JP6262988B2 - カッティングプロッタ - Google Patents
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Description
特許文献1に開示されているカッティングプロッタは、読取センサを予め基準マークの位置に位置付け、その後、読取センサを移動させて基準マークを検出する。読取センサを予め基準マークの位置に位置付けるためには、基準マークを被切断媒体に印刷したときのプリントデータを用いて基準マークの予想位置を求め、この予想位置に読取センサを移動させている。前記プリントデータは、基準マークの印刷位置を特定可能なデータである。
特許文献2に開示されているカッティングプロッタでは、読取センサの読取開始位置が基準マークより被切断媒体の内側に位置していると、基準マークを検出することができないという問題があった。
このときの上記関数としては、例えば、所定の長さの「暗」区間を含むステップ状の関数が用いられ、この所定の「暗」区間の長さとしては、基準マークであるトンボを構成する線分の幅が用いられる。被切断媒体に沿って移動する読取センサの出力は、被切断媒体の表面の反射率の変化を表す信号であるので、この読取センサの出力が低下する区間と所定の「暗」区間の長さ(トンボを構成する線分の幅)とが一致するときには相互相関の値が最大となり、これらの間の差が大きくなれば両者の相互相関の値はより小さくなる。
以下、読取センサの出力と読取センサの移動方向に沿った所定の長さの「暗」区間を含む関数との相互相関をとる処理を「フィルタ処理」といい、フィルタ処理を行う機能部またはフィルタ処理に用いられる関数を単に「フィルタ」といい、「暗」区間の長さを「フィルタ幅」ということがある。
その結果、実際には読取センサが基準マーク上を通過した場合でも、フィルタ処理の結果出力が所定の閾値に達しないことが発生する。この場合には、基準マークを検出することができず、エラーとなってしまうので、基準マークの自動検出の目的を達成することができなくなってしまう。
以下、本発明に係るカッティングプロッタの一実施の形態を図1〜図9によって詳細に説明する。
図1に示すカッティングプロッタ1は、被切断媒体2から図形や文字などのカット部3を切断するものである。被切断媒体2は、シート状の紙やフィルム、カッティングシートや、ロール状のカッティングシートなどを用いることができる。
この実施の形態によるカッティングプロッタ1は、図1に示すように、カッティングプロッタ本体6に後述する機能部品を組み付けて形成されている。カッティングプロッタ本体6は、被切断媒体2が載せられる基台部7と、この基台部7の上方で左右方向に延びるガイドフレーム部8とを備えている。
前記ピンチローラ13は、前記駆動ローラ11に被切断媒体2を押し付けるためのもので、前記ガイドフレーム部8に前記駆動ローラ11側へ付勢された状態で回転自在に支持されている。被切断媒体2は、前記駆動ローラ11と前記ピンチローラ13とによって挟まれた状態で駆動ローラ11が回転することによって、カッティングプロッタ本体6に対して前方または後方に移動する。この実施の形態においては、前記駆動ローラ11および駆動ローラ用モータ12と、前記ピンチローラ13とによって「前後方向移動装置」が構成されている。
また、ピンチローラ13は、ガイドフレーム部8に左右方向へ移動可能に取付けられている。ピンチローラ13の取付位置は、被切断媒体2の左右方向の幅に対応させて使用者(図示せず)によって調整される。この実施の形態によるピンチローラ13には、図示してはいないが、被切断媒体2の左右方向の端縁の位置を特定可能な被検出部材が設けられている。
前記カッティングペン15は、リニアアクチュエータ18を介してペンブロック14に昇降可能に取付けられている。前記リニアアクチュエータ18は、詳細には図示してはいないが、例えばムービングコイルやソレノイドなどを動力源としてカッティングペン15を所定の時期に昇降させるものである。
前記左右方向移動装置17は、前記ペンブロック14を左右方向に移動自在に支持するガイドレール20と、ペンブロック14を前記ガイドレール20に沿って左右方向に移動させる駆動機構(図示せず)とによって構成されている。この駆動機構は、詳細には図示してはいないが、ペンブロック14に結合されたベルトやワイヤをモータ21(図2参照)の動力で左右方向に移動させる構造のものを用いることができる。前記モータ21の動作は、後述する制御装置5によって制御される。
すなわち、このカッティングプロッタ1においては、被切断媒体2を前記駆動ローラ11とピンチローラ13とによって前後方向に移動させるとともに、ペンブロック14を左右方向移動装置17によって左右方向に移動させることによって、カッティングペン15および読取センサ16が被切断媒体2に対して相対的に二次元方向に移動する。
前記アクチュエータ制御部22は、前記駆動ローラ用モータ12と、カッティングペン用リニアアクチュエータ18と、ボールねじ機構用モータ21などのアクチュエータを制御装置5から送られる制御データに基づいて動作させる。
前記表示装置24は、使用者が各種の設定を行うときの設定内容を表示したり、使用者にアラームなどの運転状況を知らせるためのものである。
前記上位装置25は、被切断媒体2のカットデータを制御装置5に送る機能を有するもので、例えばコンピュータによって構成されている。
また、基準マーク検出部27は、前記基準マーク4を検出するための所定の検出動作の結果、前記基準マーク4の一部を検出できなかった場合に、判定部273において用いられる前記閾値を変更して所定の検出動作を再度実行させる閾値変更部274を備えている。この閾値変更部274は、判定部273で用いる閾値を現在の値よりも小さな値にするものであり、例えば、現在の閾値に係数α(αは1未満の正の値)を乗じたものを新たな閾値とする。
図15(a)に示すように、このフィルタは、全15ステップのうち、中央の5ステップには、基準マークの長さ(線分の幅)に対応して、「暗」区間を表す「−2」が与えられ、その両側のそれぞれ5ステップ分には「明」区間を表す「1」が与えられている。このように値を割り当てることによって、平均値を0とすることができる。このフィルタは、図15(b)に示すようなステップ状の関数として表現することもできる。
本実施の形態においては、基準マークの長さ、すなわち「暗」区間の長さが5ステップとしたが、これを何ステップとするかは、任意に定めることができる。
なお、上記の例では白地に黒のトンボを想定しているため、暗区間を「−2」としているが、色の反転画像のようなケースでは読取センサー16から読み取った値を反転して用いるため、「−2」側が明区間「1」側が暗区間として計算される。
上述した所定の明暗のパターンを表す関数と、ペンブロック14とともに被切断媒体2に平行な一の方向へ移動する読取センサ16の出力oとの相互相関を求めるフィルタ272の出力pは、図17に示すように、両者間の距離τに対して両者が一致したとき(τ=0)にピークを有する。そして、このピークの高さは、基準マークの長さとフィルタの幅とが一致するときに最大となり、両者の差が大きくなればなるほど小さくなる。
したがって、フィルタ272の出力pに対して適当な閾値Vthを設定することによって、フィルタ272の出力pが所定の閾値Vthを超えたときに基準マーク4の一部を検出したとし、その座標を得ることができるのである。
前記読取センサ16は、詳細は後述するが、前記基準マーク検出部27による制御によって、読取開始点から第1の検出動作を実施し、この第1の検出動作で前記基準マークが検出されなかった場合に、第2の検出動作を実施する。読取開始点は、使用者が入力装置23を操作してペンブロック14および被切断媒体2を移動させることによって、任意の位置に設定可能である。
前記第1の検出動作は、前記読取開始点から前記2次元方向の一方を検出範囲として行われ、前記第2の検出動作は、前記読取開始点から前記2次元方向の他方を検出範囲として行われる。
第2の検出動作を行うときの読取センサ16は、先ず、図6(A)に示すように、前記最初の読取開始点aより左方に位置する第2の検出動作の読取開始点Aから読取りを開始する。この読取開始点Aは、前記第1の検出動作を行うときの読取中断点cと同位置か、読取中断点cより後方に予め定めた距離だけ離間した位置に設定することができる。この予め定めた距離は、前記基準マーク4の1辺の長さより短く設定することが望ましい。
第1の検出動作が行われるときの前記軌道と、第2の検出動作が行われるときの前記軌道は、それぞれ最も小さい図形から図形の大きさの順に各図形を辿る形状である。
カッティングプロッタ1によって前記カット部3を切断するためには、先ず、図7に示すフローチャートのステップS1に示すように、被切断媒体2をカッティングプロッタ1に装着する。被切断媒体2の装着は、使用者が被切断媒体2の前端2aを駆動ローラ11とピンチローラ13との間に挿入し、手動操作で駆動ローラ11を前進側へ回転させることによって行うことができる。
制御装置5の初期設定部26は、この操作が行われた後、上述したように被切断媒体2を初期位置に位置付ける。
その後、ステップS3において、基準マーク4の検出が行われる。この実施の形態において、基準マーク4の検出は、図8のフローチャートに示す手順で行われる。
したがって、この実施の形態によれば、コストダウンと装置の小型化とを図りながら、基準マーク4を確実に検出することが可能なカッティングプロッタを提供することができる。
なお、本実施の形態においては、閾値の変更回数に基づいてエラー処理(P10)を行うか否かを判断するものとして説明したが、閾値の変更回数に代えて、閾値が所定の値を下回った場合にエラー処理(P10)を行うようにしてもよい。
このため、この実施の形態によれば、前記読取センサ16が移動するときの軌道を図形によって設定できるから、読取センサ16の移動方向、移動速度などを容易に制御することができる。
このため、被切断媒体2を前後方向に移動させてカッティングを行うカッティングプロッタに本発明を容易に適用することができる。
上述した実施の形態においては、第1の検出動作を被切断媒体の二次元方向の一方を検出範囲として実施し、基準マークが検出されなかった場合に前記二次元方向の他方を検出範囲とする第2の検出動作を実施する例を示した。しかし、本発明は、このような限定にとらわれることはない。すなわち、第1の検出動作と第2の検出動作とを交互に繰り返し実施し、読取センサを読取開始点から全方位に移動させて基準マークを検出することができる。このような実施の形態を図10〜図12によって詳細に説明する。これらの図において、前記図1〜図9によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図10に示す図形A1〜A6は、それぞれ菱形である。ここでいう菱形とは、4つの頂点が前後方向の両側と左右方向の両側とに位置するような四角形をいう。すなわち、図10に示す菱形は、正方形を45度傾けた形状に形成されているが、上下方向に長い菱形でもよいし、左右方向に長い菱形でもよい。
すなわち、図5に示すように、L字状に形成された基準マーク4の第1の辺4aの長さである前後方向の形成幅L1と、第2の辺4bの長さである左右方向の形成幅L2とのうち、短い方の形成幅の約8割の長さが前記間隔Dに設定される。
図12は、読取センサ16の軌道が図10に示すような菱形である場合の検出手順の一例を示している。
その後、制御装置5は、ステップQ12において移動の途中で線を検出したか否かを判別し、何らかの線を検出してステップQ13でその線が基準マーク4であると判別された場合は、ステップQ13からステップQ4に進んで前記同様の制御を行う。このように読取センサ16が点cから点dを経て点eまで移動することによって、1回目の第2の検出動作が終了する。
この実施の形態においては、読取センサ16が図10に示す図形A4に沿って点gから点hに向けて移動している途中で基準マーク4を検出する。この場合、基準マーク4の第1の辺4aと第2の辺4Bとの両方が検出される。
したがって、この実施の形態によれば、コストダウンと装置の小型化とを図りながら、基準マーク4を確実に検出することが可能なカッティングプロッタを提供することができる。
なお、本実施の形態においては、閾値の変更回数に基づいてエラー処理(Q18)を行うか否かを判断するものとして説明したが、第1の実施の形態において述べたように、閾値の変更回数に代えて、閾値が所定の値を下回った場合にエラー処理(Q18)を行うようにしてもよい。
このため、この実施の形態によれば、前記読取センサ16が移動するときの軌道を図形によって設定できるから、読取センサ16の移動方向、移動速度などを容易に制御することができる。
図13(C)に示す基準マーク33は、四角形に形成されている。この基準マーク33を用いる場合の前記間隔Dは、基準マーク33の前後方向の形成幅L1または左右方向の形成幅L2より短く設定される。例えば、この間隔は、形成幅L1または形成幅L2の約8割の長さに設定される。図13(C)に示す基準マーク33は、前後方向の形成幅L1と左右方向の形成幅L2とが等しくなるように形成されている。しかし、一方の形成幅が他方の形成幅より狭い場合は、前記間隔Dは狭い方の形成幅より短く設定される。例えば、この間隔Dは、狭い方の形成幅の約8割の長さに設定される。
Claims (3)
- 被切断媒体を切断するカッターおよび前記被切断媒体上に付与された基準マークを検出する読取センサが搭載されるペンブロックと、
このペンブロックを前記被切断媒体に対して相対的に2次元方向へ移動可能に支持する支持機構と、
この支持機構を駆動して前記ペンブロックを前記被切断媒体に対して所定の方向に移動させ、前記基準マークを検出するための所定の検出動作を実行する制御部と、
前記読取センサの出力を演算処理する処理部と
を備え、
前記処理部は、
前記ペンブロックとともに前記被切断媒体に平行な一の方向へ移動する前記読取センサの出力と所定の明暗のパターンを表す関数との相互相関を求めるフィルタと、
このフィルタの出力が所定の閾値を超えたときに前記基準マークの一部を検出したとする判定部とを備え、
前記制御部は、
前記基準マークを検出するための所定の検出動作の結果、前記基準マークの一部を検出できなかった場合に、前記閾値を変更して所定の検出動作を再度実行させる閾値変更部
を備えることを特徴とするカッティングプロッタ。 - 請求項1記載のカッティングプロッタにおいて、
前記制御部は、
前記閾値の変更回数が所定の回数に達したときはエラー処理を行う
ことを特徴とするカッティングプロッタ。 - 請求項1または2に記載のカッティングプロッタにおいて、
前記制御部は、前記所定の検出動作として、前記被切断媒体に平行な第1の方向の一方に向けて凸となる軌道を描く第1の検出動作を実施し、第1の検出動作で前記基準マークが検出されなかった場合に、前記被切断媒体に平行でかつ前記第1の方向の他方に向けて凸となる軌道を描く第2の検出動作を実施することを特徴とするカッティングプロッタ。
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