JPWO2019069835A1 - 組成物、硬化物及び硬化物の製造方法 - Google Patents

組成物、硬化物及び硬化物の製造方法 Download PDF

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Abstract

一般式(A1)、(A2)又は(A3)で表される化合物Aと、一般式(B)で表される化合物Bと、を含む組成物を提供する。一般式(A1)、(A2)及び(A3)におけるR9、及び、一般式(B)におけるR11は、いずれも、酸素原子側の末端のメチレン基が−CO−O−に置き換えられている炭素原子数1〜20のアルキル基であることが好ましい。【化1】【化2】(式中の符号は、明細書を参照)

Description

本発明は、組成物に関するものである。
硬化性組成物の耐光性や耐熱性等の耐久性を向上させるために、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を添加して安定化させる方法が知られている(特許文献1〜3)。
特開2011-048382号公報 US2016016919A1 特開2015-108649号公報
しかしながら、上述の酸化防止剤を添加した場合でも十分な耐久性を有する硬化物を得ることができない場合がある。
このような問題に対して、本発明者等は、フェノール系酸化防止剤がポリマーの劣化に大きく影響するラジカルをトラップする作用があること、このような作用を有するために、フェノール系酸化防止剤を重合系内に添加すると、一般に、いわゆる重合禁止剤として作用し、硬化阻害を生じる場合があることを見出した。
このような問題に対して、重合系内では上述の作用が不活性化され、硬化後に活性化可能な潜在性酸化防止剤、潜在性紫外線吸収剤等の潜在性添加剤が知られている。
しかしながら、潜在性添加剤を用いた場合でも、十分な耐久性を有する硬化物を得ることができない場合及び硬化物の製造が困難な場合がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、例えば、耐久性を有する硬化物を製造可能であり、かつ、硬化物の製造が容易な組成物を提供することを主目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、フェノール性水酸基が保護基により保護され、保護基の脱離後に酸化防止能を示す化合物及び保護基の脱離後に紫外線吸収能を示す化合物の両者を併用することにより、優れた耐久性を有する硬化物を得られること、及び硬化物の製造が容易となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(A1)、(A2)又は(A3)で表される化合物Aと、下記一般式(B)で表される化合物Bと、を含む組成物を提供する。


(式中、R、R、R’、R’、R”及びR”は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又は−O−Rを表し、
及びRの少なくとも一方は、上記−O−Rであり、
’及びR’の少なくとも一方は、上記−O−Rであり、
”及びR”の少なくとも一方は、上記−O−Rであり、
、R、R、R、R及びR並びにR14は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、
及びR11は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又はトリアルキルシリル基を表し、
12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜40のアルキル基を表し、
上記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基及びトリアルキルシリル基中のメチレン基は、炭素−炭素二重結合、−O−、−S−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−S−CO−O−、−O−CO−S−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NR'−、>P=O、−S−S−、−SO−又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基及びトリアルキルシリル基は置換基を有している場合があり、
R’は、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、
複数のR同士、複数のR同士、複数のR同士、複数のR同士及び複数のR同士並びに複数のR14同士は、それぞれ結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
複数のR、R、R、R、R及びR並びにR14は、それぞれ同じである場合も異なっている場合もあり、
m1及びm2は、それぞれ独立に、1〜10の整数を表し、
m3は、1〜3の整数を表し、
nは、1〜10の整数を表し、
a1は、0〜4の整数を表し、
a2は、0〜2の整数を表し、
a3は、0〜4の整数を表し、
a4は、0〜3の整数を表し、
a5は、0〜3の整数を表し、
a6は、0〜3−m3の整数を表し、
b1は、0〜2の整数を表し、
a1は、直接結合又はm1価の原子若しくは結合基を表し、Xa2は、直接結合又はm2価の原子若しくは結合基を表し、Xは、直接結合又はn価の原子若しくは結合基を表す。)
本発明によれば、上記化合物A及び上記化合物Bは、それぞれ上記一般式で表される構造を有するため、フェノール性水酸基を保護しているR及びR11が脱離することで、それぞれ紫外線吸収能及び酸化防止能を示す。
このような化合物A及び化合物Bを併用することで、組成物は、耐久性に優れた硬化物を得ることができる。
また、上記化合物A及び上記化合物Bはそれぞれ、R及びR11によりフェノール性水酸基が保護されていることで、硬化阻害の発生を抑制できる。このため、上記組成物は、容易に硬化できる。
このようなことから、上記組成物は、耐久性を有する硬化物を製造可能であり、かつ、硬化物の製造が容易なものとなる。
本発明においては、上記R及びR11は、酸素原子側の末端のメチレン基が−CO−O−に置き換えられている炭素原子数1〜20のアルキル基であることが好ましい。化合物A及び化合物Bは、R及びR11の脱離が容易なものとなるからである。
本発明においては、上記化合物Aの含有量が、上記化合物A及び上記化合物Bの合計100質量部に対して、1質量部以上99質量部以下であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲であることで、上記組成物は、優れた耐久性を有するからである。
本発明においては、上記組成物は、重合性化合物を含むことが好ましい。上記組成物は、硬化物の製造が容易であるとの効果をより効果的に発揮できるからである。
本発明は、上述の組成物の硬化物を提供する。
本発明によれば、上述の組成物を用いているため、上記硬化物は、製造が容易であり、また、耐久性に優れる。
本発明は、上述の組成物の硬化物を形成する工程を有する硬化物の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記製造方法は、上述の組成物を用い、かつ、上記工程を有することにより、例えば、硬化物の製造が容易となる。また、上記工程の後に、上記化合物Aに含まれる保護基R及び上記化合物Bに含まれる保護基R11を脱離する工程を実施することで、耐久性を有する硬化物を容易に得ることができる。
本発明は、組成物、その硬化物及び硬化物の製造方法に関するものである。
以下、本発明の組成物、硬化物及び硬化物の製造方法について詳細に説明する。
A.組成物
まず、本発明の組成物について説明する。
本発明の組成物は、下記一般式(A1)、(A2)又は(A3)で表される化合物Aと、下記一般式(B)で表される化合物Bと、を含むことを特徴とするものである。


(式中、R、R、R’、R’、R”及びR”は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又は−O−Rを表し、
及びRの少なくとも一方は、上記−O−Rであり、
’及びR’の少なくとも一方は、上記−O−Rであり、
”及びR”の少なくとも一方は、上記−O−Rであり、
、R、R、R、R及びR並びにR14は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、
及びR11は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又はトリアルキルシリル基を表し、
12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜40のアルキル基を表し、
上記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基及びトリアルキルシリル基中のメチレン基は、炭素−炭素二重結合、−O−、−S−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−S−CO−O−、−O−CO−S−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NR'−、>P=O、−S−S−、−SO−又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基及びトリアルキルシリル基は置換基を有している場合があり、
R’は、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、
複数のR同士、複数のR同士、複数のR同士、複数のR同士及び複数のR同士並びに複数のR14同士は、それぞれ結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
複数のR、R、R、R、R及びR並びにR14は、それぞれ同じである場合も異なっている場合もあり、
m1及びm2は、それぞれ独立に、1〜10の整数を表し、
m3は、1〜3の整数を表し、
nは、1〜10の整数を表し、
a1は、0〜4の整数を表し、
a2は、0〜2の整数を表し、
a3は、0〜4の整数を表し、
a4は、0〜3の整数を表し、
a5は、0〜3の整数を表し、
a6は、0〜3−m3の整数を表し、
b1は、0〜2の整数を表し、
a1は、直接結合又はm1価の原子若しくは結合基を表し、Xa2は、直接結合又はm2価の原子若しくは結合基を表し、Xは、直接結合又はn価の原子若しくは結合基を表す。)
本発明によれば、上記化合物Aは、フェノール性水酸基を保護しているRが脱離することで、紫外線吸収能を示すことができる。
また、上記化合物Bは、フェノール性水酸基を保護しているR11が脱離することで、酸化防止能を示すことができる。
このため、例えば、上記組成物は、耐光性及び耐熱性の両者に優れた耐久性に優れた硬化物等を製造できる。
ここで、化合物A及び化合物Bを併用することで、耐久性に優れた硬化物を得ることができる理由については、以下のように推察される。
すなわち、化合物Aは、Rによりフェノール性水酸基が保護されていない状態と比較して、光硬化のために照射された光の吸収が少ない。
また、化合物Bは、R11によりフェノール性水酸基が保護されていない状態と比較して、ラジカルの捕捉作用が低い。
このようなことから、化合物A及び化合物Bは、それぞれR及びR11によりフェノール性水酸基が保護されていることで、例えば、光硬化性組成物等の硬化阻害の発生を抑制できる。
しかしながら、化合物A又は化合物Bの一方を用いて、例えば、従来公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤等と組み合わせた場合には、上述のような硬化阻害抑制の機能を十分に発揮できない場合がある。
例えば、フェノール系酸化防止剤を化合物Aと組み合わせた場合だと、フェノール系酸化防止剤によるラジカルをトラップする作用により、硬化阻害が生じる。その結果、硬化が不十分となることによる耐久性の低下と共に、フェノール系酸化防止剤、R脱離後の化合物A等がブリードアウトし易くなることにより生じる耐久性の低下が生じる。
一方、紫外線吸収剤を化合物Bと組み合わせた場合だと、紫外線吸収剤による光吸収作用により、硬化のために照射される光も吸収し、硬化阻害が生じる。その結果、硬化が不十分となることによる耐久性の低下と共に、紫外線吸収剤、R11脱離後の化合物B等がブリードアウトし易くなることにより生じる耐久性の低下が生じる。
このようなことから、例えば、化合物A及び化合物Bを、単独で用い、従来公知の酸化防止剤等と組み合わせた場合には、耐久性に優れた硬化物を得られない場合がある。
これに対して、本発明においては、化合物A及び化合物Bを併用するため、上述のような、硬化阻害の発生を抑制でき、十分に硬化することが容易となり、ブリードアウトが抑制されるため、得られた硬化物は優れた耐久性を発揮できる。
また、フェノール性水酸基を有する酸化防止剤及び紫外線吸収剤は、フェノール性水酸基の影響により、組成物中で凝集しやすく、組成物に対する添加量の増量が困難であるとともに、凝集することでその機能を十分に発揮できない。
これに対して、化合物A及び化合物Bは、フェノール性水酸基がそれぞれR及びR11により保護された構造を有することで、組成物中での分散安定性に優れる。
その結果、化合物A及び化合物Bは、従来のフェノール性水酸基を有する酸化防止剤及び紫外線吸収剤と比較して、組成物に対する添加量の増量が容易であるとともに、硬化物内で分散容易であることで、その機能を十分に発揮できる。
このような点からも、化合物A及び化合物Bを併用して、酸化防止能及び紫外線吸収能を付与することで、耐久性に優れた硬化物を得ることができるのである。
さらに、上述のように、化合物A及び化合物Bは、R及びR11によりフェノール性水酸基が保護されていることで、例えば、光硬化性組成物等の硬化阻害の発生を抑制できる。
このようなことから、上記組成物により、硬化物の製造が容易なものとなる。
また、フェノール系紫外線吸収剤を化合物Bと組み合わせた場合では、組成物の厚み方向に沿って光の透過量が大きく低下することで、例えば、硬化物及び基材の間の密着力が低下し、硬化物が基材から剥離しやすくなるといった不具合も生じる。
しかしながら、本発明においては、化合物A及び化合物Bを併用するため、上述のような、硬化時に照射される光の吸収を抑制できる結果、基材との剥離が抑制された硬化物を得ることができる。
さらに、上記組成物は、例えば、樹脂成分として、感光性樹脂等の光照射によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する成分を含む場合に、例えば、感光性発現のために照射される光の吸収能が低く、感光性を安定的に発現可能となる。
このようなことから、上記組成物は、例えば、感光性、耐久性等に優れた感光性組成物とすることができる。
本発明の組成物は、化合物A及び化合物Bを有するものである。
以下、本発明の組成物の各成分について詳細に説明する。
1.化合物A及び化合物Bの含有量
上記化合物Aの含有量としては、組成物が、所望の耐久性を有する硬化物を製造可能なものであればよく、例えば、上記組成物の固形分100質量部に対して、0.001質量部以上20質量部以下とすることができ、なかでも、0.005質量部以上10質量部以下であることが好ましく、特に、0.1質量部以上8質量部以下であることが好ましく、なかでも特に、1質量部以上6質量部以下であることが好ましい。化合物Aをこのような量で含有する上記組成物は、耐久性を有する硬化物を製造容易であり、かつ、硬化物の製造が一層容易となるからである。また、上述の含有量であることで、組成物中に安定に分散容易だからである。
また紫外線吸収剤は通常、用いられる部材の膜厚が薄いほど、その含有量の増加が求められる場合がある。したがって、上記組成物の硬化物を薄膜部材に用いた場合でも、十分な紫外線吸収能を発揮できるものとするとの観点からは、上記化合物Aの含有量の下限は、上記組成物の固形分100質量部に対して、例えば、2質量部以上であることが好ましく、なかでも、3質量部以上であることが好ましく、5質量部以上であることが好ましい。上記下限であることで、例えば、薄膜部材である場合でも十分な紫外線吸収能を容易に付与できるからである。
なお、固形分とは、溶剤以外のすべての成分を含むものである。
また、本稿において、特に断りがない場合には、含有量は質量基準である。
上記化合物Aの含有量としては、溶剤等の含有量によって異なるものであるが、例えば、上記組成物100質量部中に、0.001質量部以上20質量部以下とすることができる。上述の含有量であることで、組成物中に安定に分散容易だからである。
上記化合物Aの含有量は、組成物が、所望の耐久性を有する硬化物を製造可能なものであればよく、例えば、上記化合物A及び上記化合物Bの合計100質量部に対して、1質量部以上99質量部以下とすることができ、なかでも、15質量部以上85質量部以下であることが好ましく、特に、20質量部以上80質量部以下であることが好ましい。化合物Aをこのような量で含有する上記組成物は、耐久性を有する硬化物を製造容易であり、かつ、硬化物の製造が一層容易となるからである。
上記化合物Bの含有量としては、組成物が、所望の耐久性を有する硬化物を製造可能なものであればよく、例えば、上記組成物の固形分100質量部に対する含有量として、0.001質量部以上20質量部以下とすることができ、なかでも、0.005質量部以上10質量部以下であることが好ましく、特に、0.1質量部以上8質量部以下であることが好ましく、なかでも特に、1質量部以上6質量部以下であることが好ましい。化合物Bをこのような量で含有する上記組成物は、耐久性を有する硬化物を製造容易であり、かつ、硬化物の製造が一層容易となるからである。
上記化合物Bの含有量としては、溶剤等の含有量によって異なるものであるが、例えば、上記組成物100質量部中に、0.001質量部以上20質量部以下とすることができる。上述の含有量であることで、組成物中に安定に分散容易だからである。また、化合物Bをこのような量で含有する上記組成物は、耐久性を有する硬化物を製造容易であり、かつ、硬化物の製造が一層容易となるからである。
上記化合物A及び上記化合物Bの合計の含有量は、組成物が、所望の耐久性を有する硬化物を製造可能なものであればよく、例えば、組成物の固形分100質量部に対して、0.01質量部以上20質量部以下とすることができ、なかでも、0.05量部以上15質量部以下であることが好ましく、特に、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、なかでも特に、1質量部以上8質量部以下であることが好ましい。化合物A及び化合物Bをこのような量で含有する上記組成物は、耐久性を有する硬化物を製造容易であり、かつ、硬化物の製造が一層容易となるからである。
また、上記組成物の硬化物を薄膜部材に用いた場合でも、十分な紫外線吸収能を発揮できるものとするとの観点からは、上記化合物A及び化合物Bの含有量の下限は、組成物の固形分100質量部に対して、2質量部以上であることが好ましく、なかでも3質量部以上であることが好ましく、特に、4質量部以上であることが好ましい。上記下限であることで、例えば、薄膜部材である場合にも十分な紫外線吸収能を容易に付与できるからである。
上記化合物A及び上記化合物Bの合計の含有量は、溶剤等の含有量によって異なるものであるが、例えば、組成物100質量部中に、0.001質量部以上20質量部以下とすることができる。上述の含有量であることで、組成物中に安定に分散容易だからである。化合物A及び化合物Bをこのような量で含有する上記組成物は、耐久性を有する硬化物を製造容易であり、かつ、硬化物の製造が一層容易となるからである。
2.化合物A
上記化合物Aは、上述した一般式(A1)、(A2)又は(A3)で表されるものである。
また、上記化合物Aは、フェノール性水酸基が保護基Rにより保護された構造を有し、上記保護基Rの脱離後に、紫外線吸収能を有するものとすることができる。
紫外線吸収能を有するとは、例えば、波長250nm以上450nm以下の範囲の光を吸収できるものとすることができる。
紫外線吸収能を有するとは、より具体的には、波長250nm以上600nm以内の範囲で、最大吸収波長が、250nm以上400nm以下であるものとすることができ、なかでも、260nm以上390nm以下であるものが好ましく、特に、280nm以上380nm以下であるものが好ましい。上記組成物は、耐久性を有する硬化物を製造容易となるからである。
なお、以下、最大吸収波長の測定方法としては、例えば、溶媒、例えばクロロホルム中に0.01g/Lの濃度となるように溶解したものを用いることができる。
また、最大吸収波長は、例えば、評価用サンプルを、石英セル(光路長10mm、厚み1.25mm)に充填し、吸光光度計(例えば、U−3900(日立ハイテクサイエンス社製)を用いて吸光度を測定することで得ることができる。
上記化合物Aは、上記保護基Rの脱離後と比較して、波長250nm以上600nm以下の範囲で、最大吸収波長が、短波長側であるものとすることができる。
上記化合物Aの、上記保護基Rの脱離後との最大吸収波長の差は、1nm以上とすることができ、なかでも1nm以上100nm以下であることが好ましく、特に、1nm以上50nm以下であることが好ましい。最大吸収波長の差が上記範囲であることで、上記化合物Aは、硬化阻害抑制効果に優れたものとなるからである。
上記化合物Aは、加熱により保護基Rが脱離するものとすることができる。
上記化合物Aに含まれる保護基Rが脱離する温度としては、例えば、100℃以上300℃以下とすることができ、なかでも、120℃以上250℃以下であることが好ましく、150℃以上230℃以下であることが好ましい。上記脱離温度であることで、上記組成物は、耐久性を有する硬化物の製造が容易となるからである。
脱離温度は、STA(示差熱熱重量同時測定装置)を用いて測定し、第1重量減少の開始温度とすることができる。
第1重量減少の開始温度の測定条件は、例えば、測定容器に化合物A10mgを充填して、測定温度範囲:30℃〜350℃、昇温速度:10℃/minとすることができる。
示差熱熱重量同時測定装置としては、STA7000((株)日立ハイテクサイエンス製)を用いることができる。
上記化合物Aは、なかでも、上記一般式(A1)又は(A3)で表されるものであることが好ましい。そのような上記組成物は、耐久性を有する硬化物を製造容易だからである。
上記R、R、R’、R’、R”、R” 、R、R、R、R、R及びR並びにR(以下、これらをまとめてR等と称する場合がある。)に用いられる炭素原子数1〜40のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、iso−ブチル、アミル、iso−アミル、tert−アミル、シクロペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、iso−ヘプチル、tert−ヘプチル、1−オクチル、iso−オクチル、tert−オクチル、アダマンチル等を挙げることができる。
なお、Rに用いられる炭素原子数1〜20のアルキル基としては、上記R等に用いられる炭素原子数1〜40のアルキル基のうち、所定の炭素原子数を満たすものを挙げることができる。
上記R等に用いられる炭素原子数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニル等を挙げることができる。
上記R等に用いられる炭素原子数7〜20のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル、フルオレニル、インデニル、9−フルオレニルメチル基等を挙げることができる。
上記R等に用いられる炭素原子数2〜20の複素環含有基としては、例えば、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル、2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル等を挙げることができる。
に用いられる炭素原子数2〜20のアルケニル基としては、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、2−ペンテニル、2−オクテニル等が挙げられる。
に用いられるトリアルキルシリル基としては、トリメチルシラン、トリエチルシラン、エチルジメチルシラン等が挙げられる。
上記R’に用いられる炭素原子数1〜8のアルキル基としては、R等に用いられるアルキル基として例示したものうち、所定の炭素原子数を満たすものを挙げることができる。
なお、上記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基、アルケニル基及びトリアルキルシリル基等の各基は、置換基を有している場合があるものであり、特に断りがない限り、置換基を有していないか又は置換基を有しているものである。
このようなアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基、アルケニル基及びトリアルキルシリル基等の水素原子を置換する置換基としては、例えば、ビニル、アリル、アクリル、メタクリル等のエチレン性不飽和基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;アセチル、2−クロロアセチル、プロピオニル、オクタノイル、アクリロイル、メタクリロイル、フェニルカルボニル(ベンゾイル)、フタロイル、4−トリフルオロメチルベンゾイル、ピバロイル、サリチロイル、オキザロイル、ステアロイル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル、カルバモイル等のアシル基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等のアシルオキシ基;アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、クロロフェニルアミノ、トルイジノ、アニシジノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ,ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、ホルミルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等の置換アミノ基;スルホンアミド基、スルホニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、メルカプト基、イミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、ホスホン酸基、リン酸基又はカルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、リン酸基の塩等を挙げることができる。
本発明において、基の炭素原子数は、基中の水素原子が置換基で置換されている場合、その置換後の基の炭素原子数を規定する。例えば、上記炭素原子数1〜40のアルキル基の水素原子が置換されている場合、炭素原子数1〜40とは、水素原子が置換された後の炭素原子数を指し、水素原子が置換される前の炭素原子数を指すのではない。
、R、R’、R’、R”及びR”で表されるアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基、R、R、R、R、R及びRで表されるアルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基、並びに、Rで表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基、トリアルキルシリル基の各基におけるメチレン基は、炭素−炭素二重結合、−O−、−S−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−S−CO−O−、−O−CO−S−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NR'−、>P=O、−S−S−、−SO−又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合がある。但し、置き換わり後の各基の炭素原子数は1以上である。
例えば、上記アルキル基の端部のメチレン基が−O−で置き換えられたアルコキシ基としては、メチルオキシ、エチルオキシ、iso−プロピルオキシ、ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシ、iso−ブチルオキシ、アミルオキシ、iso−アミルオキシ、tert−アミルオキシ、ヘキシルオキシ、2−ヘキシルオキシ、3−ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、4−メチルシクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、2−ヘプチルオキシ、3−ヘプチルオキシ、iso−ヘプチルオキシ、tert−ヘプチルオキシ、1−オクチルオキシ、iso−オクチルオキシ、tert−オクチルオキシ等が挙げられる。
本発明において、基の炭素原子数は、基中のメチレン基が上記2価の基で置き換わっている場合、その置換後の基の炭素原子数を規定する。例えば、本明細書中、炭素原子数1〜40のアルキル基中のメチレン基が上記2価の基で置き換わっている場合、該「炭素原子数1〜40」とは、メチレン基が置き換わった後の炭素原子数を指し、メチレン基が置き換わる前の炭素原子数を指すのではない。従って「末端のメチレン基が−CO−O−で置き換えられている、炭素原子数1〜20のアルキル基」は、−CO−O−R200(R200は炭素原子数1〜19のアルキル基)に該当するものである。また、「末端のメチレン基が−O−で置き換えられている、炭素原子数1〜20のアルキル基」は、−O−R201(R201は炭素原子数1〜20のアルキル基)に該当するものである。
上記R及びRの少なくとも一方が、上記−O−Rである。
上記R及びRは、耐久性を有する硬化物の製造が容易となり、さらに合成容易の観点からは、一方が、上記−O−Rであることが好ましい。
上記R及びRは、紫外線吸収能の変化を大きいものとする観点からは、R及びRの両者が−O−Rであることが好ましい。
上記R及びRは、一方のみが−O−Rである場合、他方は水素原子、水酸基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基であることが好ましく、なかでも水素原子、炭素原子数1〜40のアルキル基であることが好ましく、特に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基であることが好ましく、中でも特に、水素原子、無置換の炭素原子数1〜5のアルキル基であることが好ましい。上記R及びRの他方が、上記の基であることで、上記化合物Aは、紫外線吸収能の変化が大きいものとなるからである。また、上記化合物Aは、硬化阻害の発生が抑制できるからである。R及びRについて上記で述べた事項は全て、R’及びR’に当てはまり、またR”及びR”にも当てはまる。
上記Rは、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基であることが好ましく、なかでも、炭素原子数1〜20のアルキル基であることが好ましく、特に、炭素原子数1〜8のアルキル基であることが好ましい。上記化合物Aは、紫外線吸収能の変化が大きいものとなるからである。また、上記組成物は、耐久性を有する硬化物の製造が容易となるからである。
上記Rは、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基である場合に、酸素原子側の末端のメチレン基が−CO−O−に置き換えられているもの、すなわち、酸素原子側の末端に−CO−O−が結合しているものであることが好ましい。
上記Rは、より具体的には酸素原子側の末端のメチレン基が−CO−O−に置き換えられている、炭素原子数1〜20のアルキル基又は炭素原子数2〜20のアルケニル基であることが好ましい。
酸素原子側の末端のメチレン基が−CO−O−に置き換えられている、炭素原子数1〜20のアルキル基又は炭素原子数2〜20のアルケニル基とは、「*−CO−O−R300」で表される基である。「」内の式中、*は酸素原子との結合手を示し、R300は炭素原子数1〜19のアルキル基又は炭素原子数2〜19のアルケニル基を示す。
としては、「*−CO−O−R300」で表される基のなかでも、酸素原子側の末端のメチレン基が−CO−O−に置き換えられている炭素原子数1〜20のアルキル基であることが好ましく、特に、酸素原子側の末端のメチレン基が−CO−O−に置き換えられている炭素原子数1〜8のアルキル基であることが好ましく、中でも特に、酸素原子側の末端のメチレン基が−CO−O−に置き換えられている、置換基を有していない炭素原子数1〜8のアルキル基であることが好ましく、中でも−CO−O−Cで表される基であることが好ましく、特に−CO−O−tert-ブチル基であることが好ましい。上記化合物Aは、例えば、加熱により容易にRが脱離し、フェノール性水酸基を生成できるからである。またその結果、上記組成物は、耐久性を有する硬化物の製造が容易となるからである。
なお、酸素原子側の末端のメチレン基が−CO−O−に置き換えられているアルキル基を有するものとしては、例えば、後述する一般式(A1−1)で表される化合物等を挙げることができる。
上記R、R、R、R、R及びRは、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基であるが、ハロゲン原子、炭素原子数1〜40のアルキル基であることが好ましく、置換基を有していない炭素原子数1〜40のアルキル基、置換基として、エチレン性不飽和基を有する炭素原子数1〜40のアルキル基、端部のメチレン基が−O−で置き換えられた炭素原子数1〜40のアルキル基(炭素原子数1〜40のアルコキシ基)、メチレン基が−O−CO−で置き換えられた炭素原子数1〜40のアルキル基、又は端部のメチレン基が−O−で置き換えられ、且つ、鎖中のメチレン基が−O−CO−で置き換えられた炭素原子数1〜40のアルキル基(炭素原子数1〜40のアルコキシ基)であることが好ましく、置換基を有していない炭素原子数1〜20のアルキル基、置換基を有していない炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換基として、エチレン性不飽和基を少なくとも有する、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、メチレン基が−O−CO−で置き換えられた置換基を有していない炭素原子数1〜20のアルキル基、又は鎖中のメチレン基が−O−CO−で置き換えられた置換基を有していない炭素原子数1〜20のアルコキシ基であることが好ましく、特に、置換基を有していない炭素原子数1〜10のアルキル基、置換基を有していない炭素原子数1〜10のアルコキシ基、置換基として、エチレン性不飽和基を少なくとも有する、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、メチレン基が−O−CO−で置き換えられた置換基を有していない炭素原子数1〜10のアルキル基、又は鎖中のメチレン基が−O−CO−で置き換えられた置換基を有していない炭素原子数1〜10のアルコキシ基であることが好ましい。
上記Rは、なかでもハロゲン原子であることが好ましい。
上記Rは、なかでも、置換基を有していない炭素原子数1〜10のアルコキシ基であることが好ましい。
上記Rは、置換基を有していない炭素原子数1〜20のアルキル基も好ましく用いることができ、なかでも、置換基を有していない炭素原子数3〜15のアルキル基であることが好ましく、置換基を有していない炭素原子数5〜12のアルキル基であることが好ましい。
上記R及びRは、置換基を有していない炭素原子数1〜10のアルキル基も好ましく用いることができ、なかでも、置換基を有していない炭素原子数1〜5のアルキル基であることが好ましい。
上記Rは、置換基を有していない炭素原子数1〜10のアルキル基又は置換基として、エチレン性不飽和基を少なくとも有する、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であることが好ましく、置換基を有していない炭素原子数1〜5のアルキル基、置換基として、エチレン性不飽和基を少なくとも有する、炭素原子数2〜6のアルコキシ基であることが好ましい。
上記Rは、置換基を有していない炭素原子数1〜15のアルコキシ基も好ましく用いることができ、なかでも、置換基を有していない炭素原子数2〜8のアルコキシ基であることが好ましい。
なお、置換基を有していない炭素原子数1〜10のアルコキシ基を有するものとしては、例えば、後述する一般式(A3−1)で表される化合物等を挙げることができ、
置換基として、エチレン性不飽和基を少なくとも有する、炭素原子数1〜10のアルコキシ基を有するものとしては、例えば、後述する一般式(A3−2)で表される化合物等を挙げることができる。
上記R、R、R、R、R及びRが、上述の基であることで、上記組成物は、耐久性を有する硬化物の製造が容易となるからである。
また、Rの結合位置は、結合し得るいずれの位置であってもよいが、例えば、−O−Rの結合位置に対して、パラ位であることが好ましい。
また、Rの結合位置は、結合し得るいずれの位置であってもよいが、例えば、−O−Rの結合位置に対して、メタ位であることが好ましい。
また、Rの結合位置は、結合し得るいずれの位置であってもよいが、例えば、−O−Rの結合位置に対して、メタ位であることが好ましい。
また、Rの結合位置は、結合し得るいずれの位置であってもよいが、例えば、−O−Rの結合位置に対して、オルト位又はメタ位であってもよい。
上記a1及びa3は、0〜4の整数であるが、耐久性を有する硬化物の製造が容易となり、さらに合成の容易さの観点からは、それぞれ独立に、0〜3の整数であることが好ましく、なかでも、0〜2の整数であることが好ましく、特に、0〜1であることが好ましい。
上記a2は、0〜2の整数であるが、溶解性の観点から、1〜2であることが好ましい。上記組成物は、耐久性を有する硬化物の製造が容易となるからである。
上記a4及びa5は、0〜3の整数であるが、耐久性を有する硬化物の製造が容易となり、さらに、合成の容易さの観点から、0〜2の整数であることが好ましく、なかでも1〜2であることが好ましい。
上記a6は、0〜3−m3の整数であるが、耐久性を有する硬化物の製造が容易となり、さらに合成の容易さの観点から、0〜1の整数であることが好ましく、0であることが好ましい。
上記m1は、1〜10の整数であるが、耐久性に優れた硬化物を得るとの観点からは、2以上であることが好ましく、なかでも、2〜6の整数であることが好ましく、特に、2〜4の整数であることが好ましい。
上記m2は、1〜10の整数であるが、耐久性に優れた硬化物を得るとの観点からは、1〜5の整数であることが好ましく、特に、1〜2の整数であることが好ましい。
上記m3は、1〜3の整数であるが、耐久性に優れた硬化物を得るとの観点からは、2以上であることが好ましく、なかでも、3であることが好ましい。
上記一般式(A1)及び(A2)で表される化合物Aは、それぞれXa1及びXa2(以下、Xと称する場合がある。)で表されるm1価又はm2価(以下、m価と称する場合がある。)の特定の原子若しくは基又は直接結合に、m1個又はm2個(以下、m個と称する場合がある。)の特定の基が結合した構造を有する。このm個の特定の基は、互いに同じであるか又は異なる。
上記Xは、m価の原子若しくは結合基又は直接結合を表すものである。
上記原子又は結合基Xとしては、具体的には、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、下記(II−a)若しくは(II−b)で表される基、>C=O、>NR53、−OR53、−SR53、−NR5354又はmと同数の価数を有する炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基若しくは炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、R53及びR54は、水素原子、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、該脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基は、−O−、−S−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−S−CO−O−、−O−CO−S−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NH−CO−O−、−NR−、−S−S−、−SO−、窒素原子又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、上記芳香環含有炭化水素基における芳香環又は複素環含有基における複素環は、他の環と縮合されている場合がある。
但し、結合基Xが窒素原子、リン原子又は下記(II−a)若しくは(II−b)で表される結合基の場合、mは3であり、結合基Xが酸素原子又は硫黄原子、>C=O、−NH−CO−、−CO−NH−又は>NR53の場合、mは2であり、結合基Xが−OR53、−SR53又は−NR5354の場合、mは1であり、結合基Xは、ベンゼン環と一緒になって環を形成している場合がある。
(*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
上記結合基Xに用いられるmと同数の価数を有する炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基としては、mが1価のものとして、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、シクロペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、ビシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル等のアルキル基;メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、第三アミルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、第三ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、第三オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ等のアルコキシ基;メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、第二ブチルチオ、第三ブチルチオ、イソブチルチオ、アミルチオ、イソアミルチオ、第三アミルチオ、ヘキシルチオ、シクロヘキシルチオ、ヘプチルチオ、イソヘプチルチオ、第三ヘプチルチオ、n−オクチルチオ、イソオクチルチオ、第三オクチルチオ、2−エチルヘキシルチオ等のアルキルチオ基;ビニル、1−メチルエテニル、2−メチルエテニル、2−プロペニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、イソブテニル、3−ペンテニル、4−ヘキセニル、シクロヘキセニル、ビシクロヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル、ぺンタデセニル、エイコセニル、トリコセニル等のアルケニル基及びこれらの基が後述する置換基により置換された基等が挙げられ、
mが2価のものとして、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブチルジイル等のアルキレン;上記アルキレンのメチレン鎖が−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−で置き換えられたもの;エタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等のジオールの残基;エタンジチオール、プロパンジチオール、ブタンジチオール、ペンタンジチオール、ヘキサンジチオール等のジチオールの残基及びこれらの基が後述する置換基により置換された基等が挙げられ、
mが3価のものとして、例えば、プロピリジン、1,1,3−ブチリジン等のアルキリジン及びこれらの基が後述する置換基により置換された基が挙げられる。
mと同数の価数を有する炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、mが1価のものとして、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等のアリールアルキル基;フェニル、ナフチル等のアリール基;フェノキシ、ナフチルオキシ等のアリールオキシ基;フェニルチオ、ナフチルチオ等のアリールチオ基及びこれらの基が後述する置換基により置換された基等が挙げられ、
mが2価のものとして、フェニレン、ナフチレン等のアリーレン基;カテコール、ビスフェノール等の二官能フェノールの残基;2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等及びこれらの基が後述する置換基により置換された基が挙げられ、
mが3価のものとして、フェニル−1,3,5−トリメチレン及びこれらの基が後述する置換基により置換された基が挙げられる、
mと同数の価数を有する炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、mが1価のものとして、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル、2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル、ベンゾトリアゾイル等及びこれらの基が後述する置換基により置換された基等が挙げられ、
mが2価のものとして、ピリジン環、ピリミジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、トリアジン環、フラン環、チオフェン環、インドール環等を有する基及びこれらの基が後述する置換基により置換された基が挙げられ、
mが3価のものとしては、イソシアヌル環を有する基、トリアジン環を有する基及びこれらの基が後述する置換基により置換された基が挙げられる。
53及びR54に用いられる炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基としては、上記結合基Xに用いられる炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基が後述する置換基により置換された基のうち、所定の炭素原子数を満たすものが挙げられ、
53及びR54に用いられる炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、上記結合基Xに用いられる炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基若しくは炭素原子数2〜35の複素環含有基又はこれらの基が後述する置換基により置換された基が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基等の各基は、置換基を有している場合があるものであり、特に断りがない限り、置換基を有していないか又は置換基を有しているものである。
このような脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基等の置換基としては、R等に用いられるアルキル基等の水素原子を置換する置換基と同様の内容とすることができる。
上記結合基Xは、mが2であるとき、下記一般式(1)で表される基を用いることができる。
上記結合基Xは、mが3であるとき、下記一般式(2)で表される基を用いることができる。
上記結合基Xは、mが4であるとき、下記一般式(3)で表される基を用いることができる。
上記結合基Xは、mが5であるとき、下記一般式(4)で表される基を用いることができる。
上記結合基Xは、mが6であるとき、下記一般式(5)で表される基を用いることができる。
(上記一般式(1)中、Yは、単結合、−CR5556−、−NR57−、二価の炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基若しくは炭素原子数2〜35の複素環含有基、又は、下記(1−1)〜(1−3)で表されるいずれかの置換基を表し、該炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基及び炭素原子数2〜35の複素環含有基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−若しくは−NH−又はこれらの組み合わせの結合基で置き換わっている場合があり、
55及びR56は、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基又は炭素原子数7〜20のアリールアルキル基を表し、
及びZは、それぞれ独立に、直接結合、−O−、−S−、>CO、−CO−O−、−O−CO−、−SO−、−SS−、−SO−、>NR58又は>PR58を表し、
57及びR58は、水素原子、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
(上記式中、R59は水素原子、置換基を有している場合があるフェニル基、又は炭素原子数3〜10のシクロアルキル基を表し、R60は炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、上記アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基は置換基を有している場合があり、c1は0〜5の整数であり、*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
(*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
(上記式中、R61及びR62は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、炭素原子数6〜20のアリールチオ基、炭素原子数6〜20のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又はハロゲン原子を表し、該アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は不飽和結合、−O−又は−S−で置き換わっている場合があり、
61は、隣接するR61同士で環を形成している場合があり、
c2は0〜4の数を表し、
c3は0〜8の数を表し、
c4は0〜4の数を表し、
c5は0〜4の数を表し、
c4とc5の数の合計は2〜4であり、
*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
(上記一般式(2)中、Y11は、三価の炭素原子数3〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜35の脂環族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
、Z及びZは、それぞれ独立に、直接結合、−O−、−S−、>CO、−CO−O−、−O−CO−、−SO−、−SS−、−SO−、>NR62、PR62、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
62は、水素原子、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
上記各脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基及び炭素原子数2〜35の複素環含有基中のメチレン基は、炭素−炭素二重結合、−O−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−又は−SO−で置き換わっている場合がある。*は*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
(上記一般式(3)中、Y12は、炭素原子又は四価の炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基若しくは炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、該炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基及び炭素原子数2〜35の複素環含有基中のメチレン基は、−CO−O−、−O−、−O−CO−、−NH−CO−、−NH−又は−CO−NH−で置き換わっている場合があり、Z〜Zは、それぞれ独立に、上記一般式(2)におけるZ〜Zで表される基と同じ範囲の基である。*は*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
(上記一般式(4)中、Y13は、五価の炭素原子数2〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜30の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜30の複素環含有基を表し、該炭素原子数2〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基及び炭素原子数2〜35の複素環含有基中のメチレン基は、−CO−O−、−O−、−O−CO−、−NH−CO−、−NH−又は−CO−NH−で置き換わっている場合があり、Z〜Zは、それぞれ独立に、上記一般式(2)におけるZ〜Zで表される基と同じ範囲の基である。*は*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
(上記一般式(5)中、Y14は、単結合、六価の炭素原子数2〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、該炭素原子数2〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基若しくは炭素原子数2〜35の複素環含有基中のメチレン基は、−CO−O−、−O−、−O−CO−、−NH−CO−、−NH−又は−CO−NH−で置き換わっている場合があり、Z〜Zは、それぞれ独立に、上記一般式(2)におけるZ〜Zで表される基と同じ範囲の基である。*は*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
上記一般式(1)で表される基におけるYに用いられる二価の炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基としては、メタン、エタン、プロパン、iso−プロパン、ブタン、sec−ブタン、tert−ブタン、iso−ブタン、ヘキサン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、ヘプタン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、iso−ヘプタン、tert−ヘプタン、1−メチルオクタン、iso−オクタン、tert−オクタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、2,4−ジメチルシクロブタン、4−メチルシクロヘキサン等が、Z及びZで置換された二価の基が挙げられ、これらの基は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NH−又はこれらを組み合わせた基で置き換わっている場合があり、
二価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、フェニレン、ナフチレン、ビフェニル等の基が、Z及びZで置換された二価の基等が挙げられ、
二価の炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、ピリジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ヘキサヒドロトリアジン、フラン、テトラヒドロフラン、クロマン、キサンテン、チオフェン、チオラン等が、Z及びZで置換された二価の基が挙げられる。
これらの基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基でさらに置換されている場合がある。
上記脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基等の各基は、置換基を有している場合があるものであり、特に断りがない限り、置換基を有していない無置換である又は置換基を有しているものである。
このような脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基等の置換基としては、R等に用いられるアルキル基等の水素原子を置換する置換基と同様の内容とすることができる。
上記一般式(1)で表される基におけるR55及びR56に用いられる炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基等は、上述したR等として例示した内容のうち、所定の炭素原子数を満たすものが挙げられる。
上記一般式(1)で表される基におけるR57及びR58に用いられる炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基及び炭素原子数2〜35の複素環含有基は、上述したR53及びR54として例示した内容と同様とすることができる。
上記一般式(1−1)で表される基におけるR59に用いられる炭素原子数3〜10のシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへブチル、シクロオクチル等及びこれらの基が炭素原子数1〜10のアルキル基若しくは炭素原子数1〜10のアルコキシ基で置換された基等が挙げられ、
60に用いられる炭素原子数1〜10のアルキル基及び炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、上記R等として例示した内容のうち、所定の炭素原子数を満たすものが挙げられ、
炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、上記R等として例示したもののうち、所定の炭素原子数を満たすものを挙げることができる。
一般式(1−1)中のフェニル基、アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基は置換基を有している場合がある。このような置換基としては、R等に用いられるアルキル基等の水素原子を置換する置換基と同様の内容とすることができる。
上記R60におけるアルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基は例えば、ハロゲン原子で置換されているものとすることができ、その置換位置は制限されない。
上記一般式(1−3)で表される基に用いられる炭素原子数1〜10のアルキル基、炭索原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基としては、上記R等として例示した内容のうち、所定の炭素原子数を満たすものが挙げられ、
炭素原子数6〜20のアリールオキシ基としては、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、2−メチルフェニルオキシ、3−メチルフェニルオキシ、4−メチルフェニルオキシ、4−ビニルフェニル二オキシ、3−iso−プロピルフェニルオキシ、4−iso−プロピルフェニルオキシ、4−ブチルフェニルオキシ、4−tert−ブチルフェニルオキシ、4−へキシルフェニルオキシ、4−シクロヘキシルフェニルオキシ、4−オクチルフェニルオキシ、4−(2−エチルヘキシル)フェニルオキシ、2,3−ジメチルフェニルオキシ、2,4−ジメチルフェニルオキシ、2,5−ジメチルフェニルオキシ、2.6−ジメチルフェニルオキシ、3.4−ジメチルフェニルオキシ、3.5−ジメチルフェニルオキシ、2,4−ジーtert−ブチルフェニルオキシ、2,5−ジーtert−ブチルフェニルオキシ、2,6−ジーtert−ブチルフェニルオキシ、2.4−ジーtert−ペンチルフェニルオキシ、2,5−tert−アミルフェニルオキシ、4−シクロへキシルフェニルオキシ、2,4,5−トリメチルフェニルオキシ、フェロセニルオキシ等の基及びこれらの基がハロゲン原子で置換された基が奉げられ、
炭素原子数6〜20のアリールチオ基としては、上記ハロゲン原子で置換されている場合がある炭素原子数6〜20のアリールオキシ基の酸素原子を硫黄原子に置換した基等が奉げられ、
炭素原子数8〜20のアリールアルケニル基としては、上記ハロゲン原子で置換されている場合がある炭素原子数6−20のアリールオキシ基の酸素原子をビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、2−ペンテニル、2−オクテニル等のアルケニル基で置換した基等が挙げられ、
炭素原子数2〜20の複素環含有基としては、ピリジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ヘキサヒドロトリアジン、フラン、テトラヒドロフラン、クロマン、キサンテン、チオフェン、チオフラン等の基及びこれらの基がハロゲン原子で置換された基等が挙げられる。
なお、上記アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルケニル基、複素環含有基等の各基は、置換基を有している場合があるものであり、特に断りがない限り、置換基を有していない無置換である又は置換基を有しているものである。
このようなアリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルケニル基、複素環含有基等の水素原子を置換する置換基としては、R等に用いられるアルキル基等の水素原子を置換する置換基と同様の内容とすることができる。
上記一般式(2)で表される基におけるY11に用いられる三価の炭素原子数3〜35の脂肪族炭化水素基としては、上記一般式(1)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基が、Z、Z及びZで置換された三価の基が挙げられ、これらの基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−SO−、−NH−又はこれらを組み合わせた基で置き換えられている場合があり、
三価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、上記一般式(1)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基が、Z、Z及びZで置換された三価の基が挙げられ、
三価の炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、上記一般式(1)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数2〜35の複素環含有基が、Z、Z及びZで置換された三価の基が挙げられる。
上記一般式(2)で表される基におけるZ、Z及びZ並びにR62に用いられる炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基及び炭素原子数2〜35の複素環含有基は、上述したR53及びR54として例示した内容と同様とすることができる。
上記一般式(3)で表される基におけるY12に用いられる四価の炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基としては、上記一般式(1)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基が、Z、Z、Z及びZで置換された四価の基が挙げられ、該脂肪族炭化水素基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−又はこれらを組み合わせた基で置き換えられている場合があり、
四価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、上記一般式(1)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基が、Z、Z、Z及びZで置換された四価の基が挙げられ、
四価の炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、上記一般式(1)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数2〜35の複素環含有基が、Z、Z、Z及びZで置換された四価の基が挙げられる。
上記一般式(4)で表される基におけるY13に用いられる五価の炭素原子数2〜35の脂肪族炭化水素基としては、上記一般式(1)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基が、Z、Z、Z、Z及びZで置換された五価の基が挙げられ、該脂肪族炭化水素基中のメチレン基は−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−SO−、−NH−又はこれらを組み合わせた基で置き換えられている場合があり、
五価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、上記一般式(1)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基が、Z、Z、Z、Z及びZ5で置換された五価の基が挙げられ、
五価の炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、上記一般式(1)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基が、Z、Z、Z、Z及びZ5で置換された五価の基が挙げられる。
上記一般式(5)におけるY14に用いられる六価の炭素原子数2〜35の脂肪族炭化水素基としては、上記一般式(1)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基が、Z、Z、Z、Z、Z5及びZで置換された六価の基が挙げられ、該脂肪族炭化水素基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−又はこれらを組み合わせた基で置き換えられている場合があり、
六価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、上記一般式(1)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基が、Z、Z、Z、Z、Z5及びZで置換された六価の基が挙げられ、
六価の炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、上記一般式(1)における結合基Xの説明で例示した炭素原子数2〜35の複素環含有基が、Z、Z、Z、Z、Z及びZで置換された六価の基が挙げられる。
上記結合基Xは、mが2である場合、炭素原子数1〜120の脂肪族炭化水素基を好ましく用いることができ、なかでも、炭素原子数1〜10のアルキレン基又はジオールの残基であることが好ましく、特に、炭素原子数1のメチレン基等の炭素原子数1〜5のアルキレン基であることが好ましく、なかでも特に、炭素原子数1〜3のアルキレン基であることが好ましい。耐久性を有する硬化物の製造が容易となり、さらに化合物Aの製造が容易だからである。
本発明において、上記Xは、(1)mが2のとき、下記一般式(101)若しくは(102)で表される置換基又は下記群1から選ばれる基であることも好ましい。また上記Xは、(2)mが3のとき、下記群2から選ばれる基であり、(3)mが4のとき、下記群3から選ばれる基であり、(4)mが5のとき、下記群4から選ばれる基であり、(5)mが6のとき、下記群5から選ばれる基、であることが好ましい。耐久性を有する硬化物の製造が容易となり、さらに原料の入手や製造が容易であるためである。
(式中、Y111及びY115は、それぞれ独立に、置換基を有している場合がある炭素原子数1〜8の脂肪族炭化水素基を表し、
112及びY114は、それぞれ独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR13−、−CO−NR13−又は−NR13−CO−で表される基を表し、
13は、水素原子又は置換基を有している場合がある炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基を表し、
113は、−CR1415−、−NR16−、二価の基であって置換基を有している場合がある炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、置換基を有している場合がある炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は下記一般式(103)で表される置換基を表し、
14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基又は炭素原子数7〜20のアリールアルキル基を表し、
16は、水素原子、置換基を有している場合がある炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、置換基を有している場合がある炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は置換基を有している場合がある炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
111、Y115、R13、Y113及びR16に用いられる脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基中のメチレン基の1つ又は2つ以上は、−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−又は−CONH−で置き換わっている場合があり、
*は、結合箇所を表す。)
(式中、Y116及びY118は、それぞれ独立に、−NR17−又はメチレン基が酸素原子で置き換わっている場合がある炭素原子数1〜8の脂肪族炭化水素基を表し、
117は、直接結合、−O−、−S−、−SO−、−CR1819−又は上述の(1−1)、(1−2)若しくは(1−3)で表されるいずれかの置換基を表し、
17は、水素原子又は置換基を有している場合がある炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基を表し、
18及びR19は、それぞれ独立に、水素原子又はハロゲン原子で置換されている場合がある炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、
*は、結合箇所を表す。)
(式中、R31は、水素原子、置換基を有している場合がある炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、置換基を有している場合がある炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は置換基を有している場合がある炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
*は、結合箇所を表す。)

(式中、Y119及びY120は、それぞれ独立に、置換基を有している場合がある炭素原子数1〜8の脂肪族炭化水素基を表し、
*は、結合箇所を表す。)
(式中、R32は、上記一般式(1)におけるR57と同じ基であり、基中に二つ以上ある場合、同じである場合も異なる場合もあり、Z11は上記一般式(2)におけるZ〜Zで表される基と同じ範囲の基を表し、
*は、結合箇所を表す。)
(式中、R32は、上記一般式(1)におけるR57と同じ基であり、基中に二つ以上ある場合、同じである場合も異なる場合もあり、Z11は上記一般式(2)におけるZ〜Zで表される基と同じ範囲の基を表し、
*は、結合箇所を表す。)
(式中、Z10、Z11、Z12、Z13及びZ14は上記一般式(2)におけるZ〜Zで表される基と同じ範囲の基を表し、
*は、結合箇所を表す。)
(上記式中、Z10、Z11、Z12、Z13、Z14及びZ15は上記一般式(2)におけるZ〜Zで表される基と同じ範囲の基を表し、
*は、結合箇所を表す。)
なお、Y111、Y115、Y116、Y118、Y119及びY120に用いられる置換基を有している場合がある炭素原子数1〜8の脂肪族炭化水素基としては、Y等に用いられる2価の置換基を有している場合がある炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基として例示した内容のうち、所定の炭素原子数を満たすものが挙げられる。
上記式(101)において、Y111及びY115は、同一であっても、異なるものであってもよい。
上記式(102)におけるY116及びY118も、上記式(103)におけるY119及びY120も、同様に、同一であっても、異なるものであってもよい。
113に用いられる、二価の置換基を有している場合がある炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、置換基を有している場合がある炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、Y等に用いられる二価の置換基を有している場合がある炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、置換基を有している場合がある炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基と同様の内容とすることができる。
13、R16、R17及びR31に用いられる置換基を有している場合がある炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、置換基を有している場合がある炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基及び置換基を有している場合がある炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、R53及びR54等に用いられる置換基を有している場合がある炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、置換基を有している場合がある炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基及び置換基を有している場合がある炭素原子数2〜35の複素環含有基と同様の内容とすることができる。
14、R15、R18及びR19に用いられる炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基及び炭素原子数7〜20のアリールアルキル基としては、R等に用いられる炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基及び炭素原子数7〜20のアリールアルキル基のうち所定の炭素原子数を満たすものと同様の内容とすることができる。
上記群2及び群3の各式中に含まれる複数のZ11同士、上記群4の各式中に含まれるZ1014及び上記群5の各式中に含まれるZ10〜Z15は、同一であってもよく、異なるものであってもよい。
上記結合基Xのベンゼン環との結合位置としては、ベンゼン環内の結合し得るいずれの位置であってもよいが、例えば、−O−Rの結合位置に対して、オルト位又はメタ位であることが好ましい。耐久性を有する硬化物の製造が容易となるからである。
上記Xa1は、m1=1のとき、水素原子又はRと同様の基であることが好ましい。
上記Xa2は、m2=1のとき、水素原子又はRと同様の基であることが好ましい。
上記化合物Aの具体例としては、具体的には、下記で表される化合物のように、国際公開第2014/021023号に具体的に記載された化合物等を挙げることができる。
上記化合物Aは、保護基Rにより保護されていないフェノール性水酸基を含むものであってもよいが、上記化合物Aに含まれるフェノール性水酸基の数は2個以下であることが好ましく、0個であることが好ましい。上記化合物Aは、硬化阻害の発生を抑制できるからである。
上記化合物Aの分子量としては、化合物Aの用途等に応じて設定することができる。
上記分子量は、例えば、250以上5000以下とすることができ、300以上2500以下とすることができ、350以上1500以下とすることができる。
なお、上記分子量は、化合物Aがその構造として繰り返し構造を含む重合体である場合には、重量平均分子量(Mw)で表すものとすることができる。
以下、重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値として求めることができる。
上記重量平均分子量Mwは、例えば、東ソー(株)製のHLC−8120GPCを用い、溶出溶剤を0.01モル/リットルの臭化リチウムを添加したN−メチルピロリドンとし、校正曲線用ポリスチレンスタンダードをMw377400、210500、96000、50400、20650、10850、5460、2930、1300、580(以上、Polymer Laboratories社製 Easi PS−2シリーズ)及びMw1090000(東ソー(株)製)とし、測定カラムをTSK−GEL ALPHA−M×2本(東ソー(株)製)として測定して得ることができる。
また、測定温度は40℃とすることができ、流速は1.0mL/分とすることができる。
上記化合物Aの製造方法は、所望の構造を得ることができる方法であれば特に限定されないが、例えば、国際公開第2014/021023号に記載の方法と同様の方法とすることができる。
3.化合物B
上記化合物Bは、上記一般式(B)で表されるものである。
また、上記化合物Bは、フェノール性水酸基が保護基R11により保護された構造を有し、上記保護基R11の脱離後に、酸化防止能を有するものとすることができる。
酸化防止能を有するとは、より具体的には、上記保護基R11の脱離後に、物質の熱や光、その他エネルギーによる酸化を抑制する機能を有し、ラジカル捕捉作用を有するものとすることができる。
上記化合物Bは、上記保護基R11の脱離後と比較して、ラジカル捕捉作用が低いものである。
上記化合物Bは、上記保護基R11の脱離後と比較して、ラジカル捕捉作用が低く、光硬化性組成物の露光前後の残膜率(%)が高いものとすることができる。
上記化合物Bの、上記保護基R11の脱離後のものとの残膜率の差(%)は、0.1%より大きいものであればよいが、1.0%以上とすることができ、5.0%以上であることが好ましく、なかでも、10%以上であることが好ましい。耐久性を有する硬化物の製造が容易となるからである。
なお、残膜率(%)は、光硬化性組成物に対して、露光前の膜厚に対する露光後及び現像後の膜厚(露光後及び現像後膜厚/露光前膜厚×100(%))から求めることができる。
上記光硬化性組成物としては、ラジカル重合性化合物及び光ラジカル重合開始剤と、化合物B又は保護基R11の脱離後の化合物と、を含むものとすることができ、例えば、後述する実施例の項に記載の比較例2又は比較例4の配合と同様とすることができる。
また、残膜率の測定方法は、例えば、後述する実施例記載の「1.感度評価1」の方法を用いることができる。
上記化合物Bは、加熱により保護基R11が脱離するものとすることができる。
上記化合物Bに含まれる保護基R11が脱離する温度は、例えば、上記「2.化合物A」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記R11に用いられる炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又はトリアルキルシリル基の例としては、上記「2.化合物A」の項においてRで表される基として上述したものと同様のものが挙げられる。
上記R12、R13及びR14に用いられる炭素原子数1〜40のアルキル基、R14で表される炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基としては、上記「2.化合物A」の項において、R等として例示した内容と同様とすることができる。
11、R12、R13及びR14として表される各基におけるメチレン基を置き換えてもよい−NR'−におけるR'で表される炭素原子数1〜8のアルキル基としては、上記「2.化合物A」の項において、R'として例示した内容と同様とすることができる。
上記R11は、フェノール性水酸基を保護するものである。
このようなR11としては、上記「2.化合物A」の項に記載のRと同様とすることができる。
上記R12及びR13は、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基であることが好ましく、なかでも、置換基を有していない炭素原子数1〜10のアルキル基であることが好ましく、特に、R12及びR13の何れか一方又は両方が−Cで表される基であることが好ましく、中でも特にR12及びR13の何れか一方又は両方がtert-ブチル基であることが好ましい。耐久性を有する硬化物の製造が容易となるからである。
上記R12及びR13は、少なくとも一方が、炭素原子数1〜40のアルキル基であることが好ましく、なかでも、R12及びR13の両者が、炭素原子数1〜40のアルキル基であることが好ましい。耐久性を有する硬化物の製造が容易となるからである。
上記R12及びR13の両者は、例えば、tert-ブチル基等の置換基を有していない炭素原子数1〜10のアルキル基であることが好ましい。耐久性を有する硬化物の製造が容易となるからである。
上記R14としては、炭素原子数1〜40のアルキル基であることが好ましい。耐久性を有する硬化物の製造が容易となるからである。
上記nは、1〜10の整数であるが、合成の容易さの観点からは、2〜6の整数であることが好ましく、なかでも、3〜5の整数であることが好ましい。耐久性に優れた硬化物を得ることが容易となるからである。
上記b1は、0〜2の整数であるが、耐久性を有する硬化物の製造が容易となり、さらに合成の容易さの観点から、0〜1であることが好ましい。
上記化合物Bは、Xで表されるn価の特定の原子及びn個の特定の基が結合した構造を有する。このn個の特定の基は、互いに同じであるか又は異なる。
上記結合基Xは、n価の結合基を表すものである。
このような結合基Xとしては、上記「2.化合物A」の項に記載の結合基Xと同様の内容とすることができる。
上記結合基Xは、例えば、nが4である場合、上記一般式(3)で表される基であることが好ましい。耐久性を有する硬化物の製造が容易となるからである。
上記一般式(3)中のY12は、炭素原子又は四価の炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、なかでも、炭素原子であることが好ましい。耐久性を有する硬化物の製造が容易となるからである。
上記一般式(3)中のZ〜Zは、−O−、−S−、>CO、−CO−O−、−O−CO−、−SO−、−SS−、−SO−、>NR62、PR62、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、メチレン基が−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−又は−CONH−で置き換わっている、炭素原子数1〜40の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、Y12側の末端のメチレン基が−COO−又は−OCO−で置き換わっている置換基を有していない炭素原子数1〜40の脂肪族炭化水素基も好ましく用いることができ、なかでも、Y12側の末端のメチレン基が−COO−又は−OCO−で置き換わっている置換基を有していない炭素原子数1〜10の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。耐久性を有する硬化物の製造が容易となるり、さらに、化合物Bの製造が容易だからである。
本発明においては、nが2である場合、X基は、上記一般式(101)で表される基であることが好ましい。
上記一般式(101)中、Y111は、置換基を有している場合がある炭素原子数1〜3の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、なかでも、無置換の炭素原子数1〜3のアルキレン基であることが好ましい。
上記一般式(101)中、Y112は−O−又は−CO−O−であることが好ましく、Y114は、−O−又は−O−CO−であることが好ましい。
上記一般式(101)中、Y113は、一般式(103)で表される基であることが好ましい。
上記一般式(103)中、Y119及びY120は、置換基を有している場合がある炭素原子数1〜5の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、なかでも、炭素原子数2〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基であることが好ましい。
本発明においては、nが2である場合、X基は、上記一般式(102)で表される基も好ましく用いることができる。
上記一般式(102)中、Y117は、−CR1819−であることが好ましく、なかでも、R18及びR19が水素原子又は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、R18が水素原子で、R19が、炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
本発明においては、nが3である場合、X基は、群2中の(II−2)、(II−3)又は(II−6)で表される基であることが好ましい。
一般式(II−2)、(II−3)及び(II−6)中、Z11は、直接結合又は置換基を有している場合がある炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直接結合又は無置換の炭素原子数1〜5のアルキレン基であることが好ましい。
一般式(II−2)、(II−3)及び(II−6)中、各式に含まれる複数のZ11は、同一であってもよく、異なるものであってもよい。
なかでも本発明においては、一般式(II−2)中の3つのZ11のうち、少なくとも1つが直接結合であり、少なくとも1つが無置換の炭素原子数1〜5のアルキレン基であることが好ましい。また、一般式(II−3)及び(II−6)中、Z11の全てが、無置換の炭素原子数1〜5のアルキル基であることが好ましい。
一般式(II−2)及び(II−3)中、R32は、水素原子又は置換基を有している場合がある炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、なかでも、水素原子又は置換基を有している場合がある炭素原子数1〜5の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、特に、水素原子であることが好ましい。
本発明においては、nが4である場合、上述した好ましい基に替えて、又は加えて、X基は、群3中の(III−1)で表される基であることが好ましい。一般式(III−1)中、Z11は、置換基を有している場合があり、メチレン基が炭素−炭素二重結合、−O−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−又は−SO−で置き換わっている場合がある炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、メチレン基が、−O−CO−又は−CO−O−で置き換わっている炭素原子数1〜5のアルキレン基であることが好ましい。
基が上述の基であることで、上記化合物Bは、保護基R102の脱離後に、安定的に酸化防止能を発揮可能となるからである。またその結果、耐久性を有する硬化物の製造が容易となるからである。
上記結合基Xのベンゼン環との結合位置は、ベンゼン環内の結合し得るいずれの位置であってもよいが、例えば、上記R11−O−の結合位置に対して、パラ位であることが好ましい。上記結合位置が上述の位置であることで、上記化合物Bは、保護基R11の脱離前後で、酸化防止能の変化が大きいものとなるからである。
上記Xは、n=1の場合、水素原子又はR14と同様の基であることが好ましい。
上記化合物Bの具体例としては、具体的には、下記で表される化合物のように、国際公開第2014/021023号に具体的に記載された化合物等を挙げることができる。
上記化合物Bに含まれるフェノール性水酸基の数、分子量及び製造方法等としては、上記「2.化合物A」の項に記載の内容と同様とすることができる。
4.樹脂成分
上記組成物は、樹脂成分を含むことができる。
このような樹脂成分としては、上記化合物A及びBを保持できるものとすることができ、組成物の用途等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、重合性基を有する重合性化合物、重合性基を有しない重合体等を挙げることができ、なかでも、重合性化合物を含むことが好ましい。上記組成物は、硬化物の製造が容易であるとの効果をより効果的に発揮できるからである。
具体的には、上記組成物は、照射された光の吸収が少ない化合物Aを含むことで、硬化物の製造が容易であるとの効果をより効果的に発揮できるからである。
また、上記樹脂成分として重合性化合物を含むことにより、上記組成物は、例えば、光硬化性組成物、熱硬化性組成物等として用いることができるからである。
(1)重合性化合物
上記重合性化合物は、重合体を形成可能なものであればよく、通常、重合性基を有するものである。
このような重合性化合物は、重合性基の種類、すなわち、重合反応の種類により異なるものであり、例えば、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物、アニオン重合性化合物等を挙げることができ、なかでも、ラジカル重合性化合物を含むことが好ましい。上記組成物は、硬化物の製造が容易であるとの効果をより効果的に発揮できるからである。
具体的には、上記組成物は、ラジカルの補足作用が抑制された化合物Bを含むことで、硬化物の製造が容易であるとの効果をより効果的に発揮できるからである。
(a)ラジカル重合性化合物
上記ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能な重合性基を1以上有するものであればよく、2以上含むものであってもよい。
上記ラジカル重合性化合物は、通常、ラジカル重合開始剤と共に用いられるものである。
ラジカル重合可能な重合性基としては、例えば、(メタ)アクリル基、ビニル基等のエチレン性不飽和二重結合基を挙げることができる。
なお、(メタ)アクリルは、アクリル及びメタクリルを含む意味で用いるものである。また、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートを含む意味で用いるものである。
また、ラジカル重合性化合物としては、酸価を有する化合物であってもよく、酸価を有しない化合物であってもよい。
酸価を有する化合物としては、例えば、カルボキシル基を有する化合物等を挙げることができる。
上記組成物は、ラジカル重合性化合物として酸価を有する化合物を含むことにより、例えば、光照射部位のアルカリ現像液への溶解性が低下する。このため、上記組成物は、例えば、アルカリ現像液等の溶媒への溶解性が光照射前後で変化する感光性組成物として用いることができる。より具体的には、上記組成物は、酸価を有する化合物を含むことで、ネガ型組成物として用いることができる。
アルカリ現像液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液や、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ現像液として一般的に使用されているものを用いることができる。
上記ラジカル重合性化合物のうち、例えば、エチレン性不飽和二重結合基を有し、酸価を有する化合物としては、(メタ)アクリル酸、α―クロルアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸、フマル酸、ハイミック酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、桂皮酸、ソルビン酸、メサコン酸、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、フタル酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート・マレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート・マレート、ジシクロペンタジエン・マレート或いは1個のカルボキシル基と2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する多官能(メタ)アクリレート等の不飽和多塩基酸;フェノール及び/又はクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格を有するノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ化合物等のノボラック型エポキシ化合物、多官能エポキシ基を有するポリフェニルメタン型エポキシ樹脂、下記一般式(III)で表されるエポキシ化合物等のエポキシ樹脂のエポキシ基に不飽和一塩基酸を作用させた樹脂、下記一般式(III)で表されるエポキシ化合物等のエポキシ樹脂のエポキシ基に不飽和一塩基酸を作用させ、更に多塩基酸無水物を作用させて得られた樹脂、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水酸基含有多官能アクリレートと無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の二塩基酸無水物の反応物である酸価を有する多官能アクリレート等が挙げられる。
(式中、X41は直接結合、炭素原子数1〜4のアルキリデン基、炭素原子数3〜20の脂環式炭化水素基、−O−、−S−、−SO−、−SS−、−SO−、−CO−、−OCO−又は上記(1−1)〜(1−3)で表される置換基を表し、
41、R42、R44及びR44は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、
dは0〜10の整数である。)
上記炭素原子数1〜5のアルキル基及び炭素原子数1〜8のアルコキシ基及び炭素原子数2〜5のアルケニル基としては、上記「2.化合物A」の項にR等として例示したもののうち、所定の炭素原子数を満たすものを挙げることができる。
上記炭素原子数1〜4のアルキリデン基としては、例えば、メチリデン、エチリデン、プロピリデン、ブチリデン等を挙げることができる。
上記脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が挙げられる。
なお、上記アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキリデン基、脂環式炭化水素基等は、置換基を有している場合があるものであり、特に断りがない限り、置換基を有していない無置換である又は置換基を有しているものである。
上記酸価を有する化合物の含有量としては、組成物の用途等に応じて適宜設定できるが、例えば、樹脂成分100質量部に対して、30質量部以上90質量部以下とすることができ、35質量部以上70質量部以下であることが好ましく、なかでも、40質量部以上60質量部以下であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲であることで、例えば、上記組成物は、感度に優れたネガ型組成物として用いることができるからである。
上記ラジカル重合性化合物のうち、例えば、エチレン性不飽和二重結合基を有し、酸価を有しない化合物としては、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、下記化合物No.A1〜No.A4、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリ(エトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリ[(メタ)アクリロイルエチル]イソシアヌレート、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー等の不飽和一塩基酸及び多価アルコール又は多価フェノールのエステル;(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸マグネシウム等の不飽和多塩基酸の金属塩;マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸、無水メチルハイミック酸等の不飽和多塩基酸の酸無水物;(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和一塩基酸及び多価アミンのアミド;アクロレイン等の不飽和アルデヒド;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン、シアン化アリル等の不飽和ニトリル;スチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニル安息香酸、ビニルフェノール、ビニルスルホン酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンジルメチルエーテル、ビニルベンジルグリシジルエーテル等の不飽和芳香族化合物;メチルビニルケトン等の不飽和ケトン;ビニルアミン、アリルアミン、N−ビニルピロリドン、ビニルピペリジン等の不飽和アミン化合物;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のビニルエーテル;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;インデン、1−メチルインデン等のインデン類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;(メタ)アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等のその他のビニル化合物、及びポリメチルメタクリレートマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマー等のマクロモノマー類、トリシクロデカン骨格のモノメタクリレート、N−フェニルマレイミド、メタクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン等と、(メタ)アクリル酸との共重合体及びこれらに昭和電工(株)社製カレンズMOI、AOIのような不飽和結合を有するイソシアネート化合物を反応させた(メタ)アクリル酸の共重合体や、ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、ジビニルスクシナート、ジアリルフタラート、トリアリルホスファート、トリアリルイソシアヌラート、ビニルチオエーテル、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾリン、ビニルカルバゾール、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、水酸基含有ビニルモノマー及びポリイソシアネート化合物のビニルウレタン化合物、水酸基含有ビニルモノマー及びポリエポキシ化合物のビニルエポキシ化合物、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水酸基含有多官能アクリレートとトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多官能イソシアネートの反応物等が挙げられる。
上記酸価を有しない化合物に含まれるラジカル重合可能な重合性基の数は、1以上であればよいが、2以上10以下であるものが好ましく、3以上8以下であるものが好ましい。
上記酸価を有しない化合物は、重合性基の数が異なる化合物の混合物であってもよい。上記組成物は、例えば、硬化速度や、硬化物の硬度の調整が容易となるからである。
上記酸価を有しない化合物は、例えば、重合性基の数が3の化合物及び重合性基の数が4の化合物の混合物、重合性基の数が5の化合物及び重合性基の数が6の化合物の混合物等とすることができる。
上記酸価を有しない化合物の含有量としては、組成物の用途等に応じて適宜設定できるが、例えば、樹脂成分100質量部に対して、10質量部以上70質量部以下とすることができ、30質量部以上60質量部以下であることが好ましく、なかでも、40質量部以上50質量部以下であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲であることで、例えば、上記組成物は、感度に優れたネガ型組成物として用いることができるからである。
上記ラジカル重合性化合物は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。また、ラジカル重合性化合物は、エチレン性不飽和二重結合基を有し、酸価を有する化合物及びエチレン性不飽和二重結合基を有し、酸価を有しない化合物を組み合わせて使用することができる。
ラジカル重合性化合物は、2種以上を混合して使用する場合には、それらを予め共重合して共重合体として使用してもよい。
(b)カチオン重合性化合物及びアニオン重合性化合物
上記カチオン重合性化合物は、カチオン重合可能な重合性基を1以上有するものであればよい。
上記カチオン重合性化合物は、通常、カチオン重合開始剤と共に用いられるものである。
カチオン重合可能な重合性基としては、例えば、エポキシ基及びオキセタン基等の環状エーテル基並びにビニルエーテル基等を挙げることができる。
すなわち、カチオン重合性化合物としては、エポキシ化合物及びオキセタン化合物等の環状エーテル化合物並びにビニルエーテル化合物等が挙げられる。
上記エポキシ化合物としては、例えば、メチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、C12〜13混合アルキルグリシジルエーテル、フェニル−2−メチルグリシジルエーテル、セチルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、イソプロピルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、4−n−ブチルフェニルグリシジルエーテル、4−フェニルフェノールグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、ジブロモクレジルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、エトキシポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、ブトキシポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,5−ペンタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,1,2,2−テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン及びペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル化物;グリシジルアセテート、グリシジルステアレート等のグリシジルエステル類;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、プロパン−2,2−ジイル−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル 3,4−エポキシ−1−メチルヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシ−2−エポキシエチルシクロヘキサン、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、α−ピネンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキサイド及びシクロペンテンオキサイド等のエポキシシクロアルキル型化合物及びN−グリシジルフタルイミド等が挙げられる。
また上記エポキシ化合物としては、エポキシ化ポリオレフィンを用いることもできる。エポキシ化ポリオレフィンとは、ポリオレフィンをエポキシ基含有単量体で変性して、エポキシ基を導入したポリオレフィンである。エチレン又は炭素数3〜20のα−オレフィン、エポキシ基含有単量体、及び必要に応じて他のモノマーを、共重合法及びグラフト法のいずれかにより共重合させることによって製造することができる。エチレン又は炭素数3〜20のα−オレフィン、エポキシ基含有単量体及び他のモノマーは、それぞれ単独で重合させてもよく、他の単量体と複数で重合させてもよい。また、末端に水酸基を有する非共役のポリブタジエンの二重結合を、過酢酸法によりエポキシ化して得ることもでき、分子内に水酸基を持つものを使用してもよい。また、水酸基をイソシアネートでウレタン化し、ここに1級水酸基含有エポキシ化合物を反応させてエポキシ基を導入することもできる。
上記エチレン又は炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、1,3−ブタジエン、1,4−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オクタジエン及びイソプレン等が挙げられる。
上記エポキシ基含有単量体としては、たとえばα,β−不飽和酸のグリシジルエステル、ビニルベンジルグリシジルエーテル及びアリルグリシジルエーテル等が挙げられる。α,β−不飽和酸のグリシジルエステルとしては、具体的にはアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル及びエタクリル酸グリシジル等が挙げられ、特にメタクリル酸グリシジルが好ましい。
上記他のモノマーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン及びテトラフルオロエチレン等の不飽和脂肪族炭化水素;(メタ)アクリル酸、α―クロルアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸、フマル酸、ハイミック酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、桂皮酸、ソルビン酸、メサコン酸、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、フタル酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート・マレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート・マレート、ジシクロペンタジエン・マレート及び1個のカルボキシル基と2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する多官能(メタ)アクリレート等の不飽和多塩基酸;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリ(エトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリ[(メタ)アクリロイルエチル]イソシアヌレート及びポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー等の不飽和一塩基酸及び多価アルコール又は多価フェノールのエステル;(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸マグネシウム等の不飽和多塩基酸の金属塩;マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸及び無水メチルハイミック酸等の不飽和多塩基酸の酸無水物;(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和一塩基酸及び多価アミンのアミド;アクロレイン等の不飽和アルデヒド;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン、シアン化アリル等の不飽和ニトリル;スチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニル安息香酸、ビニルフェノール、ビニルスルホン酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンジルメチルエーテル及びビニルナフタレン等の不飽和芳香族化合物;メチルビニルケトン等の不飽和ケトン;ビニルアミン、アリルアミン、N−ビニルピロリドン及びビニルピペリジン等の不飽和アミン化合物;アリルアルコール及びクロチルアルコール等のビニルアルコール;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、n−ブチルビニルエーテル及びイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル;マレイミド、N−フェニルマレイミド及びN−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;インデン及び1−メチルインデン等のインデン類;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート及びポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、ジビニルスクシナート、ジアリルフタラート、トリアリルホスファート、トリアリルイソシアヌラート、ビニルチオエーテル、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾリン、ビニルカルバゾール、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、水酸基含有ビニルモノマー及びポリイソシアネート化合物のビニルウレタン化合物、水酸基含有ビニルモノマー及びポリエポキシ化合物のビニルエポキシ化合物、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水酸基含有多官能アクリレート;トリレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネート等の多官能イソシアネートの反応物;ペンタエリスリトールトリアクリレート及びジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水酸基含有多官能アクリレートと無水コハク酸、無水フタル酸及びテトラヒドロ無水フタル酸等の二塩基酸無水物の反応物である酸価を有する多官能アクリレートが挙げられる。
上記エポキシ化ポリオレフィンとしては、市販品を用いることもでき、例えば、エポリードPB3600、エポリードPB4700(ダイセル社製);BF−1000、FC−3000(ADEKA社製);ボンドファースト2C、ボンドファーストE、ボンドファーストCG5001、ボンドファーストCG5004、ボンドファースト2B、ボンドファースト7B、ボンドファースト7L、ボンドファースト7M、ボンドファーストVC40(住友化学社製);JP−100、JP−200(日本曹達社製);Poly bd R−45HT、Poly bd R−15HT(出光興産社製)及びRicon657(アルケマ社製)等が挙げられる。
耐熱性が良好なことから、上記エポキシ化合物としては、カルド骨格を有する化合物を使用することがより好ましい。
上記オキセタン化合物としては、例えば、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、3―エチル―3−[(フェノキシ)メチル]オキセタン、3―エチル―3−(ヘキシロキシメチル)オキセタン、3―エチル―3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3―エチル―3−(ヒドロキシメチル)オキセタン及び3―エチル―3−(クロロメチル)オキセタン等が挙げられる。
上記ビニルエーテル化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、1,6−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル及び1,6−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等が挙げられる。
上記アニオン重合性化合物としては、アニオン重合可能な重合性基を1以上有するものであればよい。
上記アニオン重合性化合物は、通常、アニオン重合開始剤と共に用いられるものである。
上記アニオン重合可能な重合性基としては、例えば、エポキシ基、ラクトン基、(メタ)アクリル基等を挙げることができる。
すなわち、上記アニオン重合性化合物としては、エポキシ化合物、ラクトン化合物、(メタ)アクリル基を有する化合物等が挙げられる。
上記ラクトン化合物としては、β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン等を挙げることができる。
なお、エポキシ化合物については、上記カチオン重合性化合物として例示したエポキシ化合物を用いることができる。また、(メタ)アクリル基を有する化合物としては、上記ラジカル重合性化合物として例示したものを用いることができる。
上記カチオン重合性化合物及びアニオン重合性化合物は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
(c)重合性化合物の分子量
上記重合性化合物の分子量としては、組成物の用途等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、50以上とすることができ、50以上3000以下とすることができる。
なお、上記分子量は、重合性化合物がその構造として繰り返し構造を含む重合体である場合には、重量平均分子量(Mw)で表すものとすることができる。
上記重合性化合物の含有量は、上記組成物を硬化性組成物として使用可能となるものであればよいが、化合物A、化合物B及び重合性化合物の合計100質量部中に、1質量部以上99質量部以下とすることができ、50質量部以上99質量部以下であることが好ましく、なかでも、80質量部以上99質量部以下であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲であることにより、上記組成物は、硬化性組成物としての使用が容易であり、また、硬化性組成物の耐光性や耐熱性等の耐久性を向上するとの効果をより効果的に発揮できるからである。
(2)重合体
上記重合体は、重合性基を有しないものである。
このような重合体としては、繰り返し構造を含むものであればよく、感光性を有する感光性樹脂、感光性を有しない非感光性樹脂等を挙げることができる。
上記組成物は、例えば、樹脂成分として感光性樹脂を含むことにより、感光性組成物として用いることができる。
(a)感光性樹脂
上記感光性樹脂は、感光性を有するものであり、例えば、酸発生剤と共に用いられ、酸の作用でエステル基またはアセタール基等の化学結合の切断等、現像液に対する溶解性が増加する方向に変化するポジ型樹脂を挙げることができる。
上記組成物は、樹脂成分としてポジ型樹脂を含むことにより、光照射部位のアルカリ現像液への溶解性が増加する。
このため、上記組成物は、例えば、アルカリ現像液等の溶媒への溶解性が光照射前後で変化する感光性組成物として、より具体的には、ポジ型組成物として用いることができる。
上記ポジ型樹脂としては、高分子重合体を、アルカリ溶解制御能を有する酸不安定基に部分的に置換したものを用いることができる。
上記高分子重合体としては、ポリヒドロキシスチレン及びその誘導体;ポリアクリル酸及びその誘導体;ポリメタクリル酸及びその誘導体;ヒドロキシスチレン、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの誘導体から選ばれ形成される2以上の共重合体;ヒドロキシスチレン、スチレン及びそれらの誘導体から選ばれ形成される2以上の共重合体;シクロオレフィン及びその誘導体、無水マレイン酸、並びに、アクリル酸及びその誘導体から選ばれる3以上の共重合体;シクロオレフィン及びその誘導体、マレイミド、並びに、アクリル酸及びその誘導体から選ばれる3以上の共重合体;ポリノルボルネン;メタセシス開環重合体からなる一群から選択される1種以上の高分子重合体等を挙げることができる。
上記高分子重合体に導入される酸不安定基としては、三級アルキル基、トリアルキルシリル基、オキソアルキル基、アリール基置換アルキル基、テトラヒドロピラン−2−イル基等の複素脂環基、三級アルキルカルボニル基、三級アルキルカルボニルアルキル基、アルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
上記ポジ型樹脂の詳細な具体例は、例えば、特開2003−192665号公報、特開2004−323704号公報の請求項3、特開平10−10733号公報等に記載の内容と同様とすることができる。
上記ポジ型樹脂と共に用いられる酸発生剤としては、公知の酸発生剤を用いることができる。上記酸発生剤としては、具体的には、後述する光カチオン重合開始剤、熱カチオン重合開始剤等を挙げることができる。
(b)非感光性樹脂
上記非感光性樹脂は、感光性を有しないものであればよく、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−エチルアクリレート共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ウレタン樹脂、ポリカーボネートポリビニルブチラール、セルロースエステル、ポリアクリルアミド、飽和ポリエステル、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記非感光性樹脂は、例えば、上述の重合性化合物の重合物も用いることができる。
(c)重合体の分子量
上記重合体の重量平均分子量(Mw)は、組成物の用途等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、1500以上とすることができ、1500以上300000以下とすることができる。
(3)樹脂成分
上記樹脂成分の含有量としては、組成物の用途等に応じて適宜設定されるものであり、例えば、固形分100質量部に対して、1質量部以上99質量部以下とすることができ、20質量部以上95質量部以下であることが好ましく、なかでも、30質量部以上90質量部以下であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲であることにより、上記組成物は、例えば、上記化合物Bを安定的に保持可能だからである。
上記樹脂成分の含有量は、化合物A、化合物B及び樹脂成分の合計100質量部中に、1質量部以上99質量部以下とすることができ、50質量部以上99質量部以下であることが好ましく、なかでも、80質量部以上99質量部以下であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲であることにより、上記組成物は、例えば、上記化合物A及び化合物Bを安定的に保持可能だからである。また、硬化性組成物の耐光性や耐熱性等の耐久性を向上するとの効果をより効果的に発揮できるからである。
上記樹脂成分、化合物A及び化合物Bの合計の含有量は、上記組成物100質量部中に、1質量部以上とすることができ、なかでも、10質量部以上99質量部以下であることが好ましく、30質量部以上95質量部以下であることが好ましく、50質量部以上70質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、耐久性を有する硬化物の製造が容易となるからである。
上記樹脂成分の種類は、1種類のみであってもよく、2種類以上の組み合わせであってもよい。
上記樹脂成分は、例えば、重合性化合物および上記重合体のいずれか一方のみを含むもの又は両者を含むものとすることができる。
上記樹脂成分が重合性化合物及び重合体の両者を含む場合、上記重合性化合物の含有量としては、組成物の用途等に応じて適宜設定することができるが、例えば、重合性化合物及び重合体100質量部に対して、1質量部以上99質量部以下とすることができる。
5.その他の成分
上記組成物は、化合物A、化合物B及び樹脂成分以外にも、必要に応じてその他の成分を含むことができる。
上記他の成分としては、重合開始剤、着色剤、溶剤、連鎖移動剤、増感剤、界面活性剤、シランカップリング剤、メラミン化合物、酸触媒、塩基触媒等を含むことができる。
(1)重合開始剤
上記重合開始剤は、硬化性成分として含まれるものであり、通常、重合性化合物等と共に用いられるものである。
上記重合開始剤としては、重合性化合物を重合可能なものであればよく、例えば、光照射を受けることにより重合性化合物を重合可能な光重合開始剤、加熱することにより重合性化合物を重合可能な熱重合開始剤等を挙げることができる。
上記重合開始剤は、上記組成物が、化合物A及び化合物Bを含む場合でも容易に硬化できるとの効果を効果的に発揮する観点からは、光重合開始剤であることが好ましい。
(a)光重合開始剤
上記光重合開始剤としては、光照射を受けることにより重合性化合物を重合可能なものであればよく、例えば、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、光アニオン重合開始剤等を挙げることができる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、光照射によりラジカルを発生するものであれば特に制限されず従来既知の化合物を用いることができる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物及びオキシムエステル系化合物等を好ましいものとして例示することができる。
上記アセトフェノン系化合物としては例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ターシャリブチルジクロロアセトフェノン、p−ターシャリブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等が挙げられる。
上記ベンジル系化合物としては、ベンジル等が挙げられる。
上記ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン及び4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等が挙げられる。
上記チオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
上記オキシム系化合物としては、感度及び耐熱性が良好なことから特に、下記一般式(IV)で表される化合物を挙げることができる。
(式中、R71及びR72は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、
73及びR74は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、R75、OR76、SR77、NR7879、COR80、SOR81、SO82又はCONR8384を表し、R73及びR74は、互いに結合して環を形成している場合があり、
75、R76、R77、R78、R79、R80、R81、R82、R83及びR84は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、
は、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、CR8586、CO、NR87又はPR88を表し、
は、単結合又はCOを表し、
85、R86、R87及びR88は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基又は炭素原子数7〜20のアリールアルキル基を表し、
上記各アルキル基又はアリールアルキル基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基又は複素環含有基で置換されている場合があり、
上記各アルキル基又はアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−で置き換えられている場合があり、
73及びR74は、それぞれ独立に、隣接するどちらかのベンゼン環と一緒になって環を形成している場合があり、
e1は、0〜4の整数を表し、
e2は、0〜5の整数を表す。)
上記一般式(IV)中のR71、R72、R75、R76、R77、R78、R79、R80、R85、R86、R87及びR88に用いられる炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基並びにこれらの置換基としては、上記「2.化合物A」の項にR等として例示した内容のうち、所定の炭素原子数を満たすものが挙げられる。
上記オキシム系化合物としては、例えば、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9H−カルバゾール−3−イル−オクタン−1−オンオキシム−O−アセテート、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔9−n−ブチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)等のカルバゾール構造を有するカルバゾール系オキシムエステル化合物が挙げられる。
上記オキシム系化合物としては、例えば、インドール構造を有するインドール系オキシムエステル化合物も用いることができる。
インドール系オキシムエステル化合物としては、例えば、国際公開第2017/051680号に記載される下記一般式(V)で表されるオキシムエステル化合物等を挙げることができる。
(式中、R201及びR202は、それぞれ独立に、R211、OR211、COR211、SR211、CONR212213又はCNを表し、
211、R212及びR213は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、
211、R212及びR213で表わされる基の水素原子は、更にR221、OR221、COR221、SR221、NR222223、CONR222223、NR222OR223、NCOR222OCOR223、NR222COR221、OCOR221、COOR221、SCOR221、OCSR221、COSR221、CSOR221、水酸基、ニトロ基、CN、ハロゲン原子、又はCOOR221で置換されている場合があり、
221、R222及びR223は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、
221、R222及びR223で表される基の水素原子は、更に水酸基、ニトロ基、CN、ハロゲン原子、水酸基又はカルボキシル基で置換されている場合があり、
211、R212、R213、R221、R222及びR223で表される基のアルキレン部分のメチレン基は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CONR224−、−NR224−、−NR224CO−、−NR224COO−、−OCONR224−、−SCO−、−COS−、−OCS−又は−SCOO−により置き換えられている場合があり、
224は、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、
211、R212、R213、R221、R222、R223及びR224で表される基のアルキル部分は、分岐側鎖がある場合があり、環状アルキルである場合があり、
203は、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、R203で表される基のアルキル部分は、分岐側鎖がある場合があり、環状アルキルである場合があり、また、R203とR207及びR203とR208はそれぞれ一緒になって環を形成している場合があり、
203で表わされる基の水素原子は、更にR221、OR221、COR221、SR221、NR222223、CONR222223、NR222OR223、NCOR222OCOR223、NR222COR221、OCOR221、COOR221、SCOR221、OCSR221、COSR221、CSOR221、水酸基、ニトロ基、CN、ハロゲン原子、又はCOOR221で置換されている場合があり、
204、R205、R206及びR207は、それぞれ独立に、R211、OR211、SR211、COR214、CONR215216、NR212COR211、OCOR211、COOR214、SCOR211、OCSR211、COSR214、CSOR211、水酸基、CN又はハロゲン原子を表し、R204とR205、R205とR206及びR206とR207はそれぞれ一緒になって環を形成している場合があり、
204、R205、R206及びR207で表わされる基の水素原子は、更にR221、OR221、COR221、SR221、NR222223、CONR222223、NR222OR223、NCOR222OCOR223、NR222COR221、OCOR221、COOR221、SCOR221、OCSR221、COSR221、CSOR221、水酸基、ニトロ基、CN、ハロゲン原子又はCOOR221で置換されている場合があり、
214、R215及びR216は、水素原子又は炭素原子数1〜20のアルキル基を表し、
214、R215及びR216で表される基のアルキル部分は、分岐側鎖がある場合があり、環状アルキルである場合があり、
208は、R211、OR211、SR211、COR211、CONR212213、NR212COR211、OCOR211、COOR211、SCOR211、OCSR211、COSR211、CSOR211、水酸基、CN又はハロゲン原子を表し、
n1は、0又は1を表す。)
上記一般式(V)中のR203、R211、R212、R213、R214、R215、R216、R221、R222、R223及びR224に用いられる炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基としては、上記「2.化合物A」の項にR等として例示した内容のうち、所定の炭素原子数を満たすものが挙げられる。
その他のラジカル重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド系化合物及びビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)]チタニウム等のチタノセン系化合物等が挙げられる。
市販のラジカル重合開始剤としては、アデカオプトマーN−1414、N−1717、N−1919、アデカアークルズNCI−831、NCI−930(ADEKA社製)、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE651、IRGACURE907、IRGACURE OXE 01、IRGACURE OXE 02、OXE 03、OXE 04、IRGACURE784(BASF社製)、TR−PBG−304、TR−PBG−305、TR−PBG−309及びTR−PBG−314(Tronly社製)等が挙げられる。
これらの光ラジカル重合開始剤は1種あるいは2種以上のものを所望の性能に応じて配合して使用することができる。
上記光カチオン重合開始剤としては、光照射によりカチオン重合を開始させる物質を放出させることが可能な化合物であれば特に制限されず、既存の化合物を用いることが可能であり、好ましくは、エネルギー線の照射によってルイス酸を放出するオニウム塩である複塩、又はその誘導体である。かかる化合物の代表的なものとしては、下記一般式、
[A1]r+[B1]r-
で表される陽イオンと陰イオンの塩を挙げることができる。
上記陽イオン[A1]r+はオニウムであることが好ましく、その構造は、例えば、下記一般式で表すことができる。
[(R101f1Q]r+
更にここで、R101は炭素原子数が1〜60であり、炭素原子以外の原子をいくつも含んでいる場合がある有機の基である。f1は1〜5のいずれかの整数である。f1個のR101は各々独立で、同じである場合も異なっている場合もある。また、R101の少なくとも1つは、芳香環を有する上記の如き有機の基であることが好ましい。例えば、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルコキシ基、ハロゲン原子、ベンジル基、チオフェノキシ基、4−ベンゾイルフェニルチオ基、2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ基等で置換されている場合があるフェニル基が挙げられる。QはS,N,Se,Te,P,As,Sb,Bi,O,I,Br,Cl,F,N=Nからなる群から選ばれる原子或いは原子団である。また、陽イオン[A1]r+中のQの原子価をqとしたとき、r=f1−qとなる関係が成り立つことが必要である(但し、N=Nは原子価0として扱う)。
また、陰イオン[B1]r-は、ハロゲン化物錯体であることが好ましく、その構造は、例えば、下記一般式、[LXf2r-で表すことができる。
更にここで、Lはハロゲン化物錯体の中心原子である金属又は半金属(Metalloid)であり、B,P,As,Sb,Fe,Sn,Bi,Al,Ca,In,Ti,Zn,Sc,V,Cr,Mn及びCo等である。
f2は、ハロゲン原子、又は、ハロゲン原子やアルコキシ基等で置換されている場合があるフェニル基である。f2は3〜7の整数である。
また、陰イオン[B1]r-中のLの原子価をpとしたとき、r=f2−pとなる関係が成り立つことが必要である。
上記一般式の陰イオン[LXf2r-の具体例としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラ(3,5−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)ボレート、テトラフルオロボレート(BF4、ヘキサフルオロフォスフェート(PF6、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6及びヘキサクロロアンチモネート(SbCl6等を挙げることができる。
また、陰イオン[B1]r-は、下記一般式、
[LXf2-1(OH)]r-
で表される構造のものも好ましく用いることができる。L,X,f2は上記と同様である。また、その他用いることのできる陰イオンとしては、過塩素酸イオン(ClO4
トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CF3SO3、フルオロスルホン酸イオン(FSO3、トルエンスルホン酸陰イオン、トリニトロベンゼンスルホン酸陰イオン、カンファースルフォネート、ノナフロロブタンスルフォネート、ヘキサデカフロロオクタンスルフォネート、テトラアリールボレート及びテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を挙げることができる。
本発明では、このようなオニウム塩の中でも、下記の(ホ)〜(ト)の芳香族オニウム塩を使用することが特に有効であり、好ましい。これらの中から、その1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
(ホ)フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メトキシフェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート及び4−メチルフェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等のアリールジアゾニウム塩。
(へ)ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート及びトリルクミルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のジアリールヨードニウム塩。
(ト)下記群I又は群IIで表されるスルホニウムカチオンとヘキサフルオロアンチモンイオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン等のスルホニウム塩。
また、その他好ましいものとしては、(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)〔(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン〕−アイアン−ヘキサフルオロホスフェート等の鉄−アレーン錯体;トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(エチルアセトナトアセタト)アルミニウム、トリス(サリチルアルデヒダト)アルミニウム等のアルミニウム錯体;トリフェニルシラノール等のシラノール類との混合物:等も挙げることができる。
上記光カチオン重合開始剤としては、市販品を用いることもでき、例えば、IRUGACURE261(BASF社製)、アデカオプトマーSP−150、SP−151、SP−152、SP−170、SP−171、SP−172(ADEKA社製)、UVE−1014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、CD−1012(サートマー社製)、CI−2064、CI−2481(日本曹達社製)、Uvacure1590、1591(ダイセルUCB)、CYRACURE UVI−6990(ユニオンカーバイド社製)、BBI-103、MPI-103、TPS-103、MDS-103、DTS-103、NAT-103及びNDS-103(ミドリ化学社製)等が挙げられる。
これらの中でも、実用面と光感度の観点から、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、鉄−アレーン錯体を用いることが好ましい。
上記光アニオン重合開始剤としては、光により塩基を発生するものを用いることができ、光アニオン重合開始剤として公知のものを用いることができる。
上記光アニオン重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン O−アロイルオキシム(acetophenoneO-aroyloxime)、ニフェジピン(nifedipine)等を挙げることができる。
(b)熱重合開始剤
上記熱重合開始剤としては、加熱することにより重合性化合物を重合可能なものであればよく、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、アニオン重合開始剤等を挙げることができる。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、加熱によりラジカルを発生するものを用いることができ、熱ラジカル重合開始剤として公知のものを用いることができる。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ系化合物、過酸化物及び過硫酸塩等を好ましいものとして例示することができる。
上記アゾ系化合物としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)等が挙げられる。
過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート及びジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
上記過硫酸塩としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム及び過硫酸カリウム等の過硫酸塩等が挙げられる。
上記熱カチオン重合開始剤としては、加熱によりカチオン種又はルイス酸を発生するものを用いることができ、熱カチオン重合開始剤として公知のものを用いることができる。
上記熱カチオン重合開始剤としては、具体的には、スルホニウム塩、チオフェニウム塩、チオラニウム塩、ベンジルアンモニウム、ピリジニウム塩及びヒドラジニウム塩等の塩;ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン及びテトラエチレンペンタミン等のポリアルキルポリアミン類;1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−3,6−ジエチルシクロヘキサン及びイソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン類;m−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン及びジアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミン類;上記ポリアミン類と、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル及びビスフェノールF−ジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類又はカルボン酸のグリシジルエステル類等の各種エポキシ樹脂とを常法によって反応させることによって製造されるポリエポキシ付加変性物;上記有機ポリアミン類と、フタル酸、イソフタル酸及びダイマー酸等のカルボン酸類とを常法によって反応させることによって製造されるアミド化変性物;上記ポリアミン類とホルムアルデヒド等のアルデヒド類及びフェノール、クレゾール、キシレノール、第三ブチルフェノール及びレゾルシン等の核に少なくとも一個のアルデヒド化反応性場所を有するフェノール類とを常法によって反応させることによって製造されるマンニッヒ化変性物;多価カルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸、水添ダイマー酸及びダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸類;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸類;トリメリット酸、トリメシン酸及びひまし油脂肪酸等の三量体等のトリカルボン酸類;ピロメリット酸等のテトラカルボン酸類等)の酸無水物;ジシアンジアミド、イミダゾール類、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル及びアミンイミド等を挙げることができる。
上記熱カチオン重合開始剤としては、市販品を用いることもでき、例えば、アデカオプトンCP−77、アデカオプトンCP−66(ADEKA社製)、CI−2639、CI−2624(日本曹達社製)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L(三新化学工業社製)等が挙げられる。
上記熱アニオン重合開始剤としては、熱により塩基を発生するものを用いることができ、熱アニオン重合開始剤として公知のものを用いることができる。
上記アニオン重合開始剤としては、具体的には、脂肪族アミン系化合物、芳香族アミン系化合物、二級又は三級アミン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリメルカプタン系化合物、三フッ化ホウ素−アミン錯体、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジッド等を用いることができる。
(c)重合開始剤の含有量
上記重合開始剤の含有量としては、所望の硬化性や感光性を付与できるものであればよいが、例えば、固形分100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下とすることができ、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。上記含有量であることで、組成物は、硬化性等に優れ、また、分散性等にも優れるからである。
上記重合開始剤の含有量としては、所望の硬化性や感光性を付与できるものであればよいが、例えば、重合性化合物100質量部に対して、0.001質量部以上20質量部以下とすることができ、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上5質量部以下であることが好ましい。上記含有量であることで、組成物は、硬化性等に優れ、また、分散性等にも優れるからである。
(2)着色剤
上記着色剤としては、硬化物に所望の着色を付与できるものであればよく、染料あるいは顔料が挙げられる。
染料としては、380〜1200nmに吸収を有する化合物を用いることができ、例えば、アゾ化合物、アントラキノン化合物、インジゴイド化合物、トリアリールメタン化合物、キサンテン化合物、アリザリン化合物、アクリジン化合物、スチルベン化合物、チアゾール化合物、ナフトール化合物、キノリン化合物、ニトロ化合物、インダミン化合物、オキサジン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、ジインモニウム化合物、シアノエテニル化合物、ジシアノスチレン化合物、ローダミン化合物、ペリレン化合物、ポリエンナフトラクタム化合物、クマリン化合物、スクアリリウム化合物、クロコニウム化合物、スピロピラン化合物、スピロオキサジン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、スチリル化合物、ピリリウム化合物、ローダニン化合物、オキサゾロン化合物、フタルイミド化合物、シンノリン化合物、ナフトキノン化合物、アザアントラキノン化合物、ポルフィリン化合物、アザポルフィリン化合物、ピロメテン化合物、キナクリドン化合物、ジケトピロロピロール化合物、インジゴ化合物、アクリジン化合物、アジン化合物、アゾメチン化合物、アニリン化合物、キナクリドン化合物、キノフタロン化合物、キノンイミン化合物、イリジウム錯体化合物、ユーロピウム錯体化合物等の染料等が挙げられ、これらは複数を混合して用いてもよい。
顔料としては、無機顔料あるいは有機顔料を用いることができ、例えば、ニトロソ化合物、ニトロ化合物、アゾ化合物、ジアゾ化合物、キサンテン化合物、キノリン化合物、アントラキノン化合物、クマリン化合物、フタロシアニン化合物、イソインドリノン化合物、イソインドリン化合物、キナクリドン化合物、アンタンスロン化合物、ペリノン化合物、ペリレン化合物、ジケトピロロピロール化合物、チオインジゴ化合物、ジオキサジン化合物、トリフェニルメタン化合物、キノフタロン化合物、ナフタレンテトラカルボン酸;アゾ染料、シアニン染料の金属錯体化合物;レーキ顔料;ファーネス法、チャンネル法、サーマル法によって得られるカーボンブラック、或いはアセチレンブラック、ケッチェンブラック又はランプブラック等のカーボンブラック;上記カーボンブラックをエポキシ樹脂で調整、被覆したもの、上記カーボンブラックを予め溶媒中で樹脂により分散処理し、20〜200mg/gの樹脂を吸着させたもの、上記カーボンブラックを酸性又はアルカリ性表面処理したもの、平均粒径が8nm以上でDBP吸油量が90ml/100g以下のもの、950℃における揮発分中のCO、CO2から算出した全酸素量が、カーボンブラックの表面積100m当たり9mg以上であるもの;黒鉛、黒鉛化カーボンブラック、活性炭、炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンマイクロコイル、カーボンナノホーン、カーボンエアロゲル、フラーレン;アニリンブラック、ピグメントブラック7、チタンブラック;疎水性樹脂、酸化クロム緑、ミロリブルー、コバルト緑、コバルト青、マンガン系、フェロシアン化物、リン酸塩群青、紺青、ウルトラマリン、セルリアンブルー、ピリジアン、エメラルドグリーン、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、合成鉄黒、アンバー等の無機含量又は有機顔料を用いることができる。これらの顔料は単独で、或いは複数を混合して用いることができる。
上記無機顔料又は有機顔料としては、市販の顔料を用いることもでき、例えば、ピグメントレッド1、2、3、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48、49、88、90、97、112、119、122、123、144、149、166、168、169、170、171、177、179、180、184、185、192、200、202、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254;ピグメントオレンジ13、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、65、71;ピグメントイエロー1、3、12、13、14、16、17、20、24、55、60、73、81、83、86、93、95、97、98、100、109、110、113、114、117、120、125、126、127、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、166、168、175、180、185;ピグメントグリ−ン7、10、36;ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、22、24、56、60、61、62、64;ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、50等が挙げられる。
上記着色剤の含有量としては、組成物の固形分100質量部に対して0.01質量部以上50質量部以下とすることができる。
(3)溶剤
上記溶剤としては、上記の各成分を溶解又は分散し得るものであればよく、例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル、コハク酸ジメチル、テキサノール等のエステル系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、イソ−又はn−プロパノール、イソ−又はn−ブタノール、アミルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、1−t−ブトキシ−2−プロパノール、3−メトキシブチルアセテート、シクロヘキサノールアセテート等のエーテルエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等のBTX系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テレピン油、D−リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油(株))、ソルベッソ#100(エクソン化学(株))等のパラフィン系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒;カルビトール系溶媒、アニリン、トリエチルアミン、ピリジン、酢酸、アセトニトリル、二硫化炭素、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられ、これらの溶媒は1種又は2種以上の混合溶媒として使用することができる。
溶剤の含有量は、上記組成物の用途等に応じて適宜設定することができるが、例えば、好ましくは上記組成物中の溶剤以外の成分(固形分)の量が1質量%以上99質量%以下となる量であり、なかでも、10質量%以上90質量%以下であることが好ましく、特に、30質量%以上70質量%以下となる量であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲であることで、上記組成物は、塗工性等に優れたものとなるからである。
(4)連鎖移動剤及び増感剤
上記連鎖移動剤、増感剤としては、組成物の感度等を調整できるものとすることができ、一般的に硫黄原子含有化合物が用いられる。例えばチオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、2−メルカプトニコチン酸、3−[N−(2−メルカプトエチル)カルバモイル]プロピオン酸、3−[N−(2−メルカプトエチル)アミノ]プロピオン酸、N−(3−メルカプトプロピオニル)アラニン、2−メルカプトエタンスルホン酸、3−メルカプトプロパンスルホン酸、4−メルカプトブタンスルホン酸、ドデシル(4−メチルチオ)フェニルエーテル、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−2−ブタノール、メルカプトフェノール、2−メルカプトエチルアミン、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−3−ピリジノール、2−メルカプトベンゾチアゾール、メルカプト酢酸、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)等のメルカプト化合物、該メルカプト化合物を酸化して得られるジスルフィド化合物、ヨード酢酸、ヨードプロピオン酸、2−ヨードエタノール、2−ヨードエタンスルホン酸、3−ヨードプロパンスルホン酸等のヨード化アルキル化合物、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、ブタンジオールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、トリスヒドロキシエチルトリスチオプロピオネート、下記化合物No.C1、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の脂肪族多官能チオール化合物、昭和電工社製カレンズMT BD1、PE1、NR等が挙げられる。
(5)界面活性剤
上記界面活性剤としては、組成物の分散安定性、塗工性等を改善できるものを用いることができ、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等のフッ素界面活性剤、高級脂肪酸アルカリ塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤、高級アミンハロゲン酸塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド等の非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤を用いることができ、これらは組み合わせて用いてもよい。
(6)シランカップリング剤
上記シランカップリング剤としては、ガラスなどの無機材料と化学結合する反応基と、合成樹脂などの有機材料と化学結合する反応基と、を有するシラン化合物であり、硬化物の密着性等を改善できるものを用いることができる。シランカップリング剤としては、例えば信越化学社製シランカップリング剤を用いることができ、その中でもKBE−9007、KBM−502、KBE−403等、イソシアネート基、メタクリロイル基、エポキシ基を有するシランカップリング剤が好適に用いられる。
(7)メラミン化合物
上記メラミン化合物としては、硬化性を改善できるものを用いることができ、例えば、(ポリ)メチロールメラミン、(ポリ)メチロールグリコールウリル、(ポリ)メチロールベンゾグアナミン、(ポリ)メチロールウレア等の窒素化合物中の活性メチロール基(CH2OH基)の全部又は一部(少なくとも2つ)がアルキルエーテル化された化合物を挙げることができる。ここで、アルキルエーテルを構成するアルキル基としては、メチル基、エチル基又はブチル基が挙げられ、互いに同一である場合があるし、異なる場合がある。また、アルキルエーテル化されていないメチロール基は、一分子内で自己縮合していてもよく、二分子間で縮合して、その結果オリゴマー成分が形成されていてもよい。具体的には、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラブトキシメチルグリコールウリル等を用いることができる。これらのなかでも、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン等のアルキルエーテル化されたメラミンが好ましい。
(8)酸触媒及び塩基触媒
酸触媒及び塩基触媒は、化合物A及び化合物Bに含まれるフェノール性水酸基の保護基R及びR11の脱離を促進可能なものである。
組成物は、酸触媒及び塩基触媒を含むことで、酸触媒及び塩基触媒を含まない場合と比較して、より低温で、保護基R及びR11が脱離可能となる。
このような酸触媒としては、塩酸、リン酸、硫酸等の無機酸類;ギ酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸モノイソプロピル等の有機酸類が挙げられる。
上記塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア等の無機塩基類;トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン化合物(有機塩基)類等が挙げられる。
上記酸触媒及び塩基触媒の含有量は、それぞれの種類及び所望の脱離温度等に応じて適宜設定されるものであるが、化合物A及び化合物Bの合計100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下とすることができる。
(9)その他
上記他の成分は、更に必要に応じて、p−アニソール、ハイドロキノン、ピロカテコール、t−ブチルカテコール、フェノチアジン等の熱重合抑制剤;可塑剤;接着促進剤;充填剤;消泡剤;レベリング剤;表面調整剤;フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等の上述の化合物B以外の酸化防止剤;上述の化合物A以外の紫外線吸収剤;分散助剤;凝集防止剤;触媒;効果促進剤;架橋剤;増粘剤等の添加剤を含むことができる。
上記添加剤の合計の含有量は、組成物の固形分100質量部中に30質量部以下とすることができる。
上記組成物は、所望の耐久性を有する硬化物を得ることができ、硬化物を容易に製造できる範囲で、化合物A及び化合物B以外に、フェノール系酸化防止剤及び紫外線吸収剤を含むものであってもよいが、実質的に含まないことが好ましい。
ここで、実質的に含まないとは、組成物の固形分100質量部中に1質量部以下とすることができ、なかでも、0.01質量部以下であることが好ましく、0.005質量部以下であることが好ましく、0.001質量部以下であることが好ましく、0.0001質量部以下であることが好ましい。
上記フェノール系酸化防止剤及び紫外線吸収剤の含有量としては、上記化合物A及び化合物Bの合計100質量部に対して、1質量部以下とすることができ、なかでも、0.01質量部以下であることが好ましく、0.005質量部以下であることが好ましく、0.001質量部以下であることが好ましく、0.0001質量部以下であることが好ましい。耐久性に優れた硬化物を得ることが可能となるからである。
また、上記紫外線吸収剤としては、フェノール性水酸基を有する紫外線吸収剤を挙げることができる。上記紫外線吸収剤としては、例えば、特開2017−008221号公報に記載の2−ヒドロキシベンゾフェノン類、2−(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類、ベンゾエート類、トリアリールトリアジン類等、特開2002−97224号公報に記載のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等を用いることができる。
上記フェノール系酸化防止剤としては、フェノール性水酸基を有する酸化防止剤として一般的に用いられるものとすることができる。上記酸化防止剤としては、例えば、特開平6−179798号公報、特開平11−71355号公報、特開2002−97224号公報等に記載のフェノール系酸化防止剤、特開平7−109380号公報に記載のアルキル置換フェノール系酸化防止剤等を用いることができる。
6.組成物
上記組成物の粘度としては、例えば、塗工性を有するものとする観点からは、200mPa・s以下とすることができ、1mPa・s以上200mPa・s以下とすることができる。上記組成物は、塗工性に優れるからである。
上記粘度は、JIS Z 8803:2011に準じて、回転式粘度計(例えば、アントンパール社製、Physica MCR01等)を用いて、測定される値のことを指す。また、本明細書で、特に、温度の指定がない処理、測定は、25℃で行うものとすることができる。
上記組成物の製造方法は、上記各成分を所望の含有量で配合可能な方法であればよく、上記各成分を同時に添加して混合する方法であってもよく、各成分を順次添加しながら混合する方法であってもよい。
上記組成物の用途は、熱硬化性塗料、光硬化性塗料或いはワニス、熱硬化性接着剤、光硬化性接着剤、プリント基板、或いはカラーテレビ、PCモニタ、携帯情報端末、デジタルカメラ等のカラー表示の液晶表示パネルにおけるカラーフィルタ、CCDイメージセンサのカラーフィルタ、フォトスペーサ、ブラックカラムスペーサ、プラズマ表示パネル用の電極材料、タッチパネル、タッチセンサー、粉末コーティング、印刷インク、印刷版、接着剤、歯科用組成物、光造形用樹脂、ゲルコート、電子工学用のフォトレジスト、電気メッキレジスト、エッチングレジスト、液状及び乾燥膜の双方、はんだレジスト、種々の表示用途用のカラーフィルタを製造するための或いはプラズマ表示パネル、電気発光表示装置、及びLCDの製造工程において構造を形成するためのレジスト、電気及び電子部品を封入するための組成物、ソルダーレジスト、磁気記録材料、微小機械部品、導波路、光スイッチ、めっき用マスク、エッチングマスク、カラー試験系、ガラス繊維ケーブルコーティング、スクリーン印刷用ステンシル、ステレオリトグラフィによって三次元物体を製造するための材料、ホログラフィ記録用材料、画像記録材料、微細電子回路、脱色材料、画像記録材料のための脱色材料、マイクロカプセルを使用する画像記録材料用の脱色材料、印刷配線板用フォトレジスト材料、UV及び可視レーザー直接画像系用のフォトレジスト材料、プリント回路基板の逐次積層における誘電体層形成に使用するフォトレジスト材料、3D実装用フォトレジスト材料或いは保護膜等の各種の用途に使用することができ、その用途に特に制限はない。
また、上記用途としては、製品としての使用時等に耐久性が要求される用途に限定されず、例えば、製造過程において紫外線照射等を受ける部材にも好適に用いることができる。
製造過程において紫外線照射等を受ける部材としては、例えば、表面の濡れ性向上、密着性向上等の表面改質を図るために、紫外線等の照射を受ける部材を挙げることができる。
上述の濡れ性向上、密着性向上等が要求される部材としては、他の部材と積層される部材を挙げることができ、例えば、プラズマ表示パネル、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、液晶表示装置等の各種画像表示、タッチパネル等の各種センサ、回路基板等を構成する部材としてカラーフィルタ、フォトスペーサ、輝度向上板、導光板、TFT基板、配向膜、液晶層、絶縁膜、スピーカーなどの音響素子、撮像用レンズ、キーパッド、HDD用磁気ヘッドなどの製造過程での表面改質や部材の劣化防止が要求される部材が挙げられる。
上述の製造過程での表面改質や部材の劣化防止が要求される部材としては、接着剤を介して他の部材と積層される部材、塗料等により他の部材により被覆される部材も挙げることができ、例えば、自動車、航空機の内外装部材等の運搬機器、冷蔵庫、洗濯機等の家電製品、住宅建材等の各種用途の構成部材も挙げることができる。
また、基材上にパターン状の部材を形成した後、露出する基材の表面改質等のために基材と共に上記部材に対して紫外線照射等を実施する場合がある。上記用途としては、このような製造過程において表面改質等が要求される部材と共に用いられる部材にも好ましく用いることができる。上記用途としては、例えば、プラスチックフィルムやガラス、シリコンウエハー、各種エンジニアリングプラスチック、光学レンズ、金属表面、めっき、セラミック、金型などの表面洗浄や表面改質などが要求される部材と共に用いられる部材が挙げられる。
上記用途としては、なかでも、化合物A及び化合物Bは分散安定性に優れることで、その添加量の増加が容易であるとの観点からは、例えば、薄膜部材の製造に用いられることが好ましい。薄膜部材としては、例えば、膜厚が100μm以下の部材とすることができ、なかでも、50μm以下であることが好ましく、特に、20μm以下であることが好ましい。
B.硬化物
次に、本発明の硬化物について説明する。
本発明の硬化物は、上述の組成物の硬化物であることを特徴とするものである。
より具体的には、本発明の硬化物は、組成物の硬化物であって、上記組成物は、化合物A、化合物B及び重合性化合物を含むことを特徴とするものとするものである。
本発明によれば、上述の組成物を用いているため、製造が容易であり、また、耐久性に優れる。
本発明の硬化物は、上述の組成物を用いるものである。
以下、本発明の硬化物について詳細に説明する。
上記組成物は、上記化合物A、化合物B及び重合性化合物を含むものである。
また、上記組成物は、上記化合物A、化合物B及び重合性化合物以外の成分を含むものであってもよい。
上記組成物は、例えば、重合性化合物以外の樹脂成分、その他の成分等を含むことができる。
このような組成物の各成分の内容については、上記「A.組成物」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記硬化物は、上記組成物の硬化物であればよく、硬化物に含まれる上記化合物A及び化合物Bはそれぞれ保護基(例えば、R及びR11)の脱離前であっても、脱離後であってもよいが、脱離後であることが好ましい。上記硬化物は、優れた耐久性を有するものとなるからである。
なお、保護基の脱離後である場合、上記硬化物は、通常、化合物A及び化合物から保護基(例えば、R及びR11)が脱離した化合物を少なくとも有する。また、保護基の脱離後である場合、上記硬化物は、さらに、上記R由来の脱離物及びR11由来の脱離物と、を含むことができる。
上記硬化物は、通常、重合性化合物の重合物を含むものである。
上記硬化物に含まれる重合性化合物の残存率としては、硬化物の用途等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、硬化物100質量部に対して10質量部以下であり、1質量部以下であることが好ましい。
このような組成物については、上記「A.組成物」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
上記硬化物としては、溶剤を実質的に含まないものとすることができる。
上記硬化物に含まれる溶剤の含有量としては、例えば、硬化物100質量部に対して、1質量部以下とすることができ、0.5質量部以下とすることができる。
上記硬化物の弾性率は、通常、上記組成物より高いものであり、例えば、10−3M以上とすることができ、10MPa以上とすることができる。上記弾性率であることで、上記硬化物は、安定的に化合物A及び化合物B等を保持できるからである。
上記弾性率の上限については、硬化物の用途等に応じて適宜設定できるが、例えば、106MPa以下とすることができる。
なお以下、弾性率は、圧縮弾性率をいうものであり、JIS K7181に準拠して、23℃で、測定することができる。
測定サンプルについては、例えば、一辺の長さが6mmの立方体の試験片を作成又は切り出し、JISK7181に準じ、試験速度1±0.2mm/分の条件で測定することができる。
上記硬化物の平面視形状については、上記硬化物の用途等に応じて適宜設定することができ、例えば、ドット状、ライン状等のパターン状とすることができる。
上記硬化物の厚みは、上記硬化物の用途等に応じて適宜設定することができ、例えば、化合物A及び化合物Bは分散安定性に優れることで、その添加量の増加が容易であるとの観点からは、例えば、薄膜であることが好ましく、例えば、0.1μm以上100μm以下とすることができ、50μm以下であることが好ましく、なかでも、20μm以下であることが好ましく、特に、10μm以下であることが好ましい。
上記硬化物の用途等については、上記「A.組成物」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記硬化物の製造方法としては、上記組成物の硬化物を所望の形状となるように形成できる方法であれば特に限定されるものではない。
このような製造方法としては、例えば、後述する「C.硬化物の製造方法」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
C.硬化物の製造方法
次に、本発明の硬化物の製造方法について説明する。
本発明の硬化物の製造方法は、上述の組成物の硬化物を形成する工程を有することを特徴とするものである。
より具体的には、本発明の硬化物の製造方法は、化合物A、化合物B及び重合性化合物を含む組成物の硬化物を形成する工程を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上記製造方法は、上述の組成物を用い、かつ、上記工程を有することにより、例えば、硬化物の製造が容易となる。また、上記工程の後に、上記化合物Aに含まれる保護基R及び上記化合物Bに含まれる保護基R11を脱離する工程を実施することで、耐久性を有する硬化物を容易に得ることができるからである。
本発明の製造方法は、硬化物を形成する工程を含むものである。
以下、本発明の製造方法の各工程について詳細に説明する。
1.硬化物を形成する工程
上記硬化物を形成する工程は、上述の組成物の硬化物を形成する工程である。
このような組成物の硬化物を形成する方法としては、所望の形状の硬化物を形成可能な方法であればよく、組成物に含まれる成分に応じて異なるものである。
上記硬化物を形成する方法は、例えば、組成物が、重合性化合物と共に重合開始剤として光重合開始剤を含む場合には、組成物に対して光照射を行い、重合性化合物同士を重合する方法を用いることができる。
組成物に照射される光としては、波長300nm〜450nmの光を含むものとすることができる。
上記光照射の光源としては、例えば、超高圧水銀、水銀蒸気アーク、カーボンアーク、キセノンアーク等を挙げることができる。
上記照射される光としては、レーザー光を用いてもよい。レーザー光としては、波長340〜430nmの光を含むものを用いることができる。
レーザー光の光源としては、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムネオンレーザー、YAGレーザー、及び半導体レーザー等の可視から赤外領域の光を発するものも用いることができる。
なお、これらのレーザーを使用する場合には、上記組成物は、可視から赤外の当該領域を吸収する増感色素を含むことができる。
上記硬化物を形成する方法は、例えば、組成物が、重合性化合物と共に重合開始剤として熱重合開始剤を含む場合には、組成物に対して加熱処理を行い、重合性化合物同士を重合する方法を用いることができる。
加熱温度としては、化合物A及び化合物Bから保護基の脱離を抑制できるものとすることができる。
上記加熱温度は、例えば、60℃以上、好ましくは100℃以上300℃以下とすることができる。
なお、加熱温度は、組成物の塗膜表面の温度とすることができる。
加熱時間としては、10秒〜3時間程度とすることができる。
上記硬化物を形成する方法の種類は、1種類のみを含むものであってもよく、2種類以上を含むものであってもよい。
上記組成物は、上記化合物A、化合物B及び重合性化合物を含むものである。
また、上記組成物は、上記化合物A、化合物B及び重合性化合物以外の成分を含むものであってもよい。
上記組成物は、例えば、重合性化合物以外の樹脂成分、その他の成分等を含むことができる。
このような組成物の各成分の内容については、上記「A.組成物」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.脱離する工程
上記製造方法は、上記硬化物を形成する工程の後に、上記化合物Aに含まれる保護基R及び上記化合物Bに含まれる保護基R11を脱離する工程を含むことができる。
このような工程を含むことで、耐久性を有する硬化物を容易に得ることができるからである。
本工程における上記化合物Aに含まれる保護基R及び上記化合物Bに含まれる保護基R11を脱離する方法としては、上記保護基を安定的に脱離できる方法であればよく、例えば、上記硬化物に対して加熱処理する方法とすることができる。
硬化物に対する加熱温度としては、保護基R及び保護基R11が脱離する温度であればよく、例えば、保護基R及び保護基R11の脱離温度以上の温度とすることができる。
また、上記加熱温度は、上記組成物が酸触媒、塩基触媒等を含む場合には、保護基R及び保護基R11単独で観察される脱離温度以下とすることができる。
上記加熱温度は、例えば、50℃以上250℃以下とすることができ、60℃以上200℃以下であることが好ましく、なかでも80℃以上200℃以下であることが好ましい。上記加熱温度であることで、樹脂成分等の劣化、硬化物を支持する基材の劣化等を抑制できるからである。
なお、上記硬化物の温度は、硬化物表面の温度とすることができる。
3.その他の工程
上記製造方法は、硬化物を形成する工程及び脱離する工程以外に、必要に応じてその他の工程を含むものであってもよい。
上記その他の工程としては、例えば、上記組成物を基材上に塗布する工程等を挙げることができる。
組成物を塗布する方法としては、スピンコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の方法を用いることができる。
上記基材としては、硬化物の用途等に応じて適宜設定することができ、ソーダガラス、石英ガラス、半導体基板、金属、紙、プラスチック等を含むものを挙げることができる。
また、上記硬化物は、基材上で形成された後、基材から剥離して用いても、基材から他の被着体に転写して用いてもよい。
4.その他
上記製造方法により製造される硬化物及び用途等については、上記「B.硬化物」の項に記載の内容と同様とすることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[製造例A1−1]
フェノール化合物0.01mol、二炭酸ジ−tert−ブチル0.05mol及びピリジン30gを混合し、窒素雰囲気下、室温で4−ジメチルアミノピリジン0.025molを加え、60℃で3時間撹拌した。室温まで冷却後、反応液をイオン交換水150gに注ぎ、クロロホルム200gを加えて油水分離を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、残渣にメタノール100gを加えて晶析を行った。得られた白色粉状結晶を60℃で3時間減圧乾燥させ、目的物(下記一般式(A1−1)で表される化合物)を得た。得られた白色粉状結晶が目的物であることはH−NMRにて確認した。結果を下記表1及び表2に示す。なお、用いたフェノール化合物は、下記A1−1における2つの−COO−tert−ブチル基が水素原子に置換された化合物であった。
[製造例A2−1、A3−1、A3−2、A3−3]
フェノール化合物として、下記A2−1、A3−1、A3−2、A3−3にそれぞれ対応したフェノール化合物を用いた以外は、製造例A1−1と同様にして、下記一般式(A2−1)、(A3−1)、(A3−2)及び(A3−3)で表される化合物を合成した。得られた白色粉状結晶が目的物であることはH−NMRにて確認した。結果を下記表1に示す。

[製造例B−1〜B−3]
フェノール化合物として、下記B−1〜B−3にそれぞれ対応したフェノール化合物を用いた以外は、製造例A1−1と同様にして、下記一般式B−1〜B−3で表される化合物を合成した。得られた白色粉状結晶が目的物であることはH−NMRにて確認した。結果を下記表1に示す。
[製造例1]
1,1−ビス〔4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル〕インダンの30.0g、アクリル酸7.52g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.080g、テトラブチルアンモニウムクロリド0.183g及び、PGMEA11.0gを仕込み、90℃で1時間、105℃で1時間及び120℃で17時間撹拌した。室温まで冷却し、無水コハク酸8.11g、テトラブチルアンモニウムクロリド0.427g及びPGMEA11.1gを加えて、100℃で5時間撹拌した。さらに、1,1−ビス〔4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル〕インダン12.0g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.080g及び、PGMEA0.600gを加えて、90℃で90分、120℃で5時間撹拌後、PGMEA24.0gを加えて、PGMEA溶液として樹脂No.1を得た(Mw=4900、Mn=2250,酸価(固形分)47mg・KOH/g、固形分45.0質量%)。
[実施例1〜20及び比較例1〜28]
下記表2〜5に記載の配合に従って、化合物A、紫外線吸収剤、化合物B、酸化防止剤、酸価を有する重合性化合物、酸価を有しない重合性化合物、光重合開始剤、シランカップリング剤及び溶剤を配合して組成物を得た。
また、各成分は以下の材料を用いた。
なお、表中の配合量は、各成分の質量部を表すものである。
(化合物A)
A−1:上記一般式(A1−1)で表される化合物
A−2:上記一般式(A2−1)で表される化合物
A−3:上記一般式(A3−1)で表される化合物
A−4:上記一般式(A3−2)で表される化合物
A−5:上記一般式(A3−3)で表される化合物
(紫外線吸収剤)
A´−1:ADEKA社製紫外線吸収剤LA−29
A´−2:ADEKA社製紫外線吸収剤LA−31
A´−3:ADEKA社製紫外線吸収剤LA−F70
(化合物B)
B−1:上記一般式(B−1)で表される化合物
B−2:上記一般式(B−2)で表される化合物
B−3:上記一般式(B−3)で表される化合物
(酸化防止剤)
B´−1:ADEKA社製酸化防止剤AO−60
(酸価を有する重合性化合物)
C−1:ラジカル重合性化合物(昭和電工社製リポキシSPC−1000 固形分29質量%PGMEA溶液)
C−2:製造例1で製造した樹脂No.1
(酸価を有しない重合性化合物)
D−1:ラジカル重合性化合物(東亜合成社製アロニックスM−450(ペンタエリスリトールトリ及びテトラアクリレート3〜4の混合物)
D−2:ラジカル重合性化合物(日本化薬社製カヤラッドDPHA(ジペンタエリスリトール ペンタ及びヘキサアクリレートの混合物))
D−3:カチオン重合性化合物(新中村化学工業社製NKオリゴEA−1020(ビスフェノールA型エポキシアクリレート)
D−4:ラジカル重合性化合物(根上工業社製アートレジンUN−3320(ウレタンアクリレート))
D−5:カチオン重合性化合物(株式会社ADEKA社製EP−4100E(ビスフェノールA型エポキシ樹脂))
D−6:カチオン重合性化合物(株式会社ダイセル社製セロキサイド2021P(脂環式エポキシ化合物))
(光重合開始剤)
E−1:下記式(E1)で表される化合物(オキシムエステル系光ラジカル重合開始剤)
E−2:下記式(E2)で表される化合物(オキシムエステル系光ラジカル重合開始剤)
E−3:BASF社製イルガキュアTPO(ホスフィンオキサイド系ラジカル重合開始剤)
E−4:ADEKA社製SP−171(スルホニウム塩系光カチオン重合開始剤)
(シランカップリング剤)
F−1:信越化学工業社製シランカップリング剤KBE−403
(溶剤)
G−1:PGMEA
上記実施例及び比較例の評価を以下の方法に従って行った。但し、比較例10、11、18、19の組成物は調製時に固体が析出してしまったため、下記の評価はできなかった。
1.感度評価1
各実施例及び比較例で調製した組成物のうち、酸価を有する重合性化合物を含む実施例1〜12、17〜20、及び比較例1〜9、12〜17、20、25〜28の組成物の感度評価として、下記線幅感度及び残膜感度の評価を行った。結果を表2〜5に示す。
まず、上記実施例1〜12、17〜20、及び比較例1〜9、12〜17、20、25〜28の各組成物を、ガラス基板上にスピンコート(500rpm、2秒間、900rpm、5秒間)し、乾燥後(プリベーク後)の膜厚が10μmとなる塗膜を形成した。次いで、塗膜に対して、ホットプレートを用いて、90℃で90秒間プリベークを行い、光源として高圧水銀ランプを用いてマスク(開口部の線幅20μm)を介して露光(40mJ/cm)し、硬化物を得た。次いで、現像液として2.5質量%炭酸ナトリウム水溶液を用い現像後、よく水洗し、オーブンを用いて、230℃で30分ポストベークを行い、パターンを定着させた。
得られたパターンの線幅を電子顕微鏡で測定し、以下の基準で線幅感度の評価を行った。
得られたパターンの膜厚を電子顕微鏡で測定し、以下の方法で残膜感度の評価を行った。
(線幅感度)
〇:硬化物の線幅/20μmが1.0以上である。
×:硬化物の線幅/20μmが1.0未満である。
(残膜感度)
ポストベーク後の膜厚/プリベーク後の膜厚×100(%)を計算した。
なお、線幅感度が「〇」であり、かつ、残膜感度が70%以上であると、組成物は硬化阻害の発生が抑制され、十分に硬化したことを示す。
2.感度評価2
各実施例及び比較例で調製した組成物のうち、酸価を有する重合性化合物を含まない実施例13〜16、及び比較例21〜24の組成物の感度評価として、ステップタブレットを用いて評価を行った。
具体的には、上記組成物を、PETフィルムにバーコーターで約3μmの厚さに塗布した。次いで、80℃で30分間プリベークを行った後、光源として超高圧水銀ランプ(UL750)を用いて露光した(20mW/cm)。なお、露光は、露光光量が、400mJとなるように行った。この際、光感度を測定できるように、光透過率が段階的に少なくなるように作られたネガフィルム(光学密度0.05を1段目とし、1段毎に光学密度が0.15ずつ増加するステップタブレット)を用いた。次いで、イソプロパノール(IPA)を用いて、25℃の環境下、10秒間かけ洗いを行って現像した。次いで、80℃で30分間乾燥した。次いで、PETフィルム上に形成された硬化物のステップタブレットの段数を測定することにより光感度を評価した。その結果を下記表4に示す。
なお、ステップタブレットの段数が高いほど光感度が高いことを示す。また、ステップタブレットの段数が、10以上であると、組成物は硬化阻害の発生が抑制され、十分に硬化したことを示す。
3.耐熱性
現像処理及び水洗を行わなかった以外は、「1.感度評価1」と同様にして評価用サンプルを得た。次いで、オーブンを用いて、評価用サンプルを200℃で2時間熱処理する耐熱性試験を行った。
評価用サンプルの耐熱性試験前後の波長430nmでの透過率(%)の差((耐熱性試験前の透過率(%)−耐熱性試験前の透過率(%))を測定し、以下の基準で耐熱性評価を行った。結果を表2〜5に示す。
〇:透過率差(%)が耐熱性試験前の透過率に対して1%未満である。
×:透過率差(%)が耐熱性試験前の透過率に対して1%以上である。
なお、耐熱性評価が「〇」であると、硬化物は、耐熱性に優れることを示す。
4.耐光性
現像処理及び水洗を行わなかった以外は、「1.感度評価1」と同様にして評価用サンプルを得た。スガ試験機製キセノン耐光性試験機テーブルサンXT−1500Lを用いて、評価用サンプルに対して96時間耐光性試験を実施した。評価用サンプルの耐光性試験前後の波長430nmでの透過率(%)の差((耐光性試験前の透過率(%)−耐光性試験後の透過率(%))を測定し、以下の基準で耐光性評価を行った。結果を表2〜5に示す。
〇:透過率差(%)が耐光性試験前の透過率に対して3%未満である。
×:透過率差(%)が耐光性試験前の透過率に対して3%以上である。
なお、耐光性評価が「〇」であると、硬化物は、耐光性に優れることを示す。
[まとめ]
表2〜5より、実施例の組成物は、化合物A及び化合物Bを含む場合でも硬化阻害の発生が抑制され、十分に硬化できることが確認できた。この結果から、実施例の組成物は、硬化物の製造が容易であることが確認できた。
また、実施例の組成物は、耐熱性及び耐光性の両者が良好な結果であり、耐久性に優れることが確認できた。
[製造例2]青色顔料分散液の製造
分散剤としてDISPERBYK−161(8.4質量部;ビックケミージャパン製)及び着色剤としてピグメントブルー15:6(14質量部)を、PGMEA(77.6質量部)に、ビーズミルを使用して分散させて青色顔料分散液(固形分濃度22.4質量%、固形分中の顔料濃度62.5質量%、溶剤PGMEA)を製造した。
[実施例21、比較例29〜33]
下記表6に記載の配合に従って、化合物A、紫外線吸収剤、化合物B、酸化防止剤、酸価を有する重合性化合物、酸価を有しない重合性化合物、光重合開始剤、シランカップリング剤、溶剤及び着色剤を配合して組成物を得た。表中の配合量は、各成分の質量部を表す。
なお、C−3及びH−1以外の成分は、実施例1〜20及び比較例1〜28等で使用したものと同様の成分を示すものである。
C-3:SPC−3000(昭和電工社製、固形分42.7質量%、PGMEA溶液)
H−1:青色顔料分散液(上述の製造例2で製造した青色顔料分散液、固形分濃度22.4質量%、固形分中の顔料濃度62.5質量%、溶剤PGMEA)
[評価]
実施例及び比較例で得た組成物について、下記の評価を行った。結果を下記表6に示す。
1.感度評価(線幅感度)
ガラス基板上に実施例及び比較例の組成物をスピンコートし、ホットプレートを用いて、90℃で120秒間プリベークを行った後、23℃で60秒間冷却した。スピンコート条件はポストベイク後の色度座標(x、y)=(0.135,0.098)になる塗膜の厚みとなるように調整した。その後、超高圧水銀ランプを用いてフォトマスク(マスク開口30μm)を介して露光した(露光ギャップ300μm、露光量40mJ/cm)。現像液として0.04質量%KOH水溶液を用いて現像した後、よく水洗し、クリーンオーブンを用いて230℃で20分ポストベイクを行い、パターンを定着させた。得られたパターンを電子顕微鏡で観察し、マスク開口に対応する部分の線幅を測定し、以下の基準で評価した。結果を下記表6に示す。
A 線幅が35μm以上
B 線幅が35μm未満30μm以上
C 線幅が30μm未満
なお、線幅が大きいほど感度が良好であると判断できる。
2.耐熱性
ガラス基板上に実施例及び比較例の組成物をスピンコートし、ホットプレートを用いて、90℃で120秒間プリベークを行った後、23℃で60秒間冷却した。スピンコート条件はポストベイク後の色度座標(x、y)=(0.135,0.098)になる塗膜の厚みとなるように調整した。
その後、超高圧水銀ランプを用いて150mJ/cmで露光後、クリーンオーブンを用いて230℃で20分ポストベイクを行い、評価サンプルを作成した。得られたサンプルをクリーンオーブンを用いて250℃で1時間加熱して、加熱前後の380〜780nmにおける透過率から、JIS Z8701に準拠してY値を求めた。得られたY値から保持率(%)=耐熱性試験後のY値/耐熱性試験前のY値×100を算出し、以下の基準で耐熱性評価を行った。結果を下記表6に示す。
〇:保持率(%)が99%以上である。
×:保持率(%)が99%未満である。
なお、耐熱性評価が「〇」であると、硬化物は、耐熱性に優れることを示す。
3.耐光性
ガラス基板上に実施例及び比較例の組成物をスピンコートし、ホットプレートを用いて、90℃で120秒間プリベークを行った後、23℃で60秒間冷却した。スピンコート条件はポストベイク後の色度座標(x、y)=(0.135,0.098)になる塗膜の厚みとなるように調整した。その後、超高圧水銀ランプを用いて150mJ/cmで露光後、クリーンオーブンを用いて230℃で20分ポストベイクを行い、評価サンプルを作成した。スガ試験機製キセノン耐光性試験機テーブルサンXT−1500Lを用いて、評価用サンプルに対して200時間耐光性試験を実施した。
評価用サンプルの耐光性試験前後の波長430nmでの透過率(%)の差((耐光性試験前の透過率(%)−耐光性試験後の透過率(%))を測定し、以下の基準で耐光性評価を行った。結果を下記表6に示す。
〇:透過率差(%)が耐光性試験前の透過率に対して2%未満である。
×:透過率差(%)が耐光性試験前の透過率に対して2%以上である。
なお、耐光性評価が「〇」であると、硬化物は、耐光性に優れることを示す。
本発明は、耐久性を有する硬化物を製造可能であり、かつ、硬化物の製造が容易な組成物を提供できるという効果を奏する。

Claims (6)

  1. 下記一般式(A1)、(A2)又は(A3)で表される化合物Aと、
    下記一般式(B)で表される化合物Bと、を含む組成物。

    (式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又は−O−Rを表し、
    及びRの少なくとも一方は、前記−O−Rであり、
    及びRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、
    は、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又はトリアルキルシリル基を表し、 前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基及びトリアルキルシリル基中のメチレン基は、炭素−炭素二重結合、−O−、−S−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−S−CO−O−、−O−CO−S−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NR'−、>P=O、−S−S−、−SO−又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
    前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基及びトリアルキルシリル基は置換基を有している場合があり、
    R’は、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、
    複数のR同士及び複数のR同士は、それぞれ結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
    複数のR及び複数のRは、それぞれ同じである場合も異なっている場合もあり、
    m1は、1〜10の整数を表し、
    a1は、0〜4の整数を表し、
    a2は、0〜2の整数を表し、
    a1は、直接結合又はm1価の原子若しくは結合基を表す。)

    (式中、R’及びR’は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又は−O−Rを表し、
    ’及びR’の少なくとも一方は、前記−O−Rであり、
    及びRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、
    は、式(A1)と同義であり、
    前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基及びトリアルキルシリル基中のメチレン基は、炭素−炭素二重結合、−O−、−S−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−S−CO−O−、−O−CO−S−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NR'−、>P=O、−S−S−、−SO−又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
    前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基及びトリアルキルシリル基は置換基を有している場合があり、
    R’は、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、
    複数のR同士及び複数のR同士は、それぞれ結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
    複数のR及び複数のRは、それぞれ同じである場合も異なっている場合もあり、
    m2は、1〜10の整数を表し、
    a3は、0〜4の整数を表し、
    a4は、0〜3の整数を表し、
    a2は、直接結合又はm2価の原子若しくは結合基を表す。)

    (式中、R”及びR”は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又は−O−Rを表し、
    ”及びR”の少なくとも一方は、前記−O−Rであり、
    及びRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、
    は、式(A1)と同義であり、
    前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基及びトリアルキルシリル基中のメチレン基は、炭素−炭素二重結合、−O−、−S−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−S−CO−O−、−O−CO−S−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NR'−、>P=O、−S−S−、−SO−又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
    前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基及びトリアルキルシリル基は置換基を有している場合があり、
    R’は、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、
    複数のR同士は、結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
    複数のR及び複数のRは、それぞれ同じである場合も異なっている場合もあり、
    m3は、1〜3の整数を表し、
    a5は、0〜3の整数を表し、
    a6は、0〜3−m3の整数を表す。)

    (式中、R11は、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又はトリアルキルシリル基を表し、
    12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜40のアルキル基を表し、
    14は、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、
    前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基及びトリアルキルシリル基中のメチレン基は、炭素−炭素二重結合、−O−、−S−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−S−CO−O−、−O−CO−S−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NR'−、>P=O、−S−S−、−SO−又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
    前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、複素環含有基及びトリアルキルシリル基は置換基を有している場合があり、
    R’は、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、
    複数のR14同士は、結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
    複数のR14は、それぞれ同じである場合も異なっている場合もあり、
    nは、1〜10の整数を表し、
    b1は、0〜2の整数を表し、
    は、直接結合又はn価の原子若しくは結合基を表す。)
  2. 前記R及びR11は、酸素原子側の末端のメチレン基が−CO−O−に置き換えられている炭素原子数1〜20のアルキル基である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記化合物Aの含有量が、前記化合物A及び前記化合物Bの合計100質量部に対して、1質量部以上99質量部以下である、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
  4. 重合性化合物を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 請求項4に記載の組成物の硬化物。
  6. 請求項4に記載の組成物の硬化物を形成する工程を有する、硬化物の製造方法。
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