JP2001253911A - エポキシ基およびアルコキシシリル基を有するポリブタジエン誘導体 - Google Patents

エポキシ基およびアルコキシシリル基を有するポリブタジエン誘導体

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JP2001253911A
JP2001253911A JP2000065564A JP2000065564A JP2001253911A JP 2001253911 A JP2001253911 A JP 2001253911A JP 2000065564 A JP2000065564 A JP 2000065564A JP 2000065564 A JP2000065564 A JP 2000065564A JP 2001253911 A JP2001253911 A JP 2001253911A
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polybutadiene
polybutadiene derivative
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coupling agent
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Akira Takagi
彰 高木
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mitsubishi Oil Corp
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機材料、特に硬化性樹脂の応力緩和作用を
改良すると共に、無機フィラーとの接着性を更に向上さ
せて、有機材料の物性の改良に有効に寄与できる高分子
系カップリング剤を提供すること。 【解決手段】 下記一般式(1)で表されるポリブタジ
エン誘導体。 【化1】 (式中、Rはメチル基又はエチル基を示し、l、m、
n、o及びpは、それぞれ0より大きく、かつ0.1≦
(l+m)/(l+m+n+o+p)≦0.9、0.0
5≦p/(n+o+p)≦0.9、そして0.1≦(n
+o)/(n+o+p)≦0.95の条件を満たす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂などの各種有
機材料に添加することにより、該有機材料と無機材料
(フィラーなど)との接着性を向上させる、特に硬化性
樹脂に使用した場合にはその硬化時に発生する内部応力
を緩和させるなど、カップリング剤として有利に用いる
ことができる新規なポリブタジエン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種有機材料の機械的性質や耐熱
性の向上を目的として、ガラス繊維、シリカ、タルク、
カーボンブラック或いは炭酸カルシウム等に代表される
無機フィラーが多用されている。この際、使用する有機
材料と無機フィラーの種類によっては前記の如き性能の
改善が十分に成されない場合がある。一般に無機フィラ
ーは表面に官能基を有しているため、その表面極性が有
機材料に比し極めて高い。このため、有機材料との界面
における相互作用が十分に得られないため、力学的、或
いは熱的応力により該界面において剥離が発生し、材料
物性を低下させてしまう。また、無機フィラーの形態が
微粒子である場合には、前記の高い表面極性のためにフ
ィラー微粒子間の凝集力が強くなり、有機材料中への均
一分散が極めて困難となる。このため、材料中において
無機フィラーの局在化が発生し、結果として材料物性を
低下させてしまう。
【0003】上記の問題点を解消するためシラン系、チ
タネート系、アルミネート系、或いはアミノ酸系等の各
種低分子系カップリング剤が用いられているのは公知で
ある。これらの化合物は有機材料及び無機フィラーと親
和性の高い、或いは化学的に結合可能な構造を同一分子
中に有しており、これらの作用により加工性及び材料物
性の低下を防止している。しかしながら、低分子系カッ
プリング剤を上記硬化性樹脂に適用した場合、その応力
緩和作用に乏しいため、しばしばクラック等の発生を十
分に抑制できない場合がある。
【0004】一方、高分子系カップリング剤の例として
は、特開昭49−2015号或いは特開昭62−265
301号各公報記載のアルコキシシリル基を有するポリ
ブタジエン化合物、また特開昭53−147743号公
報記載のカルボキシル基を有するポリブタジエン化合物
がカップリング剤として作用することが述べられてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高分子系カップリング
剤は硬化性樹脂の応力緩和作用に優れてはいるが、上記
ポリブタジエン系カップリング剤は、いずれも無機フィ
ラーと相互作用する官能基は有するものの、有機材料と
化学的結合を発生させることのできる官能基は有してい
ないため、そのカップリング剤としての効果は必ずしも
十分とはいえなかった。
【0006】本発明の主たる目的は、従来のカップリン
グ剤に認められる諸問題点を解決させた新規な高分子系
カップリング剤を提供することにある。具体的には、本
発明は、特に硬化性樹脂の応力緩和作用を改良すると共
に、無機フィラーなどの無機材料との接着性を更に向上
させて、有機材料の物性の改良に有効に寄与できる高分
子系カップリング剤を提供することを目的とすることで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的に
適した高分子系カップリング剤を開発すべく鋭意研究を
行った結果、ポリブタジエンの主鎖にエポキシ基及びア
ルコキシシリル基を導入させた新規な高分子系カップリ
ング剤が有効であることを見出し、本発明に到達した。
【0008】本発明は、下記一般式(1)で表されるポ
リブタジエン誘導体にある。
【0009】
【化2】
【0010】(式中、Rはメチル基又はエチル基を示
し、l、m、n、o及びpは、それぞれ0より大きく、
かつ0.1≦(l+m)/(l+m+n+o+p)≦
0.9、0.05≦p/(n+o+p)≦0.9、そし
て0.1≦(n+o)/(n+o+p)≦0.95の条
件を満たす。)
【0011】また本発明は、上記一般式(1)で表され
るポリブタジエン誘導体からなるカップリング剤にもあ
る。
【0012】更に本発明は、上記一般式(1)で表され
るポリブタジエン誘導体、樹脂及び無機材料からなる樹
脂組成物にもある。
【0013】本発明のポリブタジエン誘導体は、同一分
子中にエポキシ基及びアルコキシシリル基を有している
ため、有機材料、並びに無機材料双方との接着性に優
れ、極めて強力なカップリング効果を発現する。またそ
の柔軟な構造により、硬化性樹脂に用いた場合には樹脂
硬化時に発生する内部応力を効果的に低減させることが
可能となるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のポリブタジエン誘導体
は、以下の一般式(1)で表される。
【0015】
【化3】
【0016】一般式(1)で示されるポリブタジエン誘
導体において、Rはメチル基又はエチル基を表す。Rが
炭素数3以上のアルキル基の場合には無機材料表面の活
性基との反応性が著しく低下するので好ましくない。ま
た、上記一般式(1)で示されるポリブタジエン誘導体
におけて、l、m、n、o、及びpで表される各構成単
位の含有量は、0より大きな値であり、下記の関係式を
満たす。 0.1≦(l+m)/(l+m+n+o+p)≦0.
9、かつ0.05≦p/(n+o+p)≦0.9、かつ
0.1≦(n+o)/(n+o+p)≦0.95 各構成単位の含有量がこの範囲を逸脱するとカップリン
グ剤としての効果が低下する、或いは硬化性樹脂に適用
した際の応力緩和作用が低下するので好ましくない。上
記各構成単位の含有量は、下記の関係を満たすことが特
に望ましい。 0.4≦(l+m)/(l+m+n+o+p)≦0.
8、かつ0.05≦p/(n+o+p)≦0.6、かつ
0.4≦(n+o)/(n+o+p)≦0.95
【0017】本発明における上記一般式(1)で示され
るポリブタジエン誘導体の望ましい具体例としては下記
の化合物を挙げることができる。
【0018】
【化4】 (式中、0.6≦(l+m)/(l+m+n+o+p)
≦0.8、かつ0.05≦p/(n+o+p)≦0.
4、かつ0.6≦(n+o)/(n+o+p)≦0.9
5である)
【0019】
【化5】 (式中、0.6≦(l+m)/(l+m+n+o+p)
≦0.8、かつ0.05≦p/(n+o+p)≦0.
4、かつ0.6≦(n+o)/(n+o+p)≦0.9
5である)
【0020】本発明のポリブタジエン誘導体の合成方法
には特に制限は無いが、アルコキシシリル基の高い反応
性を考慮すると、まず、ポリブタジエンのエポキシ化反
応を実施し、ついで得られたエポキシ化ポリブタジエン
に所定のアルコキシシリル基を導入する手法を利用する
ことが望ましい。原料となるポリブタジエンの数平均分
子量は、通常500〜10000の範囲のものが好まし
い。ポリブタジエンのエポキシ化反応は公知の手法であ
ればいずれも適用することが可能である。一般にはポリ
ブタジエンの有機過酸による酸化反応が用いられるが、
この場合、有機過酸としては、例えば、過安息香酸、メ
タクロロ過安息香酸、モノパーオキシフタル酸、過ギ
酸、過酢酸、トリフルオロ過酢酸などが使用できる。な
お、市販のエポキシ化ポリブタジエンを原料として使用
することにより、エポキシ化反応工程を省略することも
できる。
【0021】次に、エポキシ化ポリブタジエンへのアル
コキシシリル基の導入は対応する3−メルカプトプロピ
ルトリアルコキシシランのラジカル付加反応により達成
される。該ラジカル付加反応は単に加熱するだけでも進
行するがより速やかに進行させるためにラジカル発生剤
を共存させることが望ましい。ラジカル発生剤を使用す
ることにより、マイルドな反応条件下において短時間で
高付加率の目的物が得られる。
【0022】本発明で使用しうるラジカル発生剤には特
に制限は無いが、通常市販されている有機過酸化物、ア
ゾ系化合物、過酸化水素等が使用できる。有機過酸化物
の具体例としては、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシク
ロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオ
キサイド、1,1−ビス(ターシャリイブチルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1
−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)−3,3,5
−シクロヘキサン、2,2−ビス(ターシャリイブチル
パーオキシ)ブタン、ターシャリイブチルハイドロパー
オキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプ
ロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタン
ハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン、
2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−
テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジターシ
ャリイブチルパーオキサイド、ターシャリイブチルクミ
ルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(タ
ーシャリイブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリイブチルパ
ーオキシ)ヘキサン、2,5−ヘキサノイルパーオキサ
イド、ラウロイルパーオキサイド、過酸化コハク酸、過
酸化ベンゾイル及びその置換体、2,4−ジクロロベン
ゾイルパーオキサイド、メタトルオイルパーオキサイ
ド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ターシ
ャリイブチル−2−エチルヘキサノエート、ジ−2−エ
チルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイ
ソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−
3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ター
シャリイブチルパーオキオシアセテート、ターシャリイ
ブチルパーオキシピバレート、ターシャリイブチルパー
オキシネオデカノエート、ターシャリイブチルパーオキ
シオクタノエート、ターシャリイブチルパーオキシー
3,3,5―トリメチルヘキサノエート、ターシャリイ
ブチルパーオキシラウレート、ターシャリイブチルパー
オキシカーボネート、ターシャリイブチルパーオキシベ
ンゾエート、及びターシャリイブチルパーオキシイソブ
チレート等を挙げることができる。
【0023】アゾ系開始剤の具体例としては、2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス
(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−
アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’
−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニ
トリル)、2,2’−アゾビス(2−(2−イミダゾリ
ン−2−イル)プロパン)、2,2’−アゾビス(2,
4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス
(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2−ヒ
ドロキシメチルプロピオンニトリル)、4,4’−アゾ
ビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2’−ア
ゾビス(2−メチルプロピオネート)、2−シアノ−2
−プロピルアゾホルムアミド、及び2−フェニルアゾ−
4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等が挙
げられる。ラジカル発生剤の添加量は、通常3−メルカ
プトプロピルトリアルコキシシランに対して0.01〜
10モル%である。
【0024】付加反応は、光開始剤を共存させ、紫外線
照射下或いは可視光照射下で実施することも可能であ
る。また前記ラジカル付加反応は、無溶媒中にて行うこ
とも可能ではあるが、反応系の粘度を低下させる或いは
反応熱の除去を目的として、ラジカルに不活性な溶媒を
用いて行うこともできる。このような溶媒としては、例
えばベンゼン、トルエン、キシレン、混合キシレン等の
芳香族炭化水素系溶媒、或いはヘキサン、ヘプタン、リ
グロイン等の脂肪族炭化水素系溶媒等が挙げられる。上
記ラジカル反応は、不活性ガス雰囲気下、通常50〜1
50℃の範囲で1〜20時間の範囲で行う。反応終了
後、生成物を50〜150℃に保持して、減圧下揮発性
成分を除去することにより、本発明に従うポリブタジエ
ン誘導体を得ることができる。
【0025】一般式(1)で表される本発明のポリブタ
ジエン誘導体は、粘度が25℃において1.0〜100
0Pa・sの範囲にあることが好ましい。更に好ましく
は、5〜500Pa・sの範囲である。25℃の粘度が
1000Pa・sを越えると、ポリブタジエン誘導体の
添加後の樹脂組成物の流動性(加工性)が著しく低下す
るので好ましくない。また本発明のポリブタジエン誘導
体中のSi元素の含有量は、0.1〜12質量%の範囲
にあることが好ましく、更に好ましくは0.3〜10質
量%の範囲である。
【0026】本発明のポリブタジエン誘導体は、高分子
系のカップリング剤として有利に用いることができる。
対象とする有機材料は、特に限定されないが、熱可塑性
樹脂、硬化性樹脂、天然繊維などの樹脂材料、特に硬化
性樹脂に適している。例えば、硬化性樹脂に無機材料
(無機フィラー)を添加して樹脂組成物の物性の改良を
行う場合に、無機材料に本発明のカップリング剤を添加
し、処理することで、硬化性樹脂と無機材料との接着性
を向上させることができる。フィラーとしての無機材料
としては、例えば、ガラス繊維、シリカ、タルク、カオ
リン、クレー、マイカ、ウォラストナイト、カーボンブ
ラック、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化チタ
ン、硫酸バリウム、アルミニウム、及びニッケルなどの
当技術分野でフィラーとして知られている材料を挙げる
ことができる。本発明のカップリング剤の使用量は、用
いる材料にもよるが、通常、無機材料100重量部に対
して0.1〜20重量部の範囲である。
【0027】
【実施例】以下に実施例を示して本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0028】[実施例1]攪拌装置、温度計、及び窒素導
入管を備えた反応器に、数平均分子量1800、エポキ
シ基当量246g/eqのエポキシ化ポリブタジエン
(日本石油化学(株)製日石ポリブタジエン E−18
00−6.5)100重量部、3−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−8
03)10重量部、そして触媒(開始剤)としてAIB
Nを0.1重量部入れた後、窒素導入管をもちいて反応
器内を窒素パージした。その後、窒素雰囲気下、85℃
にて8時間反応を行った。反応終了後120℃に保持し
ながら減圧下で反応生成物中の揮発成分を除去し、淡黄
色透明液体を得た(本発明に従うポリブタジエン誘導
体、以下、1Mと称する)。
【0029】(A)得られた1Mについて、下記の測定
を行った。 (1)粘度(25℃)、(2)1M中のSi元素量、そ
して(3)赤外吸収スペクトル
【0030】(B)測定方法(装置) (1)粘度:東京計器(株)製ビスコニックEHD型粘
度計 (2)1M中のSi元素量は、下記のICP法により測
定した。 (3)赤外線スペクトル 結果を下記の表1に示す。また赤外吸収スペクトルを図
1に示す。
【0031】[実施例2〜4]3−メルカプトプロピルト
リメトキシシランの添加量を40重量部(実施例2)、
80重量部(実施例3)、又は120重量部(実施例
4)に変更した以外は実施例1と同様の操作により、そ
れぞれ2M〜4Mを合成した。得られた2M〜4Mにつ
いて上記(1)〜(3)の測定を同様に行い、その結果
を表1に示す。また、それぞれの赤外吸収スペクトルを
図2〜図4に示す。
【0032】[実施例5]攪拌装置、温度計及び窒素導入
管を備えた反応器に、数平均分子量1800、エポキシ
基等量246g/eqのエポキシ化ポリブタジエン(日
本石油化学(株)製日石ポリブタジエン E−1800
−6.5)100重量部、3−メルカプトプロピルトリ
エトキシシラン(OSi社製SILQUEST A−1
891SILANE)10重量部、触媒としてAIBN
を0.1重量部入れた後、窒素導入管をもちいて反応器
内を窒素パージした。その後、窒素雰囲気下、85℃に
て8時間反応を行った。反応終了後120℃に保持しな
がら減圧下で反応生成物中の揮発成分を除去し、淡黄色
透明液体を得た(本発明に従うポリブタジエン誘導体、
以下、1Eと称する)。得られた1Eについて上記
(1)〜(3)の測定を同様に行い、その結果を表2に
示す。また、赤外吸収スペクトルを図5に示す。
【0033】[実施例6〜8]3−メルカプトプロピルト
リエトキシシランの添加量を40重量部(実施例6)、
80重量部(実施例7)、又は120重量部(実施例
8)に変更した以外は実施例5と同様の操作により、そ
れぞれ2E〜4Eを合成した。得られた2E〜4Eにつ
いて上記(1)〜(3)の測定を同様に行い、その結果
を表2に示す。また、それぞれの赤外吸収スペクトルを
図6〜図8に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】[比較例1]実施例1で用いた原料のエポキ
シ化ポリブタジエン(日本石油化学(株)製日石ポリブ
タジエン E−1800−6.5)について、上記
(1)〜(3)の測定を同様に行い、その結果を表3に
示す。また、赤外吸収スペクトルを図9に示す。
【0037】[比較例2]攪拌装置、温度計、及び窒素導
入管を備えた反応器に、数平均分子量1000のポリブ
タジエン(日本石油化学(株)製日石ポリブタジエン
B−1000)100重量部、3−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−8
03)40重量部、そして触媒(開始剤)としてAIB
Nを0.1重量部入れた後、窒素導入管をもちいて反応
器内を窒素パージした。その後、窒素雰囲気下、85℃
にて8時間反応を行った。反応終了後120℃に保持し
ながら減圧下で反応生成物中の揮発成分を除去し、透明
液体を得た(比較例、1Rと称する)。得られた1Rに
ついて、上記(1)〜(3)の測定を同様に行い、その
結果を表3に示す。また、赤外吸収スペクトルを図10
に示す。
【0038】
【表3】
【0039】
【発明の効果】本発明のポリブタジエン誘導体からなる
高分子系カップリング剤は、硬化性樹脂組成物に適用し
た際、該樹脂と無機材料との接着性を向上させることが
でき、またその硬化時に発生する内部応力を低減させ、
硬化後の樹脂の機械的及び熱的衝撃による性能低下を抑
制することができる。従って、高い物性値を有する樹脂
組成物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のポリブタジエン誘導体(1M)の赤
外線スペクトルを示す。
【図2】実施例2のポリブタジエン誘導体(2M)の赤
外線スペクトルを示す。
【図3】実施例3のポリブタジエン誘導体(3M)の赤
外線スペクトルを示す。
【図4】実施例4のポリブタジエン誘導体(4M)の赤
外線スペクトルを示す。
【図5】実施例5のポリブタジエン誘導体(1E)の赤
外線スペクトルを示す。
【図6】実施例6のポリブタジエン誘導体(2E)の赤
外線スペクトルを示す。
【図7】実施例7のポリブタジエン誘導体(3E)の赤
外線スペクトルを示す。
【図8】実施例8のポリブタジエン誘導体(4E)の赤
外線スペクトルを示す。
【図9】比較例1(原料であるエポキシ化ポリブタジエ
ン)の赤外線スペクトルを示す。
【図10】比較例2のポリブタジエン誘導体(1R)の
赤外線スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AA001 AC112 DA036 DA086 DA096 DE136 DE236 DG046 DJ006 DJ016 DJ036 DJ046 DJ056 DL006 FA046 4J100 AS02P AS02Q AS06R AS06S BA51H BA51S BA77H BA77S BC54H BC54R CA01 CA03 CA31 HA29 HA61 HC36 HC54 JA15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるポリブタジ
    エン誘導体。 【化1】 (式中、Rはメチル基又はエチル基を示し、l、m、
    n、o及びpは、それぞれ0より大きく、かつ0.1≦
    (l+m)/(l+m+n+o+p)≦0.9、0.0
    5≦p/(n+o+p)≦0.9、そして0.1≦(n
    +o)/(n+o+p)≦0.95の条件を満たす。)
  2. 【請求項2】 25℃における粘度が1000Pa・s
    以下である請求項1に記載のポリブタジエン誘導体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の一般式(1)で表され
    るポリブタジエン誘導体からなるカップリング剤。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の一般式(1)で表され
    るポリブタジエン誘導体、樹脂及び無機材料からなる樹
    脂組成物。
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