JP6247127B2 - 外気冷房空調システムの運転制御方法 - Google Patents
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ICT装置を収容するデータセンターで採用されている外気冷房システムにおいては、外気取り入れ有無の判断は、外気条件とICT装置の許容温湿度条件との比較により行うことが一般的である。さらに、外気取り入れによりICT装置が過剰に冷却される場合には、ICT装置からの排気(還気)を取入外気に混合して空調機側に導入して、ICT装置への供給空気温湿度を調整する。
また、外気温条件、冷房負荷条件によっては、空調機と外気ファンの両方を稼働させて外気取り入れするより、空調機単独稼働の方が省電力化の見地から効果的な場合もある。
また、上記外気ファンの制御追随遅れにより、ICT装置等の動作保証を担保するため定められる温湿度管理範囲から逸脱するおそれもある。
本発明は以下の内容をその要旨とする。すなわち、本発明に係る外気冷房空調システムの運転制御方法は、
(1)外気を空調室内に取り入れて、その一部又は全部を直接、又は、還気と混合して空調機を通過させた後に、空調対象空間に供給する外気冷房空調システムにおいて、
所定の冷房負荷に対して、空調機消費電力(Wm)と外気ファン消費電力(Wa)との総消費電力(Wt=Wm+Wa)を最小とするように、外気取入量(Ga)を制御することを特徴とする。
所定の範囲で、複数の段階的な外気取入量条件(Ga(i):i=0〜n)を設定し、
各外気取入量条件(Ga(i))について、
前記所定の冷房負荷に対応する空調機通過風量(Gm)及び還気温度(Te)を想定して、質量バランス及び熱バランスに基づいて空調機入口温度(Ti(i))を演算し、
空調機消費電力(Wm(i))を、空調機通過風量(Gm)、空調機入口温度(Ti(i))及び空調機性能特性に基づいて演算し、
外気ファン消費電力(Wa(i))を、外気取入量(Ga(i))及び外気ファン性能特性に基づいて演算し、
総消費電力(Wt(i)=Wa(i)+Wm(i))が最小となる外気取入量条件により外気ファンの運転を行う、ことを特徴とする。
所定の範囲で、複数の段階的な空調機入口温度条件(Ti(i):i=0〜n)を設定し、
各空調機入口温度条件(Ti(i))について、
前記所定の冷房負荷に対応する空調機通過風量(Gm)及び還気温度(Te)を想定して、質量バランス及び熱バランスに基づいて外気取入量条件(Ga(i))を演算し、
空調機消費電力(Wm(i))を、空調機通過風量(Gm)、空調機入口温度(Ti(i))及び空調機性能特性に基づいて演算し、
外気ファン消費電力(Wa(i))を、外気取入量(Ga(i))及び外気ファン性能特性に基づいて演算し、
総消費電力(Wt(i)=Wa(i)+Wm(i))が最小となる外気取入量条件により運転を行う、ことを特徴とする。
外気取入量(Ga(i))、空調機風量(Gm(j))を、それぞれ段階的に変化させて、各外気取入量条件(Ga(i))及び空調機風量(Gm(j))条件で運転し、
取入外気のうちの空調機に取り込まれる割合(外気影響係数:α)を、質量バランス及び熱バランスに基づいて演算し、
各外気取入量条件に対するデータ群[α(i,j)、Ga(i),Gm(j),Te(i,j)]を、所定のデータベース(DB−α)に蓄積する、ことを特徴とする。
それぞれ所定の範囲で、複数の段階的な外気取入量条件(Ga(i):i=0〜n)、及び、空調機風量条件(Gm(j):j=0〜s)を設定し、
各設定条件(Ga(i)、Gm(j))、及び、前記所定の冷房負荷に対応する還気温度(Te)に対応する外気影響係数αを、前記データベース(DB−α)から取得し、
質量バランス及び熱バランスに基づいて、空調機入口温度(Ti(i,j))を取得し、
空調機消費電力(Wm(i,j))を、空調機通過風量(Gm)、空調機入口温度(Ti(i,j))及び空調機性能特性に基づいて演算し、
外気ファン消費電力(Wa(i))を、外気取入量(Ga(i))及び外気ファン性能特性に基づいて演算し、
総消費電力(Wt(i,j)=Wa(i)+Wm(i,j))が最小となる外気取入量条件により外気ファンの運転を行う、ことを特徴とする。
空調対象室に要求される所定の温湿度条件を満たすことを前提として、
外気取入運転、又は、空調機単独運転のうち、総消費電力の少ない方で運転を継続することを特徴とする。
外気取入量の制御を空調機入口温度目標値の管理により行うものであり、
該目標値を標準温度(Ts0)に設定したときに、空調機サーモオン条件が発生する場合には、
第一段階として、該目標値を標準温度(Ts0)より十分低い暫定目標温度(Ts1)に設定し、
最終的に、標準温度(Ts0)と暫定目標温度(Ts1)の間の温度であって、常時サーモオフ状態維持可能な最終目標温度(Ts2)に設定する、ことを特徴とする。
また、混気室を備えたシステムにあっては、最も消費電力を低減可能な外気ファンの運転状態を演算により決定できるため、例えばデータセンターに本システムを適用した場合、フィードバック制御で外気ファンを動作させる場合と比較して、ICT装置に対する信頼性を向上させることができるという効果がある。
また、外気ファンの稼働前に管理範囲を逸脱する状態になることを予測し、適切な運転状態を判断することができるため、温熱環境面でのICT装置に対する信頼性が向上するという効果がある。
<第一の実施形態>
第一及び第二の実施形態は、外気取入のみでは冷房負荷を処理できない場合の、総消費電力最小化を目的とする外気ファン制御形態に関する。各実施形態は、混気室の有無、後述する外気影響係数αデータベース(以下、適宜DB−αという)蓄積の有無に対応して、表1の通り分類される。以下、それぞれについて順次説明する。
図1(a)を参照して、本実施形態に係る空調システム1は、機械室6内に設置される空調機3と、外気取入装置2と、ICT装置5aを収容するサーバラック5と、還気ダンパー4a、排気ダンパー4bと、システム全体の制御指令を行う制御部7と、を主要構成として備えている。
機械室6内部はサーバー室6aと混気室6bに区画されており、さらに床パネル6dにより二重床空間6cが区画されている。サーバー室6a内には同一モジュールの複数のサーバラック5が横一列に並べられ、ラック列を形成している。各サーバラック内には、複数のICT装置5aが多段に格納されている。
なお本実施態様では、外気は混気室6bに取り入れられるため、全量が排気と混気されて、又は、直接、空調機3に導入されることになる。
さらに制御部7には、後述する外気影響係数αデータベース、外気ファン2a及び送風機3bの周波数−風量特性テーブル、風量−機外静圧特性テーブル、外気ファン2a及び圧縮機の周波数−消費電力特性テーブル、圧縮機の成績係数・周波数−冷房出力特性テーブル、等の性能特性テーブルを備えている。さらに空気線図テーブル等、後述する各フロー中の該当ステップにおいて必要な演算を行うためのデータ、プログラム類が格納されている。
制御開始に伴い外気温度Taが外気取入運転の閾値温度(Ta_min)以下か否かを判定する(S101)。Ta>Ta_minの場合には(S101においてN)、外気取入による冷房効果なしと判定し、外気取入を行うことなく空調機単独運転となる(S112)。一方、Ta≦Ta_minの場合には(S101においてY)、外気取入運転制御となる。
外気取入量Gaを適宜Ga_min〜Ga_maxの範囲で、次式により段階的に変化させる(S103)。
Ga(i)=Ga_min+(i/n)・(Ga_max−Ga_min) ・・・・(1・1)
なお、次式において空調機流量Gm、排気温度Teは、標準運転時における実績値を用い、定数として演算を行う。
Ti(i)=(Ta×Ga+(Gm−Ga)×Te)/Gm ・・・(1・2)
さらに、システム消費電力Wt(i)をWt(i)=Wm(i)+Wa(i)により求め(S107)、データA(i)[Ga(i)、Wt(i)]を所定のアドレスに格納する(S108)。以上の操作をi≧nに至るまで繰り返し行う(S109、S110)。
演算終了後、データA(i)の中でWt(i)が最小となるGaとなるように、外気ファン2aの周波数を調整して外気取入を行う(S111)。
次に、他の実施態様について説明する。本実施態様が上述の実施態様と異なる点は、最適外気ファン周波数の演算に際して、空調機入口温度Tiの段階的変化に基づき求めることである。本実施態様の構成は上述の実施態様と同様であるので、重複説明を省略する。
次いで、以下の最適空調機入口温度を求める演算ステップ(S202〜S210)を実行する。まず、任意の繰り返し回数nを指定し(S202)、i=0〜nについて以下の演算を行う。なお、nは上述の実施態様と同一である必要はない。
Tiを適宜Ti_min、Ti_maxの範囲で、次式により段階的に変化させる(S203)。
Ti(i)=Ti_min+(i/n)・(Ti_max−Ti_min) ・・・・(2・1)
Ga(i)=[(Te−Ti(i))/(Te−Ta)]×Gm・・・・(2・1)
演算終了後、データA’(i)の中でWt(i)が最小となるGaとなるように、外気ファン2aの周波数を調整して外気取入を行う(S211)。
本態様によれば、空調機3の送風機3bが稼働不要となるため、さらなる省電電力化が可能となる。
次に図2(a)〜図2(g)を参照して、本発明の他の実施態様について説明する。図2(a)を参照して、本実施態様に係る空調システム20の構成が上述の実施態様に係る空調システム1と異なる点は、混気室を備えておらず、空調機3とサーバラック5が同一の室内21aに配設されていることである。その他の構成は上述の実施形態と同様であるので、重複説明を省略する。
α=[(Ti−Te)Gm]/[(Ta−Te)Ga] ・・・(3・1)
このため以下の手順に従いデータベース化して求める。
本実施態様は、α未知の場合のデータベース[Ga,Gm,Te,α]構築のための制御フローに関する。
最初に、外気取入量Ga、空調機風量Gmを段階的に変化させて、消費電力の演算を行うため、演算回数としてそれぞれ任意回数s、nを指定する(S301、S302)。
外気取入量GaをGa_min〜Ga_maxの範囲で、次式により段階的に変化させて外気ファンを稼働させる(S303)。
Ga(i)=Ga_min+(i/n)・(Ga_max−Ga_min) ・・・(3・2)
さらに空調機風量GmをGm_min〜Gm_maxの範囲で、次式により段階的に変化させて、空調機を稼働させる(S304)。
Gm(j)=Gm_min+(j/s)・(Gm_max−Gm_min) ・・・(3・3)
(i,j)条件におけるα及びGa(i)、Gm(j)、TeをDB−αに格納する(S306)。
S303〜S306のステップを、それぞれj≧s、i≧nに至るまで繰り返し行う(S307〜S310)。
以上の操作により、図2(d)に示すように各Ga、Gm、Te条件のときのα値を推定可能とするDB−αの構築ができる。
さらに蓄積されたDB−αを用いて、以下のフローに従い消費電力最小化運転制御を行うことができる。
最初に、外気取入量Ga、空調機風量Gmを段階的に変化させて、消費電力の演算を行うため、演算回数としてそれぞれ任意回数s、nを指定する(S401、S402)。
外気取入量GaをGa_min〜Ga_maxの範囲で、次式により段階的に変化させて外気ファンを稼働させる(S403)。
Ga(i)=Ga_min+(i/n)・(Ga_max−Ga_min) ・・・(3・2)
さらに空調機風量GmをGm_min〜Gm_maxの範囲で段階的に変化させて、空調機を稼働させる(S404)。
Gm(j)=Gm_min+(j/s)・(Gm_max−Gm_min) ・・・(3・3)
Ti(i,j)=(Ta×αGa(i)+(Gm(j)−αGa(i))×Te)/Gm
・・・(3・3)
演算終了後、データ[Ga(i)、Wt(i,j)]中のWt(i,j)が最小となるGaに外気ファン2aの周波数を調整して外気取入を行う(S415)。
本態様によれば、空調機26の送風機26が稼働不要となるため、さらなる省電力化が可能となる。
<第三の実施形態>
さらに、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態は、空調機出の冷気をICT装置の許容温湿度範囲内に管理すべく、外気条件に応じて外気取入量を調整する形態に関する。本実施形態の構成が第一の実施形態と異なる点は、外気及び空調機出冷気の相対湿度を取得可能とする湿度センサを備えていることである。さらに、制御部7内に図4(a)に示すICT装置の許容温湿度範囲に該当する管理テーブルを備えていることである。その他の構成は上述の実施形態と同様であるので、重複説明を省略する。
同図において外気条件Xa(相対湿度RHa、温度Ta),排気条件Xe(RHe、Te)として、標準外気取入量のときの空調機入口における混合気条件Xmとする。この混合気条件では、空調機による冷却(ΔT)により空調機出口における冷気条件はXcとなり、管理範囲Zから外れてしまう。この場合、取入外気量を減らして混合気条件をXm’にすれば、空調機出口の冷気条件Xc’となり、管理範囲Z内に収まることになる。
図3(b)を参照して、制御開始に伴い、上述の実施形態(1−1)により、外気取入量、冷房運転を行っている場合を想定する(S501)。
制御中は、空調機出冷気の温湿度条件が管理範囲Z内にあるか否かを判定する(S502)。管理範囲Z内にある場合には(S502においてY)、現状の外気取入量、空調機運転条件を維持して運転を継続する(S503)。
さらに、変更後の外気取入運転の場合の消費電力Wcと、空調機単独運転の場合の消費電力Wrとを演算により求め、両者を比較する(S505)。Wc<Wrの場合には(S505においてY)、外気取入による省エネ効果ありと判定して、当該外気取入量により運転を行う(S506)。また、Wc≧Wrの場合には(S505においてN)、外気取入による省エネ効果なしと判定して、外気ファン2aを停止して外気取入を行うことなく空調機単独運転とする(S507)。
さらに、図4(a)乃至図4(g)を参照して、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態は、外気ファンインバータ制御の追随遅れにより、外気取入時に空調機がサーモオン条件に至ってしまう場合に(図4(b):x1、x2・・・参照)、空調機サーモオフを維持しつつ、さらなる省電力化を図るため、空調機入口温度目標値を段階的に変化させる外気取入量制御に関する。本実施形態の構成は空調システム1と同様であるので、重複説明を省略する。
S604においてY、サーモオフ状態を維持できる場合には、空調機入口温度が収束に至った段階で(S606においてY)、さらなる省電力化を図るため以下のステップを行う。すなわち、暫定目標値Ts1は余裕度大に設定してあるため、運転状況に応じて余裕度を減らす操作に該当する。
βj=Ab_j/Aa_j ・・・(4・1)
データ[βj,Ta,Gm]をデータベースβ(DB−β)(図4(g)参照)として、制御部7に格納する(S608)。
Ts2=Ts0−βAu ・・・(4・2)
以上のステップにより、空調機入口温度Tiの時間的推移は図4(e)の如くとなり、サーモオフを維持しつつさらなる省電力化が可能となる。
Ts2’=Ts0−kγ・・・(4・2)
これにより、空調機入口温度Tiの時間的推移はC2’の如くとなり、上記態様と同様にサーモオフを維持しつつさらなる省電力化が可能となる。
2a・・・・外気ファン
3・・・・・空調機
6・・・・・機械室
6a・・・・サーバー室
6b・・・・混気室
Ga・・・・外気取入量
Gm・・・・空調機風量
Ta・・・・外気温度
Te・・・・装置排気温度
Ti・・・・空調機入口温度
To・・・・空調機出口温度
Wa・・・・外気ファン消費電力
Wm・・・・空調機消費電力
Wt・・・・総消費電力
Claims (6)
- 外気を空調室内に取り入れて、その一部を直接、又は、還気と混合して空調機を通過させた後に、空調対象空間に供給する外気冷房空調システムにおいて、
前記空調室内に取り入れる外気の量である取入外気量(Ga)を調整する外気ファンと、
所定の冷房負荷に対して、空調機消費電力(Wm)と外気ファン消費電力(Wa)との総消費電力(Wt=Wm+Wa)を最小とするように、前記外気ファンを制御する制御部と、
が設けられ、
前記制御部は、
前記外気ファンおよび前記空調機を制御することにより、外気取入量(Ga(i))、空調機風量(Gm(j))を、それぞれ段階的に変化させて、各外気取入量条件(Ga(i))及び空調機風量(Gm(j))条件で運転し、
還気温度(Te)を取得し、
取入外気のうちの前記空調機に取り込まれる割合(外気影響係数:α)を、質量バランス及び熱バランスに基づいて演算し、
各外気取入量条件に対するデータ群[α(i,j)、Ga(i),Gm(j),Te(i,j)]を、所定のデータベース(DB−α)に蓄積する、
ことを特徴とする外気冷房空調システム。 - 前記制御部は、
請求項1において、前記データベース(DB−α)が蓄積された段階において、
それぞれ所定の範囲で、複数の段階的な外気取入量条件(Ga(i):i=0〜n)、及び、空調機風量条件(Gm(j):j=0〜s)を設定し、
各設定条件(Ga(i)、Gm(j))、及び、前記所定の冷房負荷に対応する還気温度(Te)に対応する外気影響係数αを、前記データベース(DB−α)から取得し、
質量バランス及び熱バランスに基づいて、空調機入口温度(Ti(i,j))を取得し、
空調機消費電力(Wm(i,j))を、空調機通過風量(Gm(j))、空調機入口温度(Ti(i,j))及び空調機性能特性に基づいて演算し、
外気ファン消費電力(Wa(i))を、外気取入量(Ga(i))及び外気ファン性能特性に基づいて演算し、
総消費電力(Wt(i,j)=Wa(i)+Wm(i,j))が最小となる外気取入量条件により前記外気ファンの運転を行う、
ことを特徴とする外気冷房空調システム。 - 外気を空調室内に取り入れて、その一部又は全部を直接、又は、還気と混合して空調機を通過させた後に、空調対象空間に供給する外気冷房空調システムにおいて、
前記空調室内への外気の取入れを調整する外気ファンと、
前記空調機の入口温度の目標値である空調機入口温度目標値の管理により前記外気ファンを制御する制御部と、
が設けられ、
前記制御部は、
前記空調機入口温度目標値を標準温度(Ts0)に設定したときに、前記空調機が冷房運転を行う条件である空調機サーモオン条件が発生する場合には、
前記空調機入口温度目標値を、標準温度(Ts0)より低い目標温度であって前記空調機サーモン条件が発生しない暫定目標温度(Ts1)に設定し、
前記暫定目標温度(Ts1)に設定したときにおける、前記空調機の空気入口における入口温度の温度振幅の最低値(TLj:j=0〜n(nは収束までの振幅回数))および最高値(THj)の差(Aa_j)と、暫定目標温度(Ts1)および最高値(THj)の差(Ab_j)と、に基づいた値である超過率(βj)であって、制御時(t2)の外気温度(Ta(t2))および空調機風量(Gm(t2))に対応する超過率(βj)と、前記標準温度(Ts0)と、制御時(t2)における前記空調機の入口温度(Tu)に基づいて求められる最終目標温度(Ts2)に前記空調機入口温度目標値を設定することを特徴とする外気冷房空調システム。 - 外気を空調室内に取り入れて、その一部又は全部を直接、又は、還気と混合して空調機を通過させた後に、空調対象空間に供給する外気冷房空調システムにおいて、
外気取入量(Ga(i))、空調機風量(Gm(j))を、それぞれ段階的に変化させて、各外気取入量条件(Ga(i))及び空調機風量(Gm(j))条件で運転し、
還気温度(Te)を取得し、
取入外気のうちの前記空調機に取り込まれる割合(外気影響係数:α)を、質量バランス及び熱バランスに基づいて演算し、
各外気取入量条件に対するデータ群[α(i,j)、Ga(i),Gm(j),Te(i,j)]を、所定のデータベース(DB−α)に蓄積する、
ことを特徴とする外気冷房空調システムの運転制御方法。 - 請求項4において、前記データベース(DB−α)が蓄積された段階において、
それぞれ所定の範囲で、複数の段階的な外気取入量条件(Ga(i):i=0〜n)、及び、空調機風量条件(Gm(j):j=0〜s)を設定し、
各設定条件(Ga(i)、Gm(j))、及び、前記所定の冷房負荷に対応する還気温度(Te)に対応する外気影響係数αを、前記データベース(DB−α)から取得し、
質量バランス及び熱バランスに基づいて、空調機入口温度(Ti(i,j))を取得し、
空調機消費電力(Wm(i,j))を、空調機通過風量(Gm(j))、空調機入口温度(Ti(i,j))及び空調機性能特性に基づいて演算し、
外気ファン消費電力(Wa(i))を、外気取入量(Ga(i))及び外気ファン性能特性に基づいて演算し、
総消費電力(Wt(i,j)=Wa(i)+Wm(i,j))が最小となる外気取入量条件により前記外気ファンの運転を行う、
ことを特徴とする外気冷房空調システムの運転制御方法。 - 外気を空調室内に取り入れて、その一部又は全部を直接、又は、還気と混合して空調機を通過させた後に、空調対象空間に供給する外気冷房空調システムにおいて、
外気取入量の制御を空調機入口温度目標値の管理により行うものであり、
該目標値を標準温度(Ts0)に設定したときに、空調機サーモオン条件が発生する場合には、
第一段階として、該目標値を標準温度(Ts0)より十分低い暫定目標温度(Ts1)に設定し、
最終的に、標準温度(Ts0)と暫定目標温度(Ts1)の間の温度であって、常時サーモオフ状態維持可能な最終目標温度(Ts2)に設定する、
ことを特徴とする外気冷房空調システムにおける外気取入量の制御方法。
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