JP2009064193A - 解像度変換装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高品質な画像を損なわずに対応点推定の際の演算量削減を行う
【解決手段】複数の画素からなる画像に含まれる1以上のフレーム中の複数の画素を1つずつ注目画素として設定する第1の設定手段と、前記注目画素を含む領域に画素値の空間変化である局所パターンの境界線方向に応じた注目画素に対応する複数の対応点の探索範囲を設定し、前記局所パターンの境界線方向を推定する境界線方向推定手段と、前記注目画素と前記対応点との局所パターンの差が小さくなるような点を前記探索範囲からサブピクセル精度で1つの注目画素に対して2回以上算出する対応点探索手段と、前記注目画素の画素値を前記対応点の位置における標本値として設定する第2の設定手段と、前記画像の画素数と異なる画素数の画像であって、前記標本値と前記複数の対応点の配置に応じた画像を算出する画素値算出手段とを有する解像度変換装置。
【選択図】 図3

Description

本発明は、解像度変換装置及び方法に関する。
高い解像度のテレビやディスプレイが普及してきている。テレビやディスプレイは、画像を表示する場合、画像データの画素数をパネルの画素数に変換する。特に、画素数を増やす高解像度化の変換において、線形内挿よりも鮮鋭な画像が得られる方法として、複数のフレームの情報を用い、画像の撮像過程(劣化過程)の逆変換を考慮し高解像度の画像を復元する方法(以下、劣化逆変換法と呼ぶ)が知られている。
劣化逆変換法では、基準フレームに写る被写体が別のフレームにも写っていることに注目し、被写体の動きを画素間隔よりも高い精度(サブピクセル精度)で検出することで、被写体の各局所部分に対して微小に位置がずれた複数の標本値を求め、それらの情報を統合することで高解像度化する。
より詳細に、劣化逆変換法を説明する。この方法では、低解像度のフレームが時系列で順次与えられた場合に、それらを順次高解像度のフレームに変換する。例えば、移動する自動車を撮影した動画像の時間的に前後する3枚のフレームを低解像度画像として用い、これら3枚のフレームのうち1枚のフレームを基準として高解像度化する。例えば、これを縦2倍、横2倍の解像度に高解像度化する。1枚のフレームのみを用いた場合、未知である高解像度画像の画素に対して、低解像度画像の画素、つまり既知の標本値はまばらである。この状態でも高解像度画像の画素値の推定は可能であるが、既知の標本値を増やすことができれば、より正確に高解像度画像を得ることができる。そのために、劣化逆変換法では、基準フレーム以外の低解像度画像内で各画素の位置に写っている被写体が、基準フレームの画面内でどの位置に写っているかを検出し、その画素値を基準フレーム内の対応点における標本値として用いる。
具体的には、例えば、ある画素を中心として低解像度画像から数画素四方のブロック(例えば、横5画素×縦5画素のブロック)を取り出し、このブロックと同じ大きさで、含まれる画素が取り出したブロックと近い画素値を持つ部分を基準フレーム内で探索する。探索はサブピクセル精度で行う。(例えば、非特許文献2参照)。探索後、見つかった対応ブロックの中心を対応点とする。これにより、他のフレームに対応する画面の点Aと基準フレームに対応する点Bとが同じ被写体の同じ位置として対応づけられる。以下、この対応づけのアルゴリズムをブロックマッチング法と呼ぶ。この対応は、点Aを始点、点Bを終点とする動きベクトルで表される。サブピクセル精度で探索を行うため、動きベクトルの始点は画素の位置であるが、終点は一般に画素がない位置になる。このような動きベクトルを低解像度画像のすべての画素について求め、また、他の低解像度画像についても同様に各画素を始点とする基準フレームへの動きベクトルを検出する。基準フレームへの動きベクトルが得られたら、各動きベクトルの終点に始点の画素値を基準フレームの標本値として配置する。最後に、このように非一様に配置された標本値から、格子状に一様に配置された高解像度画像の画素の値を求める。この変換(劣化逆変換)の方法は例えば非特許文献1にあげられており、例えばNon-uniform interpolation法、POCS法、ML法やMAP法が知られている。しかし、高解像度への画像変換に用いられる対応点によって高解像度推定精度は変わらず、画像変換時の演算量が増大することがあった。
S. C. Park et al., ``Super-Resolution Image Reconstruction: A Technical Overview,’’ IEEE Signal Processing Magazine, pp.21-36, May 2003. M. Shimizu et al., ``Precise Sub-pixel Estimation on Area-based Matching,’’ in Proc. IEEE International Conference on Computer Vision, pp.90-97, 2001.
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、高品質な画像を損なわずに解像度変換に用いる対応点推定の際演算量削減を行う解像度変換装置及び方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明の解像度変換装置は、画面内に複数の画素を配し、前記複数の画素から得られる画素値を画像として画像ソースから取得する取得手段と、前記画像に含まれる1以上のフレーム中の複数の画素を1つずつ注目画素として設定する第1の設定手段と、前記注目画素を含む領域に画素値の空間変化である局所パターンの境界線方向に応じた注目画素に対応する複数の対応点の探索範囲を設定し、前記局所パターンの境界線方向を推定する境界線方向推定手段と、前記注目画素と前記対応点との局所パターンの差が小さくなるような点を前記探索範囲からサブピクセル精度で1つの注目画素に対して2回以上算出する対応点探索手段と、前記注目画素の画素値を前記対応点の位置における標本値として設定する第2の設定手段と、前記画像の画素数と異なる画素数の画像であって、前記標本値と前記複数の対応点の配置に応じた画像を算出する画素値算出手段とを有することを特徴とする。
また、前記対応点探索手段によって前記境界線方向に沿った前記対応点が探索された場合に、前記境界線方向推定手段は、複数の前記対応点の小数成分間隔を閾値以上になるように探索範囲を設定する手段であることが好ましい。
また、前記境界線方向推定手段は、前記対応点の探索範囲を出力画像度と入力画像との比に応じて設定することを特徴とする手段であることが好ましい。
また、前記画像に含まれるフレームの画素位置をずらした仮画像を生成する生成手段を更に有し、前記境界線方向推定手段は、前記画像及び前記仮画像に対して対応点の探索範囲を設定することが好ましい。
また、前記取得手段は、前記画像として、複数のフレームからなる動画像を取得し、前記第1の設定手段は、前記複数のフレームのうちの1枚のフレームを基準フレームに設定し、前記境界線方向推定手段は、前記基準フレームを除く1以上のフレームに含まれている画素を注目画素に設定することが好ましい。
前記取得手段は、前記画像として、複数のフレームからなる動画像を取得し、前記第1の設定手段は、前記複数のフレームのうちの1枚のフレームを基準フレームに設定し、前記境界線方向推定手段は、前記基準フレームに含まれている画素を注目画素に設定することが好ましい。
前記境界線方向推定手段は、水平及び垂直方向でのエッジ検出フィルタを用い、エッジ検出フィルタにより算出される水平及び垂直方向における算出値の比率から境界線方向を推定する手段であることが好ましい。
前記境界線方向推定手段は、前記対応点に対する第1の探索範囲を用いて算出された第1の対応点と、第2の探索範囲を用いて算出された第2の対応点との位置関係によって前記境界線方向を推定する手段であることが好ましい。
前記画素値算出手段で算出された画像を出力させる出力手段を更に有することが好ましい。
本発明の解像度変換方法は、画面内に複数の画素を配し、前記複数の画素から得られる画素値を画像とした画像ソースから取得し、前記画像に含まれる1以上のフレーム中の複数の画素を1つずつ注目画素として順次設定し、前記注目画素を含む領域に画素値の空間変化である局所パターンの境界線方向に応じた注目画素に対応する複数の対応点の探索範囲を設定し、前記局所パターンの境界線方向を推定し、前記注目画素と前記対応点との局所パターンの差が小さくなるような点を前記探索範囲からサブピクセル精度で1つの注目画素に対して2回以上算出し、前記注目画素の画素値を前記対応点の位置における標本値として設定する第4の設定手段と、前記画像の画素数と異なる画素数の画像であって、前記標本値と前記複数の対応点の配置に応じた画像を算出することを特徴とする。
本発明によれば、高品質な画像を損なわずに解像度変換に用いる対応点推定の際演算量削減を行う解像度変換装置及び方法を提供できる。
以下に、本発明の実施例を詳細に説明する。
本発明者らは解像度変換で用いる対応点についていくつかの実験を行い、以下の知見を得た。図1及び図2を用いて説明する。
図1及び図2は注目画素(黒丸●)及び対応点の位置(白抜き三角△)の位置関係を示した図で、図1は出力画像の画像品質の向上に寄与する対応点の例、図2は画像品質の向上に寄与しない対応点の例を示す。
図1において変換対象となる画素F101と探索によって見つかった対応点F102の位置関係は、対応点F102が既知の画素に対して中間的な位置であり、例えば低解像度の画像に対して高解像度の画像の推定において画像品質の向上に大きく寄与する。しかし、図2のように、既知の画素F201とほとんど同じ位置に見つかった対応点F302の場合、対応点F202を高解像度画像の推定に利用しても高解像度画像の品質はあまりかわらない。即ち、図2のような対応点場合、画像品質の向上には寄与せず、解像度変換における演算量のみを増やすことになる。
劣化逆変換法を利用した解像度変換では、対応点推定に多くの演算量を必要とする。例えば、ブロックマッチングによる対応点推定では、多くの対応点の候補に対してブロック誤差を算出する必要があるため、その演算量は大きい。仮に、多くの演算量の結果得られた対応点が図3のような対応点である場合、要した演算量に見合うだけの向上が得られていないと考えられる。
このような対応点推定では、対応点を探索、推定する前に得あられる対応点の位置を予想し、画像品質の向上に寄与しない無駄な対応点が見つかると予想した場合には、無駄な対応点が見つかると予想した位置に対する探索を行わないようにすると良い。
一般に、画像から画像に含まれる微小なブロックを切り出した場合に、微笑なブロック内の図形は単色の領域(以下平坦領域という)や1つの直線で区切られた物体境界(以下エッジ領域という)であることが多い。例えば、平坦領域について対応点が探索された場合には画像の品質向上に寄与しないことが多い。このような場合には対応点の探索を行う際に平坦領域での対応点の探索を行わずに次のステップに進むことで演算量を減らすことが可能である。平坦領域であるか否かは、例えばブロック内の輝度分散により判別することが可能である。
本実施形態における解像度変換装置及び方法を図3及び図4を用いて説明する。
図3は例えばプロセッサー、メモリ、I/Oカードなどを組み込んだセル等に代表されるハードウェアにおける解像度変換装置の例を示している。
本実施形態における解像度変換装置及び方法を図3及び図4を用いて説明する。
図3は本実施形態における解像度変換装置の構成を示している。本実施形態における解像度変換装置は、画面内に複数の画素を配したデータを画像ソースから取得する映像受付手段301と、複数の画素から得られる画素値から注目画素を設定するDSP1(302)及びメモリ303と、複数の対応点の配置に応じた画素値を算出するDSP2(304)及びメモリ305と、算出された画素値を画像として出力する映像出力手段306と、共有メモリ307と、外部装置から解像度を変換する画像を入力する映像入力手段308及び映像出力手段から得られた画像を表示させる映像表示手段309とからなる。
映像受付手段301は映像入力手段308から取得した複数の画素を配した画像ソースから画像を取得し、例えばメモリ303を介しDSP(Digital Signal Processor)用メモリであるDSP1(302)に画像データを送る。
画像データは映像受付手段301が直接各DSP用のメモリ(303あるいは305)にコピーするか、映像受付手段301から入力されたデータを共有メモリ307に格納しておき、各DSP(302あるいは304)が必要に応じて共有メモリ307から取り込む。共有メモリ307を利用する場合は、例えば、共有メモリ307にDSP1(302)、DSP2(304)等すべてのDSPからのアクセスを受けるための排他制御機能を備えておくと良い。
DSP1(302)は、映像受付手段301から得られた画像から注目画素を設定する。
DSP2(304)は、メモリ305を介し、注目画素および注目画素を含む領域から対応点の探索範囲を設定して境界線方向を推定し、探索範囲から対応点を探索し、注目画素の画素値を対応点の位置における標本値として設定し、標本値と複数の対応点の配置に応じた画素値を算出する。
図3のような解像度変換装置の場合に各DSPがASICやFPGAの回路でなくソフトウェアで実現されている場合にはプログラムを記録したROMを準備する、あるいは予めDSP用のメモリ(例えば303、305)にプログラムを備えておくことがよい。
また、これまでDSP1が一つある場合の例を示したが、DSPが複数あり、個々のDSPが独立に対応点を探索し、探索した対応点をDSP2に送信してもよい。対応点探索操作を画像全体処理した後、DSP2で劣化逆変換法を適用することも可能である
次に図4を用いて解像度変換方法の詳細について説明する。本実施形態における解像度変換方法は映像入力ステップS401、注目画素の設定ステップ(S402)、境界線方向推定ステップ(S403)、探索範囲推定ステップ(S404)、対応点検出ステップ(S405)、出力解像度の画素値算出ステップ(S406)、画素出力ステップS407からなる。
S401:映像入力ステップS401では、映像入力手段308より解像度変換の対象となる画像データを取得し格納する。画像は、動画像でも静止画像でも構わない。画像データは、画像ソース、すなわち、カメラ、テレビ等の画像データ生成部(図示せず)から取得する。より具体的には、例えば、カメラが撮影した画像データやテレビが受信した画像データである。
S402:注目画素の設定ステップ(S402)では、解像度変換の対象となる画像データの画素を注目画素として設定する。DSP1(302)はメモリ303に画像の全画素あるいは必要な部分の画素についての輝度値を注目画素で輝度値として格納し、注目画素の設定ステップ(S402)、後述する境界線方向推定ステップ(S403)、探索範囲推定ステップ(S404)及び対応点検出ステップ(S405)はについてもDSP1で処理する。なお、DSP1およびメモリ303に相当する回路を複数利用できる場合には、例えば回路の数にあわせて設定した注目画素をふりわけてS402〜S405を並列処理しても良い。
S403:境界線方向推定ステップ(S403)は、注目画素設定ステップ(S402)で設定した複数の注目画素における境界線の方向を推定する。境界線の推定する方法としては方向性エッジ検出フィルタの比を利用する方法や仮の対応点を用いて推定する方法などがある。これらは、回路規模や取り込む画像の性質により適した方法を選択することがよく、詳細は後述する。
S404:探索範囲推定ステップ(S404)は、境界線方向推定ステップによって推定された境界線方向の情報を用いて、注目画素に対する対応点の探索範囲を設定する。詳細は後述する。
S405:対応点検出ステップ(S405)は探索範囲推定ステップ(S404)によって設定された探索範囲に従い、各注目画素に対する対応点を検出する。例えば注目画素をラスタスキャン順で切り替えながら、全画素を処理するまで注目画素設定ステップS402から対応点検出ステップS405を繰り返す。求めた対応点に関する情報は共有メモリ307に出力し格納しておく。同一フレーム内で対応点を求めることによるフレーム内法、複数フレームから対応点を求めることによる複数フレーム法等を用いて検出する。詳細は後述する。
S406:出力解像度の画素値算出ステップ(S406)は映像入力ステップ(S401)で取得した画像データおよび対応点検出ステップ(S405)で検出された対応点を用いし、劣化逆変換法により出力する解像度に対応した画像を推定する。画素値算出ステップではDSP2(304)が共有メモリ307に格納された対応点を読み込み、ワークメモリとして305に一時的に格納しながら劣化逆変換法を実行し、処理結果を映像出力手段306に送る。
S407:画素出力ステップS407は出力解像度の画素値算出ステップS406で推定された画像を映像表示手段309に出力する。出力結果は例えば、外部の出力装置である映像表示手段に出力画像を表示する。あるいは、映像をハードディスクなどの不揮発記憶手段に保存しても良い。
映像入力手段308が取得する画像データが動画像の場合、動画像の各フレームに対して解像度変換を施して別の解像度の動画像を生成する場合は、例えば、画像フレームを時系列にしたがって逐次ずらしながら映像入力ステップS401から画素出力ステップS407を繰り返して行う
次にパソコンやテレビ、DVDレコーダのように汎用CPU上でソフトウェアにより実施する場合の装置構成の例について図5を参照して説明する。
図5では外部入出力手段507として、例えばキーボードやマウスといった手段を備えたパソコン、リモコン入力とDVD入出力やオーディオ出力を備えた映像レコーダ、を備えたシステムに好適である。例えば、ユーザはキーボードやマウス、リモコンからの指示で本解像度変換を動作させることができる。
一時記憶手段501は、演算手段502、入出力受付手段503、映像受付手段504、映像出力手段505、不揮発記憶手段506、外部入出力手段507、映像入力手段508、映像表示手段509
画像データは映像入力手段508により映像受付手段504が一時記憶手段501にコピーするか、不揮発記憶手段506格納しておき、演算手段502が必要に応じて取り込む。
入出力受付手段503は画像データを映像入力手段508あるいは画像出力手段507に送る。
演算手段502は、映像受付手段504から得られた画像から注目画素を設定する。
また、注目画素および注目画素を含む領域から対応点の探索範囲を設定して境界線方向を推定し、探索範囲から対応点を探索し、注目画素の画素値を対応点の位置における標本値として設定し、標本値と複数の対応点の配置に応じた画素値を算出する。
算出された画素は映像出力手段505により映像表示手段509に送られ、解像度変換語の画素を基にした画像データを画面等に表示させる。
ソフトウェアプログラムはあらかじめ不揮発記憶手段506から一時記憶手段501にプログラムを読み込んでおくものとする
(劣化逆変換法)
次に劣化逆変換について、その具体的な手順を説明する。
Figure 2009064193
変換対象フレームの出力解像度での画素値をx、入力される変換対象フレームの低解像度画像の画素値をy、入力される他フレームの低解像度画像の画素値で第k番目の画素値をy 、第k番目のノイズをnk であらわす。画素値は例えば画像の輝度値やRGBの各成分値を用いることができる。
求める対応点の情報に既知のカメラ画素サンプリングモデル・ダウンサンプリング方法を組み合わせた行列Wkが与えられると、k=0、1、・・・として解くべき式は式(1)であらわされる。
式(1)は未知のノイズを含み、またWk -1 が存在する可能性も含むが、例えば低解像度から高解像度へ変換する超解像ではノイズの平均的な性質を考えて、この式をなるべく満たすようにxを推定する。例えば、POCSを用いた劣化逆変換法の場合、次の流れに従う。
(ステップ1)
ステップ1は低解像度から高解像度への変換行列Wを与え、ノイズを無視した式(2)を立てる。
Figure 2009064193
Wは変換対象フレームの各画素値、他フレームから変換対象フレームへの対応点、各対応点に対応する他フレームの各画素値、および高解像度画素値からの各低解像度画素値の算出関数であるPoint Spread Functionにより定める。ノイズを無視した式(2)は、低解像度画素値が各高解像度画素値の重みつき和に等しいとした等式を並べて行列表記したものである。
前記重みつき和の重みは低解像度画素と高解像度画素の位置関係や撮像系を考えて与える。例えば、高解像度の画素格子で考えたときに低解像度画素の中心が置かれる位置を中心として、別途定めた分散を持つガウス分布を係数とした重み値を設定することができる。
(ステップ2)
式(2)を構成する各式は第i番目の画素について次式で表される。
Figure 2009064193
ノイズの影響をあまり受けずに式(3)の格式を満たすxを求めるために、POCSでは、ステップサイズβ[i]、および定数δ[i]を別途与え、次式(式(4))の繰り返し演算を実行する。
Figure 2009064193
ステップサイズβ[i]や定数δ[i]はすべてのiに対して同じ値(例えばβ[i]=1、δ[i]=10)でも良いし、例えば式(5)のように画素によって変えても良い。なお、x^(xハット;式(4)におけるxの推定値を以下x^と表す)の初期値は、変換対象フレームに線形補間やキュービックコンボリューション法などを適用して与える。
Figure 2009064193
(ステップ3)
別途定めた回数だけステップ2を繰り返す。
(ステップ4)
得られた推定高解像度画像x^を出力する。
以上がPOCSによる劣化逆変換の流れである。
また、MAP法を用いた劣化逆変換の流れは次の通りである。
ステップ1:POCSと同様の方法で式(2)を立てる。
ステップ2:式(2)の等式に対する誤差が大きいほどエネルギーが高くなる第1の項と、予め準備した自然画像の一般的な性質に対する画像xの誤差が大きいほどエネルギーが高くなる第2の項の2つを結合したエネルギー関数を考え、それを最小化する画像xを探す。
例えば、自然画像の一般的な性質として近傍の画素の輝度値があまり変化しないと仮定すると、エネルギー関数として式(6)を立てることができる。
Figure 2009064193
ノルムの右下の1はL1ノルムをあらわす。例えばPmとしてP1:水平方向の平行移動、P2:垂直方向の平行移動の2通りを考えれば、第2項は縦横それぞれについて隣接画素のずれに対する大きさの和を求め、その合計値をλで重みづけした値になる。
Eを最小化する方法として例えばsteepest descent法が利用できる。steepest descent法とは、xの推定値x^をエネルギー関数の勾配方向に−β倍したステップ進める操作を繰り返す方法であり、その更新は式(7)により行われる。
Figure 2009064193
式(7)をそのまま実行しても良いし、式(8)の各行の式、及び式(9)の各行の式について、それをエネルギー関数の勾配方向を構成する式として(勾配項から注目する式以外を除去して)上記の更新式を順次適用することで、推定値x^を逐次更新しても良い。なお、x^の初期値は、変換対象フレームに線形補間やキュービックコンボリューション法などを適用して与える。
Figure 2009064193
Figure 2009064193
ステップ3:別途定めた回数だけステップ2を繰り返す。
ステップ4:得られた推定高解像度画像x^を出力する。
なお、ここで示したMAP法のエネルギー関数は一例であり、このエネルギー関数でなくてもかまわない。また上記の手順で補間が必要になる。補間方法としては例えば次の方法が利用できる。
(A)線形補間
既知の2点を用いて補間する。補間に用いる2点は、できるだけ補間すべき点の近くを用いることが望ましい。既知の2点の位置をa1、a1+1、そのサンプリング値をy1、y2とし、補間すべき点の位置をa1+cで表すと、補間値は次式(式10)で求められる。
Figure 2009064193
(B)キュービックコンボリューション法
既知の等間隔に配置された4点を用いて補間する。補間に用いる4点は、補間位置を中心とした2以下の範囲に配置されているものとする。補間値は、各点に対し、補間位置を中心とした次式(式11)の重みカーネルの値をかけてそれらの和を求めることで得られる。
Figure 2009064193
γは補間関数を制御するパラメータで、例えばγ=−1.0あるいはγ=−0.5とする。
(基本的な対応点推定)
対応点の推定手段である対応点検出ステップS405では2つの画像間での対応点を求める方法と、画像内で局所的に合同なパターンを求める方法の2つが考えられ、そのいずれを利用しても良い。まず通常の推定方法を説明する。
対応点推定手法として、ブロックマッチングと関数フィッティングを組み合わせた方法がある。この方法では、整数位置の変位についてブロックマッチングを行い、得られた位置の周辺で誤差曲線を用いた関数フィッティングを行い、誤差曲線の極小位置をサブピクセル変位として求める。
ここでブロックマッチングとは、第1のフレームに設定された第1のテンプレート領域に対し、第2のフレームで第1のテンプレート領域と類似する領域を探す手法の1つである。具体的には、まず第2のフレームで適当な探索範囲を設定し、次に探索範囲内でテンプレートと同じ形状の領域を順次取り出し、テンプレートと取り出した領域における画素値の誤差の合計(以下ブロック誤差)が最小となる領域を求め、対応する位置を探す。
テンプレート領域としては、例えば、対応するサンプリング点を求めたい画素を中心とした正方形・長方形・円やひし形の領域を設定することができる。本実施形態では、長方形以外の領域についてもブロックと呼ぶこととする。
探索範囲としては、例えば、第1のフレームにおける第1のテンプレートの位置を中心とし、第1のテンプレートの周囲を探索の範囲として設定することができる。ブロック誤差としては、SSD(各画素における画素値の2乗距離の合計値;Sum of Squared Distance)やSAD(各画素における画素値の絶対値距離の合計値;Sum of Absolute Distance)を使うことができる。なお、時刻t、画素(p、q)の輝度をI(p,q,t)、時刻tにおける画素(p、q)の時刻t+Δtに対する動きベクトルを(Δp、Δq)で表すと、SSDおよびSADはそれぞれ次式(式(12)及び式(13)で表される。
Figure 2009064193
Figure 2009064193
また、関数フィッティングとは、ブロックマッチングで得られた位置でのブロック誤差と、その周辺の位置でのブロック誤差に基づいてサブピクセル位置ずれを推定する方法である。具体的には、例えばブロック誤差としてSSDを用いる場合、1次元のサブピクセル位置ずれの算出には誤差曲線を2次曲線とすれば図6に示すような次式(式14)
Figure 2009064193
になり(位置ずれ修正後の動きベクトルはΔp+subpixelになる)、SADを用いる場合は誤差曲線を絶対値関数とすれば次の式
Figure 2009064193
になる。2次元のサブピクセル位置ずれを推定する方法の1つはこれを水平・垂直方法のそれぞれについて適用することである。あるいは、例えばSSDを利用する場合誤差曲線を2次元で考えれば、2次元のサブピクセル位置ずれ(δx、δy)は次式(式16)
Figure 2009064193
を満たすと仮定でき、例えばδx、δyとしてそれぞれー1〜+1の9点についてSSDの実測値を与えてa〜fの係数の最小2乗解を求める、あるいは適当な6点を与えてa〜fの係数の解を求めることにより、(δx、δy)を偏微分=0で得られる2つの式を解いて推定できる。あるいは1次元のサブピクセル位置ずれの式を用い、2次元の変位を同時に推定する方法(清水、奥富、「領域ベースマッチングのための2次元同時サブピクセル推定法」電子情報通信学会論文誌D-II、Vol. J87-D-II、No. 2、pp.554-564、2004参照)を用いることも可能である。
なお、フレーム間での対応点推定において対応点は1つに限らない。例えば2つ以上対応点を求めることができれば、それらの対応点は本実施形態におけるすべて劣化逆変換法に利用可能である。複数の対応点を求めるには、例えば、最適なSSDやSADの値に対し、その2倍までの誤差を持つ点をすべて許容すれば良い。
(フレーム内法)
次に同一フレーム内でブロックマッチングと関数フィッティングを使って対応点を求める方法について説明する。例えば物体の輪郭線部分では、同一フレーム内に合同な局所パターンが存在することが多い。このような局所パターンに対しては、同一フレーム内で対応点を求めることができ、これを利用すれば解像度変換によって得られる画像の精度を向上(即ち画質の向上)させることができる。
一般的に同一フレーム内に合同な局所パターンが存在する場合、その局所パターンは設定したテンプレートの周辺に存在することが多い。また、設定したテンプレートと同じテンプレートでの対応点は画像変換時の対応点として画質の向上へ寄与しない。
これらのことから、予め定めた方向、例えば水平方向(図7)や垂直方向(図8)に対してブロックマッチングで探索し、最後に関数フィッティングを施して変位を求めれば、合同な局所パターンを持つ画素の多くについて対応点を効率よく求められると考えられる。(図7及び図8はブロックマッチングにおける基準位置からの変位を表す。図中、黒丸(●)および白丸(○)は整数変位を表す。黒丸(●)はブロックマッチングにおいて候補とする変位を表し、白丸(○)はブロックマッチングに利用しない変位を表す。以下特に断りがない限り同様に示して説明を省略する)
また、仮にこのような局所パターンが物体の輪郭線のような直線で近似できる場合に、エッジの方向を求められることによってどのような方向に探索すると良いか推測することが可能である。エッジの方向は、水平・垂直それぞれの方向に対するエッジ検出フィルタの値の比から求めることができる。したがって、例えば1次差分フィルタあるいはSobelフィルタをエッジ検出フィルタとしてその出力値を求め、それらの比を求めることで、仮に局所パターンが直線で近似できる場合に、エッジの方向が水平方向・垂直方向のどちらに近いのかが推測できる。得られたエッジの方向に基づいて、エッジ方向が垂直に近いのであれば図7、あるいは水平に近いのであれば図8のように探索をすることで、SSDやSADの描く関数の振れ幅が大きくなり、より正確な変位を求めることができる。
なお、例えばエッジの方向が垂直に近いと推測され図7のような探索を行う場合、あわせて図9、図10、図11のラインについても探索を行うことで、より多くの対応点を得ることができる。
また、エッジ検出フィルタで探索エッジの方向を推測するかわりに、次のようにしてもよい。図12のように周辺を囲うようにブロックマッチングを行うと、周囲で最適な変位が求められる。この変位が水平方向の探索(図9や図11のライン)で見つかっていれば探索を水平方向に、垂直方向の探索で見つかっていれば垂直方向にする。4つの角の部分で見つかった場合は水平方向・垂直方向のいずれかで探索しても良いし、45度方向に変位の候補を配置して探索しても良い。
以上、フレーム間での対応点推定、フレーム内の合同パターン探索による対応点推定それぞれについて、通常の探索方法を説明した。通常の探索では、対応点の候補として画素間隔といった基準で探索範囲を設定し、その範囲内から点を探索するということを行う。
しかし、通常の探索では見つかる対応点については制御を行っていないことから、見つかった対応点が解像度変換に有用であるか否かは不明であり、使用するアルゴリズムやパラメータ、画像により判断される必要がある。
上述の通り発明者らの実験では、見つかった対応点が、低解像度画素の位置や既知の対応点から離れているほど、解像度変換に対して有用である、つまり出力画像の正確さを大きく向上させる可能性が高いことがわかっている。
例えば、変換対象となる画像が低解像度であり、低解像度画像から高解像度画像に変換する場合には、図1に示したように、見つかった対応点F102が、既知の低解像度位置F101の中間位置にあればそれは有益である。また、対応点が2つ見つかる場合にその解像度変換への有用度を考えると、同じ位置に2つの対応点が見つかるよりも、互いに離れた2つの位置に2つの対応点が見つかったほうが画質の向上に寄与する可能性が高い。
一方、図2に示したように、既知の低解像度位置F201に近い位置にばかり対応点が見つかる場合は、たとえ多くの対応点が見つかっても、解像度変換による正確さの向上はそれほど期待できない。また、例えば解像度変換により横方向に2倍に拡大したいのであれば、対応点の密度は横方向に2倍程度あればよい。一般に、水平・垂直方向の拡大率をそれぞれρx、ρyとしたとき、対応点の密度が横方向にρx程度、縦方向にρy程度あれば十分である。
ここで、まだ探索していない探索範囲に対して見つかるであろう対応点のサブピクセル位置(小数点以下まで含めた位置)が予想でき、かつ、その対応点の位置が解像度変換による画質の向上に有用ではないことが予め予想できるならば、その探索を行っても画質の向上には寄与しない可能性が高い。一方で対応点の探索にかかる計算コストの増加、および対応点を利用することによる劣化逆変換の計算コストの増加を考えると、そのような対応点については探索を行わないほうが良い場合が多い。
(フレーム内法:境界線方向の推定)
次に、同一フレーム内で対応点を探索する場合に画質の向上に寄与しないな探索を省略するための方法、即ち、境界線方向の推定について説明する。
平坦な(テクスチャのない単色やグラデーションの)領域は、画像の高周波成分をもたないため、対応点を見つけても画質の向上に寄与しないことが明らかな領域である。従って多くの場合対応点の探索は不要である。このような領域は、例えば、画素を中心とした適当なサイズ(例えば5x5)のブロックを配置し、その輝度分散がしきい値以下であるかどうかを判定することによって検出できる。
一方、平坦な領域以外に、画像によくあらわれる局所パターンとして、境界線がある。境界線、例えば物体間の境界は、局所的に見ると直線に近いパターンであることが多い。したがって、境界線の方向を推定できると、不要な対応点の探索を省略することが可能である。
図13は境界線方向の縦横比が1/4の場合の探索方法の例である。例えば境界線1306に対して、フレーム内の合同パターン探索により対応点を見つけることを考える。対応点を探したい画素を1301とする。仮に境界線の方向が縦画素数/横画素数=4画素の方向であることが推定できる場合には、サブピクセル位置が+1/4画素、+2/4画素、+3/4画素である1302、1303、1304は低解像度画像による画素1301から見て中間位置にあり解像度変換に際して画質の向上に有用であるが、1305のサブピクセル位置は1301と同じ+0/4画素であり、対応点が探索されたとしても、解像度変換によって得られる画像の画質の向上にはあまり寄与しない。
同様に、境界線の方向が図14に示す縦画素数/横画素数=3画素の場合はサブピクセル位置が+1/3画素、+2/3画素である1402、1403は有益であるが、1404、1405のサブピクセル位置はそれぞれ1401、1402のサブピクセル位置と同じと考えられ、探索によって得ても画質の向上に寄与しない。同様に、図15の場合は1502のみ探索すれば良い。これらの例では縦画素数/横画素数が1以上の場合についてのみ説明したが、1未満の場合には探索方向として横方向の図7ではなく縦方向の図8を適用すれば同じ方法が使用可能である。
また対応点の探索の要否については次のように行う。
まず、推定済みのサブピクセル位置集合Sを0のみの要素で初期化する。つまりS={0}とする。境界線の方向が縦画素数/横画素数=p(pは実数)と推定された場合に、整数nに対してサブピクセル位置np-[np]を考え(なお[x]はxの整数部を表す)、そのサブピクセル位置とSの要素との距離(例えばユークリッド距離)の最小値がしきい値以上になる場合にのみ探索を行い、見つかった対応点のサブピクセル位置をSに追加する。サブピクセル位置とSの要素との距離の最小値がしきい値に達しなかった場合には対応点の探索をしない。ここで利用するしきい値は、手入力で別途与えても良い。あるいは、例えば解像度変換による変換倍率の逆数(2倍であれば1/2)に別途定めた係数K(例えば0.8)を掛けた値としても良い。
また、例えば有用な対応点がK/(変換倍率)以上の間隔を持つ点のみであるなら、n×(横画素数/縦画素数)<K/(変換倍率)である場合にはその対応点の探索は画質の向上に寄与しない。従って、n≧(K*m)/((変換倍率)×(横画素数/縦画素数))を満たす最低の整数nをm=1、2、・・・に対して求め、そのnで与えられるラインのみを探索しても良い。
(境界線方向の推定:単純なエッジ角度)
境界線の方向を推定する方法の1つは、方向性エッジ検出フィルタの比を利用することである。方向性エッジ検出フィルタとしては、例えば、水平Sobelフィルタ
Figure 2009064193
および垂直Sobelフィルタ
Figure 2009064193
を、エッジ角度を知りたい位置が中心となるように適用し、フィルタ出力の比、つまり水平フィルタ出力/垂直フィルタ出力の値を算出すれば、先に述べた境界線の方向である縦画素数/横画素数の推定値が得られる。なお、方向性エッジ検出フィルタであれば、利用するフィルタはSobelフィルタでなくても良い。
(フレーム内法:既知の画素+1点による境界線方向の推定)
また、方向性エッジ検出フィルタを用いなくても、次の方法でも境界線方向を推定できる。説明図を図16に示す。まず、どんな方法でも良いので1つ目の対応点を探す。図16では、図7に示す探索ラインを利用して1つ目の対応点を探している。次に、入力画像により与えられる画素位置と見つかった対応点の2点を結んだ直線を考え、この方向を求めて境界線方向とする。図16では、境界線方向は縦画素数/横画素数=3画素の方向になっている。境界線方向が見つかった後は、例えば、先に述べた方法で無駄な探索ラインをスキップしながら、入力画像に近い探索ラインから順に対応点を探せば良い。
(複数フレーム法:2対応点による境界線方向の推定)
以上、入力画像が1枚の画像である場合について説明したが、画像ソースから取得する画像が動画像の場合は、その各フレームを1枚の静止画像とみなし、同一フレーム内の合同な局所パターンを利用した解像度変換方法をフレームごとに適用しても良いし、次に述べる方法により他フレームを利用した解像度変換方法を、対象とするフレームを切り替えながら適用しても良い。
境界線の方向を推定して対応点の探索を省略する、つまり対応点の探索を制御する手法は、フレーム間の対応点探索の場合、フレーム内合同パターン探索と同様に複数の対応点を探す方法を利用することが可能である。複数の対応点を探す場合は、まず基本的な探索方法、例えばブロックマッチングと関数フィッティングを用いて、対応点を1つ見つける。
次に、見つかった点をフレーム内合同パターン探索における対象画素と同じように扱って探索する。具体的には、見つかった対応点近傍の整数画素位置を中心として、図7(あるいは図8)のように候補となる位置(候補位置)を設定し、次の対応点を探策する。探索した対応点におけるブロック誤差(例えばSSD)が、最初に基本的な対応点探索方法で見つけた点におけるブロック誤差と、別途定めた許容誤差値を加えた値を超えなければその点を新たな対応点とし、超える場合にはその点は誤推定と判断して解像度変換に使用しない。誤推定か否かの判定は、最初に見つかった対応点におけるブロック誤差に、別途定めた許容誤差率を掛けた値を超えない点のみを対応点とすることで行っても良い。更にフレーム内合同パターン探索と同様に、探索ラインを順次設定し、誤推定が起こるまで対応点推定を繰り返す。このとき、先に図13〜図15を用いて説明した方法と同じ方法で探索を省略することができる。
エッジの方向を利用して境界線の方向を推定する方法については、静止画像の場合に説明した方法と同様である。方向推定の際に利用する画素は、入力画像の画素であっても良いし、例えば基本的な探索により対応点を1つ見つけ、その対応点に最も近い画素に対して水平・垂直方向の方向性エッジ検出フィルタの出力値を求め、水平方向及び垂直方向の比を求めて利用しても良い。
見つけた対応点を利用して方向を推定する場合は、まず、基本的な探索方法(例えばブロックマッチングと関数フィッティング)で対応点を1つ見つけ、次に、候補位置を上述した位置(例えば図7の位置)に設定し、第2の対応点を探す。その後、見つかった2つの対応点を結んだ直線を考えて、その方向を求めれば良い。
(テクスチャの扱い)
テクスチャの領域を考慮する場合には、例えば次のような方法があげられる。まず、上述の例と同様に、平坦な領域をブロック内の輝度分散で判定して対応点探索範囲から除外する。次に、エッジ検出フィルタの比を利用して方向を推定する。これを第1の方向とする。
次に、対応点を1つ(フレーム間で推定する場合には2つ)見つけ、それらに基づいて先の方法で方向を推定する。これを第2の方向とする。第1の方向と第2の方向の差がしきい値以下であれば、それをエッジとみなして先の方法を適用し、しきい値を超える場合にはテクスチャとみなして処理をする。テクスチャとみなした場合の処理は、すべての候補ラインを探索する方法であっても良いし、あるいは、テクスチャではあまりフレーム内の合同パターンが期待できないと考えて、探索を行わなくても良い。
(変形例1::サブピクセルシフト法との組み合わせ)
上述の例では入力画像フレームをそのまま用いて、他のフレームから入力画像フレームへの対応点を推定する場合を例に説明をした。しかし、例えば対応点の推定にブロックマッチング法を用いると、推定される対応点の位置は入力画像の各画素の位置に偏りやすい。このような偏りが起こると出力画像に対して悪い影響を与えることがある。この偏りを避けるために、次の方法を利用することもできる。
ステップ1:入力画像フレームの画素位置をわずかにずらした画像(サブピクセルずれ画像)を補間によりいくつか生成する。例えば、入力画像の各画素が(i、j)(i, jは整数)に存在する座標系を考えたとき、各画素が(i+0.5、j)の位置にある画像、(i、j+0.5)の位置にある画像、(i+0.5、j+0.5)の位置にある画像の3つのサブピクセルずれ画像を生成する。
ステップ2:入力画像フレーム、および3つのサブピクセルずれ画像のそれぞれを入力画像フレームとして、すでに説明した本発明の方法を利用して対応点を推定する。
ステップ3:3つのサブピクセルずれ画像に対する対応点のそれぞれについて、それらを元の入力画像フレームの座標系における対応点の位置に戻す。
ステップ4:ステップ2で入力画像フレームに対して求めた対応点に加え、ステップ3で元の入力画像フレームの座標系に戻した対応点も利用して、劣化逆変換を実行する。
以上に説明した方法を利用すると、推定される対応点の位置が入力画像の各画素の位置に集中する現象を緩和でき、出力画像への悪影響を軽減できる。なお、この例では0.5画素ずれた3通りのサブピクセルずれ画像を生成したが、ずれの量は0.5画素に限定されず、任意の実数値であっても良い。例えば、0.12画素や0.7画素でも良い。
(変形例2:装置におけるライン単位の処理)
今までの例では、画像をフレームごとに扱う例を中心として説明した。しかし、例えば図3の回路を各DSP用のメモリ303、305、307は高速だが容量が少ないRAMで、共有メモリ308は低速だが容量が多いRAMとした場合、DSP用のメモリに数フレーム分の画像を記憶することは難しくなる。この場合、例えば処理を数ライン〜数十ラインごとに行うと、少ないメモリでも実施可能になる。
以上、フレーム内での合同パターンを利用した対応点探索、フレーム間での複数対応点探索のそれぞれについて、その境界線の方向を利用して画質の向上に寄与しない、無駄な探索を省略する手法を説明した。本実施形態に記載の解像度変換装置あるいは方法を利用することで、画質の向上に寄与しない、無駄な対応点の探索に要した演算が不要になるため、解像度変換に利用する対応点推定の演算量を少なくできる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、多くの発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
解像度変換に用いる画素と対応点の例を示す図。 解像度変換に用いる画素と対応点の例を示す図。 本実施形態における解像度変換装置を示す図。 本実施形態における解像度変換方法を示す図。 本実施形態における解像度変換装置を示す図。 SSDを利用した場合の関数フィッティングを示す図。 フレーム内の合同パターン探索における探索ラインの1例を示す図。 フレーム内の合同パターン探索における探索ラインの1例を示す図。 フレーム内の合同パターン探索における探索ラインの1例を示す図。 フレーム内の合同パターン探索における探索ラインの1例を示す図。 フレーム内の合同パターン探索における探索ラインの1例を示す図。 フレーム内の合同パターン探索における探索ラインの1例を示す図。 境界線方向の縦横比が1/4の場合の探索方法の例を示す図。 境界線方向の縦横比が1/3の場合の探索方法の例を示す図。 境界線方向の縦横比が1/2の場合の探索方法の例を示す図。 探索した対応点を利用した境界線方向推定の方法例を示す図。
符号の説明
F101、F201・・・変換対象となる画像の画素
F102、F202・・・対応点
301・・・映像受付手段301、302、304・・・DSP、303、305、307・・・メモリ、306・・・映像出力手段306、308・・・映像入力手段、309・・・映像表示手段
S401・・・画像入力ステップ、S402・・・注目画素の設定ステップ)、S403・・・境界方向推定ステップ、S404・・・探索範囲推定ステップ、S405・・・対応点検出ステップ、S406・・・出力解像度の画素値算出ステップ、S407・・・画像出力ステップ

Claims (10)

  1. 画面内に複数の画素を配し、前記複数の画素から得られる画素値を画像として画像ソースから取得する取得手段と、
    前記画像に含まれる1以上のフレーム中の複数の画素を1つずつ注目画素として設定する第1の設定手段と、
    前記注目画素を含む領域に画素値の空間変化である局所パターンの境界線方向に応じた注目画素に対応する複数の対応点の探索範囲を設定し、前記局所パターンの境界線方向を推定する境界線方向推定手段と、
    前記注目画素と前記対応点との局所パターンの差が小さくなるような点を前記探索範囲からサブピクセル精度で1つの注目画素に対して2回以上算出する対応点探索手段と、
    前記注目画素の画素値を前記対応点の位置における標本値として設定する第2の設定手段と、
    前記画像の画素数と異なる画素数の画像であって、前記標本値と前記複数の対応点の配置に応じた画像を算出する画素値算出手段と
    を有することを特徴とする解像度変換装置。
  2. 前記対応点探索手段によって前記境界線方向に沿った前記対応点が探索された場合に、
    前記境界線方向推定手段は、複数の前記対応点の小数成分間隔を閾値以上になるように探索範囲を設定する手段であることを特徴とする請求項1に記載の解像度変換装置。
  3. 前記境界線方向推定手段は、前記対応点の探索範囲を出力画像度と入力画像との比に応じて設定することを特徴とする手段であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の解像度変換装置。
  4. 前記画像に含まれるフレームの画素位置をずらした仮画像を生成する生成手段を更に有し、
    前記境界線方向推定手段は、前記画像及び前記仮画像に対して対応点の探索範囲を設定することを特徴とする請求項1乃至3記載の解像度変換装置。
  5. 前記取得手段は、前記画像として、複数のフレームからなる動画像を取得し、
    前記第1の設定手段は、前記複数のフレームのうちの1枚のフレームを基準フレームに設定し、
    前記境界線方向推定手段は、前記基準フレームを除く1以上のフレームに含まれている画素を注目画素に設定することを特徴とする請求項1乃至4に記載の解像度変換装置。
  6. 前記取得手段は、前記画像として、複数のフレームからなる動画像を取得し、
    前記第1の設定手段は、前記複数のフレームのうちの1枚のフレームを基準フレームに設定し、
    前記境界線方向推定手段は、前記基準フレームに含まれている画素を注目画素に設定することを特徴とする請求項1乃至5に記載の解像度変換装置。
  7. 前記境界線方向推定手段は、水平及び垂直方向でのエッジ検出フィルタを用い、エッジ検出フィルタにより算出される水平及び垂直方向における算出値の比率から境界線方向を推定する手段であることを特徴とする請求項1乃至6に記載の解像度変換装置。
  8. 前記境界線方向推定手段は、前記対応点に対する第1の探索範囲を用いて算出された第1の対応点と、第2の探索範囲を用いて算出された第2の対応点との位置関係によって前記境界線方向を推定する手段であることを特徴とする請求項1乃至6に記載の解像度変換装置。
  9. 前記画素値算出手段で算出された画像を出力させる出力手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至8に記載の解像度変換装置。
  10. 画面内に複数の画素を配し、前記複数の画素から得られる画素値を画像とした画像ソースから取得し、
    前記画像に含まれる1以上のフレーム中の複数の画素を1つずつ注目画素として順次設定し、
    前記注目画素を含む領域に画素値の空間変化である局所パターンの境界線方向に応じた注目画素に対応する複数の対応点の探索範囲を設定し、前記局所パターンの境界線方向を推定し、
    前記注目画素と前記対応点との局所パターンの差が小さくなるような点を前記探索範囲からサブピクセル精度で1つの注目画素に対して2回以上算出し、
    前記注目画素の画素値を前記対応点の位置における標本値として設定する第4の設定手段と、
    前記画像の画素数と異なる画素数の画像であって、前記標本値と前記複数の対応点の配置に応じた画像を算出することを特徴とする解像度変換方法。
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