JP5924233B2 - 接合装置および接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池に関する。
固体高分子形燃料電池(以下、単に「燃料電池」と呼ぶ。)は、発電体として膜電極接合体を備える。膜電極接合体は、電解質膜と、その両面に配置される触媒電極と、を備える。電解質膜はイオン交換樹脂の薄膜によって構成される。また、触媒電極は、触媒担持粒子の分散液(いわゆる、触媒インク)の塗膜として形成される。
従来から、膜電極接合体の製造工程としては、帯状の電解質膜を長尺方向に沿って搬送しつつ、触媒電極を構成する電極部材をホットプレスによって連続的に接合(転写)する流れ工程が採用されている。特許文献1には、搬送中の高分子電解質膜に対して、第1の触媒電極と第2の触媒電極とを、第1のロールプレイスと第2のロールプレイスとにおいてそれぞれ順に転写する技術が開示されている。特許文献2には、二段階の第1と第2の熱プレス部による二段階のホットプレス工程によって、搬送中の電解質膜の両面に触媒層を同時に転写する技術が開示されている。
特開2010−73639号公報 特開2010−182563号公報
ところで、電解質膜は湿潤状態に応じて膨潤収縮しやすい性質を有している上に、通常は、薄膜化されてしわが生じやすい状態になっている。そのため、膜電極接合体の製造工程では、電解質膜に対して触媒電極をホットプレスによって接合する際に電解質膜にしわが発生してしまう場合があった。このような電解質膜のしわは、燃料電池を構成したときに電解質膜にやぶれを生じさせる原因になり、反応ガスの漏洩の発生原因となる可能性がある。
しかし、特許文献1では特性が互いに異なる第1の触媒電極と第2の触媒電極と形成することが課題とされており、各触媒電極の転写工程において電解質膜のしわの発生を抑制することについては開示されていない。また、特許文献2では触媒層の転写後において触媒層の転写用の基材シートとともに触媒層の一部が剥離してしまう剥離不良を抑制することが課題とされており、触媒層の転写工程において電解質膜のしわの発生を抑制することについては開示されていない。
このように、膜電極接合体の製造工程において、電解質膜に触媒電極を接合する際に、電解質膜にしわが発生することを抑制することについて十分な工夫がなされていなかった。また、従来の膜電極接合体の製造工程においては、そのほかに、電解質膜と触媒電極との接合性の向上や、膜電極接合体の製造装置の小型化、膜電極接合体の製造装置の使い勝手の向上、膜電極接合体の製造工程の低コスト化、省資源化、容易化等が要求されてきた。しかし、これまで、これらの要求に対しても十分な工夫がなされていなかった。なお、上述した課題は、燃料電池の膜電極接合体の製造工程に限らず、熱変形を生じやすい膜状の部材同士をホットプレスによって接合する技術において共通する課題であった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。本発明の第一形態は、燃料電池用の電解質膜と、燃料電池用の電極を構成する膜状の電極部材と、を接合する接合装置であって、前記電解質膜と、前記電極部材と、を互いに接触させた状態で挟み、加熱するとともに加圧して繰り出す一対のローラーと、前記電解質膜を前記一対のローラーに搬送して、前記一対のローラーの間に重力方向下方から繰り入れる第1の搬送路と、前記電極部材を前記一対のローラーへと搬送して、前記一対のローラーの間に重力方向下方から繰り入れる第2の搬送路と、を備える、接合装置として提供される。本発明の第二形態は、燃料電池用の電解質膜と、燃料電池用の電極を構成する膜状の電極部材と、を接合する方法であって、(a)互いに対向して配置されて、互いに反対方向に回転する一対のローラーの間に、前記電解質膜を重力方向下方から繰り入れる工程と、(b)前記一対のローラーの間に、前記電極部材を前記電解質膜とともに重力方向下方から繰り入れる工程と、(c)前記電解質膜と、前記電極部材と、を互いに接触させた状態で、前記一対のローラーによって加熱するとともに加圧する工程と、を備える、方法として提供される。
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池用の電解質膜と、燃料電池用の電極を構成する膜状の電極部材と、を接合する接合装置が提供される。この接合装置は、前記電解質膜と、前記電極部材と、を互いに接触させた状態で挟み、加熱するとともに加圧して繰り出す一対のローラーと;前記電解質膜を前記一対のローラーに搬送して、前記一対のローラーの間に重力方向下方から繰り入れる第1の搬送路と;前記電極部材を前記一対のローラーへと搬送して、前記一対のローラーの間に繰り入れる第2の搬送路と;を備える。この形態の接合装置によれば、一対のローラーの熱によって熱せられた上昇気流の影響によって一対のローラーの間に繰り入れられる前の電解質膜の端部が反ってしまうことを抑制できる。従って、電解質膜に電極部材を接合する際に、電解質膜にしわが発生してしまうことを抑制できる。
(2)上記形態の接合装置において、前記電解質膜は帯状の部材であり;前記電極部材は、前記電解質膜の面内に収まるサイズを有しており;前記第1の搬送路は、前記電解質膜を長尺方向に沿って搬送し;前記第2の搬送路は、複数の前記電極部材が離間して配列された帯状の搬送フィルムを、前記搬送フィルムの長尺方向に沿って搬送し、複数の前記電極部材を前記搬送フィルムとともに前記一対のローラ−の間に繰り入れても良い。この形態の接合装置によれば、搬送中の帯状の電解質膜に対して連続して電極部材を接合することができるとともに、電解質膜の電極部材の外周の領域においてしわが発生してしまうことを抑制できる。
(3)上記形態の接合装置において、前記一対のローラーは、前記電解質膜と前記電極部材とを、前記電解質膜の側から加圧する第1のローラーと、前記電極部材の側から加圧する第2のローラーと、を含み;前記第1の搬送路は、前記第1のローラーの加圧方向と前記一対のローラーに対して前記電解質膜が繰り入れられる方向との間の角度であって前記第1のローラー側の角度が90度以下となるように、前記電解質膜を搬送しても良い。この形態の接合装置であれば、一対のローラーの熱による上昇気流の影響を抑制しつつ電解質膜を適切な温度まで昇温させた上で、電解質膜を一対のローラーの間に繰り入れることができ、電極部材の接合性を向上させることができる。
(4)上記形態の接合装置において、前記第1の搬送路は、前記電解質膜を、前記第1のローラーの側面に沿わせて、前記第1のローラーと前記第2のローラーの間に繰り入れても良い。この形態の接合装置によれば、第1のローラーの側面に沿って延びた状態の電解質膜を第1のローラーの熱によって適切な温度まで昇温させた上で、一対のローラーの間に繰り入れることができる。従って、接合前において電解質膜の変形を抑制した状態で電解質膜を昇温させることができ、電極部材の接合性を向上させることができる。
(5)上記形態の接合装置において、前記第2の搬送路は、前記搬送フィルムを前記第2のローラーの側面に面接触させつつ、前記電極部材を前記第1のローラーと前記第2のローラーとの間に繰り入れても良い。この形態の接合装置によれば、搬送フィルム上の電極部材と電解質膜とが一対のローラーによって加圧される前に互いに接触することが抑制される。従って、一対のローラーによる加圧前に電極部材と電解質膜との間に空気が入り込んでしまい、加圧の際に、その空気が電極部材の外側へと移動することによって電解質膜にしわが発生してしまうことを抑制できる。
(6)本発明の他の形態によれば、燃料電池用の電解質膜と燃料電池用の電極を構成する膜状の電極部材とを接合する方法が提供される。この方法は、(a)互いに対向して配置されて、互いに反対方向に回転する一対のローラーの間に、前記電解質膜を重力方向下方から繰り入れる工程と;(b)前記一つのローラーの間に、前記電極材料を前記電解質膜とともに繰り入れる工程と;(c)前記電解質膜と、前記電極部材と、を互いに接触させた状態で、前記一対のローラーによって加熱するとともに加圧する工程と、を備える。
本発明は、接合装置や接合方法以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、その接合装置の制御方法や、その制御方法を実現するコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。また、その接合装置や接合方法を利用した膜電極接合体の製造装置や製造方法、その製造装置や製造方法によって製造された膜電極接合体、膜電極接合体の製造装置の制御方法、その制御方法を実現するコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
膜電極接合体の製造装置の構成を示す概略図。 第3のシート基材上に形成された第2の触媒層を示す概略斜視図。 切出装置の構成を示す概略斜視図と、切出装置による切り出し位置を説明するための模式図。 切出装置によって切り出された膜電極接合体の構成を示す概略図。 比較例としての製造装置の構成を示す概略図。 比較例の製造装置における第1と第2のホットローラーの近傍を抜き出した模式図。 第2のホットローラーの熱によって生じた上昇気流の電解質膜に対する影響を説明するための模式図。 電解質膜と第2の触媒層との間に入り込んだ空気による電解質膜のしわの発生を説明するための模式図。 比較例における第1の入口ローラーによる電解質膜に対するテンションの付与を説明するための模式図。 本実施形態の製造装置における電解質膜のしわの発生の抑制を説明するための模式図。 第2実施形態としての膜電極接合体の製造装置の構成を説明するための模式図。 第3実施形態としての膜電極接合体の製造装置の構成を説明するための模式図。 第4実施形態としての膜電極接合体の製造装置の構成を説明するための模式図。
A.第1実施形態:
図1は、本発明の第1実施形態としての膜電極接合体の製造装置の構成を示す概略図である。図1には製造装置100において搬送されていく被加工物の概略断面を搬送位置ごとに適宜図示してある。また、図1には、被加工物の搬送方向を搬送路に平行に配置された矢印によって図示するとともに、各ホットローラー23,24,42,43の回転方向を一点鎖線の矢印によって図示してある。さらに、図1には、重力方向を示す矢印Gを紙面左隅に図示してある。
この製造装置100は、流れ工程によって、帯状に連なった状態の複数の膜電極接合体5を連続的に製造する。なお、製造装置100によって製造された帯状に連なった膜電極接合体5は、後工程において互いに切り離されて分離されるが、その詳細については後述する。製造装置100は、第1の接合部20と、シート剥離部30と、第2の接合部40と、を備える。なお、製造装置100は、さらに、各構成部20〜30の間の搬送路を構成する複数の搬送ローラー50を備えているが、搬送ローラー50についての詳細な説明は省略する。
第1の接合部20は、長尺方向に搬送されていく帯状の電解質膜1の一方の表面に対して帯状の第1の触媒層2を転写して接合する。第1の接合部20は、電解質膜繰出部21と、第1の触媒層繰出部22と、2つのホットローラー23,24と、を備える。電解質膜繰出部21は、第1のシート基材1sに貼付された帯状の電解質膜1が巻かれたロール(図示せず)を備えており、第1のシート基材1sに貼付された帯状の電解質膜1を、2つのホットローラー23,24の間へと繰り出す。
ここで、電解質膜1は、例えば、湿潤状態において良好なプロトン伝導性を示すフッ素系のイオン交換樹脂によって構成される。電解質膜1は、所定の湿潤状態で電解質膜繰出部21から繰り出される。第1のシート基材1sは例えば樹脂フィルムによって構成される。第1のシート基材1sは電解質膜1とほぼ同じ幅を有しており、一方の面の全体が電解質膜1によって被覆されている。
第1の触媒層繰出部22は、第1のシート基材1sとほぼ同じ幅を有する第2のシート基材2sの一方の表面の全体を被覆する薄膜状の第1の触媒層2が巻かれたロール(図示せず)を備えている。第1の触媒層繰出部22は、第1の触媒層2を、第2のシート基材2sに配置させたまま、2つのホットローラー23,24へと繰り出す。第1の触媒層2は、第2のシート基材2sの一方の表面に触媒インクを塗布して乾燥させることによって形成されている。
ここで、「触媒インク」とは、燃料電池反応を促進する触媒を担持する導電性粒子と、電解質膜1と同じ又は類似の電解質と、を有機溶媒や無機溶媒に分散させた分散溶液を意味する。第2のシート基材2sは、樹脂フィルムによって構成されており、一方の面の全体が、第1の触媒層2によって被覆されている。
第1と第2のホットローラー23,24は、互いに隣り合って並列に配置されており、高温(例えば140〜160度程度)まで昇温した状態で、互いに反対方向に回転する。第1と第2のホットローラー23,24は、互いの離間距離を調整することによって、互いの間に繰り入れられた被加工物に対する加圧力を調整することができる。
電解質膜1と第1の触媒層2とは、幅方向の側端部が揃えられて互いに面接触した状態で第1と第2のホットローラー23,24の間に繰り入れられる。電解質膜1と第1の触媒層2とは、各シート基材1s,2sを介して第1と第2のホットローラー23,24によって加熱されるとともに加圧されて、互いに接合される。第1と第2のホットローラー23,24の間から繰り出された電解質膜1と第1の触媒層2の接合体は、第1と第2のシート基材1s,2sに狭持された状態でシート剥離部30へと搬送される。
シート剥離部30は、電解質膜1と第1の触媒層2の接合体から第1と第2のシート基材1s,2sを剥離する。シート剥離部30は、第1と第2のシート回収部31,32と、2つの剥離ローラー33a,33bと、を備える。第1のシート回収部31は、第1の接合部20の後段に配置されている。第1のシート回収部31の入口には、第1の剥離ローラー33aが配置されている。第1の剥離ローラー33aは第2のシート基材2sを第1の触媒層2の表面から剥離して第1のシート回収部31へと搬送する。第1のシート回収部31は巻き取りローラー(図示は省略)などによって剥離された第2のシート基材2sを回収する。
第2のシート回収部32は第1のシート回収部31の後段に配置されている。第2のシート回収部32の入口には、第2の剥離ローラー33bが配置されている。第2の剥離ローラー33bは第1のシート基材1sを電解質膜1の表面から剥離して第2のシート回収部32へと搬送する。第2のシート回収部32は巻き取りローラー(図示は省略)によって剥離された第1のシート基材1sを回収する。
第2の接合部40は、特許請求の範囲における「接合装置」に相当し、第1の触媒層2が接合された電解質膜1に対して第2の触媒層3を接合する。第2の接合部40は、第2の触媒層繰出部41と、第1と第2のホットローラー42,43と、第1と第2の入口ローラー44,45と、を備える。第2の触媒層繰出部41は、帯状の第3のシート基材3s上に配列された複数の第2の触媒層3を繰り出す。
図2は、第3のシート基材3s上に形成された複数の第2の触媒層3を示す概略斜視図である。第3のシート基材3sは電解質膜1とほぼ同じ幅を有している樹脂フィルムによって構成された帯状の部材である。複数の第2の触媒層3は、第3のシート基材3sの一方の面に、触媒インクを塗布して乾燥させることによって形成される。第2の触媒層3は、それぞれの外周端部の全体が第3のシート基材3sの面内に収まるように形成されており、第3のシート基材3sの長尺方向に一列に等間隔で配列されている。
第1と第2のホットローラー42,43(図1)は互いに隣り合って水平方向に並列に配列されている。第1と第2のホットローラー42,43は、高温(例えば140〜160度程度)まで昇温した状態で、互いに反対方向に回転する。また、第1と第2のホットローラー42,43は、互いの離間距離を調整することによって、互いの間に繰り入れられた被加工物に対する加圧力を調整することができる。
第1の触媒層2が接合されている電解質膜1は、重力方向下方から第1と第2のホットローラー42,43の間に繰り入れられる。より具体的には、第1の触媒層2が第1のホットローラー42の側面に面接触し、電解質膜1が1のホットローラー42の側面に沿った状態で、第1と第2のホットローラー42,43の回転によって第1と第2のホットローラー42,43の間に繰り入れられる。なお、電解質膜1は、第1と第2のホットローラー42,43の手前に設けられている第1の入口ローラー44によってテンション(張力)が付与されるとともに、第1と第2のホットローラー42,43に対する繰り入れ方向の角度が調整されている。
第2の触媒層繰出部41から繰り出された第3のシート基材3s上の第2の触媒層3は、電解質膜1とともに重力方向下方から第1と第2のホットローラー42,43の間に繰り入れられる。より具体的には、第3のシート基材3sが第2のホットローラー43の側面に面接触した状態で、第1と第2のホットローラー42,43の回転によって第1と第2のホットローラー42,43の間に繰り入れられる。なお、第3のシート基材3sは、第1と第2のホットローラー42,43の手前に設けられている第2の入口ローラー45によってテンションが付与される。第3のシート基材3s上の第2の触媒層3は、第1と第2のホットローラー42,43の間において電解質膜1と接触し、加熱・加圧されることによって電解質膜1に接合される。
ところで、本実施形態の製造装置100では、上述したように、第1の触媒層2が接合されている電解質膜1は、第1と第2のホットローラー42,43の間に、重力方向下方から繰り入れられる。この構成によって、本実施形態の製造装置100では、電解質膜1にしわが発生することが抑制されているが、その詳細については後述する。
このように、本実施形態の製造装置100では、電解質膜1によって帯状につながった状態の複数の膜電極接合体5が形成される。なお、第2の触媒層3の表面に貼付されたままの第3のシート基材3sは、第2の接合部40の後段に設けられたシート剥離部によって剥離されて回収されるが、その図示および詳細な説明は省略する。
図3(A)は、製造装置100において製造された複数の膜電極接合体5をそれぞれ切り出して互いに分離する切出装置200の構成を示す概略斜視図である。この切出装置200は、膜電極接合体5の第1の触媒層2にガス拡散層6を接合した上で、膜電極接合体5をガス拡散層6とともに打ち抜き加工によって切り出す。切出装置200は、接合部210と、打抜部220と、を備える。
接合部210は、第1と第2のホットローラー211,212とを備える。第1と第2のホットローラー211,212は互いに隣り合って並列に配列されており、高温(例えば140〜160度程度)まで昇温した状態で、互いに反対方向に回転する。なお、第1と第2のホットローラー211,212は、互いの離間距離を調整することによって、互いの間に繰り入れられた被加工物に対する加圧力を調整することができる。
帯状に連なった複数の膜電極接合体5は、それぞれの第1の触媒層2の表面にガス拡散層6が配置された状態で、第1と第2のホットローラー211,212の間に繰り入れられる。なお、ガス拡散層6は、例えば炭素繊維など、ガス拡散性および導電性を有する平板状の部材によって構成される。ガス拡散層6は、縦方向および横方向のサイズが第2の触媒層3よりも大きく、第2の触媒層3がガス拡散層6の面内中央に位置するように、第1の触媒層2の表面に配置される。接合部210において、第1の触媒層2にガス拡散層6が接合された膜電極接合体5は、そのまま、後段に設けられた打抜部220へと搬送される。
打抜部220は、パンチとして機能する上型部221と、ダイとして機能する下型部222と、を備える。ガス拡散層6が接合された膜電極接合体5は、上型部221と下型部222の間に搬送される。上型部221は、下型部222の上に載置されている膜電極接合体5およびガス拡散層6を、第2の触媒層3側から打ち抜き、膜電極接合体5およびガス拡散層6を打ち抜いて切り出す。
図3(B)は、打抜部220による切り出し位置を説明するための模式図である。図3(B)には、帯状に連なった複数の膜電極接合体5の第2の触媒層3側の面を図示してある。また、図3(B)には、中央の膜電極接合体5に対して、ガス拡散層6の配置領域を示す一点鎖線と、打抜部220による切断線CLを示す破線と、を図示してある。打抜部220は、第2の触媒層3の外側であって、ガス拡散層6の面内の領域を打ち抜いて膜電極接合体5を切り出す。
図4(A),(B)は、切出装置200によって切り出された膜電極接合体5の構成を示す概略図である。図4(A)は膜電極接合体5の概略断面図であり、図4(B)は膜電極接合体5を第2の触媒層3側から見たときの概略正面図である。なお、膜電極接合体5の第1の触媒層2にはガス拡散層6が接合されている。
本実施形態の製造装置100(図1)によって製造され、切出装置200(図3)によって切り出された膜電極接合体5では、第2の触媒層3の外周端部が電解質膜1の面内に配置されており、第2の触媒層3から露出した電解質膜1の内周部位を有している。即ち、膜電極接合体5では、第1の触媒層2の外周端部と第2の触媒層3の外周端部とが離間されている。そのため、この膜電極接合体5を用いて燃料電池を構成する際には、外周端部を被覆するシール部を形成することによって、電解質膜1の端部を介して2つの触媒層2,3の間で未反応の反応ガスが行き来してしまう、いわゆるクロスリークが抑制される。
また、膜電極接合体5では、第1の触媒層2の外周端部の位置とガス拡散層6の外周端部の位置とが揃っているため、ガス拡散層6の外周端部に存在する繊維の毛羽が電解質膜1の表面に突き刺さることを抑制できる。さらに、膜電極接合体5によれば、燃料電池の発電中などにガス拡散層6において過酸化水素ラジカルが発生した場合であっても、当該過酸化水素ラジカルを電解質膜1に到達する前に第1の触媒層2における触媒の作用によって消失させることができる。従って、過酸化水素ラジカルによる電解質膜1の劣化を抑制することができる。
なお、燃料電池を構成する際には、膜電極接合体5の第2の触媒層3に対してもガス拡散層が積層されても良い。この場合には、ガス拡散層の外周端部が第2の触媒層3の外周端部より内側に配置されることが望ましい。これによって、第2の触媒層3側においても、上述したような、電解質膜1に対するガス拡散層の毛羽の突き刺さりや、過酸化水素ラジカルによる電解質膜1の劣化を抑制することができる。
ところで、電解質膜に触媒層をホットプレスによって転写して接合するときには、触媒層の外周領域において電解質膜にしわが発生してしまう場合があった。電解質膜のしわは、膜電極接合体を燃料電池に組み付けるときに電解質膜の破れなどの損傷を発生させる原因となる。また、電解質膜のしわが電解質膜の外周端部まで延びているような場合には、そのしわが反応ガスの経路となって、クロスリークが発生する原因となってしまう場合がある。本発明の発明者は、このような電解質膜のしわは、以下に説明する比較例の製造装置100aのような構成において発生しやすいことを見出した。
図5は、本発明の比較例としての製造装置100aの構成を示す概略図である。図5には、図1と同様に、被加工物の概略断面や、搬送方向を示す矢印、各ホットローラー23,24,42,43の回転方向を示す矢印、重力方向を示す矢印Gを図示してある。また、図5では、図1で説明した構成部に対応する構成部には、図1と同じ符号を付してある。
比較例の製造装置100aの第2の接合部40では、第1の触媒層2が接合された電解質膜1と、第3のシート基材3sに配置された第2の触媒層3とは、水平に配列されている第1と第2のホットローラー42,43の間に、重力方向上方から繰り入れられる。より具体的には、電解質膜1と第2の触媒層3とは、第2のホットローラーの側面上において互いに面接触するように重ね合わされ、そのまま第2のホットローラー43の回転に伴って、第1と第2のホットローラー42,43の間へと繰り入れられて接合される。
図6は、比較例の製造装置100aにおける第1と第2のホットローラー42,43の近傍を抜き出した模式図である。図6には、第2のホットローラー43の熱によって発生する気流の流れを示す破線矢印を図示してある。駆動中の第1と第2のホットローラー42,43の近傍領域においては、第1と第2のホットローラー42,43の熱によって空気が昇温されて上昇気流が発生する。
この上昇気流によって第1と第2のホットローラー42,43の上方の領域は下方の領域よりも温度が高い状態となる。比較例の製造装置100aでは、電解質膜1がそうした温度の高い領域において搬送される。そして、電解質膜1は第2のホットローラー43の上方において、第2のホットローラー43からの上昇気流によって直接的に加熱される。
図7(A),(B)は第2のホットローラー43の熱によって生じた上昇気流の電解質膜1に対する影響を説明するための模式図である。図7(A)は、第2のホットローラー43の上方に搬送されてきた電解質膜1の概略正面図である。なお、図7(A)には、電解質膜1の搬送方向を示す矢印と、電解質膜1の収縮変形の方向を示す矢印とを図示してある。
図7(B)は、第2のホットローラー43の上方における、第1の触媒層2が接合された電解質膜1と、第3のシート基材3sに配置された第2の触媒層3の概略断面図である。なお、図7(B)には、上昇気流の流れを示す破線矢印と、電解質膜1の変形方向を示す実線矢印とを図示してある。
比較例の製造装置100aでは、電解質膜1は第2のホットローラー43の熱によって昇温して乾燥するため、第2のホットローラー43に近づくほど収縮し、その幅が縮小される(図7(A))。また、電解質膜1の収縮量は接合されている第1の触媒層2の収縮量よりも大きいため、その収縮量の差に起因して、電解質膜1の端部が内側へ向かって反り返る(図7(B))。特に、比較例の製造装置100aでは、電解質膜1が温度の高い第1と第2のホットローラー42,43よりも上方の領域を搬送されるため、電解質膜1の端部が著しく変形する。
さらに、比較例の製造装置100aでは、第2のホットローラー43の熱によって発生した上昇気流が、第3のシート基材3s上の第2の触媒層3と電解質膜1との間に入り込む。電解質膜1の端部が下方に反り返っているため、電解質膜1の下方は上昇気流として入り込んだ熱い空気がそのまま電解質膜1の下方に滞留しやすい状態にある。この滞留する熱い空気によって、電解質膜1はさらに昇温されて収縮変形が促進されてしまう。
このような電解質膜1の収縮による著しい変形が、第2の触媒層3を接合したときに、第2の触媒層3の端部において電解質膜1にしわを発生させる原因となる。さらに、本発明の発明者は、電解質膜1と第2の触媒層3との間に入り込んだ空気が、電解質膜1のしわの発生原因となることを見出した。
図8(A),(B)は、電解質膜1と第2の触媒層3との間に入り込んだ空気による電解質膜1のしわの発生を説明するための模式図である。図8(A)は、比較例の製造装置100aにおいて第1の触媒層2が接合された電解質膜1と、第3のシート基材3sに配置された第2の触媒層3とが第1と第2のホットローラー42,43の間に繰り入れられる様子を示す模式図である。図8(B)は、第2の触媒層3が接合され、しわが発生した状態の電解質膜1を模式的に示す概略正面図である。図8(A),(B)には、電解質膜1と第2の触媒層3との間に入り込んだ空気の移動を示す破線矢印を図示してある。
電解質膜1と第2の触媒層3とは、第2のホットローラー43に近づくに従って互いの距離が狭くなり、第2のホットローラー43の側面上において互いに接触する。このとき、電解質膜1と第2の触媒層3との間に滞留していた熱い空気の一部が逃げ切れずに、電解質膜1と第2の触媒層3とが接触した後にも、電解質膜1と第2の触媒層3との間に残留してしまう(図8(A))。
そして、この残留した空気は、電解質膜1と第2の触媒層3とが第1と第2のホットローラー42,43によって加圧される位置に近づくに従って、第2の触媒層3の幅方向における側端部に向かって逃げる(図8(B))。第1と第2のホットローラー42,43によって電解質膜1と第2の触媒層3とが接合されるときに、第2の触媒層3の幅方向における側端部から逃げる空気が、電解質膜1の露出部位にしわを発生させてしまう。
図9は、比較例の製造装置100aにおける、第1の入口ローラー44による電解質膜1に対するテンションの付与を説明するための模式図である。図9には、比較例の製造装置100aにおいて、第1と第2のホットローラー42,43の手前に設けられた第1の入口ローラー44によって第1の触媒層2が接合された電解質膜1に対してテンションを付与している状態を図示してある。
第1と第2のホットローラー42,43の手前に設けられた第1の入口ローラー44によって、電解質膜1にテンションを付与すれば、図7(B)で説明した電解質膜1の端部における反りを低減することができる。しかし、このような構成であっても、第1のホットローラー42の熱によって発生する上昇気流のために著しく熱収縮する電解質膜1の反りを完全になくすことはできない。また、電解質膜1と第2の触媒層3との接合の際に、両者の間に空気が入り込んでしまうことは抑制できないため、当該空気に起因する電解質膜1のしわの発生を抑制することは困難である。
なお、比較例の製造装置100aにおいて、第1と第2のホットローラー42,43の温度を例えば120〜130°程度まで低下させれば、上昇気流による電解質膜1の昇温を抑制することが可能である。しかし、この場合には、電解質膜1と第2の触媒層3とを接合するための温度が不足してしまい、両者の接合性が低下してしまう可能性がある。
図10は、本実施形態の製造装置100における電解質膜1のしわの発生の抑制を説明するための模式図である。図10には、本実施形態の製造装置100の第2の接合部40における第1と第2のホットローラー42,43の近傍を抜き出して図示してある。また、図10には、便宜上、第1のホットローラー42による加圧方向を示す矢印と、第1と第2のホットローラー42,43に対する電解質膜1の繰り入れ方向を示す矢印とを図示してある。
本実施形態の製造装置100では、第1の触媒層2が接合された電解質膜1が、第1と第2のホットローラー42,43の間に重力方向下方から繰り入れられる。より具体的には、電解質膜1は、第1のホットローラー42の加圧方向に対して90°よりも小さい角度αで、重力方向下方から、第1と第2のホットローラー42,43の間に繰り入れられる。従って、本実施形態の製造装置100では、第1と第2のホットローラー42,43の手前において、電解質膜1が第1と第2のホットローラー42,43の熱によって発生する上昇気流に熱せられることがない。
また、本実施形態の製造装置100では、第1の触媒層2が接合された電解質膜1は、第1の触媒層2が第1のホットローラー42の側面に面接触した状態で第1と第2のホットローラー42,43の間へと繰り入れられる。一方、第3のシート基材3sに配置された第2の触媒層3は、第3のシート基材3sが第1のホットローラー42の側面に面接触した状態で第1と第2のホットローラー42,43の間へと繰り入れられる。
従って、本実施形態の製造装置100では、電解質膜1と第2の触媒層3とが接触する位置が第1と第2のホットローラー42,43によって加圧される位置とほぼ一致することになる。そのため、第1と第2のホットローラー42,43によって加圧される前に電解質膜1と第2の触媒層3との間に空気が入り込んでしまうことが抑制される。
さらに、本実施形態の製造装置100であれば、電解質膜1と第2の触媒層3とが第1と第2のホットローラー42,43の間に繰り入れられる前に、電解質膜1が第1のホットローラー42の側面に沿って延ばされた状態で加熱される。即ち、本実施形態の製造装置100であれば、接合工程の前に電解質膜1が、変形を抑制された状態で予備的に加熱される。従って、電解質膜1が十分に昇温されていないことに起因する第2の触媒層3の接合性の低下が抑制され、膜電極接合体5における内部抵抗を低減させることができ、膜電極接合体5の発電性能を向上させることができる。
また、本実施形態の製造装置100であれば、電解質膜1が第1と第2のホットローラー42,43の熱によって生じる上昇気流に曝されることがないため、電解質膜1の熱収縮の抑制のために第1と第2のホットローラー42,43の温度を下げる必要がない。そのため、電解質膜1と第2の触媒層3との接合性を確保できる。
以上のように、本実施形態の製造装置100であれば、電解質膜1が重力方向下方から第1と第2のホットローラー42,43の間に繰り入れられて第2の触媒層3と接合されることによって、その接合の際に電解質膜1にしわが発生してしまうことが抑制される。また、電解質膜1を適切に加熱した上で第2の触媒層3を接合できるため、第2の触媒層3の接合性を向上させることができる。
B.第2実施形態:
図11は、本発明の第2実施形態としての膜電極接合体の製造装置の構成を説明するための模式図である。図11には、第2実施形態の製造装置100Aの第2の接合部40における第1と第2のホットローラー42,43の近傍を抜き出して図示してある。また、図11には、重力方向を示す矢印Gと、熱の伝搬を示す破線矢印と、を図示してある。なお、第2実施形態の製造装置100Aの構成は、第1と第2のホットローラー42,43に対して電解質膜1が繰り入れられる角度が異なる点以外は、第1実施形態の製造装置100とほぼ同じである。
第2実施形態の製造装置100Aの第2の接合部40では、第1のホットローラー42の位置を調整することによって、第1と第2のホットローラー42,43の加圧方向(即ち、水平方向)に対して電解質膜1が繰り入れられる角度がほぼ垂直となっている。即ち、第2実施形態の製造装置100Aでは、電解質膜1は第1と第2のホットローラー42,43に対して重力方向に平行な角度で繰り入れられている。
このような構成であっても、電解質膜1と第2の触媒層3とが接触する位置と、第1と第2のホットローラー42,43によって加圧力が付与される位置と、がほぼ一致する。そのため、電解質膜1と第2の触媒層3との間に空気が入り込んでしまうことを抑制でき、第2の触媒層3の接合工程において空気によって電解質膜1にしわが発生してしまうことを抑制できる。
また、第2実施形態の製造装置100Aであれば、電解質膜1は温度の比較的低い第1と第2のホットローラー42,43の下側を搬送されるため、搬送中の熱収縮が抑制される。さらに、第2実施形態の製造装置100Aであれば、電解質膜1を、第1と第2のホットローラー42,43の間に繰り入れられる手前において、第1と第2のホットローラー42,43の輻射熱によって、適切な温度まで昇温させることができる。ここで、「適切な温度」とは、電解質膜1が熱収縮しすぎない温度であって、接合のために過不足のない温度を意味する。従って、電解質膜1におけるしわの発生を抑制しつつ、第2の触媒層3の接合性の低下を抑制することができる。
なお、第2実施形態の製造装置100Aでは、第1と第2のホットローラー42,43の間に繰り入れられる前には、電解質膜1に接合されている第1の触媒層2が第1のホットローラー42の側面に面接触していない。これに対して、第1実施形態の製造装置100では、第1の触媒層2が、第1と第2のホットローラー42,43の間に繰り入れられる前に、第1のホットローラー42の側面に面接触している。即ち、第1実施形態の製造装置100では、接合工程の前に、電解質膜1の変形を抑制した状態で電解質膜1を確実に昇温させることができる。従って、この点においては、第1実施形態の製造装置100の構成の方が第2実施形態の製造装置100Aの構成より好ましい。
C.第3実施形態:
図12は、本発明の第3実施形態としての膜電極接合体の製造装置の構成を説明するための模式図である。図12には、第3実施形態の製造装置100Bの第2の接合部40における第1と第2のホットローラー42,43の近傍を抜き出して図示してある。また、図12には、図11と同様に、重力方向を示す矢印Gと、熱の伝搬を示す破線矢印と、を図示してある。さらに、図12には、図10と同様に、第1のホットローラー42による加圧方向を示す矢印と、第1と第2のホットローラー42,43に対する電解質膜1の繰り入れ方向を示す矢印とを図示してある。第3実施形態の製造装置100Bの構成は、第1と第2のホットローラー42,43に対して電解質膜1が繰り入れられる角度αが異なる点以外は、第1実施形態の製造装置100とほぼ同じである。
第3実施形態の製造装置100Bの第2の接合部40では、第1の入口ローラー44の位置を調整することによって、電解質膜1の繰り入れられる方向が、第1のホットローラー42に向かって斜め上方向になっている。即ち、電解質膜1の繰り入れられる方向と第1のホットローラー42の加圧方向との間の角度であって、第1のホットローラー42側の角度が90°よりも大きくなっている(α>90°)。これによって、電解質膜1は、第2のホットローラー43の側面上において第2の触媒層3と重なり合って第1と第2のホットローラー42,43の間に繰り入れられることになる。
このような構成であっても、比較例の製造装置100aのように、第1と第2のホットローラー42,43の熱によって生じる上昇気流によって電解質膜1が昇温されてしまうことがない。従って、第2の触媒層3の接合工程において電解質膜1にしわが発生してしまうことが抑制される。また、電解質膜1を第1と第2のホットローラー42,43の熱によって昇温させた上で、第1と第2のホットローラー42,43の間に繰り入れることができるため、電解質膜1と第2の触媒層3との接合性を向上させることができる。
ただし、第3実施形態の製造装置100Bでは、電解質膜1と第2の触媒層3とが第1と第2のホットローラー42,43によって加圧される手前の位置において、電解質膜1と第2の触媒層3とが面接触している。そのため、電解質膜1と第2の触媒層3とが接合される前の電解質膜1の熱収縮によって、電解質膜1と第2の触媒層3との間にせん断力が発生し、電解質膜1にしわが発生してしまう可能性がある。従って、この点において、第1実施形態の製造装置100の構成や第2実施形態の製造装置100Aの構成の方が、第3実施形態の製造装置100Bの構成より好ましい。
D.第4実施形態:
図13は、本発明の第4実施形態としての膜電極接合体の製造装置の構成を説明するための模式図である。図13には、第4実施形態の製造装置100Cの第2の接合部40における第1と第2のホットローラー42,43の近傍を抜き出して図示してある。また、図13には、図12と同様に、重力方向を示す矢印Gを図示してある。なお、第4実施形態の製造装置100Cの構成は、第1と第2のホットローラー42,43の配列方向が異なる点と、第1と第2のホットローラー42,43に対して電解質膜1および第2の触媒層3が繰り入れられる角度が異なる点以外は、第1実施形態の製造装置100とほぼ同じである。
第4実施形態の製造装置100Cの第2の接合部40では、第1と第2のホットローラー42,43が、第1のホットローラー42を下側として、重力方向に沿って並列に配列されている。また、第1の触媒層2が接合された電解質膜1は、第1のホットローラー42の回転によって、重力方向下方から第1と第2のホットローラー42,43の間に繰り入れられている。一方、第3のシート基材3sに配置された第2の触媒層3は、第2のホットローラー43の回転によって、重力方向上方から第1と第2のホットローラー42,43の間に向かって繰り入れられている。このような構成であっても、第2の触媒層3に接触する前の電解質膜1が、第1と第2のホットローラー42,43の熱によって生じる上昇気流に曝されることがない。従って、第2の触媒層3の接合工程において電解質膜1にしわが生じてしまうことが抑制される。
E.変形例:
E1.変形例1:
上記実施形態では、膜電極接合体の製造装置100,100A〜100Cは、電解質膜1に第1の触媒層2を接合する第1の接合部20を備えていた。しかし、電解質膜1に第1の触媒層2を接合する第1の接合部20は省略されても良い。即ち、上記実施形態における膜電極接合体の製造装置100,100A〜100Cは、電解質膜1と第2の触媒層3との接合装置として構成されても良い。
E2.変形例2:
上記実施形態では、膜電極接合体の製造装置100,100A〜100Cは、帯状の電解質膜1に対して連続的に複数の第2の触媒層3を接合していた。しかし、膜電極接合体の製造装置100,100A〜100Cは、帯状の電解質膜1に対して連続的に複数の第2の触媒層3を接合しなくても良い。膜電極接合体の製造装置100,100A〜100Cは、1つの電解質膜1に対して1つの第2の触媒層3を接合する装置として構成されても良い。
E3.変形例3:
上記実施形態では、第3のシート基材3sを第2のホットローラー43の側面に面接触させつつ、第2の触媒層3を第1と第2のホットローラー42,43の間に繰り入れていた。しかし、第2の触媒層3を第1と第2のホットローラー42,43の間に繰り入れるときに、第3のシート基材3sを第2のホットローラー43の側面に面接触させなくても良い。例えば、第2実施形態において、第2の触媒層3が電解質膜と重ね合わされた状態で第3のシート基材3sを重力方向に沿って第1と第2のホットローラー42,43の間に繰り入れても良い。
E4.変形例4:
上記実施形態では、第2の接合部40の第1と第2のホットローラー42,43は、水平方向または重力方向に沿って並列に配列されていた。しかし、第1と第2のホットローラー42,43は、他の角度で並列に配列されていても良い。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
1…電解質膜
1s…第1のシート基材
2…第1の触媒層
2s…第2のシート基材
3…第2の触媒層
3s…第3のシート基材
5…膜電極接合体
6…ガス拡散層
20…第1の接合部
21…電解質膜繰出部
22…第1の触媒層繰出部
23…第1のホットローラー
24…第2のホットローラー
30…シート剥離部
31…第1のシート回収部
32…第2のシート回収部
33a…第1の剥離ローラー
33b…第2の剥離ローラー
40…第2の接合部
41…第2の触媒層繰出部
42…第1のホットローラー
43…第2のホットローラー
44…第1の入口ローラー
45…第2の入口ローラー
50…搬送ローラー
100,100A〜100C,100a…製造装置
200…切出装置
210…接合部
211…第1のホットローラー
212…第2のホットローラー
220…打抜部
221…上型部
222…下型部
CL…切断線

Claims (6)

  1. 燃料電池用の電解質膜と、燃料電池用の電極を構成する膜状の電極部材と、を接合する接合装置であって、
    前記電解質膜と、前記電極部材と、を互いに接触させた状態で挟み、加熱するとともに加圧して繰り出す一対のローラーと、
    前記電解質膜を前記一対のローラーに搬送して、前記一対のローラーの間に重力方向下方から繰り入れる第1の搬送路と、
    前記電極部材を前記一対のローラーへと搬送して、前記一対のローラーの間に重力方向下方から繰り入れる第2の搬送路と、
    を備える、接合装置。
  2. 請求項1記載の接合装置であって、
    前記電解質膜は帯状の部材であり、
    前記電極部材は、前記電解質膜の面内に収まるサイズを有しており、
    前記第1の搬送路は、前記電解質膜を長尺方向に沿って搬送し、
    前記第2の搬送路は、複数の前記電極部材が離間して配列された帯状の搬送フィルムを、前記搬送フィルムの長尺方向に沿って搬送し、複数の前記電極部材を前記搬送フィルムとともに前記一対のローラ−の間に繰り入れる、接合装置。
  3. 請求項2記載の接合装置であって、
    前記一対のローラーは、前記電解質膜と前記電極部材とを、前記電解質膜の側から加圧する第1のローラーと、前記電極部材の側から加圧する第2のローラーと、を含み、
    前記第1の搬送路は、前記第1のローラーの加圧方向と前記一対のローラーに対して前記電解質膜が繰り入れられる方向との間の角度であって前記第1のローラー側の角度が90度以下となるように、前記電解質膜を搬送する、接合装置。
  4. 請求項3記載の接合装置であって、
    前記第1の搬送路は、前記電解質膜を、前記第1のローラーの側面に沿わせて、前記第1のローラーと前記第2のローラーの間に繰り入れる、接合装置。
  5. 請求項3または4記載の接合装置であって、
    前記第2の搬送路は、前記搬送フィルムを前記第2のローラーの側面に面接触させつつ、前記電極部材を前記第1のローラーと前記第2のローラーとの間に繰り入れる、接合装置。
  6. 燃料電池用の電解質膜と、燃料電池用の電極を構成する膜状の電極部材と、を接合する方法であって、
    (a)互いに対向して配置されて、互いに反対方向に回転する一対のローラーの間に、前記電解質膜を重力方向下方から繰り入れる工程と、
    (b)前記一のローラーの間に、前記電極部材を前記電解質膜とともに重力方向下方から繰り入れる工程と、
    (c)前記電解質膜と、前記電極部材と、を互いに接触させた状態で、前記一対のローラーによって加熱するとともに加圧する工程と、
    を備える、方法。
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