JP2004109693A - カメラ、レンズ装置およびカメラシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】ピントが合っている状態での光学情報とは異なる光学情報を用いてフォーカス駆動量を演算すると、ピント合わせ精度が低下する。
【解決手段】カメラ10の制御手段12において、焦点検出手段11による検出結果に基づいてフォーカスレンズ2の目標駆動量を演算する。レンズ装置1の制御手段7は、位置検出手段4,5によるフォーカスレンズ2の検出位置とフォーカスレンズの目標駆動量を表す情報とからフォーカスレンズの予定移動位置を算出するとともに、記憶手段6に記憶された光学情報のうち又は該記憶された光学情報に基づいて得られる上記予定移動位置に応じた光学情報を用いてフォーカスレンズの目標駆動量を再演算し、この再演算した目標駆動量を表す情報に基づいてフォーカス駆動手段3を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】カメラ10の制御手段12において、焦点検出手段11による検出結果に基づいてフォーカスレンズ2の目標駆動量を演算する。レンズ装置1の制御手段7は、位置検出手段4,5によるフォーカスレンズ2の検出位置とフォーカスレンズの目標駆動量を表す情報とからフォーカスレンズの予定移動位置を算出するとともに、記憶手段6に記憶された光学情報のうち又は該記憶された光学情報に基づいて得られる上記予定移動位置に応じた光学情報を用いてフォーカスレンズの目標駆動量を再演算し、この再演算した目標駆動量を表す情報に基づいてフォーカス駆動手段3を制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オートフォーカス機能を有したカメラ、レンズ装置およびカメラシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、オートフォーカス機能を有したカメラが主流となり、誰もが被写体のピントを気にせず綺麗な写真を撮影できるようになっている。また、オートフォーカスに関する技術も種々改良がなされ、例えば、測距又は撮影光学系の焦点調節状態の検出(焦点検出)を行うポイントを複数個持つことで、広いエリアで測距又は焦点検出を可能としたものがある。測距又は焦点検出が可能なポイントを複数持つことで、それぞれ距離が異なる複数の被写体が存在する場合の撮影や、流し撮りと言われる撮影技術を用いて被写体が動体である場合の撮影を容易に行うことができるようになっている。
【0003】
具体的には、複数の測距又は焦点検出ポイントの全て(あるいは部分的に)で測距又は焦点検出を行い、最も最適なピント状態となるポイントを特定してピントを合わせたり、動体である被写体の移動速度を演算し、次の撮影時までの被写体の移動位置を予測するなどの予測オートフォーカスが可能となっている。
【0004】
一方、複数の測距又は焦点検出ポイントがあることで、カメラのオートフォーカスに関わる様々な処理に時間が掛かるという問題がある。
【0005】
また、カメラは測距又は焦点検出ポイントごとにレンズの光学的要素を加味したピント補正を行っているため、例えば交換式レンズの場合、レンズ固有の光学情報を通信によってカメラに送信し、カメラは受信した光学情報を基にピント補正を行う。
【0006】
ここで、ピントに関わるレンズ固有の光学情報には、例えば、球面収差情報や色収差情報、フォーカスレンズの移動に伴うピント移動量を表す敏感度情報などがあり、これらの固有情報はズームなどの変倍量に依存することが知られている。このため、交換式レンズにおいては、移動するレンズの位置に対応した光学情報を、レンズ装置に搭載されたメモリ等の記憶回路に記憶していることが多い。
【0007】
交換レンズ式カメラシステムのオートフォーカスシーケンスの一例を以下に説明する。同様なオートフォーカスシーケンスは、特許文献1,2等にて提案されている。
【0008】
はじめに、カメラは、位相差検出方式により、被写体までのピントのずれ量(デフォーカス量)を焦点検出ユニットにより検出する。次に、交換レンズから球面収差情報や色収差情報(球面収差情報と色収差情報をそれぞれの差分で1つの情報としている場合もある)、敏感度情報を受信し、球面収差情報および色収差情報を用いてピントのずれ量を補正し、その補正した結果と敏感度情報とによりフォーカスレンズの目標駆動量を演算する。
【0009】
そして、目標駆動量の情報を交換レンズに送信し、交換レンズは受信した目標駆動量分、フォーカスレンズを駆動する。これらの処理によって被写体に対する合焦を得ることができる。
【0010】
【特許文献1】
特開平05−045576号公報(多点AFに関する)
【特許文献2】
特開2001−352481号公報(被写体色と空間周波数によるAFに関する)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したオートフォーカスシーケンスを採用したカメラシステムにおいて、例えば交換レンズ固有の光学情報である球面収差情報は、現在の変倍位置情報(フォーカスで変倍量が変わる場合はフォーカスレンズの位置情報も含まれる)を基にカメラに送信される構成となっている。このため、カメラでは、元々ピントがずれている状態での変倍位置情報に応じた球面収差情報や色収差情報を用いたピントずれ量の補正を行うこととなる。
【0012】
したがって、このようにピントが合っている状態での光学情報とは異なる光学情報を用いたピントずれ量の補正を行うので、被写体へのピント合わせの精度が低下することが予想される。
【0013】
そして、1回のフォーカスレンズ駆動でのピント合わせの精度が低下すると、最終的にピント合わせが完了するまでに、多くの回数のフォーカスレンズ駆動が必要となり、合焦を得るまでに長時間を要するという問題が生じる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、フォーカスレンズを含む撮影光学系を備えたレンズ装置が着脱可能に装着され、レンズ装置との通信が可能なカメラに、撮影光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出手段と、焦点検出手段による検出結果に基づいて合焦を得るためのフォーカスレンズの目標駆動量を演算し、該目標駆動量を表す情報をレンズ装置に送信する制御手段とを設ける。そして、制御手段は、上記目標駆動量に対応したフォーカスレンズの予定移動位置での撮影光学系の光学情報(球面収差情報や色収差情報)をレンズ装置から受信し、該光学情報を用いてフォーカスレンズの目標駆動量を再演算してレンズ装置に送信する。
【0015】
また、本発明では、フォーカスレンズを含む撮影光学系を備え、カメラに対して着脱可能に装着され、カメラと通信が可能なレンズ装置に、フォーカスレンズを駆動するフォーカス駆動手段と、フォーカスレンズの位置に応じた撮影光学系の光学情報(球面収差情報や色収差情報)を記憶した記憶手段と、フォーカスレンズの位置を検出する位置検出手段とを設ける。さらに、位置検出手段によるフォーカスレンズの検出位置とカメラから送信された、合焦を得るためのフォーカスレンズの目標駆動量を表す情報とからフォーカスレンズの予定移動位置を算出するとともに、記憶手段に記憶された光学情報のうち又は該記憶された光学情報に基づいて得られる上記予定移動位置に応じた光学情報をカメラに送信し、カメラにおいて該光学情報を用いて再演算されてカメラから送信されたフォーカスレンズの目標駆動量を表す情報に基づいてフォーカス駆動手段を制御するレンズ制御手段を設ける。
【0016】
また、本発明では、フォーカスレンズを含む撮影光学系と、フォーカスレンズを駆動するフォーカス駆動手段と、フォーカスレンズの位置を検出する位置検出手段と、撮影光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出手段と、焦点検出手段による検出結果に基づいて合焦を得るためのフォーカスレンズの目標駆動量を演算するとともに、フォーカス駆動手段を制御する制御手段と、フォーカスレンズの位置に応じた撮影光学系の光学情報を記憶した記憶手段とを設ける。そして、制御手段は、位置検出手段によるフォーカスレンズの検出位置とフォーカスレンズの目標駆動量を表す情報とからフォーカスレンズの予定移動位置を算出するとともに、記憶手段に記憶された光学情報のうち又は該記憶された光学情報に基づいて得られる上記予定移動位置に応じた光学情報を用いてフォーカスレンズの目標駆動量を再演算し、この再演算した目標駆動量を表す情報に基づいてフォーカス駆動手段を制御する。
【0017】
上記各発明では、まず、焦点検出結果に基づいてフォーカスレンズの目標駆動量を求め、該目標駆動量からフォーカスレンズの予定移動位置を求めてその予定移動位置に応じた撮影光学系の光学情報を用いた再演算により、実際にフォーカスレンズを駆動するための目標駆動量を得るようにしているので、より高い合焦精度のオートフォーカス制御を行うことができるとともに、フォーカスレンズ駆動回数を減らして短時間でのピント合わせを行うことを可能とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態であるレンズ交換式一眼レフカメラシステム(フィルム又はデジタルカメラシステム)の構成を示している。図1において、1はオートフォーカス機能を有した交換レンズ装置であり、10はこのレンズ装置1の着脱が可能な一眼レフカメラである。カメラ10は、フィルムに又はCCD,CMOSセンサ等の撮像素子(図示せず)を用いて被写体像を撮影する。
【0019】
交換レンズ装置1において、2はフォーカスレンズとこのフォーカスレンズを保持する鏡筒とを含むフォーカスレンズユニット(以下、単にフォーカスユニットという)であり、光軸と略平行な方向に移動することができる。
【0020】
3はフォーカスユニット2を駆動するモータ(フォーカス駆動手段)である。モータ3としては、電磁式、振動式、ボイスコイル式などの各種モータを用いることができる。なお、本実施形態では、電磁式モータを採用している。
【0021】
4はモータ3の回転を検出するための回転センサユニットである。回転センサユニット4は、モータ3の回転に同期して回転する、周方向にスリット状の透光部と遮光部とが交互に形成されたパルス板と、投光部および受光部を有し、パルス板の透光部と遮光部による投−受光部間での透光状態と遮光状態とに応じた信号を出力することによりパルス信号を形成するフォトインタラプタとにより構成されている。
【0022】
モータ3により駆動されるフォーカスユニット2の移動量は、モータ3の回転量に対応するため、回転センサユニット4からのパルス信号をカウントすることにより、フォーカスユニット2の移動量の検出を行うことができる。
【0023】
5はフォーカスユニット2の位置を検出するための絶対位置センサユニットである。この絶対位置センサ5は、フォーカスユニット2に連動して移動する複数の導電性ブラシが、レンズ装置1の本体に固定された導電パターン上を摺動してその接触位置が移動することによって変化する信号を出力するものであり、該信号の変化によってフォーカスユニット2の現在の絶対位置(ゾーン)を検出することができる。
【0024】
図2には、3つ(3bit)の導電性ブラシを使用して、至近〜無限遠までを8つのゾーンに分割した場合の各ゾーンでの信号の変化を示している。ここで、最も至近側のゾーンをゾーン0、最も無限遠側のゾーンをゾーン7とすると、ゾーン0=B‘011’、ゾーン7=B‘111’というバイナリー形式の信号データ(ビット値)で各ゾーンを表すことができる。フォーカスユニット2は、最大この至近〜無限遠の領域を移動することができる。
【0025】
また、図3には、先に説明した導電パターンの代わりに抵抗体を用いた場合のアナログ的な絶対位置検出方式を説明するための表を示している。図2に示した絶対位置検出方式では、デジタル式であるため、3bitの入力が必要であるが、図3に示す絶対位置検出方式では、アナログ信号としての1bitの入力で位置検出できるメリットがある。
【0026】
図3において、最も至近側のゾーンをゾーン0、最も無限遠側のゾーンをゾーン7とし、ゾーン0とゾーン1の切り換わりを10Ωの抵抗値で、ゾーン1とゾーン2の切り換わりを20Ωの抵抗値で表し、以下、順次抵抗値を増加させて、ゾーン6とゾーン7の切り換わりを80Ωの抵抗値で表す。これにより、アナログ形式の信号データが得られる。実際には抵抗体に電圧を印加し、外部に抵抗を直列に連結して、変化する電圧値としてレンズマイコン7のA/D変換部(図示せず)に入力することで位置検出を行う方式となる。フォーカスユニット2は最大、この至近〜無限遠の領域を移動できる。
【0027】
6は書き換え可能なメモリであり、EEPROMにより構成されている。このメモリ6には、本実施形態では、上記各ゾーンに応じた球面収差の変化をピントのずれ量に換算したデータが記憶されている。
【0028】
7はレンズ装置1の全ての制御を司るレンズマイコンである。レンズマイコン7には、後述するオートフォーカスに関する演算等を行う演算回路7a、後述するカメラマイコン12との通信を行うための通信コントローラ7b、A/D変換部7c、入出力ポート、ROMおよびRAM等のメモリ部7dが搭載されている。
【0029】
8aはカメラ−レンズ間で通信を行うための複数の電気接点を有する接点ユニットである。カメラ10側にも対応する接点ユニット8bが設けられ、この接点ユニット8bには複数の導電性突起が設けられている。一方、レンズ装置1側の接点ユニット8aにはその突起と接触可能な複数の導電片が埋め込まれていて、これら突起と導電片を通じてカメラマイコン12とレンズマイコン7とが電気的に接続されている。突起と導電片は機械的に接触しているだけなので、レンズ装置1をカメラ10から容易に取り外すことができる。
【0030】
カメラ10において、11は交換レンズ1の撮影光学系の被写体に対する焦点調節状態の検出(焦点検出)を行うための焦点検出ユニットである。この焦点検出ユニット11は、撮影光学系を通って焦点検出ユニット11内の一対のCCDラインセンサ(図示せず)上に結像した2像の位相差から、撮影光学系の被写体に対するピントのずれ量(デフォーカス量)を検出する、いわゆる位相差検出方式の焦点検出を行う。
【0031】
具体的には、1つのラインセンサ上に結像した像(コントラスト)を読み取り、予め距離の離れた他のラインセンサ上の像と比較して、両ラインセンサ上での像の位置ずれ(位相差)を検出し、この位相差からデフォーカス量を求める。撮影光学系が被写体に対してピントが合っている場合は、両ラインセンサ上での同じ位置に像が形成され、デフォーカス量は0となる。
【0032】
なお、本実施形態では、上述したように位相差検出方式の焦点検出ユニットを用いているが、赤外発光素子(IrLED)を使用し、被写体に赤外光を投射し、被写体で反射した赤外光を受光素子で受光してこの受光素子の出力から撮影光学系の焦点調節状態を検出する、いわゆるアクティブAFユニットなどの焦点検出ユニットを用いてもよい。
【0033】
12はカメラ10の全ての制御を司るカメラマイコンである。カメラマイコン12には、後述するオートフォーカスに関する演算等を行う演算回路12a、レンズマイコン7との通信を行うための通信コントローラ12b、入出力ポート、ROMおよびRAM等のメモリ部12cが搭載されている。
【0034】
図2には、絶対位置センサユニット5の出力とフォーカスユニット2との関係も示している。図2において、ずれ量とは、フォーカスユニット2の位置(ゾーン)に応じて撮影光学系全体の球面収差が変化するため、その変化量をフィルム面又は撮像素子の受光面でのピントのずれ量に換算した値を表す。また、駆動量とは、それぞれのゾーンの幅を回転センサユニット4から出力されるパルス信号の数に換算した値(単位はパルス)である。例えば、ゾーン1の幅は200パルスとなる。
【0035】
また、絶対位置センサユニット5として図3を用いて先に説明したものを用いる場合のずれ量および駆動量は図2と同じである。
【0036】
カメラマイコン12は、カメラ10に設けられた不図示のAF(オートフォーカス)開始スイッチがオンされたことを検出すると、焦点検出ユニット10からデフォーカス量のデータを取り込む。ここで、焦点検出ユニット10においてデフォーカス量検出ができない場合(被写体のコントラストが弱すぎたり被写体が遠すぎたりしてラインセンサ上に結像している像のコントラストが弱く、2像の位置関係を検出できない場合)は、カメラマイコン12に対してデータがない状態であることを表す情報を送信する。カメラマイコン12はこの情報を受信したときはサーチモードに入る。
【0037】
サーチモードとは、デフォーカス量のデータの取り込みができない場合にとりあえずフォーカスユニット2を移動させるモードである。このモードによって、各ラインセンサ上での像のコントラストが強まり、2像の位置ずれを検出できるようになる場合がある。
【0038】
一方、焦点検出ユニット10からデフォーカス量のデータを取り込むことができた場合は、カメラマイコン12はプレディクションモードに入る。プレディクションモードとは、デフォーカス量検出が完了し、被写体にピントを合わせるためのフォーカスユニット2の駆動量(目標駆動量)を演算して、その演算された駆動量分、フォーカスユニット2を移動させるためのモードである。
【0039】
次に、カメラマイコン12は、レンズマイコン7からAFに関する撮影光学系の光学データ(光学情報)を送信させるために、レンズマイコン7に対してコマンドを送信する。このコマンドを受信したレンズマイコン7は、絶対位置センサユニット5の出力からフォーカスユニット2の位置(ゾーン)を検出し、その位置に応じた光学データをメモリ6から読み出して、カメラマイコン12に送信する。
【0040】
ここで、上記光学データとは、球面収差情報(フォーカスユニット2に組み込まれているフォーカスレンズのトータル的光学歪によるピントずれ量を表す情報)や、敏感度情報(フォーカスユニット2の移動量に対する像面の移動量を表す情報)、移動量情報(回転センサユニット4によるモータ3の回転量とフォーカスユニット2の移動量との関係を表す情報)等がある。これらの光学データは、レンズ装置1に変倍機能が付加されている場合、その変倍動作によっても変化する。従って、図示はしないが、絶対位置センサユニット5、モータ3および回転センサユニット4はそれぞれ複数個搭載している場合もあり、それらは不図示の変倍レンズユニットとそれぞれ連動するように構成される。従って、変倍レンズユニットを有する場合にカメラマイコン12に送信される光学データは、フォーカスユニット2と変倍レンズユニットのそれぞれの位置情報に応じたマトリックス的情報となる。
【0041】
次に、カメラマイコン12は、レンズマイコン7から受信した光学データと、ピントのずれ量とに基づいて、合焦を得るためのフォーカスユニット2の目標駆動量(駆動方向を含む)を演算する。
【0042】
ここで、フォーカスユニット2の目標駆動量とは、実際にはフォーカスユニット2を駆動するモータ3の目標回転量(さらに言えば、回転センサユニット4からのパルス信号のカウント値の目標カウント値)であるが、本実施形態では、単にフォーカスユニット2の目標駆動量という。
【0043】
そしてカメラマイコン12は、サーチモードかプレディクションモードかを示す情報と、プレディクションモードでのフォーカスユニット2の目標駆動量の情報をレンズマイコン7に送信する。
【0044】
従来は、この時点で、レンズマイコン7がモータ3に通電し、フォーカスユニット2の移動を開始させる。しかし、その場合、フォーカスユニット2が目標駆動量分移動した後の位置(移動先:予定移動位置)での球面収差情報が変化している可能性があり、仮にフォーカスユニット2が移動先に到達してもピントがずれている可能性が高く、再び焦点検出、通信、フォーカスユニット駆動を繰り返す必要が生じ、ピントが合うまでに時間が掛かってしまう。
【0045】
そこで、本実施形態では、レンズマイコン7は、カメラマイコン12から受信した目標駆動量の情報に基づいてフォーカスユニット2の移動先を演算する。図2を用いて具体的に説明する。ここでは、フォーカスユニット2の現在の位置がゾーン1、カメラマイコン12から送信されたフォーカスユニット2の目標駆動量が回転センサユニット4からのパルス数換算値で300、フォーカスユニット2の駆動方向が無限遠方向であるとする。
【0046】
まず、レンズマイコン7は、現在、ゾーン0とゾーン1の境界又はゾーン2とゾーン1の境界から200パルス分の幅を持つゾーン1内のどこにフォーカスユニット2が位置しているかをレンズマイコン7内のメモリ部7dに記憶する。
【0047】
カメラ10にレンズ装置1が取り付けられた後の最初のフォーカス駆動の場合は、初期値として、各ゾーンの中心(ゾーン1の場合は両隣のゾーンとの境界から100パルスの位置)とする。例えば、記憶したフォーカスユニット2の現在位置がゾーン1の真中である100パルスの位置であるとすると、カメラマイコン12から受信した300パルスの目標駆動量分、フォーカスユニット2が移動した場合、現在位置(ゾーン1内)からゾーン2との境界までが100パルス、ゾーン2の幅が100パルス、ゾーン3の幅が50パルス、ゾーン4の幅が30パルス、ゾーン5の幅が200パルスであるので、
300−(100+100+50+30)=20パルス<200パルス
となり、ゾーン5内に停止すること、すなわちフォーカスユニット2の予定移動位置がゾーン5であることがレンズマイコン7の演算によって確認できる。
【0048】
ゾーン5に対応したピントのずれ量が−0.04mmであるのに対し、ゾーン1では0mmなので、上述した従来の方式でフォーカスユニット2を駆動したのでは0.04mmのピントずれ量が残ってしまう。そこで、レンズマイコン7は、モータ3を駆動する前にこれらの演算を行い、カメラマイコン12に光学データの変更を行わせるために、再度このずれ量のデータ(球面収差情報)を送信する。
【0049】
カメラマイコン12は、受信したピントずれ量を用いて、再度、フォーカスユニット2の目標駆動量を演算する。そして、カメラマイコン12は、この再演算した目標駆動量の情報をレンズマイコン7に送信する。
【0050】
なお、前述したように、レンズ装置1に変倍機能が付加されている場合は、その変倍動作によってもピントずれ量も変化するので、フォーカスユニット2の予定移動位置と変倍レンズユニットの位置とに対応したピントずれ量データがカメラマイコン12に送信され、カメラマイコン12はその受信したピントずれ量を用いて、再度、フォーカスユニット2の目標駆動量を演算する。
【0051】
レンズマイコン7は、カメラマイコン12から再演算された目標駆動量の情報を受信すると、とモータ3の駆動を開始する。プレディクションモードの場合は、回転センサユニット4からのパルス信号をカウントし、上記目標駆動量と比較する。回転センサユニット4からのパルス信号のカウント値が目標駆動量に達すると、レンズマイコン7はモータ3の回転を停止させ、フォーカスユニット2を停止させる。これら一連の処理を行うことで、被写体にピントが合う位置に素早く(つまりは、1回の焦点検出およびフォーカスユニット駆動だけで)フォーカスユニット2を移動させることができる。
【0052】
図4には、カメラマイコン12(演算回路12a)の動作プログラムのフローチャートを示している。
【0053】
「ステップ(図ではSと記す)101」
カメラマイコン12はカメラ10に設けられた不図示のスイッチ類の状態を検出し、マイコン12内部のメモリ12cに検出結果を書き込む。スイッチとしては、AF開始スイッチ、レンズ装着スイッチ、レリーズスイッチ、モード切り換えスイッチ、ダイヤルスイッチ、その他等の多くのスイッチがあるが、本実施形態では、AF開始スイッチとレンズ装着スイッチについてのみ説明し、その他のスイッチについての説明は省略する。
【0054】
AF開始スイッチは、押しボタンタイプの2ストロークスイッチで、使用者が1ストロークだけ押すと、カメラマイコン12はスイッチがONされたことを検出する。レンズ装着スイッチは。レンズ装置1がカメラ10のマウントに装着されることでレンズマウントに押されてONし、これによりカメラマイコン12はレンズ装置1がカメラ10に装着されたことを検出する。
【0055】
「ステップ102」
カメラマイコン12は、ステップ102で検出した不図示のレンズ装着スイッチの信号からレンズ装置1が装着されているかを判断する。レンズ装置1が装着されていない場合は、ステップ101に戻り、スイッチ類の検出を続ける。
【0056】
「ステップ103」
レンズ装置1がカメラ10に装着されると、カメラマイコン12はレンズマイコン7に対してレンズ装置1の光学情報を送信するよう送信要求をレンズマイコン7に送信する。送信要求を受信したレンズマイコン7は、図2又は図3に示した位置検出方式により検出したフォーカスユニット2の現在位置に応じたレンズ装置1の光学情報をメモリ6から読み出して、カメラマイコン12に送信する。ここでいう、レンズ装置の光学情報とは、前述したように、カメラマイコン12が焦点検出ユニット11の検出結果に基づいて被写体にピントを合わせるためのフォーカスユニット2の目標駆動量を演算するために必要な敏感度情報(本実施形態では、フォーカスユニット2の移動量に対するフィルム面又は撮像素子の受光面でのピント移動量の比率情報)や、レンズ装置1の球面収差情報(実際には、フォーカスユニット2の位置に応じたピントのずれ量)である。また、カメラマイコン12は、カメラ1の情報をレンズマイコン7に送信する。
【0057】
「ステップ104」
カメラマイコン12は、ステップ102で検出した不図示のAF開始スイッチからの信号により、オートフォーカス開始が指示されているか否かを判断する。指示されている場合はステップ105に進み、指示されていない場合はステップ101に戻る。
【0058】
「ステップ105」
ステップ104でのオートフォーカスの開始指示に応じて、カメラマイコン12は、焦点検出ユニット11の検出結果、すなわち被写体の位置に対するフォーカスレンズ2の現在位置でのピント面のずれ量(デフォーカス量)を検出する。なお、本実施形態では、焦点検出ユニット11は所定の周期で焦点検出を繰り返し行っているものとする。これにより、オートフォーカス開始の指示があってから焦点検出を開始する場合に比べて、オートフォーカスの時間が短縮されるためである。
【0059】
「ステップ106」
カメラマイコン12は、ステップ105での検出結果から、被写体に対してピントが合っているか否かを判断する。具体的には、デフォーカス量が所定の合焦範囲内に入っているか否かを判断する。ピントが合っている場合は、使用者に合焦状態であることを知らせるため、不図示のLEDの点灯等による表示又は圧電ブザーの作動等の警告を行い、ステップ101に戻る。
【0060】
「ステップ107」
ステップ106において、被写体にピントが合っていないと判断したときは、カメラマイコン12は、ステップ105で得たデフォーカス量とステップ103で得たレンズ装置1の光学情報とにより、被写体にピントを合わせるためのフォーカスユニット2の目標駆動量を演算する。このとき、デフォーカス量が検出できなかった場合は前述したサーチモードに、デフォーカス量が検出でき、フォーカスユニット2の目標駆動量を演算できたときはプレディクションモードに入り、ステップ108に進む。
【0061】
「ステップ108」
ステップ108でプレディクションモードに入った場合、カメラマイコン12は、レンズマイコン7に対してフォーカスユニット2の目標駆動量(駆動方向を含む)の情報を送信する。
【0062】
ここで、レンズマイコン7は、カメラマイコン12から受信したフォーカスユニット2の目標駆動量と、図2又は図3に示した位置検出方式により検出したフォーカスユニット2の現在位置とに基づいて、フォーカスユニット2の移動先(予定移動位置)を演算する。そして、この移動先に応じたレンズ装置1の光学情報(本実施形態では、球面収差による移動先のピントずれ量を表す球面収差情報)をメモリ6から読み出して、カメラマイコン12に送信する。
【0063】
「ステップ109」
カメラマイコン12は、レンズマイコン7から送信された移動先の光学情報(球面収差情報)を受信する。
【0064】
「ステップ110」
次に、カメラマイコン12は、受信したフォーカスユニット2の移動先の光学情報(球面収差情報)とステップ105で得たデフォーカス量とに基づいて、フォーカスユニット2の目標駆動量を再演算する。演算式としては、
(デフォーカス量〈ピントずれ量〉+球面収差による移動先のピントずれ量)/敏感度情報/回転センサユニット4からの1出力パルス当たりのフォーカスユニット2の移動量)
となる。
【0065】
「ステップ111」
カメラマイコン12は、ステップ110で再演算したフォーカスユニット2の目標駆動量をレンズマイコン7に再送信する。なお、本実施形態において、目標駆動量を再演算するためにレンズマイコン7からフォーカスユニット2の移動先の球面収差情報のみを送信するのは、ステップ109での光学情報送信に要する時間をできるだけ短くして、オートフォーカス制御全体に要する時間を短くするためである。
【0066】
また、レンズ装置1の状態を受信して、フォーカスユニット2が目標駆動量分、移動するまで待つ。こうして、フォーカスユニット2の駆動が完了すると、ステップ101に戻る。
【0067】
図5には、レンズマイコン7の動作プログラムのフローチャートを示している。
【0068】
「ステップ201」
レンズマイコン7は、レンズ装置1に設けられたスイッチ類およびセンサ類の状態を検出し、マイコン7内のメモリ7dに検出結果を書き込む。スイッチおよびセンサとしては、オートフォーカス/マニュアルフォーカス切り換えスイッチ(図示せず)、絶対位置センサ5、温度センサ(図示せず)、ズーム位置検出センサ(不図示)等がある。
【0069】
「ステップ202」
レンズマイコン7は、カメラ1からカメラ1の情報を受信し、内部のメモリ7dに記憶する。カメラ1の情報とは、カメラの機種名、保有する機能およびシーケンス情報、AF情報等がある。
【0070】
「ステップ203」
レンズマイコン7は、現在、フォーカスユニット2が駆動中か否かを判別し、フォーカス駆動中でなければステップ204に、フォーカス駆動中であればステップ209に進む。
【0071】
「ステップ204」
レンズマイコン7は、図4のステップ108でカメラマイコン12から送信されるフォーカスユニット2の目標駆動量(駆動方向を含む)の情報を受信したか否かを判断する。受信した場合はステップ205に進み、受信していない場合はステップ201に戻る。
【0072】
「ステップ205」
レンズマイコン7は、ステップ204で受信したフォーカスユニット2の目標駆動量を、図2又は図3にて説明した位置検出方式により検出したフォーカスユニット2の現在位置に加算し、フォーカスユニット2の移動予想位置である移動先(予定移動位置)を演算する。
【0073】
「ステップ206」
次に、レンズマイコン7は、ステップ205で演算したフォーカスユニット2の移動先に応じた光学情報をメモリ6から読み出し、カメラマイコン12に送信する。
【0074】
カメラマイコン12は、図4のステップ109にてフォーカスユニット2の移動先の光学情報を受信し、ステップ110にて被写体にピントを合わせるための新たなフォーカスユニット2の目標駆動量を演算し、この目標駆動量の情報を再度レンズマイコン7に送信する。
【0075】
「ステップ207」
レンズマイコン7は、カメラマイコン12から新たに演算されたフォーカスユニット2の目標駆動量の情報を受信する。
【0076】
「ステップ208」
レンズマイコン7は、上記目標駆動量の情報に含まれる駆動方向にフォーカスユニット2が移動するようにモータ3に電圧を印加してフォーカスユニット2の駆動を開始する。
【0077】
「ステップ209」
レンズマイコン7は、回転センサユニット4からの出力パルスをカウントし、このカウント値が、ステップ207で得た目標駆動量のパルスカウント値に達したか否かを判断する。目標駆動量のパルスカウント値に達するまでこのステップを繰り返し、目標駆動量のパルスカウント値に達したときはステップ209に進む。
【0078】
「ステップ210」
レンズマイコン7は、フォーカスユニット2の移動を停止させるため、モータ3への電圧印加を中止し、ステップ201へ移行する。
【0079】
以上の図4および図5で説明したシーケンスでは、レンズマイコン7がフォーカスユニット2の移動先の光学情報をカメラマイコン12に送信し、カメラマイコン12はその光学情報を用いて、焦点検出ユニット11により検出されたピントずれ量を補正して、フォーカスユニット2の目標駆動量を再演算する。そして、レンズマイコン7は、この再演算された目標駆動量に基づいてフォーカスユニット2を駆動する。これにより、より合焦精度の高いオートフォーカス制御を行うことができるとともに、合焦を得るまでのフォーカスユニット2の駆動回数を減らすことができる。
【0080】
また、図4および図5については、主にフォーカスユニット2の移動に関して説明したが、変倍機能を装備したレンズ装置の場合、例えば変倍方式の一般的な機能としてオートズーム機能があるが、フォーカスユニット2と変倍レンズユニットとが同時に駆動される可能性がある。この場合、レンズマイコン7はフォーカスユニット2と変倍レンズユニットの移動先を同時に演算し、それらの位置に応じた光学情報をカメラマイコン12に送信し、フォーカスユニット2の目標駆動量の再演算を行わせる。
【0081】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、レンズ装置1が保有する光学情報のうち、フォーカスユニット2の移動先での球面収差情報を用いてフォーカスユニット2の目標駆動量を再演算する場合について説明したが、本実施形態では、フォーカスユニット2の移動先での、フォーカスユニット2の移動量に対するフィルム面又は撮像素子の受光面でのピント移動量の比率情報を表す敏感度情報を用いてフォーカスユニット2の目標駆動量を再演算する場合について説明する。
【0082】
なお、本実施形態を適用するカメラシステムの構成は、第1実施形態のものと同じであり、カメラシステムの構成要素には第1実施形態と同符号を付して説明する。また、カメラマイコン12およびレンズマイコン7の動作シーケンスについても、図4および図5に示したものと同様である。
【0083】
図6には、絶対位置センサユニット5の出力とフォーカスユニット2の位置との関係を示している。同図において、フォーカスユニット2の移動範囲である至近〜無限遠は8分割されており、ビット数とは、レンズマイコン7がどのゾーンにフォーカスユニット2が位置しているかを認識するためのコードである。敏感度とは、フォーカスユニット2の位置に応じた、フォーカスユニット2の移動量に対するフィルム面又は撮像素子の受光面でのピントの移動量の変化を表す。
【0084】
フォーカスユニット2の移動先での敏感度を用いて目標駆動量を再演算することにより、移動先の球面収差情報を用いる場合に比べて、合焦精度がさらに良くなる。
【0085】
ここで、図6に示すように、フォーカスユニット2の移動範囲が8分割されているだけであると、同じゾーン内でも敏感度が大きく変化する場合がある。従来は、同じゾーン内での敏感度変化を補間処理することで合焦精度を上げるようにしている。
【0086】
しかしながら、このような敏感度の補間処理は、従来はフォーカスユニットが実際に駆動されて通過したゾーンでの過去の敏感度変化に対して行われるに過ぎないため、フォーカスユニット移動先での敏感度が分かれば、より高い合焦精度を得るためのフォーカスユニットの目標駆動量を算出することができる。
【0087】
例えば、フォーカスユニット2が最も至近側のゾーン0内から移動を開始し、現在、ゾーン2の中間位置で停止しているとする。このフォーカスユニット2の移動の際、レンズマイコン7はゾーン1からゾーン2への切り換わりから停止までの駆動量(パルス数)をメモリ7dに記憶する。
【0088】
レンズマイコン7は各ゾーンの幅を示すパルス換算値を記憶しているため、ゾーン1からゾーン2への切り換わりからの駆動量が50パルスであった場合、ゾーン2の中間位置に現在停止していることが分かる。
【0089】
以下、上記の前提のもとでの本実施形態でのオートフォーカス制御について説明する。まず、レンズマイコン7は、ゾーン2の敏感度値である1.2という値を浮動少数点演算してカメラマイコン12に送信する。
【0090】
カメラマイコン12は、焦点検出ユニット11により検出されたデフォーカス量(ピントずれ量)を、レンズマイコン7から受信したゾーン2の敏感度値1.2で除することにより、フォーカスユニット2の目標駆動量を演算し、レンズマイコン7に送信する。
【0091】
レンズマイコン7は、受信した目標駆動量と現在位置とからフォーカスユニット2の移動先のゾーンを特定し、そのゾーンの敏感度を導き出す。そして、レンズマイコン7は過去、現在、移動先のそれぞれの敏感度を多次元演算して、現在の敏感度1.2を補正し、この補正後の敏感度をカメラマイコン12に送信する。
【0092】
カメラマイコン12は、受信した補正敏感度から再度、フォーカスユニット2の目標駆動量を演算し、レンズマイコン7に送信する。レンズマイコン7はその再演算された目標駆動量の情報に基づいてフォーカスユニット2の駆動を開始する。
【0093】
レンズマイコン7は、フォーカスユニット2の駆動中に回転センサユニット4からの出力パルスをカウントし、そのカウント値がカメラマイコン12から送信された目標駆動量のパルス数に達すると、フォーカスユニット2の駆動を停止させる。
【0094】
これら一連の処理を行うことで、より合焦精度の高いオートフォーカス制御を行うことができるとともに、合焦を得るまでのフォーカスユニット2の駆動回数を減らすことができる。
【0095】
なお、上記各実施形態では、レンズ交換式カメラシステムについて説明したが、本発明は、レンズ一体型のカメラにも適用することができる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、焦点検出結果に基づいてフォーカスレンズの目標駆動量を求め、該目標駆動量からフォーカスレンズの予定移動位置を求めてその予定移動位置に応じた撮影光学系の光学情報を用いた再演算により、実際にフォーカスレンズを駆動するための目標駆動量を得るようにしている。したがって、より高い合焦精度のオートフォーカス制御を行うことができるとともに、フォーカスレンズ駆動回数を減らして短時間でのピント合わせを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるカメラシステムの構成を示すブロック図。
【図2】上記カメラシステムを構成するレンズ装置内に備えられた絶対位置検出の方法を説明する表図。
【図3】上記カメラシステムを構成するレンズ装置内に備えられた絶対位置検出の方法を説明する表図。
【図4】上記カメラシステムを構成するカメラ内に設けられたカメラマイコンの動作を
【図5】上記レンズ装置内に設けられたレンズマイコンの動作を示すフローチャート。示すフローチャート。
【図6】フォーカスユニットの位置に応じたレンズ敏感度を表す表図。
【符号の説明】
1 レンズ装置
2 フォーカスユニット
3 モータ
4 回転センサユニット
5 絶対位置センサユニット
6 メモリ
7 レンズマイコン
8a,8b 接点ユニット
10 カメラ
11 焦点検出ユニット
12 カメラマイコン
【発明の属する技術分野】
本発明は、オートフォーカス機能を有したカメラ、レンズ装置およびカメラシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、オートフォーカス機能を有したカメラが主流となり、誰もが被写体のピントを気にせず綺麗な写真を撮影できるようになっている。また、オートフォーカスに関する技術も種々改良がなされ、例えば、測距又は撮影光学系の焦点調節状態の検出(焦点検出)を行うポイントを複数個持つことで、広いエリアで測距又は焦点検出を可能としたものがある。測距又は焦点検出が可能なポイントを複数持つことで、それぞれ距離が異なる複数の被写体が存在する場合の撮影や、流し撮りと言われる撮影技術を用いて被写体が動体である場合の撮影を容易に行うことができるようになっている。
【0003】
具体的には、複数の測距又は焦点検出ポイントの全て(あるいは部分的に)で測距又は焦点検出を行い、最も最適なピント状態となるポイントを特定してピントを合わせたり、動体である被写体の移動速度を演算し、次の撮影時までの被写体の移動位置を予測するなどの予測オートフォーカスが可能となっている。
【0004】
一方、複数の測距又は焦点検出ポイントがあることで、カメラのオートフォーカスに関わる様々な処理に時間が掛かるという問題がある。
【0005】
また、カメラは測距又は焦点検出ポイントごとにレンズの光学的要素を加味したピント補正を行っているため、例えば交換式レンズの場合、レンズ固有の光学情報を通信によってカメラに送信し、カメラは受信した光学情報を基にピント補正を行う。
【0006】
ここで、ピントに関わるレンズ固有の光学情報には、例えば、球面収差情報や色収差情報、フォーカスレンズの移動に伴うピント移動量を表す敏感度情報などがあり、これらの固有情報はズームなどの変倍量に依存することが知られている。このため、交換式レンズにおいては、移動するレンズの位置に対応した光学情報を、レンズ装置に搭載されたメモリ等の記憶回路に記憶していることが多い。
【0007】
交換レンズ式カメラシステムのオートフォーカスシーケンスの一例を以下に説明する。同様なオートフォーカスシーケンスは、特許文献1,2等にて提案されている。
【0008】
はじめに、カメラは、位相差検出方式により、被写体までのピントのずれ量(デフォーカス量)を焦点検出ユニットにより検出する。次に、交換レンズから球面収差情報や色収差情報(球面収差情報と色収差情報をそれぞれの差分で1つの情報としている場合もある)、敏感度情報を受信し、球面収差情報および色収差情報を用いてピントのずれ量を補正し、その補正した結果と敏感度情報とによりフォーカスレンズの目標駆動量を演算する。
【0009】
そして、目標駆動量の情報を交換レンズに送信し、交換レンズは受信した目標駆動量分、フォーカスレンズを駆動する。これらの処理によって被写体に対する合焦を得ることができる。
【0010】
【特許文献1】
特開平05−045576号公報(多点AFに関する)
【特許文献2】
特開2001−352481号公報(被写体色と空間周波数によるAFに関する)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したオートフォーカスシーケンスを採用したカメラシステムにおいて、例えば交換レンズ固有の光学情報である球面収差情報は、現在の変倍位置情報(フォーカスで変倍量が変わる場合はフォーカスレンズの位置情報も含まれる)を基にカメラに送信される構成となっている。このため、カメラでは、元々ピントがずれている状態での変倍位置情報に応じた球面収差情報や色収差情報を用いたピントずれ量の補正を行うこととなる。
【0012】
したがって、このようにピントが合っている状態での光学情報とは異なる光学情報を用いたピントずれ量の補正を行うので、被写体へのピント合わせの精度が低下することが予想される。
【0013】
そして、1回のフォーカスレンズ駆動でのピント合わせの精度が低下すると、最終的にピント合わせが完了するまでに、多くの回数のフォーカスレンズ駆動が必要となり、合焦を得るまでに長時間を要するという問題が生じる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、フォーカスレンズを含む撮影光学系を備えたレンズ装置が着脱可能に装着され、レンズ装置との通信が可能なカメラに、撮影光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出手段と、焦点検出手段による検出結果に基づいて合焦を得るためのフォーカスレンズの目標駆動量を演算し、該目標駆動量を表す情報をレンズ装置に送信する制御手段とを設ける。そして、制御手段は、上記目標駆動量に対応したフォーカスレンズの予定移動位置での撮影光学系の光学情報(球面収差情報や色収差情報)をレンズ装置から受信し、該光学情報を用いてフォーカスレンズの目標駆動量を再演算してレンズ装置に送信する。
【0015】
また、本発明では、フォーカスレンズを含む撮影光学系を備え、カメラに対して着脱可能に装着され、カメラと通信が可能なレンズ装置に、フォーカスレンズを駆動するフォーカス駆動手段と、フォーカスレンズの位置に応じた撮影光学系の光学情報(球面収差情報や色収差情報)を記憶した記憶手段と、フォーカスレンズの位置を検出する位置検出手段とを設ける。さらに、位置検出手段によるフォーカスレンズの検出位置とカメラから送信された、合焦を得るためのフォーカスレンズの目標駆動量を表す情報とからフォーカスレンズの予定移動位置を算出するとともに、記憶手段に記憶された光学情報のうち又は該記憶された光学情報に基づいて得られる上記予定移動位置に応じた光学情報をカメラに送信し、カメラにおいて該光学情報を用いて再演算されてカメラから送信されたフォーカスレンズの目標駆動量を表す情報に基づいてフォーカス駆動手段を制御するレンズ制御手段を設ける。
【0016】
また、本発明では、フォーカスレンズを含む撮影光学系と、フォーカスレンズを駆動するフォーカス駆動手段と、フォーカスレンズの位置を検出する位置検出手段と、撮影光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出手段と、焦点検出手段による検出結果に基づいて合焦を得るためのフォーカスレンズの目標駆動量を演算するとともに、フォーカス駆動手段を制御する制御手段と、フォーカスレンズの位置に応じた撮影光学系の光学情報を記憶した記憶手段とを設ける。そして、制御手段は、位置検出手段によるフォーカスレンズの検出位置とフォーカスレンズの目標駆動量を表す情報とからフォーカスレンズの予定移動位置を算出するとともに、記憶手段に記憶された光学情報のうち又は該記憶された光学情報に基づいて得られる上記予定移動位置に応じた光学情報を用いてフォーカスレンズの目標駆動量を再演算し、この再演算した目標駆動量を表す情報に基づいてフォーカス駆動手段を制御する。
【0017】
上記各発明では、まず、焦点検出結果に基づいてフォーカスレンズの目標駆動量を求め、該目標駆動量からフォーカスレンズの予定移動位置を求めてその予定移動位置に応じた撮影光学系の光学情報を用いた再演算により、実際にフォーカスレンズを駆動するための目標駆動量を得るようにしているので、より高い合焦精度のオートフォーカス制御を行うことができるとともに、フォーカスレンズ駆動回数を減らして短時間でのピント合わせを行うことを可能とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態であるレンズ交換式一眼レフカメラシステム(フィルム又はデジタルカメラシステム)の構成を示している。図1において、1はオートフォーカス機能を有した交換レンズ装置であり、10はこのレンズ装置1の着脱が可能な一眼レフカメラである。カメラ10は、フィルムに又はCCD,CMOSセンサ等の撮像素子(図示せず)を用いて被写体像を撮影する。
【0019】
交換レンズ装置1において、2はフォーカスレンズとこのフォーカスレンズを保持する鏡筒とを含むフォーカスレンズユニット(以下、単にフォーカスユニットという)であり、光軸と略平行な方向に移動することができる。
【0020】
3はフォーカスユニット2を駆動するモータ(フォーカス駆動手段)である。モータ3としては、電磁式、振動式、ボイスコイル式などの各種モータを用いることができる。なお、本実施形態では、電磁式モータを採用している。
【0021】
4はモータ3の回転を検出するための回転センサユニットである。回転センサユニット4は、モータ3の回転に同期して回転する、周方向にスリット状の透光部と遮光部とが交互に形成されたパルス板と、投光部および受光部を有し、パルス板の透光部と遮光部による投−受光部間での透光状態と遮光状態とに応じた信号を出力することによりパルス信号を形成するフォトインタラプタとにより構成されている。
【0022】
モータ3により駆動されるフォーカスユニット2の移動量は、モータ3の回転量に対応するため、回転センサユニット4からのパルス信号をカウントすることにより、フォーカスユニット2の移動量の検出を行うことができる。
【0023】
5はフォーカスユニット2の位置を検出するための絶対位置センサユニットである。この絶対位置センサ5は、フォーカスユニット2に連動して移動する複数の導電性ブラシが、レンズ装置1の本体に固定された導電パターン上を摺動してその接触位置が移動することによって変化する信号を出力するものであり、該信号の変化によってフォーカスユニット2の現在の絶対位置(ゾーン)を検出することができる。
【0024】
図2には、3つ(3bit)の導電性ブラシを使用して、至近〜無限遠までを8つのゾーンに分割した場合の各ゾーンでの信号の変化を示している。ここで、最も至近側のゾーンをゾーン0、最も無限遠側のゾーンをゾーン7とすると、ゾーン0=B‘011’、ゾーン7=B‘111’というバイナリー形式の信号データ(ビット値)で各ゾーンを表すことができる。フォーカスユニット2は、最大この至近〜無限遠の領域を移動することができる。
【0025】
また、図3には、先に説明した導電パターンの代わりに抵抗体を用いた場合のアナログ的な絶対位置検出方式を説明するための表を示している。図2に示した絶対位置検出方式では、デジタル式であるため、3bitの入力が必要であるが、図3に示す絶対位置検出方式では、アナログ信号としての1bitの入力で位置検出できるメリットがある。
【0026】
図3において、最も至近側のゾーンをゾーン0、最も無限遠側のゾーンをゾーン7とし、ゾーン0とゾーン1の切り換わりを10Ωの抵抗値で、ゾーン1とゾーン2の切り換わりを20Ωの抵抗値で表し、以下、順次抵抗値を増加させて、ゾーン6とゾーン7の切り換わりを80Ωの抵抗値で表す。これにより、アナログ形式の信号データが得られる。実際には抵抗体に電圧を印加し、外部に抵抗を直列に連結して、変化する電圧値としてレンズマイコン7のA/D変換部(図示せず)に入力することで位置検出を行う方式となる。フォーカスユニット2は最大、この至近〜無限遠の領域を移動できる。
【0027】
6は書き換え可能なメモリであり、EEPROMにより構成されている。このメモリ6には、本実施形態では、上記各ゾーンに応じた球面収差の変化をピントのずれ量に換算したデータが記憶されている。
【0028】
7はレンズ装置1の全ての制御を司るレンズマイコンである。レンズマイコン7には、後述するオートフォーカスに関する演算等を行う演算回路7a、後述するカメラマイコン12との通信を行うための通信コントローラ7b、A/D変換部7c、入出力ポート、ROMおよびRAM等のメモリ部7dが搭載されている。
【0029】
8aはカメラ−レンズ間で通信を行うための複数の電気接点を有する接点ユニットである。カメラ10側にも対応する接点ユニット8bが設けられ、この接点ユニット8bには複数の導電性突起が設けられている。一方、レンズ装置1側の接点ユニット8aにはその突起と接触可能な複数の導電片が埋め込まれていて、これら突起と導電片を通じてカメラマイコン12とレンズマイコン7とが電気的に接続されている。突起と導電片は機械的に接触しているだけなので、レンズ装置1をカメラ10から容易に取り外すことができる。
【0030】
カメラ10において、11は交換レンズ1の撮影光学系の被写体に対する焦点調節状態の検出(焦点検出)を行うための焦点検出ユニットである。この焦点検出ユニット11は、撮影光学系を通って焦点検出ユニット11内の一対のCCDラインセンサ(図示せず)上に結像した2像の位相差から、撮影光学系の被写体に対するピントのずれ量(デフォーカス量)を検出する、いわゆる位相差検出方式の焦点検出を行う。
【0031】
具体的には、1つのラインセンサ上に結像した像(コントラスト)を読み取り、予め距離の離れた他のラインセンサ上の像と比較して、両ラインセンサ上での像の位置ずれ(位相差)を検出し、この位相差からデフォーカス量を求める。撮影光学系が被写体に対してピントが合っている場合は、両ラインセンサ上での同じ位置に像が形成され、デフォーカス量は0となる。
【0032】
なお、本実施形態では、上述したように位相差検出方式の焦点検出ユニットを用いているが、赤外発光素子(IrLED)を使用し、被写体に赤外光を投射し、被写体で反射した赤外光を受光素子で受光してこの受光素子の出力から撮影光学系の焦点調節状態を検出する、いわゆるアクティブAFユニットなどの焦点検出ユニットを用いてもよい。
【0033】
12はカメラ10の全ての制御を司るカメラマイコンである。カメラマイコン12には、後述するオートフォーカスに関する演算等を行う演算回路12a、レンズマイコン7との通信を行うための通信コントローラ12b、入出力ポート、ROMおよびRAM等のメモリ部12cが搭載されている。
【0034】
図2には、絶対位置センサユニット5の出力とフォーカスユニット2との関係も示している。図2において、ずれ量とは、フォーカスユニット2の位置(ゾーン)に応じて撮影光学系全体の球面収差が変化するため、その変化量をフィルム面又は撮像素子の受光面でのピントのずれ量に換算した値を表す。また、駆動量とは、それぞれのゾーンの幅を回転センサユニット4から出力されるパルス信号の数に換算した値(単位はパルス)である。例えば、ゾーン1の幅は200パルスとなる。
【0035】
また、絶対位置センサユニット5として図3を用いて先に説明したものを用いる場合のずれ量および駆動量は図2と同じである。
【0036】
カメラマイコン12は、カメラ10に設けられた不図示のAF(オートフォーカス)開始スイッチがオンされたことを検出すると、焦点検出ユニット10からデフォーカス量のデータを取り込む。ここで、焦点検出ユニット10においてデフォーカス量検出ができない場合(被写体のコントラストが弱すぎたり被写体が遠すぎたりしてラインセンサ上に結像している像のコントラストが弱く、2像の位置関係を検出できない場合)は、カメラマイコン12に対してデータがない状態であることを表す情報を送信する。カメラマイコン12はこの情報を受信したときはサーチモードに入る。
【0037】
サーチモードとは、デフォーカス量のデータの取り込みができない場合にとりあえずフォーカスユニット2を移動させるモードである。このモードによって、各ラインセンサ上での像のコントラストが強まり、2像の位置ずれを検出できるようになる場合がある。
【0038】
一方、焦点検出ユニット10からデフォーカス量のデータを取り込むことができた場合は、カメラマイコン12はプレディクションモードに入る。プレディクションモードとは、デフォーカス量検出が完了し、被写体にピントを合わせるためのフォーカスユニット2の駆動量(目標駆動量)を演算して、その演算された駆動量分、フォーカスユニット2を移動させるためのモードである。
【0039】
次に、カメラマイコン12は、レンズマイコン7からAFに関する撮影光学系の光学データ(光学情報)を送信させるために、レンズマイコン7に対してコマンドを送信する。このコマンドを受信したレンズマイコン7は、絶対位置センサユニット5の出力からフォーカスユニット2の位置(ゾーン)を検出し、その位置に応じた光学データをメモリ6から読み出して、カメラマイコン12に送信する。
【0040】
ここで、上記光学データとは、球面収差情報(フォーカスユニット2に組み込まれているフォーカスレンズのトータル的光学歪によるピントずれ量を表す情報)や、敏感度情報(フォーカスユニット2の移動量に対する像面の移動量を表す情報)、移動量情報(回転センサユニット4によるモータ3の回転量とフォーカスユニット2の移動量との関係を表す情報)等がある。これらの光学データは、レンズ装置1に変倍機能が付加されている場合、その変倍動作によっても変化する。従って、図示はしないが、絶対位置センサユニット5、モータ3および回転センサユニット4はそれぞれ複数個搭載している場合もあり、それらは不図示の変倍レンズユニットとそれぞれ連動するように構成される。従って、変倍レンズユニットを有する場合にカメラマイコン12に送信される光学データは、フォーカスユニット2と変倍レンズユニットのそれぞれの位置情報に応じたマトリックス的情報となる。
【0041】
次に、カメラマイコン12は、レンズマイコン7から受信した光学データと、ピントのずれ量とに基づいて、合焦を得るためのフォーカスユニット2の目標駆動量(駆動方向を含む)を演算する。
【0042】
ここで、フォーカスユニット2の目標駆動量とは、実際にはフォーカスユニット2を駆動するモータ3の目標回転量(さらに言えば、回転センサユニット4からのパルス信号のカウント値の目標カウント値)であるが、本実施形態では、単にフォーカスユニット2の目標駆動量という。
【0043】
そしてカメラマイコン12は、サーチモードかプレディクションモードかを示す情報と、プレディクションモードでのフォーカスユニット2の目標駆動量の情報をレンズマイコン7に送信する。
【0044】
従来は、この時点で、レンズマイコン7がモータ3に通電し、フォーカスユニット2の移動を開始させる。しかし、その場合、フォーカスユニット2が目標駆動量分移動した後の位置(移動先:予定移動位置)での球面収差情報が変化している可能性があり、仮にフォーカスユニット2が移動先に到達してもピントがずれている可能性が高く、再び焦点検出、通信、フォーカスユニット駆動を繰り返す必要が生じ、ピントが合うまでに時間が掛かってしまう。
【0045】
そこで、本実施形態では、レンズマイコン7は、カメラマイコン12から受信した目標駆動量の情報に基づいてフォーカスユニット2の移動先を演算する。図2を用いて具体的に説明する。ここでは、フォーカスユニット2の現在の位置がゾーン1、カメラマイコン12から送信されたフォーカスユニット2の目標駆動量が回転センサユニット4からのパルス数換算値で300、フォーカスユニット2の駆動方向が無限遠方向であるとする。
【0046】
まず、レンズマイコン7は、現在、ゾーン0とゾーン1の境界又はゾーン2とゾーン1の境界から200パルス分の幅を持つゾーン1内のどこにフォーカスユニット2が位置しているかをレンズマイコン7内のメモリ部7dに記憶する。
【0047】
カメラ10にレンズ装置1が取り付けられた後の最初のフォーカス駆動の場合は、初期値として、各ゾーンの中心(ゾーン1の場合は両隣のゾーンとの境界から100パルスの位置)とする。例えば、記憶したフォーカスユニット2の現在位置がゾーン1の真中である100パルスの位置であるとすると、カメラマイコン12から受信した300パルスの目標駆動量分、フォーカスユニット2が移動した場合、現在位置(ゾーン1内)からゾーン2との境界までが100パルス、ゾーン2の幅が100パルス、ゾーン3の幅が50パルス、ゾーン4の幅が30パルス、ゾーン5の幅が200パルスであるので、
300−(100+100+50+30)=20パルス<200パルス
となり、ゾーン5内に停止すること、すなわちフォーカスユニット2の予定移動位置がゾーン5であることがレンズマイコン7の演算によって確認できる。
【0048】
ゾーン5に対応したピントのずれ量が−0.04mmであるのに対し、ゾーン1では0mmなので、上述した従来の方式でフォーカスユニット2を駆動したのでは0.04mmのピントずれ量が残ってしまう。そこで、レンズマイコン7は、モータ3を駆動する前にこれらの演算を行い、カメラマイコン12に光学データの変更を行わせるために、再度このずれ量のデータ(球面収差情報)を送信する。
【0049】
カメラマイコン12は、受信したピントずれ量を用いて、再度、フォーカスユニット2の目標駆動量を演算する。そして、カメラマイコン12は、この再演算した目標駆動量の情報をレンズマイコン7に送信する。
【0050】
なお、前述したように、レンズ装置1に変倍機能が付加されている場合は、その変倍動作によってもピントずれ量も変化するので、フォーカスユニット2の予定移動位置と変倍レンズユニットの位置とに対応したピントずれ量データがカメラマイコン12に送信され、カメラマイコン12はその受信したピントずれ量を用いて、再度、フォーカスユニット2の目標駆動量を演算する。
【0051】
レンズマイコン7は、カメラマイコン12から再演算された目標駆動量の情報を受信すると、とモータ3の駆動を開始する。プレディクションモードの場合は、回転センサユニット4からのパルス信号をカウントし、上記目標駆動量と比較する。回転センサユニット4からのパルス信号のカウント値が目標駆動量に達すると、レンズマイコン7はモータ3の回転を停止させ、フォーカスユニット2を停止させる。これら一連の処理を行うことで、被写体にピントが合う位置に素早く(つまりは、1回の焦点検出およびフォーカスユニット駆動だけで)フォーカスユニット2を移動させることができる。
【0052】
図4には、カメラマイコン12(演算回路12a)の動作プログラムのフローチャートを示している。
【0053】
「ステップ(図ではSと記す)101」
カメラマイコン12はカメラ10に設けられた不図示のスイッチ類の状態を検出し、マイコン12内部のメモリ12cに検出結果を書き込む。スイッチとしては、AF開始スイッチ、レンズ装着スイッチ、レリーズスイッチ、モード切り換えスイッチ、ダイヤルスイッチ、その他等の多くのスイッチがあるが、本実施形態では、AF開始スイッチとレンズ装着スイッチについてのみ説明し、その他のスイッチについての説明は省略する。
【0054】
AF開始スイッチは、押しボタンタイプの2ストロークスイッチで、使用者が1ストロークだけ押すと、カメラマイコン12はスイッチがONされたことを検出する。レンズ装着スイッチは。レンズ装置1がカメラ10のマウントに装着されることでレンズマウントに押されてONし、これによりカメラマイコン12はレンズ装置1がカメラ10に装着されたことを検出する。
【0055】
「ステップ102」
カメラマイコン12は、ステップ102で検出した不図示のレンズ装着スイッチの信号からレンズ装置1が装着されているかを判断する。レンズ装置1が装着されていない場合は、ステップ101に戻り、スイッチ類の検出を続ける。
【0056】
「ステップ103」
レンズ装置1がカメラ10に装着されると、カメラマイコン12はレンズマイコン7に対してレンズ装置1の光学情報を送信するよう送信要求をレンズマイコン7に送信する。送信要求を受信したレンズマイコン7は、図2又は図3に示した位置検出方式により検出したフォーカスユニット2の現在位置に応じたレンズ装置1の光学情報をメモリ6から読み出して、カメラマイコン12に送信する。ここでいう、レンズ装置の光学情報とは、前述したように、カメラマイコン12が焦点検出ユニット11の検出結果に基づいて被写体にピントを合わせるためのフォーカスユニット2の目標駆動量を演算するために必要な敏感度情報(本実施形態では、フォーカスユニット2の移動量に対するフィルム面又は撮像素子の受光面でのピント移動量の比率情報)や、レンズ装置1の球面収差情報(実際には、フォーカスユニット2の位置に応じたピントのずれ量)である。また、カメラマイコン12は、カメラ1の情報をレンズマイコン7に送信する。
【0057】
「ステップ104」
カメラマイコン12は、ステップ102で検出した不図示のAF開始スイッチからの信号により、オートフォーカス開始が指示されているか否かを判断する。指示されている場合はステップ105に進み、指示されていない場合はステップ101に戻る。
【0058】
「ステップ105」
ステップ104でのオートフォーカスの開始指示に応じて、カメラマイコン12は、焦点検出ユニット11の検出結果、すなわち被写体の位置に対するフォーカスレンズ2の現在位置でのピント面のずれ量(デフォーカス量)を検出する。なお、本実施形態では、焦点検出ユニット11は所定の周期で焦点検出を繰り返し行っているものとする。これにより、オートフォーカス開始の指示があってから焦点検出を開始する場合に比べて、オートフォーカスの時間が短縮されるためである。
【0059】
「ステップ106」
カメラマイコン12は、ステップ105での検出結果から、被写体に対してピントが合っているか否かを判断する。具体的には、デフォーカス量が所定の合焦範囲内に入っているか否かを判断する。ピントが合っている場合は、使用者に合焦状態であることを知らせるため、不図示のLEDの点灯等による表示又は圧電ブザーの作動等の警告を行い、ステップ101に戻る。
【0060】
「ステップ107」
ステップ106において、被写体にピントが合っていないと判断したときは、カメラマイコン12は、ステップ105で得たデフォーカス量とステップ103で得たレンズ装置1の光学情報とにより、被写体にピントを合わせるためのフォーカスユニット2の目標駆動量を演算する。このとき、デフォーカス量が検出できなかった場合は前述したサーチモードに、デフォーカス量が検出でき、フォーカスユニット2の目標駆動量を演算できたときはプレディクションモードに入り、ステップ108に進む。
【0061】
「ステップ108」
ステップ108でプレディクションモードに入った場合、カメラマイコン12は、レンズマイコン7に対してフォーカスユニット2の目標駆動量(駆動方向を含む)の情報を送信する。
【0062】
ここで、レンズマイコン7は、カメラマイコン12から受信したフォーカスユニット2の目標駆動量と、図2又は図3に示した位置検出方式により検出したフォーカスユニット2の現在位置とに基づいて、フォーカスユニット2の移動先(予定移動位置)を演算する。そして、この移動先に応じたレンズ装置1の光学情報(本実施形態では、球面収差による移動先のピントずれ量を表す球面収差情報)をメモリ6から読み出して、カメラマイコン12に送信する。
【0063】
「ステップ109」
カメラマイコン12は、レンズマイコン7から送信された移動先の光学情報(球面収差情報)を受信する。
【0064】
「ステップ110」
次に、カメラマイコン12は、受信したフォーカスユニット2の移動先の光学情報(球面収差情報)とステップ105で得たデフォーカス量とに基づいて、フォーカスユニット2の目標駆動量を再演算する。演算式としては、
(デフォーカス量〈ピントずれ量〉+球面収差による移動先のピントずれ量)/敏感度情報/回転センサユニット4からの1出力パルス当たりのフォーカスユニット2の移動量)
となる。
【0065】
「ステップ111」
カメラマイコン12は、ステップ110で再演算したフォーカスユニット2の目標駆動量をレンズマイコン7に再送信する。なお、本実施形態において、目標駆動量を再演算するためにレンズマイコン7からフォーカスユニット2の移動先の球面収差情報のみを送信するのは、ステップ109での光学情報送信に要する時間をできるだけ短くして、オートフォーカス制御全体に要する時間を短くするためである。
【0066】
また、レンズ装置1の状態を受信して、フォーカスユニット2が目標駆動量分、移動するまで待つ。こうして、フォーカスユニット2の駆動が完了すると、ステップ101に戻る。
【0067】
図5には、レンズマイコン7の動作プログラムのフローチャートを示している。
【0068】
「ステップ201」
レンズマイコン7は、レンズ装置1に設けられたスイッチ類およびセンサ類の状態を検出し、マイコン7内のメモリ7dに検出結果を書き込む。スイッチおよびセンサとしては、オートフォーカス/マニュアルフォーカス切り換えスイッチ(図示せず)、絶対位置センサ5、温度センサ(図示せず)、ズーム位置検出センサ(不図示)等がある。
【0069】
「ステップ202」
レンズマイコン7は、カメラ1からカメラ1の情報を受信し、内部のメモリ7dに記憶する。カメラ1の情報とは、カメラの機種名、保有する機能およびシーケンス情報、AF情報等がある。
【0070】
「ステップ203」
レンズマイコン7は、現在、フォーカスユニット2が駆動中か否かを判別し、フォーカス駆動中でなければステップ204に、フォーカス駆動中であればステップ209に進む。
【0071】
「ステップ204」
レンズマイコン7は、図4のステップ108でカメラマイコン12から送信されるフォーカスユニット2の目標駆動量(駆動方向を含む)の情報を受信したか否かを判断する。受信した場合はステップ205に進み、受信していない場合はステップ201に戻る。
【0072】
「ステップ205」
レンズマイコン7は、ステップ204で受信したフォーカスユニット2の目標駆動量を、図2又は図3にて説明した位置検出方式により検出したフォーカスユニット2の現在位置に加算し、フォーカスユニット2の移動予想位置である移動先(予定移動位置)を演算する。
【0073】
「ステップ206」
次に、レンズマイコン7は、ステップ205で演算したフォーカスユニット2の移動先に応じた光学情報をメモリ6から読み出し、カメラマイコン12に送信する。
【0074】
カメラマイコン12は、図4のステップ109にてフォーカスユニット2の移動先の光学情報を受信し、ステップ110にて被写体にピントを合わせるための新たなフォーカスユニット2の目標駆動量を演算し、この目標駆動量の情報を再度レンズマイコン7に送信する。
【0075】
「ステップ207」
レンズマイコン7は、カメラマイコン12から新たに演算されたフォーカスユニット2の目標駆動量の情報を受信する。
【0076】
「ステップ208」
レンズマイコン7は、上記目標駆動量の情報に含まれる駆動方向にフォーカスユニット2が移動するようにモータ3に電圧を印加してフォーカスユニット2の駆動を開始する。
【0077】
「ステップ209」
レンズマイコン7は、回転センサユニット4からの出力パルスをカウントし、このカウント値が、ステップ207で得た目標駆動量のパルスカウント値に達したか否かを判断する。目標駆動量のパルスカウント値に達するまでこのステップを繰り返し、目標駆動量のパルスカウント値に達したときはステップ209に進む。
【0078】
「ステップ210」
レンズマイコン7は、フォーカスユニット2の移動を停止させるため、モータ3への電圧印加を中止し、ステップ201へ移行する。
【0079】
以上の図4および図5で説明したシーケンスでは、レンズマイコン7がフォーカスユニット2の移動先の光学情報をカメラマイコン12に送信し、カメラマイコン12はその光学情報を用いて、焦点検出ユニット11により検出されたピントずれ量を補正して、フォーカスユニット2の目標駆動量を再演算する。そして、レンズマイコン7は、この再演算された目標駆動量に基づいてフォーカスユニット2を駆動する。これにより、より合焦精度の高いオートフォーカス制御を行うことができるとともに、合焦を得るまでのフォーカスユニット2の駆動回数を減らすことができる。
【0080】
また、図4および図5については、主にフォーカスユニット2の移動に関して説明したが、変倍機能を装備したレンズ装置の場合、例えば変倍方式の一般的な機能としてオートズーム機能があるが、フォーカスユニット2と変倍レンズユニットとが同時に駆動される可能性がある。この場合、レンズマイコン7はフォーカスユニット2と変倍レンズユニットの移動先を同時に演算し、それらの位置に応じた光学情報をカメラマイコン12に送信し、フォーカスユニット2の目標駆動量の再演算を行わせる。
【0081】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、レンズ装置1が保有する光学情報のうち、フォーカスユニット2の移動先での球面収差情報を用いてフォーカスユニット2の目標駆動量を再演算する場合について説明したが、本実施形態では、フォーカスユニット2の移動先での、フォーカスユニット2の移動量に対するフィルム面又は撮像素子の受光面でのピント移動量の比率情報を表す敏感度情報を用いてフォーカスユニット2の目標駆動量を再演算する場合について説明する。
【0082】
なお、本実施形態を適用するカメラシステムの構成は、第1実施形態のものと同じであり、カメラシステムの構成要素には第1実施形態と同符号を付して説明する。また、カメラマイコン12およびレンズマイコン7の動作シーケンスについても、図4および図5に示したものと同様である。
【0083】
図6には、絶対位置センサユニット5の出力とフォーカスユニット2の位置との関係を示している。同図において、フォーカスユニット2の移動範囲である至近〜無限遠は8分割されており、ビット数とは、レンズマイコン7がどのゾーンにフォーカスユニット2が位置しているかを認識するためのコードである。敏感度とは、フォーカスユニット2の位置に応じた、フォーカスユニット2の移動量に対するフィルム面又は撮像素子の受光面でのピントの移動量の変化を表す。
【0084】
フォーカスユニット2の移動先での敏感度を用いて目標駆動量を再演算することにより、移動先の球面収差情報を用いる場合に比べて、合焦精度がさらに良くなる。
【0085】
ここで、図6に示すように、フォーカスユニット2の移動範囲が8分割されているだけであると、同じゾーン内でも敏感度が大きく変化する場合がある。従来は、同じゾーン内での敏感度変化を補間処理することで合焦精度を上げるようにしている。
【0086】
しかしながら、このような敏感度の補間処理は、従来はフォーカスユニットが実際に駆動されて通過したゾーンでの過去の敏感度変化に対して行われるに過ぎないため、フォーカスユニット移動先での敏感度が分かれば、より高い合焦精度を得るためのフォーカスユニットの目標駆動量を算出することができる。
【0087】
例えば、フォーカスユニット2が最も至近側のゾーン0内から移動を開始し、現在、ゾーン2の中間位置で停止しているとする。このフォーカスユニット2の移動の際、レンズマイコン7はゾーン1からゾーン2への切り換わりから停止までの駆動量(パルス数)をメモリ7dに記憶する。
【0088】
レンズマイコン7は各ゾーンの幅を示すパルス換算値を記憶しているため、ゾーン1からゾーン2への切り換わりからの駆動量が50パルスであった場合、ゾーン2の中間位置に現在停止していることが分かる。
【0089】
以下、上記の前提のもとでの本実施形態でのオートフォーカス制御について説明する。まず、レンズマイコン7は、ゾーン2の敏感度値である1.2という値を浮動少数点演算してカメラマイコン12に送信する。
【0090】
カメラマイコン12は、焦点検出ユニット11により検出されたデフォーカス量(ピントずれ量)を、レンズマイコン7から受信したゾーン2の敏感度値1.2で除することにより、フォーカスユニット2の目標駆動量を演算し、レンズマイコン7に送信する。
【0091】
レンズマイコン7は、受信した目標駆動量と現在位置とからフォーカスユニット2の移動先のゾーンを特定し、そのゾーンの敏感度を導き出す。そして、レンズマイコン7は過去、現在、移動先のそれぞれの敏感度を多次元演算して、現在の敏感度1.2を補正し、この補正後の敏感度をカメラマイコン12に送信する。
【0092】
カメラマイコン12は、受信した補正敏感度から再度、フォーカスユニット2の目標駆動量を演算し、レンズマイコン7に送信する。レンズマイコン7はその再演算された目標駆動量の情報に基づいてフォーカスユニット2の駆動を開始する。
【0093】
レンズマイコン7は、フォーカスユニット2の駆動中に回転センサユニット4からの出力パルスをカウントし、そのカウント値がカメラマイコン12から送信された目標駆動量のパルス数に達すると、フォーカスユニット2の駆動を停止させる。
【0094】
これら一連の処理を行うことで、より合焦精度の高いオートフォーカス制御を行うことができるとともに、合焦を得るまでのフォーカスユニット2の駆動回数を減らすことができる。
【0095】
なお、上記各実施形態では、レンズ交換式カメラシステムについて説明したが、本発明は、レンズ一体型のカメラにも適用することができる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、焦点検出結果に基づいてフォーカスレンズの目標駆動量を求め、該目標駆動量からフォーカスレンズの予定移動位置を求めてその予定移動位置に応じた撮影光学系の光学情報を用いた再演算により、実際にフォーカスレンズを駆動するための目標駆動量を得るようにしている。したがって、より高い合焦精度のオートフォーカス制御を行うことができるとともに、フォーカスレンズ駆動回数を減らして短時間でのピント合わせを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるカメラシステムの構成を示すブロック図。
【図2】上記カメラシステムを構成するレンズ装置内に備えられた絶対位置検出の方法を説明する表図。
【図3】上記カメラシステムを構成するレンズ装置内に備えられた絶対位置検出の方法を説明する表図。
【図4】上記カメラシステムを構成するカメラ内に設けられたカメラマイコンの動作を
【図5】上記レンズ装置内に設けられたレンズマイコンの動作を示すフローチャート。示すフローチャート。
【図6】フォーカスユニットの位置に応じたレンズ敏感度を表す表図。
【符号の説明】
1 レンズ装置
2 フォーカスユニット
3 モータ
4 回転センサユニット
5 絶対位置センサユニット
6 メモリ
7 レンズマイコン
8a,8b 接点ユニット
10 カメラ
11 焦点検出ユニット
12 カメラマイコン
Claims (7)
- フォーカスレンズを含む撮影光学系を備えたレンズ装置が着脱可能に装着され、前記レンズ装置との通信が可能なカメラであって、
前記撮影光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出手段と、
前記焦点検出手段による検出結果に基づいて合焦を得るための前記フォーカスレンズの目標駆動量を演算し、該目標駆動量を表す情報を前記レンズ装置に送信する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記目標駆動量に対応した前記フォーカスレンズの予定移動位置に応じた前記撮影光学系の光学情報を前記レンズ装置から受信し、該光学情報を用いて前記フォーカスレンズの目標駆動量を再演算して前記レンズ装置に送信することを特徴とするカメラ。 - 前記制御手段は、前記光学情報として、球面収差情報および色収差情報のうち少なくとも一方を前記レンズ装置から受信することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
- フォーカスレンズを含む撮影光学系を備え、カメラに対して着脱可能に装着され、前記カメラと通信が可能なレンズ装置であって、
前記フォーカスレンズを駆動するフォーカス駆動手段と、
前記フォーカスレンズの位置に応じた前記撮影光学系の光学情報を記憶した記憶手段と、
前記フォーカスレンズの位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段による前記フォーカスレンズの検出位置と前記カメラから送信された、合焦を得るための前記フォーカスレンズの目標駆動量を表す情報とから前記フォーカスレンズの予定移動位置を算出するとともに、前記記憶手段に記憶された光学情報のうち又は該記憶された光学情報に基づいて得られる前記予定移動位置に応じた光学情報を前記カメラに送信し、前記カメラにおいて該光学情報を用いて再演算されて前記カメラから送信された前記フォーカスレンズの目標駆動量を表す情報に基づいて前記フォーカス駆動手段を制御するレンズ制御手段とを有することを特徴とするレンズ装置。 - 前記記憶手段は、前記光学情報として、球面収差情報および色収差情報のうち少なくとも一方を記憶していることを特徴とする請求項3に記載のレンズ装置。
- 請求項1又は2に記載のカメラと、請求項3又は4に記載のレンズ装置とを有することを特徴とするカメラシステム。
- フォーカスレンズを含む撮影光学系と、
前記フォーカスレンズを駆動するフォーカス駆動手段と、
前記フォーカスレンズの位置を検出する位置検出手段と、
前記撮影光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出手段と、
前記焦点検出手段による検出結果に基づいて合焦を得るための前記フォーカスレンズの目標駆動量を演算するとともに、前記フォーカス駆動手段を制御する制御手段と、
前記フォーカスレンズの位置に応じた前記撮影光学系の光学情報を記憶した記憶手段とを有し、
前記制御手段は、前記位置検出手段による前記フォーカスレンズの検出位置と前記フォーカスレンズの目標駆動量を表す情報とから前記フォーカスレンズの予定移動位置を算出するとともに、前記記憶手段に記憶された光学情報のうち又は該記憶された光学情報に基づいて得られる前記予定移動位置に応じた光学情報を用いて前記フォーカスレンズの目標駆動量を再演算し、この再演算した目標駆動量を表す情報に基づいて前記フォーカス駆動手段を制御することを特徴とするカメラ。 - 前記記憶手段は、前記光学情報として、球面収差情報および色収差情報のうち少なくとも一方を記憶していることを特徴とする請求項5に記載のレンズ装置。
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JP2002274006A JP2004109693A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | カメラ、レンズ装置およびカメラシステム |
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JP (1) | JP2004109693A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006189580A (ja) * | 2005-01-05 | 2006-07-20 | Pentax Corp | カメラの合焦制御装置 |
JP2008210169A (ja) * | 2007-02-27 | 2008-09-11 | Canon Inc | メモリシステム |
JP2013104936A (ja) * | 2011-11-11 | 2013-05-30 | Nikon Corp | 焦点調節装置および撮像装置 |
-
2002
- 2002-09-19 JP JP2002274006A patent/JP2004109693A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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