JP2015163671A - ラジカル重合性組成物 - Google Patents

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Mitsuhiro Okada
光裕 岡田
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有希子 金原
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Abstract

【課題】感度及び耐熱性に優れ、適切なパターン形状や微細パターンを得ることのできるラジカル重合性組成物を提供すること。
【解決手段】樹脂(A)、潜在性酸化防止剤(B)、光重合開始剤(C)及び不飽和単量体(D)を含有するラジカル重合性組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、常温では不活性であり所定の温度に加熱することにより活性化されて機能を発現する潜在性酸化防止剤、及び該潜在性酸化防止剤を含有するラジカル重合性組成物に関する。
従来、液晶ディスプレイの製造に際しては、二枚の基板の固定間隔を一定に保つためにガラスビーズまたはプラスチックビーズ等のスペーサービーズを基板間に散布させることが知られている。これらスペーサービーズは、ガラス基板上に無作為に分散されてピクセル内部に配置されるため、常に赤(R)、緑(G)、青(B)の画素部位に偏る傾向があり、入射光が散乱を受け液晶ディスプレイのコントラストが低下するという問題があった。
これらの問題を改良するため、近年、フォトリソグラフィーにより感光性組成物を用いて基板上の所定の位置にスペーサーを形成する方法が使用されるようになってきた。これは、感光性組成物を基板上に塗布し、ドット状やストライプ状の所定のマスクを介して紫外線等の活性光線を照射した後、現像することにより、マスクに形成されたパターン通りにスペーサーを形成するものである。
このスペーサーは、液晶材料と接触するためにパネルを組み立てた後に、スペーサー材料から溶出物が発生しないことが重要であり、高温で熱処理して溶剤、不純物を十分に揮発させ、モノマー等の硬化成分がある場合には、充分に硬化させる必要があった。この熱処理の際にパターン形状が崩れてしまわないように耐熱性が必要である。
下記特許文献1及び2には、酸化防止剤を含有する感光性組成物が開示されているが、耐熱性の点で問題があった。また、下記特許文献3には、スペーサー用感光性組成物が開示されているが、潜在性酸化防止剤を含有し得る旨は記載も示唆もされていない。
特開2008−286877号公報 特開2013−35838号公報 特開2012−133364号公報
従って、本発明の目的は、感度及び耐熱性に優れ、適切なパターン形状や微細パターンを得ることのできるラジカル重合性組成物及び該ラジカル重合性組成物を用いた表示装置用スペーサーを提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、樹脂(A)、潜在性酸化防止剤(B)、重合開始剤(C)及び不飽和単量体(D)を含有するラジカル重合性組成物が、上記目的を達成し得ることを知見し、本発明に到達した。
本発明によれば、特定の構造を有する潜在性酸化防止剤を含有するラジカル重合性組成物は感度及び耐熱性に優れるものであり、表示装置用スペーサーとして有用である。
以下、本発明のラジカル重合性組成物について、好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明のラジカル重合性組成物は、樹脂(A)、潜在性酸化防止剤(B)、重合開始剤(C)及び不飽和単量体(D)を含有する。以下、各成分について順に説明する。
<樹脂(A)>
本発明のラジカル重合性組成物に用いられる樹脂(A)としては、後述の(B)、(C)及び(D)成分と相溶するものであれば特に制限されず用いることができ、例えば、不飽和化合物由来の繰り返し単位を含み、不飽和結合で重合することにより生成するポリマー、ノボラック樹脂等が挙げられる。
上記不飽和化合物由来の繰り返し単位を含み、不飽和結合で重合することにより生成するポリマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
(A1)下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂のエポキシ基に不飽和一塩基酸を反応させ、さらに多塩基酸無水物を反応させて得られた樹脂
(A2)不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a1)及び炭素原子数2〜4の環状エーテル構造と不飽和結合とを有する化合物少なくとも一種(a2)との共重合体
(A3)(a1)、(a2)及び(a1)、(a2)を除く不飽和化合物少なくとも一種(a3)との共重合体
(A4)(a1)及び(a3)との共重合体
(A5)(a1)及び(a3)との共重合体にさらに(a2)を反応させて得られるポリマー
(A6)(a2)と(a3)との共重合体に(a1)を反応させて得られるポリマー
Figure 2015163671
(式中、X1は直接結合、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキリデン基、炭素原子数3〜20の脂環式炭化水素基、−O−、−S−、−SO2−、−SS−、−SO−、−CO−、−OCO−又は下記式(イ)、(ロ)若しくは(ハ)で表される置換基を表し、該アルキリデン基はハロゲン原子で置換されていてもよく、R31、R32、R33及びR34は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、上記アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、rは0〜10の整数である。)
Figure 2015163671
(式中、Z1は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基又はアルコキシ基により置換基を有していてもよいフェニル基又は炭素原子数3〜10のシクロアルキル基を表し、Y1は炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、上記アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、dは0〜5の整数である。)
Figure 2015163671
Figure 2015163671
(式中、Y及びZは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリールチオ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリールアルケニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数2〜20の複素環基、又はハロゲン原子を表し、上記アルキル基及びアリールアルキル基中のアルキレン部分は、不飽和結合、−O−又は−S−で中断されていてもよく、Zは、隣接するZ同士で環を形成していてもよく、pは0〜4の整数を表し、qは0〜8の整数を表し、rは0〜4の整数を表し、sは0〜4の整数を表し、rとsの数の合計は2〜4の整数である。)
上記不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−クロルアクリル酸、α−クロルメタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、桂皮酸、ソルビン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート・マレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート・マレート、ジシクロペンタジエン・マレート等が挙げられる。
上記多塩基酸無水物としては、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、ハイミック酸無水物、メサコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸等が挙げられる。
上記エポキシ化合物、上記不飽和一塩基酸及び上記多塩基酸無水物の反応モル比は、以下の通りとすることが好ましい。即ち、上記エポキシ化合物のエポキシ基1個に対し、上記不飽和一塩基酸のカルボキシル基が0.1〜1.0個で付加させた構造を有するエポキシ付加物において、該エポキシ付加物の水酸基1個に対し、上記多塩基酸無水物の酸無水物構造が0.1〜1.0個となる比率となるようにするのが好ましい。
上記エポキシ化合物、上記不飽和一塩基酸及び上記多塩基酸無水物の反応は、常法に従って行なうことができる。
上記(a1)としては、例えば、上記で挙げた不飽和一塩基酸;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、ハイミック酸、メサコン酸、3−ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4−シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和多塩基酸;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物;
上記で挙げた多塩基酸無水物;
コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
上記(a2)としては、例えば、炭素原子数2〜4の環状エーテル構造(例えば、オキシラニル基、オキセタニル基及びテトラヒドロフラニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種)と不飽和結合とを有する重合性化合物が挙げられる。中でも、炭素原子数2〜4の環状エーテル構造と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体が好ましい。
オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン等の不飽和脂肪族炭化水素をエポキシ化した構造を有する化合物;
ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド2000;ダイセル化学工業(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーA400;ダイセル化学工業(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーM100;ダイセル化学工業(株)製)、下記化合物No.A1〜No.A4等の脂環式炭化水素をエポキシ化した構造を有する化合物等が挙げられる。
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する化合物としては、例えば、3−メチル−3−メタクリルロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロイルオキシエチルオキセタン等が挙げられる。
テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する化合物としては、例えば、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
(a3)としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等の不飽和脂肪族炭化水素; (メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸メチル、 (メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリ(エトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリ[(メタ)アクリロイルエチル]イソシアヌレート等の不飽和一塩基酸及び多価アルコール又は多価フェノールのエステル;(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸マグネシウム等の不飽和多塩基酸の金属塩;(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和一塩基酸及び多価アミンのアミド;アクロレイン等の不飽和アルデヒド;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン、シアン化アリル等の不飽和ニトリル;スチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニル安息香酸、ビニルフェノール、ビニルスルホン酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンジルメチルエーテル、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等の不飽和芳香族化合物;メチルビニルケトン等の不飽和ケトン;ビニルアミン、アリルアミン、N−ビニルピロリドン、ビニルピペリジン等の不飽和アミン化合物;アリルアルコール、クロチルアルコール等のビニルアルコール;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のビニルエーテル;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;インデン、1−メチルインデン等のインデン類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、ジビニルスクシナート、ジアリルフタラート、トリアリルホスファート、トリアリルイソシアヌラート、ビニルチオエーテル、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾリン、ビニルカルバゾール、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、水酸基含有ビニルモノマー及びポリイソシアネート化合物のビニルウレタン化合物並びに水酸基含有ビニルモノマーが挙げられる。
上記ノボラック樹脂としては、フェノール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、フェノール−ナフトール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂等が挙げられる。
その他、オリゴマーとして、アクリル化エポキシ樹脂、アクリレート基、ビニルエーテル基又はエポキシ基を含有するポリエステル・ポリウレタン又はポリエーテルや、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエーテルオリゴマー等を用いることもできる。
その他、分子の主鎖またはエステル基に結合している重合性側基を有するポリ(アミド酸エステル)化合物のようなポリイミド前駆体を用いることもできる。
本発明の樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは、500〜1,000,000、例えば3,000〜1,000,000、より好ましくは5,000〜4,00,000である。これらの化合物は、単独で、または2種類以上の混合物として使用することができる。
上記樹脂(A)の中でも、−COOH基、−SOH基、−SONHCO−基、フェノール性ヒドロキシ基、−SONH−基、−CO−NH−CO−基等の酸基を有するものが、フォトリソグラフィー性の点から好ましい。
上記酸基を有する樹脂(A)の酸価を調整して本発明のラジカル重合性組成物の現像性を改良するため、更に単官能又は多官能エポキシ化合物を用いることができる。上記酸基を有する樹脂は、固形分の酸価が5〜120mgKOH/gの範囲であることが好ましく、単官能又は多官能エポキシ化合物の使用量は、上記酸価を満たすように選択するのが好ましい。
上記単官能エポキシ化合物としては、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、イソブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、ペンチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、ヘプチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、ペンタデシルグリシジルエーテル、ヘキサデシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、プロパルギルグリシジルエーテル、p−メトキシエチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、p−メトキシグリシジルエーテル、p−ブチルフェノールグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、2−メチルクレジルグリシジルエーテル、4−ノニルフェニルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、p−クミルフェニルグリシジルエーテル、トリチルグリシジルエーテル、2,3−エポキシプロピルメタクリレート、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、グリシジルブチレート、ビニルシクロヘキサンモノオキシド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、スチレンオキシド、ピネンオキシド、メチルスチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、プロピレンオキシド、上記化合物No.A2、No.A3、No.A4等が挙げられる。
上記多官能エポキシ化合物としては、ビスフェノール型エポキシ化合物及びグリシジルエーテル類からなる群から選択される一種以上を用いると、特性の一層良好なラジカル重合性組成物を得ることができるので好ましい。該ビスフェノール型エポキシ化合物としては、上記一般式(I)で表されるエポキシ化合物を用いることができる他、例えば、水添ビスフェノール型エポキシ化合物等のビスフェノール型エポキシ化合物も用いることができる。該グリシジルエーテル類としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,8−オクタンジオールジグリシジルエーテル、1,10−デカンジオールジグリシジルエーテル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,1,1−トリ(グリシジルオキシメチル)プロパン、1,1,1−トリ(グリシジルオキシメチル)エタン、1,1,1−トリ(グリシジルオキシメチル)メタン、1,1,1,1−テトラ(グリシジルオキシメチル)メタンが挙げられる。
その他、フェノールノボラック型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ化合物等のノボラック型エポキシ化合物;3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン等の脂環式エポキシ化合物;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル類;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリン等のグリシジルアミン類;1,3−ジグリシジル−5,5−ジメチルヒダントイン、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環式エポキシ化合物;ジシクロペンタジエンジオキシド等のジオキシド化合物;ナフタレン型エポキシ化合物、トリフェニルメタン型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物等を用いることもできる。
上記酸基を有する樹脂(A)の中でも、相溶性、アルカリ現像性及び耐熱性の点から、(A1)下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂のエポキシ基に不飽和一塩基酸を反応させ、さらに多塩基酸無水物を反応させて得られた樹脂、(A2)不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a1)及び炭素原子数2〜4の環状エーテル構造と不飽和結合とを有する化合物少なくとも一種(a2)との共重合体あるいは(A3)(a1)、(a2)及び(a1)、(a2)を除く不飽和化合物少なくとも一種(a3)との共重合体が好ましい。
上記酸基を有する樹脂(A)としては市販のものを用いることもでき、例えば、SPC−1000、SPC−3000(昭和電工社製)、AX3−BX、AX3−RD1、AX3−RD2(日本触媒社製)ビスコートV#150(大阪有機化学工業社製)等が挙げられる。
本発明のラジカル重合性組成物において、樹脂(A)の含有量は、本発明のラジカル重合性組成物中、30〜99質量%、特に60〜95質量%が好ましい。上記樹脂(A)の含有量が30質量%より小さいと、硬化物の力学的強度が不足しクラックが入ったり、アルカリ現像性を有する場合、現像不良が起こったりする場合があり、99質量%より大きいと、露光による硬化が不十分になりタックが発生したり、アルカリ現像性を有する場合、現像時間が長くなり硬化部分もアルカリで膜やられを起こしたりする場合がある。
<潜在性酸化防止剤(B)>
本発明のラジカル重合性組成物に用いられる潜在性酸化防止剤(B)とは、常温あるいは150℃以下のプリベーク工程では不活性であり、100〜250℃で加熱するか、あるいは酸/塩基触媒存在下で80〜200℃で加熱することにより保護基が脱離して活性となるものであり、下記一般式(I)で表されるものが合成が容易なので好ましい。
Figure 2015163671
(式中、環Aは、五員環又は六員環の炭化水素環又は複素環を表し、
は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、
は、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又はトリアルキルシリル基を表し、
及びRで表されるアルキル基又はアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素−炭素二重結合、−O−、−S−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−S−CO−O−、−O−CO−S−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NR’−、−S−S−又は−SO−から選ばれた基を酸素原子が隣り合わない条件で組み合わせた基で置き換えていてもよく、R’は、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、
複数のR同士は結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成していてもよく、
複数のR及びRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、
nは、1〜10の整数を表し、
dは、1〜4の整数を表し、
kは、1〜3の整数を表し、
Xは、直接結合、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、下記(x’)で表される基、>C=O、>NR、−OR、−SR、−NR又はnと同数の価数を有する置換基を有していてもよい炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、R3及びR4は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、該脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基は、炭素一炭素二重結合、−O−、−S−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−S−CO−O−、−O−CO−S−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NR’−、−S−S−、−SO−又は窒素原子から選ばれた基を酸素原子が隣り合わない条件で組み合わせた基で置き換わっていてもよく、上記芳香環又は複素環は、他の環と縮合されていてもよい。但し、Xが窒素原子、リン原子又は下記(x’)で表される基の場合、nは3であり、Xが酸素原子又は硫黄原子の場合、nは2であり、Xが>C=O、−NH−CO−、−CO−NH−又は>NRの場合、nは2であり、Xが−OR、−SR又は−NRの場合、nが1であり、Xは、Aと一緒になって環を形成していてもよい。)
Figure 2015163671
上記一般式(I)で表される潜在性酸化防止剤は、Xで表されるn価の特定の原子又は基に、n個の特定の基が結合した構造を有する。このn個の基は、互いに同じであっても異なっていてもよい。nの値は1〜10であり、合成の容易さの点から、好ましくは2〜6である。
上記一般式(I)におけるAで表される五員環の芳香環としては、シクロペンタジエン、フェロセン等が挙げられ、五員環の複素環としては、フラン、チオフェン、ピロール、ピロリジン、ピラゾリジン、ピラゾール、イミダゾール、イミダゾリジン、オキサゾール、イソキサゾール、イソオキサゾリジン、チアゾール、イソチアゾール、イソチアゾリジン等が挙げられ、六員環の芳香環としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ペリレン、ピレン等が挙げられ、六員環の複素環としては、ピペリジン、ピペラジン、モルフォリン、チオモルフォリン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン等が挙げられ、これらの環は、他の環と縮合されていたり置換されていたりしていてもよく、例えば、キノリン、イソキノリン、インドール、ユロリジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾトリアゾール、アズレン等が挙げられる。
で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、
及びRで表される炭素原子数1〜40のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、iso−ブチル、アミル、iso−アミル、tert−アミル、シクロペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、iso−ヘプチル、tert−ヘプチル、1−オクチル、iso−オクチル、tert−オクチル、アダマンチル等が挙げられ、
で表される炭素原子数1〜8のアルコキシ基としては、メチルオキシ、エチルオキシ、iso−プロピルオキシ、ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシ、iso−ブチルオキシ、アミルオキシ、iso−アミルオキシ、tert−アミルオキシ、ヘキシルオキシ、2−ヘキシルオキシ、3−ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、4−メチルシクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、2−ヘプチルオキシ、3−ヘプチルオキシ、iso−ヘプチルオキシ、tert−ヘプチルオキシ、1−オクチルオキシ、iso−オクチルオキシ、tert−オクチルオキシ等が挙げられ、
で表される炭素原子数1〜8のアルキル基及びアルコキシ基を置換する置換基としては、ビニル、アリル、アクリル、メタクリル等のエチレン性不飽和基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;アセチル、2−クロロアセチル、プロピオニル、オクタノイル、アクリロイル、メタクリロイル、フェニルカルボニル(ベンゾイル)、フタロイル、4−トリフルオロメチルベンゾイル、ピバロイル、サリチロイル、オキザロイル、ステアロイル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル、カルバモイル等のアシル基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等のアシルオキシ基;アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、クロロフェニルアミノ、トルイジノ、アニシジノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ,ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、ホルミルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等の置換アミノ基;スルホンアミド基、スルホニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、メルカプト基、イミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、ホスホン酸基、リン酸基又はカルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、リン酸基の塩等が挙げられる。
で表される炭素原子数6〜20のアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル等が挙げられ、
で表される炭素原子数7〜20のアリールアルキル基としては、ベンジル、フルオレニル、インデニル、9−フルオレニルメチル基等が挙げられ、
で表される炭素原子数2〜20の複素環含有基としては、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル、2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル等が挙げられ、
で表されるトリアルキルシリル基としては、トリメチルシラン、トリエチルシラン、エチルジメチルシラン等が挙げられる。
の中でも、炭素原子数1〜8のアルキル基の酸素原子側の末端に−CO−O−が結合しているものが、潜在性添加剤として効率的に機能を発現するので好ましい。
上記一般式(I)におけるX及びR並びにRで表される、置換基を有してもよい炭素原子数1〜35の一価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、シクロペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、ビシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル等のアルキル基;メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、第三アミルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、第三ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、第三オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ等のアルコキシ基;メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、第二ブチルチオ、第三ブチルチオ、イソブチルチオ、アミルチオ、イソアミルチオ、第三アミルチオ、ヘキシルチオ、シクロヘキシルチオ、ヘプチルチオ、イソヘプチルチオ、第三ヘプチルチオ、n−オクチルチオ、イソオクチルチオ、第三オクチルチオ、2−エチルヘキシルチオ等のアルキルチオ基;ビニル、1−メチルエテニル、2−メチルエテニル、2−プロペニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、イソブテニル、3−ペンテニル、4−ヘキセニル、シクロヘキセニル、ビシクロヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル、ぺンタデセニル、エイコセニル、トリコセニル等のアルケニル基等が挙げられ、
置換基を有してもよい炭素原子数6〜35の一価の芳香環含有炭化水素基としては、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等のアリールアルキル基;フェニル、ナフチル等のアリール基;フェノキシ、ナフチルオキシ等のアリールオキシ基;フェニルチオ、ナフチルチオ等のアリールチオ基等が挙げられ、
置換基を有してもよい炭素原子数2〜35の一価の複素環含有基としては、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル、2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル、ベンゾトリアゾイル等が挙げられる。
置換基としては、ビニル、アリル、アクリル、メタクリル等のエチレン性不飽和基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;アセチル、2−クロロアセチル、プロピオニル、オクタノイル、アクリロイル、メタクリロイル、フェニルカルボニル(ベンゾイル)、フタロイル、4−トリフルオロメチルベンゾイル、ピバロイル、サリチロイル、オキザロイル、ステアロイル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル、カルバモイル等のアシル基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等のアシルオキシ基;アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、クロロフェニルアミノ、トルイジノ、アニシジノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ,ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、ホルミルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等の置換アミノ基;スルホンアミド基、スルホニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、メルカプト基、イミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、ホスホン酸基、リン酸基又はカルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、リン酸基の塩等が挙げられ、これらの基は更に置換されていてもよい。また、カルボキシル基及びスルホ基は塩を形成していてもよい。
上記一般式(I)で表される化合物の中でも、下記一般式(IA)〜(IE)で表されるものが、合成が容易で耐熱性が高くなるので好ましい。
Figure 2015163671
(式中、環Aは、六員環の脂環、芳香環又は複素環であり、R11、R12、R13、R14及びR15は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又は−O−Rを表し、R11、R12、R13、R14及びR15のうち少なくとも1つは水素原子でなく、Rは、上記一般式(I)と同じである。)
Figure 2015163671
(式中、X11は、下記一般式(1)で表される基であり、R16、R17、R18及びR19は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、R16、R17、R18及びR19のうち少なくとも1つは水素原子でなく、環Aは、上記一般式(IA)と同じであり、Rは、上記一般式(I)と同じである。)
Figure 2015163671
(上記一般式(1)中、Xは、−CR3031−、−NR32−、二価の炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香族炭化水素基若しくは炭素原子数2〜35の複素環基、又は、下記(x1’)〜(x1’’’)で表されるいずれかの置換基を表し、該脂肪族炭化水素基は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−又は−NH−、あるいは酸素原子が隣り合うことなしにこれらを組み合わせた結合基で中断されていてもよく、R30及びR31は、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基又は炭素原子数7〜20のアリールアルキル基を表し、Z及びZは、それぞれ独立に、直接結合、−O−、−S−、>CO、−CO−O−、−O−CO−、−SO−、−SS−、−SO−又は>NR33を表し、R32及びR33は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜35の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素原子数2〜35の複素環基を表す。)
Figure 2015163671
(上記式中、R101は水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、又は炭素原子数3〜10のシクロアルキル基を表し、R102は炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、上記アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基は置換基を有していてもよく、fは0〜5の整数である。)
Figure 2015163671
Figure 2015163671
(上記式中、R103及びR104は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20の複素環基又はハロゲン原子を表し、該アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は不飽和結合、−O−又は−S−で中断されていてもよく、R103は、隣接するR103同士で環を形成していてもよく、bは0〜4の数を表し、cは0〜8の数を表し、gは0〜4の数を表し、hは0〜4の数を表し、gとhの数の合計は2〜4である。)
Figure 2015163671
(式中、m=2〜6であり、Xは、m=2のとき上記一般式(1)で表される基であり、m=3のとき下記一般式(2)で表される基であり、m=4のとき下記一般式(3)で表される基であり、m=5のとき下記一般式(4)であり、m=6のとき下記一般式(5)であり、R105、R106、R107及びR108は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、R105、R106、R107及びR108のうち少なくとも1つは水素原子でなく、環Aは、上記一般式(IA)と同じであり、Rは、上記一般式(I)と同じである。)
Figure 2015163671
(上記一般式(2)中、Y11は、三価の炭素原子数3〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜35の脂環族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香族炭化水素基若しくは炭素原子数2〜35の複素環基を表し、Z、Z及びZは、それぞれ独立に、直接結合、−O−、−S−、>CO、−CO−O−、−O−CO−、−SO−、−SS−、−SO−、>NR32、>PR32又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜35の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素原子数2〜35の複素環基を表し、R32は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜35の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素原子数2〜35の複素環基を表し、該脂肪族炭化水素基は、炭素一炭素二重結合、−O−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−又は−SO−で中断されていてもよい。)
Figure 2015163671
(上記一般式(3)中、Y12は、炭素原子、又は、四価の炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香族炭化水素基若しくは炭素原子数2〜35の複素環基を表し、該脂肪族炭化水素基は、−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−又は−CONH−で中断されていてもよく、Z〜Zは、それぞれ独立に、上記一般式(2)におけるZ〜Zで表される基と同じ範囲の基である。)
Figure 2015163671
(上記一般式(4)中、Y13は、五価の炭素原子数2〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素基又は炭素原子数2〜30の複素環基を表し、該脂肪族炭化水素基は、−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−又は−CONH−で中断されていてもよく、Z〜Zは、それぞれ独立に、上記一般式(2)におけるZ〜Zで表される基と同じ範囲の基である。)
Figure 2015163671
(上記一般式(5)中、Y14は、六価の炭素原子数2〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香族炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環基を表し、該脂肪族炭化水素基は、−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−又は−CONH−で中断されていてもよく、Z〜Zは、それぞれ独立に、上記一般式(2)におけるZ〜Zで表される基と同じ範囲の基である。)
Figure 2015163671
(式中、m=2〜6であり、Xは、m=2のとき上記一般式(1)で表される基であり、m=3のとき上記一般式(2)で表される基であり、m=4のとき上記一般式(3)で表される基であり、m=5のとき上記一般式(4)であり、m=6のとき上記一般式(6)であり、R205、R206、R207及びR208は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、R205、R206、R207及びR208のうち少なくとも1つは水素原子でなく、環A及びRは、上記一般式(IA)と同じである。)
Figure 2015163671
(式中、m=3〜6であり、Xは、m=3のとき上記一般式(2)で表される基であり、m=4のとき上記一般式(3)で表される基であり、m=5のとき上記一般式(4)であり、m=6のとき上記一般式(6)であり、R305、R306、R307及びR308は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、R305、R306、R307及びR308のうち少なくとも1つは水素原子でなく、環A及びRは、上記一般式(IA)と同じである。)
上記一般式(I)で表される化合物としては、例えば下記化学式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
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Figure 2015163671
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Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
<重合開始剤(C)>
本発明のラジカル重合性組成物に用いられる重合開始剤(C)としては、光重合開始剤及び熱重合開始剤が挙げられる。光重合開始剤としては、光照射によりラジカルを発生するものであれば特に制限されず従来既知の化合物を用いることが可能であり、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物などのケトン系化合物、オキシムエステル系化合物などを好ましいものとして例示することができる。
アセトフェノン系化合物としては例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ターシャリブチルジクロロアセトフェノン、p−ターシャリブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等が挙げられる。
ベンジル系化合物としては、ベンジル、アニシル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
オキシム系化合物としては、特に、下記一般式(II)で表される化合物が、感度及び耐熱性の点から好ましい。
Figure 2015163671
(式中、R21及びR22は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環基を表し、
23及びR24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、R25、OR26、SR27、NR2829、COR30、SOR31、SO32又はCONR3334を表し、R23及びR24は、互いに結合して環を形成していてもよく、
25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33及びR34は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環基を表し、
は、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、CR3536、CO、NR37又はPR38を表し、
は、単結合又はCOを表し、
21、R22、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R35、R36、R37及びR38中の炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基又は炭素原子数7〜30のアリールアルキル基を表し、該アルキル基又はアリールアルキル基中のメチレン基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基又は複素環基で置換されていてもよく、−O−で中断されていてもよく、
39、R40、R41及びR42は、それぞれ独立に、隣接するどちらかのベンゼン環と一緒になって環を形成していてもよく、
23は、−X−を介して隣接するベンゼン環の炭素原子の1つと結合して環構造を形成していてもよく、あるいはR23とR24が一緒になって環を形成していてもよく、
aは、0〜4の整数を表し、
bは、0〜4の整数を表す。)
チオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
その他の光ラジカル重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフェインオキサイド、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)]チタニウムなどが挙げられる。
これらの光ラジカル重合開始剤は1種あるいは2種以上のものを所望の性能に応じて配合して使用することができる。
また、上記熱重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)等のアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の過酸化物系開始剤、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩等が挙げられる。これらは一種又は二種以上を混合して用いることができる。
本発明のラジカル重合性組成物において、上記重合開始剤の含有量は、本発明のラジカル重合性組成物の固形分中、0.1〜30質量%、特に0.5〜10質量%が好ましい。上記重合開始剤の含有量が0.1質量%より小さいと、露光による硬化が不十分になる場合があり、30質量%より大きいと、ラジカル重合性組成物中に開始剤が析出する場合がある。
<不飽和単量体(D)>
本発明のラジカル重合性組成物に用いられる不飽和単量体(D)は、光又は熱により重合するもので希釈剤として機能し、溶媒を用いることなく粘度を低減することができる。
該不飽和単量体(D)としては、特に限定されず、従来、ラジカル重合性組成物に用いられているものを用いることができるが、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等の不飽和脂肪族炭化水素;(メタ)アクリル酸、α―クロルアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸、フマル酸、ハイミック酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、桂皮酸、ソルビン酸、メサコン酸、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、フタル酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート・マレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート・マレート、ジシクロペンタジエン・マレート或いは1個のカルボキシル基と2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する多官能(メタ)アクリレート等の不飽和一塩基酸;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、下記化合物No.A1〜No.A6、(メタ)アクリル酸メチル、 (メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリ(エトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリ[(メタ)アクリロイルエチル]イソシアヌレート等の不飽和一塩基酸及び多価アルコール又は多価フェノールのエステル;(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸マグネシウム等の不飽和多塩基酸の金属塩;マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸、無水メチルハイミック酸等の不飽和多塩基酸の酸無水物;(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和一塩基酸及び多価アミンのアミド;アクロレイン等の不飽和アルデヒド;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン、シアン化アリル等の不飽和ニトリル;スチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニル安息香酸、ビニルフェノール、ビニルスルホン酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンジルメチルエーテル、ビニルベンジルグリシジルエーテル等の不飽和芳香族化合物;メチルビニルケトン等の不飽和ケトン;ビニルアミン、アリルアミン、N−ビニルピロリドン、ビニルピペリジン等の不飽和アミン化合物;アリルアルコール、クロチルアルコール等のビニルアルコール;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のビニルエーテル;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;インデン、1−メチルインデン等のインデン類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、ジビニルスクシナート、ジアリルフタラート、トリアリルホスファート、トリアリルイソシアヌラート、ビニルチオエーテル、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾリン、ビニルカルバゾール、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、水酸基含有ビニルモノマー及びポリイソシアネート化合物のビニルウレタン化合物及び水酸基含有ビニルモノマーが挙げられる。
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
本発明のラジカル重合性組成物において、上記不飽和単量体(D)の含有量は、上記樹脂(A):上記不飽和単量体(D)=35〜95:5〜65質量部、好ましくは40〜90:10〜60質量部であるのが好ましい。
本発明のラジカル重合性組成物は、さらに、チオール化合物(E)を加え、光照射によってエン=チオール反応を起こすことにより硬化させることもできる。
該チオール化合物としては、特に限定されず従来公知のチオール化合物を適宜用いることができ、例えば、2−ブタンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、シクロペンタンチオール、メチル−3−メルカプトプロピオネート、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート、メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,7−ヘプタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,12−ドデカンジチオール、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、ビス(2−メルカプトメチル)エーテル、ヘキサンジオールビスチオグリコレート、1,1,1−トリス(メルカプトメチル)エタン、2−エチル−2−メルカプトメチル−1,3−プロパンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、テトラキスメルカプトメチルメタン、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトアセテート、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトグリコレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトプロピオネート)、ジメルカプトメタン、トリメルカプトメタン、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、トリメチロールプロパン トリス(2−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパン トリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタン トリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパン トリス(2−メルカプトグリコレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、オクタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトグリコレート)、エチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコール ビス(3−メルカプトプロピオネート)、プロピレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート 、オクタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパン トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、オクタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(2−メルカプトブチレート)、プロピレングリコールビス(2−メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(2−メルカプトブチレート)、オクタンジオールビス(2−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス( 4 − メルカプトバレレート) 、プロピレングリコールビス(4−メルカプトイソバレレート)、ブタンジオールビス(4−メルカプトバレレート)、オクタンジオールビス(4−メルカプトバレレート)、トリメチロールプロパントリス(4−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(4−メルカプトバレレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトバレレート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプトバレレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトバレレート)、オクタンジオールビス(3−メルカプトバレレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトバレレート)、2,5−ヘキサンジチオール、2,9− デカンジチオール、1,4−ビス(1−メルカプトエチル)ベンゼン、フタル酸ジ(1−メルカプトエチルエステル)、フタル酸ジ(2−メルカプトプロピルエステル)、フタル酸ジ(3−メルカプトブチルエステル)、フタル酸ジ(3−メルカプトブチルエステル)等が挙げられる。(B)成分は、いずれか単独で、または複数を併用することができる。尚、本発明において二級チオール基とは官能基のことをいう。
上記で例示した中でも、一級ではなく、HS−CHXY(式中、X、YはH以外の官能基を表す。)で表されるような二級メルカプト基を有するチオール化合物は、当該化合物とエポキシ化ポリオレフィン(A)とを混合した後に一液安定性に優れるので好ましい。
上記チオール化合物(E)としては、市販品を用いることもでき、例えば、カレンズMT BD1、カレンズMT PE1、カレンズMT NR1(昭和電工社製);QX11、QX40(三菱化学社製);チオコールLP−33、チオコールLP−3、チオコールLP−980、チオコールLP−23、チオコールLP−56、チオコールLP−55、チオコールLP−12、チオコールLP−32、チオコールLP−2、チオコールLP−31(東レ社製);アデカハードナーEH−317(ADEKA社製);MPM、EHMP、NOMP、MBMP、STMP、TMMP、TMPIC、PEMP、EGMP−4、DPMP(堺化学社製);HDTG、TMTG、PETG(淀化学社製)等が挙げられる。
上記チオール化合物(E)としては、下記一般式(II)で表される、多官能アルコールとメルカプト基含有カルボン酸とのエステル化物が、入手が容易で、得られる光硬化性組成物の硬化物の硬化性が高くなるので好ましい。
Figure 2015163671
(式中、R201は、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、R202は、炭素原子数1〜5のアルキル基であり、R203は、直接結合または炭素原子数1〜5のアルキレン基であり、R204は、炭素原子数2〜20の有機基であり、sは2〜6の整数である。)
上記一般式(II)中、R201及びR202で表される炭素原子数1〜5のアルキル基としては、上記一般式(I)で例示したものが挙げられ、
203で表される炭素原子数1〜5のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、メチルエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、1,3−ジメチルプロピレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン、3−メチルブチレン、4−メチルブチレン、ペンチレン、エタン− 1 , 1 − ジイル、プロパン−2,2−ジイル等が挙げられ、
204で表される炭素原子数2〜20の有機基としては、直鎖状、分岐状又は環状のものが挙げられ、例えば、上記R203で表されるアルキレン基として例示したもの、アルキレン基が酸素原子で中断されたものの他、シクロヘキサンジイル、シクロペンタンジイル、下記<群1>で表されるもの等が挙げられる。
Figure 2015163671
上記チオール化合物(E)は、分子量80〜10000のものが好ましく、250〜1000のものがさらに好ましい。
本発明のラジカル重合性組成物において、上記(D)成分と(E)成分の配合比は、(E)成分のSH当量/(D)成分のビニル当量の比で2:1〜1:2であるのが好ましく、1:1付近であるのがさらに好ましい。(E)成分を複数種用い、(E)成分のSH当量の合計が(D)成分のビニル当量とほぼ同じになるように、数回に分けて(E)成分を加えることもできる。
本発明のラジカル重合性組成物には、更に溶媒を加えることができる。該溶媒としては、通常、必要に応じて上記の各成分(本発明の樹脂(A)、潜在性酸化防止剤(B)、重合開始剤(C)及び不飽和単量体(D)等)を溶解又は分散し得る溶媒、例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル、コハク酸ジメチル、テキサノール等のエステル系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、イソ−又はn−プロパノール、イソ−又はn−ブタノール、アミルアルコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルエーテルアセテート、エトキシエチルエーテルプロピオネート等のエーテルエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等のBTX系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テレピン油、D−リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油(株))、ソルベッソ#100(エクソン化学(株))等のパラフィン系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒;カルビトール系溶媒、アニリン、トリエチルアミン、ピリジン、酢酸、アセトニトリル、二硫化炭素、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられ、これらの溶媒は1種又は2種以上の混合溶媒として使用することができる。これらの中でもケトン類、エーテルエステル系溶媒等、特にプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)、シクロヘキサノン等が、ラジカル重合性組成物においてレジストと重合開始剤の相溶性がよいので好ましい。
本発明のラジカル重合性組成物において、上記溶媒の使用量は、溶媒以外の組成物の濃度が5〜30質量%になることが好ましく、5質量%より小さい場合、膜厚を厚くする事が困難であり所望の波長光を十分に吸収できないため好ましくなく、30質量%を超える場合、組成物の析出による組成物の保存性が低下したり、粘度が向上したりするためハンドリングが低下するため好ましくない。
上記ラジカル重合性組成物に、さらに着色剤を加えて着色ラジカル重合性組成物とすることもできる。該着色ラジカル重合性組成物の硬化物は、カラーフィルタとして好適に用いられる。
上記着色ラジカル重合性組成物において、着色剤の添加量は、0.01〜50質量%が好ましく、0.1〜30質量%がより好ましい。
上記着色剤としては、染料あるいは顔料が挙げられる。
染料としては、380〜1200nmに吸収を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、アゾ化合物、アントラキノン化合物、インジゴイド化合物、トリアリールメタン化合物、キサンテン化合物、アリザリン化合物、アクリジン化合物、スチルベン化合物、チアゾール化合物、ナフトール化合物、キノリン化合物、ニトロ化合物、インダミン化合物、オキサジン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、ジインモニウム化合物、シアノエテニル化合物、ジシアノスチレン化合物、ローダミン化合物、ペリレン化合物、ポリエンナフトラクタム化合物、クマリン化合物、スクアリリウム化合物、クロコニウム化合物、スピロピラン化合物、スピロオキサジン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、スチリル化合物、ピリリウム化合物、ローダニン化合物、オキサゾロン化合物、フタルイミド化合物、シンノリン化合物、ナフトキノン化合物、アザアントラキノン化合物、ポルフィリン化合物、アザポルフィリン化合物、ピロメテン化合物、キナクリドン化合物、ジケトピロロピロール化合物、インジゴ化合物、アクリジン化合物、アジン化合物、アゾメチン化合物、アニリン化合物、キナクリドン化合物、キノフタロン化合物、キノンイミン化合物、イリジウム錯体化合物、ユーロピウム錯体化合物等の染料等が挙げられ、これらは複数を混合して用いてもよい。
顔料としては、無機顔料あるいは有機顔料を用いることができ、例えば、ニトロソ化合物、ニトロ化合物、アゾ化合物、ジアゾ化合物、キサンテン化合物、キノリン化合物、アントラキノン化合物、クマリン化合物、フタロシアニン化合物、イソインドリノン化合物、イソインドリン化合物、キナクリドン化合物、アンタンスロン化合物、ペリノン化合物、ペリレン化合物、ジケトピロロピロール化合物、チオインジゴ化合物、ジオキサジン化合物、トリフェニルメタン化合物、キノフタロン化合物、ナフタレンテトラカルボン酸;アゾ染料、シアニン染料の金属錯体化合物;レーキ顔料;ファーネス法、チャンネル法、サーマル法によって得られるカーボンブラック、或いはアセチレンブラック、ケッチェンブラック又はランプブラック等のカーボンブラック;上記カーボンブラックをエポキシ樹脂で調整、被覆したもの、上記カーボンブラックを予め溶媒中で樹脂で分散処理し、20〜200mg/gの樹脂を吸着させたもの、上記カーボンブラックを酸性又はアルカリ性表面処理したもの、平均粒径が8nm以上でDBP吸油量が90ml/100g以下のもの、950℃における揮発分中のCO、CO2から算出した全酸素量が、カーボンブラックの表面積100m当たり9mg以上であるもの;黒鉛、黒鉛化カーボンブラック、活性炭、炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンマイクロコイル、カーボンナノホーン、カーボンエアロゲル、フラーレン;アニリンブラック、ピグメントブラック7、チタンブラック;疎水性樹脂、酸化クロム緑、ミロリブルー、コバルト緑、コバルト青、マンガン系、フェロシアン化物、リン酸塩群青、紺青、ウルトラマリン、セルリアンブルー、ピリジアン、エメラルドグリーン、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、合成鉄黒、アンバー等の無機含量又は有機顔料を用いることができる。これらの顔料は単独で、或いは複数を混合して用いることができる。
上記無機顔料又は有機顔料としては、市販の顔料を用いることもでき、例えば、ピグメントレッド1、2、3、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48、49、88、90、97、112、119、122、123、144、149、166、168、169、170、171、177、179、180、184、185、192、200、202、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254;ピグメントオレンジ13、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、65、71;ピグメントイエロー1、3、12、13、14、16、17、20、24、55、60、73、81、83、86、93、95、97、98、100、109、110、113、114、117、120、125、126、127、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、166、168、175、180、185;ピグメントグリ−ン7、10、36;ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、22、24、56、60、61、62、64;ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、50等が挙げられる。
本発明のラジカル重合性組成物には、更に無機化合物を含有させることができる。該無機化合物としては、例えば、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化イリジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化カリウム、シリカ、アルミナ等の金属酸化物;層状粘土鉱物、ミロリブルー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、コバルト系、マンガン系、ガラス粉末、マイカ、タルク、カオリン、フェロシアン化物、各種金属硫酸塩、硫化物、セレン化物、アルミニウムシリケート、カルシウムシリケート、水酸化アルミニウム、白金、金、銀、銅等が挙げられ、これらの中でも、酸化チタン、シリカ、層状粘土鉱物、銀等が好ましい。本発明のラジカル重合性組成物において、無機化合物の含有量は、上記不飽和化合物100質量部に対して、好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは0.5〜20質量部であり、これらの無機化合物は1種又は2種以上を使用することができる。
本発明のラジカル重合性組成物に上記の光重合開始剤及び無機化合物を含有させることで、感光性ペースト組成物として用いることができる。該感光性ペースト組成物は、カラーフィルタのフィルタセグメントやプラズマディスプレイパネルの隔壁パターン、誘電体パターン、電極パターン及びブラックマトリックスパターンなどの焼成物パターンを形成するために用いられる。
またこれら無機化合物は、例えば、充填剤、反射防止剤、導電剤、安定剤、難燃剤、機械的強度向上剤、特殊波長吸収剤、撥インク剤等としても好適に用いられる。
本発明のラジカル重合性組成物において、顔料又は無機化合物を用いる場合、分散剤を加えることができる。該分散剤としては色材、無機化合物を分散、安定化できるものであれば何でも良く、市販の分散剤、例えばビックケミー社製、BYKシリーズ等を用いることができ、塩基性官能基を有するポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタンからなる高分子分散剤、塩基性官能基として窒素原子を有し、窒素原子を有する官能基がアミン、及び/又はその四級塩であり、アミン価が1〜100mgKOH/gのものが好適に用いられる。
また、本発明のラジカル重合性組成物には、必要に応じて、p−アニソール、ハイドロキノン、ピロカテコール、t−ブチルカテコール、フェノチアジン等の熱重合抑制剤;可塑剤;接着促進剤;充填剤;消泡剤;レベリング剤;表面調整剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;分散助剤;凝集防止剤;触媒;硬化促進剤;架橋剤;増粘剤;多官能チオール等の慣用の添加物を加えることができる。
本発明のラジカル重合性組成物において、樹脂(A)、潜在性酸化防止剤(B)、重合開始剤(C)及び不飽和単量体(D)以外の任意成分の含有量は、その使用目的に応じて適宜選択され特に制限されないが、好ましくは、上記不飽和化合物の含有量100質量部に対して合計で50質量部以下とする。
本発明のラジカル重合性組成物には、更に、連鎖移動剤、増感剤、界面活性剤、メラミン等を併用することができる。
上記連鎖移動剤、増感剤としては、一般的に硫黄原子含有化合物が用いられる。例えばチオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、2−メルカプトニコチン酸、3−[N−(2−メルカプトエチル)カルバモイル]プロピオン酸、3−[N−(2−メルカプトエチル)アミノ]プロピオン酸、N−(3−メルカプトプロピオニル)アラニン、2−メルカプトエタンスルホン酸、3−メルカプトプロパンスルホン酸、4−メルカプトブタンスルホン酸、ドデシル(4−メチルチオ)フェニルエーテル、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−2−ブタノール、メルカプトフェノール、2−メルカプトエチルアミン、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−3−ピリジノール、2−メルカプトベンゾチアゾール、メルカプト酢酸、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)等のメルカプト化合物、該メルカプト化合物を酸化して得られるジスルフィド化合物、ヨード酢酸、ヨードプロピオン酸、2−ヨードエタノール、2−ヨードエタンスルホン酸、3−ヨードプロパンスルホン酸等のヨード化アルキル化合物、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、ブタンジオールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、トリスヒドロキシエチルトリスチオプロピオネート、下記化合物No.C1、昭和電工社製カレンズPE1、NR1等が挙げられる。
Figure 2015163671
上記界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等のフッ素界面活性剤、高級脂肪酸アルカリ塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤、高級アミンハロゲン酸塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド等の非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤を用いることができ、これらは組み合わせて用いてもよい。
上記メラミン化合物としては、(ポリ)メチロールメラミン、(ポリ)メチロールグリコールウリル、(ポリ)メチロールベンゾグアナミン、(ポリ)メチロールウレア等の窒素化合物中の活性メチロール基(CH2OH基)の全部又は一部(少なくとも2つ)がアルキルエーテル化された化合物を挙げることができる。ここで、アルキルエーテルを構成するアルキル基としては、メチル基、エチル基又はブチル基が挙げられ、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、アルキルエーテル化されていないメチロール基は、一分子内で自己縮合していてもよく、二分子間で縮合して、その結果オリゴマー成分が形成されていてもよい。具体的には、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラブトキシメチルグリコールウリル等を用いることができる。これらのなかでも、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン等のアルキルエーテル化されたメラミンが好ましい。
本発明のラジカル重合性組成物は、スピンコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、ソーダガラス、石英ガラス、半導体基板、金属、紙、プラスチック等の支持基体上に適用することができる。また、一旦フィルム等の支持基体上に施した後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
また、本発明のラジカル重合性組成物を硬化させる際に用いられる活性光の光源としては、波長300〜450nmの光を発光するものを用いることができ、例えば、超高圧水銀、水銀蒸気アーク、カーボンアーク、キセノンアーク等を用いることができる。
更に、露光光源にレーザー光を用いることにより、マスクを用いずに、コンピューター等のデジタル情報から直接画像を形成するレーザー直接描画法が、生産性のみならず、解像性や位置精度等の向上も図れることから有用であり、そのレーザー光としては、340〜430nmの波長の光が好適に使用されるが、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムネオンレーザー、YAGレーザー、及び半導体レーザー等の可視から赤外領域の光を発するものも用いられる。これらのレーザーを使用する場合には、可視から赤外の当該領域を吸収する増感色素が加えられる。
本発明の感光性樹脂組成物の具体的な用途としては、光学フィルタ、塗料、コーティング剤、ライニング剤、接着剤、印刷版、絶縁ワニス、絶縁シート、積層板、プリント基盤、半導体装置用・LEDパッケージ用・液晶注入口用・有機EL用・光素子用・電気絶縁用・電子部品用・分離膜用等の封止剤、成形材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め剤、半導体用・太陽電池用等のパッシベーション膜、表面保護膜、プリント基板、或いはカラーテレビ、PCモニタ、携帯情報端末、CCDイメージセンサのカラーフィルタ、表示パネル用フォトスペーサー、プラズマ表示パネル用の電極材料、印刷インク、歯科用組成物、光造形用樹脂、液状及び乾燥膜の双方、微小機械部品、ガラス繊維ケーブルコーティング、ホログラフィ記録用材料、磁気記録材料、光スイッチ、めっき用マスク、エッチングマスク、スクリーン印刷用ステンシル、透明導電膜等のタッチパネル、MEMS素子、ナノインプリント材料、半導体パッケージの二次元及び三次元高密度実装等のフォトファブリケーション、加飾シート、人口爪、ガラス代替光学フィルム、電子ペーパー、光ディスク、プロジェクター・光通信用レーザー等に用いられるマイクロレンズアレイ、液晶表示装置のバックライトに使用されるプリズムレンズシート、プロジェクションテレビ等のスクリーンに使用されるフレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシート等のレンズシートのレンズ部、またはこのようなシートを用いたバックライト等、マイクロレンズ・撮像用レンズ等の光学レンズ、光学素子、光コネクター、光導波路、電子工学用のフォトレジスト、電気メッキレジスト、エッチングレジスト、液状及び乾燥膜の双方、はんだレジスト、種々の表示用途用のカラーフィルタを製造するための或いはプラズマ表示パネル、電気発光表示装置、及びLCDの製造工程において構造を形成するためのレジスト、ソルダーレジスト、印刷配線板用フォトレジスト材料、UV及び可視レーザー直接画像系用のフォトレジスト材料、プリント回路基板の逐次積層における誘電体層形成に使用するフォトレジスト材料、導電性ペースト、絶縁用パッキング、熱収縮ゴムチューブ、O−リング、表示デバイス用シール剤、保護材、光ファイバー保護材、粘着剤、ダイボンディング剤、高放熱性材料、高耐熱シール材、太陽電池・燃料電池・二次電池用部材、電池用固体電解質、絶縁被覆材、複写機用感光ドラム、ガス分離膜、コンクリート保護材・ライニング・土壌注入剤・シーリング剤・蓄冷熱材・ガラスコーティング・発泡体等の土木・建築材料、チューブ・シール材・コーティング材料・滅菌処理装置用シール材・コンタクトレンズ・酸素富化膜、バイオチップ等の医療用材料、自動車部品、各種機械部品等の各種の用途に使用することができ、その用途に特に制限はない。
本発明のラジカル重合性組成物は、更に、液晶ディスプレイパネルにおける液晶部分のセルの間隔を制御するカラムスペーサーの製造に使用することができる。該カラムスペーサーは、カラーフィルタの保護膜あるいはTFTの層間絶縁膜と一体となって用いられる。
本発明のラジカル重合性組成物は、更に、薄膜トランジスタ(TFT)・液晶表示装置・有機EL表示装置・プリント基板等における層間絶縁膜の製造に使用することもできる。
ラジカル重合性組成物を使用してカラムスペーサーあるいは層間絶縁膜を形成する工程は以下である:
(1)本発明のラジカル重合性組成物の塗膜を基板上に形成する工程、(2)該塗膜に所定のパターン形状を有するマスクを介して活性光を照射する工程、(3)露光後の被膜を現像液(特にアルカリ現像液)にて現像する工程、(4)現像後の該被膜を加熱する工程により好ましく形成される。
以下、実施例等を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[製造例1]樹脂No.1の調製
1,1−ビス〔4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル〕インダンの30.0g、アクリル酸7.52g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.080g、テトラブチルアンモニウムクロリド0.183g及び、PGMEA11.0gを仕込み、90℃で1時間、105℃で1時間及び120℃で17時間撹拌した。室温まで冷却し、無水コハク酸8.11g、テトラブチルアンモニウムクロリド0.427g及びPGMEA11.1gを加えて、100℃で5時間撹拌した。さらに、1,1−ビス〔4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル〕インダン12.0g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.080g及び、PGMEA0.600gを加えて、90℃で90分、120℃で5時間撹拌後、PGMEA24.0gを加えて、PGMEA溶液として樹脂No.1を得た(Mw=4900、Mn=2250、酸価(固形分)47mgKOH/g)。
[製造例2]樹脂No.2の調製
1,1−ビス〔4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル〕インダン43g、アクリル酸11g、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.05g、テトラブチルアンモニウムアセテート0.11g及びPGMEA23gを仕込み、120℃で16時間撹拌した。室温まで冷却し、PGMEA35g及びビフェニルテトラカルボン酸二無水物9.4gを加えて120℃で8時間撹拌した。更にテトラヒドロ無水フタル酸6.0gを加えて120℃で4時間、100℃で3時間、80℃で4時間、60℃で6時間、40℃で11時間撹拌後、PGMEA29gを加えて、PGMEA溶液として樹脂No.2を得た(Mw=4000、Mn=2100、酸価(固形分)86mgKOH/g)。
[製造例3]樹脂No.3の製造
9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン75.0g、アクリル酸23.8g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.273g、テトラブチルアンモニウムクロリド0.585g、及びPGMEA65.9gを仕込み、90℃で1時間、100℃で1時間、110℃で1時間及び120℃ で14時間撹拌した。室温まで冷却し、無水コハク酸25.9g、テトラブチルアンモニウムクロリド0.427g、及びPGMEA1.37gを加えて、100℃ で5時間撹拌した。さらに、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン30.0g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.269g、及びPGMEA1.50gを加えて、90℃で90分、120℃ で4時間撹拌後、PGMEA93.4gを加えて、PGMEA溶液として目的物である樹脂No.3を得た(Mw=4190、Mn=2170、酸価(固形分)52mgKOH/g)。
[実施例1〜16及び比較例1〜16]ラジカル重合性組成物No.1〜No.24及び比較ラジカル重合性組成物No.1〜No.16の調製
[表1]〜[表5]の配合に従い、ラジカル重合性組成物No.1〜No.24及び比較ラジカル重合性組成物No.1〜No.16を得た。尚、数字は質量部を表す。
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
A−1 樹脂No.1
A−2 樹脂No.2
A−3 樹脂No.3
A−4 JET2000(大阪有機化学社製)
A−5 SPC−1000(昭和電工社製、固形分29%のPGMEA溶液)
A−6 SPC−3000(昭和電工社製、固形分29%のPGMEA溶液)
B−1 下記化合物No.1
B−2 下記化合物No.2
B−3 下記化合物No.3
B−4 下記化合物No.4
B−5 下記化合物No.5
B−6 下記化合物No.6
B’−1 下記比較化合物No.1
B’−2 下記比較化合物No.2
B’−3 下記比較化合物No.3
B’−4 下記比較化合物No.4
C−1 OXE−01(BASF社製)
C−2 NCI−930(ADEKA社製)
C−3 Irgacure970(BASF社製)
C−4 NCI−831(ADEKA社製)
C−5 OXE−02(BASF社製)
C−6 N−1919(ADEKA社製)
D−1 カヤラッドDPHA(多官能アクリレート;日本化薬社製)
D−2 アロニックスM−450(多官能アクリレート;東亜合成社製)
D−3 化合物No.A5で表される化合物
E−1 カレンズMT PE−1;(多官能チオール;昭和電工社製)
E−2 カレンズMT NR−1;(多官能チオール;昭和電工社製)
E−3 カレンズMT BD−1;(多官能チオール;昭和電工社製)
E−4 ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート PETG(多官能チオール;淀化学製)
F−1 PGMEA
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
Figure 2015163671
[実施例25]光学フィルタの作製1
化合物D−1の32質量部、A9300(エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート;新中村化学工業社製)8質量部、Irgacure184(BASF社製)2質量部、(±)−10−カンファ―スルホン酸(東京化成社製)0.8質量部、メチルエチルケトン60質量部を混合し、化合物No5を3質量部加えて溶解させ、ラジカル硬化性組成物を得た。ワイヤーバー(RDS30 R.D.S. Webster,N.Y.)にて100μmポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム基板へ塗工後、コールドミラー型水銀ランプを用いてPET基板越しに1000mJ/cmのエネルギー量で紫外光を照射した。その後、100℃の条件下10分間オーブンで加熱して光学フィルタを得た。得られた光学フィルタについて350nmの透過率を測定したところ、10%未満で保護基の脱離が認められた。
[実施例26]光学フィルタの作製2
化合物No.5を化合物No.6に替えた以外は実施例25と同様に光学フィルタを作製した。得られた光学フィルタについて350nmの透過率を測定したところ、10%未満で保護基の脱離が認められた。
上記結果より、酸触媒を併用することにより、プラスチック基材が耐え得る加工温度(100℃前後)範囲で、潜在性添加剤が機能することは明らかである。さらに、潜在性添加剤を用いることで、均一な光学フィルムを作製することができる。
[評価例1−1〜1−24]焼成による耐熱性評価
上記で得られたラジカル重合性組成物No.1〜No.24をガラス基板に410rpm×7secの条件で塗工し、ホットプレートで乾燥(90℃、90sec)させた。得られた塗膜に超高圧水銀ランプで露光(150mJ/cm2)した。露光後の塗膜を、230℃×90minの条件で焼成し、焼成後の塗膜の400nmにおける透過率を測定した。また、リファレンスとして、ラジカル重合性組成物No.1〜No.24から潜在性酸化防止剤(B)成分を除いた比較ラジカル重合性組成物No.1’〜No.24’を調製し、同様にして透過率を測定した。評価例の塗膜の透過率からリファレンスの塗膜の透過率を引いた値を算出し、その値が1より大きい場合は「+」を、1未満の場合は「−」とした。結果を[表1]〜[表3]に示す。「+」の場合、焼成後も塗膜の透過率が高い、すなわち塗膜の熱劣化による黄変を防止していると言える。
上記結果より、本発明のラジカル重合性組成物は、潜在性添加剤を含有するため耐熱性が高いことは明らかである。
[評価例2−1〜2−24及び比較評価例2−1〜2−16]線幅感度の測定
上記で得られたラジカル重合性組成物No.1〜No.24並びに比較ラジカル重合性組成物No.1〜No.16を、それぞれガラス基板に410rpm×7secの条件で塗工し、ホットプレートで乾燥(90℃、90sec)させた。得られた塗膜に20μmのギャップをおいたマスクを介し超高圧水銀ランプで露光(50mJ/cm〜270mJ/cmまで30mJ/cmおき8分割)した。露光後の塗膜を、アルカリ現像液で現像を行った後、230℃×30minの条件で焼成した。マスク開口20μmにおいて各露光量での線幅をプロットし、線幅が20μmになる露光量を線幅感度とした。また、リファレンスとして、上記比較ラジカル重合性組成物No.1’〜No.24’について、同様にして線幅感度を測定した。上記ラジカル重合性組成物No.1〜No.24及び比較ラジカル重合性組成物No.1〜No.16の線幅感度が、リファレンスの線幅感度に対して低下した場合を「×」、変わらない場合を「○」とした。結果を[表1]〜[表5]に示す。
上記結果より、従来の酸化防止剤を用いた比較ラジカル重合性組成物No.1〜No.16は線幅感度が低下するが、本発明の潜在性酸化防止剤を用いたラジカル重合性組成物No.1〜No.24の硬化物は、線幅感度を維持している。
以上の結果より、特定の構造を有する潜在性酸化防止剤を含有する本発明のラジカル重合性組成物は感度及び耐熱性に優れるものであり、フォトリソグラフィープロセスにより形成される透明積層体又は透明構造体として有用である。

Claims (7)

  1. 樹脂(A)、潜在性酸化防止剤(B)、重合開始剤(C)及び不飽和単量体(D)を含有するラジカル重合性組成物。
  2. 潜在性酸化防止剤(B)が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載のラジカル重合性組成物。
    Figure 2015163671
    (式中、環Aは、五員環又は六員環の炭化水素環又は複素環を表し、
    は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、
    は、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又はトリアルキルシリル基を表し、
    及びRで表されるアルキル基又はアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素−炭素二重結合、−O−、−S−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−S−CO−O−、−O−CO−S−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NR’−、−S−S−又は−SO−から選ばれた基を酸素原子が隣り合わない条件で組み合わせた基で置き換えていてもよく、R’は、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、
    複数のR同士は結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成していてもよく、
    複数のR及びRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、
    nは、1〜10の整数を表し、
    dは、1〜4の整数を表し、
    kは、1〜3の整数を表し、
    Xは、直接結合、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、下記(x’)で表される基、>C=O、>NR、−OR、−SR、−NR又はnと同数の価数を有する置換基を有していてもよい炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、R3及びR4は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、該脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基は、炭素一炭素二重結合、−O−、−S−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−S−CO−O−、−O−CO−S−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NR’−、−S−S−、−SO−又は窒素原子から選ばれた基を酸素原子が隣り合わない条件で組み合わせた基で置き換わっていてもよく、上記芳香環又は複素環は、他の環と縮合されていてもよい。但し、Xが窒素原子、リン原子又は下記(x’)で表される基の場合、nは3であり、Xが酸素原子又は硫黄原子の場合、nは2であり、Xが>C=O、−NH−CO−、−CO−NH−又は>NRの場合、nは2であり、Xが−OR、−SR又は−NRの場合、nが1であり、Xは、Aと一緒になって環を形成していてもよい。)
    Figure 2015163671
  3. 重合開始剤(C)が、下記一般式(II)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のラジカル重合性組成物。
    Figure 2015163671
    (式中、R21及びR22は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環基を表し、
    23及びR24は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、R25、OR26、SR27、NR2829、COR30、SOR31、SO32又はCONR3334を表し、R23及びR24は、互いに結合して環を形成していてもよく、
    25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33及びR34は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環基を表し、
    は、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、CR3536、CO、NR37又はPR38を表し、
    は、単結合又はCOを表し、
    21、R22、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R35、R36、R37及びR38中の炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基又は炭素原子数7〜30のアリールアルキル基を表し、該アルキル基又はアリールアルキル基中のメチレン基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基又は複素環基で置換されていてもよく、−O−で中断されていてもよく、
    39、R40、R41及びR42は、それぞれ独立に、隣接するどちらかのベンゼン環と一緒になって環を形成していてもよく、
    23は、−X−を介して隣接するベンゼン環の炭素原子の1つと結合して環構造を形成していてもよく、あるいはR23とR24が一緒になって環を形成していてもよく、
    aは、0〜4の整数を表し、
    bは、0〜4の整数を表す。)
  4. 樹脂(A)が、(A1)下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂のエポキシ基に不飽和一塩基酸を反応させ、さらに多塩基酸無水物を反応させて得られた樹脂、(A2)不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a1)及び炭素原子数2〜4の環状エーテル構造と不飽和結合とを有する化合物少なくとも一種(a2)との共重合体又は(A3)(a1)、(a2)及び(a1)、(a2)を除く不飽和化合物少なくとも一種(a3)との共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のラジカル重合性組成物。
    Figure 2015163671
    (式中、X1は直接結合、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキリデン基、炭素原子数3〜20の脂環式炭化水素基、−O−、−S−、−SO2−、−SS−、−SO−、−CO−、−OCO−又は下記式(イ)、(ロ)若しくは(ハ)で表される置換基を表し、該アルキリデン基はハロゲン原子で置換されていてもよく、R31、R32、R33及びR34は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、上記アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、rは0〜10の整数である。)
    Figure 2015163671
    (式中、Z1は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基又はアルコキシ基により置換基を有していてもよいフェニル基又は炭素原子数3〜10のシクロアルキル基を表し、Y1は炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、上記アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、dは0〜5の整数である。)
    Figure 2015163671
    Figure 2015163671
    (式中、Y及びZは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリールチオ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリールアルケニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数2〜20の複素環基、又はハロゲン原子を表し、上記アルキル基及びアリールアルキル基中のアルキレン部分は、不飽和結合、−O−又は−S−で中断されていてもよく、Zは、隣接するZ同士で環を形成していてもよく、pは0〜4の整数を表し、qは0〜8の整数を表し、rは0〜4の整数を表し、sは0〜4の整数を表し、rとsの数の合計は2〜4の整数である。)
  5. さらに、チオール化合物(E)を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のラジカル重合性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のラジカル重合性組成物の硬化物を用いて形成される透明積層体又は透明構造体。
  7. 請求項6に記載の透明積層体又は透明構造体を少なくとも一部に具備してなる表示デバイス。
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