JP6226171B2 - 応力センサ - Google Patents

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Description

本発明は、応力センサに関し、特に、簡便な構造で局所応力若しくは応力分布の検出が可能な応力センサに関する。
人間の五感に代わる、もしくはそれを上回る性能の優れた検出素子として様々な機能を備えたセンサが開発されてきた。動作、光、温度等、自然現象や人工物の機械的・電磁気的・熱的・音響的性質、あるいはそれらで示される空間情報・時間情報をセンサで感知し機器を制御することで、正確で精密な動きや、簡単で使いやすい操作方法の実現が可能となり、省電力化にも大きな効果を発揮する。既に、工場、医療・ヘルスケア、交通、建設、農業、環境管理等、様々な分野でセンサを利用した新しい取り組みが始まっている。
今後、センサへの要求としては、既存のセンサの高性能化だけでなく、様々なシーンに対応できるよう検出対象の多様化が求められてくるものと思われる。
例えば、センサの例を挙げると、動作検出用途としては、加速度センサ・ジャイロセンサ・タッチセンサ・ホールセンサ・傾斜センサ・グリップセンサ・脈波センサ、周囲検出としては、イメージセンサ・圧力センサ・照度センサ・近接センサ・焦電センサ・湿度センサ・UVセンサ・IrDA、X線センサ・においセンサ等、多岐に渡る。
機械的力の検出に関連する従来技術としては、応力センサ・歪センサ・圧力センサ等が存在し、以下のように分類される。すなわち、金属を用いたピエゾ抵抗効果素子は、金属の伸縮による電気抵抗の増減を電圧に変換することにより、歪みを検出する。伸縮現象を用いるため、空間分解能は低く、また動作温度範囲が狭い。半導体を用いたピエゾ抵抗効果素子は、原理は金属の場合と同じである。シリコンをダイヤフラム構造に加工し、膜厚が薄い部分の圧力による歪みを高感度に検出することができる。同じく、伸縮現象を用いるため、空間分解能は低く、動作温度範囲が狭い。また、機械的に弱い。誘電体を用いた圧電効果素子は、圧電効果を利用するため、動的応力(加速度や振動)は検出できるが、静的応力の検出には適さない。
逆磁歪効果を用いた磁歪式応力センサは、強磁性体全体としての磁化-応力特性の関係から歪みを検出するという原理を有し、強磁性体に印加された歪みにより、磁化が変化する現象を利用する(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、空間分解能は低い。
何れの手法でも、局所応力を高空間分解能をもって検出することは難しい。
例えば、室温で強磁性体を示す絶縁体材料としてガーネットが知られている。ガーネットは液相成長法で作製した場合、成長誘導磁気異方性という製法特有の現象が発現する。成長誘導磁気異方性によって結晶成長中に自発的に希土類元素のオーダリングが起こることで磁気異方性が生じ、垂直磁化膜が得られることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。また、成長誘導磁気異方性は熱処理により低減できることが知られている(例えば、非特許文献2参照)。
特開2010−78481号公報
A. Rosencwaig and W. J. Tabor, "Noncubic Garnet Anisotropy from Growth-Induced Pair Ordering", J. Appl. Phys. 42, 1643 (1971). A. Kurtzig and F. Hagedorn, "Noncubic magnetic anisotropies in bulk and thin-films garnets", IEEE Trans. Magn. MAG-7, 473 (1971).
本発明では応力センサの母体材料として、磁性体を用いている。
本発明の目的は、簡便な構造で局所応力若しくは応力分布の検出が可能で、かつ単一磁区の応力応答現象を利用し、高空間分解能を得ることができる応力センサを提供することにある。
本発明の一態様によれば、磁性体と、前記磁性体上の応力作用部と、前記磁性体に隣接して配置された磁石と、前記磁性体を介して前記応力作用部と対向して配置された磁気センサとを備え、前記応力作用部に印加される局所応力により、前記磁性体に発生する磁区から放出される磁束を、前記磁気センサにより検出し、前記磁性体には前記磁石により飽和磁場が印加され、前記磁石による外部磁場と逆方向の応力誘導異方性磁場が前記局所応力により印加されることで、前記磁性体には単一の磁気バブルが発生し、前記磁気バブルから放出される磁束を磁気センサにより検出することで、前記局所応力を検出可能である応力センサが提供される。
本発明の他の態様によれば、磁性体と、前記磁性体の応力作用部と、前記磁性体に隣接して配置された磁石と、前記磁性体を介して前記応力作用部と対向して配置された磁気センサとを備え、応力分布による磁区の変位を、前記磁区から放出される磁束を前記磁気センサにより検出することにより、検出し、前記磁性体には前記磁石により磁気バブル発生磁場が印加され、前記応力分布により応力誘導異方性磁場が印加されることで、前記磁気バブルの変位が発生し、前記磁気バブルから放出される磁束を磁気センサにより検出することで、応力分布を検出可能である応力センサが提供される。
本発明によれば、簡便な構造で局所応力若しくは応力分布の検出が可能で、かつ単一磁区の応力応答現象を利用し、高空間分解能を得ることができる応力センサを提供することができる。
実施の形態に係る応力センサの動作原理であって、(a)飽和磁場Hsよりも大きな外部磁場Hexを印加した磁化Mをもつ磁性体の模式的断面構造図、(b)タングステン針によって磁性体に局所応力を印加することによって、応力誘導異方性磁場HAを発生させ、磁気バブルを発生させた磁性体の模式的断面構造図、(c)タングステン針をリリースした後、応力誘導異方性磁場HAによる磁化方向が保存されない(揮発性)状態の磁性体の模式的断面構造図、(d)図1(a)に対応する磁性体の表面状態の模式図、(e)図1(b)に対応する磁性体の表面状態の模式図、(f)図1(c)に対応する磁性体の表面状態の模式図。 実施の形態に係る応力センサの動作原理であって、(a)飽和磁場Hs程度の外部磁場Hexを印加した磁化Mをもつ磁性体の模式的断面構造図、(b)タングステン針によって磁性体に局所応力を印加することによって、応力誘導異方性磁場HAを発生させ、磁気バブルを発生させた磁性体の模式的断面構造図、(c)タングステン針をリリースした後、応力誘導異方性磁場HAにより反転した磁化方向が保存される(不揮発性)状態の磁性体の模式的断面構造図、(d)図2(a)に対応する磁性体の表面状態の模式図、(e)図2(b)に対応する磁性体の表面状態の模式図、(f)図2(c)に対応する磁性体の表面状態の模式図。 実施の形態に係る応力センサの実験例であって、(a)飽和磁場Hsに等しい外部磁場Hexを印加して磁化Mを発生させた磁性体の磁気光学顕微鏡像による表面観察図(タングステン針接触前)、(b)タングステン針によって磁性体に局所応力を印加することによって、応力誘導異方性磁場HAを発生させ、磁気バブルを発生させた磁性体の磁気光学顕微鏡像による表面観察図、(c)タングステン針をリリースした後、応力誘導異方性磁場HAにより反転した磁化方向が保存される(不揮発性)状態の磁性体の磁気光学顕微鏡像による表面観察図。 実施の形態に係る応力センサによる局所応力の検出の説明図であって、(a)外部磁場Hexを印加した磁化Mをもつ磁性体の模式的断面構造図、(b)外部磁場Hexを印加した状態で、タングステン針によって磁性体に局所応力を印加することによって、応力誘導異方性磁場HAを発生させた磁性体と、タングステン針の接触面と対向する磁性体の裏面側に磁気センサを配置した構成の模式的断面構造図、(c)磁性体の表面側に磁性体薄膜および保護膜を配置し、磁性体の裏面側に磁気センサを配置した応力センサの模式的断面構造図。 実施の形態に係る応力センサの実験例であって、(a)外部磁場Hexとして磁気バブル発生磁場を印加して磁気バブルを発生させた磁性体の磁気光学顕微鏡像による表面観察図(タングステン針接触前)、(b)タングステン針(1.15mN)によって磁性体に局所応力を印加した状態の磁性体の磁気光学顕微鏡像による表面観察図、(c)図5(a)と図5(b)の差分像。 実施の形態に係る応力センサの模式的断面構造図。 実施の形態の変形例1に係る応力センサの模式的断面構造図。 実施の形態の変形例2に係る応力センサの模式的断面構造図。 実施の形態の変形例3に係る応力センサの模式的断面構造図。 実施の形態の変形例4に係る応力センサの模式的断面構造図。 実施の形態の変形例5に係る応力センサの模式的断面構造図。 実施の形態の変形例6に係る応力センサの模式的断面構造図。 (a)実施の形態の変形例7に係る応力センサの模式的平面パターン構成図、(b)図13(a)のI−I線に沿う模式的断面構造図。 実施の形態に係る応力センサを適用した応力分布検出装置の模式的平面パターン構成図、(b)図14(a)のII−II線に沿う模式的断面構造図。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体の外部磁場Hexと磁化Mとの関係(磁化曲線)であって、(a)熱処理前の例、(b)熱処理温度1150℃の例、(c)熱処理温度1200℃の例。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、飽和磁場Hsと飽和磁場比(面外方向の飽和磁場Hs,⊥を面内方向の飽和磁場Hs,||で割ったもの)の熱処理温度依存性。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、磁気光学顕微鏡像の磁場依存性を磁化曲線(外部磁場Hexと磁化Mとの関係)と対応させて示した図であって、(a)熱処理前の例、(b)熱処理温度1200℃の例。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体の計測システムであって、局所応力制御システムを組み合わせた磁気光学顕微鏡測定系の模式的構成図。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、(a)熱処理温度1200℃の熱処理試料の飽和磁場印加時(Hex=Hs=560(Oe))における模式的断面構造図(磁気光学顕微鏡像は図3(a)に対応)、(b)タングステン針によって磁性体に局所応力を印加することによって、応力誘導異方性磁場HAを発生させた磁性体の模式的断面構造図(磁気光学顕微鏡像は図3(b)に対応)、(c)タングステン針をリリースした後、応力誘導異方性磁場HAにより反転した磁化方向が保存された(不揮発性)状態の磁性体の模式的断面構造図(磁気光学顕微鏡像は図3(c)に対応)。 実施の形態に係る応力センサの実験例であって、(a)外部磁場Hexを印加しない状態(Hex=0(Oe))の磁性体の磁気光学顕微鏡像による表面観察図(タングステン針接触前)、(b)タングステン針(7.79mN)によって磁性体に局所応力を印加した状態の磁性体の磁気光学顕微鏡像による表面観察図、(c)図20(a)と図20(b)の差分像。 実施の形態に係る応力センサの実験例であって、(a)外部磁場Hexとしてバブル磁区発生磁場(Hex=280(Oe))を印加してバブル磁区を発生させた磁性体の磁気光学顕微鏡像による表面観察図(タングステン針接触前)、(b)タングステン針(1.15mN)によって磁性体に局所応力を印加した状態の磁性体の磁気光学顕微鏡像による表面観察図、(c)図21(a)と図21(b)の差分像。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、(a)磁気光学顕微鏡像の磁場依存性を磁化曲線(外部磁場Hexと磁化Mとの関係)と対応させて示した図であって、熱処理温度1200℃の例(図17(b)に対応した図)、(b)面直方向へ外部磁場Hexを印加し磁区構造を変化させながら、磁区動作としきい荷重の関係を調査した結果であって、外部磁場Hexとしきい力fとの関係を示す図。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=0(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による表面観察図であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=3.14mN、(d)しきい力f=6.70mN、(e)しきい力f=7.79mN、(f)しきい力f=6.30mN、(g)しきい力f=2.86mN(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=70(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による表面観察図であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=2.92mN、(d)しきい力f=4.32mN、(e)しきい力f=5.60mN、(f)しきい力f=4.36mN、(g)しきい力f=2.94mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=130(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による表面観察図であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=1.36mN、(d)しきい力f=3.12mN、(e)しきい力f=4.28mN、(f)しきい力f=2.83mN、(g)しきい力f=1.41mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=200(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による表面観察図であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=2.19mN、(d)しきい力f=2.59mN、(e)しきい力f=3.43mN、(f)しきい力f=2.57mN、(g)しきい力f=1.96mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=280(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による表面観察図であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=1.15mN、(d)しきい力f=5.10mN、(e)しきい力f=9.92mN、(f)しきい力f=5.40mN、(g)しきい力f=0.34mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=390(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による表面観察図であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=1.22mN、(d)しきい力f=4.96mN、(e)しきい力f=9.90mN、(f)しきい力f=5.24mN、(g)しきい力f=1.24mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=500(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による表面観察図であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=1.18mN、(d)しきい力f=4.96mN、(e)しきい力f=2.56mN、(f)しきい力f=1.71mN、(g)しきい力f=1.13mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=560(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による表面観察図であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=1.24mN、(d)しきい力f=2.49mN、(e)しきい力f=3.75mN、(f)しきい力f=2.22mN、(g)しきい力f=1.40mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=0(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による磁区変位前後の重ね合わせ像であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=3.14mN、(d)しきい力f=6.70mN、(e)しきい力f=7.79mN、(f)しきい力f=6.30mN、(g)しきい力f=2.86mN(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=70(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による磁区変位前後の重ね合わせ像であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=2.92mN、(d)しきい力f=4.32mN、(e)しきい力f=5.60mN、(f)しきい力f=4.36mN、(g)しきい力f=2.94mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=130(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による磁区変位前後の重ね合わせ像であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=1.36mN、(d)しきい力f=3.12mN、(e)しきい力f=4.28mN、(f)しきい力f=2.83mN、(g)しきい力f=1.41mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=200(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による磁区変位前後の重ね合わせ像であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=2.19mN、(d)しきい力f=2.59mN、(e)しきい力f=3.43mN、(f)しきい力f=2.57mN、(g)しきい力f=1.96mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=280(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による磁区変位前後の重ね合わせ像であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=1.15mN、(d)しきい力f=5.10mN、(e)しきい力f=9.92mN、(f)しきい力f=5.40mN、(g)しきい力f=0.34mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=390(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による磁区変位前後の重ね合わせ像であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=1.22mN、(d)しきい力f=4.96mN、(e)しきい力f=9.90mN、(f)しきい力f=5.24mN、(g)しきい力f=1.24mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=500(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による磁区変位前後の重ね合わせ像であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=1.18mN、(d)しきい力f=4.96mN、(e)しきい力f=2.56mN、(f)しきい力f=1.71mN、(g)しきい力f=1.13mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=560(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による磁区変位前後の重ね合わせ像であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=1.24mN、(d)しきい力f=2.49mN、(e)しきい力f=3.75mN、(f)しきい力f=2.22mN、(g)しきい力f=1.40mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=0(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による磁区変位前後の差分像であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=3.14mN、(d)しきい力f=6.70mN、(e)しきい力f=7.79mN、(f)しきい力f=6.30mN、(g)しきい力f=2.86mN(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=70(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による磁区変位前後の差分像であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=2.92mN、(d)しきい力f=4.32mN、(e)しきい力f=5.60mN、(f)しきい力f=4.36mN、(g)しきい力f=2.94mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=130(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による磁区変位前後の差分像であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=1.36mN、(d)しきい力f=3.12mN、(e)しきい力f=4.28mN、(f)しきい力f=2.83mN、(g)しきい力f=1.41mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=200(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による磁区変位前後の差分像であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=2.19mN、(d)しきい力f=2.59mN、(e)しきい力f=3.43mN、(f)しきい力f=2.57mN、(g)しきい力f=1.96mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=280(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による磁区変位前後の差分像であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=1.15mN、(d)しきい力f=5.10mN、(e)しきい力f=9.92mN、(f)しきい力f=5.40mN、(g)しきい力f=0.34mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=390(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による磁区変位前後の差分像であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=1.22mN、(d)しきい力f=4.96mN、(e)しきい力f=9.90mN、(f)しきい力f=5.24mN、(g)しきい力f=1.24mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=500(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による磁区変位前後の差分像であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=1.18mN、(d)しきい力f=4.96mN、(e)しきい力f=2.56mN、(f)しきい力f=1.71mN、(g)しきい力f=1.13mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、外部磁場Hex=560(Oe)の場合の磁性体の磁気光学顕微鏡像による磁区変位前後の差分像であって、(a)タングステン針接触前、(b)しきい力f=0.00mN、(c)しきい力f=1.24mN、(d)しきい力f=2.49mN、(e)しきい力f=3.75mN、(f)しきい力f=2.22mN、(g)しきい力f=1.40mN、(h)しきい力f=0.00mN、(i)タングステン針リリース。 実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、(a)飽和磁場Hsと飽和磁場比(面外方向の飽和磁場Hs,⊥を面内方向の飽和磁場Hs,||で割ったもの)の熱処理温度依存性(図16に対応する図)、(b)外部磁場Hex(Oe)としきい力f(mN)の熱処理温度依存性であって、熱処理温度の増加(磁気異方性の低減)により、磁区動作のしきい荷重が低減されている様子を示す図。 局所磁場発生装置において、磁石の配置を説明する図であって、(a)支持台上に磁性体を囲んで磁石を配置した構成例、(b)磁性体上に磁石を配置した構成例。 磁気センサとしてホール素子を用いて構成した実施の形態に係る応力センサにおいて、磁気センサ出力と局所応力(もしくは応力誘導異方性磁場)との関係を示す模式図。 応力増加により磁気センサ有効領域直下に占める磁気バブルの面積が徐々に増加する様子を説明する模式図であって、(a)図49のA点に対応する磁気センサの模式図、(b)図49のB点に対応する磁気バブルBB1の模式図、(c)図49のC点に対応する磁気バブルBB2の模式図、(d)図49のD点に対応する磁気バブルBB3の模式図。 実施の形態に係る応力センサの磁気センサに適用可能なホール素子の模式的平面パターン構成図。 実施の形態に係る応力センサの磁気センサに適用可能なホール素子の模式的鳥瞰構成図。 実施の形態に係る応力センサの磁気センサに適用可能なホール素子の1つの素子部分の表面光学顕微鏡写真。 実施の形態に係る応力センサの磁気センサに適用可能なホール素子であって、図53のIII−III線に沿う模式的断面構造図。 実施の形態に係る応力センサの磁気センサに適用可能なホール素子のホールクロスバー中央部分の表面走査型電子顕微鏡(SEM)写真とホールクロスバー中央部分の説明図。 ホール素子を適用した磁気センサにおいて、印加磁場Bにより駆動されるホールプローブ動作の説明図であって、出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図。 ホール素子を適用した磁気センサにおいて、(a)ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(−)が存在する例、(b)ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(+)が存在する例。 ホール素子を適用した磁気センサにおいて、(a)、磁気記録媒体の各部の寸法例(ドメイン幅d、磁気記録媒体厚さt)、(b)ドメイン幅dをパラメータとする磁気記録媒体から放出される垂直方向の磁場BZ(mT)と高さZとの関係を示す特性例。 ホール素子を適用した磁気センサの製造方法の説明図であって、(a)磁気記録媒体上にアラインメント電極層を形成後、絶縁層を形成する工程を示す模式的断面構造図、(b)絶縁層上にBi(ビスマス)電極層をパターン形成する工程を示す模式的断面構造図、(c)Bi(ビスマス)電極層に接してパッド電極をパターン形成した後、全面にパッシベーション膜を形成する工程を示す模式的断面構造図、(d)パッド電極に対するコンタクトホールを形成する工程を示す模式的断面構造図。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
実施の形態に係る応力センサには、局所応力検出装置及び応力分布検出装置が含まれる。
局所応力検出装置は、磁性体への局所応力印加により磁区を発生させることで、局所応力の検出を可能とする。また、応力分布検出装置は、磁性体への応力印加により磁区を変位させ、複数の磁場検出素子(磁気センサ)により磁場分布を検出することで、応力分布を検出することを可能とする。
実施の形態に係る応力センサは、磁性体と磁気センサを組み合わせた簡便な構造で局所応力の検出が可能となる、磁区幅は磁性材料に依存するために局所磁場の空間分解能は磁性材料の選択により容易に高空間分解能を得ることができる。
(局所磁場の発生)
実施の形態に係る応力センサの動作原理であって、飽和磁場Hsよりも大きな外部磁場Hexを印加した磁化Mをもつ磁性体10の模式的断面構造は、図1(a)に示すように表され、タングステン針40によって磁性体に局所応力を印加することによって、応力誘導異方性磁場HAを発生させ、磁気バブルBUBを発生させた磁性体10の模式的断面構造は、図1(b)に示すように表され、タングステン針40をリリースした後、応力誘導異方性磁場HAによる磁化方向が保存されない(揮発性)状態の磁性体10の模式的断面構造図は、図1(c)に示すように表される。また、図1(a)に対応する磁性体10の表面状態の模式図は、図1(d)に示すように表され、図1(b)に対応する磁性体10の表面状態の模式図は、図1(e)に示すように表され、図1(c)に対応する磁性体10の表面状態の模式図、図1(f)に示すように表される。
また、実施の形態に係る応力センサの動作原理であって、飽和磁場Hs近傍の外部磁場Hexを印加した磁化Mをもつ磁性体の10模式的断面構造は、図2(a)に示すように表され、タングステン針40によって磁性体10に局所応力を印加することによって、応力誘導異方性磁場HAを発生させ、磁気バブルBUBを発生させた磁性体10の模式的断面構造は、図2(b)に示すように表され、タングステン針40をリリースした後、応力誘導異方性磁場HAにより反転した磁化方向が保存される(不揮発性)状態の磁性体10の模式的断面構造は、2(c)に示すように表される。また、図2(a)に対応する磁性体10の表面状態の模式図は、図2(d)に示すように表され、図2(b)に対応する磁性体10の表面状態の模式図は、図2(e)に示すように表され、図2(c)に対応する磁性体10の表面状態の模式図、図2(f)に示すように表される。
実施の形態に係る応力センサの実験例であって、飽和磁場Hsに等しい外部磁場Hexを印加した磁化Mをもつ磁性体10の磁気光学顕微鏡像による表面観察図(タングステン針40接触前)は、図3(a)に示すように表され、タングステン針40によって磁性体10に局所応力を印加することによって、応力誘導異方性磁場HAを発生させ、磁気バブルBUBを発生させた磁性体10の磁気光学顕微鏡像による表面観察図は、図3(b)に示すように表され、タングステン針40をリリースした後、応力誘導異方性磁場HAにより反転した磁化(MA)方向が保存される(不揮発性)状態の磁性体の磁気光学顕微鏡像による表面観察図は、図3(c)に示すように表される。
実施の形態に係る応力センサにおいては、磁性体10に局所応力を印加することで、応力誘導異方性磁場HAを発生させ、磁気バブルBUBを発生させる。
実施の形態に係る応力センサにおいて、印加外部磁場Hexを飽和磁場Hsより大きく設定した場合は、応力印加後に磁化方向が保存されない、即ち、応力のオン/オフにより局所磁場をオン/オフできる、という揮発性機能を持たせることができる。一方で、印加外部磁場Hexを飽和磁場Hsと同程度に設定した場合は、応力印加後に磁化方向が保存される。即ち、応力のオンにより局所磁場をオンできるという不揮発性機能を持たせることができる。すなわち、外部磁場Hexにより機能を変化させることができる。また、磁性体10の材料の選択により磁気バブルの直径、即ち、局所磁場の空間分解能を変化させることができる。
(局所応力の検出)
実施の形態に係る応力センサによる局所応力の検出の説明図であって、外部磁場Hexを印加した磁化Mをもつ磁性体10の模式的断面構造は、図4(a)に示すように表され、外部磁場Hexを印加して磁化を飽和させた状態で、タングステン針40によって磁性体10に局所応力を印加することによって、応力誘導異方性磁場HAを発生させた磁性体10と、タングステン針40の接触面(応力作用部40P)と対向する磁性体10の裏面側に磁気センサ30を配置した構成の模式的断面構造は、図4(b)に示すように表され、磁性体10の表面側に磁石(磁性体薄膜)20および保護膜52を配置し、磁性体10の裏面側に磁気センサ30を配置した応力センサ60の模式的断面構造は、図4(c)に示すように表される。尚、磁性体10と磁石(磁性体薄膜)20との間には、絶縁層を介在させて、互いに絶縁されていても良い。
実施の形態に係る応力センサにおいては、図4(a)〜図4(c)に示すように、磁性体10に局所応力を印加することによって、磁気バブルを発生させ、局所磁場を磁気センサ30により検出可能である。
実施の形態に係る応力センサの実験例であって、外部磁場Hexとして磁気バブル発生磁場を印加して磁気バブルBUBを発生させた磁性体10の磁気光学顕微鏡像による表面観察図(タングステン針40接触前)は、図5(a)に示すように表され、タングステン針40(1.15mN)によって磁性体10に局所応力(1.15mN)を印加した状態の磁性体10の磁気光学顕微鏡像による表面観察図は、図5(b)に示すように表され、図5(a)と図5(b)の差分像は、図5(c)に示すように表される。図5(c)において、RBは磁気バブルBUBの変位を表す。すなわち、磁性体10に局所応力(1.15mN)を印加することで、磁気バブルBUBの変位:R1→B1、R2→B2、R3→B3、R4→B4、R5→B5、R6→B6、R7→B7、R8→B8が観測されている。
実施の形態に係る応力センサにおいては、図5(a)〜図5(c)に示すように、磁気バブル発生磁場を印加した場合は、磁性体10に局所応力を印加することによって、応力分布による磁気バブルの変位を発生させ、複数の磁気センサ30により応力分布の検出も可能である。
(応力センサの構成)
実施の形態に係る応力センサ60は、図6に示すように、磁性体10と、磁性体10上の応力作用部40Pと、磁性体10に隣接して配置された磁石20と、磁性体10を介して応力作用部40Pと対向して配置された磁気センサ30とを備え、応力作用部40Pに印加される局所応力により、磁性体に発生する磁区から放出される磁束を、磁気センサ30により検出する。実施の形態に係る応力センサ60においては、局所応力を定量化するために、例として、タングステン針40を用いて、応力作用部40Pに局所応力を印加しているが、局所応力を印加する手法としては、タングステン針40に限定されることはない。尚、他の針状の構成として、例えば、木製爪楊枝によっても磁区を動作できることを確認しているため、本現象は、非常に微小な領域の局所応力センサだけでなく、ヒューマンインタフェース用途の応力センサとしても用いることができる。
実施の形態に係る応力センサ60において、磁石20と磁気センサ30は、図6に示すように、磁性体10の互いに対向する面(表面・裏面)に配置されている。
実施の形態に係る応力センサ60においては、磁性体10には磁石20により飽和磁場が印加され、磁石20による外部磁場Hexと逆方向の応力誘導異方性磁場HAが局所応力により印加されることで、磁性体10には単一の磁気バブルBUBが発生し、磁気バブルBUBから放出される磁束を磁気センサ30により検出することで、局所応力を検出可能である。
尚、図6の構成では、磁性体10を介して応力作用部40Pと対向して磁気センサ30を配置することで磁気センサ30への物理的ダメージを回避することができる。
(変形例1)
実施の形態の変形例1に係る応力センサ60において、磁石20と磁気センサ30は、図7に示すように、磁性体10の一方の面(裏面)に配置されている。その他の構成は、実施の形態と同様である。
(変形例2)
実施の形態の変形例2に係る応力センサ60は、図8に示すように、磁性体10と、磁性体10上の応力作用部40Pと、磁性体10を介して応力作用部40Pと対向して配置された磁気センサ30と、磁気センサ30上に配置された絶縁層50と、絶縁層50上に配置された磁石20とを備える。
実施の形態の変形例2に係る応力センサ60において、磁石20と磁気センサ30は、図8に示すように、磁性体10の一方の面(表面)側に配置されている。磁石20は、磁性体薄膜などで形成しても良い。その他の構成は、実施の形態と同様である。
(変形例3)
実施の形態の変形例3に係る応力センサ60は、図9に示すように、磁性体10と、磁性体10上の応力作用部40Pと、磁性体10を介して応力作用部40Pと対向して配置された磁気センサ30と、磁気センサ30上に配置された絶縁層50と、絶縁層50上に配置された磁石20とを備える。
実施の形態の変形例3に係る応力センサ60においては、図9に示すように、磁石20と磁性体10は、磁気センサ30の一方の面(裏面)上に、パターン形成された絶縁層50を介して配置されている。磁石20は、磁性体薄膜などで形成しても良い。磁石20を磁性体薄膜などで形成することによって、磁性体10と磁石20と磁気センサ30の一体化が可能となり、デバイス応用上好適である。その他の構成は、実施の形態と同様である。
(変形例4)
実施の形態の変形例4に係る応力センサ60は、図10に示すように、磁性体10と、磁性体10上の応力作用部40Pと、磁性体10を介して応力作用部40Pと対向して配置された磁気センサ30と、磁気センサ30上に配置された絶縁層50と、絶縁層50上に配置された磁石20とを備える。
実施の形態の変形例4に係る応力センサ60において、磁石20と磁性体10は、図10に示すように、磁気センサ30の一方の面(表面)上に形成された絶縁層50上に配置されている。磁石20は、磁性体薄膜などで形成しても良い。磁石20を磁性体薄膜などで形成することによって、磁性体10と磁石20と磁気センサ30の一体化が可能となり、デバイス応用上好適である。その他の構成は、実施の形態と同様である。
(変形例5)
実施の形態の変形例5に係る応力センサ60は、図11に示すように、磁性体10と、磁性体10上の応力作用部40Pと、磁性体10を介して応力作用部40Pと対向して配置された磁気センサ30と、磁気センサ30上に配置された磁石20とを備える。
実施の形態の変形例5に係る応力センサ60において、磁石20と磁性体10は、図11に示すように、磁気センサ30の一方の面(表面)上に配置されている。磁石20は、磁性体薄膜などで形成しても良い。磁石20を磁性体薄膜などで形成することによって、磁性体10と磁石20と磁気センサ30の一体化が可能となり、デバイス応用上好適である。その他の構成は、実施の形態と同様である。
(変形例6)
実施の形態の変形例6に係る応力センサ60は、図12に示すように、磁性体10と、磁性体10上の応力作用部40Pと、磁性体10を介して応力作用部40Pと対向して配置された磁気センサ30と、磁性体10上に、磁気センサ30を囲むように配置された磁石20とを備える。
実施の形態の変形例6に係る応力センサ60において、磁石20と磁気センサ30は、図12に示すように、磁性体10の一方の面(表面)上に絶縁層50を介して配置されている。磁石20は、磁性体薄膜などで形成しても良い。その他の構成は、実施の形態と同様である。
(変形例7)
実施の形態の変形例7に係る応力センサ60の模式的平面パターン構成は、図13(a)に示すように表され、図13(a)のI−I線に沿う模式的断面構造は、図13(b)に示すように表される。
実施の形態の変形例7に係る応力センサ60は、図13(a)および図13(b)に示すように、磁性体10と、磁性体10上の複数の応力作用部40Pと、磁性体10に隣接して配置された磁石20と、磁性体10を介して複数の応力作用部40Pと対向して配置された複数の磁気センサ301・302・303とを備え、応力分布による磁区の変位を、磁区から放出される磁束を複数の磁気センサ301・302・303により検出することにより、検出する。
実施の形態の変形例7に係る応力センサ60において、磁石20と複数の磁気センサ301・302・303は、図13(b)に示すように、磁性体10の一方の面(表面)上に絶縁層50を介して配置されている。磁石20は、磁性体薄膜などで形成しても良い。
実施の形態の変形例7に係る応力センサ60においては、磁性体10には磁石20により磁気バブル発生磁場が印加され、応力分布により応力誘導異方性磁場HAが印加されることで、磁気バブルの変位が発生し、磁気バブルから放出される磁束を磁気センサ301・302・303により検出することで、応力分布を検出可能である。
尚、図13の構成では、磁性体10を介して応力作用部40Pと対向して磁気センサ301・302・303を配置することで磁気センサ301・302・303への物理的ダメージを回避することができる。
(変形例8)
実施の形態の変形例8に係る応力センサ60の模式的平面パターン構成は、図14(a)に示すように表され、図14(a)のII−II線に沿う模式的断面構造は、図14(b)に示すように表される。
実施の形態の変形例8に係る応力センサ60は、図14(a)および図14(b)に示すように、磁性体10と、磁性体10上の応力作用部40Pと、磁性体10に隣接して配置された磁石20と、磁性体10を介して応力作用部40Pと対向して配置された複数の磁気センサ301、302、303、3011、3012、…、301n、…30m1、30m2、…、30mn(MS11、MS12、…、MS1n、…MSm1、MSm2、…、MSmn)とを備え、応力分布による磁区の変位を、磁区から放出される磁束を複数の磁気センサ301、302、303、3011、3012、…、301n、…30m1、30m2、…、30mnにより検出することにより、検出する。
実施の形態の変形例8に係る応力センサ60において、磁石20と複数の磁気センサ301、302、303、3011、3012、…、301n、…30m1、30m2、…、30mn(MS11、MS12、…、MS1n、…MSm1、MSm2、…、MSmn)は、図14(b)に示すように、磁性体10の一方の面(表面)上に絶縁層50を介して配置されている。磁石20は、磁性体薄膜などで形成しても良い。
実施の形態の変形例8に係る応力センサ60においては、磁性体10には磁石20により磁気バブル発生磁場が印加され、応力分布により応力誘導異方性磁場HAが印加されることで、磁気バブルの変位が発生し、磁気バブルから放出される磁束を複数の磁気センサ301、302、303、3011、3012、…、301n、…30m1、30m2、…、30mnにより検出することで、応力分布を検出可能である。
尚、図14の構成では、磁性体10を介して応力作用部40Pと対向して複数の磁気センサ301、302、303、3011、3012、…、301n、…30m1、30m2、…、30mnを配置することで複数の磁気センサ301、302、303、3011、3012、…、301n、…30m1、30m2、…、30mnへの物理的ダメージを回避することができる。
実施の形態の変形例8に係る応力センサ60においては、複数の磁気センサを配置することによって、任意の場所での応力を検出することができる。
実施の形態の変形例8に係る応力センサ60においては、磁気センサ301、302、303、3011、3012、…、301n、…30m1、30m2、…、30mnはホール素子で構成可能である。また、このようなホール素子は磁性体10上に接して配置されていても良い。
磁区から放出される磁束は距離に従い減少するが、ホール素子を磁性体10上に接して配置することで磁束の減衰を最小限に抑制し、効率良く磁束を検出することができる。磁気センサの応力センサへの一体化が可能となり、デバイス応用上好適である。
また、ホール素子の材料はビスマス(Bi)で形成されていても良い。Biは典型的な金属の中で最大のホール係数を有し、蒸着等により作製可能であるため、下地の材料に依らず高感度なホール素子の作製が可能となる。
(局所応力による磁区の駆動)
(磁性体の選定)
磁性体10には液相成長法により350μm厚の(100)面(CaGd)3(MgGaZr)512基板上へ製膜された50μm厚のBi置換ガーネットを用いた。用いた磁性体10の飽和磁化は室温で343Gである。磁性体10は大気中1000〜1200℃、6時間の熱処理を行った。
ガーネットは液相成長法で作製した場合、成長誘導磁気異方性という製法特有の現象が発現する。成長誘導磁気異方性によって結晶成長中に自発的に希土類元素のオーダリングが起こることで磁気異方性が生じ、垂直磁化膜が得られることが知られている。また、成長誘導磁気異方性は熱処理により低減できることが知られている。よって、磁性体の磁気異方性を熱処理温度により制御し、磁気異方性と磁区の応力応答の関係を調査することができる。
実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体10の外部磁場Hexと磁化Mとの関係(磁化曲線)であって、熱処理なしの例は、図15(a)に示すように表され、熱処理温度1150℃の例は、図15(b)に示すように表され、熱処理温度1200℃の例は、図15(c)に示すように表される。
実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体10において、飽和磁場Hsと飽和磁場比(面外方向の飽和磁場Hs,⊥を面内方向の飽和磁場Hs,||で割ったもの)の熱処理温度依存性は、図16に示すように表される。図15(a)および図15(b)および図16に示すように、熱処理温度の増加により、面外方向の飽和磁場Hs,⊥に対する面内方向の飽和磁場Hs,||が増加していることがわかる。
実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体10において、磁気光学顕微鏡像の磁場依存性を磁化曲線(外部磁場Hexと磁化Mとの関係)と対応させて示した図であって、熱処理前の例は、図17(a)に示すように表され、熱処理温度1200℃の例は、図17(a)に示すように表される。図17(a)および図17(b)に示すように、熱処理による磁化曲線の変化に伴って、磁気バブルBUBの安定領域が拡大していることがわかる。
(局所応力による磁区動作評価の測定系)
実施の形態に係るホール素子1を適用し、磁区動作のホールプローブとイメージングの同時計測が可能な電磁石102と磁気光学顕微鏡を組み合わせた測定系の模式的構成は、図18に示すように表される。
局所応力印加時の磁区動作現象を調査するために、図18のような局所応力制御システムと磁気光学顕微鏡測定系を構築した。測定系は、ハロゲンタングステンランプ光源(hν)、永久磁石(図示省略)、偏光子110、長焦点対物レンズ(CFI LU Plan EPI ELWD ×50, Nikon Instruments Inc.) (図示省略)、検光子106、電荷結合素子カメラ(Charge Coupled Device: CCD)(C10600 ORCA-R2, Hamamatsu Photonics K. K.)108、局所応力制御システムにより構成される。局所応力制御システムは、タングステン針40と、タングステン針40に接続された微小力センサ42と、タングステン針40と微小力センサ42を搭載するピエゾ昇降ステージ44を備える。
直線偏光を試料(応力センサ60)へファラデー配置で入射し、試料からの透過光を検光子106を通してCCDカメラ108により検出した。同測定系のステージ位置での永久磁石による磁場強度は市販のGaAsホール素子により補正を行っている。微小力センサ42とピエゾ昇降ステージ(荷重分解能20μN、Nano Control Co., Ltd.)を利用し、試料へのタングステン針40(先端曲率半径5μm, ESSTech Inc.)の接触荷重を制御すると同時に、試料の磁気光学顕微鏡像の観察が可能である。
この実験では、タングステン針40は像を覆わないよう試料法線方向に45°傾斜させて配置した。尚、以下、タングステン針40を用いて応力を印加した結果を示してあるが、タングステンは非磁性金属であるため、同現象は針の帯磁等による磁気的相互作用によるものではない。また、木製爪楊枝を用いて応力を印加した場合も同様の現象が発生するため、帯電等による静電的相互作用によるものでもない。よって、同現象は、純粋に応力のみによって発生する現象である。
(局所応力によるバブル磁区発生)
実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体10において、熱処理温度1200℃の熱処理試料の飽和磁場印加時(Hex=Hs=560(Oe):図3対応の磁気光学顕微鏡像では紙面上向き)における模式的断面構造(磁気光学顕微鏡像は図3(a)に対応)は、図19(a)に示すように表され、タングステン針40によって磁性体10に局所応力を印加することによって、応力誘導異方性磁場HAを発生させた磁性体10の模式的断面構造(磁気光学顕微鏡像は図3(b)に対応)は、図19(b)に示すように表され、タングステン針40をリリースした後、応力誘導異方性磁場HAにより反転した磁化方向が保存された(不揮発性)状態の磁性体10の模式的断面構造(磁気光学顕微鏡像は図3(c)に対応)は、図19(c)に示すように表される。図19(a)〜図19(c)に示すように、タングステン針40の接触前は単一磁区状態であったが、局所応力を印加することでバブル磁区が生成されていることがわかる。この現象については以下のように説明できる。
タングステン針40で磁性体10を押すことによって局所応力が発生する。
応力センサ60の磁性体10面内方向に圧縮応力が働く。定量的な応力の値については、ヘルツ接触理論、もしくは一般的なCAE(Computer Aided Engineering)解析により、応力・方向を計算できる。
応力センサ60の磁性体10面直方向(図3対応の磁気光学顕微鏡像では紙面下向き)に応力誘導異方性磁場HAが発生する。
ここで、応力誘導異方性磁場HAは、一般的に、(1)式で表される。

A ∝ −σλ (1)

ここで、σは面内応力 (正:引張応力、負:圧縮応力)を表し、λは磁歪定数を表す。
さらに詳細には、応力誘導異方性磁場HAは、(2)式で表される。

A=[2K1−2σ(λ100+λ111)]/2M (2)

ここで、K1は立方晶異方性定数、λ100+λ111は磁歪定数、Mは飽和磁化を表す。(2)式において、σと(λ100+λ111)は負であるため応力誘導異方性磁場HAは負である。(λ100+λ111)が負であることは磁歪測定により確認した。したがって、負の応力誘導異方性磁場HAによりバブル磁区が発生する。
尚、上記は局所応力印加時にバブル磁区を生成し、タングステン針40をリリースしてもバブル磁区を保つ、という不揮発性を有する。さらに、外部磁場Hexを増加すると、局所応力印加時のみバブル磁区を生成し、タングステン針40をリリースすると飽和状態へ戻る、という揮発性を持たせることもできる。
(局所応力によるストライプ磁区の切断)
実施の形態に係る応力センサの実験例であって、熱処理温度1200℃の熱処理試料の外部磁場Hexを印加しない状態(Hex=0(Oe))の磁性体10の磁気光学顕微鏡像(タングステン針接触前)は、図20(a)に示すように表され、タングステン針40によって磁性体10に局所応力(7.79mN)を印加した状態の磁気光学顕微鏡像は、図20(b)に示すように表され、図20(a)と図20(b)の差分像は、図20(c)に示すように表される。図20(c)において、Bは、白地(磁区の磁化方向が紙面上向き)から、黒地(磁区の磁化方向が紙面下向き)に変化している部分を示す。一方、図20(c)において、Rは、黒地(磁区の磁化方向が紙面下向き)から、白地(磁区の磁化方向が紙面上向き)に変化している部分を示す。
図20(a)〜図20(c)に示すように、外部磁場印加無しでは、局所応力を印加することでストライプ磁区が切断されていることがわかる。この現象については以下のように説明できる。
タングステン針40で磁性体10を押すことによって局所応力が発生する。
磁性体10の面内方向に圧縮応力が働く。
磁性体10の面直方向(像では紙面下向き)に応力誘導異方性磁場HAが発生する。
応力誘導異方性磁場HAが発生しているタングステン針40の直下に磁化方向が紙面下向きのストライプ磁区が移動する。
紙面下向きのストライプ磁区同士が接近し、静磁エネルギーと磁壁エネルギーの総和を最小化するためのストライプ磁区が切断される。
(局所応力によるバブル磁区の変位)
一方、実施の形態に係る応力センサの実験例であって、熱処理温度1200℃の熱処理試料の外部磁場Hexとしてバブル磁区発生磁場(Hex=280(Oe))を印加してバブル磁区を発生させた磁性体10の磁気光学顕微鏡像(タングステン針接触前:図5(a)に対応)は、図21(a)に示すように表され、タングステン針40によって磁性体10に局所応力(1.15mN)を印加した状態の磁気光学顕微鏡像(図5(b)に対応)は、図21(b)に示すように表され、図21(a)と図21(b)の差分像(図5(c)に対応)は、図21(c)に示すように表される。図5(c)において説明したように、図21(c)において、RBは磁気バブルBUBの変位を表す。磁性体10に局所応力(1.15mN)を印加することで、磁気バブルBUBの変位:R1→B1、R2→B2、R3→B3、R4→B4、R5→B5、R6→B6、R7→B7、R8→B8が観測されている。磁性体10に磁気バブル発生磁場を印加し、かつ局所応力を印加することによって、応力分布による磁気バブルの変位を発生させ、複数の磁気センサ30により応力分布の検出も可能である。
図21(a)〜図21(c)に示すように、磁性体10に局所応力を印加することでバブル磁区が変位していることがわかる。この現象については以下のように説明できる。
タングステン針40で磁性体10を押すことによって局所応力が発生する。
磁性体10面内方向に圧縮応力が働く。
磁性体10面直方向(像では紙面下向き)に応力誘導異方性磁場HAが発生する。
応力誘導異方性磁場HAが発生しているタングステン針40の直下にバブル磁区が移動する。
応力分布による応力誘導異方性磁場HAの面内分布、及び、静磁エネルギーと磁壁エネルギーの総和を最小化するためのバブル磁区の再構成が発生し、バブル磁区が多体的に変位する。
(局所応力による磁区動作の外部磁場・局所応力依存性)
実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、磁気光学顕微鏡像の磁場依存性を磁化曲線(外部磁場Hexと磁化Mとの関係)と対応させて示した図であって、熱処理温度1200℃の例(図17(b)に対応した図)は、図22(a)に示すように表され、面直方向へ外部磁場Hexを印加し磁区構造を変化させながら、磁区動作としきい荷重の関係を調査した結果であって、外部磁場Hexとしきい力との関係を示す図は、図22(b)に示すように表される。図22(b)において、「Move」とは、外部磁場Hexをかけた状態において、タングステン針40の直下のストライプ形状の磁区若しくはバブル磁区が動き出すしきい力fを示す。また、図22(b)において、「Chop」とは、外部磁場Hexをかけた状態において、タングステン針40の直下のストライプ形状の磁区が切れるしきい力fを示す。
図22(a)および図22(b)に示すように、ストライプ磁区の動作・切断、バブル磁区の動作・生成といった現象を、外部磁場と局所応力により自在に制御可能であることがわかる。
図23〜図30に詳細な実験結果を示す。また、磁区動作の様子をわかりやすくするために、図31〜図38には磁区変位前後の重ね合わせ像を示す。さらに、図39〜図46には磁区変位前後の差分像を示す。
図23〜図46に示すように、ストライプ磁区の動作・切断、バブル磁区の動作・生成が外部磁場Hexと局所応力により自在に制御可能である。
(局所応力による磁区動作しきい荷重の外部磁場・熱処理温度(磁気異方性)依存性)
実施の形態に係る応力センサに適用される磁性体において、飽和磁場Hsと飽和磁場比Hs,⊥/Hs,||の熱処理温度依存性(図16に対応する図)は、図47(a)に示すように表され、外部磁場Hex(Oe)としきい力f(mN)の熱処理温度依存性であって、熱処理温度の増加(磁気異方性の低減)により、磁区動作のしきい荷重が低減されている様子は、図47(b)に示すように表される。
これまでは磁区動作の結果については、1200℃熱処理を実施した磁性体10のみ示してきた。図47(a)および図47(b)に熱処理温度、即ち、成長誘導磁気異方性の低減により磁気異方性を変化させた磁性体10に対して磁区動作のしきい荷重を調査した結果を示す。図47(a)および図47(b)に示すように、熱処理温度の増加、即ち、磁気異方性の低減により、磁区動作のしきい荷重が低減されていることがわかる。
以上の結果より、磁性体10の磁気異方性・外部磁場Hexを制御することで、局所応力に対する磁区応答を制御することができることがわかる。
(局所磁場発生装置)
応力誘導磁区駆動現象を応用することで、局所磁場発生装置の作製が可能である。磁性体10と磁石20を組み合わせるのみの単純な構造で良い。
―磁性体材料の選択―
磁性体10としては、磁気バブルが発生するものであれば、材料は問わない。例えば、磁性体10としては、磁気バブル材料として古くから知られているガーネットRFe512、オルソフェライトRFeO3、六方晶フェライトAFe1219(Rは希土類元素、AはBa、Sr、Pb等)の他、強相関電子材料として知られているペロブスカイトマンガン酸化物RRMnO3(Rは希土類元素またはアルカリ土類金属元素)や、スキルミオン材料として知られているらせん磁性体(MnSi、MnGe、Mn1-xFexGe、FeGe、Fe1-xCoxSi、Cu2O、SeO3)等が挙げられる。磁性体材料の選択により磁区幅、即ち、局所磁場の空間分解能を数nm−数100μmに変化させることができる。
―磁石の選択―
磁石20は面外方向へバブル発生磁場を印加するために用いるため、この目的が達せられるものであれば材料は問わない。永久磁石や電磁石、もしくは、電圧や電流で磁場方向を制御できるようなマルチフェロイック材料を用いても良い。強磁性体薄膜を用いて積層構造としても良い。磁石20は、応力作用部40Pに均一磁場を印加できるように配置する。
局所磁場発生装置において、磁石20の配置を説明する図であって、支持台70上に磁性体10を囲んで磁石20を配置した構成例は、図48(a)に示すように表され、磁性体10上に磁石20を配置した構成例は、図48(b)に示すように表される。
外部磁場Hexの大きさは、磁性体10上で飽和磁場Hs程度となるように調整する。また、印加外部磁場Hexの大きさによって局所磁場発生装置としての機能を変化させることができる点は、実施の形態に係る応力センサと同様である(図1〜図3参照)。印加外部磁場を飽和磁場より大きく設定した場合は、応力印加後に磁化方向が保存されない、即ち、応力のオン/オフにより局所磁場をオン/オフ制御することができる。すなわち、揮発性機能を持たせることができる。一方で、印加外部磁場Hexを飽和磁場Hsと同程度に設定した場合は、応力印加後に磁化方向が保存される、即ち、応力のオンにより局所磁場をオンにすることができる。すなわち、不揮発性機能を持たせることができる。
(局所応力センサ)
応力誘導磁区駆動現象を応用することで、以下のような手順で局所応力センサの作製が可能である。上述のように、外部磁場Hex印加用の磁石20の配置場所は問わない。
―絶縁膜の製膜―
磁性体10上へ絶縁膜を堆積した。磁性体が絶縁体である場合は絶縁膜は必須では無いが、例えば磁性体10が伝導性を有する場合は絶縁膜を介することにより、磁性体10と磁気センサ30を近接させることができる。
―磁気センサの作製―
磁気センサ30としては例えばホール素子を用いることができる。以下、ホール素子を使用した場合について記載するが、他の磁気センサを用いた場合にも同様にして応力センサを構成することが可能であり、磁気センサ30はホール素子に限定されるものではない。例えば、トンネル磁気抵抗効果(TMR: tunnel Magneto-Resistance Effect)素子、巨大磁気抵抗効果(GMR:Giant Magneto Resistive effect)素子などを適用しても良い。
磁気センサ30に適用されるホール素子材料としては蒸着やスパッタ等の磁性体10へのダメージ無く簡便に製膜でき、多結晶やアモルファス膜においても良好な特性が得られる材料を選択する。このような材料を適用すれば、磁気センサ30を磁性体10に積層化形成可能であるため、磁性体10−磁気センサ30間距離が離れることによって磁区からの磁束が減衰することなく、効率的に磁区からの磁束を検出することができる。簡便に蒸着にて作製可能な材料としては、例えば、ホール係数が高い半金属であるBiが挙げられる。
磁気センサ30としてホール素子を用いて構成した実施の形態に係る応力センサ60において、磁気センサ出力と局所応力(もしくは応力誘導異方性磁場)との関係は、模式的に図49に示すように表される。また、応力増加により磁気センサ有効領域直下に占める磁気バブルの面積が徐々に増加する様子を説明する模式図であって、図49のA点に対応する磁気センサ30の模式図は、図50(a)に示すように表され、図49のB点に対応する磁気バブルBB1の模式図は、図50(b)に示すように表され、図49のC点に対応する磁気バブルBB2の模式図は、図50(c)に示すように表され、図49のD点に対応する磁気バブルBB3の模式図は、図50(d)に示すように表される。
応力による磁気センサ30へのダメージが懸念される場合は、例えば、応力を印加する面と対向する面に磁気センサ30を作製しても良い。磁性体10上へ一般的なフォトリソグラフィ法により、ホールクロスバーとパッド電極を形成した。ここで、ホールクロスバーと磁区幅の大小関係により次のような機能を付加することができる。すなわち、磁性体10へ局所応力を印加する際、ある一定のしきい応力を与えると磁気バブルが発生するが、さらに応力を増加すると、磁気バブルの直径が大きくなるという現象を積極的に用いる。
図49および図50(a)〜図50(d)に示すように、応力増加により磁気バブル直径が増加すると、磁気センサ有効領域直下に占める磁気バブルの面積が徐々に増加する。これに対応して磁気センサ出力が増加するため、より微小な応力の変化を検知することができる。また、磁性体表面上の任意の場所での局所応力を検知したい場合は、磁性体上に複数の磁気センサを集積しても良い。
(応力分布センサ)
応力誘導磁区駆動現象を応用することで、応力分布センサの作製が可能である。図20および図21に示したように、磁気バブル発生磁場を印加した状態で応力を与えると、応力分布による応力誘導異方性磁場HAの面内分布、及び、静磁エネルギーと磁壁エネルギーの総和を最小化するためのバブル磁区の再構成が発生し、バブル磁区が多体的に変位する。これらのバブルの変位を、磁性体上に多数集積した磁気センサにより検出することで、応力分布を測定することができる。
尚、応力を与える材料-応力を受ける材料(この場合は磁性体)間の応力は、材料の物性値(弾性定数やポアソン比、摩擦を考慮する必要がある場合は摩擦係数、等)により変化する。例えば、微小力センサの先端に針を持たせてピエゾ昇降ステージを用いて応力を制御しながら磁性体へ接触させて、印加応力と磁気センサ出力との関係をリファレンスデータとしてチェックする、さらには、それらの物性値を考慮して、ヘルツ接触理論による応力計算、もしくは、一般的なCAE解析を行って印加応力のシミュレーションをする、等を行うことでより高精度に実験的に2体間の応力の計測を行うことが可能となる。
(ホール素子)
実施の形態に係る応力センサの磁気センサに適用可能なホール素子1の模式的平面パターン構成は、図51に示すように表され、模式的鳥瞰構成は、図52に示すように表される。
また、ホール素子1の1つの素子部分の表面光学顕微鏡写真は、図53に示すように表され、図53のIII−III線に沿う模式的断面構造は、図54に示すように表される。
ホール素子1は、図51〜図54に示すように、磁性体100上に配置され、クロスバー形状を有する電極層140と、電極層140のクロスバー部に接続されたパッド電極P1〜P4・160・180とを備える。
ここで、クロスバー形状を有する電極層140は、、例えば、厚さ約100nmのBi電極層で形成される。また、ビスマス電極層140の下地層として、下地金属層を配置すると、ビスマス電極層140のリフトオフ工程において、Biリフトオフの効果を改善可能である。下地金属層としては、例えば、厚さ約3nmのCr層を適用可能である。
ホール素子1のホールクロスバー中央部分の表面SEM写真とホールクロスバー中央部分の説明図は、図55に示すように表される。ホール素子1において、クロスバー部の面積は、さまざまなサイズに形成可能である。クロスバー形状を有する電極層140のクロスバー部の寸法は、、W1=W2=数10nm〜数100μmであっても良い。或いは、100nm×100nm以下であっても良い。すなわち、図55に示すように、クロスバー形状を有する電極層140のクロスバー部の寸法は、W1×W2=100nm×100nm以下、望ましくは、例えば、50nm×50nmであっても良い。
また、ホール素子1は、図51〜図54に示すように、磁性体100と電極層140との間に配置された絶縁層120を備えていてもよい。ホール素子1は、絶縁層120を備えることによって、電極層140・パッド電極P1〜P4・160・180は、磁性体100と一体化形成される。このように、磁性体100と一体化形成されたホール素子1は、磁気センサを構成する。したがって、このように、磁性体100と一体化形成された検出素子は、実施の形態に係る応力センサに適用可能な磁気センサと呼ぶことができる。
ホール素子1を適用した磁気センサにおいて、磁性体100は、例えば、Bi置換ガーネットで形成されていても良い。磁性体100には、液相成長法により厚さ、約300μmの(111)(GaGd)3(MgGaZr)512基板上へ製膜された厚さ、約100μmのBi置換ガーネットを用いていても良い。
また、ホール素子1を適用した磁気センサにおいて、絶縁層120は、例えば、厚さ約30nmのAl23で形成されていても良い。ここで、Al23は、例えばALD(Atomic Layer Deposition)法によって、形成可能である。
また、ホール素子1を適用した磁気センサにおいて、パッド電極P1〜P4・160・180は、Au層を備えていても良い。さらに詳細には、パッド電極P1〜P4・160・180は、厚さ約5nmのCr層/厚さ約200nmのAu層/厚さ約5nmのCr層の積層構造によって形成されていても良い。
また、ホール素子1を適用した磁気センサは、図54に示すように、デバイス表面を被覆するパッシベーション膜200を備えていても良い。ここで、パッシベーション膜200は、例えば、厚さ約30nmのAl23で形成されていても良い。同様に、Al23は、例えばALD法によって、形成可能である。ALD−Al23層をパッシベーション膜200として適用することによって、下地のクロスバー形状を有するビスマス電極層14の酸化による劣化を防止することができる。
また、ホール素子1を適用した磁気センサは、図54に示すように、パッシベーション膜200にパッド電極160・180への開口部160H・180Hを形成し(図59(d)参照)、この開口部160H・180Hにおいて、パッド電極160・180に対して、ボンディングワイヤ2201・2202接続しても良い。尚、図54に示されるボンディングワイヤ2201・2202は、図53では、図示を省略している。
尚、ホール素子1を適用した磁気センサにおいては、磁性体100と一体化形成されるパッド電極P1〜P4のパッド電極P4からP2方向に電流IOを導通し、磁性体100からクロスバー部に印加される磁場(磁束密度)BOとすると、パッド電極P1・P4間には、積感度をKH(V/(A・T))とすると、次式で表される出力ホール電圧VH(μV)が発生する。

H=KH×IC×BO (3)

ここで、積感度KH(V/(A・T))は、材料および幾何学的寸法によって決まる定数であり、例えば、4.4(V/(A・T))である。

ビスマス電極層140は典型的な金属の中で最大のホール係数を有し、蒸着等により作製可能であるため、ホール素子1においては、下地の材料に依らず高感度なホール素子の作製が可能である。
ホール素子1を適用した磁気センサにおいては、ホール素子1のサイズを小さくすることにより、微小磁区の検出が可能となる。電極層140を構成するBiは半金属であるために、半導体ホール素子のように素子の微小化による表面空乏化の影響で特性劣化することがない。
ホール素子1を適用した磁気センサにおいては、ホール素子1と磁性体100の間に絶縁層120を介することで、磁性体100の導電性に依らず、適用可能である。
ホール素子1を適用した磁気センサにおいて、印加磁場Bにより駆動されるホールプローブ動作の説明であって、出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係は、図56に示すように表される。ここで、印加磁場Bは、外部から印加される磁場であって、磁区動作のホールプローブとイメージングの同時計測が可能な電磁石と磁気光学顕微鏡を組み合わせた測定系により、電磁石から、ホール素子1を適用した磁気センサに供給される。
また、ホール素子1を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(−)が存在する例は、図57(a)に示すように表され、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(+)が存在する例は、図57(b)に示すように表される。ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(−)が存在する例は、紙面上表面から裏面方向に出力磁場BOが発生する例に対応しており、図56において太線矢印(出力磁場BOが正から負方向へ向かう)に対応している。一方、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(+)が存在する例は、紙面上裏面から表面方向に出力磁場BOが発生する例に対応しており、図56において細線矢印(出力磁場BOが負から正方向へ向かう)に対応している。
ホール素子1を適用した磁気センサにおいては、図56、図57(a)および図57(b)に示すように、ガーネット磁性体100の磁区動作により、出力ホール電圧VHのスイッチング動作を確認することができる。すなわち、ホール素子1直下を磁区が横切ることによる出力ホール電圧VHのスイッチング動作を確認することができる。
磁区動作のホールプローブとイメージングの同時計測が可能な電磁石と磁気光学顕微鏡を組み合わせた測定系(図18参照)により、電気的検出による磁区動作の定量評価、外部印加磁場応答の評価が可能である。
ホール素子1を適用した磁気センサにおいては、図56、図57(a)および図57(b)に示すように、外部磁場駆動により、ガーネット磁性体100の磁区動作検出可能である。
また、ホール素子1を適用した磁気センサにおいて、磁性体100の各部の寸法例(ドメイン幅d、磁気記録媒体厚さt)は、図58(a)に示すように表され、ドメイン幅dをパラメータとする磁性体100に対する垂直方向の磁場BZ(mT)と高さZとの関係を示す特性例は、図58(b)に示すように表される。図58(b)においては、磁気記録媒体厚さt=100nm一定としている。
ここで、垂直方向の磁場BZは、Mを飽和磁化、α=2Z/t、β=d/tとすると、高さZの関数として、次式で表される(W.Straus, JAP 42, 1251 (1971))。

=M[(α+1)/{(α+1)2+β21/2−(α−1)/{(α−1)2+β21/2] (4)

ホール素子1を適用した磁気センサにおいては、高さZの増加・ドメイン幅dの減少・磁性体厚さtの減少と共に、磁場BZは減少する。
すなわち、磁区から放出される磁場BZは、高さZの増加に従って減少し、その傾向は、一般的にドメイン幅d・磁気記録媒体厚さtの減少に従い、顕著となる。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいては、ホール素子1を磁区(ドメイン)に近接配置することが望ましい。
(測定系)
ホール素子1を適用し、磁区動作のホールプローブとイメージングの同時計測が可能な電磁石と磁気光学顕微鏡を組み合わせた測定系の模式的構成は、図18と同様に表される。磁区動作のイメージングの測定結果が、例えば、図57(a)および図57(b)に示された写真である。
(磁気センサの製造方法)
ホール素子1を適用した磁気センサの製造方法の説明図であって、磁性体100上にアラインメント電極層170を形成後、絶縁層120を形成する工程を示す模式的断面構造は、図59(a)に示すように表される。
絶縁層120上にビスマス電極層140をパターン形成する工程を示す模式的断面構造は、図59(b)に示すように表される。
ビスマス電極層140に接してパッド電極160・180をパターン形成した後、全面にパッシベーション膜200を形成する工程を示す模式的断面構造は、図59(c)に示すように表される。
パッド電極160・180に対するコンタクトホール160H・180Hを形成する工程を示す模式的断面構造は、図59(d)に示すように表される。
ホール素子1を適用した磁気センサの製造方法は、磁性体100上に絶縁層120を形成する工程と、絶縁層120上にビスマス電極層140をパターン形成する工程と、ビスマス電極層140上にパッド電極160・180をパターン形成する工程と、パッド電極160・180上にパッシベーション膜200を形成する工程と、パッシベーション膜200にパッド電極160・180に対する開口部160H・180Hを形成する工程と、開口部160H・180Hにボンディングワイヤ2201・2202を接続する工程とを有する。
また、絶縁層120上にビスマス電極層140をパターン形成する工程は、磁性体100上にレジスト層を形成する工程と、レジスト層上にビスマス電極層140を形成する工程と、レジスト層をリフトオフする工程とを有していても良い。
また、磁性体100上にレジスト層を形成する工程は複数層レジスト工程、例えば、磁性体100上にPMGIを形成後、PMGI上にポジ型レジスト層(ZEP520)を形成する工程を有していても良い。
以下、詳細にホール素子1を適用した磁気センサの製造方法を説明する。
(a)まず、図59(a)に示すように、第1のリソグラフィー工程により、磁性体100上にアラインメント電極層170をパターン形成後、絶縁層120を形成する。
(a−1)すなわち、磁性体100上に例えば、Cr(5nm)/Au(200nm)/Cr(5nm)の積層からなるアラインメント電極層170を、電子ビーム蒸着法およびリフトオフにより、パターン形成する。
(a−2)次に、ALD法によって、Al23(膜厚30nm、酸素供給源H2O、製膜温度約100℃)からなる絶縁層120を形成する。
(b)次に、図59(b)に示すように、第2のリソグラフィー工程により、絶縁層120上にホールクロスバーをパターン形成する
(b−1)すなわち、絶縁層120上に、Cr(3nm)層を、電子ビーム蒸着法により、パターン形成する。
(b−2)次に、厚さ、約100nmのビスマス電極層140を抵抗加熱蒸着法およびリフトオフ法により、パターン形成する。
(c)次に、図59(c)に示すように、第3のリソグラフィー工程により、ビスマス電極層140に接して、絶縁層120上にパッド電極160・180をパターン形成する。
(c−1)すなわち、ビスマス電極層140に接して、絶縁層120上に例えば、Cr(5nm)/Au(200nm)/Cr(5nm)の積層からなるパッド電極160・180を、電子ビーム蒸着法およびリフトオフにより、パターン形成する。
(c−2)次に、ALD法によって、Al23(膜厚30nm、酸素供給源H2O、製膜温度約100℃)からなるパッシベーション膜200を形成する。
(d)次に、図59(d)に示すように、第4のリソグラフィー工程により、パッド電極160・180に対して、コンタクトホールをパターン形成する。
(d−1)すなわち、Al23からなるパッシベーション膜200を希リン酸H3PO4(リン酸:純水=1:4、約60℃)によりエッチングする。
(d−2)さらに、Cr層を反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)法(Cl2/O2=2/2sccm,圧力0.2Pa、パワー100W)により、エッチングする。
以上説明したように、本発明によれば、簡便な構造で局所応力の検出が可能で、かつ単一磁区の応力応答現象を利用し、局所磁場の高空間分解能を得ることができる応力センサを提供することができる。
[その他の実施の形態]
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
本発明の応力センサは、機械的力の検出に関連する技術分野に適用可能であり、歪センサ・圧力センサ等に適用可能である。
1…ホール素子
10、100…磁性体
20…磁石(磁性体薄膜)
30、301、302、303、3011、3012、…、301n、…30m1、30m2、…、30mn…磁気センサ(MS11、MS12、…、MS1n、…MSm1、MSm2、…、MSmn)
40…タングステン針
40P…応力作用部
42…微小力センサ
44…ピエゾ昇降ステージ
50…絶縁層
52…保護膜
60…応力センサ
106…検光子
108…CCDカメラ
110…偏光子
120…絶縁層
140…(ビスマス)電極層
160、180、P1、P2、P3、P4…ホールプローブパッド電極
160H、180H…コンタクトホール(開口部)
170…アラインメント電極層
200…パッシベーション膜
2201、2202…ボンディングワイヤ
Hex…外部磁場
A…飽和磁場
M…磁化
Ms…飽和磁化
BUB…磁気バブル
DM、DM(+)、DM(−)…ドメイン
B…印加磁場
O…出力磁場
f…しきい力

Claims (7)

  1. 磁性体と、
    前記磁性体上の応力作用部と、
    前記磁性体に隣接して配置された磁石と、
    前記磁性体を介して前記応力作用部と対向して配置された磁気センサと
    を備え、
    前記応力作用部に印加される局所応力により、前記磁性体に発生する磁区から放出される磁束を、前記磁気センサにより検出し、
    前記磁性体には前記磁石により飽和磁場が印加され、前記磁石による外部磁場と逆方向の応力誘導異方性磁場が前記局所応力により印加されることで、前記磁性体には単一の磁気バブルが発生し、前記磁気バブルから放出される磁束を磁気センサにより検出することで、前記局所応力を検出可能であることを特徴とする応力センサ。
  2. 磁性体と、
    前記磁性体の応力作用部と、
    前記磁性体に隣接して配置された磁石と、
    前記磁性体を介して前記応力作用部と対向して配置された磁気センサと
    を備え、
    応力分布による磁区の変位を、前記磁区から放出される磁束を前記磁気センサにより検出することにより、検出し、
    前記磁性体には前記磁石により磁気バブル発生磁場が印加され、前記応力分布により応力誘導異方性磁場が印加されることで、前記磁気バブルの変位が発生し、前記磁気バブルから放出される磁束を磁気センサにより検出することで、応力分布を検出可能であることを特徴とする応力センサ。
  3. 前記磁気センサは複数配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の応力センサ。
  4. 前記磁気センサはホール素子で構成され、前記ホール素子は前記磁性体上に接して配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の応力センサ。
  5. 前記ホール素子の材料はビスマス(Bi)であることを特徴とする請求項4に記載の応力センサ。
  6. 前記磁気センサ上に配置された絶縁膜を備え、
    前記磁石は前記絶縁膜上に配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の応力センサ。
  7. 前記磁石は、磁性体薄膜で形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の応力センサ。
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