JP6217857B2 - 新規な重合体およびその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、水溶性樹脂を含有する、膜厚の大きい樹脂膜の形成に好適に用いられる、新規な重合体および感光性樹脂組成物、ならびに樹脂膜、パターン化樹脂膜・その製造方法、および細胞培養装置に関する。
細胞培養技術では、生体内と同等の機能を有する組織(スフェロイド)の培養が注目されている。スフェロイドとは、細胞が多数凝集して形成された3次元状の細胞組織体である。スフェロイド培養は、従来の単層培養に比べ、細胞の機能を長期間維持することが可能で、より生体に近い培養法である。細胞を3次元で培養することにより、細胞を2次元で培養する場合に比べて、その生存状態を長期間に亘って維持できるということが知られている(特許文献1)。
しかしながら、3次元培養では、2次元培養に比べて、細胞が比較的弱く接着する表面を有する細胞培養用基板が用いられるため、形成されるスフェロイドが培養液中に遊離する問題が知られている(特許文献1)。
この問題を解決するため、細胞を保持するための細胞保持キャビティ内において、細胞を培養する方法が開示されている(特許文献1)。このキャビティを形成する隔壁としては、培養後の細胞組織体を取り出すときの容易性を考慮して、細胞組織体との接着力が弱い隔壁である、水溶性樹脂を含有する感光性樹脂組成物から形成される隔壁が用いられることがある(特許文献2〜3)。
特開2006−121991号公報 特開平03−007576号公報 特開2014−023508号公報
細胞培養を3次元で行う場合、細胞保持キャビティのような細胞を保持する孔は、深い方が培養細胞を良好に保持できる。このため、感光性樹脂組成物には、膜厚の大きい樹脂膜を形成できることが望まれる。
樹脂と溶媒とを含む感光性樹脂組成物を用いて膜厚の大きい樹脂膜を形成するには、例えば、樹脂の含有割合を増やすことが考えられる。しかしながら、組成物中の樹脂の含有割合を増やすと組成物の粘度が上がり、塗布が困難となる。特に、水溶性樹脂を使用すると、水溶性樹脂は樹脂同士の相互作用が大きいため組成物の粘度が上昇しやすい。このため、水溶性樹脂を含有する、膜厚の大きい樹脂膜を形成することは困難となる。
本発明の課題は、水溶性樹脂を含有する、膜厚の大きい樹脂膜を形成することを可能とする、重合体およびこの重合体を含有する感光性樹脂組成物、ならびに樹脂膜、パターン化樹脂膜・その製造方法、および細胞培養装置を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、以下の構成を有する重合体および感光性樹脂組成物を用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば以下の[1]〜[13]である。
[1]式(1a)で表される構造単位を有する重合体(A)。
Figure 0006217857
[式(1a)中、R1はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20のアルキル基であり、R2は炭素数1〜20のアルカンジイル基または炭素数6〜20のアリーレン基であり、R3は水酸基を有する基であり、R4は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。]
[2]前記R3が、式(g1)で表される1価の基である前記[1]に記載の重合体(A)。
Figure 0006217857
[式(g1)中、aは0〜4の整数である。]
[3]式(1b)で表される構造単位を有する重合体(A')。
Figure 0006217857
[式(1b)中、R1はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20のアルキル基であり、R2は炭素数1〜20のアルカンジイル基または炭素数6〜20のアリーレン基であり、R3は水酸基を有する基であり、R4は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。]
[4]前記R3が、式(g1)で表される1価の基である前記[3]に記載の重合体(A')。
Figure 0006217857
[式(g1)中、aは0〜4の整数である。]
[5]前記[1]または[2]に記載の重合体(A)と、光応答性化合物(B)と、架橋剤(C)とを含有する感光性樹脂組成物。
[6]光応答性化合物(B)が、光酸発生剤であり、架橋剤(C)が、酸の作用によって架橋反応を進行する化合物である前記[5]に記載の感光性樹脂組成物。
[7]架橋剤(C)が、−CH2ORで表される基を少なくとも2つ有する化合物(Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基またはアセチル基)である前記[5]または[6]に記載の感光性樹脂組成物。
[8]前記[1]または[2]に記載の重合体(A)を含有する樹脂膜。
[9]基板上に、前記[5]〜[7]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の樹脂膜を形成する工程1と、前記膜を選択的に露光する工程2と、露光後の前記膜を水系現像液で現像する工程3とを有するパターン化樹脂膜の製造方法。
[10]前記基板が、細胞培養用基板である前記[9]に記載のパターン化樹脂膜の製造方法。
[11]前記[9]または[10]に記載の製造方法によって得られたパターン化樹脂膜。
[12]前記[1]または[2]に記載の重合体(A)を含有するパターン化樹脂膜。
[13]前記[11]または[12]に記載のパターン化樹脂膜を有する細胞培養装置。
本発明によれば、水溶性樹脂を含有する、膜厚の大きい樹脂膜を形成することを可能とする、重合体およびこの重合体を含有する感光性樹脂組成物、ならびに樹脂膜、パターン化樹脂膜・その製造方法、および細胞培養装置を提供することができる。
図1は、合成例A1で得られた重合体の1H NMRスペクトルである。 図2は、実施例A1で得られた重合体の1H NMRスペクトルである。 図3は、実施例A2で得られた重合体の1H NMRスペクトルである。
以下、本発明を実施するための形態について好適態様も含めて説明する。本明細書において、式(n)で表される構造単位を、単に「構造単位(n)」とも記載する。nは式番号である。
〔重合体〕
本発明の重合体は、式(1ab)で表される構造単位を有する。
Figure 0006217857
式(1ab)中、Xは−S−または−S(=O)−であり、R1はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20のアルキル基であり、好ましくは水素原子であり、R2は炭素数1〜20のアルカンジイル基または炭素数6〜20のアリーレン基であり、好ましくは炭素数1〜20のアルカンジイル基であり、R3は水酸基を有する基であり、R4は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基であり、好ましくは水素原子である。
以下の説明では、便宜上、Xが−S(=O)−である上記構造単位を有する重合体を「重合体(A)」とも記載し、Xが−S−である上記構造単位を有する重合体を「重合体(A)の前駆体」または「重合体(A')」とも記載する。ただし、Xが−S(=O)−である上記構造単位およびXが−S−である上記構造単位をともに有する重合体は、重合体(A)に該当する。この前駆体を、後述するように酸化することで、重合体(A)が得られる。以下、「本発明の重合体」というときは、重合体(A)および(A')を総称する意味で用いる。
理由は定かではないが、本発明の重合体(A)を用いると、従来の水溶性樹脂を用いた場合と同等の濃度で比較して、粘度が低い組成物を得ることができる。このため、重合体(A)の含有量が多くても、塗布可能な粘度を有する組成物が調製することができる。したがって、1回塗りで、膜厚の大きい樹脂膜を形成することができる。
また、重合体(A)は水溶性樹脂であることから、細胞組織体との接着力が弱い、細胞非接着性を有する樹脂膜を形成することができる。本発明における「水溶性樹脂」とは、25℃、1barでの水100gに対する溶解度が0.1g以上である樹脂をいう。
1およびR4における炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基等が挙げられる。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10である。
2における炭素数1〜20のアルカンジイル基としては、メチレン基、1,2−エタンジイル基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基等が挙げられる。アルカンジイル基の炭素数は、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10である。
2における炭素数6〜20のアリーレン基としては、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、1,8−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、2,7−ナフチレン基等が挙げられる。アリーレン基の炭素数は、好ましくは6〜18、より好ましくは6〜15である。
3における水酸基を有する基としては、例えば、炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10のアルキル基に含まれる少なくとも1つの水素原子を水酸基に置換してなるOH含有基、さらにこのOH含有基に含まれる一部の−CH2−を酸素原子に置き換えてなるOH・エーテル含有基が挙げられる。水酸基数は、通常1以上、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜2である。特に、R3は式(g1)で表される1価の基であることが好ましい。
Figure 0006217857
式(g1)中、aは0〜4の整数であり、好ましくは0〜1の整数である。
構造単位(1ab)は、式(1)で表される構造単位の一部であることが好ましい。
Figure 0006217857
式(1)中、XおよびR1〜R4はそれぞれ式(1ab)中の同一記号と同義である。なお、炭素原子C1に結合した2つのR1は水素原子であることが好ましく、全てのR1が水素原子であることがさらに好ましい。
Xが−S(=O)−である構造単位(1)の含有量は、本発明の重合体(A)を構成する全構造単位100モル%中、通常20モル%以上、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%である。Xが−S−である構造単位(1)の含有量は、本発明の重合体(A')を構成する全構造単位100モル%中、通常20モル%以上、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%である。構造単位(1)の含有量が前記範囲にあると、水溶性と、組成物中に含有されたときの粘度とのバランスに優れた樹脂が得られる傾向にある。
なお、構造単位とは、モノマー(例えば共役ジエン化合物)由来の構造のことを示す。各構造単位の含有量は、NMR分析により測定することができる。
本発明の重合体は、式(2)で表される構造単位をさらに有していてもよく、また、式(3)で表される構造単位および式(4)で表される構造単位から選ばれる少なくとも1種をさらに有していてもよい。
Figure 0006217857
Figure 0006217857
式(2)〜(4)中、XおよびR1〜R4はそれぞれ式(1ab)中の同一記号と同義である。式(2)において、二重結合のシス−トランス異性体については特に限定されない。なお、炭素原子C1に結合した2つのR1は水素原子であることが好ましく、全てのR1が水素原子であることがさらに好ましい。
Xが−S(=O)−である構造単位(1)および構造単位(2)の合計含有量は、本発明の重合体(A)を構成する全構造単位100モル%中、通常20モル%以上、好ましくは20〜95モル%、より好ましくは30〜90モル%である。Xが−S−である構造単位(1)および構造単位(2)の含有量は、本発明の重合体(A')を構成する全構造単位100モル%中、通常20モル%以上、好ましくは20〜95モル%、より好ましくは30〜90モル%である。
構造単位(3)の含有量は、本発明の重合体(A)または(A')を構成する全構造単位100モル%中、通常80モル%以下、好ましくは5〜80モル%、より好ましくは10〜70モル%である。Xが−S(=O)−である構造単位(4)の含有量は、本発明の重合体(A)を構成する全構造単位100モル%中、通常10モル%以下である。Xが−S−である構造単位(4)の含有量は、本発明の重合体(A')を構成する全構造単位100モル%中、通常10モル%以下である。
本発明の重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定される重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、通常1,000〜100,000、好ましくは2,000〜50,000、より好ましくは3,000〜30,000である。また、本発明の重合体の重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)で表される分子量分布は、通常1〜5、好ましくは1.1〜3、より好ましくは1.2〜2である。
Mwが上記範囲にあると、より解像度が高く、膜厚の大きい樹脂膜を形成することができる。Mw/Mnが上記範囲にあると、解像性の点で好ましい。MwおよびMnの測定方法の詳細は、実施例に記載したとおりである。
〔重合体の製造方法〕
本発明の重合体(A)は、例えば、共役ジエン重合体に含まれる炭素−炭素二重結合をエポキシ化して、エポキシ化重合体を得る工程A1と、前記エポキシ化重合体に含まれるエポキシ環に対して、R3−R2−SHで表される化合物(R2およびR3は、それぞれ前記式(1ab)中のR2およびR3と同義である)を開環付加させ、スルフィド基含有重合体を得る工程A2と、酸化剤を用いて、前記スルフィド基含有重合体に含まれるスルフィド基をスルフィニル基に変換する工程A3とを有する製造方法により、合成することができる。
〈工程A1:エポキシ化〉
工程A1は、共役ジエン重合体に含まれる炭素−炭素二重結合をエポキシ化して、エポキシ化重合体を得る工程である。この工程では、式(a1)で表される構造単位を有する共役ジエン重合体に含まれる炭素−炭素二重結合がエポキシ化され、式(a2)で表される構造単位を有するエポキシ化重合体が得られる。
Figure 0006217857
上記反応式中、R1は式(1ab)中の同一記号と同義である。なお、上記式(a1)において、二重結合のシス−トランス異性体については特に限定されない。
共役ジエン重合体を構成する共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエンが挙げられる。これらの中で、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。共役ジエン化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。共役ジエン重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレンが好ましい。
共役ジエン重合体中のビニル結合含量は、通常80モル%以下、好ましくは5〜80モル%、より好ましくは10〜70モル%である。なお、本明細書において、ビニル結合含量とは、共役ジエン重合体中に1,2−結合、3,4−結合及び1,4−結合の結合様式で組み込まれている共役ジエン化合物のうち、1,2−結合及び3,4−結合で組み込まれている化合物の合計割合(モル%基準)である。ビニル結合含量は、赤外分光分析によるハンプトン法により測定することができる。
工程A1は、例えば、有機溶媒中でエポキシ化剤により、共役ジエン重合体に含まれる、共役ジエン化合物由来の炭素−炭素二重結合をエポキシ化することで行うことができる。このエポキシ化の際には、エポキシ化触媒を用いることもできる。
エポキシ化剤としては、例えば、過酸化水素;過酢酸、過安息香酸、過ギ酸、トリフルオロ過酢酸等の有機過酸が挙げられる。これらの中でも、過酸化水素が好ましい。エポキシ化触媒としては、例えば、ギ酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルチミン酸、パルミトイル酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、(9,12,15)−リノレン酸、(6,9,12)−リノレン酸、エレオステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、8,11−イコサジエン酸、5,8,11−イコサトリエン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等のカルボン酸、およびこれらの酸無水物が挙げられる。
エポキシ化の際に使用し得る有機溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、ナフタレン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等の脂肪族カルボン酸エステル、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。有機溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
工程A1における反応温度は、溶媒の沸点以下で適宜選択すればよいが、通常0〜200℃、好ましくは40〜150℃である。工程A1における反応時間は、通常0.5〜30時間、好ましくは1〜10時間である。
エポキシ化剤およびエポキシ化触媒の使用量は、特に限定されない。エポキシ化剤の反応性、エポキシ化触媒の性能、目的とするエポキシ化率、共役ジエン重合体に含まれる炭素−炭素二重結合数等の条件により、適当な量を使用することができる。
エポキシ化重合体のエポキシ化率は、通常10〜100%、好ましくは30〜90%、より好ましくは40〜80%である。エポキシ化率は、[共役ジエン重合体に含まれる全炭素−炭素二重結合のうちエポキシ化した二重結合数/エポキシ化前の共役ジエン重合体に含まれる全炭素−炭素二重結合数]×100(%)である。エポキシ化率は、1H NMRにより算出することができる。
〈工程A2:スルフィド化〉
工程A2は、エポキシ化重合体に含まれるエポキシ環に対して、R3−R2−SHで表される化合物(スルフィド化剤)を開環付加させ、スルフィド基含有重合体を得る工程である。必要に応じて、エポキシ環が開環した後の水酸基を、アルコキシ化する。この工程では、式(a2)で表される構造単位が式(a3)で表される構造単位に変換され、本発明の重合体(A)の前駆体が得られる。
Figure 0006217857
上記反応式中、R1〜R4はそれぞれ式(1ab)中の同一記号と同義である。
スルフィド化剤において、R2およびR3はそれぞれ式(1ab)中の同一記号と同義である。具体的には、チオグリセロール、メルカプトエタノールが挙げられる。スルフィド化剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。スルフィド化剤の使用量は、構造単位(a2)1モルに対して、通常0.5〜20モル、好ましくは1〜10モルである。
工程A2は、触媒存在下で行うことが好ましい。触媒としては、水酸化リチウム、トリエチルアミン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン等の塩基性触媒が挙げられる。触媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。触媒の使用量は、構造単位(a2)1モルに対して、通常0.01〜30モル、好ましくは0.1〜10モルである。
工程A2は、有機溶媒存在下で行うことが好ましい。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル溶媒、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル溶媒が挙げられる。有機溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
工程A2における反応温度は、溶媒の沸点以下で適宜選択すればよいが、通常30〜150℃、好ましくは40〜100℃である。工程A2における反応時間は、通常1〜20時間、好ましくは2〜10時間である。
エポキシ環が開環して形成される水酸基のアルコキシ化は、公知の方法により行うことができる。例えば、特開昭56−104831号公報、または特開2005−305280号公報に記載の方法に準じて行うことができる。水酸基のアルコキシ化は、スルフィニル化の後に行ってもよい。
〈工程A3:スルフィニル化〉
工程A3は、酸化剤を用いて、スルフィド基含有重合体に含まれるスルフィド基をスルフィニル基に変換する工程である。この工程では、式(a3)で表される構造単位が式(a4)で表される構造単位に変換され、本発明の重合体(A)が得られる。
Figure 0006217857
上記反応式中、R1〜R4はそれぞれ式(1ab)中の同一記号と同義である。
酸化剤としては、例えば、過酢酸、過安息香酸、メタクロロ過安息香酸等の有機酸化剤、過酸化水素、クロム酸、過マンガン酸塩等の無機酸化剤が挙げられる。酸化剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。酸化剤の使用量は、構造単位(a3)1モルに対して、通常1〜10モル、好ましくは2〜5モルである。酸化剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
工程A3は、溶媒存在下で行うことが好ましい。溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール等のアルコール溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド溶媒が挙げられる。これらの中でも、水、アルコール溶媒が好ましい。溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
工程A3における反応温度は、溶媒の沸点以下で適宜選択すればよいが、通常23〜100℃、好ましくは30〜70℃である。工程A3における反応時間は、通常0.5〜30時間、好ましくは1〜10時間である。
上記各工程において、各反応生成物の単離は、必要に応じて、ろ過、洗浄、乾燥、再結晶、再沈殿、透析、遠心分離、各種溶媒による抽出、中和、クロマトグラフィー等の通常の手段を適宜組み合わせて行えばよい。
〔感光性樹脂組成物〕
本発明の感光性樹脂組成物は、上述した重合体(A)と、光応答性化合物(B)と、架橋剤(C)とを含有する。本発明の感光性樹脂組成物を「本発明の組成物」ともいう。本発明の組成物は、重合体(A)を含有することから、膜厚の大きい、親水性を有する樹脂膜を形成することができる。
本発明の組成物の粘度は、通常0.1〜100cP、好ましくは0.5〜50cP、より好ましくは1〜10cPである。粘度は、JIS Z8803に準拠した方法により測定される値である。
〈重合体(A)〉
重合体(A)の含有量は、本発明の組成物100質量%中、通常10〜60質量%、好ましくは15〜55質量%、さらに好ましくは20〜50質量%である。重合体(A)の含有量が前記範囲にあると、膜厚が大きく、解像度が高い樹脂膜を形成可能な組成物が得られる。また、重合体(A)の含有量が前記範囲にあっても、塗布可能な粘度を有する組成物を得ることができる。
〈光応答性化合物(B)〉
本発明の感光性樹脂組成物は、光応答性化合物(B)を含有する。光応答性化合物(B)としては、例えば、光酸発生剤、光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
光応答性化合物(B)としては、光酸発生剤が好ましい。光酸発生剤は、光照射を含む処理により酸を発生する化合物である。本発明の組成物から形成される樹脂膜に対する露光処理を含む処理によって、酸発生剤に基づき露光部に酸が発生し、この酸の作用に基づき露光部の水系現像液への溶解性が変化する。
本発明の組成物は、ネガ型またはポジ型のいずれであってもよい。光応答性化合物(B)の種類は、ネガ型の組成物またはポジ型の組成物に応じて、適宜選択することができる。これらの中でも、樹脂膜の機械的強度の観点から、ネガ型の組成物が好ましい。
光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物、キノンジアジド基を有する化合物が挙げられる。以下、キノンジアジド基を有する化合物を「キノンジアジド化合物(B2)」ともいい、これ以外の前記例示の光酸発生剤を「酸発生剤(B1)」ともいう。
酸発生剤(B1)は、光照射により、酸を発生する化合物である。酸発生剤(B1)を含有する組成物から得られる樹脂膜に対して光照射することで、発生する前記酸が架橋剤(C)等に作用して架橋構造が形成され、水系現像液に対して難溶な膜となる。光照射により前記膜が水系現像液に対して易溶の状態から難溶の状態に変化することを利用することにより、ネガ型のパターンが形成される。
キノンジアジド化合物(B2)は、光照射および水との接触処理により、キノンジアジド基が分解してカルボキシル基を生じる化合物である。キノンジアジド化合物(B2)を含有する組成物から得られる樹脂膜は、水系現像液に対して難溶な膜である。光照射により前記膜が水系現像液に対して難溶の状態から易溶の状態になることを利用することにより、ポジ型のパターンが形成される。
《酸発生剤(B1)》
酸発生剤(B1)は、例えば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、スルホンイミド化合物およびジアゾメタン化合物から選ばれる少なくとも1種である。
オニウム塩化合物としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩が挙げられる。好ましいオニウム塩の具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート等のヨードニウム塩;トリフェニルスルホニウムトリフリオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4,7−ジ−n−ブトキシナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のスルホニウム塩が挙げられる。
ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有複素環式化合物、ハロアルキル基含有炭化水素化合物が挙げられる。好ましいハロゲン含有化合物の具体例としては、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、スチリル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のs−トリアジン誘導体;1,10−ジブロモ−n−デカン、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタンが挙げられる。
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン化合物、β−スルホニルスルホン化合物およびこれらの化合物のα−ジアゾ化合物が挙げられる。好ましいスルホン化合物の具体例としては、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェナシルスルホニル)メタンが挙げられる。
スルホン酸化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル類、ハロアルキルスルホン酸エステル類、アリールスルホン酸エステル類、イミノスルホネート類が挙げられる。好ましいスルホン酸化合物の具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルトリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルp−トルエンスルホネートが挙げられる。
スルホンイミド化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミドが挙げられる。
ジアゾメタン化合物としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタンが挙げられる。
酸発生剤(B1)は1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物において、光応答性化合物(B)として酸発生剤(B1)を用いる場合、酸発生剤(B1)の含有量は、重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.3〜5質量部、さらに好ましくは0.5〜5質量部である。
酸発生剤(B1)の含有量が前記下限値以上であると、露光部の硬化が充分となり、耐熱性が向上しやすい。酸発生剤(B1)の含有量が前記上限値以下であると、露光光に対する透明性が低下することなく、解像度が高いパターン化樹脂膜が得られやすい。
《キノンジアジド化合物(B2)》
キノンジアジド化合物(B2)としては、例えば、ナフトキノンジアジド化合物が挙げられ、具体的には、フェノール性水酸基を1つ以上有する化合物と、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸または1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステル化合物が挙げられる。
キノンジアジド化合物(B2)としては、例えば、4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2',4'−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ジヒドロキシベンゼンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エタンから選ばれる化合物と、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸または1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステル化合物が挙げられる。
キノンジアジド化合物(B2)は1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物において、光応答性化合物(B)としてキノンジアジド化合物(B2)を用いる場合、キノンジアジド化合物(B2)の含有量は、重合体(A)100質量部に対して、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは10〜30質量部、さらに好ましくは15〜30質量部である。
キノンジアジド化合物(B2)の含有量が前記下限値以上であると、未露光部の残膜率が向上し、マスクパターンに忠実な像が得られやすい。キノンジアジド化合物(B2)の含有量が前記上限値以下であると、パターン形状に優れた樹脂膜が得られやすく、製膜時の発泡も防止できる傾向にある。
〈架橋剤(C)〉
本発明の組成物は、架橋剤(C)を含有する。架橋剤(C)は、例えば、酸の作用によって架橋反応を進行する化合物;(メタ)アクリレート化合物等の熱やラジカルにより重合する化合物である。架橋剤(C)としては、酸の作用によって架橋反応を進行する化合物が好ましい。架橋剤(C)を用いることで、パターン化樹脂膜の機械的強度、耐熱性、および耐薬品性を向上させることができる。
架橋剤(C)としては、例えば、−CH2ORで表される基を少なくとも2つ有する架橋剤(C1)、他の架橋剤(C2)が挙げられる。前記式中、Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基またはアセチル基である。前記(C1)を「活性メチレン基含有架橋剤(C1)」ともいう。これらの中でも、高膜厚の樹脂膜を形成することが可能な点から、架橋剤(C1)が好ましい。
本発明の組成物において、架橋剤(C)の含有量は、重合体(A)100質量部に対して、通常1〜50質量部、好ましくは3〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部である。架橋剤(C)の含有量が前記範囲にあると、感度および解像性に優れた組成物が得られる傾向にある。
《活性メチレン基含有架橋剤(C1)》
活性メチレン基含有架橋剤(C1)は、−CH2ORで表される基を少なくとも2つ有する架橋剤である。式中、Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基またはアセチル基であり、好ましくは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。
架橋剤(C1)としては、例えば、式(C1−1)で表される基を2つ以上有する化合物、式(C1−2)で表される基を2つ以上有する化合物が挙げられる。
Figure 0006217857
式(C1−1)および(C1−2)中、mは1または2であり、nは0または1であり、m+nは2であり、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基またはアセチル基であり、好ましくは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、*は結合手である。
架橋剤(C1)としては、例えば、ポリメチロール化メラミン、ポリメチロール化グリコールウリル、ポリメチロール化グアナミン、ポリメチロール化ウレア等の窒素化合物;前記窒素化合物中の活性メチロール基(N原子に結合したCH2OH基)の全部または一部がアルキルエーテル化またはアセトキシ化された化合物が挙げられる。ここで、アルキルエーテルを構成するアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、これらは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、アルキルエーテル化またはアセトキシ化されていない活性メチロール基は、1分子内で自己縮合していてもよく、2分子間で縮合して、その結果、オリゴマー成分が形成されていてもよい。
架橋剤(C1)としては、例えば、特開平6−180501号公報、特開2006−178059号公報、および特開2012−226297号公報に記載の架橋剤が挙げられる。具体的には、ポリメチロール化メラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン等のメラミン系架橋剤;ポリメチロール化グリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラブトキシメチルグリコールウリル等のグリコールウリル系架橋剤;3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]2,4,8,10−テトラオキソスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)プロピル]2,4,8,10−テトラオキソスピロ[5.5]ウンデカン等のグアナミンをメチロール化した化合物、および当該化合物中の活性メチロール基の全部または一部をアルキルエーテル化またはアセトキシ化した化合物等のグアナミン系架橋剤が挙げられる。これらの中でも、メラミン系架橋剤およびグアナミン系架橋剤が好ましい。
架橋剤(C1)としては、そのほか、メチロール基含有フェノール化合物、アルキルメチロール基含有フェノール化合物、アセトキシメチル基含有フェノール化合物を挙げることもできる。具体的には、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006217857
架橋剤(C1)は1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
《他の架橋剤(C2)》
他の架橋剤(C2)としては、例えば、オキシラン環含有化合物、オキセタン環含有化合物、イソシアネート基含有化合物(ブロック化されたものを含む。)、オキサゾリン環含有化合物、アルデヒド基含有フェノール化合物が挙げられる。他の架橋剤(C2)は1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〈溶媒(D)〉
本発明の組成物は、溶媒(D)を含有することが好ましい。溶媒(D)を用いることで、前記組成物の取扱い性を向上させたり、粘度および保存安定性を調節したりすることができる。
溶媒(D)としては、例えば、水、または水を含む混合溶媒が好ましい。混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、n−ブタノール、乳酸エチル等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコール類が挙げられる。混合溶媒では、通常10質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上が水である。
溶媒(D)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物において、溶媒(D)を用いる場合、溶媒(D)の含有量は、当該組成物中の固形分濃度が通常10質量%を超えて70質量%以下、好ましくは15質量%を超えて60質量%以下、より好ましくは20質量%を超えて55質量%以下となる範囲である。固形分とは、通常、組成物中に含まれる溶媒(D)以外の全成分をいう。
〈その他添加剤〉
本発明の組成物には、その他、密着助剤、酸拡散制御剤、架橋微粒子、レベリング剤、界面活性剤、増感剤、無機フィラー、クエンチャー等の各種添加剤を、本発明の目的および特性を損なわない範囲で含有させることができる。
〈感光性樹脂組成物の調製方法〉
本発明の組成物は、各成分を均一に混合することにより調製できる。また、ゴミを取り除くために、各成分を均一に混合した後、得られた混合物をフィルター等で濾過してもよい。
〔樹脂膜およびその製造方法〕
本発明の樹脂膜は、上述の重合体(A)を含有する。重合体(A)を含有する樹脂膜は、上述の本発明の感光性樹脂組成物を用いて、例えば後述する工程1に従い形成することができる。樹脂膜の膜厚は、通常1〜200μm、好ましくは3〜100μm、より好ましくは5〜50μmである。
〔パターン化樹脂膜およびその製造方法〕
本発明のパターン化樹脂膜は、上述の重合体(A)を含有し、例えば、本発明の感光性樹脂組成物から形成される。前記組成物を用いることにより、膜厚の大きい、親水性を有する樹脂膜を形成することができる。また、解像度の高いパターン化樹脂膜を形成することができる。
本発明のパターン化樹脂膜の製造例を以下に示す。この製造例は、基板上に、本発明の感光性樹脂組成物の樹脂膜を形成する工程1と、前記膜を選択的に露光する工程2と、露光後の前記膜を水系現像液で現像してパターン化樹脂膜を形成する工程3とを有する。この製造例は、さらに前記パターン化樹脂膜を加熱処理する工程4を有してもよい。
[工程1]
工程1では、例えば、本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布・乾燥し、樹脂膜を形成する。乾燥条件は、オーブンやホットプレートを用いて、例えば、50〜90℃で1〜30分間加熱する。樹脂膜の膜厚は、通常1〜200μm、好ましくは3〜100μm、より好ましくは5〜50μmである。膜厚が足りない場合は、2度塗りにより樹脂膜を形成してもよい。
基板としては、例えば、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、トリアセチルセルロース、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリレート、ポリメタクリレートおよびセルロースから選ばれる少なくとも1種の樹脂からなる樹脂基板;ガラス、セラミック、ステンレス鋼等の材料からなる基板が挙げられる。ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクタン等の生分解性ポリマー等からなる樹脂基板であってもよい。基板としては、特開2002−335949号公報等に記載の公知の細胞培養用基板を用いることもできる。
組成物の塗布方法としては、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法が挙げられる。
[工程2]
工程2では、所望のマスクパターンを介して、例えばコンタクトアライナー、ステッパーまたはスキャナーを用いて、上記膜に対して露光を行う。露光光としては、紫外線、可視光線などが挙げられ、通常、波長200〜500nmの光(例:i線(365nm))を用いる。露光光の照射量は、感光性樹脂組成物中の各成分の種類、含有量、樹脂膜の厚さなどによって異なるが、露光光にi線を使用する場合、露光量は通常100〜10,000mJ/cm2である。
また、ネガ型の感光性樹脂組成物を用いる場合は、架橋反応をより進めるため、露光後に加熱処理を行うことが好ましい。以下、この処理を「PEB処理」ともいう。PEB条件は、感光性樹脂組成物中の各成分の種類、含有量および樹脂膜の厚さなどによって異なるが、通常50〜90℃で、1〜60分間程度である。
[工程3]
工程3では、水系現像液により前記露光後の膜を現像して、ネガ型の場合は非露光部を、ポジ型の場合は露光部を溶解・除去することにより、基板上に所望のパターン化樹脂膜を形成する。
水系現像液としては、例えば、水、または水を含む混合溶媒が好ましい。混合溶媒としては、溶媒(D)の欄に記載した混合溶媒が挙げられる。現像方法としては、例えば、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法が挙げられる。現像条件は、通常、20〜40℃で1〜10分間程度である。
[工程4]
必要に応じて、加熱によりパターン化樹脂膜をさらに硬化させる。加熱条件は特に限定されないが、パターン化樹脂膜の用途に応じて、例えば100〜300℃の温度で30分〜10時間程度加熱する。硬化を充分に進行させたり、パターン形状の変形を防止したりするため、多段階で加熱することもできる。
〔細胞培養装置〕
本発明の細胞培養装置は、上述したパターン化樹脂膜を有する。前記装置は、細胞培養用基板と、この基板上に形成された、上述したパターン化樹脂膜とを有することが好ましい。
以下、細胞培養装置の一態様について説明する。
本発明の細胞培養装置が有するパターン化樹脂膜は、本発明の感光性樹脂組成物から形成された樹脂膜に、細胞、およびこの細胞から形成された細胞組織体、特にスフェロイドを保持するための、1つまたは複数の孔が形成された構造を有する。パターン化樹脂膜は、孔を形成する隔壁である。
孔は、樹脂膜を貫通して形成されている。孔の底面は、細胞培養用基板の表面により構成され、孔の側面は、樹脂膜により構成されている。細胞培養用基板の表面は、細胞保持の観点から、細胞接着性を有することが好ましい。
パターン化樹脂膜は、培養後に細胞組織体を孔内から取り出す際の容易性を考慮して、細胞非接着性を有することが好ましい。本発明の感光性樹脂組成物は、水溶性樹脂である重合体(A)を含有することから、前記性質を有するパターン化樹脂膜を形成することができる。
孔の底面の形状は特に限定されず、例えば、円形状、楕円形状、多角形状が挙げられる。孔の底面の面積は、細胞の大きさ・種類等によって適宜決定されるが、通常1,000〜40,000μm2、好ましくは5,000〜20,000μm2である。
樹脂膜に孔が形成されたパターン化樹脂膜は、例えば、上述したパターン化樹脂膜の製造方法に従い形成することができる。その際、感光性樹脂組成物が塗布される基板としては、細胞培養用基板が用いられる。
孔の底面は、細胞を保持し細胞組織体を形成する点から、細胞接着性を有する表面であることが好ましい。細胞接着性の表面は、例えば、カルボキシル基、アミノ基等の電荷を有する官能基が導入された表面、アルギニン・グリシン・アスパラギン酸配列等の細胞接着性ペプチドが導入された表面、細胞接着性を有する高分子が固定された表面である。
前記電荷を有する官能基は、基板表面をプラズマ等の放射線で処理することによって導入することができる。前記細胞接着性を有する高分子としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリビニル硫酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルアミン等の電荷を有する合成高分子、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、デキストラン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、キチン等の電荷を有する多糖類、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ハイドロネクチン、ラミニン等の細胞接着性タンパク質、細胞接着性タンパク質や細胞接着性ペプチドを固定した合成高分子が挙げられる。
例えば、細胞接着性の表面を有する細胞培養用基板を用いることができる。また、細胞培養用基板上にパターン化樹脂膜を形成した後に、露出した基板の表面(孔の底面)に、放射線処理したり、細胞接着性を有する高分子を固定化したりしてもよい。
孔の底面である基板表面は、凹凸構造を有していてもよい。このような凹凸構造を設けることで、細胞組織体の前記底面への接着性を向上させることができる。凹凸構造における凸部または凹部の平面方向の形状は、例えば、円形状、楕円形状、多角形状が挙げられる。
孔の深さは、パターン化樹脂膜の膜厚により決定され、通常1〜200μm、好ましくは3〜100μm、より好ましくは5〜50μmである。この範囲であれば、孔内に細胞および細胞組織体を良好に保持することができる。
本発明の細胞培養装置を用いて細胞を培養する際には、パターン化樹脂膜が有する孔内において、細胞を培養し、細胞組織体、特にスフェロイドを形成する。例えば、細胞を含む培養液を孔内に入れ、孔の底面に播種された細胞が、当該底面である細胞培養用基板の表面上で3次元的に結合した細胞組織体を形成する。細胞組織体は、培養液中に浮遊することなく孔の底面に接着した状態で、隔壁により形成された孔内に安定して保持されたまま長期間にわたって培養される。
前記細胞としては、細胞同士の間で互いに結合を形成するものであれば、動物種や臓器・組織の種類は特に限定されない。例えば、ヒトやブタ、イヌ、ラット、マウス等の動物由来の肝臓、膵臓、腎臓、神経、皮膚から採取される初代細胞、ES細胞(Embryonic Stem cell)、樹立されている株化細胞、またはこれらに遺伝子操作を施した細胞が挙げられる。細胞は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。培養液としては、細胞の生存状態および機能を維持できるよう、必要な塩類および/または栄養成分を適切な濃度で含む水溶液を用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以下の実施例等の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」の意味で用いる。
[1]物性の測定方法
[1−1]重合体のMw、MnおよびMw/Mnの測定方法
重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、下記条件下で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定した。
・カラム:東ソー社製カラムの「TSKgel αM」および
「TSKgel α2500」を直列に接続
・溶媒:臭化リチウムおよびリン酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン
・温度:40℃
・検出方法:屈折率法
・標準物質:ポリスチレン
・GPC装置:東ソー製、装置名「HLC-8020-GPC」
[1−2]重合体に含まれる構造単位の含有量の測定方法
重合体に含まれる構造単位の含有量は、1H−NMRおよび13C−NMR分析により測定した。装置名「ECP−400P」(JEOL社製)を用い、重クロロホルム、重メタノールおよび重水から、重合体の溶解性の最も高い重溶媒を選択した。
[2]重合体(A)の合成
下記スキームに基づき、重合体(A)を合成した。
Figure 0006217857
[合成例A1]重合体(A1)の合成
攪拌機付きの500mlフラスコに、ポリブタジエン(Cis−1,4結合含量=20モル%、Trans−1,4結合含量=55モル%、1,2結合含量=25モル%)23.6g、ギ酸5.9g、トルエン240mlを添加した。この混合物を60℃まで昇温し、撹拌しながら、31質量%過酸化水素55.9gを15分間かけて添加した。そのまま150分間反応させた後、23℃まで冷却した。この反応溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液および水で洗浄し、溶媒を留去することで、重合体(A1)を得た。1H NMRから、重合体(A1)はポリブタジエンの不飽和基の一部がエポキシ化した重合体であって、エポキシ化率[(エポキシ化した不飽和基の数/エポキシ化前のポリブタジエンに含まれる不飽和基の数)×100(%)]は60%であった。重合体(A1)の1H NMRスペクトルを図1に示す。また、Mnは5400、Mwは9500、Mw/Mnは1.76であった。
[実施例A1]重合体(A2)の合成
100mlフラスコに、上述の重合体(A1)5.2g、α−チオグリセロール4.4g、水酸化リチウム一水和物0.85g、メタノール(MeOH)6.6ml、テトラヒドロフラン(THF)5.8mlを添加し、60℃で2時間加熱撹拌した。その後、23℃に冷却し、水で再沈殿した。沈殿物を60℃で真空乾燥させ、重合体(A2)を得た。1H NMRから、重合体(A2)は、チオエーテル構造を有していることが分かった。重合体(A2)の1H NMRスペクトルを図2に示す。
[実施例A2]重合体(A3)の合成
100mlフラスコに、上述の重合体(A2)5.0g、31質量%過酸化水素水4.6g、メタノール(MeOH)25.3mlを添加し、40℃で2時間加熱撹拌した。その後、23℃に冷却し、イソプロパノールで再沈殿した。沈殿物を60℃で真空乾燥させ、白色固体の重合体(A3)を得た。1H NMRから、重合体(A3)は、スルフィニル基を有していることが分かった。重合体(A3)の1H NMRスペクトルを図3に示す。
[3]感光性樹脂組成物およびパターン化樹脂膜の形成
[実施例1B]
重合体(A3)100部、4,7−ジ−n−ブトキシナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート3部、メチル化メラミン樹脂(商品名「ニカラック MW−30HM」、三和ケミカル(株)製)10部を、水120部とメタノール20部とからなる混合溶媒に、固形分濃度が5〜50質量%となるよう均一に溶解させて、感光性樹脂組成物を得た。
[実施例1C]
ガラス基板上に、実施例1Bで調製した感光性樹脂組成物をスピンコート法にて塗布し、ホットプレートを用いて70℃で20分間加熱し、膜厚1μm、2μm、5μm、10μmおよび20μmの樹脂膜を形成した。次いで、アライナー(Suss Microtec社製、装置名「MA−100」)を用い、高圧水銀灯からの紫外線を、パターンマスクを介して、波長365nmにおける露光量が1,000mJ/cm2となるように樹脂膜に照射した。露光後の樹脂膜をホットプレートを用いて70℃で730秒間加熱し、水を用いて浸漬現像(23℃、1分間)し、直径400μmで高さがそれぞれ1μm、2μm、5μm、10μmおよび20μmであり、断面が矩形のホールパターンを有するパターン化樹脂膜を形成した。実施例1Bで調製した感光性樹脂組成物では、20μmの膜厚まで良好なパターン化樹脂膜を形成できることが明らかになった。
[比較例1C]
比較例1Cでは、感光性樹脂組成物として市販の感光性樹脂組成物(商品名「Biosurfine−AWP」、東洋合成工業(株)製)を用いたこと以外は実施例1Cと同様に行った。比較例1Cでは、直径400μmで高さがそれぞれ1μm、2μmであり、断面が矩形のホールパターンを有するパターン化樹脂膜を形成できたが、膜厚5μm以上のパターン化樹脂膜は形成できなかった。市販の感光性樹脂組成物では、2μmの膜厚までしか良好なパターン化樹脂膜を形成できないことが明らかになった。

Claims (13)

  1. 式(1a)で表される構造単位を有する重合体(A)。
    Figure 0006217857
    [式(1a)中、R1はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、R2は炭素数1〜10のアルカンジイル基であり、R3式(g1)で表される1価の基であり、R4は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基である。]
    Figure 0006217857
    [式(g1)中、aは0〜4の整数である。]
  2. 1 が水素原子またはメチル基である請求項1に記載の重合体(A)。
  3. 式(1b)で表される構造単位を有する重合体(A')。
    Figure 0006217857
    [式(1b)中、R1はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、R2は炭素数1〜10のアルカンジイル基であり、R3式(g1)で表される1価の基であり、R4は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基である。]
    Figure 0006217857
    [式(g1)中、aは0〜4の整数である。]
  4. 1 が水素原子またはメチル基である請求項3に記載の重合体(A')。
  5. 請求項1または2に記載の重合体(A)と、
    光応答性化合物(B)と、
    架橋剤(C)と
    を含有する感光性樹脂組成物。
  6. 光応答性化合物(B)が、光酸発生剤であり、
    架橋剤(C)が、酸の作用によって架橋反応を進行する化合物である
    請求項5に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 架橋剤(C)が、−CH2ORで表される基を少なくとも2つ有する化合物(Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基またはアセチル基)である請求項5または6に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 請求項1または2に記載の重合体(A)を含有する樹脂膜。
  9. 基板上に、請求項5〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の樹脂膜を形成する工程1と、前記膜を選択的に露光する工程2と、露光後の前記膜を水系現像液で現像する工程3とを有するパターン化樹脂膜の製造方法。
  10. 前記基板が、細胞培養用基板である請求項9に記載のパターン化樹脂膜の製造方法。
  11. 請求項9または10に記載の製造方法によって得られたパターン化樹脂膜。
  12. 請求項1または2に記載の重合体(A)を含有するパターン化樹脂膜。
  13. 請求項11または12に記載のパターン化樹脂膜を有する細胞培養装置。
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