JP2007331646A - モータ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータロック異常時における駆動回路の熱的保護を確実に実行可能なモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】HVECU100は、回転数センサ30からフィードバックされるモータ回転数MRN1に対してモータジェネレータMG1が出力可能な最大トルクを上限値として、要求トルクT1reqを決定する。MGECU200は、要求トルクT1reqに従ってモータ駆動電流の制御を行なう。HVECU100は、零近傍となる回転数領域における要求トルクT1reqの上限値を、最大トルクよりも小さく、かつ、インバータ10の通過電流が所定の許容値以下となる許容トルクに予め制限しておく。これにより、MG1ロック異常の発生が判断されるまでの間に、要求トルクT1reqの上昇に応じてインバータ10の熱負荷が増大し、インバータ10の劣化が無駄に進行するのを抑制することができる。
【選択図】図2
【解決手段】HVECU100は、回転数センサ30からフィードバックされるモータ回転数MRN1に対してモータジェネレータMG1が出力可能な最大トルクを上限値として、要求トルクT1reqを決定する。MGECU200は、要求トルクT1reqに従ってモータ駆動電流の制御を行なう。HVECU100は、零近傍となる回転数領域における要求トルクT1reqの上限値を、最大トルクよりも小さく、かつ、インバータ10の通過電流が所定の許容値以下となる許容トルクに予め制限しておく。これにより、MG1ロック異常の発生が判断されるまでの間に、要求トルクT1reqの上昇に応じてインバータ10の熱負荷が増大し、インバータ10の劣化が無駄に進行するのを抑制することができる。
【選択図】図2
Description
この発明は、モータ駆動装置に関し、特に、内燃機関を始動するためのモータを駆動するモータ駆動装置に関する。
最近、環境に配慮した自動車として、ハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)が注目されている。ハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、インバータを介して直流電源により駆動されるモータを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。
このようなハイブリッド車両においては、運転者のアクセル操作量に関係なく、エンジンによる運転とモータによる運転とが自動的に切換えられて、最も効率が良くなるように制御される。つまり、エンジンとモータとをそれぞれ単独、または協同して動作させることにより、燃費向上や排気ガスの大幅な抑制が実現される。
このように、ハイブリッド車両のエンジンは、走行中においても間欠駆動が行なわれることになる。このときのエンジンの始動は、エンジンに連結されたモータジェネレータに直流電源から電力を供給し、モータジェネレータをモータとして駆動させることにより行なわれる。すなわち、モータジェネレータによりクランクシャフトを回転させてエンジンを始動させる。
しかしながら、エンジン、もしくはエンジンとモータジェネレータとを連結する遊星歯車機構が焼付きを起こして回転不良となっているときには、モータジェネレータがトルクを付与することによってもクランクシャフトが回らない現象が生じる場合がある。この場合、モータジェネレータには、起動トルク指令を与えても回転数が上がらない、いわゆるモータロック異常が発生する。このモータロック異常の状態でさらにモータジェネレータを駆動させると、インバータの特定のスイッチング素子には過大な直流電流が流れることになり、当該スイッチング素子の熱負荷が急激に増加する。
このようなモータロック異常時におけるインバータのスイッチング素子の熱的破壊を防止する手段として、たとえば特許文献1は、電気自動車が登り坂においてロック状態に陥ったとき、走行用モータの位相領域を変化させるべくトルクを低減するトルク低減手段を有する電気自動車の過負荷防止装置を開示する。
これによれば、モータコントローラは、回転速度センサによって検出されたモータ回転速度が所定値よりも小さく、かつ、入力されるトルク指令値がトルク所定値よりも大きい場合に、電気自動車のモータがロック状態にあると判定する。そして、モータがロック状態にあると判定されたことに応じて、モータコントローラは、インバータ回路のスイッチング素子の接合温度最大値を検出し、その検出した接合温度最大値に対する制限トルクを演算する。このとき、演算した制限トルクよりもトルク指令値が大きいければ、モータコントローラは、制限トルクを所定の値低減したリミットトルクを算出し、リミットトルクをモータから出力するようにインバータ回路を制御する。
特開平11−215687号公報
特開2005−9439号公報
特開2004−225623号公報
特開2004−215374号公報
特開平9−70195号公報
特開2005−12966号公報
しかしながら、上記の特許文献1の過負荷防止装置によれば、モータがロック状態にあると判定されたことに応じて、モータの出力トルクを低減する構成を採用することから、モータがロック状態にあるとの判定がなされるまでの期間においては、インバータ回路の特定のスイッチング素子には過大な電流が継続して流れることになる。そのため、当該判定期間において、スイッチング素子の熱負荷が増大し、インバータ回路の劣化を無駄に促進させてしまうという問題があった。
なお、このような判定期間におけるスイッチング素子の熱負荷の増加分を受け入れ可能なように、通過電流の許容値に所定のマージンを持たせたスイッチング素子でインバータ回路を構成することも検討可能であるが、スイッチング素子が大型化するため、インバータ回路の大型化およびコストの増加に繋がる問題がある。
それゆえ、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、モータロック異常時における駆動回路の熱的保護を確実に実行可能なモータ駆動装置を提供することである。
この発明によれば、モータ駆動装置は、内燃機関を始動するためのモータと、モータを駆動制御する駆動回路と、モータの回転数を検出する回転数センサと、モータが要求トルクを出力するように駆動回路を制御するための制御手段とを備える。制御手段は、内燃機関の始動指令に応答して、回転数の検出値に基づいてモータの出力可能な最大トルクを上限値として要求トルクを決定する要求トルク決定手段と、モータの出力トルクが要求トルクに一致するように駆動回路を流れる駆動電流を制御するモータ制御手段と、回転数の検出値が所定の閾値以下のとき、上限値を最大トルクよりも小さい所定の許容トルクに制限して要求トルクを決定する要求トルク制限手段とを含む。
上記のモータ駆動装置によれば、低回転数領域における要求トルクの上限値に予め制限を設けておくことにより、内燃機関の故障等によりモータロック異常に陥った場合に駆動回路が過負荷状態となるのを未然に防止することができる。したがって、モータロック異常を判定した後に出力トルクを制限する従来のモータ駆動装置と比較して、駆動回路にかかる熱負荷のより一層の低減が可能となり、駆動回路の熱的保護を確実に行なうことができる。
好ましくは、要求トルク制限手段は、許容トルクを、駆動電流が所定の許容値以下となり、かつ、内燃機関が正常であるときに内燃機関を始動するのに必要な駆動力を確保可能なトルクに設定する。
上記のモータ駆動装置によれば、内燃機関が正常時に始動に必要なトルクを確保するようにモータ出力トルクの上限値を設けておくことにより、内燃機関の正常な始動を妨げることがない。
好ましくは、制御手段は、要求トルク決定手段を実行可能に設けられた第1の制御装置と、要求トルク制限手段とモータ制御手段とを実行可能に設けられた第2の制御装置と、第1の制御装置と第2の制御装置との間で通信可能に設けられた通信手段とを含む。
上記のモータ駆動装置によれば、第1の制御装置と第2の制御装置との間に通信遅れがある場合でも、モータを駆動制御する第2の制御装置側で直接的に要求トルクを制限することにより、第1の制御装置側で間接的に要求トルクを制限することによって生じ得るモータ出力トルクの不連続やエンジン始動不良を防止することができる。
好ましくは、要求トルク決定手段は、回転数と最大トルクとの関係を示す第1のマップを予め有し、第1のマップの中から、回転数の検出値に対応する最大トルクを上限値として抽出する。要求トルク制限手段は、回転数と最大トルクとの関係のうち、回転数が所定の閾値以下のときの最大トルクが許容トルクに置換されたものを第2のマップとして予め有し、第2のマップの中から、回転数の検出値に対応する最大トルクまたは許容トルクを上限値として抽出する。
上記のモータ駆動装置によれば、回転数と要求トルクの上限値との関係を予めマップとして所有しておくことにより、容易かつ確実に駆動回路が過負荷状態となるのを防止することができる。
好ましくは、モータ制御手段は、要求トルクが所定値以上となり、かつ、回転数の検出値が所定値以下となる状態が所定の期間継続したことに応じて、モータがロック異常であると判定する判定手段を含む。判定手段は、ロック異常の判定結果を、通信手段を介して要求トルク決定手段に出力する。要求トルク決定手段は、ロック異常の判定結果に応じてモータを停止状態とする。
上記のモータ駆動装置によれば、モータロック異常の判定結果を要求トルク決定手段に送信することにより、モータを停止状態としてフェイルセーフ機能を確保することができる。
この発明によれば、モータロック異常時における駆動回路の熱負荷を低減でき、確実に駆動回路の熱的保護を行なうことができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1によるモータ駆動装置を搭載したハイブリッド車両の駆動系の概略ブロック図である。なお、本発明は図1に示すハイブリッド車両に限定されず、他の態様を有するハイブリッド車両であってもよい。
図1は、この発明の実施の形態1によるモータ駆動装置を搭載したハイブリッド車両の駆動系の概略ブロック図である。なお、本発明は図1に示すハイブリッド車両に限定されず、他の態様を有するハイブリッド車両であってもよい。
図1を参照して、ハイブリッド車両は、エンジンENGと、バッテリ20と、インバータ10と、車輪70,80と、トランスアクスル60と、エンジンECU(Electronic Control Unit)300と、MGECU200と、バッテリECU400と、HVECU100とを備える。
エンジンENGは、ガソリン等の燃料の燃焼エネルギを源として駆動力を発生する。回転数センサ40は、エンジン回転数を検出してエンジンECU300へ出力する。
バッテリ20は、インバータ10へ直流電力を供給する。バッテリ20は、充電可能な二次電池で構成され、代表的にはニッケル水素蓄電池やリチウムイオン二次電池や大容量コンデンサ(キャパシタ)等が適用される。
インバータ10は、バッテリ20から供給された直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータMG2へ供給する。あるいは、インバータ10は、モータジェネレータMG1,MG2から供給された交流電力を直流電力に変換してバッテリ20へ出力する。インバータ10は、図示は省略するが、複数相のアームからなる。各相アームは、電源ラインとアースラインとの間に直列接続された2つのスイッチング素子からなる。
トランスアクスル60は、トランスミッションとアクスル(車軸)とを一体構造として備えており、動力分割機構PSDと、減速機50と、モータジェネレータMG1と、モータジェネレータMG2とを有する。
動力分割機構PSDは、エンジンENGによって生じた駆動力を、減速機50を介して車輪70,80の駆動軸へ伝達する経路と、モータジェネレータMG1へ伝達する経路とに分割可能である。動力分割機構PSDには、たとえば遊星歯車機構が用いられる。
モータジェネレータMG1,MG2の各々は、発電機としても電動機としても機能し得るが、モータジェネレータMG1は概ね発電機として機能することが多いため「発電機」と呼ばれることがあり、モータジェネレータMG2は主として電動機として動作するため「電動機」と呼ばれることがある。
モータジェネレータMG1は、動力分割機構PSDを介して伝達されたエンジンENGからの駆動力によって回転されて発電する。モータジェネレータMG1による発電電力は、インバータ10に供給され、バッテリ20の充電電力として、あるいはモータジェネレータMG2の駆動電力として用いられる。回転数センサ30は、モータジェネレータMG1のモータ回転数MRN1を検出してMGECU200へ出力する。
モータジェネレータMG2は、インバータ10から供給された交流電力によって回転駆動される。モータジェネレータMG2によって生じた駆動力は、減速機50を介して駆動軸へ伝達される。なお、駆動軸にて駆動される車輪70,80以外の車輪(図示せず)については、単なる従動輪としてもよいが、さらに図示しない別のモータジェネレータにて駆動されるように構成して、いわゆる電動の四輪駆動システムを構成するようにしてもよい。
また、回生制動動作時にモータジェネレータMG2が車輪70,80の減速に伴なって回転される場合には、モータジェネレータMG2に生じた起電力(交流電力)がインバータ10へ供給される。この場合には、インバータ10が供給された交流電力を直流電力に変換してバッテリ20へ供給することにより、バッテリ20が充電される。
エンジンECU300は、エンジンENGの動作状態を制御する。バッテリECU400は、バッテリ20の充放電状態を管理制御する。MGECU200は、ハイブリッド車両の状態に応じてモータジェネレータMG1,MG2、インバータ10およびバッテリECU400等を制御する。HVECU100は、バッテリECU400、エンジンECU300およびMGECU200等を相互に管理制御して、ハイブリッド車両が最も効率良く運行できるようにハイブリッドシステム全体を制御する。
以上の構成からなるハイブリッド車両において、車両停止時には、エンジンENG、モータジェネレータMG1,MG2の各々は停止している。
そして、エンジンENGの起動時には、発電機であるモータジェネレータMG1をスタータとして使用することによりエンジンENGが始動される。エンジンENGが始動されると、モータジェネレータMG1はその回転数が上昇して発電を始めるとともに、発電した電力はモータジェネレータMG2に供給されて加速に使用される。
定常走行時には、主としてエンジンENGの出力で走行するので、発電は殆ど不要となり、モータジェネレータMG1の回転数は低下する。
そして、定常走行から加速を行なう場合には、エンジンENGの回転数を上げるとともに、モータジェネレータMG1を発電させることによって、モータジェネレータMG2の駆動力を加えて加速を行なう。このように、モータジェネレータMG1の回転を制御することにより、エンジン回転数を変えることができるとともに、エンジン出力の一部をモータジェネレータMG1(発電機)を介してモータジェネレータMG2(電動機)に伝達することができる。すなわち、動力分割機構PSDに無段変速機の機能を持たせている。
さらに、ハイブリッド車両では、エンジンENGは、車両停止時には自動的に停止される一方で、その起動タイミングが、運転状況に応じてHVECU100によって制御される。
具体的には、発進時ならびに低速走行時あるいは緩やかな坂を下るときなどの軽負荷時は、エンジン効率の悪い領域を避けるために、エンジンENGを起動させることなく、モータジェネレータMG2による駆動力で走行する。そして、一定以上の駆動力が必要な運転状態となったときには、エンジンENGが起動される。ただし、暖機等のためにエンジンENGの駆動が必要な場合には、エンジンENGは発進時に無負荷状態で起動されて、所望の暖機が実現するまでアイドリング回転数で駆動される。
また、HVECU100は、バッテリ20が一定の充電状態を維持する制御を行なっており、バッテリECU400を介してSOC(State of Charge)を監視することによってバッテリ充電量の低下を検知すると、上記の基本的なエンジンENGおよびモータジェネレータMG2の作動条件に加えて、モータジェネレータMG1の駆動によってバッテリ20を充電するためにエンジンENGを作動させる。
次に、図2を用いて、HVECU100およびMGECU200によるエンジンENGの始動制御について説明する。
図2を参照して、HVECU100は、エンジン停止時において、予め設定されたエンジン起動条件が成立したと判定されると、エンジンECU300に対してエンジン始動指令を出力する。
HVECU100は、さらに、モータジェネレータMG1によってエンジンENGを始動するため、後述する方法によってモータジェネレータMG1の要求出力(回転数×トルク)から要求トルクT1reqを決定し、その決定した要求トルクT1reqをMGECU200へ出力する。
MGECU200は、モータ主制御部210と、モータジェネレータMG1を制御するためのMG1制御部220と、モータジェネレータMG2を制御するためのMG2制御部(図示せず)とを含む。
モータ主制御部210は、HVECU100からモータジェネレータMG1の要求トルクT1reqを受け、回転数センサ30からモータ回転数MRN1を受ける。そして、モータ主制御部210は、要求トルクT1reqをモータジェネレータMG1が要求される出力トルクの目標値(トルク指令値TR1)に設定してMG1制御部220へ出力する。
MG1制御部220は、トルク指令値TR1から変換したモータ駆動電流の電流指令に基づいて実際のモータ駆動電流を電流指令に一致させるための電流制御を行なう。
具体的には、MG1制御部220は、トルク指令値TR1、モータジェネレータMG1を流れるモータ電流およびインバータ10の入力電圧に基づいて、インバータ10がモータジェネレータMG1を駆動するときにインバータ10のスイッチング素子をスイッチング制御するための信号を生成し、その生成した信号をインバータ10へ出力する。
これにより、インバータ10の各スイッチング素子は、オン/オフ制御され、モータジェネレータMG1が指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG1の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TR1に応じたモータトルクが出力される。モータジェネレータMG1に設けられた回転数センサ30からは、モータ回転数MRN1の検出値がモータ主制御部210およびMG1制御部220へフィードバックされる。
HVECU100には、モータ主制御部210からモータ回転数MRN1がフィードバックされるとともに、エンジンECU300からエンジン回転数MRNEがフィードバックされる。HVECU100は、エンジン回転数MRNEと予め設定された所定の回転数(たとえばアイドル回転数近傍)との一致比較動作を行ない、その比較結果に基づいてエンジンENGが完爆状態であるか否かを判定する。このとき、エンジン回転数MRNEが所定の回転数以上であれば、HVECU100は、エンジンENGが完爆状態であると判定して一連のエンジン始動制御を終了する。
このように、エンジンENGがモータジェネレータMG1により動力分割機構PSDを介して始動される構成とすることにより、始動用のスタータが不要となるため部品点数が少なくなって駆動系を安価に構成することができる。
しかしながら、このような構成では、エンジンENGまたは動力分割機構PSDを構成する遊星歯車機構の焼付きによるクランクシャフトの回転不良が生じた場合には、モータジェネレータMG1にトルク指令を与えても回転数が上がらない、いわゆる「MG1ロック異常」が発生する可能性がある。そして、MG1ロック異常が発生すると、インバータ10の特定のスイッチング素子には大きな直流電流が流れるため、当該スイッチング素子の熱負荷が急激に増加する。
そこで、モータジェネレータMG1の制御を管轄するMGECU200は、上述したエンジン始動制御の一環として、以下に述べるMG1ロック異常の有無を判定する異常診断を実行する。
モータ主制御部210は、トルク指令値TR1と回転数センサ30からのモータ回転数MRN1とに基づいて、モータジェネレータMG1がロック異常であるか否かを判定する。
具体的には、エンジン起動時にトルク指令値TR1が与えられると、MG1ロック異常が発生していないときには、モータ回転数MRN1は所定のレベルまで上昇していく。一方、MG1ロック異常が発生しているときには、モータジェネレータMG1の回転不良によりトルク指令値TR1が与えられているにも拘らずモータ回転数MRN1が上昇しない。
そこで、モータ主制御部210は、トルク指令値TR1がエンジン始動に十分とされる所定の閾値T_std以上であり、かつ、モータ回転数MRN1が停止および超低速回転速度を含む所定の閾値N_std以下であるか否かを判定する。そして、トルク指令値TR1が所定の閾値T_stdであり、かつ、モータ回転数MRN1が所定の閾値N_std以下であると判定されると、モータ主制御部210は、MG1ロック異常を検出する。
MG1ロック異常が検出されると、モータ主制御部210は、異常検出の精度を上げるために、内蔵するタイマのカウント値をインクリメントするとともに、カウント値が所定の判定閾値を超えるまで上記の異常検出判定を繰返し実行する。
そして、モータ主制御部210は、MG1ロック異常が所定の判定閾値以上、すなわち所定の判定時間以上、連続的に検出されたことに応じて、MG1ロック異常が発生していると判断してロック異常判定フラグをオンに設定する。オンに設定されたロック異常判定フラグは、HVECU100へ送信される。
HVECU100は、モータ主制御部210からロック異常判定フラグを受信すると、エンジンENGもしくはモータジェネレータMG1に異常が発生したことにより、エンジンENGを駆動力源とした走行が不可能であると判断する。そして、HVECU100は、車両の走行状態を、エンジンENGおよびモータジェネレータMG1を停止状態とし、モータジェネレータMG2のみによって走行を継続する、いわゆる「フェイルセーフ走行」に移行する。このフェイルセーフ走行を行なうことによって、車両を他の車両や歩行者等の妨げにならない場所にまで移動可能とする。
以上のように、HVECU100は、エンジン起動時には、モータジェネレータMG1の要求トルクT1reqを決定してMGECU200へ出力する。そして、MGECU200によりMG1ロック異常が検出されたことに応じてモータジェネレータMG1を停止状態とする。
ここで、HVECU100は、回転数センサ30からフィードバックされるモータ回転数MRN1に対してモータジェネレータMG1が出力可能な最大トルクT_maxを上限値として、要求トルクT1reqを決定する。
図3は、モータジェネレータMG1の出力可能な最大トルクT_maxとモータ回転数MRN1との関係を示す図である。
HVECU100は、図3に示す関係を予めマップとして有しており、フィードバックされたモータ回転数MRN1に対応する最大トルクT_maxをマップの中から抽出する。そして、HVECU100は、その抽出した最大トルクT_maxを上限値として、所定の制御タイミングごとに要求トルクT1reqを増加させる。
このとき、MG1ロック異常が発生していなければ、図中のラインLN1で示すように、要求トルクT1reqをT1,T2(>T1)・・・と増やしていくことによって、モータ回転数MRN1はN1,N2(>N1)・・・と上昇していく。
一方、MG1ロック異常が発生しているときには、図中のラインLN2で示すように、要求トルクT1reqをT1,T2・・・と増やしたにも拘らず、モータ回転数MRN1は一向に上昇せず、略零に固定される。そして、要求トルクT1reqを上限値である最大トルクT_maxまで増やした場合、最大トルクT_maxから変換された電流指令に基づいてモータ駆動電流の制御が行なわれるため、インバータ10の特定のスイッチング素子には過大な直流電流が継続して流れることになる。
このとき、MGECU200では、上述したように、MG1ロック異常が所定時間以上、連続的に検出されたことに応じてMG1ロック異常が発生していると判断し、ロック異常判定フラグをオンに設定してHVECU100へ送信する。これにより、HVECU100は、モータジェネレータMG1を停止状態として、車両をフェイルセーフ走行に移行させる。
しかしながら、このような構成では、MG1ロック異常の発生と判断されるタイミングまでは、要求トルクT1reqの増加に伴なってインバータ10の特定のスイッチング素子を通過する電流が増加することになる。これは、スイッチング素子の熱負荷を増大させることから、インバータ10の劣化を無駄に促進させることに繋がる。
そこで、この発明によるモータ駆動装置は、零近傍となるモータ回転数領域における要求トルクの設定可能な上限値を、インバータ10の通過電流が所定の許容値を超えないトルク(以下、許容トルクとも称する)に予め制限しておくことを特徴的な構成とする。
なお、本構成は、MG1ロック異常発生の有無に拘らず低回転数領域におけるモータジェネレータMG1の出力トルクを制限する点において、MG1ロック異常の判定に応じて出力トルクを制限する特許文献1の過負荷防止装置とは異なる。
詳細には、図3を参照して、回転数が所定の閾値N_std以下となる領域において、要求トルクT1reqの設定可能な上限値を、最大トルクT_maxよりも小さい所定の許容トルクT_limに制限する。これは、モータジェネレータMG1の最大トルクT_maxとモータ回転数MRN1との関係を示す図3のマップから、モータ回転数MRN1が所定の閾値N_stdより高く、かつ、出力トルクが許容トルクT_limを上回る領域(図中の領域RGE1に相当)を、要求トルクT1reqの設定が禁止される領域として予め除外しておくことに等しい。
このように、図3のマップから、インバータ10を過負荷状態に導く領域を要求トルクT1reqの設定禁止領域として予め除外しておくことにより、要求トルクT1reqは、図中のラインLN3で示すように、モータ回転数MRN1が所定の閾値N_std以下から一向に上昇しないときであっても、許容トルクT_limを上限値として、その増加に歯止めが掛けられることになる。そのため、MG1ロック異常の発生が判断されるまでの間に、インバータ10の特定のスイッチング素子を通過する電流が無制限に増加するのが抑えられる。この結果、インバータ10の熱負荷が増大するのを確実に抑制することができる。
なお、所定の許容トルクT_limは、インバータ10のスイッチング素子の通過電流が所定の許容値以下となるように設定されるとともに、MG1ロック異常が発生していないときのモータジェネレータMG1の動作ライン(図中のラインLN1に相当)を妨げないように設定される。これにより、エンジンENG等に焼付きによる回転不良がない場合には、モータジェネレータMG1からの十分な回転力を受けてエンジンENGは確実に始動されることになる。
図4は、HVECU100におけるエンジン始動制御を説明するためのフローチャートである。
図4を参照して、HVECU100は、最初に、エンジンECU300に対してエンジン始動指令が出力されているか否かを判定する(ステップS01)。そして、ステップS01においてエンジン始動指令が出力されていると判定されると、HVECU100は、図3のマップの中からMGECU200から入力されるモータ回転数MRN1に対応する要求トルクT1reqの上限値を抽出する(ステップS02)。
次に、HVECU100は、ステップS02で抽出した上限値を超えないように要求トルクT1reqを決定し、その決定した要求トルクT1reqをMGECU200へ出力する(ステップS03)。
これにより、MGECU200では、HVECU100からの要求トルクT1reqに従ってモータジェネレータMG1の駆動制御が行なわれる。このときのモータジェネレータMG1のモータ回転数MRN1は、回転数センサ30により検出され、MGECU200を介してHVECU100へフィードバックされる(ステップS04)。
さらに、HVECU100は、MGECU200から受信したロック異常判定フラグがオンに設定されているか否かを判定する(ステップS05)。ステップS05にてロック異常判定フラグがオンに設定されていなければ、HVECU100は、再びステップS01に戻り、MGECU200からフィードバックされたモータ回転数MRN1に基づいて要求トルクT1reqを更新して決定する。
一方、ステップS05においてロック異常判定フラグがオンに設定されていると判定されたときには、HVECU100は、車両の走行状態をフェイルセーフ走行に移行させる(ステップS06)。
図5は、MGECU200におけるモータジェネレータMG1の駆動制御を説明するためのフローチャートである。
図5を参照して、MGECU200において、モータ主制御部210は、HVECU100からの要求トルクT1reqの入力の有無を判定し(ステップS10)、要求トルクT1reqの入力有りと判定されたときには、その要求トルクT1reqをトルク指令値TR1に設定する(ステップS11)。
MG1制御部220は、モータ主制御部210からトルク指令値TR1を受けると、そのトルク指令値TR1から変換したモータ駆動電流の電流指令に基づいて実際のモータ駆動電流を電流指令に一致させるための電流制御を行なう(ステップS12)。これにより、モータジェネレータMG1からトルク指令値TR1に応じたモータトルクが出力される。モータ主制御部210およびMG1制御部220には、回転数センサ30からモータ回転数MRN1の検出値がフィードバックされる(ステップS13)。
ここで、モータ主制御部210は、モータ回転数MRN1を受けると、トルク指令値TR1とモータ回転数MRN1とに基づいてモータジェネレータMG1がロック異常であるか否かを判定する。
具体的には、モータ主制御部210は、モータ回転数MRN1が所定の閾値N_std以下であり、かつ、トルク指令値TR1が所定の閾値T_std以上であるか否かを判定する(ステップS14)。
ステップS14にてモータ回転数MRN1が所定の閾値N_std以下であり、かつ、トルク指令値TR1が所定の閾値T_stdであると判定されると、モータ主制御部210は、MG1ロック異常を検出する。
そして、MG1ロック異常が検出されると、モータ主制御部210は、内蔵するタイマにより計時動作が実行されているか否かを判定する(ステップS15)。このとき、計時動作が実行されていないと判定されると、モータ主制御部210は、タイマを起動して計時動作を開始する(ステップS16)。一方、ステップS15において計時動作が実行中であることに応じて、モータ主制御部210はさらに、タイマのカウント値が所定の判定閾値以上であるか否か、すなわち、所定の判定時間を経過したか否かを判定する(ステップS17)。
ステップS17にて所定の判定時間が経過していないと判定されたとき、モータ主制御部210は、ステップS10に戻り、HVECU100からの要求トルクT1reqに応じてモータ駆動制御を継続して行なうとともに、MG1ロック異常の検出を実行する。
そして、ステップS17において所定の判定時間が経過したと判定されると、モータ主制御部210は、MG1ロック異常が発生していると判断してロック異常判定フラグをオンに設定する(ステップS18)。オンに設定されたロック異常判定フラグは、HVECU100へ送信される。
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、低回転領域における要求トルクの設定可能な上限値に予め制限を設けておくことにより、MG1ロック異常の発生時において要求トルクから変換された電流指令に応答してインバータの熱負荷が増加するのを未然に防止することができる。この結果、インバータの熱的保護を確実に行なうことができる。
[実施の形態2]
ここで、図2に示す制御ブロックで説明したように、エンジン始動制御は、HVECU100が要求トルクT1reqをMGECU200へ出力する一方で、MGECU200が要求トルクT1reqに従ってモータジェネレータMG1を駆動制御し、そのときのモータ回転数MRN1をHVECU100へフィードバックすることにより行なわれる。すなわち、エンジン始動制御は、HVECU100とMGECU200との間で双方向に通信が行なわれることにより成り立っている。
ここで、図2に示す制御ブロックで説明したように、エンジン始動制御は、HVECU100が要求トルクT1reqをMGECU200へ出力する一方で、MGECU200が要求トルクT1reqに従ってモータジェネレータMG1を駆動制御し、そのときのモータ回転数MRN1をHVECU100へフィードバックすることにより行なわれる。すなわち、エンジン始動制御は、HVECU100とMGECU200との間で双方向に通信が行なわれることにより成り立っている。
しかしながら、この両者間の通信には多少なりとも一定の遅延時間が発生するため、この遅延時間の大きさによっては、エンジン始動制御に以下に述べる不具合を発生する可能性が予測される。
詳細には、図6を参照して、HVECU100は、時刻t1において、所定のエンジン起動条件が成立したことに応じてエンジン始動指令をL(論理ロー)レベルからH(論理ハイ)レベルに活性化させてエンジンECU300へ出力する。さらに、HVECU100は、モータジェネレータMG1の要求トルクT1reqを決定し、その決定した要求トルクT1reqをMGECU200に対して出力する。HVECU100は、時刻t1以降において、ラインLN11で示すように、図3のマップに基づいて、MGECU200からフィードバックされるモータ回転数MRN1に応じて要求トルクT1reqを増加させていく。
MGECU200では、時刻t1にて要求トルクT1reqが出力されると、時刻t1から所定の遅延時間Tdが経過した時刻t3において、モータ主制御部210が要求トルクT1reqを受信する。モータ主制御部210は、時刻t3において要求トルクT1reqを受けると、要求トルクT1reqをトルク指令値TR1に設定してMG1制御部220へ出力する。
このときのMG1制御部220に与えられるトルク指令値TR1は、ラインLN13に示すように、要求トルクT1reqに追従して増加する。そして、トルク指令値TR1から変換された電流指令に従ってモータ駆動電流が制御されることにより、モータ回転数MRN1は、図中のラインLN15に示すように、時刻t3以降において次第に上昇する。モータ主制御部210は、このモータ回転数MRN1の変化を、回転数センサ30を介して直接的に認識している。そして、その認識したモータ回転数MRN1(以下、MGECU認識モータ回転数MRN1_mとも称する)を、HVECU100へ送信する。
HVECU100は、時刻t3から所定の遅延時間Tdが経過した時刻t4において、MGECU認識モータ回転数MRN_mを受信する。すなわち、HVECU100が認識するモータ回転数MRN1(以下、HVECU認識モータ回転数MRN1_hとも称する)は、図中のラインLN17に示すように、時刻t4以降において上昇する波形を示すことになる。
このように、HVECU100とMGECU200との通信に所定の遅延時間Tdが存在することにより、HVECU100では、要求トルクT1reqを出力するタイミングと、要求トルクT1reqに応じて上昇したモータ回転数MRN1がフィードバックされるタイミングとに時間差が生じることとなる。そのため、時刻t1以降の制御タイミングである時刻t2において、HVECU認識モータ回転数MRN1_hは、図中の点P1で示すように略零を維持している。
したがって、HVECU100は、図3のマップの中から略零のモータ回転数MRN1に対応する許容トルクT_limを要求トルクT1reqに設定する。これにより、要求トルクT1reqは、図中のラインLN10に示すように、時刻t2以降において許容トルクT_limに制限される。
要求トルクT1reqが制限されたことを受けて、MGECU200では、トルク指令値TR1が図中のラインLN12のように許容トルクT_limに制限される。その結果、モータジェネレータMG1がトルク不足によってモータ回転数MRN1を伸ばすことができないために、MGECU認識モータ回転数MRN1_mおよびHVECU認識モータ回転数MRN1_hはそれぞれ、図中のラインLN14,LN16で示すように、所定の閾値N_std以下で停滞した波形を示すようになる。
時刻t2より後の制御タイミングである時刻t5においても、HVECU認識モータ回転数MRN1_hは、点P2に示すように依然として所定の閾値N_stdを下回るため、HVECU100は、引き続き要求トルクT1reqを許容トルクT_limに設定する。この結果、モータジェネレータMG1は、エンジンENGをクランキングさせるのに十分な回転力を供給することができず、エンジン始動不良に陥ることになる。
また、HVECU100とMGECU200との間の通信遅れは、上述したエンジン始動不良の他に、モータジェネレータMG1の出力トルクに不連続部分を発生させる要因ともなる。
詳細には、図7を参照して、時刻t1において、エンジン始動指令の出力とともに要求トルクT1reqがMGECU200へ出力されると、時刻t1から所定の遅延時間Td経過後の時刻t3において、トルク指令値TR1が増加し始める(図中のラインLN23に対応)。そして、トルク指令値TR1が増加したことに応じて、図中のラインLN25に示すように、MGECU認識モータ回転数MRN1_mが上昇し始める。これに応じて、時刻t3から所定の遅延時間Tdが経過した時刻t4において、HVECU認識モータ回転数MRN1_hも上昇を開始する(図中のラインLN27に対応)。
しかしながら、図6と同様に、時刻t2においてHVECU認識モータ回転数MRN1_hは略零に固定されているため、HVECU100は、要求トルクT1reqを図中のラインLN20で示すように、許容トルクT_limに制限する。MGECU200では、要求トルクT1reqが制限されたことを受けて、時刻t3以降において、トルク指令値TR1が許容トルクT_limに制限される。そのため、モータ回転数MRN1の上昇が抑えられる。
ここで、時刻t2以降の制御タイミングである時刻t5において、HVECU認識モータ回転数MRN1(図中の点P2に対応)が所定の閾値N_stdを超えていた場合、HVECU100は、図3のマップに基づいて要求トルクT1reqを許容トルクT_limから最大トルクT_maxに直ちに増加させる。
これにより、MGECU200では、時刻t5から所定の遅延時間Tdが経過した時刻t6において、トルク指令値TR1が急激に増加する。この急激なトルク指令値TR1の変化に応じて、モータジェネレータMG1の出力トルクには、その波形が不連続となる、いわゆる段付き部分が生じる。この段付き部分の発生は、車両の揺れとなり、運転者に多大な不快感を与えることになる。
以上に述べたように、HVECU100とMGECU200との間には通信遅れがあるため、HVECU100が自己の認識しているモータ回転数MRN1に基づいて、先の実施の形態1で述べた要求トルクT1reqの制限を行なうことにより、実際にモータ駆動制御を行なうMGECU200では、エンジン始動不良や出力トルクに段付き部分が発生するといった不具合が生じてしまう。
そこで、本実施の形態によるモータ駆動装置は、かかる通信遅れによる不具合を解消する手段として、HVECU100で行なわれていた要求トルクT1reqの制限を、MGECU200が実行する構成とする。
詳細には、図8に示すように、HVECU100が予め所有しているモータジェネレータMG1の最大トルクT_maxとモータ回転数MRN1との関係を示すマップからは、図3で述べた要求トルクT1reqの設定が禁止される領域を除外しないこととする。すなわち、HVECU100が要求トルクT1reqを決定するのに用いるマップ(以下、単に指令用マップとも称する)は、モータジェネレータMG1の本来の最大トルクT_maxとモータ回転数MRN1との関係を示したものとなる。したがって、低回転領域においても、HVECU100は、最大トルクT_maxを上限として要求トルクT1reqを決定することになる。
これに対し、MGECU200では、モータ主制御部210がモータジェネレータMG1の駆動制御に用いるマップ(以下、単に制御用マップとも称する)を、図3のように、最大トルクT_maxとモータ回転数MRN1との関係からトルク指令値TR1の設定が禁止される領域(図中の領域RGE1に相当)を除外したものとする。なお、この領域は、図3で述べたのと同様に、モータ回転数MRN1が所定の閾値N_stdよりも低く、かつ、出力トルクが許容トルクT_limを上回る領域に該当する。
このように、モータ主制御部210が所有する制御用マップに制限を設けておくことにより、モータ主制御部210は、HVECU100から入力される要求トルクT1reqに対してモータ回転数MRN1に応じた制限を課したものをトルク指令値TR1として出力する。すなわち、モータ主制御部210は、回転数センサ30から受けるモータ回転数MRN1が所定の閾値N_std以下となるとき、要求トルクT1reqが最大トルクT_maxであっても、これを許容トルクT_lim以下となるように制限してトルク指令値TR1として設定する。
図9は、本実施の形態によるエンジン始動制御を説明するためのタイミングチャートである。
図9を参照して、HVECU100は、時刻t1において、エンジン始動指令をエンジンECU300へ出力するとともに、要求トルクT1reqを決定してMGECU200へ出力する。要求トルクT1reqは、時刻t1から所定の遅延時間Tdが経過した時刻t3においてMGECU200により受信される。これにより、MGECU200では、時刻t3以降においてトルク指令値TR1が増加し始める(図中のラインLN32に対応)。そして、トルク指令値TR1の増加に応じてモータ回転数MRN1が上昇する。このとき、MGECU認識モータ回転数MRN1_mは、図中のラインLN34に示すように、時刻t3において上昇を開始する。また、HVECU認識モータ回転数MRN1_hは、図中のラインLN35に示すように、時刻t3から所定の遅延時間Tdが経過した時刻t4において上昇し始める。
HVECU100は、所定の制御タイミングt2におけるHVECU認識モータ回転数MRN1_hが略零であるときであっても、要求トルクT1reqの制限を行なわず、図中のラインLN30で示すように、要求トルクT1reqを最大トルクT_maxまで増加させる。MGECU200は、MGECU認識モータ回転数MRN1_mが正常に上昇しているときには、トルク指令値TR1を要求トルクT1reqに追従させるように最大トルクT_maxまで増加させる。この結果、モータジェネレータMG1からはエンジンENGをクランキングするのに十分な回転力が得られるため、エンジン始動不良に陥ることがない。また、トルク指令値TR1には段付き部分が生じないために、車両を振動させることなく、滑らかにエンジンENGを始動させることができる。
一方、MGECU認識モータ回転数MRN1_mが、図中のラインLN33で示すように略零に固定されているときには、モータ主制御部210は、所定の制御タイミングt8においてMGECU認識モータ回転数MRN1_m(図中の点P3に対応)が所定の閾値N_std以下であることに応じて、トルク指令値TR1を許容トルクT_limに制限する。これにより、トルク指令値TR1は、図中のラインLN31で示すように、時刻t8以降において許容トルクT_limに固定される。この結果、モータジェネレータMG1がロック異常のときに、インバータ10の特定のスイッチング素子を通過する電流が増大するのが抑えられる。
かかるトルク指令値TR1の制限に並行して、モータ主制御部210は、時刻t7にてトルク指令値TR1が所定の閾値T_stdであり、かつ、モータ回転数MRN1が所定の閾値N_std以下であると判定されると、MG1ロック異常を検出する。そして、モータ主制御部210は、MG1ロック異常が所定の判定時間TL以上、連続的に検出されたことに応じて、MG1ロック異常が発生していると判断し、時刻t9においてロック異常判定フラグをオンに設定する。オンに設定されたロック異常判定フラグは、HVECU100へ送信される。
HVECU100は、時刻t9から所定の遅延時間Tdが経過した時刻t10においてロック異常判定フラグを受信すると、エンジン始動指令の出力を停止するとともに、要求トルクT1reqを略零に低下させてエンジンENGおよびモータジェネレータMG1を停止状態とする。そして、HVECU100は、車両の走行状態をフェイルセーフ走行に移行する。
図10は、この発明の実施の形態2に係るMGECU200におけるモータ駆動制御を説明するためのフローチャートである。なお、図10のフローチャートは、図5のフローチャートにおけるステップS11を、ステップS101,S102に変更したものである。よって、共通するステップについての詳細な説明は繰り返さない。
また、図示は省略するが、HVECU100は、モータジェネレータMG1の最大トルクT_maxとモータ回転数MRN1との関係を示す指令用マップからHVECU認識モータ回転数MRN1_hに応じた要求トルクT1reqの上限値を設定し、その設定した上限値を超えないように要求トルクT1reqを決定してMGECU200へ出力する。
図10を参照して、MGECU200において、モータ主制御部210は、HVECU100からの要求トルクT1reqの入力の有無を判定し(ステップS10)、要求トルクT1reqの入力有りと判定されたときには、回転数センサ30によりモータ回転数MRN1を検出する(ステップS101)。そして、モータ主制御部210は、制御用マップに基づいて要求トルクT1reqにモータ回転数MRN1に応じた制限を課したものをトルク指令値TR1に設定してMG1制御部220へ出力する(ステップS102)。
MG1制御部220は、モータ主制御部210からトルク指令値TR1を受けると、そのトルク指令値TR1から変換したモータ駆動電流の電流指令に基づいて実際のモータ駆動電流を電流指令に一致させるための電流制御を行なう(ステップS12)。
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、要求トルクを出力するHVECUとモータ駆動制御を行なうMGECUとの間に通信遅れがある場合においても、MGECUが低回転領域におけるトルク指令値の設定可能な上限値に予め制限を設けておくことにより、インバータの熱負荷の増加を未然に防止できるとともに、エンジン始動不良やトルクの段付き部分の発生を回避することが可能となる。
なお、本実施の形態では、発電機であるモータジェネレータMG1をスタータとして使用する構成について説明したが、これに限らず、本願発明は、エンジン始動専用のスタータモータを設ける構成についても適用することが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、モータ駆動装置およびそれを用いたハイブリッド自動車に適用することができる。
10 インバータ、20 バッテリ、30,40 回転数センサ、50 減速機、60 トランスアクスル、70,80 車輪、210 モータ主制御部、220 MG1制御部、100 HVECU、200 MGECU、300 エンジンECU、400 バッテリECU、MG1,MG2 モータジェネレータ、PSD 動力分割機構。
Claims (5)
- 内燃機関を始動するためのモータと、
前記モータを駆動制御する駆動回路と、
前記モータの回転数を検出する回転数センサと、
前記モータが要求トルクを出力するように前記駆動回路を制御するための制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記内燃機関の始動指令に応答して、前記回転数の検出値に基づいて前記モータの出力可能な最大トルクを上限値として前記要求トルクを決定する要求トルク決定手段と、
前記モータの出力トルクが前記要求トルクに一致するように前記駆動回路を流れる駆動電流を制御するモータ制御手段と、
前記回転数の検出値が所定の閾値以下のとき、前記上限値を前記最大トルクよりも小さい所定の許容トルクに制限して前記要求トルクを決定する要求トルク制限手段とを含む、モータ駆動装置。 - 前記要求トルク制限手段は、前記許容トルクを、前記駆動電流が所定の許容値以下となり、かつ、前記内燃機関が正常であるときに前記内燃機関を始動するのに必要な駆動力を確保可能なトルクに設定する、請求項1に記載のモータ駆動装置。
- 前記制御手段は、
前記要求トルク決定手段を実行可能に設けられた第1の制御装置と、
前記要求トルク制限手段と前記モータ制御手段とを実行可能に設けられた第2の制御装置と、
前記第1の制御装置と前記第2の制御装置との間で通信可能に設けられた通信手段とを含む、請求項2に記載のモータ駆動装置。 - 前記要求トルク決定手段は、前記回転数と前記最大トルクとの関係を示す第1のマップを予め有し、前記第1のマップの中から、前記回転数の検出値に対応する前記最大トルクを前記上限値として抽出し、
前記要求トルク制限手段は、前記回転数と前記最大トルクとの関係のうち、前記回転数が前記所定の閾値以下のときの前記最大トルクが前記許容トルクに置換されたものを第2のマップとして予め有し、前記第2のマップの中から、前記回転数の検出値に対応する前記最大トルクまたは前記許容トルクを前記上限値として抽出する、請求項3に記載のモータ駆動装置。 - モータ制御手段は、前記要求トルクが所定値以上となり、かつ、前記回転数の検出値が所定値以下となる状態が所定の期間継続したことに応じて、前記モータがロック異常であると判定する判定手段を含み、
前記判定手段は、前記ロック異常の判定結果を、前記通信手段を介して前記要求トルク決定手段に出力し、
前記要求トルク決定手段は、前記ロック異常の判定結果に応じて前記モータを停止状態とする、請求項4に記載のモータ駆動装置。
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