JP2016102185A - 組成物、接着剤および光学フィルム - Google Patents

組成物、接着剤および光学フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】フラットパネルディスプレイ向けの各種機能性フィルム用接着剤として有用であり、特に液晶滴下工法用シール剤等の直接液晶と接する接着剤に好適な、透明性、密着性および樹脂溶出性に優れる組成物、接着剤および光学フィルムを提供する。【解決手段】エポキシ化ポリオレフィン(A)30〜70質量部およびチオール化合物(B)30〜70質量部を必須成分とする。エポキシ化ポリオレフィン(A)は、下記一般式(I)、(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基等であり、nおよびqは、それぞれ独立して、1〜5の整数であり、mおよびpは、それぞれ独立して、0〜5の整数であり、n+m+p+qは20以下であり、rは、1〜50の整数である。)で表されるものが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、組成物、接着剤および光学フィルムに関し、詳しくは、フラットパネルディスプレイ向けの各種機能性フィルム用接着剤として有用であり、特に液晶滴下工法用シール剤等の直接液晶と接する接着剤に好適な、透明性、密着性および樹脂溶出性に優れる組成物、接着剤および光学フィルムに関する。
光硬化性組成物は、紫外線や電子線を照射することによって重合硬化させることができる組成物である。今日、光硬化性組成物は、硬化速度が早く、取り扱いが容易であることから、インキ、塗料、各種コーティング剤、接着剤、車輌、建材、シール剤等の分野において広く用いられている。
例えば、特許文献1では、一級メルカプト基を有するポリチオール化合物とポリエン化合物とエネルギー線感受性ラジカル重合開始剤とを含有する、光学式貼合せディスク用のエネルギー線反応性接着剤組成物が提案されている。また、特許文献2では、エチレン性不飽和結合を有するラジカル硬化性樹脂とチオール化合物とラジカル重合開始剤とを含む、液晶汚染性が低い液晶シール剤が提案されている。さらに、特許文献3では、(メタ)アクリロイル基含有シリコーン化合物、チオール化合物、光重合性モノマーおよび光ラジカル重合開始剤を含有する、光学部品の接着に好適なポリエン/ポリチオール系感光性樹脂組成物が提案されている。
特開平9−221651号公報 特開2009−086291号公報 特開2010−168452号公報
接着剤組成物を機能性フィルム用接着剤に用いるにあたっては、透明性、密着性および樹脂溶出性が良好であることが求められるが、従来の接着剤組成物においては、必ずしも十分ではなかった。具体的には、フラットパネルディスプレイ向けの各種機能性フィルム用接着剤、特に、液晶滴下工法用シール剤等の直接液晶と接する接着剤として用いる場合、透明性、密着性および樹脂溶出性(液晶汚染性)が高度に求められる。
そこで、本発明の目的は、フラットパネルディスプレイ向けの各種機能性フィルム用接着剤として有用であり、特に液晶滴下工法用シール剤等の直接液晶と接する接着剤に好適な、透明性、密着性および樹脂溶出性に優れる組成物、接着剤および光学フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、所定の構造を有する単量体を必須成分として重合させたアクリル重合体を含む粘着剤組成物であれば、上記課題を解消することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の組成物は、エポキシ化ポリオレフィン(A)30〜70質量部およびチオール化合物(B)30〜70質量部を必須成分とすることを特徴とするものである。
本発明の組成物においては、前記エポキシ化ポリオレフィン(A)が、下記一般式(I)、
Figure 2016102185
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数6〜30のアルキルアリール基またはハロゲン原子であり、nおよびqは、それぞれ独立して、1〜5の整数であり、mおよびpは、それぞれ独立して、0〜5の整数であり、n+m+p+qは20以下であり、rは、1〜50の整数である。)で表されることが好ましい。また、本発明の粘着剤組成物においては、前記チオール化合物(B)が、下記一般式(II)、
Figure 2016102185
(式中、Rは、水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基であり、Rは、炭素原子数1〜5のアルキル基であり、Rは、直接結合または炭素原子数1〜5のアルキレン基であり、Rは、炭素原子数2〜20の有機基であり、sは2〜6の整数である。)で表されることが好ましい。さらに、本発明の組成物においては、さらに、重合開始剤(C)0.01〜1.0質量部を含有することが好ましい。
本発明の接着剤は、本発明の組成物を含有することを特徴とするものである。
本発明の光学フィルタは、本発明の組成物からなる接着剤層を有することを特徴とするものである。
本発明の接着剤および光学フィルタは、ディスプレイ用に好適である。
本発明によれば、フラットパネルディスプレイ向けの各種機能性フィルム用接着剤として有用であり、特に液晶滴下工法用シール剤等の直接液晶と接する接着剤に好適な、透明性、密着性および樹脂溶出性に優れる組成物、接着剤および光学フィルムを提供することができる。
以下、本発明の透明性、密着性および樹脂溶出性に優れる組成物、接着剤および光学フィルムについて詳細に説明する。本発明の組成物は、エポキシ化ポリオレフィン(A)30〜70質量部およびチオール化合物(B)30〜70質量部を必須成分とする(以下、それぞれ「(A)成分」および「(B)成分」という)。
<(A)成分>
本発明の組成物に用いられる(A)成分とは、ポリオレフィンをエポキシ基含有単量体で変性して、エポキシ基を導入したポリオレフィンである。エチレンまたは炭素原子数3〜20のα−オレフィン、エポキシ基含有単量体、および必要に応じて他のモノマーとを、共重合法およびグラフト法のいずれかにより共重合させることによって製造することができる。エチレンまたは炭素原子数3〜20のα−オレフィン、エポキシ基含有単量体および他のモノマーは、それぞれ単独で重合させてもよく、他の単量体と複数で重合させてもよい。また、末端に水酸基を有する非共役のポリブタジエンの二重結合を、過酢酸法によりエポキシ化して得ることもでき、分子内に水酸基を持つものを使用してもよい。
上記エチレンまたは炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、1,3−ブタジエン、1,4−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、イソプレン等が挙げられ、中でもエチレン、プロピレン、1,3−ブタジエンおよび1,4−ブタジエンが好ましい。エポキシ化ポリオレフィンとしては、エポキシ化ポリエチレン、エポキシ化ポリプロピレンおよびエポキシ化ポリブタジエンが好ましい。
上記エポキシ基含有単量体としては、たとえばα,β−不飽和酸のグリシジルエステル、ビニルベンジルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。α,β−不飽和酸のグリシジルエステルとしては、具体的にはアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル等が挙げられ、特にメタクリル酸グリシジルが好ましい。
上記他のモノマーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等の不飽和脂肪族炭化水素;(メタ)アクリル酸、α−クロルアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸、フマル酸、ハイミック酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、桂皮酸、ソルビン酸、メサコン酸、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、フタル酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート・マレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート・マレート、ジシクロペンタジエン・マレート或いは1個のカルボキシル基と2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する多官能(メタ)アクリレート等の不飽和多塩基酸;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリ(エトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリ[(メタ)アクリロイルエチル]イソシアヌレート、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー等の不飽和一塩基酸および多価アルコールまたは多価フェノールのエステル;(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸マグネシウム等の不飽和多塩基酸の金属塩;マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸、無水メチルハイミック酸等の不飽和多塩基酸の酸無水物;(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和一塩基酸および多価アミンのアミド;アクロレイン等の不飽和アルデヒド;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン、シアン化アリル等の不飽和ニトリル;スチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニル安息香酸、ビニルフェノール、ビニルスルホン酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンジルメチルエーテル、ビニルナフタレン等の不飽和芳香族化合物;メチルビニルケトン等の不飽和ケトン;ビニルアミン、アリルアミン、N−ビニルピロリドン、ビニルピペリジン等の不飽和アミン化合物;アリルアルコール、クロチルアルコール等のビニルアルコール;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;インデン、1−メチルインデン等のインデン類;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、ジビニルスクシナート、ジアリルフタラート、トリアリルホスファート、トリアリルイソシアヌラート、ビニルチオエーテル、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾリン、ビニルカルバゾール、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、水酸基含有ビニルモノマーおよびポリイソシアネート化合物のビニルウレタン化合物、水酸基含有ビニルモノマーおよびポリエポキシ化合物のビニルエポキシ化合物、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水酸基含有多官能アクリレートとトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多官能イソシアネートの反応物、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水酸基含有多官能アクリレートと無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の二塩基酸無水物の反応物である酸価を有する多官能アクリレートが挙げられる。
上記(A)成分において、α,β−不飽和酸のグリシジルエステルに基づく構成単位の含有量は、(A)成分100質量%に対して1〜50質量%、好ましくは3〜40質量%である。他のモノマーに基づく構成単位の含有量は、(A)成分100質量%に対して10質量%以下、好ましくは5質量%以下である。
上記(A)成分としては、市販品を用いることもでき、例えば、エポリードPB3600、エポリードPB4700(ダイセル社製);BF−1000、FC−3000(ADEKA社製);ボンドファースト2C、ボンドファーストE、ボンドファーストCG5001、ボンドファーストCG5004、ボンドファースト2B、ボンドファースト7B、ボンドファースト7L、ボンドファースト7M、ボンドファーストVC40(住友化学社製);JP−100、JP−200(日本曹達社製);Poly bd R−45HT、Poly bd R−15HT(出光興産社製);Ricon657(アルケマ社製)等が挙げられる。
上記(A)成分としては、下記一般式(I)で表されるような主鎖にエポキシ基を有し少なくとも1種以上の二重結合を有するものが、相溶性が高く、得られる組成物の硬化物の耐熱性が高くなるので好ましい。
Figure 2016102185
ここで、式(I)中、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数6〜30のアルキルアリール基またはハロゲン原子を表し、nおよびqは、それぞれ独立して、1〜5の整数であり、mおよびpは、それぞれ独立して、0〜5の整数であり、n+m+p+qは20以下であり、rは、1〜50の整数である。
上記一般式(I)中、RおよびRで表される炭素原子数1〜5のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、iso−ブチル、ペンチル、iso−ペンチル、tert−ペンチル等が挙げられる。
また、RおよびRで表される炭素原子数1〜5のアルコキシ基としては、メチルオキシ、エチルオキシ、iso−プロピルオキシ、ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシ、iso−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、iso−ペンチルオキシ、tert−ペンチルオキシ等が挙げられる。
およびRで表される炭素原子数6〜30のアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル等が挙げられる。
およびRで表される炭素原子数6〜30のアリールアルキル基としては、ベンジル、フルオレニル、インデニル等が挙げられる。
およびRで表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
上記(A)成分は、数平均分子量は2,000〜80,000、好ましくは10,000〜50,000であり、エポキシ当量は80〜3,000g/eq、好ましくは100〜500g/eqであり、ビニル当量は50〜200g/eq、好ましくは75〜125g/eqである。
<(B)成分>
本発明の組成物に用いられる(B)成分としては、特に限定されず、従来公知のチオール化合物を適宜用いることができ、例えば、2−ブタンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、シクロペンタンチオール、メチル−3−メルカプトプロピオネート、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート、メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,7−ヘプタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,12−ドデカンジチオール、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、ビス(2−メルカプトメチル)エーテル、ヘキサンジオールビスチオグリコレート、1,1,1−トリス(メルカプトメチル)エタン、2−エチル−2−メルカプトメチル−1,3−プロパンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、テトラキスメルカプトメチルメタン、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトアセテート、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトグリコレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトプロピオネート)、ジメルカプトメタン、トリメルカプトメタン、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタン トリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトグリコレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、オクタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトグリコレート)、エチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、プロピレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート、オクタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、オクタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(2−メルカプトブチレート)、プロピレングリコールビス(2−メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(2−メルカプトブチレート)、オクタンジオールビス(2−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(4−メルカプトバレレート)、プロピレングリコールビス(4−メルカプトイソバレレート)、ブタンジオールビス(4−メルカプトバレレート)、オクタンジオールビス(4−メルカプトバレレート)、トリメチロールプロパントリス(4−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(4−メルカプトバレレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトバレレート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプトバレレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトバレレート)、オクタンジオールビス(3−メルカプトバレレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトバレレート)、2,5−ヘキサンジチオール、2,9−デカンジチオール、1,4−ビス(1−メルカプトエチル)ベンゼン、フタル酸ジ(1−メルカプトエチルエステル)、フタル酸ジ(2−メルカプトプロピルエステル)、フタル酸ジ(3−メルカプトブチルエステル)、フタル酸ジ(3−メルカプトブチルエステル)等が挙げられる。(B)成分は、いずれか単独で、または複数を併用することができる。
上記で例示した中でも、一級ではなく、HS−CHXY(式中、X、YはH以外の官能基を表す。)で表されるような二級メルカプト基を有するチオール化合物は、当該化合物と(A)成分とを混合した後に一液安定性に優れるので好ましい。
上記(B)成分としては、市販品を用いることもでき、例えば、カレンズMT BD1、カレンズMT PE1、カレンズMT NR1(昭和電工社製);QX11、QX40(三菱化学社製);チオコールLP−33、チオコールLP−3、チオコールLP−980、チオコールLP−23、チオコールLP−56、チオコールLP−55、チオコールLP−12、チオコールLP−32、チオコールLP−2、チオコールLP−31(東レ社製);アデカハードナーEH−317(ADEKA社製);MPM、EHMP、NOMP、MBMP、STMP、TMMP、TMPIC、PEMP、EGMP−4、DPMP(堺化学社製);HDTG、TMTG、PETG(淀化学社製)等が挙げられる。
上記(B)成分としては、下記一般式(II)で表される、多官能アルコールとメルカプト基含有カルボン酸とのエステル化物が、入手が容易で、得られる組成物の硬化物の硬化性が高くなるので好ましい。
Figure 2016102185
ここで、式(II)中、Rは、水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基であり、Rは、炭素原子数1〜5のアルキル基であり、Rは、直接結合または炭素原子数1〜5のアルキレン基であり、Rは、炭素原子数2〜20の有機基であり、sは2〜6の整数である。
上記一般式(II)中、RおよびRで表される炭素原子数1〜5のアルキル基としては、上記一般式(I)で例示したものが挙げられる。
で表される炭素原子数1〜5のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、メチルエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、1,3−ジメチルプロピレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン、3−メチルブチレン、4−メチルブチレン、ペンチレン、エタン−1,1−ジイル、プロパン−2,2−ジイル等が挙げられる。
で表される炭素原子数2〜20の有機基としては、直鎖状、分岐状または環状のものが挙げられ、例えば、上記Rで表されるアルキレン基として例示したもの、アルキレン基が酸素原子で中断されたものの他、シクロヘキサンジイル、シクロペンタンジイル、下記式で表されるもの等が挙げられる。
Figure 2016102185
上記(B)成分は、分子量80〜10,000のものが好ましく、250〜1,000のものがさらに好ましい。
本発明の組成物において、上記(A)成分と(B)成分の配合比は、(A)成分30〜70質量部に対して、チオール化合物(B)30〜70質量部であるが、(B)成分のSH当量/(A)成分のビニル当量の比で2:1〜1:2であるのが好ましく、1:1付近であるのがさらに好ましい。(B)成分を複数種用い、(B)成分のSH当量の合計が(A)成分のビニル当量とほぼ同じになるように、数回に分けて(B)成分を加えることもできる。
<(C)成分>
本発明の組成物は、必要に応じて(C)成分として、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤(C)としては、光重合開始剤または熱重合開始剤が挙げられる。光重合開始剤としては、光照射を受けることによってラジカル重合を開始させることが可能となる化合物であればよく、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンジル系化合物、チオキサントン系化合物等のケトン系化合物を好ましいものとして例示することができる。
アセトフェノン系化合物としては例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ターシャリブチルジクロロアセトフェノン、p−ターシャリブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等が挙げられる。
ベンジル系化合物としては、ベンジル、アニシル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等が挙げられる。
チオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフェインオキサイド、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)]チタニウム等が挙げられる。
また、熱重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)等のアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の過酸化物系開始剤、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩等が挙げられる。
本発明の組成物においては、これらの重合開始剤は1種あるいは2種以上のものを所望の性能に応じて配合して使用することができる。
(A)成分に対する(C)成分の使用割合は特に限定されず、本発明の目的を阻害しない範囲内で概ね通常の使用割合で使用すればよいが、例えば、(A)成分100質量部に対して、(C)成分0.01〜5.0質量部、好ましくは0.05〜2.0質量部とすることができる。少なすぎると硬化が不十分となりやすく、多すぎると硬化物の吸水率や硬化物強度等の諸物性に悪影響を与える場合がある。
本発明の組成物には、(A)〜(C)成分の他に溶媒を含有させてもよい。溶媒としては、(A)〜(C)成分を溶解または分散しえるものであれば特に制限はなく、例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸セロソルブ等のセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、イソ−またはn−プロパノール、イソ−またはn−ブタノール、アミルアルコール、アセトンアルコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコールメチルアセテート等のエーテルエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等のBTX系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テレピン油、D−リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油(株))、ソルベッソ#100(エクソン化学(株))等のパラフィン系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;カルビトール系溶媒、アニリン、トリエチルアミン、ピリジン、酢酸、アセトニトリル、二硫化炭素、水等が挙げられ、これらの溶媒は1種または2種以上の混合溶媒として使用することができる。
本発明の組成物には、必要に応じて界面活性剤を用いることもできる。界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等のフッ素界面活性剤、高級脂肪酸アルカリ塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤、高級アミンハロゲン酸塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド等の非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤を用いることができ、これらは組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物は、ロールコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、ガラス、金属、紙、プラスチック等の支持基体上に塗布することができる。また、一旦フィルム等の支持基体上に塗布した後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
また、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて他のモノマー、塩基開始剤、無機フィラー、有機フィラー、顔料、染料等の着色剤、光増感剤、架橋剤、消泡剤、増粘剤、レベリング剤、有機金属カップリング剤、チクソ剤、炭素化合物、金属微粒子、金属酸化物、難燃剤、可塑剤、光安定剤、熱安定剤、老化防止剤、エラストマー粒子、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、静電防止剤、離型剤、流動調整剤、密着促進剤等の各種樹脂添加物等を添加することができる。
本発明の組成物は、光照射または加熱によりエン−チオール反応が起こって硬化するが、活性光の光源としては、波長300〜450nmの光を発光するものを用いることができ、例えば、超高圧水銀、水銀蒸気アーク、カーボンアーク、キセノンアーク等を用いることができる。
本発明の組成物の具体的な用途としては、メガネ、撮像用レンズに代表される光学材料、塗料、コーティング剤、ライニング剤、インキ、レジスト、液状レジスト、接着剤、液晶滴下工法用シール剤、印刷版、絶縁ワニス、絶縁シート、積層板、プリント基盤、半導体装置用・LEDパッケージ用・液晶注入口用・有機EL用・光素子用・電気絶縁用・電子部品用・分離膜用等の封止剤、成形材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め剤、半導体用・太陽電池用等のパッシベーション膜、層間絶縁膜、保護膜、液晶表示装置のバックライトに使用されるプリズムレンズシート、プロジェクションテレビ等のスクリーンに使用されるフレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシート等のレンズシートのレンズ部、またはこのようなシートを用いたバックライト等、液晶カラーフィルタの保護膜やスペーサー、DNA分離チップ、マイクロリアクター、ナノバイオデバイス、ハードディスク用記録材料、固体撮像素子、太陽電池パネル、発光ダイオード、有機発光デバイス、ルミネセントフィルム、蛍光フィルム、MEMS素子、アクチュエーター、ホログラム、プラズモンデバイス、偏光板、偏光フィルム、マイクロレンズ等の光学レンズ、光学素子、光コネクター、光導波路、光学的造形用注型剤等を挙げることができ、例えばコーティング剤として適用できる基材としては金属、木材、ゴム、プラスチック、ガラス、セラミック製品等を挙げることができる。
本発明の組成物を接着剤として用いる場合には、本発明の組成物に適宜他の任意成分を加えたものを均一に混合し、押出機、ロール等で混練した後、カレンダー、ロール、Tダイ押出、インフレーション等の製膜法によりシート状に製膜して、透明支持体にシート状に成形した接着剤を貼付した後、上記条件で加熱または透明支持体側から紫外線等の光を照射し、その後もう一方の被着体に貼付する方法が挙げられる。また、被着体に接着した後に光を照射してもよい。
また、上記ポリマーと上述の添加剤とを保護フィルムや液晶セル表面基板に何ら影響を及ぼさない溶媒に均一に溶解させ、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等の印刷法やロールコーター塗装、フローコーター塗装、ナイフコーター塗装等の塗装方法を用いて透明支持体の表面に均一に塗布し、仮圧着した後、光照射して接着硬化させることができる。また、比較的狭い面接着の場合は、合わせた素材の隙間に接着剤の表面張力で沁み込ませる方法がある。
上記透明支持体の材料としては、例えば、ガラス等の無機材料;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース等のセルロースエステル;ポリアミド;ポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリスチレン;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリオキシエチレン、ノルボルネン樹脂等の高分子材料が挙げられる。透明支持体の透過率は80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。ヘイズは、2%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。屈折率は、1.45〜1.70であることが好ましい。
光照射の際、照射される光の波長、強度および照射時間等の照射条件は、重合開始剤の活性、使用される光重合性樹脂の活性等により適宜調整されるが、光波長としては、通常は内部にまで充分に光を進入させるために波長ピーク350〜400nmのものが好ましく、より好ましくは波長ピーク360〜380nmのものである。また、光強度としては10〜300mW/cmが好ましく、より好ましくは25〜100mW/cmであり、照射時間は1〜10分間が好ましく、より好ましくは3〜6分間である。
本発明の接着剤には、粘度を減少させたり塗布性を上げたりするために、反応性希釈剤として液体重合性アクリルモノマーや液体重合性モノビニルモノマーを用いることができる。液体重合性アクリルモノマーは市販されており、または、周知の方法により製造できる。液体重合性モノビニルモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル等のビニルエステル;アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート等のモノアクリルエステル;アクリル酸またはメタクリル酸と多価アルコールとのエステル;グリセロール、1,1,1−トリメチロールプロパン、トリヒドロキシエチルイソシアヌレート、エリスリトール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール等が挙げられる。
本発明の組成物を接着剤層に用いた光学フィルムは、形状に関しては特に制限されるものではないが、通常、透明支持体に、必要に応じて下塗り層、反射防止層、ハードコート層、潤滑層、保護層、液晶層等の各層を設けたものが挙げられる。光学フィルムに接着剤層を設ける方法としては、(1)透明支持体に塗布する方法、(2)透明支持体および任意の各層から選択される任意の隣り合う二者間に接着剤層を設ける方法が挙げられる。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例では部は質量部を意味する。
[実施例1〜16および比較例1〜5]
下記表1〜表3に示す配合で、(A)成分、(B)成分および(C)成分を撹拌混合して、各実施例および比較例の組成物を得た。実施例1〜16および比較例1〜5で得られた組成物について、下記評価を行った。結果を下記表1〜表3に併記する。
(塗布性)
実施例1〜16で得られた組成物および比較例1〜5で得られた比較組成物を、乾燥後の塗工厚が10μmになるようにバーコーターを選択し、塗工を行った。オーブンで乾燥(90℃、600秒)させた。得られた塗膜に超高圧水銀ランプで露光(2,000mJ/cm)した。露光後の塗膜の表面の状態を観察し、均一な塗膜形成の有無を目視で確認した。
○:均一な塗膜が得られた。
×:塗工後、塗膜のはじきやムラが観察された。
(密着性)
実施例1〜16で得られた組成物および比較例1〜5で得られた比較組成物を、25mm幅のガラスに塗布後、別のガラスを面積が625mmになるように貼り合わせ、超高圧水銀ランプで露光(2,000mJ/cm)して硬化させた。貼り合わせ部分のせん断接着強度(MPa)を測定した。
(TNI点)
上記塗布性試験において得られた硬化膜上に、下記に示す液晶化合物No.1〜No.11を含有する液晶組成物を接触させ、60℃で60時間後、液晶組成物を取り出すことにより樹脂溶出性試験を行った。取り出した液晶組成物について樹脂溶出性試験前後でのTNI点(Nematic―Isotropic転移温度)を比較し、下記基準により評価を行った。なお、TNI点の測定は、示差走査熱量測定(DSC)により吸熱ピークの温度を読み取ることにより行った。
○:TNI点の変化が±0.5℃未満
△:TNI点の変化が0.5〜1.0℃
×:TNI点の変化が1.0℃超
(VHR)
上記樹脂溶出性試験を行い、取り出した液晶組成物について樹脂溶出性試験前後でのVHR(電圧保持率)を比較し、VHRの低下率を求め、下記基準により評価を行った。評価は、液晶組成物を液晶評価用TNセル(セル厚5μm、電極面積8mm×8mm配向膜JALS2096)に注入し、VHRをVHR−1A(東陽テクニカ製)を用い測定した。(測定条件:パルス電圧幅60μs、フレーム周期16.7ms、波高±5V、測定温度25℃)
○:VHRの低下率が99%超
△:VHRの低下率が90〜99%
×:VHRの低下率が90%未満
Figure 2016102185
化合物A−1:BF−1000(エポキシ化ポリブタジエン;ADEKA社製)
化合物A−2:JP−200(エポキシ化ポリブタジエン;日本曹達社製)
化合物A−3:FC−3000(エポキシ化ポリブタジエン;ADEKA社製)
化合物A−4:Ricon657(エポキシ化ポリブタジエン;アルケマ社製)
化合物A’−1:ポリグリシジルアクリレート(分子量4,000)
化合物A’−2:ポリブタジエン(分子量4,500)
化合物A’−3:ポリメタクリル酸メチル(分子量5,000)
化合物B−1:カレンズMT PE−1;(多官能チオール;昭和電工社製)
化合物B−2:カレンズMT NR−1;(多官能チオール;昭和電工社製)
化合物B−3:カレンズMT BD−1;(多官能チオール;昭和電工社製)
化合物B−4:ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート PETG(多官能チオール;淀化学製)
化合物B−5:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)PEMP(多官能チオール;SC有機化学社製)
化合物B−6:メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート MBMP;(チオール;SC有機化学社製)
化合物B−7:トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート(TEMPIC SC有機化学社製)
化合物C−1:SP−246(アシルホスフィン系重合開始剤;ADEKA社製)
化合物C−2:EP−3300E(ベンゾフェノン型エポキシ化合物;ADEKA社製)
化合物C−3:ベンゾフェノン
化合物C−4:Irg651(アルキルフェノン系重合開始剤;BASF社製)
化合物D−1:トリアリルイソシアヌレート TAIC(日本化成社製)
化合物D−2:グリセリンモノアリルエーテル ネオアリルE−10(ダイソー社製)
Figure 2016102185
Figure 2016102185
Figure 2016102185
表1〜表3より、本発明の組成物は、塗布性、樹脂溶出性、密着性等に優れ、接着剤に好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. エポキシ化ポリオレフィン(A)30〜70質量部およびチオール化合物(B)30〜70質量部を必須成分とすることを特徴とする組成物。
  2. 前記エポキシ化ポリオレフィン(A)が、下記一般式(I)、
    Figure 2016102185
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数6〜30のアルキルアリール基またはハロゲン原子であり、nおよびqは、それぞれ独立して、1〜5の整数であり、mおよびpは、それぞれ独立して、0〜5の整数であり、n+m+p+qは20以下であり、rは、1〜50の整数である。)で表される請求項1記載の組成物。
  3. 前記チオール化合物(B)が、下記一般式(II)、
    Figure 2016102185
    (式中、Rは、水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基であり、Rは、炭素原子数1〜5のアルキル基であり、Rは、直接結合または炭素原子数1〜5のアルキレン基であり、Rは、炭素原子数2〜20の有機基であり、sは2〜6の整数である。)で表される請求項1または2記載の組成物。
  4. さらに、重合開始剤(C)0.01〜1.0質量部を含有する請求項1〜3のうちいずれか一項記載の組成物。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載の組成物を含有することを特徴とする接着剤。
  6. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載の組成物からなる接着剤層を有することを特徴とする光学フィルム。
  7. ディスプレイ用である請求項5記載の接着剤。
  8. ディスプレイ用である請求項6記載の光学フィルム。
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