JP6257362B2 - 鉄鋼精錬用副資材 - Google Patents

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Description

本発明は、溶銑の脱硫反応を促進するための鉄鋼精錬用副資材に関する。
現在、溶銑の脱硫剤として酸化カルシウム(石灰)が広く用いられている。また、石灰による溶銑の脱硫反応を促進するために、アルミ灰からなる鉄鋼精錬用副資材が石灰と併用して用いられている。
アルミ灰は、例えばアルミ原料を溶解したときに溶湯表面に生じる酸化物層などから得られる。この酸化物層はアルミドロスと呼ばれており、金属アルミニウム(M.Al)を質量百分率にして60〜70wt%程度含有している。アルミドロスからアルミ灰を得る場合は、金属アルミニウムの回収プロセスによって金属アルミニウムを回収した後に残る残灰として回収することもある。ここで、鉄鋼精錬用副資材としてのアルミ灰は、溶銑の脱硫反応を有効に促進するために、金属アルミニウムを質量百分率にして30wt%程度含有している。
特許文献1は、このようなアルミ灰を開示している。
特許文献1に開示のアルミ灰は、溶銑の脱硫剤に添加されるアルミ灰であって、酸化アルミニウム及び金属アルミニウムを含み、かつ、硫黄の含有量が0.05質量%以下、塩素の含有量が0.5質量%以下であることを特徴とするものである。
特開2006−283083号公報
従来、アルミ灰を鉄鋼精錬用副資材として用いる際には、金属アルミニウムの含有量がある程度含まれていることが望ましく、例えば金属アルミニウムの含有量10wt%程度となると、アルミ灰を脱硫剤として用いることは困難であると考えられてきた。そこで、上述したような特許文献1に開示のアルミ灰では、脱硫反応を促進させることを目的として金属アルミニウムの含有量が20wt%以上であることが好ましいとされており、一般的なアルミ灰には、金属アルミニウムが30wt%程度残されている。
つまり、本来なら回収可能な金属アルミニウムがアルミ灰に残されているため、金属アルミニウムの回収プロセスにおける回収効率が低くなってしまうという問題が生じる。
また、従来の金属アルミニウムを多く含むアルミ灰には、保管時に自然発火する懸念があり、保管の際の安全確保に留意する必要があった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、溶銑の脱硫効果を発揮しつつ、保管の際に発火する危険性が低い鉄鋼精錬用副資材を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明は、以下の技術的手段を採用した。
本発明に係る鉄鋼精錬用副資材は、石灰と共に溶銑に供給されて、前記溶銑における脱硫反応を促進するための鉄鋼精錬用副資材であって、含有する窒化アルミニウムの量が、重量百分率にして20wt%以上であることを特徴とする。
ここで、含有する金属アルミニウムの量が、10wt%以下であるとよい。
ここで、含有する二酸化ケイ素の量が、2wt%以下であるとよい。
また、上述の鉄鋼精錬用副資材は、アーク炉で処理されたアルミニウムドロスから製造されるとよい。
さらに、前記含有する金属アルミニウムの量が、0wt%以上10wt%以下であり、且つ、含有する酸化アルミニウムの量が、80wt%以下であるとよい。
本発明にかかる鉄鋼精錬用副資材の最も好ましい形態は、石灰と共に溶銑に供給されて、前記溶銑における脱硫反応を促進するための鉄鋼精錬用副資材であって、含有する窒化アルミニウムの量が、重量百分率にして20wt%以上であり、含有する金属アルミニウムの量が、10wt%以下であることを特徴とする。
本発明の鉄鋼精錬用副資材によれば、溶銑の脱硫効果を発揮しつつ、保管の際に発火する危険性が低くなる。
本実施形態による鉄鋼精錬用副資材の脱硫促進効果を示すグラフを示す図である。 本発明の実施形態で説明するアーク炉の内部の構成を示す断面を模式的に示す図である。
図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。従って、本発明の技術的範囲は、本実施形態に開示内容に限定されるものではない。
以下、本実施形態による鉄鋼精錬用副資材について説明する。
本実施形態による鉄鋼精錬用副資材は、溶銑の精錬工程における脱硫処理に用いられるものである。溶銑中の硫黄Sを取り除く脱硫処理では、溶銑に石灰(CaO、酸化カルシウム)が投入(添加)される。添加された石灰中のカルシウム(Ca)は、次の式(1)に示す化学反応式に従って溶銑中の硫黄Sと結合し、溶銑中から硫黄Sが回収(脱硫)される。
Figure 0006257362
この石灰の添加と同時に、又は予め石灰と混合されて、式(1)による脱硫反応を促進するための鉄鋼精錬用副資材が溶銑に投入(添加)される。従来の鉄鋼精錬用副資材としては、上述の特許文献1に開示されたような金属アルミニウムを、例えば重量百分率(wt%)にして30wt%程度含んだアルミ灰が用いられている。添加された金属アルミニウムは、次の式(2)に示す化学反応式(脱硫反応)に従って、石灰(CaO)から酸素Oを離脱させ(脱酸反応)、カルシウムCaと溶銑中の硫黄Sとの結合(脱硫)を促進する。
Figure 0006257362
このように、石灰に対する金属アルミニウムの脱酸反応を利用した鉄鋼精錬用副資材が、従来から用いられてきたが、本願発明の発明者らは、少なくとも溶銑中において、窒化アルミニウム(AlN)が、金属アルミニウムと同等の脱酸反応(脱酸効果)を石灰(CaO)に対して発揮することを、研究を通して知見するに至った。
溶銑中への石灰の添加と同時又は添加直後に、窒化アルミニウムを鉄鋼精錬用副資材として溶銑に投入(添加)すると、添加された窒化アルミニウムは、次の式(3)に示す化学反応式に従って、石灰(CaO)から酸素Oを離脱させ(脱酸)、カルシウムCaと溶銑中の硫黄Sとの結合(脱硫)を促進する。
Figure 0006257362
このように、鉄鋼精錬用副資材として窒化アルミニウム(AlN)を用いることができる。鉄鋼精錬用副資材としての窒化アルミニウムに対しては、その純度は問わない。窒化アルミニウムの純度が100%又は100%に近い試薬を用いれば好ましいが、式(3)に示す脱硫反応は、重量百分率にして数十wt%程度(例えば、20wt%以上)の窒化アルミニウムを含む物質を鉄鋼精錬用副資材として用いることで、脱硫反応は十分に促進される。
図1は、本実施形態による鉄鋼精錬用副資材の脱硫促進効果を表すグラフを示す。図1のグラフは、溶銑中における硫黄Sの濃度の経時変化について、石灰(CaO)単体を脱硫剤として溶銑に投入した場合を白丸で示し、本実施形態による鉄鋼精錬用副資材と石灰との混合物であって、鉄鋼精錬用副資材を5.0wt%含有する脱硫剤を溶銑に投入した
場合を黒丸で示している。
図1のグラフを参照して、脱硫処理時間0分(min)である脱硫剤の投入直後は、石灰単体の場合も混合物の場合も、溶銑中の硫黄Sの濃度が300ppm前後である。その後、脱硫処理時間10分の時点では、石灰単体の場合に硫黄Sの濃度が約150ppmまで低下しているが、混合物の場合、硫黄Sの濃度は、石灰単体の場合より非常に低い約10ppmにまで低下している。
つまり、本実施形態による鉄鋼精錬用副資材を含有する脱硫剤を用いれば、鉄鋼精錬用副資材を含有しない場合と比較して脱硫反応の速度が数倍に促進されることがわかる。
ここで、数十wt%程度の窒化アルミニウムを含む鉄鋼精錬用副資材の一例として、アーク炉灰について説明する。
アーク炉灰は、例えば図2に示す電気炉であるアーク炉1を用いて処理された周知のアルミニウムドロス(アルミドロス)から金属アルミニウムを回収することで製造される残灰であり、窒化アルミニウム(AlN)を含んでいる。図2のアーク炉1は、炉体の内部に挿入された炭素電極(陰極及び陽極)2a,2b間に通電してアークを発生させ、このアークによる熱で炉体内部のアルミ原料を加熱、溶解する炉である。溶解したアルミ原料から、溶湯3及びその溶湯3の上に堆積するアーク炉灰4が生じる。
なお、アーク炉灰4には鉄鋼精錬用副資材としての使用に適した粒径が存在し、このアーク炉灰4の粒径については篩分けによって測定することができる。例えば、公称目開き10mmの篩(金属製網ふるい、JIS8801−1に準拠)でふるった際に、篩いを通過した篩い下のアーク炉灰4は、粒径が10mm以下のアーク炉灰4であると定義することができる。
本発明の鉄鋼精錬用副資材として使用するアーク炉灰4の粒径(粒度)は、脱硫能等の観点から、12mm以下が好ましく、さらには、3.5mm以下が好ましい。 以下に、鉄鋼精錬用副資材としてのアーク炉灰を、脱硫能及び着火性について評価した結果を説明する。
成分の含有比率が異なるアーク炉灰を複数用意し、脱硫能及び着火性について評価した。アーク炉灰の成分の含有比率の分析は、主に、アーク炉灰中に含まれるアルミニウムAlの総量WAl(wt%)、金属アルミニウム(M.Al)の量WM.Al(wt%)、窒化アルミニウム(AlN)の量、及び酸化アルミニウム(Al)の量WAl2O3(wt%)に注目して行った。
まず、アーク炉灰全体からICP発光分析によってアルミニウム(Al)の総量WT.Alを測定した。次に、金属アルミニウム(M.Al)の量WM.Al(wt%)を、臭素メタノール分解−ICP発光分析法によって検出した。さらに、臭素メタノール分解した残渣中のN分を、中和適定法を用いて測定し、検出した窒素Nの量Wは、全て窒化アルミニウム(AlN)に由来するものと仮定した。アルミニウム(Al)の総量WT.Alから金属アルミニウム(M.Al)量と窒化アルミニウム(AlN)中のAl量を除いたものが、酸化アルミニウム(Al)のAlの量であると仮定した。
これら仮定に基づいた次式(4)によって、酸化アルミニウム(Al)の量WAl2O3を計算した。
Figure 0006257362
続いて、本実施形態による鉄鋼精錬用副資材(副資材)として、実施例1〜実施例7に示した5種類のアーク炉灰と実施例8に示したAlN試薬を用いて、脱硫能を評価した。これら実施例1〜8とともに、比較例1〜4についても脱硫能を評価し、得られた評価結果は、次の表1に示す通りである。
以下の実施例1〜8で用いた副資材の粒径(粒度)は、アーク炉灰、アルミ灰とも3.35mm以下である。
Figure 0006257362
実施例1〜実施例8の鉄鋼精錬用副資材は、含有する窒化アルミニウム(AlN)の量が20wt%以上となるように調整されたものである。特に、実施例1〜実施例7の鉄鋼精錬用副資材は、含有する窒化アルミニウムの量が20wt%以上50wt%以下のアーク炉灰であり、実施例8の鉄鋼精錬用副資材は、含有する窒化アルミニウムの量が100wt%のAlN試薬である。
含有する金属アルミニウム(M.Al)の量については、実施例1〜実施例8の鉄鋼精錬用副資材において、ほぼ0wt%以上10wt%以下となるように調整されている。含有する酸化アルミニウム(Al)の量は、30wt%以上80wt%以下であると望ましいが、実施例1〜実施例7の鉄鋼精錬用副資材では、ほぼ40wt%〜50wt%の値となるように調整されている。
本発明においては、AlNが20wt%以上含有されていればよいので、100wt%AlNを用いても良いが、通常の副資材をベースにAlNの含有量を調整することで、AlN:20wt%以上にして用いれば良い。通常の副資材はAl:20〜80wt%、M.Al:10〜50wt%、AlN:20wt%以下、SiO:10wt%以下、MgO:15wt%以下、を主として90wt%以上含有するものであり、その他、不可避的にMnO、KO、NaO等を微量含む。
表1に示す評価は、次の条件で行われた。炭素濃度[C]=4.2〜4.6wt%、ケイ素濃度[Si]=0.3〜0.8wt%、マンガン濃度[Mn]=0.1〜0.4wt%、リン濃度[P]=0.1〜0.2wt%、硫黄濃度[S]=0.025〜0.035wt%の溶銑300kgを溶解炉で溶解し、石灰(CaO)に対して、表1の実施例1〜7に示す副資材中成分(Al、AlN、M.Al)を含む本実施形態による鉄鋼精錬用副資材
を混合した脱硫剤を、3.0kg(10kg/溶銑ton)投入した。このとき、石灰と副資材の配合比率は、表1の実施例1〜7に示す配合率のとおりである。
溶銑に脱硫剤を投入した後、例えば、特開2011−256445号の特許公開公報に開示される、攪拌羽を用いた機械攪拌方式によって脱硫を開始し、1350℃で10分間処理した後の溶銑中の硫黄濃度[S]をサンプリングした。
表1は、この硫黄濃度[S]のサンプリング結果が、20ppm未満の濃度を示しているか否かに基づいて評価した結果も示している。
以下、表1の示す評価結果について、検討する。
実施例1〜7に示す本実施形態による鉄鋼精錬用副資材(アーク炉灰)は、比較例1に示す従来の鉄鋼精錬用副資材(アルミ灰)と比較すると、表1で処理後Sとして示される硫黄濃度[S]のサンプリング結果が、いずれも20ppm未満となっており、アルミ灰と同等以上の脱硫効果を発揮した。つまり、AlNとM.Alが混在していても脱硫能を発現することは明らかであるため、アーク炉灰とアルミ灰を混合して使用することもできる。
実施例1〜3では、窒化アルミニウム(AlN)の量がそれぞれ異なってばらついているが、いずれも20wt%以上とした。このように、窒化アルミニウム(AlN)の量が十分に含まれていれば、表1に示される硫黄濃度[S]のサンプリング結果がいずれも20ppm未満となり、アーク炉灰は有効な脱硫効果を発揮した。
実施例1,4,5では、副資材中成分(Al、AlN、M.Al)が同一のアーク炉灰を用いて、石灰とアーク炉灰の配合比を、95:5、92.5:7.5、97.5:2.5に変化させた。このように石灰とアーク炉灰の配合比を変化させても、表1に示される硫黄濃度[S]のサンプリング結果が、いずれも20ppm未満となり、アーク炉灰は有効な脱硫効果を発揮した。
実施例8では、含有する窒化アルミニウムの量が100wt%のAlN試薬を用いている。酸化アルミニウム(Al)及び金属アルミニウム(M.Al)を含まないAlN試薬を用いた場合でも、硫黄濃度[S]のサンプリング結果が、5ppmとなっており、AlN試薬はアーク炉灰以上の脱硫効果を発揮した。これからも分かるように、AlN濃度は可能な限り高いことが望ましい。
比較例2〜4では、実施例1〜7と比べて、副資材中の成分が大きく異なる。比較例2では、酸化アルミニウムの量が100wt%で窒化アルミニウム(AlN)及び金属アルミニウム(M.Al)を含まない副資材を用いたので、硫黄濃度[S]のサンプリング結果が、51ppmを示し、脱硫効果が発揮されなかった。
また、比較例3の副資材は5wt%の金属アルミニウム(M.Al)を含み、比較例4の副資材は15wt%の窒化アルミニウム(AlN)を含んでいたが、共に硫黄濃度[S]のサンプリング結果が、30ppmを超えており、十分な脱硫効果が発揮されなかった。これは、金属アルミニウム(M.Al)又は窒化アルミニウム(AlN)を含む量が十分ではなかったことが理由であると考えられる。上述のように、アーク炉灰は大気中で熱処理するため窒化アルミニウムと同時に酸化アルミニウムが生成するが、上記の結果から、脱硫能の観点からは酸化アルミニウムの量は80wt%以下である必要がある。
さらに、脱硫剤中の二酸化ケイ素(SiO)の量は可能な限り低い方が望ましい。SiOはCaOと反応して2CaO・SiOといった高融点の反応相を形成し、脱硫反応を阻害するため、SiO濃度は可能な限り低い方が望ましい。実施例7では、含有するSiOの量が2wt%を超えており、実施例1〜6と比べて脱硫能が低下することが分かる。このため、副資材中のSiOの含有量は2wt%以下であることが望ましい。
次に、本実施形態による鉄鋼精錬用副資材(副資材)として、実施例9〜実施例12に示した4種類のアーク炉灰を用いて、着火性(発火性)を評価した。これら実施例9〜12とともに、比較例5についても着火性を評価し、得られた評価結果は、次の表2に示す通りである。
表2において、実施例9は、表1の実施例1と同等の副資材中成分を有するアーク炉灰についての結果を示している。同様に、実施例10は実施例2と同等の、実施例11は実
施例3と同等の、実施例12は実施例6と同等のアーク炉灰についての結果を示している。比較例5は、比較例1と同等の副資材中成分を有するアルミ灰についての結果を示している。
Figure 0006257362
表2に示す評価を、次の条件で行った。
粉体の着火性の指標の一つである最小着火エネルギーMIE(Minimum Ignition Energy)を用いて、アルミ灰及びアーク炉灰の着火性を評価した。MIE測定には、国内外で標準的に用いられているIEC規格に準拠した吹上げ方式着火試験装置(ハルトマン式、MIKE-3)を使用した。
この装置において、レシーバタンク(1.28L)の圧縮空気(0.7bar)が、ソレノイドバルブを開くと同時にガラス製の爆発容器(1.2L)の底部に置かれた粉じんを吹き上げ、爆発容器内部に、均一の粉じん雲を作る。これに、20pF〜20nFのコンデンサを最大15kVの直流高電圧電源で充電して所定の放電エネルギーを作り出し、この放電エネルギーを粉じん雲に印加することで着火性を評価した。なお、爆発容器内に50mm以上の火炎が伝播した場合を着火したものと判定し、それぞれの最小発火エネルギーを測定した。
表2は、その測定結果を示すと共に、得られた最小着火エネルギーが、50mV以上であれば着火性(発火性)が低いと判断して「○」印を付し、10mV以上50mV未満であれば着火性が非常に低いとは言えないと判断して「△」印を付し、10mV未満であれば着火性が非常に高いと判断して「×」印を付して、着火性を評価している。
以下、表2の示す評価結果について、検討する。
実施例9〜11に示す本実施形態による鉄鋼精錬用副資材(アーク炉灰)は、最小着火エネルギーが50mV以上となり、比較例5の最小着火エネルギー4mVと比較すると、着火性が非常に低いと判断できる。これは、鉄鋼精錬用副資材に含有される金属アルミニウム(M.Al)の量が10wt%未満であり、比較例5での金属アルミニウム(M.Al)の量、30.4wt%よりも大きく下回っていることが理由であると考えられる。
実施例12では、実施例9〜11に比較して、金属アルミニウム(M.Al)の量が若干増えて10wt%以上含まれている。実施例12は、金属アルミニウム(M.Al)の増加に伴って、最小着火エネルギーも50mV以下の23mVまで低下している。つまり、金属アルミニウム(M.Al)の量が10wt%以上となると、実施例9〜11に比較して若干発火しやすくなるため、着火性が非常に低いとは言えなくなる。発火性の観点では、金属アルミニウム(M.Al)の量は10wt%未満であることが好ましい。
比較例5のアルミ灰は、金属アルミニウム(M.Al)を30wt%以上含み、最小着火エネルギーは4mVとなっている。すでに述べたとおり、アルミ灰は、実施例9〜12のアーク炉灰と比較するまでもなく非常に発火しやすい副資材であり、その取り扱いに注意を要する。
以上より、本実施形態による鉄鋼精錬用副資材であるアーク炉灰は、窒化アルミニウム(AlN)を含むことにより、従来の鉄鋼精錬用副資材であるアルミ灰と同程度の脱硫能
を発揮し、且つ、着火性の点ではアルミ灰よりも着火(発火)しにくく安全性に優れ保管が容易であると言える。
次の表3に、アルミ灰及びアーク炉灰について、脱硫能、ハンドリング性(発火のしにくさ)を比較してまとめた。アーク炉灰は、アルミ灰と比較して、同等の脱硫能を発揮しつつ、且つハンドリング性に優れると確認することができる。
Figure 0006257362
加えて、アーク炉灰を使用することのメリットとして、以下に述べる点があげられる。アルミ灰は、保管中に金属アルミニウムが大気によって酸化されるので、高温の溶銑中に投入される前に金属アルミニウムによる脱酸反応が進行してしまい、脱硫能が低下する懸念がある。一方、アーク炉灰の窒化アルミニウムは大気中では安定であり、高温の溶銑中に投入されてはじめて脱酸反応が進行するので、保管中における脱硫能の低下を懸念する必要がない。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
例えば、上述の実施形態による鉄鋼精錬用副資材は、脱酸反応によって脱硫反応を促進する物質として窒化アルミニウム(AlN)を含有したが、窒化アルミニウム(AlN)の代わりに、例えば、臭化アルミニウム(AlBr)や塩化アルミニウム(AlCl)など、溶銑の温度に対して比較的低温で分解するアルミニウム化合物を用いることができる。臭化アルミニウム(AlBr)や塩化アルミニウム(AlCl)などを用いた鉄鋼精錬用副資材でも、既に説明した式(3)の脱硫反応とほぼ同じメカニズムで脱酸反応によって脱硫反応を促進することができる。
1 アーク炉
2a,2b 炭素電極
3 溶湯
4 アーク炉灰

Claims (4)

  1. 石灰と共に溶銑に供給されて、前記溶銑における脱硫反応を促進するための鉄鋼精錬用副資材であって、
    含有する窒化アルミニウムの量が、重量百分率にして20wt%以上であり、
    含有する金属アルミニウムの量が、10wt%以下であることを特徴とする鉄鋼精錬用副資材。
  2. 含有する二酸化ケイ素の量が、2wt%以下であることを特徴とする請求項1に記載の鉄鋼精錬用副資材。
  3. アーク炉で処理されたアルミニウムドロスから製造されることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄鋼精錬用副資材。
  4. 前記含有する金属アルミニウムの量が、0wt%以上10wt%以下であり、且つ、
    含有する酸化アルミニウムの量が、80wt%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鉄鋼精錬用副資材。
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