JP2019099781A - 組成物、硬化物及び硬化物の製造方法 - Google Patents

組成物、硬化物及び硬化物の製造方法 Download PDF

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孝 末吉
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Abstract

【課題】高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易な組成物の提供。【解決手段】潜在性添加剤と、ラジカル重合性化合物と、熱ラジカル重合開始剤と、を有する組成物。上記潜在性添加剤は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アルキル、アリール、複素環等と、酸素原子を介して結合したアルキル、アリール、複素環含有、トリアルキルシリル等とを有する5又は6員環の炭化水素環又は複素環を有する化合物で、機能の活性化に必須の部位が保護基により保護されたものを用いることができ、保護基は所定の温度以上に加熱することにより脱離する組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、例えば、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易な組成物に関するものである。
硬化性組成物の硬化物に対して耐光性や耐熱性等の機能を付与するために、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を添加する方法が知られている(特許文献1〜3)。
特開2011−048382号公報 特開2014−194508号公報 特開2015−108649号公報
しかしながら、上述の添加剤を添加して得られた硬化物は、例えば、添加剤が無添加であるものと比較してガラス転移温度が低い場合がある。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、例えば、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易な組成物を提供することを主目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、熱ラジカル重合性組成物に対して、潜在性酸化防止剤等の潜在性添加剤を添加した場合に、硬化物への所望の機能を付与して高機能化を図ることができると共に、一般的な添加剤を添加したものと比較してガラス転移温度の低下が少ないことを見出した。
すなわち、上述の潜在性添加剤を使用することで、潜在性添加剤由来の機能が付与された高機能な硬化物を得ることができると共に、通常の添加剤を添加したものと比較して、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が可能であることを見出した。
また、本発明者等は、熱ラジカル重合性組成物に対して添加される潜在性添加剤として、加熱することで活性化できるものを用いた場合に、ガラス転移温度が高い硬化物を得ることができること、つまり、加熱により上記組成物を硬化させた後、さらなる加熱により潜在性添加剤の活性化を安定的に図ることができることを見出した。
本発明者等は、これらの知見に基づいて、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本開示は、潜在性添加剤と、ラジカル重合性化合物と、熱ラジカル重合開始剤と、を有することを特徴とする組成物を提供する。
本開示においては、上記潜在性添加剤が、下記一般式(A)で表される化合物であることが好ましい。

(式中、環Aは、五員環又は六員環の炭化水素環又は複素環を表し、
101は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、
102は、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又はトリアルキルシリル基を表し、
複数のR101同士は結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
複数のR101及びR102はそれぞれ同じであるか、又は異なっており、
nは、1〜10の整数を表し、
dは、0〜4の整数を表し、
kは、1以上の整数を表し、
d及びkの合計は、環Aが取り得る置換基の数より少なく、
Xは、n価の結合基を表す。)
本開示においては、上記ラジカル重合性化合物が、下記一般式(C2)で表される構造を有する化合物を含むことが好ましい。

(式中、X1cは、m11価の結合基を表し、
m11は、1〜10の整数を表す。)
本開示においては、上記一般式(C2)で表される構造を有する化合物が、下記一般式(D2)で表される化合物、飽和多塩基酸として下記一般式(E2)を用いた不飽和ポリエステル樹脂及び下記一般式(D2)で表される化合物の部分重合体から選択される少なくとも1種類の化合物を含むことが好ましい。

(式中、R1d、R2d及びR3dは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
11dは、二価の結合基である、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
2dは、2d価の結合基を表し、
2dは、1〜10の整数を表す。)

(式中、R11eは、二価の結合基である、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
2eは、2e価の結合基であり、
2eは、1〜10の整数を表す。)
本開示においては、上記潜在性添加剤の含有量が、上記組成物の固形分100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下であり、上記ラジカル重合性化合物の含有量が、上記組成物の固形分100質量部に対して、1質量部以上99質量部以下であり、上記熱ラジカル重合開始剤の含有量が、上記組成物の固形分100質量部に対して、0.05質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
本開示は、上述の組成物の硬化物を提供する。
本開示は、上述の組成物を加熱する加熱工程を有することを特徴とする硬化物の製造方法を提供する。
本開示は、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易な組成物を提供できるという効果を奏する。また、本開示によれば、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物を容易に得ることができるという効果を奏する。
本開示は、組成物、その硬化物及び硬化物の製造方法に関するものである。
以下、本開示の組成物、硬化物及び硬化物の製造方法について詳細に説明する。
A.組成物
まず、本開示の組成物について説明する。
本開示の組成物は、潜在性添加剤と、ラジカル重合性化合物と、熱ラジカル重合開始剤と、を有することを特徴とするものである。
本開示によれば、上記組成物は、ラジカル重合性化合物及び熱ラジカル重合開始剤と共に、潜在性添加剤を同時に含むことにより、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易なものとなる。
ラジカル重合性化合物及び熱ラジカル重合開始剤と共に、潜在性添加剤を同時に含むことにより、上述のような効果を奏する理由については、明確ではないが、以下のように推察される。
潜在性添加剤は、添加剤としての機能が不活化された状態であり、かつ、所定の条件を満たすことで機能を活性化できるものであるため、例えば、組成物の硬化物を形成した後に、所定の条件とすることで、添加剤由来の機能が付与された高機能な硬化物を得ることができる。
また、上記潜在性添加剤は、上述のように、添加剤としての機能が不活化された状態であり、機能の活性化に必須の部位が保護基により保護されたものとすることができる。
このため、上記潜在性添加剤は、上記必須部位の影響による硬化物のガラス転移温度の低下を抑制できる。
例えば、潜在性添加剤が、フェノール性水酸基が保護基により保護された構造を有する潜在性酸化防止剤である場合、フェノール性水酸基による、熱ラジカル重合開始剤により発生したラジカルのトラップを抑制することが可能となる。その結果、組成物の硬化物を、三次元の網目構造が密な硬化物とすることができるため、ガラス転移温度が高いものとなる。
これに対して、通常の添加剤として、例えば、フェノール性水酸基を有する酸化防止剤等を添加した場合には、フェノール性水酸基がラジカルをトラップするため、網目構造が疎な硬化物となる。その結果、ガラス転移温度の低いものとなりやすくなる。
このようなことから、上記潜在性添加剤を含む本開示の組成物からは、通常の添加剤を含むものと比較して、ガラス転移温度の低下が抑制されたもの、すなわち、ガラス転移温度の高い硬化物が得られるのである。
また、ガラス転移温度が高いことで、上記硬化物は、高温環境下における優れた形状安定性を示すことができる。
本開示の組成物は、潜在性添加剤、ラジカル重合性化合物及び熱ラジカル重合開始剤を有するものである。
以下、本開示の組成物の各成分について詳細に説明する。
1.潜在性添加剤
上記潜在性添加剤は、添加剤としての機能が不活化された状態であり、所定の条件を満たすことで機能を活性化できるものとすることができる。
上記潜在性添加剤が活性化することにより発揮する機能としては、上記組成物の用途等に応じて適宜設定することができ、例えば、酸化防止能、紫外線吸収能、可視光吸収機能、親水性付与機能、撥水性付与機能、pH調整機能、粘度調整機能等を挙げることができる。
上記潜在性添加剤は、例えば、加熱することで、活性化できるものとすることができる。
このような潜在性添加剤としては、機能の活性化に必須の部位が保護基により保護されたものとすることができる。
上記潜在性添加剤は、より具体的には、上記必須部位がフェノール性水酸基であり、そのフェノール性水酸基が保護基により保護されたものとすることができる。すなわち、上記潜在性添加剤は、所定の温度以上に加熱することで保護基が脱離し、フェノール性水酸基が生成されることで所望の機能を活性化できるものとすることができる。
フェノール性水酸基が保護基により保護された潜在性添加剤としては、例えば、下記一般式(A)で表される化合物(以下、化合物Aと称する場合がある。)とすることができる。
上記潜在性添加剤は、上記化合物Aであることで、例えば、所定の温度以上に加熱することによりフェノール性水酸基の保護基R102が脱離し、酸化防止能を発揮する酸化防止剤、紫外線吸収能を発揮する紫外線吸収剤等として使用可能なものとすることができる。すなわち、上記潜在性添加剤は、上記化合物Aであることで、硬化物に対して酸化防止能、紫外線吸収能等の機能を付与できる。
上記化合物Aに含まれる保護基R102が脱離する温度としては、上記組成物の用途等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、熱ラジカル重合開始剤がラジカルを発生し、上記組成物を硬化可能な温度より高い温度とすることができ、より具体的には、100℃以上300℃以下とすることができ、なかでも、120℃以上250℃以下であることが好ましく、150℃以上230℃以下であることが好ましい。
脱離温度は、示差熱分析法により5重量%の熱減量を示した温度とすることができる。
測定方法としては、例えば、STA(示差熱熱重量同時測定装置)を用い、試料約5mg、窒素200mL/min雰囲気下、昇温開始温度30℃、昇温終了温度500℃、昇温速度10℃/minで昇温した際における、試料についての熱減量を測定し、30℃時点の試料重量に対して5%減量した時点の温度を5%重量減少温度とすることができる。
示差熱熱重量同時測定装置としては、STA7000((株)日立ハイテクサイエンス製)を用いることができる。

(式中、環Aは、五員環又は六員環の炭化水素環又は複素環を表し、
101は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、
102は、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又はトリアルキルシリル基を表し、
複数のR101同士は結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
複数のR101及びR102はそれぞれ同じであるか、又は異なっており、
nは、1〜10の整数を表し、
dは、0〜4の整数を表し、
kは、1以上の整数を表し、
d及びkの合計は、環Aが取り得る置換基の数より少なく、
Xは、n価の結合基を表す。)
上記一般式(A)で表される潜在性添加剤は、Xで表されるn価の特定の原子又は基に、n個の特定の基が結合した構造を有する。このn個の基は、互いに同じであるか、又は異なっている。nの値は1〜10であり、合成の容易さの点から、好ましくは1〜6であり、より好ましくは、1〜4である。
上記一般式(A)におけるAで表される五員環の芳香環としては、シクロペンタジエン、フェロセン等が挙げられ、五員環の複素環としては、フラン、チオフェン、ピロール、ピロリジン、ピラゾリジン、ピラゾール、イミダゾール、イミダゾリジン、オキサゾール、イソキサゾール、イソオキサゾリジン、チアゾール、イソチアゾール、イソチアゾリジン等が挙げられ、六員環の芳香環としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ペリレン、ピレン等が挙げられ、六員環の複素環としては、ピペリジン、ピペラジン、モルフォリン、チオモルフォリン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン等が挙げられ、これらの環は、他の環と縮合されていたり置換されていたりしていてもよく、例えば、キノリン、イソキノリン、インドール、ユロリジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾトリアゾール、アズレン等が挙げられる。
101で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
101及びR102で表される炭素原子数1〜40のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、iso−ブチル、アミル、iso−アミル、tert−アミル、シクロペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、iso−ヘプチル、tert−ヘプチル、1−オクチル、iso−オクチル、tert−オクチル、アダマンチル等が挙げられる。
101及びR102で表される炭素原子数6〜20のアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル等が挙げられる。
101及びR102で表される炭素原子数7〜20のアリールアルキル基としては、ベンジル、フルオレニル、インデニル、9−フルオレニルメチル基等が挙げられる。
101及びR102で表される炭素原子数2〜20の複素環含有基としては、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル、2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル等が挙げられる。
102で表される炭素原子数2〜20のアルケニル基としては、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、2−ペンテニル、2−オクテニル等が挙げられる。
102で表されるトリアルキルシリル基としては、トリメチルシラン、トリエチルシラン、エチルジメチルシラン等が挙げられる。
上記一般式(A)において用いられるアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基、アルケニル基及びトリアルキルシリル基中のメチレン基は、炭素−炭素二重結合、−O−、−S−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−S−CO−O−、−O−CO−S−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NR’−、−S−S−又は−SO−から選ばれた基を酸素原子が隣り合わない条件で組み合わせた基で置き換えられたもの又は置き換えられていないものとすることができる。また、R’は、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。
上記R101、R102等で用いられるアルキル基は、末端のメチレン基が−O−で置き換えられ、アルコキシ基が形成される場合がある。
上記アルコキシ基としては、例えば、メチルオキシ、エチルオキシ、iso−プロピルオキシ、ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシ、iso−ブチルオキシ、アミルオキシ、iso−アミルオキシ、tert−アミルオキシ、ヘキシルオキシ、2−ヘキシルオキシ、3−ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、4−メチルシクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、2−ヘプチルオキシ、3−ヘプチルオキシ、iso−ヘプチルオキシ、tert−ヘプチルオキシ、1−オクチルオキシ、iso−オクチルオキシ、tert−オクチルオキシ等が挙げられる。
上記一般式(A)において用いられる、上記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基、アルケニル基及びトリアルキルシリル基等の各官能基は、置換基を有している場合があり、特に断りがない限り、置換基を有していない無置換である又は置換基を有しているものである。
このようなアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基、アルケニル基及びトリアルキルシリル基等の水素原子を置換する置換基としては、ビニル、アリル、アクリル、メタクリル等のエチレン性不飽和基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;アセチル、2−クロロアセチル、プロピオニル、オクタノイル、アクリロイル、メタクリロイル、フェニルカルボニル(ベンゾイル)、フタロイル、4−トリフルオロメチルベンゾイル、ピバロイル、サリチロイル、オキザロイル、ステアロイル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル、カルバモイル等のアシル基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等のアシルオキシ基;アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、クロロフェニルアミノ、トルイジノ、アニシジノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ,ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、ホルミルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等の置換アミノ基;スルホンアミド基、スルホニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、メルカプト基、イミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、ホスホン酸基、リン酸基又はカルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、リン酸基の塩等が挙げられる。
上記R102は、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基である場合に、酸素原子側の末端のメチレン基が−CO−O−に置き換えられているもの、すなわち、酸素原子側の末端に−CO−O−が結合しているものであることが好ましい。
上記R102は、より具体的には酸素原子側の末端のメチレン基が−CO−O−に置き換えられている、炭素原子数1〜40のアルキル基又は炭素原子数2〜20のアルケニル基であることが好ましく、なかでも、酸素原子側の末端のメチレン基が−CO−O−に置き換えられている炭素原子数1〜40のアルキル基であることが好ましく、特に、酸素原子側の末端のメチレン基が−CO−O−に置き換えられている炭素原子数1〜8のアルキル基であることが好ましく、なかでも特に、酸素原子側の末端のメチレン基が−CO−O−に置き換えられている、置換基を有していない無置換の炭素原子数1〜8のアルキル基であることが好ましく、なかでも−CO−O−Cで表される基であることが好ましく、特に−CO−O−tert-ブチル基であることが好ましい。潜在性添加剤として効率的に機能を発現するからである。
上記nは、1〜10の整数であるが、合成の容易さの観点からは、1〜6の整数であることが好ましく、なかでも、1〜5の整数であることが好ましい。高機能な硬化物を得ることが容易となるからである。
上記dは、0〜4の整数である。
上記dは、環Aに結合するR101の結合数を示すものであり、環Aに応じて適宜設定できるものである。例えば、環Aが五員環である場合には、0〜3の整数とすることができ、環Aが六員環である場合には、0〜4の整数とすることができる。
上記dは、合成の容易さの観点からは、0〜3の整数とすることができ、0〜1であることが好ましい。
上記d及びkの合計は、環Aが取り得る置換基の数より少ないものである。ここで、環Aが取り得る置換基の数より少ないとは、Xが結合することを考慮し、環Aが取り得る置換基の数マイナス1で表される数値以下の整数とすることができ、例えば、Aが五員環である場合には、1〜4の整数とすることができ、環Aが六員環である場合には、1〜5の整数とすることができる。
上記kは、1以上の整数を表すものであり、d及びkの合計は、環Aが取り得る置換基の数より少ないものである。例えば、環Aが五員環である場合には、上記kは、1〜4の整数とすることができ、環Aが六員環である場合には、1〜5の整数とすることができる。
上記kは、1〜3の整数とすることができ、合成の容易さの観点から、1〜2であることが好ましい。
上記Xは、n価の結合基を表すものである。
上記結合基Xとしては、具体的には、直接結合、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、下記(II−a)若しくは(II−b)で表される基、>C=O、>NR53、−OR53、−SR53、−NR5354又はnと同数の価数を有する炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基若しくは炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、R53及びR54は、水素原子、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、該脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−S−CO−O−、−O−CO−S−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NH−CO−O−、−NR−、−S−S−、−SO−、窒素原子又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合もあり、上記芳香環又は複素環は、他の環と縮合されている場合もある。
但し、結合基Xが窒素原子、リン原子又は下記(II−a)若しくは(II−b)で表される結合基の場合、nは3であり、結合基Xが酸素原子又は硫黄原子、>C=O、−NH−CO−、−CO−NH−又は>NR53の場合、nは2であり、結合基Xが水素原子、−OR53、−SR53又は−NR5354の場合、nは1であり、結合基Xは、ベンゼン環と一緒になって環を形成している場合もある。

(*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
上記結合基Xに用いられるnと同数の価数を有する炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基としては、nが一価のものとして、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、シクロペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、ビシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル等のアルキル基;メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、第三アミルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、第三ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、第三オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ等のアルコキシ基;メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、第二ブチルチオ、第三ブチルチオ、イソブチルチオ、アミルチオ、イソアミルチオ、第三アミルチオ、ヘキシルチオ、シクロヘキシルチオ、ヘプチルチオ、イソヘプチルチオ、第三ヘプチルチオ、n−オクチルチオ、イソオクチルチオ、第三オクチルチオ、2−エチルヘキシルチオ等のアルキルチオ基;ビニル、1−メチルエテニル、2−メチルエテニル、2−プロペニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、イソブテニル、3−ペンテニル、4−ヘキセニル、シクロヘキセニル、ビシクロヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル、ぺンタデセニル、エイコセニル、トリコセニル等のアルケニル基及びこれらの基が後述する置換基により置換された基等が挙げられる。
上記Xで表される、nと同数の価数を有する炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基は、nが二価のものとして、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブチルジイル等のアルキレン;上記アルキレンのメチレン鎖が−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−で置き換えられたもの;エタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等のジオールの残基;エタンジチオール、プロパンジチオール、ブタンジチオール、ペンタンジチオール、ヘキサンジチオール等のジチオールの残基及びこれらの基が後述する置換基により置換された基等が挙げられる。
上記Xで表される、nと同数の価数を有する炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基は、nが三価のものとして、例えば、プロピリジン、1,1,3−ブチリジン等のアルキリジン及びこれらの基が後述する置換基により置換された基が挙げられる。
上記Xで表される、nと同数の価数を有する炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、nが一価のものとして、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等のアリールアルキル基;フェニル、ナフチル等のアリール基;フェノキシ、ナフチルオキシ等のアリールオキシ基;フェニルチオ、ナフチルチオ等のアリールチオ基及びこれらの基が後述する置換基により置換された基等が挙げられる。
上記Xで表される、nと同数の価数を有する炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、nが二価のものとして、フェニレン、ナフチレン等のアリーレン基;カテコール、ビスフェノール等の二官能フェノールの残基;2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等及びこれらの基が後述する置換基により置換された基が挙げられる。
上記Xで表される、nと同数の価数を有する炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、nが三価のものとして、フェニル−1,3,5−トリメチレン及びこれらの基が後述する置換基により置換された基が挙げられる。
上記Xで表される、nと同数の価数を有する炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、nが一価のものとして、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル、2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル、ベンゾトリアゾイル等及びこれらの基が後述する置換基により置換された基等が挙げられる。
上記Xで表される、nと同数の価数を有する炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、nが二価のものとして、ピリジン環、ピリミジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、トリアジン環、フラン環、チオフェン環、インドール環等を有する基及びこれらの基が後述する置換基により置換された基が挙げられる。
上記Xで表される、nと同数の価数を有する炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、nが三価のものとしては、イソシアヌル環を有する基、トリアジン環を有する基及びこれらの基が後述する置換基により置換された基が挙げられる。
53及びR54に用いられる炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基としては、上記結合基Xに用いられる炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基が後述する置換基により置換された基のうち、所定の炭素原子数を満たすものが挙げられる。
53及びR54に用いられる炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、上記結合基Xに用いられる炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基若しくは炭素原子数2〜35の複素環含有基又はこれらの基が後述する置換基により置換された基が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基等の各官能基は、置換基を有している場合があるものであり、特に断りがない限り、置換基を有していない無置換である又は置換基を有しているものである。
このような脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基等の置換基としては、R101等に用いられるアルキル基等の水素原子を置換する置換基と同様の内容とすることができる。
上記結合基Xは、nが2であるとき、下記一般式(1)で表される基を用いることができる。
上記結合基Xは、nが3であるとき、下記一般式(2)で表される基を用いることができる。
上記結合基Xは、nが4であるとき、下記一般式(3)で表される基を用いることができる。
上記結合基Xは、nが5であるとき、下記一般式(4)で表される基を用いることができる。
上記結合基Xは、nが6であるとき、下記一般式(5)で表される基を用いることができる。

(上記一般式(1)中、Yは、単結合、−CR5556−、−NR57−、二価の炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基若しくは炭素原子数2〜35の複素環含有基、又は、下記(1−1)〜(1−3)で表されるいずれかの置換基を表し、該脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基及び炭素原子数2〜35の複素環含有基は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−若しくは−NH−又はこれらの組み合わせの結合基で置き換わっている場合もあり、
55及びR56は、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基又は炭素原子数7〜20のアリールアルキル基を表し、
及びZは、それぞれ独立に、直接結合、−O−、−S−、>CO、−CO−O−、−O−CO−、−SO−、−SS−、−SO−、>NR58又は>PR58を表し、
57及びR58は、水素原子、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表す。)

(上記式中、R59は水素原子、置換基を有している場合もあるフェニル基、又は炭素原子数3〜10のシクロアルキル基を表し、R60は炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、c1は0〜5の整数であり、*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)

(上記式中、*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)

(上記式中、R61及びR62は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、炭素原子数6〜20のアリールチオ基、炭素原子数6〜20のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又はハロゲン原子を表し、該アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は不飽和結合、−O−又は−S−で置き換わっている場合もあり、
61は、隣接するR61同士で環を形成している場合もあり、
c2は0〜4の数を表し、
c3は0〜8の数を表し、
c4は0〜4の数を表し、
c5は0〜4の数を表し、
c4とc5の数の合計は2〜4であり、
*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)

(上記一般式(2)中、Y11は、三価の炭素原子数3〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜35の脂環族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
、Z及びZは、それぞれ独立に、直接結合、−O−、−S−、>CO、−CO−O−、−O−CO−、−SO−、−SS−、−SO−、>NR62、PR62、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
62は、水素原子、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
該脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基及び炭素原子数2〜35の複素環含有基は、炭素一炭素二重結合、−O−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−又は−SO−で置き換わっている場合もある。)

(上記一般式(3)中、Y12は、炭素原子又は四価の炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基若しくは炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、該脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基及び炭素原子数2〜35の複素環含有基は、−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−又は−CONH−で置き換わっている場合もあり、Z〜Zは、それぞれ独立に、上記一般式(2)におけるZ〜Zで表される基と同じ範囲の基である。)

(上記一般式(4)中、Y13は、五価の炭素原子数2〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜30の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜30の複素環含有基を表し、該脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基及び炭素原子数2〜35の複素環含有基は、−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−又は−CONH−で置き換わっている場合もあり、Z〜Zは、それぞれ独立に、上記一般式(2)におけるZ〜Zで表される基と同じ範囲の基である。)

(上記一般式(5)中、Y14は、単結合、六価の炭素原子数2〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、該脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基若しくは炭素原子数2〜35の複素環含有基は、−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−又は−CONH−で置き換わっている場合もあり、Z〜Zは、それぞれ独立に、上記一般式(2)におけるZ〜Zで表される基と同じ範囲の基である。)
上記一般式(1)で表される基におけるYで表される二価の炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基としては、メタン、エタン、プロパン、iso−プロパン、ブタン、sec−ブタン、tert−ブタン、iso−ブタン、ヘキサン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、ヘプタン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、iso−ヘプタン、tert−ヘプタン、1−メチルオクタン、iso−オクタン、tert−オクタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、2,4−ジメチルシクロブタン、4−メチルシクロヘキサン等が、Z及びZで置換された二価の基が挙げられる。これらの基は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−又はこれらを組み合わせた基で中断されている場合がある。
上記一般式(1)で表される基におけるYで表される二価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、フェニレン、ナフチレン、ビフェニル等の基が、Z及びZで置換された二価の基等が挙げられる。
上記一般式(1)で表される基におけるYで表される二価の炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、ピリジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ヘキサヒドロトリアジン、フラン、テトラヒドロフラン、クロマン、キサンテン、チオフェン、チオラン等が、Z及びZで置換された二価の基が挙げられる。
上記一般式(1)で表される基におけるYで表される脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基で置換されている場合がある。
上記脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基等の各官能基は、置換基を有している場合があるものであり、特に断りがない限り、置換基を有していない無置換である又は置換基を有しているものである。
このような脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基等の置換基としては、R101等に用いられるアルキル基等の水素原子を置換する置換基と同様の内容とすることができる。
上記一般式(1)で表される基におけるR55及びR56に用いられる炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基等は、上述したR101等として例示した内容のうち、所定の炭素原子数を満たすものが挙げられる。
上記一般式(1)で表される基におけるR57及びR58に用いられる炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基及び炭素原子数2〜35の複素環含有基は、上述したR53及びR54として例示した内容と同様とすることができる。
上記一般式(1−1)で表される基における、R59で表される炭素原子数3〜10のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへブチル基、シクロオクチル基等及びこれらの基が炭素原子数1〜10のアルキル基若しくは炭素原子数1〜10のアルコキシ基で置換された基等が挙げられる。
上記一般式(1−1)で表される基における、R60に用いられる炭素原子数1〜10のアルキル基及び炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、上記R101等として例示した内容のうち、所定の炭素原子数を満たすものが挙げられる。
上記一般式(1−1)で表される基における、R60に用いられる炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、上記R101等として例示したもののうち、所定の炭素原子数を満たすものを挙げることができる。
上記R60におけるアルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基はハロゲン原子で置換されている場合もあり、その置換位置は制限されない。
なお、上記フェニル基、シクロアルキル基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基等の各官能基は、置換基を有している場合があるものであり、特に断りがない限り、置換基を有していない無置換である又は置換基を有しているものである。
このようなフェニル基、シクロアルキル基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基等の水素原子を置換する置換基としては、R101等に用いられるアルキル基等の水素原子を置換する置換基と同様の内容とすることができる。
上記一般式(1−3)で表される基における、R61及びR62で表される炭素原子数1〜10のアルキル基、炭索原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基としては、上記R101等として例示した内容のうち、所定の炭素原子数を満たすものが挙げられる。
上記一般式(1−3)で表される基における、R61及びR62で表される炭素原子数6〜20のアリールオキシ基としては、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、2−メチルフェニルオキシ、3−メチルフェニルオキシ、4−メチルフェニルオキシ、4−ビニルフェニル二オキシ、3−iso−プロピルフェニルオキシ、4−iso−プロピルフェニルオキシ、4−ブチルフェニルオキシ、4−tert−ブチルフェニルオキシ、4−へキシルフェニルオキシ、4−シクロヘキシルフェニルオキシ、4−オクチルフェニルオキシ、4−(2−エチルヘキシル)フェニルオキシ、2,3−ジメチルフェニルオキシ、2,4−ジメチルフェニルオキシ、2,5−ジメチルフェニルオキシ、2.6−ジメチルフェニルオキシ、3.4−ジメチルフェニルオキシ、3.5−ジメチルフェニルオキシ、2,4−ジーtert−ブチルフェニルオキシ、2,5−ジーtert−ブチルフェニルオキシ、2,6−ジーtert−ブチルフェニルオキシ、2.4−ジーtert−ペンチルフェニルオキシ、2,5−tert−アミルフェニルオキシ、4−シクロへキシルフェニルオキシ、2,4,5−トリメチルフェニルオキシ、フェロセニルオキシ等の基及びこれらの基がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
上記一般式(1−3)で表される基における、R61及びR62で表される炭素原子数6〜20のアリールチオ基としては、上記ハロゲン原子で置換されている場合もある炭素原子数6〜20のアリールオキシ基の酸素原子を硫黄原子に置換した基等が挙げられる。
上記一般式(1−3)で表される基における、R61及びR62で表される炭素原子数8〜20のアリールアルケニル基としては、上記ハロゲン原子で置換されている場合もある炭素原子数6−20のアリールオキシ基の酸素原子をビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、2−ペンテニル、2−オクテニル等のアルケニル基で置換した基等が挙げられる。
上記一般式(1−3)で表される基における、R61及びR62で表される炭素原子数2〜20の複素環含有基としては、ピリジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ヘキサヒドロトリアジン、フラン、テトラヒドロフラン、クロマン、キサンテン、チオフェン、チオフラン等の基及びこれらの基がハロゲン原子で置換された基等が挙げられる。
なお、上記アルキル基、アリールアルキル基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルケニル基、複素環含有基等の各官能基は、置換基を有している場合があるものであり、特に断りがない限り、置換基を有していない無置換である又は置換基を有しているものである。
このようなアルキル基、アリールアルキル基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルケニル基、複素環含有基等の水素原子を置換する置換基としては、R101等に用いられるアルキル基等の水素原子を置換する置換基と同様の内容とすることができる。
上記一般式(2)で表される基におけるY11に用いられる三価の炭素原子数3〜35の脂肪族炭化水素基としては、上記一般式(A)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基が、Z、Z及びZで置換された三価の基が挙げられる。これらの基は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−SO−、−NH−又はこれらを組み合わせた基で置き換えられている場合がある。
上記一般式(2)で表される基におけるY11に用いられる三価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、上記一般式(A)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基が、Z、Z及びZで置換された三価の基が挙げられる。
上記一般式(2)で表される基におけるY11に用いられる三価の炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、上記一般式(A)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数2〜35の複素環含有基が、Z、Z及びZで置換された三価の基が挙げられる。
上記一般式(2)で表される基におけるZ、Z及びZ並びにR62に用いられる炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基及び炭素原子数2〜35の複素環含有基は、上述したR53及びR54として例示した内容と同様とすることができる。
上記一般式(3)で表される基におけるY12に用いられる四価の炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基としては、上記一般式(A)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基が、Z、Z、Z及びZで置換された四価の基が挙げられ、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−又はこれらを組み合わせた基で置き換えられている場合がある。
上記一般式(3)で表される基におけるY12に用いられる四価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、上記一般式(A)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基が、Z、Z、Z及びZで置換された四価の基が挙げられる。
上記一般式(3)で表される基におけるY12に用いられる四価の炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、上記一般式(A)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数2〜35の複素環含有基が、Z、Z、Z及びZで置換された四価の基が挙げられる。
上記一般式(4)で表される基におけるY13に用いられる五価の炭素原子数2〜35の脂肪族炭化水素基としては、上記一般式(A)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基が、Z、Z、Z、Z及びZで置換された五価の基が挙げられ、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−SO−、−NH−又はこれらを組み合わせた基で置き換えられている場合がある。
上記一般式(4)で表される基におけるY13に用いられる五価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、上記一般式(A)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基が、Z、Z、Z、Z及びZで置換された五価の基が挙げられる。
上記一般式(4)で表される基におけるY13に用いられる五価の炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、上記一般式(A)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基が、Z、Z、Z、Z及びZで置換された五価の基が挙げられる。
上記一般式(5)におけるY14に用いられる六価の炭素原子数2〜35の脂肪族炭化水素基としては、上記一般式(A)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基が、Z、Z、Z、Z、Z5及びZで置換された六価の基が挙げられ、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−又はこれらを組み合わせた基で置き換えられている場合がある。
上記一般式(5)におけるY14に用いられる六価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、上記一般式(A)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基が、Z、Z、Z、Z、Z5及びZで置換された六価の基が挙げられる。
上記一般式(5)におけるY14に用いられる六価の炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、上記一般式(A)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数2〜35の複素環含有基が、Z、Z、Z、Z、Z及びZで置換された六価の基が挙げられる。
上記一般式(A)で表される化合物のなかでも、潜在性添加剤を潜在性酸化防止剤として用いることが容易であるとの観点からは、下記一般式(A1)で表される化合物(以下、化合物A1と称する場合がある。)を好ましく用いることができる。

(式中、R11は、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又はトリアルキルシリル基を表し、
12及びR13は、水素原子又は炭素原子数1〜40のアルキル基を表し、
14は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、
上記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基、アルケニル基及びトリアルキルシリル基中のメチレン基は、炭素−炭素二重結合、−O−、−S−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−S−CO−O−、−O−CO−S−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NR'−、>P=O、−S−S−、−SO−又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合もあり、
R’は、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、
複数のR14同士は、それぞれ結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合もあり、
複数のR14は、それぞれ同じである場合も異なっている場合もあり、
n1は、1〜10の整数を表し、
a1は、1〜2の整数を表し、
は、n1価の結合基を表す。)
上記R11、R12、R13及びR14に用いられるアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基並びにR’に用いられるアルキル基としては、上記一般式(A)中に用いられるR101及びR’として例示した内容のうち、所定の炭素原子数を満たすものを挙げることができる。
上記R11は、フェノール性水酸基を保護するものである。
このようなR11としては、上記R102と同様とすることができる。
上記R12及びR13は、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基であることが好ましく、なかでも、置換基を有していない無置換の炭素原子数1〜10のアルキル基であることが好ましく、特に、−Cで表される基であることが好ましく、なかでも特にtert-ブチル基であることが好ましい。
上記R12及びR13は、少なくとも一方が、炭素原子数1〜40のアルキル基であることが好ましく、なかでも、R12及びR13の両者が、炭素原子数1〜40のアルキル基であることが好ましい。
上記R12及びR13の両者は、例えば、tert-ブチル基等の置換基を有していない無置換の炭素原子数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
上記R14としては、炭素原子数1〜40のアルキル基であることが好ましい。
上記n1は、1〜10の整数であるが、このようなn1については、上記nと同様とすることができる。耐熱性に優れた硬化物を得ることが容易となるからである。
上記a1は、0〜2の整数であるが、合成の容易さの観点から、0〜1であることが好ましい。
上記結合基Xは、n1価の結合基を表すものである。
このような結合基Xとしては、上記結合基Xと同様の内容とすることができる。
上記結合基Xは、例えば、n1が4である場合、上記一般式(3)で表される基であることが好ましい。
上記一般式(3)中のY12は、炭素原子又は四価の炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、なかでも、炭素原子であることが好ましい。
上記一般式(3)中のZ〜Zは、−O−、−S−、>CO、−CO−O−、−O−CO−、−SO−、−SS−、−SO−、>NR62、PR62、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、メチレン基が−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−又は−CONH−で置き換わっている、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、Y12側の末端のメチレン基が−COO−又は−OCO−で置き換わっている置換基を有していない無置換の炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、なかでも、Y12側の末端のメチレン基が−COO−又は−OCO−で置き換わっている置換基を有していない無置換の炭素原子数1〜10の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。上記化合物A1の製造が容易だからである。
上記結合基Xのベンゼン環との結合位置は、ベンゼン環内の結合し得るいずれの位置であっても構わないが、例えば、上記R11−O−の結合位置に対して、パラ位であることが好ましい。
化合物A−1の具体例としては、具体的には、下記で表される化合物のように、国際公開第2014/021023号に具体的に記載された化合物等を挙げることができる。
上記化合物A−1の製造方法は、所望の構造を得ることができる方法であれば特に限定されないが、例えば、国際公開第2014/021023号に記載の方法と同様の方法とすることができる。
上記一般式(A)で表される化合物のなかでも、潜在性添加剤を潜在性紫外線吸収剤として用いることが容易であるとの観点からは、下記一般式(B1)、(B2)又は(B3)で表される化合物(以下、それぞれ、化合物B1、化合物B2及び化合物B3と称する場合がある。)を好ましく用いることができる。

(式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又は−O−Rを表し、
及びRの少なくとも一方は、上記−O−Rであり、
、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、
は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又はトリアルキルシリル基を表し、
複数のR同士、複数のR同士、複数のR同士、複数のR同士及び複数のR同士は、それぞれ結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合もあり、
複数のR、R、R、R、R及びRは、それぞれ同じである場合も異なっている場合もあり、
m1、m2及びm3は、それぞれ独立に、1〜10の整数を表し、
m4は、1〜3の整数を表し、
b1は、0〜4の整数を表し、
b2は、0〜2の整数を表し、
b3は、0〜4の整数を表し、
b4は、0〜3の整数を表し、
b5は、0〜3の整数を表し、
b6は、0〜3−m3の整数を表し、
b1は、m1価の結合基を表し、Xb2は、m2価の結合基を表し、Xb3は、m3価の結合基を表す。)
上記R、R、R、R、R、R、R、R及びR(以下、これらの官能基をまとめてR等と称する場合がある。)に用いられる、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基、Rに用いられるアルケニル基及びトリアルキルシリル基並びにR’に用いられるアルキル基としては、上記一般式(A)中に用いられるR101、R102及びR’として例示した内容のうち、所定の炭素原子数を満たすものを挙げることができる。
上記R及びRは、少なくとも一方が、上記−O−Rである。
上記R及びRは、合成容易の観点からは、一方が、上記−O−Rであることが好ましい。
上記R及びRは、紫外線吸収能の変化を大きいものとする観点からは、R及びRの両者が−O−Rであることが好ましい。
上記R及びRは、一方のみが−O−Rである場合、他方は水素原子、水酸基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基であることが好ましく、なかでも水素原子、炭素原子数1〜40のアルキル基であることが好ましく、特に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基であることが好ましく、なかでも特に、水素原子、置換基を有していない無置換の炭素原子数1〜5のアルキル基であることが好ましい。上記R及びRの他方が、上記官能基であることで、上記化合物Aは、紫外線吸収能の変化が大きいものとなるからである。また、上記化合物Aは、硬化阻害の発生が抑制できるからである。
上記Rは、フェノール性水酸基を保護するものである。
このようなR11としては、上記R102と同様とすることができる。
上記R、R、R、R、R及びRは、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基であるが、ハロゲン原子、炭素原子数1〜40のアルキル基であることが好ましく、置換基を有していない無置換の炭素原子数1〜40のアルキル基、置換基として、エチレン性不飽和基を有する炭素原子数1〜40のアルキル基、端部のメチレン基が−O−で置き換えられた炭素原子数1〜40のアルキル基(炭素原子数1〜40のアルコキシ基)、メチレン基が−O−CO−で置き換えられた炭素原子数1〜40のアルキル基、又は端部のメチレン基が−O−で置き換えられ、かつ、鎖中のメチレン基が−O−CO−で置き換えられた炭素原子数1〜40のアルキル基(炭素原子数1〜40のアルコキシ基)であることが好ましく、置換基を有していない無置換の炭素原子数1〜10のアルキル基、置換基を有していない無置換の炭素原子数1〜10のアルコキシ基、置換基として、エチレン性不飽和基を少なくとも有する、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、メチレン基が−O−CO−で置き換えられた置換基を有していない無置換の炭素原子数1〜10のアルキル基、又は鎖中のメチレン基が−O−CO−で置き換えられた置換基を有していない無置換の炭素原子数1〜10のアルコキシ基であることが好ましい。
上記Rは、なかでもハロゲン原子であることが好ましい。
上記Rは、なかでも、置換基を有していない無置換の炭素原子数1〜10のアルコキシ基であることが好ましい。
上記Rは、置換基を有していない無置換の炭素原子数1〜10のアルキル基、置換基として、エチレン性不飽和基を少なくとも有する、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であることが好ましい。
上記b1及びb3は、0〜4の整数であるが、合成の容易さの観点からは、それぞれ独立に、0〜3の整数であることが好ましく、なかでも、0〜2の整数であることが好ましく、特に、0〜1であることが好ましい。
上記b2は、0〜2の整数であるが、溶解性の観点から、1〜2であることが好ましい。
上記b4及びb5は、0〜3の整数であるが、合成の容易さの観点から、0〜2の整数であることが好ましく、なかでも1〜2であることが好ましい。
上記b6は、0〜3−m3の整数であるが、合成の容易さの観点から、0〜1の整数であることが好ましく、0であることが好ましい。
上記m1は、1〜10の整数であるが、耐光性に優れた硬化物を得るとの観点からは、2以上であることが好ましく、なかでも、2〜6の整数であることが好ましく、特に、2〜4の整数であることが好ましい。
上記m2は、1〜10の整数であるが、耐光性に優れた硬化物を得るとの観点からは、1〜5の整数であることが好ましく、特に、1〜2の整数であることが好ましい。
上記m3は、1〜10の整数であるが、耐光性に優れた硬化物を得るとの観点からは、1〜5の整数であることが好ましく、特に、1〜2の整数であることが好ましい。
上記m4は、1〜3の整数であるが、耐光性に優れた硬化物を得るとの観点からは、2以上であることが好ましく、なかでも、3であることが好ましい。
上記一般式(B1)、(B2)及び(B3)で表される化合物Aは、Xb1、Xb2及びXb3(以下、Xと称する場合がある。)で表されるm1価、m2価又はm3価(以下、m価と称する場合がある。)の結合基に、m1個、m2個又はm3個(以下、m個と称する場合がある。)の特定の基が結合した構造を有する。このm個の特定の基は、互いに同じであるか又は異なる。
上記Xは、m価の結合基を表すものである。
このような結合基Xとしては、上記結合基Xと同様の内容とすることができる。
上記結合基Xは、mが2である場合、炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基を好ましく用いることができ、なかでも、炭素原子数1〜20のアルキレン、ジオールの残基であることが好ましく、特に、炭素原子数1のメチレン基等の炭素原子数1〜5のアルキレンであることが好ましい。化合物B1〜B3の製造が容易だからである。
上記結合基Xのベンゼン環との結合位置としては、ベンゼン環内の結合し得るいずれの位置であっても構わないが、例えば、−O−Rの結合位置に対して、オルト位又はメタ位であることが好ましい。
上記化合物B1〜B3の具体例としては、具体的には、下記で表される化合物のように、国際公開第2014/021023号に具体的に記載された化合物等を挙げることができる。
上記化合物B3については、下記で表される化合物等も挙げることができる。
上記化合物B1〜B3の製造方法は、所望の構造を得ることができる方法であれば特に限定されないが、例えば、国際公開第2014/021023号に記載の方法と同様の方法とすることができる。
上記潜在性添加剤の種類としては、組成物中に1種類のみであってもよく、2種類以上であっても構わない。上記組成物は、例えば、2種類以上5種類以下の潜在性添加剤を含むことができる。
例えば、上記潜在性添加剤として、上記化合物A1と、化合物B1〜B3と、を組み合わせて用いても構わない。この場合、紫外線吸収能及び酸化防止能の両者に優れた硬化物を得ることが容易となる。
上記潜在性添加剤の含有量としては、硬化物に所望の機能を付与できるものであればよく、添加する潜在性添加剤の種類等に応じて適宜設定されるものである。
上記潜在性添加剤の含有量としては、例えば、上記組成物の固形分100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下とすることができ、0.05質量部以上5質量部以下であることが好ましく、なかでも。0.1質量部以上1質量部以下であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲であることで、上記組成物は、高機能な硬化物を安定的に形成できるものとなるからである。
なお、固形分とは、溶剤以外のすべての成分を含むものである。
2.ラジカル重合性化合物
上記ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合性基を有するものである。
上記ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合性基として、例えば、(メタ)アクリル基、ビニル基等のエチレン性不飽和基を有する化合物を用いることができる。
なお、(メタ)アクリルは、アクリル及びメタクリルを含む意味で用いるものである。また、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートを含む意味で用いるものである。
このようなラジカル重合性化合物としては、上記組成物の用途等に応じて適宜設定することができるが、ガラス転移温度の高い硬化物を容易に得ることができるとの観点からは、エステル結合を含む化合物であることが好ましい。上記エステル結合を含む化合物としては、より具体的には、下記一般式(C2)で表される構造(以下、構造C2と称する場合がある。)を含むことが好ましい。上記構造を有することで、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。

(式中、X1cは、m11価の結合基であり、
m11は、1〜10の整数を表す。)
m11は、1〜10の整数であり、構造C2中のエステル結合の数を示すものである。
上記m11の数については、上記組成物の用途等に応じて適宜設定することができるが、1〜5であることが好ましく、なかでも、2〜3であることが好ましく、2であることが好ましい。上記m11の数が上述の範囲であることで、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
上記X1cは、m11価の結合基を表すものである。
上記結合基X1cとしては、具体的には、上記化合物Aに用いられる結合基Xと同様とすることができる。
上記結合基X1cとしては、なかでも、炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基、炭素原子数2〜35の複素環含有基であることが好ましく、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基であることが好ましく、炭素原子数6〜15の芳香環含有炭化水素基であることが好ましい。
上記結合基X1cは、なかでも、m11が2である場合には、フェニレン、ナフチレン等のアリーレン基であることが好ましく、なかでも、フェニレンであることが好ましい。上記置換基であることで、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
上記構造C2は、より具体的には、下記一般式(C3)で表される構造(以下、構造C3と称する場合がある。)であることが好ましい。上記構造C2が、上述の構造であることで、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。

(式中、R2cは、ハロゲン原子を表し、
c1は、0〜6−m12の整数を表し、
m12は、1〜6の整数を表す。)
上記R2cとして用いられるハロゲン原子としては、上記R101で用いられるものと同様とすることができる。
c1は、0〜6−m12の整数であり、構造C3中のハロゲン原子の数を示すものである。
上記c1の数については、上記組成物の用途等に応じて適宜設定することができる。上記c1の数が上述の範囲であることで、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
m12は、1〜6の整数であり、構造C3中のエステル結合の数を示すものである。
上記m12の数については、上記組成物の用途等に応じて適宜設定することができるが、1〜5であることが好ましく、なかでも、2〜3であることが好ましく、特に、2であること、より具体的には、下記一般式(C4)で表される構造であることが好ましい。上記m12の数が上述の範囲であることで、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。

(式中、R2cは、ハロゲン原子を表し、
c2は、0〜4の整数を表す。)
c2は、構造C4中のハロゲン原子の数を示すものである。
上記c2の数については、上記組成物の用途等に応じて適宜設定することができ、0〜4とすることができる。上記c2の数が上述の範囲であることで、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
上記構造C4において、−COO−で表される2つの基のベンゼン環に対する結合位置の関係としては、オルト位、メタ位、パラ位のいずれの位置関係であっても構わないが、オルト位又はメタ位であることが好ましく、オルト位であることが好ましい。上記位置関係であることで、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
上記ラジカル重合性化合物としては、より具体的には、重合性モノマー、重合性樹脂等を挙げることができる。
(1)重合性モノマー
上記重合性モノマーとしては、硬化性組成物のモノマー成分として一般的に使用されるものであれば構わない。上記重合性モノマーに含まれるラジカル重合性基の数としては、1以上であれば構わないが、2以上10以下であることが好ましく、なかでも、2以上6以下であることが好ましく、特に、2以上3以下であることが好ましい。上記ラジカル重合性基の数が上述の範囲であることで、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
このような重合性モノマーとしては、例えば、下記一般式(D1)で表される化合物(以下、化合物D1と称する場合がある。)を用いることができる。上記重合性モノマーが、このような化合物であることで、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。

(式中、R1d、R2d及びR3dは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
4dは、二価の結合基であり、直接結合、−O−、−S−、>C=O、>NR53、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
1dは、1d価の結合基であり、
1dは、1〜10の整数を表す。)
上記R1d、R2d及びR3dに用いられる炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基、炭素原子数2〜35の複素環含有基については、上記「1.潜在性添加剤」の項に記載の結合基Xに用いられる脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基のうち、一価であるものと同様とすることができる。
上記R1dは、なかでも、水素原子、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、特に、水素原子、メチル基等の炭素原子数1〜5の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、なかでも特に、メチル基等の炭素原子数1〜5の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。上記置換基であることで、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
上記R2d及びR3dは、なかでも、水素原子、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、特に、水素原子、メチル基等の炭素原子数1〜5の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、なかでも特に、水素原子であることが好ましい。上記官能基であることで、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
上記R1d、R2d及びR3dは、例えば、エチレン性不飽和基を含まないものとすることができる。上記重合性モノマーの製造が容易だからである。
上記R4dに用いられる炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基、炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、上記「1.潜在性添加剤」の項に記載の結合基Xに用いられる脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基のうち、二価であるものと同様とすることができる。
また、R4dに用いられる上記脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基のメチレン基は、炭素一炭素二重結合、−O−、−S−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−COO−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−O−CO−S−、−S−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NR'−、>P=O、−S−S−、又は−SO−から選ばれた基の組み合わせで置き換わっている場合もあり、上記芳香環又は複素環は、他の環と縮合されている場合もある。
上記R4dは、なかでも、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、なかでも、炭素原子数1〜10の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、特に、炭素原子数1〜5の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。上記置換基であることで、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
上記R4dは、脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基中のメチレン基が置き換わっていることが好ましい。ガラス転移点の調整が容易だからである。
上記R4d中のメチレン基を置き換える置換基としては、−O−CO−、−CO−O−であることが好ましく、特に、−CO−O−であることが好ましい。上記組成物は、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
上記R4d中の置換基により置き換えられるメチレン基は、結合基X側の端部であることが好ましい。ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
上記R4dとしては、例えば、エチレン性不飽和基を含まないものとすることができる。上記重合性モノマーの製造が容易だからである。
1dは、1〜10の整数であり、化合物D1中のエチレン性不飽和基の数を示すものである。
このような1dの数については、上記m11と同様とすることができる。
上記X1dは、1d価の結合基を表すものである。
上記結合基X1dについては、上記X1cと同様とすることができる。
上記化合物D1は、なかでも、下記一般式(D2)で表される化合物(以下、化合物D2と称する場合がある。)であることが好ましい。上記重合性モノマーは、上記構造C2を有するものとなることで、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。

(式中、R1d、R2d及びR3dは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
11dは、二価の結合基である、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
2dは、2d価の結合基であり、
2dは、1〜10の整数を表す。)
上記R1d、R2d及びR3dは、上記一般式(D1)中の内容と同様とすることができる。
上記R11dに用いられる炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基及び炭素原子数2〜35の複素環含有基の内容については、上記R4dに用いられる脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基と同様とすることができる。
上記R11dは、なかでも、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、なかでも、炭素原子数1〜10の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、特に、炭素原子数1〜5の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。上記官能基であることで、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
2dは、1〜10の整数であり、上記1dと同様とすることができる。
上記X2dは、2d価の結合基を表すものである。
上記結合基X2dについては、上記X1cと同様とすることができる。
上記化合物D2は、なかでも、下記一般式(D3)で表される化合物(以下、化合物D3と称する場合がある。)であることが好ましい。高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。

(式中、R21dは、ハロゲン原子を表し、
d3は、0〜6−3dの整数を表し、
3dは、1〜6の整数を表し、
1d、R2d、R3d及びR11dは、上記一般式(D2)で表される内容と同様である。)
上記R21dとして用いられるハロゲン原子としては、R101等で用いられるものと同様とすることができる。
d3は、0〜6−3dの整数であり、上記組成物の用途等に応じて適宜設定することができるが、例えば、上記c1と同様とすることができる。
3dは、1〜6の整数であり、化合物D3中のエチレン性不飽和基の数を示すものである。
上記3dの数については、上記組成物の用途等に応じて適宜設定することができるが、1〜5であることが好ましく、なかでも、2〜3であることが好ましく、特に、2であること、より具体的には、下記一般式(D4)で表される化合物であることが好ましい。3dが上述の範囲であることで、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。

(式中、d4は、0〜4の整数を表し、
1d、R2d、R3d、R11d及びR21dは、上記一般式(D3)で表される内容と同様である。)
d4は、0〜4の整数であり、上記組成物の用途等に応じて適宜設定することができるが、上記c2と同様とすることができる。
上記化合物D4において、−COO−R11d−CR1d=CR2d3dで表される2つの基のベンゼン環に対する結合位置の関係としては、オルト位、メタ位、パラ位のいずれの位置関係であっても構わないが、オルト位又はメタ位であることが好ましく、オルト位であることが好ましい。上記位置関係であることで、上記組成物は、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
上記重合性モノマーの分子量としては、硬化性組成物のモノマー成分として一般的に使用されるものであればよく、例えば、1000未満とすることができ、50以上750以下であることが好ましく、なかでも50以上600以下であることが好ましい。上記分子量であることで、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
上記重合性モノマーのうち、ラジカル重合性基の数が1つである単官能化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル及び(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、ポリオキシアルキレン変性(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアクリルアミド類;N−N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルフォリン、(メタ)アクリル酸N−N−ジエチルアミノエチル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸等を挙げることができる。
上記単官能化合物は、1種類のみ含む場合もあり、例えば、2種類以上を組み合わせて用いる場合もある。
上記重合性モノマーのうち、ラジカル重合性基の数が2以上である多官能化合物としては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ジ(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ビス(アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、ε―カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、上記多官能化合物としては、イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル等のジアリル化合物を挙げることができる。
上記重合性モノマーの含有量としては、所望のガラス転移温度を得られるものであればよく、例えば、組成物の固形分100質量部に対して、1質量部以上99質量部以下とすることができ、50質量部以上98質量部以下であることが好ましく、なかでも、70質量部以上97質量部以下であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲であることで、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
(2)重合性樹脂
上記重合性樹脂としては、硬化性組成物の重合性樹脂成分として一般的に使用されるものであればよく、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。なかでも、エステル結合を有し、ガラス転移温度の高い硬化物を容易に得ることができるとの観点からは、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートであることが好ましく、なかでも、不飽和ポリエステル樹脂であることが好ましい。
また、上記重合性樹脂としては、上記重合性モノマーの部分重合体も用いることができる。
上記不飽和ポリエステル樹脂としては、主鎖骨格中にエチレン性不飽和基及びエステル構造の両者を有するものとすることができ、例えば、多価アルコール及び不飽和多塩基酸の重縮合(エステル化)物とすることができる。
本開示においては、なかでも、上記不飽和ポリエステル樹脂が、重縮合成分として、多価アルコール及び不飽和多塩基酸に加えて、飽和多塩基酸を含むことが好ましい。すなわち、上記不飽和ポリエステル樹脂は、多価アルコール、不飽和多塩基酸及び飽和多塩基酸の重縮合(エステル化)物であることが好ましい。ガラス転移温度の調整が容易となるからである。
上記多価アルコールとしては、水酸基を2以上有する化合物であればよく、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA、グリセリン等を挙げることができる。
上記不飽和多塩基酸としては、エチレン性不飽和基と、2以上のカルボキシル基又はその無水物と、を有するものとすることができ、例えば、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等を例示することができる。
上記飽和多塩基酸としては、2以上のカルボキシル基又はその無水物を有するものとすることができ、例えば、下記一般式(E1)で表される化合物(以下、化合物E1と称する場合がある。)又はその無水物を用いることができる。

(式中、R1eは、二価の結合基であり、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
1eは、1e価の結合基であり、
1eは、1〜10の整数を表す。)
上記R1eに用いられる炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基、炭素原子数2〜35の複素環含有基及び好ましい構造については、上記R4dと同様とすることができる。
1eは、1〜10の整数であり、化合物E1中のエチレン性不飽和基の数を示すものである。
このような1eの数については、上記m11と同様とすることができる。
上記X1eは、1e価の結合基を表すものである。
上記結合基X1eについては、上記X1cと同様とすることができる。
上記化合物E1は、なかでも、下記一般式(E2)で表される化合物(以下、化合物E2と称する場合がある。)であること、すなわち、不飽和ポリエステル樹脂は、飽和多塩基酸として上記化合物E2を用いた不飽和ポリエステル樹脂、より具体的には、多価アルコール、不飽和多塩基酸及び飽和多塩基酸の重縮合物であり、飽和多塩基酸が上記化合物E2である不飽和ポリエステル樹脂(以下、不飽和ポリエステルE2と称する場合がある。)であることが好ましい。上記不飽和ポリエステルは、上記構造C2を有するものとなることで、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。

(式中、R11eは、二価の結合基である、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
2eは、2e価の結合基であり、
2eは、1〜10の整数を表す。)
上記R11eに用いられる炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基及び炭素原子数2〜35の複素環含有基の内容については、上記R11dに用いられる脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基と同様とすることができる。
2eは、1〜10の整数であり、上記1eと同様とすることができる。
上記X2eは、2e価の結合基を表すものである。
上記結合基X2eについては、上記X1cと同様とすることができる。
上記化合物E2は、なかでも、下記一般式(E3)で表される化合物(以下、化合物E3と称する場合がある。)であることが好ましい。高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。

(式中、R21eは、ハロゲン原子を表し、
e3は、0〜6−3eの整数を表し、
3eは、1〜6の整数を表し、
11eは、上記一般式(E2)で表される内容と同様である。)
上記R21eとして用いられるハロゲン原子としては、R101等で用いられるものと同様とすることができる。
e3は、0〜6−3eの整数であり、上記組成物の用途等に応じて適宜設定することができるが、例えば、上記c1と同様とすることができる。
3eは、1〜6の整数であり、化合物E3中のカルボキシル基の数を示すものである。
上記3eの数については、上記組成物の用途等に応じて適宜設定することができるが、1〜5であることが好ましく、なかでも、2〜3であることが好ましく、特に、2であること、より具体的には、下記一般式(E4)で表される化合物であることが好ましい。3eの数が上述の範囲であることで、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。

(式中、e4は、0〜4の整数を表し、
11e及びR21eは、上記一般式(E3)で表される内容と同様である。)
e4は、0〜4の整数であり、上記組成物の用途等に応じて適宜設定することができるが、上記c2と同様とすることができる。
上記化合物E4において、−COO−R11e−COOHで表される2つの基のベンゼン環に対する結合位置の関係としては、オルト位、メタ位、パラ位のいずれの位置関係であっても構わないが、上記一般式(D4)における−COO−R11d−CR1d=CR2d3dで表される2つの基のベンゼン環に対する結合位置の関係と同様とすることができる。
上記飽和多塩基酸としては、より具体的には、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘット酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等を挙げることができ、なかでも、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、テトラブロモフタル酸及びその酸無水物であることが好ましく、特に、イソフタル酸又はその無水物であること、すなわち、不飽和ポリエステルが、イソフタル酸系不飽和ポリエステルであることが好ましい。高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
上記不飽和ポリエステルは市販品を用いてもよく、例えば、エスター1510C、エスターCL2170、エスターCO600−1(以上、三井東圧化学株式会社製)、ユピカ2035、ユピカ2239、ユピカ2253、ユピカ8510、ユピカ8542、ユピカ8552(以上、日本ユピカ株式会社製)、ポリマール(武田薬品工業株式会社製)、ポリライト8400(大日本インキ化学工業株式会社製)、リゴラック(昭和高分子株式会社製)等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、樹脂中のエポキシ基に対して、(メタ)アクリル酸を反応させたものとすることができ、例えば、従来公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂などと、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるものとすることができる。
上記芳香族エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールA、又はそのアルキレンオキサイド付加体をエピクロロヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテルと、(メタ)アクリル酸と反応させて得られる(メタ)アクリレート、エポキシノボラック樹脂と(メタ)アクリル酸を反応して得られる(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートとしては、ウレタン結合を有するものであればよく、例えば、1種又は2種以上の水酸基含有ポリエステルや水酸基含有ポリエーテルに水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとイソシアネート類を反応させて得られる(メタ)アクリレートや、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとイソシアネート類を反応させて得られる(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
ここで使用する水酸基含有ポリエステルとして好ましいものは、1種又は2種以上の脂肪族多価アルコールと、1種又は2種以上の多塩基酸との反応によって得られる水酸基含有ポリエステルを用いることができる。
脂肪族多価アルコールとしては、上記多価アルコールと同様とすることができる。
多塩基酸としては、上記飽和多塩基酸と同様とすることができる。
水酸基含有ポリエーテルとして好ましいものは、脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られる水酸基含有ポリエーテルであって、脂肪族多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとして好ましいものは、脂肪族多価アルコールと(メタ)アクリル酸のエステル化反応によって得られる水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルであって、脂肪族多価アルコールとしては、上記多価アルコールと同様とすることができる。
イソシアネート類としては、分子中に1個以上のイソシアネート基を持つ化合物が好ましく、トリレンジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの二価のイソシアネート化合物が特に好ましい。
ポリエーテル(メタ)アクリレートとして好ましいものは、水酸基含有ポリエーテルと、メタ(アクリル)酸とを反応させて得られるポリエーテル(メタ)アクリレートである。ここで使用する水酸基含有ポリエーテルとして好ましいものは、脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られる水酸基含有ポリエーテルであって、脂肪族多価アルコールとしては、上記多価アルコールと同様とすることができる。
アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。
上記部分重合体は、重合性モノマー同士が重合し、かつ、ラジカル重合性基を有するものとすることができる。
ここで、上記部分重合体は、重合性モノマーの一部を重合することにより得ることができる。したがって、上記部分重合体は、例えば、部分重合体の製造原料である重合性モノマー成分、そのオリゴマー及びラジカル重合性基を有しないポリマーと共に用いられる場合がある。
このような部分重合体を構成する重合性モノマーとしては、所望のガラス転移温度を達成できるものであればよく、上述の重合性モノマーを用いることができる。なかでも、上記部分重合体は、上記化合物D2の部分重合体(以下、部分重合体D2と称する場合がある。)、すなわち、上記部分重合体を構成する重合性モノマーとして上記化合物D2を少なくとも含むものであることが好ましい。
なお、上記部分重合体を構成する重合性モノマーの種類は、1種類であってもよく、2種類以上を組み合わせても構わない。
上記重合性樹脂に含まれるラジカル重合性基の数としては、1以上であれば構わないが、2以上であることが好ましい。なお、上記数の上限については、分子量等に応じて適宜設定することができる。上記ラジカル重合性基の数が上述の範囲であることで、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
上記重合性樹脂の分子量としては、1000以上とすることができ、5000以上200000以下であることが好ましい。ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
上記重合性樹脂が部分重合体である場合、その分子量としては、10000以上とすることができ、10000以上200000以下であることが好ましい。
なお、以下、重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値として求めることができる。
上記重量平均分子量Mwは、例えば、日本分光(株)製のGPC(LC−2000plusシリーズ)を用い、溶出溶剤をテトラヒドロフランとし、校正曲線用ポリスチレンスタンダードをMw1110000、707000、397000、189000、98900、37200、13700、9490、5430、3120、1010、589(東ソー(株)社製 TSKgel標準ポリスチレン)とし、測定カラムをKF−804、KF−803、KF−802(昭和電工(株)製)として測定して得ることができる。
また、測定温度は40℃とすることができ、流速は1.0mL/分とすることができる。
上記重合性樹脂の含有量としては、所望のガラス転移温度を得られるものであればよく、例えば、組成物の固形分100質量部に対して、1質量部以上99質量部以下とすることができ、40質量部以上90質量部以下であることが好ましく、なかでも、60質量部以上80質量部以下であることが好ましい。高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
(3)その他
上記重合性化合物は、1種類の化合物のみを含む場合もあり、2種類以上の化合物を含む場合もある。
上記重合性化合物は、例えば、重合性モノマー及び重合性樹脂の少なくとも1種を含むものとすることができ、なかでも、上記構造C2を有する化合物として、上記化合物D2、上記不飽和ポリエステルE2、上記部分重合体D2から選択される少なくとも1種類の化合物を含むことが好ましく、なかでも、上記不飽和ポリエステルE2を含むことが好ましく、特に、上記不飽和ポリエステルE2と、上記化合物D2及び上記部分重合体D2の少なくとも一方とを含むことが好ましい。上記重合性化合物を用いることで、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
上記重合性化合物の含有量としては、所望のガラス転移温度を得られるものであればよく、例えば、組成物の固形分100質量部に対して、1質量部以上99質量部以下とすることができ、50質量部以上98質量部以下であることが好ましく、なかでも、70質量部以上97質量部以下であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲であることで、上記組成物は、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易なものとなるからである。
上記重合性化合物が、上記不飽和ポリエステルE2と、上記化合物D2及び上記部分重合体D2の少なくとも一方と、を含む場合、上記不飽和ポリエステルE2の重合性化合物100質量部に対する含有量としては、1質量部以上99質量部以下とすることができ、20質量部以上90質量部以下であることが好ましく、なかでも、40質量部以上70質量部以下であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲であることで、上記組成物は、高機能な硬化物を安定的に形成できるものとなるからである。
3.熱ラジカル重合開始剤
上記熱ラジカル重合開始剤としては、加熱によりラジカルを発生するものを用いることができ、熱ラジカル重合開始剤として公知のものを用いることができる。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ系化合物、過酸化物及び過硫酸塩等を好ましいものとして例示することができる。
上記アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)等が挙げられる。
過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート及びジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。
上記過硫酸塩としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム及び過硫酸カリウム等の過硫酸塩等が挙げられる。
上記組成物における上記熱ラジカル重合開始剤の含有量としては、上記組成物の固形分100質量部に対して、0.05質量部以上10質量部以下とすることができる。上記熱ラジカル重合開始剤の含有量が上述の範囲であることで、上記組成物は、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物の製造が容易となるからである。
4.その他の成分
上記組成物は、潜在性添加剤、ラジカル重合性化合物及び熱ラジカル重合開始剤以外に、必要に応じてその他の成分を含むことができる。
上記その他の成分としては、溶剤、着色剤、無機化合物、無機化合物等を分散させる分散剤、連鎖移動剤、増感剤、界面活性剤、シランカップリング剤、メラミン等を挙げることができる。
このようなその他の成分については、公知の材料を用いることができ、例えば、国際公開第2014/021023号公報に記載のものを用いることができる。
また、上記その他の成分としては、p−アニソール、ハイドロキノン、ピロカテコール、t−ブチルカテコール、フェノチアジン等の熱重合抑制剤;可塑剤;接着促進剤;充填剤;消泡剤;レベリング剤;表面調整剤;フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等の上述の潜在性添加剤以外の酸化防止剤;上述の潜在性添加剤以外の紫外線吸収剤;分散助剤;凝集防止剤;触媒;効果促進剤;架橋剤;増粘剤等の添加剤を含むことができる。
上記その他の成分としては、酸触媒又は塩基触媒を含むものであっても構わない。潜在性添加剤が上記化合物Aである場合には、組成物は、酸触媒又は塩基触媒を含むことで、酸触媒及び塩基触媒を含まない場合と比較して、より低温で、保護基R102が脱離可能となるからである。
このような酸触媒としては、塩酸、リン酸、硫酸等の無機酸類;ギ酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸モノイソプロピル等の有機酸類が挙げられる。
上記塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア等の無機塩基類;トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン化合物(有機塩基)類等が挙げられる。
上記酸触媒及び塩基触媒の含有量は、それぞれの種類及び所望の脱離温度等に応じて適宜設定されるものであるが、化合物A100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下とすることができる。
上記その他の成分の合計の含有量は、組成物の固形分100質量部中に30質量部以下とすることができる。
上記組成物は、所望のガラス転移温度の硬化物を得ることができる範囲で、上述の潜在性添加剤以外の添加剤として、フェノール系酸化防止剤及び紫外線吸収剤を含むものであっても構わないが、実質的に含まないことが好ましい。
ここで、実質的に含まないとは、組成物の固形分100質量部中に1質量部以下とすることができ、なかでも、0.01質量部以下であることが好ましく、0.005質量部以下であることが好ましく、0.001質量部以下であることが好ましく、0.0001質量部以下であることが好ましい。
また、上記紫外線吸収剤としては、フェノール性水酸基を有する紫外線吸収剤を挙げることができる。上記紫外線吸収剤としては、例えば、特開2017−008221号公報に記載の2−ヒドロキシベンゾフェノン類、2−(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類、ベンゾエート類、トリアリールトリアジン類等、特開2002−97224号公報に記載のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等を用いることができる。
上記フェノール系酸化防止剤としては、フェノール性水酸基を有する酸化防止剤として一般的に用いられるものとすることができる。上記酸化防止剤としては、例えば、特開平6−179798号公報、特開平11−71355号公報、特開2002−97224号公報等に記載のフェノール系酸化防止剤、特開平7−109380号公報に記載のアルキル置換フェノール系酸化防止剤等を用いることができる。
5.組成物
上記組成物の製造方法は、上記各成分を所望の含有量で配合可能な方法であればよく、上記各成分を同時に添加して混合する方法であってもよく、各成分を順次添加しながら混合する方法であっても構わない。
上記組成物の用途としては、プリント配線基板のレジスト材料の他、レジストインキ、カーフィルター用顔料レジストインキ、半導体封止剤、インキ、プラスチック塗料、紙印刷、フィルムコーティング、家具塗装等の種々のコーティング分野、FRP、ライニング、さらにはエレクトロニクス分野における絶縁ワニス、絶縁シート、積層版、プラズマディスプレイパネル、ディスプレイ素子等の表示媒体や、位相差板、偏光板、光偏光プリズム、各種光フィルター等の光学異方体、塗料、接着剤、絶縁材、構造材、光導波路クラッド等に用いることができる。
上記用途としては、耐熱性、耐光性等が要求される用途、より具体的には、高温環境下でも形状安定性が要求される用途であることが好ましく、例えば、照明装置、発光装置等も挙げることができる。具体的には、上記用途としては、照明装置のリフレクター等を挙げることができる。
6.第2組成物
次に、本開示の組成物の他の態様(以下、第2組成物と称する場合がある。)について説明する。
本開示の第2組成物は、潜在性添加剤と、樹脂成分と、を含むことを特徴とするものである。
上記潜在性添加剤は、機能の活性化に必須の部位が保護基により保護されたものとすることができることで、潜在化されている機能以外にも様々な機能の付与が可能である。
例えば、上記潜在性添加剤は、上記必須部位がフェノール性水酸基であり、そのフェノール性水酸基が保護基により保護されたものである等、必須部位が保護基により保護されていることで、保護基による保護のない添加剤と比較して、樹脂成分等に対する良好な相溶性およびそれによる組成物の保存安定性の向上、良好な耐熱分解性及びそれによる加熱工程通過後における安定的な機能発現等が可能となる。このようなことから、上記第2組成物は、保存安定性や、機能発現性に優れたものとなる。
また、上述のラジカル重合性化合物及び熱ラジカル重合開始剤を含む組成物についても、同様に、保存安定性や、機能発現性に優れたものとなる。
このように、本開示においては、潜在性添加剤を、ラジカル重合性化合物及び熱ラジカル重合開始剤と組み合わせて用いるものに限らず、潜在性添加剤を、様々な樹脂成分と組み合わせて用いた場合にも有用なものとなる。
上記樹脂成分としては、上述のラジカル重合性化合物以外の化合物とすることができ、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー等を用いることができる。
上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂としては、いわゆる汎用のエンジニアリングプラスチックに限らず、耐熱性等に優れたスーパーエンジニアリングプラスチック等も用いることができる。
上記樹脂成分としては、耐熱分解性等の効果を発揮するとの観点からは、可塑化温度の高い熱可塑性樹脂、硬化のために高い硬化温度が要求される熱硬化性樹脂等であることが好ましい。
上記第2組成物は、可塑化温度の高い熱可塑性樹脂として、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルファイド(PPS)等を、潜在性添加剤と組み合わせて用いることができる。
また、上記第2組成物は、硬化温度が高い熱硬化性樹脂として、例えば、ポリイミド等を、潜在性添加剤と組み合わせて用いることができる。
上記潜在性添加剤は、所定の温度以上に加熱することで保護基が脱離するものである場合、上記樹脂成分の可塑化温度及び硬化温度は、保護基が脱離する温度より低い温度であっても、高い温度であっても構わない。
上記熱可塑性樹脂としては、具体的には、加熱により可塑化可能な樹脂であればよく、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイソプレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂(AS)、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ケトン樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリフェニレンサルファイドポリサルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリフェニルサルホン(PPSU)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンエーテル(PPE、変性ポリフェニレンエーテルを含む)、ポリアリレート(PAR)、ポリアミド(PA、ナイロンともいう)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンエーテル(変性ポリフェニレンエーテルを含む)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等ポリエステル樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂(SPS)、超高分子量ポリエチレン、ポリスルホン(PSF)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアリレート(Uポリマー)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、熱可塑性ポリイミド樹脂(TPI)、ポリアミドイミド(PAI)、液晶ポリエステル等を用いることができる。
上記熱硬化性樹脂としては、加熱により硬化して高分子量化可能なものであれば構わない。
上記熱硬化性樹脂としては、ラジカル重合以外の重縮合により硬化可能なものとすることができ、例えば、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ乳酸樹脂、ウレア樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、フラン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエステルイミド(PEsI)、ポリウレタン、ポリエステル(PEst)、ポリベンゾイミダゾール、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
熱硬化性樹脂としてのポリイミドとしては、加熱硬化して高分子量化することでポリイミドとなるものとすることができ、具体的には、ポリイミド前駆体を含むものを用いることができる。上記ポリイミド前駆体としては、ポリアミック酸等を含むものを挙げることができる。
熱硬化性樹脂としてのポリアミドイミド樹脂の市販品としては、例えば、HI406(日立化成社製、商品名)などを用いることができる。また、ポリアミドイミド樹脂としては、例えば極性溶媒中でトリカルボン酸無水物とジイソシアネート類と、を直接反応させたものであっても構わない。
熱硬化性樹脂としてのポリイミドとしては、例えば、Uイミド(ユニチカ社製、商品名)、U−ワニス(宇部興産社製、商品名)、HCIシリーズ(日立化成社、商品名)、オーラム(三井化学社製、商品名)などを挙げることができる。
上記エラストマーとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム、水素化ニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム等も用いることができる。
上記樹脂成分としては、シリコーン樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂等も用いることができる。
上記樹脂成分としては、感光性ポリイミド、感光性ポリイミド前駆体等の露光により硬化する光硬化性樹脂、露光により、現像液に対する溶解性が増加する方向に変化するポジ型樹脂等の感光性樹脂も用いることができる。
上記感光性ポリイミド、感光性ポリイミド前駆体等としては、例えば、特開2016−105183号公報に記載されるものを挙げることができる。
上記ポジ型樹脂としては、例えば、特開2003−192665号公報、特開2004−323704号公報の請求項3、特開平10−10733号公報等に記載されるものを挙げることができる。
上記樹脂成分は、1種類のみを含むものであっても構わないが、2種類以上を組み合わせても構わない。
上記樹脂成分の含有量としては、樹脂成分の種類、第2組成物の用途等に応じて適宜設定することができるが、例えば、上記「2.ラジカル重合性化合物」の項に記載した、重合性化合物の含有量と同様とすることができる。
上記樹脂成分の含有量は、具体的には、組成物の固形分100質量部に対して、1質量部以上99質量部以下とすることができ、50質量部以上98質量部以下であることが好ましく、なかでも、70質量部以上97質量部以下であることが好ましい。
また、上記第2組成物が、樹脂成分及び上述のラジカル重合性化合物を含む場合、上記樹脂成分の含有量は、樹脂成分が有する機能を効果的に発揮するとの観点から、樹脂成分及びラジカル重合性化合物の合計に対して主成分として含まれることが好ましい。
ここで、主成分として含まれるとは、樹脂成分の有する機能を発揮可能な量が含まれていればよく、例えば、上記樹脂成分の含有量が、上記樹脂成分及びラジカル重合性化合物の合計100質量部に対して50質量部以上であるものとすることができ、70質量部以上であることが好ましく、90質量部以上であることが好ましく、100質量部、すなわち、樹脂成分及びラジカル重合性化合物のうち樹脂成分のみを含むものであっても構わない。
上記第2組成物に用いられる潜在性添加剤の種類、含有量等の潜在性添加剤に関する事項、上記第2組成物が含むことができるその他の成分、用途等のその他の事項については、上記「1.潜在性添加剤」、「4.その他の成分」及び「5.組成物」の項に記載の内容と同様とすることができる。
また、上記第2組成物は、潜在性添加剤及び樹脂成分以外に、上述のラジカル重合性化合物、熱ラジカル重合開始剤を更に含むものであっても構わない。このようなラジカル重合性化合物、熱ラジカル重合開始剤に関する事項については、上記「2.ラジカル重合性化合物」、「3.熱ラジカル重合開始剤」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記第2組成物は、樹脂成分として熱硬化性樹脂を含む場合には、その他の成分として、熱硬化を促進する硬化触媒を含むものであっても構わない。
B.硬化物
次に、本開示の硬化物について説明する。
本開示の硬化物は、上述の組成物の硬化物であることを特徴とするものである。
本開示によれば、上述の組成物を用いているため、上記硬化物は、高機能、かつ、ガラス転移温度の高いものとなる。
本開示の硬化物は、上述の組成物を用いるものである。
以下、本開示の硬化物について詳細に説明する。
なお、上記組成物については、上記「A.組成物」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記硬化物は、上記組成物の硬化物であればよく、組成物に含まれる上記潜在性添加剤は、不活化状態であっても、活性状態であっても構わないが、活性状態であることが好ましい。上記硬化物は、高機能なものとなるからである。
なお、不活化状態及び活性状態は、例えば、上記潜在性添加剤が化合物Aで表される化合物である場合、保護基R102が脱離していない状態であれば不活化状態と判断でき、保護基R102が脱離している状態であれば活性状態と判断できる。
また、保護基R102が脱離後である場合、上記硬化物は、通常、化合物Aから保護基R102が脱離した化合物を少なくとも有する。また、保護基R102の脱離後である場合、上記硬化物は、さらに、上記R102由来の脱離物を含むことができる。
上記硬化物は、通常、ラジカル重合性化合物の重合物を含むものである。
上記硬化物に含まれるラジカル重合性化合物の残存率としては、硬化物の用途等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、硬化物100質量部に対して10質量部以下であり、1質量部以下であることが好ましい。
上記硬化物としては、溶剤を実質的に含まないものとすることができる。
上記硬化物に含まれる溶剤の含有量としては、例えば、硬化物100質量部に対して、1質量部以下とすることができ、0.5質量部以下とすることができる。
上記硬化物の平面視形状については、上記硬化物の用途等に応じて適宜設定することができ、例えば、ドット状、ライン状等のパターン状とすることができる。
上記硬化物の用途等については、上記「A.組成物」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記硬化物の製造方法としては、上記組成物の硬化物を所望の形状となるように形成できる方法であれば特に限定されるものではない。
このような製造方法としては、例えば、後述する「C.硬化物の製造方法」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
C.硬化物の製造方法
次に、本開示の硬化物の製造方法について説明する。
本開示の硬化物の製造方法は、上述の組成物を加熱する加熱工程を有することを特徴とするものである。
本開示によれば、上記製造方法は、上述の組成物を用い、かつ、上記工程を有することにより、例えば、ガラス転移温度の高い硬化物を容易に得ることができる。また、上記加熱工程の後に、上記潜在性添加剤を活性化する活性化工程を実施することで、高機能な硬化物を容易に形成できる。
このように、上記製造方法によれば、高機能、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物を容易に得ることができる。
本開示の製造方法は、加熱工程を含むものである。
以下、本開示の製造方法の各工程について詳細に説明する。
なお、上記組成物については、上記「A.組成物」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
1.加熱工程
上記加熱工程は、上述の組成物を加熱する工程である。
上記加熱温度としては、熱ラジカル重合開始剤がラジカルを発生でき、ラジカル重合性化合物同士を重合可能な温度であれば構わない。
また、上記加熱温度としては、潜在性添加剤の活性化を抑制できるものであることが好ましい。
上記加熱温度としては、例えば、潜在性添加剤が上記化合物Aである場合には、保護基R102が脱離する温度未満の温度とすることができる。
このような加熱温度については、上記熱ラジカル重合開始剤及び潜在性添加剤の組み合わせにより調整することができる。
上記加熱温度は、例えば、60℃以上、好ましくは100℃以上300℃以下とすることができる。
加熱時間としては、10秒〜3時間程度とすることができる。
2.活性化工程
上記製造方法は、上記加熱工程の後に、上記潜在性添加剤を活性化する活性化工程を含むことができる。
このような工程を含むことで、高機能な硬化物を容易に形成できるからである。
本工程における上記潜在性添加剤の活性化方法としては、高機能な硬化物を容易に形成できる方法であれば構わないが、例えば、上記硬化物に対して加熱処理する方法とすることができる。
硬化物に対する加熱温度としては、潜在性添加剤の活性化を図ることができるものであればよく、例えば、潜在性添加剤が上記化合物Aである場合には、保護基R102が脱離する温度以上の温度とすることができる。
また、上記加熱温度は、上記組成物が酸触媒、塩基触媒等を含む場合には、保護基R102単独で観察される脱離温度以下とすることができる。
上記加熱温度は、例えば、50℃以上300℃以下とすることができ、60℃以上200℃以下であることが好ましく、なかでも80℃以上200℃以下であることが好ましい。上記加熱温度であることで、硬化物に含まれる他の成分の劣化、硬化物を支持する基材の劣化等を抑制できるからである。
加熱時間としては、5分以上3時間以下とすることができる。
3.その他の工程
上記製造方法は、加熱工程及び活性化工程以外に、必要に応じてその他の工程を含むものであっても構わない。
上記その他の工程としては、例えば、上記組成物を基材上に塗布する工程等を挙げることができる。
組成物を塗布する方法としては、スピンコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の方法を用いることができる。
上記基材としては、硬化物の用途等に応じて適宜設定することができ、ソーダガラス、石英ガラス、半導体基板、金属、紙、プラスチック等を含むものを挙げることができる。
また、上記硬化物は、基材上で形成された後、基材から剥離して用いても、基材から他の被着体に転写して用いても構わない。
4.その他
上記製造方法により製造される硬化物及び用途等については、上記「B.硬化物」の項に記載の内容と同様とすることができる。
本開示の製造方法は、上記組成物が潜在性添加剤と熱硬化性樹脂とを含む第2組成物である場合には、上記加熱工程を、熱硬化性樹脂を硬化する工程として用いることができる。
なお、その場合の加熱温度としては、熱硬化性樹脂を硬化することが可能な温度であればよく、熱硬化性樹脂の種類に応じて設定することができる。
本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下、実施例等を挙げて本開示をさらに詳細に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
[製造例1−1]
フェノール化合物(下記化合物A’1−1)0.01mol、二炭酸ジ−tert−ブチル0.05mol及びピリジン30gを混合し、窒素雰囲気下、室温で4−ジメチルアミノピリジン0.025molを加え、60℃で3時間撹拌した。室温まで冷却後、反応液をイオン交換水150gに注ぎ、クロロホルム200gを加えて油水分離を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、残渣にメタノール100gを加えて晶析を行った。得られた白色粉状結晶を60℃で3時間減圧乾燥させ、目的物(下記一般式(A1−1))を得た。得られた白色粉状結晶が目的物であることはH−NMRにて確認した。結果を下記表1に示す。
なお、得られた化合物は、加熱により活性化できるものである。
[製造例1−2〜1−8]
製造例1−1と同様にして、下記一般式フェノール化合物A’1−2、A’1−3を用いて、下記一般式A1−2、A1−3を合成した。
また、製造例1−1と同様にして、下記一般式フェノール化合物B’1−1、B’2−1及びB’3−1〜B’3−3を用いて、下記一般式B1−1、B2−1、B3−1〜B3−3を合成した。
得られた化合物が目的物であることはH−NMRにて確認した。結果を下記表1に示す。
なお、得られた化合物は、いずれも加熱により活性化できるものである。
[実施例1〜22、比較例1〜12、21〜42]
下記表2〜表6に記載の配合に従って、潜在性添加剤、ラジカル重合性化合物、熱ラジカル重合開始剤を配合して組成物を得た。
また、各成分は以下の材料を用いた。
なお、表中の配合量は、各成分の質量部を表すものである。
比較例1は、潜在性添加剤を添加していないこと以外は、実施例1〜11と同様の組成である。
比較例2〜11は、潜在性添加剤を添加していないこと以外は、それぞれ、実施例12〜22と同様の組成である。
比較例21〜42は、潜在性添加剤の代わりに保護基のない添加剤を添加した以外は、それぞれ、実施例1〜22と同様の組成である。
(潜在性添加剤:加熱により活性化できるもの)
A−1:化合物A1−1(潜在性酸化防止剤)
A−2:化合物A1−2(潜在性酸化防止剤)
A−3:化合物A1−3(潜在性酸化防止剤)
B−1:化合物B1−1(潜在性紫外線吸収剤)
B−2:化合物B2−1(潜在性紫外線吸収剤)
B−3:化合物B3−1(潜在性紫外線吸収剤)
B−4:化合物B3−2(潜在性紫外線吸収剤)
B−5:化合物B3−3(潜在性紫外線吸収剤)
(添加剤)
A’−1:化合物A’1−1(酸化防止剤)
A’−2:化合物A’1−2(酸化防止剤)
A’−3:化合物A’1−3(酸化防止剤)
B’−1:化合物B’1−1(紫外線吸収剤)
B’−2:化合物B’2−1(紫外線吸収剤)
B’−3:化合物B’3−1(紫外線吸収剤)
B’−4:化合物B’3−2(紫外線吸収剤)
B’−5:化合物B’3−3(紫外線吸収剤)
(ラジカル重合性化合物:重合性モノマー)
D−1:イソフタル酸ジアリル(ダイソー株式会社製、ダップ100モノマー、化合物D4、2官能)
D−2:テレフタル酸ジアリル(東京化成工業社製、化合物D4、2官能)
D−3:ジペンタエリスリトール ペンタ及びヘキサアクリレートの混合物(日本化薬社製カヤラッドDPHA、化合物D1、5官能及び6官能)
(ラジカル重合性化合物:重合性樹脂)
E−1:イソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂(日本ユピカ株式会社製8510、融点88℃〜98℃、化合物E4を用いた不飽和ポリエステル)
E−2:ウレタンアクリレート(根上工業社製アートレジンUN−3320、重量平均分子量Mw30000〜220000、不飽和基数 6個〜 15個)
E−3:エポキシアクリレート(昭和電工社製リポキシSPC−1000 固形分29%PGMEA溶液、重量平均分子量Mw30000)
E−4:イソフタル酸ジアリルの部分重合体(ダイソー株式会社製、ダイソーイソダップ、化合物D2の部分重合体(部分重合体D2))
(熱ラジカル重合開始剤)
F−1:ジクミルパーオキサイド(日油株式会社製パークミルD40、過酸化物)
F−2:アゾビスイソブチロニトリル(AIBN、東京化成工業社製 、アゾ系化合物)
[評価]
実施例1〜22及び比較例1〜12、21〜42について、下記の動的粘弾性特性評価並びに発熱ピーク温度及び発熱開始温度の測定を行った。
1.動的粘弾性特性評価
実施例及び比較例の組成物を2枚のガラス板で挟み、110℃で30分加熱することで硬化物を得た。その後、160℃で5分加熱(ポストベーク)することで、厚さ0.24mmの硬化物(評価用サンプル)を作製した。
なお、110℃は、化合物A1−1〜A1−3及びB1−1、B2−1、B3−1〜B3−3の保護基の脱離温度未満の温度であり、160℃は、上記保護基の脱離温度以上の温度である。
粘弾性スペクトロメータ(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、EXSTAR DMS6100)を用いて、評価用サンプルの動的粘弾性特性(損失弾性率E’’、貯蔵弾性率E’)を測定した。
測定条件は、昇温速度5℃/min、サンプル幅5mm、チャック間距離20mm、周波数10Hzの条件とした。
得られた動的粘弾性特性から、ガラス転移温度(Tg)を得た。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、損失弾性率を貯蔵弾性率で除した値である損失正接(tanδ)の最大値を示す温度とした。
その結果、実施例1、比較例1及び比較例11の硬化物のガラス転移温度は、それぞれ、135.6℃、141.4℃及び127.2℃であった。

また、実施例1〜22、比較例1〜12及び比較例21〜42を、下記表7で示される評価組み合わせのように、添加剤及び潜在性添加剤以外の組成が同様のもの同士を比較し、ガラス転移温度(Tg)が高い順に◎、〇、×の評価結果を下記表2〜表6に付した。
例えば、実施例2については、比較例1及び比較例22と比較を行い、その結果、実施例2、比較例1、比較例22は、それぞれ〇、◎、×の評価結果となった。
2.発熱開始温度
実施例及び比較例で得られた組成物について、発熱開始温度を測定した。
なお、発熱開始温度は、ラジカル重合性化合物同士の重合反応の開始に伴い発熱が観察される温度を示すものである。
測定は、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、DSC6220)を用い、得られたDSCチャートから発熱開始温度を求めた。
測定条件は、昇温速度10℃/分、走査温度範囲を25℃〜300℃とした。
その結果、実施例1、比較例1及び比較例11の組成物の発熱開始温度(℃)は、それぞれ、120.4℃、119.0℃、130.1℃であった。
また、実施例1〜22、比較例1〜12及び比較例21〜42を、下記表7で示される評価組み合わせのように、添加剤及び潜在性添加剤以外の組成が同様のもの同士を比較し、発熱開始温度について、温度が低い順に◎、〇、×の評価結果を下記表2〜表6に付した。
例えば、実施例2の発熱開始温度の評価については、比較例1及び比較例22と比較を行い、その結果、実施例2、比較例1、比較例22は、それぞれ〇、◎、×の評価結果となった。
3.耐熱性
「1.動的粘弾性特性評価」と同様にして硬化物(評価用サンプル)を得た。
次いで、オーブンを用いて、評価用サンプルを200℃で2時間熱処理する耐熱性試験を行った。結果を、下記表2〜表6に示す。
評価用サンプルの耐熱性試験前後の波長430nmでの透過率(%)の差((耐熱性試験前の透過率(%)−耐熱性試験前の透過率(%))を測定し、以下の基準で耐熱性評価を行った。
〇:透過率差(%)が1%未満である。
×:透過率差(%)が1%以上である。
なお、耐熱性評価が「〇」であることは、硬化物が酸化防止能に優れていることを示す。
4.耐光性
「1.動的粘弾性特性評価」と同様にして硬化物(試験片)を得た。
耐光性試験機(スガ試験機製、キセノン耐光性試験機 テーブルサンXT−1500L)を用いて、評価用サンプルに対して96時間耐光性試験を実施した。結果を、下記表2〜表6に示す。
評価用サンプルの耐光性試験前後の波長430nmでの透過率(%)の差((耐光性試験前の透過率(%)−耐光性試験後の透過率(%))を測定し、以下の基準で耐光性評価を行った。
〇:透過率差(%)が3%未満である。
×:透過率差(%)が3%以上である。
なお、耐光性評価が「〇」であることは、硬化物が紫外線吸収能に優れていることを示す。
[まとめ]
比較例1と、実施例1及び比較例21とを比較すると、通常の添加剤を含む比較例21は、比較例1との比較でガラス転移温度が10℃以上低下した。これに対して、潜在性添加剤を含む実施例1では、比較例1との比較でガラス転移温度の低下が10℃以内、より具体的には6℃以内であった。
このように、潜在性添加剤を含む組成物を用いた場合は、通常の添加剤を含む組成物を用いた場合と比較して、得られる硬化物のガラス転移温度の低下が十分に抑制されていること、すなわち、ガラス転移温度が高い硬化物が得られることが確認できた。
また、表2〜表6より、実施例の組成物を用いた場合は、紫外線吸能、酸化防止能等の機能を有し、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物を得ることができることが確認できた。
例えば、実施例1〜21と、比較例21〜41と、を比較すると、同質量の添加剤又は潜在性添加剤を添加した場合には、潜在性添加剤を用いたものは、ガラス転移温度が高い硬化物を製造できることが確認できた。
また、実施例の組成物が、潜在性添加剤として潜在性酸化防止剤を含む場合には、酸化防止能を有し、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物を得ることができることが確認できた。
さらに、実施例の組成物が、潜在性添加剤として潜在性紫外線吸収剤を含む場合には、紫外線吸収能を有し、かつ、ガラス転移温度の高い硬化物を得ることができることが確認できた。
また、このようなことから、上記硬化物は、高機能であり、かつ、高温環境下において形状安定性が要求される用途に好適に用いることができることが確認できた。

Claims (7)

  1. 潜在性添加剤と、
    ラジカル重合性化合物と、
    熱ラジカル重合開始剤と、
    を有する組成物。
  2. 前記潜在性添加剤が、下記一般式(A)で表される化合物である請求項1に記載の組成物。

    (式中、環Aは、五員環又は六員環の炭化水素環又は複素環を表し、
    101は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、
    102は、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又はトリアルキルシリル基を表し、
    複数のR101同士は結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
    複数のR101及びR102はそれぞれ同じであるか、又は異なっており、
    nは、1〜10の整数を表し、
    dは、0〜4の整数を表し、
    kは、1以上の整数を表し、
    d及びkの合計は、環Aが取り得る置換基の数より少なく、
    Xは、n価の結合基を表す。)
  3. 前記ラジカル重合性化合物が、下記一般式(C2)で表される構造を有する化合物を含む請求項1又は請求項2に記載の組成物。

    (式中、X1cは、m11価の結合基を表し、
    m11は、1〜10の整数を表す。)
  4. 前記一般式(C2)で表される構造を有する化合物が、下記一般式(D2)で表される化合物、飽和多塩基酸として下記一般式(E2)を用いた不飽和ポリエステル樹脂及び下記一般式(D2)で表される化合物の部分重合体から選択される少なくとも1種類の化合物を含む請求項3に記載の組成物。

    (式中、R1d、R2d及びR3dは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
    11dは、二価の結合基である、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
    2dは、2d価の結合基を表し、
    2dは、1〜10の整数を表す。)

    (式中、R11eは、二価の結合基である、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
    2eは、2e価の結合基を表し、
    2eは、1〜10の整数を表す。)
  5. 前記潜在性添加剤の含有量が、前記組成物の固形分100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下であり、
    前記ラジカル重合性化合物の含有量が、前記組成物の固形分100質量部に対して、1質量部以上99質量部以下であり、
    前記熱ラジカル重合開始剤の含有量が、前記組成物の固形分100質量部に対して、0.05質量部以上10質量部以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかの1項に記載の組成物の硬化物。
  7. 請求項1〜5のいずれかの1項に記載の組成物を加熱する加熱工程を有する硬化物の製造方法。
JP2017252615A 2017-12-07 2017-12-27 組成物、硬化物及び硬化物の製造方法 Pending JP2019099781A (ja)

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