JP5773311B2 - ブロー成形容器 - Google Patents
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Description
この種のデラミボトルは、口筒部に手動押圧式ポンプを組付け固定したポンプ付き注出容器の容器本体にも利用されるが、スクイズタイプの注出容器にしても、ポンプ付き注出容器にしても内容液を注出した分、内層を減容変形させることにより容器内部への外気の侵入を防ぐことができ、内容液の品質の低下を防ぐことができる。
この種のデラミボトルは、相溶性の殆どない外層と内層を共押出して積層パリソンに成形し、この積層パリソンをブロー成形して得ることができ、上記した接着層も共押出し成形により、外層と内層の間に同時に積層することができる。
他方、容器全体を着色して不透明なものとすると、どんな種類、性状の内容液が収納されているのかを直接、目で確認することができないと云う問題がある。
外殻を形成する合成樹脂製の外層と、この外層と剥離自在に積層され内圧の減少による減容変形が自在に構成された内袋を形成する合成樹脂製の内層を有するブロー成形容器において、
外層の所定の位置に、外層と内層との層間に外部の空気を導入するための通気孔を形成し、
この通気孔を避けた位置に、外層と内層とを全高さ範囲に亘り接着層により接着固定した縦帯状の接着帯により、内層の外層からの剥離の進行を規制する規制帯を形成、配設し、
規制帯の縦方向に沿った複数の所定高さ位置に、この規制帯の少なくとも左右中央部を除いた左右の所定位置から、規制帯の左右の端部の方向に向けて一対の凹部を横溝状に形成し、
規制帯を透して内部の視認が可能に構成し、
また、規制帯を除いた領域からは内部の視認が不能に構成する、と云うものである。
ここで、規制帯を透して内容液の視認が可能な構成とするため、少なくとも規制帯の領域では外層と内層は透明性あるいは半透明性を有するものとする。
また、規制帯の幅は、容器の形状や、内容液の注出性や、規制帯を透しての内部の視認性等を考慮して適宜に決めることができる設計事項である。
接着帯を構成する接着層には比較的高価な接着性の合成樹脂を使用するため、規制帯の幅を広めにする場合には、規制帯を上記構成とすることにより材料コストを低減することができる。
また、規制帯の幅を広めにする場合には、接着帯は接着層が積層され厚肉となると共に、外層と内層が接着層で固定され一体となるため、スクイズタイプの注出容器ではスクイズ変形性が損なわれるので、この点からも規制帯を左右一対の接着帯で形成する方が有利である。
ここで、上記構成のように規制帯を軸対称の位置に一対配設する場合でも、必ずしも正確に軸対称である必要はなく、容器の形状によっては軸対称の位置から若干ずらした位置に配設する方が有利な場合もあり、この観点から上記構成では、「容器の中心軸に対して略軸対称の位置に・・・」と云うように「略」と云う用語を付加して使用している。
勿論、規制帯を除いた領域からは内部の視認が不能に構成する手段は、上記した外層に不透明層を積層する方法に限定されるものではなく、
共押出して積層パリソンを成形する際、押出ダイの外層を形成する管状流路内にマスターバッチで着色した溶融樹脂を供給すると共に、規制帯部分に成形される位置に無着色の同材質の溶融樹脂を供給して軸方向に縦帯状の透明領域が形成された外層を有する積層パリソンを成形し、この積層パリソンをブロー成形することにより、規制帯を透して内部の視認が可能に構成し、規制帯を除いた領域からは内部の視認が不能に構成した本発明のブロー成形容器を得ることができる。
ここで、前述した外層に同材質で着色不透明な着色層を積層する構成も含めて、規制帯の左右端部近傍についても着色層やラベルで覆うことにより、規制帯の左右端部に位置する接着層による段差等を隠して見栄えのよいものとすることができ、このような観点も含めて、上記構成では、「規制帯の少なくとも左右中央部を除いた領域」と云うようにしている。
また、必ずしも、規制帯を除いた全領域から内部が視認できないようにする必要はなく、例えば容器の肩部から胴部に懸けての周壁から視認できないようしたり、あるいは胴部の周壁からだけ視認できないようにする等、容器の形状、不透明層を積層するための方法、そして使用目的に応じて、視認不能とする領域を適宜決めることができ、ラベルを貼着積層する場合には、たとえば胴部の周壁からだけ視認できないようにするのが現実的である。
ただし、内容液の注出に伴う内層の減容変形の態様によっては規制帯の近傍の流路が部分的に塞がり、内容液の性状を視認するための窓としての機能が低下してしまう恐れ、さらには窓に内容液が偏在してしまい容器の見栄えが低下する恐れがある。
平断面でみると、左右に形成した凹部の間の領域(すなわち、少なくとも左右中央部を含む領域)では、胴部の周壁を外側に膨出状に屈曲するようにして凸部が残存形成されることになる。
上記構成によれば規制帯の少なくとも左右中央部に相当する位置では、容器の胴部の全高さ範囲に亘って、その内周面に凹凸のない縦帯状の平坦領域が残存形成されるため、この縦帯状の平坦領域により内容液をスムーズに流動させることができ、内容液が少なくなった状態でも注出操作をスムーズに実施することができると共に、内容液を略最後まで使い切ることが可能となる。
本発明の主たる構成を有するデラミボトルタイプのブロー成形容器にあっては、規制帯を、内容液の性状を視認するための窓として利用しようとしたものであり、注出容器の容器本体として使用された場合、内容液の残量に拘わらず、縦帯状に形成される規制帯では内容液が上下方向に偏在することがなく、内容液を視認し、その性状を十分確認することができる。
また、規制帯を除いた領域で、外層に不透明層を積層することにより、内層の不規則な減容変形状態や、内容液の偏在を隠すことができ、使用途中の段階でも容器全体を見栄えの良い状態に維持することができる。
規制帯の少なくとも左右中央部に相当する位置では、容器の胴部の全高さ範囲に亘って、その内周面に凹凸のない縦帯状の平坦領域が残存形成されるため、この平坦領域により内容液をスムーズに流動させることができ、内容液が少なくなった状態でも注出操作をスムーズに実施することができると共に、内容液を略最後まで使い切ることができる。
図1〜図3は本発明によるブロー成形容器(以下、単に容器と記載する。)の一実施例を説明するためのもので、図1は全体斜視図、図2は図1の容器に注出キャップ41を組付けた注出容器を部分的に縦断して示す側面図、図3は図2中のA−A線に沿って示す平断面図である。
なお、図1では規制帯23近傍の層構成が判るように胴部4の周壁を部分的に破断して示している。
また、口筒部2には軸対称の位置(図2では左右の位置)で、外層11に一対の通気孔12が貫通形成されている。
また、図2中に示されるように、底部5には、ブロー成形時にパリソンを扁平状に押圧して底シール部6が形成されている。
この規制帯23は、両端部に位置する外層11と内層13と細縦帯状の接着層15から形成される接着帯21と、その間にある非接着帯22から構成されている。この一対の規制帯23により後述するように内層13の減容変形の進行様式を制御し、容器1内での内容液Lの注出流路を、内容液Lをほぼ使いきるまで確保することができ、スクイズ操作を最後までスムーズに実施することができる。
なお、本実施では胴部4における接着層15の横幅を1mm、規制帯23の横幅を18mmとしている。
そして、上記のような層構成により、半透明性を有するLDPE樹脂製の外層11と透明性を有するナイロン樹脂製の内層13が積層した規制帯23からは容器の内部を視認でき、内容液の性状を知ることができるが、他方、着色層11aを積層した領域からは内部を見ることができないような構成としている。
また、規制帯23の左右端部にまで着色層11aを積層することにより、接着層15の存在や、接着層15による段差等を隠すことができる。
勿論、規制帯23の横幅のどこまでの範囲で、内部の視認を可能とするかは、内容液の視認性、容器の見栄え等を含めて適宜決めることができるものであり、
上記のように規制帯23の左右端部まで着色層11aを積層することなく、広い幅で内部を視認可能な構成とすることもできるし、逆に規制帯23の中央部の極く僅かな細帯状の領域で内部を視認可能な構成とすることもできる。
注出キャップ41は有頂筒状のキャップ本体42と、このキャップ本体42にヒンジ42hを介して一体設される蓋体43を有し、
キャップ本体42はネックリング2nを利用して打栓により乗り越え係止状に容器1の口筒部2に組付け固定される。
また、このキャップ本体42の頂壁には吸気孔46が配設されており、この吸気孔46に対して、第2弁体45が配設されている。
図2のように構成された注出容器の胴部4をスクイズすると第1弁体44を開き、注出口47から内容液Lが外部に注出され、その分、内層13が減容変形する。
そして、容器1のスクイズを止め、胴部4に対する押圧を解除すると、外層11は弾性的な回復力により元の形に復元し始め、内層13の内圧が外気圧に戻り、第1弁体44が閉じ内容液Lの注出が止まる。
図4は内層13の減容変形の進行の推移を示した概略説明図である。勿論、実際には内層13に皺や折り目ができる等し、不均衡に減容変形が進行するが、内層13の減容変形は、極く概略的には(a)→(b)→(c)→(d)の順に順次進行していく。
まず図4(a)は減容変形の初期段階で規制帯23に対して直角方向、図中では左右の位置で内層13が外層11から剥離すると共に扁平状に変形した状態を示し、図4(b)はさらに内層13の剥離と扁平化が進行し、左右中央部で左右の内層13が接触した状態を示す。
そして、図4(d)は、内層13の減容変形が理想的に達成され、内容液Lをほぼ全量、注出した状態を示す。
すなわち、規制帯23の横幅をW、内層13の周長をLp、胴部の径をD、πを円周率とすると、図4(d)のような状態を想定すると、Lp=2D+4Wで、またLp=π*Dであるので、横幅Wは式、W=(1/4)D(π−2)で求めることができ、胴部4の径Dを65mmとすると、Wは18mm程度の大きさとなり、このように算出される値を目安に、実際の規制帯23の幅を決めることができる。
なお、本実施例は胴部4の平断面形状が円形で上記のような算出式により横幅Wの目安となる値を算出したが、たとえば平断面形状が楕円状や長円状の場合であっても、図4(d)のような状態を想定することにより、目安となる規制帯23の横幅を前もって算出することができる。
なお、この凹部8は、図1の実施例に見られる周溝7と類似的ではあるが、この周溝7が規制帯23を含む、全周に亘って周設されているのに対し、本実施例の凹部8は左右に一対配設される規制帯23の一部でその形成がない(途切れている)のが特徴的である。
その結果、図8にあるように平断面でみると、左右に形成される凹部8の間の領域(すなわち、左右中央部)では、胴部4の周壁を外側に膨出状に屈曲するようにして凸部9が残存形成される。
従って凸部9の外周面は胴部4の外周面4pと一致している。
また、たとえ内層13の変形の態様が部分的に不規則になったとしても、この凸部9により流路Fcを確実に確保することができる。
本実施例の容器1の構成によれば規制帯23の左右中央部に相当する位置では、容器1の胴部4の全高さ範囲に亘って、その内周面に凹凸のない縦帯状の平坦領域Rf(図7(a)、(b)参照)が残存形成されるため、この縦帯状の平坦領域Rfにより内容液をスムーズに流動させることができ、内容液Lが少なくなった状態でも注出操作をスムーズに実施することができると共に、内容液Lを略最後まで使い切ることができる。
たとえば、上記実施例では凹部8を規制帯23の中央部を除く領域に周設し、容器の面剛性を大きくするような構成としたが、規制帯23の中央部の左右に極く短かい凹部を配設するような構成でも、流路Fcを確保すると云う機能は発揮させることが可能である。
まず、上記実施例では本発明のデラミボトルタイプのブロー成形容器をスクイズタイプの注出容器の容器本体として利用した例を説明したが、ポンプ付き注出容器の容器本体としても利用することができる。
また、上記実施例では外層11としてLDPE樹脂、内層13としてナイロン樹脂を使用した例を示したが、容器のブロー成形性、外層11と内層13の剥離性等を考慮して、他の組み合わせとすることもできる。
また、上記実施例では胴部4を円筒状としたが、使用目的に応じて楕円筒状や長円筒状等、他の形状を選択することができる。
また、外層に不透明層を積層するための具体的な手段としては、着色層を積層する方法の他にも、外層に着色不透明なラベルを貼着積層する方法を採用することもできる。また、塗装により不透明な塗膜を積層する方法も採用することができる。
共押出して積層パリソンを成形する際、押出ダイの、外層を形成する管状流路内にマスターバッチで着色した溶融樹脂を供給すると共に、規制帯部分に成形される位置に無着色の同材質の溶融樹脂を供給し、軸方向に縦帯状の透明領域が形成された外層を有する積層パリソンを成形し、この積層パリソンをブロー成形する方法によっても、この規制帯23を透して内部の視認が可能に、また規制帯23を除いた領域からは内部の視認が不能にすると云う構成を実現することができる。
また、規制帯23の幅、配設位置、配設本数等の配設態様は、容器の形状、成形性、内容液の粘度等の性状を考慮して適宜決めることができ、使用目的に応じて規制帯23を1本だけとしたり、あるいは3本配設する構成とすることもできる。
また、上記実施例では形成される2本の規制帯23についていずれも内部の視認が可能な構成としたが、一方の規制帯23についてのみ内部の視認が可能な構成とし、他方の規制帯23については規制帯23を除いた領域と同様に内部の視認が不能な構成とすることもできる。
2 :口筒部
2n;ネックリング
3 ;肩部
4 ;胴部
4p;外周面
4pa;内周面
5 ;底部
6 ;底シール部
7 ;周溝
8 ;凹部
8b;底面
9 ;凸部
11;外層
11a;着色層
12;通気孔
13;内層
15;接着層
21;接着帯
22;非接着帯
23;規制帯
41;注出キャップ
42;キャップ本体
42h;ヒンジ
43;蓋
44;第1弁体
45;第2弁体
46;吸気孔
47;注出口
Fc;流路
L ;内容液
PL;パーティングライン
Claims (8)
- 外殻を形成する合成樹脂製の外層(11)と、該外層(11)と剥離自在に積層され内圧の減少による減容変形が自在に構成された内袋を形成する合成樹脂製の内層(13)を有し、
前記外層(11)の所定の位置に、該外層(11)と内層(13)との層間に外部の空気を導入するための通気孔(12)を形成し、
前記通気孔(12)を避けた位置に、前記外層(11)と内層(13)とを全高さ範囲に亘り接着層(15)により接着固定した縦帯状の接着帯(21)により、内層(13)の外層(11)からの剥離の進行を規制する規制帯(23)を形成、配設し、
前記規制帯(23)の縦方向に沿った複数の所定高さ位置に、前記規制帯(23)の少なくとも左右中央部を除いた左右の所定位置から、前記規制帯(23)の左右の端部の方向に向けて一対の凹部(8)を横溝状に形成し、
前記規制帯(23)を透して内部の視認が可能に構成し、また前記規制帯(23)を除いた領域からは内部の視認が不能に構成したことを特徴とするブロー成形容器。 - 左右一対の接着帯(21)と、該一対の接着帯(21)の間に位置する非接着帯(22)により規制帯(23)を形成した請求項1記載のブロー成形容器。
- 容器の中心軸に対して略軸対称の位置に一対の規制帯(23)を形成、配設した請求項1または2記載のブロー成形容器。
- 規制帯(23)を除いた領域からは内部の視認が不能に、外層(11)に不透明層を積層した請求項1、2または3記載のブロー成形容器。
- 規制帯(23)の少なくとも左右中央部を除いた全周に亘る領域で、外層(11)に同材質で着色不透明な着色層(11a)を積層した請求項4記載のブロー成形容器。
- 規制帯(23)の少なくとも左右中央部を除いた全周に亘る領域で、外層(11)に着色不透明なラベルを貼着積層した請求項4記載のブロー成形容器。
- 外層(11)をスクイズ変形可能で、復元自在な可撓性を有するものとした請求項1、2、3、4、5または6記載のブロー成形容器。
- 凹部(8)を、規制帯(23)の左右の所定位置に挟まれる領域を除く領域に周状に延設する構成とした請求項1、2、3、4、5、6または7記載のブロー成形容器。
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