JP6221423B2 - 印刷装置、及び、印刷装置の制御方法 - Google Patents
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また、この種の印刷装置は正方向と逆方向とに搬送を行うことが可能なものが多いが、搬送方向を逆方向に反転する場合に、バックラッシュにより位置ずれを生じることがある。そこで、従来、バックラッシュ量を測定して補正するものが提案された(例えば、特許文献2参照)。
このような、搬送方向毎の搬送量の差の影響を排除する方法としては、搬送方向の切換を行わずに、一方向にのみ搬送して位置合わせを行う方法が考えられる。この場合、印刷媒体を戻すことができないため、目標の位置に達するまでの印刷媒体の搬送量が多く、無駄を生じるという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、印刷媒体の搬送時に発生する搬送量と実際の印刷媒体の移動量とのずれを正確に補正できる印刷装置、及び、印刷装置の制御方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、印刷媒体を正方向に搬送する場合と逆方向に搬送する場合とですべりの発生状態が異なること等により、搬送手段を同じ量だけ動作させた場合の搬送方向毎の搬送量の差を、正確に、かつ容易に求めることができる。このため、搬送方向を切り換えた場合に発生する搬送量の差、すなわち搬送量のずれを正確に補正できる。例えば、異なる搬送方向への搬送動作を組み合わせて行い、所望の位置に印刷媒体を搬送できる。さらに、搬送量の差を求めるシーケンスは正方向から逆方向への切換と逆方向から正方向への切換とを同数含むので、バックラッシュによるずれを相殺できる。このため、バックラッシュ以外の原因によって、搬送方向を反転させる場合に生じるずれを、より適切に補正できる。
本発明によれば、印刷媒体に設けられた位置識別部を基準として、搬送手段を同じ量だけ動作させた場合の搬送方向毎の搬送量の差を、より正確に求めることができ、搬送方向を反転させることにより生じるずれ、より適切に補正できる。
この場合、シーケンスの最初に、初期搬送から第1の搬送に移行する搬送方向の切り換えが行われ、シーケンスの開始前の初期搬送の方向と、第2の搬送の搬送方向とが一致する。このため、例えば、シーケンスの最後に正方向の第2の搬送を行えば、シーケンスの終了後に搬送方向を切り換えることなく速やかに正方向に印刷媒体を搬送できる。このように、ずれ量を求めるシーケンスの内容を、シーケンスの実行後の搬送方向に合わせることで、より効率よくずれ量を求めるとともに、シーケンス終了後の動作を速やかに実行できる。
この場合、第1及び第3の搬送と、第2の搬送とにおいて、搬送手段を同じ量だけ動作させた場合の実際の印刷媒体の搬送量の差を求めることで、効率よくずれ量を求めることができる。この手順では、シーケンスの開始前の初期搬送の方向と、シーケンスの最後に行われる第3の搬送の搬送方向とを同方向にすることができる。このため、例えば、シーケンスの最初に正方向の搬送をしたい場合に、シーケンスの最後の搬送方向を正方向にすることができる。つまり、シーケンスの終了後に搬送方向を切り換えることなく速やかに正方向に印刷媒体を搬送できる。このため、ずれ量を求めるシーケンスの内容を、シーケンスの実行後の搬送方向に合わせることで、より効率よくずれ量を求めるとともに、シーケンス終了後の動作を速やかに実行できる。
この場合、第1の搬送における搬送手段の動作量と、実際の印刷媒体の搬送量が第1の搬送と同じになるように、反対方向に搬送した場合の搬送手段の動作量との差から、搬送方向毎の印刷媒体の搬送量の差を求める。これにより、実際の印刷媒体の搬送量を基準として、搬送方向を切り換えた場合に発生するずれを正確に求め、補正できる。
本発明によれば、印刷媒体の搬送方向を切り換えて搬送を行い、印刷媒体の位置を正確に合わせることができる。これにより、例えば印刷媒体の先端に近い位置で印刷位置を合わせるといった制御が可能になるので、印刷媒体の無駄をなくすことができる。
本発明によれば、印刷開始位置に合わせた印刷媒体に印刷をする際に、搬送方向を切り換える必要がないので、印刷動作を開始する際にバックラッシュに起因するずれが発生しない。このため、位置合わせを行った後に、正確に、かつ速やかに印刷を実行できる。
本発明によれば、印刷媒体が印刷ヘッドとプラテンローラーとの間に挟まれて搬送される構成において、逆方向に搬送する際に印刷ヘッドの移動により印刷ヘッドから印刷媒体が引き離され、印刷媒体が固着しても、この固着を解除できる。この構成では印刷媒体を逆方向に搬送する際に印刷媒体を挟む力が解除されるためすべりを生じやすい。つまり、逆方向の搬送中にプラテンローラーの回転量と印刷媒体の搬送量とのずれが生じ易く、正方向に搬送する場合はずれを生じにくいので、搬送方向による搬送量の差を生じる。本発明によれば、上記のように印刷媒体の固着を解除可能な構成において、搬送方向による搬送量の差を正確に求めることができる。
本発明によれば、印刷媒体を正方向に搬送する場合と逆方向に搬送する場合とですべりの発生状態が異なること等により、搬送方向毎の搬送量の差を、正確に、かつ容易に求めることができる。このため、搬送方向を切り換えた場合に発生する搬送量の差、すなわち搬送量のずれを正確に補正できる。例えば、異なる搬送方向への搬送動作を組み合わせて行い、所望の位置に印刷媒体を搬送できる。さらに、搬送量の差を求めるシーケンスは正方向から逆方向への切換と逆方向から正方向への切換とを同数含むので、バックラッシュによるずれを相殺できる。このため、バックラッシュ以外の原因によって、搬送方向を反転させる場合に生じるずれを、より正確に補正できる。
図1は、本発明を適用した実施形態に係るプリンター1(印刷装置)の構成を示す要部側面視図である。この図1にはプリンター1の本体ケース10内部の構成を側面視で示している。図1の左側が、プリンター1の前側に相当する。
プリンター1は、略箱形の本体ケース10の内部に、プラテンローラー11、印刷ヘッド12、オートカッター13、及び手動カッター14等の各種の機能部を備えている。プリンター1は、プラテンローラー11の回転により、印刷媒体としての連続紙Mを搬送し、印刷ヘッド12によって、連続紙Mの印刷面に文字や画像を印刷する。印刷された連続紙Mは、本体ケース10の前面に開口する排紙口16から排出される。
本実施形態の連続紙Mは、一例として、指定された長さの帳票が長手方向に繋がった連続紙とする。この連続紙Mは、指定された長さ毎にミシン目が形成されており、このミシン目が上記帳票の繋ぎ目となっている。ミシン目の上には、帳票のつなぎ目であることを示す位置識別部として、後述する長穴が穿設されている。また、連続紙Mはミシン目で折り畳まれたファンフォールド紙となっている。連続紙Mは感熱紙であり、印刷ヘッド12により熱せられて発色する。
印刷ヘッド12は、連続紙Mの搬送経路を挟んでプラテンローラー11に対向するように配置されている。また、プラテンローラー11は、一対のサイドフレーム(図示略)に掛け渡され、回転可能に支持されている。
印刷ヘッド12のベース21と、本体ケース10の上部に位置する上部フレーム31との間にはバネ22が配置されている。バネ22は圧縮コイルバネであり、一端が上部フレーム31に固定されている。このため、バネ22がベース21をプラテンローラー11に向けて押しており、このバネ22の力によって、プラテンローラー11と印刷ヘッド12とが密着する。
プラテンローラー11は、上記のように印刷ヘッド12と密着しており、この印刷ヘッド12とプラテンローラー11との間に連続紙Mが挟まれる。搬送モーター32の動作によりプラテンローラー11が回転すると、連続紙Mは、プラテンローラー11の回転に伴って搬送される。プラテンローラー11の表面は、エラストマー等の、弾性を有し摩擦係数の高い材料で覆われている。プラテンローラー11と印刷ヘッド12とがバネ22の力により押圧されていることと合わせて、連続紙Mは、プラテンローラー11によってすべり無く搬送される。
また、紙案内25、26には、用紙センサー28(検出手段)が設けられている。用紙センサー28は、反射型または透過型の光センサーであり、紙案内25、26間における連続紙Mの有無に対応して検出値が変化する。このため、用紙センサー28の検出値に基づいて、紙案内25、26の位置における連続紙Mの有無を検出できる。本実施形態では、用紙センサー28を透過型の光センサーとして説明する。
印刷ヘッド12には連続紙Mの印刷面が接する。印刷ヘッド12は、連続紙Mの幅方向に並ぶ複数の発熱素子(図示略)を有し、これら発熱素子を適宜発熱させて連続紙Mの印刷面を加熱し、文字や画像等を印刷する。
プリンター1は、連続紙Mの印刷面が印刷ヘッド12に密着する構成となっているため、連続紙Mを搬送せず停止した状態が続くと、連続紙Mが印刷ヘッド12に貼り付いてしまい、連続紙Mが印刷ヘッド12の表面で滑らなくなることがある。プリンター1は、この貼り付きを解消するための構造を備えている。
切欠部34Aはピン35よりも大きく形成されているため、ピン35が切欠部34A内を動く方向であれば、支持板34を動かすことが可能である。図2に示す状態では、ピン35が切欠部34Aの後端34Bに当たっているので、これよりも支持板34を前方に動かすことはできないが、図2に示す位置よりも後方に支持板34を動かすことは可能である。プラテンローラー11が正方向(FR)に回転すると、連続紙Mの動きに伴い、支持板34には印刷ヘッド12とともに前方へ引っ張る力が作用する。このように印刷ヘッド12は、ピン35が後端34Bに当接し、プラテンローラー11が回転することで、前後方向においても適切な位置を保つ。
図3に示す状態では、ピン35が切欠部34A内の前部に位置しており、支持板34の後端に設けられた当接部34Cが、ピン36に当接している。ピン36は、ピン35よりも後方において、ピン35と同様にサイドフレームに立設されている。ピン36は、支持板34が後方に移動しないよう規制するので、支持板34は、図3のようにピン36に当接部34Cが当たった位置より後方に動かない。プラテンローラー11が逆方向(RR)に回転すると、印刷ヘッド12、ベース21及び支持板34に対して、後方へ移動させる向きの力が加わる。この力によりベース21及び支持板34が後方に移動し、当接部34Cにピン36が当たると、その後は図3に示す位置で安定する。
プリンター1は、各部を制御する制御部101(制御手段)を備えている。制御部101は、図示しないCPU、ROM、RAM等を備えて構成され、制御プログラムを実行することにより、各部を制御して、例えば連続紙Mに印刷を行う。
制御部101には、センサー駆動回路102、ヘッドドライバー103、モータードライバー104、外部I/F110、及び操作パネル111の各部が接続されている。センサー駆動回路102は、用紙センサー28及びBMセンサー29に接続され、用紙センサー28及びBMセンサー29の検出値を取得して制御部101に出力する。BMセンサー29は、連続紙Mの裏面(印刷面の裏側の面)に付されたブラックマーク(BM)を検出する反射型の光センサーである。BMセンサー29は、たとえば、連続紙Mの搬送経路において用紙センサー28よりも下流側に配置される。すなわち、BMセンサー29の検出位置は、用紙センサー28よりも下流にあり、例えば用紙センサー28の検出位置と印刷ヘッド12との間である。BMセンサー29は、連続紙Mの幅方向の端に設けられたブラックマークを検出するので、ブラックマークに限らず、連続紙Mの端に切り欠き等が形成されている場合には、この切り欠きを検出できる。
モータードライバー104は、搬送モーター32及びカッター駆動モーター33に接続されている。搬送モーター32及びカッター駆動モーター33は、例えば、パルスモーターで構成されている。モータードライバー104は、制御部101の制御に従って、搬送モーター32及びカッター駆動モーター33に対し、駆動電流と駆動パルスとを出力する。また、モータードライバー104は、制御部101の制御に従って、搬送モーター32及びカッター駆動モーター33に出力する駆動電流の電圧を反転させることができる。これにより、搬送モーター32及びカッター駆動モーター33は、制御部101の制御に従って、指定された回転方向に指定された回転量だけ回転する。搬送モーター32は、プラテンローラー11、及び、プラテンローラー11と搬送モーター32とをつなぐ輪列(図示略)等とともに、搬送手段として機能する。
操作パネル111はオペレーターが操作する各種スイッチやプリンター1の動作状態を示す表示部を備える。この表示部は、LEDインジケーターや液晶表示パネル等により構成される。操作パネル111は、スイッチの操作を示す操作信号を制御部101に出力し、制御部101の制御に従って表示部により表示を行う。
制御部101は、プリンター1に新しい連続紙Mがセットされた場合、この連続紙Mのつなぎ目の位置を検出する。制御部101は、検出したつなぎ目の位置を基準として、予め設定された連続紙Mの帳票の長さをもとに、先端を印刷開始位置に合わせる位置合わせ動作を実行する。
制御部101は、搬送モーター32を動かして連続紙Mを正方向(F)に搬送させ、用紙センサー28により長穴MHを検出したとき、すなわち(B)の位置で搬送モーター32を停止させる。
また、プリンター1の電源投入直後も、制御部101は用紙センサー28が長穴MHを検出するまで連続紙Mを正方向(F)に搬送し、(B)のように、最初の長穴MHを用紙センサー28が検出したところで停止する。
一方、図5の(D)は印刷開始位置(待機位置)を示す。印刷開始位置では連続紙Mの先端が位置P5にある。帳票M1が印刷されて手動カッター14によりカットされると、次の帳票M2の先端が位置P5に位置する。このように、連続紙Mの帳票の印刷が完了して次の帳票の印刷を待機する間は、(D)のように連続紙Mの先端が位置P5に位置する。
[1]の動作では(B)にL1で示す長さだけ、連続紙Mが逆方向(R)に搬送される。[1]の動作では連続紙Mを逆方向(R)に搬送する。このため、上述のように印刷ヘッド12が移動して印刷ヘッド12とプラテンローラー11とが連続紙Mを把持する把持力が弱くなって、すべりに起因するずれが生じる可能性があり、正確に先端を位置P5に合わせることは容易ではない。
これに対し、[2]の動作では(B)にL2で示す長さだけ連続紙Mが正方向(F)に搬送され、(C)に示す状態となる。この場合、搬送方向が正方向(F)のみとなるためすべりの影響は無い。一方で、(C)に示すように先頭の帳票は位置P5より下流になってしまい、印刷されずに破棄され、無駄になる。
本実施形態では、制御部101の制御により[1]の動作を実行する。制御部101は、逆方向(R)に搬送する際に発生するずれ、言い換えれば、正方向(F)と逆方向(R)の搬送量の差を補正することで、正確な位置合わせを可能とする。
ずれ量を検出するための動作に先立ち、制御部101は、連続紙Mを正方向(F)に搬送して、用紙センサー28が長穴MHを検出したところで停止する(ステップS11)。このステップS11の動作は初期搬送に相当する。この動作により連続紙Mは(B)の位置に達する。
制御部101は、搬送方向を正方向(F)から逆方向(R)に切り換える(ステップS12)。搬送方向の切換は、モータードライバー104が搬送モーター32に出力する電圧を逆にすることであり、搬送モーター32の実際の動作を伴わない。この切り換えは、第1の切換動作に相当する。
この動作で、まず、制御部101は、長穴MHが位置P1よりも下流になる位置まで搬送して、連続紙Mを逆方向(R)に搬送し(初期搬送)、用紙センサー28が長穴MHを検出する位置、すなわち(B)の位置に合わせる。
ここで、制御部101は搬送方向を逆方向(R)から正方向(F)に切り換えて(第1の切換動作)、(F)の位置まで正方向(F)に連続紙Mを搬送する(第1の搬送)。この場合の搬送量は、予め設定された長さL4とする。その後、制御部101は、搬送方向を正方向(F)から逆方向(R)に切り換えて(第2の切換動作)、長穴MHを検出するまで連続紙Mを搬送する(第2の搬送)。制御部101は、(B)の位置で長穴MHが検出されたところで連続紙Mを停止し、この停止までの搬送量(搬送モーター32の動作ステップ数)をカウントする。そして、(B)の位置から(F)の位置までの長さL4に相当する動作ステップ数と、(F)の位置から(B)の位置までの動作ステップ数との差に基づき、ずれ量を算出する。この場合、搬送方向が反転しているだけで、一連のシーケンスに含まれる搬送方向の切換及び搬送の回数は変わらないため、同様の効果が得られる。
この動作で、まず、制御部101は、長穴MHが位置P1よりも上流に位置する状態から連続紙Mを正方向(F)に搬送し(初期搬送)、用紙センサー28が長穴MHを検出する位置、すなわち(B)の位置に合わせる。
ここで、制御部101は搬送方向を逆方向(R)から正方向(F)に切り換えて(第1の切換動作)、(F)の位置まで正方向(F)に連続紙Mを搬送する(第1の搬送)。この場合の搬送量は、予め設定された長さL4とする。その後、制御部101は、搬送方向を正方向(F)から逆方向(R)に切り換えて(第1の切換動作)、予め設定された量だけ連続紙Mを搬送する(第2の搬送)。この第2の搬送の搬送量は、例えば、L4+L3の長さに設定されており、制御部101は(E)の位置まで連続紙Mを搬送する。続いて、制御部11は搬送方向を逆方向(R)から正方向(F)に切り換えて(第2の切換動作)、(B)位置で長穴MHが検出されるまで正方向(F)に連続紙Mを搬送して停止する(第3の搬送)。ここで、制御部101は、(B)から(F)まで、及び、(E)から(B)までの正方向の搬送中の動作ステップ数と、(F)から(E)までの動作ステップ数との差を求め、この差に基づき、ずれ量を算出する。
この場合、初期搬送からシーケンスの終了までの搬送動作は1回増加するが、上記の動作例と同様に、ずれ量を算出できる。また、連続紙Mを(B)の位置まで搬送する初期搬送を、正方向(F)にして、かつ、シーケンスが終了する直前の搬送を正方向(F)とすることができる。
制御部101は、図6で説明したずれ量検出処理を実行して(ステップS21)、ずれ量、すなわち搬送量の差を取得する(ステップS22)。
一方、逆方向(R)の搬送を行う場合(ステップS24;No)、制御部101は、必要な搬送量を算出する(ステップS27)。この搬送量は、帳票の長さと位置P1から位置P5までの距離とから求められる搬送量に、ステップS22で取得したずれ量を補正するための補正量、及び、位置P5を過ぎた位置に搬送するための余分の搬送量を含む。制御部101は、ステップS27で算出した搬送量だけ連続紙Mを逆方向(R)に搬送して停止する(ステップS28)。この時点で、連続紙Mの先端は位置P5より上流側にある。制御部101は、搬送方向を逆方向(R)から正方向(F)に反転し、ステップS27で加えた余分の搬送量を戻す分だけ、正方向(F)に連続紙Mを搬送し(ステップS29)、位置合わせを終了する。このステップS27〜S29の動作により、連続紙Mの先端は位置P5に重なる。また、搬送モーター32及びプラテンローラー11を含む搬送機構は、正方向(F)の搬送を停止した状態となっている。このため、次に連続紙Mを正方向(F)に搬送する場合、例えば印刷を実行する場合に、バックラッシュの影響を受けないという利点がある。
すなわち、制御部101は、正方向または逆方向の初期搬送と、この初期搬送後に搬送方向を切り換える第1の切換動作と、第1の切換動作の後に連続紙Mを搬送する第1の搬送と、第1の搬送後に搬送方向を切り換える第2の切換動作と、第2の切換動作後に連続紙Mを搬送する第2の搬送と、を実行させて、搬送手段を同じ量だけ動作させた場合の搬送方向毎の連続紙Mの搬送量の差を求める。
この場合、例えば、初期搬送の搬送方向を正方向(F)とすれば、シーケンスの最後に正方向(F)の第2の搬送を行うことになる。このため、シーケンスの終了後に搬送方向を切り換えることなく速やかに正方向(F)に連続紙Mを搬送して印刷等を行える。
また、制御部101は、初期搬送と、この初期搬送と同じ方向に連続紙Mを搬送する第1の搬送と、第1の搬送後に搬送方向を切り換える第1の切換動作と、第1の切換動作後に連続紙Mを搬送する第2の搬送と、第2の搬送後に搬送方向を切り換える第2の切換動作と、第2の切換動作後に連続紙Mを搬送する第3の搬送と、を実行させて、搬送手段を同じ量だけ動作させた場合の搬送方向毎の連続紙Mの搬送量の差を求めてもよい。
この場合、第1及び第3の搬送と、第2の搬送とにおいて、搬送手段を同じ量だけ動作させた場合の実際の印刷媒体の搬送量の差を求めることで、効率よくずれ量を求めることができる。この手順では、例えば、初期搬送の搬送方向を正方向(F)とし、第1の搬送を正方向(F)とし、シーケンスの最後に正方向(F)の第3の搬送を行うことになる。このため、第1の搬送を開始する位置を合わせるまで正方向の搬送を行い、かつ、シーケンスの最後に正方向の搬送を行ってシーケンスを終了することができる。この場合、シーケンスの終了後に搬送方向を切り換えることなく速やかに正方向(F)に連続紙Mを搬送して印刷等を行える。
このように、ずれ量を求めるシーケンスの内容を、シーケンスの実行後の搬送方向に合わせて、シーケンス終了後の動作に速やかに移行できる。
Claims (6)
- 印刷媒体を第1方向、及び、前記第1方向と反対方向の第2方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段を制御して前記印刷媒体を搬送させる制御手段と、
前記印刷媒体に設けられた位置識別部を検出する検出手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記第1方向の初期搬送を実行させた後に、前記印刷媒体を、前記検出手段により前記位置識別部が検出された位置から前記第1方向へ所定搬送量だけ搬送する第1の搬送を実行させ、前記第1の搬送の後に前記印刷媒体の搬送方向を前記第1方向から前記第2方向へ切り換える第1の切換動作を実行させ、前記第1の切換動作を実行した後に前記第2方向へ搬送させる第2の搬送を実行させ、前記第2の搬送の後に前記搬送方向を前記第2方向から前記第1方向へ切り換える、前記第1の切換動作と同回数の第2の切換動作を実行させ、前記第2の切換動作の後に前記検出手段が前記位置識別部を検出するまで前記印刷媒体を前記第1方向に搬送する第3の搬送を実行させるシーケンスを実行させ、
前記第1の搬送における前記搬送手段の動作量と前記第2の搬送における前記搬送手段の動作量とに基づいて、前記搬送手段を所定量だけ動作させた場合に、前記印刷媒体が前記第1方向に搬送される搬送量と、前記第2方向に搬送される搬送量との搬送量の差を求めること、
を特徴とする印刷装置。 - 前記制御手段は、前記シーケンスにおいて、前記第1の搬送で所定の動作量だけ前記搬送手段を動作させ、前記第2の搬送で、前記印刷媒体が前記第1の搬送開始前の位置に戻るまで前記搬送手段を動作させ、
前記所定の動作量及び前記第2の搬送における前記搬送手段の動作量の差をもとに、前記搬送量の差を求めることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。 - 前記制御手段は、前記搬送手段を制御して、前記印刷媒体を前記シーケンスの実行により求めた前記搬送量の差に基づき算出される搬送量を搬送させ、前記印刷媒体の先端を印刷開始位置に合わせることを特徴とする請求項2記載の印刷装置。
- 前記制御手段は、前記印刷媒体の先端を前記印刷開始位置に合わせる場合、前記印刷媒体を前記印刷開始位置で停止させる直前の搬送方向を、前記印刷媒体に印刷する場合の搬送方向と同じ方向とすることを特徴とする請求項3記載の印刷装置。
- 前記印刷媒体に接触して印刷を行う印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドとともに前記印刷媒体を挟んで搬送するプラテンローラーと、を備え、
前記印刷ヘッドは、前記印刷媒体を逆方向に搬送する場合に前記プラテンローラーから離れる側に移動可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の印刷装置。 - 印刷媒体を第1方向、及び、前記第1方向と反対方向の第2方向に搬送する搬送手段と、前記印刷媒体に設けられた被検出部を検出するセンサーとを有する印刷装置の制御方法であって、
前記第1方向の初期搬送を実行させた後に、前記印刷媒体を、前記センサーにより前記被検出部が検出された位置から前記第1方向へ所定搬送量だけ搬送する第1の搬送を実行させ、前記第1の搬送の後に前記印刷媒体の搬送方向を前記第1方向から前記第2方向へ切り換える第1の切換動作を実行させ、前記第1の切換動作を実行した後に前記第2方向へ搬送させる第2の搬送を実行させ、前記第2の搬送の後に前記搬送方向を前記第2方向から前記第1方向へ切り換える、前記第1の切換動作と同回数の第2の切換動作を実行させ、前記第2の切換動作の後に前記センサーが前記被検出部を検出するまで前記印刷媒体を前記第1方向に搬送する第3の搬送を実行させるシーケンスを実行させ、
前記第1の搬送における前記搬送手段の動作量と前記第2の搬送における前記搬送手段の動作量とに基づいて、前記搬送手段を所定量だけ動作させた場合に、前記印刷媒体が前記第1方向に搬送される搬送量と、前記第2方向に搬送される搬送量との搬送量の差を求め、
求めた前記搬送量の差を補正する補正量を加味して、前記印刷媒体の先端を指定位置に合わせる先端合わせ動作を行うこと、
を特徴とする印刷装置の制御方法。
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