JP2006271326A - 水性食品 - Google Patents
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Abstract
提供する。
【解決手段】アミノ酸スコアが80以上の水性食品であって、10質量%水溶液における20℃での粘度が8〜32mPa・sであるカゼイン類(A成分)を2〜15質量%、大豆食物繊維又は/及び高メトキシルペクチン(B成分)を0.2〜3質量%含む、pH3〜5の水性食品。前述の水性食品をゲル化したゼリー。
【選択図】なし
Description
このような背景に基づき、NST活動に適切な栄養を容易に摂取できる食品が求められるようになってきた。特に、蛋白質成分は栄養成分として重要であるにも関わらず、食の細くなりがちな高齢者は、通常の食品から摂取しづらいので、蛋白質成分を高含有する食品のニーズが高くなってきている。さらに、栄養補給を目的とする食品において、蛋白質成分は栄養学的に良好なアミノ酸組成であることが好ましい。例えば、良好なアミノ酸組成について、1985年にFAO/WHO/UNUは合同でその基準を示している。これは、食品中の蛋白質成分あたりの必須アミノ酸量を基準のアミノ酸パターンと比較し、最も不足するアミノ酸に関して、その割合を百分率で示すアミノ酸スコアとして評価される。不足するアミノ酸がない場合は100とする。必須アミノ酸をバランスよく摂取できる良質な蛋白質成分としては、80以上が好ましく、100がより好ましいとされる。
摂食しやすい食品は、蛋白質含量が低いことが多い。例えば、乳酸菌飲料の蛋白質成分含有量は0.5〜2質量%であり、一般的なヨーグルトではその蛋白質成分含有量はせいぜい4質量%であり、高齢者用の蛋白質を多く含む食品、即ち、高蛋白質食品のニーズを満たすものではない。
さらに、これらの水性飲食品組成物は、濃厚感を感じやすい風味となっており、食味の点で問題があった。果汁飲料、果汁ゼリー、ヨーグルトなど風味が爽やかな食品は、pH5以下であるものが多い。しかし、先行技術の蛋白質成分を配合した高蛋白質食品に酸成分を加えると、蛋白質成分において凝集が発生し、食感においてざらつきがあり、保存時において相分離するなど食品としての使用に適さなくなる。これは、蛋白質成分が、酸性域(pH4〜5)に等電点を持つので、酸性領域にすると電荷を失って蛋白質間の反発力を奪われ、凝集することが原因と考えられる。
本発明の第2の発明によれば、アミノ酸スコアが高い蛋白質成分を効率よく摂取できる、風味が爽やかで、ざらつきが少ないゼリーを提供することができる。
本発明において、A成分のカゼイン類は、乳に含まれているカゼインの分解物またはその塩である。そのアミノ酸スコアは100である。A成分のカゼイン類の製造方法は、例えば、乳を酸あるいは酵素などで沈殿し、得られた沈澱画分のカゼインを、酵素などにより加水分解して得ることができる。この場合、カゼインは加水分解の前にアルカリで中和し、カゼイネートとしておくことが一般的である。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
ここで、本発明におけるカゼイン類の粘度は、B型粘度計で測定される粘度である。ローターとしてBLアダプター(20mL)を使用し、回転速度30rpmで測定した際の測定値である。
大豆食物繊維は、大豆より得られる水溶性ヘミセルロースであり、大豆多糖類ともいわれている多糖類である。本発明において、大豆食物繊維を使用すると蛋白質成分の凝集を抑制し、食感においてざらつきを感じ難くすることができる。
ペクチンは、柑橘類やリンゴなどから得られる多糖類である。ペクチンを構成しているガラクチュロン酸のうち、メチルエステルとして存在する割合をエステル化度というが、エステル化度の高いペクチンが高メトキシルペクチンと一般によばれている。本発明においては、エステル化度の高い50%以上の高メトキシルペクチンを使用することが好ましい。本発明において、高メトキシルペクチンを使用するとpHが酸性域において蛋白質成分の凝集を抑制でき、食感においてざらつきを感じ難くすることができる。
本発明の水性食品に使用できるpHを調整するための酸性物質として、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、コハク酸、フマル酸、リン酸などが挙げられる。乳酸菌等の発酵による酸性物質でも、リンゴ、オレンジ、ブドウ、グレープフルーツ、ストロベリー、パイン、レモンなどの果汁でも、pHを調整できるものであればかまわない。
その他、本発明の水性食品には、本発明の目的を逸脱しない範囲で、他の食品原料を加えることができる。例えば、糖質、油脂、ミネラル、ビタミン、その他の生理機能性物質、呈味物質、香料、色素などが挙げられる。
カルシウムの素材としては、一般に食用として利用されているものを使用でき、特には限定されない。例示すると、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、カゼインカルシウム、総合乳蛋白質などを使用しても良い。
マグネシウムの素材としては、一般に食用として利用されているものを使用でき、特には限定されないが、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、カゼインマグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸マグネシウムなどを使用してもかまわない。リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムなどの不溶性塩は、その分散性のために粒径が細かいほど適しており、好ましくは平均粒径が10μm以下、より好ましくは5μm以下である。
鉄の素材としては、一般に食用として利用されているものを使用でき、特には限定されないが、クエン酸第一鉄ナトリウム、ピロリン酸第二鉄、ヘム鉄等を使用しても良い。また、亜鉛、銅、セレン、マンガン、クロム、モリブデン、ヨウ素などの素材としては既に食品添加物として広く一般に知られているものの他、これらミネラルを含有する酵母や乳酸菌などを用いても良い。
本発明において、ゼリー中には、ローカストビーンガム、ジェランガム、寒天、ゼラチンなどのゲル化剤が0.05〜3質量%含まれることが好ましい。0.05質量%より少ないとゼリーとして使用するには充分にゲル化できず、3質量%より多いとゼリーとしては堅くなりすぎ適さなくなる。
蛋白質成分の粘度は下記の粘度測定法により測定した。蛋白質原料(5g)を試験管に秤取り、蛋白質含量が10質量%となるように水を加え溶解させた。これを20℃に調整し、1時間放置後、ブルックフィールド社製回転B型粘度計を用いて、ローターをBLアダプター(20mL)、回転数を30rpmで測定した。
<風味(苦味)の評価基準>
◎:爽やかな感じである、○:ほとんど苦味を感じない、△:やや苦味を感じる、×:非常に苦い、で表した。
<ざらつきの評価基準>
◎:ざらつきを感じない、○:ほとんどざらつきを感じない、△:ややざらつきを感じる、×:大きな凝集物がある、で表した。
食品組成物を約20℃に温調し、それを10mL試験管に秤取り、遠心分離を行い、それを1分間逆さにし、沈澱以外の上澄みを流した後の沈澱量を百分率で評価した。1000rpmで3分間の遠心分離の条件を条件1とし、500rpmで1分間の条件を条件2とし、結果を示した。
他に、濃縮ホエイであるラクプロダン80(アーラフーズ株式会社製、アミノ酸スコア100)、コラーゲンペプチドであるペプタイドPRA−PC(株式会社ニッピ製、アミノ酸スコア0)を併せて測定した。
容器に温水391.5g(78.26質量部)、大豆食物繊維1.5g(0.3質量部)、プロミーLH50g(10質量部)、上白糖50g(10質量部)を入れ撹拌し、完全に溶解させた。その後、撹拌しながらpHが4になるよう、リン酸水溶液7.2g(1.44質量部)を添加した。評価結果を表2−1に示した。
原料組成を実施例1の配合処方から表2−1及び表2−2に示したように変更した以外は、実施例1に準じて、実施例2〜9および、比較例1〜12の食品組成物を製造した。評価結果を表2−1及び表2−2に示した。
実施例1は20℃における10質量%水溶液の粘度が14mPa・sのカゼイン類と大豆食物繊維とを用いて製造した例であるが、風味が爽やかで苦味とざらつきを殆ど感じず、その他の機械的評価の測定数値も良好であった。実施例2は粘度が28mPa・sの蛋白質原料を用いて製造した例であるが、風味が爽やかでややざらつきを感じるものの、苦味を感じなく、良好であった。実施例3、4は、実施例1、2の大豆食物繊維を高メトキシペクチンに置き換えた例であるが、結果は各々実施例1、2と同様の結果であった。実施例5は、実施例1にローカストビーンガムと寒天を加えてゼリーを製造した例であるが、風味、ざらつきともゼリーとして良好であった。実施例6〜7は、実施例1の大豆食物繊維の使用量を代えた例であるが、実施例1と同様に良好であった。実施例8は、実施例3の高メトキシペクチンの使用量を代えた例であるが、実施例3と同様に良好であった。
なお、実施例1〜9において、得られた食品の保存安定性は良好であり、室温で1週間静置した後も、沈殿が生じることもなく、官能評価において風味やざらつきを感じることもなかった。
比較例4は、本発明に用いるカゼイン類より粘度が高いカゼインと、低いカゼイン類を混合して用いた例であるが、苦味、ざらつきを感じ、食品として適さないことがわかった。比較例5は、比較例1において大豆食物繊維を高メトキシペクチンに置き換えた例であるが、結果は比較例1とほとんど同じ結果であった。比較例6は濃縮乳ホエイを用いた例であるが、蛋白質の凝集が顕著であり沈殿が生じた。比較例7は、比較例1にローカストビーンガムと寒天を加えてゼリーを製造した例であるが、ざらつきが顕著でゼリーには適さなかった。比較例8は低メトキシペクチンを使用した例であるが、凝集が顕著であり沈殿が生じた。比較例9〜11は、それぞれカルボキシメチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル、キトサンを使用した例であるが、いずれも凝集が顕著であり沈殿が生じた。
Claims (2)
- アミノ酸スコアが80以上の水性食品であって、10質量%水溶液における20℃での粘度が8〜32mPa・sであるカゼイン類(A成分)を2〜15質量%、大豆食物繊維又は/及び高メトキシルペクチン(B成分)を0.2〜3質量%含む、pH3〜5の水性食品。
- 請求項1に記載の水性食品をゲル化したゼリー。
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