JP6260937B2 - 溶接システム及び溶接装置 - Google Patents
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Description
溶接材料費を把握するための手段としては溶接ワイヤカウンターが市販されている。この溶接ワイヤカウンターはアナログの回転計をワイヤ送給装置のローラ回転部に取付けて回転数をカウントする機器であり、下記の計算式に基づいてワイヤの使用量を把握するとものである。
ワイヤの使用量=ワイヤ送給ローラの回転数×ワイヤ送給ローラの円周
人件費については、例えば使用済みワイヤリールをカウントすることによって仕事量を把握することもできるが、この方法は正確性に欠けるという問題がある。
また、溶接作業の形態としては溶接電源を固定配置し、溶接士毎にワイヤ送給装置を運搬してこれを溶接電源につなぎ替えることによって溶接作業を行うという形態が行われている。しかしながら、このような形態であると溶接電源からのデータでは各溶接士の仕事量を把握することができない。
すなわち、本発明は以下に記載する通りの溶接システムである。
該溶接装置に内蔵されており、溶接装置の溶接操作に関する溶接データを記録する溶接データ記録装置と、
前記溶接装置の溶接データ記録装置で記録された溶接データを収集し処理する溶接データ管理装置と
を備えた溶接システムであって、
前記溶接データ記録装置は、
溶接トーチに供給されたワイヤの量を検出するワイヤ使用量検出器と、
溶接装置の溶接電流を検出する電流検出器と、
溶接データ記録装置で記録したワイヤ使用量、溶接電流及び使用時間に関する溶接データを前記溶接データ管理装置に無線送信する無線送信機と、を備えており、
前記溶接装置及び溶接データ記録装置には溶接士に対応するIDが付されており、
前記溶接データ管理装置は、前記無線送信機から送信される前記IDに対応する溶接データをID毎に収集するデータ収集部と、収集されたデータを処理して、ID毎のワイヤ使用量、溶接電流及び使用時間に基づいて溶接士毎の仕事量及び溶接コストを管理するデータ処理部とを含む
ことを特徴とする溶接システム。
(2)前記ワイヤ使用量検出器は、ワイヤ送給ローラと同じ回転数で回転する円板であって貫通孔を有する円板と、前記円板に光を照射する装置と前記円板に設けた貫通孔の透過光を検出する装置とを有する透過型光センサとを備え、前記透過光を検出することによってワイヤ送給ローラの回転数をカウントすることを特徴とする上記(1)に記載の溶接システム。
(3)前記溶接データ記録装置は、前記ワイヤ使用量検出器によってカウントされたワイヤ送給ローラの回転数に基づいてワイヤ使用量を算出し、このワイヤ使用量についてのデータを記録することを特徴とする上記(2)に記載の溶接システム。
(4)前記電流検出器がクランプメータであり、前記溶接データ記録装置は、前記クランプメータによって検出された溶接電流値に基づいて使用電流量を算出し、この使用電流量についてのデータを記録することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の溶接システム。
(5)上記(1)に記載の溶接システムに用いる、溶接ワイヤを溶接トーチに供給して溶接を行う溶接装置であって、
該溶接装置は溶接操作に関する溶接データを記録する溶接データ記録装置を内蔵しており、
前記溶接装置及び前記溶接データ記録装置には溶接士に対応するIDが付され、
前記溶接データ記録装置は、
溶接トーチに供給されたワイヤの量を検出するワイヤ使用量検出器と、
溶接装置の溶接電流を検出する電流検出器と、
溶接データ記録装置で記録したIDに対応するワイヤ使用量、溶接電流及び使用時間に関する溶接データを無線送信する無線送信機と、
を備えており、
前記無線送信機は、前記IDに対応するワイヤ使用量、溶接電流及び使用時間に関する溶接データを、前記溶接システムの前記溶接データ管理装置に送信する無線送信機であることを特徴とする溶接装置。
図1は本発明の実施形態に係る溶接システムの構成を示す図である。
図1には溶接装置20、溶接データ記録装置30及び溶接データ管理装置40が示されている。本発明の溶接システムは溶接装置20と、これに付属する溶接データ記録装置30及び溶接データ管理装置40によって構成される。
溶接装置20は、溶接トーチ8と、溶接トーチ8にワイヤ1を供給するワイヤ送給装置10とを含む。
ワイヤ送給装置10はワイヤ1を繰り出すワイヤリール2、モーター3により駆動されてワイヤ1を溶接トーチ8に送給するワイヤ送給ローラユニット4、ワイヤ1の曲げぐせを矯正するワイヤ矯正機5、溶接トーチ8に電気を供給する電源ケーブル6を備えている。なお、7は溶接装置のフレームを示す。
溶接データ記録装置30はワイヤ送給装置10に内蔵されており、溶接装置20による溶接作業に関する情報である溶接データを記録するための装置である。
溶接データ記録装置30はマイコン31を搭載しており、溶接データの記録及び蓄積はマイコン31によって制御される。溶接データ記録装置30が備える主な構成要素を挙げると次の通りである。
ワイヤ使用量検出器35は、溶接トーチ8に送給され使用されたワイヤの使用量を検出する検出器である。ワイヤ使用量を検出する方法としては適宜の方法を採用することができる。
この検出方法としては、例えばワイヤ送給ローラの回転軸と同じ回転数で回転する円板を設け、この円板に光が透過する孔を開けておき、光学式センサで孔を透過した光を検出することでワイヤ送給ローラの回転数をカウントする方法を挙げることができる。また、前記円板はワイヤ送給ローラの回転軸と同軸に設けても良いし、異なる軸に設けて歯車機構によりワイヤ送給ローラの回転数と円板の回転数とが同じになるようにしてもよい。
得られたカウント値から下記の計算式に基づいてワイヤの使用量を算出することができる。
ワイヤの使用長さ(m)=回転数(カウント)×ワイヤ送給ローラの円周(m)
また、溶接データ記録装置ではワイヤの使用量(m)とワイヤの種類についてのデータを記録し、後述する溶接データ管理装置においてワイヤの使用質量(kg)を算出するようにしてもよい。
溶接電流検出器36は電源ケーブルに流れる溶接電流を検出するための装置である。
図1では溶接電流検出器36としてクランプメータ(架線電流計)を用いた例を示したが、これに限られるものではなく、シャント電流計等を使用してもよい。
溶接電流のデータはマイコン31に時間−電流の関係を示す電流波形として記録され、溶接電流値がある閾値以上になっている時間を積算することによりアークタイムを計測することができる。
表示器33は溶接データ記録装置30に蓄積されたデータを適宜に表示するための装置であり、溶接士及び管理者は適宜にデータを表示させて作業状況を把握することができる。
また、溶接装置20における電源状況、無線通信の状況、バッテリーの状況等についても表示できるようにしておくことが好ましい。
溶接データ記録装置30は溶接装置20に内蔵されており、溶接士は溶接装置20を作業現場に運搬して使用するものであるため、溶接データ記録装置30のための電源としてバッテリー32を備えている。
溶接データ記録装置30で記録され蓄積された溶接士毎のデータは後述する溶接データ管理装置40に送られてデータ管理、データ処理がなされる。
溶接データ記録装置30で得られたデータは無線送信機34から無線信号37によって溶接データ管理装置40に無線送信することができる。これにより、同時に多数の溶接装置20から溶接データを常時溶接データ管理装置40に送信することができる。
無線送信機としては例えば市販されているXBeeモジュール(登録商標:Digi International 社製)を用いることができる。
溶接データ管理装置40は溶接データ記録装置30から送信された各溶接装置毎(すなわち各溶接士毎)の溶接データを一括管理し、このデータを基に溶接現場における生産性の管理を行うための装置である。
溶接データ管理装置40は例えば、データ収集部41及び収集データを処理するデータ処理部42を含む。このようなデータ収集部41及びデータ処理部42を含むものとしては、例えばパーソナルコンピュータ及びタブレット端末を挙げることができる。
また、データ収集部41において過去分のデータを蓄積しておくことによって溶接作業の能率向上に役立てることができる。
溶接士4名(溶接士A、B、C及びD)に溶接装置及び溶接データ記録装置を割り当て個人識別番号(ID)として101〜104を付した。
この4名が表1に示すような日程で溶接作業を行った。
ワイヤとしてはφ1.2mmとφ1.4mmの二種類のワイヤを用いた。
ワイヤ使用量検出器としては、前記したような、ワイヤ送給ローラの回転軸と同じ回転数で回転し、貫通孔を有する円板を設け、光学式センサで透過光を検出してワイヤ送給ローラの回転数を記録した。また、ワイヤを交換する際にはその都度ワイヤ径を溶接データ記録装置にインプットした。
また、溶接データ記録装置に溶接電流を記録した。
溶接データ記録装置で得られたデータを無線送信機で溶接管理装置(PC)に送信した。
送信されたデータに基づいて溶接管理装置によって、各溶接士について、二種類のワイヤの使用質量(kg)、使用量(m)、平均電流(A)及び使用時間(分)を算出した。
結果を表1に示す。
本発明の溶接システムを使用することにより、各溶接士について、そのワイヤ使用量及び電流使用量、作業時間を把握することができた。
2 ワイヤリール
3 モーター
4 ワイヤ送給ローラユニット
5 ワイヤ矯正機
6 電源ケーブル
7 フレーム
8 溶接トーチ
10 ワイヤ送給装置
20 溶接装置
30 溶接データ記録装置
31 マイコン
32 バッテリー
33 表示器
34 無線送信機
35 ワイヤ使用量検出器
36 溶接電流検出器
37 無線信号
40 溶接データ管理装置
41 データ収集部
42 データ処理部
Claims (5)
- 溶接ワイヤを溶接トーチに供給して溶接を行う溶接装置と、
該溶接装置に内蔵されており、溶接装置の溶接操作に関する溶接データを記録する溶接データ記録装置と、
前記溶接装置の溶接データ記録装置で記録された溶接データを収集し処理する溶接データ管理装置と
を備えた溶接システムであって、
前記溶接データ記録装置は、
溶接トーチに供給されたワイヤの量を検出するワイヤ使用量検出器と、
溶接装置の溶接電流を検出する電流検出器と、
溶接データ記録装置で記録したワイヤ使用量、溶接電流及び使用時間に関する溶接データを前記溶接データ管理装置に無線送信する無線送信機と、を備えており、
前記溶接装置及び溶接データ記録装置には溶接士に対応するIDが付されており、
前記溶接データ管理装置は、前記無線送信機から送信される前記IDに対応する溶接データをID毎に収集するデータ収集部と、収集されたデータを処理して、ID毎のワイヤ使用量、溶接電流及び使用時間に基づいて溶接士毎の仕事量及び溶接コストを管理するデータ処理部とを含む
ことを特徴とする溶接システム。 - 前記ワイヤ使用量検出器は、ワイヤ送給ローラと同じ回転数で回転する円板であって貫通孔を有する円板と、前記円板に光を照射する装置と前記円板に設けた貫通孔の透過光を検出する装置とを有する透過型光センサとを備え、前記透過光を検出することによってワイヤ送給ローラの回転数をカウントすることを特徴とする請求項1に記載の溶接システム。
- 前記溶接データ記録装置は、前記ワイヤ使用量検出器によってカウントされたワイヤ送給ローラの回転数に基づいてワイヤ使用量を算出し、このワイヤ使用量についてのデータを記録することを特徴とする請求項2に記載の溶接システム。
- 前記電流検出器がクランプメータであり、前記溶接データ記録装置は、前記クランプメータによって検出された溶接電流値に基づいて使用電流量を算出し、この使用電流量についてのデータを記録することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶接システム。
- 請求項1に記載の溶接システムに用いる、溶接ワイヤを溶接トーチに供給して溶接を行う溶接装置であって、
該溶接装置は溶接操作に関する溶接データを記録する溶接データ記録装置を内蔵しており、
前記溶接装置及び前記溶接データ記録装置には溶接士に対応するIDが付され、
前記溶接データ記録装置は、
溶接トーチに供給されたワイヤの量を検出するワイヤ使用量検出器と、
溶接装置の溶接電流を検出する電流検出器と、
溶接データ記録装置で記録したIDに対応するワイヤ使用量、溶接電流及び使用時間に関する溶接データを無線送信する無線送信機と、
を備えており、
前記無線送信機は、前記IDに対応するワイヤ使用量、溶接電流及び使用時間に関する溶接データを、前記溶接システムの前記溶接データ管理装置に送信する無線送信機であることを特徴とする溶接装置。
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