JP2011082614A - 画像処理装置及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超解像において複数の入力画像を合成する時の加重加算係数を最適化する。
【解決手段】撮影によって低解像度画像である複数の入力画像(INk)を取得し、異なる入力画像間の位置ずれ量を検出する一方で、各入力画像を画素の補間によって高解像度化することにより中間生成画像(MIDk)を生成する。検出された位置ずれ量をパラメータとして持つ評価関数に基づいて折り返し歪の除去に適した加重加算係数(wk)を算出し、該加重加算係数に従って各中間生成画像の対応画像信号を加重加算することにより出力画像を生成する。評価関数は、入力画像の撮影条件等に応じて可変設定される。例えば、入力画像のISO感度が高い場合には、折り返し歪の除去よりも、高ISO感度に起因して増大したノイズが優先的に除去されるように評価関数を調整する。
【選択図】図3
【解決手段】撮影によって低解像度画像である複数の入力画像(INk)を取得し、異なる入力画像間の位置ずれ量を検出する一方で、各入力画像を画素の補間によって高解像度化することにより中間生成画像(MIDk)を生成する。検出された位置ずれ量をパラメータとして持つ評価関数に基づいて折り返し歪の除去に適した加重加算係数(wk)を算出し、該加重加算係数に従って各中間生成画像の対応画像信号を加重加算することにより出力画像を生成する。評価関数は、入力画像の撮影条件等に応じて可変設定される。例えば、入力画像のISO感度が高い場合には、折り返し歪の除去よりも、高ISO感度に起因して増大したノイズが優先的に除去されるように評価関数を調整する。
【選択図】図3
Description
本発明は、画像処理装置及びデジタルカメラ等の撮像装置に関する。本発明は、特に、複数枚の低解像度画像から折り返し歪が除去された高解像度画像を生成する技術に関する。
複数の低解像度画像から1枚の高解像度画像を生成する画像処理方法が様々に提案されている。これらの方法の内、特許文献1に記載された方法について簡単に説明する。画像が一次元画像である場合を考える。
特許文献1における方法では、標本化位置が互いに異なる複数組のデジタルデータから高解像度化データを生成する。複数組のデジタルデータは、複数の低解像度画像を表し、高解像度化データは高解像度画像を表す。k番目のデジタルデータの標本化位置(Δk)に基づき、下記式(A1)〜(A3)を満たす係数wkを算出する。一方で、複数の低解像度画像(複数組のデジタルデータ)の夫々に対してナイキスト周波数以上の高周波成分を通過させるフィルタ処理を行い、該フィルタ処理後の画像を高解像度化する。そして、この高解像度化によって得られた複数の中間高解像度画像を係数wkに従って加重加算することにより、折り返し歪が除去された高解像度画像を生成する。
式(A1)〜(A3)において、
wkは、k番目のデジタルデータに対する重みを表す加重加算係数であり、
Δkは、k番目のデジタルデータの標本化位置である。1番目のデジタルデータの標本化位置を基準にして考えた場合、Δkは、1番目のデジタルデータの標本化位置に対するk番目のデジタルデータの標本化位置の位置ずれである(この場合、当然、Δ1はゼロである)。式(A2)及び式(A3)は、下記式(A4)にまとめて表現される。ここで、iは虚数単位である。
wkは、k番目のデジタルデータに対する重みを表す加重加算係数であり、
Δkは、k番目のデジタルデータの標本化位置である。1番目のデジタルデータの標本化位置を基準にして考えた場合、Δkは、1番目のデジタルデータの標本化位置に対するk番目のデジタルデータの標本化位置の位置ずれである(この場合、当然、Δ1はゼロである)。式(A2)及び式(A3)は、下記式(A4)にまとめて表現される。ここで、iは虚数単位である。
一次元画像に対する上記式(A1)〜(A3)を解くためには、3枚の低解像度画像(3組のデジタルデータ)が必要となる。二次元画像においては、折り返し歪が4方向に存在するため、加重加算係数の算出式は3〜9個の等式から成る連立方程式となる。折り返し歪を除去する方向を1つ増加させるごとに、必要な等式が2個増加する。従って、二次元画像に含まれる4方向の折り返し歪を特許文献1の方法で除去するためには、9枚の低解像度画像(9組の二次元デジタルデータ)が必要となる。
標本化位置の異なる画像間では折り返し歪の発生の仕方が異なるため、上述の如く複数枚の画像を加重加算することによって、折り返し歪が除去された高解像度画像を生成することができるのであるが、特許文献1に係る上述の方法を用いた場合、位置ずれ量によっては加重加算係数wkを求めることができない。例えば、(Δ1,Δ2,Δ3)=(0,0.5,1)の場合、式(A1)〜(A3)からは、2つの等式「w1+w2+w3=1」及び「w1−w2+w3=0」しか得られなため、加重加算係数wkを求めることができない。
一方において、特許文献1には、上記式(A1)〜(A3)を利用した下記式(A5)に示すような評価関数を設定し、該評価関数の値が最小化されるように演算を行うことで、加重加算係数wkを求める方法も提案されている。この評価関数を用いた方法によれば加重加算係数wkが導出不可になるおそれはなくなる。
しかしながら、超解像の元となる複数の低解像度画像の状態は様々であり、上記の評価関数を用いることが高解像度画像の画質向上にとって最適であるとはいい難い。低解像度画像の状態に適応した評価関数を利用すれば、超解像によって得られる高解像度画像の最適化が図れる。
そこで本発明は、低解像度画像の状態に適応した画像高解像度化を行うことができる画像処理装置及び撮像装置を提供することを目的とする。
本発明に係る画像処理装置は、撮影によって得られる複数の入力画像間の位置ずれ量をパラメータとして持つ評価関数に基づいて各入力画像を高解像度化しつつ合成することにより、前記入力画像の解像度よりも高い解像度を有する出力画像を生成する画像処理装置において、前記評価関数は、前記入力画像の撮影条件、前記入力画像の画像特徴、又は、前記位置ずれ量の大きさに応じて可変設定されることを特徴とする。
これにより、入力画像の撮影条件等に適応した評価関数を用いて出力画像を生成することが可能となり、様々な条件下において、出力画像の画質最適化を狙うことが可能となる。
具体的には例えば、前記評価関数は、前記入力画像の撮影条件に応じて可変設定され、前記入力画像の撮影条件は、前記入力画像の明るさを調節するための信号増幅率、前記入力画像の撮影時における光学ズーム倍率、又は、前記入力画像の撮影時における露光時間、を含む。
或いは例えば、前記評価関数は、前記入力画像の画像特徴に応じて可変設定され、前記入力画像の画像特徴は、前記入力画像の合焦度合い、又は、前記入力画像上の各位置におけるエッジ強度を含む。
更に或いは例えば、前記評価関数は、前記入力画像の画像特徴に応じて可変設定され、前記入力画像上に前記特定の物体の画像信号が存在しているとき、前記特定の物体の画像信号が存在している画像領域とそれ以外の画像領域との間で、前記複数の入力画像の合成条件を求めるための関数である前記評価関数を異ならせる。
また具体的には例えば、当該画像処理装置は、前記複数の入力画像の夫々を高解像度化することによって複数の中間生成画像を生成する高解像度化部と、前記評価関数に基づいて各中間生成画像に対する加重加算係数を導出する加重加算係数導出部と、前記加重加算係数を用いて前記複数の中間生成画像の画像信号を加重加算することにより、前記出力画像を生成する加重加算部と、を備えている。
本発明に係る撮像装置は、複数の画像を撮影する撮像部と、前記画像処理装置と、を備えた撮像装置であって、前記撮像部にて撮影された前記複数の画像を複数の入力画像として前記画像処理装置に与えることを特徴とする。
本発明によれば、複数の低解像度画像の状態に適応した画像高解像度化を行うことができる画像処理装置及び撮像装置を提供することが可能となる。
本発明の意義ないし効果は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、以下の説明において、背景技術の説明で用いた記号(例えば、wkやΔk)と同じ記号が用いられた場合、本発明の実施形態の説明文中の記載が、背景技術の説明文中の記載よりも優先される。
本実施形態に係る画像処理装置は、m枚の低解像度画像をm枚の入力画像として受け、m枚の入力画像に基づいて高解像度画像である1枚の出力画像を生成する。m枚の入力画像は、入力画像IN1、IN2、・・・及びINmから成る。mは3以上の整数である。高解像度画像の解像度は、低解像度画像のそれよりも高く、高解像度画像の画素数は、低解像度画像のそれよりも多い。
入力画像は、一次元又は二次元の原信号を標本化することによって得られるデジタル画像である。一次元の原信号を標本化した場合、入力画像は一次元画像であって該入力画像から生成される出力画像も一次元画像となり、二次元の原信号を標本化した場合、入力画像は二次元画像であって該入力画像から生成される出力画像も二次元画像となる。
m枚の入力画像は、同一の原信号を標本化することによって生成されるが、標本化位置はm枚の入力画像間で異なる。入力画像IN1を基準にして考えると、入力画像INkは、入力画像IN1を位置ずれ量dkだけ位置ずれさせた画像であるとみなすことができる。ここで、kは、自然数であって、1以上m以下の各整数をとる。即ち例えば、入力画像IN2は、入力画像IN1を位置ずれ量d2だけ位置ずれさせた画像であるとみなすことができ、入力画像IN3は、入力画像IN1を位置ずれ量d3だけ位置ずれさせた画像であるとみなすことができる。以下の説明では、位置ずれ量を、入力画像IN1を基準にして考え、入力画像IN1を基準画像とも呼ぶ。入力画像IN1が基準画像となっているため、位置ずれ量d1はゼロである。
入力画像が一次元画像である場合には、位置ずれ量dkは一次元量であるが、入力画像が二次元画像である場合には、位置ずれ量dkは水平及び垂直成分を含む二次元量である。二次元画像は、水平及び垂直方向に複数の画素が等間隔でマトリクス状に配列されて形成される。
入力画像において、隣接する画素間隔は1であるとする。入力画像が二次元画像である場合には、水平及び垂直方向における隣接画素間隔が共に1である。
各入力画像を、撮影によって取得することができる。図1に、撮影によって入力画像を取得する、本実施形態に係る撮像装置1の概略ブロック図を示す。撮像装置1は、静止画像を撮影及び記録可能なデジタルスチルカメラ、又は、静止画像及び動画像を撮影及び記録可能なデジタルビデオカメラである。
撮像装置1は、撮像部11と、AFE(Analog Front End)12と、主制御部13と、内部メモリ14と、表示部15と、記録媒体16と、操作部17と、を備えている。
図2に、撮像部11の内部構成図を示す。撮像部11は、光学系35と、絞り32と、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどから成る撮像素子33と、光学系35や絞り32を駆動制御するためのドライバ34と、を有している。光学系35は、ズームレンズ30及びフォーカスレンズ31を含む複数枚のレンズから形成される。ズームレンズ30及びフォーカスレンズ31は光軸方向に移動可能である。ドライバ34は、主制御部13からの制御信号に基づいてズームレンズ30及びフォーカスレンズ31の各位置並びに絞り32の開度を駆動制御することにより、撮像部11の焦点距離(画角)及び焦点位置並びに撮像素子33への入射光量を制御する。
撮像素子33は、光学系35及び絞り32を介して入射した被写体を表す光学像を光電変換し、該光電変換によって得られた電気信号をAFE12に出力する。より具体的には、撮像素子33は、マトリクス状に二次元配列された複数の受光画素を備え、各撮影において、各受光画素は露光時間に応じた電荷量の信号電荷を蓄える。蓄えた信号電荷の電荷量に比例した大きさを有する各受光画素からのアナログ信号は、撮像装置1内で生成される駆動パルスに従って順次AFE12に出力される。以下の説明における「露光」とは、撮像素子33の露光を意味するものとする。また、露光時間の長さは、主制御部13によって制御される。
AFE12は、撮像部11(撮像素子33)から出力されるアナログ信号を増幅し、増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。AFE12は、このデジタル信号を、順次、主制御部13に出力する。AFE12における信号増幅の増幅率は、主制御部13によって制御される。
主制御部13は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等から成る。主制御部13は、AFE12の出力信号に基づいて、撮像部11によって撮影された画像(以下、撮影画像とも言う)を表す画像信号を生成する。画像信号は、例えば、輝度信号や色差信号を含む。また、主制御部13は、表示部15の表示内容を制御する表示制御手段としての機能をも備え、表示に必要な制御を表示部15に対して行う。
内部メモリ14は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等にて形成され、撮像装置1内で生成された各種データを一時的に記憶する。表示部15は、液晶ディスプレイパネル等から成る表示装置であり、主制御部13の制御の下、撮影された画像や記録媒体16に記録されている画像などを表示する。記録媒体16は、SD(Secure Digital)メモリカード等の不揮発性メモリであり、主制御部13による制御の下、撮影画像などを記憶する。操作部17は、外部からの操作を受け付ける。操作部17に対する操作内容は、主制御部13に伝達される。
主制御部13には、画像処理部50が備えられている。撮像部11の撮影によって得られた撮影画像が入力画像として画像処理部50に与えられる。画像処理部50では、超解像によって、m枚の低解像度画像であるm枚の入力画像IN1〜INmから1枚の高解像度画像である1枚の出力画像を生成する。超解像とは、標本化により各入力画像内に生じた折り返し歪を複数の入力画像を用いて除去することによって、画像の解像度を向上させる技術である。m枚の入力画像IN1〜INmは、共通の被写体を互いに異なる時刻にて撮影して得たm枚の撮影画像であるが、m枚の入力画像の撮影期間中に撮像装置1に作用した手ぶれ等の影響により、異なる入力画像間には位置ずれが発生している。
図3は、画像処理部50の内部ブロック図である。画像処理部50は、AFE12を介してm枚の入力画像IN1〜INmの画像信号を取得する入力画像取得部51と、入力画像IN1〜INmの画像信号に基づいて位置ずれ量d1〜dmを検出する位置ずれ量検出部52と、入力画像IN1〜INmの夫々を高解像度化することにより高解像度画像であるm枚の中間生成画像MID1〜MIDmを作成する高解像度化部(補間拡大部)53と、位置ずれ量検出部52の検出結果に基づいて各中間生成画像に対する加重加算係数wkを算出する加重加算係数算出部54と、その加重加算係数を用いてm枚の中間生成画像の画像信号を加重加算することでm枚の中間生成画像を合成し、合成によって画像を出力画像として生成する画像合成部55と、を備える。
各入力画像が二次元画像であることを想定して、図3に示される各部位の動作を詳細に説明する。入力画像である低解像度画像は、水平方向にUNUM個及び垂直方向にVNUM個の画素がマトリクス状に二次元配列された画像である。中間生成画像又は出力画像である高解像度画像は、水平方向にXNUM個及び垂直方向にYNUM個の画素がマトリクス状に二次元配列された画像である。
高解像度画像の画素数は低解像度画像の画素数よりも多いため、XNUM>UNUM且つYNUM>VNUMが成立する。水平及び垂直方向において、低解像度画像に対する高解像度画像の拡大率が、夫々ENH及びENVであるとき、XNUM=ENH×UNUM且つYNUM=ENV×VNUMが成立する(ENH>1、ENV>1)。例えば、ENH=ENV=10である場合、水平及び垂直方向の夫々において、高解像度画像(中間生成画像又は出力画像)の隣接画素間隔は低解像度画像(入力画像)のそれの1/10になる。
位置ずれ量検出部52は、入力画像IN1〜INmの画像信号に基づいて、位置ずれ量d1〜dmを求める。この位置ずれ量の導出に当たり、代表点マッチング法、ブロックマッチング法、勾配法などを利用した位置ずれ量推定アルゴリズムを用いる。ここで求められる位置ずれ量は、低解像度画像の画素間隔よりも分解能の高い、所謂サブピクセルの分解能を有している。つまり、低解像度画像内の隣接する2つの画素の間隔よりも短い距離を最小単位として位置ずれ量が算出される。サブピクセルの分解能を有する位置ずれ量の算出方法として、公知の算出方法を用いることができる。例えば、特開平11-345315号公報に記載された方法や、“奥富,「ディジタル画像処理」,第二版,CG−ARTS協会,2007年3月1日発行”に記載された方法(p.205参照)を用いればよい。
高解像度化部53は、各入力画像を高解像度化する高解像度化処理を行う。また、高解像度化部53において、位置ずれ量d1〜dmに基づく位置合わせ処理を行うこともできる。高解像度化部53において、位置合わせ処理及び高解像度化処理を行う場合の動作を説明する。
まず、位置合わせ処理を説明する。位置合わせ処理は、2≦k≦mを満たす夫々の入力画像INkに対して実行される。尚、位置ずれ量dkは、等式「dk=INTk+Δk」且つ不等式「−0.5<Δk≦0.5」を満たすように、整数の値INTk及び小数の値Δkに分解されるものとする。上述したように、入力画像INkは、入力画像IN1を位置ずれ量dkに相当する分だけ位置ずれさせた画像であるとみなすことができる。位置合わせ処理では、これらの位置ずれの整数部分だけが打ち消されるように、入力画像INkに対して、入力画像IN1を基準とした位置合わせを行う。例えば、位置ずれ量dkの整数部分INTkの水平成分及び垂直成分が夫々2及び0である場合、位置合わせ後の入力画像INkの位置ずれ量の整数部分における水平成分及び垂直成分が共にゼロとなるように、入力画像INkに対し、水平方向に距離2だけ(即ち、低解像度画像の隣接画素間隔の2倍に相当する距離だけ)幾何学的変換を施す。この幾何学的変換後の入力画像INkが、位置合わせ後の入力画像INkである。
高解像度化処理では、入力画像のナイキスト周波数以上の、入力画像に含まれる高周波成分を通過させる広帯域フィルタを用いて入力画像を補間拡大することにより、入力画像の解像度を高解像度画像のそれと同じにまで増加させ、これによって高解像度画像の一種である中間生成画像を生成する。この補間拡大は、位置ずれ量dkの小数部分Δkを用いて行われる。例えば、入力画像INkを補間拡大して中間生成画像を生成する際において、位置ずれ量dkの小数部分Δkの水平成分及び垂直成分が夫々0.5及び0であるならば、入力画像INkの注目画素位置の画像信号は、注目画素位置から0.5分だけ位置ずれせしめられた位置の画像信号として中間生成画像に挿入される。高解像度化処理の方法として、公知の方法(例えば特許文献1に記載の方法)を用いることができる。例えば、ENH=ENV=10である場合、水平及び垂直方向の夫々において、入力画像の隣接画素間に9つの補間画素が設定され、その補間画素をも含む画像が中間生成画像として生成される。高解像度化処理は、入力画像ごとに行われる。従って、入力画像IN1から中間生成画像MID1が生成され、入力画像IN2から中間生成画像MID2が生成される(他の中間生成画像についても同様)。
位置合わせ処理後に高解像度化処理を行うことが可能である。位置合わせ処理後に高解像度処理を行う場合、位置合わせ後の入力画像に対して高解像度化処理を施すことにより中間生成画像が生成される。尚、位置合わせ処理において位置ずれ量の小数部分(Δk)までも打ち消す幾何学的変換を行うと、サブピクセル精度の位置ずれ情報が位置合わせ処理にて失われてしまう。これを避けるべく、上記の如く、整数部分INTkのみを用いて位置合わせ処理を行った後に小数部分Δkを考慮して高解像度化処理を行う。
勿論、位置合わせ処理と高解像度化処理を同時に行うようにしてもよい。或いは、高解像度処理を行った後に、位置合わせ前の中間生成画像に対して位置ずれ量dkに基づく位置合わせ処理を行い、これによって、最終的な中間生成画像の画像信号を求めるようにしてもよい。更に或いは、位置合わせ処理を高解像度化部53においてではなく、画像合成部55の画像合成の段階において実行するようにしてもよい。即ち、高解像度化部53において位置合わせ処理を行った場合と同じ結果が得られるように、画像合成部55における画像合成の段階において位置ずれ量dkに基づく位置合わせ処理を行うようにしても良い。
加重加算係数算出部54は、位置ずれ量検出部52による検出結果に基づいて、各中間生成画像に対する加重加算係数を算出する。中間生成画像MIDkに対する加重加算係数をwkにて表す。加重加算係数wkは、中間生成画像MIDkの全画素位置に対して共通であっても良いし非共通であっても良い。本実施形態の特徴的技術を含む、加重加算係数の算出方法は、後に詳説される。
画像合成部55は、中間生成画像MID1〜MIDmにおける対応画素位置の画像信号同士が加重加算係数w1〜wmに従って加重加算されるように中間生成画像MID1〜MIDmを合成し、これによって出力画像を生成する。
中間生成画像MIDkの画素位置(x,y)における画像信号をmidk(x,y)にて表し、中間生成画像MIDk又は出力画像の画素位置(x,y)における加重加算係数wkをwk(x,y)にて表し、出力画像の画素位置(x,y)における画像信号をout(x,y)にて表す。そうすると、画像合成部55では、次式(B1)に従って、出力画像の画像信号out(x,y)が求められる。x及びyは、夫々、x及びyによって指定される画素位置の、画像空間上における水平方向の座標値及び垂直方向の座標値を表す。
加重加算係数算出部54では、従来方法に係る上記連立方程式(上記式(A1)〜(A3)に対応)を変更することで、超解像に関わる加重加算係数をいかなる場合にも算出できるようにしている。更に、撮影条件等をも考慮して加重加算係数を求めるようにすることで、撮影条件等に適した加重加算係数を導出することが可能になっている。この導出方法を説明する。
一次元で考えた場合、上記式(A1)〜(A3)に対応する、下記式(C1)〜(C3)を満たす加重加算係数wkを用いれば折り返し歪の除去が可能である。但し、式(C2)及び(C3)におけるΔkをdkに置き換えることも可能である。
行列A、w及びvを用いて、式(C1)〜(C3)を下記式(C4)の如く変形することができる(即ち、式(C4)の行列式を展開すれば、式(C1)〜(C3)が得られる)。一次元で考えた場合、行列wは行列(w1,w2,w3)の転置行列であり、行列vは行列(1,0,0)の転置行列であり、行列Aはcos(2πΔk)及びsin(2πΔk)を要素として含む3行3列の行列である。
二次元で考えた場合には、除去されるべき折り返し歪の方向が4方向(即ち、水平、垂直、右斜め及び左斜め方向)となるため、入力画像の枚数mは3よりも大きくされ、典型的にはm=9とされる。入力画像が二次元画像であって、m=9である場合には、式(C2)及び(C3)の組が4組分必要となり、その4組分の等式と式(C1)を、式(C4)を満たす行列A、w及びvに置き換えればよい。
加重加算係数算出部54では、式(C4)に従って加重加算係数wkを導出するのではなく、下記式(C5)にて表される評価関数Eを設定し、評価関数Eを最小化するwkを求めるようにする。但し、w1〜wmの和が1となるようにwkは最終的に正規化される(即ち、式(C1)を満たす条件の下で、評価関数Eを最小化するwkを求めればよい)。
f(λ,w)は、行列λ及びwを変数として持つ、事前に定められた関数であり、f(λ,w)の設定の仕方によっては、必ず加重加算係数wkを算出することができるようになる。f(λ,w)によって表される関数を、以下、便宜上、補助関数と呼ぶ。行列λは、λ1〜λmを要素として持つ行列である。λkは、k番目の画像、即ち、入力画像INk及び中間生成画像MIDkに対する調整パラメータである。
以下、f(λ,w)の設定の仕方の具体例を、複数の実施例において説明する。以下に示される複数の実施例の中には、入力画像の次元に依存しない実施例も含まれているが、説明の簡略化上、特に必要のない限り、各実施例においては一次元方向にのみ注目する(即ち、特に必要のない限り、入力画像が一次元画像であると仮定する)。一次元方向にのみ注目して説明された、以下の事項を二次元に拡張すれば、二次元画像に対する加重加算係数wkを導出することができる。
[第1実施例]
第1実施例を説明する。第1実施例では、下記式(D1)にて定義される関数f1(λ,w)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。
第1実施例を説明する。第1実施例では、下記式(D1)にて定義される関数f1(λ,w)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。
関数f1(λ,w)を補助関数f(λ,w)として用いることにより、w1が異常に小さくなったりすることはなくなる(w1=0となるようなことはない)。従って、基準画像である入力画像IN1の、出力画像に対する寄与度を、一定程度確保することが可能となる。
第1実施例及び後述の他の実施例において、λ1〜λmは、予め設定された一定値であっても良いし、何らかの情報に基づいて可変設定される変数であっても良い(可変設定の方法については、第14実施例において後述)。また、第1実施例及び後述の他の実施例において、λ1〜λmは、全て同じ値であっても良いし、そうでなくても良い。
[第2実施例]
第2実施例を説明する。第2実施例では、下記式(D2)にて定義される関数f2(λ,w,Δ)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。ここで、εは、所定の値を有するパラメータである。
第2実施例を説明する。第2実施例では、下記式(D2)にて定義される関数f2(λ,w,Δ)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。ここで、εは、所定の値を有するパラメータである。
基準画像に対する位置ずれ量の小数部位が0.5に近い入力画像を、より多く出力画像の生成に寄与させることにより、超解像の原理上、超解像効果が高まる。即ち、|Δk|が0.5に近い入力画像INkに対する加重加算係数wkが大きくなれば超解像効果は高くなる。逆に、|Δk|が0に近い入力画像INkに対する加重加算係数wkが大きくなれば超解像効果は低くなる。超解像効果とは、超解像による解像度改善効果を指す。
関数f2(λ,w,Δ)を補助関数f(λ,w)として用いることにより、|Δk|が0.5に近い入力画像INkに対する加重加算係数wkが相対的に大きくなる一方で、|Δk|が0に近い入力画像INkに対する加重加算係数wkが相対的に小さくなるため、高い超解像効果が得られるようになる。
[第3実施例]
第3実施例を説明する。第3実施例では、下記式(D3)にて定義される関数f3(λ,w)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。
第3実施例を説明する。第3実施例では、下記式(D3)にて定義される関数f3(λ,w)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。
一般に、複数の信号が、互いに無相関であって且つ分散がσ2の雑音を含んでいる場合において、wkを重みとして用いて該複数の信号の加重平均をとると、加重平均信号の雑音の分散はσ2Σwk 2となるため、Σwk 2の最小化を図ることで加重平均信号の雑音
の最小化が図れる。従って、関数f3(λ,w)を補助関数f(λ,w)として用いれば、出力画像の雑音の最小化が図られる。
の最小化が図れる。従って、関数f3(λ,w)を補助関数f(λ,w)として用いれば、出力画像の雑音の最小化が図られる。
[第4実施例]
第4実施例を説明する。第4実施例では、下記式(D4)にて定義される関数f4(λ,w,Δ)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。
第4実施例を説明する。第4実施例では、下記式(D4)にて定義される関数f4(λ,w,Δ)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。
式(D4)において距離||Δk|−|Δj||が大きくなるとwk 2にかかる指数関数の値(expの値)が小さくなり、結果、wkが相対的に大きくなる。複数の入力画像に基づく超解像処理を行う場合、相対的により位置が離れた入力画像群を優先的に使用した方が超解像効果が高くなり、また、ノイズも発生しにくい。このため、上記関数f4(λ,w,Δ)を導入することで、相対的により位置が離れた入力画像群を優先的に使用するようにする。尚、仮に、式(D4)における||Δk|−|Δj||が|Δk−Δj|であると、Δk=−0.5且つΔj=0.5の時に、入力画像INk及びINj間の距離が最も大きいと評価される場合がある。しかし、Δk=−0.5の位置ずれ量を有する入力画像INkとΔj=0.5の位置ずれ量を有する入力画像INjは、基準画像から見れば同等のものであるため、それらの加重加算係数を大きく設定しても高い超解像効果は期待できない。故に、式(D4)には、|Δk−Δj|ではなく、||Δk|−|Δj||が含められている。
関数f4(λ,w,Δ)を補助関数f(λ,w)として用いるようにすれば、上記距離に応じてノイズ量が制御され、出力画像の雑音を低減しつつ超解像効果の向上を図ることができる。
[第5実施例]
第5実施例を説明する。第5実施例では、下記式(D5)にて定義される関数f5(λ,w,Δ)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。
第5実施例を説明する。第5実施例では、下記式(D5)にて定義される関数f5(λ,w,Δ)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。
式(D5)における関数gk(Δ)は、式(D5_1)によって定義される。即ち、j≠kを満たす任意の整数jに対して、Δk≠Δjが満たされる場合、関数gk(Δ)は0であり、それ以外の場合においては、関数gk(Δ)は1である。
関数f5(λ,w,Δ)を補助関数f(λ,w)として用いた場合、Δk=Δjが満たされるならば、wk=wjとなるように作用する。
[第6実施例]
第6実施例を説明する。第6実施例では、下記式(D6)にて定義される関数f6(λ,w)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。f’(λ,w)として、第1〜第5実施例で述べた関数f1(λ,w)、f2(λ,w,Δ)、f3(λ,w)、f4(λ,w,Δ)及びf5(λ,w,Δ)の何れかを用いることができる(後述の他の実施例においても同様)。
第6実施例を説明する。第6実施例では、下記式(D6)にて定義される関数f6(λ,w)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。f’(λ,w)として、第1〜第5実施例で述べた関数f1(λ,w)、f2(λ,w,Δ)、f3(λ,w)、f4(λ,w,Δ)及びf5(λ,w,Δ)の何れかを用いることができる(後述の他の実施例においても同様)。
値SNSは、入力画像の撮影時において設定されている撮影感度に依存する量、即ち、入力画像の明るさを調節するための撮影感度に依存する量である。該撮影感度は、入力画像の撮影条件の一種である。基準画像である入力画像IN1の撮影時における撮影感度に依存する量、又は、複数の入力画像(例えば入力画像IN1〜INm)の撮影時における撮影感度に依存する量の平均値を、SNSとして用いることができる。基本的に、入力画像IN1〜INmの撮影時において撮影感度は一定であることが想定される。
本例では、撮影感度としてISO感度が用いられるものとする。ISO感度は、ISO(International Organization for Standardization)によって規定された感度を意味し、ISO感度を調節することで、撮影画像としての入力画像の明るさ(輝度レベル)を調節することができる。実際には、ISO感度に応じてAFE12における信号増幅の増幅率(以下、単に信号増幅率ともいう)を決定する。従って、撮影感度とは信号増幅率そのものである或いは信号増幅率を含む概念であると考えることができ、本実施例では、該信号増幅率を値SNSとして用いることができる。AFE12の信号増幅率はISO感度に比例している。ISO感度が2倍になれば、その信号増幅率も2倍となり、これによって撮影画像の各画素の輝度値も2倍となる(但し、増幅による信号飽和を無視)。ユーザは、各撮影画像のISO感度を自由に設定することができる。撮像素子33に対する単位時間当たりの入射光量に基づいて、撮像装置1側がISO感度を自動的に設定するようにしても良い。
尚、言うまでもないが、他の条件が同じである時において、撮影画像の各画素の輝度値は露光時間に比例し、露光時間が2倍となれば撮影画像の各画素の輝度値も2倍となる(但し、信号飽和を無視)。輝度値は、撮影画像を形成する画素の輝度信号の値を意味する。或る画素に関し、輝度値が増加すれば該画素の明るさは増加する。
ISO感度が大きくなると上記信号増幅率の増大に伴って入力画像中のノイズ量も増大するため、入力画像における信号対雑音比(以下、SN比という)が低下する。入力画像のSN比が低い場合には、そのSN比の改善を優先的に狙って出力画像を生成した方が、出力画像の実質的な画質改善にとって有益である。一方において、評価関数Eに対する補助関数f(λ,w)の寄与度を増加させると、超解像による折り返し歪の除去よりも、ノイズ低減を含む画質調整がより強く働くようになる(特に、f’(λ,w)として、f1(λ,w)、f3(λ,w)又はf4(λ,w,Δ)を用いた場合に、ノイズ低減効果が大きい)。
これを考慮し、信号増幅率が大きい場合において評価関数Eに対する補助関数f(λ,w)の寄与度を大きくするべく、上記の如く関数f6(λ,w)を設定する。
尚、本実施例では、f6(λ,w)を√SNSに比例させることによって、f6(λ,w)を値SNSの増加関数にしているが、f6(λ,w)がSNSの増加関数である限り、f6(λ,w)の定義式を式(D6)から変更することが可能である。例えば、式(D6)における“√SNS”を“SNS”に変更することが可能である。同様のことが、補助関数f(λ,w)の例として後述される他の関数の定義式(式(D7)等)にも当てはまる。本明細書において、√aは、aの正の平方根を表す(aは任意の正の数)。
[第7実施例]
第7実施例を説明する。第7実施例では、下記式(D7)にて定義される関数f7(λ,w)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。
第7実施例を説明する。第7実施例では、下記式(D7)にて定義される関数f7(λ,w)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。
ここで、Mは、入力画像の撮影時における光学ズーム倍率である。より具体的には、基準画像である入力画像IN1の撮影時における光学ズーム倍率、又は、複数の入力画像(例えば入力画像IN1〜INm)の撮影時における光学ズーム倍率の平均値を、Mとして用いることができる。基本的に、入力画像IN1〜INmの撮影時において光学ズーム倍率は一定であることが想定される。光学ズーム倍率Mは、入力画像の撮影条件の一種である。
主制御部13は、ドライバ34を介してズームレンズ30の位置を駆動制御することにより光学系35の焦点距離を調節し、これによって光学ズームを実現する(図1及び図2参照)。或る被写体の被写体距離が一定である場合において、光学ズーム倍率が増大すれば入力画像上の該被写体の大きさは増大し、光学ズーム倍率が減少すれば入力画像上の該被写体の大きさは減少する。被写体の被写体距離とは、被写体と撮像装置1との、実空間上における距離を指す。
光学ズーム倍率が大きくなると、手ぶれ等に起因する各入力画像の画像ぶれが大きくなって、入力画像に高周波成分が殆ど含まれなくなる(従って、折り返し歪も殆ど含まれなくなる)ため、超解像効果はあまり期待できない。
従って、光学ズーム倍率が大きい場合には、ノイズ低減を含む画質調整がより強く働くようにした方が出力画像の実質的な画質改善にとって有益である。これを考慮し、光学ズーム倍率が大きい場合において評価関数Eに対する補助関数f(λ,w)の寄与度を大きくするべく、上記の如く関数f7(λ,w)を設定する。
尚、本実施例では、f7(λ,w)をM2に比例させることによって、f7(λ,w)をMの増加関数にしているが、f7(λ,w)がMの増加関数である限り、f7(λ,w)の定義式を式(D7)から変更することが可能である。
[第8実施例]
第8実施例を説明する。第8実施例では、下記式(D8)にて定義される関数f8(λ,w)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。
第8実施例を説明する。第8実施例では、下記式(D8)にて定義される関数f8(λ,w)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。
ここで、TEXPは、入力画像の撮影時における露光時間である。より具体的には、基準画像である入力画像IN1の撮影時における露光時間、又は、複数の入力画像(例えば入力画像IN1〜INm)の撮影時における露光時間の平均値を、TEXPとして用いることができる。基本的に、入力画像の露光時間は入力画像IN1〜INm間で一定である。露光時間TEXPは、入力画像の撮影条件の一種である。
主制御部13は、入力画像IN1〜INmの明るさが所望の明るさとなるように、入力画像IN1〜INmよりも前に撮影された撮影画像の明るさに応じて露光時間TEXPを決定することができる。比較的暗いシーンを撮影する場合には露光時間TEXPが比較的長くなり、比較的明るいシーンを撮影する場合には露光時間TEXPが比較的短くなる。露光時間TEXPが長くなると、手ぶれ等に起因する各入力画像の画像ぶれが大きくなって、入力画像に高周波成分が殆ど含まれなくなる(従って、折り返し歪も殆ど含まれなくなる)ため、超解像効果はあまり期待できない。
従って、露光時間TEXPが長い場合には、ノイズ低減を含む画質調整がより強く働くようにした方が出力画像の実質的な画質改善にとって有益である。これを考慮し、露光時間TEXPが長い場合において評価関数Eに対する補助関数f(λ,w)の寄与度を大きくするべく、上記の如く関数f8(λ,w)を設定する。
尚、本実施例では、f8(λ,w)を√TEXPに比例させることによって、f8(λ,w)をTEXPの増加関数にしているが、f8(λ,w)がTEXPの増加関数である限り、f8(λ,w)の定義式を式(D8)から変更することが可能である。
[第9実施例]
第9実施例を説明する。第9実施例では、下記式(D9)にて定義される関数f9(λ,w)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。
第9実施例を説明する。第9実施例では、下記式(D9)にて定義される関数f9(λ,w)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。
ここで、Focusは、入力画像の合焦度合いを表す評価値である。より具体的には、基準画像である入力画像IN1の合焦度合いを表すAF評価値、又は、複数の入力画像(例えば入力画像IN1〜INm)の合焦度合いを表すAF評価値の平均値を、Focusとして用いることができる。以下の説明では、Focusが、入力画像IN1のAF評価値であることを想定する。
主制御部13は、撮影画像ごとに撮影画像の画像信号に基づいて撮影画像の合焦度合いを表すAF評価値を算出し、AF評価値に基づきフォーカスレンズ31の位置を制御することで、TTL(Through The Lens)方式のコントラスト検出法に基づくオートフォーカス制御を実現することができる。AF評価値を算出するAF評価部(不図示)を、画像処理部50に設けておくことができる。
入力画像IN1のAF評価値の算出方法を説明する(他の入力画像のAF評価値についても同様に算出される)。まず、入力画像IN1の映像信号より輝度信号を抽出する。この際、入力画像IN1の全画像領域内に定義された、AF評価領域内の輝度信号のみを抽出する。次に、抽出した輝度信号の中から、ハイパスフィルタ等を用いて、所定の高周波数成分のみを抽出する。最後に、抽出した高周波数成分を積算し、得られた積算値を入力画像IN1のAF評価値として出力する。入力画像IN1におけるAF評価領域とは、入力画像IN1上の所定位置に配置された、入力画像IN1の一部画像領域である。或いは、入力画像IN1の全画像領域が入力画像IN1のAF評価領域であっても良い。AF評価値は、AF評価領域内の画像のコントラスト量に概ね比例し、該コントラスト量が増大するにつれてAF評価値は増大する。
上述の説明からも明らかなように、入力画像IN1のAF評価値は入力画像IN1の画像特徴を表しており、入力画像IN1の合焦度合いが高いほど(即ち、入力画像IN1の撮影時において被写体にピントが合っていれば合っているほど)、入力画像IN1のAF評価値は大きくなる。
入力画像IN1のAF評価値に相当する値Focusが小さいときには、合焦状態が悪く、入力画像に高周波成分が殆ど含まれていないため(従って、折り返し歪も殆ど含まれていないため)、超解像効果はあまり期待できない。
従って、値Focusが小さい場合には、ノイズ低減を含む画質調整がより強く働くようにした方が出力画像の実質的な画質改善にとって有益である。これを考慮し、値Focusが小さい場合において評価関数Eに対する補助関数f(λ,w)の寄与度を大きくするべく、上記の如く関数f9(λ,w)を設定する。
尚、本実施例では、f9(λ,w)を1/Focusに比例させることによって、f9(λ,w)をFocusの減少関数にしているが、f9(λ,w)がFocusの減少関数である限り、f9(λ,w)の定義式を式(D9)から変更することが可能である。勿論、入力画像IN1の合焦度合いが高くなるにつれてFocusが小さくなるのであれば、f9(λ,w)はFocusの増加関数とされる。
[第10実施例]
第10実施例を説明する。上述の第1〜第9実施例では、中間生成画像MIDkの全画素位置に対して(換言すれば、入力画像の全画素位置に対して)共通の評価関数Eが設定される。中間生成画像MIDkの全画素位置に対して共通の評価関数Eが設定される場合、中間生成画像MIDkの全画素位置に対して共通の加重加算係数wkが算出される、つまり加重加算係数wkは画素位置の変化(即ち、x及びyの変化)に対して不変となる(上記式(B1)も参照)。
第10実施例を説明する。上述の第1〜第9実施例では、中間生成画像MIDkの全画素位置に対して(換言すれば、入力画像の全画素位置に対して)共通の評価関数Eが設定される。中間生成画像MIDkの全画素位置に対して共通の評価関数Eが設定される場合、中間生成画像MIDkの全画素位置に対して共通の加重加算係数wkが算出される、つまり加重加算係数wkは画素位置の変化(即ち、x及びyの変化)に対して不変となる(上記式(B1)も参照)。
これに対し、第10実施例では、画素位置が異なれば設定される評価関数Eも異なりうる。第10実施例では、より現実に即した説明を可能にするため、入力画像が二次元画像であるものとして説明を行う。第10実施例では、下記式(D10)にて定義される関数f10(λ,w,x,y)を、画素位置(x,y)に対する補助関数f(λ,w)として用いる。
ここで、Edge(x,y)は、基準画像の画素位置(x,y)におけるエッジ強度である。基準画像の画素位置(x,y)は、基準画像に基づく中間生成画像MID1の画素位置(x,y)に対応しており、基準画像の画素位置(x,y)における画像信号から、中間生成画像MID1の画素位置(x,y)における画像信号が生成されるものとする。従って、Edge(x,y)は中間生成画像MID1の画素位置(x,y)におけるエッジ強度である、とも言える。エッジ強度Edge(x,y)を算出するエッジ評価部(不図示)を、画像処理部50に設けておくことができる。
エッジ強度が求められるべき画像(入力画像IN1又は中間生成画像MID1)を、便宜上、エッジ評価画像という。エッジ評価画像の画素位置(x,y)における、輝度信号の水平方向及び垂直方向の勾配(即ち、一次微分)を、夫々、EdgeX(x,y)及びEdgeY(x,y)にて表す。EdgeX(x,y)及びEdgeY(x,y)は、エッジ評価画像の画素位置(x,y)における、輝度信号の水平方向及び垂直方向の二次微分であっても良い。(|EdgeX(x,y)|+|EdgeY(x,y)|)をEdge(x,y)として用いることができる。
上述の説明からも明らかなように、エッジ強度Edge(x,y)は入力画像IN1の画像特徴を表している。エッジ強度Edge(x,y)が小さい画像領域(即ち平坦領域)に含まれるノイズは、エッジ強度Edge(x,y)が大きい画像領域(即ちエッジ領域)のそれよりも視覚的に目立つ。このため、エッジ強度Edge(x,y)が小さい画像領域に対しては、ノイズ低減を含む画質調整がより強く働くようにした方が出力画像の実質的な画質改善にとって有益である。これを考慮し、エッジ強度Edge(x,y)が小さい画像領域において、評価関数Eに対する補助関数f(λ,w)の寄与度を大きくするべく、上記の如く関数f10(λ,w,x,y)を設定する。
これにより、画素位置(x1,y1)に対しては、関数f10(λ,w,x1,y1)を含む評価関数Eに基づいて加重加算係数wk(x1,y1)が算出されて、wk(x1,y1)及びmidk(x1,y1)からout(x1,y1)が求められ、画素位置(x2,y2)に対しては、関数f10(λ,w,x2,y2)を含む評価関数Eに基づいて加重加算係数wk(x2,y2)が算出されて、wk(x2,y2)及びmidk(x2,y2)からout(x2,y2)が求められる(後述の第11実施例においても同様)。画素位置(x1,y1)及び(x2,y2)が互いに異なり且つ関数f10(λ,w,x,y)が画素位置(x1,y1)及び(x2,y2)間で異なれば、その相違の程度にもよるが、wk(x1,y1)及びwk(x2,y2)は互いに異なりうる(後述の第11実施例においても同様)。
尚、上述の方法では、画素位置ごとに補助関数f(x,y)が設定されることになるが、複数の画素から成るブロックごとに補助関数f(x,y)を設定するようにしても良い(後述の第11実施例においても同様)。この場合、エッジ評価画像を複数のブロックに切り分け、ブロックごとにエッジ強度を求めるようにする。或るブロックに対するエッジ強度を、そのブロックに属する各画素位置(x,y)のエッジ強度Edge(x,y)の平均値とすることができる。そして、式(D10)のEdge(x,y)に第1ブロックのエッジ強度を代入した時における式(D10)の右辺を、第1ブロックに対する関数f10(λ,w,xA,yA)として設定し、同様に、式(D10)のEdge(x,y)に第2ブロックのエッジ強度を代入した時における式(D10)の右辺を、第2ブロックに対する関数f10(λ,w,xB,yB)として設定する。ここで、第1及び第2ブロックは互いに異なり、(xA,yA)は第1ブロックに属する任意の画素位置を表すと共に(xB,yB)は第2ブロックに属する任意の画素位置を表す。他のブロックに対しても同様に関数f10(λ,w,x,y)が設定される。
これにより、第1ブロックに対しては、関数f10(λ,w,xA,yA)を含む評価関数Eに基づいて加重加算係数wk(xA,yA)が算出されてwk(xA,yA)及びmidk(xA,yA)からout(xA,yA)が求められ、第2ブロックに対しては、関数f10(λ,w,xB,yB)を含む評価関数Eに基づいて加重加算係数wk(xB,yB)が算出されてwk(xB,yB)及びmidk(xB,yB)からout(xB,yB)が求められるようになる。第1ブロックに対する加重加算係数wkは、第1ブロック内の全画素位置に対して共通となり、第2ブロックに対する加重加算係数wkは、第2ブロック内の全画素位置に対して共通となる。
[第11実施例]
第11実施例を説明する。第10実施例と同様、第11実施例においても、画素位置が異なれば設定される評価関数Eも異なりうる。第10実施例と同様、第11実施例においても、より現実に即した説明を可能にするため、入力画像が二次元画像であるものとして説明を行う。第11実施例では、下記式(D11)にて定義される関数f11(λ,w,x,y)を、画素位置(x,y)に対する補助関数f(λ,w)として用いる。
第11実施例を説明する。第10実施例と同様、第11実施例においても、画素位置が異なれば設定される評価関数Eも異なりうる。第10実施例と同様、第11実施例においても、より現実に即した説明を可能にするため、入力画像が二次元画像であるものとして説明を行う。第11実施例では、下記式(D11)にて定義される関数f11(λ,w,x,y)を、画素位置(x,y)に対する補助関数f(λ,w)として用いる。
式(D11)における関数G(x,y)は、式(D11_1)によって定義される。図4に示す如く、C1及びC2は、夫々、基準画像上に設定された特定被写体領域の中心画素位置の水平及び垂直方向の座標値であり、“2×L1”は、基準画像上における特定被写体領域の水平方向の大きさであり、“2×L2”は、基準画像上における特定被写体領域の垂直方向の大きさである。図4における斜線領域が特定被写体領域に対応している。本例では、特定被写体領域が矩形領域であることを想定しているが、特定被写体領域の形状は矩形でなくても構わない。
注目画素位置(x,y)に対する関数G(x,y)の値は、注目画素位置(x,y)が特定被写体領域内に属していれば1となる。注目画素位置(x,y)が特定被写体領域内に属していなければ、注目画素位置(x,y)に対する関数G(x,y)の値は、注目画素位置(x,y)及び中心(C1,C2)間の距離が増大するに従って増大する、1より大きな値となる。
特定被写体領域は、例えば、人の顔の画像信号が存在する顔領域であって、主要被写体の画像信号が存在する画像領域とみなされる。画像処理部50に内在する顔検出部(不図示)は、基準画像の画像信号に基づく公知の顔検出処理を用いて、基準画像の全画像領域の中から基準画像の一部画像領域に相当する顔領域を抽出することができる。但し、特定被写体領域は、顔領域以外の領域であっても良く、特定の物体の画像信号が存在する領域を特定被写体領域として定めればよい。基準画像上に特定の物体の画像信号が存在しているか否かも、基準画像の画像特徴の一種である。基準画像上に特定の物体の画像信号が存在しないこともあるが、ここでは、特定の物体としての人の顔の画像信号が基準画像上に存在している場合を考える。
上記の如く補助関数f(λ,w)を設定することにより、顔領域に対しては、評価関数Eに対する補助関数f(λ,w)の寄与度が比較的小さくなって超解像効果が強く働く一方で、顔領域以外の画像領域に対しては、評価関数Eに対する補助関数f(λ,w)の寄与度が比較的大きくなってノイズ低減を含む画質調整がより強く働く。結果、顔領域がそれ以外の領域(通常は背景領域)よりも鮮明に描写された、メリハリのある出力画像を得ることができる。
[第12実施例]
第12実施例を説明する。第12実施例では、上述の第1〜第9実施例と同様、中間生成画像MIDkの全画素位置に対して(換言すれば、入力画像の全画素位置に対して)共通の評価関数Eが設定される。具体的には、下記式(D12)にて定義される関数f12(λ,w,d)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。ここで、μは、露光時間TEXPに依存する値を有するパラメータである。
第12実施例を説明する。第12実施例では、上述の第1〜第9実施例と同様、中間生成画像MIDkの全画素位置に対して(換言すれば、入力画像の全画素位置に対して)共通の評価関数Eが設定される。具体的には、下記式(D12)にて定義される関数f12(λ,w,d)を、式(C5)における補助関数f(λ,w)として用いる。ここで、μは、露光時間TEXPに依存する値を有するパラメータである。
上述したように、「dk=INTk+Δk」且つ「−0.5<Δk≦0.5」であるから(INTkは整数)、|dk|は、入力画像INkについての、整数部分を含む位置ずれ量の絶対的な大きさ(即ち、絶対値)である。
位置ずれ量の絶対的な大きさと露光時間及び露光間隔は、相関の関係にある。図5に、入力画像IN1、IN2、IN3・・・の順番で入力画像列が撮影された場合における、各入力画像の露光タイミング関係を示す。入力画像INkの露光時間とは、入力画像INkの画像信号を取得するために撮像素子33において行われた露光の期間の長さである。入力画像IN1及びINkの露光間隔とは、入力画像IN1を撮影するための露光の開始時刻と入力画像INkを撮影するための露光の開始時刻との間隔である。入力画像INkの露光時間が長いと入力画像INkに画像ぶれが含まれやすくなり、入力画像INkの露光時間が短いと入力画像INkに画像ぶれが含まれにくくなる。このように、1枚の入力画像に含まれる画像ぶれは、当該入力画像の露光時間に依存する。他方、1枚の入力画像に含まれる画像ぶれは、当該入力画像と他の入力画像との間の露光間隔には依存しない。その露光間隔が長かったとしても、当該入力画像の露光時間が短ければ当該入力画像に画像ぶれは含まれにくくなるからである。しかしながら、露光間隔が長いこと等に起因して位置ずれ量の絶対的な大きさ|dk|が大きくなればなるほど、基本的に、入力画像INkを超解像に利用することの適正が損なわれてゆく。|dk|が大きいほど、超解像に適した画像領域が入力画像INkに含まれなくなる可能性が高まるからである。例えば、|dk|が大きくなればなるほど、入力画像IN1には含まれていなかった動物体が入力画像INkに含まれるという事象の発生確率が高まり、そのような事象が発生すると、動物体の画像部分に対して超解像処理を行うことはできなくなる。
これを考慮し、関数f12(λ,w,d)を補助関数f(λ,w)として用いる。これにより、|dk|が比較的小さい入力画像INkに対する加重加算係数wkが相対的に大きくなる一方で、|dk|が比較的大きい入力画像INkに対する加重加算係数wkが相対的に小さくなる。|dk|が十分に大きければ、出力画像の生成に入力画像INkは寄与しなくなる(不要な入力画像が除去される)。
[第13実施例]
第13実施例を説明する。中間生成画像MIDkの全画素位置に対して(換言すれば、入力画像の全画素位置に対して)共通の評価関数Eを設定する方法と、異なる画素位置間で評価関数Eを異ならせる方法と、を上述したが、前者の方法と後者の方法を組み合わせて実施することも可能である。
第13実施例を説明する。中間生成画像MIDkの全画素位置に対して(換言すれば、入力画像の全画素位置に対して)共通の評価関数Eを設定する方法と、異なる画素位置間で評価関数Eを異ならせる方法と、を上述したが、前者の方法と後者の方法を組み合わせて実施することも可能である。
即ち例えば、前者の方法を用いることにより中間生成画像MIDkの全画素位置に対して(換言すれば、入力画像の全画素位置に対して)共通の評価関数Eを暫定的に設定した後、最終的な評価関数Eが異なる画素位置間で異なりうるように、後者の方法を用いて、暫定的に設定した評価関数Eを修正するようにしても良い。勿論、前者の方法と後者の方法を同時に実行するようにしても良い。前者の方法は第1〜第9及び第12実施例において示され、後者の方法は第10及び第11実施例において示されている。
例えば、第6実施例と第10又は第11実施例とを組み合わせる場合には、上記式(D6)に定義された関数f6(λ,w)を上記式(D10)又は式(D11)におけるf’(λ,w)に代入し、これによって得た関数f10(λ,w,x,y)又はf11(λ,w,x,y)を、画素位置(x,y)に対する補助関数f(λ,w)として用いればよい。これによれば、補助関数f(λ,w)は値SNSに依存しつつも、各画像領域のエッジ状態に応じて画素位置(x1,y1)に対する補助関数f(λ,w)と画素位置(x2,y2)に対する補助f(λ,w)は異なるようになる(ここで、画素位置(x1,y1)と画素位置(x2,y2)は互いに異なる)。同様にして、第1〜第9及び第12実施例の内の何れかと、第10又は第11実施例とを組み合わせて実施することが可能である。
更に、矛盾が生じない限り、第1〜第12実施例の内の、任意の複数の実施例を組み合わせることも可能である。例えば、第6実施例と第7実施例を組み合わせる場合においては、第6実施例で述べた上記式(D6)に従う関数f6(x,y)を式(D7)の関数f’(x,y)に代入し、この代入によって得た関数f7(x,y)を、式(C5)における補助関数f(x,y)として用いればよい(この場合、補助関数f(x,y)は、√SNSとM2に比例することになる)。
[第14実施例]
第14実施例を説明する。第14実施例では、特許文献1に係る上記式(A5)を用いた加重加算係数の算出方法と、上述の第3実施例に係る上記式(D3)を用いた加重加算係数の算出方法とを対比しつつ、調整パラメータλkの存在意義及び設定方法を説明する。
第14実施例を説明する。第14実施例では、特許文献1に係る上記式(A5)を用いた加重加算係数の算出方法と、上述の第3実施例に係る上記式(D3)を用いた加重加算係数の算出方法とを対比しつつ、調整パラメータλkの存在意義及び設定方法を説明する。
特許文献1には、上記式(A5)と等しい次式(E1)を、Σwk=1の条件下で解く
という方法が示されている。
という方法が示されている。
一方、上述の第3実施例に係る方法を式(E1)に沿った形で記述したならば、第3実施例に係る方法は、次式(E2)を、Σwk=1の条件下で解くという方法に相当する。
式(E1)に基づく方法と式(E2)に基づく方法との間には、調整パラメータλkの有無に起因する、本質的な差異がある。つまり、式(E1)に基づく方法では、各入力画像に対して一律の評価が行われるのに対して、式(E2)に基づく方法では、入力画像ごとに設定可能な調整パラメータλkを導入したことにより、入力画像ごとに加重加算係数を制御することが可能となる。
調整パラメータλkの具体的な設定例を説明する。基準画像から見た位置ずれ量の絶対的な大きさ|dk|が相当に大きな入力画像が、出力画像の元となるべき複数の入力画像の中に含まれていた場合を考える。このような位置ずれ量の大きな入力画像は、第12実施例においても述べたように、超解像にあまり利用したくない。
式(E1)に基づく方法では、位置ずれ量が大きいからといって、その入力画像に対する加重加算係数を減らすような制御はできない。一方、式(E2)に基づく方法を用いた場合には、|dk|が大きい入力画像に対する調整パラメータλkを他の入力画像のそれよりも相対的に大きく設定しておくことで、|dk|が大きい入力画像に対する加重加算係数を減らす(究極的にはゼロにする)ことが可能である。このように、λi≠λjとなるように位置ずれ量dk等に基づき調整パラメータλkを設定することが可能になるため(ここにおけるi及びjは、1以上m以下の整数であって且つi≠j)、式(E2)に基づく方法に代表されるような、調整パラメータλkを導入した本実施形態に係る方法は有益である。
上述してきたように、本実施形態に係る方法によれば、入力画像の撮影条件等に適応した評価関数Eを用いて加重加算係数wkの算出がなされるため、様々な条件下において、様々な条件に適応した出力画像の画質最適化が図られる。
<<変形等>>
上述した説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。上述の実施形態の変形例または注釈事項として、以下に、注釈1〜注釈3を記す。各注釈に記載した内容は、矛盾なき限り、任意に組み合わせることが可能である。
上述した説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。上述の実施形態の変形例または注釈事項として、以下に、注釈1〜注釈3を記す。各注釈に記載した内容は、矛盾なき限り、任意に組み合わせることが可能である。
[注釈1]
上述の各実施例において示した、補助関数f(x,y)として設定されるべき関数の定義式(式(D1)〜(D12))は、あくまで例示であり、各実施例の主旨又は本発明の主旨を損なわない限り、それらの定義式を様々に変形できることは言うまでもない。
上述の各実施例において示した、補助関数f(x,y)として設定されるべき関数の定義式(式(D1)〜(D12))は、あくまで例示であり、各実施例の主旨又は本発明の主旨を損なわない限り、それらの定義式を様々に変形できることは言うまでもない。
[注釈2]
上述の実施形態では、画像処理部50が撮像装置1内に設けられていることを想定したが、画像処理部50は、撮像装置1と異なる電子機器(不図示)に搭載されていてもよい。電子機器には、テレビ受信機のような表示装置、パーソナルコンピュータ、携帯電話機などが含まれ、撮像装置も電子機器の一種である。撮像装置1における撮影によって得られたm枚の入力画像の画像信号を、記録媒体15を介して又は通信によって上記電子機器に伝達するようにすれば、当該電子機器内の画像処理部50において、m枚の入力画像から出力画像を生成することが可能である。
上述の実施形態では、画像処理部50が撮像装置1内に設けられていることを想定したが、画像処理部50は、撮像装置1と異なる電子機器(不図示)に搭載されていてもよい。電子機器には、テレビ受信機のような表示装置、パーソナルコンピュータ、携帯電話機などが含まれ、撮像装置も電子機器の一種である。撮像装置1における撮影によって得られたm枚の入力画像の画像信号を、記録媒体15を介して又は通信によって上記電子機器に伝達するようにすれば、当該電子機器内の画像処理部50において、m枚の入力画像から出力画像を生成することが可能である。
この際、評価関数Eを設定するために必要な付加情報も、当該電子機器に伝達するようにすると良い。この付加情報に、入力画像の撮影条件を表す情報(撮影感度に応じた信号増幅率SNS、光学ズーム倍率M及び/又は露光時間TEXPを含む)や、入力画像の合焦度合いを表す情報(評価値Focusを含む)を含めておくことができる。
[注釈3]
図1の撮像装置1を、ハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成することができる。ソフトウェアを用いて撮像装置1を構成する場合、ソフトウェアにて実現される部位についてのブロック図は、その部位の機能ブロック図を表すことになる。ソフトウェアを用いて実現される機能をプログラムとして記述し、該プログラムをプログラム実行装置(例えばコンピュータ)上で実行することによって、その機能を実現するようにしてもよい
図1の撮像装置1を、ハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成することができる。ソフトウェアを用いて撮像装置1を構成する場合、ソフトウェアにて実現される部位についてのブロック図は、その部位の機能ブロック図を表すことになる。ソフトウェアを用いて実現される機能をプログラムとして記述し、該プログラムをプログラム実行装置(例えばコンピュータ)上で実行することによって、その機能を実現するようにしてもよい
1 撮像装置
11 撮像部
12 AFE
13 主制御部
30 ズームレンズ
31 フォーカスレンズ
32 絞り
33 撮像素子
34 ドライバ
35 光学系
51 入力画像取得部
52 位置ずれ量検出部
53 高解像度化部
54 加重加算係数算出部
55 画像合成部
11 撮像部
12 AFE
13 主制御部
30 ズームレンズ
31 フォーカスレンズ
32 絞り
33 撮像素子
34 ドライバ
35 光学系
51 入力画像取得部
52 位置ずれ量検出部
53 高解像度化部
54 加重加算係数算出部
55 画像合成部
Claims (6)
- 撮影によって得られる複数の入力画像間の位置ずれ量をパラメータとして持つ評価関数に基づいて各入力画像を高解像度化しつつ合成することにより、前記入力画像の解像度よりも高い解像度を有する出力画像を生成する画像処理装置において、
前記評価関数は、前記入力画像の撮影条件、前記入力画像の画像特徴、又は、前記位置ずれ量の大きさに応じて可変設定される
ことを特徴とする画像処理装置。 - 前記評価関数は、前記入力画像の撮影条件に応じて可変設定され、
前記入力画像の撮影条件は、
前記入力画像の明るさを調節するための信号増幅率、
前記入力画像の撮影時における光学ズーム倍率、又は、
前記入力画像の撮影時における露光時間、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記評価関数は、前記入力画像の画像特徴に応じて可変設定され、
前記入力画像の画像特徴は、前記入力画像の合焦度合い、又は、前記入力画像上の各位置におけるエッジ強度を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記評価関数は、前記入力画像の画像特徴に応じて可変設定され、
前記入力画像上に前記特定の物体の画像信号が存在しているとき、前記特定の物体の画像信号が存在している画像領域とそれ以外の画像領域との間で、前記複数の入力画像の合成条件を求めるための関数である前記評価関数を異ならせる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記複数の入力画像の夫々を高解像度化することによって複数の中間生成画像を生成する高解像度化部と、
前記評価関数に基づいて各中間生成画像に対する加重加算係数を導出する加重加算係数導出部と、
前記加重加算係数を用いて前記複数の中間生成画像の画像信号を加重加算することにより、前記出力画像を生成する加重加算部と、を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の画像処理装置。 - 複数の画像を撮影する撮像部と、
請求項1〜請求項5の何れかに記載の画像処理装置と、を備えた撮像装置であって、
前記撮像部にて撮影された前記複数の画像を複数の入力画像として前記画像処理装置に与える
ことを特徴とする撮像装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2009230763A JP2011082614A (ja) | 2009-10-02 | 2009-10-02 | 画像処理装置及び撮像装置 |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2011082614A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2496393A (en) * | 2011-11-09 | 2013-05-15 | Canon Kk | Method and device for generating a super-resolution image |
US10049432B2 (en) | 2014-09-10 | 2018-08-14 | Mitsubishi Electric Corporation | Image processing apparatus, image processing method, program and recording medium |
WO2022126516A1 (en) * | 2020-12-17 | 2022-06-23 | Covidien Lp | Adaptive image noise reduction system and method |
-
2009
- 2009-10-02 JP JP2009230763A patent/JP2011082614A/ja active Pending
Cited By (7)
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GB2498033A (en) * | 2011-11-09 | 2013-07-03 | Canon Kk | Generating a super resolution image |
US8971664B2 (en) | 2011-11-09 | 2015-03-03 | Canon Kabushiki Kaisha | Method and device for generating a super-resolution image portion |
GB2498033B (en) * | 2011-11-09 | 2016-07-06 | Canon Kk | Method and device for generating a super-resolution image portion |
GB2496393B (en) * | 2011-11-09 | 2016-08-24 | Canon Kk | Method and device for generating a super-resolution image portion |
US10049432B2 (en) | 2014-09-10 | 2018-08-14 | Mitsubishi Electric Corporation | Image processing apparatus, image processing method, program and recording medium |
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