JP2016102183A - 光硬化性組成物、光硬化性接着剤およびドライフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】透明性、密着性および樹脂溶出性に優れる光硬化性組成物、光硬化性接着剤およびドライフィルムを提供する。【解決手段】下記一般式(I)、で表される化合物を必須の単量体成分とし、一種以上の単量体を重合することにより得られる重量平均分子量500〜2,000,000のアクリル重合体(A)およびブロックイソシアネート(B)を必須成分とする。ここで、式中、R1は、炭素原子数1〜6のアルキル基または炭素原子数2〜6のアルケニル基を表し、これらアルキル基およびアルケニル基はハロゲン原始で置換されていてもよく、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子を表す。【選択図】なし
Description
本発明は、光硬化性組成物、光硬化性接着剤およびドライフィルムに関し、詳しくは、透明性、密着性および樹脂溶出性に優れる光硬化性組成物、光硬化性接着剤およびドライフィルムに関する。
光硬化性組成物は、紫外線や電子線を照射することによって重合硬化させることができる組成物である。今日、光硬化性組成物は、硬化速度が早く、取り扱いが容易であることから、インキ、塗料、各種コーティング剤、接着剤、車輌、建材、シール剤等の分野において広く用いられている。
光硬化性組成物の改良に関する技術としては、例えば、特許文献1では、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに対して優れた接着性、耐熱性、耐高温高湿性を示す紫外線樹脂硬化物を与えることができる、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと(メタ)アクリルモノマーと光開始剤とを含む紫外線硬化樹脂組成物が提案されている。また、特許文献2では、液体または液晶との接触時に硬化性樹脂による汚染性が低く、接着強度が高い、ラジカル硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物およびそれを用いた液晶滴下工法用シール剤が提案されている。さらに、特許文献3では、ヒドロキシエーテル部分を有する高分子量アクリルポリマーを含有する熱硬化性組成物が提案されている。
光硬化性組成物を機能性フィルム用接着剤に用いるにあたっては、透明性、密着性および樹脂溶出性が良好であることが求められるが、従来の光硬化性組成物においては、必ずしも十分ではなかった。具体的には、フラットパネルディスプレイ向けの各種機能性フィルム用接着剤、特に、液晶滴下工法用シール剤等の直接液晶と接する接着剤として用いる場合、透明性、密着性および樹脂溶出性樹脂溶出性(液晶汚染性)が高度に求められ、熱硬化性組成物のさらなる改良が望まれている。
そこで、本発明の目的は、透明性、密着性および樹脂溶出性(液晶汚染性)に優れる光硬化性組成物、光硬化性接着剤およびドライフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、所定の構造を有する単量体を必須成分として重合させたアクリル重合体、エチレン性不飽和基を有する化合物、および光重合開始剤を含む光硬化性組成物であれば、上記課題を解消することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の光硬化性組成物は、下記一般式(I)、
(式中、R1は、炭素原子数1〜6のアルキル基または炭素原子数2〜6のアルケニル基を表し、前記アルキル基および前記アルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子を表す。)で表される化合物を必須の単量体成分とし、一種以上の単量体を重合することにより得られる重量平均分子量500〜2,000,000のアクリル重合体(A)100質量部、エチレン性不飽和基を有する化合物(B)1.0〜50質量部、および光重合開始剤(C)0.01〜5.0質量部を必須成分とすることを特徴とするものである。
(式中、R1は、炭素原子数1〜6のアルキル基または炭素原子数2〜6のアルケニル基を表し、前記アルキル基および前記アルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子を表す。)で表される化合物を必須の単量体成分とし、一種以上の単量体を重合することにより得られる重量平均分子量500〜2,000,000のアクリル重合体(A)100質量部、エチレン性不飽和基を有する化合物(B)1.0〜50質量部、および光重合開始剤(C)0.01〜5.0質量部を必須成分とすることを特徴とするものである。
本発明の光硬化性組成物においては、前記エチレン性不飽和基を有する化合物(B)が、下記一般式(II)、
(式中、Rは、上記一般式(I)と同じであり、X1は直接結合、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキリデン基、炭素原子数3〜20の脂環式炭化水素基、O、S、SO2、SS、SO、CO、OCO、または下記式(i)、(ii)若しくは(iii)、
(式中、R10、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子またはフェニル基を表す。)
(式中、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子またはフェニル基を表す。)で表される置換基を表し、前記アルキリデン基はハロゲン原子で置換されていてもよく、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基またはハロゲン原子を表し、前記アルキル基、アルコキシ基およびアルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、nは0〜10の整数であり、nが0でないときに存在する光学異性体は、どの異性体でもよい。)で表されることが好ましい。
(式中、Rは、上記一般式(I)と同じであり、X1は直接結合、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキリデン基、炭素原子数3〜20の脂環式炭化水素基、O、S、SO2、SS、SO、CO、OCO、または下記式(i)、(ii)若しくは(iii)、
(式中、R10、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子またはフェニル基を表す。)
(式中、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子またはフェニル基を表す。)で表される置換基を表し、前記アルキリデン基はハロゲン原子で置換されていてもよく、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基またはハロゲン原子を表し、前記アルキル基、アルコキシ基およびアルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、nは0〜10の整数であり、nが0でないときに存在する光学異性体は、どの異性体でもよい。)で表されることが好ましい。
本発明の光硬化性接着剤は、本発明の光硬化性組成物からなることを特徴とするものである。
本発明のドライフィルムは、本発明の光硬化性組成物からなる接着剤層を有することを特徴するものである。
本発明の光硬化性接着剤およびドライフィルムは、ディスプレイ用に好適である。
本発明によれば、透明性、密着性および樹脂溶出性に優れる光硬化性組成物、光硬化性接着剤およびドライフィルムを提供することができる。
以下、本発明の光硬化性組成物、光硬化性接着剤およびドライフィルムについて詳細に説明する。本発明の光硬化性組成物は、下記一般式(I)、
で表される化合物を必須の単量体成分とし、一種以上の単量体を重合することにより得られる重量平均分子量500〜2,000,000のアクリル重合体(A)、エチレン性不飽和基を有する化合物(B)1.0〜50質量部、および光重合開始剤(C)0.01〜1.0質量部を必須成分とする。(以下、それぞれ「(A)成分」「(B)成分」および「(C)成分」という)
で表される化合物を必須の単量体成分とし、一種以上の単量体を重合することにより得られる重量平均分子量500〜2,000,000のアクリル重合体(A)、エチレン性不飽和基を有する化合物(B)1.0〜50質量部、および光重合開始剤(C)0.01〜1.0質量部を必須成分とする。(以下、それぞれ「(A)成分」「(B)成分」および「(C)成分」という)
<(A)成分>
式(I)中のR1は、炭素原子数1〜6のアルキル基または炭素原子数2〜6のアルケニル基を表し、これらアルキル基およびアルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよい。また、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子を表す。
式(I)中のR1は、炭素原子数1〜6のアルキル基または炭素原子数2〜6のアルケニル基を表し、これらアルキル基およびアルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよい。また、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子を表す。
炭素原子数1〜6のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシルが挙げられる。これら炭素原子数1〜6のアルキル基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子で置換されていてもよく、例えば、クロロエチル、フルオロエチル、1−クロロプロピル、2−クロロプロピル、1−クロロブチル、2−クロロブチル等が挙げられる。
また、炭素原子数2〜6のアルケニル基としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、2−ブチニル、ペンチニルまたはヘキシニル等が挙げられる。これら炭素原子数2〜6のアルケニル基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
上記一般式(I)中のRで表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
上記(A)成分は、重量平均分子量は500〜2,000,000、好ましくは10,000〜1,500,000であり、また、水酸基価は80mgKOH以上が好ましく、より好ましくは200mgKOH以上であり、上記一般式(I)で表される化合物を必須の単量体成分とするものである。
上記(A)成分を構成する単量体成分としては、上記一般式(I)で表されている化合物を単独で重合させてもよく、他の単量体と複数で重合させてもよい。他の単量体としては、エチレン性不飽和基を有する化合物を用いることができ、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等の不飽和脂肪族炭化水素;(メタ)アクリル酸、α−クロルアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸、フマル酸、ハイミック酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、桂皮酸、ソルビン酸、メサコン酸、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、フタル酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート・マレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート・マレート、ジシクロペンタジエン・マレート、あるいは1個のカルボキシル基と2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する多官能(メタ)アクリレート等の不飽和多塩基酸;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリ(エトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリ[(メタ)アクリロイルエチル]イソシアヌレート、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー等の不飽和一塩基酸および多価アルコールまたは多価フェノールのエステル;(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸マグネシウム等の不飽和多塩基酸の金属塩;マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸、無水メチルハイミック酸等の不飽和多塩基酸の酸無水物;(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和一塩基酸および多価アミンのアミド;アクロレイン等の不飽和アルデヒド;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン、シアン化アリル等の不飽和ニトリル;スチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニル安息香酸、ビニルフェノール、ビニルスルホン酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンジルメチルエーテル、ビニルベンジルグリシジルエーテル等の不飽和芳香族化合物;メチルビニルケトン等の不飽和ケトン;ビニルアミン、アリルアミン、N−ビニルピロリドン、ビニルピペリジン等の不飽和アミン化合物;アリルアルコール、クロチルアルコール等のビニルアルコール;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のビニルエーテル;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;インデン、1−メチルインデン等のインデン類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、ジビニルスクシナート、ジアリルフタラート、トリアリルホスファート、トリアリルイソシアヌレート、ビニルチオエーテル、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾリン、ビニルカルバゾール、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、水酸基含有ビニルモノマーおよびポリイソシアネート化合物のビニルウレタン化合物、水酸基含有ビニルモノマーおよびポリエポキシ化合物のビニルエポキシ化合物、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水酸基含有多官能アクリレートとトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多官能イソシアネートの反応物、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水酸基含有多官能アクリレートと無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の二塩基酸無水物の反応物である酸価を有する多官能アクリレートが挙げられる。
上記(A)成分を構成する単量体成分として、上記一般式(I)で表される化合物の使用割合は、30〜80質量部、好ましくは40〜70質量部とすることができる。少なすぎると密着性が不十分となりやすく、多すぎるとゲル化するおそれがある。
<(B)成分>
上記(B)成分としては、上記(A)成分を構成する他の単量体成分として例示したものを用いることができ、中でも水酸基を有するものが、液晶汚染性が低いので好ましく、下記一般式(II)で表されるものがさらに好ましい。
上記(B)成分としては、上記(A)成分を構成する他の単量体成分として例示したものを用いることができ、中でも水酸基を有するものが、液晶汚染性が低いので好ましく、下記一般式(II)で表されるものがさらに好ましい。
式(II)中、Rは、上記一般式(I)と同じであり、X1は直接結合、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキリデン基、炭素原子数3〜20の脂環式炭化水素基、O、S、SO2、SS、SO、CO、OCO、または下記式(i)、(ii)若しくは(iii)で表される置換基を表す。上記アルキリデン基はハロゲン原子で置換されていてもよい。
式(II)中、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基またはハロゲン原子を表し、上記アルキル基、アルコキシ基およびアルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、nは0〜10の整数であり、nが0でないときに存在する光学異性体は、どの異性体でもよい。
式(i)中、R10、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子またはフェニル基を表す。
式(iii)中、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子またはフェニル基を表す。
上記一般式(II)中、X1で表される炭素原子数1〜4のアルキリデン基としては、メチリデン、エチリデン、プロピリデン、イソプロピリデン、ブチリデン、イソブチリデン、トリフルオロメチリデン、ジトリフルオロイソプロピリデン等が挙げられる。X1で表される炭素原子数1〜4のアルキリデン基を置換していてもよいハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
X1で表される炭素原子数3〜20の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、3−メチルシクロペンチリデン、シクロペンテニリデン、シクロヘキセニリデン、3−メチルシクロヘキシリデン、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン、3,5−ジメチルシクロヘキシリデン等が挙げられる。
また、一般式(II)中のR2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9で表される炭素原子数1〜10のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、イソペンチル、第三ペンチル、ヘキシル、へプチル、オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル等が挙げらる。
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9で表される炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、メトキシエチル、エトキシエチル、プロピロキシエチル、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、プロピロキシエトキシエチル、メトキシプロピル等が挙げられる。
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9で表される炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、ビニル、アリル、ブテニル、プロペニル等が挙げられる。
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9で表されるアルキル基、アルコキシ基およびアルケニル基を置換していてもよいハロゲン原子としては、上記X1で表される炭素原子数1〜4のアルキリデン基を置換していてもよいハロゲン原子として例示したものが挙げられる。
上記一般式(II)におけるX1は、上記(i)、(ii)または(iii)で表される置換基でもよい。上記(i)で表される置換基中、R10、R11、R12、R13およびR14で表される炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子としては、上記で例示したものが挙げられる。
上記(iii)で表される置換基中、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22で表される炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子としては、上記で例示したものが挙げられる。
上記一般式(II)におけるX1は、炭素原子数1〜4のアルキリデン基であるものが、得られる光硬化性組成物の塗布性が高いので好ましい。
上記(A)成分に対する(B)成分の使用割合は特に限定されず、本発明の目的を阻害しない範囲内で概ね通常の使用割合で使用すればよいが、例えば、(A)成分100質量部に対して、(B)成分1.0〜50質量部、好ましくは10〜40質量部とすることができる。
<(C)成分>
上記(C)成分としては、従来既知の化合物を用いることが可能であり、例えば、ベンゾフェノン、フェニルビフェニルケトン、1−ヒドロキシ−1−ベンゾイルシクロヘキサン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、1−ベンジル−1−ジメチルアミノ−1−(4’−モルホリノベンゾイル)プロパン、2−モルホリル−2−(4’−メチルメルカプト)ベンゾイルプロパン、チオキサントン、1−クロル−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、エチルアントラキノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、ベンゾインブチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−ベンゾイルプロパン、2−ヒドロキシ−2−(4’−イソプロピル)ベンゾイルプロパン、4−ブチルベンゾイルトリクロロメタン、4−フェノキシベンゾイルジクロロメタン、ベンゾイル蟻酸メチル、1,7−ビス(9’−アクリジニル)ヘプタン、9−n−ブチル−3,6−ビス(2’−モルホリノイソブチロイル)カルバゾール、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,2−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1−2’−ビイミダゾール、4、4−アゾビスイソブチロニトリル、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、過酸化ベンゾイル等が挙げられ、市販品としては、N−1414、N−1717、N−1919、PZ−408、NCI−831、NCI−930((株)ADEKA社製)、IRGACURE369、IRGACURE907、IRGACURE OXE 01、IRGACURE OXE 02(BASF(株)社製)等が挙げられる。
上記(C)成分としては、従来既知の化合物を用いることが可能であり、例えば、ベンゾフェノン、フェニルビフェニルケトン、1−ヒドロキシ−1−ベンゾイルシクロヘキサン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、1−ベンジル−1−ジメチルアミノ−1−(4’−モルホリノベンゾイル)プロパン、2−モルホリル−2−(4’−メチルメルカプト)ベンゾイルプロパン、チオキサントン、1−クロル−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、エチルアントラキノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、ベンゾインブチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−ベンゾイルプロパン、2−ヒドロキシ−2−(4’−イソプロピル)ベンゾイルプロパン、4−ブチルベンゾイルトリクロロメタン、4−フェノキシベンゾイルジクロロメタン、ベンゾイル蟻酸メチル、1,7−ビス(9’−アクリジニル)ヘプタン、9−n−ブチル−3,6−ビス(2’−モルホリノイソブチロイル)カルバゾール、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,2−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1−2’−ビイミダゾール、4、4−アゾビスイソブチロニトリル、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、過酸化ベンゾイル等が挙げられ、市販品としては、N−1414、N−1717、N−1919、PZ−408、NCI−831、NCI−930((株)ADEKA社製)、IRGACURE369、IRGACURE907、IRGACURE OXE 01、IRGACURE OXE 02(BASF(株)社製)等が挙げられる。
上記(A)成分に対する(C)成分の使用割合は特に限定されず、本発明の目的を阻害しない範囲内で概ね通常の使用割合で使用すればよいが、例えば、(A)成分100質量部に対して、(C)成分0.01〜5.0質量部、好ましくは0.01〜1.0質量部、より好ましくは0.1〜0.5質量部とすることができる。少なすぎると硬化が不十分となりやすく、多すぎると硬化物の吸水率や硬化物強度などの諸物性に悪影響を与える場合がある。
本発明の光硬化性組成物には、上記(A)〜(C)成分の他に溶媒を含有させてもよい。溶媒としては、(A)〜(C)各成分を溶解または分散しえるものであれば特に制限はなく、例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル、コハク酸ジメチル、テキサノール等のエステル系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、イソ−またはn−プロパノール、イソ−またはn−ブタノール、アミルアルコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGM)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート等のエーテルエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等のBTX系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テレピン油、D−リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油)、ソルベッソ#100(エクソン化学)等のパラフィン系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒;カルビトール系溶媒、アニリン、トリエチルアミン、ピリジン、酢酸、アセトニトリル、二硫化炭素、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、水等を加えることができ、これらの溶媒は1種または2種以上の混合溶媒として使用することができる。
本発明の光硬化性組成物は、ロールコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、ガラス、金属、紙、プラスチック等の支持基体上に適用される。また、一旦フィルム等の支持基体上に施した後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
また、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて他のモノマー、他の光重合開始剤、熱重合開始剤、光塩基開始剤、無機フィラー、有機フィラー、顔料、染料等の着色剤、光増感剤、消泡剤、増粘剤、レべリング剤、有機金属カップリング剤、チクソ剤、炭素化合物、金属微粒子、金属酸化物、難燃剤、可塑剤、光安定剤、熱安定剤、老化防止剤、エラストマー粒子、連鎖移動剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、静電防止剤、離型剤、流動調整剤、密着促進剤等の各種樹脂添加物等を添加することができる。
本発明の光硬化性組成物は光照射により硬化するが、活性光の光源としては、波長300〜450nmの光を発光するものを用いることができ、例えば、超高圧水銀、水銀蒸気アーク、カーボンアーク、キセノンアーク等を用いることができる。
本発明の光硬化性組成物の具体的な用途としては、メガネ、撮像用レンズに代表される光学材料、塗料、コーティング剤、ライニング剤、インキ、レジスト、液状レジスト、接着剤、液晶滴下工法用シール剤、印刷版、絶縁ワニス、絶縁シート、積層板、プリント基盤、半導体装置用・LEDパッケージ用・液晶注入口用・有機EL用・光素子用・電気絶縁用・電子部品用・分離膜用等の封止剤、成形材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め剤、半導体用・太陽電池用等のパッシベーション膜、層間絶縁膜、保護膜、液晶表示装置のバックライトに使用されるプリズムレンズシート、プロジェクションテレビ等のスクリーンに使用されるフレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシート等のレンズシートのレンズ部、またはこのようなシートを用いたバックライト等、液晶カラーフィルタの保護膜やスペーサー、DNA分離チップ、マイクロリアクター、ナノバイオデバイス、ハードディスク用記録材料、固体撮像素子、太陽電池パネル、発光ダイオード、有機発光デバイス、ルミネセントフィルム、蛍光フィルム、MEMS素子、アクチュエーター、ホログラム、プラズモンデバイス、偏光板、偏光フィルム、マイクロレンズ等の光学レンズ、光学素子、光コネクター、光導波路、光学的造形用注型剤等を挙げることができ、例えばコーティング剤として適用できる基材としては金属、木材、ゴム、プラスチック、ガラス、セラミック製品等を挙げることができる。特に、光硬化性接着剤や、ドライフィルムの接着剤層に好適に用いることができ、本発明の光硬化性組成物は透明性、密着性および樹脂溶出性に優れるため、ディスプレイ用途に好適である。
本発明の光硬化性組成物を光硬化性接着剤として用いる場合には、本発明の光硬化性組成物に適宜他の任意成分を加えたものを均一に混合し、押出機、ロール等で混練した後、カレンダー、ロール、Tダイ押出、インフレーション等の製膜法によりシート状に製膜して、透明支持体にシート状に成形した光硬化性接着剤を貼付した後、上記条件で透明支持体側から紫外線等の光を照射し、その後もう一方の被着体に貼付する方法が挙げられる。また、被着体に接着した後に光を照射してもよい。
また、上記ポリマーと上述の添加剤とを保護フィルムや液晶セル表面基板に何ら影響を及ぼさない溶媒に均一に溶解させ、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等の印刷法やロールコーター塗装、フローコーター塗装、ナイフコーター塗装等の塗装方法を用いて透明支持体の表面に均一に塗布し、仮圧着した後、光照射して接着硬化させることができる。また、比較的狭い面接着の場合は、合わせた素材の隙間に接着剤の表面張力で沁み込ませる方法がある。
上記透明支持体の材料としては、例えば、ガラス等の無機材料;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース等のセルロースエステル;ポリアミド;ポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリスチレン;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリオキシエチレン、ノルボルネン樹脂等の高分子材料が挙げられる。透明支持体の透過率は80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。ヘイズは、2%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。屈折率は、1.45〜1.70であることが好ましい。
光照射の際、照射される光の波長、強度および照射時間等の照射条件は、光開始剤の活性、使用される光重合性樹脂の活性等により適宜調整されるが、光波長としては、通常は内部にまで充分に光を進入させるために波長ピーク350〜400nmのものが好ましく、より好ましくは波長ピーク360〜380nmのものである。また、光強度としては10〜300mW/cm2が好ましく、より好ましくは25〜100mW/cm2であり、照射時間は5〜500秒が好ましく、より好ましくは10〜300秒である。
本発明の光硬化性接着剤には、粘度を減少させたり塗布性を上げたりするために、反応性希釈剤として液体光重合性アクリルモノマーや液体光重合性モノビニルモノマーを用いることができる。液体光重合性アクリルモノマーは市販されており、または、周知の方法により製造できる。液体光重合性モノビニルモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル等のビニルエステル;アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート等のモノアクリルエステル;アクリル酸またはメタクリル酸と多価アルコールとのエステル;グリセロール、1,1,1−トリメチロールプロパン、トリヒドロキシエチルイソシアヌレート、エリスリトール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール等が挙げられる。
本発明の光硬化性組成物を接着剤層に用いた光学フィルムは、形状に関しては特に制限されるものではないが、通常、透明支持体に、必要に応じて下塗り層、反射防止層、ハードコート層、潤滑層、保護層、液晶層等の各層を設けたものが挙げられる。光学フィルムに接着剤層を設ける方法としては、(1)透明支持体に塗布する方法、(2)透明支持体および任意の各層から選択される任意の隣り合う二者間に接着剤層を設ける方法が挙げられる。
以下、製造例、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下、本発明の光硬化性組成物およびこの光硬化性組成物を硬化して得られる硬化物に関し、実施例、評価例および比較例により具体的に説明する。なお、実施例および比較例では部は質量部を意味する。
[製造例1]アクリル重合体(A−1)の製造
<ステップ1>アクリル重合体中間体の製造
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた反応容器に、メタクリル酸グリシジル98部、アクリル酸メチル1部、アクリル酸エチル1部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部をトルエンと共に加えて溶液を調製した。次いで、この溶液に窒素ガスを吹き込みながら撹拌し、60℃で8時間反応させて、重量平均分子量10,000のアクリル重合体中間体を含有する溶液を得た。さらに、このアクリル重合体中間体を含有する溶液を固形分濃度50%に調整したアクリル重合体中間体溶液を得た。
<ステップ1>アクリル重合体中間体の製造
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた反応容器に、メタクリル酸グリシジル98部、アクリル酸メチル1部、アクリル酸エチル1部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部をトルエンと共に加えて溶液を調製した。次いで、この溶液に窒素ガスを吹き込みながら撹拌し、60℃で8時間反応させて、重量平均分子量10,000のアクリル重合体中間体を含有する溶液を得た。さらに、このアクリル重合体中間体を含有する溶液を固形分濃度50%に調整したアクリル重合体中間体溶液を得た。
<ステップ2>
撹拌装置、還流冷却器および温度計を備えた反応器に、ステップ1で得られたアクリル重合体中間体溶液100部、アクリル酸70部、トリエチルアンモニウム酢酸5部、t−ブチルピロカテコール0.1部を仕込み、7%含酸素窒素ガスを液中に吹き込みながら、100℃で12時間撹拌し、反応させた。反応終了後、室温に戻し、トルエン300部を添加して生成物をこれに溶解後、炭酸ナトリウム水溶液、蒸留水の順に添加し、3回ずつ洗浄した。反応率に関しては系中のエポキシ当量を測定し、エポキシ当量から算出した反応率が97%以上になるように反応をさせた。溶媒交換をし、プロピレングリコールモノメチルエーテル50%溶液としてアクリル重合体(A−1)を得た。
撹拌装置、還流冷却器および温度計を備えた反応器に、ステップ1で得られたアクリル重合体中間体溶液100部、アクリル酸70部、トリエチルアンモニウム酢酸5部、t−ブチルピロカテコール0.1部を仕込み、7%含酸素窒素ガスを液中に吹き込みながら、100℃で12時間撹拌し、反応させた。反応終了後、室温に戻し、トルエン300部を添加して生成物をこれに溶解後、炭酸ナトリウム水溶液、蒸留水の順に添加し、3回ずつ洗浄した。反応率に関しては系中のエポキシ当量を測定し、エポキシ当量から算出した反応率が97%以上になるように反応をさせた。溶媒交換をし、プロピレングリコールモノメチルエーテル50%溶液としてアクリル重合体(A−1)を得た。
[実施例1〜6および比較例1〜4]
下記の表1および表2に示す配合で、(A)成分、(B)成分および(C)成分を撹拌混合して、各実施例および比較例の光硬化性組成物を得た。得られた比較光硬化性組成物について、下記評価を行った。結果を下記表1および表2に併記する。
下記の表1および表2に示す配合で、(A)成分、(B)成分および(C)成分を撹拌混合して、各実施例および比較例の光硬化性組成物を得た。得られた比較光硬化性組成物について、下記評価を行った。結果を下記表1および表2に併記する。
(塗布性)
実施例1〜6で得られた光硬化性組成物および比較例1〜4で得られた比較光硬化性組成物を、バーコーターを用いて乾燥後の塗工厚が10μmになるようにバーコーターを選択し、塗工を行った。オーブンで乾燥(90℃、600秒)させた。得られた塗膜に超高圧水銀ランプで露光(2000mJ/cm2)した。露光後の塗膜の表面の状態を観察し、均一な塗膜形成の有無を目視で確認した。
○:均一な塗膜が得られた。
×:塗工後、塗膜のはじきやムラが観察された。
実施例1〜6で得られた光硬化性組成物および比較例1〜4で得られた比較光硬化性組成物を、バーコーターを用いて乾燥後の塗工厚が10μmになるようにバーコーターを選択し、塗工を行った。オーブンで乾燥(90℃、600秒)させた。得られた塗膜に超高圧水銀ランプで露光(2000mJ/cm2)した。露光後の塗膜の表面の状態を観察し、均一な塗膜形成の有無を目視で確認した。
○:均一な塗膜が得られた。
×:塗工後、塗膜のはじきやムラが観察された。
(密着性)
実施例1〜6で得られた光硬化性組成物および比較例1〜4で得られた比較光硬化性組成物を、25mm幅のガラスに塗布後、別のガラスを面積が625mm2になるように貼り合わせ、超高圧水銀ランプで露光(2000mJ/cm2)して硬化させた。貼り合わせ部分のせん断接着強度(MPa)を測定した。
実施例1〜6で得られた光硬化性組成物および比較例1〜4で得られた比較光硬化性組成物を、25mm幅のガラスに塗布後、別のガラスを面積が625mm2になるように貼り合わせ、超高圧水銀ランプで露光(2000mJ/cm2)して硬化させた。貼り合わせ部分のせん断接着強度(MPa)を測定した。
(TNI点)
上記塗布性試験において得られた硬化膜上に、下記に示す液晶化合物No.1〜No.11を含有する液晶組成物を接触させ、60℃で60時間後、液晶化合物を取り出すことにより樹脂溶出性試験を行った。取り出した液晶化合物について樹脂溶出性試験前後でのTNI点(Nematic―Isotropic転移温度)を比較し、下記基準により評価を行った。なお、TNI点の測定は、示差走査熱量測定(DSC)により吸熱ピークの温度を読み取ることにより行った。
○:TNI点の変化が±0.5℃未満
△:TNI点の変化が±0.5〜1.0℃
×:TNI点の変化が±1.0℃超
上記塗布性試験において得られた硬化膜上に、下記に示す液晶化合物No.1〜No.11を含有する液晶組成物を接触させ、60℃で60時間後、液晶化合物を取り出すことにより樹脂溶出性試験を行った。取り出した液晶化合物について樹脂溶出性試験前後でのTNI点(Nematic―Isotropic転移温度)を比較し、下記基準により評価を行った。なお、TNI点の測定は、示差走査熱量測定(DSC)により吸熱ピークの温度を読み取ることにより行った。
○:TNI点の変化が±0.5℃未満
△:TNI点の変化が±0.5〜1.0℃
×:TNI点の変化が±1.0℃超
(VHR)
上記樹脂溶出性試験を行い、取り出した液晶組成物について樹脂溶出性試験前後でのVHR(電圧保持率)を比較し、VHRの低下率を求め、下記基準により評価を行った。評価は、液晶組成物を液晶評価用TNセル(セル厚5μm、電極面積8mm×8mm配向膜JALS2096)に注入し、VHRをVHR−1A(東陽テクニカ製)を用い測定した。(測定条件:パルス電圧幅60μs、フレーム周期16.7ms、波高±5V、測定温度25℃)
○:VHRの低下率が99%超
△:VHRの低下率が90〜99%
×:VHRの低下率が90%未満
上記樹脂溶出性試験を行い、取り出した液晶組成物について樹脂溶出性試験前後でのVHR(電圧保持率)を比較し、VHRの低下率を求め、下記基準により評価を行った。評価は、液晶組成物を液晶評価用TNセル(セル厚5μm、電極面積8mm×8mm配向膜JALS2096)に注入し、VHRをVHR−1A(東陽テクニカ製)を用い測定した。(測定条件:パルス電圧幅60μs、フレーム周期16.7ms、波高±5V、測定温度25℃)
○:VHRの低下率が99%超
△:VHRの低下率が90〜99%
×:VHRの低下率が90%未満
化合物A’−1:アートレジンUN−3320(ウレタンアクリレート;根上工業社製)
化合物A’−2:AS−3000BA(ブチルアクリレートポリマー;根上工業社製)
化合物B−1:EA−1020(ビスフェノールA型エポキシアクリレート;新中村化学社製)
化合物B−2:1,1−ビス〔4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル〕インダンのアクリレート
化合物B−3:アクリロイルモルフォリン
化合物C−1:NCI−930(オキシムエステル系光重合開始剤;ADEKA社製)
化合物C−2:SP−246(アシルホスフィン系光重合開始剤;ADEKA社製)
化合物C−3:Irg907(アルキルフェノン系光重合開始剤;BASF社製)
化合物C−4:Irg184(アルキルフェノン系光重合開始剤;BASF社製)
化合物A’−2:AS−3000BA(ブチルアクリレートポリマー;根上工業社製)
化合物B−1:EA−1020(ビスフェノールA型エポキシアクリレート;新中村化学社製)
化合物B−2:1,1−ビス〔4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル〕インダンのアクリレート
化合物B−3:アクリロイルモルフォリン
化合物C−1:NCI−930(オキシムエステル系光重合開始剤;ADEKA社製)
化合物C−2:SP−246(アシルホスフィン系光重合開始剤;ADEKA社製)
化合物C−3:Irg907(アルキルフェノン系光重合開始剤;BASF社製)
化合物C−4:Irg184(アルキルフェノン系光重合開始剤;BASF社製)
表1および表2より、本発明の光硬化性組成物は、塗布性、樹脂溶出性、密着性等に優れ、光硬化性接着剤に好適に用いられる。
Claims (6)
- 前記エチレン性不飽和基を有する化合物(B)が、下記一般式(II)、
(式中、Rは、上記一般式(I)と同じであり、X1は直接結合、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキリデン基、炭素原子数3〜20の脂環式炭化水素基、O、S、SO2、SS、SO、CO、OCO、または下記式(i)、(ii)若しくは(iii)、
(式中、R10、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子またはフェニル基を表す。)
(式中、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子またはフェニル基を表す。)で表される置換基を表し、前記アルキリデン基はハロゲン原子で置換されていてもよく、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基またはハロゲン原子を表し、前記アルキル基、アルコキシ基およびアルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、nは0〜10の整数であり、nが0でないときに存在する光学異性体は、どの異性体でもよい。)で表される請求項1記載の光硬化性組成物。 - 請求項1または2記載の光硬化性組成物から得られることを特徴とする光硬化性接着剤。
- 請求項1または2記載の光硬化性組成物から得られる接着剤層を有することを特徴とする光学フィルム。
- ディスプレイ用である請求項3記載の光硬化性接着剤。
- ディスプレイ用である請求項4記載の光学フィルム。
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