JP6218050B2 - 車体構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体構造に関する。
従来、車体前部で車体前後方向に延びるフロントサイドフレームと、フロントサイドフレームの下方に配置されるとともに、エンジン、トランスミッション及びサスペンション等を支持するサブフレームとを備えた車体構造が知られている。このような車体構造においては、サブフレームは、車両の前方衝突時に落下するように構成されている。これにより、サブフレームとサブフレームの前方に配置されたパワートレインとの干渉の影響が車室空間に及ぶことを回避している。
例えば、特許文献1は、サブフレームをフロントサイドフレームの被取付部に対して連結する連結手段を備え、連結手段は、被取付部に形成された開口を囲むように設けられるナットと、前記開口を経てナットに係合するボルトとを含み、被取付部における前記開口の縁に切り欠きを形成したものである。
特許文献2は、フロントサイドフレームの後端部とトンネルフレームの前端部との間にサブフレームの後締結部が締結される締結ベースブラケットを配置し、締結ベースブラケットに亀裂促進孔を形成したものである。
特許第5278105号公報 特許第5460684号公報
しかしながら、特許文献1では、所定の荷重でサブフレームを離脱させるためには、ナットの固着位置及び切り欠きの頂部の形成位置の周方向における位置関係など、切り欠きの配置位置を特定する必要があった。
特許文献2では、締結孔の中心と亀裂促進孔との離間距離など、亀裂促進孔の配置位置を特定する必要があった。
そのため、これら特許文献1及び2では、サブフレームの取付構造が複雑になり、前方衝突時のサブフレームの脱落を容易化する上で課題があった。
そこで本発明は、サブフレームを備えた車体構造において、車両衝突時のサブフレームの脱落を容易化することを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、車体構造(例えば、実施形態における車体構造1)は、車体前後方向の中央に配置されたベースフレーム(例えば、実施形態におけるベースフレーム10)と、車体前後方向で前記ベースフレームの一方側に配置されるとともに、車体前後方向に延びるサイドフレーム(例えば、実施形態におけるフロントサイドフレーム20)の下方に配置されたサブフレーム(例えば、実施形態におけるサブフレーム30)と、前記ベースフレームと前記サイドフレームとを繋ぐ連繋部材(例えば、実施形態における連繋部材50)と、前記連繋部材と前記サブフレームとを固定する固定部材(例えば、実施形態における固定部材60)と、備え、前記ベースフレームには、前記連繋部材に下方から当接する当接壁(例えば、実施形態における当接壁15)が形成され、前記当接壁には、上下方向に開口する開口部(例えば、実施形態における開口部15h)が形成され、前記サブフレームにおける前記ベースフレームの側の端部には、前記当接壁に下方から対向する対向部(例えば、実施形態における対向部35a)が形成され、前記固定部材は、前記開口部を通じて前記連繋部材と前記対向部とに結合されていることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記固定部材は、前記サブフレームに結合されるとともに前記開口部の内側で前記連繋部材に当接する筒状のカラー(例えば、実施形態におけるカラー61)と、前記カラーを介して前記連繋部材と前記対向部とを固定するボルト(例えば、実施形態におけるボルト62)及びナット(例えば、実施形態におけるナット63)と、を備えていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記連繋部材は、前記当接壁に上方から当接する底壁(例えば、実施形態における底壁51)と、前記底壁と別体に形成された周壁(例えば、実施形態における周壁52)と、を備えていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記ベースフレームは、前記周壁の厚み方向で前記周壁と重なる重なり部(例えば、実施形態における重なり部17)を備えていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、フロアパネル(例えば、実施形態におけるフロアパネル4)の車幅方向中央のトンネル部(例えば、実施形態におけるトンネル部4a)を支持するとともに、車体前後方向から見て逆U字状をなすトンネルクロスメンバ(例えば、実施形態におけるトンネルクロスメンバ6)を更に備え、前記周壁は、車幅方向内側に窪んで前記トンネルクロスメンバの車幅方向外側部に沿うように延びるとともに、前記トンネルクロスメンバに接続される接続凹部(例えば、実施形態における接続凹部55a)を備えていることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記周壁は、前記サイドフレームの稜線(例えば、実施形態における稜線20a)に連続するとともに、前記周壁の内側に窪む稜線部(例えば、実施形態における53a)を備えていることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、前記ベースフレームは、前記当接壁の外周縁(例えば、実施形態における当接壁15の後端15e)を起点として車体前後方向で中央に向かうほど下方に位置するように傾斜する傾斜面(例えば、実施形態における前傾斜面12a)を備えていることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、前記ベースフレームには、前記傾斜面の前記当接壁とは反対側の部分から上方に突出する縦壁(例えば、実施形態における縦壁19)が設けられていることを特徴とする。
請求項9に記載した発明は、車体前後方向で前記連繋部材の前記ベースフレームとは反対側における前記サブフレームと前記サイドフレームとの間には、サスペンションのロアアーム(例えば、実施形態におけるロアアーム70)を支持するロアアーム支持部(例えば、実施形態におけるロアアーム支持部71)が設けられていることを特徴とする。
請求項10に記載した発明は、前記サブフレームは、車体前後方向で前記サイドフレームの前記ベースフレームとは反対側の端部に接続される第一接続部(例えば、実施形態における第一接続部41)と、前記第一接続部と前記対向部との間において前記サイドフレームに接続される第二接続部(例えば、実施形態における第二接続部42)と、前記第一接続部と前記第二接続部との間において下方に屈曲する屈曲部(例えば、実施形態における屈曲部43)と、を備えていることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、ベースフレームには連繋部材に下方から当接する当接壁が形成され、当接壁には上下方向に開口する開口部が形成され、サブフレームにおけるベースフレームの側の端部には当接壁に下方から対向する対向部が形成され、固定部材が開口部を通じて連繋部材と対向部とに結合されていることで、以下の効果を奏する。以下、車体前後方向で車両が衝突したときを単に「車両衝突時」ということがある。車両衝突時、対向部に下方の荷重が加わると、当接壁(具体的には開口部の外周部)で連繋部材が押さえられる。このとき、連繋部材には上方の反力が作用する。そのため、連繋部材には、開口部の周縁に沿って応力が集中する。これにより、連繋部材は、開口部の内側に亀裂が発生して破断する。すると、連繋部材の破断部は、固定部材とともに開口部を通過して落下する。したがって、車両衝突時のサブフレームの脱落を容易化することができる。
請求項2に記載した発明によれば、固定部材がサブフレームに結合されるとともに開口部の内側で連繋部材に当接する筒状のカラーと、カラーを介して連繋部材と対向部とを固定するボルト及びナットと、を備えていることで、以下の効果を奏する。連繋部材と対向部との間にカラーを介在させ、開口部から対向部を離反させることができるため、連繋部材には、開口部の周縁に沿って応力が集中しやすくなる。したがって、連繋部材の破断を容易化することができる。また、固定部材として、汎用品であるカラー、ボルト及びナットを利用することができるため、サブフレームの固定構造を簡素化することができる。
請求項3に記載した発明によれば、連繋部材が、当接壁に上方から当接する底壁と、底壁と別体に形成された周壁と、を備えていることで、以下の効果を奏する。底壁と周壁とを互いに異なる材料又は厚みで形成することができるため、要求仕様に応じた設計の自由度を高めることができる。例えば、連繋部材の破断を容易化する観点からは、底壁を強度の低い材料で形成することができる。一方、サブフレームの支持剛性を高める観点からは、底壁を厚板化することができる。
請求項4に記載した発明によれば、ベースフレームが、周壁の厚み方向で周壁と重なる重なり部を備えていることで、重なり部で剛性を確保することができるため、周壁を薄板化して軽量化することができる。
請求項5に記載した発明によれば、周壁が、車幅方向内側に窪んでトンネルクロスメンバの車幅方向外側部に沿うように延びるとともに、トンネルクロスメンバに接続される接続凹部を備えていることで、以下の効果を奏する。サブフレームからの荷重入力を、接続凹部を通じてトンネルクロスメンバで受け止めることができるため、サブフレーム取付部(例えば、対向部及び連繋部材など)の周辺剛性を高めることができる。
請求項6に記載した発明によれば、周壁が、サイドフレームの稜線に連続するとともに、周壁の内側に窪む稜線部を備えていることで、以下の効果を奏する。車両衝突時(オフセット衝突を含む)、サイドフレームからの荷重入力を、サイドフレームの稜線から周壁の稜線部を経由してベースフレームに流すことができる。
請求項7に記載した発明によれば、ベースフレームが、当接壁の外周縁を起点として車体前後方向で中央に向かうほど下方に位置するように傾斜する傾斜面を備えていることで、以下の効果を奏する。車両衝突時、対向部を傾斜面に当て、さらに傾斜面に沿って下方にスライドさせることができるため、対向部に下方の荷重が加わりやすくなる。したがって、連繋部材の破断を容易化することができる。
請求項8に記載した発明によれば、ベースフレームには、傾斜面の当接壁とは反対側の部分から上方に突出する縦壁が設けられていることで、以下の効果を奏する。車両衝突時、対向部を傾斜面に沿って下方にスライドさせた後、縦壁の下端を支点として「てこの原理」により、サブフレームを下方に回転させることができる。そのため、固定部材に下方の荷重を効果的に発生させることができる。したがって、連繋部材の破断をより一層容易化することができる。
請求項9に記載した発明によれば、車体前後方向で連繋部材のベースフレームとは反対側におけるサブフレームとサイドフレームとの間には、サスペンションのロアアームを支持するロアアーム支持部が設けられていることで、以下の効果を奏する。ロアアームの設計自由度を向上するとともに、車体前後方向でベースフレームの一方側の端部に連繋部材を配置することができる。
請求項10に記載した発明によれば、サブフレームが、車体前後方向でサイドフレームのベースフレームとは反対側の端部に接続される第一接続部と、第一接続部と対向部との間においてサイドフレームに接続される第二接続部と、第一接続部と第二接続部との間において下方に屈曲する屈曲部と、を備えていることで、以下の効果を奏する。車両衝突時、サブフレームが屈曲部を起点として下方に屈曲するため、屈曲部を支点として「てこの原理」により、サブフレームを下方に回転させることができる。そのため、固定部材に下方の荷重を効果的に発生させることができる。したがって、連繋部材の破断をより一層容易化することができる。
本発明の実施形態に係る車体構造を斜め下方から見た斜視図である。 サブフレームを取り外した状態において、トンネルクロスメンバの周辺構造を斜め下方から見た斜視図である。 サブフレームと連繋部材との接続構造を斜め下方から見た断面斜視図である。 ベースフレームと連繋部材との接続構造を示す下面図である。 サブフレームとフロントサイドフレームとの接続構造を示す側面図である。 ロアアーム支持部を示す下面図である。 ベースフレームにおける開口部の作用によるサブフレームの落下を説明するための図である。 図7に続く、サブフレームの落下を説明するための図である。 ベースフレームにおける前傾斜面及び縦壁の作用による連繋部材の破断を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本発明の実施形態においては、車両の前部側に車体構造を適用した例を挙げて説明する。以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ適用した車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UPが示されている。
<車体構造>
図1は、車体構造1を斜め下方から見た斜視図である。図1では、主として車体構造1のうち車両前部の骨格を示している。
図1に示すように、車体構造1は、車体前後方向の中央に配置されたベースフレーム10と、車両の前方かつ車幅方向両側に配置されるとともに車体前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム20(サイドフレーム)と、ベースフレーム10の前側に配置されるとともにフロントサイドフレーム20の下方に配置されたサブフレーム30と、ベースフレーム10とフロントサイドフレーム20とを繋ぐ連繋部材50と、連繋部材50とサブフレーム30とを固定する固定部材60と、を備えている。
図1及び図2を併せて参照し、車体構造1は、車室2とその前方のエンジンルーム3とを区画するダッシュロアパネル5と、車室2内に臨むフロアパネル4の車幅方向中央のトンネル部4aを支持するとともに車体前後方向から見て逆U字状をなすトンネルクロスメンバ6と、を更に備えている。
なお、図中符号7は、車幅方向に延びるとともに、ダッシュロアパネル5の前下部に結合されるフランジ部を有する補強メンバ7を示す。
<ベースフレーム>
図1に示すように、ベースフレーム10は、フロントサイドフレーム20の後側に配置され且つ車幅方向両側に配置されるとともに車体前後方向に延びる左右一対のフロアフレーム11と、左右フロアフレーム11の車幅方向間に配置されるとともに車体前後方向に延びる左右一対のセンタフレーム12と、左右フロアフレーム11よりも車幅方向外側(具体的には、ベースフレーム10の車幅方向外側端)に配置されるとともに車体前後方向に延びる左右一対のサイドシル13と、を備えている。
フロアフレーム11及びセンタフレーム12は、上方に開放する断面U字状をなしている。サイドシル13は、車幅方向内側に開放する断面U字状をなしている。フロアフレーム11及びセンタフレーム12の開放断面の上部には、フロアパネル4及びダッシュロアパネル5の下面に接合されるフランジ部11f,12fがそれぞれ形成されている。これにより、フロアフレーム11及びセンタフレーム12は、車体前後方向に延びる連続した閉断面を構成している。
図3及び図4を併せて参照し、センタフレーム12の前端部には、連繋部材50に下方から当接する当接壁15と、当接壁15に連なるとともに連繋部材50に前方及び車幅方向内側から当接する側壁16と、が形成されている。当接壁15は、上下方向に厚みを有するとともに実質的に水平に延びる形状を有している。
当接壁15には、上下方向に開口する開口部15hが形成されている。図4の平面視で、開口部15hは、当接壁15の前後方向中央かつ車幅方向中央に位置している。図4の平面視で、開口部15hは、固定部材60におけるナット63の座部63bの外形よりも大きい円形をなしている。
図3に示すように、センタフレーム12は、当接壁15の外周縁(すなわち後端15e)を起点として車体前後方向で中央に向かうほど(すなわち後側ほど)下方に位置するように傾斜する前傾斜面12aと、前傾斜面12aに連なるとともに実質的に水平をなして車体前後方向に延びる水平面12bと、水平面12bに連なるとともに後上方に傾斜して延びる後傾斜面12cと、を備えている。ここで、前傾斜面12aは、請求項に記載の「傾斜面」に相当する。前傾斜面12aは、当接壁15の後端15eに連なるとともに、当接壁15の後端15eから水平面12bの前端に至るまで、後側ほど下方に位置するように緩やかに傾斜して延びている。
図4に示すように、センタフレーム12は、連繋部材50の周壁52の厚み方向で周壁52と重なる重なり部17を備えている。重なり部17は、センタフレーム12の車幅方向内側におけるフランジ部12fの前端に連なるとともに周壁52における内側壁部55の外面に沿うように延びる内重なり部17aと、センタフレーム12の車幅方向外側におけるフランジ部12fの前端に連なるとともに周壁52における後壁部54の外面に沿うように延びる外重なり部17bと、を備えている。
図3に示すように、センタフレーム12には、前傾斜面12a、水平面12b及び後傾斜面12cに沿うように延びるとともにセンタフレーム12の内周壁面に沿う板状をなす補強板18が結合されている。補強板18の前端は、当接壁15の後端15eから後下方に離反している。具体的に、補強板18の前端は、前傾斜面12aの前後中間部よりも僅かに前方、かつ前傾斜面12aの上下中間部よりも僅かに上方に位置している。
センタフレーム12には、前傾斜面12aの当接壁15とは反対側の部分(すなわち前傾斜面12aの後側の部分)から上方に突出する縦壁19が設けられている。縦壁19は、センタフレーム12における水平面12bの前後中間部の上方に配置されている。図3の断面視で、縦壁19は、L字状をなしている。縦壁19は、補強板18の下壁(すなわち補強板18のうち上下方向で水平面12bに重なる部分)に上方から当接して補強板18に結合された下壁部19aと、下壁部19aに連なるとともに下壁部19aの前端から上方に起立する起立壁部19bと、を備えている。
<フロントサイドフレーム>
図5の側面視で、フロントサイドフレーム20は、車両前方から後方へ実質的に水平に延びるフロントサイドフレーム本体21と、フロントサイドフレーム本体21に連なるとともにフロントサイドフレーム本体21の後端からベースフレーム10の前端部に向けて後側ほど下方に位置するように傾斜して延びるフロントサイドフレームリヤエンド22と、を備えている。
図1及び図2を併せて参照し、左右フロントサイドフレーム本体21の前端部には、不図示のラジエータを支持するフロントバルクヘッドの車幅方向両側部が取り付けられる。フロントサイドフレーム本体21は、断面矩形状をなす閉断面構造を有している。フロントサイドフレームリヤエンド22は、上方に開放する断面U字状をなしている。フロントサイドフレームリヤエンド22の開放断面の上部には、フロアパネル4及びダッシュロアパネル5の下面に接合されるフランジ部22fが形成されている。これにより、フロントサイドフレームリヤエンド22は、車体前後方向に沿う連続した閉断面を構成している。
フロントサイドフレームリヤエンド22の後端部は、後方へ延びてフロアフレーム11の前端部に結合されている。また、フロントサイドフレームリヤエンド22の車幅方向外側部は、上方に開放する断面U字状をなすフレーム部材であるアウトリガ23を介して、サイドシル13の前端部に連結されている。フロントサイドフレームリヤエンド22の前後中間部における下端部には、上下方向に開口する平面視円形の貫通孔22hが形成されている。
<サブフレーム>
図1に示すように、サブフレーム30は、井桁状をなしている。サブフレーム30は、車幅方向に延びる扁平形状をなすサブフレーム本体31と、車幅方向両側に配置されるとともにサブフレーム本体31の前端かつ車幅方向両側部から末広がり状に前側に延びる左右一対のサイドメンバ32と、左右サイドメンバ32の前部間をわたすように車幅方向に延びる前クロスメンバ33と、車幅方向両側に配置されるとともにサブフレーム本体31の車幅方向両側部から後側に突出する左右一対のリンクステイ34と、を備えている。
例えば、サブフレーム本体31は、アルミニウム合金等で鋳造されている。サブフレーム本体31の後部かつ車幅方向中央には、上下方向に開口しかつ車幅方向に延びる長孔31hが形成されている。図6に示すように、サブフレーム本体31には、複数のリブ31aが形成されている。これにより、サブフレーム本体31の軽量化及び剛性の向上が図られている。
図1に示すように、左右サイドメンバ32は、軽合金又は鋼等でプレス成形されている。左右サイドメンバ32は、車体前後方向で後側ほど車幅方向内側に位置するように車体前後方向に緩やかに傾斜して延びている。
前クロスメンバ33は、後方に開放する(すなわち前方に凸をなす)緩やかなU字状をなして車幅方向に延びている。前クロスメンバ33の車幅方向両端部は、左右サイドメンバ32の前部下面に結合されている。
左右リンクステイ34は、サブフレーム30におけるベースフレーム10側の端部(すなわち後端部)に位置している。図3に示すように、左右リンクステイ34には、センタフレーム12の当接壁15に下方から対向する対向部35aが形成されている。
図1及び図3を併せて参照し、リンクステイ34は、車体前後方向に延びる中空構造を有している。リンクステイ34は、サブフレーム本体31の車幅方向両側部の上端に連なるとともに車体前後方向に延びる天板部35と、サブフレーム本体31の車幅方向両側部の下端に連なるとともに天板部35から下方に離反しつつ車体前後方向に延びる底板部36と、天板部35及び底板部36の外周縁に連なるように車体前後方向かつ上下方向に延びる側板部37と、を備えている。
天板部35は、センタフレーム12の下面から下方に離反している。天板部35は、センタフレーム12の当接壁15、前傾斜面12a及び水平面12bに沿うように車体前後方向に緩やかに傾斜して延びている。天板部35の後端部には、上下方向で水平面12bの前後中間部と重なる位置で後下方に屈曲して延びた後、下方に屈曲する屈曲壁部35bが形成されている。
天板部35には、上下方向で当接壁15の開口部15hに重なる位置で上下方向に開口する上挿通孔35hが形成されている。平面視で、上挿通孔35hは、当接壁15の開口部15hの内径よりも小さく、かつ連繋部材50の挿通孔51hよりも大きい円形をなしている。
底板部36は、天板部35の下方で車体前後方向に延びている。天板部35及び底板部36の上下離反間隔は、後側ほど徐々に小さくなっている。底板部36の後端部には、上下方向で天板部35の屈曲壁部35bと重なる位置でかつ屈曲壁部35bよりも前方位置で上方に突出する突出壁部36aが形成されている。
底板部36には、上下方向で天板部35の上挿通孔35hに重なる位置で上下方向に開口する下挿通孔36hが形成されている。平面視で、下挿通孔36hは、上挿通孔35hの内径よりも小さく、かつ連繋部材50の挿通孔51hよりも大きい円形をなしている。底板部36において下挿通孔36hの前方には、上下方向に開口する平面視円形の貫通孔36jが形成されている。
リンクステイ34の前後中間部には、天板部35及び底板部36の上下間を連結するように上下に延びる円筒状の連結ボス38が結合されている。連結ボス38は、貫通孔36jを介して前後に並ぶように車体前後方向に間隔を空けて複数(例えば本実施形態では2つ)配置されている。
リンクステイ34の後端部には、天板部35、底板部36及び突出壁部36aに沿うように延びるとともにリンクステイ34の内周壁面に沿う板状をなす補強部材39が結合されている。図3の断面視で、補強部材39は、前方に開放する断面U字状をなしている。これにより、リンクステイ34の剛性の向上が図られている。
図3及び図6を併せて参照し、リンクステイ34の車幅方向外側部には、リンクステイ34の車幅方向外側面に沿うように前後方向に延びるとともに、上方かつ車幅方向内側に開放する断面L字状をなす連結パネル40が設けられている。連結パネル40の開放断面の上部には、センタフレーム12の前端部及び連繋部材50の下面に接合される上フランジ部40fが形成されている。連結パネル40の開放断面の車幅方向内側端部には、リンクステイ34の車幅方向外側部の下端部に接合される下フランジ部40gが形成されている。
図5に示すように、サブフレーム30は、車体前後方向でフロントサイドフレーム20のベースフレーム10とは反対側の端部(すなわち前端部)に接続される第一接続部41と、第一接続部41と対向部35aとの間においてフロントサイドフレーム20に接続される第二接続部42と、第一接続部41と第二接続部42との間において下方に屈曲する屈曲部43と、を更に備えている。
第一接続部41は、サイドメンバ32の前端部から上方に突出してフロントサイドフレーム本体21の前端部の下部に取り付けられている。第一接続部41は、サイドメンバ32の前端部とフロントサイドフレーム本体21の前端部との間を連結するように上下に延びるとともに断面矩形状をなす筒状に形成されている。
第二接続部42は、サブフレーム本体31の前部かつ車幅方向側部から上方かつ車幅方向外側に突出してフロントサイドフレーム本体21の後端部(具体的には、フロントサイドフレーム本体21の後端部から下方に膨出する膨出部21aの下部)に取り付けられている。車両衝突時、第二接続部42は、第一接続部41よりも先に左右フロントサイドフレーム20から分離するように構成されている。
第二接続部42は、サブフレーム本体31から上方かつ車幅方向外側に突出して延びるアーム部42aと、アーム部42aの上端部とフロントサイドフレーム本体21の膨出部21aとを連結する連結ブラケット42bと、を備えている。アーム部42aの上端部は、前後方向に並ぶ複数(例えば本実施形態では2つ)のボルト42cで連結ブラケット42bに固定されている。
連結ブラケット42bには、ボルト42cの挿通孔(不図示)が形成されるとともに、挿通孔の一部を下方に開口する切欠部42hが形成されている。そのため、車両衝突時にアーム部42aが下方向に引っ張られるような荷重を受けると、連結ブラケット42bはフロントサイドフレーム20の側に残された状態で、アーム部42a及びボルト42cが切欠部42hを破断する。そして、アーム部42aは連結ブラケット42bから下方へ分離され、サブフレーム30の下方への変位が許容される。
図5の側面視で、屈曲部43は、サイドメンバ32の前後中間部において下方に凸をなすように屈曲している。サイドメンバ32の上面は、屈曲部43の側ほど下方に位置するように車体前後方向に緩やかに傾斜して延びている。屈曲部43は、通常は何ら折れ曲がることはないが、車両に所定値以上の前後方向の衝突荷重が入力されたときに、サイドメンバ32が前後中間部で下方に向かって折れ曲がる起点となる。
なお、図中符号25はホイールハウスメンバ、図中符号26はフロントホイールハウス、図中符号27はフロントインナロアピラーをそれぞれ示す。
<連繋部材>
図3及び図4に示すように、連繋部材50は、センタフレーム12の当接壁15に上方から当接する底壁51と、底壁51と別体に形成された周壁52と、を備えている。
底壁51は、上下方向に厚みを有するとともに車幅方向に延びる形状を有している。底壁51の前端部には、底壁51の前端から上方に起立して周壁52における前壁部53の下端部に接合される前フランジ部51fが形成されている。底壁51の後端部には、底壁51の後端から後上方に傾斜して延びて周壁52における後壁部54の下端部に接合される後フランジ51gが形成されている。
底壁51には、上下方向に開口するとともに、固定部材60のボルト62が挿通される挿通孔51hが形成されている。図4の下面視で、挿通孔51hは、底壁51の前後方向中央かつ車幅方向中央に位置している。図4の下面視で、挿通孔51hは、ボルト62の軸部62a(図3参照)の外形よりも僅かに大きく、かつ開口部15hの内形よりも小さい円形をなしている。
周壁52は、底壁51の外周縁から上方に起立するとともに、上方及び車幅方向外側を開放する形状を有している。周壁52は、上下方向に沿うように延びる前壁部53と、前壁部53から後方に離反した位置で後側ほど上方に位置するように車体前後方向に傾斜して延びる後壁部54と、前壁部53の車幅方向内側端及び後壁部54の車幅方向内側端の前後間を連結するように上下に延びる内側壁部55と、を備えている。
図2及び図4を併せて参照し、周壁52の前壁部53の外周縁には、周壁52の外側に屈曲して延びてフロアパネル4及びダッシュロアパネル5の下面並びにフロントサイドフレームリヤエンド22の車幅方向内側面に接合される前フランジ部53fが形成されている。周壁52の後壁部54の外周縁には、周壁52の外側に屈曲して延びてフロアパネル4及びダッシュロアパネル5の下面並びにフロントサイドフレームリヤエンド22の車幅方向内側面に接合される後フランジ部54fが形成されている。
周壁52は、車幅方向内側に窪んでトンネルクロスメンバ6の車幅方向外側部に沿うように延びるとともにトンネルクロスメンバ6に接続される接続凹部55aと、フロントサイドフレーム20の稜線20aに連続するとともに周壁52の内側に窪む稜線部53aと、を更に備えている。
接続凹部55aは、周壁52における内側壁部55の前後中間部に形成されている。接続凹部55aは、トンネルクロスメンバ6の車幅方向外側部6aに沿って車幅方向内側に向けて窪むとともに、上側ほど車幅方向内側に位置するように上下方向に傾斜して延びている。
稜線部53aは、周壁52における前壁部53の下部かつ車幅方向外側部に形成されている。稜線部53aは、前フランジ部53fの車幅方向外側部を挟んで、フロントサイドフレーム20の稜線20aからセンタフレーム12の前端に向かうように車幅方向に緩やかに傾斜して延びている。
<固定部材>
図3に示すように、固定部材60は、センタフレーム12における当接壁15の開口部15hを通じて、連繋部材50と対向部35aとに結合されている。固定部材60は、サブフレーム30に結合されるとともに開口部15hの内側で連繋部材50に当接する円筒状のカラー61と、カラー61を介して連繋部材50と対向部35aとを固定するボルト62及びナット63と、を備えている。なお、図3においては、便宜上、ボルト62をナット63から外し、かつ下挿通孔36hの下方に離反した状態を示している。
カラー61は、上下に延びる円筒状の筒部61aと、筒部61aの上端部から径方向外側に拡径する拡径部61bと、を備えている。筒部61aの下端は、サブフレーム30の底板部36における下挿通孔36hの外周部に結合されている。拡径部61bの外周面は、サブフレーム30の天板部35における上挿通孔35hの内周縁に結合されている。拡径部61bの上端は、センタフレーム12における当接壁15の開口部15hを通じて、連繋部材50における底壁51の下面に結合又は当接されている。
ボルト62は、ナット63の雌ネジ部63cに螺着される雄ネジ部62cを有するとともに上下に延びる軸部62aと、軸部62aの下端に結合された頭部62bと、を備えている。
カラー61の軸線C1に沿う方向から見て(すなわち平面視で)、軸部62aは、連繋部材50の底壁51における挿通孔51hの内径よりも僅かに小さい外形を有する。軸線C1に沿う方向から見て(すなわち図6の下面視で)、頭部62bは、サブフレーム30の底板部36における下挿通孔36hの内径よりも大きい外形を有する。
ナット63は、雌ネジ部63cを有するとともに上下に延びる円筒状をなす円筒部63aと、円筒部63aの下端部から径方向外側に拡径する座部63bと、を備えている。例えば、ナット63は、ウエルドナットである。
軸線C1に沿う方向から見て、円筒部63aは、連繋部材50の底壁51における挿通孔51hの内径よりも僅かに小さい内径を有する。軸線C1に沿う方向から見て(すなわち図4の下面視で)、座部63bは、連繋部材50の底壁51における挿通孔51hの内径よりも大きく、かつセンタフレーム12における当接壁15の開口部15hの内径よりも小さい外形を有する円形をなしている。座部63bは、上下方向で連繋部材50の底壁51における挿通孔51hの外周部に重なる位置で、底壁51の上面に結合されている。
<ロアアーム支持部>
図6に示すように、車体前後方向で連繋部材50のベースフレーム10とは反対側(すなわち連繋部材50の前側)におけるサブフレーム30とフロントサイドフレーム20との間には、サスペンションのロアアーム70を支持するロアアーム支持部71が設けられている。図6の下面視で、ロアアーム70は、車幅方向に延びるとともに車幅方向内側に開放するY字状をなすロアアーム本体70aと、ロアアーム本体70aの車幅方向内側の後端部から後方に突出する円筒状の被支持ボス部70bと、を備えている。なお、図6において、符号75は車両左側の前輪を示す。
ロアアーム支持部71は、連繋部材50の前方でサブフレーム30におけるリンクステイ34とフロントサイドフレームリヤエンド22との車幅方向間に配置されるロアアーム支持部本体71aと、ロアアーム支持部本体71aから車幅方向内側に突出してリンクステイ34に連結される内ブラケット71bと、ロアアーム支持部本体71aから車幅方向外側に突出してフロントサイドフレームリヤエンド22の前後中間部における下端部に連結される外ブラケット71cと、を備えている。
図3及び図6を併せて参照し、内ブラケット71bは、リンクステイ34の天板部35から上方に突出する連結ボス38の上端部に結合されるとともに、リンクステイ36の底板部36の貫通孔36jを通じてボルト72及び不図示のナットでリンクステイ34の底板部36に締結されている。図2及び図6を併せて参照し、外ブラケット71cは、フロントサイドフレームリヤエンド22の前後中間部における下端部の貫通孔22hを通じてボルト73及び不図示のナットでフロントサイドフレームリヤエンド22の前後中間部における下端部に締結されている。
<ベースフレームにおける開口部の作用>
以下、ベースフレーム10における開口部15hの作用によるサブフレーム30の落下の一例を説明する。
図7に示すように、車両衝突時、サブフレーム30の対向部35aに下方(矢印V1方向)の荷重が加わると、センタフレーム12の当接壁15(具体的には開口部15hの外周部)で連繋部材50の底壁51が押さえられる。このとき、連繋部材50の底壁51には上方(矢印V2)の反力が作用する。そのため、連繋部材50の底壁51には、開口部15hの周縁に沿って応力が集中する。
これにより、連繋部材50の底壁51は、開口部15hの内側に亀裂が発生して破断する。そうすると、図8に示すように、連繋部材50の底壁51の破断部は、固定部材60とともに開口部15hを通過して落下する。なお、図7及び図8においては、底壁51のうち上下方向で開口部15hの周縁と重なる部分を破線で示している。
<ベースフレームにおける傾斜面及び縦壁の作用>
以下、ベースフレーム10における前傾斜面12a及び縦壁19の作用による連繋部材50の破断の一例を説明する。
図3に示すように、車両衝突時、サブフレーム30に後方の荷重が加わると、サブフレーム30の対向部35aがベースフレーム10の前傾斜面12aに当たる。そうすると、サブフレーム30の対向部35aは、前傾斜面12aに沿って下方にスライドしていく。そして、対向部35aが前傾斜面12aに沿って下方にスライドしていくと、縦壁19の下端に突き当たる。
そうすると、図9に示すように、縦壁19の下端を支点P1として、「てこの原理」により、サブフレーム30が下方、具体的には支点P1を中心とした反時計回りの方向(矢印V3方向)に回転していく。そのため、固定部材60に下方の荷重が効果的に加わり、連繋部材50の底壁51は、開口部15hの内側に亀裂が発生して破断する。そうすると、連繋部材50の底壁51の破断部は、固定部材60とともに開口部15hを通過して落下する。なお、図9においては、便宜上、底壁51が破断する前(すなわち通常状態)のナット63の位置を破線で示している。
以上説明したように、上記実施形態に係る車体構造1は、車体前後方向の中央に配置されたベースフレーム10と、車体前後方向でベースフレーム10の一方側に配置されるとともに、車体前後方向に延びるフロントサイドフレーム20の下方に配置されたサブフレーム30と、ベースフレーム10とフロントサイドフレーム20とを繋ぐ連繋部材50と、連繋部材50とサブフレーム30とを固定する固定部材60と、備え、ベースフレーム10には、連繋部材50に下方から当接する当接壁15が形成され、当接壁15には、上下方向に開口する開口部15hが形成され、サブフレーム30におけるベースフレーム10の側の端部には、当接壁15に下方から対向する対向部35aが形成され、固定部材60は、開口部15hを通じて連繋部材50と前記対向部35aとに結合されている。
この構成によれば、車両衝突時、対向部35aに下方の荷重が加わると、当接壁15(具体的には開口部15hの外周部)で連繋部材50が押さえられる。このとき、連繋部材50には上方の反力が作用する。そのため、連繋部材50には、開口部15hの周縁に沿って応力が集中する。これにより、連繋部材50は、開口部15hの内側に亀裂が発生して破断する。すると、連繋部材50の破断部は、固定部材60とともに開口部15hを通過して落下する。したがって、車両衝突時のサブフレーム30の脱落を容易化することができる。ひいては、フロントサイドフレーム20の変形ストロークを増大して衝突エネルギーを吸収する効果を奏する。
また、上記実施形態では、固定部材60がサブフレーム30に結合されるとともに開口部15hの内側で連繋部材50に当接する筒状のカラー61と、カラー61を介して連繋部材50と対向部35aとを固定するボルト62及びナット63と、を備えていることで、以下の効果を奏する。連繋部材50と対向部35aとの間にカラー61を介在させ、開口部15hから対向部35aを離反させることができるため、連繋部材50には、開口部15の周縁に沿って応力が集中しやすくなる。したがって、連繋部材50の破断を容易化することができる。また、固定部材60として、汎用品であるカラー61、ボルト62及びナット63を利用することができるため、サブフレーム30の固定構造を簡素化することができる。
また、上記実施形態では、連繋部材50が、当接壁15に上方から当接する底壁51と、底壁51と別体に形成された周壁52と、を備えていることで、以下の効果を奏する。底壁51と周壁52とを互いに異なる材料又は厚みで形成することができるため、要求仕様に応じた設計の自由度を高めることができる。例えば、連繋部材50の破断を容易化する観点からは、底壁51を強度の低い材料で形成することができる。一方、サブフレーム30の支持剛性を高める観点からは、底壁51を厚板化することができる。
また、上記実施形態では、周壁52が、周壁52の厚み方向でベースフレーム10と重なる重なり部17を備えていることで、重なり部17で剛性を確保することができるため、周壁52を薄板化して軽量化することができる。
また、上記実施形態では、周壁52が、車幅方向内側に窪んでトンネルクロスメンバ6の車幅方向外側部に沿うように延びるとともに、トンネルクロスメンバ6に接続される接続凹部55aを備えていることで、以下の効果を奏する。サブフレーム30からの荷重入力を、接続凹部55aを通じてトンネルクロスメンバ6で受け止めることができるため、サブフレーム30取付部(例えば、対向部35a及び連繋部材50など)の周辺剛性を高めることができる。
また、上記実施形態では、周壁52が、フロントサイドフレーム20の稜線20aに連続するとともに、周壁52の内側に窪む稜線部53aを備えていることで、以下の効果を奏する。車両衝突時(オフセット衝突を含む)、フロントサイドフレーム20からの荷重入力を、フロントサイドフレーム20の稜線20aから周壁52の稜線部53aを経由してベースフレーム10に流すことができる。本実施形態では、ベースフレーム10が車幅方向に複数並ぶフロアフレーム11及びセンタフレーム12を備えているため、前記荷重入力を各フロアフレーム11及びセンタフレーム12に分散して流すことができる。
また、上記実施形態では、ベースフレーム10が、当接壁15の外周縁を起点として車体前後方向で中央に向かうほど下方に位置するように傾斜する前傾斜面12aを備えていることで、以下の効果を奏する。車両衝突時、対向部35aを前傾斜面12aに当て、さらに前傾斜面12aに沿って下方にスライドさせることができるため、対向部35aに下方の荷重が加わりやすくなる。したがって、連繋部材50の破断を容易化することができる。
また、上記実施形態では、ベースフレーム10には、前傾斜面12aの当接壁15とは反対側の部分から上方に突出する縦壁19が設けられていることで、以下の効果を奏する。車両衝突時、対向部35aを前傾斜面12aに沿って下方にスライドさせた後、縦壁19の下端を支点P1として「てこの原理」により、サブフレーム30を下方に回転させることができる。そのため、固定部材60に下方の荷重を効果的に発生させることができる。したがって、連繋部材50の破断をより一層容易化することができる。
また、上記実施形態では、車体前後方向で連繋部材50のベースフレーム10とは反対側におけるサブフレーム30とフロントサイドフレーム20との間には、サスペンションのロアアーム70を支持するロアアーム支持部71が設けられていることで、以下の効果を奏する。ロアアーム70の設計自由度を向上するとともに、車体前後方向でベースフレーム10の一方側の端部に連繋部材50を配置することができる。
また、上記実施形態では、サブフレーム30が、車体前後方向でフロントサイドフレーム20のベースフレーム10とは反対側の端部に接続される第一接続部41と、第一接続部41と対向部35aとの間においてフロントサイドフレーム20に接続される第二接続部42と、第一接続部41と第二接続部42との間において下方に屈曲する屈曲部43と、を備えていることで、以下の効果を奏する。車両衝突時、サブフレーム30が屈曲部43を起点として下方に屈曲するため、屈曲部43を支点として「てこの原理」により、サブフレーム30を下方に回転させることができる。そのため、固定部材60に下方の荷重を効果的に発生させることができる。したがって、連繋部材50の破断をより一層容易化することができる。
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、上述した実施形態で挙げた構成等はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、サイドフレームがフロントサイドフレーム20である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、サイドフレームがリヤサイドフレームであってもよい。この場合、サブフレーム30は、ベースフレーム10の後側に配置されるとともにリヤサイドフレームの下方に配置されていてもよい。すなわち、車両の後部側に車体構造1を適用してもよい。
また、上記実施形態では、固定部材60がボルト及びナットを備えた例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、固定部材60がファスナー又はリベット等であってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 車体構造
4 フロアパネル
4a トンネル部
6 トンネルクロスメンバ
6a トンネルクロスメンバの車幅方向外側部
10 ベースフレーム
12a 前傾斜面(傾斜面)
15 当接壁
15e 当接壁の後端(当接壁の外周縁)
15h 開口部
17 重なり部
19 縦壁
20 フロントサイドフレーム(サイドフレーム)
20a 稜線
30 サブフレーム
35a 対向部
41 第一接続部
42 第二接続部
43 屈曲部
50 連繋部材
51 底壁
52 周壁
53a 稜線部
55a 接続凹部
60 固定部材
61 カラー
62 ボルト
63 ナット
70 ロアアーム
71 ロアアーム支持部

Claims (10)

  1. 車体前後方向の中央に配置されたベースフレームと、
    車体前後方向で前記ベースフレームの一方側に配置されるとともに、車体前後方向に延びるサイドフレームの下方に配置されたサブフレームと、
    前記ベースフレームと前記サイドフレームとを繋ぐ連繋部材と、
    前記連繋部材と前記サブフレームとを固定する固定部材と、備え、
    前記ベースフレームには、前記連繋部材に下方から当接する当接壁が形成され、
    前記当接壁には、上下方向に開口する開口部が形成され、
    前記サブフレームにおける前記ベースフレームの側の端部には、前記当接壁に下方から対向する対向部が形成され、
    前記固定部材は、前記開口部を通じて前記連繋部材と前記対向部とに結合されていることを特徴とする車体構造。
  2. 前記固定部材は、前記サブフレームに結合されるとともに前記開口部の内側で前記連繋部材に当接する筒状のカラーと、前記カラーを介して前記連繋部材と前記対向部とを固定するボルト及びナットと、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車体構造。
  3. 前記連繋部材は、前記当接壁に上方から当接する底壁と、前記底壁と別体に形成された周壁と、を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車体構造。
  4. 前記ベースフレームは、前記周壁の厚み方向で前記周壁と重なる重なり部を備えていることを特徴とする請求項3に記載の車体構造。
  5. フロアパネルの車幅方向中央のトンネル部を支持するとともに、車体前後方向から見て逆U字状をなすトンネルクロスメンバを更に備え、
    前記周壁は、車幅方向内側に窪んで前記トンネルクロスメンバの車幅方向外側部に沿うように延びるとともに、前記トンネルクロスメンバに接続される接続凹部を備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載の車体構造。
  6. 前記周壁は、前記サイドフレームの稜線に連続するとともに、前記周壁の内側に窪む稜線部を備えていることを特徴とする請求項3から5の何れか一項に記載の車体構造。
  7. 前記ベースフレームは、前記当接壁の外周縁を起点として車体前後方向で中央に向かうほど下方に位置するように傾斜する傾斜面を備えていることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の車体構造。
  8. 前記ベースフレームには、前記傾斜面の前記当接壁とは反対側の部分から上方に突出する縦壁が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の車体構造。
  9. 車体前後方向で前記連繋部材の前記ベースフレームとは反対側における前記サブフレームと前記サイドフレームとの間には、サスペンションのロアアームを支持するロアアーム支持部が設けられていることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の車体構造。
  10. 前記サブフレームは、車体前後方向で前記サイドフレームの前記ベースフレームとは反対側の端部に接続される第一接続部と、前記第一接続部と前記対向部との間において前記サイドフレームに接続される第二接続部と、前記第一接続部と前記第二接続部との間において下方に屈曲する屈曲部と、を備えていることを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の車体構造。
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