JP6222521B2 - 合わせガラス用中間膜および合わせガラス - Google Patents

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本発明は、合わせガラス用中間膜および該中間膜を用いてなる合わせガラスに関する。
合わせガラスは、外部衝撃による破損時の飛散が少なく安全であるため、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、建築物等の窓ガラスなどに広く使用されている。合わせガラスには、複数枚の無機ガラス板からなる接合物、ポリカーボネート板やポリメチルメタクリレート板のような有機ガラス板からなる接合物、無機ガラス板と有機ガラス板からなる接合物など各種があり、これら接合には合わせガラス用中間膜が一般的に用いられている。
合わせガラス用中間膜においては、例えばポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル共重合体、ポリウレタン樹脂などのベース樹脂に加え、接着強度を高めるための粘着付与剤やシランカップリング剤の他、必要に応じ酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、可塑剤などが配合されている。
合わせガラス用中間膜に有用な粘着付与剤として、例えば、各種のロジン誘導体や石油樹脂などが知られており、該ロジン誘導体として重合ロジンなどが例示されている(特許文献1〜3参照)。
ところで、前記中間膜では、粘着付与剤の選択次第で、初期着色や経時着色が問題となる他、耐水性、接着性、耐衝撃性などが不十分な場合がある。
特開平3−109241号公報 特開平11−21151号公報 特開2007−55823号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、透明性、耐候性、耐水性、接着性、耐衝撃性などの諸性能を満足する合わせガラス中間膜、および該合わせガラスを提供することを目的とする。
ところで、重合ロジンや重合ロジンエステルが、ロジンやロジンエステルに比べて軟化点が高く、また一般的に色調、耐候性、相溶性などが劣るとの認識の下、本出願人は淡色重合ロジンエステルの新規製造法に関する発明を出願中である。本発明者は、かかる出願発明を考慮し、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、市販の重合ロジンに含まれる次の成分:(1)ロジン酸の三量体以上の高分子量体成分、(2)重合反応時の副反応(ロジンの脱炭酸)に伴って生じる、カルボキシル基が1つ脱離した二量体成分(以下、モノカルボキシ二量体という)、ならびに(3)未反応のロジン酸などが悪影響し、前記課題の原因となりうるとの知見を得た。
前記知見に基づき、本発明者は更に鋭意検討を行った結果、合わせガラス用中間膜の粘着付与剤として水素化重合ロジンエステルを用いることにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体、およびポリビニルアセタールからなる群より選ばれる少なくとも1種のベース樹脂と、粘着付与樹脂である水素化重合ロジンエステルよりなる接着性樹脂組成物を用いて形成されてなることを特徴とする合わせガラス用中間膜に係る。また本発明は、該合わせガラス用中間膜を介して複数のガラス板を合わせ加工してなることを特徴とする合わせガラスに関する。
本発明によれば、透明性、耐候性、耐水性、接着性、耐衝撃性などの諸性能を満足する合わせガラス中間膜、および該合わせガラスを提供することができる。本発明により得られる合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、建築物等の窓ガラスなどに好適である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体、およびポリビニルアセタールからなる群より選ばれる少なくとも1種のベース樹脂と、粘着付与樹脂である水素化重合ロジンエステルよりなる接着性樹脂組成物から得られるものである。
前記接着性樹脂組成物のベース樹脂である前記エチレン−酢酸ビニル共重合体としては、従来公知のものを格別限定なく使用でき、非架橋型、架橋型のいずれでもよく、また、エチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物や加水分解物であるエチレン−酢酸ビニル共重合体の変性物であってもよい。なお、架橋型のエチレン−酢酸ビニル共重合体は、一般的には、非架橋型のエチレン−酢酸ビニル共重合体に対して架橋剤(例えば有機過酸化物など)や架橋助剤(例えばトリアリルシアヌレートなど)を作用させることにより製造される。
該エチレン−酢酸ビニル共重合体の各単量体成分の比率は、格別限定されないが、通常は酢酸ビニルの含有量が10〜50重量%程度、好ましくは20〜40重量%である。酢酸ビニル含量が10重量%未満では、得られる中間膜が硬くなりすぎて、ガラスとの接着性や合わせガラスの耐貫通性が低下する傾向がある。また、酢酸ビニル含量が50重量%を超えると、得られる中間膜の破断強度が不十分となり、合わせガラスの耐衝撃性が低下する傾向がある。
なお、エチレン−酢酸ビニル共重合体の市販品としては、例えば日本ポリオレフィン(株)製の「ノバテックEVA」シリーズや三井・デュポンポリケミカル(株)製の「エバフレックス」シリーズなどが挙げられ、これらの中から適宜に選択使用できる。
前記接着性樹脂組成物のベース樹脂であるエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体としては、従来公知のものを格別限定なく使用できる。該エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体のアルキル(メタ)アクリレート成分としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の各種(メタ)アクリル酸エステル類の他、(メタ)アクリル酸を例示できる。エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体中のアルキル(メタ)アクリレート成分の含有量は、特に制限はないが、通常は5〜50重量%程度、好ましくは10〜40重量%である。
なお、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体の市販品としては、日本ポリオレフィン社製の「レクスパール」シリーズ、デュポン社(社)製の「エルバロイAC」シリーズ、三井・デュポンポリケミカル(株)製の「ニュクレル」シリーズ、日本合成化学工業(株)製の「ソアノール」シリーズ等が挙げられ、これらの中から適宜に選択使用できる。
前記接着性樹脂組成物のベース樹脂である前記ポリビニルアセタールとしては、従来公知のものを格別限定なく使用でき、例えば、アセタール化度60〜75モル%、重合度800〜3000のもの等が好適である。重合度が800未満では、樹脂膜の強度が弱くなり得られる合わせガラスの耐貫通性が低下する傾向がある。また、重合度が3000を超えると、樹脂膜の成形性が劣ったり、樹脂膜の強度が高くなりすぎて、得られる合わせガラスの衝撃吸収性が低下する傾向がある。ポリビニルアセタールのなかでも、ガラスに対する適正な接着力、透明性、耐候性に優れるという点から、ポリビニルブチラール樹脂が好適である。
ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化して得られる。アルデヒドとしては特に限定されず、一般に、炭素数が1〜10のアルデヒドが用いられ、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好適であり、特に好ましくはn−ブチルアルデヒドである。
前記ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られ、鹸化度80〜99.8モル%のポリビニルアルコールが一般的に用いられる。ポリビニルアルコールの粘度平均重合度は200〜3000であることが好ましく、200未満では、得られる合わせガラスの耐貫通性が低下する傾向があり、また、3000を超えると、樹脂膜の成形性や加工性が低下する傾向がある。
前記接着性樹脂組成物には、粘着付与樹脂として水素化重合ロジンエステルが必須配合される。
水素化重合ロジンエステルとしては、ロジン二量体成分の含有量が80重量%以上であって、かつ該二量体成分中に一般式(1):ROOC−X−COOR(式中、Xはロジン二量体から2つのエステル基を除いた残基を、Rは炭素数1〜5のアルキル基を表す)で表わされるジエステル化合物を80重量%以上含有する重合ロジンエステル(a)を使用し、該重合ロジンエステル(a)を特定の条件下で水素化処理して得られるものを好ましく使用できる。
前記の重合ロジンエステル(a)は、特定の原料ロジンエステルを触媒の存在下に重合してなるものであり、これを精製して得られるものを好ましく使用できる。前記の原料ロジンエステルとしては、天然ロジン(ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン)と炭素数1〜5の1価アルコールとからなるエステル類が挙げられる。なお、該天然ロジンは、得られる重合ロジンエステルの色調を考慮すると、蒸留、再結晶等の精製処理を施して用いるのが好ましく、該精製ロジンの色調は、ガードナー色数で2以下、より好ましくは1以下のものとされる。前記アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、i−ブタノール、t−ブチルアルコール、ペンタノール等が挙げられる。
該エステル化では、公知の方法を採用することができ、例えば、(1)天然ロジンに含まれる樹脂酸(以下、ロジン酸という)の酸塩化物と前記アルコールとを反応させる方法や、(2)加圧下でロジン酸とアルコールを一定時間反応させた後、アルコールと水の混合溶液を除去し、さらに系内にアルコールを追加し、同様の操作を繰り返して反応させる方法などが挙げられる。
前記の重合反応条件は、格別限定されず、従来公知の条件から適宜に選択決定される。例えば、原料ロジンエステルを次のような触媒の存在下、必要に応じて有機溶媒の存在下に重合させればよい。該重合触媒としては、三フッ化ホウ素又はその錯体、硫酸、ギ酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、フッ化水素、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、四塩化チタン等の各種公知の触媒が知られているが、得られる水素化重合ロジンエステルの色調を考慮して、ギ酸、酢酸、塩化亜鉛及び三フッ化ホウ素もしくはその錯体からなる群より選ばれる少なくとも1種である重合触媒を用いることが好ましい。
前記の有機溶媒としては、原料ロジンエステルの重合反応を阻害しないものであれば、特に限定なく使用できる。具体的には、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素;ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン等のケトン系炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系炭化水素;四塩化炭素、二塩化エチレン、トリクロルエタン、テトラトリクロルエタン等のハロゲン系炭化水素などを例示でき、これらは1種単独でまたは2種以上を適宜に組み合わせて使用できる。
前記重合反応は、通常、0〜200℃程度で、0.5〜24時間程度の条件下で行うことができる。該重合反応が終了した後、使用溶剤、触媒、未反応原料ロジンエステル、分解物などを該反応系から除去することにより、重合ロジンエステル(a)を収得できる。なお、触媒除去方法としては、水洗、アルカリ中和、ろ過等を採用でき、また未反応原料ロジンエステルや分解物の除去方法としては、減圧蒸留が好ましい。
前記の重合ロジンエステル(a)を水素化処理して水素化重合ロジンエステルを得るためには、特定の触媒を用い、特定の温度、特定の圧力条件で水素化処理することが必要である。該水素化触媒としては、パラジウムカーボン、ロジウムカーボン、ルテニウムカーボン、白金カーボンなどの担持触媒、ニッケル、白金などの金属粉末、ヨウ素、ヨウ化鉄などのヨウ化物など、各種公知のものを使用できる。これらの中では、パラジウム、ロジウム、ルテニウムまたは白金系触媒が水素化効率(水素化率が良い、水素化時間が短い)の点で好ましく、該触媒の使用量は重合ロジンエステル(a)100重量部に対し、通常0.01〜5重量部程度、好ましくは0.01〜2.0重量部である。
該水素圧は、4〜20MPa程度、好ましくは5〜15MPaであり、還元温度は180℃〜300℃程度、好ましくは200℃〜280℃であり、反応時間は通常、0.5〜24時間程度である。水素圧が4MPaに満たない場合は、所望の水素化が進行せず、目的とする水素化重合ロジンエステルを収得できない。また水素圧が20MPaを超える場合は、用いる設備の耐圧条件が厳しくなる。
前記の水素化処理は、重合ロジンエステル(a)を加熱溶融状態で行ってもよいし、溶剤に溶解させた状態で行ってもよい。該溶剤としては、用いる重合ロジンエステル(a)および得られる重合ロジンエステルが溶解しやすい溶剤であれば、特に限定されない。例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどが挙げられ、これらは1種単独でまたは2種以上を適宜に組み合わせて使用できる。
得られる水素化重合ロジンエステルは、ガードナー色数が1以下、好ましくはハーゼン水準であり、軟化点が100〜120℃、好ましくは105〜115℃であり、酸価が10mgKOH/g以下、好ましくは5mgKOH/g以下であり、鹸化価が160mgKOH/g以上、好ましくは170〜190mgKOH/gである。また、水素化重合ロジンエステルにおける二量体成分の含有率は、80重量%以上であり、好ましくは85重量%以上である。なお、酸価が10mgKOH/gを超える場合は脱炭酸が生じやすくなるなどの不利がある。鹸化価は、エステル結合の量を示す指標であるため、鹸化価が160mgKOH/g未満の場合は不純物(重合ロジンのモノカルボン酸体、ロジンの脱炭酸物など)の含有量が相対的に高くなる。
水素化重合ロジンエステルの添加量は、前記ベース樹脂100重量部に対し、通常5〜50重量部程度、好ましくは10〜40重量部である。該添加量が5重量部未満では、十分な効果が得られない傾向があり、また50重量部を超えると、中間膜の透明性が低下する傾向がある。
本発明で用いる前記ベース樹脂には、必要に応じて、可塑剤、接着力調整剤、透明性改良剤(結晶核剤)、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種添加剤があらかじめ配合されていてもよい。これらの添加剤は、前記接着性樹脂組成物の調製時に配合してもよい。
前記の可塑剤としては、特に限定されず、合わせガラス用中間膜に配合される公知の可塑剤を格別限定なく用いることができる。例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機系可塑剤;有機リン酸系、有機亜リン酸系等のリン酸系可塑剤等が挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。該可塑剤の配合量は、前記ベース樹脂100重量部に対して、通常は60重量部未満、好ましくは50重量部未満とされる。該可塑剤の添加量が60重量部を超えると、可塑剤がブリードアウトして得られる中間膜の透明性やガラスと中間膜との接着性が低下する傾向がある。
前記の接着力調整剤としては、特に限定されないが、シランカップリング剤が好適である。該シランカップリング剤としては、例えば、3−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランが挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。シランカップリング剤の添加量は、前記ベース樹脂100重量部に対し、通常は4重量部未満とされる。該シランカップリング剤の添加量が4重量部を超えると、中間膜の強度が低下する傾向がある。
前記の透明性改良剤としては、特に限定されないが、例えば、ジベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンキシリトール、ジベンジリデンズルシトール、ジベンジリデンマンニトール、カリックスアレーンが好適であり、これらは単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。該透明性改良剤の添加量は、前記ベース樹脂100重量部に対し、通常は4重量部未満とされる。該透明性改良剤の添加量が4重量部を超えると、中間膜内で透明性改良剤が析出する傾向がある。
前記の熱安定剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム石鹸、ジアルカノール脂肪族第三級アミンなどが挙げられる。また、前記酸化防止剤としては、例えば、t−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが挙げられる。また前記紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾフェノン系のものなどが挙げられ、これらは単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。該熱安定剤の添加量は、前記ベース樹脂100重量部に対し、通常は4重量部未満である。
前記の接着性樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない限り、前記の水素化重合ロジンエステル以外の公知粘着性付与剤を配合しても差し支えない。該粘着性付与剤としては、例えば、水添ロジン、不均化ロジン、不均化水添ロジン、ロジンエステル、ロジン金属塩、脂肪族石油樹脂、芳香族石油樹脂、脂環式石油樹脂、共重合系石油樹脂、水素化石油樹脂、純モノマー系石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂などが挙げられる。
前記接着性樹脂組成物を用いて合わせガラス用中間膜を形成するに際しては、特に限定されず、各種公知の製膜方法を採用できる。例えば、前記ベース樹脂、水素化重合ロジンエステル、および上述のような各種添加剤をそれぞれ所定量で配合し、これらを均一に混練りした後、プレス法、カレンダーロール法、押出シートキャスティング法、インフレーションチューブ法等の各種公知の方法により、本発明の合わせガラス用中間膜を作製できる。
得られる合わせガラス用中間膜の厚さは、用途に応じて適宜に決定されるが、一般的には0.05〜1.2mm程度である。該中間膜は、無機ガラス板との接着力を高める目的で、コロナ処理やプラズマ処理等により極性基が表面に導入されていてもよい。
当該中間膜を用いて合わせガラスを製造するには、格別限定なく各種公知の方法を採用できる。例えば、シート状中間膜を、その両側からガラス板で挟み込み、この未圧着状態のサンドイッチ構造体をゴムバッグヘ入れ、減圧下に一定時間脱気した後、加温オーブンに入れ、一定時間保持する方法(真空バッグ法)、または該サンドイッチ構造体を加熱した加圧ゴムロールに一定時間通過させた後、オーブン中で加熱保持する方法(加熱プレス法)、押圧ロール法、オートクレーブ法などが挙げられる。
本発明の合わせガラスの層構成としては、ガラス/中間膜/ガラスが基本であるが、他の各種の層構成であってもよい。当該ガラスとしては、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス、着色板ガラス、紫外線吸収板ガラス、赤外線反射板ガラス、赤外線吸収板ガラスなどの無機ガラス板に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートなどから得られる各種の有機ガラス板も包含される。
以下に参考例、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。各例中、特記しない限り、部および%は重量基準である。
参考例1(水素化重合ロジンエステルの合成)
重合触媒としてギ酸を用いて得られた重合ロジンメチルエステル(a1)〔色調ガードナー8、軟化点114℃、酸価2.7mgKOH/g〕を100g、5%パラジウムカーボン(50%含水、エヌ・イー ケムキャット社製)5gを0.3L回転式オートクレーブに仕込み、系内の酸素を除去した後、水素で8MPaまで加圧し、220℃まで昇温し3時間反応を行った。触媒を濾別し、水素化重合ロジンエステル(H1)を得た。該水素化重合ロジンエステル(H1)の物性を表1に示す。(以下、同様)
参考例2(水素化重合ロジンエステルの合成)
重合ロジンエステル(a1)に代えて、重合触媒として酢酸を用いて得られた重合ロジンメチルエステル(a2)〔色調ガードナー7、軟化点115℃、酸価2.2mgKOH/g〕を用いた他は、実施例1と同様に水素化処理および濾別を行い、水素化重合ロジンエステル(H2)を得た。
比較参考例1
市販重合ロジン1(アリゾナケミカル(株)製、商品名「シルバロスPR140」)を用いた。
比較参考例2
市販重合ロジン2(ハーキュレス(株)製、商品名「ダイマレックス」)を用いた。
比較参考例3
市販重合ロジン3(荒川化学工業(株)製、商品名「アラダイムR−140」)を用いた。
(得られた各種粘着付与剤の物性)
表1中、ロジン二量体成分の含有率(%)はHLC測定法により求めた。測定条件は以下の通りである。
カラム:ODS(日本分光(株)製)
溶媒:メチルアルコール/0.01%リン酸=9/1(容量比)
流速:1ml/分、
検出器:示差屈折計(日本分光(株)製)
<合わせガラス用中間膜の作製>
表2および表3に示す各配合成分を溶融混練装置により所定条件(150℃、50回転/分、10分間)下に溶融混練し、各種の接着性樹脂組成物を作製した。その後、押出機を用いて該接着性樹脂組成物をそれぞれ熱プレスで厚さ約200μmのシートに成形し、合わせガラス用中間膜を得た。
表2中、EVAはエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量26%)を、シランカップリング剤は3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを、紫外線吸収剤は2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンを示す。
表3中、PVBはポリビニルブチラール:アセタール化度(66モル%)を、可塑剤はトリエチレングリコールジ(2−エチルブチレート)を、紫外線吸収剤は2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンを示す。
<合わせガラスの作製>
前記の合わせガラス用中間膜を、2枚の無機ガラス板(30cm×30cm×2mm、日本テストパネル(株)製)で挟み、バッグ内に入れ、バッグ内を減圧にしながら加熱オーブンに入れ、100℃×30分加熱して、各種の合わせガラスを得た。
<性能評価>
前記で得た各種合わせガラスを、以下のようにして評価した。評価結果は表4に示す。
外観:目視にて以下の基準により評価した。
○:透明、△:わずかに着色している、×:着色している
全線透過率(%)、HAZE(%):市販ヘイズメーター(製品名「HM−150」、村上色彩技術研究所製)を用いて、それぞれ測定した。
接着力:前記の合わせガラス用中間膜を無機ガラス板(30cm×30cm×2mm、日本テストパネル(株)製)に乗せ、その上に38μmのポリエステルフィルムを乗せ、その上にガラスを乗せた。ついで、合わせガラスの前記作製方法と同様にして、最下層のガラスと合わせガラス用中間膜を接着させた。これを200mm/分の速度で180°剥離し、該剥離強度を以下の基準により評価した。
◎:0.5N/25mm以上、○:0.3N/25mm以上〜0.5N/25mm未満
表4の結果から、本発明の合わせガラス用中間膜は、比較用の合わせガラス用中間膜に比べて、外観、全線透過率、HAZEに優れるとともに、ガラス板に対して良好な接着性能を示すことが判る。

Claims (6)

  1. エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体、およびポリビニルアセタールからなる群より選ばれる少なくとも1種のベース樹脂と、粘着付与樹脂である水素化重合ロジンエステルよりなる接着性樹脂組成物を用いて形成されてなることを特徴とする合わせガラス用中間膜であって、前記の水素化重合ロジンエステルが、ガードナー色数が1以下、軟化点が100〜120℃、酸価が10mgKOH/g以下、および鹸化価が160mgKOH/g以上のものである合わせガラス用中間膜。
  2. 請求項1の水素化重合ロジンエステルとして、ロジン二量体成分の含有量が80重量%以上であって、かつ該二量体成分中に一般式(1):ROOC−X−COOR(式中、Xはロジン二量体から2つのエステル基を除いた残基を、Rは炭素数1〜5のアルキル基を表す)で表わされるジエステル化合物を80重量%以上含有する重合ロジンエステル(a)を、白金族系触媒の存在下に水素圧4〜20MPa、および180〜300℃の条件下で水素化処理して得られたものを、請求項1記載のベース樹脂に配合して混練することを特徴とする請求項1に記載の合わせガラス用中間膜の製造方法
  3. 重合ロジンエステル(a)が、硫酸、ギ酸、酢酸、リン酸、塩化亜鉛、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸又はスルホン酸基を有する固体酸、及び三フッ化ホウ素もしくはその錯体からなる群より選ばれる少なくとも1種である重合触媒の存在下にロジンエステルを重合して得られる請項2に記載の合わせガラス用中間膜の製造方法。
  4. 請求項2に記載の白金系触媒がパラジウム系触媒である請求項2または3に記載の合わせガラス用中間膜の製造方法。
  5. 前記の接着性樹脂組成物が、前記ベース樹脂100重量部に対して前記の水素化重合ロジンエステルが5〜50重量部配合されてなるものである請求項1に記載の合わせガラス用中間膜。
  6. 請求項1または5に記載された合わせガラス用中間膜を介して複数のガラス板を合わせ加工してなることを特徴とする合わせガラス。
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