次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。最初に、図1乃至図3を参照して、本発明に係るパーツフィーダの実施形態に搭載する搬送体である部品受容器の形状、構造について説明する。なお、以下の実施形態の説明においては、図示する部品受容器以外のパーツフィーダの構造については、図6に示すように、従来の回転振動機上に部品受容器が搭載された一般的な構造を採ることができるものとする。また、パーツフィーダを含む部品供給装置の構造についても上記と同様である。ここで、上記のような一般的に採ることのできる構造の説明は省略する。
本発明の実施形態に係る部品受容器61は、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属その他の材質により一体に設けることができる。ただし、必要に応じて、後述する部品搬送路63cに沿って設けられる部品選別領域に取り付けられる選別ブロック64やリニアフィーダ等の下流側の装置との接続部分に取り付けられる接続ブロック65(部品搬送路63cの出口63dを構成する。)などを別部材として形成し、部品受容器61(の外周縁)に着脱可能に取り付けることにより、状況に応じて適宜に交換可能としたり、複雑な構造部分を容易に形成できるようにしてもよい。
部品受容器61は、図6に示す回転振動機40と同様の回転振動機の振動盤上に固定される取付部61aと、この取付部61a上に設けられるボウル状の搬送部61bとを有する。取付部61aは、溝部などの取付構造を介して、図示しない取付具などを用いて回転振動機の上記振動盤に対して強固に密着固定される。回転振動機は、部品受容器61に対して、軸線61xを中心とする回転振動を付与する。この回転振動は、軸線61xを中心として所定の微小な角度範囲で往復振動する振動態様を呈する。この振動態様において、一方の回転の向きに回転する往路期間では、斜め上方へ向かうように軸線61xの上向きに移動する振動成分を有し、他方の回転の向きに回転する復路期間では、斜め下方へ戻るように軸線61xの下向きに移動する振動成分を有する。このような回転振動が部品受容器61に与えられることにより、部品受容器61の内部に配置される部品を、軸線61xを中心として、上記一方の回転の向きに移動させることができる。
搬送部61bは、その上方へ向いた容器内部において、軸線61xを中心とする円錐台状(円錐状の場合をも含む。以下同様。)の内面62aを備える内底部62と、この内底部62の外周側に設けられ、内底部62を周囲から取り巻くように形成された円周状の壁により構成され、軸線61xを中心とする逆円錐台状の内面63aを備える内周部63とを有する。ここで、通常、内周部63の外周縁の高さは、内底部62の頂部よりも高いが、特に限定されるものではない。内底部62は、一般に部品溜まり領域とされ、多数の部品を収容する部分である。内底部62の上記内面62aの水平面に対する傾斜角は、1〜10度の範囲内であることが好ましく、特に、3〜7度の範囲内であることが望ましい。また、内周部63の上記内面63aの水平面に対する傾斜角は、20〜80度の範囲内であることが好ましく、特に、30〜60度の範囲内であることが望ましい。一般的に、内底部62の内面62aの傾斜角は、内周部63の内面63aの傾斜角より小さいことが好ましい。このようにすると、内底部62においては、部品を大量に投入しても、回転振動により徐々に部品が外周部に移動するようにし、後述する外周縁溝部62hや部品案内溝の最外周にある溝部分に過剰な数の部品が集中することを抑制できる。一方、内周部63においては、後述する部品搬送路63b,63cが下流側へ向かうときの径の増大を抑制することで、軸線61xの周りの搬送路長の増加を抑制できるので、部品の搬送密度の低下を回避することができる。
本実施形態では、上記内底部62の外周部において、軸線61xの周りに渦巻状に形成された第1の部品案内溝62b、62c、62dが内面62a上に形成されている。本実施形態では、複数(図示例では3つ)の第1の部品案内溝62b、62c、62dが形成され、これらは相互に並行するように形成されている。すなわち、本実施形態では、円錐台状の内面62a上に複数条の渦巻状の第1の部品案内溝62b、62c、62dが相互に並行する態様で形成されている。
第1の部品案内溝62b、62c、62dは、図示例の場合、軸線61xの周りの全周にわたり、上方から見たときに内周側から外周側へ向けて反時計回りに渦巻状かつ下方へ進む螺旋状に形成される。本実施形態では、第1の部品案内溝62b,62c,62dは、それぞれ始端62bs,62cs,62dsから終端62bt,62ct,62dtまでが軸線61xの周りに所定の角度範囲(図示例では1周半)ずつとなるように形成されている。図示例では、複数の第1の部品案内溝が軸線61xの周りの回転対称位置に回転対称性を有する形状で形成されている。また、複数の第1の部品案内溝62b,62c,62dは、全体として、軸線周りの全周にわたり、複数の(図示例では少なくとも4つ)の溝部分が半径方向に隣接して配置されるように構成される。なお、第1の部品案内溝が軸線61xの周りに複数設けられることは、内底部62内の部品の偏りなどによる部品搬送路63b,63c上の部品の搬送密度の時間変動を抑制する効果を奏する。
また、内底部62の外周部においては、上方から見たときに上記第1の部品案内溝と同じ向きに軸線61xの周りに渦巻状かつ螺旋状に形成された第2の部品案内溝62e,62f,62gが形成されている。本実施形態では、複数(図示例では3つ)の第2の部品案内溝62e,62f,62gが形成されている。これらの第2の部品案内溝は、始端62es,62fs,62gsから終端62et,62ft,62gtまで、軸線61xの周りの所定の角度範囲(図示例では90度の範囲)において、第1の部品案内溝の内周側から外周側までの範囲にわたり形成されている。図示例では、複数の第2の部品案内溝が軸線61xの周りの回転対称位置に回転対称性を有する形状で形成されている。なお、第2の部品案内溝が軸線61xの周りに複数設けられることは、内底部62内の部品の偏りなどによる部品搬送路63b,63c上の部品の搬送密度の時間変動を抑制する効果を奏する。
第2の部品案内溝62e,62f,62gは、それぞれ、上記複数の第1の部品案内溝62b,62c,62dと交差するように形成されている。第1の部品案内溝と第2の部品案内溝との交差部62x、62y、62zでは、第2の部品案内溝62e,62f,62gの各々に対して、複数(3つ)の第1の部品案内溝62b、62c、62dがいずれも交差している。なお、部品受容器61については、図1(a)に示すIVa−IVa線に沿った断面形状が図4(a)に示され、また、図1(a)に示すIVb−IVb線に沿った断面形状が図4(b)に示される。
ここで、第1の部品案内溝62b,62c,62dは、いずれも、上記始端62bs,62cs,62dsから反時計回りに進み、複数の第2の部品案内溝62g,62f,62eと順次に交差した後に、複数の第2の部品案内溝62g,62f,62eの終端62gt,62ft,62et若しくはその終端に対して時計回りにある側に隣接する位置に終端62bt,62ct,62dtを有するように形成されている。なお、第2の部品案内溝62f,62gの終端62ft,62gtは、上記第1の部品案内溝62b,62c,62dのうちの最外周の部分と、内底部62と内周部63の境界線BR(図2の二点鎖線を参照)との間にある外周縁溝部62hに接続される。この外周縁溝部62hは、第2の部品案内溝62g,62fの終端62gt,62ftから始まり、その反時計回りの側にある第1の部品案内溝62d,62cの溝部分を経由して、軸線61xの周りに沿って境界線BRの内周側に断続的に設けられ、最終的に部品搬送路63bの登り口63s及びその手前の第2の部品案内溝62eの外周部に接続される終端62iを備える。
なお、上記部品搬送路63bは、図2にハッチングで示すように、正規の姿勢にある部品の幅よりも広い幅を有する平坦な搬送面63ba(ハッチング面)と、この搬送面の外周側に立設される外側面63bb(ハッチング面の外周側に隣接する急傾斜面)とからなる。この部品搬送路63bは、第1の部品案内溝62b,62c,62d及び第2の部品案内溝62e,62f,62gと平面視で同じ向き(下流側へ向けて反時計回り)の渦巻状に形成されている。ただし、部品搬送路63bは、下方へ向かう螺旋状の第1及び第2の部品案内溝62b,62c,62d,62e,62f,62gとは逆に、上方へ向かう螺旋状に形成されている。また、部品搬送路63bの下流側には、図2に破線で示すように、搬送面の幅が狭小化されたり凹溝構造とされたりした部品搬送路63cが設けられる。なお、上流側の部品搬送路63bと63cの区別や各搬送路の形成範囲などは特に図示例のものに限られない。いずれにしても、本実施形態では、部品搬送路63bにおいて、広幅の登り口63sから下流側へ進むに従って徐々に幅が狭小化される。これにより、部品搬送路63bを後述する正規の姿勢にある部品のみが通過し、徐々に他の異姿勢にある部品を落下させていくように構成された部品選別手段が設けられる。また、部品搬送路63cにも、異姿勢にある部品を検出して排除するための部品選別機構、上下に重なる部品を分離し、再度合流させて一列に配列させるための部品整列構造などの、部品選別手段が設けられる。ただし、本実施形態の部品搬送路63b,63cは、部品を正規の姿勢に整列させるための何らかの部品選別手段を有することにより、部品搬送路63b,63cの出口63dにおいて、或いは、当該出口63dに接続される他の搬送機に設けられた後続の搬送路の出口において、最終的に正規の姿勢で一列に整列された部品を供給できるものであれば、いかなる構成であってもよい。
上記回転振動機により、軸線61xの周りの上記回転振動が部品受容器61に与えられると、内底部62の内面62a上の部品は、上記第1の部品案内溝62b,62c,62dや上記第2の部品案内溝62f,62gの内部を進み、終端62bt,62ct,62dt,62ft,62gtからさらに上記境界線BRに沿って断続的に設けられた外周縁溝部62hや上記第1の部品案内溝62d,62cの最外周にある溝部分を進み、最終的に外周縁溝部62hの終端62iを介して、上記部品搬送路63bの登り口63sに導入される。また、上記内面62a上の部品は、上記第2の部品案内溝62eの内部を進むことにより、その終端62etから、直接に、上記部品搬送路63bの登り口63sに導入される。
ここで、内底部62における外周縁溝部62hや第1の部品案内溝の終端を経由して、部品搬送路63bの登り口63sに到達するまでの全ての部品経路は、基本的に下り勾配であるため、溝の延在方向に沿って部品が前進しやすいが、上記回転振動により部品が跳ね上がり、部品が溝底部から離れやすいから、部品の姿勢は変化しやすい。一方、部品搬送路63b,63cは上り勾配となるため、相対的に進行速度は低下するものの、部品は上記回転振動によっても搬送面から離れにくくなるから、部品の姿勢は変化しにくくなる。したがって、内底部62内において部品を正規の姿勢に揃えておけば、部品搬送路63b,63c上では姿勢の規制作用を与えなくても部品の正規の姿勢が維持されやすい。
内底部62の内面62aに形成された第1の部品案内溝62b,62c,62d及び第2の部品案内溝62e,62f,62gは、いずれも、後述する溝形状により、正規の姿勢で部品を搬送することができるように構成される。特に、第1の部品案内溝62b,62c,62dは、全ての部品を確実に正規の姿勢に規制した状態で案内することができる。これにより、部品搬送路63bの登り口63sには、上記正規の姿勢で多数の部品が導入される。部品搬送路63bは、登り口63sに近い上流部では、搬送方向及びこれと直交する幅方向(半径方向)のいずれに沿っても平坦な搬送面を備え、これによって、幅方向(半径方向)及び上下方向に複数の部品が重なる態様で、多数の部品がスムーズに搬送されていく。部品搬送路63b上を搬送方向に沿って渦巻状及び螺旋状に進むに従って、部品が外周側へ押し付けられることにより外周側搬送列の整列化が進行し、しかも、部品搬送路63bは徐々に幅が狭くなり、それによって幅方向や上下方向に重なり配置された余分な部品が振り落とされる。振り落とされた部品は上記境界線BRの内側の内底部62に落下する。内底部62に落下した部品は再び正規の姿勢に規制されて反時計回りに搬送され、上記登り口63sに導入される。
なお、部品搬送路63b,63cからの部品の内底部62への落下位置は、落下した部品が姿勢の規制作用を受けやすい場所(部品案内溝)或いは当該場所を通過した後に上記登り口63sに導入されるように構成されている。例えば、登り口63sに近い部品搬送路63bの上流部には、内周側に第1の部品案内溝62bが隣接している。また、第1の部品案内溝62bの終端62btの外周側に隣接する部品搬送路63bの箇所よりもさらに下流側の搬送路部分には、その内周側に外周縁溝部62hが隣接する。この外周縁溝部62hは、反時計回りに進むと、第1の部品案内溝62dに合流する。そのさらに下流側にある部品搬送路63bの搬送路部分でも、その内周側に隣接する外周縁溝部62hは、反時計回りに進むと、第1の部品案内溝62cに合流する。したがって、部品搬送路63bのいずれの箇所から内底部62に落下した部品でも、必ず正規の姿勢への規制作用を受けてから、最終的に外周縁溝部62hの終端62iを経て、再び登り口63sに導入されるようになっている。
上記交差部62x、62y、62zでは、図2(b)に示すように、軸線61xの周りの円の接線方向に対する第1の部品案内溝62b,62c,62dの延在方向Fb,Fc,Fdの傾斜角θ1は、相対的に小さい。これに対して、軸線61xの周りの円の接線方向に対する第2の部品案内溝62e,62f,62gの延在方向Fe,Ff,Fgの傾斜角θ2は、相対的に大きい。すなわち、θ1<θ2である。この傾斜角の相違により、上記第1の部品案内溝62b,62c,62d内では、相対的に部品の前進力が大きく、また、搬送されていく部品の姿勢安定性が高い。これに対して、上記第2の部品案内溝62e,62f,62g内では、相対的に部品の前進力は小さく、また、搬送されていく部品の姿勢安定性は低い。なお、前進力は、軸線61xを中心とする上記回転振動が上記部品受容器61に与えられることにより、軸線61xの周りの円の接線方向に生ずる。ただし、上記前進力を受けた部品の移動方向は、遠心力により、上記接線方向に対して僅かに外周側に傾斜した方向になると考えられる。
また、上記第1の部品案内溝62b,62c,62dに沿って搬送されていく場合の部品の案内距離は長いが、上記第2の部品案内溝62e,62f,62gに沿って搬送されていく場合の部品の案内距離は短い。これにより、内底部62においては、案内速度及び案内距離の異なる複数の部品案内溝を通過する経路が設けられることになる。これにより、内底部62内の部品の偏りによる登り口63sに対する部品の導入量の時間的変動を低減できる。なお、パーツフィーダへの部品の投入は一般にホッパーなどにより間欠的に行われることが多いため、部品投入時の変動を緩和するためにも、内底部62における部品導入量の時間的変動の抑制作用は重要である。また、第1の部品案内溝62b,62c,62dの案内距離が長いことは、一時的に大量の部品が投入された際に部品の分布を案内方向へ分散させることを可能にするため、過剰な部品投入量による部品姿勢の制御不能といった事態を回避する上でも重要である。
さらに、上記第1の部品案内溝62b,62c,62dでは、上記傾斜角θ1が小さいことにより、前進力が溝の延在方向に近い方向に作用するため、部品が溝内に保持される確率が高い。これに対して、上記第2の部品案内溝62e,62f,62gでは、上記傾斜角θ2が大きいことにより、前進力が溝の延在方向とは異なる向きに生ずるため、部品が溝内に保持される確率が低い。したがって、上記交差部62x,62y,62zの反時計回りの側にある上記第1の部品案内溝62b,62c,62dの下流側部分に部品が存在しない場合、上記第2の部品案内溝62e,62f,62g上にある部品は、上記交差部62x,62y,62zに導入されたときに、当該交差部62x,62y,62zの下流側の上記第1の部品案内溝62b,62c,62d(すなわち、上記前進力の向きにより近い方向)に向けて進むことがあり、これにより、上記第1の部品案内溝62b,62c,62d内の部品が増加し得るように構成されている。その結果、案内距離が短いために部品の収容可能な数が小さい第2の部品案内溝から案内距離が長いために部品の収容可能な数が大きい第1の部品案内溝に部品が効率的に移行するように構成されているため、部品の収容可能な数が小さい第2の部品案内溝への部品の集中を緩和でき、結果として、部品が正規の姿勢で確実に部品搬送路63bに導入されるように構成できる。
ただし、上記とは逆に、上記交差部62x,62y,62zの反時計回りの側にある上記第2の部品案内溝62e,62f,62gの下流側部分に部品が存在しない場合、上記第1の部品案内溝62b,62c,62d上にある部品は、上記交差部62x,62y,62zに導入されたときに、当該交差部62x,62y,62zの下流側の上記第2の部品案内溝62e,62f,62g(すなわち、外周側)に向けて進むこともあり得る。
特に、第2の部品案内溝62e,62f,62gでは、上記交差部62x,62y,62zにおいても、図2(a)及び図5(c)に示すように、外周側の溝側部62sは段差状に構成され、この段差状の溝側部62sが連続して溝の延在方向に向けて延びている。一方、内周側では、溝底部62tがそのまま非溝形成領域62kの内面62aに向けて側方へ向けて上側に傾斜する面で構成されることにより、内周側の溝側部には段差が生じないように形成されている。これにより、交差部62x,62y,62zにおける第1の部品案内溝62b,62c,62dと第2の部品案内溝62e,62f,62gのそれぞれの部品の通過動作や、両部品案内溝間の部品の移行動作(とりわけ、第2の部品案内溝から第1の部品案内溝への移行動作)がスムーズに行われ得る。なお、上記非溝形成領域62kとは、内底部62の内面62aのうち、上記第1の部品案内溝62b,62c,62d及び第2の部品案内溝62e,62f,62g並びに外周縁溝部62hが形成されている部分以外の内面領域を言う。
第2の部品案内溝62e,62f,62g内を進む部品は、上記交差部62x,62y,62zにおいても、上記の外周側の段差状の溝側部62s(図2(a)参照)が溝の延在方向に連続して形成されていることにより、当該段差状の溝側部62sに沿って短い案内距離で上記外周縁溝部62hや登り口63sに到達することができる場合がある。この場合には、案内距離の長い第1の部品案内溝62b,62c,62dに沿って移動する部品の案内量の時間的変動(第1の部品案内溝62b,62c,62d内における溝の延在方向に沿った部品の空間的変動と対応する)とは異なる周期やタイミングで第2の部品案内溝62e,62f,62g内における部品の案内量の変動が生ずるため、部品搬送路63bに対する部品の導入量の時間的変動を抑制できる。なお、この時間的変動の抑制作用は、前述のように第1の部品案内溝と第2の部品案内溝がそれぞれ複数設けられることによっても生じ、また、相互に異なる態様の第1の部品案内溝と第2の部品案内溝とが設けられることによっても生じ、さらに、第1の部品案内溝と第2の部品案内溝との間に部品が移行可能な交差部が設けられることによっても生ずる。
また、本実施形態では、第1の部品案内溝62b,62dの終端62bt、62dtから導出された部品は、第2の部品案内溝62g,62fの外周部を介して、それらの終端62gt,62ftから上記外周縁溝部62hに到達し、前述の経路を経て、最終的に登り口63sに導入される。また、第2の部品案内溝62f,62gのみを通して移動する部品も、外周縁溝部62hに到達して、前述の経路を経て、最終的に登り口63sに導入される。ただし、第2の部品案内溝62eの終端62etはそのまま登り口63sに接続される。また、上記外周縁溝部62hの終端62iは、第2の部品案内溝62eの終端62etの溝底部よりも一段高い溝底部を有し、登り口63sの直前位置で、外周側から第2の部品案内溝62eの終端62etに合流する。ここで、部品搬送路63bの登り口63sには、上記第2の部品案内溝62eに沿って直接に内周側から導入される部品と、外周縁溝部62hの終端62iを通過して、外周側から導入される部品とが、相互に幅方向の内外に重なり、状況によっては上記溝底部の高さの差により上下方向にも重なる態様で供給される。これにより、それぞれの部品案内溝を通過してくることによって正規の姿勢とされた部品が、その姿勢をほとんど変えることなしに、部品搬送路63bの幅方向及び上下方向に重なり配置される態様で登り口63sに導入される。ただし、第1の部品案内溝62cの終端62ctから導出される部品の一部は、上述の外周縁溝部62hだけでなく、第2の部品案内溝62eの外周部にも導入され得る。
本実施形態において、上記部品受容器61によって搬送される部品Pは、図5(a)に示すように、全体形状が直方体状に構成される。図示例の部品Pは、SMD(表面実装部品)の角型チップ部品である。ここで、部品Pは図5の左右方向に延長された形状を有する。部品Pの当該延長された方向Eの長さPLは、上記延長された方向と直交する方向の幅PW及び厚みPTのいずれよりも大きい。図示例の場合、PL>PW>PTとなっている。このとき、厚みPTの値が最も小さく、長さPL及び幅PWのいずれの値に対しても半分以下となっているため、内底部62の内面62a上の部品Pの姿勢は、上記延長された方向Eの向きを考慮しない場合において、実質的には、図示例の姿勢と、この姿勢に対して表裏反転した姿勢のいずれかとなる。本実施形態では、部品Pの正規の姿勢は、上記延長された方向Eを部品搬送路63bの搬送方向と一致させる姿勢であり、上記延長された方向Eの正逆の2つの向きを考慮した場合には、表裏が反転した合計で4通りの姿勢を含む。なお、部品Pの搬送姿勢の数は全部で12通りあるが、厚みPTが小さいことから、図示の表裏のいずれかの外面を搬送面や溝底部に対向させた姿勢のみを採ると考える場合、実質的には、合計で8通りの姿勢を採り得る。
内底部62においては、上記部品Pが、上記第1の部品案内溝62b,62c,62d及び第2の部品案内溝62e,62f,62gが形成される案内溝形成領域よりも内周側から、軸線61xの周りの全周にわたる上記案内溝形成領域を通過して、直接に、或いは、上記境界線BRの内側に沿った外周縁溝部62hや第1の部品案内溝62d,62cの最外周の溝部分を介して、最終的に部品搬送路63bの登り口63sに導入される。一方、上記部品Pは、上記非溝形成領域62kのみを通過して、上記第1の部品案内溝62b,62c,62d及び第2の部品案内溝62e,62f,62gの形成領域よりも内周側から部品搬送路63bの登り口63sに到達することはできないように構成されている。すなわち、内底部62の外周部に設けられた上記第1の部品案内溝62b,62c,62d及び第2の部品案内溝62e,62f,62gの形成領域には、上記部品Pが通過することのできる非溝形成領域62kは存在しない。より具体的には、上記第1の部品案内溝62b,62c,62d及び第2の部品案内溝62e,62f,62gの間に部品Pが実質的に通過可能な上記幅PW以上の間隙領域は存在しない。また、厳密には各部品案内溝の間の間隙は上記厚みPTより大きい場合もありうるが、当該間隙は第1の部品案内溝の何周にもわたる範囲に長く形成されているため、実質的に部品Pが第1の部品案内溝内に落下せずに通過することは不可能である。しかも、本実施形態では、上述のように第1の部品案内溝と第2の部品案内溝が交差することにより、上記間隙そのものが内底部62の内周側より外周縁溝部62hや登り口63sに至る範囲まで連続していない。これにより、上記第1の部品案内溝62b,62c,62d及び第2の部品案内溝62e,62f,62gの姿勢規制作用を受けていない部品Pが部品搬送路63b上に導入されることを回避できる。
次に、上記部品Pを正規の姿勢とするための第1の部品案内溝62b,62c,62dの溝構造について説明する。図5(b)に示すように、第1の部品案内溝62b,62c,62dは、部品Pの上記延長された方向Eの長さPLより狭く、部品Pの幅PWより広い幅を備える溝底部62pと、この溝底部62pの幅方向の両側に設けられた溝側部62q,62rを備える(図中の第1の部品案内溝62dに付した符号を参照)。溝底部62pは、図5(a)に示す正規の姿勢にある部品Pの底面と対応する面形状を備え、図示例では平坦面となっている。また、図示例では、溝底部62pは水平面となるように形成されている。さらに、溝底部62pの外周側(下側)と内周側(上側)の溝側部62qと62rを構成する内側面は、溝底部62pに対して傾斜し、斜め上方へ向いた傾斜面となっている。ここで、溝底部62pと溝側部62q、62rとの面境界は、連続しておらず、境界線が明確に認識できる屈折した不連続の面境界を備えている。図示例では、溝側部62q,62rの内側面は、水平面に対して40〜50度程度に傾斜した傾斜面である。なお、上記内側面は平坦な傾斜面であることが望ましい。
上記の構成により、一旦、正規の姿勢で第1の部品案内溝62b,62c,62dの内部に配置された部品P1(図中の左側の第1の部品案内溝62b及び第1の部品案内溝62cに付した符号を参照)の外面とこれに対向する溝底部62pとの接触面積が広くなるとともに、溝底部62pと溝側部62q,62rとの境界が面の屈折により形成された稜線状の不連続な面境界となっているため、部品Pが溝側部62q,62rに乗り上げにくいことから、正規の姿勢にある上記部品P1の姿勢安定性は高められる。一方、正規の姿勢ではない他の異姿勢にある部品P2(図中の左側の第1の部品案内溝62bに付した符号を参照。)は、上記延長された方向Eが幅方向を向いているため、溝底部62pから離反した姿勢となる。すなわち、部品Pの上記延長された方向Eの端部若しくはその近傍が溝側部62q、62rの傾斜面上若しくは溝外の内面62a上に乗り上げ、部品Pの外面が溝底部62pから離反した状態となるから、この部品Pの姿勢は極めて不安定である。したがって、部品P2の姿勢は長続きせず、上記回転振動によって上記正規の姿勢に容易に変化する。なお、溝側部62q,62rが傾斜面となっていることにより、他の異姿勢にある部品が正規の姿勢に変化しやすくなるとともに、非溝形成領域62k上などに配置されている外部の部品がスムーズに部品案内溝内に入り込むことができるようになる。
また、上記特許文献1又は3に記載された内底部上の溝は、溝の内面全体が凹曲面状に形成されていたり、溝底部から溝側部(特に外周側の溝側部)に至る輪郭が連続する曲面により構成されていたりするので、部品Pの角部が溝の内面と点接触若しくは線接触した状態となり、接触点の位置も変わりやすいため、上記回転振動を受けたときの部品Pの姿勢が安定しない。したがって、このような溝を設けると、部品Pの姿勢は変化しやすくなる。また、図6に示す従来の部品受容器41では、内底部42上にいわゆる「誘い込み溝」と呼ばれる溝42bが形成されている。しかし、このような溝42bは部品Pを内周側から外周側へ移動させるだけであり、部品搬送路43bの登り口に導入される部品Pの姿勢はばらばらである。
本実施形態の上記構造の第1の部品案内溝62b,62c,62dによれば、溝内に一部が入った部品Pは全て上記の正規の姿勢となる。具体的には、他の異姿勢で溝内に一部が入った部品Pは上記回転振動により短時間に正規の姿勢に変換される。また、一旦、正規の姿勢で第1の部品案内溝62b,62c,62d内に収容された部品Pは、上記回転振動を受けても溝外に飛び出したり、他の異姿勢になったりすることはほとんどない。したがって、多くの部品は正規の姿勢のままで溝の延在方向に沿って下流側(外周側)へ移動していく。なお、部品受容器61への部品の供給量の変動を或る程度抑制すれば、部品搬送路63bの登り口63sに導入される全ての部品Pが正規の姿勢となるように構成することができる。
また、第2の部品案内溝62e,62f,62gの溝構造は、図5(c)に示すように、軸線61xとは反対側(すなわち外周側)の溝側部62sが段差状に構成される。また、溝底部62tが上記溝側部62sの側(外周側)からその反対側(内周側)へ向けて徐々に非溝形成領域62kの内面62a上に近づくように側方に向けて上側へ傾斜し、やがて非溝形成領域62kの内面62aに対してわずかな面角度の差で構成される稜線状の境界が軸線61xの側(内周側)の溝側部に形成される。すなわち、第2の部品案内溝62e,62f,62gにおいて、外周側の溝側部62sには段差が設けられる一方で、内周側の溝側部には面境界の稜線のみがあり、段差が設けられない構造となっている。なお、第2の部品案内溝62e,62f,62gにおいて、外周側の溝側部62sと溝底部62tとの間には、前述の第1の部品案内溝と同様に、屈折することによって稜線状に構成された不連続な面境界が設けられている。これにより、部品Pが溝側部62sに当接し得る状態では、その搬送姿勢を安定させることができる。
上記構造を有する第2の部品案内溝62e,62f,62gでは、上述のように、上記溝側部62sの段差が溝の全長にわたって連続して設けられている場合には、その段差量は、第2の部品案内溝の内周部や第1の部品案内溝62b,62c,62dとの交差部62x,62y,62zにおいて低く、当該交差部62x,62y,62zの間の第1の部品案内溝間の間隙部分や第2の部品案内溝の外周部では深くなるように構成される。ただし、上記の場合とは異なり、上記交差部62x,62y,62z内では上記溝側部62sの段差がなくなるように構成されていてもよい。いずれの場合であっても、第2の部品案内溝62e,62f,62gでも、部品は、溝の延在方向に上記延長された方向Eを向けた正規の姿勢に規制され得る。ただし、第2の部品案内溝62e,62f,62gの溝構造は、前述のように、内周側の溝側部に段差が設けられないため、溝幅が部品Pの上記延長された方向Eの長さPLに近いほどに大きくなる内周部や外周部では、部品Pの姿勢に対する規制作用が低下したり、多数の部品Pが第2の部品案内溝内に流入した場合などにおいて、溝内で複数の部品Pが接触しあうことにより部品Pの姿勢が乱されたりすることが生じうる。なお、第1の部品案内溝62b,62c,62dの始端62bs,62cs,62ds又は終端62bt,62ct,62dtの近傍、並びに、外周縁溝部62hの主要部分は、第2の部品案内溝62e,62f,62gの上記断面と同様の断面構造を有するように構成することができる。
上記のように構成された部品受容器61を回転振動機上に搭載して固定し、上記回転振動を与えることにより、本実施形態のパーツフィーダでは、内底部62の内面62a上に投入された多数の部品Pは、第1の部品案内溝62b,62c,62d及び第2の部品案内溝62e,62f,62gによって溝の延在方向に沿って正規の姿勢に規制されつつ、外周側の外周縁溝部62hや第1の部品案内溝62d,62cの最外周の溝部分、或いは、第2の部品案内溝62eの外周部に到達し、正規の姿勢で最終的に部品搬送路63bの登り口63sに導入される。このとき、登り口63sに導入される部品Pはほとんど全てが正規の姿勢とされるため、多数の部品Pが正規の姿勢で幅方向や上下方向に重なった状態で、部品搬送路63b上を搬送されていく。
部品搬送路63b上では、上記回転振動を受けながら搬送されていく過程で、最も外周側に配置される部品の外周側搬送列では、部品間に搬送方向の間隙が生ずると、その間隙に幅方向や上下方向に重なっていた部品が内周側若しくは上方側から入り込む態様で整列化が進行していく。また、部品搬送路63bの幅は下流側へ向けて徐々に狭小化されていくため、搬送面からの部品の落下により、上記外周側搬送列以外の余分な部品搬送路63b上の部品Pの数は徐々に減少していく。このとき、上述のようにほとんど全ての部品Pが正規の姿勢で部品搬送路63b上に導入されているため、上記の外周側搬送列において整列化が進んでいく過程でも、前述のように部品搬送路上では部品の姿勢変化は生じにくいため、残された上記外周側搬送列内の部品Pのほとんどは正規の姿勢のままである。すなわち、上記回転振動下で部品の外周側搬送列中への部品の挿入が生じ、しかも、部品搬送路63cの搬送路の構造(例えば、局所的に搬送面の幅や狭小化されたり、搬送面に段差が設けられたりする構造)によって幅方向や上下方向の部品Pの重なりが解消されていっても、残りの部品Pの整列状態の搬送列中にはほとんど正規の姿勢のものだけが残り、他の異姿勢の部品Pはほとんど存在しない。したがって、部品搬送路63c上やその下流側のリニアフィーダ等の後続の搬送路上において設けられた、他の異姿勢の部品を排除する選別領域を通過しても、部品Pの整列状態の搬送列中には空隙が生じにくくなるから、部品Pの高い搬送密度を維持することが可能となり、搬送速度を向上させることができる。
なお、実際には、上記外周側搬送列に対して内周側や上方に重なる態様で配置されている余分な部品Pは、上記外周側搬送列中の部品Pに比べて搬送面や搬送側面に対する接触量が少ないために姿勢安定性が低い。したがって、この余分な部品Pが搬送途中で長い間温存されていると、何らかの理由により正規の姿勢が他の異姿勢に変化し、部品搬送路の下流側において上記外周側搬送列中に導入されてしまう虞があり、このようになると、本実施形態の効果は著しく阻害される。このようなことを回避するために、部品搬送路63b,63cは上流側から部品整列手段を従前どおり具備する必要がある。
従来においては、部品の整列作用はあくまでも部品搬送路43b、43cが果たすものであり、内底部42に形成する誘い込み溝42bは、部品搬送路43bの登り口に対して多数の部品を山積み状態となるように供給すれば足りるという考え方で、従来の部品受容器41は設計されていた。しかし、本実施形態では、内底部62上で部品Pを正規の姿勢とし、部品搬送路63bの登り口63sに対して多数の部品Pをほとんどが正規の姿勢となる態様で山積み状態となるように供給することにより、最終的に部品搬送路63b,63cを通過することにより整列状態にされたときの部品の搬送密度を従来よりも高めることが可能となった。これによって、供給途中で排除される部品の数そのものを減らすことにより、部品の供給速度を向上させることができるようになった。本実施形態においては、部品の供給速度を従来の1.5倍程度にすることも可能である。
なお、図5(a)に示される正規の姿勢を採る部品Pだけを最終的に供給したい場合には、これと表裏が逆転したもう一つの正規の姿勢を採る部品Pを排除するのではなく、姿勢を変更することが好ましい。すなわち、パーツフィーダの場合には部品搬送路63b,63c上において、部品供給装置の場合には部品搬送路63b,63cやリニアフィーダ等の他の搬送機の後続する搬送路上において、公知の姿勢の反転機構などにより、上記もう一つの正規の姿勢にある部品を図示の正規の姿勢に変換して供給すればよい。このようにすると、最終的な搬送密度の低下をさらに抑制できる。
本実施形態では、部品搬送路63bの登り口63sに対して、第2の部品案内溝62eを通して供給される部品Pが内周側の低位置から導入され、第1の部品案内溝62cの終端62ctや外周縁溝部62hから供給される部品Pが終端62iに設けられた外周側の高位置から導入される。このとき、内周側(低位置側)から導入される部品Pと外周側(高位置側)から導入される部品Pはいずれも正規の姿勢となるように規制されている。このようにすると、内周側(低位置側)と外周側(高位置側)でそれぞれ正規の姿勢に規制された部品Pが登り口63sに導入されるため、一列に部品Pを導入しながら導入方向に押し込む場合に比べて、導入時の部品Pの姿勢変更が生じにくくなるとともに、部品搬送路63bの幅方向及び上下方向に多数の部品Pを重ねて導入することができるため、部品搬送路63b上の上流部の部品の搬送密度を高めることができる。したがって、部品搬送路63b上では、下流側において搬送密度の低下が生じたりすることに備えて、上流部の部品Pの搬送密度を余分に高めておくことができる。
なお、図示例では、二つの部品経路を登り口63sで合流させているが、三つ以上の部品経路を合流させてもよい。また、同一高さの内周側と外周側の部品経路の合流により、幅方向に重なりを有する態様で、多数の部品を登り口63sに導入したり、或いは、暗渠構造などを設けることにより、溝底部同士が垂直方向の上下に位置する関係にある複数の部品経路を構成し、これらの部品経路の合流により、上下方向に重なりを有する態様で、多数の部品を登り口63sに導入するようにしてもよい。
本実施形態では、第1の部品案内溝62b,62c,62dと第2の部品案内溝62e,62f,62gがそれぞれ軸線61xの周りの相互に異なる位置(方位や角度の始端から終端までの範囲)において複数設けられることにより、或いは、相互に異なる構造(リード角や形成範囲)を有する第1の部品案内溝62b,62c,62dと第2の部品案内溝62e,62f,62gを設けることにより、さらには、相互に交差する第1の部品案内溝62b,62c,62dと第2の部品案内溝62e,62f,62gを設け、交差部62x,62y,62zにおいて、状況に応じて同一の部品案内溝を通過したり異なる部品案内溝に移行したりすることが可能に構成されていることにより、上記の搬送密度の向上効果に加えて、内底部62の内面62a上の部品のばらつきなどに起因する部品搬送路63bに対する部品導入量の時間的変動を抑制することができる。特に、第1の部品案内溝62b,62c,62dと第2の部品案内溝62e,62f,62gは、相互に、案内距離、案内速度、案内方向、溝構造などの相違を有することにより、さらに、上記時間的変動の抑制作用を高めることができる。
また、本実施形態では、部品搬送路63bの登り口63sに対して手前に隣接する位置において、それぞれ部品が正規の姿勢とした状態で供給される複数の部品経路が合流するように構成されていることにより、部品搬送路63bの登り口63sへの導入時において部品の姿勢を変えずに、部品の姿勢を維持したままで、多くの部品を相互に重なり合った態様で部品搬送路63b上に供給することができる。すなわち、部品案内溝によって規制された部品の正規の姿勢を乱すことなく、部品搬送路63b上に多数の部品を供給できる。
さらに、本実施形態では、第1及び第2の部品案内溝において、正規の姿勢の部品の外面と面接触し得る面形状を有する溝底部62p,62tと、その少なくとも一方(外周側)の溝側部62q、62r,62sとの間に非連続の面境界を有することにより、特に、溝底部と外周側の溝側部との間を連続した面構成とした場合に生ずる部品の溝底部からの離反状態に起因する姿勢安定性の低下を回避でき、正規の姿勢にある部品の姿勢安定性を高めることができるため、部品を正規の姿勢に確実に規制して部品搬送路63bに導入することが可能になる。
また、本実施形態では、内底部62の外周部には、内底部62の内周部と、内底部62と内周部63との境界線BRに沿った外周縁溝部62hとの間に、第1及び第2の部品案内溝が形成されてなる案内溝形成領域が設けられる。この案内溝形成領域では、部品Pの通過可能な非溝形成領域62kが存在しないように第1及び第2の部品案内溝が形成されている。これにより、部品Pは第1及び第2の部品案内溝により正規の姿勢に規制されなければ外周縁溝部62hや登り口63sに到達せず、その結果、部品搬送路63bにも導入されない。したがって、部品搬送路63bには、第1及び第2の部品案内溝により正規の姿勢への規制作用を受けた部品Pのみが導入されるため、上記の部品搬送路63cの下流部における部品Pの搬送密度の低下をさらに抑制することができ、部品Pの供給速度の向上効果をさらに高めることができる。
尚、本発明のパーツフィーダの部品受容器及びパーツフィーダは、上記実施形態の構成に限らず、本発明の技術思想の範囲内であれば、種々の変更を行うことができることはもちろんである。