JP6233714B2 - 多段式ベルトプレス - Google Patents

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Description

本発明は、ろ布の張力を加圧機構の押しつけ力に利用し、中心となるロールにろ布を複数回掛け回すことで、押しつけ力を高めて高圧脱水を行う多段式ベルトプレスに関する。
従来、ろ布をロールに掛け回して脱水するベルトプレスは、ロールを縦横に数多く並べてそれらにろ布を掛け回したタイプや、大径のロールにろ布を掛けてその上から加圧ベルトや加圧ロールで押し付ける加圧装置付きのもの等がある。
また、特許文献1には中心ロールの周りに掛け回したろ布を折り返し、加圧ロールを介在させて再び中心ロールに掛け回すことで、折り返したろ布が加圧ロールに張力を伝えて加圧力の調整を行うベルトプレスが開示されている。
特公昭57−184500号公報
従来のベルトプレスは、ロール巻き掛け部のせん断力や面圧、ろ布張力による脱水を行うため、ロールを数多く配設している。また、脱水時間を確保するためにはロール本数を増やし、ろ布の長さを長大とする必要があり、装置寸法も大きくなっていた。加圧ベルトのような加圧装置については装置が複雑となり、価格も含めメンテナンス費・消耗品費が高価となってしまう。また、ろ過性能についても従来のベルトプレスでは加圧力が小さく、十分といえるものではなかった。
特許文献1に開示されているベルトプレスは1枚のろ布とロールに汚泥を挟んで脱水するもので、メインロールに当接している部分でしか脱水することができない。よって、最終段加圧ロールから折り返すと装置の機構上、ケーキは排出するしかない。従って、脱水時間はろ布とロールが当接している時間となるため短時間であり、十分な脱水が行えない。
脱水の過程では、加圧ロールが当接する場所から急激に圧力が大きくなるため、含水率が高い汚泥に高圧の圧搾を加えることとなり、サイドリークが発生する。よって、低圧から高圧の圧搾力を加圧して徐々に脱水するような理想的な脱水は行えない。
本発明は、中心となるロールにろ布を複数回掛け回して高圧搾を付与するベルトプレスに関し、中心となるロールを複数設置し、それぞれのロールに交互にろ布を掛け回すことで徐々に高圧搾を付与し、低含水率の脱水ケーキを生成する多段式ベルトプレスを提供する。
ろ布間に汚泥を供給して多数並列したロールに走行自在に掛け回して圧搾脱水するベルトプレスにおいて、ろ布を互いに掛け回す複数の中心ロールと、ろ布を中心ロールに向かって回帰させる回帰ロールと、中心ロール上を多重に対向して走行するろ布間に配設する間接材と、を備えると共に、前記回帰ロールを介して複数の中心ロールにろ布を交互に巻き掛けるもので、ろ布は中心ロールに巻き掛けたことで面圧を受け、更に外側からの間接ロールによる面圧も加わる。間接ロールの押しつけ力は中心ロールのろ布にそのまま伝わり圧搾するため、段階的に圧搾圧力が増加し、サイドリークが発生せず、理想的な脱水が行える。また、少ないロール本数で脱水時間を確保することができるため装置がコンパクトとなる。
前記中心ロール上を多重に対向して走行したろ布を、次段の中心ロール上に多重に対向して走行させると、少ないロール本数で脱水時間を確保することができるため装置がコンパクトとなる。
中心ロールに当接したろ布は、間接材が中心ロールの中心から放射線状に移動自在なため、ろ布によって間接材に押しつけ力が加えられる。同様にして、中心ロールに回帰させたろ布を何度も巻き掛けることで、中心ロールに当接したろ布には巻き掛けたろ布の数だけ、更に押しつけ力を加えることができる。従って、外側に巻き掛けてあるろ布が内側に巻き掛けてあるろ布へ押しつけ力を与えるため、外側から内側にかけて次第に圧力が上昇しており、中心ロールに巻き掛けてあるろ布は最も高い圧力で圧搾される。
このような中心ロールを複数設置し、ろ布がそれぞれの中心ロールを互いに走行するため、中心ロールの中心からの距離により曲率半径が徐々に減少して段階的に圧搾圧力が増加し、サイドリークが発生せず、理想的な脱水が行える。
中心ロールに巻き掛けてあるろ布は、巻き掛ける回数を増やすごとに脱水時間を延長することができ、その他のロールを多数配設してろ布走行時間を確保する必要がなくなる。そのため、装置がコンパクトとなる。中心ロールに掛け回したろ布とろ布の間にはろ布同士の摩擦を軽減する間接材を配設するため、ろ布はスムーズに走行する。また、間接材の大きさ、配設位置を変更することで、所定位置の圧力を自在に調整できる。
本発明に係る多重掛けのベルトプレスの概略側面図である。 同じく、多重掛けのベルトプレスの要部側面図である。 同じく、ベルトプレスの間接材を支持するフレームの側面図である。 同じく、他の実施例1のベルトプレスであって、ろ布の走行順路を変更したものである。 同じく、他の実施例2のベルトプレスであって、ろ布の走行順路を変更したものである。 同じく、1枚のろ布で形成したろ過空間の断面図である。
本発明のベルトプレスは、上下一対のろ布と、ろ布を無端状に張設する複数のロールと、これらを支持するフレームより構成され、一対のろ布間で汚泥を脱水するものである。複数の中心ロールにろ布を交互に円弧状に複数回掛け回すことで、高い圧力を掛けながら脱水できる機構を備えている。中心ロールに複数回掛け回したろ布とろ布の間には、対向走行するろ布同士の接触を防止する間接材が配設されている。間接材は中心ロールの中心から放射線状に移動自在で、間接材に掛け回したろ布の押しつけ力を内側のろ布へ伝え、圧力をかける。ろ布は間接材に巻き掛けたろ布から中心ロールに巻き掛けたろ布へ向かうように走行させて脱水を行う。
図1は本発明に係る多重(6重/3重)掛けのベルトプレスの概略側面図である。中心ロール1,2にろ布3を多重に掛けるベルトプレスは、汚泥を供給する汚泥供給部4と、汚泥を挟んで脱水する上下一対の無端状のろ布3,3と、一対のろ布3,3に挟持した汚泥をせん断作用で濃縮するせん断ロール5と、ろ布3を六回掛け回す中心ロール1と、ろ布3を三回掛け回す中心ロール2と、ろ布3を中心ロール1,2に向かって回帰させるために巻き掛ける回帰ロール6(6a〜6)と、中心ロール1,2上を多重に対向して走行するろ布3間に配設する間接材7(7a〜7g)と、ろ布3から汚泥を剥離する剥離ロール8,8と、汚泥を排出する排出部9と、ろ布3のテンションを調整する緊張ロール10と、ろ布を排出部9から汚泥供給部4に案内する複数の案内ロール12と、で構成される。なお、必要に応じてせん断ロール5と中心ロール1の間にろ布3を案内する案内ロール11…を配設してもよい。
図1の多重多段掛けのベルトプレスについて詳述する。中心ロール1の周辺には間接材7を五段で構成し、外側から一段目を間接材7a、二段目を間接材7b、三段目を間接材7c、四段目を間接材7f、五段目を間接材7gとする。同様に、中心ロール2の周辺には間接材7を二段で構成し、外側から一段目を間接材7d、二段目を間接材7eとする。
間接材7としては、ろ布3間の摩擦を軽減できる公知の技術を採用でき、ここでは回転自在な円筒状のロールを用いる。以下、間接材7として用いるロールを間接ロール7とする。間接ロール7の回転方向がろ布3の走行方向と一致しているため、ろ布3の摩擦は極めて軽減される。また、間接ロール7で構成されるろ布3間の隙間からろ液が排出されることもあり、対向走行するろ布の接触を防止できる径の複数のロールを間接ロール7として用いることが好ましい。間接ロール7は中心ロール1,2の中心から放射線状に移動自在に配設してある。そのため、間接ロール7の外側を走行するろ布張力により、間接ロール7を介して中心ロール1,2に当接したろ布3に圧力を加える。従って、中心ロール1,2に当接したろ布3では、中心ロール1,2の面圧と共に、間接ロール7の押しつけ力による線圧も加わるため、高圧の脱水が行われる。
上下一対の無端状の重なり合ったろ布3をせん断ロール5に巻き掛け、複数の案内ロール11を経て一方の中心ロール1周辺に配設した間接ロール7aに当接して巻き掛けてある。
間接ロール7aに巻き掛けたろ布3は、続けて回帰ロール6aに巻き掛ける。回帰ロール6aに巻き掛けたろ布3は中心ロール1方向に回帰させて間接ロール7aより内側に配設した間接ロール7bに巻き掛ける。この時、ろ布3は間接ロール7aの中心ロール1側を通るように走行させる。同様に、間接ロール7bに巻き掛けたろ布3を回帰ロール6bに巻き掛けて回帰させた後、間接ロール7bの内側に配設した間接ロール7cに巻き掛ける。ここでもろ布3は間接ロール7bの中心ロール1側を通るように走行させ、ろ布3を間接ロール7b、間接ロール7c間で挟持するよう走行させる。
ろ布3の走行により間接ロール7a〜7cを中心ロール1側に押圧するので、中心ロール1上を対向走行するろ布3について、内側を走行するほど徐々にろ布3にかかる圧力が高くなる。
間接ロール7cに巻き掛けたろ布3を、他方の中心ロール2周辺に配設した間接ロール7dに当接して巻き掛ける。間接ロール7dに巻き掛けたろ布3は、続けて回帰ロール6cに巻き掛ける。回帰ロール6cに巻き掛けたろ布3は中心ロール2方向に回帰させて間接ロール7dより内側に配設した間接ロール7eに巻き掛ける。ここでもろ布3は間接ロール7dの中心ロール2側を通るように走行させ、ろ布3を間接ロール7d、間接ロール7e間で挟持するよう走行させる。
間接ロール7eに巻き掛けたろ布3を、一方の中心ロール1周辺に配設した間接ロール7fに当接して巻き掛ける。間接ロール7fに巻き掛けたろ布3は、続けて回帰ロール6dに巻き掛ける。回帰ロール6dに巻き掛けたろ布3は中心ロール1方向に回帰させて間接ロール7fより内側に配設した間接ロール7gに巻き掛ける。ここでもろ布3は間接ロール7fの中心ロール1側を通るように走行させ、ろ布3を間接ロール7f、間接ロール7g間で挟持するよう走行させる。
間接ロール7gに巻き掛けたろ布3は他方の中心ロール2に当接して巻き掛ける。中心ロール2に巻き掛けたろ布3は間接ロール7eの中心ロール2側を通るよう走行させ、ろ布3は間接ロール7eと中心ロール2で挟持するよう走行させる。
中心ロール2に巻き掛けたろ布3は一方の中心ロール1に当接して巻き掛ける。中心ロール1に巻き掛けたろ布3は間接ロール7gの中心ロール1側を通るよう走行させ、ろ布3は間接ロール7gと中心ロール1で挟持するよう走行させる。
中心ロール1に当接した一対のろ布3はケーキ排出部9で離間し、それぞれ剥離ロール8,8に巻き掛けられ、案内ロール12を介して無端状に走行させる。
ろ布3を走行させ、各間接ロール7a,7b,7c,7f,7gが中心ロール1の中心から放射線状に移動自在に配設した際の、ろ布3の張力は、それぞれ間接ロール7a,7b,7c,7f,7gを介して中心ロール1側を走行するろ布3に押しつけ力を伝える。同様に、各間接ロール7d,7eが中心ロール2の中心から放射線状に移動自在に配設した際の、ろ布3の張力は、それぞれ間接ロール7d,7eを介して中心ロール2側を走行するろ布3に押しつけ力を伝える。
また、本発明では間接ロール7の移動方向を放射線状としているが、移動方向としては放射曲線状等でもよく、間接ロール7が中心ロール1,2の円周面から離接自在であればどのような移動方向としてもよい。
複数の間接ロール7…は小径のものを狭い間隔で配設することで、間接ロール7による線圧が連続で加わり、中心ロール1,2に当接したろ布3に掛ける圧力を均一にすることができる。間接ロール7を円周方向に多く配設し、ろ布3と当接する区間を長くすると長時間圧搾が可能なため、脱水性の悪い汚泥などに適した運転ができる。このように、間接ロール7の大きさ、配設間隔等は処理汚泥に応じて適宜変更することができる。
また、間接ロール7が移動自在であるため、ろ布3を各ロールに巻き掛ける際などの作業性は良い。間接ロール7の移動は支持しているフレーム15で制限されるが、ろ布3と供給する汚泥の厚み分移動できるように支持すれば本発明の作用効果が得られる。
その他、間接材7として摩擦抵抗の低い樹脂シートを利用することもできる。ろ布3とろ布3の間に樹脂シートを配設し、樹脂シート上を滑らせてろ布3を走行させる。樹脂シートは中心ロール1,2に当接したろ布3に面で圧力を掛けるため、より均一な脱水が行える。
間接材7としては2重掛けのベルトプレスと同様のものが利用できる。間接ロール7を利用する場合、各段の間接ロール7a,7b,7c,7f,7gおよび間接ロール7d,7eはロールによる面圧を連続的に掛けるため、千鳥状に配設する。
なお、各段の間接ロール7a,7b,7c,7f,7gおよび間接ロール7d,7eの移動軸を同一線上とすれば、間接ロール7間でろ布3に線圧を加えることも可能で、強い圧力を掛けることもできる。
中心ロール1および中心ロール2周辺を走行するろ布3は、それぞれ間接ロール7a,7b,7c,7f,7gおよび間接ロール7d,7eに巻き掛けた外側のろ布3から、中心ロール1,2に当接したろ布3に向かって脱水しながら走行する。外側のろ布3はそれぞれ間接ロール7a,7b,7c,7f,7gおよび間接ロール7d,7eを介して内側のろ布3へ押しつけ力を掛けるため、中心ロール1,2に当接したろ布3に近づくほど外側のろ布3の押しつけ力が加わり、高い圧力が掛けられている。従って低い圧力から徐々に高い圧力で脱水するようになるため、急激に圧力を掛けた際に生じるサイドリークが発生せず、適切な脱水を行える。
図2は本発明に係る多重掛けのベルトプレスの要部側面図である。本発明のベルトプレスの中心ロール1,2に掛け回したろ布3は、ろ過工程A、加圧工程B、回帰工程C、圧搾工程Dを具備する。これらのろ布3は一対の無端状ろ布3が重なり合って構成されており、ろ布3間には汚泥が供給されている。
ろ過工程Aは、汚泥供給部4より供給された汚泥を徐々にろ過する工程である。ろ過工程Aでは、汚泥供給部4より供給された汚泥をろ布3で挟持してせん断ロール5に掛け回してある。一対のろ布3はせん断ロール5に近づくにつれ漸近するため、流動性の高い汚泥であっても徐々にろ過される。せん断ロール5に巻き掛けた一対のろ布3,3において、内周するろ布3の走行速度が速いことから内部にせん断力が生じている。従って、ろ過工程Aでは、せん断ロール5による面圧とろ布3のせん断力が掛かり、汚泥の液分がろ布を通して外部に排出される。せん断ロール5の径は後段の圧搾工程に必要な含水率や原液性状に応じて適宜設定する。
必要に応じて、せん断ロール5の後段の複数の案内ロール11…を配設し、案内ロール11にて同様にろ過しつつ、次工程に搬送してもよい。
加圧工程Bは、ろ布3を間接ロール7aから間接ロール7gに巻き掛けてある工程である。加圧工程B1〜B7をそれぞれ間接ロール7a〜7gに巻き掛けてある工程とする。
加圧工程Bでは、ろ布3を間接ロール7に巻き掛けてあり、間接ロール7は中心ロール1,2の中心方向へ放射線状に移動自在に配設しているため、間接ロール7に掛かる押しつけ力は、1段内側のろ布3へ伝えられる。
最も外側の加圧工程B1,B4ではろ布3に掛かる張力、せん断力、間接ロール7a,7dによる面圧によって脱水が行われる。
加圧工程B2,B3,B5,B6,B7では、回帰ロール6で回帰したろ布3を間接ロール7に巻き掛けてある。ろ布3に掛かる張力、せん断力、間接ロール7による面圧が加わると共に、間接ロール7による面圧と押しつけ力が加わり、加圧工程B1,4より高圧な脱水が行われている。
回帰工程Cは、間接ロール7に巻き掛けたろ布3を、回帰ロール6に巻き掛けて間接ロール7に向かって回帰させる工程である。回帰ロール6の外側から掛け回し、折り返したろ布3は間接ロール7の内側を通るように走行させる。
回帰ロール6を走行する際にろ布3に掛かる張力、せん断力、間接ロール7a,7dによる面圧によって脱水が行われる。
圧搾工程Dでは、回帰ロール6から回帰したろ布3を中心ロール1,2に当接するよう巻き掛け、且つろ布3を中心ロール1,2と間接ロール7に挟持されるよう走行させる。ろ布3は中心ロール1,2に巻き掛けたことで面圧を受け、更に加圧工程Bで掛けられる押しつけ力が間接ロール7を押しつけるため、間接ロール7による面圧も加わる。加圧工程Bの押しつけ力は圧搾工程Dのろ布3にそのまま伝わり圧搾するため、圧搾工程Dでは脱水工程の中で最も高い圧力で脱水されている。複数の中心ロールにて圧搾を行うため、後段の圧搾工程でより高圧で加圧できるように、中心ロールの径や圧搾圧力を調整する。
ろ液は各間接ロール7で形成された間隙や、中心ロール1,2と間接ロール7の微小な隙間から排出される。
圧搾工程Dを経たろ布3は離間して、それぞれ剥離ロール8,8に巻き掛けられケーキを排出し、無端状となるよう案内ロール12に巻き掛けられる。
図3は本発明に係るベルトプレスの間接材を支持するフレームの側面図である。
フレーム15は中心ロール1,2の左右に立設され、間接材7、ここでは間接ロール7が、中心ロール1,2の中心から放射線状に移動自在となるよう、間接材7の可動域に配設する。フレーム15は、間接材7を挿入支持する放射線状の支持穴16を有しており、間接材7が挿通自在、更に中心ロール1,2の中心から放射線状に移動自在に支持できる。
図示しないが、その他のベルトプレスの形態においても、それぞれ対応した支持穴16をフレーム15に形成することで間接材7を支持することができるため、同様のフレーム15を利用することができる。
フレーム15には間接材7が軸方向へ移動しないように保護板を設けてもよい。ベルトプレスの運転中にフレーム15の外に保護板を配設することで、ろ布3の蛇行により間接材7が左右にずれることや、支持穴16からの落下を防止することができる。また、保護板を着脱自在とすることで、メンテナンス時に取り外せば間接材7の装着、取り外しが容易に行える。アクリルガラス等の透過性を有する素材を用いると、ベルトプレス運転中に間接材7の不具合を早急に発見できる。
フレーム15は間接材7を支持できるようなものであればどのようなものでもよいが、実施例でフレーム15は平板状で中心ロール1の軸周辺に開口を設けているため、メンテナンス等の作業性がよくなっている。
この様なフレーム15で間接材7を支持することにより、ろ布3による外側からの押しつけ力を中心ロール1,2方向に伝えることができる。
また、本実施例では支持穴16が放射線状に形成されているが、支持穴16を放射曲線状、あるいは平行状等、間接ロール7が中心ロール1,2の円周面から離接自在に支持できるのであればどのような支持穴16でも構わない。
図4は他の実施例1のベルトプレスであって、ろ布の走行順路を変更したものである。他の実施例1では、複数の中心ロールの一方に多重に対向して走行させた後、他方に多重に対向して走行させている。中心ロール1の外側から間接ロール7間にろ布3を対向走行させた後、連続的に中心ロール2の外側から間接ロール7間にろ布を対向走行させることにより、ろ布3への圧搾圧力を徐々に増大させる。この時、後段の中心ロール2の径が前段の中心ロール1の径より小さいと、後段の中心ロール2でのせん断力が大きくなり高圧搾となる。


図5は他の実施例2のベルトプレスであって、同じくろ布の走行順路を変更したものである。他の実施例2では、複数の中心ロールにろ布3を交互に掛け回している。中心ロール1の間接ロール7にろ布3を掛け回した後、連続的に中心ロール2の間接ロール7にろ布3を掛け回し、回帰ロール6にてろ布3を中心ロール2の間接ロール7の内側を通るように走行させる。その後、連続的に中心ロール1、回帰ロール6、中心ロール2、回帰ロール6と走行させることによって、ろ布3への圧搾圧力を徐々に増大させる。
本実施例では2つの中心ロール1,2で圧搾を行っているが、3つ以上の中心ロール1,2,…に巻き掛けて圧搾を行ってもよい。また、複数の中心ロール間を走行するろ布3に徐々に高い圧搾力が加圧されるように、回帰ロールを掛け回す走行順路等は適宜選択できる。
なお、一対のろ布3,3に汚泥を供給した後、両端を折り返した状態で圧搾することで、サイドリークを発生し難い高圧搾用の構成としてもよい。また、図6のように無端状の一枚のろ布3上に原液を供給し、幅方向両端を原液供給側に重ね合わせるように折り返すことでろ過空間を形成したベルトプレスを構成してもよい。
本発明に係るベルトプレスは、中心ロールにろ布を複数回掛け回すことで、掛け回されたろ布の押しつけ力により後段のろ布を加圧するベルトプレスである。中心ロールを複数設置し、ろ布がそれぞれの中心ロールを互いに走行するため、中心ロールの中心からの距離により曲率半径が徐々に減少して段階的に圧搾圧力が増加し、サイドリークが発生せず、理想的な脱水が行える。少ないロール本数で脱水時間を確保することができるため装置がコンパクトとなり、産業用あるいは食品用等の汚泥処理や廃棄物処理に有用な高圧搾型ベルトプレスとなる。
1,2 中心ロール
3 ろ布
6 回帰ロール
7 間接材

Claims (2)

  1. ろ布(3)間に汚泥を供給して多数並列したロールに走行自在に掛け回して圧搾脱水するベルトプレスにおいて、ろ布(3)を互いに掛け回す複数の中心ロール(1,2,…)と、ろ布(3)を中心ロール(1,2,…)に向かって回帰させる回帰ロール(6)と、中心ロール(1,2,…)上を多重に対向して走行するろ布(3,3)間に配設する間接材(7)と、を備えると共に、前記回帰ロール(6)を介して複数の中心ロール(1,2,…)にろ布(3)を交互に巻き掛けることを特徴とした多段式ベルトプレス。
  2. 前記中心ロール(1)上を多重に対向して走行したろ布(3)を、次段の中心ロール(2)上に多重に対向して走行させることを特徴とした請求項1に記載の多段式ベルトプレス。
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