JP6219216B2 - 小動物防獣ネット - Google Patents

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本発明は、防護柵の下部から小動物が敷地内に進入するのを防止するための防獣ネットに関し、特に山野と自動車道路の境界に設置された防護柵の下部から小動物が自動車道路に進入するのを防止するための防獣ネットに関するものである。
山野を通過する高速道路においては、走行中の車両と野生動物との衝突事故が発生している。NEXCO西日本で発表された統計によると、平成18年に管内で発生したロードキルは14,729件であり、このうち最も多いのはタヌキで全体の45%を占め、続いて鳥、犬・猫である。タヌキは夜間に行動するが、高速道路と山野の境界に起立して設置した防護柵の下部のすき間などから侵入し、自動車のヘッドライトを見てすくんでしまう性質が災いしていると考えられる。また、鳥類は道路で災禍にあった動物の死肉を求めて飛来するものがあり、二次的なロードキルの一因となっている。
タヌキ等の高速道路内への進入を防止するため、従来より、山野と高速道路の境界に起立して設置した防護柵の下部に弾性及び剛性のある合成樹脂製網状体を、小動物防獣ネットとして付設することが行われている(特許文献1)。付設構造の具体例としては、図1に示すように、防護柵1の下部に沿って合成樹脂製網状体よりなる小動物防獣ネット2を垂下させると共に山野側の地盤に沿って敷設することが行われている。そして、合成樹脂製網状体よりなる小動物防獣ネット2は、防護柵1の支柱の箇所で結束バンド3等で固定されており、小動物防獣ネット2と地盤とはアンカーピン4等で固定されて、敷設されている。特許文献1において提案されている合成樹脂製網状体は、図2に示したように、弾性及び剛性のあるポリエステルモノフィラメント21よりなる亀甲網で構成されるものである。かかる亀甲網は、各ポリエステルモノフィラメント21を左右に折り曲げながら、結節箇所では撚り合わせるという方法で得られるものである。しかしながら、かかる方法は、結節箇所において弾性及び剛性のあるポリエステルモノフィラメント21同士を撚り合わせなければならず、小動物防獣ネットの製造方法としては不合理であるという欠点があった。
特許第5311198号公報
本発明の課題は、合理的な製造方法で得られる小動物防獣ネットを提供することにあり、特に、弾性及び剛性のある小動物防獣ネットを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、特定の糸を慣用の編織機械で編織してネットを得た後に、熱処理することによって、弾性及び剛性のある小動物防獣ネットを得たものである。すなわち、本発明は、起立して設置された防護柵の下部に付設される小動物防獣ネットにおいて、前記小動物防獣ネットは、経糸及び緯糸が格子状に配列されると共に、角目を持つネット状編織物で構成されており、前記経糸及び緯糸は、芯成分が高融点重合体で鞘成分が低融点重合体よりなる芯鞘型複合長繊維が多数本集束されてなるマルチフィラメント糸を素材とするものであり、前記鞘成分の溶融固化によって、前記マルチフィラメント糸を構成する前記芯鞘型複合長繊維相互間が融着して一体化していると共に、経糸及び緯糸の交錯点で融着していることを特徴とする小動物防獣ネットに関するものである。
本発明に係る小動物防獣ネットは、起立して設置された防護柵の下部に付設されるものである。付設構造の一具体例としては、図1に示したとおりであり、防護柵1の下部に沿って小動物防護ネット2を垂下させると共に山野側の地盤に沿って敷設する構造が挙げられる。
小動物用防獣ネットは、経糸及び緯糸が格子状に配列されると共に、角目を持つネット状編織物で構成されている。経糸及び緯糸が格子状に配列され、角目を持つネット状編織物の代表例としては、ラッセル編物や絡み織物を挙げることができる。
ラッセル編物の場合、鎖編糸及び挿入糸が経糸となり挿入糸が緯糸となる。ラッセル編物の編組織の一例としては、図3に示す編組織を挙げることができ、慣用のラッセル編機で編成することができる。この編組織を説明すると、以下のとおりである。4本の鎖編糸5a,5b,5c及び5dが、各々、第一ウェール、第二ウェール、第三ウェール及び第四ウェールにある。挿入糸6aは、第一コースにおいて鎖編糸5aに挿入されており、第一コースから第二コースに移動する際に、第二ウェールに飛んで鎖編糸5bに挿入され、第三コース、第四コース、第五コース及び第六コースまで鎖編糸5bに挿入される。この後、第七コースに移動する際に、挿入糸6aは再び第一ウェールに飛んで鎖編糸5aに挿入され、その後第八コース、第九コース、第十コース及び第十一コース(後二者は図示せず)まで鎖編糸5aに挿入され、第十二コース(図示せず)に移動する際に、第二ウェールに飛んで鎖編糸5bに挿入されるのである。一方、挿入糸6dは、第一コースにおいて鎖編糸5bに挿入されており、第一コースから第二コースに移動する際に、第一ウェールに飛んで鎖編糸5aに挿入され、第三コース、第四コース、第五コース及び第六コースまで鎖編糸5aに挿入される。この後、第七コースに移動する際に、挿入糸6dは再び第二ウェールに飛んで鎖編糸5bに挿入され、その後第八コース、第九コース、第十コース及び第十一コース(後ろ二者は図示せず)まで鎖編糸5bに挿入され、第十二コース(図示せず)に移動する際に、第一ウェールに飛んで鎖編糸5aに挿入されるのである。挿入糸6c,6e及び6gは、各々、第二ウェール、第三ウェール及び第四ウェールにおいて、挿入糸6aと同様の動きとなる。また、挿入糸6b,6f,6hは、各々、第一ウェール、第三ウェール及び第四ウェールにおいて、挿入糸6dと同様の動きとなる。かかるラッセル編物は、第二コースから第六コースに至る間で、各挿入糸が各ウェール間を飛んでいないので、このコース及びウェール間で角目が生じることになる。したがって、経糸は鎖編糸1本と挿入糸2本が一体となったものであり、緯糸は挿入糸2本が一体となったものである。
図3に示す編組織では、各挿入糸は隣のウエールに飛んでいるが、隣のウエールではなく1ウェールを挿通して2ウエール飛んでいてもよいし、3ウエール以上飛んでいてもよい。この飛ぶウェールが多くなればなるほど、緯糸となる挿入糸の本数が増加して、一体となった緯糸の剛性が高くなる。すなわち、挿入糸が2ウエール飛んでいると、緯糸となる挿入糸は3本となり、また挿入糸が3ウエール飛んでいると、緯糸となる挿入糸は4本となり、これらが一体となって剛性が高くなるのである。また、図3に示す編組織は、5コース毎に挿入糸が隣のウエールに飛んでいるが、5コース以上置いて挿入糸を隣のウエールに飛ばしてもよいし、5コース未満で挿入糸を隣のウエールに飛ばしてもよい。これによって、角目の大きさを任意に変更することができる。角目の大きさは任意であるが、一般的に縦3.5cm以下で横3.5cm以下である。これよりも大きいと、小動物が角目から通り抜ける可能性があり、またタヌキ等が前足や後足を差し入れて、地盤を掘ってトンネルを作る可能性がある。
絡み織物の場合、緯糸と2本の経糸とで織成される。絡み織物は、各経糸を通す筬を2個備えた慣用の織機を用いることで製織することができる。絡み織物は周知の織物であって、経糸を通す筬を動かして、2本の経糸を捩ると共に、捩った経糸間に緯糸を挿入して製織したものである。2本の経糸が一体となることによって、緯糸はずれることがなく、剛性の高い小動物防獣ネットとなる。緯糸の挿入間隔を調整することによって、任意の大きさの角目を得ることができる。
ネット状編織物を構成している経糸及び緯糸には、芯成分が高融点重合体で鞘成分が低融点重合体よりなる芯鞘型複合長繊維が多数本集束されてなるマルチフィラメント糸を素材とするものが用いられる。高融点重合体と低融点重合体の融点差(各重合体に明確な融点がない場合には軟化点差)は任意であるが、一般的に20℃以上であるのが好ましい。20℃未満であると、低融点重合体のみを溶融しにくくなるからである。各重合体の材料は任意であるが、一般的に、高融点重合体としてレギュラーポリエステルが用いられ、低融点重合体として低融点ポリエステルが用いられる。ポリエステルは耐候性に優れていると共に機械的強度も優れているからである。また、各重合体にカーボンブラック等の黒色顔料が混練された重合体を用い原着黒色繊維としてもよい。芯鞘型複合長繊維は、高融点重合体が芯成分となり、低融点重合体が鞘成分となっているもので、同心芯鞘型であっても偏心芯鞘型であってもよい。一般的に、熱処理によって長繊維が捲縮しにくい同心芯鞘型複合長繊維が用いられる。芯鞘型複合長繊維の繊度は任意であるが、一般的に5〜15デシテックス程度である。5デシテックス未満であると集束する本数を極めて多くしなければならないので、煩雑である。また、15デシテックスを超えると、剛性が高くなるので、製編織しにくくなる。
かかる芯鞘型複合長繊維が多数本集束されてなるマルチフィラメント糸を、製編織時における経糸及び緯糸として用いる。なお、ラッセル編物の場合は、経糸として用いたものは鎖編糸となり、緯糸として用いたものは挿入糸となる。芯鞘型複合長繊維を集束する際に、他の高融点長繊維たとえばレギュラーポリエステル長繊維の複数本を追加して共に集束してもよい。集束する本数も任意であるが、一般的に1000〜6000本である。1000本未満であると、ネット状編織物の剛性が低下する傾向となる。また、6000本以上であると、ネット状編織物の剛性が高くなりすぎて、曲げにくくなる傾向が生じる。
経糸及び緯糸として用いられたマルチフィラメント糸は、製編織後に低融点成分の融点以上で高融点成分の融点以下の温度で熱処理が施され、低融点成分のみが溶融して、各芯鞘型複合長繊維相互間が融着する。これによって、経糸及び緯糸は一体になる。一体となった経糸及び緯糸の径は、1〜4mm程度である。また、経糸及び緯糸の交錯点でも融着して一体となる。一方、高融点成分は溶融せずに、当初の長繊維形態を維持している。したがって、低融点成分が溶融固化したものの内部に、高融点成分よりなる芯成分が長繊維形態を保って内在しており、得られるネット状編織物は、伸度が低く、高引張強度で高剛性で、切創性(切断性)に優れたものとなり、小動物の加える力によって、変形したり破断したり、或いは食いちぎられたりしにくいものである。また、芯鞘型複合長繊維として原着繊維を用いると、黒色のネット状編織物となり、小動物を含む各種動物が近づきにくくなる。動物の種類にもよるが、イノシシやタヌキは黒色の物を穴と間違えやすいからである。
以上のネット状編織物は、起立して設置された防護柵の下部に付設されて、小動物防獣ネットとなる。付設の具体例は、たとえば図1に示したとおりであり、防護柵1の下部に沿って小動物防獣ネット2を垂下させると共に山野側の地盤に沿って敷設する。ラッセル編物よりなるネット状編織物の場合は、挿入糸(緯糸)側を垂直にして付設構造とするのがよい。挿入糸側の方が挿入糸の飛ばし方により剛性を調整しうるからである。すなわち、曲げやすくもできるし、曲げにくくして地盤に対する圧を上げることもできる。一般的に、小動物防獣ネット2は、防護柵1の支柱の箇所で結束バンド3等で固定されており、小動物防獣ネット2と地盤とはアンカーピン4等で固定されて敷設されている。黒色の小動物防獣ネット2を地盤に敷設する際に、防護柵1から山野側への距離は30cm以上とするのが好ましい。この理由は、イノシシ等の各種動物が近づくのを防止し、特にイノシシが防護柵1を飛び越えるのを防止するためである。なお、本明細書では、高速道路と山野の境界に小動物防獣ネットを付設することを主として説明したが、本発明に係る小動物防獣ネットは、山野と住宅等の他の境界にも使用しうることは言うまでもない。
また、小動物防獣ネット2と地盤の間に防草シートを敷設しておくのも好ましいことである。防草シートを敷設しておくと、雑草の成長が抑制され草刈り作業が軽減される。また、防草シートも黒色とすることで、よりイノシシ等の動物が近づきにくくなる。防草シートとしては従来公知のものが用いられ、たとえば、ポリエステル不織布よりなるものなどを用いることができる。
本発明に係る小動物防獣ネットは、特定のマルチフィラメント糸を用いて、ラッセル編物や絡み織物を製編織して、熱処理するだけで得られるものであるため、特許文献1に記載された小動物防獣ネットに比べて、合理的に得ることができるという効果を奏する。
また、用いるマルチフィラメント糸は、芯成分が高融点重合体で鞘成分が低融点重合体よりなる芯鞘型複合長繊維が多数本集束されてなるマルチフィラメント糸を素材とするものであり、この鞘成分のみの溶融固化によって、マルチフィラメント糸を構成する芯鞘型複合長繊維相互間が融着して一体化している。また、経糸及び緯糸の交錯点も、鞘成分のみの溶融固化によって、融着して一体化している。一方、芯成分は当初の長繊維の形態を維持したままである。したがって、低伸度、高引張強度及び切創性(切断性)に優れており、小動物等による変形、破断及び噛み切りが生じにくく、小動物防獣ネットの寿命が長くなるという効果を奏する。また、高剛性であるため、曲げて付設構造としたとき、地盤及び防護柵に対する圧が高くなり、小動物が地盤や防護柵から防獣ネットをまくり上げるのを防止しうるという効果も奏する。
実施例1
以下のマルチフィラメント糸A及びマルチフィラメント糸Bを準備した。
マルチフィラメント糸A:鞘成分が融点160℃の共重合ポリエステル(低融点重合体)よりなり、芯成分が融点260℃のポリエチレンテレフタレート(高融点重合体、レギュラーポリエステル)よりなる芯鞘型複合長繊維よりなる1670デシテックス/192フィラメント(ユニチカ株式会社製:「メルセット」)のマルチフィラメント糸を9本引き揃えたものを、マルチフィラメント糸Aとした。したがって、マルチフィラメント糸Aは、15030デシテックス/1728フィラメントのマルチフィラメント糸ということになる。
マルチフィラメント糸B:上記で用いた1670デシテックス/192フィラメント(ユニチカ株式会社製:「メルセット」)のマルチフィラメント糸を12本合糸し、S方向に40回/mの撚数で撚った糸を2本引き揃えた糸をマルチフィラメントBとした。したがって、マルチフィラメントBは、40080デシテックス/4608フィラメントのマルチフィラメント糸ということになる。
マルチフィラメント糸Aを鎖編する糸とし、マルチフィラメントBを挿入糸として、ラッセル編機で図3の編組織となるように製編した。製編後、180℃で1分の条件で熱セット加工を施した。この熱セット加工によって、鞘成分である共重合ポリエステルは溶融固化した。そして、経糸となる鎖編糸及び挿入糸は一体化され、緯糸となる挿入糸も一体化された。経糸と緯糸の交錯点でも、鎖編糸及び挿入糸は一体化された。得られたネット状編物は、2.5cmの角目を持つものであった。このネット状編物を防護柵の下部に付設して小動物防獣ネットとして使用した。付設方法は、防護柵の下部に沿って垂下させると共に山野側の地盤に沿って敷設し、防護柵に2.5m間隔で設けられている支柱に結束バンドで固定した。また、山野側の地盤には、ポリエステル不織布よりなる防草シートを地盤に敷設した上に敷設した。防護柵から山野側への敷設距離は40cmとした。また、地盤上へはアンカーピンで固定した。
実施例2
以下のマルチフィラメント糸B及びマルチフィラメント糸Cを準備した。
マルチフィラメント糸B:実施例1で用いたマルチフィラメント糸Bを用いた。
マルチフィラメント糸C:実施例1で用いた1670デシテックス/192フィラメント(ユニチカ株式会社製:「メルセット」)のマルチフィラメント糸を4本引き揃えたものを、マルチフィラメント糸Cとした。したがって、マルチフィラメント糸Cは、6680デシテックス/768フィラメントのマルチフィラメント糸ということになる。
マルチフィラメント糸Cを鎖編する糸とし、マルチフィラメントBを挿入糸として、ラッセル編機で製編した。編組織は、挿入糸を飛ばす間隔を7コースとする他は、図3と同様の組織とした。製編後、実施例1と同一の条件で熱セット加工を施した。この熱セット加工によって、鞘成分である共重合ポリエステルは溶融固化した。そして、経糸となる鎖編糸及び挿入糸は一体化され、緯糸となる挿入糸も一体化された。経糸と緯糸の交錯点でも、鎖編糸及び挿入糸は一体化された。得られたネット状編物は、3.5cmの角目を持つものであった。このネット状編物を実施例1と同一の方法で防護柵の下部に付設して、小動物防獣ネットとした。
実施例1及び2で得られた小動物防獣ネットについて、以下の物性を測定し、表1に示した。
(1)引張強度(N/本):JISL1043−1992に基づいて測定した。経糸については、交錯点はそのままにして、1本の経糸を切り出して、その両端をつかみ間隔20cmで把持し、引張速度20cm/minで測定した。また、緯糸については、交錯点はそのままにして、1本の緯糸を切り出して、その両端をつかみ間隔20cmで把持し、引張速度20cm/minで測定した。
(2)伸度(%):引張強度を測定した際の最大強度を示したときの伸び率を測定した。
(3)切創性(N/本):ISO13997に定められた切創性試験装置TDM―100を用い、試験用刃物と1本の経糸又は緯糸との間に一定の力を加えながら、1本の経糸又は緯糸を輪切りに切断した。試験用刃物が1本の経糸又は緯糸の上を20mm移動させて、1本の経糸又は緯糸を切断しうる時に必要な切断荷重(N/ 本)を測定し、切創性を評価した。
(4)交錯点強度(N/個):引張強度を測定したときと同様に、交錯点はそのままにして、1本の経糸を切り出した。一方のクランプは経糸を把持し、他方のクランプはクランプに近接する交錯点の両側の緯糸を把持し、クランプ間のつかみ間隔を20cmとし、引張速度20cm/minで測定した。これを経糸の交錯点強度とした。また、交錯点はそのままにして、1本の緯糸を切り出した。一方のクランプは緯糸を把持し、他方のクランプはクランプに近接する交錯点の両側の経糸を把持し、クランプ間のつかみ間隔を20cmとし、引張速度20cm/minで測定した。これを緯糸の交錯点強度とした。
[表1]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
引張強度 伸 度 切 創 性 交錯点強度
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
経糸 1420 28.0 100以上 1670
実施例1 ────────────────────────────
緯糸 1256 25.9 59.1 1270
─────────────────────────────────
経糸 696 20.9 61.2 500
実施例2 ────────────────────────────
緯糸 665 8.6 25.1 356
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
表1に示したとおり、実施例1及び2に係る小動物防獣ネットは、各種機械的物性に優れたものであり、小動物による変形、切断及び噛み切りなどの生じにくいものであった。
防護柵に小動物防獣ネットが付設されている状態を示した模式的側面図である。 特許文献1に記載されている小動物防獣ネットを示した平面図である。 本発明の一例に係る小動物防獣ネットを製造する際に用いるラッセル編物の編組織図である。
1 防護柵
2 小動物防獣ネット
3 結束バンド
4 アンカーピン
5a,5b,5c,5d 鎖編糸
6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h 挿入糸
21 ポリエステルモノフィラメント

Claims (10)

  1. 起立して設置された防護柵の下部に付設される小動物防獣ネットにおいて、
    前記小動物防獣ネットは、経糸及び緯糸が格子状に配列されると共に、角目を持つネット状編織物で構成されており、
    前記経糸及び緯糸は、芯成分が高融点重合体で鞘成分が低融点重合体よりなる芯鞘型複合長繊維が多数本集束されてなるマルチフィラメント糸を素材とするものであり、前記鞘成分の溶融固化によって、前記マルチフィラメント糸を構成する前記芯鞘型複合長繊維相互間が融着して一体化していると共に、経糸及び緯糸の交錯点で融着していることを特徴とする小動物防獣ネット。
  2. ネット状編織物が、ラッセル編機で製編されたラッセル編物である請求項1記載の小動物防獣ネット。
  3. ラッセル編物は、経糸が鎖編糸及び挿入糸で形成されており、緯糸が挿入糸で形成されている請求項1記載の小動物防獣ネット。
  4. ネット状編織物が、織機で製織された絡み織物である請求項1記載の小動物防獣ネット。
  5. 角目の大きさは縦3.5cm以下で横3.5cm以下である請求項1記載の小動物防獣ネット。
  6. 黒色である請求項1記載の小動物防獣ネット。
  7. 請求項1記載の小動物防護ネットを、起立して設置された防護柵の下部に沿って垂下させると共に山野側の地盤に沿って敷設されていることを特徴とする小動物防護ネットの付設構造。
  8. 地盤と小動物防護ネットの間に、防草シートが敷設されている請求項7記載の小動物防護ネットの付設構造。
  9. 小動物防獣ネットが黒色であって、防護柵から山野側へ30cm以上敷設されている請求項7記載の小動物防護ネットの付設構造。
  10. 地盤とネット状編織物の間に、黒色の防草シートが敷設されている請求項9記載の小動物防護ネットの付設構造。
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