JP6255219B2 - 冷却機構 - Google Patents
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Description
図1に示す拡張装置1は、例えば、図2に示す被加工物Wが貼着されたエキスパンドシート7を拡張することができる拡張装置の一例である。拡張装置1は、装置ベース2を有しており、装置ベース2の上面2aの中央には、エキスパンドシート7を介して被加工物Wを保持する保持テーブル3がテーブル支持部30によって昇降可能に支持されている。保持テーブル3の上面は、被加工物Wを保持する保持面3aとなっている。
図3に示す冷却機構20は、拡張装置1において図2に示したエキスパンドシート7を拡張して被加工物Wを分割する際に、被加工物Wを冷却する冷却機構の一例である。冷却機構20は、拡張装置1に搭載されるもので、被加工物Wの上方側をカバーする第一箱体21と、被加工物Wの下方側をカバーする第二箱体23と、を備えている。
以下では、図1で示した拡張装置1において図3で示した冷却機構20を用いながら、図4に示すDBG加工が施された被加工物Wを分割する方法について説明する。ここで、DBG(Dicing Before Grinding)加工とは、図4(a)に示すように、被加工物を薄化する前に、被加工物Wの分割予定ラインに沿って切削することにより溝Gを形成し、被加工物を研削して溝Gを起点に被加工物Wを個々のチップCに個片化する加工を指す。DBG加工された被加工物Wの表面Waには、被加工物Wの表面Waを保護するテープ5が貼着されており、当該表面Waと反対側の面である裏面Wbには、DAF(Die Attach Film)と称される延性の高いフィルム6が貼着されている。なお、フィルム6自体を被加工物としてもよい。
図4(a)に示すように、被加工物Wの直径よりも大きいサイズを有するエキスパンドシート7に被加工物Wを貼着する。具体的には、図5に示すロール状にエキスパンドシート7が巻かれたロール部70から、図1で示した拡張装置1において第一の方向にエキスパンドシート7を引き出して保持テーブル3の保持面3aに水平に載置した後、被加工物Wの裏面Wb側のフィルム6をエキスパンドシート7の上面に貼着する。かかる貼着時は、縦横に形成された溝Gの方向を、第一の方向または第二の方向と平行にする。その後、図4(b)に示すように、保持テーブル3の保持面3aで被加工物Wを吸引保持して被加工物Wの表面Waからテープ5を剥離する。このようにして、エキスパンドシート7が被加工物Wの外周側からはみ出るようにして被加工物Wをエキスパンドシート7に貼着する。
挟持ステップを実施した後、図8に示すように、冷却機構20を用いてエキスパンドシート7の上面に貼着された被加工物Wを冷却する。第一移動手段22の搬送アーム222によって、エキスパンドシート7の上面に貼着された被加工物Wの上方側に第一箱体21を移動させる。また、第二移動手段24の搬送アーム242によって、エキスパンドシート7の下方側に第二箱体23を移動させる。次いで、第一移動手段22が作動して第一箱体21を冷却位置に移動させるとともに、第二移動手段24が作動して第二箱体23を冷却位置に移動させる。
冷却ステップを実施した後(分割ステップとともに冷却ステップを実施した後は、その後)は、図9に示すように、第一バルブ27を閉じて冷却エアー供給源25と第一冷却エアー流路215とを遮断し、第一冷却エアー噴出口213から第一冷却室212に対して冷却エアーを噴射させることを停止する。また、第二バルブ28を閉じて冷却エアー供給源25と第二冷却エアー流路235とを遮断し、第二冷却エアー噴出口233から第二冷却室232に対して冷却エアーを噴射させることを停止する。
冷却停止ステップを実施した後、図10に示すように、第一冷却室212及び第二冷却室232の内部を常温にする。第一バルブ27を開いて常温エアー供給源26と第一常温エアー流路216とを連通させ、第一冷却エアー噴出口213から第一冷却室212に向けて常温エアーを噴射させるとともに、第二バルブ28を開いて常温エアー供給源26と第二常温エアー流路236とを連通させ、第二冷却エアー噴出口233から第二冷却室232に向けて常温エアーを噴射させる。
常温エアー噴射ステップを実施した後、図11に示すように、エキスパンドシート7をさらに拡張して個々のチップC間の間隔を形成する。分割ステップと同様に、図1で示した第一挟持手段10Aと第二挟持手段10Bとを第一の方向において互いに離反させるとともに、第三挟持手段10Cと第四挟持手段10Dとを第二の方向において互いに離反させ、図11に示すように、各下側挟持部110のローラ113と各上側挟持部120のローラ123とによって挟持されたエキスパンドシート7をそれぞれ外側に引っ張る。このとき、エキスパンドシート7は拡張されやすい状態となっているため、エキスパンドシート7がさらに拡張することにともない、部分拡大図に示すように、隣り合うチップCの間の溝Gが大きくなり、各チップCの間に十分な間隔を形成することができる。これにより、分割された被加工物Wのハンドリング時に隣り合うチップC同士が接触することを防止できる。分割ステップと同様に、エキスパンドシート7の第一の方向の拡張量と第二の方向の拡張量とは、等しくてもよいし、異なっていてもよい。
間隔形成ステップを実施した後、図12に示すように、個々のチップCに分割された被加工物Wを金属性の環状フレーム8によって支持させる。具体的には、図1で示した保持テーブル3が上昇して、エキスパンドシート7を介して被加工物Wを下方から支持する。その後、図12に示すように、中央部が開口した環状フレーム8の裏面側をエキスパンドシート7に貼着するとともに、環状フレーム8の開口内に被加工物Wを収容した状態にする。次いで、カッター9を環状フレーム8の外周に沿ってエキスパンドシート7を環状に切断する。このようにしてエキスパンドシート7を介して環状フレームと被加工物Wとが一体となった被加工物ユニットWUを形成する。こうして被加工物ユニットWUが形成されると、後に、フィルム6付きのチップCがエキスパンドシート7からピックアップされる。
また、挟持ステップを実施した後、分割ステップの実施と同時もしくは分割ステップを実施する前に冷却ステップを実施するため、被加工物W及び被加工物Wに貼着された延性の高いフィルム6を冷却でき、被加工物W及びフィルム6を高精度に分割することが可能となる。
しかし、冷却機構20を用いた被加工物Wの分割方法では、被加工物Wを支持する環状フレーム8が金属製の場合であっても、環状フレーム8に被加工物Wを装着する環状フレーム装着ステップを実施する前に上記冷却ステップを実施するため、該環状フレーム8ごと被加工物Wを冷却する必要がなくなり、冷却された環状フレーム8を常温に戻す際に結露が発生するという問題や環状フレームを常温に戻すという作業も必要なくなる。
4a,4b,4c,4d:凹部 5:テープ 6:フィルム
7:エキスパンドシート 70:ロール部 8:環状フレーム 9:カッター
10A:第一挟持手段 10B:第二挟持手段 10A:第三挟持手段
10D:第四挟持手段
11a,11b:下側挟持機構 110:下側挟持部 111,112:アーム部
111a,112a:基端部 113:ローラ
12a,b:上側挟持機構 120:上側挟持部 121,122:アーム部
121a,122a:基端部 123:ローラ
13a,13b:可動基台
130:支持部 131:スライド部 132:ガイドレール 133:ガイド溝
134:支持部 135:スライド部
14a:第一の方向移動手段 14b:第二の方向移動手段 140:ボールネジ
141:軸受部 142:モータ
15:下側昇降手段 150:ボールネジ 151:軸受部 152:モータ
16:上側昇降手段 160:ボールネジ 161:軸受部 162:モータ
20:冷却機構 21:第一箱体 22:第一移動手段 23:第二箱体
24:第二移動手段 25:冷却エアー供給源 26:常温エアー供給源
27:第一バルブ 28:第二バルブ
210:第一板部 211:第一側壁部 212:第一冷却室
213:第一エアー噴出口 214:第一の隙間 215:第一冷却エアー流路
216:第一常温エアー流路
220:スプリング 221:支持プレート 222:搬送アーム
230:第二板部 231:第二側壁部 232:第二冷却室
233:第二エアー噴出口 234:第二の隙間 235:第二冷却エアー流路
236:第二常温エアー流路
240:スプリング 241:支持プレート 242:搬送アーム
W:被加工物 Wa:表面 Wb:裏面 C:チップ G:溝
WU:被加工物ユニット
Claims (1)
- 分割予定ラインに沿った分割起点を有する被加工物が貼着されたエキスパンドシートを挟持し、該エキスパンドシートの裏面側及び被加工物の表面に冷却エアーを噴射して被加工物を冷却し、該冷却中又は該冷却後に該エキスパンドシートを第一の方向及び該第一の方向に直交する第二の方向に拡張することにより被加工物を分割する被加工物の分割方法で使用される被加工物の冷却機構であって、
被加工物より大きいサイズを有する第一板部と該第一板部から垂下した第一側壁部とからなり、該第一側壁部で画成される第一冷却室を有し、該第一板部または該第一側壁部には冷却エアー供給源に接続された第一冷却エアー噴出口が形成された第一箱体と、
該エキスパンドシートの表面に貼着された被加工物を該第一冷却室で覆うとともに該エキスパンドシートと該第一側壁部の下面との間に冷却エアー流出用の隙間を形成した冷却位置と退避位置とに該第一箱体を被加工物が貼着された該エキスパンドシートの表面に対して移動させる第一移動手段と、
被加工物より大きいサイズを有する第二板部と該第二板部から立設した第二側壁部とからなり、該第二側壁部で画成される第二冷却室を有し、該第二板部または該第二側壁部には冷却エアー供給源に接続された第二冷却エアー噴出口が形成され、該第一箱体と対をなす第二箱体と、
表面に被加工物が貼着された該エキスパンドシートの裏面側から被加工物を該第二冷却室で覆うとともに該エキスパンドシートと該第二側壁部の上面との間に冷却エアー流出用の隙間を形成した冷却位置と退避位置とに該第二箱体を被加工物が貼着された該エキスパンドシートの裏面に対して移動させる第二移動手段と、を備えた冷却機構。
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