パターンを選択することを許容して前記触媒昇温制御を実行しても良い。
上記構成によれば、排気浄化装置における浄化対象成分の蓄積状態が上限蓄積状態でない場合には、内燃機関からの浄化対象成分の排出量が増加し得る制御パターンを含む制御パターンから選択された制御パターンに従って吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧
EGRガス量が制御され、触媒昇温制御が実行される。これにより、例えば、排気浄化触媒の温度を上昇させることが可能な制御パターンであって、浄化対象成分の排出量が増加する制御パターンと、浄化対象成分の排出量が増加しない制御パターンと、の2通りの制御パターンが選択可能であり、前者の制御パターンの方が後者の制御パターンより触媒昇温効果が高ければ、あえて前者の制御パターンを選択して触媒昇温制御を実行することもできる。この場合、触媒昇温制御の実行に伴って浄化対象成分の排出量が増加したとしても、排気浄化装置の蓄積状態が飽和状態に対してまだ余裕のある状態であるため、排気浄化装置によって十分に排気を浄化することができる。よって、排気性能の悪化を抑制しつつ、より好適に排気浄化触媒を活性化させることが可能になる。
ここで、排気浄化触媒の活性状態は排気浄化触媒の温度に依存しているため、排気浄化触媒の活性状態を排気浄化触媒の温度に基づいて推定することができる。このことから、本発明においては、前記排気浄化触媒の温度を取得する触媒温度取得手段を更に備え、前記触媒活性状態取得手段は、前記触媒温度取得手段によって取得される前記排気浄化触媒の温度に基づいて前記排気浄化触媒の活性状態を取得する手段であって、前記触媒温度取得手段によって取得される温度が所定の第1基準温度より低い場合に、前記排気浄化触媒の活性状態が前記所定の未活性状態であると判定しても良い。
上記構成において、第1基準温度とは、排気浄化触媒が触媒として十分に機能し、所望の排気浄化作用を発揮することが可能な排気浄化触媒の温度の下限値であって、予め定められる。
ところで、吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量を制御する本発明の触媒昇温制御による触媒昇温効果は、排気系燃料添加やポスト噴射等による触媒昇温効果よりも小さい場合があり、排気浄化触媒の状態によっては、本発明の触媒昇温制御では好適に排気浄化触媒を活性化できない場合がある。例えば、排気浄化触媒が全く活性化していない場合や、活性化の度合が著しく低い場合、排気浄化触媒の温度はかなり低くいため、本発明の触媒昇温制御では十分に排気浄化触媒を活性化できなかったり、或いは、活性化できたとしても、触媒昇温制御の実行に起因する内燃機関の運転状態や排気性能への影響が大きくなってしまったりする可能性が考えられる。
そこで、本発明においては、前記触媒温度取得手段によって取得される温度が所定の第2基準温度より高く且つ前記第1基準温度より低い場合に、前記排気浄化触媒の活性状態が前記所定の未活性状態であると判定しても良い。
ここで、第2基準温度とは、予め定められた温度であり、例えば、排気浄化触媒が触媒として機能し得る温度の下限値より大きい温度とすることができる。或いは、排気燃料添加やポスト噴射等の触媒昇温に依らず、本発明における吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量の制御による触媒昇温によって排気浄化触媒を十分活性させることが可能な排気浄化触媒の温度の下限値としても良い。
すなわち、排気浄化触媒の温度が第2基準温度より高く且つ第1基準温度より低い場合、排気浄化触媒の温度は、排気浄化触媒を十分に活性化させることが可能なほどには高くないが、全く活性化していない状態又はほとんど活性化していない状態の排気浄化触媒の温度よりは高い。よって、吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量の制御によって排気浄化触媒の温度を上昇させる本発明の触媒昇温制御によって、排気浄化触媒を十分活性化させることができる。
吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量の制御による本発明の触媒昇温制御は、排気燃料添加やポスト噴射等による触媒昇温と比較して、触媒昇温制御の実行に
起因する燃料消費量が増加しにくいため、内燃機関の燃費へ与える影響が小さい。よって、上記構成のように、排気浄化触媒がある程度活性化してはいるものの、所望の排気浄化能力を発揮し得るほどには十分に活性化していない状態の時に、排気系燃料添加やポスト噴射によらず本発明の触媒昇温制御によって排気浄化触媒の温度を上昇させれば、燃費の悪化を抑制しつつ、排気浄化触媒を好適に活性化させることが可能になる。
なお、上記構成において、排気浄化触媒の温度が第2基準温度以下の場合には、本発明の触媒昇温制御の代わりに、触媒昇温効果の大きい排気燃料添加やポスト噴射による触媒昇温を行っても良い。
本発明において、前記蓄積状態取得手段は、前記排気浄化装置が前記浄化対象成分を蓄積可能な所定の上限量に対する、前記排気浄化装置における前記浄化対象成分の現時点での蓄積量の比率(以下、蓄積率)に基づいて、前記排気浄化装置における前記浄化対象成分の蓄積状態を取得する手段であって、該蓄積率が所定の基準値より大きい場合に前記排気浄化装置は前記浄化対象成分について前記上限蓄積状態であると判定し、該蓄積率が前記基準値以下の場合に前記排気浄化装置は前記浄化対象成分について前記上限蓄積状態でないと判定しても良い。
ここで、所定の上限量とは、排気浄化装置が浄化対象成分を蓄積可能な最大量、或いは、排気浄化装置が上述した飽和状態となる時の浄化対象成分の蓄積量として、予め定められる。
また、所定の基準値とは、排気浄化装置において浄化対象成分をさらに蓄積する余裕があるか否かを判定するために予め定められる基準値である。この基準値は、例えば、本発明の触媒昇温制御の実行に起因して内燃機関からの浄化対象成分の排出量が一時的に増加した場合においても、排気浄化装置が飽和状態に達することなく浄化対象成分を蓄積可能な蓄積率の上限値として定めることができる。或いは、上限量に所定の比率(例えば80%等)を乗じた値として定めても良い。
また、排気浄化装置における浄化対象成分の蓄積量は、例えば内燃機関の運転履歴に基づいて推定する方法等の既知の方法によって取得することができる。
上記構成によれば、触媒昇温制御が実行される時点での排気浄化装置における浄化対象成分の蓄積状態を、定量的且つ簡易に判定することができる。
本発明は、前記浄化対象成分として排気中のNOxを吸蔵し還元し浄化する吸蔵還元型NOx触媒を前記排気浄化触媒として有する排気浄化システムに適用することができる。この場合、前記触媒活性状態取得手段は、前記吸蔵還元型NOx触媒の活性状態を取得するNOx触媒活性状態取得手段を有し、前記蓄積状態取得手段は、前記吸蔵還元型NOx触媒が吸蔵可能なNOxの上限量(以下、NOx吸蔵能)に対する、現時点での前記吸蔵還元型NOx触媒におけるNOxの吸蔵量(以下、NOx吸蔵量)の比率であるNOx吸蔵率に基づいて、前記吸蔵還元型NOx触媒におけるNOxの吸蔵状態を取得するNOx吸蔵状態取得手段を有し、前記NOx吸蔵率が所定のNOx判定基準値より大きい場合に前記排気浄化装置はNOxについて上限蓄積状態であると判定し、前記NOx吸蔵率が前記NOx判定基準値以下の場合に前記排気浄化装置はNOxについて上限蓄積状態でないと判定しても良い。
ここで、所定のNOx判定基準値とは、吸蔵還元型NOx触媒においてNOxを更に吸蔵する余裕があるか否かを判定するために予め定められる基準値であり、例えば、触媒昇温制御の実行に起因して内燃機関からのNOxの排出量が一時的に増加した場合において
も、吸蔵還元型NOx触媒が飽和状態に達することなくNOxを吸蔵可能なNOx吸蔵率の上限値として定めることができる。或いは、NOx吸蔵能に所定の比率を乗じた値として定めることもできる。
上記構成において、NOx触媒活性状態取得手段は、例えば、吸蔵還元型NOx触媒の温度に基づいて吸蔵還元型NOx触媒の活性状態を取得することができる。この場合、上述のように、吸蔵還元型NOx触媒が十分活性化していると見なせる状態の吸蔵還元型NOx触媒の温度の下限値を第1NOx触媒基準温度、本発明の触媒昇温制御によって吸蔵還元型NOx触媒を十分活性化させることが可能と見なせる状態の吸蔵還元型NOx触媒の温度の下限値を第2NOx触媒基準温度とし、吸蔵還元型NOx触媒の温度が第1NOx触媒基準温度より低い場合、或いは、第2NOx触媒基準温度より高く第1NOx触媒基準温度より低い場合に、吸蔵還元型NOx触媒に対して触媒昇温制御を実行しても良い。
また、NOx吸蔵状態取得手段によって、排気浄化装置がNOxについて上限蓄積状態であると判定された場合には、触媒昇温制御の実行に当たって、内燃機関からのNOx排出量が増加し得る制御パターンを選択することを抑制し、排気浄化装置がNOxについて上限蓄積状態でないと判定された場合には、触媒昇温制御の実行に当たって、内燃機関からのNOx排出量が増加し得る制御パターンを選択すること許容しても良い。
これにより、大気中へのNOxの放散を抑制し、且つ、排気浄化触媒に対する触媒昇温制御の実行に起因する燃費の悪化を抑制しつつ、排気浄化触媒を活性化させることが可能になる。
また、本発明は、前記浄化対象成分として排気中のHCを吸着し酸化し浄化する酸化触媒を前記排気浄化触媒として有する排気浄化システムに適用することができる。この場合、前記触媒活性状態取得手段は、前記酸化触媒の活性状態を取得する酸化触媒活性状態取得手段を有し、前記蓄積状態取得手段は、前記酸化触媒が吸着可能なHCの上限量(以下、HC吸着能)に対する、現時点での前記酸化触媒におけるHCの吸着量(以下、HC吸着量)の比率であるHC吸着率に基づいて、前記酸化触媒におけるHCの吸着状態を取得するHC吸着状態取得手段を有し、前記HC吸着率が所定のHC判定基準値より大きい場合に前記排気浄化装置はHCについて上限蓄積状態であると判定し、前記HC吸着率が前記HC判定基準値以下の場合に前記排気浄化装置はHCについて上限蓄積状態でないと判定しても良い。
ここで、所定のHC判定基準値とは、酸化触媒においてHCを更に吸着する余裕があるか否かを判定するために予め定められる基準値であり、例えば、触媒昇温制御の実行に起因して内燃機関からのHCの排出量が一時的に増加した場合においても、酸化触媒が飽和状態に達することなくHCを吸着可能なHC吸着率の上限値として定めることができる。或いは、HC吸着能に所定の比率を乗じた値として定めることもできる。
上記構成において、酸化触媒活性状態取得手段は、例えば、酸化触媒の温度に基づいて酸化触媒の活性状態を取得することができる。この場合、上述のように、酸化触媒が十分活性化していると見なせる状態の酸化触媒の温度の下限値を第1酸化触媒基準温度、本発明の触媒昇温制御によって酸化触媒を十分活性化させることが可能と見なせる状態の酸化触媒の温度の下限値を第2酸化触媒基準温度とし、酸化触媒の温度が第1酸化触媒基準温度より低い場合、或いは、第2酸化触媒基準温度より高く第1酸化触媒基準温度より低い場合に、酸化触媒に対して触媒昇温制御を実行しても良い。
また、HC吸着状態取得手段によって、排気浄化装置がHCについて上限蓄積状態であ
ると判定された場合には、触媒昇温制御の実行に当たって、内燃機関からのHC排出量が増加し得る制御パターンを選択することを抑制し、排気浄化装置がHCについて上限蓄積状態でないと判定された場合には、触媒昇温制御の実行に当たって、内燃機関からのHC排出量が増加し得る制御パターンを選択すること許容しても良い。
これにより、大気中へのHCの放散を抑制し、且つ、排気浄化触媒に対する触媒昇温制御の実行に起因する燃費の悪化を抑制しつつ、排気浄化触媒を活性化させることが可能になる。
また、本発明は、前記浄化対象成分として排気中のPMを捕集し除去するフィルタを前記排気浄化装置として有する排気浄化システムに適用することができる。この場合、前記蓄積状態取得手段は、前記フィルタが捕集可能なPMの上限量(以下、PM捕集能)に対する、現時点での前記フィルタにおけるPMの捕集量(以下、PM捕集量)の比率であるPM捕集率に基づいて、前記フィルタにおけるPMの捕集状態を取得するPM捕集状態取得手段を有し、前記PM捕集率が所定のPM判定基準値より大きい場合に前記排気浄化装置はPMについて上限蓄積状態であると判定し、前記PM捕集率が前記PM判定基準値以下の場合に前記排気浄化装置はPMについて上限蓄積状態でないと判定しても良い。
ここで、所定のPM判定基準値とは、フィルタにおいてPMを更に捕集する余裕があるか否かを判定するために予め定められる基準値であり、例えば、触媒昇温制御の実行に起因して内燃機関からのPMの排出量が一時的に増加した場合においても、フィルタが飽和状態に達することなくPMを捕集可能なPM捕集率の上限値として定めることができる。或いは、PM捕集能に所定の比率を乗じた値として定めることもできる。
上記構成において、PM捕集状態取得手段によって、排気浄化装置がPMについて上限蓄積状態であると判定された場合には、触媒昇温制御の実行に当たって、内燃機関からのPM排出量が増大し得る制御パターンを選択することを抑制し、排気浄化装置がPMについて上限蓄積状態でないと判定された場合には、触媒昇温制御の実行に当たって、内燃機関からのPM排出量が増大し得る制御パターンを選択することを許容しても良い。
これにより、大気中へのPMの放散を抑制し、且つ、排気浄化触媒に対する触媒昇温制御の実行に起因する燃費の悪化を抑制しつつ、排気浄化触媒を活性化させることが可能になる。
本発明において、排気浄化触媒の温度を上昇させることが可能な制御パターンとしては、排気浄化触媒に流入する排気の温度を上昇させることが可能な制御パターンを採ることができる。このような制御パターンに従って吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量を制御すれば、高温の排気によって排気浄化触媒の温度を上昇させることができる。
本発明において、排気浄化触媒の温度を上昇させることが可能な制御パターンとしては、排気浄化触媒を通過する排気の流量を増加させることが可能な制御パターンを採ることができる。このような制御パターンに従って吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量を制御すれば、排気の持つ熱をより多く排気浄化触媒に与えることができるので、排気浄化触媒の温度を上昇させることができる。
本発明により、高圧EGR装置及び低圧EGR装置を併用してEGRを行う内燃機関において、燃費や排気性能の悪化を抑制しつつ、排気浄化装置を活性化させることが可能になる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨ではない。
図1は、本実施例に係る内燃機関の排気浄化システムを適用する内燃機関とその吸気系及び排気系の概略構成を模式的に示す図である。図1に示す内燃機関1は4つの気筒2を有する水冷式4サイクルディーゼルエンジンである。
内燃機関1の気筒2には、図示しない吸気ポートを介して吸気マニホールド17が接続されている。吸気マニホールド17には吸気管3が接続されている。吸気管3には、吸気管3を流れる吸気の量を調節可能な第2スロットル弁9が配置されている。第2スロットル弁9より上流の吸気管3には吸気を冷却するインタークーラ8が設けられている。インタークーラ8より上流の吸気管3には、排気のエネルギーを駆動源として作動するターボチャージャ13のコンプレッサ11が配置されている。コンプレッサ11より上流の吸気管3には、後述する低圧EGR通路31が接続されている。低圧EGR通路31の接続箇所より上流の吸気管3には、吸気管3に流入する新気の量を調節可能な第1スロットル弁6が配置されている。
内燃機関1の気筒2には、図示しない排気ポートを介して排気マニホールド18が接続されている。排気マニホールド18には排気管4が接続されている。排気管4にはターボチャージャ13のタービン12が配置されている。このターボチャージャ13はタービン12の排気流量特性を変更可能なノズルベーン5を備えた可変容量型のターボチャージャである。タービン12より下流の排気管4には、排気浄化装置10が設けられている。
排気浄化装置10は、流入する排気が酸化雰囲気の時には排気中のNOxを吸蔵し、排気が還元雰囲気の時に吸蔵していたNOxを放出して還元し浄化する吸蔵還元型NOx触媒(以下、NOx触媒)と、排気中のPMを捕集し、捕集したPMを適時に酸化し除去可能なパティキュレートフィルタ(以下、フィルタ)と、排気中のHCを吸着し酸化し浄化する酸化触媒と、を有して構成される。以下、NOx触媒と酸化触媒とを一括して排気浄化触媒と称する場合もある。
排気浄化装置10には、NOx触媒及の温度を測定するNOx触媒温度センサ21と、酸化触媒の温度を測定する酸化触媒温度センサ22が設けられている。本実施例のNOx触媒温度センサ21は本発明におけるNOx触媒活性状態取得手段に相当し、酸化触媒温度センサ22は本発明における酸化触媒活性状態取得手段に相当する。従って、NOx触媒温度センサ21及び酸化触媒温度センサ22は、本発明における触媒温度取得手段、触媒活性状態取得手段に相当することになる。
なお、排気浄化触媒の温度は、排気浄化装置10の直上流又は直下流における排気の温度に基づいて推定することもできる。この場合、排気浄化装置10の直上流又は直下流において排気の温度を測定又は推定する装置が本発明におけるNOx触媒活性状態取得手段、酸化触媒活性状態取得手段、触媒温度取得手段、触媒活性状態取得手段に相当することになる。
排気浄化装置10より下流の排気管4には、排気管4を流れる排気の量を調節可能な排気絞り弁19が配置されている。なお、排気絞り弁19は後述する低圧EGR通路31の接続部より下流の排気管4に配置しても良い。
内燃機関1には、排気管4を流れる排気の一部を高圧で吸気管3へ導き、気筒2に戻す高圧EGR装置40が備えられている。高圧EGR装置40は、高圧EGR通路41及び高圧EGR弁42を有して構成される。高圧EGR通路41は、タービン12より上流の排気管4と第2スロットル弁9より下流の吸気管3とを接続する。高圧EGR通路41を通過して排気の一部が吸気管3に導かれる。本実施例では、高圧EGR通路41を経由して気筒2に流入する排気を高圧EGRガスと称する。
高圧EGR弁42は、高圧EGR通路41を流れる排気の量を調節可能な流量調節弁である。高圧EGRガスの調量は高圧EGR弁42の開度を変更することによって行われる。なお、高圧EGRガスの調量は、第2スロットル弁9の開度を変更して高圧EGR通路41の上流と下流との差圧を変化させることによっても行うことができる。また、ノズルベーン5の開度を変更することによっても高圧EGRガスを調量することができる。
内燃機関1には、排気管4を流れる排気の一部を低圧で吸気管3へ導き、気筒2に流入させる低圧EGR装置30が備えられている。低圧EGR装置30は、低圧EGR通路31、低圧EGR弁32、及び低圧EGRクーラ33を有して構成される。低圧EGR通路31は、排気絞り弁19より下流の排気管4と、コンプレッサ11より上流且つ第1スロットル弁6より下流の吸気管3とを接続する。低圧EGR通路31を通過して排気の一部が吸気管3に導かれる。本実施例では、低圧EGR通路31を経由して気筒2に流入する排気を低圧EGRガスと称する。
低圧EGR弁32は、低圧EGR通路31を流れる排気の量を調節可能な流量調節弁である。低圧EGRガスの調量は低圧EGR弁32の開度を変更することによって行われる。なお、低圧EGRガスの調量は、第1スロットル弁6の開度を変更して低圧EGR通路31の上流と下流との差圧を変化させることによっても行うことができる。低圧EGRクーラ33は、低圧EGR通路31を通過する低圧EGRガスを冷却する。
内燃機関1には、機関の制御を行う電子制御装置(ECU)20が併設されている。ECU20は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、中央演算装置(CPU)、入出力ポート、デジタルアナログコンバータ(D/Aコンバータ)、アナログデジタルコンバータ(A/Dコンバータ)等を双方向バスで接続した公知の構成を有するマイクロコンピュータとして構成されている。
ECU20は、内燃機関1の運転状態や運転者による要求に応じて燃料噴射制御等のディーゼルエンジンにおいて既知の基本諸制御を行う。そのために、本実施例における内燃機関1には、吸気管3に流入する新気の流量を測定するエアフローメータ7、内燃機関1の冷却水温を測定する水温センサ14、運転者によるアクセルペダル(図示省略)の踏み込み量(アクセル開度)を測定するアクセル開度センサ15、内燃機関1のクランクシャフト(図示省略)の回転位相(クランク角度)を測定するクランクポジションセンサ16、その他、ディーゼルエンジンが一般的に備えているセンサ類(図示省略)が設けられている。
これらのセンサは電気配線を介してECU20に接続され、各センサからの出力信号がECU20に入力される。また、ECU20には、第1スロットル弁6、第2スロットル弁9、排気絞り弁19、低圧EGR弁32、高圧EGR弁42を駆動するための駆動装置等の機器が電気配線を介して接続され、ECU20から出力される制御信号に従ってこれらの機器が制御される。
ECU20は、各センサによる測定値に基づいて内燃機関1の運転状態や運転者の要求
を取得する。例えば、ECU20はクランクポジションセンサ16から入力されるクランク角度から機関回転数を算出し、アクセル開度センサ15から入力されるアクセル開度から機関負荷を算出し、算出した機関回転数及び機関負荷に基づいて内燃機関1の運転状態を取得する。そして、取得した機関運転状態や運転者の要求に基づいて低圧EGR弁32や高圧EGR弁42等を制御し、EGRガス量や吸入空気量の制御を行う。
次に、ECU20によって行われるEGR制御について説明する。
図2は、内燃機関1の運転状態の領域毎に定められた、EGR実施時に使用される高圧EGR装置40及び低圧EGR装置30の組み合わせを表すEGR制御マップの概念図である。図2の横軸は内燃機関1の機関回転数を表し、縦軸は内燃機関1の機関負荷を表している。
図2に示すように、本実施例では、内燃機関1の運転状態が低負荷の時には、高圧EGR装置40のみを用いてEGRが行われる。高圧EGR装置40のみを用いてEGRが行われる運転状態の範囲を、以下「HPL領域」と称する。また、内燃機関1の運転状態が中負荷の時には、高圧EGR装置40及び低圧EGR装置30を併用してEGRが行われる。高圧EGR装置40及び低圧EGR装置30を併用してEGRが行われる運転状態の範囲を、以下「MIX領域」と称する。また、内燃機関1の運転状態が高負荷の時には、低圧EGR装置30のみを用いてEGRが行われる。低圧EGR装置30のみを用いてEGRが行われる運転状態の範囲を、以下「LPL領域」と称する。
なお、図2に示したEGR制御マップでは、内燃機関の運転状態をHPL領域、MIX領域、及びLPL領域の3つの領域に分割した場合を例示したが、内燃機関の運転状態の分割の仕方はこれに限られない。例えば、低負荷領域をHPL領域として規定し、それ以外の高負荷側の領域をLPL領域として規定するEGR制御マップも考えられる。或いは、低負荷領域をMIX領域として規定し、それ以外の高負荷側の領域をLPL領域として規定するEGR制御マップも考えられる。
LPL領域、MIX領域、及びHPL領域を規定する具体的な運転状態の範囲や、各領域における高圧EGRガス量、低圧EGRガス量、低圧EGR装置30及び高圧EGR装置40によって内燃機関に流入する全排気(以下、全EGRガス)に対する高圧EGRガスの比率や低圧EGRガスの比率等の、EGR制御に係る諸パラメータの目標値は、各運転状態におけるEGR率(又は酸素濃度)が所定の目標EGR率(又は目標酸素濃度)に一致し、且つ、内燃機関における燃焼特性、排気エミッション、EGRの実施に伴う燃費特性等が所望の要求性能を満たすように、予め実験等により定められる。このようにして定められる高圧EGRガス量の目標値を以下「基本高圧EGRガス量」、低圧EGRガス量の目標値を以下「基本低圧EGRガス量」と称する。
内燃機関1の定常運転時において低圧EGRガス量を基本低圧EGRガス量とする低圧EGR弁32の開度として基本低圧EGR弁開度が求められ、また、高圧EGRガス量を基本高圧EGRガス量とする高圧EGR弁42の開度として基本高圧EGR弁開度が求められ、それぞれECU20のROMに記憶される。
ECU20は、内燃機関1の運転状態に応じてROMから基本低圧EGR弁開度及び基本高圧EGR弁開度を読み込み、低圧EGR弁32の開度が基本低圧EGR弁開度となるように低圧EGR弁32を制御するとともに、高圧EGR弁42の開度が基本高圧EGR弁開度となるように高圧EGR弁42を制御する。
排気浄化装置10の有するNOx触媒、酸化触媒の排気浄化能力が好適に発揮されるた
めには、排気浄化触媒の温度を上昇させて排気浄化触媒を十分に活性化させる必要がある。排気浄化触媒の温度が低く排気浄化触媒が未活性の場合には、排気中に燃料を添加したりポスト噴射を行ったりすることによって排気浄化触媒の温度を上昇させる技術が知られているが、この触媒昇温を頻繁に実行すると燃料の消費量が増大して燃費を悪化させる虞がある。
ここで、排気浄化触媒が触媒として全く機能しない非活性状態よりは活性化しているものの、触媒として十分に機能し所望の排気浄化性能を発揮し得るほどには活性化していない状態である場合には、排気燃料添加やポスト噴射等の触媒昇温を行わなくても、吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量を所定の制御パターンに従って制御することによって得られる触媒昇温効果を利用した補助的な触媒昇温を行うことによって、排気浄化触媒を十分に活性化した状態にすることができる。
このような吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量の制御による触媒昇温は、排気燃料添加やポスト噴射による触媒昇温と比較して燃費に与える影響が小さい。よって、上記のように排気浄化触媒が十分活性化してはいないがある程度は活性化している状態である場合には、排気燃料添加やポスト噴射による触媒昇温によらずに、吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量の制御による触媒昇温によって、燃費の悪化を抑制しつつ、排気浄化触媒を活性化させることが可能になる。
本実施例では、NOx触媒温度センサ21によって測定したNOx触媒の温度TCに基づいてNOx触媒の活性状態を判別する。すなわち、NOx触媒の温度TCが第2NOx触媒基準温度TC2より高く、且つ、第1NOx触媒基準温度TC1より低い場合に、NOx触媒の活性状態が上述のような十分活性化してはいないが、非活性状態と比較してある程度は活性化した状態(以下、「中程度に活性化した状態」ということもある)であると判定する。ここで、第2NOx触媒基準温度TC2は、排気燃料添加やポスト噴射による触媒昇温によらずに、本実施例の触媒昇温制御によってNOx触媒を十分に活性化した状態にすることが可能なNOx触媒の温度の下限値として、予め実験等により定められる温度である。また、第1NOx触媒基準温度TC1は、NOx触媒が十分に活性化した状態であると判定可能なNOx触媒の温度の下限値であり、予め定められる。
また、酸化触媒についても同様に、酸化触媒温度センサ22によって測定した酸化触媒の温度TOに基づいて酸化触媒の活性状態を判別する。すなわち、酸化触媒の温度TOが第2酸化触媒基準温度TO2より高く、且つ、第1酸化触媒基準温度TO1より低い場合に、酸化触媒の活性状態が上述のような中程度に活性化した状態であると判定する。ここで、第2酸化触媒基準温度TO2は、排気燃料添加やポスト噴射による触媒昇温によらずに、本実施例の触媒昇温制御によって酸化触媒を十分に活性化した状態にすることが可能な酸化触媒の温度の下限値として、予め実験等により定められる温度である。また、第1酸化触媒基準温度TO1は、酸化触媒が十分に活性化した状態であると判定可能な酸化触媒の温度の下限値であり、予め定められる。
なお、NOx触媒や酸化触媒の活性状態を判定する方法としては、上述したNOx触媒や酸化触媒の温度による判定方法以外の方法を採用することもできる。例えば、NOx触媒について、NOx触媒に流入するNOxの量(以下、入NOx量)を測定又は推定する手段と、NOx触媒から流出するNOxの量(以下、出NOx量)を測定又は推定する手段とを備え、入NOx量に対する出NOx量の比率(以下、NOx浄化率)に基づいて、NOx触媒の活性状態を判定することもできる。この場合、NOx浄化率が所定の範囲内の値である場合に、NOx触媒は中程度に活性化した状態であると判定することができる。酸化触媒の活性状態についても同様に酸化触媒に流入するHCの量と流出するHCの量との比率に基づいて判定することができる。
ここで、本実施例の触媒昇温制御において、NOx触媒や酸化触媒排を昇温させることが可能な吸入空気量、低圧EGRガス量、及び高圧EGRガス量の制御パターンには複数の制御パターンが考えられる。そして、各制御パターンに従って触媒昇温制御を実行した場合のNOx触媒や酸化触媒に対する昇温効果や、触媒昇温制御の実行に起因するNOx、HC、PM等の浄化対象成分の排出量への影響は、各制御パターン毎にそれぞれ異なる場合がある。
図3は、本実施例の触媒昇温制御の制御パターンの一例を示す図である。図3には6通りの制御パターンが示されている。図3において、上向きの矢印(↑)はその物理量が増加する(又はその物理量を増加させる)ことを表し、下向きの矢印(↓)はその物理量が減少する(又はその物理量を減少させる)ことを表し、右向きの矢印(→)はその物理量が略変化しない(又はその物理量を変化させない)ことを表している。
第1制御パターンは、吸入空気量を変化させず、低圧EGRガス量を増加させ、高圧EGRガス量を減少させる制御パターンである。この制御パターンによれば、吸気酸素濃度は略変化せず、吸気温度は低下し、排気酸素濃度は略変化せず、排気温度は低下し、排気浄化触媒を通過する排気の流量は増加する。そして、この制御パターンに従って触媒昇温制御を行った場合、NOx排出量は略変化せず、HC排出量は増加し、PM排出量は略変化しない。
第2制御パターンは、吸入空気量を変化させず、低圧EGRガス量を減少させ、高圧EGRガス量を増加させる制御パターンである。この制御パターンによれば、吸気酸素濃度は略変化せず、吸気温度は上昇し、排気酸素濃度は略変化せず、排気温度は上昇し、排気浄化触媒を通過する排気の流量は減少する。そして、この制御パターンに従って触媒昇温制御を行った場合、NOx排出量は略変化せず、HC排出量は減少し、PM排出量は略変化しない。
第3制御パターンは、吸入空気量を増加させ、低圧EGRガス量を減少させ、高圧EGRガス量を変化させない制御パターンである。この制御パターンによれば、吸気酸素濃度は上昇し、吸気温度は略変化せず、排気酸素濃度は上昇し、排気温度は略変化せず、排気浄化触媒を通過する排気の流量は略変化しない。そして、この制御パターンに従って触媒昇温制御を行った場合、NOx排出量は増加し、HC排出量は減少し、PM排出量は減少する。
第4制御パターンは、吸入空気量を減少させ、低圧EGRガス量を変化させず、高圧EGRガス量を増加させる制御パターンである。この制御パターンによれば、吸気酸素濃度は低下し、吸気温度は上昇し、排気酸素濃度は低下し、排気温度は上昇し、排気浄化触媒を通過する排気の流量は減少する。そして、この制御パターンに従って触媒昇温制御を行った場合、NOx排出量は減少し、HC排出量は略変化せず、PM排出量は増加する。
第5制御パターンは、吸入空気量を減少させ、低圧EGRガス量を増加させ、高圧EGRガス量を増加させる制御パターンである。この制御パターンによれば、吸気酸素濃度は低下し、吸気温度は上昇し、排気酸素濃度は低下し、排気温度は上昇し、排気浄化触媒を通過する排気の流量は減少する。そして、この制御パターンに従って触媒昇温制御を行った場合、NOx排出量は減少し、HC排出量は略変化せず、PM排出量は増加する。
第6制御パターンは、吸入空気量を減少させ、低圧EGRガス量を減少させ、高圧EGRガス量を増加させる制御パターンである。この制御パターンによれば、吸気酸素濃度は略変化せず、吸気温度は略変化せず、排気酸素濃度は低下し、排気温度は上昇し、排気浄
化触媒を通過する排気の流量は減少する。そして、この制御パターンに従って触媒昇温制御を行った場合、NOx排出量は略変化せず、HC排出量は略変化せず、PM排出量は増加する。
本実施例では、上記の各制御パターン毎の浄化対象成分の排出量への影響の相違を考慮して、触媒昇温制御の実行に起因する排気性能の悪化を極力抑制するように、触媒昇温制御の制御パターンを選択する。
具体的には、NOx触媒、酸化触媒、及び、フィルタの各々について、NOx触媒においてNOxをさらに吸蔵する余裕があるか否か、酸化触媒においてHCをさらに吸着する余裕がある否か、フィルタにおいてPMをさらに捕集する余裕があるか否か、を判定し、吸蔵、吸着、又は捕集する余裕があると判定される浄化対象成分については当該浄化対象成分の排出量が増加する制御パターンを選択することを許容し、また、吸蔵、吸着、又は捕集する余裕がないと判定される浄化対象成分については当該浄化対象成分の排出量が増加する制御パターンを選択することを抑制して、触媒昇温制御に係る制御パターンを決定する。
NOx触媒においてNOxを更に吸蔵する余裕があるか否かは、NOx触媒に吸蔵可能なNOxの最大量、又は該最大量に所定のマージンを考慮して決定した上限量(以下、NOx吸蔵能)に対する、現時点において実際にNOx触媒に吸蔵されているNOxの量(以下、NOx吸蔵量)の比率を求め、この比率(以下、NOx吸蔵率)が所定のNOx判定基準値以下であるか否かに基づいて判定する。
ここで、NOx判定基準値とは、NOx触媒においてNOxを更に吸蔵する余裕があるか否かを判定するために予め定められる基準値であり、例えば、触媒昇温制御の実行に起因して内燃機関からのNOxの排出量が一時的に増加した場合においても、NOx触媒が飽和状態に達することなくNOxを吸蔵可能なNOx吸蔵率の上限値として定めることができる。或いは、NOx吸蔵能に所定の比率を乗じた値として定めることもできる。
ここで、NOx触媒の飽和状態とは、NOx触媒におけるNOx吸蔵量がNOx触媒のNOx吸蔵能を超えてしまい、流入するNOxのほとんどを素通りさせてしまう状態である。
従って、NOx判定基準値は、NOx触媒に流入するNOxのうちNOx触媒を素通りすることなくNOx触媒に吸蔵されるNOxの割合が所定の許容レベルを下回らないNOx吸蔵率の上限値と言うこともできる。NOx判定基準値は予め実験等により求められる。
また、NOx吸蔵能は、NOx触媒を構成する触媒物質やNOx触媒の大きさ等によって定まる物性値である。この物性値をある一定値としてNOx吸蔵能を定数に設定しても良いし、この物性値が温度依存性を有する場合にはそれを考慮してNOx吸蔵能をNOx触媒の温度に応じた可変値に設定しても良い。
また、NOx吸蔵量は、既知の推定方法によって求めることができる。例えば、自動車がある一定の距離を走行するたびに所定量ずつ加算する方法によって算出することができる。
酸化触媒においてHCを更に吸着する余裕があるか否かは、酸化触媒に吸着可能なHCの最大量、又は該最大量に所定のマージンを考慮して決定した上限量(以下、HC吸着能)に対する、現時点において実際に酸化触媒に吸着しているHCの量(以下、HC吸着量
)の比率を求め、この比率(以下、HC吸着率)が所定のHC判定基準値以下であるか否かに基づいて判定する。
ここで、HC判定基準値とは、酸化触媒においてHCを更に吸着する余裕があるか否かを判定するために予め定められる基準値であり、例えば、触媒昇温制御の実行に起因して内燃機関からのHCの排出量が一時的に増加した場合においても、酸化触媒が飽和状態に達することなくHCを吸着可能なHC吸着率の上限値として定めることができる。或いは、HC吸着能に所定の比率を乗じた値として定めることもできる。
ここで、酸化触媒の飽和状態とは、酸化触媒におけるHC吸着量が酸化触媒のHC吸着能を超えてしまい、流入するHCのほとんどを素通りさせてしまう状態である。
従って、HC判定基準値は、酸化触媒に流入するHCのうち酸化触媒を素通りすることなく酸化触媒に吸着するHCの割合が所定の許容レベルを下回らないHC吸着率の上限値と言うこともできる。HC判定基準値は予め実験等により求められる。
また、HC吸着能は、酸化触媒を構成する触媒物質や酸化触媒の大きさ等によって定まる物性値である。この物性値をある一定値としてHC吸着能を定数に設定しても良いし、この物性値が温度依存性を有する場合にはそれを考慮してHC吸着能を酸化触媒の温度に応じた可変値に設定しても良い。また、HC吸着量は、既知の推定方法によって求めることができる。
フィルタにおいてPMを更に捕集する余裕があるか否かは、フィルタに捕集可能なPMの最大量、又は該最大量に所定のマージンを考慮して決定した上限量(以下、PM捕集能)に対する、現時点において実際にフィルタに捕集されているPMの量(以下、PM捕集量)の比率を求め、この比率(以下、PM捕集率)が所定のPM判定基準値以下であるか否かに基づいて判定する。
ここで、PM判定基準値とは、フィルタにおいてPMを更に捕集する余裕があるか否かを判定するために予め定められる基準値であり、例えば、触媒昇温制御の実行に起因して内燃機関からのPMの排出量が一時的に増加した場合においても、フィルタが飽和状態に達することなくPMを捕集可能なPM捕集率の上限値として定めることができる。或いは、PM捕集能に所定の比率を乗じた値として定めることもできる。
ここで、フィルタの飽和状態とは、フィルタにおけるPM捕集量がフィルタのPM捕集能を超えてしまい、フィルタにおける圧力損失が過剰に増大し、排気通路の背圧が内燃機関の正常な運転に支障を来す程度にまで上昇してしまう状態である。
従って、PM判定基準値は、フィルタにおける圧損が所定の許容レベルを超えないPM捕集率の上限値と言うこともできる。PM判定基準値は予め実験等により求められる。
また、PM捕集能は、フィルタの構造や大きさによって定まる。また、PM捕集量は、既知の推定方法によって求めることができる。例えば、機関回転数や車両の走行距離に基づいて内燃機関1から単位時間あたりに排出されるPMの量を推定し、これを積算して算出することができる。
このようにして、NOx触媒、酸化触媒、及びフィルタの各々について、NOx吸蔵率、HC吸着率、及びPM捕集率(以下、これらを総称して蓄積率という場合もある)を求め、それに基づいて現時点での排気浄化装置10の状態を決定する。本実施例の場合、図4に示すように、NOx吸蔵率がNOx判定基準値以下であるか否か、HC吸着率がHC
判定基準値以下であるか否か、及びPM捕集率がPM判定基準値以下であるか否かによって、8通りの排気浄化装置10の状態(以下、触媒状態モード)が考えられる。図4において、Hiは浄化対象成分の蓄積率が判定基準値より大きいことを表し、Loは浄化対象成分の蓄積率が判定基準値以下であることを表す。
図4において、第1触媒状態モードは、NOx吸蔵率がHi、すなわち、NOx吸蔵率>NOx判定基準値であり、NOx触媒がこれ以上のNOxを吸蔵する余裕がなく、また、HC吸着率がHi、すなわち、HC吸着率>HC判定基準値であり、酸化触媒がこれ以上のHCを吸着する余裕がなく、また、PM捕集率がHi、すなわち、PM捕集率>PM判定基準値であり、フィルタがこれ以上のPMを捕集する余裕がない状態である。従って、第1触媒状態モードで示される状態においては、触媒昇温制御の実行に際して、NOx、HC、PMのいずれか一つでも排出量が増加する制御パターンを選択することは抑制される。
また、第2触媒状態モードは、NOx吸蔵率がLo、すなわち、NOx吸蔵率<NOx判定基準値であり、NOx触媒が更にNOxを吸蔵する余裕があり、また、HC吸着率がLo、すなわち、HC吸着率<HC判定基準値であり、酸化触媒が更にHCを吸着する余裕があり、また、PM捕集率がLo、すなわち、PM捕集率<PM判定基準値であり、フィルタが更にPMを捕集する余裕がある状態である。従って、第2触媒状態モードで表される状態においては、触媒昇温制御の実行に際して、NOx、HC、PMのいずれが増加する制御パターンでも選択することが許容される。
第3触媒状態モードは、NOx吸蔵率がHi、すなわち、NOx吸蔵率>NOx判定基準値であり、NOx触媒がこれ以上のNOxを吸蔵する余裕がなく、また、HC吸着率がLo、すなわち、HC吸着率<HC判定基準値であり、酸化触媒が更にHCを吸着する余裕があり、また、PM捕集率がLo、すなわち、PM捕集率<PM判定基準値であり、フィルタが更にPMを捕集する余裕がある状態である。従って、第3触媒状態モードで表される状態においては、触媒昇温制御の実行に際して、NOx排出量が増加する制御パターンを選択することは抑制される。一方、HC排出量が増加する制御パターン及びPM排出量が増加する制御パターンを選択することは許容される。
第4触媒状態モードは、NOx吸蔵率がLo、すなわち、NOx吸蔵率<NOx判定基準値であり、NOx触媒が更にNOxを吸蔵する余裕があり、また、HC吸着率がHi、すなわち、HC吸着率>HC判定基準値であり、酸化触媒がこれ以上のHCを吸着する余裕がなく、また、PM捕集率がLo、すなわち、PM捕集率<PM判定基準値であり、フィルタが更にPMを捕集する余裕がある状態である。従って、第4触媒状態モードで表される状態においては、触媒昇温制御の実行に際して、HC排出量が増加する制御パターンを選択することは抑制される。一方、NOx排出量が増加する制御パターン及びPM排出量が増加する制御パターンを選択することは許容される。
第5触媒状態モードは、NOx吸蔵率がLo、すなわち、NOx吸蔵率<NOx判定基準値であり、NOx触媒が更にNOxを吸蔵する余裕があり、また、HC吸着率がLo、すなわち、HC吸着率<HC判定基準値であり、酸化触媒が更にHCを吸着する余裕があり、また、PM捕集率がHi、すなわち、PM捕集率>PM判定基準値であり、フィルタがこれ以上のPMを捕集する余裕がない状態である。従って、第5触媒状態モードで表される状態においては、触媒昇温制御の実行に際して、PM排出量が増加する制御パターンを選択することは抑制される。一方、NOx排出量が増加する制御パターン及びHC排出量が増加する制御パターンを選択することは許容される。
第6触媒状態モードは、NOx吸蔵率がHi、すなわち、NOx吸蔵率>NOx判定基
準値であり、NOx触媒がこれ以上のNOxを吸蔵する余裕がなく、また、HC吸着率がHi、すなわち、HC吸着率>HC判定基準値であり、酸化触媒がこれ以上のHCを吸着する余裕がなく、また、PM捕集率がLo、すなわち、PM捕集率<PM判定基準値であり、フィルタが更にPMを捕集する余裕がある状態である。従って、第6触媒状態モードで表される状態においては、触媒昇温制御の実行に際して、NOx排出量が増加する制御パターン及びHC排出量が増加する制御パターンを選択することは抑制される。一方、PM排出量が増加する制御パターンを選択することは許容される。
第7触媒状態モードは、NOx吸蔵率がLo、すなわち、NOx吸蔵率<NOx判定基準値であり、NOx触媒が更にNOxを吸蔵する余裕があり、また、HC吸着率がHi、すなわち、HC吸着率>HC判定基準値であり、酸化触媒がこれ以上のHCを吸着する余裕がなく、また、PM捕集率がHi、すなわち、PM捕集率>PM判定基準値であり、フィルタがこれ以上のPMを捕集する余裕がない状態である。従って、第7触媒状態モードで表される状態においては、触媒昇温制御の実行に際して、HC排出量が増加する制御パターン及びPM排出量が増加する制御パターンを選択することは抑制される。一方、NOx排出量が増加する制御パターンを選択することは許容される。
第8触媒状態モードは、NOx吸蔵率がHi、すなわち、NOx吸蔵率>NOx判定基準値であり、NOx触媒がこれ以上のNOxを吸蔵する余裕がなく、また、HC吸着率がLo、すなわち、HC吸着率<HC判定基準値であり、酸化触媒が更にHCを吸着する余裕があり、また、PM捕集率がHi、すなわち、PM捕集率>PM判定基準値であり、フィルタがこれ以上のPMを捕集する余裕がない状態である。従って、第8触媒状態モードで表される状態においては、触媒昇温制御の実行に際して、NOx排出量が増加する制御パターン及びPM排出量が増加する制御パターンを選択することは抑制される。一方、HC排出量が増加する制御パターンを選択することは許容される。
本実施例では、以上のようにして決定された触媒状態モードに応じて、基本的に以下の選択条件に基づいて触媒昇温制御の実行に際して選択される制御パターンを決定する。すなわち、まず第1に、排気温度が上昇する制御パターンであること、第2に、排気温度が触媒温度以上の温度であって、且つ、排気浄化触媒を通過する排気の流量が増加する制御パターンであること、第3に、前記第1の条件又は第2の条件を満たすために何らかの浄化対象成分の排出量の増加が避けられない場合には、触媒状態モードに鑑みて吸蔵、吸着、又は捕集する余裕のある浄化対象成分について排出量が増加する制御パターンを選択することを許容すること、第4に、以上の選択条件を満たす制御パターンであって排気温度を上昇させ得る複数の制御パターンが選択可能な場合は、HC排出量が増加する制御パターンを優先すること、第5に、選択可能な制御パターンであってNOx排出量の増加を伴う制御パターンが複数存在する場合は、排気浄化触媒を通過する排気の流量が減少する制御パターンを優先すること、以上の条件を満たすように、触媒昇温制御に係る吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量の制御パターンを決定する。
第1の条件は、排気浄化触媒に流入する排気の温度が高くなるほど排気浄化触媒の温度が高くなることに基づいている。第2の条件は、排気浄化触媒の温度より高温の排気が排気浄化触媒を通過する場合、通過する流量が多くなるほど排気浄化触媒の温度が高くなることに基づいている。第3の条件を満たす場合、排気浄化触媒の昇温制御の実行に起因する排気性能の悪化を抑制することが可能になる。第4の条件は、排気温度が高くなる場合にHC排出量が増加すると、HCが排気浄化触媒において排気の高温によって酸化反応し易くなり、この酸化反応熱によって排気浄化触媒の昇温を促進することができることによる。第5の条件を満たす場合、NOx排出量が増加する時に、排気浄化触媒を通過する排気の流量が減少するので、NOxがNOx触媒を通過するのに要する時間が長くなり、NOx触媒により効果的にNOxを吸蔵させることができ、NOxについての排気性能の悪
化を抑制できる。
図5は、各触媒状態モードと、当該触媒状態モードに好適な触媒昇温制御の制御パターンと、の対応の一例を示す図である。図5に示した対応例では、触媒状態モードが第1触媒状態モードの場合には触媒昇温制御の制御パターンとして第2制御パターンが選択され、触媒状態モードが第2触媒状態モードの場合には触媒昇温制御の制御パターンとして第6制御パターンが選択され、触媒状態モードが第3触媒状態モードの場合には触媒昇温制御の制御パターンとして第5制御パターンが選択され、触媒状態モードが第4触媒状態モードの場合には触媒昇温制御の制御パターンとして第3制御パターンが選択され、触媒状態モードが第5触媒状態モードの場合には触媒昇温制御の制御パターンとして第3制御パターンが選択され、触媒状態モードが第6触媒状態モードの場合には触媒昇温制御の制御パターンとして第6制御パターンが選択され、触媒状態モードが第7触媒状態モードの場合には触媒昇温制御の制御パターンとして第3制御パターンが選択され、触媒状態モードが第8触媒状態モードの場合には触媒昇温制御の制御パターンとして第1制御パターンが選択される。なお、この対応は一例であって、触媒状態モードと制御パターンとの別の対応関係を採用して触媒昇温制御を実行することも可能である。
以下、ECU20によって行われる本実施例の触媒昇温制御の具体的な実行手順について、図6に基づいて説明する。図6は、触媒昇温制御を行うためのルーチンを示すフローチャートである。このルーチンはECUによって所定時間毎に繰り返し実行される。
まず、ステップS101において、ECU20は、NOx触媒温度センサ21及び酸化触媒温度センサ22による測定値に基づいて、NOx触媒の温度TC及び酸化触媒の温度TOを取得する。
ステップS102において、ECU20は、NOx触媒及び酸化触媒の活性状態を判定する。具体的には、ステップS101で取得したNOx触媒の温度TCが上述した第2NOx触媒基準温度TC2より高く且つ第1NOx触媒基準温度TC1より低いか否かを判定する。また、ステップS101で取得した酸化触媒の温度TOが上述した第2酸化触媒基準温度TO2より高く且つ第1酸化触媒基準温度TO1より低いか否かを判定する。本実施例においては、ステップS102を実行するECU20が、本発明におけるNOx触媒活性状態取得手段及び酸化触媒活性状態取得手段に相当し、従って、触媒活性状態取得手段に相当する。
ステップS102において、NOx触媒の温度がTC2<TC<TC1を満たすか、又は酸化触媒の温度がTO2<TO<TO1を満たす場合、ECU20はステップS103に進む。一方、ステップS102において、NOx触媒の温度がTC2<TC<TC1を満たさず、且つ酸化触媒の温度がTO2<TO<TO1を満たさない場合、ECU20は本ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS103において、ECU20は、排気浄化装置10における各浄化対象成分の蓄積状態を取得する。具体的には、NOx触媒におけるNOx吸蔵量を推定し、NOx吸蔵率とNOx判定基準値との大小関係を判別する。また、酸化触媒におけるHC吸着量を推定し、HC吸着率とHC判定基準値との大小関係を判別する。また、フィルタにおけるPM捕集量を推定し、PM捕集率とPM判定基準値との大小関係を判別する。
ステップS104において、ECU20は、排気浄化触媒の触媒状態モードを決定する。すなわち、前記ステップS103におけるNOx吸蔵率とNOx判定基準値との大小関係、HC吸着率とHC判定基準値との大小関係、及びPM捕集率とPM判定基準値との大小関係に基づき、図4の触媒状態モードテーブルを参照して、現時点での触媒状態モード
を決定する。本実施例では、ステップS103及びステップS104を実行するECU20が、本発明におけるNOx吸蔵状態取得手段、HC吸着状態取得手段、及びPM捕集状態取得手段に相当し、従って、蓄積状態取得手段に相当する。
ステップS105において、ECU20は、昇温制御制御の制御パターンを決定する。すなわち、前記ステップS104で決定した触媒状態モードに応じて、図5の触媒昇温制御パターンテーブルを参照して現時点での触媒状態モードに対して好適な制御パターンを決定する。
ステップS106において、ECU20は、昇温制御制御を実行する。すなわち、前記ステップS105で決定した制御パターンに従って、吸入空気量、低圧EGRガス量、及び高圧EGRガス量を制御すべく、第1スロットル弁6、第2スロットル弁9、低圧EGR弁32、高圧EGR弁42、排気絞り弁19、ノズルベーン5を制御する。本実施例では、ステップS106を実行するECU20が、本発明における触媒昇温手段に相当する。
なお、以上述べた実施例は本発明を説明するための一例であって、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において上記の実施例には種々の変更を加え得る。例えば、上記の触媒昇温制御の6通りの制御パターン及び制御パターンの選択条件は一例であって、異なる制御パターンや選択条件に基づいて触媒昇温制御を実行することも可能である。その場合も、各制御パターン毎に排気性能への影響を考慮し、触媒状態モードに鑑み、吸蔵、吸着、又は捕集の余裕のある浄化対象成分については排出量の増加を許容するとともに、吸蔵、吸着、又は捕集の余裕のない浄化対象成分については排出量の増加を抑制するように制御パターンを選択すれば、排気性能の悪化を抑制しつつ、中程度の活性状態にある排気浄化触媒を、燃費の悪化を抑制しつつ好適に活性化させることができる。
また、上記実施例では排気浄化装置としてNOx触媒、酸化触媒、フィルタを備えた構成について説明したが、排気浄化装置の構成はこれに限られない。例えばNOx触媒を含まず酸化触媒とフィルタを有する構成でもよい。この場合、HC吸着率のHi/Lo、及びPM捕集率のHi/Loによって4通りの触媒状態モードが考えられる。また、このようにNOx触媒を備えない構成の場合は、触媒昇温制御の制御パターンの選択において、NOx排出量が増加する制御パターンをなるべく選択しないことが好ましい。
また、上記実施例では、排気浄化触媒の温度を温度センサにより取得する構成を示したが、触媒温度は温度センサにより直接測定する方法以外にも、排気浄化触媒に流入する排気の温度、排気浄化触媒から流出する排気の温度、又は内燃機関の運転条件等に基づいて推定する方法を採用することもできる。
また、上記実施例では、排気浄化触媒の活性状態を排気浄化触媒の温度に基づいて判定しているが、排気浄化触媒の活性状態を判定する方法はこれに限られない。例えば、排気浄化触媒に流入する浄化対象成分の量(流入成分量)を取得する流入成分量取得手段と、排気浄化触媒から流出する浄化対象成分の量(流出成分量)を取得する流出成分量取得手段と、を備え、流入成分量に対する流出成分量の比率(以下、浄化率)に基づいて排気浄化触媒の活性状態を判定しても良い。例えば、NOx触媒の上流における排気中のNOxの量に対するNOx触媒の下流における排気中のNOxの量の比が、所定の範囲内の値である場合に、NOx触媒が中程度の活性状態であると判定しても良い。酸化触媒やフィルタの活性状態の取得についても同様に浄化率に基づいて判定しても良い。
実施例1における排気浄化システムを適用する内燃機関の吸気系及び排気系の概略構成を示す図である。 実施例1におけるEGR制御マップを表す図である。 実施例1における触媒昇温制御の各制御パターンと各制御パターンによる各物理量の変化の傾向を示した表である。 実施例1における排気浄化触媒の触媒状態モードを示した表である。 実施例1における各触媒状態モードと制御パターンとの対応関係の一例を示した表である。 実施例1における触媒昇温制御を実行するためのルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 気筒
3 吸気通路
4 排気通路
5 ノズルベーン
6 第1スロットル弁
7 エアフローメータ
8 インタークーラ
9 第2スロットル弁
10 排気浄化装置
11 コンプレッサ
12 タービン
13 ターボチャージャ
14 水温センサ
15 アクセル開度センサ
16 クランクポジションセンサ
17 吸気マニホールド
18 排気マニホールド
19 排気絞り弁
20 ECU
21 NOx触媒温度センサ
22 酸化触媒温度センサ
30 低圧EGR装置
31 低圧EGR通路
32 低圧EGR弁
33 低圧EGRクーラ
40 高圧EGR装置
41 高圧EGR通路
42 高圧EGR弁

Claims (11)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられたタービンと前記内燃機関の吸気通路に設けられたコンプレッサとを有するターボチャージャと、
    前記タービンより下流の排気通路に設けられ、排気浄化触媒を有し、排気中の浄化対象成分を蓄積し浄化することで排気を浄化する排気浄化装置と、
    前記タービンより上流の排気通路と前記コンプレッサより下流の吸気通路とを接続する高圧EGR通路と、
    前記排気浄化装置より下流の排気通路と前記コンプレッサより上流の吸気通路とを接続する低圧EGR通路と、
    前記排気浄化触媒の活性状態を取得する触媒活性状態取得手段と、
    前記排気浄化装置における前記浄化対象成分の蓄積状態を取得する蓄積状態取得手段と、
    前記触媒活性状態取得手段によって取得される前記排気浄化触媒の活性状態と、前記蓄積状態取得手段によって取得される前記排気浄化装置における前記浄化対象成分の蓄積状態と、に基づいて、前記内燃機関の吸入空気量、前記高圧EGR通路を介して前記吸気通路に戻る排気の量である高圧EGRガス量、及び前記低圧EGR通路を介して前記吸気通路に戻る排気の量である低圧EGRガス量を制御することによって前記排気浄化触媒の温度を上昇させる触媒昇温制御を実行する触媒昇温手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  2. 請求項1において、
    前記触媒活性状態取得手段によって取得される前記排気浄化触媒の活性状態が、前記排気浄化触媒が十分に活性化していない所定の未活性状態であると判定され、
    前記蓄積状態取得手段によって取得される前記排気浄化装置における前記浄化対象成分の蓄積状態が、前記排気浄化装置に前記浄化対象成分が所定の基準を超えて蓄積した上限蓄積状態であると判定される場合には、
    前記触媒昇温手段は、前記排気浄化触媒の温度を上昇させることが可能な吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量の制御パターンのうち、その制御パターンに従って前記触媒昇温制御を実行した場合に前記内燃機関からの前記浄化対象成分の排出量が増加するところの制御パターンを選択することを抑制して前記触媒昇温制御を実行する内燃機関の排気浄化システム。
  3. 請求項1又は2において、
    前記触媒活性状態取得手段によって取得される前記排気浄化触媒の活性状態が、前記所定の未活性状態であると判定され、
    前記蓄積状態取得手段によって取得される前記排気浄化装置の状態が、前記上限蓄積状態でないと判定される場合には、
    前記触媒昇温手段は、前記排気浄化触媒の温度を上昇させることが可能な吸入空気量、高圧EGRガス量、及び低圧EGRガス量の制御パターンのうち、その制御パターンに従って前記触媒昇温制御を実行した場合に前記内燃機関からの前記浄化対象成分の排出量が増加するところの制御パターンを選択することを許容して前記触媒昇温制御を実行する内燃機関の排気浄化システム。
  4. 請求項2又は3において、
    前記排気浄化触媒の温度を取得する触媒温度取得手段を更に備え、
    前記触媒活性状態取得手段は、前記触媒温度取得手段によって取得される前記排気浄化触媒の温度に基づいて前記排気浄化触媒の活性状態を取得する手段であって、
    前記触媒温度取得手段によって取得される温度が所定の第1基準温度より低い場合に、前記排気浄化触媒の活性状態が前記所定の未活性状態であると判定する内燃機関の排気浄
    化システム。
  5. 請求項4において、
    前記触媒温度取得手段によって取得される温度が所定の第2基準温度より高く且つ前記第1基準温度より低い場合に、前記排気浄化触媒の活性状態が前記所定の未活性状態であると判定する内燃機関の排気浄化システム。
  6. 請求項1〜5のいずれか一において、
    前記蓄積状態取得手段は、前記排気浄化装置が前記浄化対象成分を蓄積可能な所定の上限量に対する、前記排気浄化装置における前記浄化対象成分の現時点での蓄積量の比率である蓄積率に基づいて、前記排気浄化装置における前記浄化対象成分の蓄積状態を取得する手段であって、
    前記蓄積率が所定の基準値より大きい場合に前記排気浄化装置は前記浄化対象成分について前記上限蓄積状態であると判定し、
    前記蓄積率が前記基準値以下の場合に前記排気浄化装置は前記浄化対象成分について前記上限蓄積状態でないと判定する内燃機関の排気浄化システム。
  7. 請求項1〜6のいずれか一において、
    前記排気浄化触媒は、前記浄化対象成分として排気中のNOxを吸蔵し還元し浄化する吸蔵還元型NOx触媒を有し、
    前記触媒活性状態取得手段は、前記吸蔵還元型NOx触媒の活性状態を取得するNOx触媒活性状態取得手段を有し、
    前記蓄積状態取得手段は、前記吸蔵還元型NOx触媒が吸蔵可能なNOxの上限量に対する、現時点での前記吸蔵還元型NOx触媒におけるNOxの吸蔵量の比率であるNOx吸蔵率に基づいて、前記吸蔵還元型NOx触媒におけるNOxの吸蔵状態を取得するNOx吸蔵状態取得手段を有し、
    前記NOx吸蔵率が所定のNOx判定基準値より大きい場合に前記排気浄化装置はNOxについて上限蓄積状態であると判定し、
    前記NOx吸蔵率が前記NOx判定基準値以下の場合に前記排気浄化装置はNOxについて上限蓄積状態でないと判定する内燃機関の排気浄化システム。
  8. 請求項1〜7のいずれか一において、
    前記排気浄化触媒は、前記浄化対象成分として排気中のHCを吸着し酸化し浄化する酸化触媒を有し、
    前記触媒活性状態取得手段は、前記酸化触媒の活性状態を取得する酸化触媒活性状態取得手段を有し、
    前記蓄積状態取得手段は、前記酸化触媒が吸着可能なHCの上限量に対する、現時点での前記酸化触媒におけるHCの吸着量の比率であるHC吸着率に基づいて、前記酸化触媒におけるHCの吸着状態を取得するHC吸着状態取得手段を有し、
    前記HC吸着率が所定のHC判定基準値より大きい場合に前記排気浄化装置はHCについて上限蓄積状態であると判定し、
    前記HC吸着率が前記HC判定基準値以下の場合に前記排気浄化装置はHCについて上限蓄積状態でないと判定する内燃機関の排気浄化システム。
  9. 請求項1〜8のいずれか一において、
    前記排気浄化装置は、前記浄化対象成分として排気中のPMを捕集し除去するフィルタを有し、
    前記蓄積状態取得手段は、前記フィルタが捕集可能なPMの上限量に対する、現時点での前記フィルタにおけるPMの捕集量の比率であるPM捕集率に基づいて、前記フィルタにおけるPMの捕集状態を取得するPM捕集状態取得手段を有し、
    前記PM捕集率が所定のPM判定基準値より大きい場合に前記排気浄化装置はPMについて上限蓄積状態であると判定し、
    前記PM捕集率が前記PM判定基準値以下の場合に前記排気浄化装置はPMについて上限蓄積状態でないと判定する内燃機関の排気浄化システム。
  10. 請求項2〜9のいずれかにおいて、
    前記触媒昇温手段は、前記排気浄化触媒に流入する排気の温度を上昇させることが可能な制御パターンのうちから一の制御パターンを選択して前記触媒昇温制御を実行する内燃機関の排気浄化システム。
  11. 請求項2〜10のいずれかにおいて、
    前記触媒昇温手段は、前記排気浄化触媒を通過する排気の流量を増加させることが可能な制御パターンのうちから一の制御パターンを選択して前記触媒昇温制御を実行する内燃機関の排気浄化システム。
JP2007054129A 2007-03-05 2007-03-05 内燃機関の排気浄化システム Expired - Fee Related JP4779999B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007054129A JP4779999B2 (ja) 2007-03-05 2007-03-05 内燃機関の排気浄化システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007054129A JP4779999B2 (ja) 2007-03-05 2007-03-05 内燃機関の排気浄化システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008215210A true JP2008215210A (ja) 2008-09-18
JP4779999B2 JP4779999B2 (ja) 2011-09-28

Family

ID=39835549

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007054129A Expired - Fee Related JP4779999B2 (ja) 2007-03-05 2007-03-05 内燃機関の排気浄化システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4779999B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011018918A1 (ja) * 2009-08-10 2011-02-17 三菱重工業株式会社 ディーゼルエンジンのpm排出量推定装置
US7895838B2 (en) * 2006-01-27 2011-03-01 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust gas recirculation apparatus of an internal combustion engine and control method thereof
JP2011252390A (ja) * 2010-05-31 2011-12-15 Mazda Motor Corp ディーゼルエンジンの燃焼制御装置
JP2015232279A (ja) * 2014-06-09 2015-12-24 マツダ株式会社 気体燃料エンジンの燃料噴射制御装置
JP2015232280A (ja) * 2014-06-09 2015-12-24 マツダ株式会社 多種燃料エンジンの燃料噴射制御装置
CN105240115A (zh) * 2015-11-09 2016-01-13 康跃科技股份有限公司 一种用于复合涡轮、增压器或egr的电液执行器

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11229973A (ja) * 1998-02-17 1999-08-24 Isuzu Motors Ltd エンジンのegr装置
JP2002256862A (ja) * 2001-03-01 2002-09-11 Denso Corp 内燃機関用排出ガス浄化装置
JP2003293748A (ja) * 2002-04-08 2003-10-15 Nissan Motor Co Ltd 排気ガス浄化装置
JP2005048745A (ja) * 2003-07-31 2005-02-24 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の燃焼制御装置
JP2005256804A (ja) * 2004-03-15 2005-09-22 Denso Corp 内燃機関の排気浄化装置
JP2006009663A (ja) * 2004-06-24 2006-01-12 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置
JP2006200362A (ja) * 2005-01-17 2006-08-03 Toyota Motor Corp ハイブリッド車両における排気浄化装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11229973A (ja) * 1998-02-17 1999-08-24 Isuzu Motors Ltd エンジンのegr装置
JP2002256862A (ja) * 2001-03-01 2002-09-11 Denso Corp 内燃機関用排出ガス浄化装置
JP2003293748A (ja) * 2002-04-08 2003-10-15 Nissan Motor Co Ltd 排気ガス浄化装置
JP2005048745A (ja) * 2003-07-31 2005-02-24 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の燃焼制御装置
JP2005256804A (ja) * 2004-03-15 2005-09-22 Denso Corp 内燃機関の排気浄化装置
JP2006009663A (ja) * 2004-06-24 2006-01-12 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置
JP2006200362A (ja) * 2005-01-17 2006-08-03 Toyota Motor Corp ハイブリッド車両における排気浄化装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7895838B2 (en) * 2006-01-27 2011-03-01 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust gas recirculation apparatus of an internal combustion engine and control method thereof
WO2011018918A1 (ja) * 2009-08-10 2011-02-17 三菱重工業株式会社 ディーゼルエンジンのpm排出量推定装置
JP2011058487A (ja) * 2009-08-10 2011-03-24 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ディーゼルエンジンのpm排出量推定装置
US8869606B2 (en) 2009-08-10 2014-10-28 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. PM emission amount estimation device for diesel engine
JP2011252390A (ja) * 2010-05-31 2011-12-15 Mazda Motor Corp ディーゼルエンジンの燃焼制御装置
JP2015232279A (ja) * 2014-06-09 2015-12-24 マツダ株式会社 気体燃料エンジンの燃料噴射制御装置
JP2015232280A (ja) * 2014-06-09 2015-12-24 マツダ株式会社 多種燃料エンジンの燃料噴射制御装置
CN105240115A (zh) * 2015-11-09 2016-01-13 康跃科技股份有限公司 一种用于复合涡轮、增压器或egr的电液执行器
CN105240115B (zh) * 2015-11-09 2018-09-18 康跃科技股份有限公司 一种用于复合涡轮、增压器或egr的电液执行器

Also Published As

Publication number Publication date
JP4779999B2 (ja) 2011-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8813480B2 (en) Exhaust purification system of internal combustion engine
US20130304357A1 (en) Diesel Engine Operation for Fast Transient Response and Low Emissions
JP5126416B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
WO2009056958A1 (en) Exhaust gas purification device for internal combustion engine
JP4779999B2 (ja) 内燃機関の排気浄化システム
US8850799B2 (en) Exhaust purification apparatus for engine
JP2008002309A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP5708806B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
US7963101B2 (en) Exhaust gas purifying device for an internal combustion engine
JP4857957B2 (ja) エンジンの制御装置
JP4935929B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2009257231A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4254664B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4888134B2 (ja) 内燃機関の排気浄化システム
JP5320994B2 (ja) 排気ガス浄化方法と排気ガス浄化システム
JP2008232055A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP5233596B2 (ja) 排気ガス浄化装置
JP4349096B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4539466B2 (ja) 内燃機関の排気浄化システム
JP2022053872A (ja) エンジンシステム
JP2005320940A (ja) 内燃機関の排気還流システム
JP2002317682A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2020076378A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009144688A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2008101548A (ja) 内燃機関の排気浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091102

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110328

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110607

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110620

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4779999

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees