JP6234896B2 - 積層剥離容器 - Google Patents

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本発明は、筒状の口部に連なる胴部を有するボトル形状をなすと共に外層体と内層体の間に外層体に対して剥離可能な中間層を備える積層剥離容器に関し、特に、口部において外層体を貫通する通気孔を、外層体と該外層体から剥離させた中間層との間に形成された空間に通じさせる気道の確保を容易化しようとするものである。
化粧水などの化粧料や、シャンプーやリンスあるいは液体石鹸、また飲料や食品調味料などを収納する容器として、デラミ容器とも呼ばれる積層剥離容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
このような積層剥離容器は、筒状の口部に連なる胴部を有するボトル形状をなすと共に、外層体の内面に剥離可能に積層配置される内層体を備えており、内層体の内部に収容された内容物を、口部を通じて外部に注出できる一方、外層体に設けた外気導入用の開孔から外層体と内層体の間に外気を導入して内層体を減容したまま外層体の形状を維持することができる。このように、内容物を外気と置換することなく注出を行うことができるので、容器内に残った内容物を空気と触れづらくして、その劣化や変質を抑制することができる。
従来、積層剥離容器は、例えばポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等のオレフィン系の外層体用の樹脂材と、この外層体用の樹脂材に対する相溶性が低いナイロンやエチレン―ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の内層体用の樹脂材とを共押出しして筒状の積層パリソンを形成し、この積層パリソンの一端を金型により食い切ることで閉塞し、この状態で積層パリソンの他端から空気を供給するダイレクトブロー成形により、ボトル形状に形成されていた。
また、前述したような積層剥離容器は、共射出成形によって、外層体を形成する樹脂層、内層体を形成する樹脂層、及び中間層を形成する樹脂層の積層構造に形成したプリフォームを二軸延伸ブロー成形することで形成することもできる(例えば、特許文献2参照)。ここに、中間層を形成するための樹脂材としては、外層体に対して剥離可能な素材が用いられる。なお、共射出成形とは、多重ノズルなどを用い、2種類以上の樹脂材を同時に射出することにより樹脂が層状に金型に充填され、2層以上の射出成形体が得られる成形方法である。このようにプリフォームの二軸延伸ブロー成形によって積層剥離容器を形成する場合には、その主材として、例えばPPやPE等のオレフィン系樹脂材を用いることができることは勿論、例えばPET等のポリエステル系樹脂材を用いることも可能となる。
特開2012−116516号公報 特開2014−88004号公報
ところで、このような積層剥離容器では、内層体の減容変形を容易にするために、その製造過程において、予め外層体から中間層を剥離させる初期剥離処理が施されるのが一般的である。
しかしながら、プリフォームの二軸延伸による積層剥離容器において口部に外気導入用の通気孔を設けた場合には、口部のキャッピング(閉蓋)工程で支持部とされるネックリングの強度を確保するために口部のネックリング部分の肉厚を十分に確保すると、初期剥離処理において、前記通気孔を外層体と中間層の間の空間に通じさせる気道を確保することが難しかった。すなわち、前記通気孔から圧縮空気を吹き込めば、中間層を外層体から剥離させることはできるものの、中間層を復元させようとした際に、通気孔付近において、剥離させた中間層が外層体と密着して気道が塞がり、中間層の復元が妨げられるという問題があった。
本発明は、前記の現状に鑑み開発されたもので、口部において外層体を貫通する通気孔を、外層体と該外層体から剥離させた中間層との間に形成された空間に通じさせる気道の確保を容易化することができる積層剥離容器を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨構成は以下のとおりである。
1.筒状の口部に連なる胴部を有するボトル形状をなすと共に、外層体と内層体の間に外層体に対して剥離可能な中間層を備える積層剥離容器において、
前記積層剥離容器は、共射出成形によって、前記外層体を形成する樹脂層、前記内層体を形成する樹脂層、及び前記中間層を形成する樹脂層の積層構造に形成したプリフォームを二軸延伸ブロー成形することで形成されており、
前記口部は、前記外層体を貫通する通気孔と、前記外層体の一部をなすと共に前記通気孔の前記胴部側において鍔状に突出するネックリングとを有し、また、
前記口部は、前記共射出成形によって、前記外層体を形成する樹脂層に形成された肉抜き部を有し、該肉抜き部は、前記ネックリングの下方において径方向内側に凹む凹溝部として形成された下側肉抜き部と、該下側肉抜き部から上方に向かって少なくとも前記通気孔の近傍まで延びる上側肉抜き部とを有することを特徴とする積層剥離容器。
ここに、本明細書において通気孔の「近傍」とは、該通気孔までの最短距離が、該通気孔の最大開口幅の2倍以内、より好ましくは1倍以内、さらに好ましくは0.5倍以内である領域を意味する。また、「最大開口幅」とは、開口幅が最大となる方向において測定した際の通気孔の開口幅を意味し、例えば、通気孔が円形の場合は該円の直径が最大開口幅となり、通気孔が楕円形の場合は、該楕円の長径が最大開口幅となる。また、本明細書において「下方」とは、口部の中心軸線に沿って胴部側に向かう方向を意味し、その反対方向が上方である。
2.前記上側肉抜き部は、前記ネックリングの径方向内側に潜り込む空洞部として形成されている、前記1に記載の積層剥離容器。
3.前記肉抜き部の上端は、前記通気孔の下方への投射領域以外の領域に配置されている、前記1又は2の積層剥離容器。
4.前記通気孔の下方への投射領域の少なくとも一部を前記口部の周方向に挟む両側に、それぞれ配置された一対の前記肉抜き部を有する、前記3の積層剥離容器。
5.前記一対の肉抜き部は、それぞれ、前記通気孔の下方への投射領域に、少なくとも一部が重複している、前記4の積層剥離容器。
6.前記一対の肉抜き部は、それぞれ、前記通気孔の上端に至る高さまで延在している、前記4又は5の積層剥離容器。
7.前記一対の肉抜き部は、それぞれ、複数の前記肉抜き部からなっている、前記4〜6のいずれかの積層剥離容器。
8.前記肉抜き部は、一対の上端を有する側面視U字形状を成し、該一対の上端は、それぞれ、前記通気孔の下方への投射領域以外の領域に配置されている、前記3の積層剥離容器。
9.前記外層体及び前記内層体は、いずれも、ポリエステル系樹脂からなる、前記1〜8のいずれかの積層剥離容器。
10.前記外層体及び前記内層体は、いずれも、ポリエチレンテレフタレートからなり、
前記中間層はナイロンからなる、前記1〜9のいずれかの積層剥離容器。
本発明によれば、積層剥離容器の口部は、共射出成形によって、外層体を形成する樹脂層に形成された肉抜き部を有し、該肉抜き部は、ネックリングの下方において径方向内側に凹む凹溝部として形成された下側肉抜き部と、該下側肉抜き部から上方に向かって少なくとも通気孔の近傍まで延びる上側肉抜き部とを有する構成としたので、肉抜き部を設けた部分の内層体の厚みを薄くして変形し易くし、初期剥離処理時の気道の確保を容易化することができる。
したがって、本発明によれば、口部において外層体を貫通する通気孔を、外層体と該外層体から剥離させた中間層との間に形成された空間に通じさせる気道の確保を容易化することができる積層剥離容器を提供することができる。
参考例としての積層剥離容器を概略的に示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は初期剥離処理時の状態を(b)に準じて示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る積層剥離容器を概略的に示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は初期剥離処理時の状態を(b)に準じて示す断面図である。 図2に示す積層剥離容器の変形例を概略的に示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は初期剥離処理時の状態を(b)に準じて示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る積層剥離容器を概略的に示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は初期剥離処理時の状態を(b)に準じて示す断面図である。 図4に示す積層剥離容器の変形例を概略的に示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は初期剥離処理時の状態を(b)に準じて示す断面図である。 (a)及び(c)〜(e)は、それぞれ、図4に示す積層剥離容器の他の変形例を概略的に示す側面図であり、(b)は、図2に示す積層剥離容器の他の変形例を概略的に示す側面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ、図4に示す積層剥離容器の更なる他の変形例を概略的に示す側面図である。 (a)は、本発明の更なる他の実施形態に係る積層剥離容器を概略的に示す側面図であり、(b)は(a)に示す積層剥離容器の変形例を概略的に示す側面図である。
以下、図2〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係る積層剥離容器101について詳細に例示説明するが、まずは、本発明における肉抜き部9を設けない場合の参考例としての積層剥離容器100について、図1を用いて説明する。なお、本明細書において上下方向とは、口部1の中心軸線に沿う方向を意味し、「下方」とは、口部1の中心軸線に沿って胴部2側に向かう方向であり、その反対方向が上方である。
図1(a)及び(b)に示すように、参考例としての積層剥離容器100は、筒状の口部1に連なる胴部2を有するボトル形状をなすと共に、外層体3と内層体4の間に外層体3に対して剥離可能な中間層5を備えている。また、積層剥離容器100は、共射出成形によって、外層体3を形成する樹脂層、内層体4を形成する樹脂層、及び中間層5を形成する樹脂層の積層構造に形成したプリフォーム(図示省略)を二軸延伸ブロー成形することで形成されている。
口部1は、外層体3を貫通する通気孔6と、外層体3の一部をなすと共に通気孔6の胴部2側において鍔状に突出するネックリング7とを有している。また、口部1は、内層体4の内側に収容された内容物を注出させるための注出栓(図示省略)を取り付けるためのねじ部8を有している。なお、口部1には、注出栓に代えて、例えば、内溶液をノズルから吐出させるポンプ装置の装着キャップを取り付けるようにしてもよい。また、ねじ部8に代えてアンダーカット部を設け、このアンダーカット部の嵌合によって取り付けるようにしてもよい。
このような積層剥離容器100に初期剥離処理を施す際には、まず、図1(c)に示すように、例えば、棒Sを通気孔6に挿入し、中間層5を容器内側に向かって突くことで、中間層5及び内層体4を容器内側に向かって湾曲するように変形させる必要がある。しかしながら、前述したような積層剥離容器100では、通気孔6から胴部2に至る領域における内層体4の厚みが比較的大きいために、棒Sで突いた部分しか変形させることができない。したがって、この後、通気孔6から圧縮空気を吹き込めば、中間層5を外層体3から剥離させることはできるものの、中間層5を復元させようとした際に、通気孔6付近において、剥離させた中間層5が外層体3と密着して気道が塞がり、中間層5の復元が妨げられてしまう。
そこで、図2(a)及び(b)に示すように、本発明の一実施形態に係る積層剥離容器101では、口部1は、プリフォームの共射出成形によって、外層体3を形成する樹脂層に形成された肉抜き部9を有するように構成している。そして、肉抜き部9は、ネックリング7の下方において径方向内側に凹む凹溝部として形成された下側肉抜き部9aと、該下側肉抜き部9aから上方に向かって少なくとも通気孔6の近傍まで延びる上側肉抜き部9bとを有している。本実施形態では、上側肉抜き部9bは、ネックリング7の径方向内側に潜り込む空洞部として形成されている。
なお、通気孔6の「近傍」とは、該通気孔6までの最短距離が、該通気孔6の最大開口幅の2倍以内、より好ましくは1倍以内、さらに好ましくは0.5倍以内である領域を意味する。また、「最大開口幅」とは、開口幅が最大となる方向において測定した際の通気孔6の開口幅を意味し、例えば、通気孔6が円形の場合は該円の直径が最大開口幅となり、通気孔6が楕円形の場合は、該楕円の長径が最大開口幅となる。
本実施形態では、図2(a)に示したように、肉抜き部9の上側肉抜き部9bは、通気孔6までの最短距離が、円形の通気孔6の直径の0.6倍程度の位置まで延びている。また、肉抜き部9は、口部1の周方向において通気孔6の中心と整列する位置に配置されている。
また、外層体3及び内層体4は、いずれも、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂からなることが好ましい。さらに、中間層5は、ナイロンやEVOHなど、ポリエステル系樹脂との相溶性が低い樹脂からなることが好ましい。また、通気孔6は、本実施形態では、射出成形後プリフォームが温かいうちにポンチカッターにて外層体3を打ち抜き形成しているが、ドリルなどによる後加工や、プリフォーム成形時の共射出成形によって形成することも可能である。
かかる構成になる本発明の一実施形態に係る積層剥離容器101によれば、共射出成形によってプリフォームを形成する際に、肉抜き部9を設けた部分の内層体の厚みを薄くすることができる。したがって、初期剥離処理を施すに際し、図1(c)に示したような棒Sを通気孔6に挿入し、中間層5を容器内側に向かって突くことで、図2(c)に示すように、中間層5及び内層体4をより大きく湾曲変形させて、気道Pを確保することが容易となる。また、このように気道Pが確保されたことで、内容物を充填した積層剥離容器101の口部1に注出栓等を装着し、内容物を吐出させる際には、スムーズに、中間層5と内層体4を外層体3から剥離させ、縮み変形させることが可能となる。また、肉抜き部9は、上側肉抜き部9bがネックリング7の径方向内側に潜り込む空洞部として形成されているため、口部1の強度の低下を抑制することが可能である。
また、図2に示した積層剥離容器101の変形例として、図3(a)及び(b)に示すように、肉抜き部9’の上側肉抜き部9b’が、通気孔6により接近した位置まで延びる構成とすることで、図3(c)に示すように、気道Pの確保をより容易にすることができる。図3に示した積層剥離容器101’では、肉抜き部9’の上側肉抜き部9b’は、通気孔6までの最短距離が、円形の通気孔6の直径の0.1倍程度の位置まで延びている。また、肉抜き部9’は、口部1の周方向において通気孔6の中心と整列する位置に配置されている。
次に、図4〜図5を参照して、本発明の他の実施形態に係る積層剥離容器102について詳細に例示説明する。
図2〜図3を用いて前述した積層剥離容器101,101’では、肉抜き部9,9’の上端Tは、通気孔6の下方への投射領域内に配置されていたが、本実施形態に係る積層剥離容器102では、肉抜き部10の上端Tは、通気孔6の下方への投射領域以外の領域に配置されている。また、肉抜き部10は、通気孔6の下方への投射領域の少なくとも一部を口部1の周方向に挟む両側に、それぞれ配置された一対の肉抜き部10として設けられている。
例えば図2を用いて前述した積層剥離容器101のプリフォームを共射出成形するに際しては、底部から口部に向かう樹脂材の流れが肉抜き部9の上端Tの上方で合流することで、肉抜き部9の上方には、肉抜き部9の上端Tから上方に延びるウェルドラインW(図2中の仮想線参照)が形成されることになる。このため、図2に示したように肉抜き部9の上端Tを通気孔6の下方への投射領域に配置した場合には、脆弱部となる肉抜き部9、ウェルドラインW及び通気孔6が上下に連なることとなり、口部1への衝撃荷重等に対する強度を確保する上で好ましくない。
そこで、本実施形態では、肉抜き部10の上端Tを、通気孔6の下方への投射領域以外の領域に配置している。なお、一対の肉抜き部10はそれぞれ、前述した実施形態の場合と同様に、ネックリング7の下方において径方向内側に凹む凹溝部として形成された下側肉抜き部10aと、該下側肉抜き部10aから上方に向かって少なくとも通気孔6の近傍まで延びる上側肉抜き部10bとを有している。また、一対の肉抜き部10の上側肉抜き部10bは、それぞれ、ネックリング7の径方向内側に潜り込む空洞部として形成されており、通気孔6までの最短距離が、円形の通気孔6の直径の0.3倍程度の位置まで延びている。さらに、一対の肉抜き部10は、それぞれ、通気孔6の下方への投射領域に、少なくとも一部が重複している。
本実施形態に係る積層剥離容器102のその他の構成は、図2〜図3を用いて前述した実施形態に係る積層剥離容器101,101’の場合と同一の構成となっている。
かかる構成によれば、図2〜図3を用いて前述した実施形態の場合と同様に、初期剥離処理を施すに際し、図4(c)に示すように、中間層5及び内層体4をより大きく湾曲変形させて、気道Pを確保することが容易となる。また、このように気道Pが確保されたことで、内容物を充填した積層剥離容器102の口部1に注出栓等を装着し、内容物を吐出させる際には、スムーズに、中間層5と内層体4を外層体3から剥離させ、縮み変形させることが可能となる。しかも、一対の肉抜き部10に対応する位置にそれぞれ1本、計2本の気道Pを形成することができるため、内容物の吐出に伴う中間層5と内層体4の剥離及び縮み変形をよりスムーズなものとすることができる。
また、図4に示した積層剥離容器102の変形例として、図5(a)及び(b)に示すように、一対の肉抜き部10’の上側肉抜き部10b’が、通気孔6により接近した位置まで延びる構成とすることで、図5(c)に示すように、気道Pの確保をより容易にすることができる。図5に示した積層剥離容器102’では、肉抜き部10’の上側肉抜き部10b’は、通気孔6までの最短距離が、円形の通気孔6の直径の0.1倍程度の位置まで延びている。また、一対の肉抜き部10’は、それぞれ、通気孔6の上端に至る高さまで延在している。
また、図5に示した積層剥離容器102’の変形例として、図6(a)に示すように、一対の肉抜き部10’が、それぞれ、通気孔6の下方への投射領域に、少なくとも一部が重複するように構成してもよい。また、図2〜図5及び図6(a)を用いて前述した実施形態において、肉抜き部9,9’,10,10’の横幅は適宜調節することができ、例えば、図6(b)〜(e)に示すような横幅に設定することもできる。
さらに、図6(d)及び(e)に示した実施形態の変形例として、図7(a)や図7(b)に示すように、一対の肉抜き部10’が、それぞれ、複数の肉抜き部10’からなっている構成とすることもでき、このような構成とすることで、気道Pの確保をより容易にすることができる。
次に、図8を参照して、本発明の更なる他の実施形態に係る積層剥離容器103について詳細に例示説明する。
図2〜図3を用いて前述した積層剥離容器101,101’では、肉抜き部9,9’の上端Tは、通気孔6の下方への投射領域内に配置されていたが、本実施形態に係る積層剥離容器103では、肉抜き部11の上端Tは、通気孔6の下方への投射領域以外の領域に配置されている。より具体的には、肉抜き部11は、一対の上端Tを有する側面視U字形状を成し、該一対の上端Tは、それぞれ、通気孔6の下方への投射領域以外の領域に配置されている。
前述したように、例えば図2を用いて前述した積層剥離容器101の場合のように、肉抜き部9の上端Tを通気孔6の下方への投射領域に配置した場合には、脆弱部となる肉抜き部9、ウェルドラインW及び通気孔6が上下に連なることとなり、口部1への衝撃荷重等に対する強度を確保する上で好ましくない。そこで、本実施形態では、肉抜き部11の一対の上端Tを、それぞれ、通気孔6の下方への投射領域以外の領域に配置している。
本実施形態に係る積層剥離容器103のその他の構成は、図2〜図3を用いて前述した実施形態に係る積層剥離容器101,101’の場合と同一の構成となっている。
かかる構成によれば、図2〜図3を用いて前述した実施形態の場合と同様に、初期剥離処理を施すに際し、中間層5及び内層体4をより大きく湾曲変形させて、気道Pを確保することが容易となる。
また、図8(a)に示した積層剥離容器103の変形例として、図8(b)に示すように、肉抜き部11’の一対の上端Tが、それぞれ、通気孔6の上端に至る高さまで延在するように構成することもできる。
なお、図2〜図8を用いて前述した各実施形態において、初期剥離処理を施すために気道Pを形成するに際しては、棒S(図1(c)参照)で突いたときの中間層5及び内層体4の変形をより容易にするために、口部1に、80℃〜200℃に熱した円柱状のコアを挿入して、中間層5及び内層体4を、ガラス転移温度〜90℃程度に温めることが好ましい。中間層5及び内層体4をこのように温めて変形させた場合には、この変形させた中間層5及び内層体4は、ガラス転移温度以下の温度では復元しないため、気道Pの確保をより容易にすることができる。なお、棒Sで突いた部分の変形量(口部1の径方向内側への変位量)としては、口部1の内径が21.7mmの場合で、0.5〜2.5mm程度とすることが好ましい。
前述したところは、本発明の一実施形態を示したにすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。例えば、通気孔6は、口部1に対してその軸心を挟む2か所に設け、これら2つの通気孔6にそれぞれ対応する肉抜き部9,9’,10,10’,11,11’を設けることが好ましいが、これに代えて、例えば、通気孔6を1つだけ、又は3つ以上設けることも可能である。また、上側肉抜き部9bは、ネックリング7の径方向内側に潜り込む空洞部として形成することが好ましいが、これに代えて、径方向内側に凹む凹溝部として形成することもできる。この場合、ネックリング7は、凹溝状の上側肉抜き部9bに対応した切り欠き部を有することになる。
100,101,101’,102,102’,103,103’ 積層剥離容器
1 口部
2 胴部
3 外層体
4 内層体
5 中間層
6 通気孔
7 ネックリング
8 ねじ部
9,9’ 肉抜き部
9a,9a’ 下側肉抜き部
9b,9b’ 上側肉抜き部
10,10’ 肉抜き部
10a 下側肉抜き部
10b,10b’ 上側肉抜き部
11,11’ 肉抜き部
S 棒
P 気道
T 肉抜き部の上端
W ウェルドライン

Claims (10)

  1. 筒状の口部に連なる胴部を有するボトル形状をなすと共に、外層体と内層体の間に外層体に対して剥離可能な中間層を備える積層剥離容器において、
    前記積層剥離容器は、共射出成形によって、前記外層体を形成する樹脂層、前記内層体を形成する樹脂層、及び前記中間層を形成する樹脂層の積層構造に形成したプリフォームを二軸延伸ブロー成形することで形成されており、
    前記口部は、前記外層体を貫通する通気孔と、前記外層体の一部をなすと共に前記通気孔の前記胴部側において鍔状に突出するネックリングとを有し、また、
    前記口部は、前記共射出成形によって、前記外層体を形成する樹脂層に形成された肉抜き部を有し、該肉抜き部は、前記ネックリングの下方において径方向内側に凹む凹溝部として形成された下側肉抜き部と、該下側肉抜き部から上方に向かって少なくとも前記通気孔の近傍まで延びる上側肉抜き部とを有することを特徴とする積層剥離容器。
  2. 前記上側肉抜き部は、前記ネックリングの径方向内側に潜り込む空洞部として形成されている、請求項1に記載の積層剥離容器。
  3. 前記肉抜き部の上端は、前記通気孔の下方への投射領域以外の領域に配置されている、請求項1又は2に記載の積層剥離容器。
  4. 前記通気孔の下方への投射領域の少なくとも一部を前記口部の周方向に挟む両側に、それぞれ配置された一対の前記肉抜き部を有する、請求項3に記載の積層剥離容器。
  5. 前記一対の肉抜き部は、それぞれ、前記通気孔の下方への投射領域に、少なくとも一部が重複している、請求項4に記載の積層剥離容器。
  6. 前記一対の肉抜き部は、それぞれ、前記通気孔の上端に至る高さまで延在している、請求項4又は5に記載の積層剥離容器。
  7. 前記一対の肉抜き部は、それぞれ、複数の前記肉抜き部からなっている、請求項4〜6のいずれか一項に記載の積層剥離容器。
  8. 前記肉抜き部は、一対の上端を有する側面視U字形状を成し、該一対の上端は、それぞれ、前記通気孔の下方への投射領域以外の領域に配置されている、請求項3に記載の積層剥離容器。
  9. 前記外層体及び前記内層体は、いずれも、ポリエステル系樹脂からなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層剥離容器。
  10. 前記外層体及び前記内層体は、いずれも、ポリエチレンテレフタレートからなり、
    前記中間層はナイロンからなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の積層剥離容器。
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