[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るサポーター1の構成を例示する三面図(正面図、側面図および底面図)であり、図2は、サポーター1の背面図である。第1実施形態のサポーター1は、利用者の膝部(可動部位の例示)を支持する補助具であり、膝部に装着可能な装着部10を具備する。
装着部10は、柔軟な布生地を裁断した扁平部材であり、例えばナイロンまたはポリプロピレン等の各種の素材で形成される。第1実施形態の装着部10は、第1面F1と第2面F2とを有する。図1に図示された第1面F1は、利用者の身体にサポーター1が装着された状態(以下「装着状態」という)で身体とは反対側(すなわち外側)に位置する表面である。図2に図示された第2面F2は、第1面F1とは反対側の表面であり、装着状態において身体側(すなわち内側)に位置する。なお、以下の説明では、相互に直交するX方向とY方向とを想定する。X-Y平面は、装着部10に平行な平面である。X方向は、例えばサポーター1の横方向であり、Y方向は、例えばサポーター1の縦方向である。
第1実施形態の装着部10は、X方向およびY方向の各々に延在する中心線に対して線対称な平面形状である。具体的には、装着部10は、基体部11と複数の取付部12(12a1,12a2,12b1,12b2)とが一体をなす平面形状に形成される。基体部11は、X方向に長尺な帯状の部分である。複数の取付部12(12a1,12a2,12b1,12b2)の各々は、基体部11からX方向に突出する部分である。具体的には、図1および図2に例示される通り、取付部12a1と取付部12a2とは基体部11におけるX方向の負側に連続し、取付部12b1と取付部12b2とは基体部11におけるX方向の正側に連続する。取付部12a1と取付部12a2とはY方向に間隔をあけて相互に離間し、取付部12b1と取付部12b2とはY方向に間隔をあけて相互に離間する。各取付部12の先端(すなわち基体部11とは反対側の周縁)は円弧状である。装着部10の周縁の部分(以下「周縁部」という)13には、全周にわたり周囲縫製が施される。例えば、装着部10の周縁を縁取る所定幅のテープが装着部10に縫合される。
図1および図2に例示される通り、取付部12a1の第2面F2には着脱部20aが設置され、取付部12a2の第2面F2には着脱部20bが設置される。着脱部20aおよび着脱部20bは、面状ファスナーとして機能する。すなわち、着脱部20aおよび着脱部20bの各々は、装着部10の第1面F1に着脱可能である。図1および図2に例示される通り、着脱部20aは取付部12a1の先端から部分的に張出すように設置される。着脱部20bも同様に、取付部12a2の先端から部分的に張出すように設置される。したがって、着脱部20aおよび着脱部20bを容易に着脱できるという利点がある。
図3は、装着状態にあるサポーター1の説明図である。図3に例示される通り、サポーター1を利用者の膝部Pに装着する場合には、第2面F2が利用者の膝部Pに対向した状態で装着部10が膝部Pに巻回され、取付部12a1の着脱部20aが取付部12b1の第1面F1に結合されるとともに取付部12a2の着脱部20bが取付部12b2の第1面F1に結合される。例えば、膝部Pの内側(正中面側)から外側に向けて装着部10を引張りながら膝部Pに巻回すれば、利用者が脚部を踏込んだとき(例えばターン時またはジャンプ時)における膝部Pの内側への負担を軽減することが可能である。
以上に例示した装着状態では、取付部12a1と取付部12b1とを結合した帯状の部分と、取付部12a2と取付部12b2とを結合した帯状の部分とが、膝部Pの膝頭Pa(いわゆる膝小僧)をY方向に挟む状態となる。他方、基体部11は、装着状態では、膝部Pの膝裏部Pb(すなわち膝窩)と両側面(内側面および外側面)とを被覆する。なお、図3では、取付部12a1および取付部12b1が上方に位置した状態で装着部10を膝部Pに装着したが、装着部10の上下を反転させ、取付部12a2および取付部12b2が上方に位置した状態で装着部10を膝部Pに装着することも可能である。
図1に例示される通り、取付部12a1の第1面F1には標章14が形成される。標章14は、サポーター1の商品名や販売者を視覚的に識別するための図形または記号等の標識(典型的には商標)であり、例えば印刷または刺繍により形成される。第1実施形態の標章14は、上下が観念される形状である。図1では、文字「K」が標章14として例示されている。図1に例示される通り、X方向を上下方向とした向き(具体的には取付部12a1の先端側を上方とした向き)で標章14は形成される。
なお、Y方向を上下方向として標章14を形成した構成では、取付部12a1と取付部12b1とが上方に位置する装着状態と、取付部12a2と取付部12b2とが上方に位置する装着状態とで標章14の上下が反転する。そして、装着状態において標章14が逆様であると見映えが悪いという問題がある。第1実施形態では、X方向を上下方向として標章14が形成されるから、サポーター1が膝部Pに装着される方向に関わらず、標章14は横向きであり逆様にはならない。したがって、サポーター1の装着時の見映えを悪化させないという利点がある。もっとも、Y方向を上下方向として標章14を形成することも可能である。
図1に例示される通り、第1実施形態の装着部10には開口部15が形成される。開口部15は、図3から理解される通り、装着部10のうち膝部Pの膝裏部Pbに対応する領域に形成された開口である。具体的には、装着部10におけるX方向およびY方向の各々の中央に開口部15が位置する。第1実施形態における開口部15の平面形状は、内周縁A1と内周縁A2と内周縁A3と内周縁A4とで包囲された形状である。内周縁A1および内周縁A2はY方向に平行な直線状である。他方、内周縁A3および内周縁A4は、内周縁A1と内周縁A2との端部同士を相互に連結する曲線状(例えば円弧状)である。
図1および図2に例示される通り、装着部10には被覆部30が接合される。第1実施形態では、装着部10の第2面F2に被覆部30が接合される。すなわち、被覆部30は、装着部10からみて膝部P側に位置する。被覆部30は、通気性の布生地で形成される。具体的には、ナイロンまたはポリプロピレン等の各種の素材で形成された網目状の布生地(メッシュ)が被覆部30として好適に利用される。装着部10と被覆部30とは伸縮性が相違する。具体的には、所定の引張力で伸長させた場合の伸長量が装着部10と被覆部30とでは相違する。第1実施形態では、被覆部30が装着部10よりも伸縮性が高い(すなわち伸び易い)場合を想定する。なお、被覆部30を1枚の布生地で構成することも可能であるが、被覆部30の強度を確保するために、複数枚の布生地を重ねて被覆部30を構成することも可能である。
図1および図2に例示される通り、第1実施形態の被覆部30は、開口部15に重なるように装着部10の第2面F2に接合される。すなわち、開口部15が被覆部30により閉塞される。以上のように装着部10の開口部15を通気性の被覆部30により被覆する構成によれば、装着部10に開口部15を形成しない構成と比較して、膝裏部Pbとサポーター1との間の空間におけるムレを低減することが可能である。なお、通気性を確保するだけならば被覆部30を設置しない構成も想定され得るが、サポーター1の強度が不足する可能性がある。第1実施形態では、開口部15に重なる被覆部30を設置することで、サポーター1の強度を確保しながらムレを低減できるという利点がある。
図1および図2に例示される通り、第1実施形態における被覆部30の平面形状は、周縁B1と周縁B2と周縁B3と周縁B4とで包囲された形状である。周縁B1および周縁B2はX方向に平行な直線状であり、装着部10の周縁に沿ってX方向に延在する。周縁B3および周縁B4は、周縁B1と周縁B2との端部同士を相互に連結する曲線状(例えば円弧状)である。
以上に例示した形状の被覆部30が、装着部10におけるX方向の中央に縫合される。具体的には、被覆部30は、周縁B3に沿う曲線状の縫合線L3と周縁B4に沿う曲線状の縫合線L4とにより装着部10に縫合される。また、図2に例示される通り、被覆部30における周縁B1および周縁B2の各々の近傍の部分(以下「接合部分」という)31は、装着部10の周縁部13に対する周囲縫製により装着部10に縫合される。さらに、第1実施形態の被覆部30は、開口部15の内周縁A1の近傍でY方向に沿う縫合線L1と開口部15の内周縁A2の近傍でY方向に沿う縫合線L2とにより装着部10に縫合される。縫合線(L1〜L4)は、例えば糸による縫い目である。
以上に説明した通り、被覆部30において周縁B1および周縁B2の近傍に位置する接合部分31が装着部10に縫合される。図2に例示される通り、接合部分31は、装着部10の周縁部13に近接し、開口部15からは離間している。すなわち、開口部15の内周縁A3および内周縁A4の近傍では、装着部10と被覆部30とは縫合されていない。したがって、開口部15の内周縁A3または内周縁A4は被覆部30から離間し得る。
ところで、開口部15の内周縁A3および内周縁A4が被覆部30に縫合された構成(以下「対比例1」という)では、装着部10および被覆部30のうち伸縮性が低い方(第1実施形態では装着部10)により他方の伸縮が制限される。以上の対比例1とは対照的に、第1実施形態では、被覆部30と装着部10との接合部分31が開口部15から離間しているから、装着部10および被覆部30のうち伸縮性が低い方により他方の伸縮が制限されることが緩和される。したがって、対比例1と比較して伸縮性に富んだサポーター1を提供できるという利点がある。ただし、開口部15の内周縁A3および内周縁A4を被覆部30に縫合することも可能である。
図1および図2から理解される通り、縫合線L1と縫合線L3との間には、装着部10と被覆部30とで挟まれた略弓形の空間R1が形成される。同様に、縫合線L2と縫合線L4との間には、装着部10と被覆部30とで挟まれた略弓形の空間R2が形成される。空間R1には弾性体40aが収容され、空間R2には弾性体40bが収容される。すなわち、第1実施形態の装着部10には一対の弾性体(弾性体40aおよび弾性体40b)が設置される。
図3に例示される通り、弾性体40aおよび弾性体40bの一方は膝部Pの内側面(すなわち正中面側の側面)に重なり、弾性体40aおよび弾性体40bの他方は膝部Pの外側面(すなわち正中面とは反対側の側面)に重なる。すなわち、膝部Pを左右から挟むように弾性体40aおよび弾性体40bが設置される。なお、弾性体40aと弾性体40bとは構造および特性が共通する。そこで、以下の説明では、弾性体40aと弾性体40bとを特に区別する必要がない場合には、両者を「弾性体40」と包括的に表記して各々の個別的な説明を割愛する。
弾性体40は、弾性変形が可能な部材である。第1実施形態の弾性体40は、装着状態において膝部Pの側面を弾性的に押圧することで当該膝部Pを支持する。したがって、弾性体40は、膝部Pを支持する支持部材(パッド)とも換言され得る。また、弾性体40は、膝部Pの屈曲により弾性的に変形し、膝部Pの伸展時に弾性的に復元することで膝部Pの伸展を補助する。すなわち、利用者が膝部Pを屈伸する動作の負荷が軽減される。また、弾性体40は、弾性変形により外部からの衝撃を吸収することで膝部Pを保護する機能も実現する。
図1に例示される通り、装着部10において弾性体40aおよび弾性体40bの各々に重なる部分には複数の貫通孔16が形成される。第1実施形態の各貫通孔16は、X方向およびY方向に対して傾斜した方向に長尺な平面形状の開口である。具体的には、弾性体40aに重なる領域には、相互に間隔をあけてY方向に配列する6個の貫通孔16が形成される。弾性体40bに重なる領域にも同様に、相互に間隔をあけて配列する6個の貫通孔16が形成される。弾性体40aに重なる各貫通孔16は、空間R1の内部と外部とを連通させ、弾性体40bに重なる各貫通孔16は、空間R2の内部と外部とを連通させる。以上の例示の通り、第1実施形態では、装着部10に貫通孔16が形成されるから、膝部Pの屈伸(屈曲または伸展)に追従するように装着部10が変形し易い。したがって、例えば装着状態で膝部Pが屈伸された場合における装着部10のシワまたはヨレ等の歪みを抑制することが可能である。また、弾性体40が設置されていることを、利用者が貫通孔16を介して視覚的に確認することが可能である。なお、貫通孔16の平面形状は任意である。
図4は、図1におけるIV-IV線の断面図である。図4に例示される通り、空間R1および空間R2の各々には、装着部10と弾性体40との間に位置する介挿部35が設置される。介挿部35は、網目状の布生地(メッシュ)である。介挿部35の網目は被覆部30と比較して粗い。介挿部35は、装着部10に形成された各貫通孔16を介して露出する。利用者は、各貫通孔16と介挿部35の網目とを介して弾性体40を視認することが可能である。なお、介挿部35は省略され得る。
図5は、弾性体40の平面図および側面図である。図4および図5に例示される通り、第1実施形態の弾性体40は、相互に別体で構成された第1部材41と第2部材42とを含んで構成される。第1部材41および第2部材42の各々は、相互に同様の形状に形成された板状の部材であり、例えば利用者の身体に装着されていない状態(外力が作用しない状態)では平板状の形状を維持する。第1部材41と第2部材42とは、相互に対向する表面が密着した状態で装着部10に設置される。第1実施形態の第1部材41と第2部材42とは、例えば接着剤で相互に接合される。
図4に例示される通り、装着部10側(介挿部35側)に第1部材41が位置するとともに被覆部30側に第2部材42が位置するように、弾性体40は装着部10に設置される。したがって、装着状態では、第1部材41からみて膝部P側に第2部材42が位置する。すなわち、第1部材41と膝部Pとの間に第2部材42が位置する。
第1部材41と第2部材42とは相異なる材料で形成される。具体的には、第1部材41は、例えばEVA(Ethylence Vinyl Acetate)等の樹脂材料で形成された発泡体である。他方、第2部材42は、スチレン系エラストマー等の樹脂材料で形成された低反発発泡体である。以上の通り、第1実施形態の弾性体40は樹脂材料で形成される。したがって、例えば特許文献1のコイルステーのような金属製の部材により身体を支持するサポーターと比較すると、第1実施形態のサポーター1は、競技者同士で身体が頻繁に接触し得るスポーツの場面で特に好適である。ただし、例えば医療用またはリハビリ用にもサポーター1は利用され得る。第1部材41は、膝部Pを支持する機能に主に寄与し、第2部材42は、弾性変形により外部からの衝撃を吸収する機能に主に寄与する。
具体的には、第2部材42は、反発弾性率(日本工業規格(JIS:Japanese Industrial Standards)K6301)が20%以上かつ60%以下の低反発発泡体で形成される。より好適な態様では、第2部材42は、反発弾性率(JIS K6301)が30%以上かつ50%以下の低反発発泡体で形成される。ここで、反発弾性率が20%未満の一般的な低反発発泡体では、長時間にわたる装着で圧力が継続的に作用した場合に、反発力が低下した状態(いわゆるへたった状態)に変性し得る。他方、高反発(高弾性)発泡体では衝撃吸収性が低下する。本願発明者は、反発力低下(へたり)の抑制と衝撃吸収性の維持との両立という観点から、反発弾性率が前述の範囲内にある低反発発泡体が第2部材42の素材として好適であることを見出した。すなわち、反発弾性率が20%以上かつ60%以下(より好適には30%以上かつ50%以上)の発泡体で第2部材42を形成した構成によれば、反発力低下の抑制と衝撃吸収性の維持とを高い水準で両立できるという利点がある。なお、第1部材41は、第2部材42と比較して反発弾性率が大きい部材(より高反発な部材)とも換言され得る。また、第2部材42は、衝撃吸収性に優れ、反発力が低下し難く、かつ、低温で硬くなり難い性質の発泡体である。
なお、第1部材41および第2部材42は、例えば、内部の気泡が相互に独立した(したがって液体や気体を通過させ難い)独立気泡構造の発泡体で形成される。具体的には、全体の体積に対する気泡の体積の割合が25%以上である独立気泡構造の発泡体が第1部材41または第2部材42の素材として好適である。以上の構成によれば、内部の気泡が相互に連通する連続気泡構造の発泡体(例えばスポンジ)と比較して外力の作用時に変形し難い(つぶし可能量が抑制される)から、衝撃吸収性の確保が容易であるという利点がある。
ところで、利用者の身体をしっかりと支持するためには、弾性体は硬いことが望ましい。しかし、弾性体が硬いほど、膝部Pの変形には追従し難くなる。弾性体が膝部Pの変形に追従しない状態では、弾性体の一部のみが利用者の身体を局所的に押圧することになるから、利用者が違和感(例えば痛みまたは不快感)を覚えるという問題がある。以上の事情を考慮して、第1実施形態では、第1部材41と第2部材42とは硬さが相違する。具体的には、第2部材42は第1部材41と比較して軟質である。したがって、第1部材41は、利用者の膝部Pをしっかりと支持する一方、第2部材42は、膝部Pの変形(例えば屈伸)に追従するように変形する。以上の説明から理解される通り、第1実施形態では、第2部材42のみで弾性体40を構成した場合と比較して利用者の膝部Pがしっかりと支持される。また、第1部材41のみで弾性体40を構成した場合と比較して装着感(フィット感)を向上させることが可能である。すなわち、第1実施形態によれば、サポーター1が膝部Pを支持する性能を維持しながら装着感を向上させることが可能である。
第1部材41および第2部材42の硬さについて詳述する。以下の説明では、JIS K6767に規定された25%圧縮硬さHを硬さの指標として利用する。25%圧縮硬さHは、以下の数式(a)で定義される。
H=Q/WL …(a)
数式(a)の記号Qは、圧縮後の試料の加重である。具体的には、平面板の間に配置された試料を10mm/minの速度で無荷重時の厚さの25%だけ圧縮して停止し、圧縮の停止から20秒後の加重が、数式(a)の加重Qとして利用される。また、数式(a)の記号Wは試料の幅(mm)であり、数式(a)の記号Lは試料の長さ(mm)である。
第1実施形態では、第1部材41の25%圧縮硬さH1は、第2部材42の25%圧縮硬さH2よりも大きい(H1>H2)。例えば、第1部材41の25%圧縮硬さH1は20N/cm2以上であり、第2部材42の25%圧縮硬さH2は、15N/cm2以下である。以上の構成によれば、第1部材41による支持機能の維持と第2部材42による装着感の向上とを有効に両立することが可能である。さらに具体的には、第1部材41の25%圧縮硬さH1は、20N/cm2以上かつ40N/cm2以下であり、第2部材42の25%圧縮硬さH2は、10N/cm2以下である。より好適な態様では、第1部材41の25%圧縮硬さH1は、27N/cm2以上かつ30N/cm2以下であり、第2部材42の25%圧縮硬さH2は、2N/cm2以上かつ6N/cm2以下である。
図4および図5に例示される通り、第1部材41と第2部材42とでは厚さが相違する。具体的には、第1部材41の厚さT1は、第2部材42の厚さT2よりも大きい(T1>T2)。例えば、第1部材41の厚さT1は4mm以上かつ5mm以下であり、第2部材42の厚さT2は3mm程度である。ただし、第1部材41の厚さT1と第2部材42の厚さT2との関係は、以上の例示に限定されない。すなわち、第1部材41または第2部材42の素材によっては、第1部材41と第2部材42とを同等の厚さとした構成(T1=T2)、または、第2部材42の厚さT2が第1部材41の厚さT1よりも大きい構成(T2>T1)も採用され得る。
なお、弾性体40が厚過ぎると、サポーター1を利用者の両膝に装着した場合に、弾性体40に対応する部位が左膝と右膝とで相互に接触し、利用者が違和感を覚えたり利用者の運動を阻害したりする可能性がある。以上の事情を考慮すると、第1部材41と第2部材42との厚さの合計(T1+T2)は、例えば10mm以下であることが望ましく、より好適には8mm以下とされる。
また、第1部材41と第2部材42とでは色が相違する。例えば、装着部10側に位置する第1部材41は、赤色等の高彩度の色に着色され、第2部材42は、灰色等の低彩度の色に着色されている。また、弾性体40の第1部材41の色は、装着部10および介挿部35の色(例えば黒色)とも相違する。したがって、利用者は、装着部10の各貫通孔16と介挿部35の網目とを介して弾性体40を明確に視認することが可能である。貫通孔16が形成されない構成(すなわち弾性体40を外部から視認できない構成)と比較して意匠的な美観(デザイン性)に優れるという利点もある。
図5には、装着状態における膝部Pの前方側と後方側とが矢印で図示されている。図5に例示される通り、弾性体40における膝部Pの後方側の周縁(以下「後縁部」という)45には、複数(図5の例示では2個)の切欠部46が相互に間隔をあけて形成される。複数の切欠部46の各々は、後縁部45に対して局所的に窪んだ凹部である。利用者が膝部Pを屈曲すると、各切欠部46の幅が狭まるように弾性体40が弾性変形する。すなわち、弾性体40に切欠部46が形成されない構成と比較して、膝部Pの屈伸に追従するように弾性体40が変形し易い。したがって、膝部Pの屈伸時にシワやヨレ等の歪みが弾性体40に発生する可能性が低減される。
図5に例示される通り、弾性体40における膝部Pの前方側の周縁(以下「前縁部」という)47は凸形状である。具体的には、凸形状とは、平面視で前縁部47上の任意の2点を結ぶ線分Sを想定した場合に、当該線分S上の点が弾性体40上に位置する平面形状である。図5に例示された前縁部47は、平面視で曲線状(典型的には円弧状)である。
ところで、図6の例示のように部分的に窪んだ前縁部47は、線分S上の点が弾性体40上に位置しないから、凸形状には該当しない。以上の例示から理解される通り、凸形状は、例えば窪み(凹部)がない平面形状とも換言され得る。第1実施形態の弾性体40における前縁部47は、局所的な凸部を含まない平面形状に形成されるから、膝部Pの屈伸に追従するように弾性体40が変形し易い。したがって、利用者が膝部Pを屈伸するときの負担を軽減することが可能である。また、膝部Pの屈伸時にシワやヨレ等の歪みが弾性体40に発生する可能性を低減できるという利点もある。ただし、図6に例示した形状の弾性体40を採用することも可能である。
以上に説明した通り、第1実施形態では、装着部10に設置された板状の弾性体40が利用者の膝部Pを面的に押圧する。したがって、利用者の身体が線状のコイルボーンにより局所的に押圧される構成と比較して、装着感が良好なサポーター1を提供することが可能である。
なお、特許文献1のコイルボーンを利用したサポーターにおいて、コイルボーンの外径に近い厚さの凸部をコイルボーンの周囲に形成した構成(以下「対比例2」という)も想定され得る。対比例2によれば、コイルボーンの側面と凸部の頂面とが同等の高さ(いわゆる面一)となるから、利用者の身体を面的に押圧することが可能である。しかし、対比例2では、コイルボーンの周囲に凸部を形成する必要があるから、製造コストが嵩むという問題がある。対比例2とは対照的に、第1実施形態では、弾性体40が板状であり、それ自体が利用者の身体を面的に押圧するから、弾性体40の周囲に凸部を形成する必要はない。したがって、対比例2と比較して製造コストを低減できるという利点もある。
[第2実施形態]
図7は、本発明の第2実施形態に係るサポーター2の平面図であり、図8は、図7におけるVIII-VIII線の断面図である。第2実施形態のサポーター2は、利用者の腰部(可動部位の例示)の支持に利用される補助具(コルセット)である。図7および図8に例示される通り、第2実施形態のサポーター2は、腰部に装着可能な装着部60を具備する。
装着部60は、第1実施形態の装着部10と同様に、柔軟な布生地で形成される。装着部60は、装着状態で利用者の身体とは反対側に位置する第1面F1と、第1面F1とは反対側(すなわち利用者の身体側)の第2面F2とを有する。図7に例示される通り、第2実施形態の装着部60は、基体部61と取付部62aと取付部62bとを含んで構成される。基体部61におけるX方向の負側に取付部62aが連続し、基体部61におけるX方向の正側に取付部62bが連続する。取付部62aと取付部62bとは相互に着脱可能である。サポーター2を利用者の腰部に装着する場合には、利用者の腰部に第2面F2が対向するように装着部60を腰部に巻回した状態で、取付部62aと取付部62bとが結合される。
図7および図8に例示される通り、装着部60の第1面F1には被覆部70が接合される。なお、図7では便宜的に被覆部70に網掛が付加されている。第1実施形態では、装着部10が身体とは反対側(外側)に位置するとともに被覆部30が身体側(内側)に位置するのに対し、第2実施形態では、装着部60が身体側(内側)に位置するとともに被覆部70が身体とは反対側(外側)に位置する。
被覆部70は、例えば網目状の布生地(メッシュ)で形成される。図7および図8に例示される通り、装着部60には補助部65aと補助部65bと補助部65cとが設置される。補助部65aは、被覆部70のうちX方向の負側の周縁に沿う長尺状の布生地であり、補助部65cは、被覆部70のうちX方向の正側の周縁に沿う長尺状の布生地である。また、補助部65bは、補助部65aと補助部65cとの間において被覆部70の中心線に沿う長尺状の布生地である。被覆部70におけるY方向の正側および負側の周縁は、第1実施形態と同様に、装着部60に対する周囲縫製により装着部60に縫合される。したがって、補助部65aと補助部65bとの間の空間R1と、補助部65bと補助部65cとの間の空間R2とが形成される。
図7および図8に例示される通り、空間R1には弾性体80aが収容され、空間R2には弾性体80bが収容される。装着状態では、補助部65bは利用者の正中面上に位置するから、弾性体80aと弾性体80bとは正中面を挟んで相互に反対側に位置する。なお、以下の説明において、弾性体80aと弾性体80bとを特に区別する必要がない場合には、両者を「弾性体80」と包括的に表記する。第2実施形態の弾性体80の平面形状は、台形状である。
図8に例示される通り、弾性体80は、第1実施形態と同様に、第1部材81と第2部材82とで構成される。第1部材81および第2部材82の各々は板状の部材である。第1部材81と第2部材82とが積層された状態で装着部60に設置される。図8から理解される通り、被覆部70側に第1部材81が位置するとともに装着部60側に第2部材82が位置するように、弾性体80は装着部60に設置される。したがって、装着状態では、第1部材81からみて腰部側に第2部材82が位置する。
第1部材81と第2部材82とは相異なる材料で形成される。具体的には、第1実施形態と同様に、第1部材81は、例えばEVA等の樹脂材料で形成された発泡体であり、第2部材82は、スチレン系エラストマー等の樹脂材料で形成された低反発発泡体である。第1部材81と第2部材82とは硬さが相違する。具体的には、第2部材82は第1部材81と比較して軟質である。したがって、第1部材81は、利用者の腰部を支持し、第2部材82は、腰部の変形に追従するように変形する。
図9は、利用者の身体を支持する支持部材90として金属製等の硬質な部材を採用したサポーターを第2実施形態との対比例として例示する説明図である。腰部が屈曲した場合に支持部材90が変形する様子が図9には図示されている。他方、図10は、第2実施形態の弾性体80が腰部に装着された状態の説明図である。図9の硬質な支持部材90は、利用者の腰部の屈曲に適切に追従できないから、図9に例示される通り、支持部材90と腰部との間に隙間が発生し、支持部材90の一部のみが腰部を局所的に押圧することになる。したがって、利用者が違和感(例えば痛みまたは不快感)を覚える可能性がある。他方、第2実施形態では、第1部材41からみて腰部側に軟質の第2部材42が位置する。したがって、図10に例示される通り、硬質の第1部材41により腰部が支持される一方、第2部材42は腰部の変形(例えば屈曲)に追従するように変形する。すなわち、第2部材42が腰部を面的に押圧する状態は維持される。以上の説明から理解される通り、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、サポーター2が利用者の腰部を支持する性能を維持しながら装着感を向上させることが可能である。
なお、第1部材81の特性は第1実施形態の第1部材41と同様であり、第2部材82の特性は第1実施形態の第2部材42と同様である。例えば、第2部材82は、反発弾性率(JIS K6301)が20%以上かつ60%以下(より好適には30%以上かつ50%以下)の低反発発泡体で形成される。第1部材81の25%圧縮硬さH1の条件は、第1実施形態の第1部材41の条件と同様であり、第2部材82の25%圧縮硬さH2の条件は、第1実施形態の第2部材42の条件と同様である。また、第1部材81の厚さが第2部材82の厚さよりも大きい構成、および、第1部材81と第2部材82とで色が相違する構成は、第1実施形態と同様である。前述の通り、被覆部70は網目状の布生地であるから、利用者は、被覆部70を介して弾性体80(特に外側に位置する第1部材81)を視認することが可能である。
図7に例示される通り、装着部60には調整帯67aと調整帯67bとが設置される。具体的には、調整帯67aおよび調整帯67bの各々の基端部が補助部65bに接合される。調整帯67aおよび調整帯67bの各々の先端部は、例えば面状ファスナー68により装着部60の第1面F1の任意の位置に結合可能である。以上の構成において、装着部60を利用者の腰部に装着した状態で、調整帯67aおよび調整帯67bの各々の先端部の位置を変更することで、サポーター2が腰部を締付ける度合を調整することが可能である。
以上に説明した通り、第2実施形態では、装着部60に設置された板状の弾性体80が利用者の腰部を面的に押圧する。したがって、利用者の身体が線状のコイルボーンにより局所的に押圧される構成と比較して、第1実施形態と同様に、装着感が良好なサポーター2を提供することが可能である。
[変形例]
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
(1)弾性体(40,80)の平面形状は前述の各形態の例示に限定されない。例えば、図11に例示される通り、前縁部47が多角形状である弾性体40を第1実施形態のサポーター1に利用することも可能である。図11における前縁部47上の任意の2点を結ぶ線分S上の点を想定すると、図11の前縁部47は、当該線分C上の点が弾性体40上に位置する凸形状である。図11の弾性体40を利用したサポーター1では、図12に例示される通り、被覆部30の周縁B3および縫合線L3と被覆部30の周縁B4および縫合線L4とは、弾性体40の前縁部47に対応する多角形状に形成される。
(2)第1実施形態の弾性体40に形成される切欠部46の総数または形状は、第1実施形態の例示に限定されない。例えば、弾性体40の後縁部45に1個の切欠部46を形成した構成、または、3個以上の切欠部46を後縁部45に形成した構成も採用され得る。切欠部46を省略することも可能である。
また、第1実施形態では第1部材41と第2部材42とにおける共通の位置に同形状の切欠部46を形成したが、第1部材41および第2部材42の一方のみに切欠部46を形成することも可能である。また、第1部材41と第2部材42とで相異なる位置に切欠部46を形成してもよい。
(3)第1実施形態の装着部10に形成される貫通孔16の総数または形状は、第1実施形態の例示に限定されない。例えば、図13に例示される通り、装着部10において1個の弾性体40に重なる部分に8個の貫通孔16を形成した構成、または、図14に例示される通り、装着部10において1個の弾性体40に重なる部分に4個の貫通孔16を形成した構成も採用され得る。また、図15に例示される通り、X方向に平行な貫通孔16を形成することも可能である。第2実施形態に例示した腰用のサポーター2の装着部60に1個以上の貫通孔を形成してもよい。
(4)第1実施形態において装着部10に形成される開口部15の平面形状は任意である。例えば、図16に例示される通り、角部が円弧状とされた矩形状の開口部15を装着部10に形成した構成、または、図17に例示される通り、楕円形または長円形の開口部15を装着部10に形成した構成も採用され得る。
(5)前述の各形態では、第1部材(41,81)と第2部材(42,82)とが接着剤により接合された構成を例示したが、第1部材と第2部材とが相互に接合されることは必須ではない。例えば、第1部材と第2部材とを相互に接合せずに重ねた状態で空間(R1,R2)に収容した構成でも、前述の各形態と同様の効果が実現される。
(6)前述の各形態では、第1部材と第2部材とを含む弾性体(40,80)を例示したが、弾性体を構成する部材の総数は以上の例示(2個)に限定されない。例えば、第1部材と第2部材との間に他の部材を介在させた構成や、第2部材と他の部材との間に第1部材を配置した構成も採用され得る。
(7)前述の各形態では2個の弾性体(40,80)を設置した構成を例示したが、弾性体の個数は以上の例示に限定されない。例えば、膝部Pの片方の側面(内側面または外側面)に重なる1個の弾性体40を装着部10に設置することも可能である。1個の弾性体40を設置した構成でも、第1実施形態と同様に、良好な装着感を実現できるという効果や、前述の対比例2と比較して製造コストを低減できるという効果は実現される。
(8)利用者の身体において弾性体(40,80)が重なる部位は、膝部Pおよび腰部に限定されない。例えば、利用者の肘部に重なる弾性体が装着部に設置された肘用のサポーターにも本発明は適用され得る。
(9)第1実施形態では、通気性がある網目状の被覆部30により開口部15を被覆したが、被覆部30の通気性は必須ではない。例えば、吸水性の布生地で形成された被覆部30を開口部15に重ねることも可能である。吸水性の被覆部30を利用した構成でも、膝裏部Pbとサポーター1との間の空間におけるムレを低減することができる。
(10)前述の各形態では、第1部材(41,81)と第2部材(42,82)との積層で弾性体(40,80)を構成したが、弾性体を複数の部材で形成した構成は省略され得る。すなわち、板状に形成された単体の弾性部材により弾性体を構成することも可能である。
(11)装着部(10,60)の形状は、前述の各形態の例示に限定されない。例えば、第1実施形態のサポーター1における取付部12の個数は、図1の例示(4個)に限定されず任意に変更され得る。具体的には、図18に例示される通り、基体部11におけるX方向の負側に3個の取付部12(12a1,12a2,12a3)を形成し、基体部11におけるX方向の正側に3個の取付部12(12b1,12b2,12b3)を形成することも可能である。取付部12a1には着脱部20a(面状ファスナー)が設置され、取付部12a2には着脱部20bが設置され、取付部12a3には着脱部20cが設置される。装着状態では、取付部12a1が着脱部20aにより取付部12b1に連結され、取付部12a2が着脱部20bにより取付部12b2に連結され、取付部12a3が着脱部20cにより取付部12b3に連結される。
取付部12の形状または寸法も、図1の例示には限定されない。例えば、図19に例示される通り、取付部12a1および取付部12a2のX方向の長さを、取付部12b1および取付部12b2のX方向の長さよりも大きくした構成も採用され得る。また、図20に例示される通り、基体部11におけるX方向の正側に単一の取付部12bを設置してもよい。図20の構成は、基体部11の一部を取付部12bとして利用する構成とも換言され得る。
また、以上の説明では、平面状の装着部(10,60)を利用者の身体に巻回したうえで両端部を結合する構成のサポーター(1,2)を例示したが、利用者の身体の可動部位が挿入される筒状の装着部を具備するサポーターにも、前述の各形態と同様に本発明を適用することが可能である。
(12)第1実施形態では、弾性体40aと弾性体40bとで構造(例えば形状または寸法)および特性(例えば材料または硬さ)を共通させたが、弾性体40aと弾性体40bとで構造または特性を相違させることも可能である。弾性体40aと弾性体40bとで構造および特性を共通させた構成(前述の第1実施形態)は、右膝と左膝とに兼用されるサポーター1に特に好適である。他方、弾性体40aと弾性体40bとで構造および特性を相違させた構成は、右膝に専用されるサポーターまたは左膝に専用されるサポーターに特に好適である。
[付記]
以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の参照符号を便宜的に括弧書で付記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
<態様1>
本発明の好適な態様(態様1)に係るサポーター(1,2)は、身体の可動部位に装着可能な装着部(10,60)と、前記装着部(10,60)に設けられた弾性体(40,80)とを具備し、前記弾性体(40,80)は、板状の第1部材(41,81)と、前記第1部材(41,81)よりも軟質であり、前記第1部材(41,81)からみて前記可動部位側に位置する板状の第2部材(42,82)とを含む。以上の態様では、弾性体(40,80)の第1部材(41,81)と第2部材(42,82)とが板状であるから、装着状態では、利用者の身体の可動部位が弾性体(40,80)により面的に押圧される。したがって、利用者の身体が線状のコイルボーンにより局所的に押圧される構成と比較して、装着感が良好なサポーター(1,2)を提供することが可能である。
また、第1部材(41,81)は第2部材(42,82)よりも硬質であるから、第2部材(42,82)のみで弾性体(40,80)を構成した場合と比較して可動部位をしっかりと支持することができる。他方、第1部材(41,81)からみて可動部位側に位置する第2部材(42,82)は、第1部材(41,81)よりも軟質であるから、第1部材(41,81)と比較して形状が可動部位の変形に追従し易い。したがって、サポーター(1,2)が可動部位を支持する性能を維持しながら装着感を向上させることが可能である。
なお、可動部位とは、相互に連結された複数の骨の相対的な移動により変形する部位である。具体的には、膝部または肘部等の関節部位、または、腰椎で構成される腰部が可動部位の典型例である。なお、腰部を関節部位と解釈することも可能である。可動部位は、身体のうち屈伸する部位(屈伸部位)とも換言され得る。
<態様2>
態様1の好適例(態様2)において、前記第2部材(42,82)は、反発弾性率(JIS K6301)が20%以上かつ60%以下の発泡体である。以上の態様によれば、第2部材(42,82)により可動部位を適度に支持しながら、第2部材(42,82)を可動部位の変形に追従させることが可能である。
<態様3>
態様1または態様2の好適例(態様3)において、前記第1部材(41,81)の25%圧縮硬さは、20N/cm2以上であり、前記第2部材(42,82)の25%圧縮硬さは、15N/cm2以下である。以上の態様によれば、可動部位を支持する性能の維持と装着感の向上とを高い水準で両立することが可能である。
<態様4>
態様3の好適例(態様4)において、前記第1部材(41,81)の25%圧縮硬さは、20N/cm2以上かつ40N/cm2以下であり、前記第2部材(42,82)の25%圧縮硬さは、10N/cm2以下である。以上の態様によれば、可動部位を支持する性能の維持と装着感の向上とを高い水準で両立することが可能である。
<態様5>
態様1から態様4の何れかの好適例(態様5)において、前記弾性体(40,80)は、前記可動部位である膝部(P)の側面(内側面または外側面)に重なる。以上の態様では、可動部位である膝部(P)の側面に弾性体(40,80)が重なるから、利用者が膝部(P)を屈曲または伸展するときの負担を軽減することが可能である。
<態様6>
態様1から態様4の何れかの好適例(態様6)において、前記弾性体(40,80)を一対備え、前記一対の弾性体(40,80)のうちの一方は、前記可動部位である膝部(P)の内側面に重なり、前記一対の弾性体(40,80)のうちの他方は前記膝部(P)の外側面に重なる。以上の態様では、膝部(P)を両側から挟む一対の弾性体(40,80)が設置されるから、膝部(P)の一方の側面のみに弾性体(40,80)が設置された構成と比較して、利用者が膝部(P)を屈曲または伸展するときの負担を軽減することが可能である。
<態様7>
態様5または態様6の好適例(態様7)において、前記弾性体(40,80)における前記膝部(P)の後方側の周縁には、切欠部(46)が形成される。以上の態様では、弾性体(40,80)における膝部(P)の後方側の周縁に切欠部(46)が形成されるから、膝部(P)の屈伸に追従するように弾性体(40,80)が変形し易い。したがって、弾性体(40,80)のシワまたはヨレ等の歪みを抑制することが可能である。
<態様8>
態様5から態様7の何れかの好適例(態様8)において、前記弾性体(40,80)における前記膝部(P)の前方側の周縁は、当該周縁上の任意の2点を結ぶ線分上の点が当該弾性体(40,80)上に位置する凸形状である。以上の態様によれば、膝部(P)の屈伸に追従するように弾性体(40,80)が変形し易い。したがって、利用者が膝部(P)を屈伸するときの負担を軽減することが可能である。また、膝部(P)の屈伸時にシワやヨレ等の歪みが弾性体(40,80)に発生する可能性を低減できるという利点もある。
<態様9>
態様5から態様8の何れかの好適例(態様9)に係るサポーター(1,2)は、前記装着部(10,60)とは伸縮性が異なる被覆部(30,70)を具備し、前記装着部(10,60)は、前記膝部(P)における膝裏部(Pb)に対応する開口部(15)を有し、前記被覆部(30,70)は、前記開口部(15)に重なるように前記装着部(10,60)に接合され、前記装着部(10,60)と前記被覆部(30,70)との接合部分(31)の少なくとも一部は、前記開口部(15)から離間している。以上の態様では、伸縮率が相違する装着部(10,60)と被覆部(30,70)とが相互に接合される構成において、装着部(10,60)と被覆部(30,70)との接合部分(31)の少なくとも一部は、開口部(15)から離間している。したがって、装着部(10,60)および被覆部(30,70)のうち伸縮率が低い方により他方の伸縮が制限されることが緩和され、伸縮性に富んだサポーター(1,2)を提供できる。
<態様10>
態様1から態様9の何れかの好適例(態様10)において、前記装着部(10,60)において前記弾性体(40,80)に重なる部分には、貫通孔(16)が形成されている。以上の態様では、装着部(10,60)において弾性体(40,80)に重なる部分に貫通孔(16)が形成されているから、可動部位の変形に追従するように装着部(10,60)が変形し易い。したがって、装着部(10,60)のシワまたはヨレ等の歪みを抑制することが可能である。