JP2004264176A - 応力場測定装置及び応力場測定プログラム - Google Patents

応力場測定装置及び応力場測定プログラム Download PDF

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Hisashi Mori
久史 森
Hiroyuki Fujimoto
浩之 藤本
Akio Ota
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Abstract

【課題】測定対象物の応力場を精度よく解析することができる応力場測定装置及び応力場測定プログラムを提供する。
【解決手段】硬度計によって各試験片に異なる荷重を加えた後に、各試験片の表面にホール効果素子を走査させて各試験片の磁場分布を測定した。次に、応力場を磁気分布によって定量的に評価するため、残留磁場と応力場との対応を試みた。先ず、応力場を考えるために試験材料の表面から一点荷重を受けてくさびが導入されるモデルを検討し、残留磁場を測定した位置における計算残留応力を計算した。(C)に示すように、測定残留磁場と計算残留応力との間には指数関数的な対応が見られるため、荷重を加えた位置における残留磁気を測定し、この残留磁気をパラメータとして応力場を測定することができる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、測定対象物の応力場を測定する応力場測定装置、及び測定対象物の応力場を測定するための応力場測定プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
材料非破壊診断は、材料を壊すことなく欠陥や応力を評価できるため、構造物の信頼性の技術として望まれている。非破壊診断技術には、欠陥部に浸透液を浸透させた後に欠陥部の液を吸着性微粉末で現像して指示模様を観察する浸透探傷試験や、材料を磁化して欠陥部に付着する磁粉を観察する磁粉探傷試験や、X線探傷や、超音波探傷などが知られている。例えば、磁粉探傷の画像化や、材料に交流電圧を印加して電圧を検知し材料の損傷を検出する方法や、短いパルス光を照射して損傷を検出する方法などが考えられている。また、応力場を測定する方法としてX線回折、歪みゲージ法、超音波顕微鏡、原子間力顕微鏡などを利用する技術が知られている。超音波顕微鏡は、周波数と波数とをコントロールしたサイン波によってセンサを強制励振させて表面の漏洩弾性波を測定し、音速測定から残留応力を評価する。原子間力顕微鏡は、先端半径が10nm程度の鋭い探針をタッチセンサとする片持ち梁状のセンサの一端に加振用圧電素子を取り付けて、適度に電圧を抑えながらタッチセンサを振動させ、探針と試料表層部とが線形ばねのようにふるまうときの共振周波数を測定して表面弾性分布を得る。
【0003】
磁気センサを利用して応力場を測定する方法としてSQUID素子(超電導量子干渉素子)やホール効果素子などがある。SQUID素子は、ジョセフソン効果を利用して微小磁場を検出する素子であり、検出感度が高く周波数に依存しない高い空間分解能を有し微小な欠陥を検出できるため、鋼材欠陥への材料評価法としての適用が考えられている。ホール効果素子は、素子に電流が流れている際に素子の外側に磁界が作用すると電子がローレンツ力で電流の流れる方向と直交する方向に移動して素子端部に溜まりその電荷を電圧として検出する素子である。ホール効果素子は、感受面積が小さく高分解能であり信頼性に優れたデータを得ることができるため、欠陥診断法としての適用が考えられている。
【0004】
また、従来の欠陥診断装置は、診断対象物の磁気を検出するホール効果素子と、このホール効果素子を診断対象物の表面に沿って走査させる駆動装置と、ホール効果素子の出力信号に基づいて、診断対象物の診断位置の座標と磁束密度との関係を演算し等磁線図を作成するコンピュータなどを備える(例えば、特許文献1)。このような欠陥診断装置では、診断対象物に微小亀裂があるとこの微小亀裂が存在する部分の周囲の残留磁気による等磁線が他の部分に比べて密になったり、等磁線の間隔が密になったりすることが分かる。このため、従来の欠陥診断装置では、欠陥がある場合の等磁線図と欠陥がない場合の基準等磁線図とを目視又はコンピュータによって比較して、亀裂の有無、大きさ、進行度を判定して診断対象物の余寿命を予測している。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−174440号公報(段落番号0017〜0020及び図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
超音波顕微鏡は、位置精度が0.5μmであり精度分解能が高いが受信周波数帯域が1〜 300MHzに制限されるとともに、焦点距離と表面粗さによる影響をうけるためオンラインモニタなどには不向きである。また、超音波顕微鏡は、超音波の入射波と反射波とを得るためにセンサと材料との間に水などのカプラー媒体が計測時に必要になり、鉄などの金属材料では表面酸化の問題が生じる。さらに、原子間顕微鏡は、セラミックスや金属などの硬い試料の測定では弾性の検出感度が極めて悪くなるという問題があった。一方、SQUID素子は、センサ自身を液体ヘリウムの温度(絶対零度の近傍)に冷却して超電導状態にする必要があるとともに、周囲の環境にも拠るが電磁シールドを施す必要がある。また、SQUID素子は、感受面積が大きく極微小領域を測定するためには感受面積の小さなセンサが望まれる。特開2001−174440号公報の欠陥診断装置では、これらの従来の技術に比べて簡便かつ安全に高精度に診断することができる。しかし、この欠陥診断装置では、欠陥がある場合の等磁線図と欠陥がない場合の基準等磁線図とを目視又はコンピュータによって等磁線図を比較するため、診断結果に誤差が生じやすく亀裂の進行度や診断対象物の余寿命を正確に診断することができない。
【0007】
この発明の課題は、測定対象物の応力場を精度よく解析することができる応力場測定装置及び応力場測定プログラムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、測定対象物(1)の応力場を測定する応力場測定装置であって、前記測定対象物の磁場(M)に基づいてこの測定対象物の応力場(σ)を解析する解析手段(7c)を備えることを特徴とする応力場測定装置(2)である。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の応力場測定装置において、前記磁場と前記応力場との相関関係を生成する相関関係生成手段(7d)を備え、前記解析手段は、前記相関関係に基づいて前記応力場を解析することを特徴とする応力場測定装置である。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2に記載の応力場測定装置において、前記相関関係生成手段は、前記測定対象物に予め既知の荷重(P,…,P)を加えたときのこの測定対象物の所定位置における応力場(σ,…,σ)と磁場(M,…,M)とに基づいて、前記相関関係を表す関数を生成することを特徴とする応力場測定装置である。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3に記載の応力場測定装置において、前記相関関係を表す関数を記憶する記憶手段(8)と、前記測定対象物の磁場を検出する検出手段(3)とを備え、前記解析手段は、前記検出手段が検出した前記磁場と前記記憶手段が記憶する前記相関関係を表す関数とに基づいて、前記応力場を解析することを特徴とする応力場測定装置である。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4に記載の応力場測定装置において、前記検出手段は、前記測定対象物の表面(1a)の任意の一点でこの測定対象物の磁束密度を非接触状態又は接触状態で検出する磁気センサを備え、前記解析手段は、前記磁束密度に基づいて前記測定対象物の応力場を解析することを特徴とする応力場測定装置である。
【0013】
請求項6の発明は、測定対象物(1)の応力場を測定するための応力場測定プログラムであって、前記測定対象物の磁場(M)に基づいてこの測定対象物の応力場(σ)を解析する解析手順(S800〜S1100)をコンピュータに実行させることを特徴とする応力場測定プログラムである。
【0014】
請求項7の発明は、請求項6に記載の応力場測定プログラムにおいて、前記磁場と前記応力場との相関関係を生成する相関関係生成手順(S600)を含み、前記解析手順は、前記相関関係に基づいて前記応力場を解析する手順(S1100)を含むことを特徴とする応力場測定プログラムである。
【0015】
請求項8の発明は、請求項7に記載の応力場測定プログラムにおいて、前記相関関係生成手順は、前記測定対象物に予め既知の荷重(P,…,P)を加えたときのこの測定対象物の所定位置における応力場(σ,…,σ)と磁場(M,…,M)とに基づいて、前記相関関係を表す関数を生成する手順(S600)を含むことを特徴とする応力場測定プログラムである。
【0016】
請求項9の発明は、請求項8に記載の応力場測定プログラムにおいて、前記相関関係を表す関数を記憶する記憶手順(S700)と、前記測定対象物の磁場を検出する検出手順(S1000)とを含み、前記解析手順は、前記検出手順で検出した前記磁場と前記記憶手順で記憶した前記相関関係を表す関数とに基づいて、前記応力場を解析する手順(S1100)を含むことを特徴とする応力場測定プログラムである。
【0017】
請求項10の発明は、請求項9に記載の応力場測定プログラムにおいて、前記検出手順は、前記測定対象物の表面(1a)の任意の一点でこの測定対象物の磁束密度を非接触状態又は接触状態で磁気センサによって検出する手順(S1000)を含み、前記解析手順は、前記磁束密度に基づいて前記測定対象物の応力場を解析する手順(S1100)を含むことを特徴とする応力場測定プログラムである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の実施形態に係る応力場測定装置の構成図である。
測定対象物1は、磁性材料である。測定対象物1は、オーステナイト系ステンレス鋼や高マンガン鋼のように加工や疲労によって磁性を帯びる材料、通電により磁束を発生する材料、非磁性材料に被覆された磁性材料、非磁性材料中に埋め込まれた磁性材料などである。
【0019】
応力場測定装置2は、測定対象物1の応力場を測定する装置である。応力場測定装置2は、図1に示すように、検出装置3と、駆動装置4と、電源装置5と、電圧検出装置6と、制御装置7と、記憶装置8と、読取装置9と、表示装置10と、入力装置11と、入力補助装置12と、印刷装置13などを備えている。応力場測定装置2は、パーソナルコンピュータなどを中心に構成されており、応力場測定プログラムに従って所定の処理を実行する。
【0020】
検出装置3は、測定対象物1の残留磁気を検出する装置である。検出装置3は、測定対象物1の表面1aの任意の一点でこの測定対象物1の磁束密度を非接触状態で検出する磁気センサである。検出装置3は、例えば、素子の材料がガリウム砒素などの化合物半導体であるホール効果素子である。ホール効果素子は、感磁面積が約50μm×50μmと極めて小さく感度が33.9mV/T(300K)と高いため、ホール効果を利用して測定対象物1の各磁区の磁束密度を高精度に検出することができる。
【0021】
図2は、この発明の実施形態に係る応力場測定装置における検出装置の検出原理を説明するための図である。
図2に示す測定対象物1は、幅a(m)及び厚さt(m)の薄肉平板状の導体板である。この導体板の厚み方向(+Z方向)に磁束密度B(Wb/m)の一様な磁界を加えて、長さ方向(+X方向)に電流I(A)を流すと、+Y方向からの電子の出入りがないときには電子e(C)は−X方向に運動する。このため、速度v(m/s)で運動する電子eにはローレンツ力F=−evB(N)が−Y方向に作用して、−Y方向の導体端部には電子が溜まり+Y方向の導体端部には正の電荷が溜まるため、導体端部間に+Y方向に電界E=E(<0)(V/m)が発生する。導体板中の単位体積当りの電荷数をn個とすると速度v=−I/neatとなるため電界E=−BI/neatとなり、ホール電圧V=−Ea=RBI/tが発生する。ここで、ホール係数R=−1/ne(m/C)である。検出装置3は、測定対象物1の残留磁気に応じた電位差(ホール電圧)を検出して電位差信号として電圧検出装置6に出力する。
【0022】
駆動装置4は、検出装置3を駆動する装置である。駆動装置4は、検出装置3を支持する支持部材4aと、この支持部材4aをX軸方向(水平方向)に駆動する駆動機構部4bと、検出装置3のX軸方向に位置を検出する位置検出部4cと、この駆動機構部4bを支持部材4aとともにY軸方向(垂直方向)に駆動する駆動機構部4dと、検出装置3のY軸方向の位置を検出する位置検出部4eなどを備えている。駆動機構部4bは、図示しないサーボモータによって回転駆動するねじ4fと、このねじ4fと噛み合いながら支持部材4aと一体となって移動するスライド部4gなどを備えている。駆動機構部4dは、図示しないサーボモータによって回転駆動するねじ4hと、このねじ4hと噛み合いながら駆動機構部4bと一体となってスライドするスライド部4iとを備えている。位置検出部4c,4eは、駆動機構部4b,4dの図示しないサーボモータの回転量を位置検出信号(測定位置情報)として出力するロータリエンコーダなどである。駆動装置4は、図1に示すように、測定対象物1の表面1aと所定の間隔をあけてこの表面1aに沿って検出装置3を走査させる走査ステージを構成する。
【0023】
電源装置5は、検出装置3に電源を供給する装置である。電源装置5は、例えば、検出装置3に接続された電線に直流電流を流す直流電源である。電圧検出装置6は、検出装置3の電圧を検出する装置である。電圧検出装置6は、検出装置3が出力する電位差信号をA/D変換してフィルタによってノイズ成分を除去するとともに、このフィルタ通過後の電位差信号をディジタルボルトメータなどの電圧計によって計測してこの電圧値に応じた電圧信号を出力する。
【0024】
図3は、この発明の実施形態に係る応力場測定装置における制御装置の構成図である。
制御装置7は、応力場測定装置2の種々の動作を制御する装置である。制御装置7は、例えば、位置検出部4c,4eの位置検出信号に基づいて駆動機構部4b,4dを駆動制御したり、電源装置5が発生する直流電流の電流値を制御したりする。制御装置7は、図3に示すように、制御部7aと、等磁線図生成部7bと、解析部7cと、相関関係生成部7dなどを備えている。制御装置7は、パーソナルコンピュータと周辺機器との相互制御/データ転送に使用するGPIB(パラレル8ビットインターフィス)などを通じて電圧検出装置6と接続されている。
【0025】
制御部7aは、応力場測定プログラムに従って種々の動作を指令する中央処理部(CPU)である。制御部7aは、応力場測定プログラムを記憶装置8から読み出して電圧検出装置6からの電圧信号(残留磁気情報)を解析部7cに解析させる。制御部7aには、図2に示すように、等磁線図生成部7bと、解析部7cと、相関関係生成部7dとが相互に通信可能なようにバスなどの通信手段を介して接続されており、制御部7aはこれらに所定の処理を実行させる。
【0026】
図4は、この発明の実施形態に係る応力場測定装置の等磁線図生成部による磁気測定結果を一例として示す図であり、図4(A)は負荷高合金鋼の磁気測定結果を示し、図4(B)は負荷炭素鋼の磁気測定結果を示す。
等磁線図生成部7bは、測定対象物1の残留磁気に基づいて等磁線図を生成する部分である。等磁線図生成部7bは、電圧検出装置6が検出した電圧値を記憶装置8が記憶する電圧−磁束密度校正曲線によって磁束密度に変換して、位置検出部4c,4eが検出した測定位置の座標とこの測定位置における磁束密度との関係を表す座標−磁束密度曲線(等磁線図)を生成する。図4に示す磁気分布は、加工方向に伸長しているがいずれの等磁線も明瞭であり、合金成分に拠らず磁気分布が明瞭に検出されている。また、図4に示す磁気分布は、材質によって等磁線のパターンが異なるため、磁気分布を検出することによって測定対象物1の鋼材の種類を判別することもできる。等磁線図生成部7bは、生成した等磁線図に関する情報を制御部7aに出力する。
【0027】
解析部7cは、測定対象物1の残留磁気に基づいてこの測定対象物1の応力場を解析する部分である。解析部7cは、検出装置3が検出した残留磁気と記憶装置8が記憶する相関関係を表す関数とに基づいて測定対象物1の応力場を解析する。解析部7cは、例えば、測定対象物1の磁束密度を検出装置3が検出すると、記憶装置8から読み出された相関関係を表す関数とこの磁束密度とを対比してこの測定対象物1の欠陥部における残留応力をこの関数を利用して演算する。解析部7cは、残留磁気の検出位置及びこの検出位置における応力場に関する情報を制御部7aに出力する。
【0028】
相関関係生成部7dは、残留磁気と応力場との相関関係を生成する部分である。相関関係生成部7dは、測定対象物1に予め既知の荷重を加えたときにこの測定対象物1の所定位置における応力場と残留磁気とに基づいて、相関関係を表す関数を生成する。相関関係生成部7dは、例えば、測定対象物1に予め既知のビッカース荷重を加えたときにこの測定対象物1のビッカース圧痕及びその周辺における残留応力を所定の計算式に基づいて計算し、検出装置3が検出したこのビッカース圧痕及びその周辺における測定残留磁気と計算残留応力との相関関係を表す関数を生成する。相関関係生成部7dは、相関関係を表す関数を関数情報として制御部7aに出力する。
【0029】
図5は、この発明の実施形態に係る応力場測定装置における残留磁気と残留応力との相関関係を一例として示す図であり、図5(A)は磁気測定結果を示し、図5(B)はビッカース荷重と圧痕部残留磁場との関係を示すグラフであり、図5(C)はビッカース圧痕周りの計算残留応力と測定残留磁場との関係を示すグラフである。
先ず、試験材料に対して応力場を実験的に導入するために、ビッカース硬度計によって試験材料に荷重を加えた。図5に示す試験材料は、四角形の板状の車軸鋼材(JISS56C)である。ビッカース荷重の大きさを0.1kgから 100kgまで変化させて、各試験材料にそれぞれ荷重を加えて圧痕長さを測定した。その後に、試験材料の表面にホール効果素子を走査させてこの試験材料の表面に対して垂直方向の磁場分布を室温で測定した。図5(A)に示すように、試験材料に 100kgの荷重を加えると、圧痕及び圧痕周り(以下、圧痕周辺部という)の磁気分布が乱れ圧痕部周辺に磁気集中が見られた。同様に、いずれの試験材料についても圧痕周辺部の微小な位置において磁気分布に乱れが確認された。このように、亀裂などの発生時に塑性歪を伴う欠陥では、欠陥発生時に欠陥の周囲の微小磁区の磁束密度の向きが同じ方向を向いて局部的に磁束密度が大きくなり、その磁束密度の分布を検出することによって劣化や欠陥の有無を判断することができる。
【0030】
次に、図5(B)に示すように、圧痕端部の残留磁場(μT)を測定してビッカース荷重(kg)と対比させるとこれらの間に比例関係が認められた。その結果、磁気分布の変化に対して残留応力が影響を及ぼしていると考えられる。次に、応力場を磁気分布によって定量的に評価するために、圧痕から100μmの位置における残留磁場を測定して応力場との対応を試みた。先ず、応力場を考えるために試験材料の表面から一点荷重を受けてくさびが導入されるモデルを検討し、残留磁場を測定した位置における計算残留応力σをくさびの底面を2aとして以下に示す数1によって計算した。
【0031】
【数1】
Figure 2004264176
【0032】
ここで、σは降伏応力であり、Pは負荷荷重であり、xは位置であり、Aは断面積であり、aは亀裂長さであり、Cは塑性変形領域である。図5(C)に示すように、測定残留磁場と計算残留応力との間には指数関数的な対応が見られるため、残留磁場と残留応力とが指数関数として結びつくことが推定された。その結果、荷重を加えた位置における残留磁気を測定し、この残留磁気をパラメータとして応力場を測定することができる。相関関係生成部7dは、図5(C)に示すような測定残留磁場と計算残留応力との関係をプロットして得られる指数関数を各試験材料毎(各測定対象物毎)にマスターカーブとして予め生成し、このマスターカーブを関数情報として制御部7aに出力する。
【0033】
図6は、この発明の実施形態に係る応力場測定装置における記憶装置のデータ構造を示す図であり、図6(A)は普通レールのデータ構造を示し、図6(B)は鉄道車両用車軸のデータ構造を示し、図6(C)は鉄道車両用車輪のデータ構造を示す。
図1に示す記憶装置8は、種々の情報を記憶する装置である。記憶装置8は、応力場測定プログラムや相関関係を表す関数(マスターカーブ)などをデータベース化して記憶する。また、記憶装置8は、測定対象物1に加わる荷重の状態などに応じて応力場の解析結果を補正するための補正条件を補正条件情報として記憶している。記憶装置8は、例えば、図5(C)に示すような相関関係を表す関数を数値化して記憶しており、検出装置3が検出した残留磁気M11,…,M1nと、相関関係生成部7dが演算した残留応力σ11,…,σ1nとの対応関係を表す情報をテーブル化して記憶している。ここで、図6(A)に示す種類は、50N、60などの普通レールの種類や炭素、ケイ素、マンガンなどの含有量(レールの化学成分や機械的性質)を意味する。名称は、レール頭部、レール腹部、レール底部などのレールの部分を意味し、熱処理は頭部断面や端頭部などのレールの熱処理箇所を意味する。図6(B)に示す種類は、炭素鋼1種、合金鋼A3などの鉄道車両用車軸の鋼種や炭素、ケイ素、マンガンなどの含有量(車軸の化学成分や機械的性質)を意味する。熱処理は、焼ならし又は焼ならし焼戻し、焼入焼戻しなどの熱処理の条件を意味する。図6(C)に示す種類は、炭素鋼1種、2種などの鉄道車両用炭素鋼タイヤの種類や炭素、ケイ素、マンガンなどの含有量(車輪の化学成分や機械的性質)を意味する。名称は、レール頭部上面と接する踏面などの車輪の部分を意味し、熱処理は焼ならし又は焼ならし焼戻し、焼入焼戻しなどの熱処理の条件を意味する。
【0034】
読取装置9は、情報記録媒体14に記録された応力場測定プログラムを読み取る装置である。読取装置9は、例えば、CD−ROMドライバ、DVD−ROMドライバ、FDドライバであり、情報記録媒体14から読み取った応力場測定プログラムを制御装置7の制御部7aに出力する。表示装置10は、種々の情報を表示する装置である。表示装置10は、図4及び図5(A)に示すような等磁線図を画像化して画面に表示したり、残留応力の解析結果などを画面上に数値表示したりする。入力装置11は、表示装置10の画面上に所定の情報を入力するためのキーボードなどであり、入力補助装置12は表示装置10が表示する画面から所定の項目を選択するためのマウスなどである。印刷装置13は、表示装置10が表示する等磁線図や残留応力の解析結果などを印刷する装置である。情報記録媒体14は、測定対象物1の残留応力を測定するための応力場測定プログラムを記憶するCD−ROM、DVD−ROM、FDなどである。
【0035】
次に、この発明の実施形態に係る応力場測定装置の動作を説明する。
図7は、この発明の実施形態に係る応力場測定装置の動作を説明するためのフローチャートである。以下では、残留磁気に基づいて残留応力を測定する場合を例に挙げて説明する。
ステップ(以下Sという)100において、応力場測定プログラムが読み込まれる。応力場測定プログラムを記憶装置8から制御部7aが読み込むと、表示装置10がメニュー画面を表示する。このメニュー画面には、例えば、残留磁気と残留応力との相関関係を表す関数を初めて作成する関数生成モードと、既存の相関関係を表す関数に基づいて残留磁気から残留応力を解析する解析モードとが表示される。
【0036】
S200において、関数生成モードが選択されたか否かが判断される。例えば、図1に示す入力装置11や入力補助装置12を使用して表示装置10のメニュー画面上で関数生成モードを解析者が選択すると、応力場測定プログラムの関数生成モードに関する処理を制御部7aが開始する。関数生成モードが選択されたときにはS300に進み、関数生成モードが選択されなかった(解析モードが選択された)ときにはS800に進む。
【0037】
S300において、試験片T ,T,…,Tに既知の荷重P,P,…,Pを加えたときの残留磁気M11,M12,…,M1nが検出される。関数生成モードが解析者に選択されると、関数生成モードに関する処理の実行を制御部7aが相関関係生成部7dに指令する。例えば、普通レールの頭部が測定対象物1である場合には、このレール頭部を試験片T ,…,Tとしてビッカース硬度計などの硬さ試験機によって予め既知の荷重P,…,Pを各試験片T ,…,Tに加える。次に、図1に示すように、応力場測定装置2に試験片T ,…,Tを一つずつ設置した後に、図3に示す制御部7aが図1に示す駆動装置4を駆動制御して、試験片T ,…,Tの表面に沿って例えば50μ間隔で検出装置3を二次元で走査させる。その結果、各試験片T ,…,Tの残留磁気M11,…,M1nを検出装置3が任意の一点で検出して電圧検出装置6が残留磁気情報を制御部7aに出力し、位置検出部4c,4eが出力する測定位置情報とこの残留磁気情報とを対応させて制御部7aが記憶装置8に記憶させる。
【0038】
S400において、初期情報が設定される。例えば、普通レールの頭部断面の残留応力を測定する場合には、数1に示す降伏応力σ及び塑性変形領域Cはこの普通レールの材質から定まり、断面積A及び亀裂長さaは試験片T ,…,Tの寸法及び圧痕の大きさを測定することによって定まる。解析者は、負荷荷重(既知の荷重)P,…,P、断面積A、亀裂長さa、降伏応力σ、塑性変形領域Cなどの初期情報を入力装置11や入力補助装置12を使用して設定する。制御部7aは、これらの初期情報を記憶装置8に記憶させる。
【0039】
S500において、残留応力が演算される。図5(C)に示すような残留磁気と残留応力との相関関係を表す関数の生成を相関関係生成部7dに制御部7aが指令すると、初期情報及び残留磁気情報を記憶装置8から制御部7aが読み出して相関関係生成部7dに出力する。相関関係生成部7dは、初期情報に基づいて数1により残留応力σ11,…,σ1nを演算する。
【0040】
S600において、残留磁気M11,…,M1nと残留応力σ11,…,σ1nとの相関関係を表す関数が生成される。相関関係生成部7dは、検出装置3によって検出された残留磁気M11,…,M1nと演算した残留応力σ11,…,σ1nとを対応させて、図6(A)に示すようなデータ構造(データベース)を生成する。その結果、図5(C)に示すような測定残留磁場と計算残留応力との相関関係を表す関数(マスターカーブ)が生成される。相関関係生成部7dは、この関数を関数情報として制御部7aに出力する。
【0041】
S700において、関数情報が記憶される。制御部7aは、相関関係生成部7dが生成した関数情報を記憶装置8に出力してこの関数情報を記憶装置8に記憶させる。
【0042】
S800において、解析条件が設定される。図1に示す入力装置11や入力補助装置12を使用して表示装置10のメニュー画面上で解析モードを解析者が選択すると、応力場測定プログラムの解析モードに関する処理を制御部7aが開始する。例えば、普通レールの頭部断面の残留応力を測定する場合には、図6(A)に示す測定対象物1の種類(例えば、50kgNレール)及び名称(例えば、レール頭部)などの解析条件情報を入力装置11や入力補助装置12を使用して解析者が設定する。制御部7aは、これらの解析条件情報を記憶装置8に記憶させる。
【0043】
S900において、相関関係を表す関数が読み込まれる。解析モードが解析者によって選択されると、解析モードに関する処理の実行を制御部7aが解析部7cに指令するとともに、解析条件情報に基づいて制御部7aが記憶装置8内を検索する。その結果、図6(A)に示す残留磁気M11,…,Mn1と残留応力σ11,…,σn1との相関関係を表す関数を記憶装置8から制御部7aが読み込み、解析部7cに出力する。
【0044】
図8は、この発明の実施形態に係る応力場測定装置の等磁線図生成部によるレール頭部断面の磁気測定結果を一例として示す図であり、図8(A)はレール全体におけるレール頭部の位置を示し、図8(B)は磁気測定結果を示す。
S1000において、測定対象物1の残留磁気Mが検出される。図3に示す制御部7aが図1に示す駆動装置4を駆動制御して、測定対象物1の表面1aに沿って検出装置3を走査させる。その結果、測定対象物1の残留磁気Mを検出装置3が検出して電圧検出装置6が残留磁気情報を制御部7aに出力する。等磁線図の生成を制御部7aが等磁線図生成部7bに指令すると、残留磁気情報に基づいて等磁線図生成部7bが図8(B)に示すような等磁線図を生成する。ここで、図8(B)に示す測定対象物1は、図8(A)に示す撤去レールRの頭部Rの1/4部分(図中斜線部分)である。図8(B)に示すB部分は、この頭部Rの欠陥部であり、図8(A)に示す車輪Wの車輪踏面Wと頭部Rとが接触する接触部付近である。図8(B)に示すように、測定対象物1には全体に磁気分布が見られるがコーナー部の内側には磁気分布が集中しているため、この測定対象物1には欠陥部が存在することが分かる。
【0045】
S1100において、関数に基づいて残留応力σが演算される。残留応力σの演算を制御部7aが解析部7cに指令する。その結果、解析部7cは、図6(A)に示す残留磁気M11,…,Mn1と残留応力σ11,…,σn1との相関関係を表す関数に基づいて、測定対象物1の欠陥部における残留磁気Mに対応する残留応力σを演算し、この残留応力σの解析結果を制御部7aに出力する。
【0046】
S1200において、補正が必要であるか否かが判断される。例えば、測定対象物1に加わる荷重が引張荷重の場合と転がり荷重の場合とでは境界条件が異なり、通常の引張荷重と衝撃荷重とでは降伏応力σが異なる。このため、測定対象物1に加わる荷重の状態などによっては残留応力σの解析結果を補正する必要がある。残留応力σの解析結果を補正する必要があるときにはS1300に進み、残留応力σの解析結果を補正する必要がないときには一連の処理を終了する。
【0047】
S1300において、残留応力σが補正される。残留応力σの解析結果を補正するための補正条件情報を記憶装置8から制御部7aが読み出して解析部7cに出力するとともに残留応力σの補正を解析部7cに指令する。解析部7cは、この補正条件情報に基づいて残留応力σを補正し、補正後の残留応力σ’ の解析結果を制御部7aに出力する。
【0048】
この発明の実施形態に係る応力場測定装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この実施形態では、測定対象物1の残留磁気に基づいてこの測定対象物1の応力場を解析部7cが解析する。その結果、測定対象物1の応力場を定量的に測定することができるとともに、測定対象物1の損傷、欠陥、劣化、疲労及び痛み具合などを非破壊で検査することができる。
【0049】
(2) この実施形態では、残留磁気と応力場との相関関係を相関関係生成部7dが生成し、この相関関係に基づいて応力場を解析部7cが解析する。このため、残留磁気から応力場を簡単に変換し解析することができる。
【0050】
(3) この実施形態では、測定対象物1に予め既知の荷重P,…,Pを加えたときのこの測定対象物1の所定位置における残留応力σ,…,σと残留磁気M,…,Mとに基づいて相関関係を表す関数を相関関係生成部7dが生成する。その結果、負荷部分の残留磁気を測定することによって残留応力を簡単に測定することができる。
【0051】
(4) この実施形態では、相関関係を表す関数を記憶装置8が記憶し、測定対象物1の残留磁気を検出装置3が検出し、この検出装置3が検出した残留磁気と記憶装置8が記憶する相関関係を表す関数とに基づいて、解析部7cが応力場を解析する。その結果、測定対象物1に応じて最適な関数を記憶装置8から読み出して、この関数を利用して残留磁気から応力場を簡単に解析することができる。
【0052】
(5) この実施形態では、測定対象物1の表面1aの任意の一点でこの測定対象物1の磁束密度を非接触状態でホール効果素子が検出し、この磁束密度に基づいて測定対象物1の応力場を解析部7cが解析する。その結果、従来の欠陥診断装置のように冷媒やカプラーなどによってセンサ自身を冷却する必要がなく、測定対象物1を室温で検査することができる。また、測定対象物1の表面1aの加工状態や微小な凹凸などによって測定結果が受ける影響が少なくなり、平面状の部分に限らず曲面状の部分であっても検査することができる。特に、応力場測定装置2をコンパクトにすることができるため、鉄道の現業などにおける作業負担を軽減することができる。
【0053】
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、応力場の例として残留応力を解析する場合を例に挙げて説明したが、残留応力以外の圧縮応力や引張応力などの応力場を解析する場合についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、数1に示す亀裂長さaを実際に測定しているが、図5(A)に示すような画像化された磁気分布に基づいて亀裂長さaを制御部7aによって演算し測定してもよい。さらに、この実施形態では、相関関係を表す関数を記憶するデータ構造として図6に示すデータ構造を例に挙げて説明したが、亀裂長さ、荷重の大きさ、面積などに応じて複数のデータ構造を作成して記憶することもできる。
【0054】
(2) この実施形態では、相関関係を利用して測定対象物1の応力場を測定する場合を例に挙げて説明したが、測定対象物1の磁場(磁気情報)から応力場を数1によって直接演算することもできる。例えば、レールの応力場を解析する場合には、亀裂長さaは等磁線図に基づいて演算し、負荷荷重Pは列車が1回走行するときにレールに加わる荷重に基づいて演算することもできる。また、この実施形態では、レール頭部断面の残留応力を測定する場合を例に挙げて説明したが測定箇所を限定するものではない。例えば、レール頭部上面に沿って検出装置3を走査させて応力場を測定したり、レール溶接部、レール端面又はレール腹部などを測定したり、鉄道車両用車軸の中空軸の内部を測定したり、鉄道用車輪のフランジ部を測定したりすることもできる。
【0055】
(3) この実施形態では、応力場測定装置2に撤去レールを設置して応力場を測定する場合を例に挙げて説明したが、測定対象物1を現場に設置してオンラインで応力場を測定することもできる。例えば、電気軌道総合試験車などに応力場測定装置2を設置して走行しながらレール頭部上面などの応力場を測定することもできる。また、この実施形態では、残留磁気を非接触状態で検出する場合を例に挙げて説明したが、残留磁気を接触状態で検出する場合についてもこの発明を適用することができる。例えば、測定対象物1に磁気センサを常時接触させオンラインで残留磁気をモニタすることもできる。また、磁気センサ以外の歪みゲージや圧電素子などの機械電気変換部によって応力場の変化を測定することもできる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によると、測定対象物の応力場を精度よく解析することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る応力場測定装置の構成図である。
【図2】この発明の実施形態に係る応力場測定装置における検出装置の検出原理を説明するための図である。
【図3】この発明の実施形態に係る応力場測定装置における制御装置の構成図である。
【図4】この発明の実施形態に係る応力場測定装置の等磁線図生成部による磁気測定結果を一例として示す図であり、(A)は負荷高合金鋼の磁気測定結果を示し、(B)は負荷炭素鋼の磁気測定結果を示す。
【図5】この発明の実施形態に係る応力場測定装置における残留磁気と残留応力との相関関係を一例として示す図であり、(A)は磁気測定結果を示し、(B)はビッカース荷重と圧痕部残留磁場との関係を示すグラフであり、(C)はビッカース圧痕周りの計算残留応力と測定残留磁場との関係を示すグラフである。
【図6】この発明の実施形態に係る応力場測定装置における記憶装置のデータ構造を示す図であり、(A)は普通レールのデータ構造を示し、(B)は鉄道車両用車軸のデータ構造を示し、(C)は鉄道車両用車輪のデータ構造を示す。
【図7】この発明の実施形態に係る応力場測定装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】この発明の実施形態に係る応力場測定装置の等磁線図生成部によるレール頭部断面の磁気測定結果を一例として示す図であり、(A)はレール全体におけるレール頭部の位置を示し、(B)は磁気測定結果を示す。
【符号の説明】
1 測定対象物
1a 表面
2 応力場測定装置
3 検出装置
4 駆動装置
5 電源装置
6 電圧検出装置
7 制御装置
7a 制御部
7b 等磁線図生成部
7c 解析部
7d 相関関係生成部
8 記憶装置
9 読取装置
10 表示装置
11 入力装置
12 入力補助装置
13 印刷装置
14 情報記録媒体
M, M,…,M 残留磁場(磁場)
σ, σ,…,σ,σ’ 残留応力(応力場)

Claims (10)

  1. 測定対象物の応力場を測定する応力場測定装置であって、
    前記測定対象物の磁場に基づいてこの測定対象物の応力場を解析する解析手段を備えること、
    を特徴とする応力場測定装置。
  2. 請求項1に記載の応力場測定装置において、
    前記磁場と前記応力場との相関関係を生成する相関関係生成手段を備え、
    前記解析手段は、前記相関関係に基づいて前記応力場を解析すること、
    を特徴とする応力場測定装置。
  3. 請求項2に記載の応力場測定装置において、
    前記相関関係生成手段は、前記測定対象物に予め既知の荷重を加えたときのこの測定対象物の所定位置における応力場と磁場とに基づいて、前記相関関係を表す関数を生成すること、
    を特徴とする応力場測定装置。
  4. 請求項3に記載の応力場測定装置において、
    前記相関関係を表す関数を記憶する記憶手段と、
    前記測定対象物の磁場を検出する検出手段とを備え、
    前記解析手段は、前記検出手段が検出した前記磁場と前記記憶手段が記憶する前記相関関係を表す関数とに基づいて、前記応力場を解析すること、
    を特徴とする応力場測定装置。
  5. 請求項4に記載の応力場測定装置において、
    前記検出手段は、前記測定対象物の表面の任意の一点でこの測定対象物の磁束密度を非接触状態又は接触状態で検出する磁気センサを備え、
    前記解析手段は、前記磁束密度に基づいて前記測定対象物の応力場を解析すること、
    を特徴とする応力場測定装置。
  6. 測定対象物の応力場を測定するための応力場測定プログラムであって、
    前記測定対象物の磁場に基づいてこの測定対象物の応力場を解析する解析手順をコンピュータに実行させること、
    を特徴とする応力場測定プログラム。
  7. 請求項6に記載の応力場測定プログラムにおいて、
    前記磁場と前記応力場との相関関係を生成する相関関係生成手順を含み、
    前記解析手順は、前記相関関係に基づいて前記応力場を解析する手順を含むこと、
    を特徴とする応力場測定プログラム。
  8. 請求項7に記載の応力場測定プログラムにおいて、
    前記相関関係生成手順は、前記測定対象物に予め既知の荷重を加えたときのこの測定対象物の所定位置における応力場と磁場とに基づいて、前記相関関係を表す関数を生成する手順を含むこと、
    を特徴とする応力場測定プログラム。
  9. 請求項8に記載の応力場測定プログラムにおいて、
    前記相関関係を表す関数を記憶する記憶手順と、
    前記測定対象物の磁場を検出する検出手順とを含み、
    前記解析手順は、前記検出手順で検出した前記磁場と前記記憶手順で記憶した前記相関関係を表す関数とに基づいて、前記応力場を解析する手順を含むこと、
    を特徴とする応力場測定プログラム。
  10. 請求項9に記載の応力場測定プログラムにおいて、
    前記検出手順は、前記測定対象物の表面の任意の一点でこの測定対象物の磁束密度を非接触状態又は接触状態で磁気センサによって検出する手順を含み、
    前記解析手順は、前記磁束密度に基づいて前記測定対象物の応力場を解析する手順を含むこと、
    を特徴とする応力場測定プログラム。
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