JP6256055B2 - 電子写真感光体、電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
有機感光体の層構成としては、電荷発生物質をバインダー樹脂中に分散させたいわゆる単層型感光体、電荷発生層及び電荷輸送層を積層した積層型感光体が知られている。積層型感光体は、効率の高い電荷発生物質、及び電荷輸送物質を別々の層に分けて、最適なものを組み合わせることにより高感度かつ安定な感光体が得られること、材料選択範囲が広く特性の調整が容易なことから多く使用されている。単層型感光体は、電気特性面では積層型感光体にやや劣り、材料選択性も狭いものの、感光体表面近傍で電荷発生することにより、高解像度化が可能で、ひいては厚膜にしても画像ボケしないことから、厚膜化による高耐刷化が可能である。
。この様な劣化が起こった結果、帯電能の低下、残留電位の上昇等の電気的安定性の悪化、およびそれに伴う画像不良が起きる。これらは、感光層中に多く含まれる電荷輸送物質の化学的劣化に由来するところが大きい。
E_lumo (eV) > -3.55
を満足することを特徴とする電子写真感光体に存する。(請求項1)
本発明の第2の要旨は、前記感光層がバインダー樹脂を含有し、上記電子輸送物質の含有量が、同一層中のバインダー樹脂100質量部に対して0.1質量部以上40質量部以下であることを特徴とする電子写真感光体に存する。(請求項2)
本発明の第3の要旨は、上記電子輸送物質がジフェノキノン誘導体であることを特徴とする電子写真感光体に存する。(請求項3)
本発明の第4の要旨は、上記電子輸送物質がナフトキノン誘導体であることを特徴とする電子写真感光体に存する。(請求項4)
本発明の第5の要旨は、上記電子輸送物質がアゾキノン誘導体であることを特徴とする、電子写真感光体に存する。(請求項5)
本発明の第6の要旨は、前記一般式(1)で表される正孔輸送物質の純度が98.0%以上99.7%以下であることを特徴とする電子写真感光体に存する。(請求項6)
本発明の第7の要旨は、上記の電子写真感光体と、電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、並びに前記トナーを被転写体に転写する転写手段のうち、少なくとも一つとを備えることを特徴とする電子写真カートリッジに存する。(請求項7)
本発明の第8の要旨は、上記電子写真感光体と、電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該電子写真感光体に対する露光により静電潜像を形成する露光手段と、静電潜像をトナーで現像する現像手段と、トナーを被転写体に転写する転写手段、被転写体に転写されたトナーを定着させる定着手段とを備えることを特徴とする画像形成装置に存する。(請求項8)
形して実施することができる。
本発明の残留電位が低く高移動度を持つ高性能正孔輸送物質は、下記式(1)で示される。
数1〜6のアルコキシ基が好ましく、製造時の取扱性の面から、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基がより好ましく、電子写真感光体としての光減衰特性の面から、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基が更に好ましい。
更に、下記式(1a)で表される化合物が特に好ましい。式(1a)は、式(1)においてAr1はアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、又はアラルキルオキシ基を有する、フェニル基であり、Ar2〜Ar5はそれぞれ独立して、置換基として炭素数1〜6のアルキル基を有していてもよい、フェニル基であり、Ar6〜Ar9はいずれも無置換の1,4−フェニレン基であり、m及びnは共に1である。
以下に本発明に好適な正孔輸送物質の構造を例示する。以下の構造は本発明をより具体的にするために例示するものであり、本発明の概念を逸脱しない限りは下記構造に限定されるものではない。
上記に例示した正孔輸送物質は、下記に記すスキームに従って製造することが可能である。前記した化合物を例にすると、例えば、ホルミル基を有するトリフェニルアミン骨格
を有する化合物を、トリフェニルアミン骨格を有するリン酸エステル化合物と反応させることにより製造することができる。(スキーム1)
ン誘導体とアニリン化合物とをカップリング反応を行うことによっても製造することが可能である。(スキーム2)
送物質は、NMR、IR、マススペクトル等により同定できる。純度は、液体クロマトグラフにより算出できる。液体クロマトグラフの測定は、UV−vis検出器を有する装置を用いて、測定することができる。
本発明は、感光層に電子輸送物質を含有することを特徴とする。含有する電子輸送物質は、密度汎関数計算B3LYP/6-31G(d,p)による構造最適化計算の結果得られたLUMOのエネルギーレベルE_lumoが次式
E_lumo (eV) > -3.55
を満足する。トラップを形成しないようにするため、好ましくは E_lumo (eV) > -3.52 である。また、電子生成の観点から、上限は通常 -3.30 > E_lumo (eV)であり 、好ましくは -3.33 > E_lumo (eV) である。このE_lumoの範囲の電子輸送物質を含有することで、積層型感光体の場合は、電荷発生層/電荷輸送層界面、感光層/基体界面、あるいは下引き層/電荷発生層界面での電荷受け渡しに、分散単層型の感光体の場合は、電荷発生物質、電荷輸送物質、基体での電荷受け渡しに、本発明の電子輸送物質が有用に作用する。前記式(1)で表される正孔輸送物質は、HOMOエネルギーレベルが非常に高く、電子輸送物質における電子の極在化が進み過ぎないようにLUMOエネルギーレベルを上記範囲とすることで、電子の移動障壁が少なくなるため、電子移動がスムーズになり、感光体中のトラップを形成することがなくなる。そのため、表面抵抗及び繰り返し転写に対する耐性が良好となる。また、上記電子輸送剤は、感光体に悪影響を与える光の波長を特異的にカットして、外光に晒されても疲労しにくい感光体を得ることができる。
単層型感光体の場合は、バインダー樹脂100質量部に対して、光疲労防止、帯電性、表面抵抗低減防止の観点から、通常5質量部以上、好ましくは10質量部以上、また、液安定性、塗布性の観点から、通常40質量部以下、好ましくは35質量部以下である。
らメチル基、tert-ブチル基が2個ずつであることが好ましい。Mは0又は1を表し、製
造の容易さの観点からは、0であることが好ましい。具体的に以下のような化合物が挙げ
られる。
ル基を表す。Ar10の炭素数としては、30以下、好ましくは20以下、更に好ましくは15以下である。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等が挙げられ、このうちフェニル基が最も好ましい。Ar10が有しても良い置換基としては、アルキル基、ニトロ基、ハロゲノ基等が挙げられ、ハロゲノ基が好ましく、クロロ基が更に好ましい。具体的に以下のような化合物が挙げられる。
導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金等、特開2007−293319号公報に開示されている公知の材料を使用することが出来る。また、導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、特開2007−293319号公報に開示されているように、陽極酸化被膜を施してから用いてもよい。
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。下引き層としては、特開2007−293319号公報に開示されている公知の例を使用することが出来る。
感光層は、上述の導電性支持体上に(前述の下引き層を設けた場合は下引き層上に)形成される。感光層は、本願で規定する正孔輸送物質を含有する層であり、その型式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質(本願で規定する電荷輸送物質を含む)とが同一層に存在し、それらがバインダー樹脂中に分散した単層構造のもの(以下適宜、「単層型感光層」という。)と、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質(本願で規定する正孔輸送物質を含む)がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層を含む、二層以上の層からなる積層構造の機能分離型のもの(以下適宜、「積層型感光層」という)が挙げられるが、何れの形態であってもよい。
に積層して設ける逆積層型感光層とがあり、いずれを採用することも可能であるが、特にバランスの取れた光導電性を発揮できる順積層型感光層が好ましい。
(I−1.電荷発生層)
積層型感光層(機能分離型感光層)の電荷発生層は、電荷発生物質を含有すると共に、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷発生層は、例えば、電荷発生物質の微粒子及びバインダー樹脂を溶媒又は分散媒に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)、また、逆積層型感光層の場合には電荷輸送層上に塗布、乾燥して得ることができる。
電荷発生物質は単独として用いてもよいし、又はいくつかの染顔料との混合状態で用いてもよい。電荷発生物質としては、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とが挙げられるが、有機系光導電材料の方が好ましく、中でも特に有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。これらの中でも、混合状態として用いる染顔料としては、光感度の面から、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が好ましい。電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、通常はこれらの有機顔料の微粒子を、各種のバインダー樹脂で結着した分散層の形で使用する。
一方、電荷発生物質としてアゾ顔料を使用する場合には、光入力用光源に対して感度を有するものであれば従前公知の各種のアゾ顔料を使用することが可能であるが、各種のビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料が好適に用いられる。
積層型感光体における電荷発生層に用いられる結着樹脂の例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマーの中から選択し、用いることが出来るが、これらポリマーに限定されるものではない。また、これら結着樹脂は単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
積層型感光体の電荷発生層において、前記結着樹脂と電荷発生物質との配合比(質量)は、バインダー樹脂100質量部に対して10から1000質量部、好ましくは30から500質量部の範囲であり、その膜厚は通常0.1μmから10μm、好ましくは0.15μmから0.6μmである。
前記電荷発生物質を分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の公知の分散方法を用いることが出来る。この際粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.15μm以下の粒子サイズに微細化することが有効である。
積層型感光体の電荷輸送層の場合、前記正孔輸送物質、前記電子輸送物質、及び各種バインダー樹脂を溶剤に溶解、あるいは分散して得られる塗布液を、塗布、乾燥して得ることができる。
電荷輸送物質として、前述した本発明の正孔輸送物質を使用する。また、本発明の範囲外の電荷輸送物質と併用しても構わないが、前述の本発明の効果を十分に発揮するには、全電荷輸送物質中、本発明の正孔輸送物質は通常10質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上であり、100質量%であることが特に好ましい。
積層型感光体の場合、電荷輸送層の膜厚は特に制限されないが、長寿命、画像安定性の観点、更には高解像度の観点から、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、一方、通常50μm以下、好ましくは45μm以下、更に好ましくは30μm以下の範囲とする。
バインダー樹脂は膜強度確保のために使用される。電荷輸送層のバインダー樹脂としては、例えば、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が好ましい。これらのバインダー樹脂は、適当な硬化剤を用いて熱、光等により架橋させて用いることもできる。これらのバインダー樹脂は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで用いても良い。以下にバインダー樹脂の構造を例示する。以下の構造は本発明をより具体的にするために例示するものであり、本発明の概念を逸脱しない限りは下記構造に限定されるものではない。
単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、バインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作成し、導電性支持体上(下
引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることが出来る。
電荷発生物質は、積層型感光体の電荷発生層について説明したものと同様のものが使用できる。但し、単層型感光体の感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を十分に小さくする必要がある。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲とする。
また、単層型感光層におけるバインダー樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が通常0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、また、通常30質量部以下、好ましくは10質量部以下の範囲とする。単層型感光層の膜厚は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下の範囲である。
更に、感光層は、前述した本発明の電子輸送物質にあげられるような各種の添加剤を含有していても良い。本発明以外の添加剤としては、成膜性、化学的劣化、機械的強度等を改良するために用いられるもので、例えば、可塑剤、紫外線等の短波長光吸収剤、酸化防止剤、残留電位を抑制するための残留電位抑制剤、分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤(例えば、シリコ−ンオイル、フッ素系オイル等)、界面活性剤などが挙げられる。なお、添加剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
感光層の上に、保護層を最表面層として設けても良い。また、当該保護層には、適宜添加剤を加えてもよい。例えばフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂等の樹脂粒子、アルミナ粒子、シリカ粒子等の無機粒子等が挙げられる。また、保護層の厚みが1μmより厚い場合は、その下層の影響よりも保護層の物性が表面機械物性をより強く支配するため、下層の感光層に用いられる材料には本発明で規定する範囲にとらわれず、任意の公知材料を使用してもよい。
下引き層、感光層、保護層などの各層の形成方法に制限は無い。例えば、形成する層に含有させる材料を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、導電性支持体の上に、直接又は他の層を介して順次塗布するなどの公知の方法が適用できる。塗布後、乾燥により溶剤を除去することにより、感光層を形成する。
この際、塗布方法は限定されず任意であり、例えば、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ノズル塗布法、バーコート法、ロールコート法、ブレード塗布法などを用いることができる。この中でも、生産性の高さから浸漬塗布方法が好ましい。なお、これらの塗布方法は、1つの方法のみを行なうようにしてもよいが、2以上の方法を組み合わせて行なうようにしてもよい。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下
の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1において、1はドラム状感光体であり、矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1はその回転過程で帯電手段2により、その表面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、ついで露光部3において像露光手段により潜像形成のための露光が行われる。
現像行程はカスケード現像、1成分絶縁トナー現像、1成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や湿式現像方式などが用いられる。トナーとしては、粉
砕トナーの他に、懸濁造粒、懸濁重合、乳化重合凝集法等のケミカルトナーを用いることができる。特に、ケミカルトナーの場合には、4〜8μm程度の小粒径のものが用いられ、形状も球形に近いものから、ポテト状の球形から外れたものも使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化には好適に用いられる。
クリーニングにはブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなどが用いられる。
本発明に係る電子写真感光体を用いたカートリッジは、上記感光体1と、帯電手段2、露光部3、現像手段4及びクリーニング手段6からなる群のうち少なくとも一の部分とを備えていればよい。
平均一次粒子径13nmの酸化アルミニウム粒子(日本アエロジル社製 Aluminum Oxide C)を、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中で超音波により分散させることにより、酸化アルミニウムの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール(質量比7/3)の混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを、加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行うことにより、酸化アルミニウム/共重合ポリアミドを質量比1/1で含有する固形分濃度8.0%の下引き層用分散液とした。
電荷発生物質として、図2に示すCuKα特性X線に対する粉末X線回折スペクトルパターンを有するチタニウムオキシフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部を混合し、サンドグラインドミルで2時間粉砕して微粒化分散処理を行った。続いて、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)の2.5%1,2−ジメトキシエタン溶液400部と、170部の1,2−ジメトキシエタンを混合して分散液を調製した。この分散液を、前記下引き層上にバーコーターで塗布して、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように電荷発生層を形成した。
。
電子輸送物質(1)を加えない以外は実施例1と同様にして、塗布液I−0と感光体I−0を得た。
実施例2
電子輸送物質を下記構造の電子輸送物質(2)にした以外は、実施例1と同様の操作を行い、感光体I−2を得た。
電子輸送物質を下記構造の電子輸送物質(3)にした以外は、実施例1と同様の操作を行い、感光体I−3を得た。
電子輸送物質を下記構造の電子輸送物質(4)にした以外は、実施例1と同様の操作を行い、感光体I−4を得た。
電子輸送物質を下記構造の電子輸送物質(5)にした以外は、実施例1と同様の操作を行い、感光体I−5を得た。
正孔輸送物質を、下記構造の電荷輸送物質(2)にした以外は、実施例1と同様の操作を行い、感光体II−1を得た。
実施例5において、電子輸送物質を加えない以外は、実施例5と同様の操作を行い、感光体II−0を得た。
実施例5
電子輸送物質を、下記構造の電子輸送物質(6)を用いる以外は、実施例4と同様の操作を行い、感光体II−2を得た。
正孔輸送物質を、下記構造の正孔輸送物質(3)にした以外は、比較例1と同様の操作を行い、感光体III−0を得た。
上記電子輸送物質(6)を用いる以外は、比較例5と同様の操作を行い、感光体III−1を得た。
比較例7
正孔輸送物質を、下記構造の正孔輸送物質(4)にした以外は、実施例1と同様の操作を行い、感光体IV−1を得た。
作製した各感光体は、アルミニウム製ドラムに貼り付け、アルミニウム製ドラムと感光体のアルミニウム蒸着層との導通を取った上で、電子写真学会測定標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁 記載)に装着し、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性の評価を行った。
続いて、得られた感光体を−700Vに帯電させた後、プラスの電荷を6.5kVの電圧で印可して、これを4000サイクル繰り返した。このときの繰り返し前後で、暗所で−700V帯電後5秒間放置した表面電位の保持率(%)を測定した。この保持率の変化割合(%)を表−2に示した。変化が少ない方が好ましく、負の値の場合、繰り返し後の帯電保持率が下がったことを示す。
続いて感光体I−0,1及びII−0,2に白色蛍光灯(三菱オスラム社製ネオルミスーパーFL20SS・W/18)の光を、感光体表面での光強度が2000ルックスになるように調整後10分間照射し、その後暗所で10分間放置した後上記VLの測定を行った。表−2に白色蛍光灯照射前後のVL変化、ΔVLを示した。なお、負の数値は光照射後の各電位の絶対値が光照射前の電位の絶対値に対して小さくなったことを表す。この変化分ΔVLの絶対値が小さいほど、強度の強い光を照射しても各電位の変化が小さいことを示す。
上記感光体I−0、I−2、I−5、II−0、II−2を同様の評価装置に取り付けて、ドラムを一定回転数60rpmで回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルを30000回繰り返し、前後の特性を評価した。その際、試験当初に感光体の初期表面電位が約−700Vになるように帯電(スコロトロン帯電器)条件を固定し、観測される表面電位(V0)を測定した。また、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものをNDフィルターを使用して光量を0.76μJ/cm2として露光した際の表面電位VL(単位:−V)を測定した。なお、VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を100m秒とした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%で行なった。30000回繰り返し前後の測定結果を表−3に示す。
表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ285mmのアルミニウム製シリンダーの表面に、陽極酸化処理を行い、その後、酢酸ニッケルを主成分とする封孔剤によって封孔処理を行うことにより、約6μmの陽極酸化被膜(アルマイト被膜)を形成した。アルマイト被膜を形成したシリンダー上に、実施例2で調整した電荷発生層用分散液を浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が0.3g/m2 (約0.3μm)となるように電荷発生層を設けた。次に、実施例2で調整した電荷輸送層用液を、前記電荷発生層上に浸漬塗布することにより、乾燥後の膜厚が18μmになるように電荷移動層をもうけた。このようにして得られた感光体を感光体ドラムIV−1とする。
作製した感光体ドラムIV−1を、エプソン社製フルカラープリンターLP−3000Cに搭載し、YMCK各色5%印字で10000枚連続プリントを行ったところ、画像にメモリーやゴーストなどの異常は見られなかった。
Claims (7)
- 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、下記一般式(
1)で表される正孔輸送物質、及び電子輸送物質を含有し、該電子輸送物質の密度汎関数
計算B3LYP/6-31G(d,p)による構造最適化計算の結果得られたLUMOのエネルギーレベルE_lu
moが次式
E_lumo (eV) > -3.55
を満足することを特徴とする電子写真感光体。
置換されていても良い、アリール基を表し、Ar 2 〜Ar5はそれぞれ独立した置換基を
有していても良いアリール基を表し、Ar6〜Ar9はそれぞれ独立した置換基を有して
いても良いアリーレン基を表す。m、nはそれぞれ独立して1以上3以下の整数を表す。
) - 前記感光層がバインダー樹脂を含有し、前記電子輸送物質の含有量が、同一層中のバイ
ンダー樹脂100質量部に対して0.1質量部以上40質量部以下であることを特徴とす
る請求項1に記載の電子写真感光体。 - 請求項1〜5の何れか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる
帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段
、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、並びに前記トナーを被転写体に転写する転
写手段のうち、少なくとも一つを備えることを特徴とする電子写真カートリッジ。 - 請求項1〜5の何れか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる
帯電手段と、帯電した該電子写真感光体に対する露光により静電潜像を形成する露光手段
と、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段と、前記トナーを被転写体に転写する転写
手段、前記被転写体に転写された前記トナーを定着させる定着手段とを備えることを特徴
とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014017156A JP6256055B2 (ja) | 2014-01-31 | 2014-01-31 | 電子写真感光体、電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置 |
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