以下、実施形態を図面を参照して説明を行う。
[第一実施形態]
まず、第一実施形態の概要について図1を用いて説明する。図1は、第一実施形態における自動取引装置の構成例を示す図である。
自動取引装置1は、利用者の操作により、各種取引を行う装置である。自動取引装置1としては、金融機関の店舗などに配置される現金自動預払機(ATM:Automated Teller Machine)、駅などに配置される券売機などがある。以下、特に自動取引装置1が現金自動預払機である場合について説明する。自動取引装置1は、媒体処理部2と撮影部3と判定部4と回収処理部5とを含む。
媒体処理部2は、取引の操作に基づいて、取引に係る媒体2aを排出する。取引としては、出金取引、残高照会取引、入金取引、及び振込取引などがある。取引に係る媒体2aは、取引内容や取引結果に応じて媒体処理部2が排出する排出物である。媒体2aとしては、キャッシュカード、通帳、紙幣、硬貨などがある。
撮影部3は、取引者6aの取引者画像と、取得者6bの取得者画像とを撮影する。
取引者6aは、自動取引装置1で媒体2aを排出した取引を行った利用者であり、媒体2aの持ち主(所有者)である。取得者6bは、取引者6aが行った取引により媒体処理部2が排出した媒体2aを、取得した利用者である。取得者6bは、取引者6a本人である場合と、他人(第三者)である場合とがある。
判定部4は、取得者6bが媒体2aを取得した後に、取引者画像と取得者画像とに基づいて取引者6aと取得者6bとの同一性、つまり、取得者6bが取引者6a本人であるか否かを判定する。
回収処理部5は、取引者6aと取得者6bとの同一性が無いと判定した場合には取得者6bに対して取得者6bが取得した媒体2aを回収するために媒体2aの投入を誘導する。
ここで媒体回収の流れについて説明する。自動取引装置1が取引者6aから取引の操作を受付けると、取引内容や取引結果に基づいて、媒体処理部2は、取引に係る媒体2aを排出する。媒体処理部2から排出した媒体2aは、取得者6bにより取得される。媒体2aが取得されると、判定部4は、撮影部3が撮影した取引者画像と取得者画像により媒体2aを取得した取得者6bが、取引者6a本人であるか否かを判定する。判定部4が取得者6bを取引者6a本人ではないと判定した場合には、回収処理部5は、取得者6bに対して取得者6bが取得した媒体2aを回収するために媒体2aの投入を誘導し、取得者6bから媒体2aの投入を受付けて、媒体2aを忘れ物として回収する。
このように、自動取引装置1は、他人の媒体2aを取得した取得者6bから媒体2aを回収することができる。したがって、自動取引装置1は、取得者6bが取得した他人の媒体2aの届け出の手間を軽減し、自動取引装置1周辺への媒体2aの放棄を抑止できる。
[第二実施形態]
次に第二実施形態について説明を行う。図2は、第二実施形態における自動取引システムの構成例を示す図である。
自動取引システム100は、金融機関などにおける各種取引を行うためのシステムである。自動取引システム100は、ホストコンピュータ300と、ホストコンピュータ300とネットワーク400を介して接続する自動取引装置200とを備える。
自動取引装置200は、表示部221と、カード投入/排出口231と、通帳投入/排出口241と、硬貨投入/排出口251と、紙幣投入/排出口261と、カメラ271と、利用者検知センサ281とを有する。
表示部221は、取引処理の受付画面や操作方法などを表示する。カード投入/排出口231は、キャッシュカードの投入及びキャッシュカードの排出を受付ける。通帳投入/排出口241は、通帳の投入及び通帳の排出を受付ける。硬貨投入/排出口251は、硬貨の投入及び硬貨の排出を受付ける。紙幣投入/排出口261は、紙幣の投入及び紙幣の排出を受付ける。カメラ271は、自動取引装置200の利用者の画像を撮影する。
利用者検知センサ281は、自動取引装置200に対する利用者の接近及び自動取引装置200からの利用者の離脱を検知する。利用者検知センサ281としては、赤外線センサや超音波センサなどがある。
ホストコンピュータ300は、自動取引システム100を管理する。ホストコンピュータ300は、ネットワーク400を介して、自動取引装置200と電文の送受信を行う。例えば、ホストコンピュータ300は、口座などに関する情報を保持し、自動取引装置200の取引処理などを管理する。
以下、カード投入/排出口231と、通帳投入/排出口241と、硬貨投入/排出口251と、紙幣投入/排出口261とを区別しない場合には、媒体投入/排出口として説明する。
次に、自動取引装置200のハードウェア構成について図3を用いて説明する。図3は、第二実施形態における自動取引装置のハードウェア構成例を示す図である。
自動取引装置200は、制御ユニット210と、表示ユニット220と、カード処理ユニット230と、通帳処理ユニット240と、硬貨処理ユニット250と、紙幣処理ユニット260と、撮影ユニット270と、利用者検知センサユニット280とを有する。制御ユニット210は、自動取引装置200で実行される取引処理、及び取引処理を実行する各ユニットを制御する。
表示ユニット220は、表示部221と検知部222とを有する。表示部221は、所定の画面を表示する。表示部221は、操作指示や、取引の結果などを表示する。検知部222は、利用者の入力操作を検知する。検知部222は、表示ユニット220に設置されたタッチパネルの押下げや、入力キーの押下げなどによる利用者からの入力を検知する。
カード処理ユニット230は、カード投入/排出口231からキャッシュカードを投入され、キャッシュカードを排出する。また、カード処理ユニット230は、投入されたキャッシュカードの読み取りを行う。また、カード処理ユニット230は、カード投入/排出口231から排出したキャッシュカードの取得状況をセンサなどにより監視して、排出したキャッシュカードを利用者が取得したことを検知し、その検知したことを表す取得検知通知を制御ユニット210に送信する。また、カード処理ユニット230は、忘れ物のキャッシュカードを格納するカード格納部230aを有する。
通帳処理ユニット240は、通帳投入/排出口241から通帳を投入され、通帳を排出する。また、通帳処理ユニット240は、投入された通帳の読み取り及び通帳への印字を行う。また、通帳処理ユニット240は、通帳投入/排出口241から排出した通帳の取得状況をセンサなどにより監視して、排出した通帳を利用者が取得したことを検知し、その検知したことを表す取得検知通知を制御ユニット210に送信する。また、通帳処理ユニット240は、忘れ物の通帳を格納する通帳格納部240aを有する。
硬貨処理ユニット250は、硬貨投入/排出口251から硬貨を投入され、硬貨を排出する。また、硬貨処理ユニット250は、投入された硬貨の鑑別や計数(読み取り)を行う。また、硬貨処理ユニット250は、硬貨投入/排出口251から排出した硬貨の取得状況をセンサなどにより監視して、排出した硬貨を利用者が取得したことを検知し、その検知したことを表す取得検知通知を制御ユニット210に送信する。硬貨処理ユニット250は、忘れ物の硬貨を格納する硬貨格納部250aを有する。
紙幣処理ユニット260は、紙幣投入/排出口261から紙幣を投入され、紙幣を排出する。また、紙幣処理ユニット260は、投入された紙幣の鑑別や計数(読み取り)を行う。また、紙幣処理ユニット260は、紙幣投入/排出口261から排出した紙幣の取得状況をセンサなどにより監視して、排出した紙幣を利用者が取得したことを検知し、その検知したことを表す取得検知通知を制御ユニット210に送信する。紙幣処理ユニット260は、忘れ物の紙幣を格納する紙幣格納部260aを有する。
撮影ユニット270は、カメラ271により自動取引装置200の利用者の画像を撮影し、撮影した画像を制御ユニット210に送信する。
利用者検知センサユニット280は、利用者検知センサ281により自動取引装置200に対する利用者の接近を検知し、その検知したことを表す利用者検知通知を制御ユニット210に送信する。利用者検知センサユニット280は、利用者検知センサ281により自動取引装置200からの利用者の離脱を検知し、その検知したことを表す利用者離脱通知を制御ユニット210に送信する。
制御ユニット210は、CPU(Central Processing Unit)211と、RAM(Random Access Memory)212と、HDD(Hard Disk Drive)213と、グラフィック処理部214と、通信制御部215と、入出力インタフェース216とを備えており、これらの各部はバス217で相互に接続されている。
CPU211は、RAM212、HDD213などの記憶媒体に記憶された各種プログラムを実行することにより、自動取引装置200全体を統括的に制御する。
RAM212は、CPU211に実行させるOS(Operating System)プログラム並びにアプリケーションプログラムの少なくとも一部を一時的に格納する。また、RAM212は、CPU211による処理に必要な各種情報並びにCPU211により実行される処理により発生する情報を格納する。
HDD213は、CPU211に実行させるOSプログラムやアプリケーションプログラムを格納し、CPU211によって実行される処理により発生する情報をそれぞれ記憶する。
グラフィック処理部214は、表示部221と接続する。グラフィック処理部214は、CPU211からの命令に従って所定の画面を表示部221に表示させる。通信制御部215は、通信を制御する。通信制御部215は、ネットワーク400を介して、ホストコンピュータ300との電文の送受信を制御する。
入出力インタフェース216は、検知部222と、カード処理ユニット230と、通帳処理ユニット240と、硬貨処理ユニット250と、紙幣処理ユニット260と、撮影ユニット270と、利用者検知センサユニット280とを接続する。また、入出力インタフェース216は、可搬型記憶媒体290への情報の書き込み、及び可搬型記憶媒体290からの情報の読み出しが可能な可搬型記憶媒体インタフェースと接続可能になっている。入出力インタフェース216は、バス217を介してCPU211からの制御信号を各ユニットに通知し、各ユニットからの信号をCPU211に通知する。
以下、カード処理ユニット230と、通帳処理ユニット240と、硬貨処理ユニット250と、紙幣処理ユニット260とを区別しない場合には、媒体処理ユニットとして説明する。また、カード格納部230aと、通帳格納部240aと、硬貨格納部250aと、紙幣格納部260aとを区別しない場合には、媒体格納部として説明する。
次に制御ユニット210が備える機能について図4を用いて説明する。図4は、第二実施形態における制御ユニットの機能ブロックを示す図である。
制御ユニット210は、利用者情報保持部2101と、回収対象情報保持部2102と、格納媒体情報保持部2103と、持去媒体情報保持部2104とを有する。
利用者情報保持部2101は、自動取引装置200で媒体を排出する取引を実行した利用者と、媒体を排出した自動取引装置200の現在の利用者とに関する利用者情報を保持する。
ここで利用者情報保持部2101が保持する利用者情報について図5を用いて詳細に説明する。図5は、第二実施形態における利用者情報の一例を示す図である。
利用者情報2101aは、一連の取引における利用者に関する情報である。利用者情報2101aは、取引者識別情報と、取引者画像と、取得者候補画像との項目を含む。
取引者識別情報は、取引者を識別可能な識別情報である。取引者は、自動取引装置200で媒体を排出する取引を行った利用者であり、媒体の所有者である。取引者識別情報としては、口座番号、利用者の名前などがある。
取引者画像は、取引者の画像である。取引者画像は、自動取引装置200が投入された媒体から取引者識別情報を取得したタイミングで撮影される。なお、取引者画像の撮影タイミングは上記タイミングに限らない。取引者画像の撮影タイミングは、取引者の画像を撮影できるタイミングであればよく、例えば、取引中の任意のタイミングで撮影してもよい。
取得者候補画像は、自動取引装置200が排出した取引者の媒体を取得する取得者候補の画像である。取得者候補は、媒体を排出した自動取引装置200の現在の利用者、すなわち、排出中の媒体を取得する可能性がある利用者である。
取得者候補画像は、利用者が入れ替わったと自動取引装置200が検知した場合に、その都度、撮影される。自動取引装置200は、利用者検知センサ281が自動取引装置200から利用者の離脱を検知した後、自動取引装置200への利用者の接近を検知した場合に、利用者が入れ替わったと検知する。なお、排出中の媒体が取得された際に利用者情報に設定されている取得者候補画像は、自動取引装置200により取得者画像として取得される。
利用者情報2101aは、取引者識別情報「154578」、取引者画像「123.jpg」、取得者候補画像「213.jpg」である情報を備える。これは、「154578」の識別情報に識別される取引者の画像が「123.jpg」であり、自動取引装置200の現在の利用者の画像が「213.jpg」であることを示す。図4に戻って説明を続ける。
回収対象情報保持部2102は、第三者に取得された回収の対象である媒体に関する回収対象情報を保持する。ここで回収対象情報保持部2102が保持する回収対象情報について図6を用いて詳細に説明する。図6は、第二実施形態における回収対象情報の一例を示す図である。
回収対象情報2102aは、回収対象の項目を含む。回収対象は、回収する対象であり、第三者に取得された媒体である。回収対象の項目には、取引者以外の第三者に取得された媒体の内容が設定される。媒体の内容としては、媒体の種別(キャッシュカード、通帳)や、具体的な金額(排出した硬貨の額、排出した紙幣の額)などがある。
回収対象情報2102aは、回収対象「4000円」、「キャッシュカード」である情報を備える。これは、回収対象が「4000円」と「キャッシュカード」であることを示す。図4に戻って説明を続ける。
格納媒体情報保持部2103は、媒体格納部に忘れ物として格納した媒体に関する格納媒体情報を保持する。ここで格納媒体情報保持部2103が保持する格納媒体情報について図7を用いて詳細に説明する。図7は、第二実施形態における格納媒体情報の一例を示す図である。
格納媒体情報2103aは、所有者識別情報と、格納媒体との項目を含む。所有者識別情報は、媒体の所有者を識別可能な情報である。所有者識別情報としては、口座番号、利用者の名前などがある。格納媒体は、忘れ物として媒体格納部に格納した媒体の内容である。
格納媒体情報2103aは、所有者識別情報「548795」、格納媒体「カード」、「3000円」である情報を備える。これは、媒体格納部に「548795」の識別情報で識別される所有者の「カード」と「3000円」が格納されていることを示す。図4に戻って説明を続ける。
持去媒体情報保持部2104は、第三者に持去られた媒体に関する持去媒体情報を保持する。ここで持去媒体情報保持部2104が保持する持去媒体情報について図8を用いて詳細に説明する。図8は、第二実施形態における持去媒体情報の一例を示す図である。
持去媒体情報2104aは、所有者識別情報と、所有者画像と、持去者画像と、持去媒体と、持去時刻との項目を含む。所有者画像は、媒体の所有者の画像である。持去者画像は、持去者(媒体を持去った利用者)の画像である。持去媒体は、持去られた媒体の内容である。持去時刻は、持去られた時刻を特定可能な情報である。
持去媒体情報2104aは、所有者識別情報「154578」、所有者画像「123.jpg」、持去者画像「213.jpg」、持去媒体「通帳」、持去時刻「12:00」である情報を備える。これは、「213.jpg」の画像の利用者(持去者)が、識別情報が「154578」で「123.jpg」の画像の利用者(所有者)の「通帳」を「12:00」に持去ったことを示す。図4に戻って説明を続ける。
また制御ユニット210は、媒体処理部2105と、センサ処理部2106と、撮影部2107と、通信部2108と、取引制御部2109と、第三者取得判定部2110と、第三者取得媒体回収処理部2111とを有する。
媒体処理部2105は、媒体処理ユニットを制御して媒体投入/排出口から媒体の投入を受付け、媒体を排出する。媒体処理部2105は、媒体処理ユニットを制御して、媒体投入/排出口から投入された媒体を読み取って、媒体に関する媒体情報を取得する。媒体情報としては、媒体の内容(媒体種別や具体的な金額など)や、媒体の所有者情報(口座番号など)などがある。
媒体処理部2105は、媒体投入/排出口から排出した媒体を利用者が取得したことを媒体処理ユニットがセンサなどにより監視して検知すると、その検知したことを表す取得検知通知を媒体処理ユニットから受付ける。取得検知通知には、取得した媒体の内容(媒体の種別や具体的な金額など)が含まれる。媒体処理部2105は、媒体処理ユニットを制御して、忘れ物の媒体を媒体格納部に格納する。
センサ処理部2106は、利用者検知センサユニット280が利用者検知センサ281により自動取引装置200への利用者の接近を検知すると、その検知したことを表す利用者検知通知を利用者検知センサユニット280から受付ける。また、センサ処理部2106は、利用者検知センサユニット280が利用者検知センサ281により自動取引装置200からの利用者の離脱を検知すると、その検知したことを表す利用者離脱通知を利用者検知センサユニット280から受付ける。
撮影部2107は、撮影ユニット270を制御して、カメラ271に画像を撮影させ、撮影した画像を取得する。通信部2108は、ホストコンピュータ300との通信を制御する。取引制御部2109は、自動取引装置200で行われる取引処理を統括的に制御する。
第三者取得判定部2110は、媒体処理部2105が取得検知通知を受付けると、利用者情報を参照して、取引者と媒体を取得した取得者との同一性を判定することにより、媒体が取引者以外の第三者により取得されたか否かを判定する。
第三者取得媒体回収処理部2111は、媒体を取得した第三者から媒体を回収するために第三者に対して媒体の投入を誘導し、媒体投入/排出口への媒体の投入を第三者から受付けて、媒体を媒体格納部に格納する。
次に自動取引装置200で実施される取引について図9を用いて説明する。図9は、第二実施形態における出金処理のフローチャートである。
出金処理は、検知部222が利用者の出金取引の開始指示を検知した場合に行われる処理である。
[ステップS10]媒体処理部2105は、カード処理ユニット230を制御して、カード投入/排出口231からキャッシュカードの投入を受付ける。
[ステップS11]媒体処理部2105は、カード処理ユニット230を制御して、キャッシュカードから口座情報を取得する。
[ステップS12]撮影部2107は、撮影ユニット270を制御して、取引者画像を取得する。
[ステップS13]取引制御部2109は、口座情報(取引者識別情報)と取引者画像とに基づいて利用者情報を更新する。
[ステップS14]取引制御部2109は、検知部222が検知した利用者が入力した暗証番号を取得する。
[ステップS15]取引制御部2109は、検知部222が検知した利用者が入力した出金金額を取得する。
[ステップS16]取引制御部2109は、通信部2108を介してホストコンピュータ300に取引内容を通信し、ホストコンピュータ300から許可電文または拒否電文を受付ける。
[ステップS17]取引制御部2109は、ホストコンピュータ300から許可電文を受付けたか否かを判定する。取引制御部2109がホストコンピュータ300から許可電文を受付けたと判定した場合にはステップS18にすすみ、ホストコンピュータ300から拒否電文を受付けたと判定した場合にはステップS19にすすむ。
[ステップS18]媒体処理部2105は、硬貨処理ユニット250及び紙幣処理ユニット260を制御して、各投入/排出口から出金金額に応じた紙幣及び硬貨を鑑別/計数し排出する。媒体処理部2105は、カード処理ユニット230を制御して、カード投入/排出口231からキャッシュカードを排出する。
[ステップS19]媒体処理部2105は、カード処理ユニット230を制御して、カード投入/排出口231からキャッシュカードを排出する。
[ステップS20]制御ユニット210は、排出した媒体を監視する排出媒体監視処理を実行し、出金処理を終了する。排出媒体監視処理については、図10を用いて詳細に説明する。
図10は、第二実施形態における排出媒体監視処理のフローチャートである。
[ステップS31]取引制御部2109は、媒体を排出中の自動取引装置200から利用者が離脱したか否かを判定する。取引制御部2109は、センサ処理部2106が利用者離脱通知を受付けた場合には、媒体を排出中の自動取引装置200から利用者が離脱したと判定する。取引制御部2109は、媒体を排出中の自動取引装置200から利用者が離脱したと判定した場合にはステップS33にすすみ、媒体を排出中の自動取引装置200から利用者が離脱していないと判定した場合にはステップS32にすすむ。
[ステップS32]撮影部2107は、撮影ユニット270を制御して、自動取引装置200の現在の利用者の画像を撮影して、取得者候補画像を取得する。取引制御部2109は、撮影部2107が取得した取得者候補画像に基づいて利用者情報を更新する。
[ステップS33]取引制御部2109は、媒体を排出中の自動取引装置200から利用者が離脱したか否かを判定する。取引制御部2109は、媒体を排出中の自動取引装置200から利用者が離脱したと判定した場合にはステップS34にすすみ、媒体を排出中の自動取引装置200から利用者が離脱していないと判定した場合にはステップS37にすすむ。
[ステップS34]取引制御部2109は、センサ処理部2106が利用者離脱通知を受付けてから所定時間経過したか否かを判定する。取引制御部2109が、センサ処理部2106が利用者離脱通知を受付けてから所定時間経過したと判定した場合にはステップS44にすすみ、所定時間経過していないと判定した場合にはステップS35にすすむ。
[ステップS35]取引制御部2109は、利用者検知センサユニット280が利用者を検知したか否かを判定する。取引制御部2109は、センサ処理部2106が利用者接近通知を受付けた場合には、利用者検知センサユニット280が利用者を検知したと判定する。取引制御部2109が、利用者検知センサユニット280が利用者を検知したと判定した場合にはステップS36にすすむ。取引制御部2109は、利用者検知センサユニット280が利用者を検知していないと判定した場合にはステップS34にもどり、利用者を検知または所定時間経過するまでステップS34、S35の処理をおこなう。
[ステップS36]撮影部2107は、撮影ユニット270を制御して、自動取引装置200の現在の利用者の画像を撮影して、取得者候補画像を取得する。取引制御部2109は、撮影部2107が取得した取得者候補画像に基づいて利用者情報を更新する。
[ステップS37]取引制御部2109は、自動取引装置200が排出中の媒体を利用者が取得したか否かを判定する。取引制御部2109は、媒体処理部2105が取得検知通知を媒体処理ユニットから受付けた場合には、排出中の媒体を利用者が取得したと判定する。取引制御部2109は、自動取引装置200が排出中の媒体を利用者が取得したと判定した場合にはステップS38にすすみ、自動取引装置200が排出中の媒体を利用者が取得していないと判定した場合にはステップS43にすすむ。
[ステップS38]第三者取得判定部2110は、利用者情報を参照して取得者候補画像(現在の利用者の画像)を、取得者画像として取得する。
[ステップS39]第三者取得判定部2110は、媒体を取得した取得者が、取引者本人であるか否かを判定する。第三者取得判定部2110は、利用者情報を参照し、ステップS36で取得した取得者画像(利用者情報の取得者候補画像)と利用者情報の取引者画像とに基づいて、取得者が取引者本人であるか否か(取引者と取得者の同一性)を判定する。第三者取得判定部2110が、取得者を取引者本人であると判定した場合にはステップS40にすすみ、取得者を取引者本人でない(取得者が取引者以外の第三者である)と判定した場合にはステップS41にすすむ。
[ステップS40]取引制御部2109は、排出中の媒体が媒体投入/排出口に存在するか否かを判定する。取引制御部2109は、媒体処理部2105が媒体を排出させた媒体処理ユニットの全てから取得検知通知を受付けた場合には、排出中の媒体が媒体投入/排出口に存在しないと判定する。取引制御部2109は、排出中の媒体が媒体投入/排出口に存在すると判定した場合にはステップS43にすすみ、排出中の媒体が媒体投入/排出口に存在しないと判定した場合にはステップS46にすすむ。
[ステップS41]第三者取得媒体回収処理部2111は、媒体処理部2105がステップS37で受付けた取得検知通知に含まれる媒体の内容に基づいて回収対象情報を更新する。例えば、取得検知通知として、取引者が4000円とキャッシュカードを取得したことの通知を受付けた場合、第三者取得媒体回収処理部2111は、回収対象情報の回収対象の項目に4000円及びキャッシュカードを設定する。
なお、自動取引装置200は、排出時(S18、S19)に排出した媒体情報を記憶しておき、取得検知通知に含まれる媒体の内容に替えて記憶した媒体情報を回収対象情報の更新に用いることもできる。
[ステップS42]制御ユニット210は、媒体を取得した第三者に対して媒体を回収するために媒体の投入を誘導して、取得者が取得した取引者の媒体を回収する第三者取得媒体回収処理を実行する。第三者取得媒体回収処理については後で図11を用いて詳細に説明する。
[ステップS43]取引制御部2109は、媒体を排出してから所定時間経過したか否かを判定する。取引制御部2109が、媒体を排出してから所定時間経過したと判定した場合にはステップS44にすすみ、所定時間経過していないと判定した場合にはステップS33にすすむ。
[ステップS44]媒体処理部2105は、媒体処理ユニットを制御して、排出/投入口から排出中の媒体を吸引し、媒体情報を読み取って、媒体を媒体格納部に格納する。
[ステップS45]取引制御部2109は、取引者識別情報と、読み取った媒体の媒体情報を用いて格納媒体情報を更新する。なお、自動取引装置200は、排出時(S18、S19)に排出した媒体の媒体情報を記憶しておき、読み取った媒体の媒体情報に替えて記憶した媒体情報を格納媒体情報の更新に用いることもできる。
[ステップS46]取引制御部2109は、利用者情報をクリアして、排出媒体監視処理を終了する。
これによれば、自動取引装置200は、自動取引装置200から排出された取引者の媒体が第三者によって取得された場合(S39、No)には、第三者取得媒体回収処理を行う。したがって、取得者の媒体を取得した第三者は、取得した媒体を忘れ物として届け出る際、第三者取得媒体回収処理の誘導に沿って、取得した媒体を投入すればよく、係員へ届け出る必要がなくなる。これにより、自動取引装置200は、第三者による取引者の媒体の届け出の手間を軽減し、自動取引装置200周辺への媒体の放棄を抑止できる。
また、自動取引装置200は、利用者が長時間離脱した場合(S34、Yes)に、排出中の媒体を媒体格納部に格納する。したがって、自動取引装置200は、媒体が媒体投入/排出口で排出された状態のまま放置されるのを抑止できる。
なお、自動取引装置200は、利用者の入れ替わりを検知する度に、利用者の画像を取得者候補画像として取得しておき、取得検知通知を受付ける(取得者が確定する)と、取得者候補画像を取得者画像として取得すると説明したがこれに限らない。
例えば、自動取引装置200は、媒体処理部2105が取得検知通知を媒体処理ユニットから受付けたタイミング(取得者が確定したタイミング)で、撮影部2107に撮影させて取得者画像を取得することもできる。
しかしながら、取得者は、放置された媒体を持去る場合、カメラ271などから顔を隠すなど証拠が残らないように行動する場合がある。したがって、自動取引装置200は、媒体処理部2105が取得検知通知を媒体処理ユニットから受付けたタイミング(取得者が確定したタイミング)で撮影部2107に撮影させると、適切な(取得者を特定可能な)取得者画像を取得できない場合がある。
一方で、通常、取得者は、自動取引装置200に接近する段階では、取引者の媒体が媒体投入/排出口に放置されていることを知らない。そのため、自動取引装置200は、利用者の入れ替わりを検知する度に、予め取得者候補画像として取得しておくことで、取得者が放置された媒体を見つけた後にカメラ271などから顔を隠して媒体を持去ったとしても、適切な取得者画像を取得できる。
次に第三者取得媒体回収処理について図11を用いて説明する。図11は、第二実施形態における第三者取得媒体回収処理のフローチャートである。
[ステップS51]取引制御部2109は、排出中の媒体が媒体投入/排出口に存在するか否かを判定する。取引制御部2109は、媒体処理部2105が媒体を排出させた媒体処理ユニットの全てから取得検知通知を受付けた場合には、排出中の媒体が媒体投入/排出口に存在しないと判定する。取引制御部2109は、排出中の媒体が媒体投入/排出口に存在すると判定した場合にはステップS52にすすみ、排出中の媒体が媒体投入/排出口に存在しないと判定した場合にはステップS54にすすむ。
[ステップS52]媒体処理部2105は、媒体処理ユニットを制御して、排出/投入口から排出中の媒体を吸引し、媒体情報を読み取って、媒体を媒体格納部に格納する。
[ステップS53]取引制御部2109は、取引者識別情報と、読み取った媒体の媒体情報を用いて格納媒体情報を更新する。なお、自動取引装置200は、排出時(S18、S19)に排出した媒体の媒体情報を記憶しておき、読み取った媒体の媒体情報に替えて記憶した媒体情報を格納媒体情報の更新に用いることもできる。
[ステップS54]第三者取得媒体回収処理部2111は、回収対象情報を参照し、回収対象に応じた誘導画面を表示部221に表示する。ここで誘導画面については図12を用いて説明する。図12は、第二実施形態における誘導画面の一例を示す図である。
誘導画面500は、キャッシュカードと紙幣の回収を誘導する画面であり、回収対象情報に回収対象としてキャッシュカードと紙幣が設定されている場合に表示される画面である。誘導画面500は、キャッシュカード回収誘導表示領域501と紙幣回収誘導表示領域502とを含む。キャッシュカード回収誘導表示領域501は、キャッシュカードの回収の誘導表示を表示する領域である。紙幣回収誘導表示領域502は、紙幣の回収の誘導表示を表示する領域である。
誘導画面510は、キャッシュカードの回収を誘導する画面であり、回収対象情報に回収対象としてキャッシュカードが設定されている場合に表示される画面である。誘導画面500は、キャッシュカード回収誘導表示領域511を含む。
自動取引装置200は、このように回収対象に応じた誘導画面で取得者に対して媒体の投入を誘導することで、取得者が取得した媒体の媒体投入/排出口への適切な投入を誘導し、誤投入を抑止できる。図11に戻って説明を続ける。
[ステップS55]第三者取得媒体回収処理部2111は、媒体が持去られたか否かを判定する。第三者取得媒体回収処理部2111は、センサ処理部2106が利用者離脱通知を受付けた場合には媒体が持去られたと判定する。第三者取得媒体回収処理部2111は、媒体が持去られたと判定した場合にはステップS56にすすみ、媒体が持去られていないと判定した場合にはステップS58にすすむ。
[ステップS56]第三者取得媒体回収処理部2111は、回収対象情報と利用者情報とを参照して、持去媒体情報を更新する。第三者取得媒体回収処理部2111は、回収対象情報の回収対象を持去媒体の項目に設定する。第三者取得媒体回収処理部2111は、利用者情報の取引者識別情報を所有者識別情報の項目に、利用者情報の取引者画像を所有者画像の項目に、利用者情報の取得者候補画像を持去者画像の項目に設定する。また、第三者取得媒体回収処理部2111は、現在の時刻を持去時刻の項目に設定する。
[ステップS57]第三者取得媒体回収処理部2111は、回収対象情報をクリアして、第三者取得媒体回収処理を終了する。
[ステップS58]媒体処理部2105は、回収対象情報の回収対象に基づいて、対応する媒体処理ユニットを制御し、媒体排出/投入口への回収対象となる全ての媒体の投入を受付け、受付けた媒体を吸引させる。
[ステップS59]媒体処理部2105は、媒体処理ユニットを制御して、投入された媒体を読み取り、回収対象となる全ての媒体から媒体情報を取得する。
例えば、媒体が通帳またはキャッシュカードである場合、媒体処理部2105は、当該媒体から媒体の取引者識別情報(口座番号、利用者名など)を含む媒体情報を取得する。一方、媒体が硬貨または紙幣である場合、媒体処理部2105は、当該媒体から媒体の取引者識別情報を含まない媒体情報を取得する。
[ステップS60]第三者取得媒体回収処理部2111は、取得した媒体情報に媒体の取引者識別情報が含まれているか否かを判定する。第三者取得媒体回収処理部2111が、取得した媒体情報に媒体の取引者識別情報が含まれていると判定した場合にはステップS61にすすみ、取得した媒体情報に媒体の取引者識別情報が含まれていないと判定した場合にはステップS63にすすむ。
[ステップS61]第三者取得媒体回収処理部2111は、利用者情報を参照して、回収対象として投入された媒体から取得した取引者識別情報と、利用者情報の取引者識別情報とを照合する。
[ステップS62]第三者取得媒体回収処理部2111は、回収対象として投入された媒体から取得した取引者識別情報と、利用者情報の取引者識別情報とが一致するか否かを判定する。
第三者取得媒体回収処理部2111が、回収対象として投入された媒体から取得した取引者識別情報と、利用者情報の取引者識別情報とが一致すると判定した場合には、取得者が取得した取引者の媒体が投入されたと判定してステップS63にすすむ。
一方、第三者取得媒体回収処理部2111が、回収対象として投入された媒体から取得した取引者識別情報と、利用者情報の取引者識別情報とが一致しないと判定した場合には、誤って取得者の媒体等が投入されたと判定してステップS65にすすむ。
[ステップS63]第三者取得媒体回収処理部2111は、媒体の回収の承諾の入力を受付ける媒体回収承諾画面を表示部221に表示して、取得者からの承諾または不承諾の入力を受付ける。
[ステップS64]第三者取得媒体回収処理部2111は、検知部222が媒体回収の承諾の入力を受付けたか否かを判定する。第三者取得媒体回収処理部2111は、検知部222が媒体回収の承諾の入力を受付けたと判定した場合にはステップS66にすすみ、媒体回収の不承諾を受付けたと判定した場合にはステップS65にすすむ。
[ステップS65]媒体処理部2105は、媒体処理ユニットを制御して、媒体処理ユニットに回収対象として投入された媒体を媒体投入/排出口から排出して媒体を取得者に返却し、ステップS54にもどる。
[ステップS66]媒体処理部2105は、媒体処理ユニットを制御して、媒体処理ユニットに投入された媒体を媒体格納部に格納する。
[ステップS67]第三者取得媒体回収処理部2111は、利用者情報と、ステップS59で取得した媒体情報に基づいて、格納媒体情報を更新する。そして、第三者取得媒体回収処理部2111は、回収対象情報をクリアして、第三者取得媒体回収処理を終了する。
このように、自動取引装置200は、投入された媒体の取引者識別情報と、利用者情報の取引者識別情報とが一致するか否かを判定して媒体格納部に回収するため、誤って投入された取引者の媒体を媒体格納部に格納するのを抑止できる。
また、自動取引装置200は、取得者候補画像を取得者画像として取得して、持去媒体情報の持去者画像に設定することにより、取得したタイミングで撮影した取得者画像を持去者画像に設定する場合よりも適切な画像を設定でき、持去者の特定精度を向上できる。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合には、自動取引装置1、200が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(可搬型記録媒体を含む)に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、CD−R/RW(Compact Disk−Recordable/ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto Optical disk)などがある。
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
なお、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成及び応用例に限定されるものではない。