JP6054687B2 - カッティングプロッタ - Google Patents
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Description
特許文献1に開示されているカッティングプロッタは、読取センサを予め基準マークの位置に位置付け、その後、読取センサを移動させて基準マークを検出する。読取センサを予め基準マークの位置に位置付けるためには、基準マークを被切断媒体に印刷したときのプリントデータを用いて基準マークの予想位置を求め、この予想位置に読取センサを移動させている。前記プリントデータは、基準マークの印刷位置を特定可能なデータである。
特許文献2に開示されているカッティングプロッタでは、読取センサの読取開始位置が基準マークより被切断媒体の内側に位置していると、基準マークを検出することができないという問題があった。
したがって、本発明によれば、コストダウンと装置の小型化とを図りながら、基準マークを確実に検出することが可能なカッティングプロッタを提供することができる。
以下、本発明に係るカッティングプロッタの一実施の形態を図1〜図9によって詳細に説明する。
図1に示すカッティングプロッタ1は、被切断媒体2から図形や文字などのカット部3を切断するものである。被切断媒体2は、シート状の紙やフィルム、カッティングシートや、ロール状のカッティングシートなどを用いることができる。
この実施の形態によるカッティングプロッタ1は、図1に示すように、カッティングプロッタ本体6に後述する機能部品を組み付けて形成されている。カッティングプロッタ本体6は、被切断媒体2が載せられる基台部7と、この基台部7の上方で左右方向に延びるガイドフレーム部8とを備えている。
前記ピンチローラ13は、前記駆動ローラ11に被切断媒体2を押し付けるためのもので、前記ガイドフレーム部8に前記駆動ローラ11側へ付勢された状態で回転自在に支持されている。被切断媒体2は、前記駆動ローラ11と前記ピンチローラ13とによって挟まれた状態で駆動ローラ11が回転することによって、カッティングプロッタ本体6に対して前方または後方に移動する。この実施の形態においては、前記駆動ローラ11および駆動ローラ用モータ12と、前記ピンチローラ13とによって、請求項5記載の発明でいう「前後方向移動装置」が構成されている。
また、ピンチローラ13は、ガイドフレーム部8に左右方向へ移動可能に取付けられている。ピンチローラ13の取付位置は、被切断媒体2の左右方向の幅に対応させて使用者(図示せず)によって調整される。この実施の形態によるピンチローラ13には、図示してはいないが、被切断媒体2の左右方向の端縁の位置を特定可能な被検出部材が設けられている。
前記カッティングペン15は、リニアアクチュエータ18を介してペンブロック14に昇降可能に取付けられている。前記リニアアクチュエータ18は、詳細には図示してはいないが、例えばムービングコイルやソレノイドなどを動力源としてカッティングペン15を所定の時期に昇降させるものである。
前記左右方向移動装置17は、前記ペンブロック14を左右方向に移動自在に支持するガイドレール20と、ペンブロック14を前記ガイドレール20に沿って左右方向に移動させる駆動機構(図示せず)とによって構成されている。この駆動機構は、詳細には図示してはいないが、ペンブロック14に結合されたベルトやワイヤをモータ21(図2参照)の動力で左右方向に移動させる構造のものを用いることができる。前記モータ21の動作は、後述する制御装置5によって制御される。
すなわち、このカッティングプロッタ1においては、被切断媒体2を前記駆動ローラ11とピンチローラ13とによって前後方向に移動させるとともに、ペンブロック14を左右方向移動装置17によって左右方向に移動させることによって、カッティングペン15および読取センサ16が被切断媒体2に対して相対的に二次元方向に移動する。
前記アクチュエータ制御部22は、前記駆動ローラ用モータ12と、カッティングペン用リニアアクチュエータ18と、ボールねじ機構用モータ21などのアクチュエータを制御装置5から送られる制御データに基づいて動作させる。
前記表示装置24は、使用者が各種の設定を行うときの設定内容を表示したり、使用者にアラームなどの運転状況を知らせるためのものである。
前記上位装置25は、被切断媒体2のカットデータを制御装置5に送る機能を有するもので、例えばコンピュータによって構成されている。
前記第1の検出動作は、前記読取開始点から前記2次元方向の一方を検出範囲として行われ、前記第2の検出動作は、前記読取開始点から前記2次元方向の他方を検出範囲として行われる。
第2の検出動作を行うときの読取センサ16は、先ず、図6(A)に示すように、前記最初の読取開始点aより左方に位置する第2の検出動作の読取開始点Aから読取りを開始する。この読取開始点Aは、前記第1の検出動作を行うときの読取中断点cと同位置か、読取中断点cより後方に予め定めた距離だけ離間した位置に設定することができる。この予め定めた距離は、前記基準マーク4の1辺の長さより短く設定することが望ましい。
第1の検出動作が行われるときの前記軌道と、第2の検出動作が行われるときの前記軌道は、それぞれ最も小さい図形から図形の大きさの順に各図形を辿る形状である。
カッティングプロッタ1によって前記カット部3を切断するためには、先ず、図7に示すフローチャートのステップS1に示すように、被切断媒体2をカッティングプロッタ1に装着する。被切断媒体2の装着は、使用者が被切断媒体2の前端2aを駆動ローラ11とピンチローラ13との間に挿入し、手動操作で駆動ローラ11を前進側へ回転させることによって行うことができる。
制御装置5の初期設定部26は、この操作が行われた後、上述したように被切断媒体2を初期位置に位置付ける。
その後、ステップS3において、基準マーク4が検出される。この実施の形態において、基準マーク4の検出は、図8のフローチャートに示す手順で行われる。
したがって、この実施の形態によれば、コストダウンと装置の小型化とを図りながら、基準マーク4を確実に検出することが可能なカッティングプロッタを提供することができる。
このため、この実施の形態によれば、前記読取センサ16が移動するときの軌道を図形によって設定できるから、読取センサ16の移動方向、移動速度などを容易に制御することができる。
このため、被切断媒体2を前後方向に移動させてカッティングを行うカッティングプロッタに本発明を容易に適用することができる。
上述した実施の形態においては、第1の検出動作を被切断媒体の二次元方向の一方を検出範囲として実施し、基準マークが検出されなかった場合に前記二次元方向の他方を検出範囲とする第2の検出動作を実施する例を示した。しかし、本発明は、このような限定にとらわれることはない。すなわち、第1の検出動作と第2の検出動作とを交互に繰り返し実施し、読取センサを読取開始点から全方位に移動させて基準マークを検出することができる。このような実施の形態を図10〜図12によって詳細に説明する。これらの図において、前記図1〜図9によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図10に示す図形A1〜A6は、それぞれ菱形である。ここでいう菱形とは、4つの頂点が前後方向の両側と左右方向の両側とに位置するような四角形をいう。すなわち、図10に示す菱形は、正方形を45度傾けた形状に形成されているが、上下方向に長い菱形でもよいし、左右方向に長い菱形でもよい。
すなわち、図5に示すように、L字状に形成された基準マーク4の第1の辺4aの長さである前後方向の形成幅L1と、第2の辺4bの長さである左右方向の形成幅L2とのうち、短い方の形成幅の約8割の長さが前記間隔Dに設定される。
図12は、読取センサ16の軌道が図10に示すような菱形である場合の検出手順の一例を示している。
その後、制御装置5は、ステップQ12において移動の途中で線を検出したか否かを判別し、何らかの線を検出してステップQ13でその線が基準マーク4であると判別された場合は、ステップQ13からステップQ4に進んで前記同様の制御を行う。このように読取センサ16が点cから点dを経て点eまで移動することによって、1回目の第2の検出動作が終了する。
この実施の形態においては、読取センサ16が図10に示す図形A4に沿って点gから点hに向けて移動している途中で基準マーク4を検出する。この場合、基準マーク4の第1の辺4aと第2の辺4Bとの両方が検出される。
したがって、この実施の形態によれば、コストダウンと装置の小型化とを図りながら、基準マーク4を確実に検出することが可能なカッティングプロッタを提供することができる。
このため、この実施の形態によれば、前記読取センサ16が移動するときの軌道を図形によって設定できるから、読取センサ16の移動方向、移動速度などを容易に制御することができる。
図13(C)に示す基準マーク33は、四角形に形成されている。この基準マーク33を用いる場合の前記間隔Dは、基準マーク33の前後方向の形成幅L1または左右方向の形成幅L2より短く設定される。例えば、この間隔は、形成幅L1または形成幅L2の約8割の長さに設定される。図13(C)に示す基準マーク33は、前後方向の形成幅L1と左右方向の形成幅L2とが等しくなるように形成されている。しかし、一方の形成幅が他方の形成幅より狭い場合は、前記間隔Dは狭い方の形成幅より短く設定される。例えば、この間隔Dは、狭い方の形成幅の約8割の長さに設定される。
Claims (5)
- 被切断媒体に対して相対的に2次元方向へ移動して前記被切断媒体を切断するカッターと、
前記被切断媒体上の読取開始点から被切断媒体に対して相対的に2次元方向へ移動し、前記被切断媒体上に付与された基準マークを検出する読取センサとを備え、
前記読取センサは、前記基準マークを検出するときに前記読取開始点から前記2次元方向の一方を検出範囲として第1の検出動作を実施し、かつ第1の検出動作で前記基準マークが検出されなかった場合に、前記読取開始点から前記2次元方向の他方を検出範囲として第2の検出動作を実施するものであり、
前記第1の検出動作と第2の検出動作とを行う読取センサが移動するときの軌道の形状は、前記読取開始点を囲む複数の仮想の図形を辿る形状であることを特徴とするカッティングプロッタ。 - 被切断媒体に対して相対的に2次元方向へ移動して前記被切断媒体を切断するカッターと、
前記被切断媒体上の読取開始点から被切断媒体に対して相対的に2次元方向へ移動し、前記被切断媒体上に付与された基準マークを検出する読取センサとを備え、
前記読取センサは、前記基準マークを検出するときに前記読取開始点から前記2次元方向の一方を検出範囲として第1の検出動作を実施し、かつ第1の検出動作で前記基準マークが検出されなかった場合に、前記読取開始点から前記2次元方向の他方を検出範囲として第2の検出動作を実施するものであり、
前記第1の検出動作は、検出範囲が前記一方と、この方向とは直交する方向とにおいて徐々に拡大されるように繰り返し行われるとともに、前記被切断媒体における前記読取開始点から前記一方の全域を検出の対象として行われ、
前記第2の検出動作は、検出範囲が前記他方と、この方向とは直交する方向とにおいて徐々に拡大されるように繰り返し行われるとともに、前記被切断媒体における前記読取開始点から前記他方の全域を検出の対象として行われることを特徴とするカッティングプロッタ。 - 請求項1記載のカッティングプロッタにおいて、前記第1の検出動作と第2の検出動作とが交互に繰り返し行われ、
第1の検出動作の検出範囲は、第1の検出動作が繰り返される毎に前記一方と、この方向とは直交する方向とにおいて徐々に拡大され、
第2の検出動作の検出範囲は、第2の検出動作が繰り返される毎に前記後方と、この方向とは直交する方向とにおいて徐々に拡大されることを特徴とするカッティングプロッタ。 - 請求項1または請求項3記載のカッティングプロッタにおいて、前記読取開始点を囲む複数の仮想の図形は、互いに相似となるように形成されているとともに同心状に並べられ、
これらの図形のうち互いに隣り合う図形どうしの間隔は、前記基準マークの形成幅より短く形成され、
前記軌道は、最も小さい図形から図形の大きさの順に各図形を辿る形状であることを特徴とするカッティングプロッタ。 - 請求項1ないし請求項4のうちいずれか一つに記載のカッティングプロッタにおいて、
前記被切断媒体を前記一方と他方とに移動させる前後方向移動装置と、
前記カッターを前記一方を指向する方向とは直交する方向に移動させる左右方向移動装置とを備え、
前記二次元方向の一方は、前記被切断媒体を前記前後方向移動装置に装着するときの装着方向であることを特徴とするカッティングプロッタ。
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