JP6253395B2 - 画像生成システム - Google Patents

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Description

本発明は、画像生成システムに関し、特に、光学系の解像限界を超える解像度の標本画像を生成する画像生成システムに関する。
近年、照明光を空間的に変調して標本に照射することにより光学系の解像限界を超える解像度(以降、超解像)の標本画像を得る技術が開発され、実用化されている。そのような超解像技術は、例えば、特許文献1で開示されている。
また、超解像成分を含む標本のデジタル画像をフィルタ処理し超解像成分を強調することで、超解像成分が良好に視認し得る超解像画像を生成する技術も知られている。このような技術は、例えば、特許文献2及び特許文献3に開示されている。
国際公開2007/043382号パンフレット 特開2012−078408号公報 特開2013−020083号公報
ところで、標本上に形成される照明光のスポット形状は、照明光の偏光状態によって変化する。例えば、図1に示すように、直線偏光である照明光を高いNA(Numerical Aperture)を有する対物レンズで集光する場合、照明光束中の偏光方向の分布が照明光の光軸に対して対称ではないため、標本上に形成される照明光のスポット形状が楕円形状となり、光軸に対して非対称となる。この場合、図2に示すように、光学系の点像分布関数(PSF:Point Spread Function)も楕円形状であり光軸に対して非対称であるため、光学系が有する分解能は光軸と直交するX方向とY方向で異なることになる。
光学系が有する分解能がX方向とY方向で異なると、その光学系を備える装置で生成される画像の解像度(分解能ともいう)もX方向とY方向で異なることになり、望ましくない。ただし、従来の装置では、分解能の方向依存性はごくわずかであることから、画像の解像度の方向依存性もわずかであり、その影響が顕在化するには至っていないのが通常である。
しかしながら、例えば、特許文献2及び特許文献3に開示されるように、超解像成分を含む画像を生成し、さらに、その画像の超解像成分をフィルタ処理によって強調すると、分解能の方向依存性が強調されて画像へ影響を及ぼすことになる。このため、このような場合には、画像の解像度の方向依存性が顕在化する可能性がある。
以上のような実情を踏まえ、本発明は、方向に依存しない解像度を有する、超解像成分が強調された超解像画像を生成する技術を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、標本からの光を検出する光検出器と、対物レンズを含み、前記対物レンズのカットオフ周波数を越える周波数成分である超解像成分を含む前記標本からの光を前記光検出器に伝達する超解像成分伝達手段と、前記光検出器からの出力信号に基づいて生成される前記標本の画像の前記超解像成分を強調する画像処理手段と、を含み、前記超解像成分伝達手段は、前記標本に照射する照明光の光路中に配置され、前記照明光の光束中の偏光方向の分布が前記照明光の光軸に対して対称となるように、前記照明光の偏光状態を変換する偏光変換手段を含む画像生成システムを提供する。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の画像生成システムにおいて、前記偏光変換手段は、前記照明光を円偏光に変換する画像生成システムを提供する。
本発明の第3の態様は、第1の態様に記載の画像生成システムにおいて、前記偏光変換手段は、前記照明光をラジアル偏光に変換する画像生成システムを提供する。
本発明の第4の態様は、第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つに記載の画像生成システムにおいて、前記超解像成分伝達手段は、前記照明光を出射する光源と、前記照明光の光路と前記標本からの光の光路とを分岐する光路分岐手段と、を含み、前記偏光変換手段は、前記光源と前記光路分岐手段との間に配置される画像生成システムを提供する。
本発明の第5の態様は、第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つに記載の画像生成システムにおいて、前記超解像成分伝達手段は、前記照明光の光路と前記標本からの光の光路とを分岐する光路分岐手段と、を含み、前記偏光変換手段は、前記対物レンズと前記光路分岐手段との間に配置される画像生成システムを提供する。
本発明の第6の態様は、第1の態様乃至第5の態様のいずれか1つに記載の画像生成システムにおいて、前記偏光変換手段は、1/4波長板である画像生成システムを提供する。
本発明の第7の態様は、第1の態様乃至第6の態様のいずれか1つに記載の画像生成システムにおいて、前記偏光変換手段は、光学軸の方向を互いに異ならせて配置された複数の1/2波長板である画像生成システムを提供する。
本発明の第8の態様は、第1の態様乃至第7の態様のいずれか1つに記載の画像生成システムにおいて、前記偏光変換手段は、前記照明光の光路に対して挿脱自在に配置される画像生成システムを提供する。
本発明の第9の態様は、第1の態様乃至第8の態様のいずれか1つに記載の画像生成システムにおいて、前記超解像成分伝達手段は、前記標本上における前記照明光の強度分布を変調する変調手段を含む画像生成システムを提供する。
本発明の第10の態様は、第9の態様に記載の画像生成システムにおいて、前記変調手段は、前記対物レンズの瞳位置または瞳共役位置に配置された、前記標本を走査する走査手段である画像生成システムを提供する。
本発明の第11の態様は、第9の態様に記載の画像生成システムにおいて、前記変調手段は、前記対物レンズの焦点面と共役な位置に配置された、前記標本を走査する走査手段である画像生成システムを提供する。
本発明の第12の態様は、第1の態様乃至第11の態様のいずれか1つに記載の画像生成システムにおいて、前記超解像成分伝達手段は、前記対物レンズの焦点面と共役な位置に開口が形成された共焦点絞りを含む共焦点顕微鏡である画像生成システムを提供する。
本発明の第13の態様は、第1の態様乃至第11の態様のいずれか1つに記載の画像生成システムにおいて、前記超解像成分伝達手段は、非線形光学顕微鏡である画像生成システムを提供する。
本発明によれば、方向に依存しない解像度を有する、超解像成分が強調された超解像画像を生成する技術を提供することができる。
直線偏光である照明光を高いNAを有する対物レンズで集光する様子を示した図である。 図1に示す条件で算出される光学系のPSFを示した図である。 実施例1に係る蛍光顕微鏡システムの構成を例示した図である。 図3に例示される蛍光顕微鏡システムに含まれる回転ディスクの構成を例示した図である。 実施例2に係る蛍光顕微鏡システムの構成を例示した図である。 実施例2に係る蛍光顕微鏡システムで走査画像取得前に実行される事前処理を例示した図である。 実施例3に係る蛍光顕微鏡システムの構成を例示した図である。 実施例4に係る蛍光顕微鏡システムの構成を例示した図である。
図3は、本実施例に係る蛍光顕微鏡システムの構成を例示した図である。図4は、図3に例示される蛍光顕微鏡システムに含まれる回転ディスクの構成を例示した図である。
図3に例示される蛍光顕微鏡システム100は、標本の超解像画像を生成する画像生成システムである。蛍光顕微鏡システム100は、標本Sの光学像をCCDカメラ20に形成する蛍光顕微鏡本体10と、標本Sからの光を検出する光検出器であるCCDカメラ20と、CCDカメラ20からの出力信号に基づいて生成される標本Sの画像に対して画像処理を行う計算機30及び画像処理ボード40と、標本Sの画像を記録する記録媒体50と、標本Sの画像を表示するモニタ60とを備えている。
蛍光顕微鏡本体10は、照明光であるレーザ光を出射する、レーザ1及びシングルモード光ファイバー2を含むファイバー光源と、ファイバー光源から出射したレーザ光のビーム径を変更するビームエキスパンダ3を備えている。蛍光顕微鏡本体10は、さらに、レーザ光が透過しレーザ光が照射された標本Sからの蛍光が反射するダイクロイックミラーDMと、ダイクロイックミラーDMを挟んで配置されたマイクロレンズアレイ4及び回転ディスク5と、マイクロレンズアレイ4及び回転ディスク5を回転させるモータ6を備えている。
ダイクロイックミラーDMは、レーザ光の光路と標本からの蛍光の光路とを分岐する光路分岐手段である。マイクロレンズアレイ4はダイクロイックミラーDMのレーザ1側に、回転ディスク5はダイクロイックミラーDMの標本S側に配置される。回転ディスク5は、光を透過する領域が周期的に形成された周期的な変調パターンを有し、標本S上におけるレーザ光の強度分布を変調する変調手段であり、また、回転することで標本Sを走査する、対物レンズOBの焦点面と共役な位置に配置された走査手段でもある。
蛍光顕微鏡本体10は、ダイクロイックミラーDMと標本Sの間の照明光路中に、標本Sの中間像を回転ディスク5上に形成する結像光学系7を含んでいる。結像光学系7は、対物レンズOBと結像レンズTLとからなる。また、蛍光顕微鏡本体10は、ダイクロイックミラーDMとCCDカメラ20の間の検出光路中に、レーザ光を遮断するバリアフィルタ8と、回転ディスク5上に形成された中間像をCCDカメラ20に投影する撮像レンズ9を含んでいる。さらに、蛍光顕微鏡本体10は、対物レンズOBとダイクロイックミラーDMの間の照明光路中に配置され、直線偏光であるレーザ光を円偏光に変換する1/4波長板70を含んでいる。
図4に例示されるように、回転ディスク5は、光を遮蔽する遮光部5aと光を透過させる領域である複数の開口部5bを含んでいる。複数の開口部5bは、それぞれ開口直径wのピンホール形状を有し、縦横共に開口周期pで整列している。回転ディスク5は、ピンホール状の開口部5bを有する、いわゆるニポーディスクである。マイクロレンズアレイ4は、マイクロレンズアレイ4の各レンズの焦点位置が回転ディスク5に形成されたピンホール形状の開口部5bに一致するように、配置されている。マイクロレンズアレイ4及び回転ディスク5は、モータ6によって回転する。モータ6は、マイクロレンズアレイ4と回転ディスク5の相対的な位置関係が変化しないように、これらを回転させる。これにより、レーザ1から出射したレーザ光の多くが開口部5bを通過するため、レーザ光を効率よく標本Sに照射することができる。
蛍光顕微鏡本体10では、回転ディスク5が回転して標本Sの中間像位置でレーザ光の空間強度分布と蛍光の空間強度分布を変調することで、以下のような現象が生じる。
まず、回転ディスク5が標本Sに照射されるレーザ光の空間強度分布を変調することによって、標本Sで生じる蛍光の周波数成分のうち対物レンズOBのカットオフ周波数fcを上回る高周波成分の一部がカットオフ周波数fc以下の周波数にシフトして、結像光学系3により中間像位置に伝達される。さらに、回転ディスク5が標本Sからの蛍光(中間像)の空間強度分布を復調することにより、カットオフ周波数fc以下の周波数にシフトした成分が元の高周波成分に復元されて、その後、撮像レンズ9によりCCDカメラ20の撮像面に伝達される。
即ち、蛍光顕微鏡システム100では、蛍光顕微鏡本体10は、対物レンズOBのカットオフ周波数fcを越える周波数成分(超解像成分)を含む蛍光をCCDカメラ20に伝達する超解像成分伝達手段として機能するとともに、一般的な超解像技術である構造化照明法(SIM)では画像処理によって行われる復調処理も自動的に行う。
さらに、蛍光顕微鏡本体10では、対物レンズOBとダイクロイックミラーDMの間に1/4波長板70が設けられていることにより、レーザ光が直線偏光ではなく円偏光として対物レンズOBに入射する。円偏光は、レーザ光(照明光)の光束中の偏光方向の分布がレーザ光の光軸(対物レンズの光軸)に対して対称であるので、標本S上に形成されるレーザ光のスポットの形状も光軸に対して対称となり、光学系のPSFも光軸に対して対称となる。
CCDカメラ20は、蛍光顕微鏡本体10によって伝達された超解像成分を含む蛍光を受光し、超解像成分を含む標本Sの画像信号を計算機30に出力する。上述したように、蛍光顕微鏡本体10では、標本Sに形成されるレーザ光のスポット形状が光軸に対して対称であるので、計算機30に出力される画像信号は方向に依存しない分解能を有している。計算機30及び画像処理ボード40は、CCDカメラ20から出力信号(画像信号)に基づいて生成される標本Sの画像(以降、原画像と記す。)を生成する画像生成手段であり、且つ、原画像の超解像成分を強調する画像処理手段である。一般に、対物レンズOBのカットオフ周波数を越える超解像成分は微弱であり、弱いコントラストでしか伝達することができない。蛍光顕微鏡システム100では、計算機30及び画像処理ボード40が超解像成分をそれ以下の周波数成分に比べて相対的に強調することで、超解像成分が良好に可視化された超解像画像を得ることができる。超解像成分を強調する処理は、例えば、デジタルフィルタ処理である。計算機30及び画像処理ボード40で処理された標本Sの超解像画像は、必要に応じて、記録媒体50に記録され、モニタ60に表示される。
以上のように、本実施例に係る蛍光顕微鏡システム100によれば、方向に依存しない解像度を有する、超解像成分が強調された超解像画像を生成することができる。
一般的な構造化照明法(SIM)を用いて超解像画像を生成する場合には、変調パターンの基準となる方向を変えて複数枚の原画像の取得が行われる。これに対して、蛍光顕微鏡システム100では、複数枚の原画像を取得する必要がなく、原画像を一枚取得すれば足りる。さらに、一般的な構造化照明法(SIM)では画像処理によって行われる復調処理も、蛍光顕微鏡システム100では、蛍光顕微鏡本体10によって光学的に行われる。このため、蛍光顕微鏡システム100によれば、一般的な構造化照明法(SIM)に比べて、超解像画像を高速に生成することができる。
また、計算機30及び画像処理ボード40で行われる超解像成分を強調するフィルタ処理は、PSFが光軸に対して対称であることを前提に設計されたフィルタによって行われるのが通常である。蛍光顕微鏡システム100では、1/4波長板70によって円偏光に変換されたレーザ光が対物レンズOBに入射し、光学系のPSFが光軸に対して対称となっている。このため、蛍光顕微鏡システム100によれば、フィルタ処理によって従来よりも超解像成分を最適に強調することができる。
なお、蛍光顕微鏡システム100では、レーザ光の光束中の偏光方向の分布がレーザ光の光軸に対して対称となるようにレーザ光の偏光状態を変換する偏光変換手段を備えていれば良い。従って、偏光変換手段は、直線偏光を円偏光に変換する1/4波長板70に限られず、直線偏光をラジアル偏光に変換する手段であってもよい。なお、ここで、光軸に対して対称とは、2回を上回る回転対称のことをいう。即ち、直線偏光や楕円偏光のような2回対称は含まない。特に4回や8回などの4の倍数の回転対称であることがより好ましい。ラジアル偏光に変換する手段は、例えば、光学軸の方向を互いに異ならせて配置された複数の波長板(1/2波長板)であってもよい。レーザ光の光束中の光軸に対して対称な領域が光学軸の方向が異なる波長板に入射することで、それぞれの領域の偏光方向が異なる角度だけ回転し、それによって、レーザ光の偏光状態が光軸に対して対称な偏光方向の分布を有する状態に変換されてもよい。また、偏光変換手段は偏光方向を変更することができればよいため、波長板の代わりに液晶素子であってもよい。
また、蛍光顕微鏡システム100では、偏光変換手段である1/4波長板70がダイクロイックミラーDMと対物レンズOBとの間に配置されているが、偏光変換手段は、照明光(レーザ光)を照明光の光束中の偏光方向の分布が照明光の光軸に対して対称な状態で対物レンズOBに入射させる限り、任意の位置に配置することができる。従って、レーザ光と蛍光の両方に作用するダイクロイックミラーDMと対物レンズOBの間の光路中ではなく、レーザ光のみに作用するレーザ1とダイクロイックミラーDMの間の光路中に配置されても良い。また、ダイクロイックミラーDMを含む蛍光キューブ内に配置されていても良い。
偏光変換手段をダイクロイックミラーDMと対物レンズOBとの間に配置した場合には、ダイクロイックミラーDMに入射するレーザ光は所定の偏光方向を有する直線偏光である。このため、ダイクロイックミラーDMは、その所定の偏光方向を有する直線偏光に合せて設計されていればよく、ダイクロイックミラーDMの性能を発揮させやすいといったメリットがある。一方、偏光変換手段をレーザ1とダイクロイックミラーDMの間に配置した場合には、偏光変換手段が蛍光に作用しない。このため、偏光変換手段を透過することによる蛍光の検出効率の低下を防止することができる。
また、図3及び図4では、マイクロレンズアレイ4とニポーディスクの組み合わせが例示されているが、例えば、回転ディスク5(ニポーディスク)の代わりに、ラインアンドスペース構造を有する回転ディスクが用いられても良い。この場合、マイクロレンズアレイ4の代わりに、回転ディスクに形成されたライン状の開口部に焦点位置が一致するように配置されたシリンドリカルレンズを含むことが望ましい。標本S上におけるレーザ光の強度分布を変調する変調手段は、光を透過する領域が周期的に形成された周期的な変調パターンを有していればよい。
図5は、本実施例に係る蛍光顕微鏡システムの構成を例示した図である。図5に例示される蛍光顕微鏡システム101は、実施例1に係る蛍光顕微鏡システム100と同様に、標本の超解像画像を生成する画像生成システムである。
蛍光顕微鏡システム101は、レーザ走査型顕微鏡(以降、LSMと記す)の一種である共焦点顕微鏡である蛍光顕微鏡本体110と、標本Sからの光を検出する光検出器である光電子増倍管(以降、PMTと記す)120と、PMT120からの出力信号に基づいて生成される標本Sの画像に対して画像処理を行うPC130と、標本Sの画像を記録する記憶装置140と、標本Sの画像を表示するモニタ150とを備えている。
蛍光顕微鏡本体110は、レーザ光L1を出射するレーザ111と、照明光路中に配置され、直線偏光であるレーザ光を円偏光に変換する1/4波長板160と、レーザ光L1が透過し標本Sからの蛍光L2が反射するダイクロイックミラーDMと、標本Sを走査するガルバノミラー112と、変調制御信号に基づいてガルバノミラー112を駆動するガルバノミラー駆動装置113と、対物レンズOBの瞳をガルバノミラー112にリレーするリレー光学系RLと、レーザ光L1を標本Sに集光させる対物レンズOBと、を備えている。ガルバノミラー112は、対物レンズOBの瞳共役位置に配置されている。
1/4波長板160は、標本Sに照射する照明光であるレーザ光L1の光路中に配置され、レーザ光L1の光束中の偏光方向の分布がレーザ光L1の光軸(対物レンズOBの光軸)に対して対称となるように、レーザ光L1の偏光状態を変換する偏光変換手段である。ダイクロイックミラーDMは、レーザ光L1の光路と標本Sからの蛍光L2の光路とを分岐する光路分岐手段である。レーザ光L1の集光位置は、PC130からの変調制御信号に基づいて、ガルバノミラー駆動装置113がガルバノミラー112を駆動することにより、光軸と直交するXY平面上で移動する。即ち、ガルバノミラー112は、集光位置を変化させることによって標本S上におけるレーザ光L1の強度分布を変調する変調手段であり、標本Sを走査する走査手段でもある。
蛍光顕微鏡本体110は、さらに、ダイクロイックミラーDMの反射光路上(つまり、ダイクロイックミラーDMとPMT120との間の検出光路上)に、結像レンズTLと、共焦点絞り114と、レンズ115と、を備えている。共焦点絞り114には、対物レンズOBによるレーザ光L1の集光位置(つまり、対物レンズOBの焦点位置)と光学的に共役な位置にピンホール(開口)が形成されている。
蛍光顕微鏡本体110では、レーザ111から出射されたレーザ光L1は、1/4波長板160で円偏光に変換された後、ダイクロイックミラーDMを透過して、ガルバノミラー112及びリレー光学系RLを介して対物レンズOBに入射する。そして、対物レンズOBが円偏光であるレーザ光L1を標本S上に集光することで、レーザ光L1が標本Sに照射される。このとき、レーザ光のスポット形状は対物レンズOBの光軸に対して対称な形状である。レーザ光L1が照射された標本Sでは、集光位置に存在する蛍光物質が励起されて、レーザ光L1の照射強度に線形に依存する光量の蛍光L2を発光する。蛍光L2は、レーザ光L1と同じ経路を反対方向に進行して、ダイクロイックミラーDMに入射する。ダイクロイックミラーDMを反射した蛍光L2は、結像レンズTLにより集光されて共焦点絞り114に入射する。共焦点絞り114では、集光位置以外から生じた蛍光は遮断され、集光位置から生じた蛍光L2が開口を通過する。その後、蛍光L2は、レンズ115を介してPMT120に入射して検出される。
共焦点顕微鏡は、所定の条件下では、共焦点効果により対物レンズのカットオフ周波数を越える超解像成分を検出することができる。本実施例に係る蛍光顕微鏡システム101は、この現象を利用して超解像画像を生成するものであり、共焦点顕微鏡である蛍光顕微鏡本体110は、対物レンズOBのカットオフ周波数を越える周波数成分である超解像成分を含む標本からの光をPMT120に伝達する超解像成分伝達手段である。
PMT120は、蛍光顕微鏡本体110によって伝達された超解像成分を含む蛍光L2の光量に応じた検出信号を生成して、PC130へ出力する。PC130は、PC130がガルバノミラー駆動装置113に出力する変調制御信号とPMT120からの検出信号とから標本Sの走査画像を生成する。なお、上述したように、蛍光顕微鏡本体110では、標本Sに形成されるレーザ光のスポット形状が光軸に対して対称であるので、PC130で生成される標本Sの走査画像は、方向に依存しない分解能を有している。PC130は、さらに、標本Sの走査画像の超解像成分をそれ以下の周波数成分に比べて相対的に強調することで、超解像成分が良好に可視化された超解像画像を生成する。即ち、PC130は、PMT120から出力信号に基づいて生成される標本Sの走査画像を生成する画像生成手段であり、且つ、走査画像の超解像成分を強調する画像処理手段である。PC130で実行される超解像成分を強調する処理は、例えば、デジタルフィルタ処理である。PC130で処理された標本Sの超解像画像は、必要に応じて、記憶装置140に記録され、モニタ150に表示される。
図6は、蛍光顕微鏡システム101で走査画像取得前に実行される前処理を例示した図である。蛍光顕微鏡システム101は、超解像画像を生成するために、図6に示す前処理を実行する。以下、図6を参照しながら、前処理について説明する。
まず、ステップS1では、観察に使用するレーザ光の波長λ、対物レンズOBの開口数NAから、対物レンズOBのカットオフ周波数fcを算出して設定する。対物レンズOBのカットオフ周波数fcは、fc=(2×NA)/λの式により算出される。
次に、ステップS2では、走査画像のナイキスト周波数fnを設定する。走査画像のナイキスト周波数fnは、超解像成分を記録するために、ステップS1で算出した対物レンズのカットオフ周波数fcよりも大きな値を設定する。走査画像のナイキスト周波数fnは、超解像成分を適切に検出するためには高い値に設定することが望ましい。一方で、走査画像のナイキスト周波数fnがあまりに高くなりすぎると検出光量の低下やノイズ増加などの要因となる。従って、走査画像のナイキスト周波数fnは、例えば、カットオフ周波数fcの約1.5倍以上であり約4倍以下に設定することが望ましい。
ステップS3では、ステップS2で設定されたナイキスト周波数fnに基づいて、標本Sのサンプリング間隔dsを算出して設定する。サンプリング間隔dsは、ナイキスト周波数fnがサンプリング周波数の1/2となるように、ds=0.5/fnの式によって算出される。なお、走査画像取得時の標本Sの走査は、ステップS3で設定されたサンプリング間隔dsが実現されるようにPC130で変調制御信号が生成され、ガルバノミラー駆動装置113に出力されることにより行われる。
ステップS4では、標本Sにおける蛍光のエアリーディスク径da、結像レンズTL及びリレー光学系RLと組み合わせたときの対物レンズOBの倍率Mob、及び、調整係数αから、共焦点絞り114のピンホール径dpを算出して設定する。エアリーディスク径daは、蛍光波長をλemとするとき、da=(1.22×λem)/NAの式により算出される。そして、ピンホール径dpは、dp=α×da×Mobの式により算出される。調整係数αを1未満の値にすることにより、ピンホール径を共焦点絞り114における蛍光のエアリーディスク径(da×Mob)よりも小さくすることができる。このため、調整係数αは1未満にすることが望ましい。ただし、調整係数αを小さくしすぎると検出光量が低下し、調整係数αを大きすぎると超解像成分が少なくなることを勘案して、調整係数αを設定する。調整係数αは、例えば、0.5である。
最後に、ステップS5で、カットオフ周波数fcを越える超解像成分を強調するフィルタ処理のためのデジタルフィルタを設定し、前処理を終了する。このときに設定されるデジタルフィルタは、PSFが光軸に対して対称であることを前提に設計されたものである。
このような前処理を実行することで、共焦点絞り114のピンホール径がエアリーディスク径に対して小さく設定され、且つ、走査画像取得時に、走査画像のナイキスト周波数が対物レンズのカットオフ周波数よりも大きくなるような変調制御信号がガルバノミラー駆動装置113に出力される。このため、蛍光顕微鏡システム101では、蛍光顕微鏡本体110によって超解像成分を含む蛍光がPMT120に伝達され、PMT120からの出力信号及びPC130が生成する変調制御信号に基づいて、超解像成分を含む走査画像が生成される。さらに、PC130により走査画像の超解像成分がフィルタ処理によって強調されることで、超解像成分が可視化される。
以上のように、本実施例に係る蛍光顕微鏡システム101によっても、実施例1に係る蛍光顕微鏡システム100と同様に、方向に依存しない解像度を有する、超解像成分が強調された超解像画像を生成することができる。また、光学系のPSFが光軸に対して対称であるので、フィルタ処理によって従来よりも超解像成分を最適に強調することができる点も、蛍光顕微鏡システム100と同様である。
超解像成分を強調するフィルタ処理は、光学系のPSFに応じてフィルタを設計することで最適化される。従って、光軸に対して非対称なPSFに対してフィルタ処理を最適化する場合には、画像の向き毎にフィルタを設計する必要がある。これは、例えば、ガルバノミラー112によるラスタースキャンの向きを変えるなどして画像を回転させると、画像に対して相対的にPSFが回転し,異なるPSFとなってしまうからである。これに対して、蛍光顕微鏡システム101では、1/4波長板160によって円偏光に変換されたレーザ光が対物レンズOBに入射するため、標本S上に形成されるレーザ光のスポットの形状も光軸に対して対称となり、光学系のPSFも光軸に対して対称となる。このため、画像の向き毎にフィルタを設計する必要がなく、画像の向きによらず単一のフィルタで最適化されたフィルタ処理を実行することができる。
なお、蛍光顕微鏡システム101でも、レーザ光の光束中の偏光方向の分布がレーザ光の光軸に対して対称となるようにレーザ光の偏光状態を変換する偏光変換手段を備えていれば良い点、偏光変換手段は波長板に限られない点、偏光変換手段はレーザ光にのみ作用する位置に配置されても、レーザ光と蛍光の両方に作用する位置に配置されても良い点は、実施例1に係る蛍光顕微鏡システム100と同様である。
図7は、本実施例に係る蛍光顕微鏡システムの構成を例示した図である。図7に例示される蛍光顕微鏡システム102は、実施例1に係る蛍光顕微鏡システム100と同様に、標本の超解像画像を生成する画像生成システムである。
蛍光顕微鏡システム102は、非線形光学顕微鏡の一種である2光子励起顕微鏡である蛍光顕微鏡本体210と、標本Sからの光を検出する光検出器であるPMT220と、PMT220からの出力信号に基づいて生成される標本Sの画像に対して画像処理を行うPC230と、標本Sの画像を記録する記憶装置240と、標本Sの画像を表示するモニタ250とを備えている。
蛍光顕微鏡本体210は、超短パルスレーザ光であるレーザ光L3を出射する超短パルスレーザ211と、照明光路中に配置され、直線偏光であるレーザ光L3を円偏光に変換する1/4波長板260と、レーザ光L3が透過し標本Sからの蛍光L4が反射するダイクロイックミラーDMと、標本Sを走査するガルバノミラー212と、変調制御信号に基づいてガルバノミラー212を駆動するガルバノミラー駆動装置213と、レーザ光L3を標本Sに集光させる対物レンズOBと、対物レンズOBの瞳をガルバノミラー212にリレーするリレー光学系RLと、を備えている。ガルバノミラー212は、対物レンズOBの瞳共役位置に配置されている。
1/4波長板260は、標本Sに照射する照明光であるレーザ光L3の光路中に配置され、レーザ光L3の光束中の偏光方向の分布がレーザ光L3の光軸(対物レンズOBの光軸)に対して対称となるように、レーザ光L3の偏光状態を変換する偏光変換手段である。ダイクロイックミラーDMは、レーザ光L3の光路と標本Sからの蛍光L4の光路とを分岐する光路分岐手段である。レーザ光L3の集光位置は、PC230からの変調制御信号に基づいて、ガルバノミラー駆動装置213がガルバノミラー212を駆動することにより、光軸と直交するXY平面上で移動する。即ち、ガルバノミラー212は、集光位置を変化させることによって標本S上におけるレーザ光L3の強度分布を変調する変調手段であり、標本Sを走査する走査手段でもある。
蛍光顕微鏡本体210は、図5に示す蛍光顕微鏡本体110と異なり、2光子励起により共焦点効果を生じさせることができる。このため、蛍光L4(2光子蛍光)をPMT220へ導く構成が蛍光顕微鏡本体110と異なっているが、2光子励起顕微鏡である蛍光顕微鏡本体210も、蛍光顕微鏡本体110と同様に、共焦点効果により対物レンズのカットオフ周波数を越える超解像成分を検出することができる。本実施例に係る蛍光顕微鏡システム102は、この現象を利用して超解像画像を生成するものであり、蛍光顕微鏡本体210は、対物レンズOBのカットオフ周波数を越える周波数成分である超解像成分を含む標本からの光をPMT220に伝達する超解像成分伝達手段である。
PMT220は、蛍光顕微鏡本体210によって伝達された超解像成分を含む蛍光L4の光量に応じた検出信号を生成して、PC230へ出力する。PC230は、PC230がガルバノミラー駆動装置213に出力する変調制御信号とPMT220からの検出信号とから標本Sの走査画像を生成する。なお、蛍光顕微鏡本体210では、標本Sに形成されるレーザ光のスポット形状が光軸に対して対称であるので、PC230で生成される標本Sの走査画像は、方向に依存しない分解能を有している。PC230は、さらに、標本Sの走査画像の超解像成分をそれ以下の周波数成分に比べて相対的に強調することで、超解像成分が良好に可視化された超解像画像を生成する。即ち、PC230は、PMT220から出力信号に基づいて生成される標本Sの走査画像を生成する画像生成手段であり、且つ、走査画像の超解像成分を強調する画像処理手段である。PC230で実行される超解像成分を強調する処理は、例えば、デジタルフィルタ処理である。PC230で処理された標本Sの超解像画像は、必要に応じて、記憶装置240に記録され、モニタ250に表示される。
蛍光顕微鏡システム102でも、実施例2に係る蛍光顕微鏡システム101と同様に、走査画像取得前に、超解像画像を生成するために前処理を実行する。蛍光顕微鏡システム102で実行される前処理は、ステップS4が省略される点を除き、図6に示す前処理と同様である。前処理を実行することで、走査画像取得時に、走査画像のナイキスト周波数が対物レンズのカットオフ周波数よりも大きくなるような変調制御信号がガルバノミラー駆動装置213に出力される。このため、蛍光顕微鏡システム102では、蛍光顕微鏡本体210によって超解像成分を含む蛍光がPMT220に伝達され、PMT220からの出力信号及びPC230が生成する変調制御信号に基づいて超解像成分を含む走査画像が生成される。さらに、PC230により走査画像の超解像成分がフィルタ処理によって強調されることで、超解像成分が可視化される。
以上のように、本実施例に係る蛍光顕微鏡システム102によっても、実施例1及び実施例2に係る蛍光顕微鏡システムと同様に、方向に依存しない解像度を有する、超解像成分が強調された超解像画像を生成することができる。また、光学系のPSFが光軸に対して対称であるので、フィルタ処理によって従来よりも超解像成分を最適に強調することができる点も、実施例1及び実施例2に係る蛍光顕微鏡システムと同様である。
なお、蛍光顕微鏡システム102でも、レーザ光の光束中の偏光方向の分布がレーザ光の光軸に対して対称となるようにレーザ光の偏光状態を変換する偏光変換手段を備えていれば良い点、偏光変換手段は波長板に限られない点、偏光変換手段はレーザ光にのみ作用する位置に配置されても、レーザ光と蛍光の両方に作用する位置に配置されても良い点は、実施例1に係る蛍光顕微鏡システム100及び実施例2に係る蛍光顕微鏡システム101と同様である。また、光学系のPSFが光軸に対して対称であるため、画像の向き毎にフィルタを設計する必要がなく、画像の向きによらず単一のフィルタで最適化されたフィルタ処理を実行することができる点は、実施例2に係る蛍光顕微鏡システム101と同様である。
図8は、本実施例に係る顕微鏡システムの構成を例示した図である。図8に例示される顕微鏡システム103は、実施例1に係る蛍光顕微鏡システム100と同様に、標本の超解像画像を生成する画像生成システムである。
顕微鏡システム103は、蛍光顕微鏡の構成と微分干渉顕微鏡の構成を備える顕微鏡本体310と、標本Sからの蛍光を検出する光検出器であるPMT320と、標本Sを透過した透過光を検出する光検出器であるPMT330と、PMT320またはPMT330からの出力信号に基づいて生成される標本Sの画像に対して画像処理を行うPC340と、標本Sの画像を記録する記憶装置350と、標本Sの画像を表示するモニタ360とを備えている。
顕微鏡本体310は、主に、微分干渉画像を取得するための光学素子が追加されている点、偏光変換手段である1/4波長板370が標本Sに照射する照明光(レーザ光)の光路に対して挿脱自在に配置されている点が、実施例2に係る蛍光顕微鏡システム101の蛍光顕微鏡本体110と異なっている。以下では、蛍光顕微鏡本体110との相違点を中心に、顕微鏡本体310について説明する。
顕微鏡本体310は、微分干渉画像を取得するための光学素子として、照明光路上の微分干渉素子であるDICプリズムP1と、検出光路上の微分干渉素子であるDICプリズムP2と、アナライザ(検光子)として機能する偏光素子である偏光板319を備えている。DICプリズムP2は光路中に固定されているのに対して、DICプリズムP1は蛍光観察時に光路中から取り除くことができるように光路に対して挿脱自在に配置されている。また、偏光板319は、レーザ光の偏光方向とクロスニコル状態となるような向きに配置されている。
顕微鏡本体310は、対物レンズOBの瞳共役位置にガルバノミラー312を備えている。ガルバノミラー312と対物レンズOBの間には、対物レンズOBの瞳をガルバノミラー312に投影する瞳リレー光学系である結像レンズTL及び瞳投影レンズ314が設けられている。
以上のように構成された顕微鏡システム103では、蛍光画像を取得する場合には、まず、1/4波長板370をレーザ311とダイクロイックミラーDMの間の照明光路に挿入し、且つ、DICプリズムP1を照明光路から取り除く。さらに、実施例2で上述した図6に示す前処理を実行して、その後、標本Sを走査することで、実施例1から実施例3に係る蛍光顕微鏡システムと同様に、方向に依存しない解像度を有する、超解像成分が強調された超解像画像を生成することができる。また、光学系のPSFが光軸に対して対称であるので、フィルタ処理によって従来よりも超解像成分を最適に強調することができる点も、実施例1から実施例3に係る蛍光顕微鏡システムと同様である。
また、顕微鏡システム103では、微分干渉画像を取得する場合には、まず、直線偏光をDICプリズムP1に入射させるために、1/4波長板370を照明光路から取り除き、且つ、DICプリズムP1を照明光路から挿入する。その後、標本Sを走査することで、顕微鏡システム103は、PMT330から出力信号とガルバノミラー駆動装置313に出力される変調制御信号とに基づいて、微分干渉画像を生成することができる。
顕微鏡システム103でも、レーザ光の光束中の偏光方向の分布がレーザ光の光軸に対して対称となるようにレーザ光の偏光状態を変換する偏光変換手段を備えていれば良い点、偏光変換手段は波長板に限られない点、偏光変換手段はレーザ光にのみ作用する位置に配置されてもレーザ光と蛍光の両方に作用する位置に配置されても良い点は、実施例1から実施例3に係る蛍光顕微鏡システムと同様である。また、蛍光観察時には、光学系のPSFが光軸に対して対称であるため、画像の向き毎にフィルタを設計する必要がなく、画像の向きによらず単一のフィルタで最適化されたフィルタ処理を実行することができる点も、実施例2及び実施例3に係る蛍光顕微鏡システムと同様である。
なお、顕微鏡システム103は、第二次高調波発生(SHG)顕微鏡として使用することもできる。SHG顕微鏡は、照明光の偏光状態によって発生する光の強度が変化する方向性を有していて、照明光の偏光状態が直線偏光である場合と円偏光である場合では、検出する光の強度が変化する。顕微鏡システム103によれば、1/4波長板370が挿脱可能に配置されているため、SHG観察を照明光の偏光状態が直線偏光と円偏光のいずれの状態ででも行うことができる。
本発明の画像生成システムは、特許請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。例えば、画像生成システムは、Image Scanning Microscopy(以降、ISMと記す)で用いられる共焦点顕微鏡を備えてもよく、ISMによって実現されるピンホール径を小さくした場合と同様の効果によって超解像画像を生成しても良い。また、直線偏光光を発するレーザ光源を用いたいろいろな超解像画像生成の方法に適用可能である。
1、111、311 レーザ
2 シングルモード光ファイバー
3 ビームエキスパンダ
4 マイクロレンズアレイ
5 回転ディスク
5a 遮光部
5b 開口部
6 モータ
7 結像光学系
8 バリアフィルタ
9 撮像レンズ
10 蛍光顕微鏡本体
20 CCDカメラ
30 計算機
40 画像処理ボード
50 記録媒体
60、150、250、360 モニタ
70、160、260、370 1/4波長板
100、101、102 蛍光顕微鏡システム
103 顕微鏡システム
110、210 蛍光顕微鏡本体
112、212、312 ガルバノミラー
113、213、313 ガルバノミラー駆動装置
114、316 共焦点絞り
115、315、317、318 レンズ
120、220、320、330 PMT
130、230、340 PC
140、240、350 記憶装置
211 超短パルスレーザ
310 顕微鏡本体
314 瞳投影レンズ
319 偏光板
OB 対物レンズ
TL 結像レンズ
DM ダイクロイックミラー
RL リレー光学系
S 標本
L1、L3 レーザ光
L2、L4 蛍光
P1、P2 DICプリズム

Claims (13)

  1. 標本からの光を検出する光検出器と、
    対物レンズを含み、前記対物レンズのカットオフ周波数を越える周波数成分である超解像成分を含む前記標本からの光を前記光検出器に伝達する超解像成分伝達手段と、
    前記光検出器からの出力信号に基づいて生成される前記標本の画像の前記超解像成分を強調する画像処理手段と、を含み、
    前記超解像成分伝達手段は、前記標本に照射する照明光の光路中に配置され、前記照明光の光束中の偏光方向の分布が前記照明光の光軸に対して対称となるように、前記照明光の偏光状態を変換する偏光変換手段を含む
    ことを特徴とする画像生成システム。
  2. 請求項1に記載の画像生成システムにおいて、
    前記偏光変換手段は、前記照明光を円偏光に変換する
    ことを特徴とする画像生成システム。
  3. 請求項1に記載の画像生成システムにおいて、
    前記偏光変換手段は、前記照明光をラジアル偏光に変換する
    ことを特徴とする画像生成システム。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像生成システムにおいて、
    前記超解像成分伝達手段は、
    前記照明光を出射する光源と、
    前記照明光の光路と前記標本からの光の光路とを分岐する光路分岐手段と、を含み、
    前記偏光変換手段は、前記光源と前記光路分岐手段との間に配置される
    ことを特徴とする画像生成システム。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像生成システムにおいて、
    前記超解像成分伝達手段は、前記照明光の光路と前記標本からの光の光路とを分岐する光路分岐手段と、を含み、
    前記偏光変換手段は、前記対物レンズと前記光路分岐手段との間に配置される
    ことを特徴とする画像生成システム。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像生成システムにおいて、
    前記偏光変換手段は、1/4波長板である
    ことを特徴とする画像生成システム。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の画像生成システムにおいて、
    前記偏光変換手段は、光学軸の方向を互いに異ならせて配置された複数の1/2波長板である
    ことを特徴とする画像生成システム。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像生成システムにおいて、
    前記偏光変換手段は、前記照明光の光路に対して挿脱自在に配置される
    ことを特徴とする画像生成システム。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の画像生成システムにおいて、
    前記超解像成分伝達手段は、前記標本上における前記照明光の強度分布を変調する変調手段を含む
    ことを特徴とする画像生成システム。
  10. 請求項9に記載の画像生成システムにおいて、
    前記変調手段は、前記対物レンズの瞳位置または瞳共役位置に配置された、前記標本を走査する走査手段である
    ことを特徴とする画像生成システム。
  11. 請求項9に記載の画像生成システムにおいて、
    前記変調手段は、前記対物レンズの焦点面と共役な位置に配置された、前記標本を走査する走査手段である
    ことを特徴とする画像生成システム。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の画像生成システムにおいて、
    前記超解像成分伝達手段は、前記対物レンズの焦点面と共役な位置に開口が形成された共焦点絞りを含む共焦点顕微鏡である
    ことを特徴とする画像生成システム。
  13. 請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の画像生成システムにおいて、
    前記超解像成分伝達手段は、非線形光学顕微鏡である
    ことを特徴とする画像生成システム。
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