JP6218662B2 - シャーライン及びシャーラインの操業方法 - Google Patents
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Description
例えば、製缶(蓋)用の切板とする場合には、歩留まりを向上させるために、金属帯の搬送方向の端部(剪断される部分)が凹凸状になるように金属帯が剪断される(図2(b)、図2(c)を参照)。一方で、金属帯の搬送方向の両端部(剪断される部分)を凹凸状にせず直線状に剪断することも行われる(図2(a)を参照)。このように剪断形状が異なることから、一般に、これらの剪断は異なるシャーラインで行われる。
特許文献1に記載の技術では、ドラムシャーのドラムとして、直角剪断用のもの(直線状に剪断するもの)とスクロール剪断用のもの(凹凸状に剪断するもの)とを用意し、剪断形状に合わせてドラムを交換するようにしている。
また、特許文献2に記載の技術では、スクロールシャーとドラムシャーを移動ベース上に並列に配置し、剪断形状に合わせて、使用するシャーを入れ替えるようにしている。
鋼帯Bはピンチロール200を経由してトリマー300に送られる。トリマー300は、鋼帯Bの両側端部(X軸方向の端部)の切断(所謂耳切り)等を行う。トリマー300を出た鋼帯Bは、レベラー400に送られる。
レベラー400は、鋼帯Bの形状を矯正する。レベラー400を出た鋼帯Bは、ピンチロール500を経由してドラムシャー600に送られる。
本実施形態では、このようなドラムシャー600による剪断を行うときと行わないときとがある。図1Aでは、ドラムシャー600による剪断を行うときの状態を示し、図1Bでは、ドラムシャー600による剪断を行わないときの状態を示す。
本実施形態のドラムシャー600の特徴的な部分については後述する。
スクロールシャー700では、上側ダイ711aと下側ダイ711bとを有するダイセット710が取り付けられる場合と、エアーフロート搬送装置720が取り付けられる場合とがある。
本実施形態では、ダイセット710が取り付けられているときに、スクロールシャー700による剪断を行い、エアーフロート搬送装置720が取り付けられているときには、スクロールシャー700による剪断を行わない。図1Aでは、スクロールシャー700による剪断を行わないときの状態を示し、図1Bでは、スクロールシャー700による剪断を行うときの状態を示す。
本実施形態のスクロールシャー700の特徴的な部分については後述する。
搬送制御装置1000は、以上のシャーラインにおける各設備(ドラムシャー600及びスクロールシャー700等)の動作を制御するものであり、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、及び各種のインターフェースを備えたコンピュータシステムを用いて実現することができる。
まず、ドラムシャー600について説明する。
本実施形態では、上側ドラム610a及び下側ドラム610bの刃620a、620bが、鋼帯Bと接触しない所定の退避位置にあるときに、上側ドラム610aと下側ドラム610bとの間に、搬送中の鋼帯Bが、上側ドラム610a及び下側ドラム610bの少なくとも何れか一方に接触しないようにするための空間Sが形成されるようにする。
後者の実施形態では、上記スリーブの材料として樹脂等の軽量な材料を選択することにより、上側ドラム610a及び下側ドラム610bの重心が回転軸に略一致するようにできる。
図3は、基台730にダイセット710が取り付けられた状態のスクロールシャー700の一例を示す図である。図4は、基台730に何も取り付けられていない状態のスクロールシャー700の構成の一例を示す図である。図5は、基台730にエアーフロート搬送装置720が取り付けられた状態のスクロールシャー700の構成の一例を示す図である。図3〜図5の図(a)は、搬送方向(Y軸方向)に垂直な水平方向(X軸方向)に沿ってスクロールシャー700を見た図であり、図(b)は、搬送方向に沿ってスクロールシャー700を見た図である。
ダイセット710は、剪断用の刃712a、712bがそれぞれ取り付けられた上側ダイ711a、下側ダイ711bと、スライドガイド713とを含む部品が組み合わさって一体となったものである(図3(a)及び図3(b)のグレーで示されている部分を参照)。
図2(b)及び図2(c)に示すように、異なる仕様の切板Pを製造する場合には、ダイセット710を基台730から取り外す。これにより、図4(a)及び図4(b)に示すように、基台730には何も取り付けられない状態になる。そして、切板Pの仕様に応じた別のダイセット710を基台730に取り付ける。前述したようにダイセット710は一体となっている。このように、異なる仕様の切板Pを製造する際には、ダイセット710を交換すればよい。ダイセット710の交換時間は、ドラムシャー600における上側ドラム610a及び下側ドラム610bの交換時間に比べて短い。したがって、交換作業に要する労力が軽減される。
図6は、エアーフロート搬送装置720の構成の一例を示す図である。
エアー供給部721の上面の両側部以外の領域に複数のエアー噴射穴724が形成されている。また、エアー供給部721の上面の両側部の領域には、エアー導入穴725a、725bが形成されている。エアー供給部721の内部は空洞になっており、複数のエアー噴射穴724のそれぞれとエアー導入穴725a、725bは、エアー供給部721の内部で連通している。本実施形態では、エアー供給部721には、これら以外の穴は形成されていない。
取付部722、723には、エアーフロート搬送装置720を基台730に取り付けるための取付穴722a、723aが形成されている。
このエアーの噴射によって、スクロールシャー700を通過する切板Pが、ダイセット710が取り付けられた部分に落ち込まずに、スクロールシャー700の出側に搬送されるようにことができる。また、エアーを噴射して切板Pを搬送するので、切板Pに疵がつくことを抑制することができる。
本実施形態では、以上のダイセット710の交換作業時や、エアーフロート搬送装置720の取り付け作業時だけでなく、エアーフロート搬送装置720が基台730に取り付けられているときにも、スクロールシャー700のモータ740を動作させないようにする。
また、上側ドラム610aと下側ドラム610bの刃620a、620bが所定の退避位置にあるときに、上側ドラム610aと下側ドラム610bとの間に、鋼帯Bが上側ドラム610aと下側ドラム610bに接触しないようにするための空間Sが形成されるように、上側ドラム610a及び下側ドラム610bのそれぞれがフラットな面を有するようにする。そして、ドラムシャー600による剪断を行わない場合には、上側ドラム610aと下側ドラム610bの刃620a、620bを、所定の退避位置に移動させる。また、スクロールシャー700による剪断を行わない場合には、ダイセット710を取り外してエアーフロート搬送装置720を基台730に取り付ける。
したがって、鋼帯Bを直線状に剪断する場合には、短時間で剪断を行えるドラムシャー600を用い、鋼帯Bを凹凸状に剪断する場合には、交換作業を短時間で行えるスクロールシャー700を用いることを同一のシャーラインで行うことができ、且つ、ドラムシャー600の位置とスクロールシャー700の位置を変えないようにすることができる(ドラムシャー600及びスクロールシャー700を基礎に固定することができる)。よって、鋼帯Bを直線状に剪断することと凹凸状に剪断することとの双方を同一のシャーラインで行うことを、操業を長時間止めることなく、また、大がかりな設備にすることなく実現することができる。
本実施形態では、気体搬送装置の一例としてエアーフロート搬送装置720を用いる場合を例に挙げて示した。しかしながら、エアー(空気)以外の気体(例えば不活性ガス)をエアーの代わりに用いてもよい。
また、本実施形態では、上側ドラム610aの最上部の位置を上側ドラム610aの刃620aの退避位置とし、下側ドラム610bの最下部の位置を下側ドラム610bの刃620bの退避位置とする場合を例に挙げて説明した。しかしながら、退避位置は、鋼帯Bと接触しない位置であれば、これらの位置に限定されない。
610 ドラム(上側ドラム、下側ドラム)
620 刃
700 スクロールシャー
710 ダイセット
711 ダイ(上側ダイ、下側ダイ)
712 刃
713 スライドガイド
720 エアーフロート搬送装置
721 エアー供給部
722、723 取付部
724 エアー噴射穴
725 エアー導入穴
730 基台
740 モータ
750 減速機
760 クランク
770 コンロッド
780 エアー供給源
800 搬送コンベア
1000 搬送制御装置
Claims (3)
- 剪断用の刃がそれぞれ取り付けられた上側ドラム及び下側ドラムを有するドラムシャーが上流側に位置し、剪断用の刃がそれぞれ取り付けられた上側ダイ及び下側ダイを有するダイセットを基台に取り付けることが可能なスクロールシャーが下流側に位置するように、前記ドラムシャーと前記スクロールシャーとが直列に配置されたシャーラインであって、
前記上側ドラム及び前記下側ドラムに取り付けられた前記刃が、剪断の対象となる金属帯と接触しない所定の退避位置に位置するときに、前記上側ドラム及び下側ドラムの間に、前記金属帯が前記上側ドラム及び前記下側ドラムの少なくとも何れか一方に接触しないようにするための空間が形成されるように、前記上側ドラム及び前記下側ドラムの表面の領域のうち、前記空間の上端及び下端を形成する領域の、自ドラムの回転軸からの最短距離が、その他の領域の、自ドラムの回転軸からの最短距離よりも短くなっており、
前記スクロールシャーの基台には、前記ドラムシャーで前記金属帯が剪断されることにより得られた切板が前記スクロールシャーを通過できるように、前記切板の下方から前記切板に向けて気体を噴射する気体搬送装置を、前記ダイセットに代えて前記基台に取り付けることが可能であることを特徴とするシャーライン。 - 前記上側ドラム及び前記下側ドラムの表面の領域のうち、前記空間の上端及び下端を形成する領域が、フラットな面であることを特徴とする請求項1に記載のシャーライン。
- 請求項1、又は2に記載のシャーラインの操業方法であって、
前記基台に取り付けられた前記気体搬送装置から気体を噴射させることと、前記上側ドラム及び下側ドラムを回転させて前記ドラムシャーにより前記金属帯を剪断することと、を行う工程と、
前記上側ドラム及び下側ドラムに取り付けられた前記刃が前記所定の退避位置に位置するように前記上側ドラム及び下側ドラムを回動させることと、前記上側ドラム及び下側ドラムに取り付けられた前記刃を所定の退避位置に位置させたまま、前記基台に取り付けられた前記ダイセットを動作させて前記スクロールシャーにより前記金属帯を剪断することと、を行う工程と、
を排他的に行うことを特徴とするシャーラインの操業方法。
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