JP6253792B2 - 画像処理装置及び画像処理方法、並びにプログラム及び記録媒体 - Google Patents

画像処理装置及び画像処理方法、並びにプログラム及び記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、複数の低解像度画像から高解像度画像を生成する画像処理装置及び画像処理方法に関する。本発明は上記の画像処理装置又は画像処理方法の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム、及び該プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体に関する。
複数の低解像度画像から1枚の高解像度画像を生成する技術は、超解像処理と呼ばれており、従来から多くの技術が開発されてきた。代表的な超解像処理方法としては、ML(Maximum Likelihood)法、MAP(Maximum A Posteriori)法、POCS(Projection On to Convex Sets)法などが提案されている。
上述した方法はいずれも再構成型超解像の一種である。この種の処理では、高解像度画像と低解像度画像を関係付ける劣化モデルに基づき、高解像度画像を反復演算により逐次更新することで、原画像をより忠実に表現した高解像度画像を得る。反復演算では、劣化モデルにより高解像度画像を劣化させた擬似低解像度画像(劣化画像)と、観測された複数の低解像度画像の差分が最小となるように高解像度画像を更新する。
ところで上述の反復演算では、初期値となる高解像度画像(初期高解像度画像)を事前に生成し、入力する必要がある。この初期値がどれだけ原画像に近いかによって、充分な画質の高解像度画像を得るために必要な反復演算回数、或いは出力される最終の高解像度画像の画質が大きく変化する。
初期高解像度画像を得る一般的な手法として、低解像度画像の任意のフレームを補間拡大する手法がある。また別の手法として、画素値のサンプリング位置にずれを有する(位置ずれを有する)複数の低解像度画像の各画素値を、位置ずれ量に基づき対応する高解像度空間に投射し(位置合わせし)、高解像度画像の画素に対応付けをすることで、高画質な初期高解像度画像を得る手法も存在する(例えば、特許文献1参照)。
上述の様な位置合わせの手法を用いて初期高解像度画像生成を行った場合、高解像度画像中には、対応付けられる低解像度画像の画素が存在せず、従って画素値が定義されない画素(未定義画素)が含まれることがある。
そこで特許文献1では、未定義画素の画素値を周辺画素から推定する、または基準となる入力の低解像度画像を拡大し、未定義画素に対応する画素を参照して埋め合わせを行う、またはそれらの推定画素をアルファブレンドする手法が提案されている。
特開2008−109375号公報(第7−9頁)
ここで、もし画像撮像時の時間的、または空間的制約により撮像枚数に制約がある場合、少ない枚数の入力画像にて超解像処理を行う必要がある。
しかしながら、少ない枚数の入力画像で特許文献1の様な処理を行った場合、初期高解像度画像に多くの未定義画素が生じる。この場合、未定義画素が多い領域では有効な周辺画素を十分に得られずに推定精度が低下する。また拡大した低解像度画像を参照する手法では、画像拡大時に高周波成分が失われてしまい、それらの画素で未定義画素の埋め合わせをすることで高解像度画像が劣化してしまうといった課題があった。
本発明は上記の様な問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、少ない枚数の低解像度画像を用いても、より高精度に、高画質な高解像度画像を生成することができる画像処理装置及び画像処理方法を提供することにある。
本発明の一つの態様の画像処理装置は、
互いに画素の位置がずれている複数の低解像度画像から、該低解像度画像に対して予め定められた目標倍率の解像度を持つ、高解像度画像を生成する画像処理装置であって、
前記複数の低解像度画像の各画素についての位置ずれ量を検出する位置ずれ量検出部と、
検出された前記位置ずれ量に基づき、前記目標倍率の解像度を持つ画像空間に前記低解像度画像の画素を投射し、該投射位置に基づいて、該画像空間内の画素に対応付けることで、画素値が定義された画素である有効画素を含む初期高解像度画像を生成する初期高解像度画像生成部と、
前記位置ずれ量に基づき、前記目標倍率よりも小さい中間倍率の解像度を持つ画像空間に前記低解像度画像の画素を投射し、該投射位置に基づいて、該画像空間内の画素に対応付けることで、画素値が定義された画素である有効画素を含む中間解像度画像を生成し、前記中間解像度画像のうちの画素値が定義されていない画素である中間解像度画像未定義画素の画素値をその周囲の有効画素の画素値に基づいて推定した上で、拡大することで前記目標倍率の高解像度画像と画素数が等しい、すべての画素の画素値が定義された中間解像度拡大画像を生成する中間解像度拡大画像生成部と、
前記初期高解像度画像に含まれる、画素値が定義されていない画素である初期高解像度画像未定義画素の画素値を前記中間解像度拡大画像の、前記初期高解像度画像未定義画素に対応する画素の画素値に基づいて推定する高解像度画像充填部とを有する
ことを特徴とする。
本発明の他の態様の画像処理装置は、
互いに画素の位置がずれている複数の低解像度画像から、該低解像度画像に対して予め定められた目標倍率の解像度を持つ、高解像度画像を生成する画像処理装置であって、
前記複数の低解像度画像の各画素についての位置ずれ量を検出する位置ずれ量検出部と、
検出された前記位置ずれ量に基づき、前記目標倍率の解像度を持つ画像空間に前記低解像度画像の画素を投射し、該投射位置に基づいて、該画像空間内の画素に対応付けることで、画素値が定義された画素である有効画素を含む初期高解像度画像を生成する初期高解像度画像生成部と、
前記位置ずれ量に基づき、前記目標倍率よりも小さい、互いに異なる第1乃至第I(Iは2以上の整数)の中間倍率の解像度を持つ画像空間に前記低解像度画像の画素を投射し、該投射位置に基づいて、該画像空間内の画素に対応付けることで、画素値が定義された画素である有効画素を含む第1乃至第Iの中間解像度画像を生成し、前記第1乃至第Iの中間解像度画像のうちの画素値が定義されていない画素である中間解像度画像未定義画素の画素値をその周囲の有効画素の画素値に基づいて推定した上で、拡大することで前記目標倍率の高解像度画像と画素数が等しい、すべての画素の画素値が定義された第1乃至第Iの中間解像度拡大画像を生成する中間解像度拡大画像生成部と、
前記低解像度画像を拡大することで低解像度拡大画像を生成する低解像度拡大画像生成部と、
前記初期高解像度画像に含まれる、画素値が定義されていない画素である初期高解像度画像未定義画素の画素値を前記第1乃至第Iの中間解像度拡大画像及び前記低解像度拡大画像の、前記初期高解像度画像未定義画素に対応する画素の画素値に基づいて推定する高解像度画像充填部とを有する
ことを特徴とする。
本発明のさらに他の態様の画像処理装置は、
互いに画素の位置がずれている複数の低解像度画像から、該低解像度画像に対して予め定められた目標倍率の解像度を持つ、高解像度画像を生成する画像処理装置であって、
前記複数の低解像度画像の各画素についての位置ずれ量を検出する位置ずれ量検出部と、
検出された前記位置ずれ量に基づき、前記目標倍率の解像度を持つ画像空間に前記低解像度画像の画素を投射し、該投射位置に基づいて、該画像空間内の画素に対応付けることで、画素値が定義された画素である有効画素を含む初期高解像度画像を生成する初期高解像度画像生成部と、
前記位置ずれ量に基づき、前記目標倍率よりも小さい、互いに異なる第1乃至第I(Iは2以上の整数)の中間倍率の解像度を持つ画像空間に前記低解像度画像の画素を投射し、該投射位置に基づいて、該画像空間内の画素に対応付けることで、画素値が定義された画素である有効画素を含む第1乃至第Iの中間解像度画像を生成し、前記第1乃至第Iの中間解像度画像のうちの画素値が定義されていない画素である中間解像度画像未定義画素の画素値をその周囲の有効画素の画素値に基づいて推定した上で、拡大することで前記目標倍率の高解像度画像と画素数が等しい、すべての画素の画素値が定義された第1乃至第Iの中間解像度拡大画像を生成し、前記第1乃至第Iの中間解像度拡大画像の各々の各画素について、当該画素が、対応する中間解像度画像における有効画素に対応する位置にある高信頼度画素であるか、対応する中間解像度画像未定義画素に対応する位置にある低信頼度画素であるかを示す信頼度情報を出力する中間解像度拡大画像生成部と、
前記低解像度画像を拡大することで低解像度拡大画像を生成する低解像度拡大画像生成部と、
前記初期高解像度画像に含まれる、画素値が定義されていない画素である初期高解像度画像未定義画素の各々について、その周囲の画素のうちの有効画素の割合が予め定められた有効画素割合閾値以上であれば、その近隣の有効画素を参照して補間を行って、初期高解像度補間画像を出力する初期高解像度画像補間部と、
前記第1乃至第Iの中間解像度拡大画像の各々における前記低信頼度画素の各々について、その周囲の画素のうちの前記高信頼度画素の割合が予め定められた高信頼度画素割合閾値以上であれば、その近隣の前記高信頼度画素を参照して補間を行って、第1乃至第Iの中間解像度拡大補間画像を出力する中間解像度拡大画像補間部と、
前記初期高解像度補間画像未定義画素を順次選択して注目画素として、前記第1乃至第Iの中間解像度拡大補間画像及び前記低解像度拡大画像の、前記注目画素に対応する画素の画素値に基づいて前記注目画素の画素値を推定する未定義画素充填部と
を有することを特徴とする。
本発明によれば、少ない枚数の低解像度画像を用いても、より高精度に、高画質な高解像度画像を生成することが可能である。
本発明の実施の形態1に係る画像処理装置を示すブロック図である。 (a)及び(b)は、低解像度画像と高解像度画像における画素配置を示す図である。 (a)〜(d)は、実施の形態1における位置ずれ量検出及び初期高解像度画像生成の処理を示す図である。 実施の形態1における中間解像度拡大画像生成部の構成例を示すブロック図である。 (a)〜(d)は、実施の形態1における位置ずれ量検出及び中間解像度画像生成の処理を示す図である。 (a)及び(b)は、実施の形態1における高解像度画像充填の処理を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る画像処理装置を示すブロック図である。 実施の形態2における中間解像度拡大画像生成部の構成例を示すブロック図である。 (a)〜(f)は、実施の形態2における低解像度画像からの投射による中間解像度画像の生成を示す図、(g)は、画素中心からの投射位置のずれを示す図である。 実施の形態2における低解像度拡大画像生成部の構成例を示すブロック図である。 (a)及び(b)は、実施の形態2における低解像度画像からの投射による合成低解像度画像の生成の処理を示す図である。 実施の形態2における高解像度画像充填部の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る画像処理装置を示すブロック図である。 実施の形態3における高解像度画像充填部の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4に係る画像処理装置を示すブロック図である。 実施の形態4における中間解像度拡大画像生成部の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4における高解像度画像充填部の構成例を示すブロック図である。 実施の形態4における高解像度画像充填部の他の構成例を示すブロック図である。 実施の形態4における高解像度画像充填部のさらに他の構成例を示すブロック図である。 実施の形態4に係る画像処理装置の他の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態5に係る画像処理装置を示すブロック図である。 実施の形態5における画像処理の手順を示すフロー図である 図22の中間解像度画像拡大の処理の手順の詳細を示すフロー図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置100を示すブロック図である。実施の形態1に係る画像処理装置100は、位置ずれを有する複数の低解像度画像DINに対して縦方向及び横方向の解像度がともにM倍の高解像度画像DOUTを出力するものであり、位置ずれ量検出部1と、初期高解像度画像生成部2と、中間解像度拡大画像生成部3と、高解像度画像充填部4とを備えている。Mを目標倍率或いは最終倍率と言う。目標倍率は画像処理の開始に先立って指定される。以下ではM=5の場合について説明する。
図2(a)及び(b)は低解像度画像と高解像度画像における画素配置を示す。これらの図で一つのマス目が一つの画素を示す。図2(a)及び(b)では簡単のため、低解像度画像のうちの3×3画素の部分と、対応する高解像度画像の15×15個の画素の部分が示されている。
図2(a)の低解像度画像DINに対して図2(b)の高解像度画像DOUTの画素数は縦方向及び横方向ともに5倍であり、高解像度画像DOUT中には、低解像度画像DINの各画素に対応する位置に5×5個の画素の群が生成される。この5×5個の画素の群(それぞれ太線で囲って示す)をセルと呼ぶ。以下では説明の便宜上、低解像度画像DINにおける縦方向及び横方向の距離を画素間隔で正規化して(即ち画素間隔を1として)表し、高解像度画像DOUTにおける縦方向及び横方向の距離をセル間隔で正規化して(即ちセル間隔を1として)表す。従って、高解像度画像においては、画素間隔は0.2(=1/5)であり、各画素の中心から縦方向及び横方向に±0.1の範囲が当該画素の画素範囲と定義される。
位置ずれ量検出部1は、位置ずれを有する、即ち互いに画素の位置がずれた複数の低解像度画像DINの各画素について、位置ずれ量、例えば基準画像からの位置ずれ量を検出し、検出した位置ずれ量を示す位置ずれ量情報D1を生成して出力する。以下では、複数の低解像度画像DINとして、4枚の低解像度画像が用いられるものとして説明する。
初期高解像度画像生成部2は、複数の低解像度画像DINと、それぞれの低解像度画像DINの位置ずれ量情報D1とに基づき、初期高解像度画像D2を生成する。初期高解像度画像D2は、高解像度画像DOUTと同じく、低解像度画像DINに対して縦方向、横方向ともにM(=5)倍の解像度を有するが、後述のように、画素のうちには画素値が定義されていない画素(初期高解像度画像未定義画素)が含まれている。
初期高解像度画像生成部2は、高解像度画像空間に、複数の低解像度画像DINの各画素をその位置ずれ量に応じた位置に投影乃至投射し、該投射位置に基づく対応付けを行うことで初期高解像度画像D2を生成する。この初期高解像度画像D2の各画素に対して、複数の低解像度画像DINのいずれからも投射される画素(対応する画素)が存在しない場合、当該画素(初期高解像度画像D2の画素)は画素値が定義されない。この画素値が定義されない画素を「未定義画素」と呼ぶ。一方、上記の投射により画素値が定義された画素を「有効画素」と呼ぶ。
中間解像度拡大画像生成部3は、複数の低解像度画像DINと、それぞれの低解像度画像DINにおける位置ずれ量情報D1とに基づき、中間解像度拡大画像D3を生成する。
中間解像度拡大画像D3は、低解像度画像DINに対して縦方向、横方向ともにM倍(=5)の画素数を有するが、複数の低解像度画像DINと、それぞれの低解像度画像DINにおける位置ずれ量情報D1とに基づき、一旦解像度がN倍(1<N<M)の画像(中間解像度画像)を生成し、該中間解像度画像の未定義画素(中間解像度画像未定義画素)をその周辺の有効画素から推定する処理を行い、さらにフィルタ演算処理でSc(=M/N)倍に拡大することで得られたものであり、すべての画素が定義されている。本実施の形態ではN=3であるものとする。
高解像度画像充填部4は、初期高解像度画像D2に含まれている未定義画素の画素値を中間解像度拡大画像D3の対応画素の画素値に基づいて推定し、この推定により未定義画素に画素値を充填し、すべての未定義画素に画素値が充填された高解像度画像DOUTを出力する。
以下、図1のそれぞれの構成要素についてより詳しく説明する。
まず、図3(a)〜(d)を参照して位置ずれ量情報D1及び初期高解像度画像D2の生成方法について説明する。
図3(a)〜(d)は、4枚の低解像度画像DINを使用して初期高解像度画像D2を生成する場合を示す。4枚の低解像度画像DINはそれぞれフレーム1〜4の画像F1〜F4である。
図2(a)及び(b)と同様に、図3(a)及び(b)でも、簡単のため、低解像度画像DINのうちの3×3画素の部分と、対応する初期高解像度画像D2の15×15個の画素の部分が示されている。図3(c)には、低解像度画像DINの一つの画素についての位置ずれが示され、図3(d)には、初期高解像度画像D2の一つのセル内の画素及び該セル内における低解像度画像DINの画素の投射位置を示す。
位置ずれ量検出部1は、位置ずれを含む低解像度画像DINの各画素が、基準となる画像に対してどれだけ位置ずれを有しているかを、画素毎に算出し、位置ずれ量情報D1として出力する。位置ずれ量の検出は、例えばオプティカルフローの計算により、或いはカメラ(低解像度画像DINの生成に用いられたもの)の3次元空間における位置姿勢等を参考に算出することによって行う。この位置ずれ量はサブピクセル単位の精度で(低解像度画像の画素間隔よりも短い単位の精度で)検出する必要がある。
図3(c)に低解像度画像の一つの画素についての位置ずれの例を示している。図示の例では4枚の画像のうちの1枚(フレーム1の画像)F1を基準画像とし、その画素Pf1(□で示す)に対して、他の3枚の画像(フレーム2、3、4の画像)F2、F3、F4の画素Pf2、Pf3、Pf4(それぞれ○、△、◇で示す)が左上方向、右上方向、下方向にずれている様子を示す。
位置ずれ量はベクトルV21、V31、V41で示される。ベクトルV21、V31、V41は、画素Pf2、Pf3、Pf4の画素Pf1に対する相対位置、例えば、画素Pf1の位置を原点とするローカル座標(x21,y21)、(x31,y31)、(x41,y41)で表される。
位置ずれ量V21、V31、V41の算出に当たって、位置ずれ量検出部1は、基準画像以外の画像において、基準画像の各画素(注目画素)に対応する画素を探索し、対応すると判断された画素の、注目画素に対する相対位置を求める。
このようにして求められた、各画素についての位置ずれ量V21、V31、V41を示す位置ずれ量情報D1は、位置ずれ量検出部1から、初期高解像度画像生成部2及び中間解像度拡大画像生成部3に供給される。
初期高解像度画像生成部2は、位置ずれ量情報D1に基づき、複数の(4枚の)低解像度画像DINの各画素を、対応する高解像度画像空間に投射し、投射位置に基づいて高解像度画像空間内の画素に対応付ける(位置合わせする)ことで、1枚の初期高解像度画像D2(図3(b))を生成する。高解像度画像空間には、各画素の配置位置と、該配置位置を中心とする各画素の画素範囲が定義されている。
初期高解像度画像D2は、高解像度画像DOUTと同じく、低解像度画像DINの各画素に対応する位置に一つのセル(太線で囲って示す)を有し、各セルはM×M(=5×5)個の画素P1〜P25から成る。
図3(d)は、一つのセル内の5×5個の画素P1〜P25と、セル内における低解像度画像の画素の投射位置を示す。図3(d)では、各画素の範囲を点線のマス目で示す。
基準画像F1の画素Pf1(□で示す)は、対応するセルの中心に投射され、画素Pf1の画素値がセルの中心の画素P13の画素値の定義(決定)に用いられる。
基準画像以外の画像F2、F3、F4の画素Pf2、Pf3、Pf4(それぞれ○、△、◇で示す)は、対応するセル内における、それぞれその位置ずれ量V21、V31、V41に応じた位置に投射され、その投射位置(投射された画素の中心の位置)が属する画素範囲を有する画素の画素値の定義(決定)に用いられる。
ここで位置ずれ量に応じた位置への投射とは、低解像度画像中で、基準画像の画素(基準画素)の中心に対する位置ずれ量が(xd,yd)であれば、高解像度画像中で対応するセルの中心に対する相対位置が(xd,yd)である位置に投射されることを意味する。
図3(d)には、画素Pf2、Pf3、Pf4がそれぞれ画素P1、P9、P22の画素範囲に投射された場合を示す。
画素Pf1〜Pf4の内の複数の画素が同じ画素Pq(qは1〜25のいずれか)の画素範囲に投射された場合(同じ画素範囲に重複して配置された場合)には、当該複数の画素の画素値を合成し、合成結果を画素Pqの画素値とする。合成は、例えば平均値の算出によって行う。この平均値は単純平均値でも加重平均値でも良い。加重平均値を用いる場合には、投射位置と画素Pqの中心との距離が小さいほど重みを大きくしても良い。また、投射位置が画素Pqの中心に最も近い画素の画素値を選択して、画素Pqの画素値としても良い。これは、投射位置が画素Pqの中心に最も近い画素の重みを1とし、他の画素の重みを0として加重平均するのと同じである。
画素P1〜P25の中にはその画素範囲内に、画素Pf1〜Pf4の画素のいずれも投射されない画素が存在する。図3(d)の例では、画素P2〜P8、P10〜P12、P14〜P21、P23〜P25にはその画素範囲内にいずれの画素も投射されていない。そのため、これらの画素の画素値は定義(決定)されない。上記のように、このような画素値が定義されていない画素は未定義画素と呼ばれる。
図3(b)の画像は、そのすべてのセルにおいて、画素の投射及び画素値の定義が図3(d)で示すように行われた場合に得られるものである。即ち、図3(b)は、3枚の低解像度画像F2、F3、F4の基準画像F1に対する位置ずれが図示の9個の画素相互間で同じであり、従って高解像度画像空間内の、低解像度画像の画素からの投射位置が9つのセル相互間で互いに同じである場合を示している。
以上のようにして少なくとも一部の画素が有効画素である、言い換えると画素値が定義された画素である有効画素を含む初期高解像度画像D2が生成される。生成された初期高解像度画像D2は高解像度画像充填部4に供給される。
中間解像度拡大画像生成部3は、位置ずれ量情報D1と低解像度画像DINから、目標倍率よりも小さな倍率(中間倍率)Nの解像度を有し、画素数が高解像度画像DOUTと同じ画像を中間解像度拡大画像D3として生成し出力する。
図4は、中間解像度拡大画像生成部3の構成の一例を示すブロック図である。図示の中間解像度拡大画像生成部3は、中間解像度画像生成部31と、画像拡大部32とを有する。
以下、中間解像度画像生成部31の動作を、図5(a)〜(d)を参照して説明する。図5(a)及び(c)は、図2(a)及び(c)と同じであり、位置ずれ量検出部1の動作を示す。
中間解像度画像生成部31は、位置ずれ量情報D1に基づき、複数の(4枚の)低解像度画像DINの各画素を、中間解像度画像空間内の画素位置に投射し、投射位置に基づいて中間解像度画像空間内の画素に対応付ける(位置合わせする)ことで、1枚の中間解像度画像D31(図5(b))を生成する。中間解像度画像空間には、各画素の配置位置と、該配置位置を中心とする各画素の画素範囲が定義されている。
中間解像度画像D31は、低解像度画像DINの各画素に対応するN×N(3×3)個の画素P1〜P9から成るセル(太線で囲って示す)を有する。
図5(d)は、一つのセル内の3×3個の画素P1〜P9と、セル内における低解像度画像の画素の投射位置を示す。図5(d)では、各画素の範囲を点線のマス目で示す。
基準画像F1の画素Pf1(□で示す)は、対応するセルの中心に投射され、画素Pf1の画素値がセルの中心の画素P5の画素値の定義(決定)に用いられる。
基準画像以外の画像F2、F3、F4の画素Pf2、Pf3、Pf4(それぞれ○、△、◇で示す)は、対応するセル内における、それぞれその位置ずれ量V21、V31、V41に応じた位置に投射され、その投射位置(投射された画素の中心の位置)が属する画素範囲を有する画素の画素値の定義(決定)に用いられる。
ここで位置ずれ量に応じた位置への投射とは、低解像度画像中で、基準画像の画素(基準画素)の中心に対する位置ずれ量が(xd,yd)であれば、中間解像度画像中で対応するセルの中心に対する相対位置が(xd,yd)である位置に投射されることを意味する。
図5(d)には、画素Pf2、Pf3、Pf4がそれぞれ画素P1、P3、P8の画素範囲に投射された場合を示す。
画素Pf1〜Pf4の内の複数の画素が同じ画素Pq(qは1〜9のいずれか)の画素範囲に投射された場合(同じ画素範囲に重複して配置された場合)には、当該複数の画素の画素値の平均値を画素Pqの画素値とする。この平均値は単純平均値でも加重平均値でも良い。加重平均値を用いる場合には、投射位置と画素Pqの中心との距離が小さいほど重みを大きくしても良い。また、投射位置が画素Pqの中心に最も近い画素の画素値を、画素Pqの画素値としても良い。これは、投射位置が画素Pqの中心に最も近い画素の重みを1とし、他の画素の重みを0として加重平均するのと同じである。
画素P1〜P9の中にはその画素範囲内に、画素Pf1〜Pf4の画素のいずれも投射されなかった画素が存在する。図5(d)の例では、画素P2、P4、P6、P7、P9にはその画素範囲内にいずれの画素も投射されておらず、従ってこれらの画素は未定義画素である。
図5(b)の画像は、そのすべてのセルにおいて、画素の投射及び画素値の定義が図5(d)で示すように行われた場合に得られるものである。即ち、図5(b)は、3枚の低解像度画像F2、F3、F4の基準画像F1に対する位置ずれが図示の9個の画素相互間で同じであり、従って中間解像度画像空間内の、低解像度画像の画素からの投射位置が9つのセル相互間で互いに同じである場合を示している。
以上のようにして少なくとも一部の画素が有効画素である、言い換えると画素値が定義された画素である有効画素を含む画素値が定義された中間解像度画像D31が生成される。生成された中間解像度画像D31は、画像拡大部32に供給される。
画像拡大部32は、中間解像度画像D31の未定義画素に推定値を充填することで充填中間解像度画像を生成し、該充填中間解像度画像を高解像度画像DOUTと同じ大きさ(画素数)にまで拡大し、中間解像度拡大画像D3として出力する。各未定義画素の推定値としては、例えば当該未定義画素の周辺の有効画素の画素値の平均値、又は当該未定義画素に最も近い有効画素の画素値を用いることができる。後者の場合、最も近い有効画素が複数あるときは当該複数の有効画素の画素値の平均値又は当該複数の有効画素のうち予め定められた規則で選択されたものの画素値を用いても良い。
充填中間解像度画像の拡大に当たっては、該充填中間解像度画像を、バイリニア又はバイキュービック法等のフィルタ演算処理により高解像度画像DOUTと同じ画素数まで拡大するとともに、補間を行って、すべての画素の画素値が定義された中間解像度拡大画像D3を生成する。目標倍率がMで、中間倍率がNの場合、画像拡大部32で行う拡大の倍率(拡大率)Scは式(1)により表わされる。

Sc=M/N (1)
画像拡大部32における上記の未定義画素充填及び拡大によりすべての画素の画素値が定義された中間解像度拡大画像D3が生成される。生成された中間解像度拡大画像D3は、高解像度画像充填部4に供給される。
高解像度画像充填部4は中間解像度拡大画像生成部3より出力された中間解像度拡大画像D3を参照して、初期高解像度画像生成部2より出力された初期高解像度画像D2の未定義画素(図6(a)にハッチングで示す)の画素値を推定する。例えば、高解像度画像充填部4は、図6(a)に示される、初期高解像度画像D2の各未定義画素Puに、該未定義画素に対応する(画像中の同じ位置にある)中間解像度拡大画像D3の画素Pme(図6(b))の画素値で充填する。このようにして、初期高解像度画像D2の未定義画素のすべてに画素値が充填された画像が高解像度画像DOUTとして出力される。
上記の処理により、初期高解像度画像D2の、低解像度画像からの投射により画素値が定義された画素(有効画素)はそのまま高解像度画像DOUTの画素となり、初期高解像度画像D2の、低解像度画像からの投射により画素値が定義されなかった画素は、中間解像度拡大画像D3の対応する画素の画素値が充填されて、高解像度画像DOUTの画素となる。従って、高解像度画像DOUTは、すべての画素の画素値が定義された画像である。
以上が、実施の形態1に係る画像処理装置の動作の説明である。
次に実施の形態1の画像処理装置により得られる効果を説明する。
実施の形態1の画像処理装置100では、目標倍率Mの初期高解像度画像D2を生成するとともに、これとは別に、中間解像度拡大画像D3を生成し、初期高解像度画像D2の未定義画素に、中間解像度拡大画像D3の対応する画素の画素値を充填することで、全ての画素につき画素値が定義された高解像度画像DOUTを生成している。これにより、少ない枚数の低解像度画像を用いても、より高精度に高解像度画像を生成することができる。
本実施の形態の手法は、従来の、低解像度画像を拡大して、対応する画素値を参照する手法と比較して、中間解像度拡大画像D3の生成の際の補間拡大の倍率が小さい分入力の低解像度画像DINよりも多くの高周波成分を含み、従って、未定義画素の推定をより高精度に行うことができる。
また、本実施の形態の手法には、低解像度画像の枚数が少なく、もしくは目標倍率が大きく、初期高解像度画像中に有効画素(低解像度画像からの投射によって画素値が定義された画素)が少ない場合でも、従来の、未定義画素をその周囲の画素から推定する手法と比較して、安定して未定義画素に画素値を充填し、高周波成分を再現した高解像度画像を生成することができるという効果がある。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係る画像処理装置100bを示すブロック図である。
図示の画像処理装置100bは、図1の画像処理装置100と概して同じであるが、中間解像度拡大画像生成部3及び高解像度画像充填部4の代わりに、中間解像度拡大画像生成部3b及び高解像度画像充填部4bが用いられ、さらに低解像度拡大画像生成部5が付加されている。
中間解像度拡大画像生成部3bは、図8に示されるように、複数の、例えば第1乃至第3の中間解像度拡大画像生成モジュール3−1、3−2、3−3を有する。
第1乃至第3の中間解像度拡大画像生成モジュール3−1、3−2、3−3の各々の内部構成は図4に示す中間解像度拡大画像生成部3と同じであるが、中間倍率が互いに異なり、第1乃至第3の中間解像度拡大画像生成モジュール3−1、3−2、3−3の中間倍率N1、N2、N3は例えば2、3、4である。
即ち、第1の中間解像度拡大画像生成モジュール3−1は、第1の中間解像度画像生成部31−1と、第1の画像拡大部32−1とを有する。第2の中間解像度拡大画像生成モジュール3−2は、第2の中間解像度画像生成部31−2と、第2の画像拡大部32−2とを有する。第3の中間解像度拡大画像生成モジュール3−3は、第3の中間解像度画像生成部31−3と、第3の画像拡大部32−3とを有する。
第1乃至第3の中間解像度画像生成部31−1〜31−3の各々は、図4の中間解像度画像生成部31と同じであるが、中間倍率がそれぞれN1、N2、N3である。
中間解像度画像生成部31−1、31−2、31−3は、それぞれ、複数の低解像度画像DINの各画素を、それぞれ中間倍率がN1、N2、N3である中間解像度画像空間内の画素位置に投射し、投射位置に基づいて中間解像度画像空間内の画素に対応付ける(位置合わせする)ことで、中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−3を生成する。
図9(a)〜(c)は、複数の低解像度画像DINの対応する画素(互いに位置ずれのある画素)をそれぞれ、中間倍率N1、N2、N3の中間解像度画像空間に投射したときの、中間解像度画像の一つのセル内における投射位置を示し、図9(d)〜(f)は、中間解像度画像の上記セル内における有効画素と未定義画素とを区別して示す。
図9(a)に示すように第1の中間解像度画像D31−1のセルは2×2個の画素を有し、図9(b)に示すように第2の中間解像度画像D31−2のセルは3×3個の画素を有し、図9(c)に示すように第3の中間解像度画像D31−3のセルは4×4個の画素を有する。
図9(a)〜(c)では、図5(a)〜(d)の場合に比べてより多数の、具体的には8枚の低解像度画像が用いられ、より多数の(8個の)画素が投射されている場合を示す。「・」印は、画素の中心を示す。投射された画素のうち、7個が「○」印で示されている。基準画像から投射された画素は、セルの中心に位置するが、セルの中心よりも若干左上に「□」印で示されている。
低解像度画像DINの各画素は、それぞれの中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−3中の対応するセル内に、それぞれの位置ずれ量に応じた位置に投射され、その投射位置が属する画素範囲を有する画素の画素値の定義(決定)に用いられる。
なお、基準画像から投射された画素は、セルの中心に位置するが、中間倍率がN1=2の場合、及び中間倍率がN3=4の場合のようにセルの中心で4つの画素範囲が互いに接している場合には、そのうちのいずれか、例えば左上の画素範囲内に投射されたものとして処理をする。図9(a)〜(c)において、投射位置がセルの中心から若干左上に示されているのはそのためである。
中間解像度画像生成部31−1では、中間解像度画像D31−1の一つのセル内の画素P1〜P4のうち、画素P1の画素範囲には4個の画素が投射され、画素P2の画素範囲には2個の画素が投射され、画素P3の画素範囲及び画素P4の画素範囲にはそれぞれ1個の画素が投射されている。この場合、画素P1の画素範囲に投射された4個の画素の画素値の合成(平均又は選択)により画素P1の画素値が定義され、画素P2の画素範囲に投射された2個の画素の画素値の合成(平均又は選択)により画素P2の画素値が定義され、画素P3の画素範囲に投射された1個の画素の画素値により画素P3の画素値が定義され、画素P4の画素範囲に投射された1個の画素の画素値により画素P4の画素値が定義される。この結果、図9(d)に示すように、4個の画素はすべて画素値が定義される。
中間解像度画像生成部31−2では、中間解像度画像D31−2の一つのセル内の画素P1〜P9のうち、画素P1、P2、P4、P6、P7の画素範囲にはそれぞれ1個の画素が投射されており、投射された画素の画素値がこれらの画素の画素値と定義される。画素P5の画素範囲には3個の画素が投射され、画素P5の画素範囲に投射された3個の画素の画素値の合成(平均又は選択)により画素P5の画素値が定義される。
一方、画素P3、P8、P9の画素範囲に投射された画素は存在しない。従って、これらの画素P3、P8、P9の画素値は定義されない。
図9(e)には画素値が定義された画素を白(ハッチングなし)で、画素値が未定義の画素をハッチングで示してある。
中間解像度画像生成部31−3では、中間解像度画像D31−3の一つのセル内の画素P1〜P16のうち、画素P1、P5、P11、P14の画素範囲にはそれぞれ1個の画素が投射されており、投射された画素の画素値がこれらの画素の画素値と定義される。画素P6、P7の画素範囲には各々2個の画素が投射され、画素P6の画素範囲に投射された2個の画素の画素値の合成(平均又は選択)により画素P6の画素値が定義され、画素P7の画素範囲に投射された2個の画素の画素値の合成(平均又は選択)により画素P7の画素値が定義される。
一方、画素P2〜P4、P8〜P10、P12、P13、P15、P16の画素範囲に投射された画素は存在しない。従って、これらの画素P2〜P4、P8〜P10、P12、P13、P15、P16の画素値は定義されない。
図9(f)には画素値が定義された画素を白(ハッチングなし)で、画素値が未定義の画素をハッチングで示してある。
以上のようにして少なくとも一部の画素が有効画素である、言い換えると画素値が定義された画素である有効画素を含む中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−3が生成される。生成された中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−3は、それぞれ画像拡大部32−1、32−2、32−3に供給される。
中間解像度画像生成部31−1、31−2、31−3は、上記の中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−3とともに、各画素が有効な画素か未定義の画素かを示す情報(有効性情報)D31v−1、D31v−2、D31v−3を生成し、出力する。この情報は後述の画像選択部41bで利用される。
画像拡大部32−1、32−2、32−3は、それぞれ中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−3の未定義画素を推定値で充填することで充填中間解像度画像を生成し、該充填中間解像度画像を、高解像度画像DOUTと同じ大きさ(画素数)にまで拡大し、中間解像度拡大画像D3−1、D3−2、D3−3として出力する。各未定義画素の推定値としては、例えば当該未定義画素の周辺の有効画素の画素値の平均値、又は当該未定義画素に最も近い有効画素の画素値を用いることができる。後者の場合、最も近い有効画素が複数あるときは当該複数の有効画素の画素値の平均値又は当該複数の有効画素のうち予め定められた規則で選択されたものの画素値を用いても良い。
画像拡大部32−1、32−2、32−3による拡大は、実施の形態1の画像拡大部32による拡大と同様にバイリニア法、バイキュービック法等のフィルタ演算処理で行われる。但し、画像拡大部32−1の拡大率Sc1はM/N1=5/2、画像拡大部32−2の拡大率Sc2はM/N2=5/3、画像拡大部32−3の拡大率Sc3はM/N3=5/4である。
上記の未定義画素充填及び拡大の結果、すべての画素の画素値が定義された中間解像度拡大画像D3−1、D3−2、D3−3が生成される。
以上のように、中間解像度拡大画像生成モジュール3−1、3−2、3−3は、互いに異なる複数の中間倍率N1、N2、N3の解像度を持つ第1乃至第3の中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−3を生成し、さらに第1乃至第3の中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−3の未定義画素への画素値の充填を行った上で、拡大を行い、目標倍率Mの高解像度画像DOUTと同じ画素数を持つ第1乃至第3の中間解像度拡大画像D3−1、D3−2、D3−3を生成する。
中間解像度拡大画像生成モジュール3−1、3−2、3−3で生成された中間解像度拡大画像D3−1、D3−2、D3−3は、高解像度画像充填部4bに供給される。
低解像度拡大画像生成部5は、図10に示されるように、合成低解像度画像生成部51と、画像拡大部52とを有する。
合成低解像度画像生成部51は、複数の(8枚の)低解像度画像DINの各画素を、それぞれ低解像度画像空間内の画素位置に投射し、投射位置に基づいて低解像度画像空間内の画素に対応付ける(位置合わせする)ことで、低解像度画像DINと同じ解像度の画像D51を生成する。合成低解像度画像生成部51で生成される画像D51は、複数の低解像度画像DINを合成することで生成されるものであるので、合成低解像度画像と呼ばれる。これに対し低解像度画像DINを区別のため入力低解像度画像と呼ぶこともある。
図11(a)は、複数の低解像度画像DINの対応する画素(互いに位置ずれのある画素)を合成低解像度画像空間に投射したときの、合成低解像度画像の一つのセル内における投射位置を示す。
図11(a)に示すように合成低解像度画像D51のセルは1個の画素を有する。
図11(a)では、図9(a)〜(c)の場合と同様に、8個の画素が投射されている場合を示す。「・」印は、画素の中心を示す。投射された画素のうち、7個が「○」印で示されている。基準画像から投射された画素は、セルの中心に位置するが、セルの中心よりも若干左上に「□」印で示されている。これは図9(a)〜(c)に合わせるためである。
低解像度画像DINの各画素は、それぞれの合成低解像度画像D51中の対応するセル内に、それぞれの位置ずれ量に応じた位置に投射され、その投射位置が属する画素範囲を有する画素の画素値の定義(決定)に用いられる。
合成低解像度画像D51においては、各セルが1個の画素で構成される。従って、すべての画素が有効画素となる。
図11(a)に示す例では、合成低解像度画像生成部51では、合成低解像度画像D51の一つのセル内の画素P1の画素範囲に8個の画素が投射されている。
この場合、画素P1の画素範囲に投射された8個の画素の画素値の合成(平均又は選択)により画素P1の画素値が定義される。
図11(b)は、合成低解像度画像D51の画素P1が、画素値が定義された画素であることを、白(ハッチングなし)で示す。
以上のようにしてすべての画素の画素値が定義された合成低解像度画像D51が生成される。生成された合成低解像度画像D51は、画像拡大部52に供給される。
画像拡大部52は、合成低解像度画像D51を、高解像度画像DOUTと同じ大きさ(画素数)にまで拡大し、低解像度拡大画像D5として出力する。
画像拡大部52による拡大は、実施の形態1の画像拡大部32による拡大と同様にバイリニア法、バイキュービック法等のフィルタ演算処理で行われる。但し、画像拡大部52の拡大率Sc0は目標倍率M(=5)に等しい。拡大の結果、すべての画素の画素値が定義された低解像度拡大画像D5が生成される。
以上のように、低解像度拡大画像生成部5は、低解像度画像DINと同じ解像度を持つ合成低解像度画像D51を生成し、生成した合成低解像度画像D51を拡大して、目標倍率Mの高解像度画像DOUTと同じ画素数を持つ低解像度拡大画像D5を生成する。
低解像度拡大画像生成部5で生成された低解像度拡大画像D5は、高解像度画像充填部4bに供給される。
低解像度拡大画像生成部5は、中間解像度拡大画像生成モジュール3−1〜3−3と同様の構成で、中間倍率を1とした場合に相当し、従って、中間倍率が1以上の値に自由にすることが可能な中間解像度拡大画像生成モジュール3−i(i=1、2、…)を複数個用意し、そのうちの一つの中間倍率を1とすることで、低解像度拡大画像生成部5として作用させることができる。
この場合、低解像度拡大画像生成部5は、中間倍率を1として生成された中間解像度画像(合成低解像度画像)D51を拡大することで拡大画像(低解像度拡大画像)D5を生成するものと見ることができる。
高解像度画像充填部4bは、初期高解像度画像D2の未定義画素の各々について、第1乃至第3の中間解像度拡大画像D3−1、D3−2、D3−3、及び低解像度拡大画像D5のいずれかを選択し、選択した拡大画像の対応画素の画素値を用いて、上記未定義画素の画素値の推定を行う。この推定により未定義画素に画素値が充填される。
図12は、高解像度画像充填部4bの構成の一例を示すブロック図である。
図示の高解像度画像充填部4bは、画像選択部41bと、画素充填部42とを備える。
画像選択部41bは、初期高解像度画像D2の未定義画素の各々を順次注目画素とし、複数の(3つの)中間倍率N1、N2、N3の中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−3の内の、注目画素の位置に対応する位置の周辺の領域内の各画素についての有効性情報D31v−1、D31v−2、D31v−3を入力とし、上記周辺の領域における有効画素割合RD1、RD2、RD3を算出し、算出した有効画素割合RD1、RD2、RD3に基づいて第1乃至第3の中間解像度拡大画像D3−1、D3−2、D3−3及び低解像度拡大画像D5のいずれを選択すべきかの判定を行い、判定結果を示す情報(画像選択情報)D41を出力する。
上記のように、低解像度拡大画像生成部5は、中間倍率を1として生成された中間解像度画像(合成低解像度画像)D51を拡大することで拡大画像(低解像度拡大画像)D5を生成するものと見れば、画像選択情報D41は、初期高解像度画像D2の未定義画素の充填に用いるべき拡大画像(中間解像度拡大画像又は低解像度拡大画像)の生成に用いられた中間解像度画像の中間倍率を選択する中間倍率選択情報であるということもできる。
画素充填部42は、初期高解像度画像D2の未定義画素の各々を順次注目画素とし、画像選択情報D41で示される拡大画像(中間解像度拡大画像D3−1、D3−2、D3−3及び低解像度拡大画像D5のうちの選択すべきと判定されたもの)を選択し、選択した拡大画像のうちの、注目画素に対応する画素の画素値で、注目画素の画素値を推定する。
この推定により注目画素に画素値が充填される。
画像選択部41bは、有効画素割合計算部411と、選択情報生成部412とを有する。
有効画素割合計算部411は、中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−3の内の、注目画素の位置に対応する位置を中心とする、予め定められた大きさの周辺領域内における、各画素についての有効性情報D31v−1、D31v−2、D31v−3を入力とし、該周辺領域内の有効画素割合RD1、RD2、RD3を算出する。
有効画素割合RDi(iは1、2又は3)は、上記の周辺領域内に位置する中間解像度画像D31−iの画素のうち、有効画素(画素値が定義された画素)が占める割合である。
ここで、有効画素割合RDiが算出される周辺領域をNsi×Nsi個の画素から成る領域としたとき、その周辺領域での有効画素割合RDiを求める計算は式(2)で表わされる。なお、本実施の形態では、周辺領域の大きさNsi×Nsiは、各中間解像度画像D31−iにおけるセルの大きさ(セル内の画素の数Ni×Ni)と同じ(Nsiは中間倍率Niと同じ)であるが、同じでなくても良い。

RDi=Fi/(Nsi×Nsi) (2)

式(2)において、Fiは上記の周辺領域(Nsi×Nsi個の画素から成る領域)内の有効画素(低解像度画像からの投射で画素値が定義された画素)の数を表す。
即ち、中間倍率がN1で生成された中間解像度画像D31−1については、
RD1=F1/(Ns1×Ns1) (2a)
即ち、中間倍率がN2で生成された中間解像度画像D31−2については、
RD2=F2/(Ns2×Ns2) (2b)
即ち、中間倍率がN3で生成された中間解像度画像D31−3については、
RD3=F3/(Ns3×Ns3) (2c)
である。
図9(d)、(e)、(f)に示す例では、F1、F2、F3はそれぞれ4、6、6であり、
有効画素割合RD1、RD2、RD3はそれぞれ
RD1=4/4(=1)
RD2=6/9(=0.667)
RD3=6/16(=0.375)
となる。
有効画素割合RDiの計算には、中間解像度画像D31−iの各画素が有効画素であるか未定義画素であるかを知る必要がある。そこで、有効画素割合計算部411は、中間解像度画像生成部31−iから出力される、各中間解像度画像の各画素についての有効性情報D31v−iを用いて、式(2)の計算を行って有効画素割合RDiを算出する。
式(2)の有効画素割合RDiは、初期高解像度画像D2中の未定義画素の各々について、かつ、中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−3の各々について計算される。
選択情報生成部412は、有効画素割合計算部411から出力されたそれぞれの中間倍率N1、N2、N3での有効画素割合RD1、RD2、RD3を基に、中間解像度拡大画像D3−1、D3−2、D3−3、及び低解像度拡大画像D5のうちのいずれの画像を選択すべきかを判定し、判定結果を示す情報を画像選択情報D41として出力する。この選択は、初期高解像度画像D2の未定義の画素毎に行われる。例えば、高解像度画像の未定義画素を順に選択し、選択した画素(注目画素)について行われる。
例えば、選択情報生成部412は、上記のようにして算出された有効画素割合RDiのいずれかが閾値(有効画素割合閾値)RDth以上であるときは、有効画素割合が該閾値RDth以上である中間解像度画像のうち、中間倍率が最も大きいものから生成された中間解像度拡大画像を選択し、選択した中間解像度拡大画像を示す情報を画像選択情報D41として出力する。上記の閾値RDthは、例えば0.6である。
図9(d)、(e)、(f)の場合、RD1(=4/4)、RD2(=6/9)が閾値RDth(0.6)以上であり、それらの有効画素割合(RD1、RD2)に対応する中間倍率(N1、N2)の中で最も大きい中間倍率はN2であり、従って、画像選択情報D41として、中間倍率N2を示すもの、従って中間倍率N2の中間解像度画像から生成された中間解像度拡大画像を示すものが出力される。
画像選択部41bは、中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−のうちいずれについてもその有効画素割合RDiが閾値RDth未満であれば、低解像度拡大画像D5を選択すべきことを示す画像選択情報D41を出力する。
画素充填部42は、初期高解像度画像D2の未定義画素を順に選択して注目画素とし、注目画素について選択情報生成部412から出力された画像選択情報D41に従って、中間解像度拡大画像D3−1、D3−2、D3−3及び低解像度拡大画像D5のいずれかを選択し、選択した拡大画像内の、注目画素に対応する画素の画素値を用いて、注目画素の画素値を推定する。
この推定により注目画素に画素値が充填され、画素値が充填された画素は高解像度画像DOUTの画素となる。
このような充填処理を、初期高解像度画像D2のすべての未定義画素について行うことで、すべての画素の画素値が定義された高解像度画像DOUTが生成される。
実施の形態2では、実施の形態1と同様の効果が得られるほか、以下の付加的な効果が得られる。即ち、複数の中間倍率の解像度の中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−3を生成し、さらにこれらの中間解像度画像をその未定義画素を推定値で充填した上で拡大することで複数の中間解像度拡大画像D3−1、D3−2、D3−3を生成し、例えば中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−3の有効画素割合RD1、RD2、RD3に基づいて、中間解像度拡大画像D3−1、D3−2、D3−3及び低解像度拡大画像D5のうちの最適のものを選択することで、有効画素の分布が不均一な場合、或いは有効画素の割合が不十分な場合でも、従来の、周囲の画素からの推定の手法と比較して、均一な画質で高解像度画像を生成することができる。
特に、画像の位置ずれには平行移動、剪断、回転、射影などがあり、例えば射影の場合には画像の位置によって有効画素の分布が不均一となり、有効画素の割合が不十分な箇所が生じる。このような有効画素の割合が不十分な箇所ではより小さな中間倍率の中間解像度画像から生成した中間解像度拡大画像の画素或いは低解像度拡大画像の画素を使用する。一方、有効画素の割合が大きい箇所では、より大きな中間倍率の中間解像度画像から生成した中間解像度拡大画像の画素を使用する。このようにすることで、安定して未定義画素に画素値を充填するとともに、高周波成分の再現性を高めることができる。
以上、中間解像度拡大画像生成部3bで3つの互いに異なる中間解像度の中間解像度拡大画像を生成する場合について説明したが、本発明は、これに限定されず、2つ又は4つ以上の異なる中間解像度の中間解像度拡大画像が生成される場合にも適用可能である。
一般化して言えば、中間解像度拡大画像生成部3bが、互いに異なる第1乃至第I(Iは2以上の整数)の中間倍率の解像度を持つ画像空間への低解像度画像DINの画素の投射により、第1乃至第Iの中間解像度画像D31−1〜D31−Iを生成し、さらに第1乃至第Iの中間解像度画像D31−1〜D31−Iを、その未定義画素を推定値で充填した上で、拡大して、高解像度画像DOUTと同じ画素数を持つ第1乃至第Iの中間解像度拡大画像D3−1〜D3−Iを生成するものであり、高解像度画像充填部4bが、第1乃至第Iの中間解像度拡大画像D3−1〜D3−I及び低解像度拡大画像D5のいずれか一つを選択し、選択した拡大画像の対応画素の画素値に基づいて上記初期高解像度画像D2の未定義画素の画素値の推定を行うものであれば良い。
例えば、高解像度画像充填部4bは、初期高解像度画像D2の未定義画素を順次選択して注目画素とし、第1乃至第Iの中間解像度画像D31−1〜D31−I内の、注目画素の位置に対応する位置の周辺の領域における、低解像度画像DINからの投射により画素値が定義された画素の割合を示す有効画素割合RD1〜RDIに基づいて、中間解像度拡大画像D3−1〜D3−I及び低解像度拡大画像D5のいずれかを選択し、選択した拡大画像の上記対応画素の画素値を用いて、注目画素の画素値を推定するものであれば良い。
より具体的には、高解像度画像充填部4bは、上記周辺の領域内において、低解像度画像DINからの投射により画素値が定義された画素の割合(有効画素割合)RDiが予め定められた閾値(RDth)以上である中間解像度画像のうち、中間倍率が最大のものから生成された中間解像度拡大画像を選択し、中間解像度画像D31−1〜D31−Iのいずれについても上記の有効画素割合RDiが上記閾値(RDth)未満である場合には、低解像度拡大画像を選択するものであれば良い。
上記の実施の形態では、中間解像度拡大画像生成部が複数の中間解像度拡大画像を生成するが、中間解像度拡大画像生成部が生成する中間解像度拡大画像の数は1つでも良い。その場合には、一つの中間解像度拡大画像と低解像度拡大画像のうちのいずれかを選択する。例えば、一つの中間解像度画像についての有効画素割合が閾値以上であれば中間解像度拡大画像を選択し、そうでなければ低解像度拡大画像を選択することとすれば良い。
実施の形態3.
図13は、本発明の実施の形態3に係る画像処理装置100cを示すブロック図である。
図示の画像処理装置100cは、図7の画像処理装置100bと概して同じであるが、位置ずれ量検出部1の代わりに、位置ずれ量検出部1cが用いられ、中間解像度拡大画像生成部3bの代わりに、中間解像度拡大画像生成部3cが用いられ、高解像度画像充填部4bの代わりに、高解像度画像充填部4cが用いられている。
位置ずれ量検出部1cは位置ずれ量検出部1と同様のものであるが、投射位置ずれ量情報VD1〜VD3の生成及び出力を行う機能をも有する点で異なる。投射位置ずれ量情報VD1〜VD3は、複数の(3つの)中間倍率N1、N2、N3の中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−3の内の、注目画素の位置に対応する位置の周辺の領域における投射位置ずれ量を表す情報である。
中間解像度拡大画像生成部3cは、中間解像度拡大画像生成部3bと同様のものであるが有効性情報D31v−1、D31v−2、D31v−3の生成及び出力を行う機能を持つ必要がない。
高解像度画像充填部4cの構成例を図14に示す。図示の高解像度画像充填部4cは、画像選択部41cと、画素充填部42を備える。画素充填部42は、図12に示す画素充填部42と同様のものである。
画像選択部41cは、初期高解像度画像D2の未定義画素の各々を順次注目画素とし、中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−3の内の、注目画素の位置に対応する位置の周辺の領域における投射位置ずれ量を表す投射位置ずれ量情報VD1、VD2、VD3を入力とし、上記周辺の領域における投射位置のずれの度合い(位置ずれ度合)RQ1、RQ2、RQ3を算出し、算出した位置ずれ度合RQ1、RQ2、RQ3に基づいて、第1乃至第3の中間解像度拡大画像D3−1、D3−2、D3−3及び低解像度拡大画像D5のいずれを選択すべきかの判定を行い、判定結果を示す画像選択情報D41を出力する。
画像選択部41cは、位置ずれ度合計算部413と、選択情報生成部414とを有する。
位置ずれ度合計算部413は、中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−3の内の、注目画素の位置に対応する位置を中心とする、予め定められた大きさの周辺領域内における、投射位置ずれ量を表す投射位置ずれ量情報VD1、VD2、VD3を入力とし、該周辺領域内の位置ずれ度合RQ1、RQ2、RQ3を計算する。
位置ずれ度合RQi(iは1、2又は3)は、上記の周辺領域内における、低解像度画像の複数の画素の投射位置のずれの程度を表す指標であり、例えば、低解像度画像DINの各画素の投射位置と、該投射位置が属する(中間解像度画像の)画素範囲の中心との距離の平均(又は平均に比例する値)で与えられる。例えば、図9(a)〜(c)の例のように、セル内の投射位置の数が、中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−3相互間で互いに等しい場合、上記距離の総和は平均に比例する値である。以下では平均に比例する値として総和を求める場合について説明する。
ここで、位置ずれ度合RQiが算出される周辺領域をNti×Nti個の画素から成る領域としたとき、その周辺領域での位置ずれ度合RQiを求める式は式(3)で表わされる。
なお、本実施の形態では、周辺領域の大きさNti×Ntiは、各中間解像度画像におけるセルの大きさ(セル内の画素の数Ni×Ni)と同じ(Ntiは中間倍率Niと同じ)であるが、同じでなくても良い。
Figure 0006253792
式(3)で、
(x,y)は、低解像度画像DINの画素の、上記セル内の投射位置(図9(a)〜(c)では○印で示されている)の各々、即ち、j番目の投射位置の座標であり、
(xjc,yjc)は、上記セル内のj番目の投射位置が属する画素範囲の中心(符号「・」で示す)の座標を示す。
(iは1、2又は3)は、上記セル内に投射された画素の数であり、図9(a)〜(c)の例では、J=J=J=8である。
(x−xjc)及び(y−yjc)は、上記j番目の投射位置の、該投射位置が属する画素範囲の中心に対するずれ(投射位置ずれ)、即ち、横軸方向及び縦軸方向の差を表す。この投射位置ずれは、二次元の座標(x−xjc,y−yjc)で表される。
中間倍率Niが3の場合について、(x−xjc,y−yjc)を表すベクトルVD2−jが図9(g)に示されている。図9(g)には、ベクトルVD2−jのうち、比較的大きいものに対してのみ矢印及び符号「VD2−j」が付されている。
中間解像度画像生成部31における中間解像度画像生成の際の投射位置ずれ量VD1−j(j=1〜J)、VD2−j(j=1〜J)、VD3−j(j=1〜J)は、例えば、位置ずれ量検出部1cで検出され、検出された投射位置ずれ量を表す投射位置ずれ量情報VD1、VD2、VD3が、位置ずれ量検出部1cから位置ずれ度合計算部413に供給され、位置ずれ度合計算部413で式(3)の計算が行われて位置ずれ度合RQiが求められる。
投射位置ずれ量VDi−j(iは1、2又は3)は、位置ずれ量(図3(c)或いは図5(c)におけるV21、V31、V41など)に基づいて算出される。即ち位置ずれ量に基づいて投射位置を算出し、投射位置の、各倍率の中間解像度画像の画素の中心位置(中間倍率に基づいて位置ずれ量検出部1c内で算出される)に対する差を求めることで投射位置ずれ量が求まる。
式(3)の位置ずれ度合RQiは、初期高解像度画像D2中の未定義画素の各々について、かつ、中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−3の各々についてそれぞれ算出される。
選択情報生成部414は、位置ずれ度合計算部413から出力されたそれぞれの中間倍率N1、N2、N3での位置ずれ度合RQ1、RQ2、RQ3を基に、中間解像度拡大画像D3−1、D3−2、D3−3、及び低解像度拡大画像D5のうちのいずれの画像を選択すべきかを判定し、判定結果を示す情報を画像選択情報D41として出力する。この選択は、初期高解像度画像D2の未定義の画素毎に行われる。例えば、高解像度画像の未定義画素を順に選択し、選択した画素(注目画素)について行われる。
例えば、選択情報生成部414は、上記のようにして算出された位置ずれ度合RQiが最も小さい中間解像度画像から生成された中間解像度拡大画像が最適であり、従って選択すべきものであると判定し、判定結果を示す情報を画像選択情報D41として出力する。
但し、上記の最も小さい位置ずれ度合が予め定められた閾値(位置ずれ度合閾値)RQthよりも大きいとき、従って、中間解像度画像D31−1、D31−2、D31−のうちいずれについてもその位置ずれ度合RQiが閾値RQthよりも大きいときは、低解像度拡大画像D5を選択すべきことを示す画像選択情報D41を出力する。
実施の形態2について説明したのと同様に、画素充填部42は、初期高解像度画像D2の未定義画素を順に選択して注目画素とし、注目画素について選択情報生成部414から出力された画像選択情報D41に従って中間解像度拡大画像D3−1、D3−2、D3−3及び低解像度拡大画像D5のいずれかを選択し、選択した拡大画像の内の、注目画素に対応する画素の画素値を用いて、注目画素の画素値を推定する。
この推定により注目画素の画素値が充填され、画素値が充填された画素は高解像度画像DOUTの画素となる。
このような充填処理を、初期高解像度画像D2のすべての未定義画素について行うことで、すべての画素の画素値が定義された高解像度画像DOUTが生成される。
実施の形態3でも実施の形態2と同様の効果が得られる。但し、以下の点で異なる。
実施の形態3では、初期高解像度画像D2の未定義画素の各々について当該未定義画素の充填に用いる拡大画像の選択を、低解像度画像の画素の投射位置のずれの程度を表す位置ずれ度合RQiに基づいて行う。従って、投射位置ずれのより少ない中間解像度画像から生成された中間解像度拡大画像を充填に用いることができ、より精度の高い画素値の推定を行うことができる。この結果、有効画素の分布が不均一である場合にもより均一な画質で高解像度画像を生成できる。
以上、中間解像度拡大画像生成部3cで3つの互いに異なる中間解像度の中間解像度拡大画像を生成する場合について説明したが、本発明は、これに限定されず、2つ又は4つ以上の異なる中間解像度の中間解像度拡大画像が生成される場合にも適用可能である。
一般化して言えば、中間解像度拡大画像生成部3cが、実施の形態2の中間解像度拡大画像生成部3bに関し述べたのと同様に、互いに異なる第1乃至第I(Iは2以上の整数)の中間倍率の解像度を持つ画像空間への低解像度画像DINの画素の投射により、第1乃至第Iの中間解像度画像D31−1〜D31−Iを生成し、さらに第1乃至第Iの中間解像度画像D31−1〜D31−Iを、その未定義画素を推定値で充填した上で、拡大して、高解像度画像DOUTと同じ画素数を持つ第1乃至第Iの中間解像度拡大画像D3−1〜D3−Iを生成するものであり、高解像度画像充填部4cが、第1乃至第Iの中間解像度拡大画像D3−1〜D3−I及び低解像度拡大画像D5のいずれか一つを選択し、選択した拡大画像の対応画素の画素値に基づいて未定義画素の画素値の推定を行うものであれば良い。
例えば、高解像度画像充填部4cは、初期高解像度画像D2の未定義画素を順次選択して注目画素とし、第1乃至第Iの中間解像度画像D31−1〜D31−I内の、注目画素の位置に対応する位置の周辺の領域内における投射位置のずれの度合(位置ずれ度合RQi)に基づいて、中間解像度拡大画像D3−1〜D3−I及び低解像度拡大画像D5のいずれかを選択し、選択した拡大画像の上記対応画素の画素値を用いて注目画素の画素値を推定するものであれば良い。
より具体的には、高解像度画像充填部4cは、上記周辺の領域内の画素のうち、上記投射により低解像度画像DINの画素に対応付けられた画素の各々に対する、対応する上記投射位置のずれの平均を上記位置ずれ度合RQiとして算出し、上記位置ずれ度合RQiが予め定められた閾値(RQth)以下であって、かつ最小である中間解像度画像から生成された中間解像度拡大画像を選択し、中間解像度画像D31−1〜D31−Iのいずれについても上記の位置ずれ度合RQiが閾値(RQth)よりも大きければ、低解像度拡大画像D5を選択するものであれば良い。
なお、合成低解像度画像D51についても中間解像度画像D31−1〜D31−Iと同様に位置ずれ度合RQ0を求め、中間解像度画像D31−1〜D31−Iについての位置ずれ度合RQ1〜RQI及び合成低解像度画像D51についての位置ずれ度合RQ0のうちの最小のもの(位置ずれ度合)が求められた画像(D31−1〜D31−I、D51のうちのいずれか)から生成された拡大画像(中間解像度拡大画像D3−1〜D3−I及び低解像度拡大画像D5のいずれか)を選択して、初期高解像度画像D2の未定義画素の充填に用いることとしても良い。
上記の実施の形態では、中間解像度拡大画像生成部が複数の中間解像度拡大画像を生成するが、中間解像度拡大画像生成部が生成する中間解像度拡大画像の数は1つでも良い。その場合には、一つの中間解像度拡大画像と低解像度拡大画像のうちのいずれかを選択することとなる。例えば、一つの中間解像度画像についての位置ずれ度合が閾値以下であれば中間解像度拡大画像を選択し、そうでなければ低解像度拡大画像を選択することとすれば良い。代わりに、一つの中間解像度画像についての位置ずれ度合と、合成低解像度画像についての位置ずれ度合を比較し、中間解像度画像についての位置ずれ度合が小さければ、中間解像度拡大画像を選択し、合成低解像度画像についての位置ずれ度合が小さければ、低解像度拡大画像を選択することとしても良い。
実施の形態4.
図15は、本発明の実施の形態4に係る画像処理装置100dを示すブロック図である。
図示の画像処理装置100dは、図7の画像処理装置100bと概して同じであるが、中間解像度拡大画像生成部3bの代わりに、中間解像度拡大画像生成部3dが用いられ、高解像度画像充填部4bの代わりに、高解像度画像充填部4dが用いられている。
中間解像度拡大画像生成部3dの構成例を図16に示す。図16で図8と同じ符号は同じ機能を持つ要素を示す。図示の中間解像度拡大画像生成部3dは、第1乃至第3の中間解像度拡大画像生成モジュール3d−1〜3d−3を有する。第1乃至第3の中間解像度拡大画像生成モジュール3d−1〜3d−3は、それぞれ、図8の第1乃至第3の中間解像度拡大画像生成モジュール3−1〜3−3と同様であるが、以下の点で異なる。
第1の中間解像度拡大画像生成モジュール3d−1は、中間解像度画像生成部31−1と、画像拡大部31d−1とを有し、第2の中間解像度拡大画像生成モジュール3d−2は、中間解像度画像生成部31−2と、画像拡大部31d−2とを有し、第3の中間解像度拡大画像生成モジュール3d−3は、中間解像度画像生成部31−3と、画像拡大部31d−3とを有する。
中間解像度画像生成部31−1、31−2、31−3は、それぞれ図8に同じ符号で示す要素と同じである。
画像拡大部32d−1、32d−2、32d−3は、それぞれ図8の画像拡大部32−1、32−2、32−3と同じ機能を持つほか、拡大により生成された中間解像度拡大画像D3−1、D3−2、D3−3の各画素についてその画素値が信頼性の高いものであるか否か、即ち高信頼度画素であるか低信頼度画素であるかを示す信頼度情報D3v−1、D3v−2、D3v−3を生成する。
ここで、各画素についてその画素値の信頼性が高いか否かは、各画素が中間解像度画像D31−i(iは1、2又は3)の有効画素に対応するものであるか、未定義画素に対応するものであるかに基づいて判定される。
中間解像度画像D31−iの各画素と中間解像度拡大画像D3−iの各画素との対応関係は、中間解像度画像D31−iと中間解像度拡大画像D3−iとを重ね合わせたときの、それらの位置関係に基づいて判定する。例えば、中間解像度画像D31−iと中間解像度拡大画像D3−iとを重ね合わせたときに、中間解像度画像D31−iの画素のうち、中間解像度拡大画像D3−iの各画素(注目画素)の中心が位置する画素範囲を持つ画素が、当該注目画素に対応する画素であると判定する。そして、対応する画素が有効画素であれば、注目画素は高信頼度画素であると判定し、対応する画素が未定義画素であれば注目画素は低信頼度画素であると判定する。
また、中間解像度画像D31−iの画素のうち、上記注目画素の位置に対応する位置の近傍にその中心がある1又は2以上の画素を、当該注目画素に対応する画素であるとしても良い。2以上の画素が「対応する画素」である場合には、対応する画素のうちの有効画素の数と未定義画素の数とに基づいて、当該注目画素が高信頼度画素であるか、低信頼度画素であるかの判定をすることとしても良い。この場合、中心間の距離を考慮に入れ、「対応する画素」のうち距離のより短いものほどより大きな重みをつけて判定をすることとしても良い。
高解像度画像充填部4dの構成例を図17に示す。図示の高解像度画像充填部4dは、画像選択部41bと、画素充填部42dとを有する。画像選択部41bは、図12の画像選択部41bと同じものである。画素充填部42dは、初期高解像度画像補間部421と、中間解像度拡大画像補間部422−1、422−2、422−3と、未定義画素充填部423とを有する。
初期高解像度画像補間部421は、初期高解像度画像D2の未定義画素の各々について、その周囲の画素のうちの画素値が定義された画素(有効画素)の割合を有効画素割合REとして求め、該有効画素割合REが予め定められた閾値(第2の有効画素割合閾値)REth以上であれば、当該未定義画素の画素値を、その近隣の有効画素の画素値を用いて補間する。この補間は例えば当該未定義画素の近隣の有効画素を用いたメディアンフィルタにより行われる。一方、有効画素割合REが上記の閾値REth未満であれば補間を行わず、当該未定義画素をそのまま出力する。
周囲の画素とは例えば未定義画素を中心とするMu×Mu個の画素から成る範囲内の画素である。Muは例えばM(=5)に等しい。近隣の有効画素も同様に例えば未定義画素を中心とするMv×Mv個の画素から成る範囲内の有効画素である。Mvは例えばM(=5)に等しい。このような処理をすべての未定義画素に対して行う結果、未定義画素の一部又は全部が補間された初期高解像度補間画像D421が得られる。
初期高解像度補間画像D421は、未定義画素充填部423に供給される。
中間解像度拡大画像補間部422−1、422−2、422−3は、それぞれ中間解像度拡大画像D3−1、D3−2、D3−3の低信頼度画素の各々について、その周囲の画素のうちの高信頼度画素の割合を高信頼度画素割合RF1、RF2、RF3として求め、該高信頼度画素割合RF1、RF2、RF3がそれぞれに対して予め定められた閾値(高信頼度画素割合閾値)RF1th、RF2th、RF3th以上であれば、当該低信頼度画素の画素値を、その近隣の高信頼度画素の画素値を用いて補間する。この補間は例えば当該低信頼度画素の近隣の高信頼度画素を用いたメディアンフィルタにより行われる。一方、高信頼度画素割合RF1、RF2、RF3がそれぞれ上記の閾値RF1th、RF2th、RF3th未満であれば補間を行わず、当該低信頼度画素をそのまま出力する。
周囲の画素とは例えば低信頼度画素を中心とするNu1×Nu1、Nu2×Nu2、Nu3×Nu3個の画素から成る範囲内の画素である。Nu1、Nu2、Nu3は例えばN1、N2、N3(=2、3、4)に等しい。近隣の高信頼度画素も同様に例えば低信頼度画素を中心とするNv1×Nv1、Nv2×Nv2、Nv3×Nv個の画素から成る範囲内の高信頼度画素である。Nv1、Nv2、Nv3は例えばN1、N2、N3(=2、3、4)に等しい。このような処理をすべての低信頼度画素に対して行う結果、低信頼度画素の一部又は全部が補間された中間解像度拡大補間画像D422−1、D422−2、D422−3が得られる。
中間解像度拡大補間画像D422−1、D422−2、D422−3は、未定義画素充填部423に供給される。
未定義画素充填部423は、初期高解像度画像補間部421による補間の後もなお、画素値が定義されていない画素、即ち初期高解像度補間画像D421における未定義画素(初期高解像度補間画像未定義画素)を、順次注目画素として選択し、実施の形態2の高解像度画像充填部4bと同じ方法で充填する。但し、中間解像度拡大画像D3−1、D3−2、D3−3の代わりに、中間解像度拡大補間画像D422−1、D422−2、D422−3を用いる。
即ち、未定義画素充填部423は、画像選択情報D41が中間解像度拡大画像D3−iを選択すべきことを示すものである場合、言い換えると、中間倍率Niを選択するものである場合には、中間解像度拡大補間画像D422−iを選択する。
このように、未定義画素充填部423は、画像選択情報D41に対応する画像(中間解像度拡大補間画像D422−1、D422−2、D422−3及び低解像度拡大画像D5のいずれか)を選択し、選択した画像の内の、注目画素に対応する画素の画素値を用いて、注目画素の画素値を推定する。
この推定により注目画素の画素値が充填され、画素値が充填された画素は高解像度画像DOUTの画素となる。
このような充填処理を、初期高解像度補間画像D421のすべての未定義画素について行うことで、すべての画素の画素値が定義された高解像度画像DOUTが生成される。
なお、図18に示すように、初期高解像度画像補間部421で補間した画素の画素値と、未定義画素充填部423で充填した画素の画素値を合成部425で合成(ブレンド)した画素値を未定義画素再充填部426において初期高解像度画像D2に充填し、最終出力としての高解像度画像DOUTとしても良い。このように構成された画素充填部が符号42eで示されている。
また、図19に示すように、初期高解像度画像補間部421で補間した画素の画素値と、未定義画素充填部423で充填した画素の画素値を合成部425で合成(ブレンド)した画素値を未定義画素再充填部427において初期高解像度補間画像D421に充填し、最終出力としての高解像度画像DOUTとしても良い。このように構成された画素充填部が符号42fで示されている。
初期高解像度画像補間部421における近隣の有効画素を用いた補間、或いは中間解像度拡大画像補間部422−1〜422−3における近隣の高信頼度画素を用いた補間を行うと、高周波成分の多い領域では、誤り(ノイズ)が生じやすいが、図18又は図19に示されるように、合成部425による合成(ブレンド)を行うことでノイズの影響を低減することができる。
以上、図15を参照して実施の形態2の中間解像度拡大画像生成部3bの代わりに図16の中間解像度拡大画像生成部3dを設け、高解像度画像充填部4bの代わりに図17の高解像度画像充填部4dを設けた構成について説明したが、図20に示すように、実施の形態3の中間解像度拡大画像生成部3cの代わりに図16の中間解像度拡大画像生成部3dを設け、高解像度画像充填部4cの代わりに高解像度画像充填部4eを設けることとしても良い。高解像度画像充填部4eは、図17の高解像度画像充填部4dと同様のものであるが、画像選択部41bの代わりに、図14の画像選択部41cが用いられている点で異なる。このように構成された画像処理装置が符号100eで示されている。
さらに、図15の画像処理装置で用いられる図17の高解像度画像充填部4dに関し、画素充填部42dの代わりに、図18又は図19の画素充填部42e、42fを設ける変形例について説明したが、図20の画像処理装置の高解像度画像充填部4eについても同様の変形を加え得る。即ち、図14の画素充填部42dの代わりに、図18又は図19の画素充填部42e、42fを設けることとしても良い。
上記の実施の形態では、中間解像度拡大画像生成部が複数の中間解像度拡大画像を生成し、高解像度画像充填部4dが複数の中間解像度拡大画像補間部を有するが、中間解像度拡大画像生成部が生成する中間解像度拡大画像の数は1つであっても良く、その場合、高解像度画像充填部4dは、一つの中間解像度拡大画像補間部を有する構成であっても良い。その場合には、一つの中間解像度拡大画像と低解像度拡大画像のうちのいずれかを選択することとなる。例えば、図15の構成においては、一つの中間解像度画像についての有効画素割合が閾値以上であれば中間解像度拡大画像を選択し、そうでなければ低解像度拡大画像を選択することとすれば良い。一方、図20の構成においては、一つの中間解像度画像についての位置ずれ度合が閾値以下であれば中間解像度拡大補間画像を選択し、そうでなければ低解像度拡大画像を選択することとすれば良い。代わりに、一つの中間解像度画像についての位置ずれ度合と、合成低解像度画像についての位置ずれ度合を比較し、中間解像度画像についての位置ずれ度合が小さければ、中間解像度拡大補間画像を選択し、合成低解像度画像についての位置ずれ度合が小さければ、低解像度拡大画像を選択することとしても良い。
実施の形態4によれば、初期高解像度画像補間部421において、初期高解像度画像D2の各未定義画素につき、その周囲の画素の有効画素割合又は位置ずれ度合に応じて、補間または充填が行われる。例えば、有効画素割合が大きい箇所或いは位置ずれ度合が小さい箇所では、補間を行うことで、より解像度の高い画像(初期高解像度画像)における画素の画素値に基づいて未定義画素の画素値を決定することができる。
実施の形態5.
実施の形態1〜4で説明した画像処理装置の構成の一部又は全部はソフトウェアで、即ちプログラムされたコンピュータで実現することができる。図21にはその場合に用いられるコンピュータを示す。図示のコンピュータは、プロセッサ601、プログラムメモリ602、データメモリ603、入力インターフェース604、出力インターフェース605及びこれらを接続するバス606を含む。
プロセッサ601は、入力インターフェース604を介して入力される低解像度画像DINに対して、プログラムメモリ602に記憶されたプログラムに従って動作する。動作の過程で種々のデータをデータメモリ603に記憶させる。処理の結果生成された高解像度画像DOUTは出力インターフェース605を介して出力される。
以下では、実施の形態1の画像処理装置における処理を図21のコンピュータに実施させるときの手順を、図22及び図23を参照して説明する。
まず、位置ずれ量検出ステップS1にて、低解像度画像DINにおける位置ずれ量情報D1を算出する。この処理は、位置ずれ量検出部1で行われる処理と同じである。
次に初期高解像度画像生成ステップS2において、位置ずれ量情報D1を参照して複数の低解像度画像DINから、初期高解像度画像D2を生成する。この処理は、初期高解像度画像生成部2で行われる処理と同じである。
次に中間解像度拡大画像生成ステップS3において、位置ずれ量情報D1を参照して、目標倍率よりも小さい倍率の中間解像度拡大画像D3を生成する。この処理は、中間解像度拡大画像生成部3で行われる処理と同じである。
図23に、中間解像度拡大画像生成ステップS3における処理の手順の一例を示す。まず、中間解像度画像生成ステップS31において、中間倍率の中間解像度画像D31を生成する。この処理は、中間解像度画像生成部31で行われる処理と同じである。
次に画像拡大ステップS32において、中間解像度画像D31を高解像度画像DOUTと同じ大きさにまで拡大し、中間解像度拡大画像D3として出力する。拡大においては、例えばバイリニア法、バイキュービック法等のフィルタ演算処理を用いる。この処理は、画像拡大部32で行われる処理と同じである。
ステップS3の次に高解像度画像充填ステップS4において、初期高解像度画像D2の未定義画素を、中間解像度拡大画像D3上の対応する画素の画素値を参照して充填する。
充填の結果得られる、全ての未定義画素の画素値が推定された高解像度画像DOUTを出力する。この処理は、高解像度画像充填部4で行われる処理と同じである。
実施の形態2及び3の画像処理装置における処理も上記と同様の手順でコンピュータに実施させることができる。その場合、図23の中間解像度画像生成ステップS31では、複数の互いに異なる中間倍率の中間解像度画像を生成し、画像拡大ステップS32では、それぞれの中間解像度画像をその未定義画素に推定値を充填した上で拡大して高解像度画像と同じ大きさの中間解像度拡大画像D3−1〜D3−3を生成する。
高解像度画像充填ステップS4では、有効画素割合RDiまたは位置ずれ度合RQiを計算し、計算した有効画素割合RDiまたは位置ずれ度合RQiをもとに、複数の中間解像度拡大画像及び低解像度拡大画像のいずれかを選択して、初期高解像度画像の画素値の推定に用いる。
実施の形態4の画像処理装置における処理も上記と同様の手順でコンピュータに実施させることができる。その場合、図23の中間解像度画像生成ステップS31では、実施の形態2或いは実施の形態3をコンピュータで実現する場合と同様に、複数の互いに異なる中間倍率の中間解像度画像を生成し、画像拡大ステップS32では、それぞれの中間解像度画像をその未定義画素に推定値を充填した上で拡大して高解像度画像と同じ大きさの中間解像度拡大画像D3−1〜D3−3を生成する。
高解像度画像充填ステップS4では、初期高解像度画像D2の未定義画素をその近隣の有効画素で補間して初期高解像度補間画像D421を生成し、中間解像度拡大画像D3−1〜D3−3の低信頼度画素をその近隣の高信頼度画素で補間して中間解像度拡大補間画像D422−1〜D422−3を生成し、有効画素割合RDiまたは位置ずれ度合RQiをもとに、複数の中間解像度拡大補間画像及び低解像度拡大画像のいずれかを選択して初期高解像度補間画像の未定義画素の画素値の推定に用いる。
実施の形態1〜4について述べた変形は、実施の形態5にも加え得る。
実施の形態2及び3では、1又は2以上の中間解像度拡大画像及び低解像度拡大画像の中で最適のものを選択し、選択した拡大画像中の、注目画素に対応する画素の画素値で注目画素の画素値を推定しているが、1又は2以上の中間解像度拡大画像及び低解像度拡大画像の、注目画素に対応する画素の平均値を、注目画素の画素値の推定に用いても良い。実施の形態4についても同様に、1又は2以上の中間解像度拡大補間画像及び低解像度拡大画像の、注目画素に対応する画素の平均値を、注目画素の画素値の推定に用いても良い。
以上本発明を画像処理装置として説明したが、上記の画像処理装置で実施される画像処理方法もまた本発明の一部を成す。また、上記の画像処理装置の各部の機能又は画像処理方法の各ステップの処理をコンピュータに実行させるためのプログラム、該プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体もまた本発明の一部を成す。
以上で説明したように、少ない枚数の低解像度画像を用いても、より高精度に、高画質な高解像度画像を生成することが可能となる。
1 位置ずれ量検出部、 2 初期高解像度画像生成部、 3、3b、3−1、3−2、3−3 中間解像度拡大画像生成部、 4、4b、4c、4d、4e、4f 高解像度画像充填部、 5 低解像度拡大画像生成部、 31、31−1、31−2、31−3 中間解像度画像生成部、 32、32−1、32−2、32−3 画像拡大部、 41b、41c 画像選択部、 42、42d、42e、42f 画素充填部、 51 合成低解像度画像生成部、 52 画像拡大部、 100、100b、100c 画像処理装置、 411 有効画素割合計算部、 412 選択情報生成部、 413 位置ずれ度合計算部、 414 選択情報生成部、 421 初期高解像度画像補間部、 422−1、422−2、422−3 中間解像度拡大画像補間部、 423 未定義画素充填部、 425 合成部、 426、427 未定義画素再充填部。

Claims (20)

  1. 互いに画素の位置がずれている複数の低解像度画像から、該低解像度画像に対して予め定められた目標倍率の解像度を持つ、高解像度画像を生成する画像処理装置であって、
    前記複数の低解像度画像の各画素についての位置ずれ量を検出する位置ずれ量検出部と、
    検出された前記位置ずれ量に基づき、前記目標倍率の解像度を持つ画像空間に前記低解像度画像の画素を投射し、該投射位置に基づいて、該画像空間内の画素に対応付けることで、画素値が定義された画素である有効画素を含む初期高解像度画像を生成する初期高解像度画像生成部と、
    前記位置ずれ量に基づき、前記目標倍率よりも小さい中間倍率の解像度を持つ画像空間に前記低解像度画像の画素を投射し、該投射位置に基づいて、該画像空間内の画素に対応付けることで、画素値が定義された画素である有効画素を含む中間解像度画像を生成し、前記中間解像度画像のうちの画素値が定義されていない画素である中間解像度画像未定義画素の画素値をその周囲の有効画素の画素値に基づいて推定した上で、拡大することで前記目標倍率の高解像度画像と画素数が等しい、すべての画素の画素値が定義された中間解像度拡大画像を生成する中間解像度拡大画像生成部と、
    前記初期高解像度画像に含まれる、画素値が定義されていない画素である初期高解像度画像未定義画素の画素値を前記中間解像度拡大画像の、前記初期高解像度画像未定義画素に対応する画素の画素値に基づいて推定する高解像度画像充填部とを有する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記低解像度画像を拡大することで低解像度拡大画像を生成する低解像度拡大画像生成部をさらに有し、
    前記高解像度画像充填部は、
    前記中間解像度拡大画像及び前記低解像度拡大画像のいずれかを選択して、前記初期高解像度画像未定義画素の画素値の推定に用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 互いに画素の位置がずれている複数の低解像度画像から、該低解像度画像に対して予め定められた目標倍率の解像度を持つ、高解像度画像を生成する画像処理装置であって、
    前記複数の低解像度画像の各画素についての位置ずれ量を検出する位置ずれ量検出部と、
    検出された前記位置ずれ量に基づき、前記目標倍率の解像度を持つ画像空間に前記低解像度画像の画素を投射し、該投射位置に基づいて、該画像空間内の画素に対応付けることで、画素値が定義された画素である有効画素を含む初期高解像度画像を生成する初期高解像度画像生成部と、
    前記位置ずれ量に基づき、前記目標倍率よりも小さい、互いに異なる第1乃至第I(Iは2以上の整数)の中間倍率の解像度を持つ画像空間に前記低解像度画像の画素を投射し、該投射位置に基づいて、該画像空間内の画素に対応付けることで、画素値が定義された画素である有効画素を含む第1乃至第Iの中間解像度画像を生成し、前記第1乃至第Iの中間解像度画像のうちの画素値が定義されていない画素である中間解像度画像未定義画素の画素値をその周囲の有効画素の画素値に基づいて推定した上で、拡大することで前記目標倍率の高解像度画像と画素数が等しい、すべての画素の画素値が定義された第1乃至第Iの中間解像度拡大画像を生成する中間解像度拡大画像生成部と、
    前記低解像度画像を拡大することで低解像度拡大画像を生成する低解像度拡大画像生成部と、
    前記初期高解像度画像に含まれる、画素値が定義されていない画素である初期高解像度画像未定義画素の画素値を前記第1乃至第Iの中間解像度拡大画像及び前記低解像度拡大画像の、前記初期高解像度画像未定義画素に対応する画素の画素値に基づいて推定する高解像度画像充填部とを有する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  4. 前記高解像度画像充填部は、
    前記初期高解像度画像未定義画素を順次選択して注目画素とし、
    前記第1乃至第Iの中間解像度画像の各々内の、前記注目画素の位置に対応する位置の周辺の領域における前記有効画素の割合に基づいて前記第1乃至第Iの中間解像度拡大画像及び前記低解像度拡大画像のいずれかを選択し、選択した画像の前記注目画素に対応する画素の画素値を用いて、前記注目画素の画素値を推定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記高解像度画像充填部は、
    前記第1乃至第Iの中間解像度画像の中の、前記有効画素の割合が予め定められた有効画素割合閾値以上である前記中間解像度画像のうち、前記中間倍率が最大である前記中間解像度画像から生成された前記中間解像度拡大画像を選択する
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記高解像度画像充填部は、前記第1乃至第Iの中間解像度画像のいずれについても、前記有効画素の割合が前記有効画素割合閾値未満であるときは、前記低解像度拡大画像を選択して、前記注目画素の画素値の推定に用いる
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記高解像度画像充填部は、
    前記初期高解像度画像未定義画素を順次選択して注目画素とし、
    前記第1乃至第Iの中間解像度画像の各々内の、前記注目画素の位置に対応する位置の周辺の領域内における投射位置のずれの度合に基づいて前記第1乃至第Iの中間解像度拡大画像及び前記低解像度拡大画像のいずれかを選択し、選択した画像の前記注目画素に対応する画素の画素値を用いて前記注目画素の画素値を推定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  8. 前記高解像度画像充填部は、
    前記第1乃至第Iの中間解像度画像のうち、前記投射位置のずれの度合が最小である前記中間解像度画像から生成された中間解像度拡大画像を選択する
    ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記高解像度画像充填部は、前記第1乃至第Iの中間解像度画像のいずれについても、前記投射位置のずれの度合が予め定められた位置ずれ度合閾値よりも大きいときは、前記低解像度拡大画像を選択して、前記注目画素の画素値の推定に用いる
    ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 前記低解像度拡大画像生成部は、前記位置ずれ量に基づき、前記低解像度画像と同じ解像度を持つ画像空間に前記低解像度画像の画素を投射し、該投射位置に基づいて、該画像空間内の画素に対応付けることで、すべての画素の画素値が定義された合成低解像度画像を生成し、該合成低解像度画像を拡大することで前記目標倍率の高解像度画像と画素数が等しい、すべての画素の画素値が定義された低解像度拡大画像を生成し、
    前記高解像度画像充填部は、
    前記初期高解像度画像未定義画素を順次選択して注目画素とし、
    前記第1乃至第Iの中間解像度画像及び前記合成低解像度画像の各々内の、前記注目画素の位置に対応する位置の周辺の領域内における投射位置のずれの度合に基づいて、前記第1乃至第Iの中間解像度拡大画像及び前記低解像度拡大画像のいずれかを選択し、選択した画像の前記注目画素に対応する画素の画素値を用いて前記注目画素の画素値を推定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  11. 前記高解像度画像充填部は、
    前記周辺の領域内の画素のうち、前記投射により前記低解像度画像の画素に対応付けられた画素の各々に対する、対応する投射位置のずれの平均を前記投射位置のずれの度合として算出することを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  12. 互いに画素の位置がずれている複数の低解像度画像から、該低解像度画像に対して予め定められた目標倍率の解像度を持つ、高解像度画像を生成する画像処理装置であって、
    前記複数の低解像度画像の各画素についての位置ずれ量を検出する位置ずれ量検出部と、
    検出された前記位置ずれ量に基づき、前記目標倍率の解像度を持つ画像空間に前記低解像度画像の画素を投射し、該投射位置に基づいて、該画像空間内の画素に対応付けることで、画素値が定義された画素である有効画素を含む初期高解像度画像を生成する初期高解像度画像生成部と、
    前記位置ずれ量に基づき、前記目標倍率よりも小さい、互いに異なる第1乃至第I(Iは2以上の整数)の中間倍率の解像度を持つ画像空間に前記低解像度画像の画素を投射し、該投射位置に基づいて、該画像空間内の画素に対応付けることで、画素値が定義された画素である有効画素を含む第1乃至第Iの中間解像度画像を生成し、前記第1乃至第Iの中間解像度画像のうちの画素値が定義されていない画素である中間解像度画像未定義画素の画素値をその周囲の有効画素の画素値に基づいて推定した上で、拡大することで前記目標倍率の高解像度画像と画素数が等しい、すべての画素の画素値が定義された第1乃至第Iの中間解像度拡大画像を生成し、前記第1乃至第Iの中間解像度拡大画像の各々の各画素について、当該画素が、対応する中間解像度画像における有効画素に対応する位置にある高信頼度画素であるか、対応する前記中間解像度画像未定義画素に対応する位置にある低信頼度画素であるかを示す信頼度情報を出力する中間解像度拡大画像生成部と、
    前記低解像度画像を拡大することで低解像度拡大画像を生成する低解像度拡大画像生成部と、
    前記初期高解像度画像に含まれる、画素値が定義されていない画素である初期高解像度画像未定義画素の各々について、その周囲の画素のうちの有効画素の割合が予め定められた有効画素割合閾値以上であれば、その近隣の有効画素を参照して補間を行って、初期高解像度補間画像を出力する初期高解像度画像補間部と、
    前記第1乃至第Iの中間解像度拡大画像の各々における前記低信頼度画素の各々について、その周囲の画素のうちの前記高信頼度画素の割合が予め定められた高信頼度画素割合閾値以上であれば、その近隣の前記高信頼度画素を参照して補間を行って、第1乃至第Iの中間解像度拡大補間画像を出力する中間解像度拡大画像補間部と、
    前記初期高解像度補間画未定義画素を順次選択して注目画素として、前記第1乃至第Iの中間解像度拡大補間画像及び前記低解像度拡大画像の、前記注目画素に対応する画素の画素値に基づいて前記注目画素の画素値を推定する未定義画素充填部と
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  13. 前記第1乃至第Iの中間解像度画像の各々内の、前記注目画素の位置に対応する位置の周辺の領域における前記有効画素の割合に基づいて前記第1乃至第Iの中間解像度拡大補間画像及び前記低解像度拡大画像のいずれかを選択する画像選択部をさらに有し、
    前記未定義画素充填部は、前記画像選択部が選択した画像の前記注目画素に対応する画素の画素値を用いて、前記注目画素の画素値を推定する
    ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 前記第1乃至第Iの中間解像度画像の各々内の、前記注目画素の位置に対応する位置の周辺の領域内における投射位置のずれの度合に基づいて前記第1乃至第Iの中間解像度拡大補間画像及び前記低解像度拡大画像のいずれかを選択する画像選択部をさらに有し、
    前記未定義画素充填部は、前記画像選択部が選択した画像の前記注目画素に対応する画素の画素値を用いて前記注目画素の画素値を推定する
    ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
  15. 前記未定義画素充填部における画素値の推定の結果得られた画像と、前記初期高解像度補間画像とを合成する合成部と、
    前記合成部における合成の結果得られた画像を用いて前記初期高解像度画像未定義画素の画素値を推定する未定義画素再充填部と
    をさらに有することを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載の画像処理装置。
  16. 前記未定義画素充填部における画素値の推定の結果得られた画像と、前記初期高解像度補間画像とを合成する合成部と、
    前記合成部における合成の結果得られた画像を用いて前記初期高解像度補間画像未定義画素の画素値を推定する未定義画素再充填部と
    をさらに有することを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載の画像処理装置。
  17. 互いに画素の位置がずれている複数の低解像度画像から、該低解像度画像に対して予め定められた目標倍率の解像度を持つ、高解像度画像を生成する画像処理方法であって、
    前記複数の低解像度画像の各画素についての位置ずれ量を検出する位置ずれ量検出ステップと、
    検出された前記位置ずれ量に基づき、前記目標倍率の解像度を持つ画像空間に前記低解像度画像の画素を投射し、該投射位置に基づいて、該画像空間内の画素に対応付けることで、画素値が定義された画素である有効画素を含む初期高解像度画像を生成する初期高解像度画像生成ステップと、
    前記位置ずれ量に基づき、前記目標倍率よりも小さい中間倍率の解像度を持つ画像空間に前記低解像度画像の画素を投射し、該投射位置に基づいて、該画像空間内の画素に対応付けることで、画素値が定義された画素である有効画素を含む中間解像度画像を生成し、前記中間解像度画像のうちの画素値が定義されていない画素である中間解像度画像未定義画素の画素値をその周囲の有効画素の画素値に基づいて推定した上で、拡大することで前記目標倍率の高解像度画像と画素数が等しい、すべての画素の画素値が定義された中間解像度拡大画像を生成する中間解像度拡大画像生成ステップと、
    前記初期高解像度画像に含まれる、画素値が定義されていない画素である初期高解像度画像未定義画素の画素値を前記中間解像度拡大画像の、前記初期高解像度画像未定義画素に対応する画素の画素値に基づいて推定する高解像度画像充填ステップとを有する
    ことを特徴とする画像処理方法。
  18. 互いに画素の位置がずれている複数の低解像度画像から、該低解像度画像に対して予め定められた目標倍率の解像度を持つ、高解像度画像を生成する画像処理方法であって、
    前記複数の低解像度画像の各画素についての位置ずれ量を検出する位置ずれ量検出ステップと、
    検出された前記位置ずれ量に基づき、前記目標倍率の解像度を持つ画像空間に前記低解像度画像の画素を投射し、該投射位置に基づいて、該画像空間内の画素に対応付けることで、画素値が定義された画素である有効画素を含む初期高解像度画像を生成する初期高解像度画像生成ステップと、
    前記位置ずれ量に基づき、前記目標倍率よりも小さい、互いに異なる第1乃至第I(Iは2以上の整数)の中間倍率の解像度を持つ画像空間に前記低解像度画像の画素を投射し、該投射位置に基づいて、該画像空間内の画素に対応付けることで、画素値が定義された画素である有効画素を含む第1乃至第Iの中間解像度画像を生成し、前記第1乃至第Iの中間解像度画像のうちの画素値が定義されていない画素である中間解像度画像未定義画素の画素値をその周囲の有効画素の画素値に基づいて推定した上で、拡大することで前記目標倍率の高解像度画像と画素数が等しい、すべての画素の画素値が定義された第1乃至第Iの中間解像度拡大画像を生成する中間解像度拡大画像生成ステップと、
    前記低解像度画像を拡大することで低解像度拡大画像を生成する低解像度拡大画像生成ステップと、
    前記初期高解像度画像に含まれる、画素値が定義されていない画素である初期高解像度画像未定義画素の画素値を前記第1乃至第Iの中間解像度拡大画像及び前記低解像度拡大画像の、前記初期高解像度画像未定義画素に対応する画素の画素値に基づいて推定する高解像度画像充填ステップとを有する
    ことを特徴とする画像処理方法。
  19. 請求項17又は18に記載の画像処理方法の各ステップによる処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  20. 請求項19に記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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