JP6234084B2 - 撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、撮影装置に関し、詳しくは、ズームレンズ鏡筒に回転自在に配設されたリング部材を有し、リング部材の回転によって設定された距離にピントが合うようにフォーカシング可能な撮影装置に関する。
レンズ鏡筒にフォーカスリングを設け、このフォーカスリングをユーザが回転操作することにより、マニュアルでフォーカシングを行うことのできる撮影装置が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示の撮影装置では、フォーカシングリングを回転操作すると、この動きに追随して表示リングが回転し、被写体距離を示すことができる。
特開2006−58367号公報
上述の特許文献1に開示の撮影装置では、ピントの合っている被写体距離(絶対距離)を確認することはできる。しかしながら、撮影者の意図する被写体距離にピントを合わせることができない。すなわち、絶対距離の付されたフォーカスリングを操作して、意図する撮影距離にピント合わせを行うことができない。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、マニュアルフォーカス時に、操作部材によって指定される距離にピントを合わせることが可能な撮影装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため第1の発明に係る撮影装置は、撮影レンズを含むレンズ鏡筒内に設けられた光軸方向に移動可能な焦点調節レンズと、上記レンズ鏡筒に対して第1の端点と第2の端点の角度範囲内を回転可能に配設されるリング部材と、上記リング部材の回転角と被写体距離に関する値の第1の関係と、上記焦点調節レンズの光軸方向の位置と上記焦点調節レンズの光軸方向の位置に対応して合焦となる被写体距離に関する値の第2の関係を記憶する記憶部と、上記リング部材の回転角を検出する回転角検出部と、上記回転角検出部により検出される上記リング部材の回転角と上記第1の関係に基づいて上記リング部材の回転角に応じた被写体距離に関する値を算出し、該被写体距離に関する値と上記第2の関係に基づいて上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を設定する制御部と、を具備する。
第2の発明に係る撮影装置は、上記第1の発明において、上記レンズ鏡筒内にズームレンズ群が設けられ、上記ズームレンズ群のズーム位置を検出するズーム位置検出部を有し、上記記憶部は、上記ズーム位置に応じて複数の第2の関係を記憶し、上記制御部は、上記リング部材の回転角と上記第1の関係に基づいて上記リング部材の回転角に応じた被写体距離に関する値を算出し、該被写体距離に関する値と上記ズーム位置検出部により検出されるズーム位置に応じた上記第2の関係に基づいて上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を設定する。
第3の発明に係る撮影装置は、上記第2の発明において、上記制御部は、上記ズーム位置に基づいて上記複数の第2の関係のうちから一つの第2の関係を選択し、選択された第2の関係に基づいて、上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を設定する。
第4の発明に係る撮影装置は、上記第2の発明において、上記制御部は、上記ズーム位置に応じた上記複数の第2の関係に基づいて、上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を複数求め、上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を補間法により算出して設定する。
第5の発明に係る撮影装置は、上記第1の発明において、上記第1の関係における上記被写体距離に関する値は、被写体距離の逆数である。
第6の発明に係る撮影装置は、上記第5の発明において、上記第2の関係における上記被写体距離に関する値は、上記焦点調節レンズの光軸方向の位置に対応して合焦となる被写体距離の逆数である。
上記目的を達成するため第1の発明に係る撮影装置は、撮影レンズを含むレンズ鏡筒内に設けられた光軸方向に移動可能な焦点調節レンズと、上記レンズ鏡筒に対して第1の端点と第2の端点の角度範囲内を回転可能に配設されるリング部材と、上記リング部材の上記第1の端点または第2の端点の一方からの回転角と該回転角に応じて設定される被写体距離に関する値とを一対一に対応付づける第1の関係と、上記焦点調節レンズの光軸方向の位置と上記焦点調節レンズの光軸方向の位置に対応して合焦となる被写体距離を示すとを一対一に対応付づける第2の関係を記憶する記憶部と、上記リング部材の回転角を検出する回転角検出部と、上記回転角検出部により検出される上記リング部材の回転角に基づいて上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を設定する制御部と、を具備し、上記回転角検出部は、周期的に上記回転角を検出し、上記制御部は、過去に取得した回転角とそれに続き取得した回転角との差が所定の範囲を越えたと判定された回数が所定の閾値を越えたと判定する場合に上記回転角の変化が開始したと判断し、上記回転角の変化が開始したとの判断に応じて、上記判定された回数が所定の閾値を越えたと判定した時に取得した上記リング部材の回転角と上記第1の関係に基づいて上記リング部材の回転角に応じて設定される被写体距離に関する値を算出し、該回転角に応じて設定される被写体距離に関する値を上記焦点調節レンズの光軸方向の位置に対応して合焦となる被写体距離を示す値に適用し、上記被写体距離を示す値と上記第2の関係に基づいて上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を設定する。
10の発明に係る撮影装置は、上記第3の発明において、上記制御部は、上記ズーム位置に応じて、上記焦点調節レンズの光学的至近となる光軸方向の位置と光学的無限となる光軸方向の位置を変更する。
本発明によれば、マニュアルフォーカス時に、操作部材によって指定される距離にピントを合わせることが可能な撮影装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るカメラの構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るカメラの主として電気的構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るカメラのRFモードおよび非RFモードの設定を説明する図であって、レンズ鏡筒の平面図である。 本発明の一実施形態に係るカメラにおいて、RFモードにおけるMF環の回転方向の絶対値(AD値)と被写体距離(L)の逆数の関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るカメラにおいて、被写体距離の逆数(1/L)とフォーカスレンズ位置(LDPls)の関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るカメラにおいて、被写体距離の逆数(1/L)から焦点距離に応じたフォーカスレンズ位置(LDPls)を算出するためのテーブルを示す図である。 本発明の一実施形態に係るカメラにおいて、被写体距離ごとの焦点距離とフォーカスレンズ位置(LDPls)の関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るカメラにおける状態遷移図である。 本発明の一実施形態に係るカメラのモード切り換えの動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るカメラのRFモード切り換え処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るカメラのRFモード駆動周期処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るカメラのRF起動判断処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るカメラのRF操作停止判断処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るカメラのRFAD位置更新判断の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るカメラのRFAD位置更新判断の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るカメラの目標位置Pls演算の動作を示すフローチャートである。
以下、図面に従って本発明を適用したカメラを用いて好ましい一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るカメラの構成を示すブロック図であり、図2は、このカメラにおける電気的構成を示すブロック図である。このカメラは、交換レンズ100とカメラ本体200から構成される。しかし、レンズ鏡筒とカメラ本体を一体に構成しても勿論かまわない。
交換レンズ100内には、レンズ11a〜11cからなる撮影レンズ11を有する。撮影レンズ11によって被写体像が形成される。このうち、フォーカスレンズ11bは焦点調節用のレンズであり、フォーカスレンズ駆動機構25によって光軸方向に移動可能である。フォーカスレンズ駆動機構25は、フォーカスレンズ用アクチュエータとフォーカスレンズ用ドライブ回路を有している。したがって、フォーカスレンズ11bは、撮影レンズを含むレンズ鏡筒内に設けられた光軸方向に移動可能な焦点調節レンズとしての機能を果たす。また、レンズ11a〜11cの一部は、焦点距離を変化させるためのズームレンズである。したがって、交換レンズ100内にはズームレンズ群が設けられている。
またフォーカスレンズ基準位置検出部27は、フォーカスレンズ11bが基準位置に達すると検出信号を制御部であるCPU41に出力する。基準位置検出には、フォトインタラプタ(PI)を用いる。なお、本実施形態においては、フォーカスレンズ11bの位置検出は、基準位置を検出すると、その位置を基準にして、フォーカスレンズ用のアクチュエータ(パルスモータ使用)への印加パルス数に基づいて行う。
レンズ11aと11bの間には、絞り13が配置されている。絞り13は、絞り駆動機構21によって開口径が変化し、撮影レンズ11を通過する被写体光量を変化させる。絞り駆動機構21は、絞り用アクチュエータと絞り用ドライバ回路等を有する。アクチュエータとしては、ステッピングモータを使用し、マイクロステップ駆動によって細かい制御を行う。なお、絞り13は、レンズ11aと11bの間以外に配置しても勿論かまわない。
絞り基準位置検出部23は、絞りの開口径が基準位置に達すると、検出信号をCPU41に出力する。絞り位置は、基準位置検出部23によって基準位置を取得し、相対的な位置検出によって絞り位置を管理する。相対的な位置検出はステッピングモータへの印加パルス数によって検出し、基準位置の検出はフォトインタラプタ(PI)によって検出する。
交換レンズ100の外周には、距離環51が配置されている。距離環51は、交換レンズ100の外周を回動自在であると共に、撮影レンズ11の光軸方向の所定範囲内で、スライド自在である。この距離環51は、図3に示すように、被写体側にスライドすると、非RF(非レンジフォーカス)(MF(マニュアルフォーカス)という場合もある)位置に設定され、本体側にスライドすると、RF(レンジフォーカス)位置に設定される。距離環51のスライドにより、RFモードと非RFモード(MFモード)の切り換えを行う。このモードの検出は、RFモード検出部33が行う。また、距離環51は、至近と無限遠の間で回動自在に構成されている。したがって、距離環51は、レンズ鏡筒に対して第1の端点と第2の端点の角度範囲内を回転可能に配設されるリング部材としての機能を果たす。
非RFモードは、ユーザが距離環51の回転方向および回転量に応じてピント合わせを行うモードであり、一方RFモードは距離環51によって指定された距離にピントを合わせるモードである。すなわち、非RFモードもMFモードもマニュアルフォーカスであるが、非RFモードでは距離環51は相対的な距離指定を行うのに対して、RFモードでは絶対距離を指定する点で相違する。
距離環51のスライドによってMFモードが設定されると、距離環51の回転により、距離環51の内側にある遮光羽根が一体となって回転する。この遮光羽根の回転をフォトインタラプタ(PI)によってカウントし、このカウント値に応じてフォーカスレンズ11bを駆動する。なお、距離環51の回転方向および回転量は、フォトインタラプタ以外のセンサによって検出するようにしても勿論かまわない。
距離環51のスライドによってRFモードが設定され、距離環51が回転されると、その回転位置をRF位置検出部31が検出する。RF位置検出部31は、距離環51の回転位置の絶対位置を検出する。フォーカスレンズ駆動機構25は、CPU41からの制御信号に従って、距離環51の回転位置に応じた撮影距離に、フォーカスレンズ11bを駆動する。
RFモード検出部33は、RF/MFモード検出スイッチ83(図2参照)の出力に基づいて、距離環51が非RF位置(MF位置)、RF位置のいずれかに設定されているかを検出する。
MF位置検出部35は、距離環51が非RF位置(MF位置)に設定されている際に、距離環51の回転方向および回転量を検出する。このMF位置検出部35の検出結果に基づいて、マニュアルフォーカスを行う。
交換レンズ100の外周であって、距離環51より本体側には、ズーム環52が外周を回動自在に配置されている。ユーザが手動でズーム環52を回転させるとズーミングを行うことができる。
ズーム位置検出部34は、ズーム環52の回転位置の絶対値を検出し、CPU41に出力する。ズーム位置検出部34は、後述するように、リニアエンコーダZM位置検出部82を有しており、このリニアエンコーダ位置検出部82の出力はCPU41内のA/D変換器44によってAD変換され、このAD変換値は焦点距離を表す。ズーム位置検出部34は、ズームレンズ群のズーム位置を検出するズーム位置検出部としての機能を果たす。
記憶部37は、フラッシュメモリ37等の書き換え可能な不揮発メモリ等を有し、CPU41用のプログラムや、交換レンズの光学データ等の各種情報や、各種調整値や各種パラメータ等を記憶する。また、記憶部37は、リング部材の回転角と距離の第1の関係(図4に示す関係)と、焦点調節レンズの光軸方向の位置と距離の第2の関係(図5に示す関係)を記憶する記憶部としての機能を果たす。なお、本実施形態においては、第1と第2の関係は、テーブルとして記憶される。
制御部であるCPU41は、前述した記憶部37に記憶されているプログラムに従い、カメラ本体200からの制御命令に応じて、交換レンズ100内の制御を行う。CPU41は、絞り位置検出部23、フォーカスレンズ基準位置検出部27、RF位置検出部31、RFモード検出部33、およびMF位置検出部35からの検出信号を入力し、またフォーカスレンズ駆動機構25および絞り駆動機構21に制御信号を出力する。
また、CPU41は、リング部材の回転角と第1の関係に基づいてリング部材の回転角に応じた距離を算出し、この距離と第2の関係に基づいて焦点調節レンズの光軸方向の位置を設定する制御部としての機能を果たす。この焦点レンズの光軸方向の位置設定については、図10〜図16に示すフローチャートを用いて後述する。
カメラ本体200内には、撮像素子201が配置されている。この撮像素子201は、撮影レンズ11の結像位置付近に配置されており、撮影レンズ11に形成される被写体像を光電変換し、画像データを出力する。また、カメラ本体200内にも制御用のCPUが設けられており、交換レンズ100内のCPU41と通信を行う。
次に、図2を用いて、電気構成の詳細について説明する。CPU41は、前述したように、カメラ本体200と通信が可能である。また、CPU41は、モータドライバ71に接続されており、このモータドライバ71は、FCPI69、LDMT73、AVMT75、およびAVPI77の駆動を行う。
FCPI69は、フォーカスレンズ11bの基準位置検出用のフォトインタラプタであり、このFCPI69の出力はFCPI二値化回路67に接続されている。FCPI69およびFCPI二値化回路67は、前述のフォーカスレンズ基準位置検出部27に対応する。
LDMT73は、LDモータ(レンズ駆動モータ)であり、前述のフォーカスレンズ駆動機構25内のフォーカス用アクチュエータとして機能する。LDモータとしては、本実施形態においては、VCM(ボイスコイルモータ)を採用するが、他のモータ、例えば一般的なステッピングモータを用いても勿論かまわない。AVMT75は、絞りモータであり、前述の絞り駆動機構21内の絞り用アクチュエータとして機能する。
AVPI77は、絞り13の基準位置検出用のフォトインタラプタであり、このAVPI77の出力はAVPI二値化回路79に接続されている。AVPI77およびAVPI二値化回路79は、前述の絞り基準位置検出部23に対応する。
MFPIドライバ65は、距離環51がMF位置にスライドされた場合に、距離環51の回動を検出するためのMFPI63のドライバである。MFPI63は、遮光羽根の回動方向に沿って2箇所、設けられている。このMFPI63の出力は、MFPI二値化回路61に接続されており、MFPI二値化回路61によって二値化される。MFPI二値化回路61、MFPI63、MFPIドライバ65は、前述のMF位置検出部35に対応する。
リニアエンコーダRF位置検出部81は、距離環51がRF位置にスライドされた場合に、距離環51の回転方向における絶対値を検出するためのリニアエンコーダである。リニアエンコーダRF位置検出部81は、距離環51の回動方向に沿って設けられており、リング51の回動方向での絶対位置に応じてアナログ信号を出力する。CPU41内には、A/D変換器43が設けられており、リニアエンコーダRF位置検出部81からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器43によるAD変換値は、ユーザによって設定される被写体距離(絶対距離)を表す(RFリニアエンコーダADと称する場合がある)。
リニアエンコーダZM位置検出部82は、ズーム環52の回転方向における絶対値を検出するためのエンコーダである。リニアエンコーダZM位置検出部82は、ズーム環52の回動方向に沿って設けられており、ズーム環52の回転方向での絶対位置に応じてアナログ信号を出力する。CPU41内には、A/D変換器44が設けられており、リニアエンコーダZM位置検出部82からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器44によるAD変換値は、ユーザによって設定される焦点距離(絶対距離)を表す。
RF/MFモード検出スイッチ(SW)83は、距離環51がRFモードに設定されているか、MFモード(非RFモード)に設定されているかを検出するためのスイッチである。このRF/MFモード検出SW83は、距離環51の光軸方向の位置を検出し、RFモード設定時またはMFモード設定時にオンまたはオフとなり、このオンオフ状態はCPU41に出力される。
次に、図3を用いて、RFモードとMFモードの切り換えについて説明する。前述したように、距離環51は交換レンズ100の光軸方向に沿って摺動可能であり、距離環51を被写体側にスライドすると、図3(a)に示すように、非RFモード(MFモード)に切り換わる。このMFモードは、従来と同じマニュアルフォーカスモードであり、距離環51の回転方向および回転量に応じて、フォーカスレンズ11bが光軸方向に移動する。
また、距離環51を本体側(撮像側)にスライドすると、図3(b)に示すようにRFモードに切り換わる。RFモードに切り換わると、距離目盛(図示の例では、0.5m、1m、3m、7m、∞)を示すRF指標53と、RF基準線54が露呈する。RF指標53で表示される距離目盛は、距離の逆数に比例した間隔で設けられており、至近側の指標間隔が広くなっている。なお、距離環51が非RFモードに設定されている場合には、RF指標53、RF基準線54は、距離環51によって覆われ、ユーザは見ることができない。
次に、図4ないし図7を用いて、本実施形態における、RFモードにおけるレンズ駆動制御について説明する。前述したように、RFモードが設定されると、距離環51の回転方向の絶対位置を検出し、この絶対位置に応じてフォーカスレンズ11bの制御を行い、指定された絶対距離にピント合わせを行う。マニュアルフォーカスによるピント合わせの使用感を良くするためには、距離環51の微小な回転に応じて、フォーカスレンズ11bの動きも追従することが望ましい。
そこで、本実施形態においては、RFモード設定時の距離環51の絶対位置を検出するためのリニアエンコーダRF位置検出部81の出力をAD変換する際のLSB(least significant bit)(AD変換にあたっての最小ビット)をそのまま分解能として使用する。勿論、分解能としては、LSBを使用しなくてもよいが、なるべく最下位ビットに近い値を使用すると、使用感がよくなる。
LSB単位で制御を行うと、組み立てのばらつきから製品ごとにストローク範囲(AD範囲、両端側のAD値)が僅かに異なる。このため、分割領域とフォーカスレンズ位置LDPlsの関係を示すテーブルを使用するテーブル方式を用いることができない。また、交換レンズ100がズームレンズの場合には、ズーム位置によって使用するフォーカスレンズ位置LDPlsの範囲が異なることから、テーブル方式は使用し難い。そこで、本実施形態においては、距離環51の絶対位置を示すAD値と、被写体距離の逆数(1/L)の関係を線形1次式で持たせることにより解決した。
なお、フォーカスレンズ位置LDPlsは、基準位置(フォーカスレンズ基準位置検出部27のリセット位置またはリセット位置を基準にして設定された無限遠位置)から、フォーカスレンズ駆動機構25内のレンズ駆動モータ(LDモータ)であるLDMT73によってステッピング駆動されたパルス数で表わされる。
図4は、距離環51の絶対位置を示すAD値と、被写体距離の逆数(1/L)の関係を示す図である。図4において、横軸は、距離環51の絶対位置を示すAD値であり、Adj_AD_nearは、交換レンズの最至近側に距離環51を当てつけた時のRFリニアエンコーダRF位置検出部81の出力に対応するAD変換値であり、Adj_AD_farは、無限遠側に距離環51を当てつけた時のRFリニアエンコーダRF位置検出部81の出力に対応するAD変換値である。
また、図4において、縦軸は、被写体距離の逆数(1/L)を示している。縦軸において、逆数(1/L)の最大値は、最至近距離の設計値よりも大きな値を確保している。例えば、最至近距離が0.2mの場合には、その逆数は、5.0となるが、図4に示す例では、これより大きな5.34まで確保している。逆数(1/L)の最小値は、無限遠の逆数である0よりも小さな値を確保している。図4に示す例では、−0.79まで確保している。
このように、本実施形態においては、RFモードにおけるAD値(RF-AD値)と、距離の逆数(1/L)は、線形補間によって、図4に示すような関係となっており、まとめると、下記(1)〜(3)の関係を有する。
(1) 必ず光学無限遠が確保できるように、無限遠側の1/Lは負の値を用意し、光学無限遠位置は0を取り得る。
(2)同様に、光学至近が確保できるように、至近側の1/Lは至近撮影距離よりも大きな値を用意しておく。
(3)距離表示メモリは、1/L刻みとし、リニアエンコーダRF位置検出部81で検出する。よって、Y=aX+bの一次式の関係となる。ここで、Yは距離の逆数(1/L)であり、XはAD値である。上記一次式を用いAD変換値に基づいて1/Lを求める。上記一次式をAD変換値−1/L線形補間式と称する。
図5は、距離の逆数(1/L)とLDPlsとの関係を示すグラフである。図5に示すグラフから分かるように、出力LDPlsは無限遠側では密になり、至近側では疎になっている。図6を用いて後述するように、本実施形態に係るカメラは、このグラフに基づく距離の逆数(1/L)とLDPlsとの関係を、テーブルで保持する。
RFモードに設定された場合に、MFリングの回転操作によって指定された距離は、図4を用いて説明したように、距離の逆数(1/L)に変換される。図5は、変換された距離の逆数(1/L)に対するフォーカスレンズ11bの駆動位置(LDPls)を示している。両者の関係は、テーブルで保持していることから、離散的な値しか分からない。すなわち、離散的な距離の逆数(1/L)に対するLDPlsの関係のみがテーブルに記憶されている。
そこで、距離の逆数(1/L)の入力値Pxに対して、入力値Pxの前後の4つの距離の逆数P1〜P4に対する4つのLDPls(図中のQ1〜Q4)を用いて、線形補間演算により出力LDPls(図中のQy)を算出する。なお、本実施形態においては、入力値Pxに対して、前後の4点を用いて線形補間演算を行っているが、これに限らず、他の補間演算によって出力LDPlsを算出するようにしてもよい。
図5は、ある焦点距離において、入力値(距離の逆数)に対するフォーカスレンズ位置(出力LDPls)の算出方法の概念を示しているが、実際には、図6に示すようなテーブルを用いてフォーカスレンズ位置(出力LDPls)を求める。
図6は、図5に示した距離の逆数(1/L)とLDPlsとの関係を、テーブルで表している。図5では、交換レンズの焦点距離を固定していたが、図6では、ズームレンズを想定し、焦点距離毎のLDPlsを示し、また、テーブル上での補間演算も示している。図6の上部は、図5における横軸に示した距離の逆数(1/L)と、距離そのものを示している。図中、Pxが図5における入力値Pxに対応する。
図6の下部は、縦方向の欄に焦点距離をとり(
Trac−ZMENC−0〜Trac−ZMENC−n)、各行にそれぞれの距離の逆数に対応したLDPlsを示す。例えば、焦点距離がTrac−ZMENC−k2の場合、距離L(i)におけるLDPlsはPls(k2:i)であり、距離L(i+1)におけるLDPlsはPls(k2:i+1)である。また、焦点距離(Trac−ZMENC−0〜Trac−ZMENC−n)に応じて光学的に変化する光学無限、光学至近に対応するLDPlsを含んでいる。
図6に示した補間演算の例では、ズーム環52によって現在設定されている焦点距離はTrac−ZMENC−k2である。この例では、FCENC(i−1)〜FCENC(i+2)(距離L(i−1)、L(i)、L(i+1)、L(i+2)に対応するデータ)に応じたLDPlsであるPls(k2:i−1)、Pls(k2:i)、Pls(k2:i+1)、Pls(k2:i+2)を用いて、入力値Pxに対応する出力LDPls(Qy)を求めている。
したがって、本実施形態においては、下記の手順で距離の逆数(1/L)の入力データに対応するLDPlsを算出する。
(1) 距離の逆数(1/L)入力データが含まれるFCENC領域を特定し、その両側に隣接するFCENC領域および代表する1/Lデータを求める。
(2)現在のズーム位置と、Trac−ZMENCテーブルから、上述の(1)の両側に隣接するFCENC領域に対応するLDPlsを求める。
(3)上述の(1)(2)のデータから、線形補間式によって、1/L入力データに対応するLDPlsを求める。
図7は、横軸にズーム位置(焦点距離)、縦軸にLDPlsとした時の、各被写体距離(FCENC)での軌跡の一例を示す。すなわち、同一被写体距離における焦点距離毎のLDPlsの変化を示し、図6をグラフ化したものである。図7に示す例において、ズーム位置(入力値)800Ediv、被写体距離FCENC7の場合には、LDPlsは略5000である。なお、本実施形態においては、ズーム位置は、リニアエンコーダZM位置検出部82によって、1024分割で検出され、Ediv単位として表示される。また、FCENC0(光学無限)に対応するLDPls、FCENC15(光学至近)に対応するLDPlsは、それぞれズーム位置(焦点距離)に応じて、一例として図7のように変化することを示している。
このように、本実施形態においては、RFモードが設定され、ユーザによって距離環51が回転操作され、被写体距離が指定されると、リニアエンコーダRF位置検出部81によってこの指定された距離を検出し、この距離の逆数(1/L)を求める(図4参照)。また、このときズーム環52によって設定されている焦点距離を、リニアエンコーダZM位置検出部82によって検出する。求められた距離の逆数(1/L)と設定された焦点距離を用いて、フォーカスレンズ位置LDPlsを求める(図5、図6参照)。現在のフォーカスレンズ位置LDPlsと、求められたフォーカスレンズ位置LDPlsの差分に基づいて、フォーカスレンズ駆動機構25内のLDモータであるLDMT73を駆動することにより、ユーザが指定した被写体距離にピントが合う。
次に、図8を用いて、本実施形態に係るカメラのRF操作の状態遷移について説明する。前述したように、距離環51を光軸方向にスライドすることにより、RFモードと非RFモードに切り換える(図8中の矢印A、B)。
RFモード時には、ユーザが指定した距離にピント合わせを行う「駆動」と、この駆動動作の「停止」の2つの状態がある。停止状態から駆動状態への変化は、ヒステリシスを超えたAD変化が有る場合に行われる(図8中の矢印C)。また、駆動状態から停止状態への変化はヒステリシスを超えたAD変化がなくなると駆動を完了する(図8中の矢印D)。すなわち、RFモード時に距離環51を回転操作させた際に、リニアエンコーダRF位置検出部81からの出力をAD変換するA/D変換器43の出力が、ある一定量(ヒステリシス)を超えると、停止状態から駆動状態に変化し、また一定量を超えなくなると駆動状態から停止状態に変化する。リニアエンコーダRF位置検出部81からのチャタリングやノイズ出力等によって、ユーザの意図に反してRF駆動が開始し、また停止することを防止するためである。
また、同様に、ヒステリシスを超えたAD変化がある場合に駆動目標を更新し、駆動状態を継続し(図8中の矢印E)、ヒステリシスを超えたAD変換がない場合には、停止状態を継続する(図8中の矢印F)。なお、RF設定時には、非RFモード設定時に行われるようなコンティニュアスAF(CAF)やシングルAF(SAF)などのカメラ本体からの指示に対する駆動は行わず、距離環51からの操作に応じて駆動を行う。
非RFモード設定時には、マニュアルフォーカス(MF)や、CAFやSAFなど、カメラ本体の状態に従いフォーカスレンズの駆動(LD駆動)を行う。なお、マニュアルフォーカス(MF)では、前述したように、距離環51の回転方向や回転量に応じて、フォーカスレンズ11bを駆動する。また、CAFやSAFの設定時には、カメラ本体において、焦点状態を検出し、この検出された焦点状態に基づいてカメラ本体よりフォーカスレンズの駆動制御信号を入力し、制御部41はこの駆動制御信号に従ってフォーカスレンズ11bの駆動制御を行う。
次に、図9ないし図16に示すフローチャートを用いて、本実施形態におけるRFモードの動作について説明する。このフローチャートは、交換レンズ100内の制御部41が交換レンズ100内の各部を制御することにより実行する。
図9に示すモード検出のゼネラルフローは、予め決められた時間毎に実行し、モードの切り換えを検出する。モード検出のゼネラルフローに入ると、まず、RFモードスイッチのチェックを行い、RFモードと非RFモードのいずれが設定されてか否かを判定する(S1)。ここでは、RF/MFモード検出SW83(図2参照)の操作状態を入力し、この操作状態に基づいて判定する。
RFモードSWチェックを行うと、次にRFモード変化判定を行う(S3)。ここで、RF/MFモードSWがチャタリングのために、変化する場合がある。このため、このステップでは、ステップS1におけるRFモードSWチェックの結果、規定の回数の間(所定時間の間)、モード検出の結果が一致しているか否かによって、RFモード変化の判定を行っている。
ステップS3においてRFモード変化判定を行うと、この判定に基づいて、RFモード変化があったか否かを判定する(S5)。この判定の結果、RFモード変化があった場合には、RFモード切換処理を行う(S7)。ここでは、ユーザによって設定されたRFモード、または非RFモードのいずれかにモード設定を行う。このRFモード切換処理の詳しい動作については、図10を用いて後述する。一方、判定の結果、RFモード変化がなかった場合、またはステップS7におけるRFモード切換処理を行うと、モード検出のフローを終了し、モード検出の周期監視処理に戻る。
次に、図10を用いて、ステップS7におけるRFモード切換処理の動作について説明する。このRFモード切換処理では、ステップS11、S13、S15、S25において、更新前のRFモード(Rf_Mode_Prev)を現在のモード(RF_Mode_Current)に更新するためのモード切換処理部としての動作と、ステップS17−S21、S27においてモード切り換理事のRF駆動を行うモード切換時RF駆動部としての動作がある。
RFモード切換処理のフローに入ると、まず、現在のモードをSW状態のモードとする(S11)。ここでは、ステップS7においてRF/MFモード検出SW83の設定状態基づいて設定したモードを現在のモードに設定する。
ステップS11において現在のモードを設定すると、次に、現在のモードがRFモードか否かを判定する(S13)。この判定の結果、現在のモードがRFモードの場合には、これに応じたL_STATUS_Mビット処理を行う(S15)。L_STATUS_Mビット処理は、交換レンズ100の状態を示す各種フラグ(以下に示すRF_Mode_Flag、AF禁止状態ビット、AF/MF状態ビット等)を設定する処理である。この各種フラグは交換レンズ100の状態を知らせるためにカメラ本体200へ送信される。ここでは、現在のモードがRFモード(RF_Mode_Prev:1)に切り換わった場合である。この場合には、RF_Mode_Flagを1にセットする。また、レンズ状態送信データ(L_STATUS_M)のレンズAF禁止状態ビットを1にセットし、AF/MF状態ビットを1にセットする。
一方、ステップS13における判定の結果、現在のモードがRFモードでない場合には、これに応じたL_STATUS_Mビット処理を行う(S25)。ここでは、現在のモードが非RFモード(RF_Mode_Prev:0)に切り換わった場合である。この場合には、RF_Mode_Flagを0にクリアする。また、レンズ状態送信データ(L_STATUS_M)のレンズAF禁止状態ビットを0にクリアし、AF/MF状態ビットを0にクリアする。
ステップS15における処理を行うと、ステップS17〜S21において、モード切換時のRF駆動を行う。まず、RF演算_変数初期値を設定する(S17)。ここでは、RFモード駆動に使用する変数の初期値を設定する。
続いて、RFリニアエンコーダAD(RF_Current_AD)を更新する(S19)。リニアエンコーダRF位置検出部81の出力をA/D変換器43によりAD変換を行い、AD変換値を更新する。
続いて、目標位置Pls演算を行い、RFリング51の現在位置に対応したLDPls位置を算出し、このLDPls位置へフォーカスレンズ11bを駆動し、フォーカスレンズ11bが駆動中(LD駆動中)であれば、目標位置を更新して駆動する(S21)。目標位置Pls演算は、RF_Prev_ADを使用するので、RF_Prev_ADにRF_Current_ADを代入する。目標位置Pls演算の結果、現在のLDPls位置と比較し、駆動方向が無限遠方向であれば、駆動方向を示すフラグRF_Drv_dir=0とし、至近方向であれば、RF_Drv_dir=1とする。目標位置Pls演算の結果のLDPlsを目標LDPlsとし、LDモータ(LDMT73)によって、絶対値駆動を行う。目標位置Pls演算の詳細については後述する。
ステップS21における処理を行うと、次に、RFモード駆動周期処理ゼネラルフローを実行する(S23)。ここでは、リニアエンコーダRF位置検出部81およびA/D変換器43によって検出したMFリング51の動きに応じたAD値を周期的に監視し、このAD値の変化に応じてRF駆動を行う。このRFモード駆動周期処理の詳しい動作については、図11を用いて後述する。
ステップS25における処理を行うと、モード切換時のRF駆動を行う。すなわち、フォーカスレンズ11bが駆動中(LDがRF駆動中)であれば、減速して停止処理を行う(S27)。ステップS27は、RFモードから非RFモードに切り換わった場合であり、レンズ駆動(LD)としてRF駆動中であれば、減速して停止処理を行う。
ステップS23において、RFモード駆動周期処理を行うと、またはステップS27において停止処理を行うと、RFモード切換処理のフローを終了し、元のフローに戻る。
図10のRFモード切換処理において、ステップS21において目標位置Pls演算を行っており、以下に詳細を説明する。この目標位置Pls演算では、リニアエンコーダRF位置検出部81の検出結果のAD変換値に基づいてLDPlsを演算する。この目標位置Pls演算は、下記のような手順で行う。
(1)図4に示す関係に応じたAD変換値−1/L線形補間式を用いて、RF_Prev_ADから1/Lの被写体距離データを算出する。
(2)上記1/Lが該当するフォーカス領域であるFCENC領域を求める(図6)。
(3)フォーカス領域FCENCとズーム位置Trac_ZMENCによりなるフォーカストラッキングテーブルよりLDPlsを求める(図6参照)。算出されたLDPlsを基に、RFモード切換時の初期位置へ駆動する目標LDPlsを決める。
次に、RF駆動のエンコーダ検出方法について説明する。RF駆動にあたって、被写体距離を表すAD値を、至近から無限遠の範囲内を適当に分割し、この分割した領域毎に対応するLDPlsを決める方法がある。つまり、AD値をまるめて上位ビットのみを使用してLDPlsに変換する方法である。しかし、本実施形態においては、細かな距離設定を可能にするRF駆動を行うために、AD値のLSB単位で制御を行うようにしている。但し、AD値のLSB単位で制御を行うと、AD値の分解能が高いことから、ユーザが意図しないフォーカス駆動となったり、またAD変換の誤検出の影響が大きくなってしまう。そこで、これらの不具合を避けるために、AD値にヒステリシス(不感帯)を持たせて制御を行うようにしている。RF駆動にあたって、LSB単位で制御を行うことから、信号ノイズ、チャタリング等に配慮した制御を行っている。最適な操作感が得られるように、以下に説明するオフセットとヒステリシスを用意し、動作によってヒステリシスを変更する。
具体的には、本実施形態においては、エンコーダ端のオフセットとして、RF_Offset_AD(オフセットAD)を用意している。また、ヒステリシスとして起動判断ヒステリシスRF_Edge_his_AD、駆動中のAD更新判断ヒステリシスRF_Drv_his_AD、MFリング51のユーザ操作停止判断ヒステリシスRF_Stop_his_ADを用意している。また、チャタリングのような誤検出を抑制するために、各判断基準に判定回数や方向フラグを用意している。それらの判断基準を満足し確定したAD値を、1/L被写体距離データを用いて、被写体距離に変換し、更にフォーカストラッキングテーブルおよびズーム環位置(Trac−ZMENC)の情報を用いて、RF駆動の目標LDPls位置を演算し、算出された目標LDPls位置へ駆動する。
なお、RF駆動時のフラグ処理としては、上述したフラグの他に、MFリング操作状態フラグがある。このフラグは、距離環51(MFリングともいう)の操作状態を表し、距離環51が操作されている場合には「1」、操作されていない場合には「0」が設定される。このMFリング操作状態フラグは、交換レンズ100からカメラ本体200にレンズ通信によって出力し、カメラ本体200では、MFリング操作時における拡大表示等の際の判定に使用してもよい。
次に、図11を用いて、ステップS23(図10)におけるRFモード駆動周期処理について説明する。このフローは、リニアエンコーダRF位置検出部81の出力のAD値を監視する時間間隔であるTim_RF_AD_Detec毎に周期的に監視を実施する。また、リニアエンコーダRF位置検出部81の出力のAD値を更新(更新したAD値は、RF_Current_AD)する。更新したAD値を保持する変数(RF_Prev_AD)へ反映するか否かは、停止状態、駆動状態、それぞれの条件により判断する。RFが駆動中か否かをRF_Drv_Flagで確認し、「1」の場合は駆動中、「0」の場合は停止(非駆動)となる。
図11に示すRFモード駆動周期処理に入ると、まず、RFリニアエンコーダADの更新を行う(S31)。ここでは、リニアエンコーダRF位置検出部81の出力のAD値を取得し、この取得したAD値を、RF_Current_ADとする。
ステップS31においてRFリニアエンコーダのADを更新すると、次に、RF駆動中か否かを判定する(S33)。この判定は、RF駆動中か否かを示すRF_Drv_Flagが「1」であれば駆動中、このフラグが「0」であれば停止(非駆動)と判定する。
ステップS33における判定の結果、フラグが0、すなわち停止(非駆動)であった場合には、RF起動判断処理を行う(S35)。このRF起動判断処理では、距離環51がメカ端(無限端、至近端)付近にあるか、また距離環51をユーザが操作したかの起動判断を行う。このRF起動判断処理の詳しい動作については、図12を用いて後述する。
ステップS35においてRF起動判断処理を行うと、次に、起動されたか否かを判定する(S37)。ここでは、起動判断回数RF_Launch_cntが、起動判断判定回数RF_Launch_cut_judge以上であるか否かを判定する。
ステップS37における判定の結果、起動判断回数RF_Launch_cntが、起動判断判定回数RF_Launch_cut_judgeよりも小さい場合には(判定の結果、No)、ステップS53に進み、VCM駆動状態をチェックし、次回周期監視を待つ。
一方、ステップS37における判定の結果、起動判断回数RF_Launch_cntが、起動判断判定回数RF_Launch_cut_judge以上の場合には(判定の結果、Yes)、起動と判断し、フラグ処理を行う(S39)。このステップにおける起動処理後のフラグ処理は、MFリング操作状態ビットを「1」にセットし、RF_Drv_Flagを「1」にセットして、駆動状態とする。また、起動判断回数RF_Launch_cntを「0」にクリアする。
ステップS39においてフラグ処理を行うと、更新されたRFリニアエンコーダADを保持するためのRF_Prev_ADに、更新したAD値、RF_Current_ADに置き換える(S41)。
ステップS33における判定の結果、フラグが1、すなわちRF駆動中であった場合には、RF操作停止判断処理を行う(S43)。ここでは、1つ前の周期監視処理において、ユーザによって距離環51のRF操作(回転操作)が行われており、かつ今回の周期監視処理でもRF操作が継続しているか否かを判定する。この判定にあたっては、今回の周期監視処理で取得したリニアエンコーダAD値(RF_Current_AD)に基づいて、RF操作が継続しているか停止したかを判断し、駆動継続であれば、RF_Drv_Flagに「1」をセットし、停止であれば、「0」にクリアする。このRF操作停止判断処理の詳しい動作については、図13を用いて後述する。
ステップS43においてRF操作停止判断処理を行うと、次に、RF操作は継続されていたか否かを判定する(S45)。ここでは、ステップS43中において判定されたRF_Drv_Flagが「1」か否かを判定する。この判定の結果、停止と判定された場合(判定結果がNo)には、ステップS53に進み、VCM駆動状態をチェックし、次回周期監視を待つ。
一方、ステップS45における判定の結果、RF操作は継続中と判断された場合には、RF_AD位置更新判断を行う(S47)。ここでの状態は、ユーザのRF操作は継続中であり、その状態にて周期監視で更新されたAD値で距離環51の位置を更新するか否かを判断する。このRF_AD位置更新判断にて取得したAD値(RF_Current_AD)を新しい目標位置として駆動する処理を行う。このRF_AD位置更新判断の詳しい動作については、図14を用いて後述する。
ステップS41において、RFリニアエンコーダAD値の更新を行うと、またはステップS47においてRF_AD位置更新判断を行うと、次に、目標位置Pls演算を行う(S49)。ここでは、最終的なAD値(RF_Prev_AD)を基に、LD目標Plsを演算する。この目標位置Pls演算の詳しい動作については、図16を用いて後述する。
ステップS49において目標位置Pls演算を行うと、次に、RF駆動を実行する(S51)。ここでは、ステップS49において演算された新しいLD目標Plsへフォーカスレンズ11bを駆動する。
続いて、VCM駆動状態チェックを行う(S53)。ここでは、カメラ本体200から交換レンズ100に対して出力されている制御信号のチェックを行う。VCM駆動状態チェックおよびそれに伴う処理が終了すると、元のフローに戻る。
次に、図12に示すフローチャートを用いて、ステップS35(図11)のRF起動判断処理の動作について説明する。このフローでは、RF駆動を行っていない状態で、RF駆動を起動するか否かを判断する。
RF起動判断処理のフローに入ると、ステップS61〜S75において、取得したAD値が端+端オフセット範囲内にあるか否かに応じた処理を行う。ここで、端はメカ端を意味し、メカ端は、フォーカスレンズ11bの無限遠側および至近側の移動範囲内の端部であり、フォーカスレンズ11bが機械的に移動できる限界である。また、端+端オフセット範囲は、メカ端から端オフセットを考慮した範囲内を意味する。端オフセットADは、端オフセットに対応するAD値であり、この端オフセットAD値は、RF_Offset_ADとして予め記憶部37に記憶されている。
RF起動判断処理のフローに入ると、まず、取得したADが端+端オフセットAD以下で無限遠側にあるか否かを判定する(S61)。ここでは、今回取得したAD値(RF_Current_AD)が遠側調整AD値(Adj_AD_Far)+端オフセットAD(RF_Offset_AD)以下で、無限遠側の端オフセットADの範囲内にあるか否かを判定する。無限遠側調整AD値(Adj_AD_Far)は、光学的無限遠の位置を決めるための調整値である。
ステップS61における判定の結果、取得したAD値が端+端オフセットAD以下で無限遠側にある場合には、すなわち、無限遠側の端オフセットADの範囲内にある場合には、次に、前回取得したAD値も端+端オフセットAD以下で無限遠側にあるかを判定する(S63)。ここでは、前回取得したAD値(RF_Prev_AD)も無限遠側の端オフセットADの範囲内にあるか否かを判定する。
ステップS63における判定の結果、前回取得したAD値も端+端オフセットAD以下で無限遠側にあった場合には、FR_Drv_dirを無限遠方向(0)にセットする(S67)。ここでは、RF駆動の駆動方向フラグRF_Drv_dirを0にセットし、RF駆動方向を無限遠方向とする。ステップS61→S63→S67と進む場合には、距離環51が無限遠側のメカ端付近にある場合であり、RF駆動方向を無限遠側に設定する。ステップS67における処理を行うと、RF起動判断処理を終了し、元のフローに戻る。
一方、ステップS63における判定の結果、前回取得したAD値は端+端オフセットAD以下で無限遠側になかった場合には、RF起動判断カウントをカウントアップする(S65)。ここでは、RF起動判断回数(RF_Launch_cnt)をカウントアップする。すなわち、前回はメカ端付近ではなく、RF駆動した結果、今回、メカ端付近に達したことから、RF起動判断の回数をカウントするカウンタをカウントアップしている。ステップS65における処理を行うと、RF起動判断処理を終了し、元のフローに戻る。
ステップS61における判定の結果、取得したAD値が端+端オフセットAD以下で無限遠側にない場合には、次に、取得したAD値が端+端オフセットAD以上で至近側にあるか否かを判定する(S69)。ここでは、今回取得したAD値(RF_Current_AD)が至近側調整AD値(Adj_AD_Near)+端オフセットAD(RF_Offset_AD)以下で、至近側の端オフセットADの範囲内にあるか否かを判定する。
ステップS69における判定の結果、取得したAD値が端+端オフセットAD以上で至近側にある場合には、すなわち、至近側の端オフセットADの範囲内にある場合には、次に、前回取得したAD値も端+端オフセットAD以上で至近側にあるかを判定する(S71)。ここでは、前回取得したAD値(RF_Prev_AD)も至近側の端オフセットADの範囲内にあるか否かを判定する。
ステップS71における判定の結果、前回取得したAD値も端+端オフセットAD以上で至近側にあった場合には、FR_Drv_dirを至近方向(1)にセットする(S75)。ここでは、RF駆動の駆動方向フラグRF_Drv_dirを1にセットし、RF駆動方向を至近方向とする。ステップS61→S69→S71→S75と進む場合には、距離環51が至近側のメカ端付近にある場合であり、RF駆動方向を至近側に設定する。ステップS75における処理を行うと、RF起動判断処理を終了し、元のフローに戻る。
一方、ステップS71における判定の結果、前回取得したAD値が端+端オフセットAD以上で至近側になかった場合には、RF起動判断カウントをカウントアップする(S73)。ここでは、RF起動判断回数(RF_Launch_cnt)をカウントアップする。すなわち、前回はメカ端付近ではなく、RF駆動した結果、今回、メカ端付近に達したことから、RF起動判断の回数をカウントするカウンタをカウントアップしている。ステップS73における処理を行うと、RF起動判断処理を終了し、元のフローに戻る。
前述したように、ステップS61〜S75において取得したAD値が端+端オフセット範囲内にある場合の処理を行った。ステップS61およびS69における判定の結果、AD値が端+端オフセット範囲内にない場合には、ステップS77〜S89において、AD値が端付近にないが、起動判断ヒステリシスより大きい場合の処理を行う。
ステップS69における判定の結果、取得したAD値が端+端オフセットAD以上で至近側にない場合には、次に、取得したAD値(RF_Current_AD)が1つ前のAD値(RF_Prev_AD)にヒス(ヒステリシス)を減算した位置よりも無限遠側にあるか否かを判定する(S77)。ここでは、現在の位置(RF_Current_AD)が、前回の位置(RF_Prev_AD)に、ヒステリシスとして予め記憶部37に記憶されている起動判断ヒステリシス(RF_Launch_his_AD)を減算した位置よりも無限遠側にあるか否かを判定する。リニアエンコーダRF位置検出部81の出力をAD変換するにあたって、LSB単位で細かく位置検出していることから、ノイズによってRF駆動を行ってしまう場合がある。そこで、本実施形態においては、不感帯として起動判断ヒステリシス(RF_Launch_his_AD)を記憶部37に記憶しておき、前回のAD値と今回のAD値の差が起動判断ヒステリシス以上の動きが所定回数(図11のS37におけるRF_Launch_cnt_judge)以上、あった場合に、RF起動を行うようにしている。なお、AD値は、無限遠側に0の位置があり、至近側になるほどAD値は大きくなっていく。
ステップS77における判定の結果、取得したAD値が1つ前のAD値よりもヒス分以上に無限遠側にある場合には、FR_Drv_dirを無限遠方向(0)にセットする(S79)。ここでは、RF駆動の駆動方向フラグRF_Drv_dirを0にセットし、RF駆動方向を無限遠方向とする。ステップS69→S77→S79と進む場合には、距離環51が無限遠側のメカ端付近にはないが、ユーザが距離環51を停止状態から無限遠方向に操作している場合であることから、RF駆動方向を無限遠側に設定する。
ステップS77における判定の結果、取得したAD値が1つ前のAD値よりもヒス分以上に無限遠側にない場合には、次に、取得したAD値(RF_Current_AD)が1つ前のAD値(RF_Prev_AD)にヒスを加算した位置よりも至近側にあるか否かを判定する(S81)。ここでは、現在の位置(RF_Current_AD)が、前回の位置(RF_Prev_AD)に、起動判断ヒステリシス(RF_Launch_his_AD)を加えた位置よりも至近側にあるか否かを判定する。
ステップS81における判定の結果、取得したAD値が1つ前のAD値にヒスを加算した位置よりも至近側にある場合には、FR_Drv_dirを至近方向(1)にセットする(S83)。ここでは、RF駆動の駆動方向フラグRF_Drv_dirを1にセットし、RF駆動方向を至近方向とする。ステップS69→S81→S83と進む場合には、距離環51が至近側のメカ端付近にはないが、ユーザが距離環51を停止状態から至近方向に操作している場合であることから、RF駆動方向を至近側に設定する。
ステップS79またはS83において、駆動方向フラグFR_Drv_dirに0または1をセットすると、RF起動判断カウントをカウントアップする(S85)。ここでは、RF起動判断回数(RF_Launch_cnt)をカウントアップする。すなわち、前回はメカ端付近ではなく、しかも、前回のAD値と今回のAD値の差が起動判断ヒステリシス以上の動きがあることから、RF起動判断の回数をカウントするカウンタをカウントアップしている。ステップS85における処理を行うと、RF起動判断処理を終了し、元のフローに戻る。
ステップS81における判定の結果、取得したAD値が1つ前のAD値にヒスを加算した位置よりも至近側にない場合には、RF_Prev_AD値は更新しない(S87)。ステップS81の判定の結果、前回と今回のAD値の差がヒステリシス範囲内であることから、今回、取得したAD値は、ユーザの操作によるものでない。そのため、1つ前のAD値(RF_Prev_AD)の更新を行わない。
続いて、RF起動判断カウントを0にする(S89)。ユーザ操作によるAD値の変化でなかったことから、RFの起動判断回数(RF_Launch_cnt)をクリアする。ステップS89の処理を行うと、RF起動判断処理を終了し、元のフローに戻る。
このように、図12に示すRF起動判断処理では、今回取得したAD値(RF_Current_AD)及び前回取得したAD値(RF_Prev_AD)、端オフセットAD(RF_Offset_AD)を用いて、距離環51がメカ端付近にあるか否かの判断と、ユーザがメカ端付近で操作したか否かの起動判断を行っている(S61〜S75)。また、今回取得したAD値(RF_Current_AD)、前回取得したAD値(RF_Prev_AD)、及び起動判断ヒステリシスAD(RF_Launch_his_AD)を用いて、距離環51のメカ端付近にない状態の操作で、ユーザが距離環51を操作したか否かの起動判断を行っている(S77〜S89)。
次に、図13に示すフローチャートを用いて、ステップS43(図11)のRF操作停止判断処理の動作について説明する。このフローでは、RF駆動を行っている状態で、RF駆動を停止するか否かを判断する。
RF操作停止判断処理のフローに入ると、まず、取得したAD値(RF_Current_AD)が1つ前のAD値(RF_Prev_AD)に停止判断ヒスを加算した値より小さいか否かを判定する(S91)。ここでは、現在の位置(RF_Current_AD)が、前回の位置(RF_Prev_AD)に、停止判断ヒステリシスとして予め記憶部37に記憶されている停止判断ヒステリシス(RF_Stop_his_AD)を加算した位置の範囲内にあるか否かを判定する。前述したように、リニアエンコーダRF位置検出部81の出力をAD変換するにあたって、LSB単位で細かく位置検出していることから、ノイズやチャタリングでAD値を誤検出し、RF駆動を停止してしまう場合がある。そこで、本実施形態においては、不感帯として停止判断ヒステリシス(RF_Stop_his_AD)を記憶部37に記憶しておき、前回のAD値と今回のAD値の差が停止判断ヒステリシスより小さいことの判断回数が所定回数(図13のS93におけるRF_Stop_cnt_judge)以上、あった場合に、RF駆動を停止するようにしている。
ステップS91における判定の結果、取得したADが1つ前のAD+停止判断ヒスより大きい場合には、距離環51の操作は続行中であることから、RF操作停止判断のフローを終了して元のフローに戻る。
一方、ステップS91における判定の結果、取得したADが1つ前のAD+停止判断ヒスより小さい場合には、停止判断されたカウントが規格カウント以上か否かを判定する(S93)。ステップS91において取得したADが1つ前のAD+停止判断ヒスより小さいと判断された回数がRF停止判断カウント(RF_Stop_cnt)においてカウントされており(S95)、ステップS93においては、このカウント値がRF操作停止判断規格カウント(RF_Stop_cnt_judge)以上であるか否かを判定する。なお、RF操作停止判断規格カウントは、予め記憶部37に記憶されている。
ステップS93における判定の結果、停止判断されたカウントが規格カウント以上でない場合には、RF停止判断カウントをカウントアップする(S95)。ここでは、RF操作停止カウントがRF操作停止判断カウント規格未満の場合には、距離環51の操作停止の判断に至らず、RF操作停止カウントをカウントアップする。カウントアップすると、RF操作停止判断のフローを終了して元のフローに戻る。
一方、ステップS93における判定の結果、停止判断されたカウントが規格カウント以上の場合には、フラグ処理を行う(S97)。この場合には、ユーザの距離環51の操作が停止したと判断し、MFリング操作状態ビットを0にする。フラグ処理を行うと、RF操作停止判断のフローを終了して元のフローに戻る。
このように、図13に示すRF操作停止判断処理では、1つ前の周期処理にて、ユーザによるRF操作(RFモード時の距離環51の回転操作)が行われていて、今回の周期処理でも、RF操作が継続しているか否かを判断している。前回取得したAD値(RF_Prev_AD)と今回取得したAD値(RF_Current_AD)の絶対値の差分が、操作停止判断ヒステリシス(RF_Stop_his_AD)以内にあるか否かによって、前回に対して停止状態にあるか否かを判断している(S91)。また、1回だけの判定では、チャタリング等によって誤判定する可能性があることから、停止状態と判定された回数が所定回数に達した場合に、最終的な停止判断としている(S93Yes)。
次に、図14および図15に示すフローチャートを用いて、ステップS47(図11)のRF_AD位置更新判断の動作について説明する。このフローでは、RF駆動を行っている状態で、新たに取得したAD値で更新するか否かの判定を行う。すなわち、ユーザの距離環51の操作によりAD値が変化するが、AD変換のLSB単位でユーザの指定距離を検出していることから、AD変換のノイズや、また検出部におけるチャタリング等によって、誤ったAD値でデータを更新してしまうおそれがある。図14のフローでは、このような誤ったAD値でデータを更新することを防止している。
RF_AD位置更新判断のフローに入ると、取得したADが、1つ前のAD(RF_Prev_AD)からAD更新判断ヒスを減算した値以下であるか否か、また無限遠方向か否かを判定する(S101)。ここでは、今回取得したAD値(RF_Current_AD)が、1つ前に取得したAD値(RF_Prev_AD)からAD更新判断ヒスである駆動中ヒステリシスAD値(RF_Drv_his_AD)を減算した値以下であって、かつ無限遠方向に駆動中であるか否かを判定する。
ステップS101における判定の結果、取得したADが1つ前のAD−AD更新判断ヒス以下であって、かつ無限遠方向であった場合には、次に、前回の駆動方向が無限遠方向か否かを判定する(S103)。前述したように、リニアエンコーダRF位置検出部81の出力をAD変換するにあたって、LSB単位で細かく位置検出していることから、AD変換器のノイズやリニアエンコーダのチャタリングでAD値を誤検出してしまう場合がある。そこで、本実施形態においては、不感帯としてAD更新判断ヒスである駆動中ヒステリシスAD(RF_Drv_his_AD)を記憶部37に記憶しておき、前回のAD値と今回のAD値の差が更新判断ヒステリシスより小さいか否かを判定している。
ステップS103における判定の結果、前回の駆動方向が無限遠の場合には、フラグ処理を行う(S107)。ステップS101およびS103において、前回および今回の駆動方向が無限遠方向であることから、駆動方向フラグ(RF_Drv_dir)として無限遠方向:0をセットする。
ステップS107においてフラグ処理を行うと、次に、RF_Prev_ADに今回取得したAD値(RF_Current_AD)をセットする(S109)。ステップS101およびS103の判断結果から、今回取得のAD値が信頼できることから、AD値の更新を行う。
ステップS103における判定の結果、前回の駆動方向が無限遠でなかった場合には、次に、前回と駆動方向が逆だと判断したカウントが規格カウント以上か否かを判定する(S105)。ステップS101における駆動方向とステップS103における駆動方向が逆となっている。このステップでは、前回と駆動方向が逆だと判断した駆動方向カウント(RF_Drv_cnt)が規格カウントである駆動方向カウント判断(RF_Drv_cnt_judge)以上か否かを判定する。なお、前回と駆動方向が逆だと判断した駆動方向カウント(RF_Drv_cnt)は、ステップS115においてカウントされる。また、規格カウントである駆動方向カウント判断(RF_Drv_cnt_judge)は、予め記憶部37に記憶されている。1回だけの判定では、チャタリング等によって誤判定する可能性があることから、規格カウントに達した場合に、フラグ処理とAD値の更新を行うようにしている。
ステップS105における判定の結果、カウントが規格カウント以上でない場合には、駆動方向逆(反転)判断の駆動方向カウント(RF_Drv_cnt)のカウントアップを行い(S115)、RF_Prev_AD値の更新を行わない(S117)。
一方、ステップS105における判定の結果、カウントが規格カウント以上の場合には、フラグ処理を行う(S111)。ステップS103において、駆動方向フラグ(RF_Drv_dir)は、至近方向:1と判断されており、取得したAD値の方向と逆となる。しかし、ステップS101における駆動方向は無限遠方向であり、かつ駆動方向カウント(RF_Drv_cnt)が駆動方向カウント判断(RF_Drv_cnt_judge)以上となり、無限遠方向に駆動していることが信頼できることから、駆動方向フラグ(RF_Drv_dir)を無限遠方向:0にセットする。また、駆動方向カウント(RF_Drv_cnt)を0にクリアする。
続いて、RF_Prev_ADに取得したAD値をセットし、更新する(S113)。駆動方向カウント(RF_Drv_cnt)が駆動方向カウント判断(RF_Drv_cnt_judge)以上となり、今回取得したAD値が信頼できることから、AD値の更新を行う。
ステップS109、S113、S117における処理を行うと、RF_AD位置更新判断のフローを終了し、元のフローに戻る。
ステップS101における判定の結果、取得したADが1つ前のAD−AD更新判断ヒス以下であって、かつ無限方向でない場合には、次に、取得したADが、1つ前のAD(RF_Prev_AD)+AD更新判断ヒス以上か否か、かつ至近方向か否かを判定する(S121)。ここでは、今回取得したAD値(RF_Current_AD)が、1つ前に取得したAD値(RF_Prev_AD)にAD更新判断ヒスである駆動中ヒステリシスAD値(RF_Drv_his_AD)を加算した値以上であって、かつ至近方向に駆動中であるか否かを判定する。
ステップS121における判定の結果、取得したADが1つ前のAD+AD更新判断ヒス以上であって、かつ至近方向であった場合には、次に、前回の駆動方向が至近方向か否かを判定する(S123)。前述したように、A/D変換器のノイズやリニアエンコーダのチャタリングでAD値を誤検出してしまう場合があり、不感帯としてAD更新判断ヒスである駆動中ヒステリシスAD(RF_Drv_his_AD)を記憶部37に記憶しておき、前回のAD値と今回のAD値の差が更新判断ヒステリシスより小さくか否かを判定している。
ステップS123における判定の結果、前回の駆動方向が至近の場合には、フラグ処理を行う(S129)。ステップS121およびS123において、前回および今回の駆動方向が至近方向であることから、駆動方向フラグ(RF_Drv_dir)として至近方向:1をセットする。
ステップS129においてフラグ処理を行うと、次に、RF_Prev_ADに今回取得したAD値(RF_Current_AD)をセットする(S131)。ステップS121およびS123の判断結果から、今回取得のAD値が信頼できることから、AD値の更新を行う。
ステップS123における判定の結果、前回の駆動方向が至近でなかった場合には、次に、前回と駆動方向が逆だと判断したカウントが規格カウント以上か否かを判定する(S125)。ステップS121とステップS123における駆動方向が逆となっている。このステップでは、前回と駆動方向が逆だと判断した駆動方向カウント(RF_Drv_cnt)が規格カウントである駆動方向カウント判断(RF_Drv_cnt_judge)以上か否かを判定する。
ステップS125における判定の結果、カウントが規格カウント以上でない場合には、駆動方向逆(反転)判断の駆動方向カウント(RF_Drv_cnt)のカウントアップを行い(S137)、RF_Prev_AD値の更新を行わない(S139)。
一方、ステップS125における判定の結果、カウントが規格カウント以上の場合には、フラグ処理を行う(S133)。ステップS123において、駆動方向フラグ(RF_Drv_dir)は、無限遠方向:0と判断されており、取得したAD値の方向と逆となる。しかし、ステップS121において今回取得した駆動方向は至近方向であり、かつ駆動方向カウント(RF_Drv_cnt)が駆動方向カウント判断(RF_Drv_cnt_judge)以上となり、至近方向に駆動していることが信頼できることから、駆動方向フラグ(RF_Drv_dir)を至近方向:1にセットする。また、駆動方向カウント(RF_Drv_cnt)を0にクリアする。
続いて、RF_Prev_ADに取得したAD値をセットし、更新する(S135)。駆動方向カウント(RF_Drv_cnt)が駆動方向カウント判断(RF_Drv_cnt_judge)以上となり、今回取得したAD値が信頼できることから、AD値の更新を行う。
ステップS121における判定の結果、取得したADが1つ前のAD+AD更新判断ヒス以上であって、かつ至近方向であった場合には、RR_Prev_AD値は更新しない(S127)。ステップS101およびS121における判定により、今回取得したAD値は、駆動中ヒステリシスAD(RF_Drv_his_AD)の範囲内にあることから、信頼性が低いので、1つ前のAD値(RF_Prev_AD)を今回取得したAD値(RR_Prev_AD)に更新しない。
ステップS127、S131、S135、S139における処理を行うと、RF_AD位置更新判断のフローを終了し、元のフローに戻る。
このように、図14および図15に示すRF_AD位置更新判断では、ユーザの距離環51の操作が継続中に、周期監視で取得されたAD値(RF_Current_AD)で、前回取得されたAD値(RF_Prev_AD)を更新するか否かを判断している。今回取得したAD値の変化が駆動中ヒステリシスAD(RF_Drv_his_AD)よりも大きい場合には、ユーザの距離環51の操作により指定位置が更新されたと判断している(S101、S121)。また、今回取得したAD値の前回駆動方向と逆方向であった場合には(S103No、S123No)、駆動方向カウント(RF_Drv_cnt)のカウント値が規格カウント以上の場合に(S105Yes、S125Yes)、ユーザによる距離環51の操作があったと判断し、AD値の更新を行っている。これにより、チャタリング等による駆動方向反転動作を抑制している。
次に、図16に示すフローチャートを用いて、ステップS49(図11)の目標位置Pls演算の動作について説明する。目標位置Plsは、図4ないし図6を用いて説明したように、概略、ユーザが距離環51を操作して距離(L)を指定すると、この指定された距離の逆数(1/L)を算出し、この距離の逆数(1/L)から、フォーカスレンズ11bの駆動位置に相当するLDPlsを算出することによって得られる。
目標位置Pls演算のフローに入ると、まず、RF_Prev_ADと、AD−1・L線形補間式より被写体距離1/Lを算出する(S141)。ここでは、リニアエンコーダRF位置検出部81の出力をA/D変換器43によってAD変換したAD値(RF_Prev_AD)を用いて、AD−1/L線形補間式によって、距離の逆数1/Lを算出する。
距離の逆数(1/L)を算出すると、次に、この1/LよりFCENC領域を算出する(S143)。FCENC領域は、図6に示したように、テーブル上の1/Lに対応する値である。
FCENC領域を算出すると、次に、FCENCとTrac_ZMEncよりLDPlsを算出する(S145)。Trac_ZMEncは、図6に示したように、テーブル上の焦点距離に対応する値である。1/Lに対応するFCENCと、焦点距離に対応するZMEncが決まれば、フォーカスレンズ11bのフォーカス位置に対応するPlsを求めることができる。なお、テーブル上では、離散的な値しかないので、補間演算式を用いて、より精密にPlsを求めればよい。フォーカスレンズの目標位置Plsが求まれれば、目標位置Plsと現在位置の差であるフォーカスレンズ11bの駆動量LDplsが決まる。LDplsを算出すると、目標位置Pls演算のフローを終了し、元のフローに戻る。
以上説明したように、本発明の一実施形態においては、撮影レンズを含むレンズ鏡筒内に設けられた光軸方向に移動可能な焦点調節レンズ(例えば、フォーカスレンズ11b)と、レンズ鏡筒に対して第1の端点と第2の端点の角度範囲内を回転可能に配設されるリング部材(例えば、距離環51)と、リング部材の回転角と距離の第1の関係(例えば、図4参照)と、焦点調節レンズの光軸方向の位置と距離の第2の関係(例えば、図5参照)を記憶する記憶部(例えば、記憶部37)と、リング部材の回転角と第1の関係に基づいてリング部材の回転角に応じた距離を算出し、この距離と第2の関係に基づいて焦点調節レンズの光軸方向の位置を設定する制御部(例えば、レンズCPU41)を有している。このため、マニュアルフォーカス時に、操作部材によって指定される距離にピントを合わせることができる。すなわち、リング部材の回転角から距離を算出し、この算出された距離から焦点調節レンズの光軸方向の位置を算出するようにしたので、指定された距離にピント合わせが可能となる。
また、本発明の一実施形態においては、レンズ鏡筒内にズームレンズ群が設けられ、ズームレンズ群のズーム位置を検出するズーム位置検出部(例えば、ズーム位置検出部34)を有し、記憶部は、ズーム位置に応じて複数の第2の関係を記憶し(例えば、図6におけるTrac_ZMENC)、制御部は、リング部材の回転角と第1の関係に基づいてリング部材の回転角に応じた距離を算出し、この距離とズーム位置に応じた第2の関係に基づいて焦点調節レンズの光軸方向の位置を設定する。このため、レンズ鏡筒がズームレンズの場合であっても操作部材によって指定される距離にピントを合わせることができる。
また、本発明の一実施形態においては、制御部は、リング部材の第1の端点(例えば、図12のS69の端)に応じて焦点調節レンズの光学的至近となる光軸方向の位置を対応させ、リング部材を第2の端点(例えば、図12のS61の端)に対して焦点調節レンズの光学的無限となる光軸方向の位置を対応させている。このため、リング部材の両側端点(指標)に焦点調節レンズの光学至近や光学無限を対応させることができる。なお、この第1および第2の端点は、メカ端であってもよいが、必ずしもメカ端である必要はない。
また、本発明の一実施形態においては、制御部は、ズーム位置に応じて、焦点調節レンズの光学的至近となる光軸方向の位置と光学的無限となる光軸方向の位置を変更している。このため、ズームに応じたフォーカストラキングカーブを得ることができる。
なお、本発明の一実施形態においては、フォーカスレンズ11bをVCM(ボイスコイルモータ)によって駆動していたが、これ限らず、一般的なステッピングモータ等の他のモータであってもよい。また、フォーカスレンズ11bの位置を基準位置からのモータの駆動ステップ数によってカウントしていたが、これに限らず、エンコーダで直接検出するようにしてもよい。
また、本発明の一実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話、スマートフォーンや携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。いずれにしても、操作部材を手動操作することにより、距離を指定することのできるレンズ光学系を有する撮影のための機器であれば、本発明を適用することができる。
また、本明細書において説明した技術のうち、主にフローチャートで説明した制御に関しては、プログラムで設定可能であることが多く、記録媒体や記録部に収められる場合もある。この記録媒体、記録部への記録の仕方は、製品出荷時に記録してもよく、配布された記録媒体を利用してもよく、インターネットを介してダウンロードしたものでもよい。
また、特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず」、「次に」等の順番を表現する言葉を用いて説明したとしても、特に説明していない箇所では、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
11a〜11c・・・レンズ、13・・・絞り、21・・・絞り駆動機構、23・・・絞り基準位置検出部、25・・・フォーカスレンズ駆動機構、27・・・フォーカスレンズ基準位置検出部、31・・・RF位置検出部、33・・・RFモード検出部、34・・・ズーム位置検出部、35・・・MF位置検出部、37・・・記憶部、41・・・CPU、43・・・A/D変換器、44・・・A/D変換器、51・・・距離環、52・・・ズーム環、53・・・RF指標、54・・・RF基準線、61・・・MFPI二値化回路、63・・・MFPI、65・・・MFPIドライバ、67・・・FCPI二値化回路、69・・・FCPI、71・・・モータドライバ、73・・・LDモータ、75・・・AVモータ、77・・・AVフォトインタラプタ、79・・・AVフォトインタラプタ二値化回路、81・・・リニアエンコーダRF位置検出部、82・・・リニアエンコーダZM位置検出部、83・・・RF/MFモード検出SW、100・・・交換レンズ、200・・・カメラ本体、201・・・撮像素子

Claims (10)

  1. 撮影レンズを含むレンズ鏡筒内に設けられた光軸方向に移動可能な焦点調節レンズと、
    上記レンズ鏡筒に対して第1の端点と第2の端点の角度範囲内を回転可能に配設されるリング部材と、
    上記リング部材の上記第1の端点または第2の端点の一方からの回転角と該回転角に応じて設定される被写体距離に関する値とを一対一に対応付づける第1の関係と、上記焦点調節レンズの光軸方向の位置と上記焦点調節レンズの光軸方向の位置に対応して合焦となる被写体距離を示すとを一対一に対応付づける第2の関係を記憶する記憶部と、
    上記リング部材の回転角を検出する回転角検出部と、
    上記回転角検出部により検出される上記リング部材の回転角に基づいて上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を設定する制御部と、
    を具備し、
    上記回転角検出部は、周期的に上記回転角を検出し、
    上記制御部は、
    過去に取得した回転角とそれに続き取得した回転角との差が所定の範囲を越えたと判定された回数が所定の閾値を越えたと判定する場合に上記回転角の変化が開始したと判断し、
    上記回転角の変化が開始したとの判断に応じて、上記判定された回数が所定の閾値を越えたと判定した時に取得した上記リング部材の回転角と上記第1の関係に基づいて上記リング部材の回転角に応じて設定される被写体距離に関する値を算出し、該回転角に応じて設定される被写体距離に関する値を上記焦点調節レンズの光軸方向の位置に対応して合焦となる被写体距離を示す値に適用し、上記被写体距離を示す値と上記第2の関係に基づいて上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を設定する
    ことを特徴とする撮影装置。
  2. 上記レンズ鏡筒内にズームレンズ群が設けられ、上記ズームレンズ群のズーム位置を検出するズーム位置検出部を有し、
    上記記憶部は、上記ズーム位置に応じて複数の第2の関係を記憶し、
    上記制御部は、上記リング部材の回転角と上記第1の関係に基づいて上記リング部材の回転角に応じた被写体距離に関する値を算出し、該被写体距離に関する値と上記ズーム位置検出部により検出されるズーム位置に応じた上記第2の関係に基づいて上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を設定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
  3. 上記制御部は、上記ズーム位置に基づいて上記複数の第2の関係のうちから一つの第2の関係を選択し、選択された第2の関係に基づいて、上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を設定することを特徴とする請求項2に記載の撮影装置。
  4. 上記制御部は、上記ズーム位置に応じた上記複数の第2の関係に基づいて、上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を複数求め、上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を補間法により算出して設定することを特徴とする請求項2に記載の撮影装置。
  5. 上記第1の関係における上記被写体距離に関する値は、被写体距離の逆数であることを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
  6. 上記第2の関係における上記被写体距離に関する値は、上記焦点調節レンズの光軸方向の位置に対応して合焦となる被写体距離の逆数であることを特徴とする請求項5に記載の撮影装置。
  7. 上記制御部は、上記リング部材の上記第1の端点に応じて上記焦点調節レンズの光学的至近となる光軸方向の位置を対応させ、上記リング部材を上記第2の端点に対して上記焦点調節レンズの光学的無限となる光軸方向の位置を対応させることを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
  8. 上記レンズ鏡筒内に撮影レンズの一部であるズームレンズ群が設けられ、上記ズームレンズ群のズーム位置を検出するズーム位置検出部を有し、
    上記記憶部は、上記撮影レンズの焦点距離に応じた複数の第2の関係を記憶し、
    上記制御部は、上記ズーム位置と上記複数の第2の関係に基づいて、上記焦点調節レンズの光学的至近となる光軸方向の位置と光学的無限となる光軸方向の位置を変更する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の撮影装置。
  9. 上記制御部は、上記ズーム位置に基づいて上記複数の第2の関係のうちから一つの第2の関係を選択し、選択された第2の関係に基づいて、上記焦点調節レンズの光学的至近となる光軸光方向の位置と光学的無限となる光軸方向の位置を設定することを特徴とする請求項8に記載の撮影装置。
  10. 上記制御部は、上記ズーム位置に応じて、上記焦点調節レンズの光学的至近となる光軸方向の位置と光学的無限となる光軸方向の位置を変更することを特徴とする請求項7に記載の撮影装置。
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