JP7293119B2 - 化合物、潜在性酸化防止剤、組成物、硬化物及び硬化物の製造方法 - Google Patents
化合物、潜在性酸化防止剤、組成物、硬化物及び硬化物の製造方法 Download PDFInfo
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Description
このような課題に対して、本発明者等は、フェノール系酸化防止剤がポリマーの劣化に大きく影響するラジカルをトラップする作用があること、及び、このような作用を有するために、フェノール系酸化防止剤を重合系内に添加すると、一般に、いわゆる重合禁止剤として作用し、硬化阻害を生じる場合があることを見出した。
一方で、硬化後に活性化可能な潜在性添加剤は、活性化のために高温加熱等が必要となる場合があり、より容易に活性化可能な潜在性添加剤の要求があった。
まず、本発明の化合物について説明する。
本発明の化合物は、下記一般式(I-1)で表される(以下、本発明の化合物を化合物I-1ともいう)。
よって、光脱離基Bが脱離前の化合物I-1を、例えば、重合系内に添加した場合、該化合物I-1は重合のために生成したラジカルのトラップ能が低く、重合系の硬化を阻害しづらい。
また、本発明の化合物I-1は、光を照射することで、光脱離基が離脱し、優れた酸化防止能を発現する。よって、化合物I-1を含む硬化物に対して光照射することで、該硬化物に容易に酸化防止能を付与できる。化合物I-1はその酸化防止能を発現させるために加熱処理する必要がないことから、硬化物及び基材等のその周辺部材に対する加熱によるダメージを与えづらいという利点を有する。
以上の理由により、上記化合物I-1は、例えば、硬化阻害が少なく、硬化物に対して容易に酸化防止能等を付与できるのである。
化合物I-1は、組成物に含まれる他の成分との親和性が向上するように、光脱離基Bを選択することで、組成物中での優れた分散性を付与できる。
したがって、上記化合物I-1は、組成物に対して優れた酸化防止能を付与できるとともに、使用前の保存時等における優れた分散安定性も付与できる。
本発明の化合物I-1は、光脱離基Bを有する。
本発明における光脱離基は、特定の波長の光が照射されることより化合物I-1から脱離可能な基とすることができる。化合物I-1に特定の波長の光を照射すると、化合物I-1から光脱離基Bが脱離し、下記一般式(I-2)で表される、水酸基と酸化防止能を有する原子団Aとを有する化合物が生成する。
上記化合物I-1から光脱離基Bを脱離するために照射される光の積算光量は、例えば、1000mJ/cm2以上10000mJ/cm2以下とすることができ、1000mJ/cm2以上5000mJ/cm2以下であることが好ましく、2000mJ/cm2以上4000mJ/cm2以下であることがより好ましい。重合性化合物等を含む組成物の硬化のために照射される光の積算光量としては、通常、1000mJ/cm2未満とすることができる。したがって、積算光量が上述の範囲であることで、例えば、光硬化性組成物への適用が容易となるからである。
なお、光脱離基Bが脱離するとは、所望の酸化防止能を付与できるものであればよく、例えば、光脱離基の脱離率が50%以上となることとすることができ、なかでも、80%以上となることが好ましい。
一方、上記化合物I-1は、光脱離が抑制される積算光量としては、所望の硬化阻害抑制効果が得られるものであればよく、1000mJ/cm2未満とすることができる。光硬化性組成物への適用が容易となるからである。
また、光脱離が抑制されるとは、所望の硬化阻害抑制効果が得られるものであればよく、例えば、光脱離基Bの脱離率が50%未満となることとすることができ、なかでも、20%以下となることが好ましい。光硬化性組成物への適用が容易となるからである。
上記積算光量は、化合物I-1の0.01質量%アセトニトリル溶液を調製し、実施例に記載の脱離率の測定方法と同様の方法を用いて測定することができる。
R12、R14、R17、R21、R22、R24、R25、R27、R29及びR30は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R15は、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29及びR30で表されるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO2-又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
R’は、水素原子又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、
複数のR11同士、複数のR13同士、複数のR16同士、複数のR18同士、複数のR19同士、複数のR20同士、複数のR23同士、複数のR26同士及び複数のR28同士は、それぞれ結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
複数のR11、R12、R13、R14、R16、R17、R18、R19、R20、R23、R25、R26、R27、R28、R29及びR30は、それぞれ同じである場合があり、異なる場合があり、
b1、b2、b3、b6、b7、b8及びb9は、それぞれ独立に0~4の整数を表し、
b4及びb5は、それぞれ独立に0~5の整数を表し、
**は、前記A-O-との結合位置を表す。)
R32、R33、R41、R42、R43、R44は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R31、R32、R33、R40、R41、R42、R43及びR44で表されるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO2-又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
c1は0~5の整数を表し、
c2は0~4の整数を表し、
**は、前記A-O-との結合位置を表す。)
なお、上記メチレン基を置換する組み合わせは、酸素原子が隣り合わない条件での組み合わせとすることができる。
上記R11及びR23は、アルコキシ基であることが好ましい。光脱離基Bが化合物I-1から容易に脱離するものとなり、且つ化合物I-1の合成が容易となるからである。
上記R13、R18、R19、R20、R26及びR28は、炭素原子数1~40のアルキル基であることが好ましい。光脱離基Bが化合物I-1から容易に脱離するものとなり、且つ化合物I-1の合成が容易となるからである。
上記R16は、なかでも、隣接する2つのR16同士が結合してベンゼン環を形成するものであることが好ましい。光脱離基Bが化合物I-1から容易に脱離するものとなり、且つ化合物I-1の合成が容易となるからである。
上記R14、R17、R21、R24、R25、R27、R29及びR30は、水素原子、炭素原子数1~40のアルキル基であることが好ましく、特に、水素原子であることが特に好ましい。光脱離基Bが化合物I-1から容易に脱離するものとなり、且つ化合物I-1の合成が容易となるからである。
上記R15及びR22は、炭素原子数1~5のアルキル基であることが好ましく、特に、メチル基であることが好ましい。硬化阻害が少なく、硬化物に対して容易に酸化防止能等を付与できる化合物を提供することができるからである。
上記b4及びb5は、それぞれ独立に0~5の整数とすることができるが、合成の容易さの観点から、0~3の整数であることが好ましく、0~2の整数であることがより好ましく、0~1であることが更に好ましく、0であることが特に好ましい。硬化阻害が少なく、硬化物に対して容易に酸化防止能等を付与できる化合物を提供することができるからである。
原子団Aは、酸化防止能を有する原子団である。
本発明の化合物I-1は、特定の波長の光が照射されることで、光脱離基Bが脱離し、水酸基を有する化合物I-2が生成される。本発明において、酸化防止能を有するとは、物質の熱や光、その他エネルギーによる酸化を防止又は抑制する機能を有する、例えば、ラジカル捕捉作用を発揮することをいうものである。本発明においてラジカル捕捉作用とは、化合物I-2が自動酸化の連鎖担体ペルオキシラジカルと反応し、酸化を停止させることを意味する。本発明において酸化防止能を有する原子団は、酸化防止能を有する基又は酸化防止能を有する基を少なくとも一つ有する原子の集合体とすることができる。
すなわち、上記化合物I-2は、フェノール性水酸基を有する酸化防止剤として一般的に用いられるものとすることができる。
上記化合物I-2としては、例えば、特開平6-179798号公報、特開平11-71355号公報、特開2002-97224号公報等に記載のフェノール系酸化防止剤、特開平7-109380号公報に記載のアルキル置換フェノール系酸化防止剤等を用いることができる。
R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R1、R2、R3及びR4に用いられるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO2-又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
R’は、水素原子又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、
複数のR1同士は、結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
複数のR1は、同じである場合があり、異なっている場合があり、
mは、1~10の整数を表し、
nは、2~10の整数を表し、
aは、0~2の整数を表し、
X1は、m価の結合基を表し、
X2は、n価の結合基を表す。)
上記結合基X1としては、具体的には、直接結合、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、下記(II-a)若しくは(II-b)で表される基、>C=O、>NR53、-OR53、-SR53、-NR53R54又はmと同数の価数を有する炭素原子数1~120の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6~35の芳香環含有炭化水素基若しくは炭素原子数2~35の複素環含有基を表す。上記R53及びR54は、水素原子、炭素原子数1~35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6~35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2~35の複素環含有基を表し、該脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基は、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NH-CO-O-、-NR’-、-S-S-、-SO2-、窒素原子又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合もあり、上記芳香環又は複素環は、他の環と縮合されている場合がある。
但し、X1が窒素原子、リン原子又は下記(II-a)若しくは(II-b)で表される結合基の場合、mは3であり、X1が酸素原子又は硫黄原子、>C=O、-NH-CO-、-CO-NH-又は>NR53の場合、mは2であり、X1が-OR53、-SR53又は-NR53R54の場合、mは1であり、X1は、ベンゼン環と一緒になって環を形成している場合もある。
R53及びR54で表される炭素原子数6~35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2~35の複素環含有基としては、上記X1で表される炭素原子数6~35の芳香環含有炭化水素基若しくは炭素原子数2~35の複素環含有基又はこれらの基が後述する置換基により置換された基が挙げられる。
このような脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基等の置換基としては、例えば、R11等に用いられるアルキル基等の水素原子を置換する置換基と同じものを挙げることができる。
上記X1は、mが3であるとき、下記一般式(2)で表される基を用いることができる。
上記X1は、mが4であるとき、下記一般式(3)で表される基を用いることができる。
上記X1は、mが5であるとき、下記一般式(4)で表される基を用いることができる。
上記X1は、mが6であるとき、下記一般式(5)で表される基を用いることができる。
R55及びR56は、水素原子、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基又は炭素原子数7~20のアリールアルキル基を表し、
Z1及びZ2は、それぞれ独立に、直接結合、-O-、-S-、>CO、-CO-O-、-O-CO-、-SO2-、-SS-、-SO-、>NR58又は>PR58を表し、
R57及びR58は、水素原子、炭素原子数1~35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6~35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2~35の複素環含有基を表し、
*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
R60は炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数2~10のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、上記アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基は置換基を有している場合もあり、c1は0~5の整数であり、*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
R61は、隣接するR61同士で環を形成している場合もあり、
c2は0~4の数を表し、
c3は0~8の数を表し、
c4は0~4の数を表し、
c5は0~4の数を表し、
c4とc5の数の合計は2~4であり、
*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立に、直接結合、-O-、-S-、>CO、-CO-O-、-O-CO-、-SO2-、-SS-、-SO-、>NR62、PR62、炭素原子数1~35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6~35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2~35の複素環含有基を表し、
R62は、水素原子、炭素原子数1~35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6~35の芳香環含有炭化水素基又は炭素原子数2~35の複素環含有基を表し、
該脂肪族炭化水素基、炭素原子数6~35の芳香環含有炭化水素基及び炭素原子数2~35の複素環含有基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-又は-SO2-で置き換わっている場合もある。)
上記脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基等の各官能基は、置換基を有している場合があるものであり、特に断りがない限り、置換基を有していない無置換である又は置換基を有しているものである。
このような脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基等の置換基としては、R11等に用いられるアルキル基等の水素原子を置換する置換基と同じものが挙げられる。
上記一般式(1)で表される基におけるR55及びR56で表される炭素原子数7~20のアリールアルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、2-フェニルプロパン-2-イル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、スチリル、シンナミル等が挙げられる。
上記一般式(1-1)で表される基における、R60で表される炭素原子数1~10のアルコキシ基としては、上記「1.光脱離基B」の項においてR11等で表されるアルコキシ基として例示したもののうち、炭素原子数が1~10のものが挙げられる。
上記一般式(1-1)で表される基における、炭素原子数2~10のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基、2-ブテニル基、1,3-ブタジエニル基、2-ペンテニル基及び2-オクテニル等が挙げられる。
上記R60におけるアルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基は例えば、ハロゲン原子で置換されているものとすることができ、その置換位置は制限されない。
アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルケニル基、複素環含有基等の水素原子を置換する置換基としては、R11等に用いられるアルキル基等の水素原子を置換する置換基と同様の内容とすることができる。
上記結合基X1は、mが3である場合、下記群1から選ばれる基であることが好ましい。
上記結合基X1は、mが4である場合、下記群2から選ばれる基であることが好ましい。
上記結合基X1は、mが5である場合、下記群3から選ばれる基であることが好ましい。
上記結合基X1は、mが6である場合、下記群4から選ばれる基であることが好ましい。
これらの置換基は、化合物I-1が光脱離基Bの脱離後に優れた酸化防止能を発揮するものとすることができるとともに、原料の入手や製造が容易だからである。
上記R113及びR117に用いられる炭素原子数1~20の脂肪族炭化水素基としては、上記結合基X1において用いられる炭素原子数1~120の脂肪族炭化水素基としてmが1価のものとして例示した内容のうち、所定の炭素原子数を満たすものが挙げられる。
上記Y3で表さる二価の炭素原子数1~35の脂肪族炭化水素基及び炭素原子数6~35の芳香環含有炭化水素基としては、上述したY1として例示した内容と同様とすることができる。
上記R116及びR31に用いられる炭素原子数1~35の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6~35の芳香環含有炭化水素基及び炭素原子数2~35の複素環含有基としては、上述したR53及びR54として例示した内容と同様とすることができる。
このような脂肪族炭化水素基、芳香環含有炭化水素基及び複素環含有基等の置換基としては、R11等に用いられるアルキル基等の水素原子を置換する置換基と同様の内容とすることができる。
上記結合基Xは、mが1である場合、水素原子又は炭素原子数1~120の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、水素原子又は炭素原子数1~10のアルキル基であることがより好ましい。化合物I-1が光脱離基Bの脱離後に優れた酸化防止能を発揮するとともに、化合物I-1の製造が容易だからである。
上記結合基X2のベンゼン環との結合位置としては、上記X1と同様とすることができる。
本発明の化合物は、上記一般式(I-1)で表されるものであればよいが、上記一般式(A-1)、(A-2)又は(A-3)で表される化合物であり、光脱離基Bとして、上記一般式(B-1-a)で表されるものを含むことが好ましい。合成が容易であり、更に、光脱離が容易だからである。また、硬化物に対して容易に酸化防止能等を付与できるからである。また、化合物I-1が、上記一般式(A-1)、(A-2)又は(A-3)であるため、光脱離基Bの脱離により安定的にラジカル等をトラップできるからである。
上記分子量は、例えば、250以上5000以下とすることができ、300以上2500以下とすることができ、350以上1500以下とすることができる。
なお、上記分子量は、化合物I-1がその構造として繰り返し構造を含む重合体である場合には、重量平均分子量(Mw)で表すものとすることができる。
以下、重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値として求めることができる。
上記重量平均分子量Mwは、例えば、東ソー(株)製のHLC-8120GPCを用い、溶出溶剤を0.01モル/リットルの臭化リチウムを添加したN-メチルピロリドンとし、校正曲線用ポリスチレンスタンダードをMw377400、210500、96000、50400、20650、10850、5460、2930、1300、580(以上、Polymer Laboratories社製 Easi PS-2シリーズ)及びMw1090000(東ソー(株)製)とし、測定カラムをTSK-GEL ALPHA-M×2本(東ソー(株)製)として測定して得ることができる。また、測定温度は40℃とすることができ、流速は1.0mL/分とすることができる。
このような化合物I-1の用途としては、光照射により酸化防止能を発揮することが要求される用途であることが好ましく、例えば、組成物に添加して用いられる酸化防止剤等を挙げることができる。
また、上記化合物I-1は、光照射することで、水酸基を有する化合物I-2を生成するものである。このような化合物I-1の用途としては、例えば、高い分散安定性が要求される酸化防止剤等を挙げることができる。
次に、本発明の潜在性酸化防止剤について説明する。
本発明の潜在性酸化防止剤は、本発明の化合物I-1を含む。
本発明の潜在性酸化防止剤は、潜在性酸化防止剤100質量部中に、化合物I-1を100質量部含むもの、すなわち、上記潜在性酸化防止剤が上記化合物I-1のみからなるものとすることができる。
また、本発明の潜在性酸化防止剤は、化合物I-1に加え、その他の成分を含有する場合がある。本発明の潜在性酸化防止剤がその他の成分を含有する場合、化合物I-1の含有量は、潜在性酸化防止剤100質量部中に、例えば、20質量部超99質量部以下とすることができ、25質量部以上99質量部以下であることが好ましく、50質量部以上99質量部以下であることがより好ましく、80質量部以上99質量部以下であることが特に好ましい。硬化阻害が少ない等の効果をより効果的に発揮できるからである。
上記潜在性酸化防止剤は、その他の成分として、重合性基を有しない重合体等の樹脂成分を含むものとすることができる。
ペレット状である場合、上記潜在性酸化防止剤の製造方法としては、例えば、押出機等を用いて、上記化合物I-1及び樹脂成分を混合した後、ペレット状に成型する方法を用いることができる。
次に、本発明の組成物について説明する。
本発明の組成物は、本発明の化合物I-1を含むものである。
本発明の組成物における化合物I-1の含有量は、組成物に対して所望の酸化防止能等を付与できる量であれば特に限定されるものではない。
上記含有量としては、例えば、組成物の固形分100質量部中、0.01質量部以上20質量部以下とすることができ、0.05質量部以上5質量部以下であることが好ましい。硬化阻害が少なく、硬化物に対して容易に酸化防止能等を容易に付与できる組成物とすることが容易だからである。
なお、固形分とは、溶剤以外のすべての成分を含むものである。
また、本発明において特に断りがない場合には、含有量は質量基準である。
上記化合物I-1の含有量は、溶剤等の含有量によって異なるものであるが、例えば、組成物100質量部中に、0.001質量部以上20質量部以下とすることができ、なかでも、0.005質量部以上10質量部以下であることが好ましい。硬化阻害が少なく、硬化物に対して容易に酸化防止能等を容易に付与できる組成物とすることが容易だからである。
上記組成物は、その用途等に応じて、上記化合物I-1以外の他の成分を含む場合がある。
上記他の成分としては、例えば、樹脂成分が挙げられる。
上記樹脂成分を含むことで、例えば、上記組成物に、例えば、硬化性等を容易に付与できるからである。
また、上記他の成分としては、上記樹脂成分と共に重合開始剤を含むことが好ましい。上記組成物は、他の成分として樹脂成分、重合開始剤等を含むことにより、例えば、硬化性等を容易に付与できるからである。
上記樹脂成分としては、上記化合物I-1を保持できるものとすることができ、組成物の用途等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、重合性基を有する重合性化合物、重合性基を有しない重合体等を挙げることができる。
上記樹脂成分として重合性化合物を含むことにより、上記組成物は、例えば、光硬化性組成物、熱硬化性組成物等として用いることができる。
上記重合性化合物は、重合性基を有するものである。
また、重合性化合物は、通常、重合開始剤と共に用いられるものである。
このような重合性化合物は、重合性基の種類、すなわち、重合反応の種類により異なるものであり、例えば、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物、アニオン重合性化合物等を挙げることができる。
上記重合性化合物は、硬化阻害が少なくなるとの効果を効果的に発揮する観点からはラジカル重合性化合物を含むことが好ましい。
上記ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能な重合性基を1以上有するものであればよく、2以上含むものであってもよい。
上記ラジカル重合性化合物は、通常、ラジカル重合開始剤と共に用いられるものである。
ラジカル重合可能な重合性基としては、例えば、(メタ)アクリル基、ビニル基等のエチレン性不飽和二重結合基を挙げることができる。
なお、(メタ)アクリルは、アクリル及びメタクリルを含む意味で用いるものである。また、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートを含む意味で用いるものである。
酸価を有する化合物としては、例えば、カルボキシル基を有する化合物等を挙げることができる。
上記組成物は、ラジカル重合性化合物として酸価を有する化合物を含むことにより、光照射部位のアルカリ現像液への溶解性が低下する。このため、上記組成物は、例えば、アルカリ現像液等の溶媒への溶解性が光照射前後で変化する感光性組成物として用いることができる。より具体的には、上記組成物は、酸価を有する化合物を含むことで、ネガ型組成物として用いることができる。
アルカリ現像液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液や、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ現像液として一般的に使用されているものを用いることができる。
R41、R42、R44及びR44は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数2~5のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、
dは0~10の整数である。)
上記炭素原子数1~4のアルキリデン基としては、例えば、メチリデン、エチリデン、プロピリデン、ブチリデン等を挙げることができる。
上記脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が挙げられる。
なお、上記アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキリデン基、脂環式炭化水素基等は、置換基を有している場合があるものであり、特に断りがない限り、置換基を有していない無置換である又は置換基を有しているものである。
このようなアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキリデン基、脂環式炭化水素基等の水素原子を置換する置換基としては、R11等に用いられるアルキル基等の水素原子を置換する置換基と同様の内容とすることができる。
ラジカル重合性化合物は、2種以上を混合して使用する場合には、それらを予め共重合して共重合体として使用してもよい。
上記ラジカル重合性化合物の含有量としては、組成物の用途等に応じて適宜設定できるが、例えば、組成物100質量部中に、1質量部以上99質量部以下とすることができ、10質量部以上90質量部以下であることが好ましく、なかでも、40質量部以上80質量部以下であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲であることで、例えば、上記組成物は、感度に優れたネガ型組成物として用いることができるからである。また、硬化阻害が少なく、硬化物に対して容易に酸化防止等を容易に付与できる組成物を提供することができるからである。
上記重合性化合物の含有量は、上記組成物を硬化性組成物として使用可能となるものであればよいが、化合物I-1及び重合性化合物の合計100質量部中に、1質量部以上99質量部以下とすることができ、50質量部以上99.9質量部以下であることが好ましく、なかでも、80質量部以上99.7質量部以下であることが好ましく、90質量部以上99.5質量部以下であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲であることにより、上記組成物は、硬化阻害が少なく、硬化物に対して容易に酸化防止能等を容易に付与できる組成物を提供することができるからである。
また、上記化合物I-1及びラジカル重合性化合物の含有量としては、組成物の用途等に応じて適宜設定できるが、例えば、組成物100質量部中に、1質量部以上99質量部以下とすることができ、10質量部以上90質量部以下であることが好ましく、なかでも、40質量部以上80質量部以下であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲であることで、例えば、上記組成物は、感度に優れたネガ型組成物として用いることができるからである。また、硬化阻害が少なく、硬化物に対して容易に酸化防止能等を容易に付与できる組成物を提供することができるからである。
上記カチオン重合性化合物は、カチオン重合可能な重合性基を1以上有するものであればよい。
上記カチオン重合性化合物は、通常、カチオン重合開始剤と共に用いられるものである。
カチオン重合可能な重合性基としては、例えば、エポキシ基及びオキセタン基等の環状エーテル基並びにビニルエーテル基等を挙げることができる。
すなわち、カチオン重合性化合物としては、エポキシ化合物及びオキセタン化合物等の環状エーテル化合物並びにビニルエーテル化合物等が挙げられる。
上記アニオン重合性化合物は、通常、アニオン重合開始剤と共に用いられるものである。
上記アニオン重合可能な重合性基としては、例えば、エポキシ基、ラクトン基、(メタ)アクリル基等を挙げることができる。
すなわち、上記アニオン重合性化合物としては、エポキシ化合物、ラクトン化合物、(メタ)アクリル基を有する化合物等が挙げられる。
上記ラクトン化合物としては、β-プロピオラクトン、ε-カプロラクトン等を挙げることができる。
なお、エポキシ化合物については、上記カチオン重合性化合物として例示したエポキシ化合物を用いることができる。また、(メタ)アクリル基を有する化合物としては、上記ラジカル重合性化合物として例示したものを用いることができる。
上記重合体の重量平均分子量(Mw)は、組成物の用途等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、1500以上とすることができ、1500以上300000以下とすることができる。
また、上記重合体は、重合性基を有しないものである。
このような重合体としては、繰り返し構造を含むものであればよく、感光性を有する感光性樹脂、感光性を有しない非感光性樹脂等を挙げることができる。
上記組成物は、例えば、樹脂成分として感光性樹脂を含むことにより、感光性組成物として用いることができる。
上記感光性樹脂は、感光性を有するものであり、例えば、酸発生剤と共に用いられ、酸の作用でエステル基又はアセタール基等の化学結合の切断等、現像液に対する溶解性が増加する方向に変化するポジ型樹脂を挙げることができる。
上記組成物は、樹脂成分としてポジ型樹脂を含むことにより、光照射部位のアルカリ現像液への溶解性が増加する。
このため、上記組成物は、例えば、アルカリ現像液等の溶媒への溶解性が光照射前後で変化する感光性組成物として、より具体的には、ポジ型組成物として用いることができる。
上記高分子重合体としては、ポリヒドロキシスチレン及びその誘導体;ポリアクリル酸及びその誘導体;ポリメタクリル酸及びその誘導体;ヒドロキシスチレン、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの誘導体から選ばれ形成される2以上の共重合体;ヒドロキシスチレン、スチレン及びそれらの誘導体から選ばれ形成される2以上の共重合体;シクロオレフィン及びその誘導体、無水マレイン酸、並びに、アクリル酸及びその誘導体から選ばれる3以上の共重合体;シクロオレフィン及びその誘導体、マレイミド、並びに、アクリル酸及びその誘導体から選ばれる3以上の共重合体;ポリノルボルネン;メタセシス開環重合体からなる一群から選択される1種以上の高分子重合体等を挙げることができる。
上記高分子重合体に導入される酸不安定基としては、三級アルキル基、トリアルキルシリル基、オキソアルキル基、アリール基置換アルキル基、テトラヒドロピラン-2-イル基等の複素脂環基、三級アルキルカルボニル基、三級アルキルカルボニルアルキル基、アルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
上記非感光性樹脂は、感光性を有しないものであればよく、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート-エチルアクリレート共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸、スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸-メチルメタクリレート共重合体、エチレン-塩化ビニル共重合体、エチレン-ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ウレタン樹脂、ポリカーボネートポリビニルブチラール、セルロースエステル、ポリアクリルアミド、飽和ポリエステル、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記非感光性樹脂は、例えば、上述の重合性化合物の重合物も用いることができる。
上記重合体の重量平均分子量(Mw)は、組成物の用途等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、1500以上とすることができ、1500以上300000以下とすることができる。
上記樹脂成分の含有量としては、組成物の用途等に応じて適宜設定されるものであり、例えば、組成物の固形分100質量部中、1質量部99質量部以下とすることができ、10質量部以上90質量部以下であることが好ましく、なかでも、20質量部以上80質量部以下であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲であることにより、上記組成物は、例えば、上記化合物I-1を安定的に保持可能だからである。
上記樹脂成分の含有量としては、組成物の用途等に応じて適宜設定できるが、例えば、組成物100質量部中に、1質量部以上99質量部以下とすることができ、10質量部以上90質量部以下であることが好ましく、なかでも、40質量部以上80質量部以下であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲であることで、例えば、上記組成物は、感度に優れたネガ型組成物として用いることができるからである。また、硬化阻害が少なく、硬化物に対して容易に酸化防止能等を容易に付与できる組成物を提供することができるからである。
上記樹脂成分の含有量は、組成物の用途等に応じて異なるものであるが、化合物I-1及び樹脂成分の合計100質量部中に、1質量部以上99.9質量部以下とすることができ、50質量部以上99.7量部以下であることが好ましく、なかでも、80質量部以上99.5質量部以下であることが好ましく、90質量部以上98質量部以下であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲であることにより、上記組成物は、硬化物に対して容易に酸化防止能等を容易に付与できる組成物を提供することができるからである。
また、上記化合物I-1及び樹脂成分の含有量としては、組成物の用途等に応じて適宜設定できるが、例えば、組成物100質量部中に、1質量部以上99質量部以下とすることができ、10質量部以上90質量部以下であることが好ましく、なかでも、40質量部以上80質量部以下であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲であることで、例えば、上記組成物は、感度に優れたネガ型組成物として用いることができるからである。また、硬化阻害が少なく、硬化物に対して容易に酸化防止能等を容易に付与できる組成物を提供することができるからである。
上記樹脂成分は、例えば、重合性化合物及び重合体のいずれか一方のみを含むもの又は両者を含むものとすることができる。
上記樹脂成分が重合性化合物及び重合体の両者を含む場合、上記重合性化合物の含有量としては、組成物の用途等に応じて適宜設定することができるが、例えば、重合性化合物及び重合体の合計100質量部中、1質量部以上99質量部以下とすることができる。
上記重合開始剤は、硬化性成分として含まれるものであり、通常、重合性化合物等と共に用いられるものである。
上記重合開始剤としては、重合性化合物を重合可能なものであればよく、例えば、光照射を受けることにより重合性化合物を重合可能な光重合開始剤、加熱することにより重合性化合物を重合可能な熱重合開始剤等を挙げることができる。
上記光重合開始剤としては、光照射を受けることにより重合性化合物を重合可能なものであればよく、例えば、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、光アニオン重合開始剤等を挙げることができる。
上記光重合開始剤は、組成物が硬化阻害の少ないものとなるとの効果を効果的に発揮する観点からは光ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物及びオキシムエステル系化合物等を好ましいものとして例示することができる。
R73及びR74は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、R75、OR76、SR77、NR78R79、COR80、SOR81、SO2R82又はCONR83R84を表し、R73及びR74は、互いに結合して環を形成している場合もあり、
R75、R76、R77、R78、R79、R80、R81、R82、R83及びR84は、それぞれ独立に、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
X3は、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、CR85R86、CO、NR87又はPR88を表し、
X4は、単結合又はCOを表し、
R85、R86、R87及びR88は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基又は炭素原子数7~20のアリールアルキル基を表し、該アルキル基又はアリールアルキル基中のメチレン基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基又は複素環含有基で置換されている場合もあり、-O-で置き換えられている場合もあり、
R73及びR74は、それぞれ独立に、隣接するどちらかのベンゼン環と一緒になって環を形成している場合もあり、
e1は、0~4の整数を表し、
e2は、0~5の整数を表す。)
インドール系オキシムエステル化合物としては、例えば、国際公開第2017/051680号に記載される下記一般式(V)で表されるオキシムエステル化合物等を挙げることができる。
R211、R212及びR213は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R211、R212及びR213で表される基の水素原子は、更にR221、OR221、COR221、SR221、NR222R223、CONR222R223、NR222OR223、NCOR222OCOR223、NR222COR221、OCOR221、COOR221、SCOR221、OCSR221、COSR221、CSOR221、水酸基、ニトロ基、CN、ハロゲン原子、又はCOOR221で置換されている場合もあり、
R221、R222及びR223は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R221、R222及びR223で表される基の水素原子は、更に水酸基、ニトロ基、CN、ハロゲン原子、水酸基又はカルボキシル基で置換されている場合もあり、
R211、R212、R213、R221、R222及びR223で表される基のアルキレン部分のメチレン基は、-O-、-S-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-CONR224-、-NR224-、-NR224CO-、-NR224COO-、-OCONR224-、-SCO-、-COS-、-OCS-又は-SCOO-により置き換えられている場合もあり、
R224は、水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R211、R212、R213、R221、R222、R223及びR224で表される基のアルキル部分は、分岐側鎖がある場合もあり、環状アルキルである場合もあり、
R203は、水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、R203で表される基のアルキル部分は、分岐側鎖がある場合もあり、環状アルキルである場合もあり、また、R203とR207及びR203とR208はそれぞれ一緒になって環を形成している場合もあり、
R203で表される基の水素原子は、更にR221、OR221、COR221、SR221、NR222R223、CONR222R223、NR222OR223、NCOR222OCOR223、NR222COR221、OCOR221、COOR221、SCOR221、OCSR221、COSR221、CSOR221、水酸基、ニトロ基、CN、ハロゲン原子、又はCOOR221で置換されている場合もあり、
R204、R205、R206及びR207は、それぞれ独立に、R211、OR211、SR211、COR214、CONR215R216、NR212COR211、OCOR211、COOR214、SCOR211、OCSR211、COSR214、CSOR211、水酸基、CN又はハロゲン原子を表し、R204とR205、R205とR206及びR206とR207はそれぞれ一緒になって環を形成している場合もあり、
R204、R205、R206及びR207で表される基の水素原子は、更にR221、OR221、COR221、SR221、NR222R223、CONR222R223、NR222OR223、NCOR222OCOR223、NR222COR221、OCOR221、COOR221、SCOR221、OCSR221、COSR221、CSOR221、水酸基、ニトロ基、CN、ハロゲン原子又はCOOR221で置換されている場合もあり、
R214、R215及びR216は、水素原子又は炭素原子数1~20のアルキル基を表し、
R214、R215及びR216で表される基のアルキル部分は、分岐側鎖がある場合もあり、環状アルキルである場合もあり、
R208は、R211、OR211、SR211、COR211、CONR212R213、NR212COR211、OCOR211、COOR211、SCOR211、OCSR211、COSR211、CSOR211、水酸基、CN又はハロゲン原子を表し、
n1は、0又は1を表す。)
上記光ラジカル重合開始剤の含有量としては、所望の硬化性や感光性を付与できるものであればよいが、例えば、重合性化合物100質量部に対して、0.001質量部以上20質量部以下とすることができ、0.1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。上記含有量であることで、組成物は、硬化性等に優れ、また、分散性等にも優れるからである。
[A1]r+[B1]r-
で表される陽イオンと陰イオンの塩を挙げることができる。
[(R101)f1Q]r+
Xf2は、ハロゲン原子、又は、ハロゲン原子やアルコキシ基等で置換されている場合もあるフェニル基である。f2は3~7なる整数である。
また、陰イオン[B1]r-中のLの原子価をpとしたとき、r=f2-pなる関係が成り立つことが必要である。
[LXf2-1(OH)]r-
で表される構造のものも好ましく用いることができる。L,X,f2は上記と同様である。また、その他用いることのできる陰イオンとしては、過塩素酸イオン(ClO4)-、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CF3SO3)-、フルオロスルホン酸イオン(FSO3)-、トルエンスルホン酸陰イオン、トリニトロベンゼンスルホン酸陰イオン、カンファースルフォネート、ノナフロロブタンスルフォネート、ヘキサデカフロロオクタンスルフォネート、テトラアリールボレート及びテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を挙げることができる。
上記光アニオン重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン O-アロイルオキシム(acetophenone O-aroyloxime)、ニフェジピン(nifedipine)等を挙げることができる。
上記熱重合開始剤としては、加熱することにより重合性化合物を重合可能なものであればよく、熱ラジカル重合開始剤、熱カチオン重合開始剤、熱アニオン重合開始剤等を挙げることができる。
上記熱重合開始剤は、硬化阻害が少なくなるとの効果を効果的に発揮する観点からは熱ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ系化合物、過酸化物及び過硫酸塩等を好ましいものとして例示することができる。
上記熱カチオン重合開始剤としては、具体的には、スルホニウム塩、チオフェニウム塩、チオラニウム塩、ベンジルアンモニウム、ピリジニウム塩及びヒドラジニウム塩等の塩;ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン及びテトラエチレンペンタミン等のポリアルキルポリアミン類;1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノ-3,6-ジエチルシクロヘキサン及びイソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン類;m-キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン及びジアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミン類;上記ポリアミン類と、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ビスフェノールA-ジグリシジルエーテル及びビスフェノールF-ジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類又はカルボン酸のグリシジルエステル類等の各種エポキシ樹脂とを常法によって反応させることによって製造されるポリエポキシ付加変性物;上記有機ポリアミン類と、フタル酸、イソフタル酸及びダイマー酸等のカルボン酸類とを常法によって反応させることによって製造されるアミド化変性物;上記ポリアミン類とホルムアルデヒド等のアルデヒド類及びフェノール、クレゾール、キシレノール、第三ブチルフェノール及びレゾルシン等の核に少なくとも1個のアルデヒド化反応性場所を有するフェノール類とを常法によって反応させることによって製造されるマンニッヒ化変性物;多価カルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2-メチルコハク酸、2-メチルアジピン酸、3-メチルアジピン酸、3-メチルペンタン二酸、2-メチルオクタン二酸、3,8-ジメチルデカン二酸、3,7-ジメチルデカン二酸、水添ダイマー酸及びダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸類;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸類;トリメリット酸、トリメシン酸及びひまし油脂肪酸等の三量体等のトリカルボン酸類;ピロメリット酸等のテトラカルボン酸類等)の酸無水物;ジシアンジアミド、イミダゾール類、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル及びアミンイミド等を挙げることができる。
上記熱カチオン重合開始剤としては、市販品を用いることもでき、例えば、アデカオプトンCP-77、アデカオプトンCP-66(ADEKA社製)、CI-2639、CI-2624(日本曹達社製)、サンエイドSI-60L、サンエイドSI-80L、サンエイドSI-100L(三新化学工業社製)等が挙げられる。
上記アニオン重合開始剤としては、具体的には、脂肪族アミン系化合物、芳香族アミン系化合物、二級又は三級アミン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリメルカプタン系化合物、三フッ化ホウ素-アミン錯体、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジッド等を用いることができる。
上記重合開始剤の含有量としては、所望の硬化性や感光性を付与できるものであればよいが、例えば、固形分100質量部中、0.1質量部以上30質量部以下とすることができ、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。上記含有量であることで、組成物は、硬化性等に優れ、また、分散性等にも優れるからである。
上記重合開始剤の含有量としては、所望の硬化性や感光性を付与できるものであればよいが、例えば、重合性化合物100質量部に対して、0.001質量部以上20質量部以下とすることができ、0.1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。上記含有量であることで、組成物は、硬化性等に優れ、また、分散性等にも優れるからである。
上記他の成分としては、樹脂成分、重合開始剤以外に、必要に応じて、着色剤、溶剤、連鎖移動剤、増感剤、界面活性剤、シランカップリング剤、メラミン化合物等を含むことができる。
また、上記他の成分は、これら以外にも必要に応じて、p-アニソール、ハイドロキノン、ピロカテコール、t-ブチルカテコール、フェノチアジン等の熱重合抑制剤;可塑剤;接着促進剤;充填剤;消泡剤;レベリング剤;表面調整剤;上記化合物I-1で表される化合物以外のフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等の酸化防止剤;紫外線吸収剤;分散助剤;凝集防止剤;触媒;効果促進剤;架橋剤;増粘剤等の添加剤を含むことができる。
上記着色剤としては、例えば組成物又はその硬化物等に所望の着色を付与できるものであればよく、染料又は顔料が挙げられる。
染料としては、380~1200nmに吸収を有する化合物を用いることができ、例えば、アゾ化合物、アントラキノン化合物、インジゴイド化合物、トリアリールメタン化合物、キサンテン化合物、アリザリン化合物、アクリジン化合物、スチルベン化合物、チアゾール化合物、ナフトール化合物、キノリン化合物、ニトロ化合物、インダミン化合物、オキサジン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、ジインモニウム化合物、シアノエテニル化合物、ジシアノスチレン化合物、ローダミン化合物、ペリレン化合物、ポリエンナフトラクタム化合物、クマリン化合物、スクアリリウム化合物、クロコニウム化合物、スピロピラン化合物、スピロオキサジン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、スチリル化合物、ピリリウム化合物、ローダニン化合物、オキサゾロン化合物、フタルイミド化合物、シンノリン化合物、ナフトキノン化合物、アザアントラキノン化合物、ポルフィリン化合物、アザポルフィリン化合物、ピロメテン化合物、キナクリドン化合物、ジケトピロロピロール化合物、インジゴ化合物、アクリジン化合物、アジン化合物、アゾメチン化合物、アニリン化合物、キナクリドン化合物、キノフタロン化合物、キノンイミン化合物、イリジウム錯体化合物、ユーロピウム錯体化合物等の染料等が挙げられ、これらは複数を混合して用いてもよい。
上記着色剤の含有量としては、組成物100質量部中に0.01質量部以上20質量部以下とすることができる。
上記溶剤としては、上記の各成分を溶解又は分散し得るものであればよく、例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン等のケトン類;エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル、コハク酸ジメチル、テキサノール等のエステル系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、イソ-又はn-プロパノール、イソ-又はn-ブタノール、アミルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセテート(PGMEA)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、1-t-ブトキシ-2-プロパノール、3-メトキシブチルアセテート、シクロヘキサノールアセテート等のエーテルエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等のBTX系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テレピン油、D-リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油(株))、ソルベッソ#100(エクソン化学(株))等のパラフィン系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒;カルビトール系溶媒、アニリン、トリエチルアミン、ピリジン、酢酸、アセトニトリル、二硫化炭素、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられ、これらの溶媒は1種又は2種以上の混合溶媒として使用することができる。
上記溶剤の含有量としては、上記組成物の用途等に応じて異なるものであるが、組成物100質量部中に1質量部以上99質量部以下とすることができ、10質量部以上70質量部以下であることが好ましい。塗布性等に優れたものとすることが容易だからである。
上記連鎖移動剤、増感剤としては、組成物の感度等を調整できるものとすることができ、一般的に硫黄原子含有化合物が用いられる。例えばチオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプト酪酸、N-(2-メルカプトプロピオニル)グリシン、2-メルカプトニコチン酸、3-[N-(2-メルカプトエチル)カルバモイル]プロピオン酸、3-[N-(2-メルカプトエチル)アミノ]プロピオン酸、N-(3-メルカプトプロピオニル)アラニン、2-メルカプトエタンスルホン酸、3-メルカプトプロパンスルホン酸、4-メルカプトブタンスルホン酸、ドデシル(4-メチルチオ)フェニルエーテル、2-メルカプトエタノール、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール、1-メルカプト-2-プロパノール、3-メルカプト-2-ブタノール、メルカプトフェノール、2-メルカプトエチルアミン、2-メルカプトイミダゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプト-3-ピリジノール、2-メルカプトベンゾチアゾール、メルカプト酢酸、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)等のメルカプト化合物、該メルカプト化合物を酸化して得られるジスルフィド化合物、ヨード酢酸、ヨードプロピオン酸、2-ヨードエタノール、2-ヨードエタンスルホン酸、3-ヨードプロパンスルホン酸等のヨード化アルキル化合物、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(3-メルカプトイソブチレート)、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、ブタンジオールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、トリスヒドロキシエチルトリスチオプロピオネート、下記化合物No.C1、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の脂肪族多官能チオール化合物、昭和電工社製カレンズMT BD1、PE1、NR1等が挙げられる。
上記界面活性剤としては、組成物の分散安定性、塗工性等を改善できるものを用いることができ、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等のフッ素界面活性剤、高級脂肪酸アルカリ塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤、高級アミンハロゲン酸塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド等の非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤を用いることができ、これらは組み合わせて用いてもよい。
上記シランカップリング剤としては、ガラスなどの無機材料と化学結合する反応基と、合成樹脂などの有機材料と化学結合する反応基と、を有するシラン化合物であり、組成物又はその硬化物の密着性等を改善できるものを用いることができる。シランカップリング剤としては、例えば信越化学社製シランカップリング剤を用いることができ、その中でもKBE-9007、KBM-502、KBE-403等、イソシアネート基、メタクリロイル基、エポキシ基を有するシランカップリング剤が好適に用いられる。
上記メラミン化合物としては、硬化性を改善できるものを用いることができ、例えば、(ポリ)メチロールメラミン、(ポリ)メチロールグリコールウリル、(ポリ)メチロールベンゾグアナミン、(ポリ)メチロールウレア等の窒素化合物中の活性メチロール基(CH2OH基)の全部又は一部(少なくとも2つ)がアルキルエーテル化された化合物を挙げることができる。ここで、アルキルエーテルを構成するアルキル基としては、メチル基、エチル基又はブチル基が挙げられ、互いに同一である場合もあるし、異なる場合もある。また、アルキルエーテル化されていないメチロール基は、一分子内で自己縮合している場合があり、二分子間で縮合して、その結果オリゴマー成分が形成されていてもよい。具体的には、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラブトキシメチルグリコールウリル等を用いることができる。これらの中でも、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン等のアルキルエーテル化されたメラミンが好ましい。
上記組成物の粘度としては、例えば、塗工性を有するものとする観点からは、例えば、200mPa・s以下とすることができ、1mPa・s以上200mPa・s以下とすることができる。上記組成物は、塗工性に優れるからである。
上記粘度は、JIS Z 8803:2011に準じて、回転式粘度計(例えば、アントンパール社製、Physica MCR301等)を用いて、測定される値のことを指す。また、本明細書で、特に、温度の指定がない処理、測定は、25℃で行うものとすることができる。
次に、本発明の硬化物について説明する。
本発明の硬化物は、組成物の硬化物であって、上記組成物は、上述の化合物と、重合性化合物と、を含むことを特徴とするものである。
以下、本発明の硬化物について詳細に説明する。
また、上記組成物は、上記化合物I-1及び重合性化合物以外の成分を含むものであってもよい。
このような組成物の各成分の内容については、上記「C.組成物」の「2.その他の成分」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記硬化物に含まれる重合性化合物の残存量としては、硬化物の用途等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、硬化物100質量部に対して10質量部以下であり、1質量部以下であることが好ましい。
上記硬化物に含まれる溶剤の含有量としては、例えば、硬化物100質量部に対して、1質量部以下とすることができ、0.5質量部以下とすることができる。
上記弾性率の上限については、硬化物の用途等に応じて適宜設定できるが、例えば、106MPa以下とすることができる。
なお以下、弾性率は、圧縮弾性率をいうものであり、JIS K7181に準拠して、23℃で、測定することができる。
測定サンプルについては、例えば、一辺の長さが6mmの立方体の試験片を作成又は切り出し、JISK7181に準じ、試験速度1±0.2mm/分の条件で測定することができる。
次に、本発明の第2組成物について説明する。
本発明の第2組成物は、下記一般式(I-2)で表される化合物と、光脱離基由来の脱離物と、を含むことを特徴とするものである。
以下、本発明の第2組成物について詳細に説明する。
上記化合物I-2は、酸化防止能を発揮するものである。
上記化合物I-2は、上記化合物I-1中、上記B-O-が-OH基に置換されたものである。
このような化合物I-1の内容については、上記「A.化合物」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記化合物B’は、光脱離基由来の脱離物である。
また、光脱離基は、フェノール性水酸基に対して保護基として結合可能な基であればよく、上記「A.化合物」の「1.光脱離基B」に記載の内容と同様とすることができる。
このような化合物B’としては、上記光脱離基がフェノール性水酸基から脱離した後にとり得るものであればよい。
なお、フェノール性水酸基から脱離した後の光脱離基Bは、通常、反応性が高く、様々な構造をとり得る。
上記化合物B’としては、光脱離基Bが、上記一般式(B-1-a)、(B-2)、(B-3)、(B-4)、(B-5)、(B-6)、(B-7)等で表されるものである場合には、それぞれ例えば、下記一般式(B-111-a)、(B-112)、(B-113)、(B-114)、(B-115)、(B-116)、(B-117)で表される化合物等を含むことができる。
上記第2組成物は、化合物I-2及び化合物B’を有するものであるが、通常、その他の成分を含むものである。
このようなその他の成分としては、上記「C.組成物」の「2.その他の成分」の項に記載の内容等を挙げることができる。
上記その他の成分は、なかでも、樹脂成分を含むことが好ましく、特に、重合性化合物の重合物等の重合性基を有しない重合体を含むことが好ましい。上記第2組成物は、例えば、硬化物に対して容易に酸化防止能等を付与できるとの効果を効果的に発揮できるからである。
なお、樹脂成分の種類は、1種類のみであってもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記第2組成物は、重合性化合物の重合物を含む硬化物である場合、上記第2組成物の弾性率については、上記「D.硬化物」の項に記載の内容と同様とすることができる。
なお、組成物の硬化物を製造方法、光照射する方法等については、後述する「F.硬化物の製造方法」の項に記載の内容と同様の方法を用いることができる。
次に、本発明の硬化物の製造方法について説明する。
本発明の硬化物の製造方法は、本発明の化合物I-1と重合性化合物とを含む組成物を硬化させ硬化物を形成する工程と、上記硬化物に対して光を照射して、上記化合物に含まれる光脱離基Bを脱離する工程とを有する。
上記硬化物を形成する工程は、上述の組成物の硬化物を形成する工程である。
上記硬化方法は、例えば、組成物が、重合性化合物と共に重合開始剤として光重合開始剤を含む場合には、組成物に対して光照射を行い、重合性化合物同士を重合する方法を用いることができる。
組成物に照射される光としては、波長300nm~450nmの光を含むものとすることができる。
上記光照射の光源としては、例えば、超高圧水銀、水銀蒸気アーク、カーボンアーク、キセノンアーク等を挙げることができる。
上記照射される光としては、レーザー光を用いてもよい。レーザー光としては、波長340~430nmの光を含むものを用いることができる。
レーザー光の光源としては、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムネオンレーザー、YAGレーザー、及び半導体レーザー等の可視から赤外領域の光を発するものも用いることができる。
なお、これらのレーザーを使用する場合には、上記組成物は、可視から赤外の当該領域を吸収する増感色素を含むことができる。
加熱温度としては、上記組成物を安定的に硬化できるものであればよく、60℃以上、好ましくは100℃以上300℃以下とすることができる。
なお、加熱温度は、組成物の塗膜表面の温度とすることができる。
加熱時間としては、10秒~3時間程度行うことができる。
また、上記組成物は、上記化合物I-1及び重合性化合物以外のその他の成分を含むものであってもよい。
このような組成物の各成分の内容については、上記「C.組成物」の「2.その他の成分」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
上記脱離する工程は、上記化合物I-1に含まれる光脱離基Bを脱離する工程である。
上記化合物I-1に含まれる光脱離基Bを脱離する方法としては、上記硬化物に対して光照射する方法であればよい。
硬化物に対して照射される光及びその合計光量としては、光脱離基Bを脱離可能なものであれば特に限定されるものではないが、上記「1.光脱離基B」の項に記載の内容と同様とすることができる。
なお、光照射の光源としては、照射される光の波長に応じて適宜選択されるものであるが、例えば、上記「1.硬化物を形成する工程」の項に記載の内容と同様とすることができる。
なお、上記硬化物の温度は、硬化物表面の温度とすることができる。
上記製造方法は、硬化物を形成する工程及び脱離する工程を含むものであるが、必要に応じてその他の工程を含むものであってもよい。
上記その他の工程としては、例えば、上記組成物を基材上に塗布する工程等を挙げることができる。
組成物を塗布する方法としては、スピンコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の方法を用いることができる。
上記基材としては、硬化物の用途等に応じて適宜設定することができ、ソーダガラス、石英ガラス、半導体基板、金属、紙、プラスチック等を含むものを挙げることができる。
また、上記硬化物は、基材上で形成された後、基材から剥離して用いても、基材から他の被着体に転写して用いてもよい。
上記製造方法により製造される硬化物及び用途等については、上記「D.硬化物」の項に記載の内容と同様とすることができる。
下記のスキーム1中のフェノール化合物0.003mol、炭酸カリウム0.0062mol及びDMF10gを混合し、窒素雰囲気下、室温でo-ニトロベンジルクロリド0.0075molを滴下し、10時間撹拌し、下記反応により化合物I-1に該当する下記一般式(I-1-161)で表される化合物I-1-161を得た。反応液に酢酸エチル50g、イオン交換水50gを加えて油水分離を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、シリカカラム(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)にて分離した。分離後、メタノールで洗浄し、得られた白色固体を40℃で2時間減圧乾燥させ、目的物を得た。得られた白色固体が目的物であることは、H-NMRにて確認した。
化合物I-1(化合物I-1-161)の0.01質量%アセトニトリル溶液を調製し、1cm角石英セルに入れた。超高圧水銀ランプUL750(HOYA製)を20mW/cm2に調整し、溶液で満たされた石英セルに100mJ/cm2、3000mJ/cm2、10000mJ/cm2の光量を照射した。
照射後の液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて、分析し、脱離率を以下の式から算出した。結果を下記表2に示す。
なお、HPLCによる分析では、化合物I-1に由来する230nmのピークがすべて消失した場合に100%脱離したと仮定して算出した。
脱離率(%)=フェノール化合物(化合物I-2)/フェノール化合物(化合物I-2)+化合物I-1)×100
この結果、上記化合物I-1は、光照射により硬化物に対して酸化防止能を付与できることが確認できた。
また、化合物I-1は、光照射前ではフェノール性水酸基が光脱離基Bにより保護され、硬化阻害を抑制できることが確認できた。
下記表3に示す成分を、表3に示す割合で混合し、実施例2並びに比較例1及び2の組成物を得た。表3中の符号は下記の化合物を示す。なお、表中の数値は、質量部を表す。
A-2:ラジカル重合性化合物(日本化薬社製カヤラッドDPHA(ジペンタエリスリトール ペンタ及びヘキサアクリレートの混合物))
B-1:BASF社製イルガキュア907(ラジカル重合開始剤)
C-1:信越化学工業社製シランカップリング剤KBE-403
D-1:2-ブタノン(溶剤)
E-1:下記式(1)で表される化合物(酸化防止剤)
F-1:化合物I-1-161(化合物I-1)
実施例2並びに比較例1及び2の組成物をそれぞれ、PETフィルムにバーコーターで約3μmの厚さに塗布した。次いで、80℃で3分間プリベークを行った後、光源として超高圧水銀ランプ(UL750)を用いて露光した(20mW/cm2)。なお、露光は、露光光量が、500mJ/cm2となるように行った。この際、光感度を測定できるように、光透過率が段階的に少なくなるように作られたネガフィルム(光学密度0.05を1段目とし、1段毎に光学密度が0.15ずつ増加するステップタブレット)を用いた。次いで、イソプロパノール(IPA)を用いて、25℃の環境下、10秒間かけ洗いを行って現像した後、80℃で30分間乾燥した。そして、PETフィルム上に形成された硬化物のステップタブレットの段数を測定することにより光感度を評価した。その結果を下記表4に示す。ステップタブレットの段数が高いほど光感度が高いことを示す。
実施例2並びに比較例1及び2の組成物をそれぞれガラス基板にスピンコーターで塗布した。次いで80℃で3分間プリベークを行った後、光源として超高圧水銀ランプ(UL750)を用いて露光した(20mW/cm2)。なお、露光は、露光光量が、100mJ/cm2となるように行った。更に3000mJ/cm2照射し、耐熱性評価用サンプルを作製した。次いで、オーブンを用いて、評価用サンプルを200℃で2時間熱処理する耐熱性試験を行った。
評価用サンプルの耐熱性試験前後の波長430nmでの透過率(%)の差((耐熱性試験前の透過率(%)-耐熱性試験前の透過率(%))を測定し、以下の基準で耐熱性評価を行った。結果を下記表3に示す。
〇:透過率差(%)が耐熱性試験前の透過率に対して1%未満である。
×:透過率差(%)が耐熱性試験前の透過率に対して1%以上である。
耐熱性評価が「〇」であると、硬化物は、耐熱性に優れることを示す。
本発明の潜在性酸化防止剤によれば、硬化阻害が少なく、硬化物に対して容易に酸化防止能等を付与することができる。
本発明の組成物によれば、例えば、硬化阻害が少なく、優れた酸化防止能を有する硬化物が得られる組成物を提供することができる。
本発明の硬化物によれば、優れた酸化防止能を有する硬化物を提供することができる。
本発明の製造方法によれば、硬化阻害を起こすことなく、優れた酸化防止能を有する硬化物を製造することができる。
本発明の第2組成物によれば、硬化阻害を起こさずに、優れた酸化防止能を有する硬化物が得られる組成物を提供すことができる。
Claims (6)
- 下記一般式(A-1)、(A-2)又は(A-3)で表される潜在性酸化防止剤。
R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R1、R2、R3及びR4に用いられるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO2-又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
R’は、水素原子又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、
複数のR1同士は、結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
複数のR1は、同じである場合があり、異なっている場合があり、
Bは下記一般式(B-1)、(B-2)、(B-3)、(B-4)、(B-5)、(B-6)、(B-7)、(B-8)、(B-9)及び(B-10)で表される光脱離基の少なくとも1種を表し、
mは、1~10の整数を表し、
nは、2~10の整数を表し、
aは、0~2の整数を表し、
X1は、m価の結合基を表し、
X2は、n価の結合基を表す。)
R12、R14、R17、R21、R22、R24、R25、R27、R29及びR30は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R15は、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29及びR30で表されるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO2-又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
R’は、水素原子又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、
複数のR11同士、複数のR13同士、複数のR16同士、複数のR18同士、複数のR19同士、複数のR20同士、複数のR23同士、複数のR26同士及び複数のR28同士は、それぞれ結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
複数のR11、R12、R13、R14、R16、R17、R18、R19、R20、R23、R25、R26、R27、R28、R29及びR30は、それぞれ同じである場合があり、異なる場合があり、
b1、b2、b3、b6、b7、b8及びb9は、それぞれ独立に0~4の整数を表し、
b4及びb5は、それぞれ独立に0~5の整数を表し、
**は、一般式(A-1)、(A-2)又は(A-3)中の-O-との結合位置を表す。)
R32、R33、R41、R42、R43、R44は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R31、R32、R33、R40、R41、R42、R43及びR44で表されるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO2-又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
c1は0~5の整数を表し、
c2は0~4の整数を表し、
**は、一般式(A-1)、(A-2)又は(A-3)中の-O-との結合位置を表す。) - 前記光脱離基Bが、下記一般式(B-1-a)、下記一般式(B-2-a)、下記一般式(B-3-a)、前記一般式(B-4)、前記一般式(B-5)、前記一般式(B-6)、下記一般式(B-7-a)、下記一般式(B-7-b)、下記一般式(B-8-a)、前記一般式(B-9)及び前記一般式(B-10)で表される基からなる群から選択される少なくとも1種の基を含む、請求項1に記載の潜在性酸化防止剤。
b1、b2、b3、b8及びb9は上述の整数を表し、
**は、一般式(A-1)、(A-2)又は(A-3)中の-O-との結合位置を表す。) - 下記一般式(A-1)、(A-2)又は(A-3)で表される潜在性酸化防止剤を含む組成物。
R 1 に用いられるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO 2 -又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
R’は、水素原子又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、
複数のR 1 同士は、結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
複数のR 1 は、同じである場合があり、異なっている場合があり、
Bは下記一般式(B-1)、(B-2)、(B-3)、(B-4)、(B-5)、(B-6)、(B-7)、(B-8)、(B-9)及び(B-10)で表される光脱離基の少なくとも1種を表し、
式中のR 2 、m、a及びX 1 は下記条件(i)及び(ii)のうち、少なくともいずれか一つを満たす。
(i)R 2 は、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R 2 で表される複素環含有基は、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、ピペリジル基、ピラニル基、ピラゾリル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、トリアゾリル基、フリル基、フラニル基、ベンゾフラニル基、チエニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、チアジアゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、インドリル基、2-ピロリジノン-1-イル基、2-ピペリドン-1-イル基、2,4-ジオキシイミダゾリジン-3-イル基又は2,4-ジオキシオキサゾリジン-3-イル基であり、
R 2 に用いられるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO 2 -又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
mは、1~10の整数を表し、
aは、0~2の整数を表し、
X 1 は、m価の結合基を表す。
(ii)
R 2 は、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
mは、1~10の整数を表し、
R 2 に用いられるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO 2 -又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
aは、1又は2の整数を表し、
X 1 は、m=1のとき、R 1 と同様の基を表し、m=2~10のとき、m価の結合基を表す。)
R 3 及びR 4 は、それぞれ独立に、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R 1 、R 3 及びR 4 に用いられるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO 2 -又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
R’は、水素原子又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、
複数のR 1 同士は、結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
複数のR 1 は、同じである場合があり、異なっている場合があり、
Bは下記一般式(B-1)、(B-2)、(B-3)、(B-4)、(B-5)、(B-6)、(B-7)、(B-8)、(B-9)及び(B-10)で表される光脱離基の少なくとも1種を表し、
nは、2~10の整数を表し、
aは、0~2の整数を表し、
X 2 は、n価の結合基を表す。)
R 12 、R 14 、R 17 、R 21 、R 22 、R 24 、R 25 、R 27 、R 29 及びR 30 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R 15 は、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R 11 、R 12 、R 13 、R 14 、R 15 、R 16 、R 17 、R 18 、R 19 、R 20 、R 21 、R 22 、R 23 、R 24 、R 25 、R 26 、R 27 、R 28 、R 29 及びR 30 で表されるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO 2 -又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
R’は、水素原子又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、
複数のR 11 同士、複数のR 13 同士、複数のR 16 同士、複数のR 18 同士、複数のR 19 同士、複数のR 20 同士、複数のR 23 同士、複数のR 26 同士及び複数のR 28 同士は、それぞれ結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
複数のR 11 、R 12 、R 13 、R 14 、R 16 、R 17 、R 18 、R 19 、R 20 、R 23 、R 25 、R 26 、R 27 、R 28 、R 29 及びR 30 は、それぞれ同じである場合があり、異なる場合があり、
b1、b2、b3、b6、b7、b8及びb9は、それぞれ独立に0~4の整数を表し、
b4及びb5は、それぞれ独立に0~5の整数を表し、
**は、一般式(A-1)、(A-2)又は(A-3)中の-O-との結合位置を表す。)
R 32 、R 33 、R 41 、R 42 、R 43 、R 44 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R 31 、R 32 、R 33 、R 40 、R 41 、R 42 、R 43 及びR 44 で表されるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO 2 -又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
c1は0~5の整数を表し、
c2は0~4の整数を表し、
**は、一般式(A-1)、(A-2)又は(A-3)中の-O-との結合位置を表す。) - 下記一般式(A-1)、(A-2)又は(A-3)で表される潜在性酸化防止剤と、重合性化合物とを含む組成物の硬化物。
R 1 に用いられるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO 2 -又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
R’は、水素原子又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、
複数のR 1 同士は、結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
複数のR 1 は、同じである場合があり、異なっている場合があり、
Bは下記一般式(B-1)、(B-2)、(B-3)、(B-4)、(B-5)、(B-6)、(B-7)、(B-8)、(B-9)及び(B-10)で表される光脱離基の少なくとも1種を表し、
式中のR 2 、m、a及びX 1 は下記条件(i)及び(ii)のうち、少なくともいずれか一つを満たす。
(i)R 2 は、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R 2 で表される複素環含有基は、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、ピペリジル基、ピラニル基、ピラゾリル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、トリアゾリル基、フリル基、フラニル基、ベンゾフラニル基、チエニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、チアジアゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、インドリル基、2-ピロリジノン-1-イル基、2-ピペリドン-1-イル基、2,4-ジオキシイミダゾリジン-3-イル基又は2,4-ジオキシオキサゾリジン-3-イル基であり、
R 2 に用いられるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO 2 -又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
mは、1~10の整数を表し、
aは、0~2の整数を表し、
X 1 は、m価の結合基を表す。
(ii)
R 2 は、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
mは、1~10の整数を表し、
R 2 に用いられるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO 2 -又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
aは、1又は2の整数を表し、
X 1 は、m=1のとき、R 1 と同様の基を表し、m=2~10のとき、m価の結合基を表す。)
R 3 及びR 4 は、それぞれ独立に、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R 1 、R 3 及びR 4 に用いられるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO 2 -又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
R’は、水素原子又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、
複数のR 1 同士は、結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
複数のR 1 は、同じである場合があり、異なっている場合があり、
Bは下記一般式(B-1)、(B-2)、(B-3)、(B-4)、(B-5)、(B-6)、(B-7)、(B-8)、(B-9)及び(B-10)で表される光脱離基の少なくとも1種を表し、
nは、2~10の整数を表し、
aは、0~2の整数を表し、
X 2 は、n価の結合基を表す。)
R 12 、R 14 、R 17 、R 21 、R 22 、R 24 、R 25 、R 27 、R 29 及びR 30 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R 15 は、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R 11 、R 12 、R 13 、R 14 、R 15 、R 16 、R 17 、R 18 、R 19 、R 20 、R 21 、R 22 、R 23 、R 24 、R 25 、R 26 、R 27 、R 28 、R 29 及びR 30 で表されるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO 2 -又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
R’は、水素原子又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、
複数のR 11 同士、複数のR 13 同士、複数のR 16 同士、複数のR 18 同士、複数のR 19 同士、複数のR 20 同士、複数のR 23 同士、複数のR 26 同士及び複数のR 28 同士は、それぞれ結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
複数のR 11 、R 12 、R 13 、R 14 、R 16 、R 17 、R 18 、R 19 、R 20 、R 23 、R 25 、R 26 、R 27 、R 28 、R 29 及びR 30 は、それぞれ同じである場合があり、異なる場合があり、
b1、b2、b3、b6、b7、b8及びb9は、それぞれ独立に0~4の整数を表し、
b4及びb5は、それぞれ独立に0~5の整数を表し、
**は、一般式(A-1)、(A-2)又は(A-3)中の-O-との結合位置を表す。)
R 32 、R 33 、R 41 、R 42 、R 43 、R 44 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R 31 、R 32 、R 33 、R 40 、R 41 、R 42 、R 43 及びR 44 で表されるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO 2 -又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
c1は0~5の整数を表し、
c2は0~4の整数を表し、
**は、一般式(A-1)、(A-2)又は(A-3)中の-O-との結合位置を表す。) - 請求項1又は2に記載の潜在性酸化防止剤と重合性化合物とを含む組成物を硬化させて硬化物を形成する工程と、
前記硬化物に対して光を照射して、前記潜在性酸化防止剤に含まれる光脱離基を脱離する工程と、
を有する硬化物の製造方法。 - 下記一般式(A-1)、(A-2)又は(A-3)で表される潜在性酸化防止剤と、光脱離基由来の脱離物とを含み、
光脱離基が下記一般式(B-1)、(B-2)、(B-3)、(B-4)、(B-5)、(B-6)、(B-7)、(B-8)、(B-9)又は(B-10)で表される基の少なくとも1種を表す、組成物。
R 1 に用いられるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO2-又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
R’は、水素原子又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、
複数のR1同士は、結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
複数のR1は、同じである場合があり、異なっている場合があり、
Bは水素原子を表し、
式中のR 2 、m、a及びX 1 は下記条件(i)及び(ii)のうち、少なくともいずれか一つを満たす。
(i)R 2 は、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R 2 で表される複素環含有基は、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、ピペリジル基、ピラニル基、ピラゾリル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、トリアゾリル基、フリル基、フラニル基、ベンゾフラニル基、チエニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、チアジアゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、インドリル基、2-ピロリジノン-1-イル基、2-ピペリドン-1-イル基、2,4-ジオキシイミダゾリジン-3-イル基又は2,4-ジオキシオキサゾリジン-3-イル基であり、
R 2 に用いられるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO 2 -又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
mは、1~10の整数を表し、
aは、0~2の整数を表し、
X 1 は、m価の結合基を表す。
(ii)
R 2 は、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
mは、1~10の整数を表し、
R 2 に用いられるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO 2 -又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
aは、1又は2の整数を表し、
X 1 は、m=1のとき、R 1 と同様の基を表し、m=2~10のとき、m価の結合基を表す。)
R 3 及びR 4 は、それぞれ独立に、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R 1 、R 3 及びR 4 に用いられるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO 2 -又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
R’は、水素原子又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、
複数のR 1 同士は、結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
複数のR 1 は、同じである場合があり、異なっている場合があり、
Bは水素原子を表し、
nは、2~10の整数を表し、
aは、0~2の整数を表し、
X 2 は、n価の結合基を表す。)
R12、R14、R17、R21、R22、R24、R25、R27、R29及びR30は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R15は、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29及びR30で表されるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO2-又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
R’は、水素原子又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、
複数のR11同士、複数のR13同士、複数のR16同士、複数のR18同士、複数のR19同士、複数のR20同士、複数のR23同士、複数のR26同士及び複数のR28同士は、それぞれ結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成している場合があり、
複数のR11、R12、R13、R14、R16、R17、R18、R19、R20、R23、R25、R26、R27、R28、R29及びR30は、それぞれ同じである場合があり、異なる場合があり、
b1、b2、b3、b6、b7、b8及びb9は、それぞれ独立に0~4の整数を表し、
b4及びb5は、それぞれ独立に0~5の整数を表し、
**は、一般式(A-1)、(A-2)又は(A-3)中の-O-との結合していた位置を表す。)
R32、R33、R41、R42、R43、R44は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基又は炭素原子数2~20の複素環含有基を表し、
R31、R32、R33、R40、R41、R42、R43及びR44で表されるアルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、炭素-炭素二重結合、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-、-O-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-S-CO-O-、-O-CO-S-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NR’-、>P=O、-S-S-、-SO2-又はこれらの組み合わせで置き換わっている場合があり、
前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環含有基は、置換基を有している場合があり、
c1は0~5の整数を表し、
c2は0~4の整数を表し、
**は、一般式(A-1)、(A-2)又は(A-3)中の-O-との結合していた位置を表す。)
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