JP2019204029A - 撮像装置およびレンズ焦点調節方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無限遠や最至近距離等の特定の距離を、レンズ鏡筒のフォーカスレンズの駆動端等の特定位置に設定することができるようにした撮像装置および焦点調節方法を提供する。【解決手段】第1の端点と第2の端点の間の任意の位置において、所定距離における被写体にピントを合わせ、このときの焦点調節レンズの光軸方向の位置を検出し(S21)、この検出結果に基づいて、リング部材の回転角と撮影距離に関する値との第1の関係を補正して第2の関係を作成し(S23)、回転角検出部により検出されるリング部材の回転角と、第2の関係に基づいて、リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出し、算出された撮影距離に関する値に基づいて焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する。【選択図】 図12
Description
本発明は、レンズ鏡筒において端部等の所定位置を特定の距離に設定することができる撮像装置および焦点調節方法に関する。
レンズ鏡筒の無限遠位置は、個々のレンズ鏡筒によっても製造誤差等によって僅かに異なり、またコンバージョンレンズ等を装着することによっても異なってしまう。例えば、特許文献1には、コンバージョンレンズを装着した際に、製造誤差があっても、駆動範囲を切り替えてフォーカス範囲が合焦範囲を含むように補正する技術が開示されている。また、マニュアルフォーカス時に、操作部材によって指定される距離にピントを合わせるRFモードに関する技術が提案されている(特許文献2参照)。
レンズ鏡筒は、製品保証した無限遠および最至近の撮影距離にピントを合わせることができなければならない。一般に環境温度の変化によるフォーカス位置ズレ(本明細書においては、「Fcズレ」と称する場合があり)、カメラ本体に装着した際のFcズレ(このFcズレは、本体のマウント面とイメージセンサ面の距離)、撮影時の姿勢によるFcズレが発生することがある。このFcズレが最大であっても無限遠および最至近距離に被写体にピントを合わせることができるように、フォーカスレンズの駆動範囲を決めている。すなわち、フォーカスレンズの位置制御上の駆動端(以下、「レンズ制御端」と称す)の位置は、上述のFcズレが最大であっても、無限遠および最至近距離を確保できるようにしている。
このため、フォーカスレンズの無限遠の外側(遠距離側)に無限側レンズ制御端があり、また最至近距離の外側(近距離側)に至近側レンズ制御端がある。この結果、ユーザがマニュアルフォーカスを行う際に、操作部材を無限側、または至近側のメカ端に当て付けてフォーカスレンズを無限側、または至近側のレンズ制御端に位置させ、無限遠の被写体または最至近距離の被写体にピントを撮影する場合には、想定した最大のズレと実際の状況で発生するズレの差分だけずれしまい、操作感が悪くなってしまう。また、特許文献2に開示されているマニュアルで距離を指定し撮影する場合にも、同様に、想定した最大のズレと実際の状況で発生するズレの差分だけずれしまい、操作感が悪くなってしまう。
上述の特許文献1および2には、無限遠や最至近距離等の特定の距離を、レンズ鏡筒のフォーカスレンズの駆動端等の特定位置に設定することについては、何ら記載されていない。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、無限遠や最至近距離等の特定の距離を、レンズ鏡筒のフォーカスレンズの駆動端等の特定位置に設定することができるようにした撮像装置および焦点調節方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため第1の発明に係る撮像装置は、光軸方向に移動可能な焦点調節レンズを含む撮影レンズを有するレンズ鏡筒と、上記レンズ鏡筒において第1の端点と第2の端点の角度範囲内を回転可能に配設されるリング部材と、上記リング部材の回転角と撮影距離に関する値との関係を記憶する記憶部と、上記リング部材の回転角を検出する回転角検出部と、上記回転角検出部により検出される上記リング部材の回転角と、上記記憶部に記憶された上記関係に基づいて、上記リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出し、算出された撮影距離に関する値に基づいて上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する制御部と、上記第1の端点に対応する撮影距離、および/または上記第2の端点に対応する撮影距離を設定し、上記リング部材の回転角と撮影距離に関する値との関係を補正可能な設定部と、を具備する。
第2の発明に係る撮像装置は、上記第1の発明において、上記設定部は、操作部を有し、上記設定部は、上記操作部により選択される上記第1の端点、および/または、第2の端点と、上記操作部により設定される撮影距離とに基づいて上記第1の端点、および/または、第2の端点と設定された撮影距離を対応付けて上記記憶部に記憶させる。
第3の発明に係る撮像装置は、上記第2の発明において、上記制御部は、上記記憶部に記憶された上記第1の端点、および/または、第2の端点と対応付けられた撮影距離に基づいて、上記関係を補正し、この補正された関係を上記記憶部に記憶する。
第3の発明に係る撮像装置は、上記第2の発明において、上記制御部は、上記記憶部に記憶された上記第1の端点、および/または、第2の端点と対応付けられた撮影距離に基づいて、上記関係を補正し、この補正された関係を上記記憶部に記憶する。
第4の発明に係る撮像装置は、上記第3の発明において、上記撮影レンズは、焦点距離を変更可能なズームレンズであって、上記設定部は、任意の焦点距離にて上記第1の端点、および/または、第2の端点と設定された撮影距離を対応付けて上記記憶部に記憶させ、上記制御部は、上記焦点距離以外の焦点距離にて、上記記憶部に記憶された上記第1の端点、および/または、第2の端点と対応付けられた撮影距離と上記補正された関係に基づいて上記リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出して上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する。
第5の発明に係る撮像装置は、上記第2の発明において、上記記憶部は、複数の上記第1の端点、および/または、第2の端点と設定された撮影距離の対応付けを記憶することが可能である。
第6の発明に係る撮像装置は、上記第5の発明において、上記操作部により、上記複数の第1の端点、および/または、第2の端点と設定された撮影距離の対応付けを選択することが可能であり、上記制御部は、選択された上記第1の端点、および/または、第2の端点と設定された撮影距離の対応付けに基づいて、上記リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出して上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する。
第6の発明に係る撮像装置は、上記第5の発明において、上記操作部により、上記複数の第1の端点、および/または、第2の端点と設定された撮影距離の対応付けを選択することが可能であり、上記制御部は、選択された上記第1の端点、および/または、第2の端点と設定された撮影距離の対応付けに基づいて、上記リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出して上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する。
第7の発明に係る撮像装置は、上記第2の発明において、焦点調節可能な全範囲を複数の範囲に分割し、上記複数の範囲から選択して焦点調節可能範囲とするフォーカスリミット手段を有し、上記制御部は、上記第2の端点に対応付けられた撮影距離を、上記フォーカスリミット手段により設定される焦点調節可能な範囲の一端に対応する撮影距離に変更する。
第8の発明に係る撮像装置は、光軸方向に移動可能な焦点調節レンズを含む撮影レンズを有するレンズ鏡筒と、上記レンズ鏡筒において第1の端点と第2の端点の角度範囲内を回転可能に配設されるリング部材と、上記リング部材の回転角と撮影距離に関する値との第1の関係を記憶する記憶部と、上記リング部材の回転角を検出する回転角検出部と、上記第1の端点と第2の端点の間の任意の位置において、所定距離における被写体にピントを合わせ、このときの上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を検出し、この検出結果に基づいて、上記リング部材の回転角と撮影距離に関する値との第1の関係を補正して第2の関係を作成し、上記回転角検出部により検出される上記リング部材の回転角と、上記第2の関係に基づいて、上記リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出し、算出された撮影距離に関する値に基づいて上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する制御部と、を具備する。
第9の発明に係る撮像装置は、上記第8の発明において、上記所定距離は、光学無限遠、光学最至近距離、有限距離に対応する距離のいずれか2つである。
第10の発明に係る撮像装置は、上記第8の発明において、上記制御部は、上記第1の関係と上記第2の関係のいずれかを選択する第1の選択部を有し、上記制御部は、上記第1の関係が選択された場合には上記第1の関係に基づいて、また上記第2の関係が選択された場合には上記第2の関係に基づいて、上記リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出し、算出された撮影距離に関する値に基づいて上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する。
第10の発明に係る撮像装置は、上記第8の発明において、上記制御部は、上記第1の関係と上記第2の関係のいずれかを選択する第1の選択部を有し、上記制御部は、上記第1の関係が選択された場合には上記第1の関係に基づいて、また上記第2の関係が選択された場合には上記第2の関係に基づいて、上記リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出し、算出された撮影距離に関する値に基づいて上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する。
第11の発明に係る撮像装置は、上記第8の発明において、上記制御部は、異なる所定距離の組合せに基づいて、複数の第2の関係を作成し、上記複数の第2の関係のいずれかを選択する第2の選択部を有する。
第12の発明に係る撮像装置は、上記第8の発明において、上記撮影レンズは、ズームレンズであり、上記記憶部は、上記第1の関係を焦点距離毎に記憶し、上記制御部は、上記第1の端点と第2の端点の間の任意の2つの位置における検出結果に基づいて、上記第2の関係を焦点距離毎に作成する。
第12の発明に係る撮像装置は、上記第8の発明において、上記撮影レンズは、ズームレンズであり、上記記憶部は、上記第1の関係を焦点距離毎に記憶し、上記制御部は、上記第1の端点と第2の端点の間の任意の2つの位置における検出結果に基づいて、上記第2の関係を焦点距離毎に作成する。
第13の発明に係る撮像装置は、上記第8の発明において、光軸方向に移動可能な焦点調節レンズを含む撮影レンズを有するレンズ鏡筒と、上記レンズ鏡筒において第1の端点と第2の端点の角度範囲内を回転可能に配設されるリング部材と、上記リング部材の回転角と撮影距離に関する値との第1の関係を記憶する記憶部と、上記リング部材の回転角を検出する回転角検出部を有する撮像装置の焦点調節レンズ調節方法において、上記第1の端点と第2の端点の間の任意の位置において、所定距離における被写体にピントを合わせ、このときの上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を検出し、上記検出結果に基づいて、上記リング部材の回転角と撮影距離に関する値との第1の関係を補正して第2の関係を作成し、上記回転角検出部により検出される上記リング部材の回転角と、上記第2の関係に基づいて、上記リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出し、算出された撮影距離に関する値に基づいて上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する。
本発明によれば、無限遠や最至近距離等の特定の距離を、レンズ鏡筒のフォーカスレンズの駆動端等の特定位置に設定することができるようにした撮像装置および焦点調節方法を提供することができる。
以下、添付図面にしたがって本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明は撮像装置としてデジタルカメラを例にあげ、このカメラの交換レンズに適用した場合について説明する。しかし、本発明はこれに限定されず、レンズ鏡筒に光軸方向に移動可能なフォーカスレンズを有する装置であれば広く適用することができる。
本実施形態におけるカメラは、RFモードによる焦点調節が可能である。本実施形態のRFモードでは、予め距離環の回転端を撮影対象の距離に合わせて設定(ユーザ設定)しておくことが可能であり、距離環を回転端に位置させると、設定された距離にピントを合わせることができる。距離環は機構的に制限された無限端(RF無限端)と至近端(RF至近端)の間で回動が可能である。このカメラは、ユーザの撮影状況に応じて、光学無限遠距離(無限撮影距離)を距離環の回転の無限端(RF無限端)に、光学最至近距離(至近撮影距離)を距離環の回転の至近端(RF至近端)に、両端もしくは一方を設定することができる。これによって、ユーザは、距離環(距離リング)を回転の無限端(RF無限端)に当たるまで回動させると、フォーカスレンズを光学無限遠に合焦するように制御して光学無限遠にピントが合い、距離環(距離リング)を回転の至近端(RF至近端)に当たるまで回動させると、フォーカスレンズを光学至近距離に合焦するように制御して最至近距離にピント合う。
図1は、本発明の一実施形態に係るカメラの構成を示すブロック図であり、図2は、このカメラにおける電気的構成を示すブロック図である。このカメラは、交換レンズ100とカメラ本体200から構成される。しかし、レンズ鏡筒とカメラ本体を一体に構成しても勿論かまわない。
交換レンズ100内には、レンズ11a〜11cからなる撮影レンズ11が備えられている。撮影レンズ11によって被写体像が形成される。このうち、フォーカスレンズ11bは焦点調節用のレンズであり、フォーカスレンズ駆動機構25によって光軸方向に移動可能である。フォーカスレンズ駆動機構25は、フォーカスレンズ用アクチュエータとフォーカスレンズ用ドライブ回路を有している。また、レンズ11a〜11cの一部は、焦点距離を変化させるためのズームレンズである。交換レンズ100は、単焦点レンズでもよいが、本実施形態においては、ズームレンズ群を有するズームレンズである。撮影レンズ11は、光軸方向に移動可能な焦点調節レンズを含む撮影レンズとしての機能を有し、交換レンズ100はレンズ鏡筒としての機能を有する。また、撮影レンズ11は、焦点距離を変更可能なズームレンズとしての機能を有する。
またフォーカスレンズ基準位置検出部27は、フォーカスレンズ11bが基準位置に達すると検出信号を制御部であるCPU(Central Processing Unit)41に出力する。フォーカスレンズ位置検出部27は、フォーカスレンズ基準位置検出用センサと、このセンサからの信号を処理し、検出信号を出力する信号処理回路を有する。基準位置検出用センサとしては、本実施形態においては、フォトインタラプタ(PI)を用いるが、これ以外のセンサ(例えば、フォトレフレクタ、磁気センサ)によって検出するようにしてもよい。なお、本実施形態においては、フォーカスレンズ11bの位置検出は、基準位置を検出すると、その位置を基準にして、フォーカスレンズ用のアクチュエータ(本実施形態においてはステッピングモータを使用)への印加パルス数(Pls数)に基づいて行う。
レンズ11aと11bの間には、絞り13が配置されている。絞り13は、絞り駆動機構21によって開口径が変化し、撮影レンズ11を通過する被写体光量を変化させる。絞り駆動機構21は、絞り用アクチュエータと絞り用ドライバ回路等を有する。アクチュエータとしては、ステッピングモータを使用し、マイクロステップ駆動によって細かい制御を行う。なお、絞り13は、レンズ11aと11bの間以外に配置しても勿論かまわない。
絞り基準位置検出部23は、絞りの開口径が基準位置に達すると、検出信号をCPU41に出力する。絞り基準位置検出部23は、絞り基準位置検出用センサと、このセンサからの信号を処理し、検出信号を出力する信号処理回路を有する。絞り位置は、基準位置検出部23によって基準位置を取得し、相対的な位置検出によって絞り位置を管理する。相対的な位置検出はステッピングモータへの印加パルス数によって検出し、基準位置の検出は、本実施形態においては、フォトインタラプタ(PI)によって検出する。
交換レンズ100の外周には、距離環51が配置されている。距離環51は、交換レンズ100の外周を回動自在であると共に、撮影レンズ11の光軸方向の所定範囲内で、スライド自在である。この距離環51は、被写体側にスライドすると、非RF(非レンジフォーカス)(MF(マニュアルフォーカス)という場合もある)位置に設定され、本体側にスライドすると、RF(レンジフォーカス)位置に設定される。距離環51のスライドにより、RFモードと非RFモード(MFモード)の切り換えを行う。このモードの検出は、RFモード検出部33が行う。また、RFモードに設定された場合、距離環51は、機構的に制限された至近端(RF至近端)と無限端(RF無限端、第1の端点と第2の端点)の間で回動自在である。距離環51は、レンズ鏡筒において第1の端点と第2の端点の角度範囲内を回転可能に配設されるリング部材としての機能を有する。
非RFモードは、機構的な制限がなく、距離環51は無制限に回転が可能であり、ユーザが距離環51の回転方向および回転量に応じてピント合わせを行うモードであり、一方RFモードは距離環51によって指定された距離にピントを合わせるモードである。すなわち、非RFモードもRFモードもマニュアルフォーカスであるが、非RFモードでは距離環51は相対的な距離指定を行うのに対して、RFモードでは絶対距離を指定する点で相違する。
距離環51のスライドによってMFモードが設定されると、距離環51の回転により、距離環51の内側にある遮光羽根が距離環51と一体となって回転する。この遮光羽根の回転をフォトインタラプタ(PI)によってカウントし、このカウント値に応じてフォーカスレンズ11bを駆動する。なお、距離環51の回転方向および回転量は、フォトインタラプタ以外のセンサによって検出するようにしても勿論かまわない。
距離環51のスライドによってRFモードが設定され、距離環51が回転されると、その回転位置をRF位置検出部31が検出する。RF位置検出部31は、エンコーダを有し、距離環51の回転位置の絶対位置を検出する。RF位置検出部31は、リング部材の回転角を検出する回転角検出部として機能する。なお、RF位置検出部は、絶対位置を検出するセンサ(エンコーダ)を設ける以外にも、距離環51の基準位置を検出する基準位置検出センサと、距離環51の回転に応じたパルス信号等、間接位置を示す信号を発生する信号発生回路を設け、リング部材の回転角を検出するようにしてもよい。
フォーカスレンズ駆動機構25は、CPU41からの制御信号に従って、距離環51の回転位置に応じた撮影距離に、フォーカスレンズ11bを駆動する。このレンズ駆動は、後述するフォーカスレンズ駆動用モータ(LDMT73)によって行われる。RFモードに設定された際の距離環51は、本実施形態において、操作部材として機能する。この操作部材は、レンズ鏡筒に設けられている。
RFモード検出部33は、RF/MFモード検出スイッチ83(図2参照)の出力に基づいて、距離環51が非RF位置(MF位置)、RF位置のいずれかに設定されているかを検出する。
MF位置検出部35は、距離環51(リング部材)の回転量と回転方向を検出する検出回路を含み、距離環51が非RF位置(MF位置)に設定されている際に、距離環51の回転方向および回転量を検出する。リング部材の回転量と回転方向の検出部として、本実施形態においては、フォトインタラプタを用いる。しかし、これに限らず、フォトレフレクタや、磁気センサ等、他のセンサを用いても勿論かまわない。MF位置検出部35の検出結果に基づいて、マニュアルフォーカスを行う。MF位置検出部35は、後述するMFPI63a、63b、MFPI二値化回路61a、61b等によって構成される。
交換レンズ100の外周であって、距離環51より本体側には、ズーム環52が外周を回動自在に配置されている。撮影レンズは焦点距離を可変なズームレンズであり、ユーザが手動でズーム環52を回転させるとズーミングを行うことができる。ズーミング動作を電動で行ってもよいが、本実施形態においては、手動操作で直接機械的機構を介してズームレンズを駆動する。
ズーム位置検出部34は、ズーム環52の回転位置の絶対値を検出し、CPU41に出力する位置検出センサを含む。ズーム位置検出部34は、後述するように、リニアエンコーダZM位置検出部82を有しており、このリニアエンコーダ位置検出部82の出力はCPU41内のA/D変換器44によってAD変換され、このAD変換値は焦点距離を表す。
記憶部37は、フラッシュメモリ等の書き換え可能な不揮発メモリ等を有し、CPU41用のプログラムや、交換レンズの光学データ等の各種情報や、各種調整値や各種パラメータ等を記憶する。また、記憶部37は、図7に示すようなデフォルトのトラッキングテーブルを記憶している。このトラッキングテーブルは、距離環51の回転角と撮影距離(L)に関する値(pls)を記憶している。
記憶部37は、リング部材の回転角と撮影距離に関する値との(第1の)関係を記憶する記憶部としての機能を有する。なお、後述するCPU41内のRAM(メモリ)は、ユーザ設定のトラッキングテーブル(例えば、図6、図9参照)を記憶しており、この場合には、RAMがリング部材の回転角と撮影距離に関する値との(第2の)関係を記憶する記憶部としての機能を有する。勿論、記憶部37がRAMに代えて、リング部材の回転角と撮影距離に関する値との(第2の)関係を記憶するようにしてもよい。記憶部は、複数の第1の端点、および/または、第2の端点と設定された撮影距離の対応付けを記憶することが可能である(例えば、図8参照)。この構成によって、設定した無限端/至近端と、デフォルトの無限端/至近端等を釦等の操作部材による操作、またはメニュー画面等におけるカメラ設定によって切り替えることができる。記憶部は、第1の関係を焦点距離毎に記憶する(例えば、図7参照)。
制御部であるCPU41は、前述した記憶部37に記憶されているプログラムに従い、カメラ本体200からの制御命令に応じて、交換レンズ100内の制御を行うコントローラである。CPU41は、絞り基準位置検出部23、フォーカスレンズ基準位置検出部27、RF位置検出部31、RFモード検出部33、およびMF位置検出部35からの検出信号を入力し、またフォーカスレンズ駆動機構25および絞り駆動機構21に制御信号を出力する。なお、制御部はCPU41以外にも周辺回路を有していてもよく、絞り基準位置検出部23、フォーカスレンズ基準位置検出部27等の各部内の回路等を含むように構成してもよい。
CPU41は、回転角検出部により検出されるリング部材の回転角と、記憶部に記憶されたリング部材の回転角と撮影距離に関係に基づいて(例えば、図7参照)、リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出し(例えば、図10のS3等参照)、算出された撮影距離に関する値に基づいて焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する(図10のS5参照)制御部(コントローラ)として機能する。また、CPU41は、第1の端点に対応する撮影距離、および/または上記第2の端点に対応する撮影距離を設定し、上記リング部材の回転角と撮影距離に関する値との関係を補正可能な設定部(コントローラ)として機能する(例えば、図8、図9、図12のS23、図14のS61、図15のS83等参照)。この構成により、ユーザがカメラを使用する撮影状況において、光学無限撮影距離をリング部材の無限端に、また至近撮影距離をリング部材の至近端に設定することができ、もしくは、一方の端部を光学無限遠または至近撮影距離に設定することができる。
上述の設定部は、操作部(例えば、図13のS35、図18、図1の操作入力部207等参照)を有し、この設定部は、操作部により選択される第1の端点、および/または、第2の端点と、操作部により設定される撮影距離とに基づいて第1の端点、および/または、第2の端点と設定された撮影距離を対応付けて記憶部に記憶させる(例えば、図8参照)。また、上述の制御部は、記憶部に記憶された第1の端点、および/または、第2の端点と対応付けられた撮影距離に基づいて、関係を補正し、この補正された関係を記憶部に記憶する(例えば、図6、図9、図14のS61、図15のS83参照)。この構成により、設定した無限端位置と至近端位置に対し、両位置間の距離目盛操作位置では、設定した無限撮影距離と至近撮影距離の間でピントを合わせることができる。
また、撮影レンズがズームレンズの場合に、上述の設定部は、任意の焦点距離にて第1の端点、および/または、第2の端点と設定された撮影距離を対応付けて記憶部に記憶させる(例えば、図13のS35、S37、図18の画面D3参照)。また、上述の制御部は、焦点距離以外の焦点距離にて、記憶部に記憶された第1の端点、および/または、第2の端点と対応付けられた撮影距離と補正された関係に基づいてリング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出して焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する(例えば、図8、図14、図15等参照)。この構成により、ユーザ設定は、ワイド側でもテレ側でも、任意の焦点距離において行うことができる。
また、上述の操作部により、複数の第1の端点、および/または、第2の端点と設定された撮影距離の対応付けを選択することが可能である(例えば、図8参照)。上述の制御部は、選択された第1の端点、および/または、第2の端点と設定された撮影距離の対応付けに基づいて、リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出して焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する(例えば、図6、図9、図14のS61、図15のS83参照)。この構成により、設定した無限端位置と至近端位置に対し、両位置間の距離目盛操作位置では、設定した無限撮影距離と至近撮影距離の間でピントを合わせることができる。
また、本実施形態のカメラは、焦点調節可能な全範囲を複数の範囲に分割し、複数の範囲から選択して焦点調節可能範囲とするフォーカスリミット手段(フォーカスリミット用のスイッチ、タッチ操作での指示等)を有している。そして、上述の制御部は、第2の端点に対応付けられた撮影距離を、フォーカスリミット手段により設定される焦点調節可能な範囲の一端に対応する撮影距離に変更する(例えば、図16参照)。この構成により、撮影距離の範囲を狭くすることができ、このため、リング部材の操作量に対する分解能を向上させることができる。
また、CPU41は、第1の端点と第2の端点の間の任意の位置において、所定距離における被写体にピントを合わせ、このときの焦点調節レンズの光軸方向の位置を検出し(例えば、図13のS39、S45)、この検出結果に基づいて、リング部材の回転角と撮影距離に関する値との第1の関係を補正して第2の関係を作成し(例えば、図8、図9、図12のS23、図14、図15等参照)、回転角検出部により検出される上記リング部材の回転角と、第2の関係に基づいて、リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出し(例えば、図10のS3、図11参照)、算出された撮影距離に関する値に基づいて焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する(例えば、図10のS3参照)制御部(コントローラ)として機能する。
上述の所定距離は、光学無限遠、光学最至近距離、有限距離に対応する距離のいずれか2つである(例えば、図13のS35、S39、S43等参照)。この構成によれば、リング部材の回転角に応じた2つの特定の位置を、光学無限と光学最至近、および/または光学無限遠と有限距離、および/または有限距離と光学最至近距離、および/または第1及び第2の有限距離に関連付けることができる。
また、制御部は、第1の関係と第2の関係のいずれかを選択する第1の選択部を有する(例えば、図16に示すフォーカスリミットSW)。制御部は、第1の関係が選択された場合には第1の関係に基づいて、また第2の関係が選択された場合には第2の関係に基づいて、リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出し、算出された撮影距離に関する値に基づいて焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する。この構成により、例えば、第1の関係が選択された場合にはデフォルトトラッキングテーブルに基づいて焦点調節レンズの光軸方向の位置制御がなされ、第2の関係が選択された場合には、ユーザ設定のトラッキングテーブルに基づいて焦点調節レンズの光軸方向の位置制御を行うことができる。
また、制御部は、異なる所定距離の組合せに基づいて、複数の第2の関係を作成することができる(例えば、図16参照)。さらに、複数の第2の関係のいずれかを選択する第2の選択部を有する(例えば、図16参照)。この構成により、撮影の距離範囲を狭くすることができ、リング部材の操作量の分解能を向上させることができる。
また、撮影レンズがズームレンズの場合には、第1の関係を焦点距離毎に記憶部に記憶し、制御部は第1の端点と第2の端点の間の任意の2つの位置における検出結果に基づいて第2の関係を焦点距離毎に作成する(例えば、図9参照)。この構成により、2つの位置において、焦点調節レンズの光軸方向の位置を検出するだけで、焦点距離毎に第2の関係を得ることができる。
カメラ本体200内には、撮像素子201、制御部内のCPU203、記憶部205、操作入力部207、表示部209が配置されている。この撮像素子201は、撮影レンズ11の結像位置付近に配置されており、撮影レンズ11に形成される被写体像を光電変換し、画像データを出力する。また、CPU203は交換レンズ100内のCPU41と通信を行う。記憶部205は、カメラシステム全体の制御用のプログラムを有しており、CPU203はカメラシステムの全体制御を行う。
操作入力部207は、入力インターフェースであり、レリーズ釦、十字釦207a、OK釦207b(図18参照)等の各種操作部材を有する。表示部209は、カメラの背面に設けられた液晶ディスプレイ等を有し、ライブビュー表示、記録済みの画像の再生表示、メニュー画面の表示等を行う。また、後述するように、RF端ユーザ設定の際の指示も表示する(図18参照)。操作入力部207は、操作部としての機能を有する。
次に、図2を用いて、交換レンズ100内の電気的構成の詳細について説明する。CPU41は、前述したように、カメラ本体200と通信が可能である。また、CPU41は、モータドライバ71に接続されており、このモータドライバ71は、LDPI69、LDMT73、AVMT75、およびAVPI77の駆動を行う。
LDPI69は、フォーカスレンズ11bの基準位置検出用のフォトインタラプタであり、このLDPI69の出力はLDPI二値化回路67に接続されている。LDPI69およびLDPI二値化回路67は、前述のフォーカスレンズ基準位置検出部27に対応する。
LDMT73は、レンズ駆動用モータ(LDモータ)であり、前述のフォーカスレンズ駆動機構25内のフォーカスレンズ用アクチュエータとして機能する。LDモータとしては、本実施形態においては、ステッピングモータを採用するが、他のモータ、例えば、一般的なVCM(ボイスコイルモータ)を用いても勿論かまわない。VCMモータ等を採用した場合には、フォーカスレンズの相対的位置検出用のセンサを設ければよい。AVMT75は、絞りモータであり、前述の絞り駆動機構21内の絞り用アクチュエータとして機能する。
AVPI77は、絞り13の基準位置検出用のフォトインタラプタであり、このAVPI77の出力はAVPI二値化回路79に接続されている。AVPI77およびAVPI二値化回路79は、前述の絞り基準位置検出部23に対応する。
MFPIドライバ65は、距離環51がMF位置にスライドされた場合に、距離環51の回動を検出するための第1のMFPI63aと第2のMFPI63bのドライバである。第1および第2のMFPI63a、63bは、それぞれ光センサと発光源を有し、光センサと発光源の間を、遮光羽根が通過可能に構成されている。MFPIドライバ65は、CPU41からの指示に従って、第1および第2のMFPIの63a、63bの発光源を点灯させ、また消灯させる。
第1のMFPI(図においては、「MFPI1」と略記する)63aと第2のMFPI(図においては、「MFPI2」と略記する)63bは、遮光羽根の回動方向に沿って少し離れた位置にそれぞれ、設けられている。第1のMFPI63aと第2のMFPI63bの設置個所は、2個のMFPI63aとMFPI63bからの信号の位相差が90度ずれるような位置関係となるようにする。距離環51がユーザによって回転操作されると、遮光羽根は連動して動き、この遮光羽根によって、MFPI63は遮光状態と透過状態となり、2個の第1および第2のMFPI63a、63bから90度、位相のずれたパルス信号が出力される。
第1のMFPI63aの出力は、第1のMFPI二値化回路61aに接続されており、第1のMFPI二値化回路61aによって二値化される。同様に、第2のMFPI63bの出力は、第2のMFPI二値化回路61bに接続されており、第2のMFPI二値化回路61bによって二値化される。二値化されたパルス信号の立ち上がりと立ち下りをエッジと称する。第1および第2のMFPI二値化回路61a、61b、第1および第2のMFPI63a、63b、MFPIドライバ65は、前述のMF位置検出部35に対応する。
二値化されたMFPI63からのパルス信号は、CPU41に出力され、CPU41内の2相カウンタによって、距離環51の回転速度に対応したパルス(エッジ)がカウントされ、また回転方向も検出される。
リニアエンコーダRF位置検出部81は、距離環51がRF位置にスライドされた場合に、距離環51の回転方向における絶対値(回転角)を検出するためのリニアエンコーダである。リニアエンコーダRF位置検出部81は、距離環51の回動に応じて検出接点が移動するように設けられており、距離環51の回動方向での絶対位置に応じてアナログ信号を出力する。リニアエンコーダRF位置検出部81は、図1のRF位置検出部31に相当し、リング部材の回転角を検出する回転角検出部として機能する。
リニアエンコーダZM位置検出部82は、ズーム環52の回転方向における絶対値(回転角)を検出するためのエンコーダである。リニアエンコーダZM位置検出部82は、ズーム環52の回動方向に沿って設けられており、ズーム環52の回転方向での絶対位置に応じてアナログ信号を出力する。
RF/MFモード検出スイッチ(SW)83は、距離環51がRFモードに設定されているか、MFモードに設定されているかを検出するためのスイッチである。このRF/MFモード検出SW83は、距離環51の光軸方向の位置を検出し、RFモード設定時またはMFモード設定時にオンまたはオフとなり、このオンオフ状態はCPU41に出力される。
CPU41内には、A/D変換器43が設けられており、リニアエンコーダRF位置検出部81からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器43によるA/D変換値は、ユーザによって指定される撮影距離(絶対距離)を表す。リニアエンコーダRF位置検出部81およびA/D変換器43は、前述のRF位置検出部31に対応する。
また、CPU41内には、A/D変換器44が設けられており、リニアエンコーダZM位置検出部82からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器44によるA/D変換値(「ZMENC」と称す)は、ユーザによって設定される焦点距離を表す。
次に、本実施形態の動作を説明する。まず、フォーカス位置ズレ(以下、「Fcズレ」と称す)について説明する。ユーザの撮影状況によって、以下のようなFcズレが発生する。
(i) 環境温度が変化することによって発生するFcズレ、すなわち、レンズの温度特性変化によるFcズレ。
(ii) レンズ鏡筒を装着するカメラ本体のマウント面(=レンズマウント時のレンズ位置の基準)とイメージセンサ面の距離が、個々の製品の個体差により発生する光路長のばらつきによるFcズレ。
(iii) 撮影時の姿勢によって、カメラ本体とレンズ鏡筒内の機械部品のガタの寄り方が異なるために生ずるFcズレ。
(i) 環境温度が変化することによって発生するFcズレ、すなわち、レンズの温度特性変化によるFcズレ。
(ii) レンズ鏡筒を装着するカメラ本体のマウント面(=レンズマウント時のレンズ位置の基準)とイメージセンサ面の距離が、個々の製品の個体差により発生する光路長のばらつきによるFcズレ。
(iii) 撮影時の姿勢によって、カメラ本体とレンズ鏡筒内の機械部品のガタの寄り方が異なるために生ずるFcズレ。
上述の(i)〜(iii)に基づくFcズレ値が最大になった場合であっても、無限遠および最至近距離の被写体にピントが合うように、フォーカスレンズ(以下「FCSレンズ」とも称す)の駆動範囲を決めている。すなわち、Fcズレ分の余裕を持って駆動範囲を決めている。また、予め被写体距離をマニュアルで指定し、その距離にピントを合わせるRFモードが設定されている場合に、設定用の距離目盛に示される無限遠/至近側のメカ端位置(RF無限端/RF至近端、なお、両端を総称して「RF端」と称す)は、Fcズレの最大ズレ量を加えたFCSレンズ位置に対応つけられている。なお、RF無限端/RF至近端は、距離環51(「リング」ともいう)が、RFモードの位置にスライドされた際に、無限側と至近側の間において回動できる範囲の端部である。距離環51は、RF無限端/RF至近端に当て付くと、それ以上、当て付き方向へ回動することはできない。
これら(i)〜(iii)に基づくFcズレは、撮影状況や機材の組み合わせによって変化するため、調整値で補正することは容易ではない。すなわち、撮影状況や機材の組み合わせは多数あり、これらの組み合わせに応じて調整値を記憶し、撮影状況等に応じて調整値を読出し、FCSレンズを調整することは容易ではない。
RFモードに設定し、かつRF端に対応する被写体距離を指定距離とするユーザや、距離環を操作してRF端に当て付けることによって無限遠または最至近距離撮影を行おうとするユーザにとって、(i)〜(iii)によって想定する「最大Fcズレ」と「実際の撮影状況で発生したFcズレ」にずれが生じてしまうと、操作感が悪くなってしまう。
また、下記のような操作を行う場合、Fcズレはユーザにとって操作感を悪化させてしまう。すなわち、望遠レンズを用いて、鳥のような動く被写体を撮影するときに、一旦ピントが外れ、被写体を見失い、像がボケた状態となると、マニュアルフォーカスモード(MFモード)、またはRFモードによって操作しても、ファインダや表示パネルに表示される被写体像の鮮明度が変化しないので、被写体が現在の合焦距離に対して無限側にあるのか、至近側にあるのか、いずれの方向にあるのかが判断し難い。またAFモードでも同様で、ピントが大きくボケていると、AF評価値の変化が小さく(像のコントラスト変化が少ない)、方向判断が困難でAFスキャン方向が迷いやすくなる。
上述のような状況の場合、下記(1)(2)の操作を行うことにより、被写体にピントを合わせることができる。
(1)フォーカスレンズ(FCSレンズ)を保持する鏡枠は、無限遠側の端部(レンズメカ無限端)に当てつけられるまでFCSレンズを移動させることが可能なように構成されている。また、至近側も同様にレンズメカ至近端が設けられている。このようなレンズメカ無限端よりも至近側にFCSレンズの位置制御上の無限側端点であるレンズ制御無限端が、設定されている。また、至近側も同様にレンズメカ至近端よりも無限側にFCSレンズの位置制御上の至近側端点であるレンズ制御至近端が設定されている。このレンズ制御無限端が、上述の(i)〜(iii)に記載したFcズレを含まない光学無限位置であれば、RFモードにて、ユーザが距離環を一旦、機構的な無限端(RF無限端)に操作し、これに対応させてFCSレンズをレンズ制御無限端、すなわち光学無限位置へ移動させることが可能となる。その後、ユーザがAFモードに切り替えて、光学無限位置であるレンズ制御無限端位置で自動焦点調節(AF)を実行すれば、至近方向にスキャンすることにより、合焦となる可能性が高くなり、合焦速度を向上させることができる。この場合は、光学無限位置であるレンズ制御無限端よりも無限側へのスキャン動作は無意味であるため禁止される。
(1)フォーカスレンズ(FCSレンズ)を保持する鏡枠は、無限遠側の端部(レンズメカ無限端)に当てつけられるまでFCSレンズを移動させることが可能なように構成されている。また、至近側も同様にレンズメカ至近端が設けられている。このようなレンズメカ無限端よりも至近側にFCSレンズの位置制御上の無限側端点であるレンズ制御無限端が、設定されている。また、至近側も同様にレンズメカ至近端よりも無限側にFCSレンズの位置制御上の至近側端点であるレンズ制御至近端が設定されている。このレンズ制御無限端が、上述の(i)〜(iii)に記載したFcズレを含まない光学無限位置であれば、RFモードにて、ユーザが距離環を一旦、機構的な無限端(RF無限端)に操作し、これに対応させてFCSレンズをレンズ制御無限端、すなわち光学無限位置へ移動させることが可能となる。その後、ユーザがAFモードに切り替えて、光学無限位置であるレンズ制御無限端位置で自動焦点調節(AF)を実行すれば、至近方向にスキャンすることにより、合焦となる可能性が高くなり、合焦速度を向上させることができる。この場合は、光学無限位置であるレンズ制御無限端よりも無限側へのスキャン動作は無意味であるため禁止される。
(2)若しくは、RFモードが設定される場合、ユーザが距離環を一旦機構的な無限端(RF無限端)に操作してFCSレンズをレンズ制御無限端、すなわち光学無限位置に移動させ、続いてユーザが距離環をその位置から至近方向に操作(回動)してFCSレンズを至近方向へ移動させることによって、ファインダや表示パネルの表示で被写体が捉えやすくなる。被写体を捉えると、RFモードとしての距離調節を行うことができる。この場合には、距離環はRF無限端に位置し、FCSレンズはレンズ無限端に位置するので、FCSレンズの合焦位置は至近側方向にあると考えることができ、ユーザはピント合わせ操作に安心感を持つことが出来る。
上述の(1)(2)では、FCSレンズのレンズ制御無限端について記載した。しかし、至近撮影距離において、絞り(Fno)が明るく、かつ焦点距離の長いレンズ、例えばマイクロレンズ等では、合焦深度が浅くなることから、至近側距離(レンズ制御至近端)においても同様のことが言える。
図3(a)を用いて、上述した(1)の場合について説明する。図3(a)に示すグラフの縦軸はAF評価値(値が大きい方が、鮮明度が高く、像がはっきりしている)を、また横軸は撮影距離(=フォーカスレンズ位置)である。図3(a)において、レンズ位置PinはFCSレンズの合焦位置を、またレンズ位置Ppreは、前回操作時のレンズ位置を示す。また、レンズ位置Pinfは光学無限遠位置を示し、レンズ位置Pinf+fcは光学無限遠位置より更にFcズレを吸収するための余裕を見込んで無限側にずらしたレンズ位置であり、レンズ制御無限端の位置に相当する。また、レンズ位置Poutは至近側の位置を示している。レンズ位置Pout、PpreおよびPinfでは、FCSレンズのピントがあっておらず、像がボケている。一方、レンズ位置PinはFCSレンズの合焦位置であり、像にピントが合っている。なお、図3(b)においても、これらの縦軸、横軸、レンズ位置等は同様である。
図3(a)のグラフの下に記載の線図は、FCSレンズの移動方向を示す。ケース1は、AFスキャン方向が、一旦、合焦位置とは逆方向に移動してしまう例である。この場合には、FCSレンズがレンズ制御無限端に当て付いた後に、至近方向にスキャンが行われる。図3(a)において、初期状態のレンズ位置Ppreでは、コントラスト(AF評価値)が低いため、方向判断が不定となり、無限遠方向にスキャンしたとする(a11参照)。AF評価値の検出精度を上げるために、FCSレンズのスキャン速度を遅くすることがある。光学無限位置Pinfを通り過ぎると、光学無限遠より外側(無限側)に駆動することとなり、AF評価値の変化が少なくなり、さらに、自動焦点(AF)による焦点検出が迷いやすくなる(a12参照)。この場合には、遅いスキャン速度とAFの迷いで、合焦までの時間が長くなってしまう。この後、FCSレンズが、光学無限遠位置Pinfから合焦位置Pinの方向に向かって至近側に移動する場合には、AF評価値の変化を検出できる(a13参照)。a14は、a13の駆動中に合焦位置Pinにおいて、AF評価値のピークを検出できたことから、合焦駆動Pinに移動させている。
上述したように、ケース1のように、光学無限遠位置Pinfの外側(無限側)に、レンズ制御無限端に相当するレンズ位置Pinf+fcが設けてあると、FCSレンズが合焦するまでに時間がかかってしまう。そこで、ユーザ設定により、レンズ制御無限端に光学無限遠を設定するようにすれば、このような合焦時間の増大を解消することができる。図3(a)において、レンズ位置Pinf+fcの位置と光学無限遠位置Pinfを同じ位置となるように設定する。
図3(a)に示すケース2は、ケース1の改善例であり、レンズ制御無限端が光学無限遠と一致している場合である。すなわち、レンズ位置Pinf+fcの位置と光学無限遠位置Pinfを同じ位置となるように設定した場合である。RFモードにてユーザは、距離環を無限側に操作してRF無限端に当て付けることにより、FCSレンズを、初期レンズ位置Ppreから無限側に移動させレンズ制御無限端に当て付けた場合、FCSレンズの位置は光学無限遠Pinf(この位置は、同時にレンズ制御端Pinf+fcの位置でもある))に移動したことになる(a21参照)。FCSレンズが光学無限遠Pinfに移動すると、次に、ユーザはAFモードに切り換え、AF動作として、FCSレンズを、合焦位置に向かってスキャンする(a22参照)。FCSレンズが位置する光学無限位置Pinfは、レンズ制御無限端Pinf+fcでもあるので、AF動作として、さらに無限方向へスキャン動作を行うことはない。
スキャンa23は、AF評価値のピークを検出した際の合焦駆動を示す。このように、レンズ制御端が光学無限遠/光学最至近にあれば、一度で正しい方向にスキャンする可能性が高くなる。
次に、図3(b)を用いて上述の(2)の場合(MFモードまたはRFモードでのユーザ操作時)について説明する。ケース3は、レンズ制御無限端におけるレンズ位置Pinf+fcは光学無限遠位置より更にFcズレを吸収するための余裕を見込んで無限側にずらしたレンズ位置である。この場合には、レンズ位置Ppreは、コントラスト(AF評価値)が低く、像がボケた状態であり、ユーザが無限遠方向に操作している場合を示す(b11参照)。また、b12においては、FCSレンズが光学無限遠付近及び光学無限より外側にあり、ユーザが距離環を無限側、至近側に微小に回動させても、ファインダや表示パネルの表示にてピントの変化が見られない状態である。そのため、ユーザは無限側、至近側のRF操作を迷う状態となっている。b13においては、ユーザは、RF環(距離環)を至近方向に大きく回動することによってピントの変化をとらえることができ、合焦位置の方向に向けて、粗調操作を行っている。b14において、合焦位置Pinを行き過ぎたので、ユーザは微調操作を行い、合焦位置に合わせている。
上述したように、ケース3のように、光学無限遠位置Pinfの外側に、レンズ制御無限端に相当するレンズ位置Pinf+fcが設けてあると、ユーザがMFモードまたはRFモードで、FCSレンズを合焦位置に移動させるまでに時間がかかってしまう。そこで、ユーザ設定により、レンズ制御無限端に光学無限遠を設定するようにすればよい。図3(b)においても、レンズ位置Pinf+fcの位置と光学無限遠位置Pinfを同じ位置となるように設定する。
図3(b)に示すケース4は、ケース3の改善例であり、レンズ制御無限端が光学無限遠と一致している場合である。すなわち、後述するRF端ユーザ設定でレンズ制御無限端を、光学無限遠位置に設定する(上述のa21〜a23の場合と同じ)。この場合には、b21において、ユーザが距離環(RF環)を操作して、距離環をRF無限端に当て付け、FCSレンズを光学無限遠位置(レンズ制御無限端)に位置させる。ユーザは、この時の距離環の位置がRF無限遠(FCSレンズの位置は光学無限遠)だと判っているので、ピントが合うまで至近方向に迷いなく距離環を操作することができる。被写体が初期レンズ位置Ppreに相当する距離より近距離側にあるような場合、距離環をRF無限端に当て付け、フォーカスレンズをレンズ制御無限端である光学無限遠に位置させることにより、更に外側(無限側)の範囲に距離環を操作することはできず、至近方向に操作すれば、合焦位置が必ずあるという安心感を与えることができる。b23は、合焦位置を行き過ぎたので、ユーザが微調操作を行い、合焦位置に合わせている。
以上、まとめると、距離環(RF環)の距離目盛に対応するRF端を無限遠/至近撮影距離位置として使用したいユーザにとって、RF端の位置が無限遠/至近撮影距離と一致していないために、合焦までに時間がかかり撮影機会の損失を招く可能性がある。RF端の位置が無限遠/至近撮影距離と一致していないのは、上述したように、Fcズレを考慮しているためであり、このFcズレの要因(上述した(i)〜(iii))は、撮影状況で一意的に決まる。そこで、本実施形態においては、距離環(RF環)の距離目盛に対応するRF端を、ユーザの撮影状況に一致した撮影距離に設定するようにしている。この結果、カメラの操作性を向上させ、合焦までのAF時間、RFの操作時間を短縮することができる。
次に、図4を用いて、撮影状況に一致した撮影距離の設定について説明する。図4に示すグラフの横軸は、ズーム位置(焦点距離位置)であり、図4に示す例では、0〜1023分割(trc_zmenc(トラックズームエンク)と呼ぶ)している。この例の分割数は1024であるが、これは一例であり、分割数は1024以外であっても勿論かまわない。ここで、トラックズームエンク(trc_zmenc)の値が小さい方がワイド(短焦点)側であり、大きい方がテレ(長焦点)側である。図4に示すグラフの縦軸は、フォーカスレンズ(FCSレンズ)の位置であり、FCSplsで表し、単位はPlsである。FCSレンズはステッピングモータ(LDモータ73)によって駆動され、基準位置から印加されたパルス数(Pls)で、その位置が表される。ここで、FCSplsの値が小さい方が無限遠側であり、大きい方が至近側を表す。
図4に、撮影距離が無限遠付近に対応するトラッキングカーブTr_inf_de、Tr_inf_userと、撮影距離が最至近距離付近に対応するトラッキングカーブTr_near_de、Tr_near_user、およびその中間のトラッキングカーブを示す。
ここで、「デフォルト設定」は、RF距離目盛のメカ端におけるFcズレ(上述の(i)〜(iii)参照)分に余裕を含めた光学無限遠位置/最至近距離位置に対応して設定されることを意味する。また、「デフォルト」は、工場出荷時に調整がなされ、記憶部37に書き込まれているトラッキングテーブルデータを意味する。すなわち、デフォルト設定の2つのトラッキングカーブ、すなわち撮影距離がFcズレを考慮して含めている無限遠に対応するトラッキングカーブTr_inf_deと、撮影距離がFcズレを考慮して含めている最至近距離に対応するトラッキングカーブTr_near_de、およびこれらの中間(無限遠と最至近の間の有限距離)に位置するトラッキングカーブは、工場出荷時に記憶部37に記憶されている。
また、「ユーザ」は、ユーザの撮影状況に合わせて、上述の(i)〜(iii)のFcズレを含まないように設定した距離環の回転のRF端を意味し、また「RF端ユーザ設定」はこのRF端に対応したトラッキングカーブデータを意味する。
この「RF端ユーザ設定」は、ユーザ自身が、撮影する現場(撮影状況)において実施する。RF端ユーザ設定の詳しい処理については、図13〜図15、図18等を用いて後述するが、概略は以下の通りである。RF端ユーザ設定は、レンズ鏡筒の焦点距離の長焦点側の端部(テレ端)において、実施するのが好ましい。テレ端は、一般的にFCSレンズの移動距離(ストローク)が最も長いので、ユーザ設定の設定精度を高くすることができるからである。そして、無限遠/最至近距離の被写体にAF/MF等によってピントを合わせ、このときの焦点距離、FCSレンズ位置FCSplsを記憶する。なお、FCSレンズ位置FCSplsと合焦する被写体距離(撮影距離)は1対1に対応するので、FCSレンズ位置から撮影距離を算出することが可能であり、算出した撮影距離をFCSレンズ位置と関連付けて記憶してもよい。無限遠/最至近距離の被写体にピントを合わせた時のFCSレンズ位置FCSplsは、図4において、それぞれ位置Pinf-user、Pnear-userに相当する。デフォルト設定のトラッキングカーブTr_near_de、Tr_inf_deと、記憶したFCSplsであるPinf-user、Pnear-userを用いて、ユーザ設定の無限遠/最至近距離トラッキングカーブTr_inf_user、Tr_near_userを作成する。
ユーザ設定の無限遠/最至近距離トラッキングカーブを作成すると、更に他の有限距離のトラッキングカーブを補正し、ユーザ設定の有限距離トラッキングカーブTr_mid_userを作成する。この有限距離トラッキングカーブの作成方法については、図6、図9用いて後述する。
なお、RF端ユーザ設定は、本実施形態においては、交換レンズ100の焦点距離をテレ側に設定して行っている。しかし、これに限らず、ワイド側で行ってもよく、また任意の焦点距離において実施してもよい(変形例1)。また、ワイド側とテレ側の両端の焦点距離においてユーザ設定を実施してもよく、また任意の2つの焦点距離においてユーザ設定を実施してもよい(変形例2)。
RF端ユーザ設定のトラッキングカーブに従ったFCSレンズの駆動への切り替えは、例えば、交換レンズ100に予め設けられている操作部のファンクションボタン等に機能を割り当て、ファンクションボタンを操作することで、デフォルトのRF端、トラッキングカーブとRF端ユーザ設定のRF端、トラッキングカーブを切替可能としてもよい(応用例1)。
また、RF端ユーザ設定による複数のRF端の設定と対応する複数のトラッキングカーブ等を記憶させ、複数のRF端の設定を切替可能としてもよい。この切り替えは割り当てキー操作やカメラ本体200におけるメニュー画面から実施する(応用例2)。例えば、ユーザは0.4m〜5mと5m〜無限遠の2種類のRF端ユーザ設定を実行して、それぞれRF端(距離範囲)を設定し、これに対応する0.4m〜5mと5m〜無限遠の2種類のRF端ユーザ設定トラッキングカーブを作成しておく。そして、メニュー画面に上記2種類のRF端(距離範囲)を選択可能なように表示させる。ユーザは、撮影状況に応じて、至近側の撮影では0.4m〜5mを選択して使用し、無限側の撮影では5m〜無限遠の範囲を選択して使用する。この例の詳細な動作は、後述する図15に示すフローチャートを用いて説明する。
また、フォーカスリミットSW(を設け、このフォーカスリミットSWの切り替えに連動して、RF端の設定(RF範囲)を切り替えるようにしてもよい(応用例3)。例えば、光学性能を保証している撮影距離が0.4m〜無限遠とし、フォーカスリミットSWにより距離範囲1:0.4m〜5mと、距離範囲2:5m〜無限遠の2種類の距離範囲を切り替えることが可能であるとする。この場合に、フォーカスリミットSWを0.4m〜5mに設定すると、距離環のRF至近端が0.4m(対応するフォーカスレンズ位置は0.4mに相当)、RF無限端が5m(対応するフォーカスレンズ位置は5mに相当)に切り替わるようにする。また、フォーカスリミットSWを5m〜無限遠に設定したなら、距離環のRF至近端が5m(対応するフォーカスレンズ位置は5mに相当)、RF無限端が無限遠(対応するフォーカスレンズ位置は光学無限に相当)に切り替わるようにする。この例の詳細な動作は、後述する図16に示すフローチャートを用いて説明する。
上述の応用例2、3は、撮影可能な被写体距離範囲を狭くすることにより、距離環操作の分解能が向上させることができる。RFモードでは、リニアエンコーダRF位置検出部81およびA/D変換器43によって、リニアエンコーダの出力をA/D変換した結果のAD値でRF環(距離環51)の位置検出を行っている。例えば、マイクロコンピュータのAD変換器は、12bitのAD値に変換する。AD変換器の分解能を上げようとすると、コストアップしてしまうので、AD変換の分解能を上げることは容易ではない。
また、AD変換の分解能を上げたとしても、検出系のS/Nを上げないと実質的な分解能は上がらない。例えば、0.4m〜無限遠で(有効範囲)3500LSBの場合に、0.4m〜5mで3500LSBとなれば1/L距離に対するLSBの割り当てが増えて、電気的な分解能が向上する。また、距離環の操作範囲が120°だったら、その操作範囲で0.4m〜無限遠が0.4m〜5mとなれば、物理的な操作量に対する分解能が向上する。
応用例2、3において、撮影距離範囲を変更する時に、距離環の回転位置に対応する距離目盛は、液晶表示等によって変更させてもよい。しかし、距離目盛を印刷しておき、表示はそのままで変更しなくてもよい。この場合には、距離目盛の表示を”無限”と”至近”の方向だけ判る様にして、数字の刻印をしなくてもよい。表示を液晶表示にして変更できるようにすると、コストがアップする。また、カメラ本体200の背面に液晶ディスプレイを有する表示部209を設けた場合には、被写体距離は、撮影距離に合わせて表示を切り換えてもよい。
次に、RF端ユーザ設定の処理手順について説明する。
(a1) RF端ユーザ設定を行う交換レンズ100をカメラ本体200に装着した状態で、メニュー画面から「RF端ユーザ設定」を選択する(図18の画面D1参照)。
このRF端ユーザ設定は、絞り値を開放Fnoで実施する。開放Fnoとすることにより、深度が狭くなり、自動/手動焦点調節精度が向上するからである。このため、カメラ本体200から交換レンズ100に対して、絞り値を開放Fnoとするように指示する(図13のS35参照)。
(a1) RF端ユーザ設定を行う交換レンズ100をカメラ本体200に装着した状態で、メニュー画面から「RF端ユーザ設定」を選択する(図18の画面D1参照)。
このRF端ユーザ設定は、絞り値を開放Fnoで実施する。開放Fnoとすることにより、深度が狭くなり、自動/手動焦点調節精度が向上するからである。このため、カメラ本体200から交換レンズ100に対して、絞り値を開放Fnoとするように指示する(図13のS35参照)。
「RF端ユーザ設定」を選択すると、次に、サブメニュー画面において、「ユーザ設定撮影の撮影焦点距離」の選択を行う。このサブメニュー画面において、複数の焦点距離が表示され、ユーザはいずれかの焦点距離を選択する(図18の画面D2、D3参照)。通常は、精度向上のため、テレ端(例えば、400mm)で実施することが望ましい。焦点距離の調整は手動でなされることから、手動で選択した焦点距離とトラックズームエンクtrc_zmenc値が異なる場合があり、この場合はユーザに警告表示する(例えば、図13のS37)。
(a2) 次に、サブメニュー画面に表示されている、「無限側ユーザ設定撮影」を実施する。
ユーザは、サブメニュー画面において、「無限側ユーザ設定撮影」を選択し、距離環のRF無限端に関するユーザ設定撮影1(無限遠側)を行う(図18の画面D4参照)。このユーザ設定撮影1では、ユーザは、AF若しくはMF(RF)により、選択した距離にある被写体にピントを合わせる。ピントが合うと、レリーズボタンを押し撮影し、その時のフォーカスレンズパルス位置FCSplsを記憶する(図13のS41参照)。ユーザ設定撮影1のデータとして、焦点距離、設定した撮影距離、フォーカスレンズパルス位置FCSplsを対応づける。ここでの撮影ポイントは、図5に示すトラッキングカーブにおける、位置Pinf_userに相当する。なお、ピントを合わせた後の撮影は、必須ではなく、FCSレンズ位置が確定したことを入力する意味であるため、他の入力操作でもよい。
ユーザは、サブメニュー画面において、「無限側ユーザ設定撮影」を選択し、距離環のRF無限端に関するユーザ設定撮影1(無限遠側)を行う(図18の画面D4参照)。このユーザ設定撮影1では、ユーザは、AF若しくはMF(RF)により、選択した距離にある被写体にピントを合わせる。ピントが合うと、レリーズボタンを押し撮影し、その時のフォーカスレンズパルス位置FCSplsを記憶する(図13のS41参照)。ユーザ設定撮影1のデータとして、焦点距離、設定した撮影距離、フォーカスレンズパルス位置FCSplsを対応づける。ここでの撮影ポイントは、図5に示すトラッキングカーブにおける、位置Pinf_userに相当する。なお、ピントを合わせた後の撮影は、必須ではなく、FCSレンズ位置が確定したことを入力する意味であるため、他の入力操作でもよい。
(a3) 次に、サブメニュー画面に表示されている「至近側ユーザ設定撮影」を実施する。
ユーザは、サブメニュー画面において、「至近側ユーザ設定撮影」を選択し、RF距離環のもう一方の端部(RF至近端)に関する「ユーザ設定撮影2(至近側)」を行う(図18の画面D5参照)。上述の(a2)と同様に撮影を実施する。すなわち、ユーザは、AF若しくはMF(RF)により、選択した距離にある被写体にピントを合わせる。ピントが合うと、レリーズボタンを押し撮影し、その時のフォーカスレンズパルス位置FCSplsを記憶する(図13のS45参照)。ユーザ設定撮影2のデータとして、焦点距離、設定した撮影距離、フォーカスレンズパルス位置FCSplsを紐づける。ここでの撮影ポイントは、図5に示すトラッキングカーブにおける、位置Pnear_userに相当する。
ユーザは、サブメニュー画面において、「至近側ユーザ設定撮影」を選択し、RF距離環のもう一方の端部(RF至近端)に関する「ユーザ設定撮影2(至近側)」を行う(図18の画面D5参照)。上述の(a2)と同様に撮影を実施する。すなわち、ユーザは、AF若しくはMF(RF)により、選択した距離にある被写体にピントを合わせる。ピントが合うと、レリーズボタンを押し撮影し、その時のフォーカスレンズパルス位置FCSplsを記憶する(図13のS45参照)。ユーザ設定撮影2のデータとして、焦点距離、設定した撮影距離、フォーカスレンズパルス位置FCSplsを紐づける。ここでの撮影ポイントは、図5に示すトラッキングカーブにおける、位置Pnear_userに相当する。
(a4) 次に、カメラ本体200から交換レンズ100にユーザ設定撮影1、2において取得したデータを送信し、ユーザ設定のトラッキングカーブを生成する(図8、図9、図13のS47参照)。
図5に示すトラッキングカーブは、図4に示したトラッキングカーブと同様に、横軸にズーム位置(焦点距離位置)(trc_zmenc(トラックズームエンク))をとり、縦軸にフォーカスレンズ(FCSレンズ)位置FCSpls(単位はPls)をとっている。
図5に示すトラッキングカーブは、図4に示したトラッキングカーブと同様に、横軸にズーム位置(焦点距離位置)(trc_zmenc(トラックズームエンク))をとり、縦軸にフォーカスレンズ(FCSレンズ)位置FCSpls(単位はPls)をとっている。
Fcズレを含むデフォルトの無限におけるトラッキングカーブTr_inf_de、ユーザ設定撮影1から生成した位置Pinf_user及び一つ内側(フォーカスレンズパルスが大きい側)のデフォルト有限距離トラッキングカーブTr_inf_mid1を用いて、ユーザ設定撮影1の他のズーム位置のデータを作成する。また、同様に、Fcズレを含むデフォルトの至近におけるトラッキングカーブTr_near_de、ユーザ設定撮影2から生成した位置Pnear_user及び一つ内側(フォーカスレンズパルスが小さい側)のデフォルト有限距離トラッキングカーブTr_near_mid1を用いて、ユーザ設定撮影2の他のズーム位置のデータを作成する。
デフォルト無限のトラッキングカーブTr_inf_de/デフォルト至近のトラッキングカーブTr_near_deと、それぞれ一つ内側のデフォルトトラッキングカーブタTr_inf_mid1、Tr_near_mid1のそれぞれの間のトラッキングカーブは、線形補間により算出することが可能である。例えば、ユーザ設定によるテレ端のあるフォーカスレンズ位置FCSpls_1(Pinf_userに対応)に対応するトラッキングカーブ(Tr_inf_user)を求める場合は、テレ端にてFCSpls_1より小さいフォーカスレンズ位置FCSpls_S(Pinf_deに対応)を含むトラッキングカーブ(Tr_ifn_de)とテレ端にてFCSpls_1より大きいフォーカスレンズ位置FCSpls_L(tr_inf_mid1のテレ端のフォーカスレンズ位置に対応)を含むトラッキングカーブ(Tr_inf_mid1)の間を、FCSpls_1によりFCSpls_LとFCSpls_Sを内分する比率(内分比)を適用して算出する。その内分比を、他のトラックズームエンクtrc_zmenc値にも適用してトラッキングカーブTr_inf_userを算出する。このように、FCSpls_1がTr_inf_deとTr_inf_mid1の間に位置する場合は、Tr_inf_deとTr_inf_mid1にその内分比を適用してトラッキングカーブTr_inf_userを算出する。詳細は、図7および図8に示すトラキングカーブに対応するテーブルを用いて説明する。
上述の応用例2において、RF端を有限撮影距離に設定する場合は、始めに光学無限、光学至近の「RF端ユーザ設定」を実行することにより、「ユーザ設定トラッキングテーブル作成処理1」を実行し、Fcズレを含まないトラッキングテーブルを作成する。この後、有限距離において、「無限側ユーザ設定撮影」と「至近側ユーザ設定撮影」を行う。撮影したときのフォーカスレンズパルス位置FCSplsから撮影距離(m単位)を算出することができる。トラッキングテーブルからその撮影距離の1つ外側(無限側ではFCSplsの小さい方、至近側では大きい方)のトラッキングデータをトラッキングカーブTr_inf_deに置き換え、1つ内側(無限側ではFCSplsの大きい方、至近側では小さい方)のトラッキングデータをTr_inf_mid1に置き換えて同様の処理を行う。
例えば、デフォルトトラッキングカーブのデータを、無限、20m、10m、5m・・・、1.5m、1m、0.8m、0.4mの撮影距離で記憶していたとする。有限距離の無限側はフォーカスレンズ位置パルスFCSplsから算出すると10mであったとする。また有限距離の至近側は1mであったとする。この場合、デフォルト無限トラッキングカーブTr_inf_deの代わりに、20mに対応するデフォルトトラッキングカーブをTr_inf_mid1の代わりに、5mに対応するデフォルトトラッキングカーブをそれぞれ使用して10mに対応するトラッキングカーブを算出する。また、デフォルト至近トラッキングカーブTr_near_deの代わりに、0.8mに対応するデフォルトトラッキングカーブを、Tr_near_mid1の代わりに、1.5mに対応するデフォルトトラッキングカーブをそれぞれ使用して1mに対応するトラッキングカーブを算出する。RF無限端を、ユーザ設定した10mに設定し、RF至近端を、ユーザ設定した1mに設定すればよい。このように、上述の応用例2で説明したような、RF端をユーザが指定した有限距離に設定することができる。
なお、上述の説明において、RF端を有限撮影距離に設定する場合は、始めに無限、至近の「ユーザ設定トラッキングテーブル作成処理」を実行し、Fcズレを補正しておく。しかし、この処理を実施せずにデフォルトトラッキングカーブに対し、有限距離の処理を行ってもよい。この場合には、Fcズレは補正されないままとなり設定精度が低下する。
(a5) 次に、上述の(a4)において求めたユーザ設定光学無限トラッキングカーブTr_inf_user及び、ユーザ設定光学至近トラッキングカーブTr_near_userとデフォルトの他の有限距離トラッキングカーブを基に、ユーザ設定の他の有限距離トラッキングカーブを算出する。図6は、このようにして算出されたユーザ設定の有限距離トラッキングカーブTr_user_1〜Tr_user_nを、デフォルトの有限距離トラッキングカーブTr_de_1〜Tr_de_nとともに示す。ユーザ設定のトラッキングカーブTr_near_user、Tr_user_1〜Tr_user_n、Tr_inf_userを生成する処理については、図9を用いて詳述する。
また、上述の応用例2で説明した、RF端を有限撮影距離に設定する場合、ユーザ設定光学無限トラッキングカーブTr_inf_userは、上述の(a4)で求めた有限距離(例えば、無限側10mと至近側1m)になっている。その内側のデフォルト有限距離のトラッキングカーブTr_inf_mid1について、「無限端/至近端設定モード」同様に、ユーザ設定の有限距離トラッキングカーブデータを求める。
上述の処理によって、作成したユーザ設定光学無限/至近のトラッキングカーブTr_inf_user、Tr_near_user及びユーザ設定有限距離トラッキングカーブのトラッキングデータを、レンズ側のCPU41内のRAMに展開(一時記憶)する。なお、これらのトラッキングカーブのデータは、EEPROMなどの不揮発性メモリに記憶させ、電源がオフとなってもデータが保持される様にしてもよい。また、カメラ本体200のメニュー画面における操作によって、または電源オフ時に、作成したユーザ設定有限距離トラッキングカーブデータをカメラ本体200に送信し、カメラ本体200内の記憶部205内のROM(電気的書き換え可能な不揮発性メモリ)記憶してもよい。
次に、RF制御の概略を説明する。RF制御の具体的な処理については、図10および図11に示すフローチャートを用いて後述する。ユーザはRF環(距離環51)を回転させ、撮影対象となる被写体にピントを合わせる。距離環の回転角に対応するAD値を、リニアエンコーダRF位置検出部81およびA/D43によって取得する。続いて、記憶部37に記憶されているAD−被写体距離(1/L)テーブルから、AD値に対応する被写体の距離の逆数1/Lを算出する。この被写体距離の逆数1/Lは距離環の回転角に対応する。
続いて、算出された1/Lに基づいて、FCENC領域を算出する。このFCENC領域は、被写体距離Lの逆数(1/L)の範囲を所定数で分割した領域であり、FCEN領域の分割されたFc_No(1からm)のうちから1/Lに対応するFc_Noを選択する。FCENC領域は、図7ないし図9に示す図表においては、各焦点距離に対応する横方向のコラムFc_Noに相当する。算出されたFCENC領域(Fc_No)とユーザが設定したトラッキングデータTrac-ZMENCを用いて、フォーカスレンズパルスFCS_PLSを算出する。フォーカスレンズパルスを算出すると、確定した目標Plsでフォーカスレンズ駆動を行う。目標Plsの駆動を行うと、フォーカスレンズは、ユーザが距離環により設定した被写体距離にピントが合う。
次に、図7ないし図9を用いて、ユーザ設定のトラッキングカーブの作成について説明する。前述したようにユーザ設定のトラッキングカーブは、予め記憶されているデフォルトトラッキングテーブルと、ユーザ設定撮影1、2によって得られたフォーカスレンズパルス位置FCSplsを用いて作成する。また、ユーザ設定撮影1は、ユーザが所定の焦点距離(例えば、テレ端の焦点距離)において、所定の被写体距離1(例えば、無限遠)にAF(オートフォーカス)またはMF(マニュアルフォーカス)によってピント合わせて行った撮影であり、ユーザ設定撮影2は、所定の距離2(例えば、最至近距離)にAFまたはMFによってピントを合わせて行った撮影である。
図7は、デフォルトトラッキングテーブルを示す。図7に示す図表において、左側の縦欄に記載された0〜nは、焦点距離(trc_zmenc)であり、0〜n個のデータを持つ。図表の横欄に記載されたFc_Noは、光学無限遠〜光学至近までのフォーカス距離に対応する分割領域(FCENC)を示し、1〜mに分割されている。図表の横欄に記載された1/Lは、被写体距離の逆数であり、Fc_Noに対応して一意的に決まる。IOは、被写体距離である。
図7に示すデフォルトトラッキングテーブルは、焦点距離(trc_zmenc)とフォーカス距離(被写体距離)の組み合わせのplsデータを持ち、pls(x座標:y座標)で表現している(x座標は焦点距離を示し、y座標はフォーカス距離を示す)。また、デフォルトトラッキングテーブルは、ユーザ設定トラッキングテーブルを演算するためにユーザ設定trc領域を持つ。図7においては、フォーカスの1〜iまでを無限側トラッキング領域(演算係数:coef_far)とし、i+1〜mまでを至近側トラッキング領域(演算係数:coef_near)とする。算出式については、後述する。
次に、図8を用いて、ユーザ設定_光学無限遠/光学至近データの処理について説明する。なお、処理手順については、図14および図15に示すフローチャートを用いて後述する。また、図8において、フォーカスレンズ位置FCSplsを示すplsは、「pls(x座標:y座標)_yu」の形式で、“yu”を付加して記載している。なお、x座標、y座標は、図8のテーブル上での位置を示している。
図8に示すユーザ設定トラッキングカーブの設定を作成するための処理は以下の通りである。
(b1) ユーザ設定によるテレ端かつ光学無限遠におけるフォーカスレンズ位置FCSpls、およびテレ端かつ光学至近におけるフォーカスレンズ位置FCSplsに基づいて、図8のpls(n:1)_yu、及びpls(n:m)_yuを決定する。
上述したユーザ設定撮影1、2は、テレ端における光学無限遠、および光学至近においてなされている。図8において光学無限遠におけるplsは破線で囲んだ枠Finfの範囲であり、また無限遠かつテレ端のplsはFinf内の枠Qinfで示すpls(n:1)_yuである。また、光学至近におけるplsは破線で囲んだ枠Fnearの範囲であり、また光学至近かつテレ端のplsはFnear内の枠Qnearで示すpls(n:m)_yuである。従って、これらの撮影位置に対応するズーム位置trc_zmencはn(例えば、1023)、Fc方向を表すFc_Noは1とm(例えば16)となる。
上述したユーザ設定撮影1、2は、テレ端における光学無限遠、および光学至近においてなされている。図8において光学無限遠におけるplsは破線で囲んだ枠Finfの範囲であり、また無限遠かつテレ端のplsはFinf内の枠Qinfで示すpls(n:1)_yuである。また、光学至近におけるplsは破線で囲んだ枠Fnearの範囲であり、また光学至近かつテレ端のplsはFnear内の枠Qnearで示すpls(n:m)_yuである。従って、これらの撮影位置に対応するズーム位置trc_zmencはn(例えば、1023)、Fc方向を表すFc_Noは1とm(例えば16)となる。
(b2) ユーザ設定光学無限データ<pls(0:1)_yu〜pls(n-1:1)_yu>(Finf内)とユーザ設定光学至近データ<pls(0:m)_yu〜pls(n-1:m)_yu>(Fnear内)のplsを算出する。
ここでは、図8の枠FinfとFnearの範囲のplsを以下のようにして算出する。ユーザ設定撮影を行ったn番目のズーム位置(=trc_zmenc:n)において、Fc_Noの一つ内側(例えば、Fc_No=1に対してFc_No2)のトラッキングデータ(図7)のplsとデフォルト光学無限データ(図7参照)のplsとの差と、同じく一つ内側のトラッキングデータ(図7)のplsとユーザ撮影データ(図8)のplsとの差の比例係数を算出する。そして、plsを算出したいズーム値trc_zmenc:kでのFc_Noの一つ内側のトラッキングデータ(図7)のplsとデフォルト光学無限データ(図7)のplsとの差と、上記比例係数の積を算出する。この算出値を、基準となるtrc_zmenc:kの光学無限データのpls(pls(k:1))に加算する。
ここでは、図8の枠FinfとFnearの範囲のplsを以下のようにして算出する。ユーザ設定撮影を行ったn番目のズーム位置(=trc_zmenc:n)において、Fc_Noの一つ内側(例えば、Fc_No=1に対してFc_No2)のトラッキングデータ(図7)のplsとデフォルト光学無限データ(図7参照)のplsとの差と、同じく一つ内側のトラッキングデータ(図7)のplsとユーザ撮影データ(図8)のplsとの差の比例係数を算出する。そして、plsを算出したいズーム値trc_zmenc:kでのFc_Noの一つ内側のトラッキングデータ(図7)のplsとデフォルト光学無限データ(図7)のplsとの差と、上記比例係数の積を算出する。この算出値を、基準となるtrc_zmenc:kの光学無限データのpls(pls(k:1))に加算する。
例えば、図8に示すユーザ設定光学無限データ(Finf内)のpls(k:1)_yuは、下記式(1)によって算出される。
pls(k:1)_yu=(pls(k:2)-pls(k:1))×($pls(n:2)-$pls(n:1)_yu)/($pls(n:2)-$pls(n:1))+pls(k:1) ・・・(1)
なお、「$」は、ズーム位置trc_zmencの縦方向の演算を行う際に、同じフォーカスレンズ位置FCSpls値を使用することを意味し、エクセル計算における$と同じ演算を意味する。
pls(k:1)_yu=(pls(k:2)-pls(k:1))×($pls(n:2)-$pls(n:1)_yu)/($pls(n:2)-$pls(n:1))+pls(k:1) ・・・(1)
なお、「$」は、ズーム位置trc_zmencの縦方向の演算を行う際に、同じフォーカスレンズ位置FCSpls値を使用することを意味し、エクセル計算における$と同じ演算を意味する。
また、ユーザ設定光学至近データ(Fnear内)のpls(k:m)_yuは、下記式(2)によって算出される。
pls(k:m)_yu =− (pls(k:m-1)-pls(k:m)) ×($pls(n:m-1) - $pls(n:m)_yu)/($pls(n:m-1) -$pls(n:m)) + pls(k:m) ・・・(2)
pls(k:m)_yu =− (pls(k:m-1)-pls(k:m)) ×($pls(n:m-1) - $pls(n:m)_yu)/($pls(n:m-1) -$pls(n:m)) + pls(k:m) ・・・(2)
(b3) 次に、ユーザ設定有限距離トラッキングデータ算出用の「トラッキング係数」を算出する。
トラッキング係数は、図9の表の右側と左側でそれぞれ異なる係数(coef_far、coef_near)を使用する。このため、焦点距離(trc_zmenc:n)毎に、中央pls、すなわちcent_plsを、下記式(3)によって算出する。
cent_pls(n)=四捨五入{[pls(n:1)-pls(n:m)]/2}+pls(n:1) ・・・(3)
(ここで、pls(n:1)<pls(n:m)の関係)
トラッキング係数は、図9の表の右側と左側でそれぞれ異なる係数(coef_far、coef_near)を使用する。このため、焦点距離(trc_zmenc:n)毎に、中央pls、すなわちcent_plsを、下記式(3)によって算出する。
cent_pls(n)=四捨五入{[pls(n:1)-pls(n:m)]/2}+pls(n:1) ・・・(3)
(ここで、pls(n:1)<pls(n:m)の関係)
次に、デフォルトトラッキングテーブル(図7参照)のtrc_zmenc:nのplsとcent_pls(n)を比較し、cent_plsより小さい方を無限側トラッキング領域とし、この領域ではトラッキング係数として、coef_farを使用する。同様にtrc_zmenc:nのplsとcent_plsを比較し、cent_pls以上の方を至近側トラッキング領域とし、この領域ではトラッキング係数として、coef_nearを使用する。
図9に示すデフォルトトラッキングテーブルで、Fc_No:1〜iが無限側トラッキング領域、Fc_No:i+1〜mが至近側トラッキング領域となる。この場合、下記式(4)(5)でユーザ設定_trc演算係数を算出する。
coef_far =((pls(n:1)_yu-(cent_pls))/( pls(n:1)-(cent_pls)) ・・(4)
coef_near = (pls(n:m)_yu-(cent_pls))/( pls(n:m)-(cent_pls)) ・・(5)
coef_far =((pls(n:1)_yu-(cent_pls))/( pls(n:1)-(cent_pls)) ・・(4)
coef_near = (pls(n:m)_yu-(cent_pls))/( pls(n:m)-(cent_pls)) ・・(5)
(b4) 上述の(b3)に記載した中央plsと同様に各trc_zmenc(k)でのズームトラッキングの中央pls:cent_pls(k)を、下記式(6)により求める。参考のため、図7に示したデフォルトトラッキングテーブルの右側のコラム部分を、図9のテーブルに右側に再掲する。
cent_pls(k)= 四捨五入{[pls(k:1)-pls(k:m)]/2}+pls(k:1) ・・・(6)
(ここで、pls(k:1)<pls(k:m)の関係を有する)
cent_pls(k)= 四捨五入{[pls(k:1)-pls(k:m)]/2}+pls(k:1) ・・・(6)
(ここで、pls(k:1)<pls(k:m)の関係を有する)
(b5) ユーザ設定トラッキングテーブルの特定部分(図9の枠Qrest)を算出する(先に求めたユーザ設定光学無限、光学至近以外を求める)。
無限側トラッキング領域(図9の左側の領域)のユーザ設定トラッキングテーブルのplsは、下記式(7)より算出する。
pls(k:i)_yu = cent_pls(k) + 四捨五入{(pls(k:i)-cent_pls(k))×coef_far} ・・・(7)
無限側トラッキング領域(図9の左側の領域)のユーザ設定トラッキングテーブルのplsは、下記式(7)より算出する。
pls(k:i)_yu = cent_pls(k) + 四捨五入{(pls(k:i)-cent_pls(k))×coef_far} ・・・(7)
また、至近側トラッキング領域(図9の右側の領域)のユーザ設定トラッキングテーブルのplsは、下記式(8)より算出する。
pls(k:i+1)_yu = cent_pls(k) + 四捨五入{(pls(k:i)-cent_pls(k))×coef_near} ・・・(8)
pls(k:i+1)_yu = cent_pls(k) + 四捨五入{(pls(k:i)-cent_pls(k))×coef_near} ・・・(8)
次に、図10および図11に示すフローチャートを用いて、RFモードにおける動作を説明する。RFモードは、前述したように、ユーザが距離環51によって指定した距離にフォーカスレンズのピントを合わせるモードである。このフローは、交換レンズ100内のCPU41が記憶部37に記憶されているプログラムに従って、交換レンズ100内の各部を制御することにより実現する。なお、図10および図11に示すRFモードにおける処理については、特許文献2に記載されているので、概略に留め、詳しい説明は省略する。
図10に示すRFモード駆動周期処理のゼネラルフローが開始すると、まず、RFリニアエンコーダのAD更新を行う(S1)。RFモードでは、前述したように、ユーザが距離環51を回転操作し、ピントを合わせたい距離を設定する。リニアエンコーダRF位置検出部81(図2参照)は、設定された距離に応じたアナログ信号をA/D43に出力し、A/D43はアナログ信号をデジタル信号に変換する。
続いて、目標位置pls演算を行う(S3)。ステップS1において指定された距離にピントが合うように、フォーカスレンズを現在位置から指定位置まで移動させるための制御パルス値pls(FCSpls)を演算する。このステップの詳細な動作については、図11を用いて後述する。
目標位置plsを演算すると、次に、フォーカスレンズ(FCS)駆動を行う(S5)。ここでは、モータドライバ71がレンズモータLDMT73の駆動させることによって、フォーカスレンズを移動させる。このときのレンズモータLDMT73の移動量は、制御パルス値plsによって決まり、目標位置でフォーカスレンズは停止する。フォーカスレンズ駆動が終了すると、元のフローに戻る。
次に、図11に示すフローチャートを用いて、ステップS3(図10参照)の目標位置pls演算の詳しい動作について説明する。図11の目標位置pls演算のフローが開始すると、まず、RF_AD値を取得する(S11)。ここでは、ステップS1において、リニアエンコーダRF位置検出部81およびA/D43によって、更新されたAD値を取得する。
続いて、AD値−被写体距離1/Lテーブルから被写体距離1/Lを算出する(S13)。記憶部37には、AD値と、被写体距離の逆数(1/L)の関係を示すテーブルが記憶されている。このステップでは、ステップS11で取得したRF-AD値に対応した被写体距離の逆数(1/L)を求める。
被写体距離の逆数1/Lを求めると、次に、1/Lより、FCENC領域を算出する(S15)。ここでは、ステップS13で算出した1/Lが含まれるFCENC領域を算出する。なお、FCENC領域は、光学無限遠から光学至近までを所定数で分割した領域に相当し、図7ないし図9においては、Fc_Noに相当する。
FCENC領域を算出すると、次にFCENCとTrac_ZMEncよりFCSplsを算出する(S17)。FCENC領域が求まると、次に、FCEN領域と、現在設定されている焦点距離Trac_ZMEncを用いてフォーカスレンズの位置(目標位置FCSpls(フォーカスパルス))を求める。なお、FCENC領域と焦点距離Trac_ZMEncに応じたフォーカスレンズの位置(目標位置Pls)は、テーブル形式で記憶部37に記憶されている。前述したように、このとき使用するテーブルは、デフォルトトラッキングテーブル(図7参照)またはユーザ設定トラッキングテーブル(図9参照)を使用する。FCSplsを求めると、元のフローに戻る。
このように、RFモードが設定されると、リニアエンコーダRF位置検出部81とA/D変換43(回転角検出部)により検出される距離環51(リング部材)の回転角と、記憶部37に記憶された関係に基づいて、距離環51(リング部材)の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出し(S13〜S17参照)、算出された撮影距離に関する値に基づいてフォーカスレンズ(焦点調節レンズ)の光軸方向の位置を制御している(S5参照)。
次に、図12ないし図16に示すフローチャートを用いて、RF端ユーザ設定の動作について説明する。RF端ユーザ設定は、距離環51のRF無限端を光学無限遠等に一致させ、またRF至近端を光学最至近距離等に一致させるためのユーザ設定である。すなわち、距離環51は、RF無限端とRF至近端の間を回動可能であり、この端部に位置する場合のフォーカスレンズの合焦距離を光学無限遠と光学最至近距離等に一致させる。このフローは、交換レンズ100内のCPU41が記憶部37に記憶されているプログラムに従って、交換レンズ100内の各部を制御することにより実現する。但し、ユーザ設定撮影のフローは、主として、カメラ本体200内のCPU203が記憶部205に記憶されているプログラムに従って、交換レンズ100と連携し、かつカメラ本体200内の各部を制御することによって実現する。CPU41とCPU203は連携して、カメラシステムを制御している。
RF端ユーザ設定のフローが開始すると、まず、ユーザ設定撮影を行う(S21)。ここでは、ユーザが交換レンズ100の焦点距離を、所定の焦点距離(例えば、テレ端)に設定し、所定の距離にある被写体(例えば、無限遠および最至近距離の被写体)に対してピントを合わせて、ユーザ設定撮影1およびユーザ設定撮影2を行う。このユーザ設定撮影の詳しい動作については、図13を用いて後述する。
ユーザ設定撮影を行うと、次に、ユーザ設定トラッキングテーブルを作成する(S23)。ここでは、ステップS21において行ったユーザ設定撮影1、2において取得したフォーカスレンズ位置(FCSpls)を用いて、図9に示すようなトラッキングテーブルを作成する。このユーザ設定トラッキングテーブル作成の詳しい動作については、図14を用いて説明する。
次に、図13に示すフローチャートを用いて、ステップS21(図12参照)のユーザ設定撮影の詳しい動作について説明する。図13のユーザ設定撮影のフローが開始すると、まず、ユーザ表示を行う(S31)。ここでは、カメラ本体200の表示部209に「無限端/至近端設定モード」と「有限距離リミットモード」を表示する。無限端/至近端設定モードは、RF端(距離環51の回動範囲の機械的端部)の両端を光学無限遠と光学最至近に一致させる、それぞれフォーカスレンズを光学無限遠、光学最至近に対応する位置に制御するモードである。有限距離リミットモードは、RF端の両端を、指定した有限距離(例えば、最至近距離〜5m、あるいは3m〜無限遠等)に限定させ、フォーカスレンズを指定した有限距離に対応する位置に制御するモードである。
ステップS31においてユーザ表示を行うと、ユーザは所望するモード設定を選択する(#1)。ユーザはカメラ本体200の操作釦(例えば、十字釦)を操作することによって、またはタッチパネルのタッチ操作を行うことによって、表示されたモードのいずれかを選択し、モード設定を行う。
モード設定の選択がなされると、次に、カメラ本体から交換レンズに対して、開放絞りの指示がなされる(S35)。上述したように、ユーザ設定撮影1、2は、被写界深度を浅くして行うことが望ましいことから、カメラ本体200のCPU203は、交換レンズ100のCPU41に対して、絞り13の絞り値を開放絞り値にするようにコマンドを出力する。
ステップS35において、開放絞りコマンドを出力すると、交換レンズ100からデータ設定の選択がカメラ本体200に出力される(#3)。ここでは、交換レンズ100の焦点距離、最至近距離等、ステップS35においてユーザ表示するためのデータ等が送信される。
続いて、ユーザ表示がなされる(S35)。ここでは、カメラ本体200の表示部209に、「ユーザ設定撮影焦点距離」、「無限側ユーザ(設定)撮影」、「至近側ユーザ(設定)撮影」が表示されるので、ユーザは、所望するモード設定を選択する。ユーザ設定撮影焦点距離は、ユーザ撮影を行う場合の焦点距離を選択するための表示である。無限側ユーザ(設定)撮影と、至近側ユーザ(設定)撮影は、ユーザ設定撮影の際に無限遠側または至近側のいずれの撮影を行うかを指定するための表示である。このステップでなされるユーザ表示については、図18の画面D2に示す。
ステップS35においてユーザ表示がなされると、ユーザは、まずユーザ設定撮影焦点距離の選択を行う。この焦点距離表示用の画面については、図18の画面D3に示す。ユーザ設定撮影焦点距離が選択されると、次に、ユーザ表示を行う(S37)。ここでは、ステップS35において選択された撮影焦点距離に応じて、「焦点距離xxmmになっていますか」と表示される。ユーザが撮影焦点距離を選択しても、交換レンズ100における焦点距離の設定を行わない場合があることから、確認のための表示である。一致していない場合には、警告表示を行ってもよい。なお、電動ズームが備えられた交換レンズにおいては、自動的に選択された焦点距離を設定し、ステップS37における表示を省略してもよい。
ステップS37におけるユーザ表示を行うと、ユーザ設定トラッキングテーブル作成処理に必要な情報を全て取得したか否かについて判定する(S47)。ステップS35→S37を処理しただけでは、必要な情報を全て取得していないので、判定結果はNoとなり、ステップS35に戻る。
ステップS35に戻り、判定の結果、無限側ユーザ(設定)撮影が選択されると、ユーザ表示を行う(S39)。ここでは、カメラ本体200の表示部209に、無限端側で設定する距離が表示される。ステップS39における表示については、図18の画面D4に示す。ユーザはこの表示の中から、適宜、距離を選択する(#5)。例えば、無限遠を選択すると、RF無限端に対応するフォーカス位置が光学無限遠と一致するようにユーザ設定トラッキングカーブが作成され、また無限端として例えば20mを選択すると、RF無限端が20mになるようにユーザ設定トラッキングカーブが作成されることになる。
続いて、ユーザ設定撮影1を行い、データを取得する(S41)。ここでは、AF若しくはMF操作で、ステップS39において選択した被写体距離にフォーカスレンズのピントを合わせて撮影する。そして、このときのフォーカスレンズの位置FCSplsを取得し、記憶する。
一方、ステップS35における判定の結果、至近側ユーザ(設定)撮影が選択されると、ユーザ表示を行う(S43)。ここでは、カメラ本体200の表示部209に、至近側で設定する距離が表示される。ステップS43における表示については、図18の画面D5に示す。ユーザはこの表示の中から、適宜、距離を選択する(#7)。例えば、最至近距離を選択すると、RF至近端に対応するフォーカスレンズの位置が光学至近と一致するようにユーザ設定トラッキングカーブが作成され、また至近端として例えば30cmを選択すると、RF至近端が30cmになるようにユーザ設定トラッキングカーブが作成されることになる。
ステップS43において、ユーザ表示を行うと、ユーザ設定撮影2を行い、データを取得する(S45)。ここでは、AF若しくはMF操作で、ステップS43において選択した被写体距離にフォーカスレンズのピントを合わせて撮影する。そして、このときのフォーカスレンズの位置FCSplsを取得し、記憶する。
ステップS41またはステップS45において、撮影時のFCSplsを記録する等の処理を行うと、次に、ユーザ設定トラッキングテーブル作成処理に必要な情報を全て取得したか否かについて判定する(S47)。ここでは、ユーザ設定撮影焦点距離情報、無限側撮影FCSpls、至近側撮影FCSpls等、ユーザ設定トラッキングテーブル作成処理に必要な情報を全て取得したかについて判定する。この判定の結果、全ての情報を取得していない場合には、ステップS35に戻り、情報取得を続行する。一方、全ての情報を取得した場合には、このフローを終了し、元のフローに戻る。
次に、図14に示すフローチャートを用いて、ステップS23(図12参照)のユーザ設定トラッキングテーブル作成の詳しい動作について説明する。なお、このフローは、ステップS39において、無限側のユーザ設定の距離として無限遠を選択し、またステップSS43において、至近側のユーザ設定の距離として最至近距離を選択した場合である。これ以外の距離を選択した場合には、図15に示す作成処理2のフローを実行する。
図14のユーザ設定トラッキングテーブル作成処理1のフローが開始すると、まず、ユーザ設定撮影1、2で取得したFCSplsデータを読み出す(S51)。ここでは、ステップS41、S45において取得し、記憶されている撮影時のFCSplsを読み出す。
次に、ユーザ設定光学無限データを作成する(S53)。ここでは、ユーザ設定撮影1で取得した光学無限に対応するFCSplsを、図8のQinfに示す、pls(n:1)_yuに入力する。そして、上述の式(1)によりFinf内のpls(0:1)_yuからpls(n-1:1)_yuを算出する。ユーザ設定光学無限データを作成すると、次に、ユーザ設定光学至近データを作成する(S55)。ここでは、ユーザ設定撮影2で取得した光学至近に対応するFCSplsを、図8のQnearに示す、pls(n:m)_yuに入力する。そして、上述の式(2)によりFnear内のpls(0:m)_yuからpls(n-1:m)_yuを算出する。
次に、焦点距離毎の中央plsを算出する(S57)。ここでは、焦点距離毎に、上述の式(3)を用いて、中央plsを算出する。中央plsについては、無限側トラッキング領域と至近側トラッキング領域を参照のこと(図9参照)。
焦点距離毎に中央plsを算出すると、次に、無限側/至近側領域でのtrc演算係数を算出する(S59)。ここでは、デフォルトトラッキングテーブルとユーザ設定撮影1、2で得られたフォーカスレンズパルス位置FCSplsを用いて、ユーザ設定トラッキングテーブルを作成するための演算係数(trc演算係数)を算出する。このtrc演算係数は、上述の式(4)、(5)を用いて算出する。
trc演算係数を算出すると、次に、ユーザ設定トラッキングテーブルデータを作成する(S61)。ここでは、図9に示したユーザ設定トラッキングテーブルの特定部分(枠Qrest)を算出する。無限側トラッキング領域のユーザ設定トラッキングテーブルのplsは、上述の式(7)より算出し、また、至近側トラッキング領域のユーザ設定トラッキングテーブルのplsは、上述の式(8)より算出する。ユーザ設定トラッキングテーブルデータを作成すると、元のフローに戻る。
このように、ユーザ設定トラッキングテーブル作成処理1のフローにおいては、無限遠と光学最至近距離において撮影し、取得したFCSplsを用いて、ユーザ設定トラッキングテーブルを作成している。
なお、RF無限端に対応するフォーカスレンズ位置を、所定の距離より近い距離に設定すると、ユーザ設定トラッキングテーブルを作成することが困難となる。たとえば、RF無限端に対応するフォーカスレンズ位置を30mにある被写体にピントを合わせて設定することは可能だが、20mにある被写体にピントを合わせてユーザ設定トラッキングテーブルを作成しようとしても、誤差が大きくなってしまう。そこで、ある閾値(FCSPLSまたは距離)を設け、ユーザが閾値以下の距離、例えば20mにフォーカスしてRF無限端に対応するフォーカスレンズ位置に設定しようとした場合(OK釦オン)に、エラー表示を行うようにしてもよい。
例えば、「もっと遠距離の被写体にフォーカスしてください」等のメッセージを表示部209に表示する。ユーザが閾値を越えるより遠距離の被写体にフォーカスして設定するように促す。具体的な判定方法としては、撮影(フォーカス)して得られたFCSPlsから、デフォルトのトラッキングカーブに基づいて算出した距離と、Fcパルス誤差を考慮した閾値の距離とを比較して判定すればよい。
次に、図15に示すフローチャートを用いて、ステップS23(図12参照)のユーザ設定トラッキングテーブル作成の処理2の詳しい動作について説明する。なお、このフローは、ステップS39において、無限側のユーザ設定の距離として無限遠よりも近距離を選択し、またステップS43において、至近側のユーザ設定の距離として最至近距離よりも遠距離を選択した場合である。無限遠および最至近距離を選択した場合には、図14に示す処理1のみで完結する。
図15のユーザ設定トラッキングテーブル作成処理2のフローが開始すると、まず、ユーザ設定トラッキングテーブル作成処理1を行う(S71)。この作成処理1は、図14に示したフローであり、作成処理2を実行する場合には、先に作成処理1を実行し、無限遠と最至近に応じたトラッキングテーブルを作成する。
続いて、ステップS51と同様に、有限距離におけるユーザ設定撮影1、2で取得したFCSplsデータを読み出す(S73)。ここでは、ステップS41、S45(図13参照)において取得し、記憶されている撮影FCSplsを読み出す。
次に、ユーザ設定有限距離_無限側データを作成する(S75)。ここでは、有限距離におけるユーザ設定撮影1、2で取得したFCSplsデータを用いて、RF無限端に対応するフォーカスレンズの位置を光学無限よりも近距離、たとえば20mに設定する場合である。図19は、図9のテーブルをベースとして、Fc_No:2からFc_No:m−1の範囲のデータを作成したテーブルデータを示す。図19において、新たに作成されるフォーカスレンズ位置FCSplsを示すplsデータは、「pls(x座標:y座標)_yy」の形式で、“yy”を付加して記載している。最初に、図9のテーブルにおいてFc_No:2のデータを変更する。RF無限端を無限遠に設定する場合と同様に、テレ端かつ有限距離_無限側(例えば20m)に対応するフォーカスレンズ位置FCSplsに基づき図19のpls(n:2)_yyを決定する。そして、図19に示すユーザ設定有限距離_無限側(Fc_No:2)のテーブルデータpls(k:2)_yyは、図9のテーブルデータを使用し、下記式(9)によって算出される。
pls(k:2)_yy=(pls(k:3)_yu-pls(k:2)_yu)×($pls(n:3)_yu-$pls(n:2)_yy)/($pls(n:3)_yu-$pls(n:2)_yu))+pls(k:2)_yu ・・・(9)
pls(k:2)_yy=(pls(k:3)_yu-pls(k:2)_yu)×($pls(n:3)_yu-$pls(n:2)_yy)/($pls(n:3)_yu-$pls(n:2)_yu))+pls(k:2)_yu ・・・(9)
続いて、ユーザ設定有限距離_至近側データを作成する(S77)。ここでは、有限距離におけるユーザ設定撮影1、2で取得したFCSplsデータを用いて、RF至近端に対応するフォーカスレンズの位置を光学至近よりも遠距離、たとえば1mに設定する場合である。FCSplsを算出する。図9のテーブルにおいてFc_No:m−1のデータを変更して図19のFc_No:m−1に示すデータを作成する。RF至近端を光学至近に設定する場合と同様に、テレ端かつ有限距離_至近側(例えば1m)に対応するフォーカスレンズ位置FCSplsに基づき図19のpls(n:m-1)_yyを決定する。そして、図19に示すユーザ設定有限距離_至近側のテーブルデータpls(k:m-1)_yyは、図9に示すテーブルのデータを使用し、下記式(10)によって算出される。
pls(k:m-1)_yy =− (pls(k:m-2)_yu-pls(k:m-1)_yu) ×($pls(n:m-2)_yu - $pls(n:m-1)_yy)/($pls(n:m-2)_yu -$pls(n:m-1)_yu) + pls(k:m)_yu ・・・(10)
なお、図19のFc_No:1とFc_No:mのデータについては図9から変更しない。これは、RFモードの有限距離リミットモードでは、Fc_No:1とFc_No:mのデータを使用しないためである。
pls(k:m-1)_yy =− (pls(k:m-2)_yu-pls(k:m-1)_yu) ×($pls(n:m-2)_yu - $pls(n:m-1)_yy)/($pls(n:m-2)_yu -$pls(n:m-1)_yu) + pls(k:m)_yu ・・・(10)
なお、図19のFc_No:1とFc_No:mのデータについては図9から変更しない。これは、RFモードの有限距離リミットモードでは、Fc_No:1とFc_No:mのデータを使用しないためである。
次に、焦点距離毎の中央plsを算出する(S79)。ここでは、焦点距離毎に、式(11)を用いて、中央plsを算出する。
cent_pls(n)_2=四捨五入{[pls(n:2)-pls(n:m-1)]/2}+pls(n:2)・・(11)
(ここで、pls(n:2)<pls(n:m-1)の関係)
cent_pls(n)_2=四捨五入{[pls(n:2)-pls(n:m-1)]/2}+pls(n:2)・・(11)
(ここで、pls(n:2)<pls(n:m-1)の関係)
焦点距離毎に中央plsを算出すると、次に、無限側/至近側領域でのtrc演算係数を算出する(S81)。ここでは、デフォルトトラッキングテーブルとユーザ設定撮影1、2で得られたフォーカスレンズパルス位置FCSplsを用いて、ユーザ設定トラッキングテーブルを作成するための演算係数(trc演算係数)を算出する。このtrc演算係数は、上述の式(4)、(5)を用いて算出する。ここでの処理は、図14の作成処理1のステップS59と同様の処理であるが、処理1の各部分で行ったmを有限距離の範囲に置き換えて算出する。
trc演算係数を算出すると、次に、ユーザ設定トラッキングテーブルデータを作成する(S83)。ここでは、上述の応用例2において説明したように、トラッキングテーブルからその撮影距離の1つ外側のトラッキングデータをトラッキングカーブTr_inf_de、1つ内側のトラッキングデータをTr_inf_mid1に読み換えて、ユーザ設定の有限距離のトラッキングテーブルの作成を行う。ユーザ設定トラッキングテーブルデータを作成すると、元のフローに戻る。
このように、ユーザ設定トラッキングテーブル作成処理2は、まず、ユーザ設定トラッキングテーブル作成処理1を行って、RF無限端に対応するフォーカスレンズ位置を光学無限、RF至近端に対応するフォーカスレンズ位置を光学至近に設定しておき(図15のS71)、その後、無限側と至近側においてそれぞれ光学無限より近距離、光学至近より遠距離のユーザが所望する有限距離で撮影を行い、取得したFCSplsを用いて、ユーザ設定トラッキングテーブルを作成している。
次に、図16に示すフローチャートを用いて、フォーカスリミットSWを設け、撮影距離範囲を切り替える場合の動作について、説明する。この例では、ステップS39、S43において撮影距離範囲を狭く設定することによって撮影距離範囲を制限し、この狭い撮影距離範囲と通常の撮影距離範囲をスイッチによって切り替える。撮影距離範囲は、ユーザ設定無限側撮影距離と、ユーザ設定至近側撮影距離を近くすることによって、狭くすることができる。
図16に示すフォーカスリミットSWによるRF端切替のフローが開始すると、まず、リミットSWが全範囲か否かについて判定する(S91)。フォーカスリミットSWがオンとなると、撮影距離範囲を制限し、オフの場合には、全範囲である。ここでは、フォーカスリミットSWの操作状態に基づいて判定する。なお、メニュー画面等に、フォーカスリミットSWのアイコンを表示し、操作部材またはタッチ操作によって、選択するようにしてもよい。
ステップS91における判定の結果、リミットSWが全範囲の場合には、RF端を変更しない(S93)。ここでは、RF端は、通常の状態のままとし、無限遠〜X0mの範囲でピントが合うようにする(X0mは、最至近距離を意味する)。すなわち、RF端の両端を光学至近および光学無限遠とする。この場合、従来のように、Fcズレを考慮した余裕を持たしてもよい。
一方、ステップS91における判定の結果、リミットSWが全範囲でなかった場合には、リミットSWが至近範囲であるか否かについて判定する(S95)。この実施形態においては、リミットSWは、至近範囲(至近側範囲)または無限範囲(無限側範囲)を選択可能とする。至近範囲(至近側範囲)は、X0m〜X1である。
ステップS95における判定の結果、リミットSWが至近範囲(至近側範囲)の場合には、RF無限端をX1mとし、RF至近端をX0mに設定し、ユーザ設定トラッキングテーブルを切り替える(S97)。この場合には、予め、図13のフローのステップS39、S43において、X1m、X0mを設定し、ユーザ設定トラッキングテーブルを作成しておく。このステップでは、予め作成されたユーザ設定トラッキングテーブルを読出し、このテーブルを使用する。
一方、ステップS95における判定の結果、リミットSWが無限側範囲の場合には、RF無限端を無限遠(∞m)とし、RF至近端をX1mに設定し、ユーザ設定トラッキングテーブルを切り替える(S99)。この場合には、予め、図13のフローのステップS39、S43において、無限遠、X1mを設定し、ユーザ設定トラッキングテーブルを作成しておく。このステップでは、予め作成されたユーザ設定トラッキングテーブルを読出し、このテーブルを使用する。
ステップS93において、RF端を変更なしとすると、またはステップS97またはS99においてユーザ設定トラッキングテーブルを切り替えると、フォーカスリミットSWによるRF端切替のフローを終了する。
このように、フォーカスリミットSWによってRF端切替を行うことができる。RFモードが設定されている場合に、距離環51を回動操作することにより、ピント合わせを行うことができる。この場合、フォーカスリミットSWによってRF端に割り当てられる距離を変更することができる。フォーカスリミットSWによって撮影距離範囲を変更することができ、撮影距離範囲を短くすることにより距離環51による操作量に対する分解能を向上させることができる。
次に、図17に示す図表を用いて、ユーザ設定撮影1、2と、処理後のRF端の設定について説明する。図17の左欄の実施例1は、図14に示すユーザ設定トラッキングテーブル作成処理1によって、無限遠と最至近距離の被写体を撮影してユーザ設定トラッキングテーブルを作成した場合である。また、同左欄の実施例2は、図15に示すユーザ設定トラッキングテーブル作成処理2によって、無限遠より近距離の被写体と最至近距離より遠距離の被写体を撮影してユーザ設定トラッキングテーブルを作成した場合である。さらに、同左欄に記載の「1と2の組合せ」は、実施例1と実施例2を組み合わせて、ユーザ設定トラッキングテーブルを作成した場合である。
図17に示す例では、最至近撮影距離が0.4mのレンズ鏡筒を装着した場合を前提にしている。なお、最至近撮影距離の0.4mは例示であり、装着したレンズ鏡筒の最至近撮影距離が0.4m以外であれば、装着したレンズ鏡筒の最至近撮影距離に置き換えればよい。
図17において、実施例1は、ユーザ設定撮影1において、無限遠にある被写体にピントを合わせて撮影し、ユーザ設定撮影2において、至近側として、0.4mの被写体にピントを合わせて撮影する。この2つの撮影によってユーザ設定トラッキングテーブル作成処理に必要な情報を取得し、作成処理を行う。処理後のRF端の設定は、RF無限端に対応するフォーカスレンズの位置は光学無限遠に設定され、RF至近端に対応するフォーカスレンズ位置は最至近撮影距離である0.4mに設定される。すなわち、距離環51の回転範囲の無限側のRF端において、フォーカスレンズのピントは光学無限遠であり、一方、至近側のRF端において、ピントは最至近撮影距離である0.4mになる。
また、実施例2は、まず、Fcズレを補正するために、初めに実施例1の撮影及び処理を行って、Fcずれを補正しておく。その後に、有限距離のユーザ設定撮影1、2を行う。ユーザ設定撮影1において、無限側として20mにある被写体にピントを合わせて撮影し、ユーザ設定撮影2において、至近側として、1mの被写体にピントを合わせて撮影する。この2つの撮影によってユーザ設定トラッキングテーブル作成処理に必要な情報を取得し、作成処理を行う。処理後のRF端の設定は、RF無限端に対応するフォーカスレンズ位置は20mに設定され、RF至近端に対応するフォーカスレンズ位置は1mに設定される。すなわち、距離環51の回転範囲のRF無限端(無限側のメカ端)において、フォーカスレンズの合焦距離は20mであり、一方、RF至近端(至近側のメカ端)において、合焦距離は1mである。ユーザがMFモードまたはRFモードに設定して距離環51を回転した場合、合焦距離は1mから20mの範囲に限定される。
図16のフローの際に説明したフォーカスリミットスイッチ等で、撮影距離範囲を切り替えた場合には、併せて有限距離も切り替える。実施例1を実施した後に、ユーザ設定トラッキングカーブに対して切り替えてもよく、またデフォルトトラッキングテーブルに対し、リミットスイッチの撮影距離(m単位)を基に、RF端を切り替えてもよい。
また、実施例1と2の組合せは、ユーザ設定撮影1において、無限遠にある被写体にピントを合わせて撮影し、ユーザ設定撮影2において、至近側として、1mの被写体にピントを合わせて撮影する。この2つの撮影によってユーザ設定トラッキングテーブル作成処理に必要な情報を取得し、作成処理を行う。処理後のRF端の設定は、RF無限端は光学無限遠に設定され、RF至近端は1mに設定される。すなわち、すなわち、距離環51の回転範囲の無限側のRF(メカ)端において、フォーカスレンズの合焦距離は光学無限遠であり、一方、至近側のRF(メカ)端において、合焦距離は1mである。ユーザがMFモードまたはRFモードに設定して距離環51を回転した場合、合焦距離は光学無限遠から1mの範囲に限定される。
以上説明したように、本発明の一実施形態においては、第1の端点と第2の端点の角度範囲内を回転可能に配設されるリング部材(例えば、距離環51参照)と、リング部材の回転角と撮影距離に関する値との関係を記憶する記憶部(例えば、記憶部37、図7および図9に示すトラッキングテーブル参照)と、第1の端点に対応する撮影距離、および/または第2の端点に対応する撮影距離を設定し、リング部材の回転角と撮影距離に関する値との関係を修正する設定部(例えば、図4ないし図6のトラッキング修正図、図8および図9のトラッキングテーブル、図12ないし図15に示すフローチャート参照)を有している。このため、無限遠や最至近距離等の特定の距離を、レンズ鏡筒のフォーカスレンズの駆動端等の特定位置に設定することができる。
また、本発明の一実施形態においては、第1の端点と第2の端点の間の任意の位置において、所定距離における被写体にピントを合わせ(例えば、図13のS39、S43参照)、このときの焦点調節レンズの光軸方向の位置を検出し(例えば、図13のS41、S45参照)、この検出結果に基づいて、リング部材の回転角と撮影距離に関する値との第1の関係を補正して第2の関係を作成し(例えば、図12のS23、図13参照)、回転角検出部により検出されるリング部材の回転角と、第2の関係に基づいて、リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出し(例えば、図10のS3、図11のS13〜S17参照)、算出された撮影距離に関する値に基づいて焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御している(例えば、図10のS5参照)。このため、無限遠や最至近距離等の特定の距離を、レンズ鏡筒のフォーカスレンズの駆動端等の特定位置に設定することができる。
なお、本発明の一実施形態においては、ユーザ設定トラッキングテーブルの作成は、交換レンズ100側のCPU41が行っていた。しかし、これに限らず、カメラ本体200側のCPU203がテーブルを作成し、CPU41に送信するようにしてもよい。
また、本発明の一実施形態においては、制御部(コントローラ)はCPU41、203によって実現されていたが、CPU以外、またはCPUに加えて、ヴェリログ(Verilog)によって記述されたプログラム言語に基づいて生成されたゲート回路等のハードウエア構成でもよく、またDSP(Digital Signal Processor)等のソフトを利用したハードウエア構成を利用してもよい。これらは適宜組み合わせてもよいことは勿論である。
また、本発明の一実施形態においては、CPU41、203の周辺回路の全部または一部をCPU(Central Processing Unit)とプログラムコードによって実現するようにしてもよく、DSP(Digital Signal Processor)等のプログラムコードで実行される回路で実現するようにしてもよく、ヴェリログ(Verilog)によって記述されたプログラム言語に基づいて生成されたゲート回路等のハードウエア構成でもよく、またハードウエア回路によって実行するようにしても勿論かまわない。
また、本発明の一実施形態においては、撮像のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもミラーレスカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型コンピュータ、ゲーム機器等に内蔵されるカメラ、医療用カメラ、顕微鏡等の科学機器用のカメラ、自動車搭載用カメラ、監視用カメラでも構わない。いずれにしても、リング部材によって焦点調節を行う撮像のための機器であれば、本発明を適用することができる。
また、近年は、様々な判断基準を一括して判定できるような人工知能が用いられる事が多く、ここで示したフローチャートの各分岐などを一括して行うような改良もまた、本発明の範疇に入るものであることは言うまでもない。そうした制御に対して、ユーザが善し悪しを入力可能であれば、ユーザの嗜好を学習して、そのユーザにふさわしい方向に、本願で示した実施形態はカスタマイズすることが可能である。
また、本明細書において説明した技術のうち、主にフローチャートで説明した制御に関しては、プログラムで設定可能であることが多く、記録媒体や記録部に収められる場合もある。この記録媒体、記録部への記録の仕方は、製品出荷時に記録してもよく、配布された記録媒体を利用してもよく、インターネットを介してダウンロードしたものでもよい。
また、本発明の一実施形態においては、フローチャートを用いて、本実施形態における動作を説明したが、処理手順は、順番を変えてもよく、また、いずれかのステップを省略してもよく、ステップを追加してもよく、さらに各ステップ内における具体的な処理内容を変更してもよい。
また、特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず」、「次に」等の順番を表現する言葉を用いて説明したとしても、特に説明していない箇所では、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
11a〜11c・・・レンズ、13・・・絞り、21・・・絞り駆動機構、23・・・絞り基準位置検出部、25・・・フォーカスレンズ駆動機構、27・・・フォーカスレンズ基準位置検出部、31・・・RF位置検出部、33・・・RFモード検出部、34・・・ズーム位置検出部、35・・・MF位置検出部、37・・・記憶部、41・・・CPU、43・・・A/D変換器、44・・・A/D変換器、51・・・距離環、52・・・ズーム環、61a・・・第1のMFPI二値化回路、61b・・・第2のMFPI二値化回路、63a・・・第1のMFPI、63b・・・第2のMFPI、65・・・MFPIドライバ、67・・・FCPI二値化回路、69・・・LDPI、71・・・モータドライバ、73・・・LDモータ、75・・・AVモータ、77・・・AVフォトインタラプタ、79・・・AVフォトインタラプタ二値化回路、81・・・リニアエンコーダRF位置検出部、82・・・リニアエンコーダZM位置検出部、83・・・RF/MFモード検出SW、100・・・交換レンズ、200・・・カメラ本体、201・・・撮像素子、203・・・CPU、205・・・記憶部、207・・・操作入力部、207a・・・十字釦、207b・・・OK釦、209・・・表示部
Claims (13)
- 光軸方向に移動可能な焦点調節レンズを含む撮影レンズを有するレンズ鏡筒と、
上記レンズ鏡筒において第1の端点と第2の端点の角度範囲内を回転可能に配設されるリング部材と、
上記リング部材の回転角と撮影距離に関する値との関係を記憶する記憶部と、
上記リング部材の回転角を検出する回転角検出部と、
上記回転角検出部により検出される上記リング部材の回転角と、上記記憶部に記憶された上記関係に基づいて、上記リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出し、算出された撮影距離に関する値に基づいて上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する制御部と、
上記第1の端点に対応する撮影距離、および/または上記第2の端点に対応する撮影距離を設定し、上記リング部材の回転角と撮影距離に関する値との関係を補正可能な設定部と、
を具備することを特徴とする撮像装置。 - 上記設定部は、操作部を有し、
上記設定部は、上記操作部により選択される上記第1の端点、および/または、第2の端点と、上記操作部により設定される撮影距離とに基づいて上記第1の端点、および/または、第2の端点と設定された撮影距離を対応付けて上記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 上記制御部は、上記記憶部に記憶された上記第1の端点、および/または、第2の端点と対応付けられた撮影距離に基づいて、上記関係を補正し、この補正された関係を上記記憶部に記憶することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
- 上記撮影レンズは、焦点距離を変更可能なズームレンズであって、
上記設定部は、任意の焦点距離にて上記第1の端点、および/または、第2の端点と設定された撮影距離を対応付けて上記記憶部に記憶させ、
上記制御部は、上記焦点距離以外の焦点距離にて、上記記憶部に記憶された上記第1の端点、および/または、第2の端点と対応付けられた撮影距離と上記補正された関係に基づいて上記リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出して上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 - 上記記憶部は、複数の上記第1の端点、および/または、第2の端点と設定された撮影距離の対応付けを記憶することが可能であることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
- 上記操作部により、上記複数の第1の端点、および/または、第2の端点と設定された撮影距離の対応付けを選択することが可能であり、
上記制御部は、選択された上記第1の端点、および/または、第2の端点と設定された撮影距離の対応付けに基づいて、上記リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出して上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する、
ことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。 - 焦点調節可能な全範囲を複数の範囲に分割し、上記複数の範囲から選択して焦点調節可能範囲とするフォーカスリミット手段を有し、
上記制御部は、上記第2の端点に対応付けられた撮影距離を、上記フォーカスリミット手段により設定される焦点調節可能な範囲の一端に対応する撮影距離に変更する、
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。 - 光軸方向に移動可能な焦点調節レンズを含む撮影レンズを有するレンズ鏡筒と、
上記レンズ鏡筒において第1の端点と第2の端点の角度範囲内を回転可能に配設されるリング部材と、
上記リング部材の回転角と撮影距離に関する値との第1の関係を記憶する記憶部と、
上記リング部材の回転角を検出する回転角検出部と、
上記第1の端点と第2の端点の間の任意の位置において、所定距離における被写体にピントを合わせ、このときの上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を検出し、この検出結果に基づいて、上記リング部材の回転角と撮影距離に関する値との第1の関係を補正して第2の関係を作成し、上記回転角検出部により検出される上記リング部材の回転角と、上記第2の関係に基づいて、上記リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出し、算出された撮影距離に関する値に基づいて上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する制御部と、
を具備することを特徴とする撮像装置。 - 上記所定距離は、光学無限遠、光学最至近距離、有限距離に対応する距離のいずれか2つであることを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
- 上記制御部は、上記第1の関係と上記第2の関係のいずれかを選択する第1の選択部を有し、
上記制御部は、上記第1の関係が選択された場合には上記第1の関係に基づいて、また上記第2の関係が選択された場合には上記第2の関係に基づいて、上記リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出し、算出された撮影距離に関する値に基づいて上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する、
ことを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。 - 上記制御部は、異なる所定距離の組合せに基づいて、複数の第2の関係を作成し、上記複数の第2の関係のいずれかを選択する第2の選択部を有することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
- 上記撮影レンズは、ズームレンズであり、
上記記憶部は、上記第1の関係を焦点距離毎に記憶し、
上記制御部は、上記第1の端点と第2の端点の間の任意の2つの位置における検出結果に基づいて、上記第2の関係を焦点距離毎に作成する、
ことを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。 - 光軸方向に移動可能な焦点調節レンズを含む撮影レンズを有するレンズ鏡筒と、上記レンズ鏡筒において第1の端点と第2の端点の角度範囲内を回転可能に配設されるリング部材と、上記リング部材の回転角と撮影距離に関する値との第1の関係を記憶する記憶部と、上記リング部材の回転角を検出する回転角検出部を有する撮像装置の焦点調節レンズ調節方法において、
上記第1の端点と第2の端点の間の任意の位置において、所定距離における被写体にピントを合わせ、このときの上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を検出し、
上記検出結果に基づいて、上記リング部材の回転角と撮影距離に関する値との第1の関係を補正して第2の関係を作成し、
上記回転角検出部により検出される上記リング部材の回転角と、上記第2の関係に基づいて、上記リング部材の回転角に応じた撮影距離に関する値を算出し、算出された撮影距離に関する値に基づいて上記焦点調節レンズの光軸方向の位置を制御する、
を具備ことを特徴とする焦点調節方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018099937A JP2019204029A (ja) | 2018-05-24 | 2018-05-24 | 撮像装置およびレンズ焦点調節方法 |
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JP2018099937A JP2019204029A (ja) | 2018-05-24 | 2018-05-24 | 撮像装置およびレンズ焦点調節方法 |
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JP2019204029A true JP2019204029A (ja) | 2019-11-28 |
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ID=68726850
Family Applications (1)
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JP2018099937A Pending JP2019204029A (ja) | 2018-05-24 | 2018-05-24 | 撮像装置およびレンズ焦点調節方法 |
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JP (1) | JP2019204029A (ja) |
-
2018
- 2018-05-24 JP JP2018099937A patent/JP2019204029A/ja active Pending
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