JP6217299B2 - モータ制御システム - Google Patents

モータ制御システム Download PDF

Info

Publication number
JP6217299B2
JP6217299B2 JP2013214739A JP2013214739A JP6217299B2 JP 6217299 B2 JP6217299 B2 JP 6217299B2 JP 2013214739 A JP2013214739 A JP 2013214739A JP 2013214739 A JP2013214739 A JP 2013214739A JP 6217299 B2 JP6217299 B2 JP 6217299B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
motor
control
axis
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013214739A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015080290A (ja
Inventor
亮次 佐藤
亮次 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2013214739A priority Critical patent/JP6217299B2/ja
Publication of JP2015080290A publication Critical patent/JP2015080290A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6217299B2 publication Critical patent/JP6217299B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Ac Motors In General (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

本発明は、インバータを介してモータを制御するモータ制御システムに関する。
従来、モータの動力によって走行するハイブリッド自動車や電気自動車等の電動車両が知られている。このような電動車両に搭載されるモータ制御システムでは、通常、インバータを用いてモータの駆動が制御されている。
上記モータ駆動システムでは、アクセルやブレーキのユーザ操作等によって指示される要求トルクに従って、インバータ等の駆動回路の動作が制御され、モータが駆動される。このときに、インバータからモータに供給される電流が駆動回路にフィードバックされ、上記要求トルクから計算される電流指令値と一致させるようにフィードバック制御が行われることがある。モータに実際に供給される電流は、インバータとモータとを接続する電力ラインに設けられた電流センサによって検出される。
これに関連する文献として、特許文献1には、誘導電動機のベルトル制御装置において、フィードフォワードよるモータ電圧生成値と、フィードバックによるモータ電圧生成値とを合算したものを、モータの電圧指令値として制御することが記載されている。このベクトル制御装置においても、フィードバック制御に用いられるモータ電流は、モータ相数に対応する3つの電流センサによって検出されることが述べられている。
特開2001−169599号公報
電流センサ等の故障が発生すると、フィードバックによるモータ駆動電圧の生成を正しく行うことができなくなる。そのため、電流センサの異常が検出されて車両がフェールセーフモードに移行するまでの間、フィードバック分の電圧が実際よりも大きく、または、小さくなるので、車両出力が変化するための車両の加減速が発生し、ドライバビリティが悪化するという問題がある。ここで、フェールセーフモードとは、電流センサ等に異常があると判断された場合、車両を路肩や修理工場等まで安全に退避走行させるのに必要な動力を確保するための安全対策のことである。
本発明の目的は、電流フィードバック制御における電流センサの故障時のモータ出力変動を小さくして、車両のドライバビリティの低下を抑制できるモータ制御システムを提供することである。
本発明に係るモータ制御システムは、モータと、モータに接続されるインバータと、インバータとモータとの間を流れる電流を検出する電流センサと、インバータを制御して前記モータを駆動させる制御装置とを備えるモータ制御システムであって、前記制御装置は、前記モータのトルク指令とモータ回転速度からフィードフォワード制御により第1電圧指令を生成し、モータのトルク指令を電流指令に変換して前記電流センサによって検出される実電流と前記電流指令との差分である電流偏差からフィードバック制御により第2電圧指令を生成し、前記第1電圧指令および前記第2電圧指令を加算して前記モータの電圧指令値とし、前記電流センサの異常が検出されるとモータのフィードバック制御で用いるゲインを正常時よりも小さくし、前記電流センサの異常の検出は、前記電流センサが測定した電流に基づく電流値が電流閾値より大きくなった状態が所定時間以上継続することをもって実行され、前記電流センサの異常が検出されてから、前記電流センサが測定した電流に基づく電流値が電流閾値より大きくなった状態が更に所定時間継続したときに、フェールセーモードに移行し、前記制御装置は、ベクトル制御によって前記モータの作動を制御し、前記第2電流指令は、d軸電流偏差をΔIdとし、q軸電流偏差をΔIqとし、Kpd及びKpqをdq軸電流制御の比例ゲインとし、Kid及びKiqをdq軸電流制御の積分ゲインとするとき、ΔVd=Kpd×ΔId+Kid×ΔId×dtで算出されるd軸電圧偏差と、ΔVq=Kpq×ΔIq+Kiq×ΔIq×dtで算出されるq軸電圧偏差とで構成されるものである。


本発明に係るモータ制御システムによれば、電流センサの異常が検出されるとモータのフィードバック制御に用いるゲインを正常時よりも小さくするので、電流センサから出力される異常検出値の影響を小さくすることができる。これにより、電流センサ異常による影響でモータの電圧指令値が急に変化しにくくなるので、車両の挙動への顕著な影響(例えば、急加速や急減速等)もなくなる。したがって、仮にフィードバック制御系に異常が生じたとしても、ドライバビリティの低下を抑制できる。
本発明の一実施の形態であるモータ制御システムの構成を概略的に示す図である。 図1の制御装置におけるPI制御部を示すブロック図である。 図1の制御装置において電流センサの異常が検出されるときの時間とdq軸電流の関係を示すグラフである。 図1の制御装置による制御変更処理を時間とトルクの関係で示すグラフである。
以下に、本発明に係る実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
以下では、モータ制御システムが用いられるものとして、モータが搭載される車両を例として説明するが、ベクトル制御を実行するモータ制御システムを用いるものであれば車両以外であってもよい。
また、この車両には、モータとして、モータ機能と発電機機能とを有するモータ・ジェネレータを1台用いるものとして説明するが、これは例示であって、モータ・ジェネレータを2台以上用いるものとしてもよい。また、モータ機能のみを有するモータを1台、発電機機能のみを有するモータを1台用いるものとしてもよい。なお、車両としては、モータの他に、エンジンを搭載するハイブリッド車両であってもよく、この場合、車体に充電口を備えたハイブリッド車両であってもよい。
以下では、モータに接続される電源回路として、電圧源であるバッテリ、電圧変換器、インバータ、平滑コンデンサを含む構成を説明するが、これは例示であって、これら以外の要素を含むものとしてもよい。例えばシステムメインリレー、低電圧DC/DCコンバータ等を含むことができる。また、バッテリとは別に、燃料電池を電圧源として含むものとしてもよい。また、電圧変換器を省略して、電圧源の電圧がそのままインバータに供給される構成であってもよい。
図1は、車両に搭載されるモータについてのモータ制御システム8の全体構成を示す図である。モータ制御システム8は、モータ30と、これに接続される電源回路10と、これらの構成要素の動作を全体として制御する制御装置40とを備える。制御装置40は、いくつかの制御機能を有する回路の集合体であって、ここでは、ベクトル制御を行う部分を中心に示され、これとは区別して、特に電流センサの異常検出時に制御方式を変更する部分62,64が示してある。
モータ30は、車両に搭載されるモータ・ジェネレータ(MG)であって、電源回路10に含まれる電圧源としてのバッテリ12から電力が供給されるときはモータとして機能し、図示されていないエンジンによる駆動時、あるいは車両の制動時には発電機として機能する3相同期型モータである。
モータ30に設けられる回転位置センサ32は、ロータの回転位置を回転角度θとして検出する機能を有する。かかる回転位置センサ32としては、例えばレゾルバを用いることができる。検出された回転角度θのデータは、適当な信号線で制御装置40に伝送される。制御装置40においては、ベクトル制御に回転角度θが用いられ、また、回転角度θの時間微分からモータ30の回転速度ωに換算されてモータ30の電圧指令算出等に用いられる。
電源回路10は、モータ30と接続される回路であり、モータ30が駆動モータとして機能するときにこれに電力を供給し、あるいはモータ30が発電機として機能するときは回生電力を受け取ってバッテリ12を充電する機能を有する。電源回路10は、2次電池であるバッテリ12と、バッテリ12側の平滑コンデンサ14と、電圧変換器16と、インバータ20側の平滑コンデンサ18と、インバータ20を含んで構成される。
バッテリ12は、モータ30の駆動電力を供給する電圧源であり、例えば、約200Vの端子間電圧を有するリチウムイオン組電池あるいはニッケル水素組電池等を用いることができる。なお、バッテリ12に代えて、キャパシタ等の蓄電装置を電圧源として用いてもよい。
電圧変換器16は、バッテリ12側の電圧をリアクトルのエネルギー蓄積作用を利用して例えば約650Vに昇圧する機能を有する回路で、昇圧コンバータとも呼ばれる。なお、電圧変換器16は双方向機能を有し、インバータ20側からの電力をバッテリ12側に充電電力として供給するときには、インバータ20側の高圧をバッテリ12に適した電圧に降圧する作用も有する。
バッテリ12側の平滑コンデンサ14と、インバータ20側の平滑コンデンサ18は、それぞれの側の正極母線と負極母線との間における電圧、電流の変動を抑制し平滑化する機能を有する。なお、インバータ20側の正極母線と負極母線との間の電圧VHは、システム電圧と呼ばれるものである。
インバータ20は、制御装置40の制御の下で作動する複数のスイッチング素子を含んで構成され、交流電力と直流電力との間の電力変換を行う回路である。インバータ20は、車両が力行のとき、バッテリ12側からの直流電力を交流3相駆動電力に変換し、モータ30に駆動電力として供給する直交変換機能と、車両が制動のとき、逆にモータ30からの交流3相回生電力を直流電力に変換し、バッテリ12側に充電電流として供給する交直変換機能とを有する。
インバータ20とモータ30とを接続する3つの各配線を流れる電流は、モータ30の各相に流れる電流として、適当な電流センサ31を用いて検出され、制御装置40に伝送される。モータ30の各相コイルは中性点で共通接続されるので、モータ30を流れる各相電流は、(U相電流値Iu+V相電流値Iv+W相電流値Iw)=0となる。したがって、3つの相電流をそれぞれ検出しなくても、2つの相電流を検出し、残りの相電流は上記の関係を用いて計算から求めることができる。図1の例では、U相電流Iu、V相電流Ivを検出することが示されているので、残りのW相電流Iwは計算で求めることになる。検出される各相電流は、適当な信号線で制御装置40に伝送される。制御装置40では、ベクトル制御において、まずd軸電流値Idとq軸電流値Iqに変換され、これがd軸電流指令値Id*とq軸電流指令値Iq*と比較されて電流フィードバック制御に用いられる。
制御装置40は、電源回路10等の制御を通して、車両に搭載されるモータ30の作動を全体として制御する機能を有する。特にここでは、ベクトル制御によってモータ30の作動を制御し、また電流センサ31に異常が検出されてフェールセーフモードに移行する間の制御方式を切り替える機能を有する。最初に、ベクトル制御に関する部分を説明し、その後に、制御方式の切り替えに関する部分ついて説明する。
モータ30の動作制御は、モータ30の動作条件によって矩形波モード、過変調モード、正弦波PWMモードの間で切り替えられる。ここでは、主として、正弦波PWM制御を行う構成について説明する。
ベクトル制御に関する部分は、正弦波PWM制御における電流フィードバック制御を行う部分である。すなわち、正弦波PWM制御モードにおいては、3相2相座標変換部42においてモータ30の各相電流値をd軸電流値Idとq軸電流値Iqとに変換し、一方でトルク指令値Tq*からd軸電流指令値Id*とq軸電流指令値Iq*を算出する。そして、d軸電流指令値Id*にd軸電流値Idをフィードバックし、q軸電流指令値Iq*にq軸電流値Iqをフィードバックする電流フィードバックが行われる。
上記3相2相座標変換部42は、モータ30の各相電流のうち2つの電流値と回転角度θを取得し、各相電流値に基づいてd軸電流値Idとq軸電流値Iqを算出する機能を有する。図1の例では、U相電流値IuとV相電流値Ivと、モータ30の回転角度θに基づいて座標変換が行われている。
上記トルク指令値Tq*は、図示されていないアクセルの開度等から求められるユーザの要求トルクに基づいて算出される。電流指令生成部44は、例えば予め作成したテーブルやマップ等を用いて、トルク指令値Tq*をd軸電流指令値Id*とq軸電流指令値Iq*の組として算出する機能を有する。
また、制御装置40は、予め作成されたVdqマップ60を備える。Vdqマップ60
は、図示しない記憶装置に記憶されている。Vdqマップ60は、入力されるトルク指令
値Tq*に応じて、d軸電圧指令Vd*およびq軸電圧指令Vq*の組を第1電圧指令として生成する機能を有する。生成されたd軸電圧指令Vd*およびq軸電圧指令Vq*は、後述するPI制御部50に入力され。なお、本実施形態では、d軸電圧指令Vd*およびq軸電圧指令Vq*はマップから生成されるとして説明したが、これに限定されるものではなく、マップ以外の形態(例えばテーブル等)で記憶されていてもよいし、あるいは、トルク指令値Tq*とモータ回転速度ω(またはモータ回転数)に基づいて算出されてもよい。
図2は、図1における制御装置40のPI制御部50を示すブロック図である。図2に示すように、PI制御部50は、減算器46,48、PI演算部51、および、加算器47,49を含む。
減算器46は、PI制御部50に入力されたd軸電流指令値Id*からd軸電流値Idを減算してこれらの差分であるd軸電流偏差ΔIdを算出する機能を有する。また、減算器48は、PI制御部50に入力されたq軸電流指令値Iq*からq軸電流値Iqを減算してq軸電流偏差ΔIqを算出する機能を有する。ここで、d軸電流値Idおよびq軸電流値Iqは、3相2相座標変換部42からPI制御部50に入力されるモータ実電流に相当する。
PI演算部51は、d軸電流偏差ΔIdとq軸電流偏差ΔIqについて、所定のゲインの下で比例積分制御を行ってこれらに対応するd軸電圧偏差ΔVdとq軸電圧偏差ΔVqをそれぞれ第2電圧指令として生成する機能を有する。具体的には、PI演算部51は、下記の式(1),(2)によりd軸電圧偏差ΔVdとq軸電圧偏差ΔVqを算出する。
ΔVd=Kpd(Id*−Id)+Kid(Id*−Id)dt (1)
ΔVq=Kpq(Iq*−Iq)+Kiq(Iq*−Iq)dt (2)
ここで、式(1),(2)において、Kpd、Kpqはdq軸電流制御の比例ゲイン、Kid、Kiqはdq軸電流制御の積分ゲインである。
加算器47は、PI演算部51により算出されたd軸電圧偏差ΔVdをd軸電圧指令Vd*に加算してd軸電圧指令値Vd♯を生成する機能を有する。また、加算器49は、PI演算部51により算出されたq軸電圧偏差ΔVqをq軸電圧指令Vq*に加算してq軸電圧指令値Vq♯を生成する機能を有する。PI制御部50において生成されたd軸電圧指令Vd♯およびq軸電圧指令値Vq♯は、2相3相座標変換部56に入力される。
2相3相座標変換部56は、上記の3相2相座標変換部42と互いに逆変換の関係にあるもので、dq電圧値を各相電圧値に変換する機能を有する。すなわち、モータ30の回転角度θに基づいて、d軸電圧指令値Vd♯とq軸電圧指令値Vq♯を、各相電圧指令値Vu,Vv,Vwに変換する機能を有する。なお、これらの変換に際し、インバータ20に電圧変換器16から供給されるシステム電圧VHも反映される。
PWM生成部54は、各相電圧指令値Vu,Vv,Vwと所定の搬送波であるキャリアとの比較によって、インバータ20を構成する各スイッチング素子に対する制御信号を発生する機能を有する。インバータ20は、上記のように交流電力と直流電力との間の電力変換を行う回路であり、図1の例では6つのスイッチング素子を含むので、PWM生成部54からは6つの制御信号がインバータ20に供給される。これによって、各相電圧指令値に対応する各相のPWM信号がモータ30に供給される。
このようにして、正弦波PWM制御モードにおいては、トルク指令値Tq*に対応する電流指令値Id*,Iq*に対し、モータ30の実電流値Id,Iqがフィードバックされる制御が行われる。
以上でベクトル制御に関する部分の説明を行ったので、次に、制御装置40において電流センサ31に異常が検出されたとき制御方式の変更について図3及び図4も参照して説明する。図3は、図1の制御装置40において電流センサ31の異常が検出されるときの時間とdq軸電流の関係を示すグラフである。また、図4は、図1の制御装置40による制御変更処理を時間とトルクの関係で示すグラフである。
図1に示すように、制御装置40は、電流センサ異常検出部62およびdPI制御変更処理部64を備える。電流センサ異常検出部62は、モータ30を流れる各相電流を計測する電流センサ31の異常を検出する機能を有する。具体的には、電流センサ異常検出部62は、3相2相座標変換部42から取得されるd軸電流値Idおよびq軸電流値Iqの各絶対値が所定の電流閾値Ithrより大きいか否かを監視する。
そして、図3に示すように、時間t1でd軸電流値Idおよびq軸電流値Iqの各絶対値の少なくとも一方が電流閾値Ithrより大きくなったときに電流センサ31の異常を疑い、この状態が所定時間以上継続したとき時間t2のタイミングで仮異常フラグを立てる。ここで、時間t1〜t2の時間間隔は、例えば1制御周期、具体的には十〜数十msecに設定することができる。
それから、電流センサ異常検出部62は、d軸電流値Idおよびq軸電流値Iqの各絶対値が所定の電流閾値Ithrより大きい状態が予め定めた時間閾値tthr(例えば200〜300msec)継続したとき、時間t3のタイミングで電流センサ異常の判断を確定させ、フェールセーフモードに移行する。ここで、フェールセーフモードとは、電流センサ等のフィードバック系に異常があると判断された場合、車両を路肩や修理工場等まで安全に退避走行させるのに必要な動力を確保するための安全対策のことである。具体的には、複数モータタイプの電動車両の場合には電流センサの異常がない他のモータによる走行に切り替える、1モータタイプの電動車両ではモータ電圧指令値Vd*,Vq*またはモータ電流指令値Id*,Iq*を制限して低車速での正弦波PWM制御のみを許可する、ハイブリッド車両ではエンジン走行に切り替える等である。
なお、電流センサ異常検出部62は、d軸電流値Idおよびq軸電流値Iqの各絶対値が所定の電流閾値Ithrより大きい状態が上記時間閾値tthrを超えて継続しない場合、センサ仮異常フラグを解除して、電流センサ31に異常が発生していないと判断する。このようにすることで、ノイズ等の外乱で電流値が瞬間的に大きくなったときに電流センサ異常が直ちに検出されるのを回避することができる。
PI制御変更処理部64は、電流センサ異常検出部62からセンサ異常確定信号が入力されると、PI制御部におけるPI演算部51の処理を変更する。具体的には、PI制御の演算(上記式(1),(2))に用いる比例ゲインKpd,Kpqおよび積分ゲインKid、Kiを正常時よりも小さく設定する。より具体的には、比例ゲインKpd,Kpqおよび積分ゲインKid、Kiをいずれもゼロに設定する。
これにより、PI演算部51により算出されるd軸電圧偏差ΔVdとq軸電圧偏差ΔVqはいずれもゼロになる。したがって、加算器47,49を介してPI制御部50から出力されるdq軸電圧指令値Vd♯,Vq♯は、トルク指令値Tq*およびモータ回転速度ωに基づいてVdqマップ60から導出されるd軸電圧指令Vd*およびq軸電圧指令Vq*がそのままd軸電圧指令値Vd♯およびq軸電圧指令値Vq♯となる。
つまり、この場合、電流センサ31による検出値を用いた電流フィードバック制御ではなく、トルク指令値Tq*およびモータ回転速度ωに基づくフィードフォワード制御が実行されることになる。このように、電流センサ31の異常が検出されるとモータ30のフィードバック制御に用いるゲインを正常時よりも小さくするので、電流センサ31から出力される異常検出値の影響を小さくすることができる。これにより、電流センサ異常による影響でモータ30の電圧指令値が急に変化しにくくなるので、車両の挙動への顕著な影響(例えば、急加速や急減速等)もなくなる。したがって、仮にフィードバック制御系に異常が生じたとしても、ドライバビリティの低下を抑制できる。
図4を参照すると、従来のトルク変動状態が一点鎖線で示され、本実施形態におけるフィードフォワード制御によるトルク変動状態が実線71で示されている。従来構成であれば、電流センサの仮異常(時間t2)からフェールセーフモードに移行するまでの間も電流フィードバック制御が行われていたことから、電流センサ31の異常によってトルクが急激に大きく(または小さく)なることによって、車両のユーザに対してトルク変動による急加速感(または急減速感)を与えることがある。これに対し、本実施形態によれば、図中の実線71で示すように、電流センサの仮異常検出時におけるトルク変動を小さくすることができ、その結果、ドライバビリティの低下を抑制できるのである。
なお、本発明は上述した実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載される事項およびその均等な範囲で種々の改良や改良が可能である。
例えば、上記においては、電流センサ31の仮異常検出時に比例ゲインKpd,Kpqおよび積分ゲインKid,Kiqをいずれもゼロに設定するとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、比例ゲインKpd,Kpqのみをゼロにする、または、比例ゲインKpd,Kpqおよび積分ゲインKid、Kiの各値を正常時よりも小さくしてもよい。
比例ゲインKpd,Kpqのみをゼロした場合、積分ゲインKid、Kiを含む積分項の値がΔVd,ΔVqとして出力されることになり、図7中の実線72で示すようにトルクTqは前回算出値Tq_preに維持されることになる。また、比例ゲインKpd,Kpqおよび積分ゲインKid、Kiの各値を正常時よりも小さくした場合、図7中の実線73で示すように、トルクTqはセンサ異常の影響を受けて大きくなるものの時間増加率が抑制されることでユーザに与える急加速等の違和感を抑えることができる。これらによっても、上述した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
8 モータ制御システム、10 電源回路、12 バッテリ、14,18 平滑コンデンサ、16 電圧変換器、20 インバータ、30 モータ、31 電流センサ、32 回転位置センサ、40 制御装置、42 3相2相座標変換部、44 電流指令生成部、46,48 減算器、47,49 加算器、50 PI制御部、51 PI演算部、56 2相3相座標変換部、54 PWM生成部、60 Vdqマップ、62 電流センサ異常検出部、64 制御変更処理部、71,72,73 実線。

Claims (1)

  1. モータと、モータに接続されるインバータと、インバータとモータとの間を流れる電流を検出する電流センサと、インバータを制御して前記モータを駆動させる制御装置とを備えるモータ制御システムであって、
    前記制御装置は、前記モータのトルク指令とモータ回転速度からフィードフォワード制御により第1電圧指令を生成し、モータのトルク指令を電流指令に変換して前記電流センサによって検出される実電流と前記電流指令との差分である電流偏差からフィードバック制御により第2電圧指令を生成し、前記第1電圧指令および前記第2電圧指令を加算して前記モータの電圧指令値とし、前記電流センサの異常が検出されるとモータのフィードバック制御で用いるゲインを正常時よりも小さくし、
    前記電流センサの異常の検出は、前記電流センサが測定した電流に基づく電流値が電流閾値より大きくなった状態が所定時間以上継続することをもって実行され、
    前記電流センサの異常が検出されてから、前記電流センサが測定した電流に基づく電流値が電流閾値より大きくなった状態が更に所定時間継続したときに、フェールセーモードに移行し、
    前記制御装置は、ベクトル制御によって前記モータの作動を制御し、
    前記第2電流指令は、d軸電流偏差をΔIdとし、q軸電流偏差をΔIqとし、Kpd及びKpqをdq軸電流制御の比例ゲインとし、Kid及びKiqをdq軸電流制御の積分ゲインとするとき、ΔVd=Kpd×ΔId+Kid×ΔId×dtで算出されるd軸電圧偏差と、ΔVq=Kpq×ΔIq+Kiq×ΔIq×dtで算出されるq軸電圧偏差とで構成される、モータ制御システム。
JP2013214739A 2013-10-15 2013-10-15 モータ制御システム Active JP6217299B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013214739A JP6217299B2 (ja) 2013-10-15 2013-10-15 モータ制御システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013214739A JP6217299B2 (ja) 2013-10-15 2013-10-15 モータ制御システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015080290A JP2015080290A (ja) 2015-04-23
JP6217299B2 true JP6217299B2 (ja) 2017-10-25

Family

ID=53011284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013214739A Active JP6217299B2 (ja) 2013-10-15 2013-10-15 モータ制御システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6217299B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6443227B2 (ja) 2015-06-08 2018-12-26 株式会社デンソー 通信システム
EP3681035A4 (en) * 2017-09-05 2021-04-14 Hitachi, Ltd. AC ELECTRIC MOTOR CONTROL DEVICE AND METHOD, AND ELECTRIC MOTOR DRIVE SYSTEM CONTROL DEVICE AND METHOD
KR102150872B1 (ko) 2018-09-03 2020-09-03 주식회사 만도 모터 전류 센서의 고장 감지 장치 및 방법
WO2020116210A1 (ja) * 2018-12-04 2020-06-11 日本電産株式会社 電力変換装置、駆動装置およびパワーステアリング装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0520976U (ja) * 1991-07-10 1993-03-19 光洋精工株式会社 電動パワーステアリング装置
JP3807022B2 (ja) * 1997-05-09 2006-08-09 株式会社デンソー モータ制御装置およびモータ制御方法
JP4140241B2 (ja) * 2002-01-24 2008-08-27 トヨタ自動車株式会社 モータの駆動制御装置、駆動制御方法およびその方法を実現するプログラムを記録した記録媒体
EP1876700A4 (en) * 2005-04-15 2011-10-26 Hitachi Ltd AC MOTOR CONTROL
JP2007331646A (ja) * 2006-06-16 2007-12-27 Toyota Motor Corp モータ駆動装置
WO2008026269A1 (fr) * 2006-08-31 2008-03-06 Mitsubishi Electric Corporation Appareil de conversion de puissance
JP4780020B2 (ja) * 2007-04-02 2011-09-28 トヨタ自動車株式会社 電動車両、電動車両の制御方法、および電動車両の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体
JP5092760B2 (ja) * 2008-01-16 2012-12-05 株式会社ジェイテクト モータ制御装置および電動パワーステアリング装置
CN107040177B (zh) * 2008-01-16 2019-08-09 株式会社捷太格特 马达控制装置以及电动动力转向装置
JP2011229249A (ja) * 2010-04-19 2011-11-10 Toyota Motor Corp 車両駆動システム
JP5603807B2 (ja) * 2011-03-07 2014-10-08 Ntn株式会社 電気自動車用駆動モータの診断装置および診断方法並びに電気自動車用駆動モータの診断装置を備えた電気自動車

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015080290A (ja) 2015-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5133834B2 (ja) 交流電動機の制御装置
JP4329880B1 (ja) 交流電動機の制御装置および電動車両
US9903931B2 (en) Diagnostic device for voltage sensors
JP5880967B2 (ja) 交流電動機の制御装置
EP2953261B1 (en) Synchronous motor control device for electric automobile
US9473059B2 (en) Control apparatus for AC motor
JP5884746B2 (ja) 交流電動機の制御装置
JP5482574B2 (ja) 交流電動機の制御システム
JP2014072973A (ja) 交流電動機の制御装置
US9318982B2 (en) Control apparatus for AC motor
JP5803951B2 (ja) 回転電機駆動システム
JP2008141868A (ja) 電動機システム
JP6217299B2 (ja) モータ制御システム
JP2014128052A (ja) 車両の制御装置
JP6464995B2 (ja) 電圧センサ異常診断装置
JP5955761B2 (ja) 車両の制御装置
JP3240888B2 (ja) モータ制御装置、モータ制御方法、およびそれを用いた電気車
JP5618948B2 (ja) モータ制御システム
JP5808199B2 (ja) モータ制御装置及びモータ駆動システム
JP2010183702A (ja) インバータの制御装置
JP2017093218A (ja) 交流電動機の制御システム
JP5884747B2 (ja) 交流電動機の制御装置
JP6269328B2 (ja) 同期モータの制御装置、及び、これを備える車両制御システム
JP5277846B2 (ja) 交流電動機の制御システム
JP6287566B2 (ja) 交流電動機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160817

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160823

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170829

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170911

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6217299

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250