JP6220187B2 - クローラクレーン - Google Patents

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Description

本発明は、クローラクレーンに関するものである。
従来、自走可能なクローラ式の下部走行体と、吊り作業用のアタッチメントが設けられていて下部走行体上に搭載された上部旋回体とを備えるクローラクレーンが知られている。下記特許文献1には、このようなクローラクレーンの一例が開示されている。
特許文献1に開示されたクローラクレーンでは、上部旋回体の前端部に吊り作業用のアタッチメントを構成するブームが起伏自在となるように取り付けられており、そのブームの先端から吊り下げられたフックによって吊荷を吊るようになっている。また、上部旋回体には、吊り荷重とのバランスを取ってクレーンの車体を安定させるカウンタウェイトが搭載されている。カウンタウェイトは、上部旋回体の前後方向において移動可能となっており、上部旋回体には、油圧シリンダの伸縮に応じて作動する枢動フレーム及びリアアームの動作を利用してこのカウンタウェイトを前記前後方向に移動させるカウンタウェイト移動機構が設けられている。カウンタウェイト移動機構は、吊り荷重の大きさに応じて前後方向におけるカウンタウェイトの位置を変更することによって吊り荷重とのバランスを取る。吊り荷重が非常に大きい場合には、カウンタウェイト移動機構がカウンタウェイトを上部旋回体の後方へ移動させることにより、その過大な吊り荷重による転倒モーメントを相殺し、それによって車体の安定性を確保する。
特開2009−7164号公報
上記特許文献1に開示されたクローラクレーンでは、吊り荷重が増大した場合でも車体の安定性を確保できるものの、カウンタウェイト移動機構を構成する多数の部材を設ける必要がある。このため、部材点数が増大し、クローラクレーンの製造コストが増大する。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、クローラクレーンの製造コストの増大を抑制しつつ、吊り作業時の車体の安定性を確保できるようにすることである。
上記目的を達成するために、例えば、下部走行体の左右のクローラを支持する左右のアクスルの長さを大きくすることによって左右のクローラの最大の張り出し幅を拡大し、吊り作業時には、上部旋回体の前後方向が下部走行体の左右の幅方向に近い方向を向くように上部旋回体が配置された姿勢で吊り作業を行うことが考えられる。この構成によれば、クレーンの転倒支点から上部旋回体の後部のカウンタウェイトの重心位置までの下部走行体の幅方向における距離に相当するモーメントアームの長さを大きくすることができるので、吊り作業時のクローラクレーンの車体の安定性を確保でき、しかも、下部走行体が元々備えている左右のアクスルの長さを大きくするだけであるので、部材点数が増大せず、クローラクレーンの製造コストの増大を抑制できる。
しかしながら、クレーンは、公道を通って輸送されることが一般的であり、その際には法令で定められた寸法の制限を満たす必要がある。このため、左右のアクスルの長さを無制限に大きくすることはできず、その結果、上記構成では、吊り作業時の車体の安定性を顕著に向上させることは難しい。このため、クレーンの輸送時の寸法制限を満たしつつ、吊り作業時の車体の安定性をより一層向上させることが可能な技術が求められる。
そこで、本願発明者は、この課題を解決するため、以下のような構成のクローラクレーンを発明した。この発明によるクローラクレーンは、自走可能に構成された下部走行体と、前記下部走行体上に搭載され、吊り作業を行うためのアタッチメントが前部に設けられているとともにカウンタウェイトが後部に設けられた上部旋回体とを備え、前記下部走行体は、前記上部旋回体が旋回自在となるように前記上部旋回体を下から支持するカーボディと、前記カーボディの左側に配置された左クローラと、前記カーボディの右側に配置された右クローラと、前記カーボディの左端から左方に突出するように設けられていて前記左クローラを支持する左アクスルと、前記カーボディの右端から右方に突出するように設けられていて前記右クローラを支持する右アクスルとを有し、前記左クローラは、前記左アクスルの先端部で支持されて前記下部走行体の幅方向において最も左側に張り出した左張出位置と前記カーボディの左端に近接した左内側位置との間で前記下部走行体の幅方向に移動可能となるように前記左アクスルによって支持され、前記右クローラは、前記右アクスルの先端部で支持されて前記下部走行体の幅方向において最も右側に張り出した右張出位置と前記カーボディの右端に近接した右内側位置との間で前記下部走行体の幅方向に移動可能となるように前記右アクスルによって支持され、前記左張出位置に配置された前記左クローラと前記右張出位置に配置された前記右クローラとのうちの一方のクローラの外側端から前記上部旋回体の旋回中心までの前記下部走行体の幅方向における距離が前記左張出位置に配置された前記左クローラと前記右張出位置に配置された前記右クローラとのうちの他方のクローラの外側端から前記上部旋回体の旋回中心までの前記下部走行体の幅方向における距離よりも大きくなるように、前記左アクスルと前記右アクスルのうち前記一方のクローラを先端部で支持している一方のアクスルの前記カーボディから突出した部分は、前記左アクスルと前記右アクスルのうち前記他方のクローラを先端部で支持している他方のアクスルの前記カーボディから突出した部分の前記下部走行体の幅方向における長さよりも大きい同方向の長さを有し、前記他方のクローラを先端部で支持している前記他方のアクスルの前記カーボディから突出した部分の前記下部走行体の幅方向における長さは、前記上部旋回体の前部が前記一方のクローラ側を向いた状態でその上部旋回体の後部に設けられた前記カウンタウェイトの重心位置が前記他方のクローラの外側端よりも外側に配置されるような長さに設定されている
このクローラクレーンでは、左アクスルの左端から右アクスルの右端までの寸法をクレーンの輸送時の寸法制限の上限値以下の所定の寸法に設定した場合でも、左アクスルと右アクスルのうちの一方のアクスルが、他方のアクスルの下部走行体の幅方向における長さよりも大きい同方向の長さを有するため、上部旋回体の旋回中心から前記一方のアクスルの先端部で支持された張出位置の一方のクローラの外側端までの距離を、左右のアクスルを均等な長さにした場合における同距離よりも大きくすることができる。このため、上部旋回体の前部が前記一方のクローラ側を向く姿勢に上部旋回体を配置して吊り作業を行えば、クレーンの転倒支点から上部旋回体の後部のカウンタウェイトの重心位置までの下部走行体の幅方向における距離に相当するモーメントアームの長さを大きくすることができ、吊り作業時の車体の安定性を向上させることができる。しかも、上述のように左アクスルの左端から右アクスルの左端までの寸法をクレーンの輸送時の寸法制限の上限値以下の所定の寸法に設定した場合でもこのように吊り作業時の車体の安定性を向上させることができることから、当該構成では、クローラクレーンの輸送時の寸法制限を満たしつつ、吊り作業時の車体の安定性を向上させることができる。なお、吊り作業時の車体の安定性の向上のために前記モーメントアームの長さを大きくすることは、下部走行体の左右のアクスルが均等な長さを有する構成であっても上部旋回体を後方へ延長してカウンタウェイトの位置を旋回中心から遠ざければ可能となるが、この場合には、上部旋回体の後端の旋回半径が大きくなるため上部旋回体の周囲に大きなスペースを確保する必要が生じ、また、上部旋回体が大型化及び大重量化するため上部旋回体の輸送にかかる労力が増大するとともに上部旋回体を支持するカーボディの強度及び剛性が不足する虞があるという問題が生じる。これに対して、本構成では、下部構造体の左右のアクスルの長さを異ならせるだけで前記モーメントアームの長さを大きくして吊り作業時の車体の安定性を向上させることができ、上部旋回体を後方へ延長する必要がないので、上記のような問題が生じるのも回避できる。
また、このクローラクレーンでは、上部旋回体の前部が前記一方のクローラ側を向く状態での吊り作業において、前記一方のクローラの外側端の位置に相当するクレーンの転倒支点からカウンタウェイトの重心位置をより遠ざけることができる。このため、前記モーメントアームの長さをより大きくすることができ、吊り作業時の車体の安定性をより向上させることができる。
上記クローラクレーンにおいて、前記一方のクローラの外側端から前記上部旋回体の旋回中心までの前記下部走行体の幅方向における距離は、前記下部走行体の前後方向における前記旋回中心から前記左クローラ及び前記右クローラの前端までの距離及び前記下部走行体の前後方向における前記旋回中心から前記左クローラ及び前記右クローラの後端までの距離よりも大きいことが好ましい。
上記クローラクレーンにおいて、前記左アクスルは、前記カーボディの左端から左方へ延び、前記右アクスルは、前記カーボディの右端から右方へ延び、前記左クローラは、前記左アクスルが挿通される左貫通孔を有していて、前記左張出位置と前記左内側位置との間で前記左アクスルに沿って移動可能となるように前記左アクスルによって支持され、前記右クローラは、前記右アクスルが挿通される右貫通孔を有していて、前記右張出位置と前記右内側位置との間で前記右アクスルに沿って移動可能となるように前記右アクスルによって支持されていてもよい
この構成によれば、左クローラに左貫通孔を設けるとともに右クローラに右貫通孔を設けるだけで、左右のクローラを対応するアクスルに沿ってそれぞれ張出位置と内側位置との間で移動させることが可能な構造を構成できる。このため、左右のクローラをそれぞれ張出位置と内側位置との間で移動させることが可能な構造を簡素な構造で実現できる。また、この構成では、張出位置に配置された前記一方のクローラの外側端から上部旋回体の旋回中心までの下部走行体の幅方向における距離が、張出位置に配置された前記他方のクローラの外側端から上部旋回体の旋回中心までの同方向における距離よりも大きいことから、左右のクローラを張出位置と内側位置との間で移動可能としつつ、上部旋回体の前部が前記一方のクローラ側を向く状態の吊り作業において張出位置に配置された前記一方のクローラの外側端の位置に相当するクレーンの転倒支点からカウンタウェイトの重心位置を遠ざけることが可能な構造を構成できる。
また、上記クローラクレーンにおいて、前記左アクスルは、前記下部走行体の幅方向において前記カーボディから左側へ延びるように伸長した状態と前記カーボディ側へ収縮した状態とを取り得るように伸縮可能に構成され、前記右アクスルは、前記下部走行体の幅方向において前記カーボディから右側へ延びるように伸長した状態と前記カーボディ側へ収縮した状態とを取り得るように伸縮可能に構成され、前記左クローラは、前記左アクスルの先端部に取り付けられていて、前記左アクスルが最も伸長した状態で前記左張出位置に配置され、前記右クローラは、前記右アクスルの先端部に取り付けられていて、前記右アクスルが最も伸長した状態で前記右張出位置に配置されてもよい
この構成によれば、左右の両アクスルをカーボディ側に収縮させて下部走行体の幅を縮小させることができる。このため、下部走行体をその幅方向においてよりコンパクトにした状態で輸送することができる。また、この構成では、張出位置に配置された前記一方のクローラの外側端から上部旋回体の旋回中心までの下部走行体の幅方向における距離が、張出位置に配置された前記他方のクローラの外側端から上部旋回体の旋回中心までの同方向における距離よりも大きいことから、下部走行体を幅方向にコンパクト化できるようにしつつ、上部旋回体の前部が前記一方のクローラ側を向く状態の吊り作業において張出位置に配置された前記一方のクローラの外側端の位置に相当するクレーンの転倒支点からカウンタウェイトの重心位置を遠ざけることが可能な構造を構成できる。
以上説明したように、本発明によれば、クローラクレーンの製造コストの増大を抑制するとともに、クローラクレーンの輸送時の寸法制限を満たしつつ、吊り作業時の車体の安定性を向上させることができる。
本発明の第1実施形態によるクローラクレーンの概略的な側面図である。 本発明の第1実施形態によるクローラクレーンの下部走行体を示す図であって、左右のクローラが張出位置にある状態の下部走行体を上から見た平面図である。 図2に示した下部走行体の左右のクローラが内側位置にある状態を示す平面図である。 下部走行体の左側方におけるクローラクレーンの吊作業状態を示す模式図である。 第1実施形態によるクローラクレーンの転倒に対する安定性を確保可能な吊作業範囲を示す図である。 本発明の第2実施形態によるクローラクレーンの下部走行体を模式的に示す図であって、左右のクローラが張出位置にある状態の下部走行体を上から見た平面図である。 図6に示した下部走行体の左右のクローラが内側位置にある状態を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態によるクローラクレーンについて、図1〜図5を参照して説明する。
この第1実施形態によるクローラクレーンは、図1に示すように、上部旋回体2と、下部走行体3とを備えている。
上部旋回体2は、下部走行体3上に旋回自在となるように搭載されている。上部旋回体2は、旋回フレーム4と、その旋回フレーム4上に搭載されたアタッチメント6とを有する。アタッチメント6は、吊荷の吊り作業(クレーン作業)を行うためのものであり、起伏自在となるように旋回フレーム4の前端部に設けられている。このアタッチメント6は、ブーム6aと、吊りロープ6bと、フック装置6cと、吊用ウィンチ6dと、ガントリ6eと、ガイライン6fと、上部スプレッダ6gと、下部スプレッダ6hと、起伏ロープ6iと、起伏用ウィンチ6kとを有する。
ブーム6aは、旋回フレーム4の前端部に起伏自在となるように取り付けられており、そのブーム6aの先端から吊りロープ6bを介して吊荷を吊るためのフック装置6cが吊り下げられている。吊用ウィンチ6dは、旋回フレーム4上に搭載されており、吊りロープ6bの巻取り/繰出しを行うことによりフック装置6cの巻上げ/巻下げを行う。ガントリ6eは、旋回フレーム4の後部上に立設されている。ガイライン6fは、その一端がブーム6aの先端部に接続されており、その他端部が上部スプレッダ6gと接続されている。下部スプレッダ6hは、ガントリ6fの上端部に設けられており、この下部スプレッダ6hと上部スプレッダ6gとは互いに離間して配置されている。上部スプレッダ6gと下部スプレッダ6hには、起伏ロープ6iが掛け回されている。起伏用ウィンチ6kは、旋回フレーム4上に搭載されており、起伏ロープ6iの巻取り/繰出しを行うことにより下部スプレッダ6hに対する上部スプレッダ6gの離間距離を縮小/拡大させ、それによってブーム6aを起伏させる。
また、上部旋回体2の後部には、吊り作業時の車体の安定化を図るためのカウンタウェイト8が設けられている。このカウンタウェイト8は、旋回フレーム4の後部に積載されている。
下部走行体3は、自走可能に構成されているとともに、上部旋回体2を下から支持するものである。以下の説明において、下部走行体3の前進する方向が下部走行体3における前方に相当し、その前方と反対側の方向が下部走行体3における後方に相当する。また、その下部走行体3の前後方向に直交する水平方向が下部走行体3の幅方向に相当し、下部走行体3の前方を向いた状態における左側が下部走行体3の左方に相当し、下部走行体3の前方を向いた状態における右側が下部走行体3の右方に相当する。
下部走行体3は、図2に示すように、下部フレーム10と、旋回ベアリング12と、左クローラ14と、右クローラ16と、2本の左油圧シリンダ18と、2本の右油圧シリンダ20とを備える。
下部フレーム10は、上部旋回体2が地面に対して垂直な軸回りに旋回自在となるようにその上部旋回体2の旋回フレーム4を旋回ベアリング12を介して下から支持するカーボディ22と、左クローラ14を支持する2本の左アクスル24と、右クローラ16を支持する2本の右アクスル26とを有する。
カーボディ22は、上から見て略矩形状を呈しており、そのカーボディ22上に円形の旋回ベアリング12が取り付けられている。旋回フレーム4は、旋回ベアリング12上に搭載され、その旋回ベアリング12によって、旋回自在となるように支持されている。すなわち、旋回ベアリング12の中心が、旋回フレーム4(上部旋回体2)の旋回中心C1に相当する。
2本の左アクスル24のうちの一方の左アクスル24は、カーボディ22の前部の左端から左方へ延びるようにカーボディ22に設けられ、他方の左アクスル24は、カーボディ22の後部の左端から左方へ延びるようにカーボディ22に設けられている。両左アクスル24は、互いに平行に下部走行体3の幅方向に延びており、前後方向において互いに間隔をあけて配置されている。以下、前記一方の左アクスル24を前側の左アクスル24といい、前記他方の左アクスル24を後側の左アクスル24という。
2本の右アクスル26のうちの一方の右アクスル26は、カーボディ22の前部の右端から右方へ延びるようにカーボディ22に設けられ、他方の右アクスル26は、カーボディ22の後部の右端から右方へ延びるようにカーボディ22に設けられている。両右アクスル26は、互いに平行に下部走行体3の幅方向に延びており、前後方向において互いに間隔をあけて配置されている。以下、前記一方の右アクスル26を前側の右アクスル26といい、前記他方の右アクスル26を後側の右アクスル26という。
下部走行体3の幅方向における下部フレーム10の寸法、すなわち左アクスル24の左端(先端)から対応する右アクスル26の右端(先端)までの寸法は、公道におけるクレーン輸送時の長さ制限の上限値以下の所定寸法に設定されている。なお、好ましくは、当該下部フレーム10の寸法は、公道におけるクレーン輸送時の長さ制限の上限値に等しい寸法に設定されている。また、下部走行体3(下部フレーム10)の幅方向における左アクスル24の長さは、同幅方向における右アクスル26の長さよりも大きい長さに設定されている。この構成により、上部旋回体2の旋回中心C1は、下部走行体3の幅方向における下部フレーム10の中心位置C2から右側にずれた位置に配置されている。
左クローラ14と右クローラ16は、クローラクレーンの走行に用いられるものであり、地面に対して下部フレーム10を支える。左クローラ14は、カーボディ22に対して左側に配置され、右クローラ16は、カーボディ22に対して右側に配置されている。
左クローラ14は、無端状の図略のクローラベルトと、そのクローラベルトが取り付けられる左クローラフレーム32と、クローラベルトを左クローラフレーム32の周りに巡廻させる図略の左側駆動機構とを有する。また、右クローラ16は、左クローラ14と同様の構成を有しており、無端状のクローラベルト34(図1参照)と、クローラベルト34が取り付けられる右クローラフレーム36と、クローラベルト34を右クローラフレーム36の周りに巡廻させる図略の右側駆動機構とを有する。左クローラ14のクローラベルトと右クローラ16のクローラベルト34を巡廻させることによって、下部走行体3が走行するようになっている。
左クローラフレーム32は、下部走行体3の前後方向に細長い箱形に形成されている。左クローラフレーム32には、当該左クローラフレーム32の右側面から左側面へ貫通する2つの左貫通孔32aが設けられている。2つの左貫通孔32aは、2本の左アクスル24と対応するように前後方向に間隔をあけて配置されている。前側の左貫通孔32aには、前側の左アクスル24が挿入されており、後側の左貫通孔32aには、後側の左アクスル24が挿入されている。この構成により、左クローラフレーム32は、左アクスル24に沿って下部走行体3の幅方向に移動可能な状態で2本の左アクスル24によって支持されている。
右クローラフレーム36は、左クローラフレーム32と左右対称の形状を有し、前記2つの左貫通孔32aと同様の2つの右貫通孔36aが設けられている。前側の右貫通孔36aには、前側の右アクスル26が挿入されており、後側の右貫通孔36aには、後側の右アクスル26が挿入されている。この構成により、右クローラフレーム36は、右アクスル26に沿って下部走行体3の幅方向に移動可能な状態で2本の右アクスル26によって支持されている。
2本の左油圧シリンダ18は、カーボディ22の中央部と左クローラフレーム32との間に架設されている。左油圧シリンダ18は、伸縮することにより、下部走行体3の幅方向に左クローラ14を移動させる。詳しくは、左油圧シリンダ18は、左クローラ14が左アクスル24の先端部(左端部)に位置する左張出位置(図2参照)と、左クローラ14がカーボディ22の左側面に近接する左内側位置(図3参照)との間で左クローラ14を移動させる。
2本の右油圧シリンダ20は、カーボディ22の中央部と右クローラフレーム36との
間に架設されている。右油圧シリンダ20は、伸縮することにより、下部走行体3の幅方向に右クローラ16を移動させる。詳しくは、右油圧シリンダ20は、右クローラ16が右アクスル26の先端部(右端部)に位置する右張出位置(図2参照)と、右クローラ16がカーボディ22の右側面に近接する右内側位置(図3参照)との間で右クローラ16を移動させる。
この第1実施形態のクローラクレーンの輸送時には、上部旋回体2が下部走行体3から取り外されるとともに、下部フレーム10の左アクスル24と左油圧シリンダ18から左クローラ14が取り外され、下部フレーム10の右アクスル26と右油圧シリンダ20から右クローラ16が取り外される。このように分解された各部材は、トレーラ等の輸送車両に積載されて公道を通って輸送される。この際、下部フレーム10は、その幅方向(アクスル24,26の延びる方向)が輸送車両の車長方向(前後方向)に一致する状態で輸送車両に積載される。
また、この第1実施形態のクローラクレーンでは、吊り作業時には、左クローラ14と右クローラ16とをそれぞれ対応する張出位置(図2参照)に配置する。そして、特に荷重が大きい吊荷を吊る場合には、左クローラ14の左側方に吊荷が位置するようにクローラクレーン(下部走行体3)を配置し、上部旋回体2の前部が下部走行体3の左クローラ14側を向く状態でアタッチメント6により吊り作業を行う。
ここで、下部走行体3の左アクスル24は、下部走行体3の幅方向における右アクスル26の長さよりも大きい同方向の長さを有するため、左アクスル24の先端(左端)から右アクスル26の先端(右端)までの下部フレーム10の寸法がクレーン輸送時の長さ制限の上限値以下の所定寸法に設定されていても、下部走行体3の幅方向における上部旋回体2の旋回中心C1から左張出位置の左クローラ14の左外側端までの距離は、左右の両アクスルが均等な長さを有する場合における同距離よりも大きくなる。このため、図4に示すように、上部旋回体2の前部が左クローラ14側を向いて下部走行体3の左側方で吊荷を吊る吊り作業において、左張出位置の左クローラ14の左外側端の位置に相当するクローラクレーンの転倒支点から上部旋回体2の後部のカウンタウェイト8の重心位置までの距離に相当するモーメントアームLの長さは、図4(A)に示す左右の両アクスル24,26が均等な長さを有する比較例の場合に比べて、図4(B)に示す当該第1実施形態の場合の方が大きくなる。このため、この第1実施形態では、下部走行体3の左側方で吊荷を吊る吊り作業時に車体の安定性を向上させることができ、荷重の大きい吊荷を吊ったとしてもクローラクレーンの転倒を防ぐことができる。
また、上記の構成により、上部旋回体2の旋回中心C1は、上部旋回体2の前部が左クローラ14側を向いた状態で、右張出位置に配置された右クローラ16の右外側端よりも下部走行体3の幅方向において右外側にカウンタウェイト8の重心位置が配置されるような位置に設定されている。このため、上部旋回体2の前部が左クローラ14側を向く状態での吊り作業において、クローラクレーンの転倒支点からカウンタウェイト8の重心位置をより遠ざけることができる。その結果、前記モーメントアームLの長さをより大きくすることができ、吊り作業時の車体の安定性をより向上させることができる。
また、この第1実施形態によるクローラクレーンでは、上述のように、左アクスル24の先端(左端)から右アクスル26の先端(右端)までの下部フレーム10の寸法がクレーン輸送時の長さ制限の上限値以下の所定寸法に設定されていても、吊り作業時の車体の安定性を向上させることができることから、クローラクレーンの輸送時の長さ制限を満たしつつ、吊り作業時の車体の安定性を向上させることができる。
また、この第1実施形態では、下部構造体3の左右のアクスル24,26の長さを異ならせるだけで前記モーメントアームLの長さを大きくして吊り作業時の車体の安定性を向上させることができ、カウンタウェイト8を旋回中心C1から遠ざけるために上部旋回体2を後方へ延長する必要がない。このため、上部旋回体2の後端の旋回半径が大きくなって上部旋回体2の周囲に大きなスペースを確保する必要が生じたり、上部旋回体2が大型化及び大重量化して、上部旋回体2の輸送にかかる労力が増大したり、上部旋回体2を支持するカーボディ22の強度及び剛性が不足したりするといった問題が生じるのを回避できる。
なお、この第1実施形態では、上部旋回体2の前部が左クローラ14側を向き且つ上部旋回体2の前後方向が下部走行体3の幅方向に一致した状態で前記モーメントアームLの長さが最も大きくなるため、この状態が車体の安定性が最も向上する状態であるが、この状態から上部旋回体2が両側に多少旋回した範囲でも、吊り作業時の車体の安定性の向上効果が得られる。また、荷重があまり大きくない吊荷を吊る場合には、上部旋回体2の前部が左クローラ14側以外の方向を向く状態、すなわち下部走行体3の前方や、右クローラ16側、下部走行体3の後方を向く状態で吊り作業を行っても、車体の安定性を確保することができる。
以上のような構成から、この第1実施形態によるクローラクレーンの転倒に対する安定性を確保可能な吊り作業範囲は、図5に示されるような範囲になる。下部走行体3の左方へアタッチメント6のブーム6aを比較的寝かせた状態(ブーム6aの起立角度を小さくした状態)で吊荷を吊ることにより左方への転倒モーメントが大きくなっても、当該第1実施形態の下部走行体3の構造によって前記モーメントアームLの長さが大きくなっていることから、その左方への転倒モーメントをカウンタウェイト8のモーメントで相殺することができる。このため、下部走行体3の左方での吊り作業時には、それ以外の方向での吊り作業時に比べて、ブーム6aをより寝かせた状態で吊り作業を行うことができ、その結果、下部走行体3の左方での吊り作業範囲Aは、他の方向での吊り作業範囲に比べて大きくなる。
また、この第1実施形態では、左クローラフレーム32に左貫通孔32aを設けるとともに右クローラフレーム36に右貫通孔36aを設けるだけで、左右のクローラ14,16を対応するアクスル24,26に沿ってそれぞれ張出位置と内側位置との間で移動させることが可能な構造が構成されている。このため、左右のクローラ14,16をそれぞれ張出位置と内側位置との間で移動させることが可能な構造を簡素な構造で実現することができる。また、この第1実施形態では、左張出位置に配置された左クローラ14の左外側端から上部旋回体2の旋回中心C1までの下部走行体3の幅方向における距離は、右張出位置に配置された右クローラ16の右外側端から上部旋回体2の旋回中心C1までの同方向における距離よりも大きくなっている。このため、左右のクローラ14,16を各々の張出位置と内側位置との間で移動可能としつつ、上部旋回体2の前部が左クローラ14側を向く状態の吊り作業において左張出位置に配置された左クローラ14の外側端の位置に相当するクレーンの転倒支点からカウンタウェイト8の重心位置を遠ざけることが可能となっている。
(第2実施形態)
次に、図6及び図7を参照して、本発明の第2実施形態によるクローラクレーンについて説明する。
この第2実施形態によるクローラクレーンでは、左アクスル24は、下部走行体3の幅方向においてカーボディ22から左側へ延びるように伸長した状態とカーボディ22側へ収縮した状態とを取り得るように伸縮可能に構成されており、右アクスル26は、下部走行体3の幅方向においてカーボディ22から右側へ延びるように伸長した状態とカーボディ22側へ収縮した状態とを取り得るように伸縮可能に構成されている。
具体的に、左アクスル24は、カーボディ22の前端と後端とにそれぞれ設けられており、その各左アクスル24は、左アクスル収容部40及び左アクスル伸長部42をそれぞれ有する。
前側の左アクスル24の左アクスル収容部40は、カーボディ22の前端に固定的に設けられており、後側の左アクスル24の左アクスル収容部40は、カーボディ22の後端に固定的に設けられている。これら前側及び後側の左アクスル収容部40は、下部走行体3の幅方向に延びる角筒状に形成されている。
前側の左アクスル伸長部42は、前側の左アクスル収容部40に対して下部走行体3の幅方向に進退自在となるようにその左アクスル収容部40内に挿入されて支持されており、後側の左アクスル伸長部42は、後側の左アクスル収容部40に対して下部走行体3の幅方向に進退自在となるようにその左アクスル収容部40内に挿入されて支持されている。各左アクスル伸長部42は、図6に示されているように対応する左アクスル収容部40から左側へ最大に進出してカーボディ22の左端から大きく左方へ突出して延びる位置と、図7に示されているように対応する左アクスル収容部40側に退避してその左アクスル収容部40内に収容される位置との間で移動可能となっている。各左アクスル伸長部42の先端(左端)には、ブラケット46が設けられており、このブラケット46が左クローラフレーム32の右側面に設けられた対応するブラケット48と結合することによって各左アクスル24の先端部に左クローラフレーム32が取り付けられている。左アクスル伸長部42の先端に設けられたブラケット46と左クローラフレーム32に設けられたブラケット48とは、互いに分離可能に結合している。このため、左クローラフレーム32は、左アクスル24に対して着脱可能となっている。
右アクスル26は、カーボディ22の前端と後端とにそれぞれ設けられており、その各右アクスル26は、右アクスル収容部50及び右アクスル伸長部52をそれぞれ有する。
前側の右アクスル収容部50は、前側の左アクスル収容部40と一体的に形成されていてその前側の左アクスル収容部40の右側に配置されており、カーボディ22の前端に固定的に設けられている。後側の右アクスル収容部50は、後側の左アクスル収容部40と一体的に形成されていてその後側の左アクスル収容部40の右側に配置されており、カーボディ22の後端に固定的に設けられている。前側及び後側の右アクスル収容部50は、下部走行体3の幅方向に延びる角筒状に形成されている。
前側の右アクスル伸長部52は、前側の右アクスル収容部50に対して下部走行体3の幅方向に進退自在となるようにその右アクスル収容部50内に挿入されて支持されており、後側の右アクスル伸長部52は、後側の右アクスル収容部50に対して下部走行体3の幅方向に進退自在となるようにその右アクスル収容部50内に挿入されて支持されている。各右アクスル伸長部52は、図6に示されているように対応する右アクスル収容部50から右側へ最大に進出してカーボディ22の右端から大きく右方へ突出して延びる位置と、図7に示されているように対応する右アクスル収容部50側に退避してその右アクスル収容部50内に収容される位置との間で移動可能となっている。各右アクスル伸長部52の先端(右端)には、ブラケット54が設けられており、このブラケット54が右クローラフレーム36の左側面に設けられた対応するブラケット56と結合することによって各右アクスル26の先端部に右クローラフレーム36が取り付けられている。右アクスル伸長部52の先端に設けられたブラケット54と右クローラフレーム36に設けられたブラケット56とは、互いに分離可能に結合している。このため、右クローラフレーム36は、右アクスル26に対して着脱可能となっている。
各左アクスル伸長部42が対応する左アクスル収容部40から最も進出した状態(図6参照)、すなわち各左アクスル24が最も伸長した状態において、左アクスル伸長部42の先端部に取り付けられた左クローラ14は、最も左外側の左張出位置に配置され、各右アクスル伸長部52が対応する右アクスル収容部50から最も進出した状態(図6参照)、すなわち各右アクスル26が最も伸長した状態において、その右アクスル伸長部52の先端部に取り付けられた右クローラ16は、最も右外側の右張出位置に配置される。また、各左アクスル伸長部42が対応する左アクスル収容部40側に最も退避した状態(図7参照)において、左クローラ14は、カーボディ22の左端部に近接した左内側位置に配置され、各右アクスル伸長部52が対応する右アクスル収容部50側に最も退避した状態(図7参照)において、右クローラ16は、カーボディ22の右端部に近接した右内側位置に配置される。
そして、この第2実施形態では、左アクスル伸長部42が、下部走行体3の幅方向における右アクスル伸長部52の長さよりも大きい同方向の長さを有しており、それによって、左アクスル24が最も伸長した状態における当該左アクスル24の長さは、右アクスル26が最も伸長した状態における当該右アクスル26の長さよりも大きくなっている。その結果、左クローラ14が左張出位置に配置されるとともに右クローラ16が右張出位置に配置された状態において、左クローラ14の左外側端から上部旋回体2の旋回中心C1までの下部走行体3の幅方向における距離は、右クローラ16の右外側端から上部旋回体2の旋回中心C1までの同方向における距離よりも大きくなっている。また、左クローラ14の左外側端から上部旋回体2の旋回中心C1までの下部走行体3の幅方向における距離は、下部走行体3の前後方向における旋回中心C1から両クローラ14,16の前端までの距離及び旋回中心C1から両クローラ14,16の後端までの距離よりも大きくなっている。
この第2実施形態のクローラクレーンは、両アクスル24,26が最も伸長し、左右の両クローラ14,16がそれぞれ対応する張出位置に配置された状態で吊り作業を行う。そして、この第2実施形態でも、上部旋回体2の旋回中心C1は、上部旋回体2の前部が左クローラ14側を向いた状態で、右張出位置に配置された右クローラ16の右外側端よりも下部走行体3の幅方向において右外側にカウンタウェイト8の重心位置が配置されるような位置に設定されている。
また、この第2実施形態によるクローラクレーンの輸送時には、下部フレーム10から左右のクローラ14,16が取り外されるとともに、左右のアクスル伸長部42,52が対応するアクスル収容部40,50側へ最も退避した状態(左右の両アクスル24,26が最も収縮した状態)にされ、その状態の下部フレーム10が輸送車両に積載されて輸送される。この際、下部フレーム10は、その幅方向(アクスル伸長部42,52の延びる方向)が輸送車両の車幅方向(左右方向)に一致する状態で輸送車両に積載される。このため、この左右のアクスル24,26が最も収縮した状態における下部フレーム10の左アクスル24の左端(先端)から右アクスル26の右端(先端)までの寸法は、クレーン輸送時の幅制限の上限値以下の所定寸法に設定されている。なお、好ましくは、当該寸法は、クレーン輸送時の幅制限の上限値に等しい寸法に設定されている。
この第2実施形態によるクローラクレーンの上記以外の構成は、上記第1実施形態によるクローラクレーンの構成と同様である。
この第2実施形態では、左右の両アクスル24,26が最も収縮した状態における下部フレーム10の左アクスル24の左端から対応する右アクスル26の右端までの寸法がクレーン輸送時の幅制限の上限値以下の所定寸法に設定されていても、最も伸長した状態の左アクスル24は、最も伸長した状態の右アクスル26の下部走行体3の幅方向における長さよりも大きい同方向の長さを有するため、下部走行体3の幅方向における上部旋回体2の旋回中心C1から左張出位置の左クローラ14の左外側端までの距離は、仮に左右の両アクスルが最も伸長した状態で均等な長さを有するように構成した場合における同距離よりも大きくなる。このため、当該第2実施形態では、上記第1実施形態と同様、下部走行体3の左側方で吊荷を吊る吊り作業時に車体の安定性を向上させることができ、クローラクレーンの輸送時の幅制限を満たしつつ、吊り作業時の車体の安定性を向上させることができる。また、当該第2実施形態では、上部旋回体2の後端の旋回半径が大きくなって上部旋回体2の周囲に大きなスペースを確保する必要が生じたり、上部旋回体2が大型化及び大重量化して、上部旋回体2の輸送にかかる労力が増大したり、上部旋回体2を支持するカーボディ22の強度及び剛性が不足したりするといった問題が生じるのを回避できるという点も、上記第1実施形態と同様である。
また、この第2実施形態では、左アクスル24と右アクスル26が下部走行体3の幅方向において伸縮可能に構成されているので、左右の両アクスル24,26をカーボディ22側に収縮させて下部走行体3(下部フレーム10)の幅を縮小させることができる。このため、クローラクレーンをその幅方向においてよりコンパクトにした状態で輸送することができる。また、この第2実施形態では、左張出位置に配置された左クローラ14の左外側端から上部旋回体2の旋回中心C1までの下部走行体3の幅方向における距離が、右張出位置に配置された右クローラ16の右外側端から上部旋回体2の旋回中心C1までの下部走行体3の幅方向における距離よりも大きい。このため、下部走行体3を幅方向にコンパクト化できるようにしつつ、上部旋回体2の前部が左クローラ14側を向く状態の吊り作業において左張出位置に配置された左クローラ14の左外側端の位置に相当するクレーンの転倒支点からカウンタウェイト8の重心位置を遠ざけることが可能となっている。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、また、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
例えば、上記したクローラクレーンの構成が左右逆となっていてもよい。具体的には、下部走行体の左右の幅方向における右アクスルの長さが、同方向における左アクスルの長さよりも大きくてもよい。例えば、上記第1実施形態のように左右のアクスルの長さが固定されている構成では、その右アクスルの長さが左アクスルの長さよりも大きい長さに設定されていてもよい。また、上記第2実施形態のように左右のアクスルが伸縮する構成では、右アクスル伸長部の長さが左アクスル伸長部の長さよりも大きい長さに設定されていてもよい。すなわち、最も伸長した状態における右アクスルの長さが、最も伸長した状態における左アクスルの長さよりも大きい長さに設定されていてもよい。これらの構成では、右クローラの右側方において吊り作業を行うことにより、転倒に対する車体の安定性を向上できる。
2 上部旋回体
3 下部走行体
6 アタッチメント
14 左クローラ
16 右クローラ
22 カーボディ
24 左アクスル
26 右アクスル
32a 左貫通孔
36a 右貫通孔

Claims (4)

  1. 自走可能に構成された下部走行体と、
    前記下部走行体上に搭載され、吊り作業を行うためのアタッチメントが前部に設けられているとともにカウンタウェイトが後部に設けられた上部旋回体とを備え、
    前記下部走行体は、前記上部旋回体が旋回自在となるように前記上部旋回体を下から支持するカーボディと、前記カーボディの左側に配置された左クローラと、前記カーボディの右側に配置された右クローラと、前記カーボディの左端から左方に突出するように設けられていて前記左クローラを支持する左アクスルと、前記カーボディの右端から右方に突出するように設けられていて前記右クローラを支持する右アクスルとを有し、
    前記左クローラは、前記左アクスルの先端部で支持されて前記下部走行体の幅方向において最も左側に張り出した左張出位置と前記カーボディの左端に近接した左内側位置との間で前記下部走行体の幅方向に移動可能となるように前記左アクスルによって支持され、
    前記右クローラは、前記右アクスルの先端部で支持されて前記下部走行体の幅方向において最も右側に張り出した右張出位置と前記カーボディの右端に近接した右内側位置との間で前記下部走行体の幅方向に移動可能となるように前記右アクスルによって支持され、
    前記左張出位置に配置された前記左クローラと前記右張出位置に配置された前記右クローラとのうちの一方のクローラの外側端から前記上部旋回体の旋回中心までの前記下部走行体の幅方向における距離が前記左張出位置に配置された前記左クローラと前記右張出位置に配置された前記右クローラとのうちの他方のクローラの外側端から前記上部旋回体の旋回中心までの前記下部走行体の幅方向における距離よりも大きくなるように、前記左アクスルと前記右アクスルのうち前記一方のクローラを先端部で支持している一方のアクスルの前記カーボディから突出した部分は、前記左アクスルと前記右アクスルのうち前記他方のクローラを先端部で支持している他方のアクスルの前記カーボディから突出した部分の前記下部走行体の幅方向における長さよりも大きい同方向の長さを有し、
    前記他方のクローラを先端部で支持している前記他方のアクスルの前記カーボディから突出した部分の前記下部走行体の幅方向における長さは、前記上部旋回体の前部が前記一方のクローラ側を向いた状態でその上部旋回体の後部に設けられた前記カウンタウェイトの重心位置が前記他方のクローラの外側端よりも外側に配置されるような長さに設定されている、クローラクレーン。
  2. 前記一方のクローラの外側端から前記上部旋回体の旋回中心までの前記下部走行体の幅方向における距離は、前記下部走行体の前後方向における前記旋回中心から前記左クローラ及び前記右クローラの前端までの距離及び前記下部走行体の前後方向における前記旋回中心から前記左クローラ及び前記右クローラの後端までの距離よりも大きい、請求項1に記載のクローラクレーン。
  3. 前記左アクスルは、前記カーボディの左端から左方へ延び、
    前記右アクスルは、前記カーボディの右端から右方へ延び、
    前記左クローラは、前記左アクスルが挿通される左貫通孔を有していて、前記左張出位置と前記左内側位置との間で前記左アクスルに沿って移動可能となるように前記左アクスルによって支持され、
    前記右クローラは、前記右アクスルが挿通される右貫通孔を有していて、前記右張出位置と前記右内側位置との間で前記右アクスルに沿って移動可能となるように前記右アクスルによって支持されている、請求項1又は2に記載のクローラクレーン。
  4. 前記左アクスルは、前記下部走行体の幅方向において前記カーボディから左側へ延びるように伸長した状態と前記カーボディ側へ収縮した状態とを取り得るように伸縮可能に構成され、
    前記右アクスルは、前記下部走行体の幅方向において前記カーボディから右側へ延びるように伸長した状態と前記カーボディ側へ収縮した状態とを取り得るように伸縮可能に構成され、
    前記左クローラは、前記左アクスルの先端部に取り付けられていて、前記左アクスルが最も伸長した状態で前記左張出位置に配置され、
    前記右クローラは、前記右アクスルの先端部に取り付けられていて、前記右アクスルが最も伸長した状態で前記右張出位置に配置されている、請求項1又は2に記載のクローラクレーン。
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