JP6229451B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式の複写機やプリンター等の画像形成装置に用いられる静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
静電荷像現像用トナーは、プリンターや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる。静電荷像現像用トナーのトナー母粒子は、粉砕法、湿式法等の公知の方法によって製造され、特に、近年求められている高解像度、低温定着等の要求を満たすために、懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法等の湿式法によって製造される。
粉砕法、湿式法等の方法いかんにかかわらず、静電荷像現像用トナーを製造するために用いる原料は、粒状や粉体状等の粒子形状を有する原料が多い。このような粒子状原料としては、例えば離型剤として用いるワックスや、着色剤として用いる顔料等が挙げられる。このような粒子状原料は、定着性や色相等のトナーの性状を改善するために、成分やサイズ(平均粒子径)の異なる複数種類の原料を用いる場合がある。
静電荷像現像用トナーの使用する粒子状原料は、帯電しやすい原料であり、各工程において原料をタンクに投入する際に、粒子状原料と器壁等との摩擦によって粒子状原料が帯電する。粒子状原料の帯電量は、粒子状原料の大きさや成分等によっても異なるが、粒子状原料の電荷蓄積量が高じた場合、着火性放電現象発生の原因となり、粉塵爆発等を生じる危険性を有する。
非特許文献1には、粒子状原料の各種静電気放電現象とその発生機構が述べられている。その中でコーン放電現象に関しては、粒子状原料を投入する容器の大きさ(直径)と、粒子状原料の平均粒子径(メジアン径)と、発生し得る放電エネルギー上限値の関係が下記式(1)によって示されている。
Figure 0006229451
式(1)中、Wは発生し得る放電エネルギーの上限値(mJ)であり、Dは粒子状原料を投入する容器の底面の直径(m)であり、dは粒子状原料のメジアン径(mm)である。
Martin Glor "Ignition hazard due to static electricity in particulate processes", Powder Technology, Volumes 135-136, 2 October 2003, pages 223-233
近年、作業環境の安全性が重視され、静電荷像現像用トナーの製造現場においても、安全性の改善が求められている。
本発明は、帯電しやすい原料を用いる静電荷像現像用トナーの製造方法において、より安全性を改善した静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することを課題とする。
[1]本発明は、平均粒子径の異なる少なくとも2種類以上の粒子状原料を使用する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、平均粒子径の小さい粒子状原料から順に1つの容器に投入する工程を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
[2]本発明は、粒子状原料がワックスであり、平均粒子径0.25〜0.5mmのワックスと、平均粒子径4〜8mmのワックスとを含む、本発明[1]記載の静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
[3]本発明は、前記粒子状原料が、さらに平均粒子径2〜4mmのワックスを含む、本発明[2]記載の静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
本発明によれば最小着火エネルギーMIEが小さい平均粒子径の小さい粒子状原料から順に容器に投入し、その後に、MIEが大きい平均粒子径の大きい粒子状原料を1つの容器に投入することによって、仮に容器内空間において着火性放電現象が発生した場合にも粒子への着火性を減少させておくことにより、原料投入操作における安全性を改善することができる。
本発明の方法によれば、N等の不活性ガスで容器内等の雰囲気の置換を行わない場合であっても、空気(Air)雰囲気で粉塵爆発を予防することができる。本発明によれば、静電荷像現像用トナー製造の経済性を向上することができる。また、本発明によれば、製造環境における酸素欠乏のリスクを回避することができ、安全性を向上することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明は、平均粒子径の異なる少なくとも2種類以上の粒子状原料を使用する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、平均粒子径の小さい粒子状原料から順に1つの容器に投入する工程を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
粒子状原料は、タンク等の容器に投入する際に、流動する粒子状原料と器壁等との摩擦によって帯電する。容器内の粒子状原料の堆積部においては、帯電している粒子状原料の堆積量の増加に伴い、電荷の圧縮(compaction)が生じ、堆積部に電荷が集中して、堆積部の表面電界強度が大きくなり、空気の絶縁破壊強度(3MV/m)に達した時点で、着火性を有する静電気放電(コーン放電)が発生し得る。コーン放電により生じ得る上限エネルギーは、非特許文献1に示される下記式(1)により算出される。
Figure 0006229451
式(1)中、Wは発生し得る放電エネルギーの上限値(mJ)であり、Dは粒子状原料を投入する容器の底面の直径(m)であり、dは粒子状原料のメジアン径(mm)である。
前記式(1)によれば、静電気放電を生じ得る上限エネルギーは、粒子状原料の平均粒子径(メジアン径)が大きいほど、大きくなる。一方、粒子状原料の平均粒子径(メジアン径)が小さいほど、MIEは小さく(すなわち着火し易く)なる。平均粒子径の異なる2種の粒子状原料の平均粒子径とMIEの関係は、次の式(2)が成り立つことが知られている(参照:Richard Siwek, Christoph Cesana, “Ignition Behavior of Dusts : Meaning and Interpretation” Process Safety Progress, Vol. 14, No.2, April, 1995 p.107-117)。
Figure 0006229451
式(2)中、M及びMは、それぞれ粒子状原料の平均粒子径であり、平均粒子径Mは、平均粒子径Mよりも大きく(M<M)、MIEは、平均粒子径Mの粒子状原料の最小着火エネルギーであり、MIEは、平均粒子径Mの粒子状原料の最小着火エネルギーである。
一方、粒子状原料の表面に電荷が蓄積されているだけでは、静電気放電の発生は生じない。前記したとおり、静電気放電は、摩擦によって帯電している粒子状原料の堆積量が増大して電荷の圧縮(compaction)が生じ、堆積部表面の電界強度が大きくなり、この電界強度が空気の絶縁破壊強度(3MV/m)に達した時点で、静電気放電が発生する。
前記粒子状原料の放電現象の発生機構を考慮すると、平均粒子径の異なる少なくとも2種類以上の粒子状原料をタンクに投入する際に、平均粒子径の大きな粒子状原料は、平均粒子径の小さい粒子状原料よりもコーン放電が発生する場合の放電エネルギーは大きくなる。
放電エネルギーが大きくなる平均粒子径の大きな粒子状原料を容器に先に投入し、その後、MIEが小さい(すなわち、着火しやすい)平均粒子径の小さい粒子状原料を同一の容器に投入する場合、堆積部の帯電量に起因して、すでに電界強度が高くなっている容器空間内に、着火しやすい平均粒子径の小さい粒子状原料を投入することとなる。このような状況では、(i)容器内空間で着火性を有するコーン放電発生の可能性が高い、(ii)容器内空間に着火しやすい小さい平均粒子径を有する粒子状原料が浮遊し、燃焼下限界濃度を上回る粉塵雲が存在することが考えられる。以上により前記(i)の着火エネルギー及び前記(ii)の可燃性組成の、両条件が揃うと、容器内空間において、燃焼反応の発生、すなわち、粉塵爆発の危険性が高まる。
本発明は、粒子状原料の静電気放電現象の発生機構に着目し、最小着火エネルギー(MIE)の小さい、平均粒子径の小さい粒子状原料から順に容器に投入し、その後に、放電エネルギーが大きくなる、平均粒子径大きい粒子状原料を同一の容器に投入する。平均粒子径の小さい粒子状原料の後に、平均粒子径の大きい粒子状原料を投入することにより、着火し易い微粒子が容器空間内に浮遊する時点に於いて、容器内空間の電界強度を抑制し、着火性放電現象の発生を抑止する。また、本発明の方法は、容器内空間の電界強度が高まる時点(即ち、大粒子を投入した後)に於いて、容器空間内に着火し易い粒子状原料が存在することを回避することで、製造時の作業環境における安全性を改善することができる。本発明の製造方法は、最小着火エネルギー(MIE)が10mJ以下の粒子状原料を用いて静電荷像現像用トナーを製造する場合に好ましく適用できる。
以下に、静電荷像現像用トナーに用いる原料及びその製造方法について説明する。
〔静電荷像現像用トナー〕
静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と略記する場合がある。)は、結着樹脂、着色剤及びワックスを含有する静電荷像現像用トナーであって、公知の粉砕法、湿式法等によって製造される。湿式法としては、懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法等の方法が挙げられる。また、静電荷像現像用トナーは、例えば乳化重合凝集法によって得られたトナー母粒子に、外添剤を添加して、トナー母粒子の表面に外添剤を付着又は固着させて、トナーを形成するものであってもよい。
<結着樹脂>
結着樹脂としては特に限定はなく、トナーに適した公知の種々のものが使用できる。例えば、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アイオノマー樹脂、シリコン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられ、これらの混合物であってもよい。より好ましい樹脂としては、スチレン系樹脂又はポリエステル樹脂が挙げられ、上記した重合法が好適に適用できる点で、スチレン系樹脂が特に好ましい。
<着色剤>
使用される着色剤としては特に限定はなく、トナーに適した公知の種々のものが使用でき、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック等のカーボンブラック類;ベンジジンイエロー、ベンジジンオレンジ、キノリンイエロー、アシッドグリーン、アルカリブルー、ローダミン、マゼンタ、マカライトグリーン、ヒドロキシアントラキノン、フタロシアニン系染顔料、キナクリドン系染顔料、ジオキサン系染顔料、アニリン黒、アゾ系染顔料、ナフトキノン系染顔料、インジゴ系染顔料、ニグロシン系染顔料、フタロシアニン系染顔料、ポリメチン系染顔料、ジ及びトリアリールメタン系染顔料等の合成染顔料等が挙げられ、これらの2種類以上を併用することもできる。
トナーをフルカラー用トナーとして用いる場合は、イエロー用としてアゾ系顔料(不溶性モノアゾ系、不溶性ジスアゾ系、縮合アゾ系等)、多環式顔料(イソインドリン系、イソインドリノン系、スレン系、キノフタロン系等)等が挙げられ、マゼンタ用としてアゾ系顔料(アゾレーキ系、不溶性モノアゾ系、不溶性ジスアゾ系、縮合アゾ系等)、多環式顔料(キナクリドン系顔料、ペリレン顔料等)等が挙げられ、シアン用としてフタロシアニン顔料、スレン系顔料等が挙げられる。
着色剤の組合せは色相等を勘案して適宜選べばよいが、中でも、イエロー着色剤としてはC.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー155から選ばれる少なくとも1種が、マゼンタ着色剤としてはC.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド122から選ばれる少なくとも1種が、シアン着色剤としてはC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3から選ばれる少なくとも1種が、ブラック着色剤としてはファーネス法カーボンブラックが、それぞれ好適である。前記着色剤は、揮発性不純物を極力含まないものを使用することが好ましい。
顔料は、一般的に粒子状原料であり、トナーの色相等を改善するために、平均粒子径の異なる2種類以上の顔料を使用することができる。ここで平均粒子径は、例えば後述するふるい分け法によって測定することができる。
<ワックス>
トナー母粒子には、ワックスを含有させることも好ましい。ワックスはトナー用途に通常使用されているものであれば特に限定されず、具体的には、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス;パラフィンワックス;アルキル基を有するシリコーンワックス;ステアリン酸等の高級脂肪酸;エイコサノール等の長鎖脂肪族アルコール;ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス;ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン類;水添ひまし油、カルナバワックス等の植物系ワックス;グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと長鎖脂肪酸より得られるエステル類又は部分エステル類;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;低分子量ポリエステル等が好ましい。
本発明に特に好適なワックスとしては、エステル系ワックス、パラフィンワックス、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックスや、アルキル基を有するシリコーンワックスから選択することにより好適に使用できる。また、ワックスは、DSC(示差走査熱量測定)による吸熱ピークを50℃〜100℃に少なくとも1つ有することが定着性の点から好ましい。
ワックスが粒子状原料である場合、平均粒子径の異なる2種類以上のワックスを使用することができる。例えばエステル系ワックスと、パラフィン系ワックスとを併用する場合や、エステル系ワックスと、パラフィン系ワックスと、エステル類とを併用する場合等が挙げられる。ここで、平均粒子径は以下の方法によって測定される体積基準のメジアン径をいう。平均粒子径が異なる複数種類のワックスとしては、例えばエステル系ワックス(WE6A、日油社製)は、平均粒子径が0.25〜0.5mmであり、グリセリンと長鎖脂肪酸により得られるエステル類(B−100D、三菱化学フーズ社製)は、平均粒子径が2〜4mmであり、パラフィンワックス(HNP−9、日本精鑞社製)は、平均粒子径が4〜8mmである。
粒子状原料であるワックスの平均粒子径は、例えばふるい分け法によって測定することができる。ふるい分け法で使用するふるいは、JIS Z8801−1:2006、ISO No.565又はISO No.3310に準拠したものを使用することができる。ふるい分け法によって平均粒子径を測定する方法は、例えば電磁式ふるい振とう機(SA200デジット、レッチェ(Retsch)社製)に、上から目の粗いふるいから下に向かって目の細かいふるいとなるように、複数のふるいを重ねる。ふるいは、例えば8段重ねることができる。また、ふるいは、例えば目開きが0.25〜16mmのものを使用することができる。次に、粉末状原料を上のふるいから仕込み、電磁式ふるい振とう機を600Hz、振幅3mmで10分間振とうする。そして、複数のふるいを通過させて、所望の大きさの平均粒子径を有する粒子状原料を得ることができる。
また用途に応じて、トナー母粒子には、磁性粉を含有させることができる。磁性粉は、0℃〜60℃付近においてフェリ磁性又はフェロ磁性を示す強磁性物質であり、具体的には、例えば、マグネタイト(Fe)、マグヘマタイト(γ−Fe)、マグネタイトとマグヘマタイトの中間物や混合物等が挙げられる。
トナーに導電性を付与する場合は、前記着色剤成分としての導電性カーボンブラックや、その他の導電性物質を配合してもよい。
更に、帯電量、帯電安定性付与のため、トナーには、帯電制御剤が含有されていてもよい。帯電制御剤としては、従来公知の化合物が使用され、例えば、正荷電性帯電制御剤としては、ニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、トリアミノトリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂等、負荷電性帯電制御剤としては、Cr、Co、Al、Fe、B等の原子を含有するアゾ錯化合物染料やアルキルサリチル酸錯化合物、カリックスアレン化合物等が挙げられる。
更に、トナーの粘着性、凝集性、流動性、帯電性、表面抵抗等の改質のために公知の各種「他の内添剤」を含有させることもできる。「他の内添剤」としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーンワニス等が挙げられる。
[トナー母粒子の製造方法]
トナー母粒子の製造方法は特に限定されず、粉砕法、湿式法等の公知の方法が使用できる。本発明においては、何れの方法でトナー母粒子を調製する場合であっても適用することができる。以下にトナー母粒子の製造方法について記載する。
<粉砕法>
「粉砕法」は、従来公知の方法が用いられる。すなわち、通常は、先ずバインダー樹脂、着色剤、ワックス、及び必要に応じて添加される帯電制御剤等を混合機で均一に分散混合する。この際の装置としては、Vブレンダー、ボールミル等の重力落下式混合機やヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)等の高速流動式混合機等が使用される。次いで、該混合物を二本或いは三本ロール、バンバリーミキサー、CMミキサー、密閉式ニーダーまたは一軸若しくは二軸の押出機等で溶融混練し、冷却後、クラッシャー、ハンマーミル、カッターミル等で粗粉砕し、ジェットミル、高速ロータ回転式ミル等で細粉砕し、風力分級機(例えば、慣性分級方式のエルボジェット、遠心力分級方式のミクロプレックス、DSセパレータ等)等で分級して、所定の粒径範囲のものを取得する。通常は粒径範囲3〜12μm、好ましくは3〜10μmのものを取得する。
<化学粉砕法(溶解懸濁法)>
溶解懸濁法等の化学粉砕法は、従来公知の方法が用いられる。すなわち、例えば、バインダー樹脂が溶解する溶剤に、バインダー樹脂及び着色剤、必要に応じて帯電制御剤、磁性粉、「他の内添剤」等を溶解又は分散させ、この溶液をバインダー樹脂にとって溶解性の低い液体と混合することによって粒子を析出させて液滴を形成し、その後、ろ過、乾燥させて、液相から有機溶媒を除去し、トナー母粒子を得る。
<懸濁重合法>
懸濁重合法は、従来公知の方法が用いられる。すなわち、水系媒体中に重合性単量体、ラジカル重合開始剤、着色剤等を懸濁分散させた後に重合させ、その後、ろ過、乾燥してトナー母粒子を得る。
<乳化重合凝集法>
乳化重合凝集法としては従来公知の方法を使用できる。すなわち、重合開始剤及び乳化剤を含有する水性媒体中に芯用樹脂微粒子を構成する重合性モノマーを乳化させ、攪拌下に重合性モノマーを重合させて、まず芯用樹脂微粒子(以下、「重合体一次粒子」と略記する場合がある)のエマルジョンを製造し、次いで、得られた重合体一次粒子エマルジョンに着色剤、及び、必要に応じて帯電制御剤等を添加して、重合体一次粒子を凝集させて一次粒子の凝集体となし(以下、「凝集工程」ということがある)、その後、要すれば加熱融着させて(以下、「融着工程」ということがある)、芯粒子とする。以下詳述する。
重合開始剤及び乳化剤を含有する水性媒体中で重合性モノマーを重合させて、まず重合体一次粒子のエマルジョンを製造する。ここで、ワックスを乳化重合時にシードとして添加することによって重合体一次粒子の中に含有させたり、重合体一次粒子の凝集時にワックス微粒子を配合して共凝集させたり、それらを組み合わせて、ワックスを含有させることも好ましい。中でも、ワックスを実質的に全て、乳化重合時にシードとして添加することが特に好ましい。具体的には、まずワックスを重合核となるシードとして水系媒体に分散させ、次いで重合性モノマーを滴下導入して、重合体一次粒子を製造する方法が好適である。この方法においては、ワックスを凝集前の各粒子単位に内包させることが可能となるため、続く凝集工程、融着工程を経た後のトナー表面からの漏洩、それに伴うトナー樹脂同士の結着、融着等を防止することが可能となり好ましい。また、ワックス乳化重合時にシードとして添加することにより、ワックスがトナー中に微細かつ均一に分散されるため、トナーの帯電性や耐熱性の悪化を抑制することができる。
トナー母粒子の製造方法においては、乳化重合により得た重合体一次粒子を含む分散液に、着色剤、帯電制御剤、ワックス等の分散液を混合し、この分散液中の一次粒子を凝集させて芯粒子とし、必要に応じて、殻用樹脂微粒子(以下、単に「樹脂微粒子」と略記する場合がある)でコーティングすることが好ましい。そしてその後、融着させて得られた粒子を洗浄、乾燥することによりトナー母粒子が得ることが好ましい。
樹脂微粒子の原料や製造方法は特に限定はないが、重合体一次粒子と同様の原料や製造方法を使用して製造することが好ましい。すなわち、重合開始剤及び乳化剤を含有する水性媒体中に、樹脂微粒子を構成する重合性モノマーを乳化させ、攪拌下に重合性モノマーを重合させて、樹脂微粒子を製造し、それを用いることが好ましい。
重合体一次粒子と樹脂微粒子との配合量の質量比率は、99:1〜60:40の範囲が好ましく、更に好ましくは95:5〜90:10である。
芯粒子と樹脂微粒子を融着させて安定化させるために、加熱を行うことが好ましい(以下、この工程を「融着工程」と略記する)。このような加熱処理により融着一体化がなされ、芯粒子に樹脂微粒子層が被覆されたトナー母粒子が得られ、粒子形状も球形に近いものとなる。
得られた粒子は、公知の方法にて固液分離し、粒子を回収し、必要に応じて洗浄、乾燥することで目的とするトナー母粒子を得ることができる。
このようにして得られたトナー母粒子は、さらにその表面に外添剤を付着又は固着させて静電荷像現像用トナーを得ることができる。外添剤は、二酸化ケイ素(SiO)、二酸化チタン(TiO)等の公知の外添剤を用いることができる。外添剤を付着又は固着する方法は特に限定されず、一般にトナーの製造に用いられる混合機を使用することができる。具体的には、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、レディゲミキサー、Q−ミキサー等の混合機により均一に攪拌、混合することによりなされる。
いずれの方法によって静電荷像現像用トナーを製造する場合であっても、本発明の方法は、平均粒子径の異なる少なくとも2種類以上の粒子状原料を使用する場合には、平均粒子径の小さい粒子状原料から順に1つの容器に投入する工程を含む。粒子状原料は、ワックスのように同一の原料であっても、ワックスと着色剤のように異なる原料であってもよい。
以下に、本発明の好適な実施態様について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の第1の実施形態において、静電荷像現像用トナーの製造において、粒子状原料であるワックスを使用した場合ついて説明する。本実施形態において、粉砕法、化学粉砕法(溶解懸濁法)、懸濁重合法、乳化重合凝集法のいずれの方法を適用してもよい。本発明の第1の実施形態においては、平均粒子径の異なる2種類以上のワックスを使用した。具体的には、エステル系ワックス、グリセリンと長鎖脂肪酸より得られるエステル類、パラフィンワックスの3種類の平均粒子径の異なるワックスを用いた。
(i)エステル系ワックス(WE6A、日油社製)、平均粒子径:0.25〜0.5mm
(ii)グリセリンと長鎖脂肪酸より得られるエステル類(リョートーポリグリエステル、B−100D、三菱化学フーズ社製)、平均粒子径:2〜4mm
(iii)パラフィン系ワックス(パラフィンワックス、HNP−9、日本精鑞社製)、平均粒子径:4〜8mm
各ワックスの平均粒子径は、以下のふるい分け法で測定した。
電磁式ふるい振とう機(SA200デジット、レッチェ(Retsch)社製)に、上から目の粗いふるいから下に向かって目の細かいふるいとなるように、8段のふるいを重ねた。ふるいは、目開き0.25〜16mmのものを使用した。次に、粉末状原料を上のふるいから仕込み、電磁式ふるい振とう機を600Hz、振幅3mmで10分間振とうした。複数のふるいを通過させて、所望の大きさの平均粒子径を有する粒子状原料を得た。ことができる。
ふるいは、JIS Z8801−1:2006、ISO No.565又はISO No.3310に準拠したものを使用した。
本発明の第1の実施態様において、平均粒子径の小さい順に、(i)エステル系ワックスと、(ii)グリセリンと長鎖脂肪酸より得られるエステル類と、(iii)パラフィンワックスとをこの順でタンクに投入した。
前記ワックスにおいて、(ii)グリセリンと長鎖脂肪酸により得られるエステル類と、(iii)パラフィン系ワックスは、平均粒子径の数値が重複する範囲を含むが、平均粒子径の範囲がより小さい(ii)グリセリンと長鎖脂肪酸により得られるエステル類を、(iii)パラフィン系ワックスよりも先にタンクに投入した。このように、平均粒子径の数値範囲が重複する場合であっても、平均粒子径の数値範囲がより小さい粒子状原料から先に同一のタンクに投入することが好ましい。また、本発明の第1の実施形態においては、3種類のワックスを使用した場合について説明したが、粒子状原料の種類は3種類に限られず、2種類を使用した場合であっても、3種類以上を使用した場合であっても、平均粒子径の小さい粒子状原料から順にタンクに投入する。
本発明の第1の実施形態において、それぞれ平均粒子径の異なるワックスごとに、平均粒子径の小さい順に各ワックスを1つのタンクに投入した後、3種類のワックスを1つのタンク内で加熱、溶融し、分散液とした状態で、他の原料と混合した。例えば、乳化重合凝集法によりトナーを製造する場合には、乳化重合により得た重合体一次粒子を含む分散液に、複数種のワックスを加熱、溶融した分散液を混合して、公知の乳化重合凝集法に準じてトナーを製造した。
本発明の第1の実施態様において、最小着火エネルギー(MIE)の小さい、平均粒子径の小さいワックスから順にタンクに投入し、その後に、放電エネルギーが大きくなる、平均粒子径の大きいワックスを同一のタンクに投入することによって、容器内のワックス堆積部表面の電界強度を抑制し、着火性放電現象の発生を抑止することができた。また、本発明の第1の実施形態において、製造時の作業環境における安全性を改善することができた。本発明の第1の実施態様においては、容器として、タンクに粒子状原料を投入する場合について説明したが、容器はタンクに限定されない。また、本発明の第1の実施態様においては、原料としてワックスについて、平均粒子径が異なる2種類以上のワックスを使用する場合について説明したが、本発明は、原料が同一である場合に限定されず、例えばワックスと顔料のように原料が異なる場合であっても適用することができる。

Claims (1)

  1. 平均粒子径の異なる少なくとも2種類以上の粒子状原料ワックスを使用する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
    前記粒子状原料ワックスは、平均粒子径0.25〜0.5mmのワックスと、平均粒子径4〜8mmのワックスと、平均粒子径2〜4mmのワックスとを含み、
    前記ワックスを1つの容器に投入する工程を含み、
    前記投入する工程において、1つの容器に、他の原料を投入する前に、平均粒子径の異なるワックスごとに、粒子径の小さい順に各ワックスを投入する、静電荷像現像用トナーの製造方法。
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