JP6241848B2 - 薄膜トランジスタの構造、薄膜トランジスタの製造方法および半導体装置 - Google Patents

薄膜トランジスタの構造、薄膜トランジスタの製造方法および半導体装置 Download PDF

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Description

本願発明は、薄膜トランジスタの構造、薄膜トランジスタの製造方法および半導体装置に関するものである。
薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor(TFT))は、アクティブマトリクス駆動方式を採用する液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence(EL))ディスプレイのスイッチング素子として数多く利用されている。
TFTとしては、半導体層(チャネル層)にアモルファスシリコンやポリシリコンを用いたものが知られている。近年では、種々の特性向上を図るため、半導体層にIn(インジウム)−Zn(亜鉛)−O系の金属酸化物やIn−Ga(ガリウム)−Zn−O系の金属酸化物を用いたTFTが検討されている。
このような薄膜トランジスタはn型伝導であり、アモルファスシリコンやポリシリコンよりも高いチャネル移動度を示すことから、高精細なディスプレイや大画面のディスプレイのスイッチング素子として好適に用いることができる。また、金属酸化物を形成材料とする半導体層には、原理上p型伝導を示さないためにoff電流が極めて小さくなることから、薄膜トランジスタを用いると消費電力を低減できるという利点を有する。
薄膜トランジスタをフラットパネルディスプレイのスイッチング素子として用いる場合には、例えばガラスのような透明基板を用いることが必要となる。しかしながら、透明基板上に形成したボトムゲート型のTFTの場合、ガラス基板/ゲート絶縁膜/金属酸化物半導体層の積層部分において、ゲート絶縁膜として例えばSiOを用いた場合には、ガラスの構成元素、例えばカルシウム(Ca)、ホウ素(B)、リン(P)等がゲート絶縁膜を通り抜け、半導体層にまで拡散してしまい、薄膜トランジスタの電流・電圧特性を劣化させてしまう欠点があった。絶縁膜としてはSiOよりもSiNxの方が不純物の拡散防止性が高いことが知られているが、SiNxにはキャリアのトラッピングのような問題がある。
また拡散防止性を高めるには、ゲート絶縁膜を厚くすることも有効であるが、厚くすれば半導体層にかかる電界も小さくなってしまうため、ゲート絶縁膜の誘電率は高い方が望ましく、特に誘電率の高い材料の膜はHigh−k膜として近年盛んに応用されている。
そのため、不純物の拡散防止性が高く、その結果薄膜トランジスタの特性劣化が抑制され、かつ誘電率が高いゲート絶縁膜が求められていた。SiO、SiNx、SiON以外、特に金属酸化膜によるゲート絶縁層の従来例としては以下のようなものが開示されていれる。
特許文献1には、II族酸化物半導体層を成長させた後、その上に窒素をドープして酸素リッチな条件により抵抗率を10Ωcm以上に高抵抗化したII族酸化物絶縁層を、半導体層と単一の装置で成長することが開示されている。
特許文献2には、積層型の半導体装置において、Hf、Zr、Al、Ti、およびTaの少なくとも1つの酸化膜、金属シリケート膜、またはこれらのいずれかに、窒素および炭素の少なくとも1つを添加したゲート絶縁膜を、層の側面に作製した薄膜トランジスタに用いた例が開示されている。
特許文献3には、半導体基板を用いた相補型の電界効果型トランジスタにおいて、ゲート絶縁膜としてHigh−k膜を適用すると閾値電圧が高くなるという問題を解決するため、第1ゲート絶縁膜としてHfAlTiON膜を、第2ゲート絶縁膜としてHfLaON膜を用いることが記載されている。
さらに、非特許文献1にはHfON膜を室温で作製し、有機トランジスタのゲート絶縁膜へ応用した結果が報告されている。
しかしながら、これらの文献は、上記ガラス基板上に薄膜トランジスタを作製する際の問題点に関連した、基板からの半導体層への不純物の拡散防止に関して何ら言及したものではない。
特開2013―102093号公報 特開2013―161877号公報 特開2011―249402号公報
Min Liao、Hiroshi Ishiwara、Shun−ichiro Ohmi、Japanese Journal ofApplied Physics、Vol.51、04DK01 (2012)
本願発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、基板からの半導体層への不純物の拡散防止性に優れ、それによる特性劣化が抑制された薄膜トランジスタを提供することを目的とする。また、この薄膜トランジスタの製造方法を提供することをあわせて目的とする。
上記の課題を解決するため、本願発明の一態様に係る薄膜トランジスタは、ソース電極およびドレイン電極と、ソース電極およびドレイン電極に接して設けられた半導体層と、ソース電極およびドレイン電極の間のチャネルに対応させて設けられたゲート電極と、ゲート電極と半導体層との間に設けられた絶縁体層とを備え、絶縁体層の形成材料が、Hfおよび希土類元素を含む金属酸窒化物である。
本願発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいては、基板と、基板上のゲート電極とゲート電極上の絶縁体層と、絶縁体上の半導体層と、半導体層上に設けられたソース電極およびドレイン電極と、を備え、ソース電極およびドレイン電極の間の半導体層がチャネルを形成し、ゲート電極はチャネルに対応させて設けられ、絶縁体層の形成材料が、Hfおよび希土類元素を含む金属酸窒化物である。
本願発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいては、上記希土類元素がランタン(La)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、ジスプロジウム(Dy)、エルビウム(Er)、およびイッテルビウム(Yb)から選択された少なくとも1つの元素であるとしてもよい。
本願発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいては、絶縁体層の比誘電率が12以上であるとしてもよい。
本願発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいては、絶縁体層と半導体層との間に窒素を含まない第2の絶縁体層を設けるとしてもよい。
本願発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいては、第2の絶縁体層の厚さが2〜50nmであるとしてもよい。
本願発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいては、基板が透明基板であるとしてもよい。
本願発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいては、透明基板がガラスであるとしてもよい。
本願発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいては、 半導体層がIn、Ga、Zn、Sn、Zr、Si、Ti、W、Ta、Hf、Sc、Y、La、Pr、Nd、Gd、それ以外の希土類元素、Al、B、Cからなる群から選択された少なくとも1つの元素を含む酸化物半導体であるとしてもよい。
本願発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいては、Hfおよび希土類元素を含む金属酸窒化物からなる絶縁体層を作製する工程を有し、作製する工程は、MOCVD法、プラズマCVD法、ALD(Atomic Layer Deposition)法の少なくとも1つの方法を用い、Hfを含む有機金属ガスおよび希土類元素の1つを含む有機金属ガスを原料ガスに用い、NH、HおよびNの少なくとも1つをプロセスガスに用いる、薄膜トランジスタの製造方法である。
本願発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいては、希土類元素がLaであるとしてもよい。
本願発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいては、Hfを含む有機金属ガスがテトラキシジメチルアミドハフニウム(Hf(NMe))であり、Laを含む有機金属ガスがトリス(エチルシクロペンタジエニル)ランタン(La(EtCp))であるとしてもよい。
本願発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいては、絶縁体層を形成する工程を、500℃以下で行うとしてもよい。
本願発明の一態様に係る半導体装置は、基板と、基板に設けられた上記の薄膜トランジスタを有する。
本願発明の態様によれば、Hfおよび希土類元素、特にLaを含む金属酸窒化物をゲート絶縁膜に用いることにより、特性変化が抑制された薄膜トランジスタを提供することができる。また、Hfおよび希土類元素、特にLaを含む金属酸窒化物をゲート絶縁膜に用いることにより、特性変化が抑制された薄膜トランジスタの製造方法を提供することができる。
第1の実施形態に係る薄膜トランジスタおよび半導体装置の概略断面図である。 第2の実施形態に係る薄膜トランジスタおよび半導体装置の概略断面図である。 SiO膜またはHfLaON膜をゲート絶縁膜とした場合の、SIMSによる半導体層中に含まれるBの濃度分布の測定結果である。 SiO膜またはHfLaON膜をゲート絶縁膜とした場合の薄膜トランジスタのId−Vd特性の評価結果を示すグラフである。
以下、図1を参照しながら、本願発明の実施形態に係る薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタの製造方法および半導体装置について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは、実際の製品とは適宜異ならせて示している。図1に示すように、本実施形態の半導体装置100は、基板20と、基板20上に形成された本実施形態の薄膜トランジスタ10とを備えている。半導体装置100は、その他に薄膜トランジスタ10と電気的に接続する不図示の配線や素子を有していてもよい。
(薄膜トランジスタの構造)
基板20としては、公知の形成材料で形成されたものを用いることができ、光透過性を有するもの及び光透過性を有しないもののいずれも用いることができる。例えば、ケイ酸アルカリ系ガラス、石英ガラス、窒化ケイ素などを形成材料とする無機基板;シリコン基板;表面が絶縁処理された金属基板;アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)などのポリエステル樹脂などを形成材料とする樹脂基板;紙性の基板などの種々のものを用いることができる。また、これらの材料を複数組み合わせた複合材料を形成材料とする基板であっても構わない。
基板20の厚さは、設計に応じて適宜設定することができる。
図1の薄膜トランジスタ10は、いわゆるボトムゲート型のトランジスタである。薄膜トランジスタ10は、基板20上に設けられたゲート電極30と、ゲート電極30を覆って設けられた絶縁体層40、あるいは第1の絶縁体層41と第2の絶縁体層42の積層と、絶縁体層の上面に設けられた半導体層50と、半導体層50の上面において半導体層50に接して設けられたソース電極60およびドレイン電極70、および層間絶縁膜80を有している。ゲート電極30は、半導体層5のチャネル領域に対応させて(チャネル領域と平面的に重なる位置に)設けられている。
ゲート電極30、ソース電極60、ドレイン電極70としては、通常知られた材料で形成されたものを用いることができる。これらの電極の形成材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)などの金属材料やこれらの合金;インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide、ITO)、酸化亜鉛(ZnO)などの導電性酸化物を挙げることができる。また、これらの電極は、2層以上の積層構造を有してもよく、この積層構造は、例えば表面を金属材料でめっきすることにより形成されてもよい。
ゲート電極30、ソース電極60、ドレイン電極70は、同じ形成材料で形成されたものであってもよく、異なる形成材料で形成されたものであってもよい。製造が容易となることから、ソース電極60とドレイン電極70とは同じ形成材料であることが好ましい。
絶縁体層40は、実施例で詳細に述べるように、MOCVD法、プラズマCVD法、あるいはALD法により作製される。ここでハフニウム(Hf)に加えて希土類元素をも含ませることによって比誘電率を高めることができ(典型的には12以上)、その結果、膜厚を薄くする必要がないため、ゲートリーク電流を減らすことができる。
半導体層50は、金属酸化物から構成されていても良く、好ましくは酸素欠損が導入されることで電子キャリアを生成できる第1酸化物と、酸素との結合解離エネルギーが第1酸化物の酸素の解離エネルギーよりも200kJ/mol以上大きい第2酸化物とを含む。第1酸化物は、好ましくは、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、および錫(Sn)からなる群から選択された少なくとも1つを含む金属酸化物であり、第2酸化物は、好ましくはジルコニウム(Zr)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、ハフニウム(Hf)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、ガドリ二ウム(Gd)、それ以外の希土類元素、アルミニウム(Al)、ボロン(B)および炭素(C)からなる群から選択された少なくとも1つを含む酸化物である。
好ましくは、第1酸化物の元素がInである場合、第2酸化物の元素は、Zr、Pr、Si、Ti、W、Ta、La、Hf、B、Cからなる群から選択された少なくとも1つであり、第1酸化物の元素がSnである場合、第2酸化物の元素は、Sc、Ti、W、Nd、Gdからなる群から選択された少なくとも1つの元素である。
それぞれの添加量は目的に応じて適宜、定めることができる。なお、当然のことであるが、本願発明の作用効果に甚だしい悪影響が出ない限り、半導体層には上記以外の成分や不可避の不純物が含まれていてもよい。また半導体層としては上記金属酸化物に制限されることはなく、例えばSi、SiGe等のIV族半導体、GaAs、InP、GaN等のIII−V族半導体の薄膜であってもよい。
(薄膜トランジスタの製造方法)
次に、本実施形態の薄膜トランジスタ10の製造方法について説明する。本実施形態の薄膜トランジスタのゲート絶縁体層および半導体層は、物理蒸着法(または物理気相成長法)、あるいは化学蒸着法(CVD)を用いることにより形成することも可能である。
ここで、物理蒸着法としては、蒸着法やスパッタ法が挙げられる。蒸着法としては、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE)、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法などを例示することができる。また、スパッタ法としては、コンベンショナル・スパッタリング、マグネトロン・スパッタリング、イオンビーム・スパッタリング、ECR(電子サイクロトロン共鳴)・スパッタリング、反応性スパッタリングなどを例示することができる。スパッタ法においてプラズマを用いた場合は、反応性スパッタ法、DC(直流)スパッタ法、高周波(RF)スパッタ法等の成膜法を用いることができる。
化学蒸着法(CVD)としては、MOCVD法、プラズマCVD法等の成膜法を用いることができる。
さらには、下記の製造方法を用いて薄膜トランジスタを製造することが好ましい。下記の製造方法を用いると、より高品質な薄膜トランジスタを製造することができる。
なお、本実施形態においては、いわゆるボトムゲート型の薄膜トランジスタについて説明するが、本願発明はいわゆるトップゲート型の薄膜トランジスタに適用することもできる。
トップゲート型の薄膜トランジスタ場合、基板と半導体層との間に本願のHfおよび希土類元素を含む金属酸窒化物からなる絶縁体層を設けて、同様に基板からの不純物拡散を防止することができる。またこの場合、半導体層上のゲート絶縁層として同じ絶縁体を用いてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本願発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本願発明は斯かる例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本願発明の要件から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
以下に本実施形態を実施例により説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1を参照すると、実施例の薄膜トランジスタ10は以下のように製造した。ガラス基板20上にMoW膜をスパッタリングにより堆積し、通常のマスクを用いたフォトリソグラフィーによりゲート電極30のパターンを形成した。その上に、下記に詳細に説明するMOCVD法、およびプラズマCVD法によって、N濃度が20%の膜厚100nmのHf0.5La0.5ON膜からなる第1の絶縁体層41を形成し、引き続き膜厚が2〜50nmのSiO膜からなる第2の絶縁体層42を堆積した。第1の絶縁体層41は基板からの不純物の拡散防止層として機能する。第2の絶縁体層42は半導体層の膜厚は2nm以上であることが望ましい。第1および第2の絶縁体層は300℃の温度で形成した。その上に、以下に説明する方法により、In−Si−O薄膜を堆積した後、通常のマスクを用いたフォトリソグラフィーにより半導体層50のパターンを形成した。その上にソース電極60およびドレイン電極70を、金(Au)を形成材料として用い、半導体層50および第2の絶縁体層42の表面にマスク蒸着することにより形成した。最後にソース電極60およびドレイン電極70および半導体層50の表面上にSi0を用いて層間絶縁膜80を形成した。
上記第1の絶縁体層41はMOCVD法により成膜した。第1の絶縁膜層41に用いたHf0.5La0.5ON膜は、テトラキシジメチルアミドハフニウム(Hf(NMe))とトリス(エチルシクロペンタジエニル)ランタン(La(EtCp))を原料ガスとして、また反応ガスとして、NH+HガスとOガスの交互供給法で導入し、成膜温度は300℃で作製した。なお原料ガスは上記に限定されるものではなく、Hfおよび希土類元素をそれぞれ含む他の有機金属ガスを用いてもよい。得られたHf0.5La0.5ON膜はXRD(X線回折)による解析の結果、アモルファス構造であった。
第2の絶縁膜層42であるSiO膜は、テトラメトキシシラン(Si(OCH))を原料ガスに、プラズマ酸素ガスを反応ガスに用いたプラズマCVD法により、成膜温度200℃で作製した。なお原料ガスは上記に限定されるものではなく、Siを含む他のガスを用いてもよい。
また、第1の絶縁膜層41は次に述べる方法により作製してもよい。
Hf(NMe)原料とLa(EtCp)原料を1/1サイクル比率で供給し、HOを酸化ガスとして用いたALD法により、成膜温度200℃で、膜厚が50〜100nmのHf0.5La0.5O膜を成膜した。続いて、窒素プラズマ処理を200℃で施す事で、Hf0.5La0.5O膜の最表面に約1〜5nm厚さの、窒化したHf0.5La0.5ON層を形成した。また、NHガスを用いたアニールで窒素をHf0.5La0.5O膜へ導入する場合には、約600℃以上の熱処理温度で実施した。あるいは、Hf(NMe)原料とLa(EtCp)原料を1/1サイクル比率で供給する窒素プラズマガスを用いたALD法で、成膜温度200℃で、膜厚が50〜100nmのHf0.5La0.5ON膜を成膜してもよい。
半導体層50は、スパッタリング装置を用い、ターゲット材として、In−Si−Oターゲットを用いて以下のスパッタ条件でスパッタリング法(DCスパッタリング)により成膜した。10%Si添加のIn−Si−Oターゲットを用いた。成膜したIn−Si−O半導体層の厚さは20nmであった。
(スパッタリング条件)
DC power :100W
真空度 :0.2Pa
プロセスガス流量 :Ar 20sccm/O 2sccm
(sccm:Standard Cubic Centimeter per Minute)
基板温度 :25℃。加熱なし
(実施例2)
ガラス基板に含まれるアルカリ金属、アルカリ土塁金属の拡散防止として、窒素を添加したHfLaON膜の効果を調べた。1021/cmオーダーの高濃度のボロン(B)をドープしたガラス基板上へ、上記の成膜方法で、N濃度が20%のHf0.5La0.5ON膜を30nm作製した。続いて、ボロンの突き抜けが良く見えるようにIn−Si−O膜を150nm作製した。比較として、絶縁膜として30nm厚のSiO膜を用いた試料も準備した。窒素雰囲気中、950℃で1分熱処理した後のSIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy)分析によるボロンの深さ分布を図3に示す。SiO試料では、ボロンはSiO膜を完全に突き抜けているのに対して、Hf0.5La0.5ON試料はボロンの拡散を抑制できている事が分る。ボロン突き抜けの抑制効果があるのは、窒素濃度が10%以上であり、50%以上になると絶縁性が著しく低下する傾向を示す。
Laを添加する効果は二つあり、一つは誘電率を大きくすることができること、もう一つはHf−N結合が弱くボロンの抑制に効果的で無いのに対してLa−N結合は強く、その結果、ボロンの拡散を抑制できる点にある。HfONの誘電率が20以下であるのに対してHfLaONは20より大きな誘電率を有することが分った。また、Laの代りに同じ希土類元素のY、Ce、 Pr、Sm、Eu、Gd、Dy、 Er、およびYbから選択された元素を用いても良い。
本実施例においては、上記2種類の絶縁膜を用いた図2に示す薄膜トランジスタを作製し、両者のId(ドレイン電流)−Vd(ドレイン電圧)特性の比較を行った。図2に示す薄膜トランジスタは、図1に示した薄膜トランジスタ10と基本的に同様の構成であるが、図1の薄膜トランジスタ10が有するゲート電極30の代わりに、p型不純物を多量にドープしたSi層21をゲートとして用いる構成となっている。一方の薄膜トランジスタは、誘電率が24のHf0.5La0.5ON(60nm)/SiO(3nm)スタック構造をゲート絶縁膜40に用い、比較の薄膜トランジスタは、スタック構造のゲート絶縁膜と同じ実効膜厚に相当する13nmのSiOをゲート絶縁膜に用いたものである。半導体層50は両方ともIn−Si−Oである。得られた特性を図4に示す。評価環境は測定温度25℃、暗所であり、Vg=5、10、15および20Vの場合のId−Vd特性で、同じVg電圧で比較すると、Hf0.5La0.5ON(60nm)/SiO(3nm)スタック構造の方が高い飽和特性を示した。この違いは実施例2の結果とあわせて考えると、基板からの不純物拡散が防止されている結果であると考えられる。
本願のゲート絶縁膜は、基板からの不純物の拡散防止性に優れ、かつ誘電率が高いため、本実施形態の薄膜トランジスタは、電気的特性の劣化が抑制されている。このため、本実施形態は、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence(EL))ディスプレイのスイッチング素子の製造工程に好ましく適用できる。
10:薄膜トランジスタ、20:基板、30:ゲート電極、40:絶縁体層、41:第1の絶縁体層、42:第2の絶縁体層、50:半導体層、60:ソース電極、70:ドレイン電極、80:層間絶縁膜

Claims (13)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられたゲート電極と、
    前記ゲート電極上に設けられた絶縁体層と、
    前記絶縁体上に設けられた半導体層と、
    前記半導体層上に設けられたソース電極およびドレイン電極と
    を備え
    前記ゲート電極は前記ソース電極および前記ドレイン電極の間のチャネルに対応させて設けられており、
    記絶縁体層の形成材料が、Hfおよび希土類元素を含む金属酸窒化物を含む
    薄膜トランジスタ。
  2. 前記希土類元素がLa、Y、Ce、Pr、Sm、Eu、Gd、Dy、Er、およびYbから選択された少なくとも1つの元素である、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 前記絶縁体層の比誘電率が12以上である請求項1あるいは請求項2のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  4. 前記絶縁体層と前記半導体層との間に窒素を含まない第2の絶縁体層を設ける請求項1から3のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  5. 前記第2の絶縁体層の厚さが2〜50nmである請求項4に記載の薄膜トランジスタ。
  6. 前記基板が透明基板である請求項1から5のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  7. 前記透明基板がガラスである請求項6に記載の薄膜トランジスタ。
  8. 前記半導体層がIn、Ga、Zn、Sn、Zr、Si、Ti、W、Ta、Hf、Sc、Y、La、Pr、Nd、Gd、それ以外の希土類元素、Al、B、Cからなる群から選択された少なくとも1つの元素を含む酸化物半導体である、請求項1から7のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  9. Hfおよび希土類元素を含む金属酸窒化物からなる絶縁体層を作製する工程を有し、
    前記作製する工程は、MOCVD法、プラズマCVD法、ALD法の少なくとも1つの方法を用い、
    Hfを含む有機金属ガスおよび希土類元素の1つを含む有機金属ガスを原料ガスに用い、
    NH、HおよびNの少なくとも1つをプロセスガスに用いる、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  10. 前記希土類元素がLa、Y、Ce、Pr、Sm、Eu、Gd、Dy、Er、およびYbから選択された少なくとも1つの元素であるである請求項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  11. 前記Hfを含む有機金属ガスがテトラキシジメチルアミドハフニウム(Hf(NMe))であり、前記Laを含む有機金属ガスがトリス(エチルシクロペンタジエニル)ランタン(La(EtCp))である請求項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  12. 前記絶縁体層を形成する工程を、500℃以下で行う請求項から11のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  13. 請求項1から8のいずれか1項に記載の前記薄膜トランジスタと、さらに素子と配線とを有する半導体装置。
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