JP6231259B2 - 燃料電池用の膜電極接合体の製造方法 - Google Patents

燃料電池用の膜電極接合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、対向して回転する一対の加熱ローラーを用いてフィルム状の第1、第2の被圧着物を加熱圧着する圧着装置と、燃料電池用の膜電極接合体の製造方法に関する。
燃料電池に用いられる膜電極接合体は、電解質膜の両膜面に、燃料電池反応を促進させるための触媒を担持させたアノードおよびカソードの電極触媒層を接合させている。この膜電極接合体の製造方法としては、フィルム状の電解質膜と電極触媒層を形成済みの支持フィルムとを重ね合わせて、電極触媒層を電解質膜面に接合させ、加熱ローラーにて加熱圧着する手法が提案されている(下記特許文献1等参照)。この手法では、複数の膜電極接合体を連続して製造することができることから、多々採用されている。
特開2009−34941号公報
ところで、上記した手法で膜電極接合体を製造する場合、例えば、電解質膜フィルムや支持フィルムのロール補給や装置休止後の再稼働等の際には、加熱ローラーのローラー表面温度を、ローラー周囲に亘って予め均一としておくことが望ましい。そして、ローラー表面温度の均一化は、加熱ローラーを回転させながら加熱温度調整することが有効であるが、ローラー表面には例えば支持フィルムが接触していることから、ローラーの空回りによるフィルム損傷を招いてしまう。仮に支持フィルムがない状態で加熱ローラーを回転加熱させれば、フィルム損傷は回避できるものの、回転しつつ加熱されている一対の加熱ローラーに対して、フィルムの接触セット等が必要であった。なお、こうした事態は、膜電極接合体の加熱圧着に特有ではなく、一対の加熱ローラーによるフィルム同士の加熱圧着に共通して起き得る。
本発明は、上記した課題を踏まえ、対向して回転する一対の加熱ローラーを用いて被圧着物の加熱圧着を行うに当たり、被圧着物の損傷を回避した上での加熱ローラーの加熱温度調整と、加熱回転している加熱ローラーに対する被圧着物の装着性の向上とを両立し得る新たな加熱圧着手法を提供することを目的とする。
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明は、以下の形態または適用例として実施することができる。
圧着装置としての形態は、
対向して回転する一対の加熱ローラーを用いてフィルム状の第1、第2の被圧着物を加熱圧着する圧着装置であって、
前記一対の加熱ローラーの一方の加熱ローラーを、他方の加熱ローラーとで被圧着物の加熱圧着を図る圧着位置から離間する側に退避させる加熱ローラー退避機構と、
前記一対の加熱ローラーに前記第1、第2の被圧着物を案内するに当たり、前記第1、第2の被圧着物を前記一対の加熱ローラーに到る手前で接合させる第1経路と、該接合済みの前記第1、第2の被圧着物のいずれかの被圧着物を前記他方の加熱ローラーのローラー表面に接触させて前記接合済みの前記第1、第2の被圧着物を案内する第2経路とを形成して、前記第1、第2の被圧着物を前記一対の加熱ローラーの間の加熱圧着箇所に案内する案内機構とを備え、
該案内機構は、
前記ローラー退避機構により前記一方の加熱ローラーが前記圧着位置から退避すると、前記第2経路の途中に設けられた搬送ローラーを、前記接合済みの前記第1、第2の被圧着物が前記他方の加熱ローラーのローラー表面から離れる離間経路を取る側に移動して、前記接合済みの前記第1、第2の被圧着物を前記搬送ローラーにて案内する搬送ローラー移動部と、
前記接合済みの前記第1、第2の被圧着物の経路を前記搬送ローラーの移動により変更する際には、前記接合済みの前記第1、第2の被圧着物に掛かるテンションを吸収するテンション吸収部とを有する。
膜電極接合体の製造方法としての形態は、
対向して回転する一対の加熱ローラーを用いて燃料電池用の膜電極接合体を製造する製造方法であって、
第1の電極触媒層が電解質膜フィルムの一方のフィルム面に形成された該電解質膜フィルムと、第2の電極触媒層が支持フィルムの一方のフィルム面に形成された該支持フィルムとを準備する工程(a)と、
前記支持フィルムと前記電解質膜フィルムとを、前記一対の加熱ローラーに到る手前で、前記支持フィルムの前記第2の触媒層が前記電解質膜フィルムの他方のフィルム面に接合させた接合状態とし、該接合状態の前記支持フィルムと前記電解質膜フィルムとを前記一対の加熱ローラーの間の加熱圧着箇所に案内する工程(b)とを備え、
該工程(b)では、
前記接合状態の前記支持フィルムの他方の面を前記一対の加熱ローラーの一方の加熱ローラーのローラー表面に接触させてから、前記一対の加熱ローラーの回転により、前記支持フィルムと前記電解質膜フィルムとを前記加熱圧着箇所に導くと共に、
前記一対の加熱ローラーの他方の加熱ローラーが、前記一方の加熱ローラーとで前記加熱圧着箇所を形成する際の圧着位置から離間する側に退避すると、前記支持フィルムと前記電解質膜フィルムとを前記接合状態のまま、前記支持フィルムの前記他方の面が前記ローラー表面から離れた経路で案内し、
前記接合状態の前記支持フィルムと前記電解質膜フィルムとを案内する経路を変更する際には、前記接合状態の前記支持フィルムと前記電解質膜フィルムに掛かるテンションを吸収する。
[適用例1:圧着装置]
対向して回転する一対の加熱ローラーを用いてフィルム状の第1、第2の被圧着物を加熱圧着する圧着装置であって、前記一対の加熱ローラーの一方の加熱ローラーを、他方の加熱ローラーとで被圧着物の加熱圧着を図る圧着位置から離間する側に退避させる加熱ローラー退避機構と、前記一対の加熱ローラーに前記第1、第2の被圧着物を案内するに当たり、前記第1、第2の被圧着物を前記一対の加熱ローラーに到る手前で接合させる第1経路と、該接合済みの前記第1、第2の被圧着物のいずれかの被圧着物を前記他方の加熱ローラーのローラー表面に接触させて前記接合済みの前記第1、第2の被圧着物を案内する第2経路とを形成して、前記第1、第2の被圧着物を前記一対の加熱ローラーの間の加熱圧着箇所に案内する案内機構とを備え、該案内機構は、前記ローラー退避機構により前記一方の加熱ローラーが前記圧着位置から退避すると、前記第2経路の途中に設けられた搬送ローラーを、前記接合済みの前記第1、第2の被圧着物が前記他方の加熱ローラーのローラー表面から離れる離間経路を取る側に移動して、前記接合済みの前記第1、第2の被圧着物を前記搬送ローラーにて案内する搬送ローラー移動部を有することを要旨とする。
この適用例1の圧着装置では、その有する加熱ローラー退避機構により、前記一対の加熱ローラーの一方の加熱ローラーを圧着位置から退避させることで、この一方の加熱ローラーと他方の加熱ローラーとを離間させる。その上で、こうして加熱ローラーを退避させた状態では、案内機構の有する搬送ローラー移動部にて、搬送ローラーを移動して、前記接合済みの前記第1、第2の被圧着物(以下、単に、接合済み被圧着物と称する)の経路を、前記他方の加熱ローラーのローラー表面から離れる離間経路となるように変更する。この加熱ローラーの退避と接合済み被圧着物の経路変更とをなしている間では、加熱ローラーを被圧着物に接触させないので、上記の適用例1の圧着装置によれば、被圧着物の損傷を回避した上で、加熱ローラーを回転させつつ加熱温度調整を図ることができる。しかも、一対の加熱ローラーは、加熱温度調整のために回転しているものの、上記の加熱ローラー退避により離間しているので、接合済み被圧着物の装着は簡便となり、装着性が高まる。
上記した適用例1の圧着装置は、次のような態様とすることができる。例えば、前記一対の加熱ローラーを、前記一方の加熱ローラーが前記圧着位置から退避した状態で、回転させながら加熱温度調整する。そして、退避済みの一方の加熱ローラーの前記圧着位置への復帰に先立って前記搬送ローラーを移動して、接合済み被圧着物を前記離間経路から、ローラー表面に接触する第2経路に戻すようにできる。こうすれば、加熱ローラーの加熱温度調整後に、接合済み被圧着物の加熱圧着を簡便に再開できる。
[適用例2:膜電極接合体の製造方法]
対向して回転する一対の加熱ローラーを用いて燃料電池用の膜電極接合体を製造する製造方法であって、第1の電極触媒層が電解質膜フィルムの一方のフィルム面に形成された該電解質膜フィルムと、第2の電極触媒層が支持フィルムの一方のフィルム面に形成された該支持フィルムとを準備する工程(a)と、前記支持フィルムと前記電解質膜フィルムとを、前記一対の加熱ローラーに到る手前で、前記支持フィルムの前記第2の触媒層が前記電解質膜フィルムの他方のフィルム面に接合させた接合状態とし、該接合状態の前記支持フィルムと前記電解質膜フィルムとを前記一対の加熱ローラーの間の加熱圧着箇所に案内する工程(b)とを備え、該工程(b)では、前記接合状態の前記支持フィルムの他方の面を前記一対の加熱ローラーの一方の加熱ローラーのローラー表面に接触させてから、前記一対の加熱ローラーの回転により、前記支持フィルムと前記電解質膜フィルムとを前記加熱圧着箇所に導くと共に、前記一対の加熱ローラーの他方の加熱ローラーが、前記一方の加熱ローラーとで前記加熱圧着箇所を形成する際の圧着位置から離間する側に退避すると、前記支持フィルムと前記電解質膜フィルムとを前記接合状態のまま、前記支持フィルムの前記他方の面が前記ローラー表面から離れた経路で案内することを要旨とする。
上記した適用例2の膜電極接合体の製造方法によれば、一対の加熱ローラーの加熱温度調整の際の損傷を受けることなく、膜電極接合体を簡便に製造できる。しかも、接合済みの支持フィルムと電解質膜フィルムを簡便に装着できるので、適用例2の膜電極接合体の製造方法によれば、膜電極接合体の製造手順の簡略化も図ることができる。
この場合、上記の適用例2の製造方法で得た膜電極接合体を、ガス拡散層で挟持し、その上でセパレーターにて挟持するようにすれば、燃料電池の製造方法としても適用できる。
実施例の燃料電池10を構成する単セル15を断面視して概略的に示す説明図である。 MEAの構成部材の接合の様子をその寸法状態と合わせて模式的に示す説明図である。 燃料電池10の製造手順を示す説明図である。 準備する電解質膜フィルム20Fとアノード支持フィルムDFの準備の形態を模式的に示す説明図である。 MEA製造装置100の概略構成を各搬送箇所でのフィルムの形態と共に模式的に示す説明図である。 第2加熱ローラー142の温度調整の際の各ローラーの挙動を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、その実施例を図面に基づき説明する。図1は実施例の燃料電池10を構成する単セル15を断面視して概略的に示す説明図、図2はMEAの構成部材の接合の様子をその寸法状態と合わせて模式的に示す説明図である。本実施例の燃料電池10は、図1に示す構成の単セル15を対向するセパレーター25、26で挟持して、この単セル15を複数積層したスタック構造の固体高分子型燃料電池である。
単セル15は、電解質膜20の両側にアノード21とカソード22の両電極を備える。電解質膜20は、固体高分子材料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。アノード21およびカソード22は、例えば白金、あるいは白金合金等の触媒を担持した導電性粒子、例えばカーボン粒子(以下、触媒担持カーボン粒子と称する)を、プロトン伝導性を有するアイオノマーで被覆して形成された電極触媒層であり、電解質膜20の両膜面に接合され電解質膜20と共に膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly/MEA)を形成する。通常、アイオノマーは、電解質膜20と同質の固体高分子材料である高分子電解質樹脂(例えばフッ素系樹脂)であり、その有するイオン交換基によりプロトン伝導性を有する。
この他、単セル15は、電極形成済みの電解質膜20を両側から挟持するアノード側ガス拡散層23とカソード側ガス拡散層24とセパレーター25,26を備え、両ガス拡散層は、対応する電極(アノード21またはカソード22)に接合されている。アノード側ガス拡散層23とカソード側ガス拡散層24は、ガス透過性を有する導電性部材、例えば、カーボンペーパやカーボンクロス等のカーボン多孔質体や、金属メッシュや発泡金属等の金属多孔質体によって形成される。本実施例では、電解質膜20とアノード21およびカソード22で形成されるMEAを、アノード側ガス拡散層23とカソード側ガス拡散層24で挟持した状態で単セル15の基幹部位を製造する。よって、MEAに上記の両ガス拡散層を含めた物をMEGA(Membrane-Electrode&Gas. Diffusion Layer Assembly)と、適宜、称することとする。
図2に示すように、アノード21は、電解質膜20とほぼ同寸法の矩形形状とされ、カソード22は、アノード21より縦横とも短くされている。アノード側ガス拡散層23とカソード側ガス拡散層24は、ほぼ同寸法の矩形形状とされ、アノード側ガス拡散層23は、アノード21より縦横とも同寸もしくはやや短くされている。カソード側ガス拡散層24は、アノード側ガス拡散層23とほぼ同寸法とされている。なお、アノード21、アノード側ガス拡散層23等は上記のようにその寸法が相違するが、単セル15としての組み付け状態では、これらはその周囲において図示しないシール部材にて気密にシールされる。
セパレーター25は、アノード側ガス拡散層23の側に、水素を含有する燃料ガスを流すセル内燃料ガス流路47を備える。セパレーター26は、カソード側ガス拡散層24の側に、酸素を含有する酸化ガス(本実施例では、空気)を流すセル内酸化ガス流路48を備える。なお、図には記載していないが、隣り合う単セル15間には、例えば、冷媒が流れるセル間冷媒流路を形成することができる。これらセパレーター25,26は、ガス不透過な導電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボンや、焼成カーボン、あるいはステンレス鋼などの金属材料により形成されている。
図1では図示していないが、セパレーター25,26の外周近傍の所定の位置には、複数の孔部が形成されている。これらの複数の孔部は、セパレーター25,26が他の部材と共に積層されて燃料電池10が組み立てられたときに互いに重なって、燃料電池10内を積層方向に貫通する流路を形成する。すなわち、上記したセル内燃料ガス流路47やセル内酸化ガス流路48、あるいはセル間冷媒流路に対して、燃料ガスや酸化ガス、あるいは冷媒を給排するためのマニホールドを形成する。
本実施例の燃料電池10は、セパレーター25のセル内燃料ガス流路47からの水素ガスを、アノード側ガス拡散層23で拡散ししつつ、アノード21に供給する。空気については、セパレーター26のセル内酸化ガス流路48からの空気を、カソード側ガス拡散層24で拡散ししつつカソード22に供給する。こうしたガス供給を受けて、燃料電池10は、発電し、その発電電力を外部の負荷に与える。
次に、燃料電池10の製造方法について説明する。図3は燃料電池10の製造手順を示す説明図である。図示するように、燃料電池10を製造するに当たっては、まず、その構成単位である単セル15を作製する。
単セル15の作製に当たり、その構成部材を準備する(ステップS100)。図4は準備する電解質膜フィルム20Fとアノード支持フィルムDFの準備の形態を模式的に示す説明図である。図示するように、電解質膜フィルム20Fについては、電解質膜20の上記の高分子電解質樹脂を用いてフィルム状に電解質膜フィルム20Fを形成し、その一方のフィルム面に、カソード22を点在させて形成する。電解質膜フィルム20Fの他方のフィルム面には、剥離可能なバックフィルムBFを貼り付ける。このバックフィルムBFについては、これを、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等のポリエステル系、ポリスチレン等の高分子フィルムによって形成することができる。こうして、電解質膜フィルム20Fをロール状に巻き取った電解質膜フィルムロール20Rを準備する。カソード22は、触媒担持カーボン粒子とアイオノマーとを分散させた触媒インクを適宜な塗布機器にて電解質膜フィルム20Fに塗布し、その後の乾燥を経て形成される。カソード22は、図中の側面断面視に示すように、電解質膜フィルム20Fのフィルム幅より狭くされ、上記した寸法関係で形成される。以下、カソード22が形成済みでバックフィルムBFが貼り付け済みの電解質膜フィルム20F、およびバックフィルムBFの剥離済みの電解質膜フィルム20Fを、積層済み電解質膜フィルム20Fと称する。
アノード支持フィルムDFは、一方のフィルム面に、その長手方向に亘ってアノード21を備える。アノード支持フィルムDFは、形成済みのアノード21に対して剥離可能であり、アノード21の形成済みの状態でロール状に巻き取られ、アノード支持フィルムロールDRとして準備される。このアノード支持フィルムDFは、PETやPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の高分子フィルムによって形成される。アノード21は、上記の触媒インクを適宜な塗布機器にて連続的に塗布した後に乾燥することで形成される。アノード支持フィルムDFは、電解質膜フィルム20Fと同じフィルム幅であることから、アノード21は、アノード支持フィルムDFの全面に形成され、これにより、電解質膜フィルム20Fと同じ幅となる。以下、アノード21が形成済みのアノード支持フィルムDFを、積層済みアノード支持フィルムDFと称する。
このように電極触媒層を形成しながら上記の両フィルムロールを準備するほか、電極触媒層が形成済みでロール状に巻き取られた電解質膜フィルムロール20Rやアノード支持フィルムロールDRを購入準備することもできる。なお、アノード側およびカソード側の拡散層については、導電性で多孔質の基材、例えばカーボンクロスを上記の矩形サイズで一枚ずつ準備される(図示略)。セパレーター25、26については、それぞれセル内燃料ガス流路47、48を有する形態で準備される(図示略)。
上記のステップS100に続いて、積層済み電解質膜フィルム20Fと積層済みアノード支持フィルムDFとからMEAを作製する(ステップS110)。図5はMEA製造装置100の概略構成を各搬送箇所でのフィルムの形態と共に模式的に示す説明図である。このMEA製造装置100は、第1搬送系110と、第2搬送系120と、フィルム接合部130と、フィルム加熱圧着部140と、フィルム剥離部150と、半製品回収部160と、制御装置200とを備えている。なお、この図5は、フィルム搬送とフィルム接合、並びにフィルム形態の様子を模式的に示しており、実際の電解質膜フィルム20Fやアノード支持フィルムDF、アノード21およびカソード22の厚みや縦横サイズを反映したものではない。
第1搬送系110は、電解質膜フィルムロール20Rに巻き取られた電解質膜フィルム20Fをフィルム接合部130に送り出す。送り出された電解質膜フィルム20Fは、搬送ポイントP1のフィルム形態に示すように、バックフィルムBFと電解質膜フィルム20Fとが積層し、電解質膜フィルム20Fのフィルム面(上面)にカソード22が点在形成されている。この第1搬送系110は、搬送下流側にフィルム剥離ローラー112を備え、当該ローラーを回転させつつ電解質膜フィルム20FからバックフィルムBFを剥離し、当該剥離したバックフィルムBFを回収ローラー114に巻き取り回収する。よって、第1搬送系110は、積層済み電解質膜フィルム20Fを、バックフィルムBFの側のフィルム面を露出させて、フィルム接合部130に送り出す。第2搬送系120は、アノード支持フィルムロールDRに巻き取り済みのアノード支持フィルムDFをフィルム接合部130に送り出す。アノード支持フィルムDFは、搬送ポイントP2のフィルム形態に示すように、アノード21が上記の電解質膜フィルム20Fの露出フィルム面を向くようにして、送り出される。MEA製造装置100は、こうして送り出された積層済み電解質膜フィルム20Fと積層済みアノード支持フィルムDFとをフィルム接合部130にて接合させる。
フィルム接合部130は、積層済み電解質膜フィルム20Fにおけるカソード22の露出面(上面)にローラー表面を接触させる接合ローラー131と、積層済みアノード支持フィルムDFの露出面(下面)の側に位置する接合案内ローラー132とを備える。接合ローラー131は、回転しながら積層済み電解質膜フィルム20Fをフィルム加熱圧着部140に向けて送り出すと共に、この電解質膜フィルム20Fを積層済みアノード支持フィルムDFのアノード21に押し付ける。これにより、積層済み電解質膜フィルム20Fと積層済みアノード支持フィルムDFとは、電解質膜フィルム20Fの露出面にアノード21が密着するようにして、接合する。この接合の様子は、搬送ポイントP3のフィルム形態で示されており、電解質膜フィルム20Fの下面にアノード21が接合し、電解質膜フィルム20Fを挟んで、アノード21とカソード22が向き合う。アノード支持フィルムDFにあっては、アノード21に接合したままである。こうしたフィルム接合に関与する第1搬送系110と第2搬送系120およびフィルム接合部130は、積層済み電解質膜フィルム20Fとアノード支持フィルムDFを後述のフィルム加熱圧着部140の加熱ローラーに到る手前で接合させる経路を形成することになる。この場合、アノード支持フィルムDFを図示しない案内レール等で案内して、接合ローラー131の押し付け力をこの案内レール側に及ぼせば、上記のフィルム接合はより確実となる。
接合案内ローラー132は、接合ローラー131より下流側に位置してアノード支持フィルムDFの下面に接し、接合済みの電解質膜フィルム20Fとアノード支持フィルムDFが後述のフィルム加熱圧着部140の加熱ローラーに到る経路を接合ローラー131と協働して形成する。この接合案内ローラー132は、自転してフィルム搬送に関与するようにできるほか、従動回転してフィルム搬送に関与するようにもできる。また、この接合案内ローラー132は、図における紙面手前側と紙面奥側のローラー軸両端にて、図示しないし支持腕に回転自在に支持されており、この支持腕ごと移動可能とされている。このローラー移動については、後述する。
フィルム加熱圧着部140は、対向して回転する一対の加熱ローラー対を備え、当該ローラー対を、第1加熱ローラー141と第2加熱ローラー142とで構成する。この両ローラーは、図示しないヒーターを内蔵し、制御装置200からのヒーター制御と回転制御を受けて、回転しながらローラー表面をフィルムの加熱圧着に適した温度とする。また、第1加熱ローラー141と第2加熱ローラー142は、その対向間隔を上記の接合済みの電解質膜フィルム20Fとアノード支持フィルムDFの厚みの和よりやや狭くしており、この対向箇所をフィルム加熱圧着箇所とする。第2加熱ローラー142は、図における紙面手前側と紙面奥側のローラー軸両端にて、図示しないし支持腕に回転自在に支持されており、この支持腕ごと移動可能とされている。このローラー移動については、後述する。
フィルム加熱圧着部140は、接合ローラー131と接合案内ローラー132とで案内された接合済み電解質膜フィルム20Fとアノード支持フィルムDF(以下、これらフィルムを一体として接合済みフィルムSFと適宜称する)を、上記の両加熱ローラーの加熱圧着箇所に案内する。この案内に際しては、図示するように、アノード支持フィルムDFを第1加熱ローラー141のローラー表面に接触させる。よって、第1加熱ローラー141は、接合済みの電解質膜フィルム20Fとアノード支持フィルムDFのうちのアノード支持フィルムDFを第1加熱ローラー141のローラー表面に接触させて、上記接合済みの電解質膜フィルム20Fとアノード支持フィルムDFを上記の加熱圧着箇所に案内する経路を、接合ローラー131と接合案内ローラー132と協働して形成する。そして、第1加熱ローラー141と第2加熱ローラー142とは、接合済みの電解質膜フィルム20Fとアノード支持フィルムDFを両面から加熱しつつ加圧することによって、電解質膜フィルム20Fにアノード支持フィルムDFのアノード21を加熱圧着し、加熱圧着済みの両フィルムを、テンションローラー143にてテンションを掛けつつ下流のフィルム剥離部150に搬送する。
フィルム剥離部150は、剥離ローラー151と、搬送ローラー152と、テンションローラー153とを備えている。剥離ローラー151は、搬送ローラー152と対向配置され、テンションローラー153にて搬送経路が変更されたアノード支持フィルムDFを、アノード21から剥離する。剥離後のフィルムの様子は、搬送ポイントP4のフィルム形態に示すように、アノード支持フィルムDFがない状態で、電解質膜フィルム20Fの下面にアノード21が接合し、電解質膜フィルム20Fを挟んで、アノード21とカソード22が向き合う。つまり、フィルム状のMEAフィルムMFが得られることになり、このMEAフィルムMFは半製品回収部160に搬送される。剥離されたアノード支持フィルムDFは、回収ローラー154に巻き取り回収される。
半製品回収部160は、バックフィルム補給ローラーBFRと、搬送ローラー161と、テンションローラー162と、半製品回収ローラー163とを備えている。搬送ローラー161は、MEAフィルムMFを搬送しつつ、バックフィルム補給ローラーBFRから送り出されたバックフィルムBFを、MEAフィルムMFのカソード22に重ね合わせ、この状態で、バックフィルムBFおよびMEAフィルムMFをテンションローラー162に搬送する。テンションローラー162は、経路を屈曲させつつテンションを掛けることで、搬送ポイントP4のフィルム形態のカソード22にバックフィルムBFを接合する。バックフィルムBFの接合済みのMEAフィルムMFは、単セル15(図2参照)に組み込まれる矩形形状ではないので、MEA半製品として半製品回収ローラー163に巻き取り回収される。回収されたMEAフィルムMFは、図示しないフィルム切断装置にて矩形形状に切断されてMEAとしてMEGAの作製に用いられるほか、フィルム形態のままMEGAの作製に用いることもできる。また、半製品回収ローラー163に巻き取った半製品のMEAフィルムMFとして、燃料電池製造ラインに出荷することもできる。
制御装置200は、図示しない各種スイッチやセンサーの入力を受けつつ、既述した各ローラーの回転速度を調整制御するほか、第1加熱ローラー141と第2加熱ローラー142の両加熱ローラーの温度についてもこれを制御する。また、接合案内ローラー132と第2加熱ローラー142とについては、後述するような、ローラー移動制御にも関与する。
既述したように、MEAフィルムMFが得られると、図3のステップS120にて、フィルム状のMEGAを作製する。つまり、上記のMEAフィルムMFの表裏面にアノード側ガス拡散層23とカソード側ガス拡散層24を、ホットプレス等の手法にて接合し、ガス拡散層接合済みのMEAフィルムMFを切断して、MEAをその両側でアノード側ガス拡散層23とカソード側ガス拡散層24で挟持した矩形状のMEGAを得る。MEAフィルムMFを予め矩形形状に切断しておいて、上記の両ガス拡散層を接合するようにすることもできる。また、切断しないまま、或いは切断した状態のMEGAを、燃料電池製造ラインに出荷することもできる。
次いで、このMEGAをセパレーター25とセパレーター26とで挟持して単セル15を作製し(ステップS130)、所定数の単セル15を積層してスタック状に組み立て、これを積層方向に締結する(ステップS140)。これにより、図1に示した燃料電池10が得られる。
既述したステップS110でのMEA作製の際には、フィルム加熱圧着部140は、第2加熱ローラー142を、第1加熱ローラー141に近接させて当該ローラーとで加熱圧着を図る圧着位置に置く(図5参照)。そして、フィルム加熱圧着部140は、カソード22の積層済み電解質膜フィルム20Fと、アノード21の積層済みアノード支持フィルムDFとが接合ローラー131にて接合された接合済みフィルムSFを加熱圧着箇所に導き、電解質膜フィルム20Fにアノード21が接合するよう接合済みフィルムSFを加熱圧着する。こうしてMEAの作製が継続されると、電解質膜フィルムロール20R(図5参照)の電解質膜フィルム20Fやアノード支持フィルムロールDRのアノード支持フィルムDFの残存量は減ってくるので、その補給が必要となる。こうした際には、残存するフィルム末端を新たなフィルムローラーに巻かれたフィルム先端と繋ぐことが往々にして行われる。或いは、燃料電池のスペックが変わる等のために、既存の電解質膜フィルム20Fやアノード支持フィルムDFを交換する、いわゆる段取り替えもMEA製造の上では常態化している。
本実施例のMEA製造装置100は、フィルム補給や段取り替えに当たり、次のようにしてローラー移動を図った上で、フィルム加熱圧着部140における第2加熱ローラー142の温度調整を行う。図6は第2加熱ローラー142の温度調整の際の各ローラーの挙動を模式的に示す説明図である。図示するように、フィルム加熱圧着部140は、第2加熱ローラー142をローラー移動機構145と係合して備える。このローラー移動機構145は、図における紙面手前側と紙面奥側のローラー軸両端を支持腕146にて回転自在に支持し、支持腕146を伸縮することで、第2加熱ローラー142を支持腕146ごと移動させる。また、フィルム加熱圧着部140は、接合済みフィルムSFを既述した経路でフィルム加熱圧着部140に案内する132についても、これをローラー移動機構147と係合して備える。このローラー移動機構147は、図における紙面手前側と紙面奥側のローラー軸両端を支持腕148にて回転自在に支持し、支持腕146を伸縮することで、接合案内ローラー132を支持腕148ごと移動させる。
通常、作業者は、フィルム補給や段取り替えに当たって、所定のスイッチ、例えば温度調整作業スイッチ等を操作する。MEA製造装置100の制御装置200は、上記したスイッチ入力を待機し、当該スイッチ入力があると、ローラー移動機構145を制御して、第2加熱ローラー142を回転駆動させたまま、第1加熱ローラー141と近接対向していた圧着位置から退避させる(図6(B)参照)。これにより、第1加熱ローラー141と第2加熱ローラー142とを離間させる。
制御装置200は、第2加熱ローラー142の退避に続き、ローラー移動機構147を制御して、接合案内ローラー132を移動させる(図6(C)参照)。この接合案内ローラー132の移動は、当該ローラーが案内していた接合済みフィルムSFの経路が、接合済みフィルムSFのアノード支持フィルムDFが第1加熱ローラー141のローラー表面から離れる離間経路となるまでなされる。この接合案内ローラー132の移動に伴う経路変更により、接合済みフィルムSFには、それまでと異なるテンションが掛かる。よって、制御装置200は、接合ローラー131の従動回転制御や、図5に示す電解質膜フィルムロール20Rおよびアノード支持フィルムロールDRのフィルム送り出し駆動等を行って、接合済みフィルムSFに掛かるテンションを吸収する。こうすることで、接合済みフィルムSFは、スムースに経路変更を来す。
本実施例のMEA製造装置100は、上記の第2加熱ローラー142の退避と、接合案内ローラー132の移動に伴う接合済みフィルムSFの経路変更とをなしている間において、第1加熱ローラー141を接合済みフィルムSFに接触させない。よって、本実施例のMEA製造装置100によれば、第1加熱ローラー141をその温度調整のために回転させても、接合済みフィルムSFに接触したままの空回りを起こさない。これにより、接合済みフィルムSFの損傷を回避した上で、第1加熱ローラー141および第2加熱ローラー142を回転させつつ加熱温度調整でき、ローラー表面温度の均一化の上で有益となる。しかも、第1加熱ローラー141と第2加熱ローラー142を加熱温度調整のために回転しているものの、両加熱ローラーを第2加熱ローラー142の退避により離間させている。よって、段取り替えの接合済みフィルムSFを改めて接合案内ローラー132に係合させるフィルム装着が必要となっても、本実施例のMEA製造装置100によれば、このフィルム装着が簡便となり、装着性が高まる。
作業者は、既述したフィルム補給や段取り替えが完了すると、所定のスイッチ、例えば作業完了スイッチを操作する。MEA製造装置100の制御装置200は、上記したスイッチ入力を待機し、当該スイッチ入力があると、ローラー移動機構145を制御して、第2加熱ローラー142を元の加熱圧着位置に復帰させる。なお、フィルム補給や段取り替えの作業中に、通常、第1加熱ローラー141や第2加熱ローラー142は、回転しながらの温度調整により、所定温度に調整される。よって、上記の完了スイッチ入力と同時にローラー復帰を図るようにできるが、数分程度の時間差を持ってローラー復帰を図るようにすることもできる。
本実施例のMEA製造装置100では、第2加熱ローラー142を退避位置から元の加熱圧着位置に復帰させるに当たり、この第2加熱ローラー142のローラー復帰に先立ってローラー移動機構147を制御して、接合案内ローラー132を元のフィルム案内位置に復帰移動させる。この接合案内ローラー132の復帰移動により、接合済みフィルムSFをアノード支持フィルムDFが第1加熱ローラー141のローラー表面に接触しない離間経路から、アノード支持フィルムDFがローラー表面に接触する元の経路に戻す。こうした上で、本実施例のMEA製造装置100は、第2加熱ローラー142を第1加熱ローラー141に近接対向した加熱圧着位置に復帰させる。よって、本実施例のMEA製造装置100によれば、第1加熱ローラー141や第2加熱ローラー142の加熱温度調整後に、接合済みフィルムSFの加熱圧着を簡便に再開でき、生産性が高まる。
また、本実施例のMEA製造装置100では、接合案内ローラー132を元のフィルム案内位置に復帰移動させる際、接合ローラー131の従動回転制御、或いは逆回転制御、図5に示す電解質膜フィルムロール20Rおよびアノード支持フィルムロールDRのフィルム巻き戻し駆動等を行う。よって、接合案内ローラー132の復帰移動の際に、接合済みフィルムSFに弛みを残さないようにできる。フィルムの弛みは、加熱圧着の信頼性や品質の低下を来し易いが、本実施例のMEA製造装置100によれば、加熱圧着の再開当初から、加熱圧着の信頼性や品質を確保できる。加えて、上記の接合ローラー131の回転制御やフィルムの巻き戻し駆動を行うので、接合済みフィルムSFが加熱圧着されないままフィルム加熱圧着部140から搬送されないので、歩留まりも向上する。
また、本実施例のMEA製造装置100を用いたMEAの製造方法によれば、第1加熱ローラー141や第2加熱ローラー142の加熱温度調整の際の損傷を受けることなく、MEAを簡便に製造できる。しかも、フィルム補給や段取り替えの際に、接合済みフィルムSFを簡便に装着できるので、MEAの製造手順の簡略化や生産性の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、上記の実施例では、アノード21を形成済みの接合済みフィルムSFとカソード22を形成済みの電解質膜フィルム20Fとを、電解質膜フィルム20Fのフィルム面にアノード21が接合するよう、両フィルムを加熱圧着してMEAを製造したが、MEA以外のフィルム圧着に用いることもできる。
また、第2加熱ローラー142を加熱圧着位置から退避するようにしたが、第1加熱ローラー141を退避させたり、両加熱ローラーを退避させたりすることもできる。
10…燃料電池
15…単セル
20…電解質膜
20F…電解質膜フィルム
20R…電解質膜フィルムロール
21…アノード
22…カソード
23…アノード側ガス拡散層
24…カソード側ガス拡散層
25〜26…セパレーター
47…セル内燃料ガス流路
48…セル内酸化ガス流路
100…MEA製造装置
110…第1搬送系
112…フィルム剥離ローラー
114…回収ローラー
120…第2搬送系
130…フィルム接合部
131…接合ローラー
132…接合案内ローラー
140…フィルム加熱圧着部
141…第1加熱ローラー
142…第2加熱ローラー
143…テンションローラー
145…ローラー移動機構
146…支持腕
147…ローラー移動機構
148…支持腕
150…フィルム剥離部
151…剥離ローラー
152…搬送ローラー
153…テンションローラー
154…回収ローラー
160…半製品回収部
161…搬送ローラー
162…テンションローラー
163…半製品回収ローラー
200…制御装置
P1〜P4…搬送ポイント
DF…アノード支持フィルム
BF…バックフィルム
MF…MEAフィルム
SF…接合済みフィルム
DR…アノード支持フィルムロール
BFR…バックフィルム補給ローラー

Claims (1)

  1. 対向して回転する一対の加熱ローラーを用いて燃料電池用の膜電極接合体を製造する製造方法であって、
    第1の電極触媒層が電解質膜フィルムの一方のフィルム面に形成された該電解質膜フィルムと、第2の電極触媒層が支持フィルムの一方のフィルム面に形成された該支持フィルムとを準備する工程(a)と、
    前記支持フィルムと前記電解質膜フィルムとを、前記一対の加熱ローラーに到る手前で、前記支持フィルムの前記第2の電極触媒層が前記電解質膜フィルムの他方のフィルム面に接合させた接合状態とし、該接合状態の前記支持フィルムと前記電解質膜フィルムとを前記一対の加熱ローラーの間の加熱圧着箇所に案内する工程(b)とを備え、
    該工程(b)では、
    前記接合状態の前記支持フィルムの他方の面を前記一対の加熱ローラーの一方の加熱ローラーのローラー表面に接触させてから、前記一対の加熱ローラーの回転により、前記支持フィルムと前記電解質膜フィルムとを案内経路で前記加熱圧着箇所に導くと共に、
    前記一対の加熱ローラーの他方の加熱ローラーが、前記一方の加熱ローラーとで前記加熱圧着箇所を形成する際の圧着位置から離間する側に退避すると、前記支持フィルムと前記電解質膜フィルムとを前記接合状態のまま、前記支持フィルムの前記他方の面が前記ローラー表面から離れた離間経路で案内し、
    前記接合状態の前記支持フィルムと前記電解質膜フィルムとを案内する経路を変更する際には、前記接合状態の前記支持フィルムと前記電解質膜フィルムに掛かるテンションを吸収し、
    前記一方の加熱ローラーが前記圧着位置から退避した状態で、前記一対の加熱ローラーを回転させながら加熱温度調整し、
    前記加熱温度調整の後に、前記一方の加熱ローラーを前記圧着位置に復帰させ、
    前記加熱温度調整の後の前記一方の加熱ローラーの前記圧着位置への復帰に先立って、前記接合状態の前記支持フィルムと前記電解質膜フィルムとを前記離間経路から前記案内経路に戻す
    膜電極接合体の製造方法。
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