JP6222274B2 - 水中油滴型乳化食品組成物の製造方法及び水中油滴型乳化食品組成物用添加剤 - Google Patents

水中油滴型乳化食品組成物の製造方法及び水中油滴型乳化食品組成物用添加剤 Download PDF

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Description

本発明は、調合時の発泡が起因となり起こる様々な弊害を、消泡剤を使用すること無く、または少量の使用量で改善できる水中油滴型乳化食品組成物の製造方法及び水中油滴型乳化食品組成物用添加剤に関する。
近年、栄養バランスを考慮した栄養食品は、食事の代わりとして簡便に摂取できる携帯食やダイエット食品としてだけでなく、高齢や傷病、障害により経口摂取に困難をきたす者が栄養を摂取するための食品として使用されることが多い。またその中でも医学的に注目されている経管栄養投与法に利用される流動食が多く開発されている。例えば、特許文献1では、蛋白質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル、乳化剤を含有する酸性タイプ液状経腸栄養剤が提案されている。
しかしながら、この経管栄養投与法での流動食の摂取においては、投与した流動食が胃から食道へ逆流することにより起こる誤嚥性肺炎や、投与された流動食が胃内で留まらず直接小腸に流れていくために起こる下痢が生じる場合がある。これらの問題は、例えば特許文献1に記載のような液状で低粘度の流動食を投与することで起こりやすくなるため、この問題を解決すべく、寒天、ペクチンなどの増粘性のある食物繊維を配合することで栄養剤を予め半固形化させた各種の半固形化栄養剤が提案されている(特許文献2〜4)。
ところが、このように予め半固形化させた半固形化栄養剤は、粘度が高く、径の細いチューブから投与させることが困難になる場合が多いという問題があるため、投与時は半固形化栄養剤よりも低粘度でより投与しやすく、胃内では半固形化栄養剤と同程度まで半固形化し胃食道逆流や下痢を抑制するような新しい流動食の開発が求められている。
また流動食、ダイエット食品、健康飲料などの栄養食品は、栄養バランスを考慮する必要があることから、一般的に蛋白質、油脂、ミネラル、水、乳化剤、及びその他の各種の成分を適宜配合し、これらの各成分を均一に分散させるため、高速撹拌機などを用いて乳化処理を行って調製される(特許文献1〜5)。しかし増粘性の食物繊維が多く配合された栄養食品を調製する場合、調合時の歩留まりや乳化安定性の面から実生産や製品化が一般的に困難であると言われている。
特開2010−83774号公報 特許第4047363号公報 国際公開第2007/026474号公報 特開2009−11229号公報 特開2009−106187号公報
本発明者らは、栄養バランスを考慮した食品を開発すべく、蛋白質、油脂、乳化剤等を含有する水中油滴型乳化食品組成物の製造方法を検討したところ、調合時に激しく発泡して非常に歩留まりが悪くなる、激しい発泡により調合後の乳化工程で乳化不良が起こり、加熱殺菌後に相分離や凝集物が発生する、水中油滴型乳化食品組成物中の含気量が高くなりビタミン類などの酸化し易い成分を含有する場合にはその保存安定性が悪くなる等の問題が生じることが判明した。特に投与時は低粘度で投与しやすく、胃内では半固形化するような流動食を開発する場合、増粘性の食物繊維を用いるため、調合時の発泡がより激しくなり、上記のような問題が生じやすいことが判明した。
そこで、このような発泡の抑制手段として一般に採用されている消泡剤や抑泡剤を添加する方法を検討したが、十分な効果が得られないことが判明した。例えば、消泡剤としてオレイン酸モノグリセライドやソルビタントリオレイン酸エステル等の乳化剤を用いたが、十分な消泡効果が得られなかった。また、消泡剤として一般的に使用されるシリコーンエマルジョンなどのシリコーン系消泡剤は、消泡作用は高いものの、食品衛生法上、使用量が制限されていること等から、所定の使用量の範囲内で十分な消泡効果が得られなかった。また、このようなシリコーン系消泡剤は一定の安全性は確認されてはいるものの、近年の健康志向の高まりなどから、シリコーン系消泡剤を用いない乳化食品組成物が社会的に要請されるようになってきている。そのため、このようなシリコーン系の消泡剤を用いない、新たな消泡ないし抑泡手段の開発が必要となった。
以上の問題点等に鑑みて、本発明の目的とするところは、水中油滴型乳化食品組成物の調合時の発泡を抑制し、かつ加熱殺菌後に相分離や凝集物がないか、その発生が極めて低減され、更に、ビタミン類などの酸化し易い成分を含有する場合には、保存中のそれらの安定性を保持することができる、高品質な水中油滴型乳化食品組成物を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、さらに検討を行った結果、蛋白質、油脂、乳化剤を含有する水中油滴型乳化食品組成物を調合する際に、通常は、水に溶解させてから油と混和させる親水性の高い乳化剤を油脂に先に添加して親水性の高い乳化剤を含有させた油脂を得てから、当該油脂又は当該油脂と水との混合物を水又は水溶性ミネラル類の水溶液に添加し混合すること、更に前記油脂の全脂肪酸中の中鎖脂肪酸の割合が0.1重量%より多く、100重量%未満であることで上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)親水性の高い乳化剤を含有させた油脂又は親水性の高い乳化剤を含有させた油脂と水との混合物を水又は水溶性ミネラル類の水溶液に添加して混合する工程の後に、蛋白質または蛋白質とその他の成分を添加する工程および加熱殺菌する工程を含み、更に前記油脂の全脂肪酸組成中の中鎖脂肪酸の割合が0.1重量%より多く100重量%未満であることを特徴とする水中油滴型乳化食品組成物の製造方法。
(2)前記親水性の高い乳化剤のHLB値が8.0以上である前記(1)に記載の水中油滴型乳化食品組成物の製造方法。
(3)前記油脂の全脂肪酸組成中の中鎖脂肪酸の割合が7.5重量%以上74.9重量%以下である前記(1)または(2)に記載の水中油滴型乳化食品組成物の製造方法。
(4)前記の親水性の高い乳化剤を含有する油脂と水との混合物が、予備乳化されたものである前記(1)〜(3)のいずれかに記載の水中油滴型乳化食品組成物の製造方法、
(5)前記の親水性の高い乳化剤を含有させた油脂又は親水性の高い乳化剤を含有させた油脂と水との混合物を、水又は水溶性ミネラル類の水溶液に添加して混合する工程の後に、増粘性のある食物繊維を添加する工程をさらに含む前記(1)〜(4)のいずれかに記載の水中油滴型乳化食品組成物の製造方法、
(6)前記の加熱殺菌する工程後の水中油滴型乳化食品組成物の粘度が25cP以上1000cP未満である前記(1)〜(5)のいずれかに記載の水中油滴型乳化食品組成物の製造方法、
(7)前記増粘性のある食物繊維の水中油滴型乳化食品組成物中の含有量が0.05w/v%以上である前記(5)または(6)に記載の水中油滴型乳化食品組成物の製造方法、
(8)前記増粘性のある食物繊維がアルギン酸及び/又はアルギン酸塩である前記(5)〜(7)のいずれかに記載の水中油滴型乳化食品組成物の製造方法、
(9)前記蛋白質の水中油滴型乳化食品組成物中の含量が固形分換算で1.0w/v%以上である前記(1)〜(8)のいずれかに記載の水中油滴型乳化食品組成物の製造方法、
(10)前記(1)〜(9)のいずれかに記載の水中油滴型乳化食品組成物の製造方法により得られた水中油滴型乳化食品組成物。
(11)油脂と乳化剤とを含む水中油滴型乳化食品組成物用添加剤であって、前記乳化剤は、親水性が高く、前記油脂は、全脂肪酸組成中の中鎖脂肪酸の割合が0.1重量%より多く100重量%未満であり、前記中鎖脂肪酸が、水中油滴型乳化食品組成物用添加剤に対して6重量%以上70重量%以下含まれ、且つ、(水中油滴型乳化食品組成物用添加剤に対する乳化剤の重量%)/(水中油滴型乳化食品組成物用添加剤に対する中鎖脂肪酸の重量%)が0.13以上1.5以下である水中油滴型乳化食品組成物用添加剤。
(12)前記乳化剤のHLB値が8.0以上である前記(11)に記載の水中油滴型乳化食品組成物用添加剤。
(13)前記水中油滴型乳化食品組成物用添加剤中における前記中鎖脂肪酸の含有量が6.8〜68.1重量%である前記(11)または(12)に記載の水中油滴型乳化食品組成物用添加剤。
(14)前記水中油滴型乳化食品組成物用添加剤中に含まれる油脂の全脂肪酸組成に対する飽和脂肪酸の割合が18.7重量%以上80.7重量%以下である前記(11)〜(13)のいずれかに記載の水中油滴型乳化食品組成物用添加剤。
(15)前記(11)〜(14)のいずれかに記載の水中油滴型乳化食品組成物用添加剤を含有する水中油滴型乳化食品組成物。
(16)前記(11)〜(15)のいずれかに記載の水中油滴型乳化食品組成物用添加剤を添加する工程を含む、水中油滴型乳化食品組成物の製造方法。
本発明の水中油滴型乳化食品組成物の製造方法によれば、シリコーン系やその他の消泡剤や抑泡剤等を使用しない、または少量の使用量で水中油滴型乳化食品組成物の調合時の発泡を抑制し、歩留まりを向上させると共に、加熱殺菌後に乳化が安定で凝集物や相分離がないか、その発生が極めて低減された高品質な水中油滴型乳化食品組成物を提供することができる。また、ビタミン類などの酸化し易い成分を含有する場合には、保存中のそれらの安定性を保持することができる、より高品質な水中油滴型乳化食品組成物を提供することができる。
また、増粘性の食物繊維が含有された水中油滴型乳化食品組成物を調合する場合には、より激しく発泡するため、本発明は、この成分が配合された中性領域では流動性を有し、酸性領域では半固形化する水中油滴型乳化食品組成物を製造する際に、特に好適である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水中油滴型乳化食品組成物の製造方法は、親水性の高い乳化剤を含有させた油脂又は親水性の高い乳化剤を含有させた油脂と水との混合物を、水又は水溶性ミネラル類の水溶液(以下、「水等」と略称する場合がある。)に添加して混合する工程の後に、蛋白質を添加する工程および加熱殺菌する工程を含み、前記油脂が中鎖脂肪酸を0.1重量%より多く100重量%未満含むことを特徴とするものである。
このように本発明では、乳化剤として通常は先ず水や水溶液と混合させて使用する親水性の高い乳化剤を選択し、所定の成分を混合して調合する際に、この親水性の高い乳化剤と油脂とを混合して、親水性の高い乳化剤を含有させた油脂を得て、当該油脂をそのまま、または、当該油脂と水との混合物を、先ず水または水溶性ミネラル類の水溶液に添加して混合する。そして、この工程の後に、蛋白質を添加する工程を含むようにすることで、各成分を混合して調合する際に生ずる発泡を著しく抑制することが可能になる。また、このように、調合時の発泡が抑制されるため、発泡による調合後に行う乳化処理する工程における乳化不良が抑制され、乳化処理後の加熱殺菌する工程の後に乳化が安定で凝集物や相分離がないか、それらの発生が極めて低減されると考えられる。更には、最終的に得られる水中油滴型乳化食品組成物の含気量が低減される結果として、ビタミン類などの酸化し易い成分を含有する場合には、保存中のそれらの安定性を保持することができると考えられる。
尚、本発明において「調合時」とは、水中油滴型乳化食品組成物の構成成分すべてを混合する際のことであり、その後の乳化処理は含まない。
本発明では、上記のように親水性の高い乳化剤を含有させた油脂を用いる。このような油脂の調製方法であれば特に限定はなく、例えば、親水性の高い乳化剤を油脂に懸濁し、一般的な撹拌機などを用いて撹拌して懸濁液としてもよい。
また、本発明では、このようにして得られた親水性の高い乳化剤を含有させた油脂と、水とを予め混合した混合物を用いてもよい。このような混合物の調製方法は特に限定はなく、例えば、上記のようにして、親水性の高い乳化剤を油脂に懸濁し、一般的な撹拌機などを用いて撹拌して得られた懸濁液と、所定量の水とを混合し、一般的な撹拌機などを用いて撹拌する方法や、撹拌機に替えて、あるいは、撹拌機により撹拌した後に一般的な乳化装置を用いて予備乳化する方法などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。またここでの予備乳化とは親水性の高い乳化剤、油脂、及び所定量の水のみで構成された組成物を、水または水溶性ミネラル類の水溶液に添加する前に乳化する場合の乳化のことである。本発明では、調合時の発泡をより一層抑制し、加熱殺菌後の乳化をより一層安定させる観点からは、親水性の高い乳化剤を含有させた油脂と水との混合物を予備乳化したものを用いることが好ましい。このように、親水性の高い乳化剤を含有させた油脂と適量の水との混合物を予備乳化した予備乳化液を用いることにより、油脂が親水性の高い乳化剤により水中に予め分散した状態で安定化される結果、より一層起泡が効果的に抑制することができると考えられる。
この予備乳化の際の、親水性の高い乳化剤を含有させた油脂と水との混合比は、特に限定はないが、油脂と親水性の高い乳化剤の合計100重量部に対して、水100〜600重量部が好ましい。また、より発泡を抑制する観点からは、親水性の高い乳化剤を含有させた油脂と混合する水の割合は、当該油脂100重量部に対して、水300重量部以上混合することが好ましく、水600重量部混合することがより好ましい。また、予備乳化の際に使用する乳化装置としては、特に限定はなく、例えば、プロペラミキサーやタービンミキサーなどの低速撹拌機、ホモミキサーなどの高速回転型乳化機、グラインダー(コロイドミル)、高圧ジェットホモジナイザーなどの高圧・高速噴射式乳化機が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。ただし、親水性の高い乳化剤と油脂との親和性をより高め、調合時の発泡を抑制する観点からは、高圧乳化機を用いることが好ましい。またその際の作動圧力としては、5MPa以上の圧力で予備乳化することが好ましく、10MPa以上の圧力で予備乳化することがより好ましく、20MPa以上の圧力で予備乳化することが更に好ましく、30MPa以上の圧力で予備乳化することが特に好ましい。
本発明の水中油滴型乳化食品組成物は、必須成分として、蛋白質、油脂、親水性の高い乳化剤及び水を含有するが、後述するように、増粘性のある食物繊維が含まれる場合がある。その際の、各成分の添加の順番は、上記のように、水又は水溶性ミネラル類の水溶液に、先ず、親水性の高い乳化剤を含有させた油脂又は親水性の高い乳化剤を含有させた油脂と水との混合物(以下、「親水性の高い乳化剤を含有させた油脂等」と称する場合がある。)を添加すれば、その後の添加順は特に限定はなく、親水性の高い乳化剤を含有させた油脂等を水等に添加して混合する工程の後に、蛋白質を添加する工程を行い、その後、増粘性のある食物繊維を添加する工程を行っても良いし、増粘性のある食物繊維を添加する工程を行った後に、蛋白質を添加する工程を行っても良いし、両者を同時に添加する工程を行っても良い。また、前記所定の油脂等を水等に添加して混合する工程の後は、それぞれの工程において、各成分を添加した後に撹拌して混合してもよいし、成分の全てを添加した後に撹拌して混合してもよいし、その他方法で任意に撹拌、混合してもよい。
また、本発明では、後述するように、蛋白質、油脂、親水性の高い乳化剤、水溶性ミネラル、増粘性のある食物繊維、水以外の成分を添加することができるが、これらの成分の添加の順番も、蛋白質および増粘性のある食物繊維と同様にして添加すると良い。
本発明の水中油滴型乳化食品組成物の製造方法では、加熱殺菌後の相分離や凝集を抑制する観点からは、水中油滴型乳化食品組成物の構成成分を全て混合し、調合した後、加熱殺菌処理する直前に、全ての成分を混合した調合物の乳化処理を行うことが好ましい。
乳化処理は、例えば前記したような各種の乳化装置を用いて行うことができるが、加熱殺菌後の乳化を安定させる観点からは、高圧乳化機にて行うことが好ましい。またその際の作動圧力としては、20MPa以上で行うことが好ましく、30MPa以上で行うことがより好ましく、35MPa以上で行うことが更に好ましく、40MPa以上で行うことがより更に好ましく、45MPa以上で行うことが特に好ましい。
また、加熱殺菌する工程後の水中油滴型乳化食品組成物の乳化をより安定させ、水中油滴型乳化食品組成物中の凝集物の生成を抑制する観点からは、乳化を2回以上行うことが好ましい。さらに、高圧乳化機により乳化を2回行う場合は、その1回目の乳化は、5MPa以上で行うことが好ましく、10MPa以上で行うことがより好ましく、15MPa以上で行うことが更に好ましく、20MPa以上で行うことが特に好ましく、また、その2回目の乳化は、10MPa以上で行うことが好ましく、20MPa以上で行うことがより好ましく、30MPa以上で行うことが更に好ましく、40MPa以上で行うことがより更に好ましく、50MPa以上で行うことが特に好ましい。
また、高圧乳化機により乳化を2回以上行う場合は、処理時の作動圧力を段階的に上げていくことが好ましい。
本発明では、水中油滴型乳化食品組成物の各構成成分を混合して調合し、乳化を行った後、(i)そのまま直接、加熱滅菌処理を行って、所望の容器に充填しても良いし、(ii)所望の容器に充填した後、加熱滅菌処理を行っても良い。このような加熱殺菌処理により、微生物などを原因とする乳化食品組成物の物性の変化を防止することができる。加熱殺菌処理としては、これら(i)、(ii)に適した方法であれば特に限定されず、微生物などを原因とする乳化食品組成物の物性の変化を防止できるのであれば、低温殺菌法、高温殺菌法、超高温短時間殺菌法のいずれの方法でも構わない。またUHT、HTST、レトルト、オートクレーブ、プレート、チューブラー式殺菌等の殺菌方法のいずれの方法を用いても構わない。ただし、水中油滴型乳化食品組成物はレトルト殺菌により加熱殺菌後の凝集が発生しやすくなる。そのため、本発明による製法はレトルト殺菌で殺菌する場合においてより効果を発揮する。
また、充填用の容器としても、その材質や形態に関して特に限定されるものではなく、ソフトバックやアルミパウチなどのパウチ、紙パック、缶、ボトルなどを用いることができるが、微生物などの混入により乳化食品組成物の物性が変化しないような形態であることが好ましい。また、ビタミン類などの栄養成分の減少を防止する観点からは、遮光性及び/またはガスバリア性を有する材料で作製された容器が好ましいが、透明容器であっても問題はない。さらに、本発明の製造方法により得られる水中油滴型乳化食品組成物は、その構成成分である蛋白質、油脂、乳化剤、必要により添加されるその他の成分を含めた全成分を同一の容器内に充填することが可能である。
次に、水中油滴型乳化食品組成物およびその各構成成分について説明する。
本発明に用いることができる蛋白質の種類は特に限定されず、動物性蛋白質、植物性蛋白質、何れでも良い。本発明における蛋白質には、蛋白質の加水分解物等の分解物も含まれる。動物性蛋白質としては、例えば、乳原料由来の蛋白質(カゼイン、ホエイ蛋白質等)、卵由来の蛋白質やそれらの加水分解物などが挙げられる。また、植物性蛋白質としては、例えば、大豆原料由来の蛋白質、小麦原料由来の蛋白質、エンドウ原料由来の蛋白質、米由来の蛋白質やそれらの加水分解物などが挙げられる。また、これらを単独で使用してもよいし、複数を組み合わせて使用してもよい。ただし、調合時の発泡を抑制し、加熱殺菌後の凝集および相分離を抑制する観点から、蛋白質の種類としては植物性蛋白質が好ましく、中でも、豆原料由来の植物性蛋白質がより好ましく、大豆原料由来の植物性蛋白質及び/又はその加水分解物が更に好ましい。また窒素源としては、蛋白質だけでなくペプチドやアミノ酸を用いても良い。
また、蛋白質の含量は特に限定されない。ただし、調合時の発泡を抑制する観点からは、蛋白質の水中油滴型乳化食品組成物中の含量が8.0w/v%以下の割合で配合されたものが好ましく、6.0w/v%以下の割合で配合されたものがより好ましく、5.0w/v%以下の割合で配合されたものが更に好ましく、4.5w/v%以下の割合で配合されたものがより更に好ましく、4.0w/v%以下の割合で配合されたものが特に好ましい。また蛋白質の濃度の下限は0.1w/v%以上の割合で配合されたものが好ましく、0.5w/v%以上の割合で配合されたものがより好ましく、1.0w/v%以上の割合で配合されたものが更に好ましく、2.0w/v%以上の割合で配合されたものがより更に好ましく、3.0w/v%以上の割合で配合されたものが特に好ましい。
本発明に用いることができる油脂の種類は、全脂肪酸組成に対する中鎖脂肪酸の割合が0.1重量%より多く100重量%未満であれば、特に限定はなく、食品分野において一般に使用可能な各種の油脂を使用することができ、例えば、大豆油、コーン油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、ヤシ油、ナタネ油などの植物由来の油脂や、魚油、牛脂、豚脂、乳脂等の動物由来の油脂が挙げられる。ここで、本発明において、脂肪酸とは油脂を加水分解して得られる脂肪族モノカルボン酸のことであり、また中鎖脂肪酸とは、炭素数8〜12の脂肪酸を意味する。
このように少なくとも一つのアシル基の炭素数が8以上12以下であるトリグリセリドを含有する油脂であれば、植物および動物由来の油脂をそのまま使用しても良い。また、アシル基の炭素数が8以上12以下である精製された中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)と、炭素数6以下の短鎖脂肪酸トリグリセリド(SCT)、パルミチン酸(C16)などの飽和脂肪酸、オレイン酸(C18)などの一価不飽和脂肪酸、ドコサヘキサエン酸(C22)、エイコサペンタエン酸(C20)、α−リノレン酸(C18)などのn−3系多価不飽和脂肪酸、リノール酸(C18)などのn−6系多価不飽和脂肪酸などの特定の中鎖脂肪酸以外の脂肪酸をアシル基として含有する油脂とを混合した油脂を使用しても良いし、天然物由来の油脂に精製した中鎖脂肪酸トリグリセリドを添加したものなどを使用できるが、特にこれらには限定されない。また、「日本人の食事摂取基準(2010年度版)」(平成21年5月29日、厚生労働省発表)に記載の脂肪酸組成比になるように、数種類の油脂を組み合わせて添加することもできる。また中鎖脂肪酸トリグリセリドを以下では、「MCT」と略称する場合がある。尚、MCTは、Medeium Chaime Triglycerideの略号である。
また、調合時の発泡をより一層抑制し、更に加熱殺菌後に凝集物を生じさせないか、その発生を極めて低減する観点から、使用する油脂の全脂肪酸組成に対する中鎖脂肪酸の割合の下限を5重量%以上にすることが好ましく、7重量%より多いことがより好ましく、7.5重量%以上にすることが更に好ましく、8重量%以上にすることがより更に好ましく、10重量%以上にすることが特に好ましく、13重量%以上にすることが最も好ましい。また上限は80重量%以下にすることが好ましく、74.9重量%以下にすることがより好ましく、50重量%以下にすることが更に好ましく、40重量%以下にすることがよりより更に好ましい。
また本発明に用いることができる油脂の種類としては全脂肪酸組成に対する飽和脂肪酸の割合が8.7重量%より多く100重量%未満であれば、特に限定はなく、食品分野において一般に使用可能な各種の油脂を使用することができる。ここでの飽和脂肪酸とは油脂を加水分解して得られる脂肪族モノカルボン酸の一種であり、炭素鎖に不飽和結合を有しない脂肪酸のことである。また本発明に用いる油脂は少なくとも一つのアシル基が不飽和結合を有しないトリグリセリドを含む油脂であればよい。ただし、調合時の発泡をより一層抑制し、更に加熱殺菌後に凝集物を生じさせないか、その発生を極めて低減する観点から、使用する油脂は全脂肪酸組成に対する飽和脂肪酸の割合の下限を18.7重量%以上配合することが好ましく、32.9重量%以上配合することがより好ましい。また上限は80.7重量%以下配合することがより好ましい。
本発明では、水中油滴型乳化食品組成物における油脂の濃度は特に限定されない。ただし調合時の発泡を抑制する観点からは0.5w/v%以上が好ましく、1.0w/v%以上がより好ましく、1.5w/v%以上が更に好ましく、2.0w/v%以上がより更に好ましく、2.5w/v%以上が特に好ましく、3.0w/v%以上が最も好ましい。また上限は40w/v%以下が好ましく、30w/v%以下がより好ましく、20w/v%以下が更に好ましく、10w/v%以下が特に好ましい。
本発明に用いることができる乳化剤の種類は、親水性の高いものであれば特に種類は限定されない。新水性の高い乳化剤を使用し、前記のような製法で組成物を調合することで、調合時の発泡を抑制することが可能になる。使用できる乳化剤としては、例えば、レシチン、リゾレシチン、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレシン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。また、これらを単独で使用することもできるが、これらを2種以上組み合わせて使用することもできる。ただし、調合時の発泡をより抑制する観点からは、HLB値が8.0以上の乳化剤を用いることが好ましく、HLB値が9.0以上の乳化剤を用いることがより好ましく、HLB値が9.5より大きい乳化剤を用いることが更に好ましく、HLB値が10.0以上の乳化剤を用いることがより更に好ましく、HLB値が11.0以上の乳化剤を用いることが特に好ましい。
尚、本発明において「親水性の高い」とは、HLB値6.0以上を意味する。
また、親水性の高い乳化剤の中でも加熱殺菌後の乳化を安定させる観点から、リゾレシチン、有機酸モノグリセリド、及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましく、リゾレシチン、及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも一種を用いることがより好ましく、リゾレシチンを用いることが更に好ましい。また、リゾレシチンの中でも大豆由来のリゾレシチンを用いることが好ましい。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いる場合にはモノステアリン酸デカグリセリンがより好ましい。
また、本発明では、親水性の高い乳化剤と、それ以外の乳化剤(例えば、親油性の高い乳化剤)を組み合わせて使用することもできる。この場合、全乳化剤中の親水性の高い乳化剤の割合が50重量%以上配合することが好ましく、60重量%以上配合することがより好ましく、70重量%以上配合することが更に好ましく、80重量%以上配合することがより更に好ましく、90重量%以上配合することが特に好ましい。
また、水中油滴型乳化食品組成物における全乳化剤の濃度は、本発明の効果を阻害しない範囲で、適宜決定すれば良い。ただし、加熱殺菌後の乳化を安定化させる観点からは、油脂に対して5.0重量%以上が好ましく、7.0重量%以上がより好ましく、8.0重量%以上が更に好ましく、10.0重量%以上が特に好ましい。
また、水中油滴型乳化食品組成物の構成成分として使用する水は、蒸留水、イオン交換水などの精製水などを用いるのが好ましい。
本発明に用いることができる食物繊維の種類は特に限定されない。配合する食物繊維としては、例えばセルロース、小麦ふすま、大豆多糖類、コーンファイバー、ビートファイバー、アップルファイバー、難消化デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム、グアーガム分解物、ジェランガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、キサンタンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アルギン酸塩、アラビアガム、コラーゲン、ゼラチン、カードラン、ポリガンマグルタミン酸などの水溶性及び/又は水不溶性食物繊維を添加することができる。ここで食物繊維とは炭水化物の中でも人の消化酵素によって消化されない難消化性多糖類のことを言う。
この食物繊維の中でも、胃内で組成物を半固形化させる観点からは配合することで組成物全体の粘度を増加させる種類のものを添加することが好ましい。
増粘性のある食物繊維の種類は特に限定されない。増粘性のある食物繊維を含むことで調合時の発泡はより激しくなる場合があるが、本発明の製造方法を用いることで、調合時の発泡を顕著に抑制することができる。そのため、本発明の製造方法は、水中油滴型乳化食品組成物の構成成分として、増粘性のある食物繊維を含有する場合に、特に有効である。
上記のように、本発明において用いる増粘性のある食物繊維の種類としては、特に限定はないが、中性領域などの酸性領域以外では流動性を有し、酸性領域で水中油滴型乳化食品組成物を半固形化させる観点からは、使用する増粘性のある食物繊維は酸性領域で組成物を半固形化させるものが好ましい。このような増粘性のある食物繊維としては、例えば、ジェランガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、キサンタンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アルギン酸塩、アラビアガム、コラーゲン、ゼラチン、カードラン、ポリガンマグルタミン酸などが挙げられる。また、これらを単独で使用しても良いし、複数組合せて使用しても良い。酸性領域で水中油滴型乳化食品組成物を良好に半固形化させる観点からは、酸性領域でゲル化する増粘性のある食物繊維が好ましく、例えば、ジェランガム、カラギーナン、ペクチン、カードラン、アルギン酸、アルギン酸塩などが挙げられる。この中でも、中性領域では流動性を保持し、酸性領域で乳化食品組成物を良好に半固形化させる観点からは、ジェランガム、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸塩およびペクチンから選択される少なくとも1種がより好ましく、アルギン酸、アルギン酸塩およびペクチンから選択される少なくとも1種が更に好ましく、アルギン酸、アルギン酸塩が特に好ましい。
前記ジェランガムは、シュードモナス エロデア(Pseudomonas elodea)の発酵によって産生される、グルコース、グルクロン酸、グルコース、ラムノースの4糖の繰返し単位から構成される直鎖状の多糖類である。ただしジェランガムの中でも、酸性領域で効果的に食品組成物を半固形化させる観点からは、脱アシル型ジェランガムが好ましい。
前記カラギーナンとは、紅藻類から抽出される、ガラクトースを成分とする多糖類の硫酸エステルの塩類のことである。ただしカラギーナンの中でも、酸性領域で効果的に食品組成物を半固形化させる観点からは、カッパカラギーナンが好ましい。
前記ペクチンは、エステル化度が50%以上のハイメトキシルペクチン、又はエステル化度が50%未満のローメトキシルペクチン、あるいは両者の混合物のことである。ペクチンとしては、例えば、レモン、ライム、オレンジ、グレープフルーツ等の柑橘ペクチンやリンゴペクチン等が挙げられる。ペクチンの種類は特に限定されない。ただし酸性領域で効果的に食品組成物を半固形化させる観点からは、ローメトキシルペクチンであることが好ましい。
前記アルギン酸、アルギン酸塩は、海草から抽出して得られる親水コロイド性多糖類をいう。アルギン酸、アルギン酸塩の中でも、中性領域での流動性を低粘度に抑え、調合時の発泡を抑制する観点からは、アルギン酸、またはアルギン酸塩の1重量%水溶液(20℃)での粘度が、900cP以下のものが好ましく、600cP以下のものがより好ましく、400cP以下のものが更に好ましく、200cP以下のものがより更に好ましく、100cP以下のものが特に好ましい。
前記寒天は、特に限定されるものではなく、一般に紅藻類から抽出して得られる、アガロースとアガロペクチンを含有する多糖類のことである。寒天の種類としては特に限定されるものではなく、物性の特徴として高ゼリー強度、低ゼリー強度、易溶性、高粘度、及び低粘度品等があり、何れを使用してもかまわない。
前記キサンタンガムは、キサンゾモナス コンペストリス(Xanthomonas compestris)がグルコースなどを発酵して蓄積する多糖類である。
前記ローカストビーンガムは、マメ科植物であるローカストツリーの種子から得られる天然性の水溶性ガムである。
前記アラビアガムは、マメ科アカシア樹脂を乾燥して得られる多糖類である。
前記コラーゲンは、哺乳類の真皮組織などを構成する繊維状蛋白で、加水分解されたものも含む。
前記ゼラチンは、コラーゲンを分解・精製して製造されるものである。
前記ポリガンマグルタミン酸は、微生物Bacillus属の食用微生物(Bacillus subtilis chungkookjang)などが産生する、食べても無害な陰イオン性の高分子である。
前記カードランはβ―1,3−グルコース結合を主体とする多糖類であり、たとえばAlcaligenes属またはAgrobacterium属の菌が生産する多糖類が挙げられる。
本発明では、水中油滴型乳化食品組成物における増粘性のある食物繊維の濃度は、増粘性のある食物繊維の種類によって、適正量が変わるが、概ね、水中油滴型乳化食品組成物中の固形分換算で0.05w/v%以上5w/v%以下が好ましい。0.05w/v%より少ないと、酸性領域での半固形化が不充分で、胃食道逆流防止効果があまり得られない場合がある。一方、5w/v%より多いと、調合時に激しく発泡する場合がある。尚、増粘性のある食物繊維の濃度については、以下特に断らない限り固形分換算であることとする。
増粘性のある食物繊維としてアルギン酸及び/又はアルギン酸塩を用いる場合、その濃度(2種の場合はそれらの合計)の下限は0.05w/v%以上が好ましく、0.1w/v%以上がより好ましく、0.2w/v%以上が更に好ましく、0.5w/v%以上がより更に好ましく、1.0w/v%以上が特に好ましい。また、その上限は10w/v%以下が好ましく、5.0w/v%以下がより好ましく、3.0w/v%以下更に好ましく、2.0w/v%以下が特に好ましい。
本発明では、上記の蛋白質、油脂、増粘性のある食物繊維及び乳化剤以外に、その他の栄養成分(例えば、ビタミン類、ミネラル類(水溶性、水不溶性)、微量元素、糖質等)や機能性成分(例えば、コエンザイムQ10など)、果汁、香料、消泡剤等が含まれていてもよい。
本発明では、水中油滴型乳化食品組成物の構成成分として、水溶性のミネラル類を用いても用いなくてもよい。水溶性ミネラル類としては特に限定はなく、アルカリ金属の塩類、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。また水溶液ミネラルを添加する場合、添加する順序は特に限定されない。油を添加する前、または後の調合時のいずれの段階で添加してもよい。
また水不溶性のミネラル類としては、その種類は特に限定されない。ただし、中性領域での流動性を確保し、調合時の発泡を抑制する観点からは、価数が2以上の金属イオンを含む塩類については中性領域では水不溶性の化合物を使用するか、あるいは、価数が2以上の金属イオンを含む塩類が中性領域では水に不溶で酸性領域では水に溶解する組成物にてコーティングされた形態のものなどを使用することが好ましい。更に価数が2以上の金属イオンの中でも、カルシウムイオンとマグネシウムイオンを含む塩類については中性領域では水不溶性の化合物を用いるのがより好ましく、例えば、クエン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三マグネシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム等が挙げられる。また、価数が2以上の金属イオンを含む塩類をコーティングする組成物としてはゼラチン、寒天、またはカードラン等が挙げられるが特にこれらに限定されない。
また、水中油滴型乳化食品組成物におけるミネラル類(水溶性、水不溶性を含む)の濃度は、本発明の効果を阻害しない範囲で、栄養バランスなどを考慮して適宜決定すれば良い。
非増粘性の食物繊維としては、成分として添加しても添加しなくても良いし、添加する場合においてもその種類は特に限定されない。例えば、セルロース、小麦ふすま、大豆食物繊維、コーンファイバー等の水不溶性の食物繊維や難消化デキストリン、ポリデキストロース、またはグアーガム分解物などの水溶性の食物繊維を添加することもできる。
また、水中油滴型乳化食品組成物における非増粘性の食物繊維の濃度は、本発明の効果を阻害しない範囲で、栄養バランスなどを考慮して適宜決定すれば良い。ただし非増粘性の食物繊維でも多量に添加すると調合に激しく発泡することが懸念される。そのため調合時の発泡を抑制する観点からは、非増粘性の食物繊維の濃度が5.0w/v%以下が好ましく、4.0w/v%以下がより好ましく、3.0w/v%以下がより更に好ましく、2.0w/v%以下がより更に好ましく、1.0w/v%以下がより特に好ましい。
本発明に用いることができる糖質の種類は特に限定されない。また糖質を添加しても添加しなくてもよい。ただし酸性領域でより組成物を半固形化させる点では糖質を添加する方が好ましい。ここでの糖質は食物繊維に含まれない炭水化物のことを指す。
本発明に用いる糖質としては、例えば、グルコースなどの単糖類、ショ糖などの二糖類、フラクトオリゴ糖などのオリゴ糖、デキストリンなどの多糖類などが挙げられるが、特にこれらには限定されない。またこれらを単独で使用することもできるが、複数を組み合わせて使用することもできる。また、水中油滴型乳化食品組成物における糖質の濃度については、本発明の機能を妨げない範囲であれば、栄養バランスなどを考慮して適宜決定すれば良い。
本発明の乳化食品組成物における調合時の粘度は特に限定されないが、調合時の粘度が大きいほど、調合時の発泡が激しくなる傾向にある。しかし、本発明に係る製造方法では、発泡を効果的に抑制することができるため、調合時の粘度が比較的高くてもよいが、調合時の発泡をより抑制する観点からは、調合時の粘度が1000cP未満のものが好ましく、粘度が500cP未満のものがより好ましく、粘度が300cP未満のものが更に好ましく、粘度が250cP未満のものが特に好ましい。
また、粘度が低くなれば、調合時の発泡は低下する傾向にあるため、調合時の粘度の下限はないが、調合時の粘度が、概ね25cP以上になると、本発明の方法によらなければ、調合時の発泡が多くなる傾向がある。従って、本発明による発泡抑制効果を顕著に得られるのは、概ね調合時の粘度が25cP以上の場合である。但し、成分などによっては、発泡の程度が異なる場合があり、必ずしも因果関係は明らかではないが、50cP以上、75cP以上、100cP以上の場合に、本発明による発泡抑制効果をより顕著に得られる場合もある。
尚、cP(センチポアズ)とは粘度を表す単位であり、1cP=1mPa・sである。
本発明の製造方法により得られた水中油滴型乳化食品組成物においては、加熱殺菌後、酸性領域以外(例えば、中性領域)で流動性を有していれば、特に流動性の程度は限定されない。ただし、経管経腸栄養剤として使用する場合においては、加熱殺菌後の水中油滴型乳化食品組成物の粘度の上限が、1000cP未満のものがより好ましく、粘度500cP以下のものが更に好ましく、粘度300cP以下のものがより更に好ましく、粘度250cP以下のものが特に好ましい。また粘度の下限が25cP以上が好ましく、50cP以上がより好ましく、70cP以上が更に好ましく、80cP以上が特に好ましい。
本発明の製造方法により得られた水中油滴型乳化食品組成物おいては、例えば、増粘性の食物繊維を用いた場合に酸性領域で半固形化する場合があるが、半固形化した際の粘度については特に限定されず、満腹感を促進し、また胃食道逆流を防止するような粘度であればよい。ただし、効果的に胃食道逆流や下痢を抑制する観点からは、半固形化した際の粘度が1000cP以上であることが好ましく、2000cP以上であることがより好ましく、5000cP以上であることが更に好ましく、8000cp以上がより更に好ましく、10000cP以上が特に好ましい。
ここで、胃内部で半固形化するか否かは、人工胃液と水中油滴型乳化食品組成物を混合した時の混合物の性状を目視により判断して行うことを基本とする。上記のように、本発明において「半固形化」とは、流動性を低下させる、もしくは流動性を失わせることであり、具体的には、例えばヨーグルトのような粘性のある流体や、プリンや茶碗蒸しのように一定の形状を保持する状態のことである。従って、人工胃液と水中油滴型乳化食品組成物との混合物が、例えばヨーグルトのような粘性のある流体や、プリンや茶碗蒸しのように一定の形状を保持する状態にあるか否かを目視により判断する。
本発明の製造方法により得られた水中油滴型乳化食品組成物のpHは特に限定されない。水中油滴型乳化食品組成物に使用する成分の種類にもよるが、中性領域において粘度を低く保ち、調合時の発泡を抑制する観点からは、製造直後のpHが5.5より大きいことが好ましく、pH5.7以上がより好ましく、pH6.0以上が更に好ましく、pH6.5以上が特に好ましい。なお、本発明でいう中性領域とは下限が好ましくはpH5.5をより大きいこと、より好ましくはpH5.7以上、更に好ましくはpH6.0以上、特に好ましくはpH6.5以上のことを言う。また上限は好ましくはpH10.0以下、より好ましくはpH9.0以下、更に好ましくはpH8.5以下、特に好ましくはpH8.0以下のことを言う。尚、本発明において「製造直後」とは、前記のように水中油滴型乳化食品組成物が加熱殺菌された直後を意味することに加えて、後述する各種の用途に供される時までを包含する概念である。
本発明の製造方法により得られた水中油滴型乳化食品組成物のエネルギー密度は特に限定されない。ただし、調合時の発泡を抑制する観点からは、上限は3.0kcal/ml以下であることが好ましく、2.5kcal/ml以下であることがより好ましく、2.0kcal/ml以下であることが更に好ましく、1.5kcal/ml以下であることが特に好ましい。また下限は0.1kcal/ml以上であることが好ましく、0.3kcal/ml以上であることがより好ましく、0.5kcal/ml以上であることが更に好ましい。
本発明の製造方法により得られた水中油滴型乳化食品組成物は、加熱殺菌後に乳化が安定で凝集物や相分離がないか、その発生が極めて低減された高品質な水中油滴型乳化食品組成物である。
尚、「凝集物」とは、水中油滴型乳化食品組成物の製造中や保存中に形成され、経管投与時にチューブ内での詰まりの原因になり得るものや、水中油滴型乳化食品組成物の経口摂取時にザラつき感等の原因になり得るものを言う。当該凝集物は、水中油滴型乳化食品組成物中の粒子、粒子の凝集体、水溶性食物繊維、金属化合物、蛋白質、乳化剤、油脂、その他栄養成分(糖質、食物繊維等)等が単独及び/又は複合的に関与して構成されるものと推察される。
また、チューブの詰まりやザラつき感等の原因になりうる凝集物の形成量は、例えば、ナイロン製網、ろ紙等により水中油滴型乳化食品組成物をろ過した際のろ過物重量により評価することができる。具体的な測定方法としては、後述する実施例の欄に記載の方法が挙げられる。
本発明の水中油滴型乳化食品組成物においては、中性領域での水中油滴型乳化食品組成物に含まれる粒子の粒径(メジアン径)は、特に限定はないが、凝集物の発生をより効果的に抑制する観点からは、前記粒子の粒径(メジアン径)は、5.0μm以下が好ましく、4.5μm以下であることがより好ましく、4.0μm以下であることが更に好ましく、3.5μm以下であることが特に好ましい。
ここで、本発明において「粒子」とは、水中油滴型乳化食品組成物中における連続相である液体中に分散及び/又は懸濁されている物質を意味する。当該「粒子」は、液体中に分散及び/又は懸濁されている物質であればその構成要素は問わないが、組成物中に含まれ得る蛋白質、油脂、糖質、増粘性のある食物繊維、乳化剤等が単独及び/又は複合的に関与して構成されるものと推察される。また、粒子の粒径(メジアン径)は、例えば、レーザー回折/散乱法を利用した粒度分布測定装置などを用いて、測定した粒度分布をもとに算出することができる。
以下に、粒子の粒径(メジアン径)の測定方法につき、粒度分布測定装置として、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所社製、LA−950)を用いた場合の例を説明する。
当該レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置による測定条件は、分散媒:蒸留水、試料屈折率:1.600−0.000i、分散媒屈折率:1.333、循環速度:13、攪拌速度:2、を用い、測定する際には光線透過率(R)90〜80%、透過率(B)90〜70%になるように試料濃度を調整する。
そして、上記の条件にて粒度分布を測定する場合、粒子の粒度分布は、レーザー回折/散乱法により測定した際に、横軸を粒子径(μm)、縦軸を体積基準の頻度(%)とする分布曲線により表される。そして、このように測定された粒度分布から、メジアン径(D50)と平均径(頻度分布を算術平均した値)が算出され、それらの値が本発明における粒子の粒径である。また粒径を測定する際、超音波処理した場合、処理しない場合の両方の方法で測定することも可能である。
以下に、本発明の製造方法により得られた水中油滴型乳化食品組成物の利用形態について説明する。
この水中油滴型乳化食品組成物は、経口、経管などの従来の方法により摂取できる。例えば、直接、口から当該液状食品組成物を摂取することもできるし、容器をスタンドに吊るし、チューブを介して滴下して摂取することもできる。また、ポンプや加圧バックを使用したり、容器を手で押すなどして強制的な摂取もできるが、摂取方法はこれらに限定されるものではない。
また、この水中油滴型乳化食品組成物は、中性領域では流動性を有し、凝集物も少なく、なめらかな液体であることから、のど越しが良い。一般的な固形食では、摂取した際にボソボソ感があるため、嚥下しにくい、食感が必ずしも良好ではない、摂取する際に水分を欲する感覚に襲われやすい、といった点が指摘されていたが、本発明の乳化食品組成物によれば、手軽に経口摂取することができる。また、のど越しがよいことから嚥下・咀嚼困難者用の流動食、介護食、医療食として用いることも可能である
この水中油滴型乳化食品組成物のうち、酸性領域(即ち胃内)で半固形化するものは、従来のゼリー状の携帯食やダイエット食品では得にくい満腹感を得ることができ、さらには、通常の食品よりも満腹感を促進する効果が期待される。そのため、ダイエット食品等に使用することができる。
また、中性領域では流動性を有し、酸性領域で半固形化することから、投与が簡便である上に胃食道逆流の抑制効果が期待できるため、経口はもちろんのこと、経鼻胃管チューブや胃瘻カテーテルを通じても投与される流動食、介護食、医療食としても使用することができる。特に、簡便に摂取することができ、胃食道逆流を効果的に抑制することから、流動食、特にその中でも経腸栄養食品または経腸栄養剤として好適である。例えば、流動食として用いれば、中性領域、即ち胃に入るまでは流動性を有し、且つ凝集物を含まないか、その発生が顕著に抑制されていることから、流動食を寒天やトロミ剤などで半固形化して投与する場合のように押し出す力も不要であり、看護師や介護者などの手間や時間がかからない。また、凝集物を含まないか、その発生が顕著に抑制されていることから、チューブ内に詰まることなく容易に胃まで通過させることができ、経鼻チューブや胃瘻カテーテルなどを介した経管投与が容易である。また、チューブ内が汚れにくいことから、投与後のチューブの管理等も簡便である。また、酸性領域、即ち胃内部でより効果的に半固形化し胃食道逆流を防止することから、流動食とは別に嘔吐予防食品を投与する場合と同様の胃食道逆流防止効果を発揮しつつ、手間や時間、さらにはコストをかけず、被投与者の長時間の座位保持による褥瘡の悪化も軽減することができる。更に、胃内で半固形化しない通常の液体流動食と比較して、投与後の食品組成物の胃から排出される速度がゆるやかになるため下痢も防止することができる。
次に、本発明における水中油滴型乳化食品組成物用添加剤について説明する。
本発明における水中油滴型乳化食品組成物用添加剤は、全脂肪酸組成中の中鎖脂肪酸の割合が0.1重量%よりも多く100重量%未満である油脂と、親水性が高い乳化剤とを含む水中油滴型乳化食品組成物用添加剤あり、水中油滴型乳化食品組成物用添加剤に対して中鎖脂肪酸を6重量%以上70重量%以下含有し、且つ、(水中油滴型乳化食品組成物用添加剤に対する乳化剤の重量%)/(水中油滴型乳化食品組成物用添加剤に対する中鎖脂肪酸の重量%)が0.13以上1.5以下であることが好ましい。本発明における水中油滴型乳化食品組成物添加剤とは組成物の一部として添加するものであり、組成物とは異なるものである。
本発明の水中油滴型乳化食品組成物用添加剤によれば、シリコーン系、その他の消泡剤や抑泡剤等を使用しない、または少量の使用量でも、水中油滴型乳化食品組成物の製造工程の際に、水中油滴型乳化食品組成物用添加剤を使用することによって、水中油滴型乳化食品組成物の調合時の発泡を抑制し、且つ加熱後の水中油滴型乳化食品組成物中に凝集物や相分離の発生を抑制することができる。
水中油滴型乳化食品組成物用添加剤中における中鎖脂肪酸の含有量(重量%)は、6重量%以上70重量%以下が好ましく、6.8重量%以上68.1重量%以下がより好ましく、13.5重量%以上68.1重量%以下であるが更に好ましい。6重量%より少ないと調合時の発泡を抑制できず歩留まりが悪くなる傾向にある。また、70重量%より大きいと加熱殺菌後に凝集が発生する傾向にある。
なお、前記中鎖脂肪酸の含有量(重量%)は、下記の中鎖脂肪酸の定量により水中油滴型乳化食品組成物用添加剤に含有される中鎖脂肪酸の重量が求められ、次いで水中油滴型乳化食品組成物用添加剤の総重量に対する中鎖脂肪酸の重量の割合を計算することにより算出することができる。
本発明では、(水中油滴型乳化食品組成物用添加剤に対する乳化剤の重量%)/(水中油滴型乳化食品組成物用添加剤に対する中鎖脂肪酸の重量%)が0.13以上1.5以下であることが好ましく、0.13以上1.33以下であることがより好ましく、0.19以上1.33以下であることが更に好ましい。0.13より小さいと加熱殺菌後に凝集が発生する傾向にある。また、1.5より大きいと調合時の発泡を抑制できず歩留まりが悪くなる傾向にある。
本発明における水中油滴型乳化食品組成物用添加剤中の油脂の全脂肪酸組成に対する飽和脂肪酸の割合は8.7重量%より多く100重量%未満であれば、特に限定はない。ただし、調合時の発泡をより一層抑制し、更に加熱殺菌後に凝集物を生じさせないか、その発生を極めて低減する観点から、添加剤に使用する油脂は全脂肪酸組成に対する飽和脂肪酸の割合の下限を18.7重量%以上配合することが好ましく、32.9重量%以上配合することがより好ましい。また上限は80.7重量%以下配合することがより好ましい。
本発明における水中油滴型乳化食品組成物用添加剤は、上述の油脂や親水性の高い乳化剤以外にその他の成分(例えば、ミネラル類(水溶性、水不溶性を問わない)、ビタミン類等)やカロテノイド、コエンザイムQ10、ルテインなど、果汁、香料、等が含まれてもよく、個々の課題に応じて設計してもよい。ただし、より発泡を抑制する観点からは水中油滴型乳化食品組成物用添加剤が上述の油脂と親水性の高い乳化剤のみで構成されていることが好ましい。
尚、本発明における水中油滴型乳化食品組成物添加剤は水と混合する前に、その他の栄養成分(例えば、ミネラル類(水溶性、水不溶性を問わない)、ビタミン類等)やカロテノイド、コエンザイムQ10、ルテイン、果汁、香料、などを混合してもよい。
また、本発明における水中油滴型乳化食品組成物用添加剤を用い、水中油滴型乳化食品組成物を製造することができる。
水中油滴型乳化食品組成物用添加剤が所定の油脂と所定の乳化剤とからなる場合を一例として簡単に説明する。先ず、所定の油脂と所定の乳化剤とを混合して水中油滴型乳化食品組成物用添加剤を調整する。その後、当該添加剤を、水又は水溶性ミネラル類の水溶液に添加して混合する。その後、蛋白質または蛋白質とその他の成分を添加し、加熱殺菌することで、水中油滴型乳化食品組成物を製造することができる。尚、詳細は、本発明の製造方法において既に説明したのと同様の構成を採用することができることは勿論のことである。
尚、水中油滴型乳化食品組成物用添加剤を用いて水中油滴型乳化食品組成物を製造する方法は、これに限定されるものではない。
本発明では水中油滴型乳化食品組成物用添加剤を含んだ水中油滴型乳化食品組成物を提供することができ、前記水中油滴型乳化食品組成物は上述した通りである。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
<水中油滴型乳化食品組成物中の凝集物の確認>
目視により水中油滴型乳化食品組成物の性状を確認すると共に下記記載の方法にて凝集物量を算出した。
ナイロン製網(HC−58(NYTAL社製)メッシュ:264インチ)の風袋重量を([ナイロン製網風袋重量2]とする)を測定した。直径11cmのブフナー漏斗(孔径:2mm)用い、ナイロン製網の上で300mlの水中油滴型乳化食品組成物を吸引ろ過し、凝集物を回収した。ろ過後、回収した凝集物をナイロン製網ごと60℃20分間乾燥した。乾燥後、室温に冷却し、ナイロン製網を含む乾燥した凝集物重量([凝集物重量]とする)を計量した。凝集物量を次のような計算式にて算出した。
[凝集物量(g)]=[凝集物重量]−[ナイロン製網風袋重量2]
尚、評価基準は以下のとおりである。
・「有」:目視;凝集物有、10mg以上
・「無」:目視;凝集物無、10mg以下
<調合時の泡の割合>
水中油滴型乳化食品組成物を構成する全成分を調合し、調合後10分間静置させた後、乳化処理前にメスシリンダーに組成物を移し変え、5分間静置後に泡と液面の界面と泡と空気の界面を読み取り、次のような計算式にて算出した。
[泡の割合(%)]=([泡と空気の界面(ml)]−[泡と液面の界面(ml)])/1100ml×100
尚、評価基準は以下のとおりである。
「○」:12%未満、「×」:12%以上
<粘度の測定方法> 水中油滴型乳化食品組成物を用いて、以下のようにして粘度を測定した。
粘度は、B型粘度計(トキメック社製)により測定した。水中油滴型乳化食品組成物200ml(25℃)を内径60mmのガラス製容器に投入し、No.2のロータを使用し、回転数60回転/分の速度で、保持時間1分後に測定値を読み取った。
<半固形化度の測定方法>
スクリューキャップ式のチューブ(50ml容量)に、日本薬局方の崩壊試験法に基づいて作製された37℃の人工胃液(pH1.2、塩化ナトリウム2.0g/L、塩酸7.0ml/L)20gを分注し、分注した人工胃液の重量([人工胃液量]とする)を計量した。
次に、チューブに水中油滴型乳化食品組成物を10g加え、スクリューキャップ式チューブ、添加した人工胃液、及び添加した水中油滴型乳化食品組成物の総重量([吸引ろ過前総重量]とする)を計量した。計量後、「HL−2000 HybriLinker(UVP Laboratory Products社製)」のチャンバー内の固定具にチューブを固定し、温度;37℃、速度;“MIN”の条件で穏やかに10分間攪拌した。攪拌後、風袋重量〔ナイロン網風袋重量〕を計量したナイロン製網(40メッシュ;(株)相互理化学硝子製作所製)にて吸引ろ過した。その後、残渣物とともにナイロン製網ごとペーパータオル等の上に2分間置いて、余分な水分を除去し、当該ナイロン製網の重量(〔ろ過後半固形化物重量〕とする)を計量した。さらに、内溶液を払出した後のプラスチック製チューブのみの重量(〔ろ過後チューブ重量〕とする)を計量し、半固形化度を次のような計算式(式(1))にて算出した。
評価基準は、半固形化度が40%以上の場合を良好とする。
Figure 0006222274
<中鎖脂肪酸、飽和脂肪酸の定量方法>
(前処理)
約20mlの栓付き試験管にサンプルを1滴採取し、更にイソオクタン0.5mlを添加し、サンプルを溶解する。次にナトリウムメチラートを0.5ml添加し、密栓して恒温水槽中に85℃で15分保持する。冷却後、塩化ナトリウム飽和水溶液2ml及びイソオクタン2mlを加えて激しく振とうして、イソオクタン層をガスマトグラフで分析する。分析条件は以下のとおりである。
(ガスクロマトグラフの分析条件)
・ガスクロマトグラフ本体:Agilent 6890N(アジレント・テクノロジー株式会社製)
・カラム:HR−SS−10 0.25μm×0.25mmID×50m(信和化工株式会社製)
・注入口:スプリット/スプリット注入口、スプリットモード測定、265℃
・検出器:FID 265℃
・カラム温度:180℃ isothermal×60分
・キャリアガス:He 1cm/min
(製造例1)油脂と乳化剤の添加方法
<水中油滴型乳化食品組成物の作製>
表1に示す成分組成の水中油滴型乳化食品組成物を調製した。
メカニカルスターラーを用いて500〜600rpmの速度で攪拌しながらリゾレシチンを配合油に懸濁させた懸濁液(添加剤でもある)を作製した。2Lの容器に60℃に加温した蒸留水を計り取り、この懸濁液(添加剤)を添加した。その後、表2に記載の順序で成分を添加、混合し、全ての成分を調合した。調合後10分間静置させた後、2Lのメスシリンダーに移し変え、更に5分間静置させ、泡の割合を測定した。測定後、マントン・ゴーリン型高圧乳化機(Rannie2000:APV社製)にて乳化(1回目:20MPa、2回目:50MPa)した。調製後、300mlずつソフトバッグに充填し、レトルト殺菌(殺菌温度;123℃、殺菌時間;8分30秒)した。
尚、上記の懸濁液(添加剤)に関して、懸濁液(添加剤)に対する乳化剤の重量%と懸濁液(添加剤)に対する中鎖脂肪酸の重量%の比は、表1中の配合油及びリゾレシチンの配合量、並びに、中鎖脂肪酸の割合を用いて算出することができる。(添加剤に対する乳化剤の重量%)=0.34/(0.34+3.4)×100=9.09重量%であり、(添加剤に対する中鎖脂肪酸の重量%)=3.4×0.149/(0.34+3.4)×100=13.5重量%である。従って、懸濁液、即ち、水中油滴型乳化食品組成物用添加剤に関して、(水中油滴型乳化食品組成物用添加剤に対する乳化剤の重量%)/(水中油滴型乳化食品組成物用添加剤に対する中鎖脂肪酸の重量%)≒0.67である。
Figure 0006222274
Figure 0006222274
(比較例1)
表1に示す成分組成の水中油滴型乳化食品組成物(比較例1−1、1−2)を調製した。
2Lの容器に60℃に加温した蒸留水を計り取り、メカニカルスターラーを用いて500〜600rpmの速度で攪拌しながら表3に記載の順序で成分を添加し混合し、全ての成分を調合した。調合後10分間静置させた後、2Lのメスシリンダーに移し変え、更に5分間静置させ、泡の割合を測定した。測定後、マントン・ゴーリン型高圧乳化機(Rannie2000:APV社製)にて乳化(1回目:20MPa、2回目:50MPa)した。調製後、300mlずつソフトバッグに充填し、レトルト殺菌(殺菌温度;123℃、殺菌時間;8分30秒)した。
Figure 0006222274
<製造例1、比較例1の評価結果>
上記のようにして調製した製造例1および比較例1の水中油滴型乳化食品組成物を、上記の方法にて、凝集物の有無の確認、及び泡の割合を測定した。その評価結果を表4(製造例1)、表5(比較例1−1、1−2)に示す。表4、5に示したとおり、リゾレシチンを配合油に懸濁させた後、水と混合させる方法で調合した場合(製造例1)、リゾレシチンと配合油を別々に混合させる方法(リゾレシチンと配合油を別々に水と混合させる方法)で調合した場合(比較例1−1、1−2)と比較して、調合時の発泡がより抑制され、泡の割合は10%未満まで低減された。製造例1は比較例1と比較して泡の低減割合は約5%であるが、実製造では数トンスケールで製造するため、かなりの経済効果があると考えられる。
また発泡を抑制することで製造例1の方法で調製した水中油滴型乳化食品組成物は加熱殺菌後の相分離もなく、凝集物の量を10mg以下までに抑制された。
また製造例1の組成物の粘度は109cPであり、半固形化度は49.6%であった。この結果から製造例1で作成された水中油滴型乳化食品組成物は中性領域では流動性を有し、人工胃液中にて半固形化することが認められた。
Figure 0006222274
Figure 0006222274
(製造例2、比較例2)中鎖脂肪酸、飽和脂肪酸の配合割合
<水中油滴型乳化食品組成物の作製>
表6(乳化食品組成物の成分組成)、表7(油脂の種類および中鎖脂肪酸、飽和脂肪酸の割合)に示す成分組成の水中油滴型乳化食品組成物(製造例2−1〜2−4、比較例2−1〜2−3)を調製した。
2Lの容器に60℃に加温した蒸留水を計り取り、メカニカルスターラーを用いて500〜600rpmの速度で攪拌しながら、表8に記載の順序で成分を添加し混合して調合した(リゾレシチンと油脂は、リゾレシチンを表7に記載の油脂に懸濁した懸濁液(添加剤でもある)としたものを添加した)。調合後10分間静置させた後、2Lのメスシリンダーに移し変え、更に5分間静置させ、泡の割合を測定した。測定後マントン・ゴーリン型高圧乳化機(Rannie2000APV社製)にてして乳化(1回目:20MPa、2回目:50MPa)した。その後、300mlずつソフトバッグに充填し、レトルト殺菌(殺菌温度;123℃、殺菌時間;8分30秒)した。
Figure 0006222274
Figure 0006222274
Figure 0006222274
<製造例2、比較例2の評価結果>
上記のようにして調製した水中油滴型乳化食品組成物(製造例2−1〜2−4、比較例2−1〜2−3)を、上記の方法にて、凝集物の有無の確認、及び泡の割合を測定した。その評価結果を表9と表10に示す。表9と表10に示したとおり、中鎖脂肪酸の割合が7.5重量%以上で、飽和脂肪酸の割合が18.7重量%以上の油脂を使用した場合(製造例2−1〜2−4、比較例2−1)、中鎖脂肪酸の割合が0.1重量%以下で、飽和脂肪酸の割合が8.7重量%以下である油脂を使用した場合(比較例2−2〜2−3)と比較して調合時の発泡を抑制され、10重量%程度以下に低減された。新水性の高い乳化剤を油脂に懸濁してから水に添加する方法に加えて、使用する油脂の中鎖脂肪酸の割合を多く配合することでより調合時の発泡が抑制された。ただ中鎖脂肪酸の割合が100重量%で、飽和脂肪酸の割合が100重量%の油脂を使用した場合、加熱殺菌後に凝集物が認められた。中鎖脂肪酸と飽和脂肪酸の割合が100重量%の油脂を使用すると乳化の安定性が悪くなると考えられる。この結果から使用する油脂の中鎖脂肪酸の割合を0.1重量%より多く、100重量%未満の配合にすることで、調合時の発泡はより抑制され、更に加熱殺菌後の凝集物も10mg以下に低減され、更に加熱殺菌後の粘度も150cP以下抑制できることが示された。
また製造例2の組成物の粘度は約100〜200cP程度であり、半固形化度は全ての組成物において40.0%以上であった。この結果から製造例2で作成された組成物は中性領域では流動性を有し、人工胃液中にて半固形化する組成物であることが認められた。
Figure 0006222274
Figure 0006222274
(製造例3)予備乳化
<水中油滴型乳化食品組成物の作製>
表1に示す成分組成の水中油滴型乳化食品組成物を調製した。
1Lの容器に配合油とリゾレシチンの合計100重量部に対して約600重量部の蒸留水に、リゾレシチンを配合油に懸濁させた懸濁液(添加剤でもある)を作製してから添加し、メカニカルスターラーを用いて攪拌した。攪拌後、マントン・ゴーリン型高圧乳化機(Rannie2000:APV社製)にて20MPaの圧力で予備乳化して、予備乳化液を得た。
2Lの容器に60℃に加温した蒸留水を計り取り、メカニカルスターラーを用いて500〜600rpmの速度で攪拌しながら、上記の予備乳化液を添加して混合させた。その後、表11に記載の順序で成分を添加し混合し、全成分を調合した。調合後10分間静置させた後、2Lのメスシリンダーに移し変え、更に5分間静置させ、泡の割合を測定した。測定後、マントン・ゴーリン型高圧乳化機(Rannie2000:APV社製)にて乳化(1回目:20MPa、2回目:50MPa)した。調製後、300mlずつソフトバッグに充填し、レトルト殺菌(殺菌温度;123℃、殺菌時間;8分30秒)した。
Figure 0006222274
<製造例3の評価結果>
上記のようにして調製した水中油滴型乳化食品組成物を、上記の方法にて、凝集物の有無の確認、及び泡の割合を測定した。その評価結果を表12に示す。表12に示したとおり、リゾレシチンを配合油に懸濁させて懸濁液(添加剤でもある)を得た後、適量の水を混合させて更に予備乳化した場合(製造例3)、予備乳化しなかった場合(製造例1)と比較して、調合時の発泡がより抑制され、発泡の割合は全体量に対して10%未満にまで低減された。
また発泡を抑制することで製造例3の方法で調製した組成物は加熱殺菌後の相分離もなく、凝集物の量を10mg以下までに抑制された。
また製造例3の組成物の粘度は98cPであり、半固形化度は55.9%であった。この結果から製造例3で作成された組成物は中性領域では流動性を有し、人工胃液中にて半固形化する組成物であることが認められた。
Figure 0006222274

Claims (5)

  1. 油脂と乳化剤とを含む水中油滴型乳化食品組成物用添加剤であって、
    前記乳化剤のHLB値が11.0以上であり、
    前記油脂は、全脂肪酸組成中の中鎖脂肪酸の割合が0.1重量%より多く100重量%未満であり、
    前記中鎖脂肪酸が、水中油滴型乳化食品組成物用添加剤に対して6重量%以上70重量%以下含まれ、且つ、(水中油滴型乳化食品組成物用添加剤に対する乳化剤の重量%)/(水中油滴型乳化食品組成物用添加剤に対する中鎖脂肪酸の重量%)が0.13以上1.5以下である水中油滴型乳化食品組成物用添加剤。
  2. 前記水中油滴型乳化食品組成物用添加剤中における前記中鎖脂肪酸の含有量が6.8〜68.1重量%である請求項1に記載の水中油滴型乳化食品組成物用添加剤。
  3. 前記水中油滴型乳化食品組成物用添加剤中に含まれる油脂の全脂肪酸組成に対する飽和脂肪酸の割合が18.7重量%以上80.7重量%以下である請求項1または2に記載の水中油滴型乳化食品組成物用添加剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の水中油滴型乳化食品組成物用添加剤および増粘性のある食物繊維を含有する水中油滴型乳化食品組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の水中油滴型乳化食品組成物用添加剤を添加する工程を含む、水中油滴型乳化食品組成物の製造方法。
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