JP6250466B2 - ビールライクテイストのリンゴ果実酒およびその製造方法 - Google Patents

ビールライクテイストのリンゴ果実酒およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ビールライクテイストのリンゴ果実酒およびその製造方法に関する。
近年、商品価値を高めることを目的として、酒類に対して様々な機能または性質を付与する手法が注目されている。特に、リンゴ果実酒(シードル)については、バラエティに富んだ商品開発を目的として、その色合いを調節する方法が報告されている。
例えば、特許文献1には、リンゴの果もろみに高濃度の亜硫酸または亜硫酸と酸を添加して赤色素を抽出した後これを搾汁し、得られた果汁にペクチン分解酵素を添加して酵素処理を行った後酵母を摂取して発酵を行うことを特徴とする、ピンク色のリンゴ果実酒の製造方法が記載されている。
また、特許文献2には、赤色品種リンゴの破砕物に、その破砕前後のいずれかの際に酸化防止剤を添加した後、これに赤色品種リンゴ以外の品種のリンゴの果汁を添加すると共に、この添加前後のいずれかの際に酸化防止剤を加え、次いで静置し、搾汁した後、発酵させることを特徴とする、赤色のリンゴ果実酒の製造方法が記載されている。
一方、ビールは、世界中で愛飲されているアルコール飲料であり、ドライで爽快な喉越しの特有の味わいを有している。発泡酒、ノンアルコール飲料等においては、ビール特有の味わいを付与する様々な方法が従前検討されている。しかしながら、リンゴ果実酒に対してビールらしいドライで爽快な喉越しを付与する手法は何ら報告されていない。
特開平3−251165号公報 特開2006−197845号公報
本発明は、ビールらしいドライで爽快な喉越しの付与されたリンゴ果実酒を提供することをその目的としている。
本発明者らは、今般、リンゴ果実酒中の特定成分の含有量を一定の範囲に調整したところ、ビールらしいドライで爽快な喉越しをリンゴ果実酒に付与しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づくものである。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)エキス分の総量が3〜5w/v%でありかつ有機酸の含量が0.39〜0.53w/v%である、ビールライクテイストのリンゴ果実酒。
(2)有機酸が、C3〜C6の1〜3価カルボン酸である、(1)に記載のリンゴ果実酒。
(3)有機酸が、リンゴ酸、クエン酸および乳酸の組み合わせである、(1)または(2)に記載のリンゴ果実酒。
(4)リンゴ酸とクエン酸との質量比が、1:0.5〜1:0.9である、(3)に記載のリンゴ果実酒。
(5)リンゴ酸と乳酸との質量比が、1:0.1〜1:0.6である、(3)または(4)に記載のリンゴ果実酒。
(6)焙焼糖類含有物をさらに含んでなる、(1)〜(5)のいずれかに記載のリンゴ果実酒。
(7)焙焼糖類含有物が、カラメル、焙焼液糖および焙焼果汁から選択される少なくとも一つのものである、(6)に記載のリンゴ果実酒。
(8)焙焼果汁が焙焼リンゴ果汁である、(7)に記載のリンゴ果実酒。
(9)色度が7[EBC]以上である、(6)〜(8)のいずれかに記載のリンゴ果実酒。
(10)リンゴ果実酒中のエキス分の総量が3〜5w/v%となりかつ有機酸の含量が0.39〜0.53w/v%となるように、リンゴ果実酒中のエキス分の総量および/または有機酸の含量を調整することを含んでなる、ビールライクテイストのリンゴ果実酒の製造方法。
(11)リンゴ酒に焙焼糖類含有物を添加することをさらに含んでなる、(9)に記載の製造方法。
(12)リンゴ果実酒中のエキス分の総量が3〜5w/v%となりかつ有機酸の含量が0.39〜0.53w/v%となるように、リンゴ果実酒中のエキス分の総量および/または有機酸の含量を調整することを含んでなる、リンゴ果実酒にビールライクテイストを付与する方法。
(13)リンゴ酒に焙焼糖類含有物を添加することをさらに含んでなる、(12)に記載の製造方法。
本発明によれば、リンゴ果実酒中の特定成分の含有量を一定の範囲に調整することにより、ドライで爽快な喉越しを特徴とするビールらしい味わいをリンゴ果実酒に付与することができる。
発明の具体的説明
リンゴ果実酒
本発明のリンゴ果実酒は、特定量のエキス分および有機酸を含んでなることを特徴としている。
本発明のエキス分の総量は、本発明の効果を妨げない範囲であればよい。そのような範囲は、好ましくは3〜5w/v%であり、より好ましくは3〜4w/v%である。
本発明のエキス分の総量とは、リンゴ果実酒に含まれるエキス分の合計をいい、「国税庁所定分析法注解の7−7果実酒類のエキス分」に従って測定することができる。
また、本発明の有機酸の含量は、本発明の効果を妨げない範囲であればよい。そのような範囲は、好ましくは0.39〜0.53w/v%であり、より好ましくは0.45〜0.53w/v%である。
本発明の有機酸は、好ましくはC3〜C6の1〜3価カルボン酸であり、より好ましくはリンゴ酸、クエン酸および乳酸から選択される少なくとも一つのものであり、さらに好ましくはリンゴ酸、クエン酸および乳酸の組み合わせである。
本発明の有機酸の含量は、キャピラリー電気泳動による有機酸測定法で測定することができる。この場合、各有機酸の塩は、各有機酸自体として、有機酸の含量中に算入される。
また、本発明のリンゴ果実酒において、リンゴ酸とクエン酸との質量比は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、好ましくは1:0.5〜1:0.9であり、より好ましくは1:0.6〜1:0.8であり、さらに好ましくは1:0.6〜1:0.75である。
また、本発明のリンゴ果実酒において、リンゴ酸と乳酸との質量比は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、好ましくは1:0.1〜1:0.6であり、より好ましくは1:0.2〜1:0.4である。
また、本発明のリンゴ果実酒において、リンゴ酸とクエン酸および乳酸の合計との質量比は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、好ましくは1:0.87〜1:1.50であり、より好ましくは1:0.87〜1:1.20である。
また、本発明のリンゴ果実酒は、好ましくは焙焼糖類含有物をさらに含んでなる。焙焼糖類含有物の添加は、リンゴ果実酒にビールらしい色を付与する上で特に有利である。また、焙焼糖類含有物の添加は、コクと爽快な喉越しが両立するビールらしい味わいとをリンゴ果実酒に付与する上で有利である。とりわけ、焙焼糖類含有物の添加は、甘味が低減するのに伴ってリンゴ果実酒のコクが減少して香味が平板になるかまたは酸味が強く感じられることを抑制する上で好ましい。
本発明の焙焼糖類含有物は、カラメル、焙焼液糖または焙焼果汁から選択される少なくとも一つのものであり、より好ましくは焙焼果汁である。
本発明のリンゴ果実酒において、焙焼糖類含有物の含有量は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、好ましくは0.02〜2.0w/v%であり、より好ましくは0.04〜1.5w/v%である。
また、本発明の焙焼糖類含有物のうち、焙焼果汁は、好ましくは常圧下で果汁または果汁と糖類との混合液を加熱することにより得ることができる。上記加熱温度は、好ましくは100℃以上であり、より好ましくは140℃である。また、上記加熱時間は、好ましくは3分間以上であり、より好ましくは30分以上である。
また、本発明の好ましい態様によれば、焙焼果汁は焙焼リンゴ果汁である。
本発明の焙焼糖類含有物のリンゴ果実酒中の含有量は、特に限定されず、リンゴ果実酒に付与されるビールらしい味わいおよび色を基準として、後述する実施例3の手順に従い、当業者が適宜決定することができる。
本発明の焙焼糖類含有物が焙焼果汁である場合、リンゴ果実酒中の焙焼果汁の含有量は、好ましくは0.05〜2.0w/v%であり、より好ましくは0.1〜1.5w/v%である。
本発明の焙焼糖類含有物がカラメルである場合、リンゴ果実酒中のカラメルの含有量は、好ましくは0.02〜0.05w/v%であり、より好ましくは0.04〜0.05w/v%である。
本発明の焙焼糖類含有物が焙焼液糖である場合、リンゴ果実酒中の焙焼液糖の含有量は、好ましくは0.02〜0.5w/v%であり、より好ましくは0.1〜0.4w/v%である。
本発明の焙焼糖類含有物をリンゴ果実酒に含有させる場合、リンゴ果実酒の色度を好ましくは7[EBC]以上、より好ましくは7〜130[EBC]、さらに好ましくは7〜80[EBC]とすることができる。
EBC色度の測定方法は、当業者に広く知られており、例えば、「改訂BCOJビール分析法4.3.8、ビール酒造組合国際技術委員会(分析委員会)編 財団法人 日本醸造協会」を参照することにより、当業者が容易に測定することができる。
本発明のリンゴ果実酒のアルコール分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは1〜10v/v%であり、より好ましくは3〜7v/v%であり、さらに好ましくは4〜6v/v%である。
本発明のリンゴ果実酒のアルコール分の含有量(v/v%)は、公知のいずれの方法を用いて測定することができ、振動式密度計を用いて測定することができる。例えば、リンゴ果実酒を濾過又は超音波処理し、炭酸ガスが除去された試料を調製する。当該試料を直火蒸留することにより蒸留液を得、当該蒸留液の15℃における密度を測定する。国税庁所定分析法(平成19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改定)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて、前記測定値を換算することによって、飲料中のアルコール分を求めることができる。また、アルコール分が低濃度、例えば、1.0v/v%未満の場合は、市販のアルコール測定装置、又はガスクロマトグラフィー等を用いてアルコール分を測定してもよい。
また、本発明のリンゴ果実酒には、本発明の効果を妨げない限り、脱気水、炭酸ガス、炭酸水または食品添加物として認められている成分等をさらに含有させることができる。
食品添加物として認められている成分としては、特に限定されないが、例えば、甘味料、香料、大豆サポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーン、大豆、そら豆等の植物タンパク質、ウシ血清アルブミン等のタンパク質系物質、食物繊維、アミノ酸等の調味料、酸化防止剤等が挙げられる。
また、本発明のリンゴ果実酒は、容器詰めとすることができる。いずれの形態・材質の容器を用いてもよく、例えば、ビン、缶、樽、又はペットボトル等の容器に充填・密閉することができる。
リンゴ酒の製造方法/ビールライクテイストの付与方法
本発明のビールライクテイストのリンゴ果実酒の製造方法は、リンゴ果実酒中のエキス分の総量が3〜5w/v%となりかつ有機酸の含量が0.39〜0.53w/v%となるように、リンゴ果実酒中のエキス分の総量および/または有機酸の含量を調整することを特徴としている。
本発明においては、常法に従ってリンゴ果実酒を製造する際に、いずれかの工程において、反応条件または各成分の添加量を調整して、リンゴ果実酒中のエキス分の総量および/または有機酸の含量を所定の範囲内に調整することができる。以下、本発明の製造方法を好適な例とともに具体的に説明する。
本発明の製造方法において、発酵させる原料は、リンゴ、リンゴ果汁またはそれらに糖類(砂糖、果糖、ぶどう糖等)を混合したものを使用することができる。
本発明において原料となるリンゴの種類は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、ジェネバ種(Geneva)、アダムス・クラブ(Adamus Crab)種、エリー・パープル・クラブ(Eley Purple Crab)種、エレイー(Eleyi)種、ジョージアス(Georgeous)種、ジャイ・ダーリン(Jay Darling)種、マカミック・クラブ(Makamic Crab)種、マルス・ロブスタ・ベイル(Malse Robusta BAIL)種、マルス・ロブスタ・リード(Malse Robusta READ)種、ピンク・パール(Pink Pearl)種、プロフュージョン(Profusion)種、パープル・ウェイブ(Purple Wave)種、レッド・フィールド(Red Field)種、レッド・フック(Red Hook)種、ローヤルティ(Royalty)種、ウィンター・タウベン(Winter Touben)種等を挙げることができ、これらの1種を単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の発酵工程は、果汁または果汁と糖類に、酵母(サッカロミセス・セレビシエ)を接種して得られる混合液を用いて実施することができる。混合液中の酵母(サッカロミセス・セレビシエ)の濃度は、例えば、10〜30×10個/mlとすることができる。
また、発酵温度は、例えば、4〜25℃とすることができる。
本発明のエキス分の総量は、例えば、上記の原料の種類、発酵条件等を調節することにより調整することができる。本発明の好ましい態様によれば、発酵終了後、リンゴ果実酒にさらに糖類等を添加して、エキス分の総量を調整してもよい。
また、本発明の有機酸の含有量は、上記工程のいずれかの時点において、必要に応じて、有機酸を添加して調整を行うことができる。本発明の好ましい態様によれば、発酵終了後、リンゴ酸を含有する果汁、有機酸(乳酸、クエン酸、クエン酸Na)等を適宜添加して、リンゴ果実酒中の有機酸の含有量を調整してもよい。
また、本発明の製造方法にあっては、上記工程のいずれかの時点において、必要に応じて、焙焼糖類含有物をさらに添加してもよい。焙焼糖類含有物の添加は、いずれの工程中またはその前後であってもよいが、発酵工程後であることが好ましい。
また、リンゴ果実酒中のアルコール、エキス分、有機酸および焙焼糖類含有物の濃度は、例えば、発酵終了後に、脱気水、炭酸水等を添加することによりさらに調整することもできる。
また、上述の成分の他、炭酸ガスおよび食品添加物として認められている成分等は、本発明の効果を妨げない限り、上記工程のいずれかの時点において、必要に応じて加えることができる。
また、本発明の別の態様によれば、リンゴ果実酒にビールライクテイストを付与する方法であって、リンゴ果実酒中のエキス分の総量が3〜5w/v%となりかつ有機酸の含量が0.39〜0.53w/v%となるように、リンゴ果実酒中のエキス分の総量および/または有機酸の含量を調整することを特徴とする方法が提供される。
本発明のリンゴ果実酒にビールライクテイストを付与する方法は、上述のリンゴ果実酒およびその製造方法の記載に準じて実施することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
透明りんご濃縮果汁(70ブリックス)とぶどう糖との混合液を所定の糖濃度まで加水し、酵母(サッカロミセス・セレビシエ)を菌濃度が20×10個/mlとなるように接種し、20℃で発酵を行い、発酵液(アルコール濃度8.1v/v%)を得た。
次に、得られた発酵液に、果汁(リンゴ酸含有)、有機酸(乳酸、クエン酸、クエン酸Na)、糖類(砂糖)を添加して各成分の濃度を調整し、さらに炭酸水で希釈し、最終アルコール濃度5w/v%のリンゴ果実酒を得た。
上記方法により得られた複数の試験品1〜6を訓練されたパネラー4名により、「ビールらしい味わい」(ドライで爽快な喉越しがある)について、以下の基準に基づき官能評価を行った。
◎:ビールらしい味わいが非常にある
○:ビールらしい味わいがある
△:ビールらしい味わいが少しある
×:ビールらしい味わいがない
官能評価の結果は、以下の通りであった。
Figure 0006250466
表1に示される通り、「エキス分(w/v%)」および「リンゴ酸、乳酸およびクエン酸の総濃度(w/v%)」の低い試験品1および試験品2ではビールらしい味わいが確認されなかった。一方、「エキス分(w/v%)」および「リンゴ酸、乳酸およびクエン酸の総濃度(w/v%)」の高い試験品3〜5ではビールらしい味わいが確認された。
実施例2
実施例1と同様の手法により得られた発酵液(アルコール濃度11.9v/v%)に、果汁(リンゴ酸含有)、有機酸(乳酸、クエン酸、クエン酸Na)、糖類(砂糖)を添加して各成分の濃度を調整し、さらに炭酸水で希釈し、最終アルコール濃度5v/v%のリンゴ果実酒(シードル)を得た。
上記方法により得られた複数の試験品7〜18を訓練されたパネラー4名により、「ビールらしい味わい」(ドライで爽快な喉越しがある)について、以下の基準に基づき官能評価を行った。
○:ビールらしい味わいがある
×:ビールらしい味わいがある
官能評価の結果は、表2および表3に記載の通りであった。
Figure 0006250466
Figure 0006250466
表2および3に示される通り、「エキス分(w/v%)」が3〜5w/v%でありかつ「リンゴ酸、乳酸およびクエン酸の合計(w/v%)」が0.39〜0.53w/v%の範囲内にある試験品9〜14ではビールらしい味わいが確認された。一方、「エキス分(w/v%)」および「リンゴ酸、乳酸およびクエン酸の総濃度(w/v%)」のいずれかが上記の濃度範囲を満たさない試験品6、7および15〜17ではビールらしい味わいが確認されなかった。
実施例3
実施例1および2と同様の手法により、ベース飲料1(リンゴ果実酒、アルコール濃度5v/v%、エキス分3.4w/v%、リンゴ酸、乳酸およびクエン酸の総濃度 約0.5w/v%)を得た。次に、ベース飲料1に、焙焼リンゴ果汁(焦がしリンゴ果汁(76ブリックス)、ハリマ食品)、カラメル(カラメルS-4(水分;34.9w/w%)、池田糖化工業)、焙焼液糖1(ベーキングシラップ#600(水分;19.7w/w%)、池田糖化工業)または焙焼液糖2(苦味シラップ(水分;30.6w/w%)、池田糖化工業)を添加し、試験品18〜試験品24を得た。
次に、訓練されたパネル4名により、「コク」、「喉越しの爽快さ」、「ビールらしい味わい」(ドライで爽快な喉越しがある)および「色味」について、官能評価を行った。
なお、「コク」、「喉越しの爽快さ」、「ビールらしい味わい」の評価は、以下の基準に基づいて行った。
◎:有り
○:やや有り
×:なし
結果は、表4に示される通りであった。
Figure 0006250466
焙焼リンゴ果汁、カラメル、焙焼液糖1または焙焼液糖2のいずれかを添加した試験品18〜24はいずれも、ビールらしい味わいとビールらしい味わい色とを備えていた。特に、焙焼リンゴ果汁は良好な結果を示した。
実施例4
実施例1および2と同様の手法により、ベース飲料2(リンゴ果実酒、アルコール濃度5v/v%、エキス分3.8w/v%、リンゴ酸、乳酸およびクエン酸の総濃度 約0.5w/v%)を得た。次に、ベース飲料2に、焙焼リンゴ果汁(焦がしリンゴ果汁、ハリマ食品)0.1w/v%を添加し、試験品25を得た。
試験品25について、実施例4と同様の手法により官能評価を行った結果、焙焼リンゴ果汁を添加した試験品25は、ビールらしい味わいとビールらしい色味とを有していた。
参考例
市販のリンゴ果実酒4製品(A、B、CおよびD)についてキャピラリー電気泳動による有機酸測定法(分析機器: CE7100、Agilent社)に記載の方法に従いエキス分、リンゴ酸、クエン酸、乳酸の含有量を測定し、実施例1と同様の官能評価を行った。
結果は、表5に示される通りであった。
Figure 0006250466
表5に示される通り、市販品A〜Dはいずれも、実施例2の試験品9〜14においてビールらしい味わいが確認された濃度範囲(「エキス分(w/v%)」が3〜5w/v%でありかつ「リンゴ酸、乳酸およびクエン酸の合計(w/v%)」が0.39〜0.53w/v%である)を満たしていなかった。また、市販品A〜Dにおいて、ビールらしい味わいは確認されなかった。

Claims (9)

  1. エキス分の総量が3〜5w/v%であり
    リンゴ酸、クエン酸および乳酸の組み合わせの含量が0.39〜0.53w/v%でありかつ焙焼糖類含有物を含んでなる、ビールライクテイストのリンゴ果実酒であって、
    乳酸とクエン酸との質量比が、1:1.275〜1:6.333である、リンゴ果実酒。
  2. 乳酸とクエン酸との質量比が、1:1.275〜1:2.225である、請求項1に記載のリンゴ果実酒。
  3. リンゴ酸と乳酸との質量比が、1:0.1〜1:0.6である、請求項1または2に記載のリンゴ果実酒。
  4. 前記焙焼糖類含有物が、カラメル、焙焼液糖または焙焼果汁から選択される少なくとも一つのものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリンゴ果実酒。
  5. 前記焙焼果汁が焙焼リンゴ果汁である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリンゴ果実酒。
  6. 色度が7[EBC]以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のリンゴ果実酒。
  7. 容器詰めである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のリンゴ果実酒。
  8. リンゴ果実酒中のエキス分の総量が3〜5w/v%となり、リンゴ酸、クエン酸および乳酸の組み合わせの含量が0.39〜0.53w/v%となり、かつ乳酸とクエン酸との質量比が、1:1.275〜1:6.333となるように、リンゴ果実酒中のエキス分の総量および/または前記組み合わせの含量を調整し、かつリンゴ果実酒中に焙焼糖類含有物を含有させることを含んでなる、ビールライクテイストのリンゴ果実酒の製造方法。
  9. リンゴ果実酒中のエキス分の総量が3〜5w/v%となり、リンゴ酸、クエン酸および乳酸の組み合わせの含量が0.39〜0.53w/v%となり、かつ乳酸とクエン酸との質量比が、1:1.275〜1:6.333となるように、リンゴ果実酒中のエキス分の総量および/または前記組み合わせの含量を調整し、かつリンゴ果実酒中に焙焼糖類含有物を含有させることを含んでなる、リンゴ果実酒にビールライクテイストを付与する方法。
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